JP2846508B2 - 光起電力素子 - Google Patents

光起電力素子

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JP2846508B2 JP3158812A JP15881291A JP2846508B2 JP 2846508 B2 JP2846508 B2 JP 2846508B2 JP 3158812 A JP3158812 A JP 3158812A JP 15881291 A JP15881291 A JP 15881291A JP 2846508 B2 JP2846508 B2 JP 2846508B2
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transparent conductive
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光を電気エネルギ変換す
る光起電力素子に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、石油などの化石エネルギー
や原子エネルギーに代わるクリーンなエネルギーとして
期待されている。
【0003】太陽電池を電力用のエネルギー源として実
用化するために解決すべき問題点の最たるものは、製造
コストの低減である。
【0004】太陽電池を材料別に大別すると、単結晶を
用いるものと、多結晶を用いるものと、非晶質を用いる
ものと、化合物の薄膜を用いるものに分けられる。その
うち、非晶質や化合物の薄膜を用いる太陽電池は、製造
コストを大幅に低減できる可能性の高い材料として、盛
んに開発されている。
【0005】製造コストを考える場合、単位電力当たり
で計算すべきであるから、製造プロセスのコストを低減
すること以外に、太陽電池の光電変換効率を向上させる
ことも重要である。
【0006】光電変換効率を向上させる手段の一つに、
太陽電池の光入射側と反対側に、Ag、Al、Cu、A
uなどの、高い反射率を有する金属膜による反射層を形
成する技術が知られている。この技術は、キャリアを生
成する半導体層を透過した光を反射層で反射してやるこ
とによって、再び半導体層で吸収させて出力電流を増大
させ、光電変換効率を向上させようとしたものである。
【0007】しかしながら、裏面電極としてAg、A
l、Cu、Auなどの、高い反射率を有する金属膜を用
いた場合、光入射側の電極と導通して短絡(シャント)
を起こしやすいという問題があった。これは、Ag、A
l、Cu、Auなどの、高い反射率を有する金属が、半
導体層中に拡散しやすいためと思われる。
【0008】この問題は、半導体層を透過してきた光を
散乱させて、吸収係数の小さい長波長光の光路長を増大
せしめるために、裏面電極を凹凸のある粗面として形成
した場合特に顕著であった。
【0009】一方、裏面電極と半導体層の間に透明導電
層を介在させることにより基板表面性を向上させる方法
が、特公昭59−43101号公報及び特公昭60−4
1878号公報において開示されている。これらの公報
では、裏面電極と半導体層の間に透明導電層を介在させ
る効果として、裏面電極の平坦性の向上、あるいは半導
体層の密着性の向上、あるいは裏面電極の金属と半導体
層の合金化の防止などがあげられている。
【0010】また、特開昭60−84888号公報に
は、裏面電極と半導体層の間にバリヤ層として透明導電
層を介在させることのよって、半導体層の欠陥領域中を
流れる電流を減少させる技術が開発されている。
【0011】さらに、原理ははっきりしていないが、裏
面電極と半導体層の間に透明導電層を介在させることに
よって、太陽電池のスペクトル感度において、長波長領
域の感度が増大することが報告されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような、裏面電極と半導体層の間に透明導電層を介在
させた従来の技術では以下のような問題点が残されてい
る。
【0013】すなわち、裏面電極と半導体層の間に介在
させる透明導電層は、半導体層が吸収できる波長の光に
対する透過率が高く、かつ、導電率が高いことが要求さ
れるが、例えば透明導電層として好適に用いられる導電
性酸化膜は、導電率を上げようとすると光の透過率が下
がってしまうという性質があり、また、裏面電極とし
て、高い反射率を有する金属を用いた場合のメリットを
生かそうとして透過率を優先した場合に、導電率を十分
に上げられず太陽電池の直列抵抗の増大となって、期待
したほどの光電変換効率の上昇が得られない。
【0014】さらに、透明導電層の作製条件によって
は、裏面電極の反射率を損なう。
【0015】また、透明導電層として好適に用いられる
導電性酸化膜はn型のものが多く、透明導電層と半導体
層の組み合わせによっては、それらの界面にバリヤがで
きる。
【0016】本発明は、上述した従来の技術が有する問
題点に鑑みてなされたもので、裏面電極の高い反射率を
維持し、光起電力素子の長波長感度を増大させ、なおか
つ、透明導電層の導電率を上げ、透明電極層と半導体層
との界面のバリヤを無くして、直列抵抗を減少させるこ
とにより、光電変換効率の高い光起電力素子を提供する
ことを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するた
めに本発明者は、鋭意研究した結果以下の構成の光起電
力素子によって目的を達成した。
【0018】すなわち、光入射面の反対側に形成された
光反射性の裏面電極と、一導電型を示す半導体層との間
に、複数の元素の化合物からなる透明導電層を有する光
起電力素子において、前記透明導電層を形成する化合物
は導電性酸化物であり、該導電性酸化物の酸素の組成比
が膜厚方向において連続的に変化する領域を含むことを
特徴とする光起電力素子である。
【0019】
【0020】ここで、前記導電性酸化物の酸素の組成比
の変化のさせ方としてはさまざまなパターンが考えられ
るが、以下のようなパターンに顕著な効果が見出され
た。
【0021】すなわち、前記導電性酸化物の酸素の組成
比を、前記半導体層との界面近傍において低下させたこ
とによって、前記導電性酸化物と前記半導体層との界面
にバリヤーが形成されることがなくなり、光起電力素子
の直列抵抗が減少して光電変換効率が上昇した。
【0022】また、前記導電性酸化物の酸素の組成比
を、前記裏面電極との界面近傍において低下させたこと
によって、前記裏面電極を構成する金属の拡散が減少
し、光起電力素子の短絡が減少し光起電力素子の製造の
歩留まりが向上し、また前記裏面電極を構成する金属の
拡散によって前記裏面電極との界面近傍の前記導電性酸
化物が高抵抗化することがなくなり、光起電力素子の直
列抵抗が減少して光電変換効率が上昇した。
【0023】また、前記導電性酸化物の酸素の組成比
を、前記半導体層との界面から前記裏面電極との界面に
近づくにつれて、少なくともある膜厚の範囲にわたって
単調に増大させることによって、光起電力素子の長波長
感度が増大し、短絡電流が増大して光電変換効率が上昇
した。
【0024】これは、前記導電性酸化物の酸素の組成比
を前記裏面電極との界面に近づくにつれて単調に増大さ
せることによって、前記導電性酸化物の屈折率が前記裏
面電極との界面に近づくにつれて単調に減少し、透明導
電層と半導体層の界面での反射が減少して、半導体層へ
の長波長光の入射が増大したものと考えられる。
【0025】また、以上のパターンのいくつかを組み合
わせたものによっても顕著な効果が見いだされた。
【0026】本発明において、透明導電層として好適に
用いられる導電性酸化物の例としては、ZnO、SnO
2 、In23 、ITO(In23 +SnO2 )、T
iO 2 、CdO、Cd2 SnO4 等が好適に用いられ
る。
【0027】透明導電層の成膜方法としては、蒸着法、
スパッタ法、CVD法、スプレー法、スピンオン法、デ
ップ法等が好適に用いられる。
【0028】これらの成膜法を用いて、前記導電性酸化
物の酸素の組成比を前記透明導電層の膜厚方向で変化さ
せるには、以下のような方法が用いられる。すなわち、
蒸着法、スパッタ法、CVD法等の場合には、成膜中に
導入するO2 あるいはその他の酸化ガスの流量や分圧を
時間と共に変化させることによってなされ、また、スプ
レー法、スピンオン法、デップ法等の場合には、酸素の
組成比の異なる層に分けて成膜することによってなされ
る。
【0029】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0030】図1は、本発明の光起電力素子の一実施例
を示す断面図である。
【0031】本実施例の光起電力素子は、導電性材料あ
るいは絶縁性材料からなる基板101上に、裏面電極層
102、透明導電層103、n型半導体層104、真性
半導体層(i型半導体層)105、p型半導体層106
および透明電極層107を順に積層した層構造を有する
ものであり、光入射面となる最上層の透明電極層107
上に、入射光を遮らないような枝状の集電電極108を
形成した構成となっている。
【0032】基板101は、素子の支持体となるもので
あり、材料としては、上述したように、導電性材料ある
いは絶縁性材料のいずれかを用いることができる。導電
性材料としては、モリブデン、タングステン、チタン、
コバルト、クロム、ニッケル、鉄、銅、タンタル、ニオ
ブ、ジルコニウム、アルミニウム金属またはそれらの合
金での板状体、フィルム体が挙げられる。なかでもステ
ンレス鋼、ニッケルクロム合金及びニッケル、タンタ
ル、ニオブ、ジルコニウム、チタン金属及び/または合
金は、耐蝕性の点から特に好ましい。また、絶縁性材料
としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネ
ート、セルローズアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリア
ミド等の合成樹脂のフィルムまたはシート、あるいはガ
ラス、セラミック等の板状体を用いることもできる。さ
らに、導電性材料に絶縁性材料をコーティングしたもの
を用いることもできる。
【0033】裏面電極102の材料としては、金、銀、
銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、モリブデ
ン、タングステン、チタン、コバルト、タンタル、ニオ
ブ、ジルコニウム等の金属またはステンレス等の合金が
挙げられる。なかでもアルミニウム、銅、銀、金などの
反射率の高い金属が特に好ましい。また、その形状は、
表面が平坦であっても良いが、光を散乱する凹凸形状を
有することがより好ましい。裏面電極102を凹凸形状
にして、その上層に積層された半導体層の吸収しきれな
かった長波長光を散乱させて該半導体層内での光路長を
延ばすことで、光起電力素子の長波長感度が向上して短
絡電流が増大するので、光変換効率を向上させることが
できる。光を散乱する凹凸形状は、凹凸の山と谷の高さ
の差がRmaxで0.2μmから2.0μmであること
が望ましい。
【0034】透明導電層103の材料としては前述した
ようにZnO、SnO2 、In2 3 、ITO(In2
3 +SnO2 )、TiO2 、CdO、Cd2 SnO4
等の導電性酸化物が好適に用いられる。
【0035】前記透明導電層103の上層に積層される
半導体層としては、アモルファスシリコン(a−S
i)、アモルファスシリコンゲルマニウム(a−SiG
e)、アモルファスシリコンカーバイト(a−SiC)
等の非晶質半導体、あるいは多結晶シリコン、あるいは
CdS、CdTe等のII−VI族半導体、あるいはCuI
nSe2 等のI−III −VI2族の化合物半導体を用いた
ものが挙げられる。この半導体層は、少なくとも一部を
p型あるいはn型にドーピングしたpn接合またはpi
n接合を少なくとも一組有するものが用いられる。
【0036】本実施例では、上述したように、n型半導
体層104と真性半導体層105とp型半導体層106
とでpin接合を形成し、その上層の透明電極層107
を透過して入射した光により光起電力を生じる。
【0037】透明電極層107は、光入射側の電極であ
るとともに、その膜厚を最適化することによって反射防
止膜としての役割を兼ねる。この透明電極層107は前
記半導体層の吸収可能な波長領域において高い透過率を
有することと抵抗率が低いことが要求される。その材料
としては前述した透明導電層103と同様なものが用い
られる。
【0038】集電電極108は、透明電極層107の抵
抗率が充分低くできない場合に必要に応じて透明電極層
107上の一部分に形成され、該透明電極層107の抵
抗率を下げ光起電力素子の直列抵抗を下げる働きをす
る。その材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニ
ッケル、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、チタ
ン、コバルト、タンタル、ニオブ、ジルコニウム等の金
属、またはステンレス等の合金、あるいは粉末状金属を
用いた導電ペーストなどが挙げられる。そしてその形状
は、できるだけ前記半導体層への入射光を遮らないよう
に、例えば図2に示すように枝状に形成される。
【0039】図2は本実施例の光起電力素子の光入射面
の一例を示す断面図である。
【0040】図2に示す光入射面201は前記透明電極
層107の表面であり、該光入射面201に前記集電電
極108を7本平行に形成したものである。また、それ
らの集電電極108は、該集電電極108のさらなる収
集電極で、かつ外部装置との接続端子となる2本の取出
し電極202それぞれに接続された構成となっている。
【0041】つづいて、前述した光起電力素子の製造方
法について述べる。
【0042】まず、支持体となる基板101上に裏面電
極102を形成する。ただし、基板101が裏面電極を
兼ねる場合には、裏面電極102の形成は必要としない
場合もある。
【0043】裏面電極102の形成には、蒸着法、スパ
ッタ法、メッキ法、印刷法などが用いられる。また、裏
面電極102を、光の散乱による凹凸形状に形成する場
合には、該裏面電極102として形成した金属あるいは
合金の膜を、ドライエッチングか、ウェットエッチング
か、サイドプラストか、あるいは加熱すること等によっ
て形成することができる。また、基板101を加熱しな
がら前述の金属あるいは合金を蒸着することにより光を
散乱する凹凸形状を形成することもできる。
【0044】次に、透明導電層103を前述の方法(例
えば、蒸着法、スパッタ法、CVD法、スプレー法、ス
ピンオン法、デップ法)によって形成する。
【0045】つづいて、pn接合あるいはpin接合を
少なくとも一つ有する半導体層の形成する。この半導体
層は、非晶質半導体あるいは多結晶Siの場合、プラズ
マCVD法、光CVD法、熱CVD法などの各種CVD
法によって、II−VI族、あるいはI−III −VI2 族の化
合物半導体の場合は蒸着法、スパッタ法、スプレー法、
印刷法などによって形成することができる。
【0046】次に、透明電極層107を前記透明導電層
103と同様の方法で形成する。
【0047】最後に、集電電極108を前記裏面電極1
02と同様の方法で、前記半導体層への入射光をできる
だけ遮らないようなパターンで形成する。
【0048】また、本実施例の光起電力素子を用いて太
陽電池モジュールを製造する場合には、所望の面積に形
成された複数の光起電力素子を、所望の出力電圧で得ら
れるように直列接続し、出力の取出し電極を形成して、
光起電力素子の両面に保護層を形成する。
【0049】次に、上述した光起電力素子について具体
的に作製した例を示す。 (具体例1)まず、基板101として、表面がRmax
0.1μm以下で、厚さ1.0mm、10cm角の無アルカ
リガラスで洗浄し、その基板101上に、裏面電極層1
02として、電子ビーム蒸着法によってAlを平均0.
4μm厚に形成した。
【0050】次に、図3に示すようなDCマグネトロン
スパッタ装置により、透明導電層103として酸化亜鉛
(ZnO)を0.5μm厚に形成した。
【0051】図3において、301は真空容器であり、
この真空容器301の内部上面に、絶縁性を有する支持
体302にて加熱板303が支持されている。加熱板3
03にはヒーター306と熱電対304が埋設されてい
るとともに、下部表面に伝熱板307が取付けられてお
り、温度コントローラ305によって所定の温度に制御
される。前記基板101は、前記伝熱板307に基板押
え308にて支持される。スパッタ用のターゲット30
9は、前記加熱板303に対向して設置されているター
ゲット台311上に固定され、周囲にターゲットカバー
310が設置される。このターゲット台311の裏面に
は、プラズマ空間321に磁場を形成するための複数の
マグネット312が備えられている。また、前記ターゲ
ット309は、スパッタ中加熱されるため、該ターゲッ
ト309を冷却する冷却水が冷却水導入パイプ313を
通してターゲット309の裏面に導入される。導入され
た冷却水はターゲット309を冷却した後、冷却水排出
パイプ(不図示)より排出される。
【0052】前記ターゲット309は、酸化亜鉛のパウ
ダーに亜鉛を混合して燒結したものである。また金属亜
鉛からなるターゲットを用いることもできる。このター
ゲット309にはターゲット台311を介してスパッタ
電源314よりDC電圧が印加され、そのとき供給され
るDC電流は、好ましくは0.01A以上、更に好まし
くは0.1A以上に設定される。本発明者の実験によれ
ば、スパッタ時に供給する電流は大きい方が、製作され
る酸化亜鉛層による光の吸収が少なく、光起電力素子の
光電変換効率、とりわけ発生電流が大きくなるようであ
る。このことはRF型スパッタ法を用いて該酸化亜鉛層
の形成を行なった場合でも同様であり、RF電力を大き
くして製作した光起電力素子はRF電力がより小さい場
合光起電力素子よりも発生電流の点で有利であった。
【0053】スパッタガスはマスフローコントローラ3
17もしくは318を介してアルゴンガス及び酸素ガス
が各々供給される。もちろん、該スパッタガスに他のガ
ス、例えばSiF4 やNF3 ガス等を混合することによ
って、形成される酸化亜鉛層に弗素のドーピングを重ね
て行なうことも可能である。該アルゴンガスの流量は、
好ましくは1sccm乃至1slm、該酸素ガスの流量
は、好ましくは0.1sccm乃至100sccmとさ
れる。
【0054】また、真空容器301に取付けられた真空
計320にて真空計センサ部319を介して内部圧力が
モニターできる。真空容器301全体は不図示の排気系
へ接続されたメインバルブ322を介して真空状態とさ
れる。スパッタを開始する前のバックグランドの内部圧
力は好ましくは10-4Torr以下、更に好ましくは1
-5Torr以下とされ、スパッタ中の内部圧力は、1
mTorr以上1Torr以下とされる。なお、図3に
示す高周波電源316は、スパッタ膜の基板への密着性
を高めるために、スパッタ膜成膜以前に、前記基板表面
を粗くするためのものであり、スイッチ315によって
高周波入力の入・切が行なわれる。
【0055】以上示した条件を保って酸化亜鉛層の形成
を開始し、該酸化亜鉛層の層厚が所望の値に達した後、
スパッタ電源314からの電力の供給、スパッタガスの
供給を適宜停止し、適宜基板101を冷却した後、真空
容器301内を大気リークして酸化亜鉛層の形成した基
板101を取り出す。
【0056】ここで、前記酸化亜鉛層の成膜中に導入す
るO2 ガスの流量を、図4に示すように、時間とともに
変化させることによって、酸化亜鉛(ZnO)の酸素の
組成比を膜厚方向に図5に示すように変化させた。Zn
Oの酸素の組成比の膜厚方向の分布は、ZnOのスパッ
タエッチングとオージェ電子分光による測定を繰返すこ
とによって求めた。
【0057】このようにして透明電極層103を形成し
た後、13.56MHzのRF高周波を電極に印加して
原料ガスを、減圧下でプラズマ状態にして分解する、い
わゆるグローディスチャージ法(GD法)によって、前
述の各半導体層を形成した。
【0058】この半導体層の形成について説明する。
【0059】まず、基板101を300℃に加熱しなが
ら、H2 で希釈した、モノシラン(SiH4 )とフォス
フィン(PH3 )を分解して、n型半導体層104とし
てn型a−Si層を前記基板101の透明導電層103
上に20nm厚に形成した。
【0060】次に、基板101を250℃に加熱しなが
ら、H2 で希釈した、モノシラン(SiH4 )を分解し
て、真性半導体層105として真性a−Si層を前記n
型a−Si層上に400nm厚に形成した。
【0061】つづいて、基板101を200℃に加熱し
ながら、H2 で希釈した、モノシラン(SiH4 )と3
ふっ化ボロン(BF3 )を分解して、p型半導体層10
6としてp型の微結晶シリコン層を5nm厚に形成し
た。
【0062】このようにしてpin半導体層を形成した
後、抵抗加熱蒸着法により、基板101を170℃に加
熱しながら、ITOを70nm厚に蒸着して透明電極層
107を形成した。
【0063】次に、電子ビーム蒸着法により、マスクを
用いて、前述の図2に示したようなパターンにAlを蒸
着して集電電極108を形成した。
【0064】以上の工程で10cm角のいわゆる単層型
a−Si太陽電池を10個作製した。
【0065】また、シャント抵抗が1cm2 あたり1k
Ω以上の太陽電池を、25℃で、ソーラーシミュレータ
ーによって、AM1.5、100mw/cm2 の疑似太
陽光を照射して、開放電圧(Voc)、短絡電流(Js
c)、フィルファクター(FF)、光電変換効率
(η)、直列抵抗(Rse)、シャント抵抗(Rsh)
等の太陽電池特性を測定し、平均値を求めた。 (比較例1)前述した具体例1に対する比較例として透
明導電層103であるZnOの酸素の組成比を一定にし
て、それ以外は具体例1と全く同様に、10cm角のい
わゆる単層型a−Si太陽電池を10個作製した。そし
て、具体例1と同様な太陽電池特性を測定して平均値を
求めた。
【0066】ここで、前述の具体例1および比較例1で
測定した太陽電池特性の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】 表1から明らかなように、本発明の透明導電層103を
用いた太陽電池によって、直列抵抗が小さくなり、開放
電圧(Voc)とフィルファクター(FF)が向上し、
光電変換効率(η)が向上した。
【0068】これは、ZnOの酸素の組成比を膜厚方向
に前述の図5のように変化させることによって、欠陥性
のn型半導体であるZnOが、n型半導体層(n型a−
Si層)104との界面付近で、低抵抗のn型となり、
透明導電層103と前記n型a−Si層との界面にバリ
ヤーが形成されないかあるいはトンネル可能となって、
直列抵抗が小さくなったものと考えられる。 (具体例2)まず、基板101として、表面がRmax
0.1μm以下で、厚さ0.7mm、10cm角のSUS3
04のステンレス基板を洗浄し、その基板101上に裏
面電極層102としてRFスパッタ法によってAgを平
均0.4μm厚に形成した。このとき基板101を38
0℃に加熱しながらスパッタリングを行なうことによ
り、Rmaxで0.6μmの、光を散乱する凹凸形状を
作製した。
【0069】次に、13.56MHzの高周波を用いた
RFマグネトロンスパッタ装置により、透明導電層10
3として酸化亜鉛(ZnO)を0.5μm厚に形成し
た。
【0070】ここで、成膜中に導入するO2 ガスの流量
を図6に示すように時間とともに変化させることによっ
て、ZnOの酸素の組成比を膜厚方向に図7に示すよう
に変化させた。
【0071】この後、13.56MHzのRF高周波を
電極に印加して原料ガスを減圧下でプラズマ状態にして
分解するいわゆるグローディスチャージ法(GD法)に
よって、以下の各半導体層を形成した。
【0072】この半導体層の形成について説明する。
【0073】まず、基板101を300℃に加熱しなが
ら、H2 で希釈した、モノシラン(SiH4 )とフォス
フィン(PH3 )を分解して、n型半導体層104とし
てn型a−Si層を前記基板101の透明導電層103
上に20nm厚に形成した。
【0074】次に、基板101を280℃に加熱しなが
ら、H2 で希釈した、モノシラン(SiH4 )とゲルマ
ン(GeH4)を分解して、真性半導体層105として
真性a−SiGe層を前記n型a−Si層上に250n
m厚に形成した。この時、n層との界面近傍およびp層
との界面近傍にはいわゆるバッファー層を形成した。つ
づいて、基板101を200℃に加熱しながら、H2
希釈した、モノシラン(SiH4 )と3ふっ化ボロン
(BF3 )を分解して、p型半導体層106としてp型
の微結晶シリコン層を5nm厚に形成した。
【0075】このようにしてpin半導体層を形成した
後、抵抗加熱蒸着法により、基板101を170℃に加
熱しながら、ITOを70nm厚に蒸着し、透明電極層
107を形成した。
【0076】次に、電子ビーム蒸着法により、マスクを
用いて、前述の図2に示したようなパターンに、Alを
蒸着して集電電極108を形成した。
【0077】以上の工程で10cm角のいわゆる単層型
a−SiGe太陽電池を10個作製した。
【0078】また、シャント抵抗が1cm2 あたり1k
Ω以上の太陽電池を、25℃で、ソーラーシミュレータ
ーによって、AM1.5、100mw/cm2 の疑似太
陽光を照射して、開放電圧(Voc)、短絡電流(Js
c)、フィルファクター(FF)、光電変換効率
(η)、直列抵抗(Rse)、シャント抵抗(Rsh)
等の太陽電池特性を測定し、平均値を求めた。 (比較例2)前述した具体例2に対する比較例として透
明導電層103であるZnOの酸素の組成比を一定にし
て、それ以外は具体例2と全く同様に、10cm角のい
わゆる単層型a−SiGe太陽電池を10個作製した。
そして、具体例2と同様な太陽電池特性を測定して平均
値を求めた。
【0079】ここで、前述の具体例2および比較例2で
測定した太陽電池特性の結果を表2に示す。
【0080】
【表2】 表2から明らかなように、本発明の透明導電層103を
用いた太陽電池によって、直列抵抗が小さくなり、フィ
ルファクター(FF)が向上し、光電変換効率(η)が
向上した。これは、比較例2の場合には、Cuあるいは
Agが欠陥性のn型半導体であるZnOに拡散した場合
に、アクセプターと成りうることから、Agとの界面近
傍においてZnOが高抵抗化し、太陽電池の直列抵抗を
増大させている恐れがあるのに対し、本発明のごとく、
ZnOの酸素の組成比を膜厚方向に図7のように変化さ
せることによって、過剰のZnによって、Agとの界面
近傍におけるZnOが低抵抗化し、上述のようなZnO
の高抵抗化が起こらず、太陽電池の直列抵抗が減少した
ものと考えられる。
【0081】次に、本発明の第2実施例について図8を
参照して説明する。
【0082】図8は、本実施例の光起電力素子を示す断
面図である。
【0083】本実施例の光起電力素子は、第1n型半導
体層804、第1真性半導体層805および第1p型半
導体層806からなる第1セル部と、第2n型半導体層
807、第2真性半導体層808および第2p型半導体
層809からなる第2セル部との、二つのpin接合を
積層した層構造を有するスタック型の素子である。
【0084】以下に、本実施例の光起電力素子を具体的
に作製した例を示す。 (具体例3)まず、表面がRmax0.1μm以下で、
厚さ0.15mm、幅32cm、長さ15mの、シート状
のステンレス基板(基板801)を洗浄し、送り出し用
のロールと巻き取り用のロールの間で連続的に基板を移
動させながら処理を行なういわゆるロールツーロール法
によって以下の処理を行なった。
【0085】まず、裏面電極層802としてRFスパッ
タ法によってAgを平均0.4μm厚に形成した。この
とき基板801を380℃に加熱しながらスパッタリン
グを行なうことにより、Rmaxで0.6μmの、光を
散乱する凹凸形状を作製した。
【0086】次に、MOCVD法により、チャンバー内
で、基板801を180℃に加熱しながら、ジエチル亜
鉛(DEZ)とH2 Oを気化して導入して混合し、透明
導電層803としてZnOを0.3μm厚に形成した。
【0087】ここで、成膜中に導入するH2 Oガスの流
量を図9にのように時間とともに変化させることによっ
て、ZnOの酸素の組成比を膜厚方向に図10のように
変化させた。
【0088】次に、グローディスチャージ法(GD法)
によって、前述の各半導体層を形成した。
【0089】この半導体層の形成について説明する。
【0090】まず、基板801を300℃に加熱しなが
ら第1n型半導体層804としてn型a−Si層を20
nm厚に形成した。
【0091】次に、基板801を280℃に加熱しなが
ら、第1真性半導体層805として真性a−SiGe層
を、前記n型a−Si層上に250nm厚に形成した。
このとき同じ成膜条件でガラス基板上に真性a−SiG
eを1μm堆積して評価したところ、光学的バンドギャ
ップ(Eg)が1.48eVであった。
【0092】また真性a−SiGe層は下層のn層と上
層に成膜するp層の近傍30nmずつをa−SiGeか
らa−Siに連続的に組成の変化する、いわゆるバッフ
ァー層を設けてある。
【0093】次に、基板801を260℃に加熱しなが
ら、第1p型半導体層806としてp型の微結晶シリコ
ン層を5nm厚に形成した。
【0094】つづいて、基板801を240℃に加熱し
ながら、第2n型半導体層807としてn型a−Si層
を20nm厚に形成した。
【0095】次に、基板801を240℃に加熱しなが
ら、第2真性半導体層808として真性a−Si層を前
記第2n型半導体層807のn型a−Si層上に220
nm厚に形成した。
【0096】つづいて、基板801を200℃に加熱し
ながら、第2p型半導体層809としてp型の微結晶シ
リコン層5をnm厚に形成した。
【0097】このようにして第1セル部821および第
2セル部822を形成した後、抵抗加熱蒸着により、基
板801を170℃に加熱しながら、ITOを70nm
厚に蒸着し、透明電極層810を形成した。
【0098】次に、エッチングにより素子を10cm角
に分離し、エッチングライン沿って切断した。
【0099】その後、電子ビーム蒸着法により、前述の
図2に示したようなパターンに、Alを蒸着して集電電
極811を形成した。
【0100】以上の工程で10cm角のいわゆるSi−
SiGe2層スタック型太陽電池を300個作製した。
【0101】また、シャント抵抗が1cm2 あたり1k
Ω以上の太陽電池を、25℃で、ソーラーシミュレータ
ーによって、AM1.5、100mw/cm2 の疑似太
陽光を照射して、開放電圧(Voc)、短絡電流(Js
c)、フィルファクター(FF)、光電変換効率
(η)、直列抵抗(Rse)、シャント抵抗(Rsh)
等の太陽電池特性を測定し、平均値を求めた。 (比較例3)前述した具体例3に対する比較例として、
透明導電層803であるZnOの酸素の組成比を一定に
して、それ以外は具体例3と全く同様に、10cm角の
いわゆるSi−SiGe2層スタック型太陽電池を30
0個作製した。そして、具体例3と同様な太陽電池特性
を測定して平均値を求めた。
【0102】ここで、前述の具体例3および比較例3で
測定した太陽電池特性の結果を表3に示す。
【0103】
【表3】 表3から明らかなように、本発明の透明導電層803を
用いた太陽電池によって、直列抵抗が小さくなり、開放
電圧(Voc)、短絡電流(Jsc)、フィルファクタ
ー(FF)がそれぞれ向上し、光電変換効率(η)が向
上した。
【0104】これは、前述した具体例1および具体例2
の効果に加えて、ZnOの酸素の組成比を、第1n型半
導体層(n型a−Si層)804から裏面電極層802
に向かうにつれて、界面付近をのぞいて単調に増加する
ことにより、第1n型半導体層(n型a−Si層)80
4と透明導電層803の界面での光の反射が減少し、長
波長光の散乱による光閉じこめ効果が増大したものと考
えられる。
【0105】次に、本発明の第3実施例について図11
を参照して説明する。
【0106】図11は、本実施例の光起電力素子を示す
断面図である。
【0107】本実施例の光起電力素子は、p型半導体層
1104とn型半導体層1105とによってpn接合を
成す層構造を有する素子である。
【0108】以下に、本実施例の光起電力素子を具体的
に作製した例を示す。 (具体例4)まず、基板1101として、表面がRma
xで0.1μm以下で、厚さ0.7mm、10cm角のS
US304のステンレス基板を洗浄し、図3に示したD
Cマグネトロンスパッタ装置によって裏面電極層110
2としてCuを平均0.4μm厚に形成した。次に、基
板1101を200℃に加熱しながら、該基板1101
側にRF高周波を印加してArガスのプラズマを起こ
し、基板1101をスパッタすることによって、Rma
xで0.6μmの、光を散乱する凹凸形状を作製した。
【0109】つづいて、電子ビーム蒸着装置とRF高周
波を印加する誘導コイルを備えたイオンプレーティング
装置により、基板1101の温度を350℃に保ちつ
つ、O 2 ガスを導入して、SnO2 を蒸着して、透明導
電層1103を0.5μm厚に形成した。
【0110】ここで、成膜中に導入するO2 ガスの流量
を図12のように時間とともに変化させることによっ
て、SnO2 のSnのオージェピークが図13のように
変化した。これは透明導電層(SnO2 )1103のS
nおよび酸素の組成比が膜厚方向に変化したことを示
す。
【0111】そして、以下の工程で前述した半導体層を
作成した。
【0112】まず、基板1101を350℃に加熱しな
がら、蒸着法により、p型半導体層1104としてp型
のCdTe膜を0.35μm厚に形成した。
【0113】次に、基板1101を300℃に加熱しな
がら、蒸着法により、n型半導体層1105としてn型
のCdS膜を0.1μm厚に形成した。
【0114】このようにして半導体層を形成した後、抵
抗加熱蒸着により、基板1101を170℃に加熱しな
がら、ITOを70nm厚に蒸着し、透明電極層110
6を形成した。
【0115】次に、スクリーン印刷により、前述の図2
のようなパターンで、Agペーストを印刷して集電電極
1107を形成した。
【0116】その後、N2 雰囲気中で、150℃、1時
間の加熱処理を施した。
【0117】以上の工程で10cm角のいわゆるCdS
−CdTe太陽電池を10個作製した。
【0118】そして、シャント抵抗が1cm2 あたり1
kΩ以上の太陽電池を、25℃で、ソーラーシミュレー
ターによって、AM1.5、100mw/cm2 の疑似
太陽光を照射して、開放電圧(Voc)、短絡電流(J
sc)、フィルファクター(FF)、光電変換効率
(η)、直列抵抗(Rse)、シャント抵抗(Rsh)
等の太陽電池特性を測定し、平均値を求めた。 (比較例4)前述した具体例4に対する比較例として、
透明導電層1103であるSnO2のSnおよび酸素の
組成比を一定にして、それ以外は具体例4と全く同様
に、10cm角のいわゆるCdS−CdTe太陽電池を
10個作製した。そして、具体例4と同様な太陽電池特
性を測定して平均値を求めた。
【0119】ここで、前述の具体例4および比較例4で
測定した太陽電池特性の結果を表4に示す。
【0120】
【表4】 表4から明らかなように、本発明の透明導電層1103
を用いた太陽電池によって、直列抵抗が小さくなり、開
放電圧(Voc)、短絡電流(Jsc)、フィルファク
ター(FF)がそれぞれ向上し、光電変換効率(η)が
向上した。
【0121】これは、SnO2 のSnの組成比を膜厚方
向に図13のように変化させることによって、欠陥性の
n型半導体層であるSnO2 が、p型半導体層1104
であるp型CdTe層との界面付近で、低抵抗のn型と
なり、透明導電層1103と前記p型CdTe層との界
面でトンネル接合を形成することによって、直列抵抗が
小さくなったものと考えられる。また裏面電極層110
2との界面近傍においてSnの組成比を増大することに
より裏面電極であるCuのSnO2 による酸化が抑制さ
れて、Cuの反射率が高い値に保たれることにより、半
導体層での長波長光の吸収が増大して、短絡電流(Js
c)が向上したものと考えられる。さらに、SnO2
Snの組成比を、前記p型のCdTe層から裏面電極層
1102に向かうにつれて、界面付近をのぞいて単調に
増加することにより、前記p型のCdTe層と透明導電
層1103の界面での光の反射が減少し、長波長光の散
乱による光閉じこめ効果が増大して、短絡電流(Js
c)が向上したものと考えられる。
【0122】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので下記のような効果を奏する。
【0123】本発明の光起電力素子は、透明導電層を形
成する化合物の酸素の組成比が膜厚方向において連続的
に変化する領域を含むので、解放電圧、フィルファクタ
ーがそれぞれ向上し、また、半導体層での長波長光の吸
収が増大して短絡電流が向上し、それによって、光起電
力素子の光電変換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の第1実施例を示す断面
図である。
【図2】集電電極の一例を示す平面図である。
【図3】DCマグネトロンスパッタ装置の一例を示す平
面図である。
【図4】透明導電層成膜時のガス流量の変化の第1の例
を示す図である。
【図5】透明導電層を形成する化合物の、膜厚に対する
組成比の変化の第1の例を示す図である。
【図6】透明導電層成膜時のガス流量の変化の第2の例
を示す図である。
【図7】透明導電層を形成する化合物の、膜厚に対する
組成比の変化の第2の例を示す図である。
【図8】本発明の光起電力素子の第2実施例を示す断面
図である。
【図9】透明導電層成膜時のガス流量の変化の第3の例
を示す図である。
【図10】透明導電層を形成する化合物の、膜厚に対す
る組成比の変化の第3の例を示す図である。
【図11】本発明の光起電力素子の第3実施例を示す断
面図である。
【図12】透明導電層成膜時のガス流量の変化の第4の
例を示す図である。
【図13】透明導電層を形成する化合物のオージェピー
クの膜厚に対する変化の一例を示す図である。
【符号の説明】
101,801,1101 基板 102,802,1102 裏面電極層 103,803,1103 透明導電層 104,804,807,1105 n型半導体層 105,805,808 真性半導体層 106,806,809,1104 p型半導体層 107,810,1106 透明電極層 108,811,1107 集電電極 201 光入射面 202 取出し電極 301 真空容器 302 支持体 303 加熱板 304 熱電対 305 温度コントローラ 306 ヒーター 307 伝熱板 308 基板押え 309 ターゲット 310 ターゲットカバー 311 ターゲット台 312 マグネット 313 冷却水導入パイプ 314 スパッタ電源 315 スイッチ 316 高周波電源 317,318 マスフローコントローラ 319 真空計センサ部 320 真空計 321 プラズマ空間 821 第1セル部 822 第2セル部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光入射面の反対側に形成された光反射性
    裏面電極と、一導電型を示す半導体層との間に、複数
    の元素の化合物からなる透明導電層を有する光起電力素
    子において、前記透明導電層を形成する化合物は導電性
    酸化物であり、該導電性酸化物の酸素の組成比が膜厚方
    向において連続的に変化する領域を含むことを特徴とす
    る光起電力素子。
  2. 【請求項2】 光入射面の反対側に形成された光反射性
    の裏面電極と、一導電型を示す半導体層との間に、複数
    の元素の化合物からなる透明導電層を有する光起電力素
    子において、該透明導電層を形成する化合物は導電性酸
    化物であり、該導電性酸化物の酸素の組成比が、該半導
    体層との界面近傍において低下するように膜厚方向にお
    いて変化していることを特徴とする光起電力素子。
  3. 【請求項3】 光入射面の反対側に形成された光反射性
    の裏面電極と、一導電型を示す半導体層との間に、複数
    の元素の化合物からなる透明導電層を有する光起電力素
    子において、該透明導電層を形成する化合物は導電性酸
    化物であり、該導電性酸化物の酸素の組成比が、該裏面
    電極との界面近傍において低下するように膜厚方向にお
    いて変化していることを特徴とする光起電力素子。
  4. 【請求項4】 光入射面の反対側に形成された光反射性
    の裏面電極と、一導電型を示す半導体層との間に、複数
    の元素の化合物からなる透明導電層を有する光起電力素
    子において、該透明導電層を形成する化合物は導電性酸
    化物であり、該導電性酸化物の酸素の組成比が、該半導
    体層との界面から該裏面電極との界面に近づくにつれ
    て、少なくともある膜厚の範囲にわたって単調に増大す
    るように膜厚方向において変化していることを特徴とす
    る光起電力素子。
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