JP3542480B2 - 非単結晶半導体薄膜の形成装置、非単結晶半導体薄膜の形成方法、及び光起電力素子の製造方法 - Google Patents

非単結晶半導体薄膜の形成装置、非単結晶半導体薄膜の形成方法、及び光起電力素子の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続的に非単結晶半導体薄膜を形成する装置及び方法に関するものであり、例えば、アモルファスシリコンやアモルファスシリコン合金を用いた光起電力素子等の大面積の光起電力素子を大量生産する装置及び方法に関するものであって、詳しくは、良質の機能性堆積膜を得るための壁温度及び成膜ガス導入の制御手段に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、太陽光を利用する太陽電池による発電方式は、放射能汚染や地球温暖化等の問題を引き起こすことなく、また、太陽光は地球上のいたるところに降り注いでいるためエネルギー源の偏在が少なく、さらには、複雑で大型の設備を必要とせずに比較的高い発電効率が得られる等、今後の電力需要の増大に対しても、環境破壊を引き起こすことなく対応できるクリーンな発電方式として様々な研究開発がなされている。
ところで、太陽電池を用いる発電方式については、それを電力需要を賄うものとして確立させる為には、使用する太陽電池が、光電変換効率が充分に高く、特性安定性に優れたものであり、且つ、大量生産し得る物であることが基本的に要求される。
こうしたことから、容易に手に入るシラン等の気体状の原料ガスを使用し、これをグロー放電分解して、ガラスや金属シート等の比較的安価な基板上にアモルファスシリコン(以降「a−Si」と略記する)等の半導体薄膜を堆積させることにより作製できる太陽電池が、量産性に富み、単結晶シリコン等を用いて作製される太陽電池に比較して低コストで生産ができる可能性があるとして注目され、その基本構成製造方法等について各種の提案がなされている。
【0003】
従来、光起電力素子の作製方法としては、次の技術が知られている。
例えば、非単結晶半導体膜等を用いた光起電力素子の作製には、一般的には、プラズマCVD法が広く用いられており、企業化されている。しかしながら、光起電力素子が、光電変換効率が十分に高く、特性安定に優れたものであり、且つ大量生産し得るものであることが基本的に要求される。
そのためには、非単結晶半導体膜等を用いた光起電力素子の作製においては、電気的、光学的、光導電的あるいは、機械的特性及び繰り返し使用での疲労特性あるいは使用環境特性の向上を図るとともに、大面積化、膜厚及び膜質の均一化を図りながら、しかも高速成膜によって再現性のある量産化を図らなければならないため、これらのことが、今後改善すべき問題点として指摘されている。
【0004】
光起電力素子を用いる発電方式にあっては、単位モジュールを直列または並列に接続し、ユニット化して所望の電流、電圧を得る形式が採用されることが多く、各モジュールにおいては断線はショートが生起しないことが要求される。
加えて、各モジュール間の出力電圧や出力電流のバラツキのないことが重要である。
こうしたことから、少なくとも単位モジュールを作製する段階でその最大の特性決定要素である半導体層そのものの特性均一性が確保されていることが要求される。そして、モジュール設計をし易くし、且つモジュール組み立て工程の簡略化できるようにする観点から、大面積にわたって特性均一性の優れた半導体堆積膜が提供されることが光起電力素子の量産性を高め、生産コストの大幅な低減を達成せしめるについて要求される。
光起電力素子の効率的な量産方法の1つとしてアモルファスシリコン系の太陽電池を作製する際、その各々の半導体層用の独立した成膜室を設け、各々の成膜室にて各々の半導体層の形成を行なう方法が提案されている。
【0005】
ちなみに、米国特許第4,400,409号明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装置が開示されている。
この装置によれば、複数のグロー放電領域を設け、所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板が前記各グロー放電領域において必要とされる導電型の半導体層を堆積しつつ、前記基板をその長手方向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を有するデバイスを連続作製することができるとされている。
なお、該明細書においては、各半導体層作製時に用いるドーパントガスが他のグロー放電領域へ拡散、混入することを防止するためにガスゲートが用いられている。
具体的には、前記各グロー放電領域同志を、スリット状の分離通路によって相互に分離し、さらに該分離通路に例えばAr、H等の掃気用ガスの流れを作用させる手段が採用されている。こうしたことからこのロール・ツー・ロール方式は、半導体素子の量産に適する方式であると言えよう。
【0006】
しかしながら、前記各半導体層の形成はRF(ラジオ周波数)を用いたプラズマCVD法によって行なわれるところ、連続的に形成される膜の特性を維持しつつその膜堆積速度の向上を図るにはおのずと限界がある。
即ち、例えば膜厚が高々2000Åの半導体層を形成する場合であっても相当長尺で、大面積にわたって常時所定のプラズマを生起し、且つ該プラズマを均一に維持する方法がある。
ところがこのようにするについてはかなりの熟練を必要とし、そのために関係する種々のプラズマ制御パラメータを一般化するのは困難である。
また、用いる成膜用原料ガスの分解効率及び利用効率は高くはなく、生産コストを引き上げる要因のひとつになっている。
【0007】
一方、最近注目されているのが、マイクロ波を用いたプラズマプロセスである。マイクロ波は周波数が短いため従来のRFを用いた場合よりもエネルギー密度を高めることが可能であり、プラズマを効率よく発生させ、持続させることに適している。
例えば、米国特許第4、729、341号明細書には、1対の放射型導波管アプリケータを用いた高パワープロセスによって、大面積の円筒型基板上に光導電半導体薄膜を堆積形成させる低圧マイクロ波CVD法及び装置が開示されている。以上の事態を踏まえれば、量産に適しているといわれるマイクロ波プラズマCVD法(以下「μW−CVD法」と略記する)とロール・ツー・ロール生産方法を合理的に組み合わせれば更にスループットの大きい量産方法となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ロール・ツー・ロールμW−CVD法においても以下に示す問題点が存在した。
その問題点とは、投入したマイクロ波電力が膜堆積用原料ガスの分解のみに使用されるのではなく高いプラズマ密度を介して間接に、あるいはマイクロ波自身が直接に成膜空間を形成する堆積室壁を高温に加熱してしまうことである。堆積室壁の温度はマイクロ波パワー投入と同時に上昇し始め、ある時間の経過後、その放電電力値等によって決まる平衡温度に達するが、その温度は350℃から状況によっては450℃程に上昇することがある。
その結果、つぎのような問題点が生じる。
その第1の問題点としては、高い堆積室壁温度の影響を受けて膜堆積用の帯状基板の温度が上昇してしまい、通常良質な堆積膜が形成されるとされている250℃前後の基板温度を維持できないことである。
こうした状況下で作製された太陽電池は変換効率の低いものとなってしまう。
また、第2の問題点としては、堆積室の材料によっては、その材料の軟化点近くまで達してしまい、成膜室壁がダメージを受けることである。
具体的には例えばアルミニウムを成膜室壁に用いた場合においては450℃近辺になるとネジ止め箇所、引っ張り応力のかかっている箇所などは変形してしまい使いものにならなくなる。
こうした事態を防止するには高融点の材料を選択するか、あるいは、堆積室壁温度の上昇を防ぐ冷却手段が必要となる。
さらに、第3の問題点として、成膜空間内に均一に成膜ガスを供給するためのガスマニホールドが前記堆積室壁の1部をくり抜いた形式で設置されている場合、上述したように堆積膜室壁の温度の上昇により、ガスマニホールド自体においても温度の上昇が見られ、ガスマニホールド内において、成膜ガスの熱分解が促進され、本来得られるべき太陽電池の初期特性を著しく低下させているばかりか、長時間成膜中での前記ガスマニホールド内の時間的温度上昇から、特性の均一性を低下させる原因となっていた。
【0009】
こうした問題点から、このロール・ツー・ロールμW−CVD法は、半導体デバイスの量産に適する方法ではあるものの、前述したように、光起電力素子を大量に普及させるためには、さらなる光電変換効率、特性安定性や特性均一性の向上、及び製造コストの低減が望まれる。
特に、光電変換効率や特性安定性の向上のためには、各単位モジュールごとの光電変換効率は高いほど良く、特性劣化率は低いほど好ましい。
さらには、単位モジュールを直列または並列に接続し、ユニット化した際には、ユニットを構成する各単位モジュールの内の最小の電流または電圧特性の単位モジュールが律速してユニットの特性が決まるため、各単位モジュールの平均特性を向上させるだけでなく、特性バラツキも小さくすることが非常に重要となる。そのために単位モジュールを作製する段階でその最大の特性決定要素である半導体層そのものの特性均一性を確保することが望まれている。
また、製造コスト低減のために、各モジュールにおいては断線やショートが生起しないように、半導体層の欠陥を減らすことにより、歩留りを向上させることが強く望まれている。
【0010】
そこで、本発明は、上記従来の光起電力素子の作成手段における諸課題を解決し、基板上に大面積にわたって高い光電変換効率を有し、高品質で優れた均一性を有し、より再現性高く欠陥の少ない非単結晶半導体薄膜の形成方法及び装置を提供すること、特に、光起電力素子を大量に作成するための非単結晶半導体薄膜の形成装置及び方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、膜堆積室壁と帯状基板に囲まれた成膜空間を有する膜堆積室と、該堆積室壁を囲む外チャンバーとからなり、前記帯状基板を該帯状基板の長手方向に移動させながら、前記成膜空間にガス供給手段を介して成膜ガスを導入するとともに、前記成膜空間にプラズマを生起し、前記帯状基板の表面に非単結晶半導体薄膜を形成する装置において、前記ガス供給手段がガスマニホールドを備え、該ガスマニホールドを前記成膜室壁から離して設けたことを特徴とする非単結晶半導体薄膜の形成装置である。
た、本発明は、膜堆積室壁と帯状基板に囲まれた成膜空間を有する膜堆積室と、該堆積室壁を囲む外チャンバーとからなる半導体薄膜形成装置を用い、前記帯状基板を該帯状基板の長手方向に移動させながら、前記成膜空間にガス供給手段を介して成膜ガスを導入するとともに、前記成膜空間にプラズマを生起し、前記帯状基板の表面に非単結晶半導体薄膜を形成する方法において、前記ガス供給手段がガスマニホールドを備え、該ガスマニホールドを前記成膜室壁から離して設けたことを特徴とする非単結晶半導体薄膜の形成方法である。
加えて、本発明は、前記形成方法を用いて非単結晶半導体の薄膜を形成する工程を有する光起電力素子の製造方法であり、この非単結晶半導体薄膜を形成する工程をi型半導体層を形成する工程とすることができる。
た、本発明においては、前記成膜空間内に均一に成膜ガスを供給するためのガスマニホールドを前記成膜室壁から離して設けることにより、膜堆積室壁の温度上昇に伴うガスマニホールドの温度上昇を回避することか可能となる。
また、本発明においては、前記成膜空間にマイクロ波あるいはVHF波を導入する手段を有する構成を採ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記したように、本発明においては、堆積室壁の一部の壁面外壁を覆う様に冷却機構ならびに昇温機構によって温度調節する構成を有することにより、プラズマのエネルギーによる堆積室壁面温度の上昇を防止し、長時間にわたる膜堆積工程中均一な温度で、膜堆積を行なうことが可能となり、さらに、成膜空間内に均一に成膜ガスを供給するためのガスマニホールドを前記堆積室から離して設置することにより、堆積膜室壁の温度上昇によるガスマニホールドの温度上昇を回避することができ、ガスマニホールド内での成膜ガスの熱分解を抑制することが可能となるため、光起電力素子の出力特性を向上させ特に長時間にわたり安定した温度による膜堆積によって、均一な特性の光起電力素子を提供することができる。
なお、本明細書中でガスマニホールドとは、導入管から導入されたガスを多数の流れに分割する室のことである。
さらに本発明によれば、特に積層型光起電力素子において、極めて良好なpin接合を実現させることができ、より高品質な光起電力素子を再現性良く均一に形成し得ることが可能となる。
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明の半導体薄膜の形成装置(成膜装置)の一例およびそれを用いた光起電力素子の製造方法をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明の一例を示す成膜装置の断面模式図である。
図1において101は帯状基板、102は膜堆積室、103は膜堆積室壁、104は前記膜堆積室壁を冷却するための冷媒を流す冷却配管、105は前記膜堆積室の温度の影響を排除乃至低減させるために前記膜堆積室壁より離して設置したガスマニホールドであり、106は前記ガスマニホールドに成膜ガスを供給するためのガス供給管(導入管)、106aは多数の流れに分割されたガスを膜堆積室に供給するための分岐管である。107は成膜中の排気配管であり、108はゲートバルブ、109は油拡散ポンプ、110は粗引き用配管、110aは粗引き用配管におけるL型バルブである。111は本例ではi型半導体層成膜容器であるが、本発明はそれに限られない。112、113、114はそれぞれマイクロ波放電を膜堆積室に生起するためのマイクロ波電力の導入経路のアルミナセラミックス、アプリケータ、導波管である。115、116はそれぞれ帯状基板を所定の温度に昇温するためのランプハウス、赤外線ランプヒータであり、117は制御用の熱電対である。118はRF電力を印加するためのバイアス棒であり、119は前記堆積膜壁を所定の温度に昇温するための壁用ヒーターである。
図2は、本発明の成膜装置により作製した光起電力素子の断面図の一例である。ただし、本発明は図2の構成の光起電力素子を作製するためのみに限られるものではない。図2において、201は基板、202は裏面電極、203はn型半導体層、204はi型半導体層、205はp型半導体層、206は透明電極、207は集電電極である。また、図2はp型半導体層側から光入射する構成であるが、n型半導体層側から光入射する構成の光起電力素子の場合は、203が前記p型半導体層、204が前記i型半導体層、205が前記n型半導体層となる。さらに、図2は基板と逆側から光を入射する構成であるが、基板側から光を入射する構成の光起電力素子では、透明電極と集電電極の位置が逆になり202が透明電極、203が前記p型半導体層、205が前記i型半導体層、204が前記n型半導体層、205が裏面電極となることもある。
また図3は、本発明の成膜装置により作製した、積層型の光起電力素子の断面図の一例である。図3の本発明の積層型の光起電力素子は、3つのpin接合が積層された構造をしており、315は光入射側から数えて第一のpin接合、316は第二のpin接合、317は第三のpin接合である。これら3つのpin接合は、基板301上に形成された、裏面電極302上に積層されたものであり、3つのpin接合の最上部に、透明電極313と集電電極314が形成されて、積層型の光起電力素子を形成している。そして、それぞれのpin接合は、n型半導体層303、306、310、i型半導体層304、308、311、p型半導体層305、309、312から成る。また、図1の光起電力素子と同様に光の入射方向によって、ドーピング層(p型半導体層、n型半導体層)や電極の配置が入れ替わることもある。
【0014】
以下に、本発明における非単結晶シリコンの光起電力素子について、その層構成である基板、裏面電極、光反射層、半導体層、透明電極、集電電極のそれぞれについて説明する。
まず、その基板について説明すると、本発明の半導体層203〜205、303〜312は高々1μm程度の薄膜であるため適当な基板上に堆積されるが、このような基板201、301としては、単結晶質もしくは非単結晶質のものであってもよく、さらにそれらは導電性のものであっても、また電気絶縁性のものであってもよい。
さらには、それらは透光性のものであっても、また非透光性のものであってもよいが、変形、歪みが少なく、所望の強度を有するものであることが好ましい。
具体的にはFe、Ni、Cr、Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb等の金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板及びその複合体、及びポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂のフィルムまたはシート又はこれらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等の表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO、Si、Al、AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行ったものおよび、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
【0015】
基板が金属等の電気導電性である場合には直接電流取り出し用の電極としても良いし、合成樹脂等の電気絶縁性である場合には堆積膜の形成される側の表面にAl、Ag、Pt、Au、Ni、Ti、Mo、W、Fe、V、Cr、Cu、ステンレス、真ちゅう、ニクロム、SnO、In、ZnO、ITO(インジウム錫酸化物)等のいわゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッタ等の方法であらかじめ表面処理を行って電流取り出し用の電極を形成しておくことが望ましい。
勿論、基板が金属等の電気導電性のものであっても、長波長光の基板表面上での反射率を向上させたり、基板材質と堆積膜との間での構成元素の相互拡散を防止する等の目的で異種の金属層等を前記基板上の堆積膜が形成される側に設けても良い。
また、前記基板が比較的透明であって、該基板の側から光入射を行う層構成の光起電力素子とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の導電性薄膜をあらかじめ堆積形成しておくことが望ましい。
また、前記基板の表面性としてはいわゆる平滑面であっても、微小の凹凸を有する面であっても良い。
微小の凹凸を有する面とする場合にはその凹凸形状は球状、円錐状、角錐状等であって、且つその最大高さ(Rmax)が好ましくは0.05μm乃至2μmとすることにより、該表面での光反射が乱反射となり、該表面での反射光の光路長の増大をもたらす。
【0016】
基板の形状は、用途により平滑表面或は凸凹表面の板状、長尺ベルト状、円筒状等であることができ、その厚さは、所望通りの光起電力素子を形成し得るように適宜決定するが、光起電力素子として可撓性が要求される場合、または基板の側より光入射がなされる場合には、基板としての機能が充分発揮される範囲内で可能な限り薄くすることが出来る。
しかしながら、基板の製造上及び取扱い上、機械的強度等の点から、通常は、10μm以上とされる。
【0017】
つぎに、裏面電極について説明すると、本発明に用いられる裏面電極202、302は、光入射方向に対し半導体層の裏面に配される電極である。
したがって、図2の202の位置かあるいは、基板201が透光性で、基板の方向から光を入射させる場合には、206の位置に配置される。裏面電極の材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、コバルト、タンタル、ニオブ、ジルコニウム等の金属またはステンレス等の合金が挙げられる。
なかでもアルミニウム、銅、銀、金などの反射率の高い金属が特に好ましい。反射率の高い金属を用いる場合には、裏面電極に半導体層で吸収しきれなかった光を再び半導体層に反射する光反射層の役割を兼ねさせる事ができる。
また裏面電極の形状は平坦であっても良いが、光を散乱する凹凸形状を有する事がより好ましい。
光を散乱する凹凸形状を有する事によって、半導体層で吸収しきれなかった長波長光を散乱させて半導体層内での光路長を延ばし、光起電力素子の長波長感度を向上させて短絡電流を増大させ、光電変換効率を向上させることができる。光を散乱する凹凸形状は、凹凸の山と谷の高さの差の最大値Rmaxが0.2μmから2.0μmであることが望ましい。ただし基板が裏面電極を兼ねる場合には、裏面電極の形成を必要としない場合もある。
また、裏面電極の形成には、蒸着法、スパッタ法、メッキ法、印刷法などが用いられる。
また裏面電極に、光を散乱する凹凸形状を形成する場合には、基板上に設けた金属あるいは合金の膜をドライエッチングするかあるいはウェットエッチングするかあるいはサンドブラストするかあるいは加熱すること等によって形成される。また基板を加熱しながら前述の金属あるいは合金を蒸着することにより光を散乱する凹凸形状を形成することもできる。
また、裏面電極202、302とn型半導体層203、303との間に、図中には示されていないが、導電性酸化亜鉛等の拡散防止層を設けても良い。該拡散防止層の効果としては裏面電極202を構成する金属元素がn型半導体層中へ拡散するのを防止するのみならず、若干の抵抗値をもたせることで半導体層を挟んで設けられた裏面電極202と透明電極206との間にピンホール等の欠陥で発生するショートを防止すること、及び薄膜による多重干渉を発生させ入射された光を光起電力素子内に閉じ込める等の効果を挙げることができる。
【0018】
本発明に用いられる半導体層には、非単結晶半導体、具体的には非晶質半導体、微結晶半導体、多結晶半導体が用いられる。その材料としては、Si、C、Ge等のIV族元素を用いたもの、あるいはSiGe、SiC、SiSn等のIV族合金を用いたものが好適に用いられる。
また、以上の半導体材料の中で、本発明の光起電力素子に特に好適に用いられる半導体材料としては、a−Si:H(水素化非晶質シリコンの略記)、a−Si:F、a−Si:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:F、a−SiGe:H:F、a−SiC:H、a−SiC:F、a−SiC:H:F等のIV族及びIV族合金系非晶質半導体材料が挙げられる。また、これらのIV族及びIV族合金からなる微結晶半導体材料も好適に用いられる。
また、半導体層は価電子制御及び禁制帯幅制御を行うことができる。
具体的には半導体層を形成する際に価電子制御剤又は禁制帯幅制御剤となる元素を含む原料化合物を単独で、又は前記堆積膜形成用原料ガス又は前記希釈ガスに混合して成膜空間内に導入してやれば良い。
また、半導体層は、価電子制御によって、少なくともその一部が、p型およびn型にドーピングされ、少なくとも一組のpin接合を形成する。そして、pin接合を複数積層することにより、いわゆる積層セルの構成になる。
【0019】
以下、本発明の光起電力素子に特に好適なIV族及びIV族合金系非単結晶半導体材料を用いた半導体層について、さらに詳しく述べる。
(1)i型半導体層(真性半導体層)
特にIV族及びIV族合金系非単結晶半導体材料を用いた光起電力素子に於いて、pin接合に用いるi型層は照射光に対してキャリアを発生輸送する重要な層である。
i型層としては、僅かp型、僅かn型の層も使用できるものであるIV族及びIV族合金系非単結晶半導体材料には、上述のごとく、水素原子(H,D)またはハロゲン原子(X)が含有され、これが重要な働きを持つ。
i型層に含有される水素原子(H,D)またはハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手(ダングリングボンド)を補償する働きをし、i型層でのキァリアの移動度と寿命の積を向上させるものである。またp型層/i型層、n型層/i型層の各界面の界面準位を補償する働きをし、光起電力素子の光起電力、光電流そして光応答性を向上させる効果のあるものである。i型層に含有される水素原子または/及びハロゲン原子は1〜40at%が最適な含有量として挙げられる。特に、p型層/i型層、n型層/i型層の各界面側で水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が多く分布しているものが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近傍での水素原子または/及びハロゲン原子の含有量はバルク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として挙げられる。更にシリコン原子の含有量に対応して水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が変化していることが好ましいものである。
また、積層型の光起電力素子においては、光入射側に近いpin接合のi型半導体層の材料としては、バンドギャップの広い材料、光入射側に遠いpin接合のi型半導体層の材料としては、バンドギャップの狭い材料を用いることが望ましい。
【0020】
非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニウムは、ダングリングボンドを補償する元素によって、a−Si:H、a−Si:F、a−Si:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:F、a−SiGe:H:F等と表記される。
さらに、本発明の光起電力素子に好適なi型半導体層の特性としては、水素原子の含有量(C)が、1.0〜25.0%、AM1.5、100mW/cmの疑似太陽光照射下の光電導度(σp)が、1.0*10−7S/cm以上、暗電導度(σd)が、1.0*10−9S/cm以下、コンスタントフォトカレントメソッド(CPM)によるアーバックエナジーが、55meV以下、局在準位密度は1017/cm以下のものが好適に用いられる。
【0021】
(2)p型半導体層またはn型半導体層
p型半導体層またはn型半導体層の非晶質材料(a−と表示する)あるいは微結晶材料(μc−と表示する)としては、例えばa−Si:H、a−Si:HX、a−SiGe:H、a−SiGe:HX、μc−Si:H、μc−SiGe:H、μc−SiGe:HX、等にp型の価電子制御剤(周期率表第III族原子B、Al、Ga、In、Tl)やn型の価電子制御剤(周期率表第V族原子P、As、Sb、Bi)を高濃度に添加した材料が挙げられ、多結晶材料(poly−と表示する)としては、例えばpoly−Si:H、poly−Si:HX、poly−SiGe:H、poly−SiGe:HX、poly−Si、poly−SiGe、等にp型の価電子制御剤(周期率表第III族原子B、Al、Ga、In、Tl)やn型の価電子制御剤(周期率表第V族原子P、As、Sb、Bi)を高濃度に添加した材料が挙げられる。
特に光入射側のp型層またはn型層には、光吸収の少ない結晶性の半導体層かバンドギァプの広い非晶質半導体層が適している。
【0022】
p型層への周期率表第III族原子の添加量およびn型層への周期率表第V族原子の添加量は0.1〜50at%(atom%)が最適量として挙げられる。
またp型層またはn型層に含有される水素原子(H,D)またはハロゲン原子はp型層またはn型層の未結合手を補償する働きをしp型層またはn型層のドーピング効率を向上させるものである。p型層またはn型層へ添加される水素原子またはハロゲン原子は0.1〜40at%が最適量として挙げられる。特にp型層またはn型層が結晶性の場合、水素原子またはハロゲン原子は0.1〜8at%が最適量として挙げられる。更にp型層/i型層、n型層/i型層の各界面側で水素原子または/及びハロゲン原子の含有量が多く分布しているものが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近傍での水素原子または/及びハロゲン原子の含有量はバルク内の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として挙げられる。このようにp型層/i型層、n型層/i型層の各界面近傍で水素原子またはハロゲン原子の含有量を多くすることによって該界面近傍の欠陥準位や機械的歪を減少させることができ本発明の光起電力素子の光起電力や光電流を増加させることができる。
光起電力素子のp型層及びn型層の電気特性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のものが好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また比抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以下が最適である。さらにp型層及びn型層の層厚は1〜50nmが好ましく、3〜10nmが最適である。
【0023】
本発明において、透明電極206、313は光を透過する、光入射側の電極であるとともに、その膜厚を最適化する事によって反射防止膜としての役割も兼ねる。
透明電極206、313は半導体層の吸収可能な波長領域において高い光透過率を有することと、電気抵抗率が低いことが要求される。好ましくは、550nmにおける透過率が、80%以上、より好ましくは、85%以上であることが望ましい。また、抵抗率は好ましくは、5*10−3Ωcm以下、より好ましくは、1*10−3Ωcm以下であることが望ましい。その材料としては、In、SnO、ITO(In+SnO)、ZnO、CdO、CdSnO、TiO、Ta、Bi、MoO、NaWO等の導電性酸化物あるいはこれらを混合したものが好適に用いられる。
また、これらの化合物に、導電率を変化させる元素(ドーパント)を添加しても良い。
【0024】
導電率を変化させる元素(ドーパント)としては、例えば透明電極206、313がZnOの場合には、Al、In、B、Ga、Si、F等が、またInの場合には、Sn、F、Te、Ti、Sb、Pb等が、またSnOの場合には、F、Sb、P、As、In、Tl、Te、W、Cl、Br、I等が好適に用いられる。
【0025】
また、透明電極206、313の形成方法としては、蒸着法、CVD法、スプレー法、スピンオン法、デップ法等が好適に用いられる。
【0026】
本発明において、集電電極207、314は、透明電極206、313の抵抗率が充分低くできない場合に必要に応じて透明電極206上の一部分に形成され、電極の抵抗率を下げ光起電力素子の直列抵抗を下げる働きをする。
その材料としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、コバルト、タンタル、ニオブ、ジルコニウム等の金属、またはステンレス等の合金、あるいは粉末状金属を用いた導電ペーストなどが挙げられる。そしてその形状は、できるだけ半導体層への入射光を遮らないように形成される。
また、光起電力素子の全体の面積の中で、集電電極の占める面積は、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下、最適には5%以下が望ましい。
また、集電電極のパターンの形成には、マスクを用い、形成方法としては、蒸着法、スパッタ法、メッキ法、印刷法などが用いられる。
【0027】
本発明において、膜堆積室壁102を構成する部材の材質は、導電性のものであっても、また電気絶縁性のものであってもよい。
変形、歪みが少なく、所望の強度を有するものであることが好ましい。具体的には、Fe、Ni、Cr、Al、Mo、Au、Nb、Ta、V、Ti、Pt、Pb、W等の金属またはこれらの合金、例えば真鍮、ステンレス鋼等の薄板およびその複合体が好適に用いられる。
また、上記金属の表面に異種金属材質の金属薄膜、または、SiO、Si、AlO、AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等によりコーティングしたものおよびガラス、セラミックスなどを用いてもよい。
【0028】
本発明において、堆積室壁を冷却するための冷媒を流すための冷却配管104の材質は、耐熱性、耐腐食性を有するものが好ましい。
具体的にはステンレス等の金属が好適に用いられる。冷却配管104の構成としては、上記金属をパイプ状にしたものを押し板により堆積膜壁に対しボルト締めしたものであってもよく、上記金属に空洞を有するように切削加工したものであってもよい。さらに、凹凸状に加工した複数の上記金属に放電加工、溶接加工等の特殊加工を施し冷媒の通路を有するものとしても良い。
【0029】
また、堆積膜壁加熱用ヒーター119としては、シース型ヒーター、ランプ型ヒーター等真空内において使用可能なものであればいずれの場合でもよく、特に、温度調節機構の応答性や真空内での使用の信頼性から、ハロゲン赤外線ランプヒーターが好適に用いられる。
【0030】
また、堆積室壁を冷却するための冷媒の材質は、所望の堆積膜壁の温度によって適宜選択できる。
取り扱いの簡便性から冷媒には水、圧縮空気等が好適に用いられ、所望の温度が高い場合には合成系油等が好適に用いられる。
なお、本発明の光起電力素子を用いて、所望の出力電圧、出力電流の光起電力素子モジュールあるいは光起電力素子パネルを製造する場合には、本発明の光起電力素子を直列あるいは並列に接続し、表面と裏面に保護層を形成し、出力の取り出し電極等が取り付けられる。また、本発明の光起電力素子を直列接続する場合、逆流防止用のダイオードを組み込むことがある。
【0031】
以下に、本発明により光起電力素子を作製するための装置の一例を、図4に基づいて説明する。
図4は、本発明の光起電力素子を連続的に作製する製造装置の一例を表す模式図であり、図1に示したi型半導体層成膜容器111を組み込んだものである。この製造装置は帯状基板401、の送り出し室402、及び巻き取り室403、n型半導体層作製用容器404、i型半導体層作製用容器405、p型半導体層作製用容器406をガスゲー卜を介して接続した装置から構成されている。
407は帯状基板401の送り出し用ボビン、408は帯状基板401の巻き取り用ボビンであり、407から408の向きに帯状基板401が搬送される。
但し、この帯状基板401は逆向きに搬送することもできる。
また送り出し室402、巻き取り室403の中に、帯状基板401の表面の保護用に用いられるあい紙の巻き取り、及び送り込み手段を配置してもよい。前記あい紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリミド系、テフロン系及びグラスウール等が好適に用いられる。また、あい紙の巻き取り手段、送り込み手段として帯状基板401の張力調整及び位置だしを兼ねた搬送用ローラーを用いてもよい。410は成膜ガス導入口であり、不図示のガス供給ミキシングボックスに連通している。420は成膜室間の成膜ガスを分離するためのゲートガスを導入するためのゲートガス導入管である。411はコンダクタンス調整用のスロットルバルブ、412は排気管であり、排気ポンプ(不図示)に接続されている。413はアプリケータであり、その先端にはマイクロ波透過性部材が取り付けられており、導波管414を通じてマイクロ波電源(不図示)に接続されている。
【0032】
415は電極であり、電源416に接続されている。
各成膜容器404、405、406、の中においては、帯状基板401を挟んで成膜空間と反対側の空間に、多数の赤外線ランプヒーター417と、これら赤外線ランプヒーターからの輻射熱を効率よく帯状基板401に集中させるためのランプハウス418がそれぞれ設けられている。
また、帯状基板401の温度を監視するための熱電対419がそれぞれ帯状基板401に接触するように接続されている。
【0033】
本発明において成膜空間内で生起するマイクロ波プラズマのプラズマ電位を制御するためにバイアス電圧を印加してもよい。
バイアス電圧としては直流、脈流及び交流電圧を、単独またはそれぞれ重畳させて印加させることが好ましい。マイクロ波プラズマのプラズマ電位を制御することによってプラズマの安定性、再現性、及ぴ膜特性の向上、欠陥の低減が図られる。また、本発明は、マイクロ波によりプラズマを生起する場合のみならず、VHF波により、プラズマを生起する場合にも有効である。
上述した本発明の光起電力素子を連続する装置を用いて、光起電力素子を作製することにより、前述の諸問題を解決するとともに前述の諸要求を満たし、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少ない光起電力素子を作製することができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の光起電力素子を製造する方法の具体的実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図4に示した装置を用いて、以下のようにして光起電力素子を連続的に作製した。
(1)基板送り出し機構を有する真空容器(送り出し室)402に、十分脱脂、洗浄を行い、下部電極として、スパッタリング法により、銀薄膜を100nm、ZnO薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状基板401(幅300mm×長さ300m×厚さ0.2mm)の巻きつけられたボビン407をセットし、該帯状基板401を、n型半導体層成膜容器404、i型半導体層成膜容器405、p型半導体層成膜容器406をガスゲートを介して帯状基板巻き取り機構を有する真空容器(巻き取り室)403まで通し、たるみのない程度に張力調整を行った。
(2)各真空容器402、403、404、405、406を真空ポンプ(不図示)で1×10−6Torr以下まで真空引きした。
(3)成膜前の加熱処理:ガスゲートにゲートガス導入管420よりゲートガスとしてHを各々500cc/min流し各成膜容器にガス導入管420よりHeを各々500cc/min導入し、各真空容器402、403、404、405、406の内圧が1.0Torrになるようスロットルバルブ411の開度を調節して、各真空容器の排気管412を通して、各真空容器ごとに真空ポンプ(不図示)で排気した。その後、加熱用ランプヒーター417により、帯状基板ならびに真空容器内部材を400℃に加熱し、3時間この状態で放置した。
(4)各真空容器402、403、404、405、406を真空ポンプ(不図示)で1×10−6Torr以下まで真空引きした。
(5)成膜時のゲートガス導入:各ガスゲートにゲートガス導入管420よリゲートガスとしてHを500cc/min導入した。
(6)n型半導体層成膜準備:熱電対の温度指示値が270℃になる様、温度制御装置(不図示)を設定し、赤外線ランプヒーター417により帯状基板401を加熱した。
成膜ガス導入口410より、n型半導体層作成用容器404に、SiHガスを100cc/min、PH/H(1%)ガスを500cc/min、Hガスを700cc/min導入した。放電室の圧力が1.0Torrになるようにコンダクタンス調整バルブ411の開度を調節して、排気管412を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。
RF(13.56MHz)電源416の出力値が100Wになる様に設定し電極を通じて放電室内に放電を生起させた。
(7)i型半導体層成膜準備:熱電対の温度指示値が360℃になる様、温度制御装置(不図示)を設定し、赤外線ランプヒーター417により帯状基板401を加熱した。ガス導入管を介してガスマニホールド422より、i型半導体層作成用容器405にSiHガスを50cc/min、GeHガスを50cc/min、Hガスを200cc/min導入した。放電室の圧力が20mTorrになるようにコンダクタンス調整用のスロットルバルブ411の開度を調節して、真空ポンプ(不図示)で排気した。マイクロ波(2.45GHz)電力をアプリケータ413に導入し、マイクロ波透過性部材を通じてマイクロ波電力を200W、導入し放電室内に放電を生起させた。膜堆積室壁冷却管421に水を流し、膜堆積室を冷却しつつ膜堆積室壁加熱ヒーター(不図示)により膜堆積室を200℃一定となる様に制御した。
(8)p型半導体層成膜準備:熱電対の温度指示値が170℃になる様、温度制御装置(不図示)を設定し、赤外線ランプヒーター417により帯状基板401を加熱した。ガス導入口410より、p型半導体層作成用容器406にSiHガスを10cc/min、BH/H(1%)ガスを200cc/min、Hガスを1000cc/min導入する。放電室の圧力が1.0Torrになるようにコンダクタンス調整用スロットルバルブ411の開度を調節して、排気管412を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。RF電源416の出力値が1000Wになる様に設定し、電極を通じて放電室内に放電を生起させた。
(9)帯状基板401を送り出し室402から巻き取り室403へ1300mm/minの速度で搬送させ、帯状基板にn型半導体層、i型半導体層、p型半導体層を作製した。
(10)前記帯状基板の1ロール分を搬送させた後、全てのプラズマ、全てのガス供給、全てのランプヒーターの通電、帯状基板の搬送を停止した。次に、チャンバーリーク用のNガスをチャンバーに導入し(導入用部材は不図示)大気圧に戻し、巻き取り用ボビン408に巻き取られた前記帯状基板を取り出した。
(11)p型半導体層上に透明電極として、ITO(In+SnO)を真空蒸着にて100nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着にて1μm蒸着し、図2に示す光起電力素子(試料No.1)を作製した。
以上の光起電力素子の作製条件を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003542480
(比較例1)
本例では、拡散防止層における帯状基板の加熱温度を一定とする以外は実施例1と同じにして光起電力素子を作製した。以下実施例1との相違点をまとめる。(1)i型半導体層堆積膜壁の水冷を行なわず、ガスマニホールドを膜堆積室壁と一体型の装置で作製する以外は、同じ条件となる様にした。
他の点は、実施例1と同様にして1ロールの帯状基板上に光起電力素子(比較試料No.1)を作製した。
まず実施例1で得られた光起電力素子(試料No.1)及び比較例1で得られた光起電力素子(比較試料No.2)のそれぞれについて、光電変換効率η={単位面積あたりの最大発電電力(mW/cm)/単位面積あたりの入射光強度(mW/cm)}の評価を行った。
実施例1の試料No.1および比較例1の比較試料No.1の光起電力素子をそれぞれ5枚ずつ製作し、AM−1.5(100mW/cm)光照射下に置き、上部電極に直流電圧を印加し、電流電圧特性を測定し、開放電圧、フィルファクター及び光電変換効率ηを評価したところ、比較試料No.1の光起電力素子に対して、試料No.1の光起電力素子は、開放電圧の値が平均して1.14倍、フィルファクターの値が平均して1.1倍、光電変換効率ηが平均して1.25倍優れていた。
また、実施例1で作製した光起電力素子および比較例1で作製した光起電力素子(比較試料No.1)の各々をポリフッ化ビニリデン(VDF)からなる保護フィルムで真空封止し、実使用条件下(屋外に設置、両電極に50オームの固定抵抗を接続)に1年間置いた後、再び光電変換効率の評価を行い、光照射に起因する劣化率(劣化により損なわれた光電変換効率の値を初期の光電変換効率で割ったもの)を調べた。その結果、本発明による拡散防止層を形成した光起電力素子(試料No.1)の劣化率は、従来の方法によりi型半導体層を形成した光起電力素子(比較試料No.1)の劣化率に対する比で40%と低く抑えられていた。
以上のことから、本発明により作製した光起電力素子は、光電変換効率が飛躍的に向上し、且つ実使用条件下における信頼性が大幅に向上することがわかった。
【0036】
[実施例2]
i型半導体層の作製条件を表2に変える以外は、実施例1と同様の手法で、n型半導体層、i型半導体層、p型半導体層、透明電極、集電電極を順次形成し、光起電力素子(試料No.2)を作製した。
【0037】
【表2】
Figure 0003542480
(比較例2)
本例では、i型半導体層の作製条件以外は実施例2と同じにして光起電力素子を作製した。以下実施例2との相違点をまとめる。
(1)i型半導体層用の膜堆積室壁の水冷を行なわず、ガスマニホールドを膜堆積室壁と一体型の装置で作製する以外は、同じ条件となる様にした。
他の点は、実施例2と同様にして1ロールの帯状基板上に光起電力素子(比較試料No.2)を作製した。
まず実施例2で得られた光起電力素子(試料No.2)及び比較例2で得られた光起電力素子(比較試料No.2)のそれぞれについて、光電変換効率ηの評価を行った。
実施例2の試料No.2および比較例2の比較試料No.2の光起電力素子をそれぞれ5枚ずつ製作し、AM−1.5(100mW/cm)光照射下に置き、上部電極に直流電圧を印加し、電流電圧特性を測定し、開放電圧、フィルファクター及び光電変換効率ηを評価したところ、比較試料No.2の光起電力素子に対して、試料No.1の光起電力素子は、開放電圧の値が平均して1.17倍、フィルファクターの値が平均して1.1倍、光電変換効率ηが平均して1.3倍優れていた。
また、実施例2で作製した光起電力素子および比較例2で作製した光起電力素子(比較試料No.1)の各々をポリフッ化ビニリデン(VDF)からなる保護フィルムで真空封止し、実使用条件下(屋外に設置、両電極に50オームの固定抵抗を接続)に1年間置いた後、再び光電変換効率の評価を行い、光照射に起因する劣化率(劣化により損なわれた光電変換効率の値を初期の光電変換効率で割ったもの)を調べた。その結果、本発明による拡散防止層を形成した光起電力素子(試料No.2)の劣化率は、従来の方法によりi型半導体層を形成した光起電力素子(比較試料No.2)の劣化率に対する比で50%と低く抑えられていた。
以上のことから、本発明により作製した光起電力素子は、光電変換効率が飛躍的に向上し、且つ実使用条件化における信頼性が大幅に向上することがわかった。
【0038】
[実施例3]
本例では、実施例1がi型半導体層を作製するにあたり、膜堆積室壁を200℃で一定となるように制御したが、冷却媒体を水から油に変更することで330℃で一定となることを実現し実験を行なった。
その他の条件は実施例1の場合と同様の手法で、n型半導体層、i型半導体層、p型半導体層、透明電極、集電電極を順次形成し、光起電力素子(試料No.3)を作製した。
【0039】
(比較例3)
まず実施例3で得られた光起電力素子(試料No.3)及び比較例2で得られた光起電力素子(比較試料No.2)のそれぞれについて、光電変換効率ηの評価を行った。
【0040】
実施例3の試料No.3および比較例2の比較試料No.2の光起電力素子をそれぞれ5枚ずつ製作し、AM−1.5(100mW/cm)光照射下に置き、上部電極に直流電圧を印加し、電流電圧特性を測定し、開放電圧、フィルファクター及び光電変換効率ηを評価したところ、比較試料No.2の光起電力素子に対して、試料No.1の光起電力素子は、開放電圧の値が平均して1.19倍、フィルファクターの値が平均して1.2倍、光電変換効率ηが平均して1.4倍優れていた。
また、実施例2で作製した光起電力素子および比較例2で作製した光起電力素子(比較試料No.1)の各々をポリフッ化ビニリデン(VDF)のからなる保護フィルムで真空封止し、実使用条件下(屋外に設置、両電極に50オームの固定抵抗を接続)に1年間置いた後、再び光電変換効率の評価を行い、光照射に起因する劣化率(劣化により損なわれた光電変換効率の値を初期の光電変換効率で割ったもの)を調べた。その結果、本発明によるp型半導体層を形成した光起電力素子(試料No.3)の劣化率は、従来の方法によりp型半導体層を形成した光起電力素子(比較試料No.2)の劣化率に対する比で50%と低く抑えられていた。
【0041】
以上のことから、本発明により作製した光起電力素子は、光電変換効率が飛躍的に向上し、且つ実使用条件化における信頼性が大幅に向上することがわかった。
【0042】
[実施例4]
本例では、実施例1が下部電極の表面上に1組のpin接合を設けたのに代えて、3組のpin接合を積層して用いた。このように、3組のpin接合を積層した場合には、トリプル型光起電力素子と呼ばれる。
ここでは、光入射側のpin接合部において、i型半導体層を形成する為の放電生起手段をRF放電とした以外は、実施例1と同様にした。
上記のトリプル型光起電力素子を作製する場合、図4に示した堆積膜形成装置のp型半導体層作成用容器406と巻き取り室403の間に、新たに、n型半導体層作成用容器、i型半導体層作成用容器、p型半導体層作成用容器、n型半導体層作成用容器、i型半導体層作成用容器、p型半導体層作成用容器を各ガスゲートを介して接続して増設した装置を用いた。
第1及び第2のpin接合のi型半導体層は、a−SiGe:Hで形成し、第3のpin接合のi型半導体層はa−Si:Hでそれぞれi型半導体層を形成した。作製条件は表3に示す。また、積層順は、表3の上欄より下欄の順である。
続いて、連続モジュール化装置(不図示)を用いて、作製した光起電力素子を大きさが36cm×22cmの多数の光起電力素子モジュールに加工した。加工した光起電力素子モジュールについて、AM1.5でエネルギー密度100mW/cmの疑似太陽光を用いて特性評価を行ったところ、7.8%以上の光電変換効率が得られ、また、各光起電力素子モジュール間の特性のバラツキも5%以内に収まった。また、加工した光起電力素子モジュールの中から2個を抜き取り、連続200回の繰り返し曲げ試験を行ったところ、試験後においても特性が劣化することはなく、堆積膜の剥離等の現象も認められなかった。さらに、上述したAM1.5でエネルギー密度100mW/cmの疑似太陽光を連続500時間照射したのちでも、光電変換効率は初期値に対して8.5%以内に収まっていた。この光起電力素子モジュールを接続することにより、出力5kWの電力供給システムを構成することができた。また、成膜経過時間と堆積室壁温度との関係を図5○印に示す。図5から堆積室壁温度は250℃で長時間に渡り安定していることがわかる。また、成膜経過時間と得られた光起電力素子モジュールの光電変換効率との関係を図6□に示す。図6から長時間にわたって成膜しても光電変換効率が約7.8%と安定していることがわかる。
【0043】
【表3】
Figure 0003542480
(比較例4)
本例では、i型半導体層の作製条件以外は実施例4と同じにして光起電力素子を作製した。以下実施例1との相違点をまとめる。
(1)i型半導体層堆積膜壁の水冷を行なわず、ガスマニホールドを堆積膜壁と一体型の装置で作製する以外は、同じ条件となる様にした。
実施例4と同様に、成膜経過時間に合わせた堆積室壁温度と光電変換効率の経時的変化の各々様子を図5●印、図6■印に示す。図5、図6から成膜開始の数時間後には、堆積室壁温度は好適温度範囲を越え、光電変換効率も急激に低下していることがわかる。
【0044】
[実施例5]
上述した実施例4ではp型半導体層として、a−Si:H堆積膜を用いたが、ここでは、a−Si:H堆積膜の代わりにa−SiC:H堆積膜を用いて光起電力素子を製作し、光起電力素子モジュールに加工した。作製条件を表4に示す。加工した光起電力素子モジュールについて、実施例3と同様の特性の評価を行ったところ、7.8%以上の光電変換効率が得られ、各光起電力素子モジュール間の特性のバラツキも5%以内に収まっていた。また、連続200回の繰り返し曲げ試験後においても特性の劣化は認められず、堆積膜の剥離も起こらなかった。さらに、連続500時間の疑似太陽光照射の後も、光電変換効率の変動は初期値に対して8.3%以内に収まっていた。この光起電力素子モジュールを使用することにより、出力5kWの電力供給システムを構成することができた。
【0045】
【表4】
Figure 0003542480
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、基板上に大面積にわたって高品質で優れた均一性を有する非単結晶半導体薄膜を形成することが可能となる。
また、本発明によれば、光劣化の少ない光起電力素子を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による非単結晶質シリコン光起電力素子のi型半導体層を作製するための模式的構成図である。
【図2】図2は、本発明による非単結晶質シリコン光起電力素子の層構成を説明するための模式的構成図である。
【図3】図3は、本発明による非単結晶質シリコン光起電力素子の積層型光起電力素子の層構成を説明するための模式的構成図である。
【図4】図4は、実施例1に係る光起電力素子製造装置の模式図である。
【図5】図5は、実施例4、比較例4に係る成膜経過時間における堆積室壁温度の関係を表したグラフである。
【図6】図6は、実施例4、比較例4に係る成膜経過時間における光電変換効率の関係を表したグラフである。
【符号の説明】
101:帯状基板
102:膜堆積室
103:膜堆積室壁
104:冷却配管
105:ガスマニホールド
106:成膜ガス導入管
106a:分岐管
107:排気管
108:ゲートバルブ
109:油拡散ポンプ
110:粗引き用配管
110a:L型バルブ
111:i層成膜容器(i型半導体層成膜容器)
112:アルミナセラミックス
113:アプリケータ
114:導波管
115:ランプハウス
116:赤外線ランプヒーター
117:熱電対
118:バイアス棒
119:壁用ヒーター
201:基板
202:裏面電極
203:n型半導体層
204:i型半導体層
205:p型半導体層
206:透明電極
207:集電電極
301:基板
302:裏面電極
303:n型半導体層
304:i型半導体層
305:p型半導体層
306:n型半導体層
308:i型半導体層
309:p型半導体層
310:n型半導体層
311:i型半導体層
312:p型半導体層
313:透明電極
314:集電電極
401:帯状基板
402:送り出し室
403:巻き取り室
404:n型半導体層作成用容器
405:i型半導体層作成用容器
406:p型半導体層作成用容器
407:送り出し用ボビン
408:巻き取り用ボビン
409:搬送用ローラー
410:成膜ガス導入口
411:コンダクタンス調整用のスロットルバルブ
412:排気管
413:アプリケータ
414:導波管
415:電極
416:電源
417:ランプヒーター
418:ランプハウス
419:熱電対
420:ゲートガス導入管
421:壁冷却管
422:ガスマニホールド

Claims (8)

  1. 膜堆積室壁と帯状基板に囲まれた成膜空間を有する膜堆積室と、該堆積室壁を囲む外チャンバーとからなり、前記帯状基板を該帯状基板の長手方向に移動させながら、前記成膜空間にガス供給手段を介して成膜ガスを導入するとともに、前記成膜空間にプラズマを生起し、前記帯状基板の表面に非単結晶半導体薄膜を形成する装置において、前記ガス供給手段がガスマニホールドを備え、該ガスマニホールドを前記成膜室壁から離して設けたことを特徴とする非単結晶半導体薄膜の形成装置。
  2. 前記堆積室壁の外側面の一部を覆うように冷却機構及び昇温機構を設けたことを特徴とする請求項1記載の非単結晶半導体薄膜の形成装置。
  3. 前記成膜空間にマイクロ波あるいはVHF波を導入する手段を有することを特徴とする請求項1記載の非単結晶半導体薄膜の形成装置。
  4. 膜堆積室壁と帯状基板に囲まれた成膜空間を有する膜堆積室と、該堆積室壁を囲む外チャンバーとからなる半導体薄膜形成装置を用い、前記帯状基板を該帯状基板の長手方向に移動させながら、前記成膜空間にガス供給手段を介して成膜ガスを導入するとともに、前記成膜空間にプラズマを生起し、前記帯状基板の表面に非単結晶半導体薄膜を形成する方法において、前記ガス供給手段がガスマニホールドを備え、該ガスマニホールドを前記成膜室壁から離して設けたことを特徴とする非単結晶半導体薄膜の形成方法。
  5. 前記堆積室壁の外側面の一部を覆うように設けた冷却機構及び昇温機構により温度調節しながら薄膜形成を行なうことを特徴とする請求項4記載の非単結晶半導体薄膜の形成方法。
  6. 前記成膜空間にマイクロ波あるいはVHF波を導入する手段を有することを特徴とする請求項4記載の非単結晶半導体薄膜の形成方法。
  7. 請求項4に記載の方法を用いて非単結晶半導体薄膜を形成する工程を有する光起電力素子の製造方法。
  8. 前記非単結晶半導体薄膜を形成する工程がi型半導体層を形成する工程であることを特徴とする請求項7記載の光起電力素子の製造方法。
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