JP4067589B2 - 薄膜太陽電池の作製方法 - Google Patents

薄膜太陽電池の作製方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガラスや、可撓性を有するプラスチック、ステンレス等を基板として用い、その上に電極、光電変換層を積層して構成される薄膜太陽電池、および薄膜太陽電池の作製方法、および薄膜太陽電池の作製装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜太陽電池は、ガラス基板や、厚さ約100μm程度の可撓性を有するプラスチックやステンレスフィルムを基板に用いて作製されている。
薄膜太陽電池はこれらの基板の主表面上に、光反射電極、光電変換層、透明電極を積層して構成されている。また、基板の主表面上に、透明電極を設け、その上に光電変換層、光反射電極を設ける構成、あるいは、光反射電極に変えて透明電極とし、2つの透明電極で光電変換層を挟む構成、などもある。
図1は、従来の薄膜太陽電池の断面構造図の一例を示す。
【0003】
基板101上の光反射電極102は、Al(アルミニウム)、Ag(銀)等の反射率の高い金属が用いられる。厚さは通常、0.1から1μm程度の範囲で形成される。
但し、これらの金属は、この次に形成する光電変換層103の構成材料となるSi(シリコン)と比較的容易に相互に反応し合金化する。
これを防ぐ目的で、光反射率の高い金属の上に、拡散ブロック層(バリアメタル)としてCr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、ステンレス等の金属や、ZnO(酸化亜鉛)等の酸化物金属を薄く形成して、光反射電極を構成する(図示せず)。
この拡散ブロック層の厚さは、通常0.1μm程度か、それ以下である。
【0004】
光電変換層103はシリコンを主成分とした非単結晶半導体によるPIN接合で形成される。光電変換層103の構造はPIN接合を1つ用いたシングルセルや、PIN接合を直列に2つ接続した2層タンデムセル、3つ直列に接続した3層タンデムセル等があり、用途や目的に応じて適宜選択されている。
【0005】
前記シリコンを主成分とした非単結晶半導体によるPIN接合の作製方法には、グロー放電分解法(プラズマCVD法)が用いられる。
グロー放電分解法は、減圧下の反応容器内にシリコンの原料となるシランガスと、必要に応じて水素等の希釈ガスや、価電子制御を目的としてジボラン、フォスフィン等のドーピングガスが混合された反応ガスを導入し、グロー放電を発生させ、その放電エネルギーにより前記ガスを分解し、基板上に堆積させ被膜を形成する方法である。
【0006】
前記作製方法において、非単結晶半導体は、基板温度100〜250℃、好ましくは150〜240℃、反応圧力0.01〜10Torr、好ましくは0.03〜1Torr、の条件下で単位面積(cm2 )当たり0.01mW〜10mWの高周波(通常は13.56MHz)電力が印加され作製される。
【0007】
上記グロー放電分解法で製作された非単結晶半導体膜には、その作製条件にもよるが、膜中に、数atoms%〜数十atoms%の水素が含まれることが知られている。この含有水素量は、被膜成膜時の基板温度や、反応ガス(シラン、水素)の混合比、また放電電力に依存し、意図的に変化させることが可能である。
【0008】
N型の非単結晶半導体にはリン(原子記号:P)が添加されたシリコン薄膜、例えば、a(アモルファス)−Si:H、μc(微結晶)−Si:H、炭素が添加されたa−SiC:Hが用いられる。
実質的に真性なI型の非単結晶半導体には、a−Si:H、ゲルマニウムが添加されたa−SiGe:H、a−SiC:Hが用いられる。
P型の非単結晶半導体にはボロン(原子記号:B)が添加された、a−Si:H、μc−Si:H、a−SiC:Hが用いられる。
【0009】
光電変換層の各層の厚さは、N型層が5〜50nm、好ましくは20〜30nmの厚さで形成され、I型層が50〜1000nm、好ましくは300〜600nmの厚さで形成され、P型層が5〜50nm、好ましくは10〜25nmの厚さで形成される。
光電変換層は、一般に前記光反射電極の上にN型層、I型層、P型層の順に積層される。勿論、PINの順であってもよい。
【0010】
透明電極104には酸化インジュム・スズ合金や、酸化スズ等が用いられ、これらはスパッタ法で形成される。透明電極層の厚さは40〜200nmの厚さで形成される。
【0011】
光電変換層を作製するための装置は、反応室と、反応室を真空排気する排気手段と、反応室に反応ガスを導入するガス導入手段と、反応室の内部において被膜を形成する基板を保持する基板保持手段と、グロー放電を発生させる手段と、から構成される。
グロー放電の発生手段は、通常容量結合型と呼ばれる方法で、陰極と陽極の2枚の互いに平行な電極から構成される。陽極は接地電位にされ、基板保持手段、基板加熱手段を兼ねている場合が多い。陰極は高周波電源に接続され、陰極と陽極の間に高周波電力が印加され、グロー放電が発生する。
さらに、薄膜太陽電池の光電変換層は、前述のごとくPIN接合により形成され、これらの各層を形成するための反応ガスはそれぞれ異なるため、これを作製するための装置はP、I、Nの各層ごとに専用の反応室が準備されている。
【0012】
また、可撓性基板を用いた薄膜太陽電池の作製においては、ロール状に巻かれた可撓性基板を一方のロールから巻きだし、反応室を通過させながら可撓性基板上に被膜を堆積して、もう一方のロールに可撓性基板を巻き取る方式の装置が用いられる。この方式は、通常ロールツーロール方式と呼ばれている。
【0013】
図2は、従来のロールツーロール方式による半導体被膜作製装置の一例である。
この装置は、ボビン225に巻かれた可撓性基板200の巻き出し室201と、巻取り用のボビン226を有する巻き取り室205と、P、I、Nの各反応室202、203、204と、各反応室を仕切るスリット221、222,223、224と、基板加熱手段206、207、208、高周波電源212、213、214に接続されたグロー放電発生用電極209、210、211、排気手段215、216、217、ガス導入手段218、219、220から構成されている。
【0014】
【従来技術の問題点】
シリコンを主成分とした非単結晶半導体を用いた薄膜太陽電池には、光照射により光電変換特性が劣化する光劣化の問題がある。光劣化は、光電変換層の実質的に真性な水素化アモルファスシリコンから成るI型層の劣化であることが確認されている。
また、薄膜太陽電池の光劣化は光照射時の光強度、温度等の外的条件や、光電変換層の作製条件により変化することが知られている。
【0015】
前記した、水素化アモルファスシリコンから成るI型層の劣化は、I型層膜中の欠陥密度の増加によるものであることが知られている。この欠陥密度は、例えば電子スピン共鳴法等による測定方法により観測することが可能である。光劣化による欠陥密度の増加はこの電子スピン共鳴法でも観測されている。
具体的には、初期状態で1cm3当たり約1×1015個程度の欠陥密度が、光劣化により約5×1016個程度またはそれ以上にまで増加することが知られている。
【0016】
欠陥密度が増加する理由については様々な議論があり、十分明らかにされていないが、その原因の一つとして、水素化アモルファスシリコンの膜中に含まれる(結合)水素による影響が指摘されている(参考文献:森垣和夫,”水素化アモルファス・シリコンにおける光誘起現象”,固体物理,Vol.23,No.5,1988,pp.1 )。
そしてその結果によれば、膜中に含まれる水素を少なくした方が、光劣化が減少することが考えられる。
【0017】
前述のように、水素化アモルファスシリコンの(結合)水素濃度は、その成膜条件により変化するが、水素濃度を減らす目的においては基板温度を増加させることが効果的であり、また必要である。
そこで実際に、I型層膜成膜時における基板温度を変化させて、I型層中の水素濃度の多い太陽電池と、比較的少ない太陽電池の光劣化の割合を比べてみると、水素濃度の少ない太陽電池の方が、光劣化率が少ないことが確認された。
【0018】
例えば、水素濃度の多い太陽電池は、I型層の成膜温度を120℃として製作した。一方、水素濃度の少ない太陽電池は、I型層の成膜温度を240℃として製作した。
図3は、I型層の水素濃度の異なる太陽電池の特性の比較を示す図である。
図3において、サンプルAは、水素濃度が28atoms%のものであり、サンプルBが結合水素濃度12atoms%のものである。これらのサンプル対して、サンプルの温度を50℃一定とし、開放状態として、AM1.5 、 100mW/cmの光を1000時間連続で照射した後の劣化率を比較すると、サンプルAで約40%、サンプルBで25%の劣化率が観測された。
【0019】
しかし、これらの太陽電池の初期の光電変換特性を比較すると、水素濃度が高いサンプルAの太陽電池の変換効率(EFF)は9.5%であるのに対し、サンプルBの変換効率は7.5%であった。
【0020】
初期変換効率の差は、I型層の成膜温度が原因である。これらの太陽電池の特性を表1に示す。2つのサンプルの変換効率の差は、曲線因子(FF)と開放電圧(Voc)に現れている。
【0021】
【表1】
Figure 0004067589
【0022】
表2に示すように、水素濃度の高いサンプルAのI型層の光学ギャップ(Eg)は1.80eVであるのに対し、水素濃度の低いサンプルBの光学ギャップは1.72eVである。一方、暗伝導度(σd)、光伝導度(σP)、欠陥密度(Nd)といった他の諸特性は、あまり大きな差は無かった。
したがって、開放電圧の差の原因は、主としてI型層の光学ギャップの差によるものである。
【0023】
【表2】
Figure 0004067589
【0024】
一方、曲線因子の差の原因は、I型層の膜質かP、N型層との接合界面に原因があると考えられる。
ここで確認のために、同じ条件で石英ガラス基板上に堆積させた、それぞれのI型層の膜特性を比較すると、光学ギャップや暗伝導度、光伝導度に若干の差が観測されたが、欠陥密度について比較するとあまり差は観測されなかった。
したがって、曲線因子の差は、I型層そのものの膜特性が原因ではなく、その接合を形成する界面に問題があることが推測される。
【0025】
太陽電池の光電変換層は、例えばN型層、I型層、P型層の順に順次積層していくが、I型層の成膜時の温度を考えた場合、影響が及ぶのはその下地である。従って、この場合はN/I界面がそれに相当する。
【0026】
太陽電池の初期特性は、I型層の成膜温度を低くした、水素濃度の多い方が良いが、光劣化に対しては、成膜温度を高くして、水素濃度が少なくなる方が良いことが明らかとなった。
しかし、以上の結果では、初期変換効率を下げずに、光劣化率の低い太陽電池を作製することは不可能であった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い初期変換効率を維持しつつ、光劣化の少ない薄膜太陽電池を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記光劣化特性を改善した薄膜太陽電池の、作製方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、前記光劣化特性を改善した薄膜太陽電池の、作製装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、下地側の膜とI型層との接合界面の欠陥準位密度を低減する太陽電池の作製方法と、その作製方法を実施する半導体被膜作製装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に開示する主要な構成の一つは、
反応室と、
該反応室を真空排気する排気手段と、
前記反応室内に反応ガスを導入するガス導入手段と、
前記反応室内に設けられたグロー放電発生手段と、
前記反応室内に設けられた基板加熱手段と
で構成され、
基板が前記グロー放電発生手段により形成されるグロー放電空間内の所定の方向に搬送され、
前記基板加熱手段は、前記基板の搬送方向において異なる温度で前記基板を加熱することを特徴とする半導体被膜作製装置である。
【0029】
他の構成は、
反応室と、
該反応室を真空排気する排気手段と、
前記反応室内に反応ガスを導入するガス導入手段と、
前記反応室内に設けられたグロー放電発生手段と、
前記反応室内に設けられた基板加熱手段と
で構成され、
基板が前記グロー放電発生手段により形成されるグロー放電空間内の所定の方向に搬送され、
前記基板加熱手段は、前記基板の搬送方向に対して複数配列して設けられており、
前記複数の基板加熱手段のうち少なくとも一つは、他の基板加熱手段とは独立に温度制御されること、
を特徴とする半導体被膜作製装置である。
【0030】
他の構成は、
反応室と、
該反応室を真空排気する排気手段と、
前記反応室内に反応ガスを導入するガス導入手段と、
該反応室内に配置されたグロー放電発生用の電極と、
前記電極に高周波電力を供給してグロー放電を発生させる高周波電源と、
前記反応室内に設けられた基板加熱手段と
で構成され、
基板が前記グロー放電発生用の電極および高周波電源により形成されるグロー放電空間内の所定の方向に搬送され、
前記グロー放電発生用の電極は、複数の陽極電極と該複数の陽極電極に対向する陰極電極とで構成され、
前記複数の陽極電極は前記基板搬送方向に対して配列して設けられ、
基板が前記陽極電極と陰極電極との間の所定の方向に搬送され、
前記陽極電極は接地電位に接続され、
前記陰極電極は高周波電源に接続され、
前記基板加熱手段は、前記基板の搬送方向に対して複数配列して設けられており、
前記複数の基板加熱手段のうち少なくとも一つは、他の基板加熱手段とは独立に温度制御されること、
を特徴とする半導体被膜作製装置である。
【0031】
すなわち、本明細書で開示する主要な構成の一つは、グロー放電分解法(プラズマCVD法)によりアモルファスシリコン膜を成膜する際に、基板搬送方向において異なる温度で基板を加熱することのできる装置である。
【0032】
上記した半導体被膜作製装置において、基板加熱手段は陽極電極を兼ねていてもよい。
【0033】
また、基板として可撓性基板を用いてもよい。
【0034】
さらにその際に、可撓性基板はロールツーロール方式により搬送されるものであってもよい。
【0035】
本明細書に開示する主要な構成の他の一つは
なくとも基板、光反射電極、光電変換層、透明電極、から構成される薄膜太陽電池において、
前記光電変換層は、シリコンを主成分とする非単結晶半導体からなり、
かつ少なくとも1つのPIN接合を有し、
前記PIN接合を構成する実質的に真性なI型層は、水素化アモルファスシリコンを主成分と
前記実質的に真性なI型層は、水素濃度が異なる、複数の水素化アモルファスシリコン層で構成されていることを特徴とする薄膜太陽電池である。
【0036】
この薄膜太陽電池のI型層は、上述の半導体被膜作製装置で成膜することができる。
【0037】
この薄膜太陽電池において、実質的に真性なI型層を構成する複数の水素化アモルファスシリコン層のうち、透明電極側の層の水素濃度が、光反射電極側の層の水素濃度より少ないものであってもよい。
【0038】
また、実質的に真性なI型層を構成する複数の水素化アモルファスシリコン層のうち、P型層側の層の水素濃度が、N型層側の層の水素濃度より少ないものであってもよい。
【0039】
また、実質的に真性なI型層を構成する前記複数の水素化アモルファスシリコン層のうち、透明電極側の不純物層に接する層の水素濃度が、光反射電極側の不純物層に接する層の水素濃度より少ないものであってもよい。
【0040】
また、実質的に真性なI型層を構成する複数の水素化アモルファスシリコン層のうち、P型層側の層の水素濃度が、N型層側の層の水素濃度より少なく、かつP型層に接する層およびその近傍の層において、該層とP型層との界面における欠陥準位密度を低下させるに十分な水素濃度を有するようにしてもよい。
【0041】
さらに、実質的に真性なI型層を構成する複数の水素化アモルファスシリコン層として、水素化アモルファスシリコン炭素を用いてもよい
【0042】
また、実質的に真性なI型層を構成する複数の水素化アモルファスシリコン層として、水素化アモルファスシリコンゲルマニウムを用いてもよい
【0043】
また、基板として可撓性基板を用いてもよい。
【0044】
本明細書で開示する主要な構成の他の一つは
板上に形成され、少なくとも1つのPIN接合を有し、水素化アモルファスシリコンを主成分とする層により構成された光電変換層を有する太陽電池の、実質的に真性なI型層をグロー放電分解法により成膜するに際し、
基板を所定の方向に搬送させながら成膜し、
かつ、前記基板の搬送方向において、基板温度を異ならせることを特徴とする薄膜太陽電池の作製方法である。
【0045】
この作製方法を用いて、薄膜太陽電池を作製することができる。
【0046】
この薄膜太陽電池の作製方法において、光入射側のI型層を成膜する際の基板温度を、光入射側とは反対側のI型層を成膜する際の基板温度より高くしてもよい。
【0047】
また、光入射側の不純物層に接するI型層を成膜する際の基板温度を、光入射側とは反対側の不純物層に接するI型層を成膜する際の基板温度より高くしてもよい。
【0048】
この際、光入射側とは反対側の不純物層に接するI型層を成膜する際の基板温度が、80℃から200℃の範囲が好ましい。
【0049】
他方、光入射側の不純物層に接するI型層を成膜する際の基板温度が、160℃から300℃が好ましい。
【0050】
さらに、光入射側の不純物層がP型、光入射側とは反対側の不純物層がN型としてもよい。
【0051】
また、基板として可撓性基板を用い、ロールツーロール方式で成膜してもよい。
【0052】
また、P型層と接するI型層成膜時の基板温度は、200℃から300℃であることが好ましい。
【0053】
本明細書に開示する主要な構成の他の一つは、
反応室と、
該反応室を真空排気する排気手段と、
前記反応室内に反応ガスを導入するガス導入手段と、
前記反応室内に設けられたグロー放電発生手段と、
で構成され、
基板が前記グロー放電発生手段により形成されるグロー放電空間内の所定の方向に搬送され、
前記グロー放電発生手段は、前記基板の搬送方向において周波数、出力、またはその両方が異なる高周波電力を発生するものであることを特徴とする半導体被膜作製装置である。
【0054】
他の構成は、
反応室と、
該反応室を真空排気する排気手段と、
前記反応室内に反応ガスを導入するガス導入手段と、
該反応室内に配置されたグロー放電発生用の電極と、
前記電極に高周波電力を供給してグロー放電を発生させる高周波電源と、
で構成され、
基板が前記電極および高周波電源により形成されるグロー放電空間内の所定の方向に搬送され、
前記電極および高周波電源は、前記基板の搬送方向において周波数、出力、またはその両方が異なる高周波電力を発生するものであることを特徴とする半導体被膜作製装置である。
【0055】
他の構成は、
反応室と、
該反応室を真空排気する排気手段と、
前記反応室内に反応ガスを導入するガス導入手段と、
該反応室内に配置されたグロー放電発生用の電極と、
前記電極に高周波電力を供給してグロー放電を発生させる高周波電源と、
で構成され、
前記グロー放電発生用の電極は、陽極電極と該陽極電極に対向する複数の陰極電極とで構成され、
前記複数の陰極電極は前記基板搬送方向に対して配列して設けられ、
基板が前記陽極電極と陰極電極との間の所定の方向に搬送され、
前記陽極電極は接地電位に接続され、
前記陰極電極はそれぞれ高周波電源に接続され、
前記複数の陰極電極のうち少なくとも一つに印加される高周波電力は、周波数、出力、またはその両方が他の陰極電極に印加される高周波電力とは独立に制御されることを特徴とする半導体被膜作製装置である。
【0056】
すなわち、本明細書で開示する主要な構成の他の一つは、グロー放電分解法(プラズマCVD法)によりアモルファスシリコン膜を成膜する際に、基板搬送方向において異なる出力、周波数、またはその両方を印加することのできる装置である。
【0057】
上記した半導体被膜作製装置において、一つの陰極電極に一つの高周波電源が接続して設けられていてもよい。
【0058】
また、陽極電極は基板搬送方向に対して複数配列されていてもよい。
【0059】
また、反応室は基板加熱手段が設けられ、該基板加熱手段は、基板の搬送方向において異なる温度で基板を加熱するようにしてもよい。
【0060】
さらにその際に、基板加熱手段は、基板搬送方向に対して複数配列して設けられ、前記基板加熱手段のうちの少なくとも一つは、他の基板加熱手段とは独立して温度制御されるものとしてもよい。
【0061】
さらにその際の基板加熱手段は、陽極電極を兼ねていてもよい。
【0062】
また、上述の半導体被膜作製装置は、反応室を他の反応室に隣接して設け、他の反応室で成膜された被膜上に被膜を成膜するように設けられていてもよい。
【0063】
また、基板として可撓性基板を用いてもよい。
【0064】
さらにその際に、可撓性基板はロールツーロール方式により搬送されるものであってもよい。
【0065】
本明細書に開示する主要な構成の他の一つは
板上に形成され、少なくとも1つのPIN接合を有し、水素化アモルファスシリコンを主成分とする層により構成された光電変換層を有する太陽電池の、実質的に真性なI型層をグロー放電分解法により成膜するに際し、
基板を所定の方向に搬送させながら成膜し、
かつ、前記基板の搬送方向において、グロー放電を発生させる高周波電力の周波数、出力、またはその両方を異ならせることを特徴とする薄膜太陽電池の作製方法である。
【0066】
この薄膜太陽電池の作製方法において、下地側のI型層を成膜する際の周波数を、I型層の他の部分を成膜する際の周波数より高くしてもよい。
【0067】
また、下地側のI型層を成膜する際の出力を、I型層の他の部分を成膜する際の出力より低くしてもよい。
【0068】
【作用】
薄膜太陽電池の、光電変換層の実質的に真性なI型層を、複数の水素濃度の異なる層を積層して構成し、これらの層のうち、光入射側に位置する層の水素濃度を低くすることにより、光劣化が低減される。また、光入射側とは反対側に位置する層の水素の濃度を高くすることにより、高い初期変換効率を有する薄膜太陽電池を得ることができる。
したがって、薄膜太陽電池をこのような構成とすることにより、高い初期変換効率を有し、かつ光劣化を低減することができる。
【0069】
実質的に真性な半導体層であるI型層の、水素濃度を変化させるためには、成膜時の温度を制御すればよい。すなわち、光入射側、または光入射側の不純物層(P型またはN型)に接するI型層を成膜する時には、水素濃度を低下させるために、基板温度を高くする。基板温度は、好ましくは、160℃以上、より好ましくは、200℃〜300℃とする。
【0070】
また、光入射側とは反対側、または光入射側とは反対側の不純物層(P型またはN型)に接するI型層を成膜する時には、水素濃度を高くするために、基板温度を低く、好ましくは、200℃以下、より好ましくは80℃〜180℃とする。
【0071】
I型層を構成する複数の層の、各々における水素濃度は、光入射側から光入射側とは反対側へ向かって高くなるように、各層を成膜する。水素濃度の変化の割合は、段階的であってもよいし、複数の層の数を多くして、連続的に変化させてもよい。
【0072】
また、光入射側の不純物層がP型層である場合、P型層とI型層との接合面においては、I型層を構成する複数の層において、光入射側のI型層の水素濃度を高くし、光入射側とは反対側に向かって、接合面から50nm程度以内において水素濃度を低下させ、再び、光入射側とは反対側に向かって、水素濃度を増加させていってもよい。
【0073】
このようにすることで、I型層とP型層との接合界面において、I型層内の欠陥準位密度を低下させ、その結果、薄膜太陽電池の開放電圧が高くなり、変換効率を、数%〜10%程度向上させることができる。
【0074】
また、このような薄膜太陽電池を作製するための装置として、ロールツーロール方式のようなグロー放電空間内を所定の方向に所定の速度で基板を搬送させながら成膜する半導体被膜作製装置において、1つの反応室内に、基板搬送方向に複数配列された基板加熱手段を設ける。かつその少なくとも一つの基板加熱手段の加熱温度が、他の基板加熱手段とは独立して制御されるように設けられた装置を用いることができる。このような装置により、水素濃度の異なる膜を連続して成膜することが可能となる。
【0075】
また、水素濃度の異なる膜のそれぞれの厚さは、基板の搬送速度を一定とすると、基板搬送方向に対する同一加熱温度を発生する長さ制御できる。すなわち、一つの基板加熱手段が同一の加熱温度を生じるとすると、基板加熱手段の基板搬送方向に対する長さにより、水素濃度の異なる膜のそれぞれの厚さを制御することが可能である。
【0076】
このようにして、基板をグロー放電空間内の所定の方向に搬送させながら成膜する半導体被膜作製装置において、任意の水素濃度および厚さを有する半導体層を連続的に作製することができる。その結果、高性能な薄膜太陽電池を量産性良く作製することも可能となる。
【0077】
また、プラズマCVD法においては、アモルファスシリコン膜を成膜する際に印加する高周波の出力を変化させると、成膜速度(growth rate)を変化させることができる。例えば、高周波出力が大きくなると、成膜速度が速くなる傾向がある。
【0078】
また、出力を大きくして成長速度を速めると、下地側の膜の表面、例えばN型層の上にI型層を成膜する場合はN型層の表面がスパッタされやすくなる。その結果、その上に成膜されるI型層との界面において欠陥準位密度が増加しやすくなる。
【0079】
下地側の膜、P型やN型の不純物層と、その上のI型層との界面における欠陥準位密度の低減は、作製される太陽電池の曲線因子(FF)の向上に極めて大きく寄与する要素である。ゆえにI型層の下地側の層の成膜時には、高周波の出力を小さくして、下地側の膜のスパッタを低減することが好ましい。
【0080】
他方、I型層の中間〜上部の成膜は、高周波の出力を大きくすることで、より高速に成膜でき、スループットの向上に寄与する。
【0081】
また、成膜時の高周波の周波数を変化させると、自己バイアス電圧および成膜速度が制御される。プラズマCVDにおいて自己バイアス電圧は、印加する高周波の周波数が高いほど低くなる傾向がある。
【0082】
自己バイアス電圧が低くなることで、下地側の膜の表面へのスパッタが低減される。これにより、下地側の膜とI型層との界面、例えばNI界面における欠陥準位密度を低減させ、曲線因子(FF)を向上させ、ひいては光電変換効率を向上させることができる。
【0083】
また、高周波の周波数を上げていくと成膜速度が次第に速くなり、さらに周波数を上げていくと成膜速度は次第に低下する傾向がみられる。
【0084】
このような傾向を利用して、高周波の周波数を制御して下地側の膜表面のスパッタを低減し、欠陥準位密度を低下させて良好な界面特性を得、かつ高速な成膜を行なうことができる。
【0085】
特に、下地側の膜表面のスパッタを低減するために高周波出力を低下させると、成膜速度も遅くなってしまうが、このときに高周波の周波数を、自己バイアス電圧が低く成長速度が速くなるような値に制御する。これにより下地側の膜へのスパッタを大幅に低減させながら、高速な成膜を行なうことが可能となる。
【0086】
また、ロールツーロール方式のような、グロー放電空間内を所定の方向に所定の速度で基板を搬送させながら成膜する場合、成膜速度を制御することで、成膜される膜厚の制御が行われる。高周波の出力と周波数を適当に制御することで、同一反応室内の成膜工程にて特性の異なる膜の膜厚制御を容易に行うことができる。
【0087】
また、このような構成の反応室を、他の半導体層、例えばN型層を成膜する反応室の後に隣接して設けることで、下地側となる半導体層とその上の半導体層との界面での欠陥準位密度の低減効果をより高めることができる。
【0088】
結果として、作製される太陽電池の曲線因子、スループットを向上させることができる。
【0089】
【実施例】
〔実施例1〕
図4に、実施例1にて作製される、薄膜太陽電池の断面構造を示す。
図4においては、可撓性基板401の片側表面上に、光反射電極402、光電変換層403、透明電極層404が形成されている。
【0090】
可撓性基板401は、ここでは厚さ75μm、幅250mmのPETフィルム(ポリエチレンテレフタレート)を用いた。また、その他の可撓性基板材料としては、その他にPEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルフォン)等を用いることができる。
【0091】
光反射電極402は、Al(アルミニウム)/バリアメタルの2層構造(図示せず)である。バリアメタルとしては、例えばTi(チタン)、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、ステンレス等の金属や、ZnO(酸化亜鉛)等の酸化物金属を用いることができる。
【0092】
また、光反射電極402を、ITO(酸化インジウム・スズ)や酸化スズを主成分とする、透明電極としてもよい。
【0093】
光電変換層403は、光反射電極402側から、N型μc(微結晶)−Si:H、I型a(アモルファス)−Si:H、P型μc−Si:Hが積層されている。
【0094】
さらに、I型a−Si:Hは、N型層側から水素濃度C1、C2、C3をもつ積層構造をもっている。
【0095】
透明電極層404は、ITO(酸化インジューム・スズ)である。ITOのシート抵抗は、10Ω〜100kΩ/□程度を有するため、ここでの抵抗による出力損失を防ぐために、ITO上にAg(銀)のグリット電極(補助電極)が設けられ、シート抵抗を低下させている。
【0096】
以下に、図4に示す薄膜太陽電池を作製する工程を示す。まず、可撓性基板上401に、光反射電極402が形成される。可撓性基板401は、ここでは厚さ75μm、幅250mmのPENフィルム(ポリエチレンテレフタレート)を用いた。
【0097】
光反射電極402として、ここでは、Al(アルミニウム)とTi(チタン)の2層構造として、それぞれの層の厚さを、150nm、3nmとした。
【0098】
光反射電極402は、スパッタ法を用いて形成される。スパッタ装置としては、成膜するためのターゲットが2つ用意されており、ロールに巻かれた可撓性基板401を一方から送りだし、反応室ではロールキャンに巻きつけながら搬送し、さらに片側一方で巻き取りながら連続して成膜する、ロールツーロール対応の装置を用いた。
【0099】
次に、光電変換層403が形成される。
実施例1においては、図5に示すロールツーロール方式のプラズマCVD装置を用いて光電変換層403を形成した。
【0100】
図5に示すプラズマCVD装置は、ロール状の可撓性基板401を巻き出す為の巻きだし室501と、フィルム基板を巻き取る為の巻き取り室505と、その間に設けられた反応室502、503、504から構成されている。
反応室は、N、I、P型層に対してそれぞれ設けられている。また、各室間は、スリットを有する壁506、507、508、509で仕切られている。
【0101】
各反応室には、基板加熱手段510、511、512、513、514が設けられている。特に、I型層を形成する反応室には、それぞれ独立に温度制御可能な、複数の基板加熱手段511、512、513が設けられている。
【0102】
各反応室には、高周波電源520、521、522に接続された、高周波電力を印加する陰極としてのグロー放電発生用電極515、516、517が設けられている。
【0103】
また陽極は本実施例ではヒータを内蔵して各基板加熱手段510〜514が兼ねており、それぞれ接地電位とされ、かつ電極515、516、517に対向して設けられている。特にI型層を形成する反応室は、1つの陰極電極516に対向して、陽極電極を兼ねる基板加熱手段511、512、513が設けられている。
【0104】
また、各部屋を真空排気する為の排気手段523、524、525が設けられている。排気手段としては、メカニカルブースターポンプとロータリーポンプ等の補助ポンプ(図示せず)が用いられる。また、各反応室には、ガス導入手段526、527、528が設けられている。
【0105】
また、陽極電極自体を図5のように複数に分離せず、陰極電極に対向する一つの電極として構成してもよい。一つの陽極電極の内部において、基板加熱手段が、基板搬送方向において異なる温度で加熱を可能とする構成であればよい。例えば、陽極電極の内部に複数の基板加熱手段を基板搬送方向に配列して設け、各基板加熱手段の温度を独立して制御するようにしてもよい。
【0106】
もちろん、基板加熱手段を陽極電極の裏面等、陽極電極の内部以外の位置に配置してもよい。基板加熱手段としては、電熱線やセラミックによるヒータ、赤外線ランプなどを用いることができる。
【0107】
図5において、可撓性基板401は、ボビン518にロール状に巻かれており、ボビン518から引き出されて、各反応室の陽極・陰極間、および各室間の壁に設けられたスリットを通り、ボビン519に巻き取られる。
【0108】
光電変換層403を作製した際の、N、I、P型層のそれぞれの成膜条件を表3に示す。
【0109】
【表3】
Figure 0004067589
【0110】
I型層の成膜においては、前記基板加熱手段により、基板温度をそれぞれ制御した。図5において基板温度は、基板加熱手段511上において160℃、基板加熱手段512上において200℃、基板加熱手段513上において240℃となるようにした。
このようにして形成されたI型層の、各層の水素濃度は、図4においてC1が25atoms%、C2が18atoms%、C3が12atoms%であり、光反射電極側であるN型層側から、光入射側であるP型層側に従って、水素濃度を減少させた構造とすることができた。
光電変換層403を構成する各層の厚さは、N型層が30nm、P型層が20nmとした。また、I型層の厚さは、C1、C2、C3それぞれが200nmで、合計600nmとした。
【0111】
このようにして、図5に示したプラズマCVD装置を用いることにより、基板温度が異なる(水素濃度が異なる)I型層を連続して成膜することができた。
【0112】
光電変換層403は、1つのPIN接合を有するシングルセル構成でもよいが、これを2つ直列に積層した2層タンデムセル構成でも良い。
この場合、トップセルのI型層はa−Si:Hでも良いし、a−SiC:Hでも可能である。同様に水素濃度の異なる層を積層して形成することが出来る。また、ボトムセルは、a−Si:Hまたはa−SiGe:Hが適用可能である。
さらに、光電変換層403はPIN接合を3つ積層した3層タンデム、またはそれ以上にしてもよい。
【0113】
次に、透明電極404が、ロールツーロール対応のスパッタ装置を用いて形成された。透明電極はITOで、厚さは70nmとした。
さらに、ITOはシート抵抗が比較的高い為、補助電極として、銀(Ag)を主成分とするグリット電極405が形成された。
【0114】
ソーラーシミュレータ光下で光照射試験をおこなった。光照射の条件は、AM1.5 G、100mW/cm 、セル温度50℃とし、試験を1000時間おこなった。
本実施例において作製した、I型層を、水素濃度の異なる複数のa−Si:H層を用いた薄膜太陽電池において、得られた特性を表4に示す。
この薄膜太陽電池の、初期値に対する劣化率は25%であった。
【0115】
【表4】
Figure 0004067589
【0116】
〔実施例2〕
I型層を構成する複数のアモルファスシリコン層の水素濃度を、実施例1で作製した太陽電池とは異なる変化をさせた例を示す。
実施例2においては、I型層の成膜時の基板温度以外は、実施例1と同じ作製方法、作製条件とした。
【0117】
実施例1と同様に、可撓性基板上に、光反射電極を形成した。
その上に、光電変換層を形成するために、まずN型層を30nm形成した。
その後、I型層を、基板温度240℃で200nm、200℃で180nm、160℃で180nm形成した。
さらに、I型層を、10nm毎に、各層の成膜時の基板温度を、180℃、200℃、220℃、240℃と、上昇させ、4層で40nm形成し、合計で600nmとした。
次に、光入射側のP型層を、20nm成膜した。
その後、透明電極、補助電極を形成し、薄膜太陽電池を完成させた。
【0118】
図6に、実施例2で作製した薄膜太陽電池の、光電変換層における水素濃度の分布状態を示す。
図6に示すように、P型層とI型層との接合面においては、I型層を構成する複数の層において、光入射側のI型層の水素濃度を高くし、光入射側とは反対側に向かって、水素濃度を低下させ、再び、光入射側とは反対側に向かって、水素濃度が増加している。
このようにすることで、I型層とP型層との接合界面において、I型層内の欠陥準位密度を低下させることができた。
実施例2において作製した薄膜太陽電池は、開放電圧(Voc)が、約0.97eVと、実施例1で作製した薄膜太陽電池より約10%向上し、変換効率を約10.2%と向上させることができた。
【0119】
〔実施例3〕
実施例3では、基板搬送方向において高周波出力や周波数を異ならせて印加することのできるプラズマCVD装置の例を示す。
【0120】
図7にプラズマCVD装置の構成の例を示す。図7に示す装置は、I層を形成する反応室503以外は図5と同一の構成である。
【0121】
図7に示す装置の、I型層を形成する反応室503は、グロー放電発生用電極を基板搬送方向に複数個配列した構成となっている。
グロー放電発生用電極は、陽極電極701〜703と、これらに対向する陰極電極704〜706で構成されている。そして陽極電極701〜703はそれぞれ接地電位に接続されている。また陰極電極704〜706に高周波電源707〜709がそれぞれ接続されている。そして対向する一対の陽極・陰極間に高周波が印加されプラズマが発生する。
【0122】
本実施例で示すプラズマCVD装置はロールツーロール方式であり、各一対の電極間を可撓性基板401が一定速度で通過する。したがって、陽極電極に対向する陰極電極の基板搬送方向の長さによって、各一対の電極間で形成される層の膜厚を制御することができる。本実施例では、陰極電極704〜706の基板搬送方向の長さはいずれも同一としている。
【0123】
高周波電源707〜709は、高周波、例えば周波数1MHz〜120MHz、出力10〜80mW/cm2の高周波を、それぞれ接続された陰極電極704〜706に印加する。各高周波電源により、各一対の電極間に独立した周波数や出力を有する高周波を印加することができる。
【0124】
なお、ここでは高周波電源を各陰極電極に対し一つずつ接続しているが、1つの高周波電源から、出力先を分岐して複数の陰極電極に高周波を印加してもよいことはいうまでもない。例えば、1つの高周波電源の出力を複数に分岐し、出力調整装置を各々の分岐先に設け、そこからの出力を各陰極電極に印加してもよい。
【0125】
また、陽極電極701〜703は基板加熱手段を兼ねており、図5に示す装置と同じくそれぞれの基板加熱手段が互いに独立して温度制御できるようになっている。
【0126】
また、陽極電極自体を図7のように複数に分離せず、陰極電極に対向する一つの電極として構成してもよい。すなわち、一つの陽極電極の内部において、基板加熱手段が、基板搬送方向において異なる温度で加熱を可能とする構成であればよい。例えば、陽極電極の内部に複数の基板加熱手段を基板搬送方向に配列して設け、各基板加熱手段の温度を独立して制御するようにしてもよい。
【0127】
もちろん、基板加熱手段を陽極電極の裏面等、陽極電極の内部以外の位置に配置してもよい。基板加熱手段としては、電熱線やセラミックによるヒータ、赤外線ランプなどを用いることができる。
【0128】
反応室503のような構成のプラズマCVD装置は、基板搬送方向において高周波の出力や周波数を異ならせて印加することができる。その結果、ロールツーロール方式のような、グロー放電空間内で基板を所定の方向に搬送させながら成膜する成膜方式の装置の、同一反応室内での複数層の成膜において、各膜の成膜速度および自己バイアス電圧を制御できる。成膜速度を制御することで、陰極電極の基板搬送方向の長さを変化させなくても各層の膜厚が制御できる。また、自己バアイス電圧が制御できるため、下地面のスパッタの度合いを制御することができる。
【0129】
本実施例で示すプラズマCVD装置を用いて太陽電池を作製することで、より高性能な太陽電池を作製することができる。
【0130】
特に、下地側の膜のスパッタを低減しつつ、高速な成膜を行うことが可能となる。その結果、第1の反応室で形成された膜上に、第1の反応室に隣接しかつ図7の反応室503の構造を有する第2の反応室にて他の膜を形成する場合、双方の膜の接合界面での欠陥準位密度を大幅に低減し、高い変換効率を有する太陽電池を、生産性良く作製することができる。これに関する具体的な例は実施例4に示す。
【0131】
〔実施例4〕
図7に示すプラズマCVD装置を用いて、太陽電池を作製する例を示す。本実施例で作製する太陽電池は図4に示す構成を有し、I型層が成膜条件の異なるC1〜C3の3層で構成されている。
【0132】
図7のプラズマCVD装置を用いて、実施例1と同様の工程により太陽電池を作製する。本実施例で作製する太陽電池は、I型層を形成する条件以外は実施例1と同一条件で作製した。
【0133】
図7において、ボビン518にロール状に巻かれて配置された光反射性電極が形成された可撓性基板401は、各反応室に設置されたグロー放電発生用の陽極電極と陰極電極との間を通って、ボビン519に巻き取られる。
【0134】
まず、反応室502においてN型層を成膜する。次に、反応室503にて、I型層403を成膜する。このとき反応室503内の高周波電源707〜709の周波数および出力をそれぞれ独立制御して、C1〜C3の各層の成膜を行う。
【0135】
そして、反応室504において光入射側のP型層が成膜され、可撓性基板401がボビン519に巻き取られる。その後、実施例1と同様にしてP型層の上にITOよりなる透明電極404、銀よりなるグリット電極405が形成され、太陽電池が完成する。
【0136】
I型層403成膜時の高周波の周波数は1MHz〜120MHzを用いる。周波数が高いほど自己バイアス電圧が低下し、下地側の膜のスパッタが低減される。
【0137】
また本実施例においては、高周波の出力および反応ガスの流量が一定であるとき、周波数60MHz付近において成膜速度が最も速くなる。ただし、反応ガス流量を増加したり高周波出力を高くすることで、60MHzより離れた周波数例えば120MHzにおける成膜速度が60MHz付近の成膜速度に近づく傾向がある。
【0138】
また高周波の出力は、陰極の電極面において10〜80mW/cm2となるような範囲が好ましい。成膜速度は出力が大きい程速くなる傾向があるが、出力がある程度以上となると成膜速度は一定となる。成膜速度は、反応ガスの流量と高周波の出力に依存するためである。
【0139】
本実施例では、C1を形成する高周波電源707を60MHz、32mW/cm2 、C2、C3を形成する高周波電源708、709を13.56MHz、48mW/cm2 とした。
【0140】
すなわち本実施例では、光入射側の反対側の不純物層に接するI型層C1の成膜条件として、高周波の出力を低く設定し、また周波数を高く設定している。このようにすることで、下地側の層であるN型層のスパッタを低減させ、NI界面の欠陥準位密度を低減できる。他方、C2、C3は高周波の出力および周波数は一般的な値とした。
【0141】
また本実施例では、C1成膜時の周波数を60MHzとしているため、成膜速度は同一高周波出力においては最も速い。このように成膜速度の速い周波数を用いた理由は、本実施例では基板搬送方向に同一の長さを有する陰極電極704〜706を用いて、C1〜C3の各層を同一の膜厚に成膜するためである。すなわち、C1層成膜の際のN型層のスパッタを低減させるために高周波出力を低くしたために、成膜速度も遅くなっているので、周波数を成膜速度が速くなるように設定し、C1の膜厚を、C2、C3と同等な膜厚が得られるように設定している。
【0142】
また、本実施例と同一の装置を用いて、C1の膜厚をC2、C3より薄くする場合、印加する高周波の周波数を100〜120MHzと高く設定してもよい。こうすることで下地側の膜に対するスパッタは更に低減され、NI界面の欠陥準位密度をより低減することができる。
【0143】
もちろん、各陰極電極の基板搬送方向に対する長さを、成膜しようとする膜厚に合わせて変化させてもよいことはいうまでもない。
【0144】
また、I型層形成時の基板温度は、本実施例では100℃〜300℃、例えば200℃とし、C1〜C3において、基板温度が200℃一定となるように、基板加熱手段を兼ねる陽極電極701〜703の温度を制御した。
【0145】
また、I型層を形成する反応室503内の圧力は、0.05〜2.0Torrここでは1.0Torrとした。
【0146】
このようにして作製されるI型層C1〜C3の膜厚は、各200nm、合計で600nmであった。
【0147】
このようにして作製された太陽電池を、一般的な条件で作製された比較用の太陽電池とその特性を比較する。比較用の太陽電池は、C1〜C3の各層がすべて13.56MHz、48mW/cm2で成膜されている以外は、実施例4で作製した太陽電池と同一条件で作製されている。実施例4で作製した太陽電池は、比較用の太陽電池より、曲線因子および光電変換効率が約10%程度向上し、高い変換効率を有していた。
【0148】
また、本実施例で示した条件に加え、実施例1または実施例2で示したように、基板搬送方向において基板温度を異ならせ、水素濃度を制御して太陽電池を作製してもよい。このようにすると、太陽電池の光電変換効率のさらなる向上と、長期使用での特性劣化の低減を図ることができる。
【0149】
なお、本明細書の各実施例においては可撓性基板を用いたロールツーロール方式の構成のみを示した。しかし、基板をグロー放電空間内において所定の方向に一定速度で搬送させながら成膜する方式であれば、本明細書に記載の各発明による効果を良好に得ることができる。例えば、所定の大きさのガラス基板のような剛性の高い基板を、ベルトコンベアに乗せて搬送させながら成膜しても、同様な効果が得られる。
【0150】
【発明の効果】
本発明により、初期変換効率が高く、かつ光劣化の少ない薄膜太陽電池を得ることができた。
また、このような薄膜太陽電池を、容易に作製するための方法および装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の薄膜太陽電池の断面構造図の一例を示す図
【図2】 従来のロールツーロール方式による半導体被膜作製装置の一例を示す図
【図3】 I型層の水素濃度の異なる太陽電池の特性の比較を示す図
【図4】 実施例1にて作製される、薄膜太陽電池の断面構造を示す図
【図5】 実施例1で用いた、ロールツーロール方式のプラズマCVD装置を示す図
【図6】 実施例2で作製した薄膜太陽電池の、光電変換層における水素濃度の分布状態を示す図
【図7】 実施例で用いたロールツーロール方式のプラズマCVD装置を示す図。
【符号の説明】
101 基板
102 光反射電極
103 光電変換層
104 透明電極
200 可撓性基板
201 巻き出し室
202、203、204 反応室
205 巻き取り室
206、207、208 基板加熱手段
209、210、211 グロー放電発生用電極
212、213、214 高周波電源
215、216、217 排気手段
218、219、220 ガス導入手段
221、222,223、224 スリット
225、226 ボビン
401 可撓性基板
402 光反射電極
403 光電変換層
404 透明電極
405 グリット電極
501 巻き出し室
502、503、504 反応室
505 巻き取り室
506、507、508、509 スリット
510、511、512、513、514 基板加熱手段
515、516、517 グロー放電発生用電極
518、519 ボビン
520、521、522 高周波電源
523、524、525 排気手段
526、527、528 ガス導入手段
701、702、703 陽極電極
704、705、706 陰極電極
707、708、709 高周波電源

Claims (3)

  1. 基板上に形成され、少なくとも1つのPIN接合を有し、水素化アモルファスシリコンを主成分とする層により構成された光電変換層を形成する薄膜太陽電池の作製方法であって、
    前記光電変換層は、複数のI型層を有し、
    前記複数のI型層のうち、前記基板側のI型層を成膜する際の高周波電源の周波数は、残りのI型層を成膜する際の高周波電源の周波数13.56MHzより高い周波数であり、
    前記複数のI型層のうち、前記基板側のI型層を成膜する際の高周波電源の出力は、残りのI型層を成膜する際の高周波電源の出力より低い出力であることを特徴とする薄膜太陽電池の作製方法。
  2. 請求項1において、
    前記基板側のI型層を成膜する際の高周波電源の周波数が、100から120MHzの範囲であることを特徴とする薄膜太陽電池の作製方法。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記基板として可撓性基板を用い、ロールツーロール方式で成膜することを特徴とする薄膜太陽電池の作製方法。
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