JP3624120B2 - 光起電力素子の製造方法、光起電力素子製造装置 - Google Patents

光起電力素子の製造方法、光起電力素子製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、太陽電池や光センサに用いられる光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、太陽電池等の光起電力素子の製造方法としては、次の技術が知られている。例えば、非単結晶半導体膜等を用いた太陽電池の作製には、一般的にプラズマCVD法が広く用いられており、企業化されている。しかしながら、太陽電池が、光電変換効率が十分に高く、特性安定に優れたものであり、かつ大量生産し得るものであることが基本的に要求される。
【0003】
そのためには、非単結晶半導体膜等を用いた太陽電池の作製においては、電気的特性、光学的特性、光導電的特性、機械的特性、あるいは繰り返し使用における疲労特性が問題となり、使用環境特性の向上を図るとともに、大面積化や膜厚及び膜質の均一化を図りながら、高速成膜により再現性のある量産化を図らなければならないため、これらのことが、今後改善すべき点として指摘されている。
【0004】
太陽電池を用いる発電方式にあっては、単位モジュールを直列または並列に接続し、ユニット化して所望の電流、電圧を得る形式が採用されることが多く、各モジュールには断線やショートを生起しないことが要求される。加えて、各モジュール間での出力電圧や出力電流のばらつきのないことが重要である。
【0005】
こうしたことから、少なくとも単位モジュールを作製する段階でその最大の特性決定要素である半導体層そのものの特性の均一性が確保されていることが要求される。そして、モジュールの設計をし易くし、かつモジュールの組み立て工程を簡略化することができるようにする観点から、大面積にわたって特性の均一性に優れた半導体堆積膜が提供されることが太陽電池の量産性を高め、生産コストの大幅な低減を達成するために要求される。
【0006】
太陽電池については、その重要な構成要素である半導体層は、いわゆるpn接合、pin接合等の半導体接合がなされている。a−Si等の薄膜半導体を用いる場合、ホスフィン(PH)、ジボラン(B)等のドーパントとなる元素を含む原料ガスであるシラン(SiH)等を混合してグロー放電分解することにより所望の導電型を有する半導体膜が得られ、所望の基板上にこれらの半導体膜を順次積層することによって容易に半導体接合を達成できることが知られている。このことから、非単結晶半導体系の太陽電池の作製について、その各々の半導体層作製用の独立した成膜室を設け、該成膜室にて各々の半導体層の作製を行う方法が提案されている。
【0007】
米国特許4,400,409号特許明細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式を採用した連続プラズマCVD装置が開示されている。この装置によれば、複数のグロー放電領域を設け、各グロー放電領域において必要とされる導電型の半導体層を堆積しつつ、所望の幅で十分に長い可撓性の基板をその長手方向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を有するデバイスを連続作製することができるとされている。
【0008】
なお、該明細書においては、各半導体層の作製時に用いるドーパントガスが他のグロー放電領域へ拡散、混入することを防止するため、ガスゲートが用いられている。具体的には、各グロー放電領域どうしを、スリット状の分離通路によって相互に分離し、さらに分離通路に例えばAr,H掃気用ガスの流れを作用させる手段が採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したロール・ツー・ロール方式による堆積膜の形成方法にあっては、以下のような問題があった。
【0010】
すなわち、p型半導体層やn型半導体層の形成空間をi型半導体層の形成空間と実質的に分離することにより、ガス状態でのドーパントの混入を防ぐことができたとしても、例えば、n型半導体層の上にi型半導体層を形成する際に、あるいは形成した後に、n型半導体層のドーパントであるリン(P)がi型半導体層に熱的に拡散することにより、ni半導体接合が弱められてしまい、該太陽電池の開放電圧やフィルファクターが悪化し、その結果として光電変換効率が低いものとなってしまうという初期特性上の問題が残されている。
【0011】
例えば、製造初期の光電変換効率がある程度高いものであったとしても、様々な天候や設置条件下での実使用状態において、p型半導体層やn型半導体層のドーパントのi型半導体層への熱的拡散が次第に進み、これが太陽電池の劣化を促進してしまうという信頼性の問題が残されている。さらには、i型半導体層とn型もしくはP型半導体層との接合界面で生じるエネルギーバンド段差により、キャリアの逆拡散再結合等の問題があった。
【0012】
こうしたことから、ロール・ツー・ロール方式による堆積膜の形成方法は、半導体デバイスの量産に適する方法ではあるものの、前述したように、太陽電池を大量に普及させるためには、さらなる光電変換効率の向上、特性安定性や均一性の向上、及び製造コストの低減が望まれている。
【0013】
特に、光電変換効率や特性安定性の向上のためには、各単位モジュールごとの光電変換効率は高いほど良く、特性劣化率は低いほど好ましい。さらに、単位モジュールを直列または並列に接続し、ユニット化した際には、ユニットを構成する各単位モジュールの内の最小の電流または電圧特性の単位モジュールが律速してユニットの特性が決まるため、各単位モジュールの平均特性を向上させるだけでなく、特性ばらつきをも小さくすることが非常に重要である。そのため、単位モジュールを作製する段階で、その最大の特性決定要素である半導体層そのものの特性均一性を確保することが望まれている。また、製造コストを低減するため、各モジュールにおいて断線やショートが生起しないように、半導体層の欠陥を減らすことにより、歩留りを向上させることが強く望まれている。
【0014】
したがって、連続して移動する帯状部材上への半導体層の堆積において、特性の均一性を確保し、欠陥を減らすための成膜方法の早期提供が望まれている。
【0015】
本発明の目的は、成膜中にp層やn層のドーパントがi層中に熱的に拡散することを有効に防ぎ得る緩衝半導体層をpi界面、あるいはni界面に設けることによって、太陽電池の出力特性、とりわけ開放電圧、フィルファクターを向上させることができる光起電力素子、光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子製造装置を提供することにある。
【0016】
また本発明の他の目的は、上記の緩衝半導体層をpi界面あるいはni界面に設け、実使用状態におけるドーパントの拡散を防ぐことにより太陽電池の劣化を低減し、信頼性の高い太陽電池を製造することができる光起電力素子、光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子製造装置を提供することにある。
【0017】
さらに本発明の別の目的は、上記の緩衝半導体層上に作成されるi層あるいはドーパント層の実質的な下地層として良好に機能する緩衝半導体層を作成することにより、優れた特性を有する太陽電池を製造することができる光起電力素子、光起電力素子の製造方法、及び光起電力素子製造装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成すべく、本発明の光起電力素子の製造方法は、基板上に少なくとも一つのnip接合またはpin接合からなる構造体を作成すべく、p型半導体層を堆積する工程と、i型半導体層を堆積する工程と、n型半導体層を堆積する工程とを有し、n層とi層との間、または/およびi層とp層との間に、緩衝半導体層を堆積する工程を有する光起電力素子の製造方法において、少なくとも一方の緩衝半導体層を堆積する工程で、緩衝半導体層の一部を形成した後に基板を冷却し、その後に緩衝半導体層の他の部分を形成するものである。
【0027】
上記光起電力素子の製造方法において、基板冷却時に緩衝半導体層の堆積を中断することが好ましい。
【0028】
また、基板冷却後であって、緩衝半導体層の他の部分の形成前に基板を加熱することが好ましい。
【0029】
また、緩衝半導体層の一部がa−Si:Hで形成されることが好ましい。
【0030】
もしくは、緩衝半導体層の一部がa−SiGe:Hで形成されることが好ましい。
【0031】
または、緩衝半導体層の一部がa−SiC:Hで形成されることが好ましい。
【0032】
また、光起電力素子が、太陽電池として形成されることが好ましい。
【0033】
さらに、複数個配置された放電手段による成膜空間内を、基板が連続的に移動することによって、基板上にp型半導体層、i型半導体層、n型半導体層、及び緩衝半導体層が形成されることが好ましい。
【0034】
そして、基板が帯状であることが好ましい。
【0035】
本発明の光起電力素子製造装置は、基板上に少なくとも一つのnip接合またはpin接合からなる構造体を有する光起電力素子を製造する光起電力素子製造装置において、p型半導体層製造容器と、i型半導体層製造容器と、n型半導体層製造容器とを有し、p型半導体層製造容器と、i型半導体層製造容器との間、または/およびi型半導体層製造容器と、n型半導体層製造容器との間に、緩衝半導体層製造容器を有しており、少なくとも一つの緩衝半導体層製造容器に、基板を一時的に冷却する冷却手段が備えられているものである。
【0036】
上記光起電力素子製造装置において、冷却手段が、基板の非成膜面側からの伝熱機構により冷却しうる構造を有することが好ましい。
【0037】
冷却手段が、基板と非接触式に形成されていることが好ましい。
【0038】
または、冷却手段が、基板と接触式に形成されていることが好ましい。
【0039】
また、冷却手段が、ローラー状の回転可能なものであり、基板に接触させて冷却を行うことが好ましい。
【0040】
さらに、複数の容器内を基板が連続的に移動することによって、基板上にp型半導体層、i型半導体層、n型半導体層、及び緩衝半導体層が形成されることが好ましい。
【0041】
そして、基板が帯状であることが好ましい。
【0042】
また、複数の容器内をロール状基板が連続的に移動するロール・ツー・ロール方式であることが好ましい。
【0043】
本発明では、基板上に緩衝半導体層形成時に少なくとも1回冷却して形成するという特別の工程を有している。これによりp型半導体層、又はn型半導体層といった組成が異なる(ドーパントを含有する)半導体層と直接接する緩衝半導体層は、その間に冷却工程を有さないため、構造的に整合性が良好となる。一方、同一導電型である緩衝半導体層内に、冷却工程を有するため、冷却工程の前後で、良好な構造的整合性を保ちながら、ドーパントの拡散に対しては障壁となる一種の界面を形成することができるものと考えられる。その結果、i型半導体層、p型半導体層や、あるいはn型半導体層のバンドギャップに適合した緩衝半導体層を形成することができるものと考えられる。さらに、pi界面もしくはni界面、または両界面に、p型半導体層やn型半導体層のドーパントがi型半導体層中に熱的に拡散するのを有効に防ぎ得る緩衝半導体層を設けることが可能となり、太陽電池の出力特性、とりわけ開放電圧やフィルファクターを従来の単一構造を有する緩衝半導体層と比較して大幅に向上させることができる。
【0044】
また、pi界面もしくはni界面に上記のような拡散防止効果を有する緩衝半導体層を設けるので、実使用状態におけるドーパントの拡散が防止され、太陽電池の劣化を低減することができ、その結果として太陽電池の信頼性を向上させることができる。また、pi界面もしくはni界面に上記の様な緩衝半導体層を設けるので、実使用状態において、該界面において、キャリアの再結合、逆拡散が防止され、優れた特性を有する太陽電池を製造することができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光起電力素子における好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳述するが、本発明は本実施の形態に限られない。
【0046】
図1は、本発明の光起電力素子としての太陽電池の典型的な構成例を示す模式図である。図示するように、本発明の太陽電池101は、導電性基板102、下部電極103、n型半導体層104、n/i緩衝半導体層105a、105b、i型半導体層106、p/i緩衝半導体層107a、107b、p型半導体層108、透明電極109、集電電極110、取り出し電極111から構成され、光が透明電極109を介して入射することが前提となっている。
【0047】
本発明の太陽電池は、従来の太陽電池と比較して、前述のn/i緩衝半導体層105a、105b、およびp/i緩衝半導体層107a、107bを有していることが大きく違う点である。
【0048】
以下に、本発明の太陽電池の各構成要素について説明する。
【0049】
(導電性基板)
本発明の太陽電池における導電性基板102の構成材料としては、半導体層作製時に必要とされる温度において変形、歪みが少なく、所望の強度を有するものが好ましく、具体的にはステンレススチール、アルミニウム、鉄、銅、もしくはこれらの合金等の金属薄板、その複合体、またはこれらの表面に異種材質の金属薄膜、もしくはSiO、Si、Al、AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行ったものが挙げられる。
【0050】
また、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の耐熱性樹脂シート、またはこれらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体または合金、及び透明導電性酸化物(TCO)等を鍍金法、蒸着法、スパッタ法、塗布法等により導電性処理を行ったものが挙げられる。
【0051】
導電性基板を帯状にして用いる場合の厚さとしては、基板搬送手段による搬送時に維持される強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペース等を考慮して可能なかぎり薄い方が好ましい。具体的には、0.01mm乃至5mmが好ましく、より好ましくは0.02mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至1mmであることが望ましいが、金属等の薄板を用いる場合には厚さを比較的薄くしても所望の強度が得られ易い。
【0052】
導電性帯状基板の幅については、特に制限されることはなく、半導体層の製作手段、あるいはその容器等のサイズによって決定される。導電性帯状基板の長さについては、特に制限されることはなく、ロール状に巻き取られる程度の長さであっても良く、長尺のものを溶接等によって更に長尺化したものであってもよい。
【0053】
また、導電性帯状基板の表面性としてはいわゆる平滑面であっても、微小の凹凸面があっても良い。微小の凹凸面とする場合には、球状、円錐状、角錘状等であって、かつその最大高さ(Rmax)は50nm〜500nmとすることが好ましく、該表面での光反射が乱反射となり、反射光の光路長の増大をもたらす。
【0054】
(電極)
本発明の太陽電池においては、当該デバイスの構成形態により適宜の電極を選択使用することができる。それらの電極としては、下部電極、上部電極(透明電極)、集電電極を挙げることができる。ただし、ここでいう上部電極とは光入射側に設けられているものを指し、下部電極とは半導体層を挟んで上部電極に対向して設けられたものを指すものとする。
【0055】
<下部電極>
本発明の太陽電池に好適に用いられる下部電極の構成材料としては、Ag,Au,Pt,Ni,Cr,Al,Ti,Zn,Mo,W等の金属、またはこれらの合金が挙げられる。下部電極は、これらの金属を使用し、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等の成膜手段により形成できる。その際形成される金属薄膜は、太陽電池の出力に対して抵抗成分とならぬように配慮されなければならず、シート抵抗値として50Ω以下であることが好ましく、より好ましくは10Ω以下であることが望ましい。
【0056】
図示されていないが、下部電極103とn型半導体層(あるいはp型半導体層)104との間に、ZnO等の短絡防止及び電極金属の緩衝のための緩衝層を設けてもよい。該緩衝層の効果としては、下部電極103を構成する金属元素がn型半導体層(あるいはp型半導体層)の中へ拡散するのを防止するのみならず、若干の抵抗値をもたせることで半導体層を挟んで設けられた下部電極103と上部電極(透明電極)109との間にピンホール等の欠陥で発生するショートを防止すること、及び薄膜による多重干渉を発生させる入射された光を太陽電池内に閉じ込めること等の効果を挙げることができる。
【0057】
該緩衝層の構成材料として好適に用いられるものとして、フッ化マグネシウムベースの材料、インジウム、スズ、カドミウム、亜鉛、アンチモン、シリコン、クロム、銀、銅、アルミニウムの酸化物、窒化物及び炭化物、またはこれらの混合物の中から選ばれる材料が挙げられる。とりわけ、フッ化マグネシウム、酸化亜鉛は形成が容易であり、かつ緩衝層としての適度な抵抗値と光透過率を有するため望ましい。
【0058】
<透明電極>
本発明において用いられる透明電極109としては、太陽や白色蛍光灯等からの光を半導体層内に効率よく吸収させるために光の透過率が70%以上であることが望ましく、80%以上であることが更に望ましい。このような特性を備えた材料として、SnO,In,ZnO,CdO,CdSnO,ITO(In+SnO)等の金属酸化物や、Au,Al,Cu等の金属を極めて薄く半透明状に成膜した金属薄膜等が挙げられる。
【0059】
透明電極は、図1に示されるような構成の太陽電池においては、p型半導体層(あるいはn型半導体層)108の上に積層される。これらの作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることができ、所望に応じて適宜選択される。
【0060】
<集電電極>
本発明において用いられる集電電極110は、透明電極109のシート抵抗値を低減させる目的で透明電極109上に設けられる。図1に示すような構成の太陽電池においては、半導体層形成後に透明電極を形成するため、透明電極の形成時の基板温度をあまり高くすることができず、透明電極のシート抵抗値が比較的高いものにならざるを得ないので、集電電極110を形成することが特に好ましい。
【0061】
本発明の太陽電池に好適に用いられる集電電極の構成材料としては、Ag,Cr,Ni,Al,Au,Ti,Pt,Cu,Mo,W等の金属の単体、もしくはこれらの合金、またはカーボンが挙げられる。また、これらの金属あるいはカーボンの長所(低抵抗、半導体層への拡散が少ない、堅牢である、印刷等により電極形成が容易である等)を組み合わせて用いることができる。
【0062】
半導体層の光入射光量が十分に確保されるように、その形状は太陽電池の受光面に対して一様に広がり、かつ受光面積に対してその面積は15%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以下であることが望ましい。また、シート抵抗値としては50Ω以下であることが好ましく、より好ましくは10Ωであることが望ましい。
【0063】
(半導体層)
本発明の太陽電池において好適に用いられるi型半導体層を構成する半導体材料としては、a−Si:H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−SiC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:F,a−SiGe:H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:F,多結晶質Si:H,多結晶質Si:F,多結晶質Si:H:F等いわゆるIV族及びIV族合金系半導体材料が挙げられる。また、i型半導体層に含まれる水素原子量は、好ましくは20原子%以下、より好ましくは10原子%以下である。
【0064】
本発明の太陽電池において好適に用いられるp型あるいはn型半導体層を構成する半導体材料は、前述したi型半導体層を構成する半導体材料に価電子制御剤をドーピングすることによって得られるが、p型あるいはn型半導体層を構成する半導体材料中に結晶層を含んでいる方が、光の利用率およびキャリア密度を高めることができるので好ましい。また、p型あるいはn型半導体層中に含まれる水素濃度は、5原子%以下であることが好ましく、1原子%以下であることが更に好ましい。
【0065】
これらの半導体層を形成する際に用いられる半導体層形成用原料ガスとしては、上述した各種半導体層の構成元素の単体、水素化物、ハロゲン化物、有機金属化合物等で、成膜空間に気体状態で導入できるものが好適に使用される。もちろん、これらの原料ガスは1種のみならず、2種以上混合して使用することもできる。また、これらの原料ガスはHe,Ne,Ar,Kr,Xe,Rn等の希ガス、およびH,HF,HCl等の希釈ガスと混合して導入してもよい。
【0066】
<緩衝半導体層>
本発明の太陽電池において用いられる緩衝半導体層(105a,105b、107a,107b)を構成する半導体材料は、a−Si:H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−SiC:H,a−SiC:F,a−SiC:H:F,a−SiGe:H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:Fである。i型半導体層成膜後、p型半導体層あるいはn型半導体層との界面に作成される緩衝半導体層は、異なる2つの印加電力により作成され、作成順に第1の緩衝半導体層(107a)、第2の緩衝半導体層(107b)とすると、該第2の緩衝半導体層を作成する前に冷却工程を経て作成されている。
【0067】
第1の緩衝半導体層と第2の緩衝半導層との間に冷却工程を設けて作成した太陽電池の方が、太陽電池の光変換効率を向上させる点で好ましい。これは、第2の緩衝半導体層とp型あるいはn型半導体層の界面において発生する構造の乱れや応力を緩和し、該界面における整合性を高めることによるものと考えられる。
【0068】
また、緩衝半導体層間に冷却工程を用いて作成した太陽電池の方が、太陽電池の信頼性を向上させる点でも好ましい。これは、第2の緩衝半導体層がp型あるいはn型半導体層の作成温度よりも実質的に低く作成できるために、太陽電池の実使用状態において発生する熱歪による整合特性の劣化を低減させ、且つ緩衝半導体層とp型あるいはn型半導体層の間の密着性を高めてはがれにくくし、さらに折り曲げや衝撃力に対する強度を高めた結果であると推察される。
【0069】
本発明において、冷却工程を施すための冷却設備としては、非成膜面側、すなわち基板裏面からの伝熱機構により冷却しうる構造を有する設備を設置することが望ましく、具体的には、冷媒等の流路を確保したプレートを利用する手段が好適に用いられる。
【0070】
冷媒を流すための冷却管の材質は、耐熱性、耐腐食性を有することが好ましく、具体的にはステンレス等の金属が好適に用いられるが、熱伝導性を考慮して、アルミニウム、銅等を用いてもよい。冷却手段の構成としては、上記金属をパイプ状にしたものを、押し板により挟み込み、冷却プレートとしてもよく、上記金属に空洞を有するように切削加工したものを冷却プレートとしてもよい。さらに、凹凸加工した複数の上記金属を放電加工、溶接加工等の特殊加工を施し、冷媒の流路を有するものとしてもよい。
【0071】
冷却プレートから基板への伝熱方式としては、基板と冷却プレートを非接触にし、対流、および放射熱伝達により基板を冷却する方法が主に好適に用いられる。この場合、対流、および放射熱伝達の熱伝達効率(熱交換率)を向上させるために、冷却プレートに凹凸を有する放熱フィンを設置してもよく、さらに、放射係数を考慮して、冷却プレートの放熱面側に放射係数の高い金属薄膜を塗布法、鍍金法等によりコーティングしてもよい。
【0072】
また、基板と冷却プレートを接触式のものにし、熱伝導伝達を用いることも可能である。この場合、作成された半導体層にダメージを与えない観点から、基板裏面側に接触させる方式がよく、特に、ロール・ツー・ロール方式により作成される場合のように基板が連続的に移動する場合には、基板に傷を発生させないように、冷却プレートの基板接触面側に、摩擦係数の低いテフロン等のコーティングをすることが好適に用いられる。
【0073】
さらに、冷却プレートをローラー状の回転可能なものにし、基板上に接触させて基板の冷却を行うことも可能である。回転可能な冷却ローラと基板との接触圧を高めるために、ローラー内にマグネットを配設してもよい。マグネットの材質としは、使用時の温度に耐えて磁力を十分に維持できることと使用時の温度上昇によるガスの発生が少ないことなどを満足するものを選択することが望ましく、例えば希土類強磁性体サリウムコバルト等が挙げられる。
【0074】
また、対流、放射、伝導による伝熱機構を合わせ持った機構で基板を冷却してもよい。例えば、冷却プレートから対流、放射の作用によりローラーを冷却し、基板に接触させたローラーより伝導により、基板を直接冷却する方法である。この方式の利点としては、間接的に基板を冷却することが可能であるので、例えば、使用する冷却媒体の径時変化による温度の変化が直接冷却される基板の温度変化と大きく結びつかないために、冷却温度の管理を比較的容易に行うことが可能である。
【0075】
本発明の太陽電池に用いられる各半導体層および緩衝半導体層を形成する手段として、マイクロ波プラズマCVD法、RFプラズマCVD法、VHFプラズマCVD法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、光CVD法、熱CVD法、MOCVD法、MBE法、及びHR−CVD法等、半導体堆積膜の形成方法を実現できる成膜手段を挙げることができ、これらは適宜選択して用いられる。
【0076】
以下に、図2〜図5に基づき、本発明の太陽電池を作製する装置について説明する。図2は、本発明の太陽電池を連続的に作製する方法において、緩衝半導体層作製用容器の模式的説明図である。図3は、本発明の太陽電池を連続的に作製する方法において、i型半導体層作製用容器の模式的説明図である。図4は、本発明の太陽電池を連続的に作製する方法において、p型半導体層あるいはn型半導体層作製用容器、あるいは図2の真空容器の模式的説明図である。図5は、本発明の太陽電池を連続的に作製する製造装置の一例を示す模式的説明図である。
【0077】
図2は、緩衝半導体層作製用真空容器202であり、概ね直方体形状の緩衝半導体層作製用の成膜容器203a、203bと帯状部材201とで構成される空間からなる。この緩衝半導体層作製用容器202は、図5における緩衝半導体層作製真空容器505、507の中の拡大模式図である。真空容器202、及び成膜容器203a、203bは、それぞれ金属製であって電気的に接続されている。
【0078】
堆積膜が形成される帯状部材201は、図2において真空容器202の左側、すなわち搬入側の側壁に取り付けられたガスゲート218を経て、この真空容器202内に導入され、貫通し、真空容器202の右側、すなわち搬出側の側壁に取り付けられたガスゲート218を通って、真空容器202の外部へ排出されるようになっている。
【0079】
成膜容器203a、203b内には電極221a、221bが設置されRF電源220a、220bに接続されている。また、成膜容器203a、203bの側面には原料ガスを導入するガス導入手段204a、204bがそれぞれ取りつけられ、原料ガスを供給するための多数のガス供給口が帯状部材201の搬送方向に垂直に配設されている。これらのガス導入手段204a、204bは、ガス供給設備(不図示)に接続されている。
【0080】
また、基板を裏面側から加熱し、所望の成膜温度を得るための予備加熱としての予備加熱用赤外線ランプヒーター208、予備加熱用熱電対217、予備加熱用温度制御装置212が設けられ、さらに成膜中の温度を管理するために第1、第2の赤外線ランプヒーター205、206、第1、第2の熱電対214、215、第1、第2の温度制御装置209、210を有している。
【0081】
また、成膜容器203a、203bの間には、第1の緩衝半導体層を作成した後第2の緩衝半導体層を成膜する前に、基板上に成膜された半導体層を含めて冷却する冷却プレート207が設置されている。冷却プレート207は、外径1/4”のSUS316L配管を曲げ加工したものを、厚さ10mmのAl5052P板2枚で挟み込んだものであり、冷媒としては、入口温度が20℃の恒温水を上記SUS配管に流すものである。冷却プレート207には、冷却プレート用熱電対216が設けられている。
【0082】
図3は、i型半導体層作製用容器であり、概ね直方体形状のi型半導体作製用の放電室302と帯状部材301とで構成される成膜空間からなる。このi型半導体層作製用容器は、図5におけるi型半導体層作製真空容器506のなかに配置してある。放電室302は、金属製である。
【0083】
堆積膜が形成される帯状部材301は、図3において放電室302の左側、すなわち搬入側の側壁に取り付けられたガスゲート(不図示)を経て、この放電室302内に導入され、第1、第2、第3の成膜室302a、302b、302cをそれぞれ貫通し、放電室302の右側、すなわち搬出側の側壁に取り付けられたガスゲート(不図示)を通って放電室302の外部へ排出されるようになっている。
【0084】
放電室302の側壁には、第1、第2、第3のアプリケータ303が帯状部材301の移動方向に沿って並ぶように取り付けられている。各アプリケータ303は、マイクロ波エネルギーを成膜空間に導入するためのものであり、マイクロ波電源(不図示)に一端が接続された導波管(不図示)の他端がそれぞれ接続されている。また、アプリケータ303の放電室への取り付け部位は、それぞれマイクロ波透過性部材304から成っている。
【0085】
また、放電室302の底面には、原料ガスを導入する第1、第2、第3のガス導入手段306がそれぞれ取りつけられ、原料ガスを供給するための多数のガス供給口が帯状部材301に向けられて配設されている。これらのガス導入手段306は、ガス供給設備(不図示)に接続されている。
【0086】
さらに、アプリケータ303の対向側、すなわち図3において手前側の側壁には、排気パンチングボード305が取り付けられており、マイクロ波エネルギーを成膜空間内に閉じ込めるとともに排気管(不図示)に接続された排気スロットバルブ(不図示)に接続されている。
【0087】
図4は、p(n)型層作製用真空容器402であり、概ね直方体形状の緩衝半導体層作製用の成膜容器403と帯状部材401とで構成される空間からなる。この緩衝半導体層作製用容器は、図5における緩衝半導体層作製真空容器504、505の中の拡大模式図である。真空容器402及び、成膜容器403は、それぞれ金属製であって電気的に接続されている。
【0088】
堆積膜が形成される帯状部材401は、図4において真空容器402の左側、すなわち搬入側の側壁に取り付けられたガスゲート412を経て、成膜容器403内に導入され、貫通し、真空容器402の右側、すなわち搬出側の側壁に取り付けられたガスゲート412を通って真空容器402の外部へ排出されるようになっている。帯状部材401は基板支持ローラー411に支持されて搬送され、ガスゲート412にはゲート内へゲートガスを導入するためのゲートガス導入管413が接続されている。
【0089】
成膜容器403内には電極415が設置され、電極415はRF電源414に接続されている。また、成膜容器403の底面には、原料ガスを導入するガス導入手段404がそれぞれ取り付けられ、原料ガスを供給するための多数のガス供給口が帯状部材401に向けられて配設されている。これらのガス導入手段404は、ガス供給設備(不図示)に接続されている。
【0090】
また、基板を裏面側から加熱し、所望の成膜温度を得るための予備加熱としての予備加熱用赤外線ランプヒーター406、予備加熱用熱電対408、予備加熱用温度制御装置410が設けられ、さらに成膜中の温度を一定化させるために赤外線ランプヒーター405、熱電対407、温度制御装置409を有する。
【0091】
図5は、本発明の光起電力素子を連続的に製作する製造装置を表す模式図であり、帯状基板501の送り出し室502及び巻き取り室503、n型半導体層作製用容器504、緩衝半導体層製作用容器505、507、i型半導体層作製用容器506、p型半導体層作製用容器508をガスゲート518を介して接続した装置から構成されている。509は帯状基板501の送り出し用ボビン、510は帯状基板501の巻き取り用ボビンであり、図中の矢印方向に帯状基板501が搬送される。ただし、この帯状基板501は逆転させて搬送することもできる。
【0092】
また、送り出し室502、巻き取り室503の中に、帯状基板501の表面保護用に用いられるあい紙巻き取り手段、及び送り込み手段を配置してもよい。あい紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリミド系、テフロン系及びグラスウール等が好適に用いられる。
【0093】
511、512は、帯状基板501の張力調整及び位置出しを兼ねた搬送用ローラーである。514はコンダクタンス調整用のスロットルバルブ、513は排気管であり、排気ポンプ(不図示)に接続されている。516はアプリケータであり、その先端にはマイクロ波透過性部材が取り付けられており、導波管517を通じてマイクロ波電源(不図示)に接続されている。522は電極であり、RF電源515に接続されている。
【0094】
各成膜容器504、505、506、507、508の中においては、帯状基板501を挟んで成膜空間と反対側の空間に、多数の赤外線ランプヒーター521と、これら赤外線ランプヒーター521からの輻射熱を効率よく帯状基板501に集中させるためのランプハウス523がそれぞれ設けられている。また、帯状基板501の温度を監視するための熱電対520が設置されている。
【0095】
本発明において、成膜空間内で生起するマイクロ波プラズマのプラズマ電位を制御するために、バイアス電圧を印加してもよい。バイアス電圧としては直流、脈流及び交流電圧を、単独またはそれぞれ重畳させて印加させることが好ましい。マイクロ波プラズマのプラズマ電位を制御することによって、プラズマの安定性、再現性、及び膜特性の向上、欠陥の低減が図られる。
【0096】
上述した本発明の光起電力素子を連続的に製作する製造装置を用いて、太陽電池を作製することにより、前述の諸問題を解決するとともに前述の諸要求を満たし、連続して移動する帯状基板上に、高品質で優れた均一性を有し、欠陥の少ない起電力素子を作製することができる。
【0097】
【実施例】
以下、本発明の光起電力素子を連続的に製造する方法の具体的実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
【0098】
(実施例1)
図5に示した装置を用いて、本発明の光起電力素子を連続的に作製する方法について、作製手順に従って説明する。
【0099】
(1)基板送り出し機構を有する真空容器502に、十分脱脂、洗浄を行い、下部電極として、スパッタリング法により、Al薄膜を100nm、ZnO薄膜を1μm蒸着してあるSUS430BA製帯状基板501(幅300mm×長さ300m×厚さ0.2mm)の巻き付けられたボビン509をセットし、該帯状基板501を、n型半導体層成膜容器504、n/i緩衝半導体層成膜容器505、i型半導体層成膜容器506、p/i緩衝半導体層成膜容器507、p型半導体層成膜容器508をガスゲート518を介して帯状基板巻き取り機構を有する真空容器503まで通し、弛みのない程度に張力調整を行った。
【0100】
(2)送り出し室502、巻き取り室503、及び各成膜容器504、505、506、507、508を真空ポンプ(不図示)により、1×10−6Torr以下まで真空引きした。
【0101】
(3)次に、成膜前の加熱処理を行った。具体的には、ガスゲート518にゲートガス導入管519よりゲートガスとしてHを各々500cc/min流し、各成膜容器にガス導入管(不図示)よりHeを各々500cc/min導入し、送り出し室502、巻き取り室503、及び各成膜容器504、505、506、507、508の内圧が1.0Torrになるようスロットルバルブ514の開度を調節して、排気管513を通して、各容器ごとに真空ポンプ(不図示)で排気した。その後、加熱用ランプヒーター521により、帯状基板501ならびに成膜容器内部材を400℃に加熱し、3時間この状態で放置した。
【0102】
(4)送り出し室502、巻き取り室503、及び各成膜容器504、505、506、507、508を真空ポンプ(不図示)で1×10−6Torr以下まで真空引きした。
【0103】
(5)各ガスゲート518に、ゲートガス導入管より、ゲートガスとしてHを500cc/min導入する。
【0104】
(6)次に、n型半導体層成膜準備を行うが、説明をより詳細に行うために図4を用いて説明する。予備加熱用熱電対408の温度指示値が250℃になるように、予備加熱用温度制御装置410を設定し、予備加熱用赤外線ランプヒーター406により帯状基板401を加熱する。同様に、熱電対407の温度指示値が270℃になるように、温度制御装置409を設定し、赤外線ランプヒーター405により帯状基板401を加熱する。
【0105】
ガス導入手段(不図示)より、SiHガスを100cc/min、PH/H(1%)ガスを500cc/min、Hガスを700cc/min導入する。放電室403の圧力が1.0Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。そして、RF電源414の出力値が100Wになるように設定し、電極404を通じて放電室403内に放電を生起させる。
【0106】
(7)次に、n/i緩衝半導体層成膜準備を行うが、説明をより詳細に行うために図2を用いて説明する。予備加熱用熱電対217の温度指示値が260℃になるように、予備加熱用温度制御装置212を設定し、予備加熱用赤外線ランプヒーター208により帯状基板201を加熱する。第1の熱電対214の温度指示値が260℃になるように、第1の温度制御装置209を設定し、第1の赤外線ランプヒーター205により帯状基板201を加熱する。
【0107】
第1の放電空間外に設置された冷却プレート207により、その直下に設置した熱電対216の温度指示値が180℃になるように、帯状基板201を冷却する。第2の熱電対215の温度指示値が300℃になるように、第2の温度制御装置210を設定し、第2の赤外線ランプヒーター206により帯状基板201を加熱する。
【0108】
第1の成膜容器203aにガス導入手段204aより、SiHガスを50cc/min、Hガスを1000cc/min導入する。成膜容器203aの圧力が1.1Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。RF電源220aの出力値が50Wになる様に設定し、電極221aを通じて放電室203a内に放電を生起させる。
【0109】
第2の成膜容器203bにガス導入手段204bより、SiHガスを100cc/min、Hガスを300cc/min導入する。成膜容器203bの圧力が1.1Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。RF電源220bの出力値が100Wになるように設定し、電極221bを通じて成膜容器203b内に放電を生起させる。
【0110】
(8)その後、i型半導体層成膜準備を行うが、説明をより詳細に行うために図3及び図5を用いて説明する。予備加熱用熱電対520の温度指示値が350℃になるように、予備加熱用温度制御装置(不図示)を設定し、予備加熱用赤外線ランプヒーター521により帯状基板501を加熱する。同様に、第1の熱電対520の温度指示値が360℃になるように、第1の温度制御装置(不図示)を設定し、第1の赤外線ランプヒーター521により帯状基板501を加熱する。
【0111】
ガス導入管306より、SiHガスを80cc/min、GeHガスを90cc/min、Hガスを200cc/min導入する。放電室302の圧力が0.02Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気パンチングボード305、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ514で排気した。
【0112】
マイクロ波電力をアプリケータ303、516に導入し、マイクロ波透過性部材304を通じてマイクロ波電力を200W、200W、200W導入し放電室内に放電を生起させる。
【0113】
(9)次に、p/i緩衝半導体層成膜準備を行うが、説明をより詳細に行うために図2を用いて説明する。予備加熱用熱電対217の温度指示値が360℃になるように、予備加熱用温度制御装置212を設定し、予備加熱用赤外線ランプヒーター208により帯状基板201を加熱する。第1の熱電対214の温度指示値が380℃になるように、第1の温度制御装置209を設定し、第1の赤外線ランプヒーター205により帯状基板201を加熱する。
【0114】
第1の放電空間外に設置された冷却プレート207により、その直下に設置した熱電対216の温度指示値が180℃になるように、帯状基板201を冷却する。第2の熱電対215の温度指示値が200℃になるように、第2の温度制御装置210を設定し、第2の赤外線ランプヒーター206により帯状基板201を加熱する。
【0115】
第1の成膜容器203aにガス導入手段204aより、SiHガスを150cc/min、Hガスを1500cc/min導入する。成膜容器203aの圧力が1.1Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。RF電源220aの出力値が200Wになる様に設定し、電極221aを通じて成膜容器203a内に放電を生起させる。
【0116】
第2の成膜容器203bにガス導入手段204bより、SiHガスを40cc/min、Hガスを1500cc/min導入する。成膜容器203bの圧力が1.1Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。RF電源220bの出力値が1800Wになるように設定し、電極221bを通じて成膜容器203b内に放電を生起させる。
【0117】
(10)その後、p型半導体層成膜準備を行うが、説明をより詳細に行うために図4を用いて説明する。予備加熱用熱電対408の温度指示値が270℃になる様、予備加熱用温度制御装置410を設定し、予備加熱用赤外線ランプヒーター406により帯状基板401を加熱する。同様に、第1の熱電対407の温度指示値が270℃になるように、第1の温度制御装置409を設定し、第1の赤外線ランプヒーター406により帯状基板401を加熱する。
【0118】
ガス導入手段(不図示)より、SiHガスを10cc/min、BF/H(1%希釈)ガスを500cc/min、Hガスを6000cc/min導入する。放電室403の圧力が1.0Torrになるようにスロットルバルブ(不図示)の開度を調節して、排気管(不図示)を通して、真空ポンプ(不図示)で排気した。RF電源414の出力値が1500Wになる様に設定し、電極404を通じて放電室403内に放電を生起させる。
【0119】
(11)帯状基板501を図5中の矢印の方向に2000mm/minの速度で搬送させ、帯状基板にn型半導体層、n/i緩衝半導体層、i型半導体層、p型半導体層、p/i緩衝半導体層、p型半導体層を作製した。
【0120】
(12)帯状基板の1ロール分を搬送させた後、全てのプラズマ、全てのガス供給、全てのランプヒーターの通電、帯状基板の搬送を停止した。次に、チャンバーリーク用のNガスをチャンバーに導入し(導入用部材は不図示)大気圧に戻し、巻き取り用ボビンに巻き取られた帯状基板を取り出した。
【0121】
(13)p型半導体層上に透明電極として、ITO(In+SnO)を真空蒸着にて100nm蒸着し、さらに集電電極として、Alを真空蒸着にて2μm蒸着し、図1に示すような太陽電池(試料No.1)を作製した。
【0122】
以上の太陽電池の作製条件を表1に示す。
【0123】
【表1】
Figure 0003624120
【0124】
(比較例1)
本例では、緩衝半導体層における帯状基板の冷却機構を設けないとする以外は、実施例1と同じにして太陽電池を作製した。他の点は、実施例1と同様にして1ロールの帯状基板上に太陽電池(比較試料No.1)を作製した。
【0125】
まず、実施例1で得られた太陽電池(試料No.1)及び比較例1で得られた太陽電池(比較試料No.2)のそれぞれについて、光電変換効率η={単位面積あたりの最大発電電力(mW/cm)/単位面積あたりの入射光強度(mW/cm)}の評価を行った。
【0126】
実施例1の試料No.1および比較例1の比較試料No.1の太陽電池をそれぞれ5枚ずつ製作し、AM−1.5(100mW/cm)光照射下に置き、図1の引き出し電極110に直流電圧を印加し、電流電圧特性を測定し、開放電圧、フィルファクター及び光電変換効率ηを評価したところ、比較試料No.1の太陽電池に対して、試料No.1の太陽電池は、開放電圧の値が平均して1.14倍、フィルファクターの値が平均して1.1倍、光電変換効率ηが平均して1.27倍優れていた。
【0127】
また、実施例1で作製した太陽電池(試料No.1)および比較例1で作製した太陽電池(比較試料No.1)の各々をポリフッ化ビニリデン(VDF)からなる保護フィルムで真空封止し、実使用条件化(屋外に設置、両電極に50オームの固定抵抗を接続)に1年間置いた後、再び光電変換効率の評価を行い、光照射に起因する劣化率(劣化により損なわれた光電変換効率の値を初期の光電変換効率で割ったもの)を調べた。
【0128】
その結果、本発明による緩衝半導体層を形成した太陽電池(試料No.1)の劣化率は、従来の方法により緩衝半導体層を形成した太陽電池(比較資料No.1)の劣化率に対する比で35%と低く抑えられていた。
【0129】
以上のことから、本発明により作製した太陽電池は、光電変換効率が飛躍的に向上し、且つ実使用条件化における信頼性が大幅に向上することがわかった。
【0130】
(実施例2)
半導体層の形成条件を表2に変える以外は、実施例1と同様の手法で、n型半導体層、n/i緩衝半導体層、i型半導体層、p/i緩衝半導体層、p型半導体層、透明電極、集電電極を順次形成し、太陽電池(試料No.2)を作製した。
【0131】
【表2】
Figure 0003624120
【0132】
(比較例2)
本例では、緩衝半導体層における帯状基板の冷却機構を設けないとする以外は、実施例2と同じにして太陽電池を作製した。他の点は、実施例2と同様にして1ロールの帯状基板上に太陽電池(比較試料No.2)を作製した。
【0133】
まず、実施例2で得られた太陽電池(試料No.2)及び比較例2で得られた太陽電池(比較試料No.2)のそれぞれについて、光電変換効率ηの評価を行った。
【0134】
実施例2の試料No.2および比較例2の比較試料No.2の太陽電池をそれぞれ5枚ずつ製作し、AM−1.5(100mW/cm)光照射下に置き、図1の引き出し電極110に直流電圧を印加し、電流電圧特性を測定し、開放電圧、フィルファクター及び光電変換効率ηを評価したところ、比較試料No.2の太陽電池に対して、試料No.2の太陽電池は、開放電圧の値が平均して1.18倍、フィルファクターの値が平均して1.1倍、光電変換効率ηが平均して1.3倍優れていた。
【0135】
また、実施例2で作製した太陽電池(試料No.2)および比較例2で作製した太陽電池(比較試料No.2)の各々をポリフッ化ビニリデン(VDF)からなる保護フィルムで真空封止し、実使用条件化(屋外に設置、両電極に50オームの固定抵抗を接続)に1年間置いた後、再び光電変換効率の評価を行い、光照射に起因する劣化率(劣化により損なわれた光電変換効率の値を初期の光電変換効率で割ったもの)を調べた。
【0136】
その結果、本発明による緩衝半導体層を形成した太陽電池(試料No.2)の劣化率は、従来の方法により緩衝半導体層を形成した太陽電池(比較試料No.2)の劣化率に対する比で50%と低く抑えられていた。
【0137】
以上のことから、本発明により作製した太陽電池は、光電変換効率が飛躍的に向上し、且つ実使用条件化における信頼性が大幅に向上することがわかった。
【0138】
(実施例3)
緩衝半導体層の冷却機構をp/i緩衝半導体層のみにすること以外は、実施例1と同様の手法で、n型半導体層、n/i緩衝半導体層、i型半導体層、p/i緩衝半導体層、p型半導体層、透明電極、集電電極を順次形成し、太陽電池(試料No.3)を作製した。形成条件を表3に示す。
【0139】
【表3】
Figure 0003624120
【0140】
(比較例3)
本例では、緩衝半導体層における帯状基板の冷却機構を設けないとする以外は、実施例3と同じにして太陽電池を作製した。他の点は、実施例3と同様にして1ロールの帯状基板上に太陽電池(比較試料No.3)を作製した。
【0141】
まず、実施例3で得られた太陽電池(試料No.3)及び比較例3で得られた太陽電池(比較試料No.3)のそれぞれについて、光電変換効率ηの評価を行った。
【0142】
実施例3の試料No.3および比較例3の比較試料No.3の太陽電池をそれぞれ5枚ずつ製作し、AM−1.5(100mW/cm)光照射下に置き、図1の引き出し電極110に直流電圧を印加し、電流電圧特性を測定し、開放電圧、フィルファクター及び光電変換効率ηを評価したところ、比較試料No.3の太陽電池に対して、試料No.3の太陽電池は、開放電圧の値が平均して1.11倍、フィルファクターの値が平均して1.05倍、光電変換効率ηが平均して1.2倍優れていた。
【0143】
また、実施例3で作製した太陽電池(試料No.3)および比較例3で作製した太陽電池(比較試料No.3)の各々をポリフッ化ビニリデン(VDF)からなる保護フィルムで真空封止し、実使用条件化(屋外に設置、両電極に50オームの固定抵抗を接続)に1年間置いた後、再び光電変換効率の評価を行い、光照射に起因する劣化率(劣化により損なわれた光電変換効率の値を初期の光電変換効率で割ったもの)を調べた。
【0144】
その結果、本発明による緩衝半導体層を形成した太陽電池(試料No.3)の劣化率は、従来の方法により緩衝半導体層を形成した太陽電池(比較試料No.3)の劣化率に対する比で50%と低く抑えられていた。
【0145】
以上のことから、本発明により作製した太陽電池は、緩衝半導体層の冷却をp/i緩衝半導体層のみとした場合においても光電変換効率が飛躍的に向上し、且つ実使用条件化における信頼性が大幅に向上することがわかった。
【0146】
(実施例4)
本例では、実施例3において下部電極の表面上に1組のpin接合を設けたのに代えて、3組のpin接合を積層して用いた。このように、3組のpin接合を積層した場合には、トリプル型太陽電池と呼ばれる。ここでは、光入射側のpin接合部には緩衝半導体層を形成せず、i型半導体層を形成するための放電生起手段をRF放電とした他の点は、実施例1と同様にした。
【0147】
上記のトリプル型太陽電池を作製する場合、図5に示した堆積膜形成装置のp型半導体層成膜容器508と巻き取り室503の間に、新たに、n型半導体層成膜容器、n/i緩衝半導体層成膜容器、i型半導体層成膜容器、p/i緩衝半導体層成膜容器、p型半導体層成膜容器、n型半導体層成膜容器、i型半導体層成膜容器、p型半導体層成膜容器とを各ガスゲートを介して接続して増設した装置を用いた。
【0148】
第1及び第2のpin接合は、a−SiGe:Hであり、第3のpin接合はa−Si:Hでそれぞれi型半導体層を形成している。作製条件は表4に示す。また、積層順は、表4の上欄より下欄の順である。
【0149】
続いて、連続モジュール化装置(不図示)を用いて、作製した太陽電池を大きさが36cm×22cmの多数の太陽電池モジュールに加工した。加工した太陽電池モジュールについて、AM1.5でエネルギー密度100mw/cmの疑似太陽光を用いて特性評価を行ったところ、11.5%以上の光電変換効率が得られ、各太陽電池モジュール間の特性のばらつきも3%以内に収まった。
【0150】
また、加工した太陽電池モジュールの中から2個を抜き取り、連続200回の繰り返し曲げ試験を行ったところ、試験後においても特性が劣化することはなく、堆積膜の剥離等の現象も認められなかった。さらに、上述したAM1.5でエネルギー密度100mW/cmの疑似太陽光を連続500時間照射したのちでも、光電変換効率は初期値に対して8.5%以内に収まっていた。この太陽電池モジュールを接続することにより、出力5kWの電力供給システムを構成することができた。
【0151】
【表4】
Figure 0003624120
【0152】
(実施例5)
上述した実施例4では第1のp/i緩衝半導体層として、a−Si:H堆積膜を用いたが、ここでは、a−Si:H堆積膜の代わりにa−SiGe:H堆積膜を用いて太陽電池を製作し、太陽電池モジュールに加工した。
【0153】
加工した太陽電池モジュールについて、実施例4と同様の特性の評価を行ったところ、12.2%以上の光電変換効率が得られ、各太陽電池モジュール間の特性のばらつきも5%以内に収まっていた。
【0154】
また、連続200回の繰り返し曲げ試験後においても特性の劣化は認められず、堆積膜の剥離も起こらなかった。さらに、連続500時間の疑似太陽光照射の後も、光電変換効率の変動は初期値に対して8.1%以内に収まっていた。この太陽電池モジュールを使用することにより、出力5kWの電力供給システムを構成することができた。
【0155】
(実施例6)
上述した実施例5では第1のp/i緩衝半導体層として、a−SiGe:H堆積膜を用いたが、ここでは、a−SiGe:H堆積膜の代わりにa−SiC:H堆積膜を用いて太陽電池を製作し、太陽電池モジュールに加工した。
【0156】
加工した太陽電池モジュールについて、実施例5と同様の特性の評価を行ったところ、7.4%以上の光電変換効率が得られ、各太陽電池モジュール間の特性のばらつきも5%以内に収まっていた。
【0157】
また、連続200回の繰り返し曲げ試験後においても特性の劣化は認められず、堆積膜の剥離も起こらなかった。さらに、連続500時間の疑似太陽光照射の後も、光電変換効率の変動は初期値に対して8.7%以内に収まっていた。この太陽電池モジュールを使用することにより、出力5kWの電力供給システムを構成することができた。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、成膜中にp層やn層のドーパントがi層中に熱的に拡散することを有効に防ぎ得る緩衝半導体層をpi界面、あるいはni界面に設けることによって、太陽電池の出力特性、とりわけ開放電圧、フィルファクターを向上させることができる。
【0159】
また、上記の緩衝半導体層をpi界面あるいはni界面に設け、実使用状態におけるドーパントの拡散を防ぐことにより太陽電池の劣化を低減し、信頼性の高い太陽電池を製造することができる。
【0160】
さらに、上記の緩衝半導体層上に作成されるi層あるいはドーパント層の実質的な下地層として、i層あるいはドーパント層を作成し、優れた特性を有する太陽電池を製造することができる。
【0161】
さらに、本発明による緩衝半導体層により、i型半導体層とn型半導体層もしくは、かつ、p型半導体層との界面において、良好なエネルギーバンドプロファイルを形成できるために、該界面でのキャリアの逆拡散、再結合を防止することにより、優れた特性を有する太陽電池を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による非単結晶質シリコン太陽電池の層構成を説明するための模式的構成図である。
【図2】本発明に使用する太陽電池製造装置において、緩衝半導体層作製用容器の構造を示す模式図である。
【図3】本発明に使用する太陽電池製造装置において、i型半導体層作製用容器の構造を示す模式図である。
【図4】本発明に使用する太陽電池製造装置において、p型半導体層もしくはn型半導体層作製用容器の構造を示す模式図である。
【図5】本発明に使用する太陽電池製造装置の構造を示す模式図である。
【符号の説明】
101 太陽電池
102 導電性基板
103 下部電極
104 n型半導体層
105a 第1のn/i緩衝半導体層
105b 第2のn/i緩衝半導体層
106 i型半導体層
107a 第1のp/i緩衝半導体層
107b 第2のp/i緩衝半導体層
108 p型半導体層
109 透明電極
110 集電電極
111 取り出し電極
201 帯状基板
202 真空容器
203 放電室
203a 第1の成膜容器
203b 第2の成膜容器
204a、204b ガス導入管
205 第1の赤外線ランプヒーター
206 第2の赤外線ランプヒーター
207 冷却プレート
208 予備加熱用赤外線ランプヒーター
209 第1の温度制御装置
210 第2の温度制御装置
212 予備加熱用温度制御装置
213 基板支持ローラー
214 第1の熱電対
215 第2の熱電対
216 冷却プレート用熱電対
217 予備加熱用熱電対
218 ガスゲート
219 ゲートガス導入管
220a、220b 高周波電源
221a、221b 電極
301 帯状基板
302 放電室
303 アプリケータ
304 マイクロ波透過性部材
305 排気パンチングボード
306 ガス導入管
401 帯状基板
402 真空容器
403 放電室
404 ガス導入管
405 赤外線ランプヒーター
406 予備加熱用赤外線ランプヒーター
407 熱電対
408 予備加熱用熱電対
409 温度制御装置
410 予備加熱用温度制御装置
411 基板支持ローラー
412 ガスゲート
413 ゲートガス導入管
414 高周波電源
415 電極
501 帯状基板
502 送り出し真空容器
503 巻き取り真空容器
504 n型半導体層成膜容器
505 n/i型半導体層成膜容器
506 i型半導体層成膜容器
507 p/i型半導体層成膜容器
508 p型半導体層成膜容器
509 送り出しボビン
510 巻き取りボビン
511、512 搬送用ローラー
513 排気管
514 スロットルバルブ
515 高周波電源
516 アプリケータ
517 導波管
518 ガスゲート
519 ゲートガス導入管
520 熱電対
521 赤外線ランプヒーター
522 電極
523 ランプハウス
524 冷却プレート

Claims (17)

  1. 基板上に少なくとも一つのnip接合またはpin接合からなる構造体を作成すべく、p型半導体層を堆積する工程と、i型半導体層を堆積する工程と、n型半導体層を堆積する工程とを有し、
    n層とi層との間、または/およびi層とp層との間に、緩衝半導体層を堆積する工程を有する光起電力素子の製造方法において、
    少なくとも一方の緩衝半導体層を堆積する工程で、緩衝半導体層の一部を形成した後に基板を冷却し、その後に緩衝半導体層の他の部分を形成することを特徴とする光起電力素子の製造方法。
  2. 基板冷却時に緩衝半導体層の堆積を中断することを特徴とする請求項に記載の光起電力素子の製造方法。
  3. 基板冷却後であって、緩衝半導体層の他の部分の形成前に基板を加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の光起電力素子の製造方法。
  4. 緩衝半導体層の一部がa−Si:Hで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  5. 緩衝半導体層の一部がa−SiGe:Hで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  6. 緩衝半導体層の一部がa−SiC:Hで形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  7. 光起電力素子が、太陽電池として形成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  8. 複数個配置された放電手段による成膜空間内を、基板が連続的に移動することによって、基板上にp型半導体層、i型半導体層、n型半導体層、及び緩衝半導体層が形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  9. 基板が帯状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の光起電力素子の製造方法。
  10. 基板上に少なくとも一つのnip接合またはpin接合からなる構造体を有する光起電力素子を製造する光起電力素子製造装置において、
    p型半導体層製造容器と、i型半導体層製造容器と、n型半導体層製造容器とを有し、
    p型半導体層製造容器と、i型半導体層製造容器との間、または/およびi型半導体層製造容器と、n型半導体層製造容器との間に、緩衝半導体層製造容器を有しており、
    少なくとも一つの緩衝半導体層製造容器に、基板を一時的に冷却する冷却手段が備えられていることを特徴とする光起電力素子製造装置。
  11. 冷却手段が、基板の非成膜面側からの伝熱機構により冷却しうる構造を有することを特徴とする請求項10に記載の光起電力素子製造装置。
  12. 冷却手段が、基板と非接触式に形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載の光起電力素子製造装置。
  13. 冷却手段が、基板と接触式に形成されていることを特徴とする請求項10または11に記載の光起電力素子製造装置。
  14. 冷却手段が、ローラー状の回転可能なものであり、基板に接触させて冷却を行うこと特徴とする請求項13に記載の光起電力素子製造装置。
  15. 複数の容器内を基板が連続的に移動することによって、基板上にp型半導体層、i型半導体層、n型半導体層、及び緩衝半導体層が形成されることを特徴とする請求項10〜14のいずれかに記載の光起電力素子製造装置。
  16. 基板が帯状であることを特徴とする請求項10〜15のいずれかに記載の光起電力素子製造装置。
  17. 複数の容器内をロール状基板が連続的に移動するロール・ツー・ロール方式であることを特徴とする請求項10〜16のいずれかに記載の光起電力素子製造装置。
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