JP2978395B2 - 光起電力素子の製造法 - Google Patents

光起電力素子の製造法

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JP2978395B2 JP6090996A JP9099694A JP2978395B2 JP 2978395 B2 JP2978395 B2 JP 2978395B2 JP 6090996 A JP6090996 A JP 6090996A JP 9099694 A JP9099694 A JP 9099694A JP 2978395 B2 JP2978395 B2 JP 2978395B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン原子を含有す
る非単結晶n型層(またはp型層)、非単結晶i型層及
び非単結晶p型層(またはn型層)を積層して成るpi
n構造を、少なくとも1構成以上積層して形成される
電池、センサー等の光起電力素子の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体中に存在する欠陥は、電荷
の発生や再結合に密接に関係し、素子の特性を低下させ
るものである。この様な欠陥準位を補償する方法とし
て、水素プラズマ処理が提案されている。例えば、US
P4113514(J.I.Pankove等、RCA
社Sep.12,1978)には、完成された半導体素
子の水素プラズマ処理について記載されている。また”
EFFECT OF PLASMA TREATMENT OF THE TCO ON a-Si SOLA
RCELL PERFORMANCE", F.Demichelis et.al., Mat.Res.S
oc.Symp.Proc.Vol.258,p9O5,1992には、基板上に堆積し
た透明電極を水素プラズマ処理し、その上にpin構造
の太陽電池を形成する方法が示されている。更に”HYDR
OGEN-PLASMA REACTION FLUSHING F0R a-Si:H P-I-N SOL
AR CELL FABRlCATION",Y.S.Tsuo et.al.,Mat.Res.Soc.S
ymp.Proc.Vol.149,p471,1989には、pin構造の太陽電
池で、i層の堆積前にp層の表面を水素プラズマ処理す
る事が示されている。以上の様な従来の水素プラズマ処
理においては、チャンバーに水素ガスのみを導入し、R
Fパワーで水素ガスを活性化して水素プラズマ処理を行
っていた。
【0003】しかし、水素プラズマは、処理しようとす
る基板、未完成素子、完成した素子に作用するように広
がって行くのみならず、チャンバー全体に広がって行
く。水素プラズマは非常に活性であるため、チャンバー
の壁面から、壁面に吸着または含まれている、半導体層
に取り込まれると欠陥準位となる不純物(例えば酸素、
チッ素、炭素、鉄、クロム、ニッケル、アルミニウム
等)を取り出してくるという問題点がある。
【0004】また、水素ガスは放電を起こす事が他のガ
スよりも難しく、水素ガスのみによるプラズマは、プラ
ズマを維持する事が他のガスよりも難しいため安定した
水素プラズマ処理を行う事ができないという問題点があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決する事を目的とする。即ち本発明の目的は、チャ
ンバー壁面に吸着または含まれている不純物の取り込み
を実質的に防いだ水素プラズマ処理方法を提供する事で
あり、更に安定した水素プラズマ処理を行う方法を提供
する事である。
【0006】また本発明の目的は、光起電力素子を高温
高湿に置いた場合でも、半導体層の剥離が実質的に起こ
らない光起電力素子を形成する方法を提供する事にあ
る。更に本発明の目的は、柔軟な基板上にpin構造を
形成した場合に、基板を折り曲げてもpin半導体層が
剥離しにくい光起電力素子の形成方法を提供する事にあ
る。
【0007】更に加えて本発明の目的は、長時間の光照
射によってn型層とi型半導体層の界面近傍で欠陥準位
が増加しにくい光起電力素子の形成方法を提供する事に
ある。また更に加えて、本発明の目的は、高温高湿下で
光照射した場合に、基板と半導体層の剥離や直列抵抗の
増加等の光起電力素子の特性低下を抑制した光起電力素
子の形成方法を提供する事にある。
【0008】本発明の目的は、n型層(またはp型層)
からi型層への不純物の拡散等を防止し、初期効率の向
上した光起電力素子を提供する事にある。また本発明の
目的は、高い温度で使用した場合の特性の低下の少ない
光起電力素子を提供する事にある。本発明の目的は、光
起電力素子に逆バイアスを印加した場合、壊れにくい光
起電力素子を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、p/iバッファー
層とp型層との間の形成方法によって上記目的を達成で
きる事を見い出した。即ち、本発明は、基板上に、シリ
コン原子を含有する非単結晶n型層(またはp型層)、
非単結晶i型のn/iバッファー層(またはp/iバッ
ファー層)、非単結晶i型層、非単結晶i型のp/iバ
ッファー層(またはn/iバッファー層)及び非単結晶
p型層(またはn型層)を積層して成るpin構造を、
少なくとも1構成以上積層した光起電力素子の製造法
おいて、前記p/iバッファー層と前記p型層の接する
界面近傍を、実質的に堆積しない程度のシリコン原子含
有ガスを含有する水素ガスでプラズマ処理する事を特徴
とする。
【0010】更に、本発明は、前記基板と前記n型層の
界面近傍(または前記基板と前記p型層の界面近傍)
を、実質的に堆積しない程度のシリコン原子含有ガスを
含有する水素ガスでプラズマ処理する事を特徴とする。
更にまた、本発明は、前記n/iバッファー層と前記n
型層の接する界面近傍、前記n/iバッファー層と前記
i型層の接する界面近傍及び前記p/iバッファー層と
前記i型層の接する界面近傍を、実質的に堆積しない程
度のシリコン原子含有ガスを含有する水素ガスでプラズ
マ処理する事を特徴とする。
【0011】また本発明は、前記シリコン原子含有ガス
が、SiH4、Si26、SiF4、SiFH3、SiF2
2、SiF3H、SiC 22、SiCl3H、SiC
4の内、少なくとも1種を含む事を特徴としている。
更に加えて本発明は、前記シリコン原子含有ガスの水素
ガスに対する含有率が、0.1%以下である事を特徴と
している。
【0012】
【作用】水素ガスにシリコン含有ガスを実質的に堆積に
寄与しない程度に含有させて、水素プラズマ処理を行っ
てから半導体層を堆積して光起電力素子を形成すると前
記目的を達成することができる。その詳細なメカニズム
については、現在のところ明かではないが、本発明者ら
は、以下の様に考えている。
【0013】即ち、水素ガスにシリコン原子含有ガスを
実質的に堆積に寄与しない程度に含有させて、水素プラ
ズマ処理を行うと、活性化されたシリコン原子含有ガス
が、チャンバー内壁に吸着している酸素や水に作用して
安定な酸化珪素等を生じ、酸素や水という形でチャンバ
ー内壁に吸着しているよりも安定な形となる。その結
果、シリコン原子含有ガスを実質的に堆積に寄与しない
程度に含有させて、プラズマ処理を行うとチャンバー壁
面に吸着している酸素や水等の不純物を半導体中に取り
込む事を非常に低く抑える事ができるものと考えられ
る。
【0014】加えてシリコン原子含有ガスを微量に含有
する水素ガスで水素プラズマ処理を行うと、チャンバー
壁面では水素原子がチャンバー壁面の内部にまで深く拡
散していくのが抑えられて、チャンバー壁面の内部から
半導体層に入って欠陥準位を形成するような不純物を取
り出してくる様な反応を極力抑える事ができるものと考
えられる。
【0015】また水素ガスはイオン化エネルギーが高
く、プラズマ放電を安定して長時間維持する事は難しい
が、本発明の様にプラズマ放電が維持しやすいシリコン
原子含有ガスの微量を水素ガスに添加する事によって、
水素ガスのプラズマ放電の維持が容易になるものと考え
ている。この様な非常に安定した水素プラズマ放電を基
板や素子に作用させる事によって、水素プラズマ処理の
均一性や再現性が非常に向上するものである。この様な
水素プラズマ処理の均一性や再現性の向上によって、水
素プラズマ処理された基板や素子で長時間高温高湿且つ
光照射下で半導体層の局所的な剥離や直列抵抗の増加等
を防止できるものである。
【0016】本発明の水素プラズマ処理は、基板の表面
がテクスチャー構造を有しテクスチャー構造が局所的に
鋭利に発達している所に対して、シリコン原子含有ガス
を含有するために鈍化させる方向に働くものである。そ
の結果、本発明の水素プラズマ処理を施したテクスチャ
ー構造の基板上に半導体層を堆積しても、半導体層の異
常成長が実質的に起こらないものである。故にpin構
造を有する光起電力素子を形成した場合、光起電力素子
の特性むらが少なく、基板と半導体層の密着性に優れ、
また高温高湿下での耐久性の優れた光起電力素子が得ら
れるものである。
【0017】本発明の水素プラズマ処理を、p/iバッ
ファー層とp型層の界面で行うと、該界面近傍の欠陥を
減少させることができ、光で励起された電荷の移動を容
易にすることができる。特に実質的に堆積しない程度の
シリコン原子含有ガスからプラズマによって生じるシリ
コン原子含有活性種は、水素プラズマ処理を施している
表面のシリコン原子と衝突したり置換したりして構造緩
和が進み、表面状態が改善されるものである。特にp型
層から光を照射する場合には、p型層側で光で励起され
た電荷が多く発生するため、p型層側で欠陥が多く生じ
易くなるが、本発明の水素プラズマ処理をp/iバッフ
ァー層とp型層の界面近傍で行うことで緩和することが
できるものである。また原子半径の小さなBでp型にさ
れているp型層では、光励起された自由な電荷が増加す
ると、Bの拡散が促進されて光起電力素子の特性低下が
起こるが、本発明の水素プラズマ処理をp/iバッファ
ー層とp型層の界面近傍で行うことによって、これを防
止することができる。その結果、本発明の水素プラズマ
処理を行った光起電力素子では、光起電力素子に逆バイ
アスを印加した場合でも光起電力素子は壊れにくくなる
ものである。
【0018】本発明の水素プラズマ処理を、p/iバッ
ファー層とi型層の界面で行うと、該界面近傍の欠陥を
減少させることができ、光で励起された電荷の移動を容
易にすることができる。特に実質的に堆積しない程度の
シリコン原子含有ガスからプラズマによって生じるシリ
コン原子含有活性種は、水素プラズマ処理を施している
表面のシリコン原子と衝突したり置換したりして構造緩
和が進み、表面状態が改善されるものである。
【0019】また、本発明の水素プラズマ処理を、n/
iバッファー層とi型層の界面で行うと、n/iバッフ
ァー層とi型層との界面近傍の歪を減少させることがで
きるものである。その結果、長い時間光照射を行った場
合の光劣化による局在準位の増加を抑えることができ
る。また、光励起された電荷もn型層及びp型層へ移動
し易くなるものである。
【0020】更に本発明の水素プラズマ処理を、n型層
とn/iバッファー層の界面で行うと、n型層からi型
層への不純物の拡散を防止できるものである。その詳細
なメカニズムは不明であるが、本発明者らは、以下の様
に考えている。n型層またはn/iバッファー層の表面
に本発明のシリコン原子含有ガスを微量に含有する水素
プラズマ処理を行うと、n型層またはn/iバッファー
層の表面の欠陥や構造的な歪みが、活性な水素プラズマ
の該層への拡散や微量に含有されているシリコン原子の
空孔への拡散によって、減少させることができるものと
考えている。
【0021】
【実施態様例】以下に本発明の実施態様例を詳細に説明
する。まず、本発明の光起電力素子の形成方法および形
成装置について図面を用いて詳細に説明する。 (水素プラズマ処理条件)図1から図3までは本発明の
シリコン原子含有ガスを微量に含有する水素ガスで水素
プラズマ処理を行った光起電力素子の例である。
【0022】図1はpin構造を1つ持つ光起電力素子
の模式的説明図である。該光起電力素子は、基板と反対
側から光を照射する場合には、基板190(支持体10
0、反射層101、反射増加層102)、第1のn型層
(またはp型層)103、第1のn/iバッファー層
(またはp/iバッファー層)151、第1のi型層1
04、第1のp/iバッファー層(またはn/iバッフ
ァー層)161、第1のp型層(またはn型層)10
5、透明電極112、集電電極113から構成されてい
る。また基板側から光を照射する場合には、100を透
光性の支持体にし、101を透明導電層、102を反射
防止層、112を反射層を兼ねた導電層で構成される。
【0023】図2はpin構造を2つ持つ光起電力素子
の模式的説明図である。該光起電力素子は、基板290
(支持体200、反射層201、反射増加層202)、
第1のn型層(またはp型層)203、第1のn/iバ
ッファー層(またはp/iバッファー層)251、第1
のi型層204、第1のp/iバッファー層(またはn
/iバッファー層)261、第1のp型層(またはn型
層)205、第2のn型層(またはp型層)206、第
2のn/iバッファー層(またはp/iバッファー層)
252、第2のi型層207、第2のp/iバッファー
層(またはn/iバッファー層)262、第2のp型層
(またはn型層)208、透明電極212、集電電極2
13から構成されている。また基板側から光を照射する
場合には、200を透光性の支持体にし、201を透明
導電層、202を反射防止層、212を反射層を兼ねた
導電層で構成される。
【0024】図3はpin構造を3つ持つ光起電力素子
の模式的説明図である。該光起電力素子は、基板390
(支持体300、反射層301、反射増加層302)、
第1のn型層(またはp型層)303、第1のn/iバ
ッファー層(またはp/iバッファー層)351、第1
のi型層304、第1のp/iバッファー層(またはn
/iバッファー層)361、第1のp型層(またはn型
層)305、第2のn型層(またはp型層)306、第
2のn/iバッファー層(またはp/iバッファー層)
352、第2のi型層307、第2のp/iバッファー
層(またはn/iバッファー層)362、第2のp型層
(またはn型層)308、第3のn型層(またはp型
層)309、第3のn/iバッファー層(またはp/i
バッファー層)353、第3のi型層310、第3のp
/iバッファー層(またはn/iバッファー層)36
3、第3のp型層(またはn型層)311、透明電極3
12、集電電極313から構成されている。また基板側
から光を照射する場合には、300を透光性の支持体に
し、301を透明導電層、302を反射防止層、312
を反射層を兼ねた導電層で構成される。
【0025】本発明の実質的に堆積しない程度のシリコ
ン原子含有ガスを含有する水素ガスでのプラズマ処理
は、p/iバッファー層とp型層との界面近傍に行うの
が効果的である。また、本発明の実質的に堆積しない程
度のシリコン原子含有ガスを含有する水素ガスでのプラ
ズマ処理を、基板と第1のn型層(またはp型層)の界
面近傍、さらにはn/iバッファー層とi型層、n/i
バッファー層とn型層及びp/iバッファー層とi型層
の接する界面近傍で行うと一層効果的である。
【0026】本発明の目的を達するに適した水素流量
は、処理用のチャンバーの大きさによって適宜最適化さ
れるものであるが、1〜2000sccmが適した流量
である。水素流量が1sccmより少なくなると、プラ
ズマ放電を維持するための電力が大きくなり、基坂に対
する損傷がひどくなり、またチャンバー壁面から不純物
を取り込みやすくなる。一方、水素流量が2000sc
cmより多くなると、プラズマ放電内のシリコン系の活
性種や水素の活性種のチャンバー内での滞留時間が短く
なるため、実質的に堆積しない程度のシリコン原子含有
ガスを含有する水素ガスでのプラズマ処理の効果が現れ
にくくなるものである。
【0027】本発明の水素プラズマ処理方法において、
水素ガスに添加されるシリコン原子含有ガスの添加量
は、0.001%から0.1%が好ましい範囲である。
水素ガスに対するシリコン原子含有ガスの添加量が、
0.001%より少ないと本発明の効果が現れなくな
り、また0.1%より多くなるとシリコン原子の堆積が
多くなるために、本来の水素プラズマ処理の効果が現れ
なくなるものである。
【0028】本発明の水素プラズマを発生させるために
適したエネルギーは、電磁波であって、中でもRF(r
adio frequency)、VHF(very
high frequency)、MW(microw
ave)が適したエネルギーである。本発明の水素プラ
ズマ処理をRFで行う場合、好ましい周波数の範囲は、
1MHzから50MHzの範囲である。本発明の水素プ
ラズマ処理をVHFで行う場合、好ましい周波数の範囲
は、51MHzから500MHzの範囲である。本発明
の水素プラズマ処理をMWで行う場合、好ましい周波数
の範囲は、0.51GHzから10GHzの範囲であ
る。
【0029】本発明の水素プラズマ処理を効果的に行う
ためには、真空度は重要な因子であって、好ましい範囲
は、シリコン原子含有ガスを添加した水素ガスを活性化
するために使用するエネルギーに大きく依存するもので
ある。水素プラズマ処理をRFの周波数帯で行う場合に
好ましい真空度は0.05Torrから10Torrの
範囲である。VHFの周波数帯で水素プラズマ処理を行
う場合に好ましい真空度は、0.0001Torrから
1Torrの範囲である。MWの周波数帯で水素プラズ
マ処理を行う場合の好ましい真空度は、0.0001T
orrから0.01Torrの範囲である。
【0030】本発明の水素プラズマ処理において、水素
プラズマを生じせしめるためにチャンバー内に投入され
るパワー密度は、本発明の水素プラズマ処理を効果的に
行うためには重要な因子である。この様なパワー密度
は、使用する電磁波の周波数に依存する。RFの周波数
帯を使用する場合には、パワー密度は、0.01から1
W/cm3が好ましい範囲である。VHFの周波数帯を
使用する場合には、0.01から1W/cm3が好まし
い範囲である。特にVHFの周波数帯の場合には、広い
圧力範囲でプラズマ放電が維持できるという特徴があ
り、高い圧力で水素プラズマ処理を行う場合には、比較
的低いパワー密度で水素プラズマ処理を行う事が好まし
く、一方低い圧力で水素プラズマ処理を行う場合には、
比較的高いパワー密度で行う事が好ましいものである。
MWの周波数帯を使用して本発明の水素プラズマ処理を
行う場合には、0.1から10W/cm3が好ましいパ
ワー密度の範囲である。本発明の水素プラズマ処理を行
うにあたって、パワー密度と水素プラズマ処理時間との
間には密接な関係があって、パワー密度が高い場合に
は、水素プラズマ処理時間は比較的短い方が好ましいも
のである。
【0031】本発明の水素プラズマ処理において、水素
プラズマ処理時の基板温度は、本発明の効果を有効にす
るためには、非常に重要な因子である。RFの周波数帯
を用いて水素プラズマ処理を行う場合には、基板温度は
比較的高めの温度が好ましいものである。100から4
00℃が好ましい温度範囲である。VHFまたはMWの
周波数帯を用いて本発明の水素プラズマ処理を行う場合
には、基板温度は比較的低めの温度が好ましいものであ
る。この場合には、50から300℃が好ましい温度範
囲である。また本発明の水素プラズマ処理時の基板温度
は、チャンバー内に投入されるパワー密度にも密接に依
存し、投入するパワー密度が比較的高めの場合には、基
板温度は低めの温度で行うのが好ましいものである。
【0032】本発明の水素プラズマ処理を行う場合、以
上の様なパワー密度、ガス流量、基板温度、圧力等は、
処理時間に対して変化させても良いものである。通常基
板は、表面近傍に欠陥が多くまた不純物も多く存在して
いる。従って水素プラズマ処理は、処理開始時に比較的
高いパワー密度、高い圧力で行うのが好ましいのもので
ある。
【0033】本発明の水素プラズマ処理において、水素
ガスに添加される、シリコン原子含有ガスは、Si
4、Si26、SiF4、SiF3H、SiF22、S
iF3H、Si2FH5、SiCl4、SiClH3、Si
Cl22、SlClH3等の水素化シリコン化合物また
はハロゲン化シリコン化合物が適したものである。これ
らのシリコン原子含有ガスは、単独で水素ガスに添加し
ても良く、複数組みあわせて添加しても良いものであ
る。特にハロゲン原子を含有するシリコン原子含有ガス
は、ハロゲン原子を含有しないシリコン原子含有ガスよ
りも多めに添加するのが好ましい混合割合である。
【0034】(形成方法及び装置)本発明の光起電力素
子の形成方法及びこれに適した形成装置を説明する。形
成装置の一例を図4の模式的説明図に示す。図4におい
て、形成装置400は、ロードチャンバ401、搬送チ
ャンバー402、403、404、アンロードチャンバ
ー405、ゲートバルブ406、407、408、40
9、基板加熱用ヒーター410、411、412、基板
搬送用レール413、n型層(またはp型層)堆積チャ
ンバー417、i型層堆積チャンバー418、p型層
(またはn型層)堆積チャンバー419、プラズマ形成
用カップ420、421、電源422、423、42
4、マイクロ波導入用窓425、導波管426、ガス導
入管429、449、469、バルブ430、431、
432、433、434、441、442、443、4
44、450、451、452、453、454、45
5、461、462、463、464、465、47
0、471、472、473、474、481、48
2、483、484、マスフローコントローラー43
6、437、438、439、456、457、45
8、459、460、476、477、478、47
9、シャッター427、バイアス棒428、基板ホルダ
ー490、不図示の排気装置、不図示のマイクロ波電
源、不図示の真空計、不図示の制御装置等から構成され
ている。
【0035】本発明の水素プラズマ処理方法を適用した
光起電力素子の形成方法は、図4に示す形成装置を使用
して以下の様に行われるものである。堆積装置400の
全てのチャンバーを各チャンバーに接続してある不図示
のターボ分子ポンプで10-6Torr以下の真空度に引
き上げる。本発明の水素プラズマ処理をRFで行う場合
には、以下の様に行う。ステンレス支持体に銀等の反射
層を蒸着し更に酸化亜鉛等の反射増加層を蒸着した基坂
を基坂ホルダー490に取りつける。該基板ホルダー4
90をロードチャンバー401に入れる。ロードチャン
バー401の扉を閉じ、ロードチャンバー401を不図
示のメカニカルブースターポンプ/ロータリーポンプ
(MP/RP)で所定の真空度に引き上げる。ロードチ
ャンバーが所定の真空度になったならば、MP/RPを
ターボ分子ポンプに切り替えて10-6Torr以下の真
空度に引き上げる。ロードチャンバーが10-6Torr
以下の真空度になったならば、ゲートバルブ406を開
け、基板搬送用レール413上の基板ホルダー490を
搬送チャンバー402に移動させ、ゲートバルブ406
を閉じる。搬送チャンバー402の基板加熱用ヒーター
410を基板ホルダー490がぶつからない様に上に上
げる。基板が該ヒーター直下に来る様に基板ホルダーの
位置を決める。基板加熱用ヒーター410を下げ、基板
をn型層堆積チャンバー内に入れる。
【0036】基板温度はn型層の堆積に適した温度に変
更し、n型層堆積用のSiH4,Si26等のシリコン
原子含有ガス及びn型層堆積用の周期律表第V族元素含
有ガスをバルブ443、マスフローコントローラー43
8、バルブ433を介して堆積チャンバー417に導入
する。また水素ガスの流量もn型層に合わせて適宜調節
するのが好ましいものである。この様にしてn型層堆積
用の原料ガスを堆積チャンバー417に導入し、不図示
の排気弁の開閉度を変えて堆積チャンバー417内を
0.1から10Torrの所望の真空度にする。そして
RF電源422からプラズマ形成用カップ420にRF
パワーを導入し、プラズマ放電を起こし、所望の時間放
電を維持する。この様にして基板上にn型層の半導体層
を所望の厚さ堆積する。
【0037】n型層の堆積が終了した後、原料ガスの堆
積チャンバー417ヘの供給を停止し、堆積チャンバー
417内を水素ガスまたはへリウムガスでパージする。
十分にパージした後、水素ガスまたはヘリウムガスの供
給を停止し、堆積チャンバー内をターボ分子ポンプで1
-6Torrまで引き上げる。ゲートバルブ407を開
けて基板ホルダー490を搬送チャンバー403に移動
しゲートバルブを閉じる。基板を基板加熱用ヒーター4
11で加熱できるように、基板ホルダーの位置を調節す
る。基板加熱用ヒーター411を基板と接触させ、所定
の温度に加熱する。同時に水素ガスまたはへリウムガス
等の不活性ガスを堆積チャンバー418に導入する。ま
たその時の真空度は、n/iバッファー層を堆積すると
きと同じ真空度で行うのが好ましいものである。
【0038】基板温度が所望の温度になったならば、基
板加熱用のガスを止め、n/iバッファー層堆積用の原
料ガスをガス供給装置から堆積チャンバー418に供給
する。例えば水素ガス、シランガス、ゲルマンガスを、
それぞれバルブ462、463、464を開け、マスフ
ローコントローラー457、458、459で所望の流
量に設定し、バルブ452、453、454、450を
開けてガス導入管449を介して堆積チャンバー418
に供給する。同時に不図示の拡散ポンプで供給ガスを、
堆積チャンバー418の真空度が所望の圧力になる様に
真空引きする。チャンバー418内の真空度が所望の真
空度で安定したならば、不図示のRF電源から所望の電
力をバイアス印加用のバイアス棒に導入する。そしてR
FプラズマCVD法でn/iバッファー層を堆積する。
n/iバッファー層は、この後に堆積するi型層よりも
堆積速度を遅くして堆積するのが好ましいものである。
【0039】次に基板温度をi型層堆積の所定の温度と
なるように加熱する。水素ガスやヘリウムガス等の不活
性ガスをバルブ461を開け、マスフローコントローラ
ーで所望の流量に設定し、バルブ451、450を開け
て流しながら基板加熱を行うのが好ましいものである。
またその時の真空度は、i型層を堆積するときと同じ真
空度で行うのが好ましいものである。
【0040】基板温度が所望の温度になったならば、基
板加熱用のガスを止め、i型層堆積用の原料ガスをガス
供給装置から堆積チャンバー418に供給する。例えば
水素ガス、シランガス、ゲルマンガスを、それぞれバル
ブ462、463、464を開け、マスフローコントロ
ーラー457、458、459で所望の流量に設定し、
バルブ452、453、454、450を開けてガス導
入管449を介して堆積チャンバー418に供給する。
同時に不図示の拡散ポンプで供給ガスを、堆積チャンバ
ー418の真空度が所望の圧力になる様に真空引きす
る。チャンバー418内の真空度が所望の真空度で安定
したならば、不図示のマイクロ電源から所望の電力を導
波管426とマイクロ波導入窓425を介して堆積チャ
ンバー418に導入する。マイクロ波エネルギーの導入
と同時に、堆積チャンバー418の拡大図に示すよう
に、バイアス印加用バイアス棒に外部のDC,RFまた
はVHF電源424から所望のバイアス電力を堆積チャ
ンバー418内に導入するのも好ましいものである。こ
のようにして所望の層厚にi型層を堆積する。該i型層
が所望の層厚に堆積できたならば、マイクロ波パワーと
バイアスの印加を停止し、堆積チャンバーへの原料ガス
の供給を停止する。必要に応じて堆積チャンバー418
内を水素ガスまたはヘリウムガス等の不活性ガスでパー
ジする。この後、前記n/iバッファー層の堆積と同様
にして、p/iバッファー層を所望の層厚に堆積する。
その後、必要に応じて堆積チャンバー418内を水素ガ
スまたはへリウムガス等の不活性ガスでパージする。
【0041】p/i型層上に本発明の水素プラズマ処理
は次の様にして行われるものである。チャンバー内に本
発明の水素プラズマ処理を行うに必要な水素ガスとシリ
コン原子含有ガスをバルブ461、462、マスフロー
コントローラー456、457、バルブ451、45
2、バルブ450を介して所定の流量を堆積チャンバー
418に導入する。不図示の排気弁の開閉度を変えて堆
積チャンバー418内を所望の真空度にする。チャンバ
ー418の真空度が安定したらRF電源424からRF
電力をバイアス棒428に印加し、プラズマを発生させ
る。この様にして所定の時間本発明の水素プラズマ処理
を行う。
【0042】基板の表面状態やチャンバーの内壁の状態
によって、水素プラズマ処理を行っている間に、水素ガ
スの流量、シリコン原子含有ガスの流量、RFパワー、
基板温度等を適宜変化させることが望ましいものであ
る。これらのパラメターの好ましい変化の形としては、
最初は、水素流量を多くし時間とともに水素流量を少な
くするものである。シリコン原子含有ガスの流量変化の
形としては、最初にはシリコン原子含有ガスの流量が少
なく時間とともにシリコン原子含有ガスの流量を増加さ
せるものである。RFパワーは最初には高いパワーで時
間の経過とともに低いパワーにして行く事が好ましい変
化の形態である。
【0043】本発明のプラズマ処理が終了した後、堆積
チャンバー内をパージし、排気を拡散ポンプからターボ
分子ポンプに替えて、堆積室内の真空度を10-6Tor
r以下の真空度にする。同時に基板加熱用のヒーターを
上に上げ、基板ホルダーが移動できる様にする。ゲート
バルブ408を開け、基板ホルダーを搬送チャンバー4
03から搬送チャンバー404に移動させ、ゲートバル
ブ408を閉じる。基板ホルダーを基板加熱用ヒーター
412の真下に移動させ、基板を基坂加熱用ヒーター4
12で加熱する。排気をターボ分子ポンプからMP/R
Pにかえて、加熱時に水素ガスやヘリウムガス等の不活
性ガスをp型層の堆積時の圧力になる様に流して基板加
熱を行う事はより好ましい形態である。基板温度が所望
の基板温度に安定したならば、基板加熱用の水素ガスや
不活性ガス等の基板加熱用のガスの供給を停止し、p型
層堆積用の原料ガス、例えばH2、SiH4及びBF3
の周期律表第III族元素含有ガスをバルブ482、48
3、484を開け、マスフローコントローラー477、
478、479を介して、更にバルブ472、473、
474を開けて、堆積チャンバー419へガス導入管4
69を通して所望の流量供給する。堆積チャンバー41
9の内圧が所望の真空度になる様に排気バルブを調節す
る。堆積チャンバー419の内圧が所望の真空度で安定
したならば、RF電源423からRFパワーをプラズマ
形成用カップに供給する。そうして所望の時間堆積して
p型層を堆積する。
【0044】堆積終了後、RFパワー、原料ガスの供給
を停止し、水素ガスまたはヘリウムガス等の不活性ガス
で堆積チャンバー内を十分にパージする。パージの終了
後、排気をMP/RPからターボ分子ポンプに替えて1
-6Torr以下の真空度に排気する。同時に基板加熱
用のヒーター412を上に上げ、ゲートバルブ409を
開けて、基板ホルダー490をアンロードチャンバー4
05に移動させる。ゲートバルブ409を閉じ、基板ホ
ルダーが100℃以下になったらアンロードチャンバー
の扉を開けて、外に取り出す。
【0045】この様にして基板上にpin半導体層が形
成される。pin半導体層を形成した基板を、透明電極
堆積用の真空蒸着器にセットして透明電極を半導体層上
に形成する。次に透明電極を形成した光起電力素子を、
集電電極堆積用の真空蒸着器にセットして、集電電極を
蒸着し、光起電力素子を形成する。本発明の水素プラズ
マ処理をMWで行う場合には、以下の様に行う。n型層
を基板上に堆積した後、ゲートバルブ407を開けて、
基板ホルダー490を搬送チャンバー403に移動さ
せ、ゲートバルブ407を閉じる。基板がヒーター41
1直下に来る様に基板ホルダーの位置を決める。基板加
熱用ヒーター411を下げ、基板をi型層堆積チャンバ
ー内に入れる。原料ガスを供給し所望の基板温度でn/
iバッファー層、i型層、p/iバッファー層を堆積し
た後、チャンバー内に本発明の水素プラズマ処理を行う
に必要な水素ガスとシリコン原子含有ガスをバルブ46
1、462、マスフローコントローラー456、45
7、バルブ451、452、バルブ450を介して所定
の流量を堆積チャンバー418に導入する。不図示の排
気弁の開閉度を変えて堆積チャンバー418内を所望の
真空度にする。チャンバー418の真空度が安定したら
不図示のMW電源からMW電力をマイクロ波導入窓42
5を介して堆積チャンバー418に導入し、プラズマを
発生させる。この様にして所定の時間本発明の水素プラ
ズマ処理を行う。基板の表面状態やチャンバーの内壁の
状態によって、水素プラズマ処理を行っている間に、水
素ガスの流量、シリコン原子含有ガスの流量、MWパワ
ー、基板温度等を適宜変化させることが望ましいもので
ある。これらのパラメターの好ましい変化の形として
は、最初は、水素流量を多くし時間とともに水素流量を
少なくするものである。シリコン原子含有ガスの流量変
化の形としては、最初にはシリコン原子含有ガスの流量
が少なく、時間とともにシリコン原子含有ガスの流量を
増加させるものである。MWパワーは最初には高いパワ
ーで時間の経過とともに低いパワーにして行く事が好ま
しい変化の形態である。VHFで本発明の水素プラズマ
処理を行う場合においても、MWで行う場合と同様に行
う事が好ましいものである。
【0046】また更に、基板とn型層の界面近傍につい
ても、シリコン原子含有ガスを実質的に堆積しない程度
に含有する水素ガスで水素プラズマ処理を行う事も好ま
しいものである。基板とn型層の界面近傍を水素プラズ
マ処理を行うには、n型層堆積用チャンバーまたはi型
層堆積用チャンバーに基板を前記手順で搬送して、基板
を所定の基板温度に保持し、前記手順でシリコン原子含
有ガス及び水素ガスを所定の流量を堆積チャンバーに導
入する。RF,VHFまたは/及びMWパワー等の導入
パワーの種類に対して適した真空度になる様に、圧力調
整バルブで圧力を調整する。RF,VHFまたは/及び
MWパワーを導入してプラズマ放電を起こし、基板上に
所定の時間本発明の水素プラズマ処理を行う。
【0047】また、n/iバッファー層とi型層の界面
近傍についても、シリコン原子含有ガスを堆積に寄与し
ない程度に含有する水素ガスによる水素プラズマ処理を
行う事によって、光起電力素子の特性は更に向上するも
のであるが,n/iバッファー層上への本発明の水素プ
ラズマ処理は次のようにして行われるものである。チャ
ンバー内に本発明の水素プラズマ処理を行うに必要な水
素ガスとシリコン原子含有ガスをバルブ461、46
2、マスフローコントローラー456、457、バルブ
451、452、バルブ450を介して所定の流量を堆
積チャンバー418に導入する。不図示の排気弁の開閉
度を変えて堆積チャンバー418内を所望の真空度にす
る。チャンバー418の真空度が安定したら不図示のR
F電源からRF電力をバイアス棒428に導入し、プラ
ズマを発生させる。この様にして所定の時間本発明の水
素プラズマ処理を行う。基板の表面状態やチャンバーの
内壁の状態によって、水素プラズマ処理を行っている間
に、水素ガスの流量、シリコン原子含有ガスの流量、R
Fパワー、基板温度等を適宜変化させることが望ましい
ものである。これらのパラメターの好ましい変化の形と
しては、最初は、水素流量を多くし時間とともに水素流
量を少なくするものである。シリコン原子含有ガスの流
量変化の形としては、最初にはシリコン原子含有ガスの
流量が少なく、時間とともにシリコン原子含有ガスの流
量を増加させるものである。RFパワーは最初には高い
パワーで時間の経過とともに低いパワーにして行く事が
好ましい変化の形態である。i型層上に本発明の水素プ
ラズマ処理は次のようにして行われるものである。チャ
ンバー内に本発明の水素プラズマ処理を行うに必要な水
素ガスとシリコン原子含有ガスをバルブ461、46
2、マスフローコントローラー456、457、バルブ
451、452、バルブ450を介して所定の流量を堆
積チャンバー418に導入する。不図示の排気弁の開閉
度を変えて堆積チャンバー418内を所望の真空度にす
る。チャンバー418の真空度が安定したら不図示のR
F電源からRF電力をバイアス棒428に導入し、プラ
ズマを発生させる。この様にして所定の時間本発明の水
素プラズマ処理を行う。基板の表面状態やチャンバーの
内壁の状態によって、水素プラズマ処理を行っている間
に、水素ガスの流量、シリコン原子含有ガスの流量、R
Fパワー、基板温度等を適宜変化させることが望ましい
ものである。これらのパラメターの好ましい変化の形と
しては、最初は、水素流量を多くし時間とともに水素流
量を少なくするものである。シリコン原子含有ガスの流
量変化の形としては、最初にはシリコン原子含有ガスの
流量が少なく、時間とともにシリコン原子含有ガスの流
量を増加させるものである。RFパワーは最初には高い
パワーで時間の経過とともに低いパワーにして行く事が
好ましい変化の形態である。
【0048】pin半導体層を複数積層した光起電力素
子は、形成装置400のn型層の堆積チャンバー、i型
層の堆積チャンバーそしてp型層の堆積チャンバーで所
望の回数堆積する事によって形成することができるもの
である。以上の本発明の水素プラズマ処理を行う光起電
力素子の形成方法において、ガスボンベは必要に応じて
適宜必要なガスボンベと交換して使用すれば良いもので
ある。その場合にガスラインは十分に加熱パージする事
が好ましいものである。
【0049】次に、上記光起電力素子の構成要素を詳細
に説明する。 (基板)本発明において好適に用いられる支持体の材質
としては、堆積膜形成時に必要とされる温度において変
形、歪みが少なく、所望の強度を有し、また導電性を有
するものであることが好ましく、また反射層や反射増加
層を堆積した後に行う本発明の水素プラズマ処理を行っ
ても反射層や反射増加層の支持体との密着性の低下しな
い支持体が好ましいものである。
【0050】具体的にはステンレススチール、アルミニ
ウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及びその合金等
の金属の薄膜及びその複合体、及びそれらの表面に異種
材料の金属薄膜及び/またはSiO2、Si34、Al2
3、AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍
金法等により表面コーティング処理を行なったもの、あ
るいはポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレフタ
レート、エポキシ等の耐熱性樹脂性シートまたはこれら
とガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素ファ
イバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体または
合金、及び透明導電性酸化物等を鍍金、蒸着、スパッ
タ、塗布等の方法で導電性処理を行なったものがあげら
れる。
【0051】また、前記支持体の厚さとしては、支持体
の移動時に形成される湾曲形状が維持される強度を発揮
する範囲内であれば、コスト、収納スペース等を考慮し
て可能な限り薄いほうが望ましい。具体的には、好まし
くは0.01mm乃至5mm、より好ましくは0.02
mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至1mmであ
ることが望ましいが、金属等の薄膜を用いる場合、厚さ
を比較的薄くしても所望の強度が得られやすい。
【0052】前記支持体の幅については、特に制限され
ることはなく、真空容器のサイズ等によって決定され
る。前記支持体の長さについては、特に制限されること
はなく、ロール状に巻き取られる程度の長さであって
も、長尺のものを溶接等によってさらに長尺化したもの
であってもよい。
【0053】本発明では支持体を短時間のうち加熱冷却
するが、温度分布が支持体の長尺方向に広がるのは好ま
しくないため、支持体の移動方向の熱伝導は少ないほう
が望ましく、支持体表面温度が、加熱冷却に追従するた
めには厚さ方向に熱伝導が大きい方が好ましい。支持体
の熱伝導を、移動方向に少なく厚さ方向に大きくするに
は、厚さを薄くすればよく、支持体が均一の場合、(熱
伝導)×(厚さ)は好ましくは1×10 -1W/K以下、
より好ましくは0.5×10-1W/K以下であることが
望ましい。
【0054】(反射層)反射層の材料としては、Ag、
Au、Pt、Ni、Cr、Cu、Al、Ti、Zn、M
o、Wなどの金属またはこれらの合金が挙げられ、これ
らの金属の薄膜を真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタ
リングなどで形成する。また、形成された金属薄膜が光
起電力素子の出力に対して抵抗成分とならぬように配慮
されねばならず、反射層のシート抵抗値は、好ましくは
50Ω以下、より好ましくは10Ω以下であることが望
ましいものである。
【0055】前記支持体が透光性であって、透光性の支
持体から光起電力素子に光を照射する場合、前記反射層
の代わりに透光性の導電層を形成する事が好ましいもの
である。この様な目的に適した透光性の導電層としては
酸化錫、酸化インジウムまたはこれらの合金等が適した
ものである。更にこれらの透光性の導電層の層厚として
は、反射防止の条件になる様な層厚に堆積するのが好ま
しいものである。これらの透光性導電層のシート抵抗と
しては、好ましくは50Ω以下、より好ましくは10Ω
以下であることが望ましいものである。
【0056】(反射増加層)反射増加層は、半導体層を
通過した基板からの反射光を各半導体層内に効率よく吸
収させるために、光の反射率が85%以上であることが
望ましく、さらに、電気的には光起電力素子の出力に対
して抵抗成分とならぬようシート抵抗値は100Ω以下
であることが望ましい。このような特性を備えた材料と
して、SnΟ 2、In23、ZnΟ、CdΟ、Cd2Sn
4、ITO(In2Ο3+SnO2)などの金属酸化物が
挙げられる。反射増加層は、光起電力素子においてはp
型層またはn型層に接して積層され、相互の密着性の良
いものを選ぶことが必要である。また反射増加層は反射
増加の条件に合う様な層厚に堆積するのが好ましいもの
である。反射増加層の作製方法としては、抵抗加熱蒸着
法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング法、スプレ
ー法などを用いることができ、所望に応じて適宜選択さ
れる。
【0057】(i型層)特にIV族もしくはIV族系合
金非晶質半導体材料を用いた光起電力素子に於いて、p
in接合に用いるi型層は照射光に対してキャリアを発
生輸送する重要な層である。i型層としては、僅かp
型、僅かn型の層も使用できるものである。非晶質半導
体材料には、水素原子(H,D)またはハロゲン原子
(X)が含有され、これが重要な働きを持つ。
【0058】i型層に含有される水素原子(H,D)ま
たはハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手(ダング
リングボンド)を補償する働きをし、i型層でのキァリ
アの移動度と寿命の積を向上させるものである。またp
型層/i型層、n型層/i型層の各界面の界面準位を補
償する働きをし、光起電力素子の光起電力、光電流そし
て光応答性を向上させる効果のあるものである。i型層
に含有される水素原子または/及びハロゲン原子は1〜
40at%が最適な含有量として挙げられる。特に、p
型層/i型層、n型層/i型層の各界面側で水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の含有量が多く分布しているも
のが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近傍での
水素原子または/及びハロゲン原子の含有量はバルク内
の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として拳
げられる。更にシリコン原子の含有量に対応して水素原
子または/及びハロゲン原子の含有量が変化しているこ
とが好ましいものである。
【0059】本発明の光起電力素子において、pin構
造を複数有する場合、光の入射側から順にi型層のバン
ドギャップが小さくなる様に積層するのが好ましいもの
である。比較的バンドギャップの広いi型層としては非
晶質シリコンや非晶質炭化シリコンが用いられ、比較的
バンドギャップの狭いi型半導体層としては、非晶質シ
リコンゲルマニウムが用いられる。非晶質シリコン、非
晶質シリコンゲルマニウムは、ダングリングボンドを捕
償する元素によって、a−Si:H、a−Si:F、a
−Si:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:
F、a−SiGe:H:F等と表記される。
【0060】非晶質シリコンゲルマニウムをi型層とし
て用いる場合には、ゲルマニウムの含有量をi型層の層
厚方向に変化させるのが好ましいものである。特にn型
層または/及びp型層方向でゲルマニウム含有量が連続
的に減少しているのが好ましいゲルマニウムの分布形態
である。ゲルマニウム原子の層厚中での分布の状態は、
原料ガスに含有させるゲルマニウム含有ガスの流量比を
変化させることによって行うことができる。また、MW
プラズマPCVD法でゲルマニウム原子のi型層中の含
有量を変化させる方法としては、ゲルマニウム含有ガス
の流量比を変化させる方法の他に、原料ガスの希釈ガス
である水素ガスの流量を変化させることによって同様に
行うことができるものである。水素希釈量を多くするこ
とによって堆積膜(i型層)中のゲルマニウム含有量を
増加させることができるものである。
【0061】本発明の水素プラズマ処理は、前記のよう
にゲルマニウム原子を連続的に変えた、いわゆるグレー
デッドバンドギャップ層と該層と接するバッファー層と
の間の電気的な接続を特に向上させるものである。さら
に具体的には、例えば、本発明の光起電力素子に好適な
pin接合のi型半導体層としては、i型の水素化非晶
質シリコン(a−Si:H)が挙げられ、その特性とし
ては、光学的バンドギャップ(Eg)が、1.60eV
〜1.85eV、水素原子の含有量(CH)が、1.0
〜25.0%、AM1.5、100mW/cm2の疑似
太陽光照射下の光電導度(σp)が、1.0×10-5
/cm以上、暗電導度(σd)が、1.0x10-9S/
cm以下、コンスタントフォトカレントメソッド(CP
M)によるアーバックテイルの傾きが、55meV以
下、局在準位密度は1017/cm3以下のものが好まし
いものである。
【0062】また、本発明の光起電力素子のバンドギャ
ップが比較的狭いi型半導体層を構成する半導体材料非
晶質シリコンゲルマニウムは、その特性として光学的バ
ンドギャップ(Eg)が、1.20eV〜1.60e
V、水素原子の含有量(CH)が、1.0〜25%であ
り、コンスタントフォトカレントメソッド(CPM)に
よるアーバックテイルの傾きが、55meV以下、局在
準位密度は1017cm3以下のものが好ましいものであ
る。
【0063】本発明に適したi型層は、以下の様な条件
で堆積するのが好ましいものである。非晶質半導体層
は、RF、VHFまたはMWプラズマCVD法で堆積す
るのが好ましいものである。RFプラズマCVD法で堆
積する場合には、基板温度は、100から350℃、堆
積室内の真空度は0.05から10Torr、RFの周
波数は1から50MHzが適した範囲である。特にRF
の周波数は13.56MHzが適している。また堆積室
内に投入されるRFパワーは0.01から5W/cm2
が好適な範囲である。またRFパワーによって基板に印
加されるセルフバイアスは、0から300が好適な範囲
である。
【0064】VHFプラズマCVD法で堆積する場合に
は、基板温度は、100から450℃、堆積室内の真空
度は0.0001から1Torr、VHFの周波数は6
0から500MHzが適した範囲である。特にVHFの
周波数は100MHzが適している。また堆積室内に投
入されるVHFパワーは0.01から1W/cm3が好
適な範囲である。またVHFパワーによって基板に印加
されるセルフバイアスは、10がら1000Vが好適な
範囲である。またVHFに重畳してまたは別にバイアス
棒を設けて、DCやRFを堆積チャンバーに導入する事
によって堆積した非晶質膜の特性が向上するものであ
る。DCバイアスをバイアス棒を使って導入する場合、
バイアス棒が正極になる様にするのが好ましいものであ
る。またDCバイアスを基板側に導入する場合には、基
板側が負極になる様に導入するのが好ましいものであ
る。RFバイアスを導入する場合、基板面積よりもRF
を導入する電極の面積を狭くするのが好ましいものであ
る。
【0065】MWプラズマCVD法で堆積する場合に
は、基板温度は、100から450℃、堆積室内の真空
度は0.0001から0.05Torr、MWの周波数
は501MHzから10GHzが適した範囲である。特
にMWの周波数は2.45GHzが適している。また堆
積室内に投入されるMWパワーは0.01から1W/c
3が好適な範囲である。MWパワーは、導波管で堆積
チャンバーに導入するのが最適である。またMWに加え
て、別にバイアス棒を設けて、DCやRFを堆積チャン
バーに導入する事によって堆積した非晶質膜の特性が向
上するものである。DCバイアスをバイアス棒を使って
導入する場合、バイアス棒が正極になる様にするのが好
ましいものである。またDCバイアスを基板側に導入す
る場合には、基板側が負極になる様に導入するのが好ま
しいものである。RFバイアスを導入する場合、基板面
積よりもRFを導入する電極の面積を狭くするのが好ま
しいものである。
【0066】本発明のプラズマ処理に適したi型層の堆
積には、SiH4、Si26、SiF4、SiF22等の
シラン系原料ガスが適している。またバンドギャップを
広げるためには炭素、チッ素または酸素含有ガスを添加
するのが好ましいものである。炭素、チッ素または酸素
含有ガスは、i型層の中に均一に含有させるよりは、p
型層または/及びn型層近傍で多く含有させる事が好ま
しいものである。この様にする事によってi型層中での
電荷の走行性を疎外することなく、開放電圧を向上させ
ることができるものである。炭素含有ガスとしては、C
n2n+2、Cn2nやC22等が適している。チッ素含有
ガスとしては、N2、NO、N20、NO2、NH3等が適
している。酸素含有ガスとしては、O2,CO2、O3
が適している。またこれらのガスを複数組みあわせて導
入しても良いものである。これらバンドギャップを大き
くする原料ガスの添加量としては、0.1から50%が
適した量である。
【0067】更に、i型層は、周期律表第III族または
/及び第V族の元素を添加することにより、特性が向上
するものである。周期律表第III族元素としては、B、
Al、Ga等が適したものである。特にBを添加する場
合にはB26、BF3等のガスを用いて添加するのが好
ましいものである。また周期律表第V族元素としては、
N、P、As等が適したものである。特にPを添加する
場合にはPH3が適したものとして挙げられる。周期律
表第III族または/及び第V族元素のi型層への添加量
としては、0.1から1000ppmが適した範囲であ
る。
【0068】i型層に対して、n/iバッファー層やp
/iバッファー層を設ける事によって、光起電力素子の
特性が向上するものである。該バッファー層としては、
前記i型層と同様な半導体層が使用可能であり、特にi
型層よりは堆積速度を遅くして堆積するのが好ましいも
のである。また該バッファー層に周期律表第III族また
は/及び第V族の元素を添加する場合には、n/iバッ
ファー層には周期律表第III族元素を添加し、p/iバ
ッファー層には周期律表第V族元素を添加するのが好ま
しいものである。この様にする事によって、n型層また
は/及びp型層からの不純物のi型層への拡散による特
性の低下を一層防止する事ができるものである。
【0069】(n型層、p型層)p型層またはn型層
も、本発明の光起電力装置の特性を左右する重要な層で
ある。p型層またはn型層の非晶質材料(a−と表示す
る)(微結晶材料(μc−と表示する)も非晶質材料の
範ちゅうに入ることは言うまでもない。)としては、例
えばa−Si:H,a−Si:HX,a−SiC:H,
a−SiC:HX,a−SiGe:H,a−SiGe
C:H,a−SiO:H,a−SiN:H,a−SiO
N:HX,a−SiOCN:HX,μc−Si:H,μ
c−SiC:H,μc−Si:HX,μc−SiC:H
X,μc−SiGe:H,μc−SiO:H,μc−S
iGeC:H,μc−SiN:H,μc−SiON:H
X,μc−SiOCN:HX,等にp型の価電子制御剤
(周期律表第III族原子B,Al,Ga,In,TI)
やn型の価電子制御剤(周期律表第V族原子P,As,
Sb,Bi)を高濃度に添加した材料が挙げられ、多結
晶材料(poly−と表示する)としては、例えばpo
ly−Si:H,poly−Si:HX,poly−S
iC:H,poly−SiC:HX,poly−SiG
e:H,poly−Si,poly−SiC,poly
−SiGe,等にp型の価電子制御剤(周期律表第III
族原子B.Al,Ga,In,Tl)やn型の価電子制
御剤(周期律表第V族原子P,As,Sb,Bi)を高
濃度に添加した材料が挙げられる。
【0070】特に光入射側のp型層またはn型層には、
光吸収の少ない結晶性の半導体層か、バンドギァップの
広い非晶質半導体層が適している。p型層への周期律表
第III族原子の添加量およびn型層への周期律表第V族
原子の添加量は0.1〜50at%が最適量として挙げ
られる。またp型層またはn型層に含有される水素原子
(H,D)またはハロゲン原子はp型層またはn型層の
未結合手を補償する働きをしp型層またはn型層のドー
ピング効率を向上させるものである。p型層またはn型
層へ添加される水素原子またはハロゲン原子は0.1〜
40at%が最適量として挙げられる。特にp型層また
はn型層が結晶性の場合、水素原子またはハロゲン原子
は0.1〜8at%が最適量として挙げられる。更にp
型層/i型層、n型層/i型層の各界面側で水素原子ま
たは/及びハロゲン原子の含有量が多く分布しているも
のが好ましい分布形態として挙げられ、該界面近傍での
水素原子または/及びハロゲン原子の含有量はバルク内
の含有量の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として拳
げられる。このようにp型層/i型層、n型層/i型層
の各界面近傍で水素原子またはハロゲン原子の含有量を
多くすることによって該界面近傍の欠陥準位や機械的歪
を減少させることができ本発明の光起電力素子の光起電
力や光電流を増加させることができる。
【0071】光起電力素子のp型層及びn型層の電気特
性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のものが
好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また比
抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以
下が最適である。さらにp型層及びn型層の層厚は1〜
50nmが好ましく、3〜10nmが最適である。本発
明の光起電力素子の半導体層として好適なIV族及びI
V族合金系非晶質半導体層を形成するために、最も好適
な製造方法はマイクロ波プラズマCVD(MWPCV
D)法であり、次に好適な製造方法はRFプラズマCV
D(RFPCVD)法である。
【0072】マイクロ波プラズマCVD法は、堆積チャ
ンバーに原料ガス、希釈ガスなどの材料ガスを導入し、
真空ポンプによって排気しつつ、堆積室の内圧を一定に
して、マイクロ波電源によって発振されたマイクロ波
を、導波管によって導き、誘電体窓(アルミナセラミッ
クス等)を介して前記堆積チャンバーに導入して、材料
ガスのプラズマを生起させて分解し、堆積室内に配置さ
れた基板上に所望の堆積膜を形成する方法であり、広い
堆積条件で光起電力装置に適用可能な堆積膜を形成する
ことができる。
【0073】本発明の光起電力素子に好適な第IV族及
び第IV族合金系非晶質半導体層の堆積に適した原料ガ
スとしては、シリコン原子を含有したガス化し得る化合
物、ゲルマニウム原子を含有したガス化し得る化合物、
炭素原子を含有したガス化し得る化合物、窒素原子を含
有し先ガス化し得る化合物、酸素原子を含有したガス化
し得る化合物等、及び該化合物の混合ガスを拳げること
ができる。
【0074】具体的にシリコン原子を含有するガス化し
得る化合物としては、鎖状または環状シラン化合物が用
いられ、具体的には例えば、SiH4、Si26、Si
4、SiFH3、SiF22、SiF3H,Si38
SiD4、SiHD3,SiH22、SiH3D,SiF
3,SiF22,SiD3H,Si233、(Si
25,(SiF26,(SiF24,Si26,Si
38,Si224,Si233,SiCl4,(Si
Cl25,SiBr4、(SiBr25,Si2Cl6
SiHCl3、SiH2Br2、SiH2Cl2,Si2Cl
33などのガス状態のまたは容易にガス化し得るものが
挙げられる。
【0075】具体的にゲルマニウム原子を含有するガス
化し得る化合物としてはGeH4、GeD4、GeF4
GeFH3、GeF22、GeF3H,GeHD3、Ge
2 2、GeH3D,Ge26、Ge26等が挙げられ
る。具体的に炭素原子を含有するガス化し得る化合物と
しては、CH4、CD4、C n2n+2(nは整数)、Cn
2n(nは整数),C22、C66、CO2、CO等が挙
げられる。
【0076】窒素含有ガスとしてはN2、NH3、N
3,NO,NO2、N2Oが挙げられる。酸素含有ガス
としてはO2,CO,CO2、NO,NO2、N2O,CH
3CH2OH,CH3OH等が拳げられる。また、価電子
制御するためにp型層またはn型層に導入される物質と
しては周期律表第III族原及び第V族原子が挙げられ
る。
【0077】第III族原子導入用の出発物質として有効
に使用されるものとしては、具体的にはホウソ原子導入
用としては、B26、B410,B59、B511,B6
10,B612,B614等の水素化ホウソ、BF3、B
Cl3等のハロゲン化ホウソ等を挙げることができる。
このほかにAlCl3、GaCl3、InCl3,TlC
3等も挙げることができる。特にB26,BF3が適し
ている第V族原子導入用の出発物質として有効に使用さ
れるのは、具体的には燐原子導入用としてはPH3、P2
4の水素化燐、PH4I,PF3、PF5、PCl3、P
Cl5、PBr3,PBr5、PI3等のハロゲン化燐が挙
げられる。このほかAsH3,AsF3、AsCl3,A
sBr3,AsF5、SbH3,SbF3、SbF5,Sb
Cl3、SbCl5、BiH3、BiCl3、BiBr3
も挙げることができる。特にPH3,PF3が適してい
る。
【0078】また前記ガス化し得る化合物をH2、H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。特に微結晶半導体やa−Si
C:H等の光吸収の少ないかバンドギァプの広い層を堆
積する場合は、水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希
釈し、マイクロ波パワー、あるいはRFパワーは比較的
高いパワーを導入するのが好ましいものである。
【0079】(透明電極)透明電極は、太陽や白色蛍光
灯などからの光を各半導体層内に効率よく吸収させるた
めに、光の透過率が85%以上であることが望ましく、
さらに、電気的には光起電力素子の出力にたいして抵抗
成分とならぬようシート抵抗値は100Ω以下であるこ
とが望ましい。このような特性を備えた材料として、S
nO2、In23、ZnO、CdO、Cd2SnO4、I
TO(In23+SnO2)などの金属酸化物や、A
u、Al、Cuなどの金属を極めて薄く半透明状に成膜
した金属薄膜などが挙げられる。透明電極は、光起電力
素子においてはp型層またはn型層半の上に積層され、
透光性支持体上に光起電力素子を形成し、透光性支持体
側から光照射をする場合には、支持体上に積層されるも
のであるため、相互の密着性の良いものを選ぶことが必
要である。また透明電極は反射防止の条件に合う様な層
厚に堆積するのが好ましいものである。透明電極の作製
方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着
法、スパッタリング法、スプレー法などを用いることが
でき、所望に応じて適宜選択される。
【0080】(集電電極)本発明の水素プラズマ処理を
行った光起電力素子の集電電極としては、銀ペーストを
スクリーン印刷して形成する事や、Cr、Ag、Au、
Cu、Ni、ΜO、Al等をマスクをして真空蒸着で形
成しても良い。またCu、Au、Ag、Al等の金属線
に炭素やAg粉を樹脂とともに付けて光起電力素子の表
面に張りつけて集電電極としても良い。
【0081】なお、本発明の光起電力素子を用いて、所
望の出力電圧、出力電流の光起電力装置を製造する場合
には、本発明の光起電力素子を直列あるいは並列に接続
し、表面と裏面に保護層を形成し、出力の取り出し電極
等が取り付けられる。また、本発明の光起電力素子を直
列接続する場合、逆流防止用のダイオードを組み込むこ
とがある。
【0082】
【実施例】以下、非単結晶シリコン系半導体材料からな
る太陽電池について、本発明の光起電力素子の形成方法
を詳細に説明するが、本発明はこれになんら限定される
ものではない。 (実施例1)図4に示す堆積装置を用いて図1の太陽電
池を作製した。まず、基板の作製を行った。厚さ0.5
mm、50×50mm2のステンレス製の支持体(10
0)をアセトンとイソプロパノールで超音波洗浄し、温
風乾燥させた。
【0083】スパッタリング法を用いて室温でステンレ
ス性の支持体(100)表面上に層厚0.3μmのAg
の光反射層(101)とその上に350℃で層厚1.0
μmのZnOの反射増加層(102)を形成し、基板の
作製を終えた。次に、堆積装置400を用いて、反射増
加層上に各半導体層を形成した。堆積装置400はMW
PCVD法とRFPCVD法の両方を実施することがで
きる。
【0084】堆積装置には不図示の原料ガスボンベがガ
ス導入管を通して接続されている。原料ガスボンベはい
ずれも超高純度に精製されたもので、SiH4ガスボン
ベ、SiF4ガスボンベ、CH4ガスボンベ、GeH4
スボンベ、GeF4ガスボンベ、Si26ガスボンベ、
PH3/H2(希釈度:1000ppm)ガスボンベ、B
26/H2(希釈度:2000ppm)ガスボンベ、H2
ガスボンベ、Heガスボンベ、SiCl22ガスボン
ベ、SiH4/H2(希釈度:1000ppm)ガスボン
ベを接続した。
【0085】次に、反射層101と反射増加層102が
形成されている基板490をロードチャンバー401内
の基板搬送用レール413上に配置し、不図示の真空排
気ポンプによりロードチャンバー401内を圧力が約1
×10-5Torrになるまで真空排気した。次にあらか
じめ不図示の真空排気ポンプにより真空引きしておいた
搬送チャンバー402及び堆積チャンバー417内へゲ
ートバルブ406を開けて搬送した。基板490の裏面
を基板加熱用ヒーター410に密着させ加熱し、堆積チ
ャンバー417内を不図示の真空排気ポンプにより圧力
が約1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0086】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、μc−SiからなるRFn型層103を形成した。
μc−SiからなるRFn型層を形成するには、H2
スを堆積チャンバー417内にガス導入管429を通し
て導入し、H2ガス流量が180sccmになるように
バルブ441、431、430を開け、マスフローコン
トローラー436で調整した。堆積チャンバー417内
の圧力が1.10Torrになるように不図示のコンダ
クタンスバルブで調整した。基板490の温度が370
℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定し、基
板温度が安定したところで、SiH4ガス、PH3/H2
ガスを堆積チャンバー417内にバルブ443、43
3、444、434を操作してガス導入管429を通し
て導入した。この時、SiH4ガス流量が1.5scc
m、H2ガス流量が110sccm、PH3/H2ガス流
量が200sccmとなるようにマスフローコントロー
ラー438、436、439で調整し、堆積チャンバー
417内の圧力は1.15Torrとなるように調整し
た。RF電源422の電力を0.05W/cm3に設定
し、プラズマ形成用カップ420にRF電力を導入し、
グロー放電を生起させ、基板上にRFn型層の形成を開
始し、層厚20nmのRFn型層を形成したところでR
F電源を切って、グロー放電を止め、RFn型層103
の形成を終えた。堆積チャンバー417内へのSiH4
ガス、PH3/H2の流入を止め、5分間、堆積室内へH
2ガスを流し続けたのち、H2の流入も止め、堆積室内お
よびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0087】次にa−Siからなるn/iバッファー層
151をRFPCVD法によって形成した。まず、あら
かじめ不図示の真空排気ポンプにより真空引きしておい
た搬送チャンバー403及びi型層堆積チャンバー41
8内へゲートバルブ407を開けて基板490を搬送し
た。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター411に密
着させ加熱し、i型層堆積チャンバー418内を不図示
の真空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrに
なるまで真空排気した。
【0088】n/iバッファー層151を作製するに
は、基板490の温度が360℃になるように基板加熱
用ヒーター411を設定し、基坂が十分加熱されたとこ
ろでバルブ464、454、450、463、453を
徐々に開いて、Si26ガス、H2ガスをガス導入管4
49を通じてi型層堆積チャンバー418内に流入させ
た。この時、Si26ガス流量が3.5sccm、H2
ガス流量が100sccmとなるように各々のマスフロ
ーコントローラー459、458で調整した。i型層堆
積チャンバー418内の圧力は、0.8Torrとなる
ように不図示のコンダクタンスバルブの開口を調整し
た。次に、高周波(以下「RF」と略記する)電源42
4を0.06W/cm3に設定し、バイアス棒428に
印加し、グロー放電を生起させ、シャッター427を開
けることでRFn型層上にn/iバッファー層の作製を
開始し、層厚10nmのn/iバッファー層を作製した
ところでRFグロー放電を止め、RF電源424の出力
を切り、n/iバッファー層151の作製を終えた。バ
ルブ464、454を閉じて、i型層堆積チャンバー4
18内へのSi26ガスの流入を止め、2分間i型層堆
積チャンバー418内へH2ガスを流し続けたのち、バ
ルブ453、450を閉じ、i型層堆積チャンバー41
8内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排
気した。
【0089】次に、a−SiGeからなるMWi型層1
04をMWPCVD法によって形成した。MWi型層を
作製するには、基板490の温度が370℃になるよう
に基板加熱用ヒーター411を設定し、基板が十分加熱
されたところでバルブ461、451、450、46
2、452、463、453を徐々に開いて、SiH4
ガス、GeH4ガス、H2ガスをガス導入管449を通じ
てi型層堆積チャンバー418内に流入させた。この
時、SiH4ガス流量が38sccm、GeH4ガス流量
が37sccm、H2ガス流量が160sccmとなる
ように各々のマスフローコントローラー456、45
7、458で調整した。i型層堆積チャンバー418内
の圧力は、5mTorrとなるように不図示のコンダク
タンスバルブの開口を調整した。次に、RF電源424
を0.70W/cm3に設定し、バイアス棒428に印
加した。その後、不図示のMW電源の電力を0.25W
/cm3に設定し、導波管426及びマイクロ波導入用
窓425を通じてi型層堆積チャンバー418内にMW
電力導入し、グロー放電を生起させ、シャッター427
を開けることでn/iバッファー層上にMWi型層の作
製を開始し、層厚0.15μmのi型層を作製したとこ
ろでMWグロー放電を止め、バイアス電源424の出力
を切り、MWi型層204の作製を終えた。バルブ45
1、452を閉じて、i型層堆積チャンバー418内へ
のSiH4ガス、GeH4ガスの流入を止め、2分間i型
層堆積チャンバー418内へH2ガスを流し続けたの
ち、バルブ453、450を閉じ、i型層堆積チャンバ
ー418内およびガス配管内を1×10 -5Torrまで
真空排気した。
【0090】次にa−Siからなるp/iバッファー層
161をRFPCVD法により形成した。p/iバッフ
ァー層161を作製するには、基板490の温度が23
0℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定し、
基板が十分加熱されたところでバルブ464、454、
450、463、453を徐々に開いて、Si26
ス、H2ガスをガス導入管449を通じてi型層堆積チ
ャンバー418内に流入させた。この時、Si26ガス
流量が3sccm、H2ガス流量が80sccmとなる
ように各々のマスフローコントローラー459、458
で調整した。i型層堆積チャンバー418内の圧力は、
0.8Torrとなるように不図示のコンダクタンスバ
ルブの開口を調整した。次に、RF電源424を0.0
7W/cm 3に設定し、バイアス棒428に印加し、グ
ロー放電を生起させ、シャッター427を開けることで
MWi型層上にp/iバッファー層の作製を開始し、層
厚20nmのp/iバッファー層を作製したところでR
Fグロー放電を止め、RF電源424の出力を切り、p
/iバッファー層161の作製を終えた。バルブ46
4、454を閉じて、i型層堆積チャンバー418内へ
のSi26ガスの流入を止め、2分間i型層堆積チャン
バー418内へH2ガスを流し続けたのち、バルブ45
3、450を閉じ、i型層堆積チャンバー418内およ
びガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を
行った。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処
理を行うには、シリコン原子含有ガスとして、SiH4
ガス、H2ガスを堆積チャンバー418内にガス導入管
449を通して導入し、H2ガス流量が1200scc
mになるようにバルブ463、453、450を開け、
マスフローコントローラー458で調整した。シリコン
原子含有ガスは、SiH4ガス量が全H2ガス流量に対し
て0.01%になるようにバルブ461、451を開け
マスフローコントローラー456で調整した。堆積チャ
ンバー418内の圧力が0.8Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板490の
温度が200℃になるように基板加熱用ヒーター411
を設定し、基板温度が安定したところで、RF電源42
4の電力を0.05W/cm3に設定し、バイアス棒4
28にRF電力を印加した。堆積チャンバー418内に
グロー放電を生起させ、シャッター427を開け3分間
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行っ
た。その後RF電源を切って、グロー放電を止め、堆積
チャンバー418内へのSiH4ガスの流入を止め、3
分間、堆積チャンバー418内へH2ガスを流し続けた
のち、H2ガスの流入も止め、堆積チャンバー418内
およびガス配管内を1x10-5Torrまで真空排気し
た。
【0091】次にa−SiCからなるRFp型層105
を形成した。a−SiCからなるRFp型層105を形
成するには、あらかじめ不図示の真空排気ポンブにより
真空引きしておいた搬送チャンバー404及びp型層堆
積チャンバー419内へゲートバルブ408を開けて基
板490を搬送した。基板490の裏面を基板加熱用ヒ
ーター412に密着させ加熱し、p型層堆積チャンバー
419内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1x
10-5Torrになるまで真空排気した。
【0092】基板490の温度が200℃になるように
基板加熱用ヒーター412を設定し、基板温度が安定し
たところで、H2ガス、SiH4/H2ガス、B26/H2
ガス,CH4ガスを堆積チャンバー419内にバルブ4
81、471、470、482、472、483、47
3、484、474を操作してガス導入管469を通し
て導入した。この時、H2ガス流量が90scm、Si
4/H2ガス流量が1sccm、B26/H2ガス流量
が10sccm,CH4ガス流量が0.3sccmとな
るようにマスフローコントローラー476、477、4
78、479で調整し、堆積チャンバー419内の圧力
は1.3Torrとなるように不図示のコンダクタンス
バルブの開口を調整した。RF電源423の電力を0.
09W/cm3に設定し、プラズマ形成用カップ421
にRF電力を導入し、グロー放電を生起させ、p/iバ
ッファー層上にRFp型層の形成を開始し、層厚10n
mのRFp型層を形成したところでRF電源を切って、
グロー放電を止めRFp型層105の形成を終えた。バ
ルブ472、482、473、483、474、484
を閉じてp型層堆積チャンバー419内へのSiH4
2ガス、B26/H2ガス,CH4ガスの流入を止め、
3分間、p型層堆積チャンバー419内へH2ガスを流
し続けたのち、バルブ471、481、470を閉じて
2の流入も止め、p型層堆積チャンバー419内およ
びガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0093】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいたアンロードチャンバー405内
へゲートバルブ409を開けて基板490を搬送し不図
示のリークバルブを開けて、アンロードチャンバー40
5をリークした。次に、RFp型層105上に、透明導
電層112として、層厚70nmのITOを真空蒸着法
で真空蒸着した。
【0094】次に透明導電層112上に櫛型の穴が開い
たマスクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000n
m)/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極113
を真空蒸着法で真空蒸着した。以上で太陽電池の作製を
終えた。この太陽電池を(SC実1)と呼ぶことにし、
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件、
RFn型層、RFn/iバッファー層、MWi型層、R
Fp/iバッファー層、RFp型層の形成条件を表1
(1)、1(2)に示す。
【0095】<比較例1>本発明の微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行わず、他は実施例1と同じ条件
で太陽電池(SC比1)を作製した。太陽電池(SC実
1)及び(SC比1)はそれぞれ7個づつ作製し、初期
光電変換効率(光起電力/入射光電力)、振動劣化、光
劣化及びバイアス電圧印加時の高温高湿環境における振
動劣化、光劣化の測定を行なった。
【0096】初期光電変換効率は、作製した太陽電池
を、AM1.5(100mW/cm2)光照射下に設置
して、V−I特性を測定することにより得られる。測定
の結果、(SC比1)に対して、(SC実1)の初期光
電変換効率の曲線因子(FF)及び特性むら(特性むら
は小さい方が好ましい)は以下のようになった。 振動劣化の測定は、予め初期光電変換効率を測定してお
いた太陽電池を湿度56%、温度26℃の暗所に設置
し、振動周波数60Hzで振幅0.1mmの振動を50
0時間加えた後の、AM1.5(100mW/cm2
照射下での光電変換効率の低下率(振動劣化試験後の光
電変換効率/初期光電変換効率)により行った。
【0097】光劣化の測定は、予め初期光電変換効率を
測定しておいた太陽電池を、湿度56%、温度26℃の
環境に設置し、AM1.5(100mW/cm2)光を
500時間照射後のAM1.5(100mW/cm2
照射下での光電変換効率の低下率(光劣化試験後の光電
変換効率/初期光電変換効率)により行った。測定の結
果、(SC実1)に対して(SC比1)の光劣化後の光
電変換効率の低下率及び振動劣化後の光電変換効率の低
下率は以下のようになった。
【0098】 バイアス印加時の高温高湿度環境における振動劣化及び
光劣化の測定を行った。予め初期光電変換効率を測定し
ておいた2つの太陽電池を湿度91%、温度84℃の暗
所に設置し、順方向バイアス電圧として0.7Vを印加
した。一方の太陽電池には上記の振動を与えて振動劣化
を測定し、さらにもう一方の太陽電池にはAM1.5の
光を照射して光劣化の測定を行った。測定の結果、(S
C実1)に対して、(SC比1)の振動劣化後の光電変
換効率の低下率及び光劣化後の光電変換効率の低下率は
以下のようになった。
【0099】 光学顕微鏡を用いて層剥離の様子を観察した。(SC実
1)では層剥離は見られなかったが、(SC比1)では
層剥離が僅かに見られた。以上のように本発明の太陽電
池(SC実1)が、従来の太陽電池(SC比1)よりも
太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、
光劣化特性、密着性、耐久性においてさらに優れた特性
を有することが分かった。
【0100】(実施例2)図4に示す堆積装置を用いて
図2のタンデム型太陽電池を作製した。実施例1と同様
な方法により準備された反射層201と反射増加層20
2が形成されている基坂490をロードチャンバー40
1内の基板搬送用レール413上に配置し、不図示の真
空排気ポンプによりロードチャンバー401内を圧力が
約1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0101】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー402及び堆積
チャンバー417内へゲートバルブ406を開けて搬送
した。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター410に
密着させ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の真
空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrになる
まで真空排気した。
【0102】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、μc−SiからなるRFn型層203を形成した。
μc−SiからなるRFn型層を形成するには、H2
スを堆積チャンバー417内にガス導入管429を通し
て導入し、H2ガス流量が300sccmになるように
バルブ441、431、430を開け、マスフローコン
トローラー436で調整した。堆積チャンバー417内
の圧力が1.2Torrになるように不図示のコンダク
タンスバルブで調整した。基板490の温度が380℃
になるように基坂加熱用ヒーター410を設定し、基板
温度が安定したところで、SiH4ガス、PH3/H2
スを堆積チャンバー417内にバルブ443、433、
444、434を操作してガス導入管429を通して導
入した。この時、SiH4ガス流量が1.5sccm、
2ガス流量が90sccm、PH 3/H2ガス流量が2
00sccmとなるようにマスフローコントローラー4
38、436、439で調整し、堆積チャンバー417
内の圧力は1.1Torrとなるように調整した。RF
電源422の電力を0.05W/cm3に設定し、プラ
ズマ形成用カップ420にRF電力を導入し、グロー放
電を生起させ、基板上にRFn型層の形成を開始し、層
厚20nmのRFn型層を形成したところでRF電源を
切って、グロー放電を止め、RFn型層203の形成を
終えた。堆積チャンバー417内へのSiH4ガス、P
3/H2の流入を止め、4分間、堆積室内へH2ガスを
流し続けたのち、H2の流入も止め、堆積室内およびガ
ス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0103】次にa−Siからなるn/iバッファー層
251をRFPCVD法によって形成した。まず、あら
かじめ不図示の真空排気ポンプにより真空引きしておい
た搬送チャンバー403及びi型層堆積チャンバー41
8内へゲートバルブ407を開けて基板490を搬送し
た。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター411に密
着させ加熱し、i型層堆積チャンバー418内を不図示
の真空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrに
なるまで真空排気した。
【0104】n/iバッファー層251を作製するに
は、基板490の温度が360℃になるように基板加熱
用ヒーター411を設定し、基板が十分加熱されたとこ
ろでバルブ464、454、450、463、453を
徐々に開いて、Si26ガス、H2ガスをガス導入管4
49を通じてi型層堆積チャンバー418内に流入させ
た。この時、Si26ガス流量が2.5sccm、H2
ガス流量が85sccmとなるように各々のマスフロー
コントローラー459、458で調整した。i型層堆積
チャンバー418内の圧力は、0.8Torrとなるよ
うに不図示のコンダクタンスバルブの開口を調整した。
次に、RF電源424を0.08W/cm 3に設定し、
バイアス棒428に印加し、グロー放電を生起させ、シ
ャッター427を開けることでRFn型層上にn/iバ
ッファー層の作製を開始し、層厚10nmのn/iバッ
ファー層を作製したところでRFグロー放電を止め、R
F電源424の出力を切り、n/iバッファー層251
の作製を終えた。バルブ464、454を閉じて、i型
層堆積チャンバー418内へのSi26ガスの流入を止
め、2分間i型層堆積チャンバー418内へH2ガスを
流し続けたのち、バルブ453、450を閉じ、i型層
堆積チャンバー418内およびガス配管内を1×10-5
Torrまで真空排気した。
【0105】次に、a−SiGeからなるMWi型層2
04をMWPCVD法によって形成した。MWi型層を
作製するには、基板490の温度が380℃になるよう
に基板加熱用ヒーター411を設定し、基板が十分加熱
されたところでバルブ461、451、450、46
2、452、463、453を徐々に開いて、SiH4
ガス、GeH4ガス、H2ガスをガス導入管449を通じ
てi型層堆積チャンバー418内に流入させた。この
時、SiH4ガス流量が45sccm、GeH4ガス流量
が40sccm、H2ガス流量が175sccmとなる
ように各々のマスフローコントローラー456、45
7、458で調整した。i型層堆積チャンバー418内
の圧力は、5mTorrとなるように不図示のコンダク
タンスバルブの開口を調整した。次に、RF電源424
を0.6W/cm3に設定し、バイアス棒428に印加
した。その後、不図示のMW電源の電力を0.25W/
cm3に設定し、導波管426及びマイクロ波導入用窓
425を通じてi型層堆積チャンバー418内にMW電
力を導入し、グロー放電を生起させ、シャッター427
を開けることでn/iバッファー層上にMWi型層の作
製を開始し、層厚0.15μmのi型層を作製したとこ
ろでMWグロー放電を止め、バイアス電源424の出力
を切り、MWi型層204の作製を終えた。バルブ45
1、452、を閉じて、i型層堆積チャンバー418内
へのSiH4ガス、GeH4ガスの流入を止め、2分間i
型層堆積チャンバー418内へH2ガスを流し続けたの
ち、バルブ453、450を閉じ、i型層堆積チャンバ
ー418内およびガス配管内を1×10-5Torrまで
真空排気した。
【0106】次にa−Siからなるp/iバッファー層
261をRFPCVD法によって形成した。p/iバッ
ファー層261を作製するには、基板490の温度が2
50℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定
し、基板が十分加熱されたところでバルブ464、45
4、450、463、453を徐々に開いて、Si26
ガス、H2ガスをガス導入管449を通じてi型層堆積
チャンバー418内に流入させた。この時、Si26
ス流量が3sccm、H2ガス流量が80sccmとな
るように各々のマスフローコントローラー459、45
8で調整した。i型層堆積チャンバー418内の圧力
は、0.7Torrとなるように不図示のコンダクタン
スバルブの開口を調整した。次に、RF電源424を
0.07W/cm3に設定し、バイアス棒428に印加
し、グロー放電を生起させ、シャッター427を開ける
ことでMWi型層上にp/iバッファー層261の作製
を開始し、層厚20nmのp/iバッファー層を作製し
たところでRFグロー放電を止め、RF電源424の出
力を切り、p/iバッファー層261の作製を終えた。
バルブ464、454を閉じて、i型層堆積チャンバー
418内へのSi26ガスの流入を止め、2分間i型層
堆積チャンバー418内へH2ガスを流し続けたのち、
バルブ453、450を閉じ、i型層堆積チャンバー4
18内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空
排気した。
【0107】次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を行った(表2(1))。本発明の微量シラ
ン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリコン原
子含有ガスとして、Si26ガス、H2ガスを堆積チャ
ンバー418内にガス導入管449を通して導入し、H
2ガス流量が1000sccmになるようにバルブ46
3、453、450を開け、マスフローコントローラー
458で調整した。シリコン原子含有ガスは、Si26
ガス量が全H2ガス流量に対して0.05%になるよう
にバルブ464、454を開けマスフローコントローラ
ー459で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が
0.012Torrになるように不図示のコンダクタン
スバルブで調整した。基板490の温度が250℃にな
るように基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度
が安定たところで、不図示のVHF電源の電力を0.0
8W/сm3に設定し、バイアス棒428に印加し堆積
チャンバー418内にグロー放電を生起させ、シャッタ
ー427を開け4分間本発明の微量シラン系ガス含有水
素プラズマ処理を行った。その後VHF電源を切って、
グロー放電を止め、堆積チャンバー418内へのSi2
6ガスの流入を止め、4分間、堆積チャンバー418
内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も止め、
堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x10-5
Torrまで真空排気した。
【0108】次にa−SiCからなるRFp型層205
を形成するには、あらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー404及びp型
層堆積チャンバー419内へゲートバルブ408を開け
て基板490を搬送した。基板490の裏面を基板加熱
用ヒーター412に密着させ加熱し、p型層堆積チャン
バー419内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0109】基板490の温度が250℃になるように
基板加熱用ヒーター412を設定し、基板温度が安定し
たところで、H2ガス、SiH4/H2ガス、B26/H2
ガス,CH4ガスを堆積チャンバー419内にバルブ4
81、471、470、482、472、483、47
3、484、474を操作してガス導入管469を通し
て導入した。この時、H2ガス流量が60scm、Si
4/H2ガス流量が2sccm、B26/H2ガス流量
が10sccm,CH4ガス流量が0.3sccmとな
るようにマスフローコントローラー476、477、4
78、479で調整し、堆積チャンバー419内の圧力
は1.7Torrとなるように不図示のコンダクタンス
バルブの開口を調整した。RF電源423の電力を0.
07W/cm3に設定し、プラズマ形成用カップ421
にRF電力を導入し、グロー放電を生起させ、p/iバ
ッファー層上にRFp型層の形成を開始し、層厚10n
mのRFp型層を形成したところでRF電源を切って、
グロー放電を止め、RFp型層205の形成を終えた。
バルブ472、482、473、483、474、48
4を閉じてp型層堆積チャンバー419内へのSiH4
/H2ガス、B26/H 2ガス,CH4ガスの流入を止
め、3分間、p型層堆積チャンバー419内へH2ガス
を流し続けたのち、バルブ471、481、470を閉
じてH2の流入も止め、p型層堆積チャンバ419内お
よびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0110】次にμc−SiからなるRFn型層206
を形成するには、あらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー403を通って
搬送チャンバー402及び堆積チャンバー417内へゲ
ートバルブ408、407を開けて基板490を搬送し
た。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター410に密
着させ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の真空
排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrになるま
で真空排気した。
【0111】μc−SiからなるRFn型層を形成する
には、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入管
429を通して導入し、H2ガス流量が200sccm
になるようにバルブ441、431、430を開け、マ
スフローコントローラー436で調整した。堆積チャン
バー417内の圧力が1.1Torrになるように不図
示のコンダクタンスバルブで調整した。基板490の温
度が250℃になるように基板加熱用ヒーター410を
設定し、基板温度が安定したところで、SiH 4ガス、
PH3/H2ガスを堆積チャンバー417内にバルブ44
3、433、444、434を操作してガス導入管42
9を通して導入した。この時、SiH4ガス流量が2s
ccm、H2ガス流量が75sccm、PH3/H2ガス
流量が250sccmとなるようにマスフローコントロ
ーラー438、436、439で調整し、堆積チャンバ
ー417内の圧力は1.1Torrとなるように調整し
た。RF電源422の電力を0.04W/cm3に設定
し、プラズマ形成用カップ420にRF電力を導入し、
グロー放電を生起させ、RFp型層上にRFn型層の形
成を開始し、層厚10nmのRFn型層を形成したとこ
ろでRF電源を切って、グロー放電を止め、RFn型層
206の形成を終えた。堆積チャンバー417内へのS
iH4ガス、PH3/H2の流入を止め、2分間、堆積室
内へH2ガスを流し続けたのち、H2の流入も止め、堆積
室内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排
気した。
【0112】次にa−SiCからなるn/iバッファー
層252をRFPCVD法により形成した。まず、あら
かじめ不図示の真空排気ポンプにより真空引きしておい
た搬送チャンバー403及びi型層堆積チャンバー41
8内へゲートバルブ407を開けて基板490を搬送し
た。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター411に密
着させ加熱し、i型層堆積チャンバー418内を不図示
の真空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrに
なるまで真空排気した。
【0113】n/iバッファー層252を作製するに
は、基板490の温度が250℃になるように基板加熱
用ヒーター411を設定し、基板が十分加熱されたとこ
ろでバルブ464、454、450、463、453、
465、455を徐々に開いて、Si26ガス、H2
ス、CH4ガスをガス導入管449を通じてi型層堆積
チャンバー418内に流入させた。この時、Si26
ス流量が0.4sccm、H2ガス流量が85scc
m、CH4ガス流量が0.2sccmとなるように各々
のマスフローコントローラー459、458、460で
調整した。
【0114】i型層堆積チャンバー418内の圧力は、
1.1Torrとなるように不図示のコンダクタンスバ
ルブの開口を調整した。次に、RF電源424を0.0
6W/cm3に設定し、バイアス棒428に印加し、グ
ロー放電を生起させ、シャッター427を開けることで
RFn型層上にn/iバッファー層の作製を開始し、層
厚10nmのn/iバッファー層を作製したところでR
Fグロー放電を止め、RF電源424の出力を切り、n
/iバッファー層252の作製を終えた。バルブ46
4、454、465、455を閉じて、i型層堆積チャ
ンバー418内へのSi26ガス、CH4ガスの流入を
止め、2分間i型層堆積チャンバー418内ヘH2ガス
を流し続けたのち、バルブ453、450を閉じ、i型
層堆積チャンバー418内およびガス配管内を1×10
-5Torrまで真空排気した。
【0115】次にa−SiからなるRFi型層207を
RFPCVD法で形成した。RFi型層を作製するに
は、基板490の温度が200℃になるように基板加熱
用ヒーター411を設定し、基板が十分加熱されたとこ
ろでバルブ464、454、450、463、453を
徐々に開いて、Si26ガス、H2ガスをガス導入管4
49を通じてi型層堆積チャンバー418内に流入させ
た。この時、Si26ガス流量が3sccm、H2ガス
流量が75sccmとなるように各々のマスフローコン
トローラー459、458で調整した。i型層堆積チャ
ンバー418内の圧力は、0.5Torrとなるように
不図示のコンダクタンスバルブの開口を調整した。次
に、RF電源424を0.07W/cm3に設定し、バ
イアス棒428に印加し、グロー放電を生起させ、シャ
ッター427を開けることでn/iバッファー層252
上にRFi型層の作製を開始し、層厚110nmのi型
層を作製したところでRFグロー放電を止め、RF電源
424の出力を切り、RFi型層207の作製を終え
た。バルブ464、454を閉じて、i型層堆積チャン
バー418内へのSi26ガスの流入を止め、2分間i
型層堆積チャンバー418内へH2ガスを流し続けたの
ち、バルブ453、450を閉じ、i型層堆積チャンバ
ー418内およびガス配管内を1×10-5Torrまで
真空排気した。
【0116】次にa−SiCからなるp/iバッファー
層262をRFPCVD法により形成した。p/iバッ
ファー層262を作製するには、基板490の温度が2
00℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定
し、基板が十分加熱されたところでバルブ464、45
4、450、463、453、465、455を徐々に
開いて、Si26ガス、H2ガス、CH4ガスをガス導入
管449を通じてi型層堆積チャンバー418内に流入
させた。この時、Si26ガス流量が0.4sccm、
2ガス流量が65sccm、CH4ガス流量が0.3s
ccmとなるように各々のマスフローコントローラー4
59、458、460で調整した。i型層堆積チャンバ
ー418内の圧力は、1.1Torrとなるように不図
示のコンダクタンスバルブの開口を調整した。次に、R
F電源424を0.06W/cm3に設定し、バイアス
棒428に印加し、グロー放電を生起させ、シャッター
427を開けることでRFi型層上にp/iバッファー
層の作製を開始し、層厚15nmのp/iバッファー層
を作製したところでRFグロー放電を止め、RF電源4
24の出力を切り、p/iバッファー層262の作製を
終えた。バルブ464、454、465、455を閉じ
て、i型層堆積チャンバー418内へのSi26ガス、
CH4ガスの流入を止め、2分間i型層堆積チャンバー
418内へH2ガスを流し続けたのち、バルブ453、
450を閉じ、i型層堆積チャンバー418内およびガ
ス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0117】次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を行った(表2(2))。本発明の微量シラ
ン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリコン原
子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆積チャン
バー418内にガス導入管449を通して導入し、H2
ガス流量が1300sccmになるようにバルブ46
3、453、450を開け、マスフロ一コントローラー
458で調整した。シリコン原子含有は、SiH4ガス
量が全H2ガス流量に対して0.03%になるようにバ
ルブ461、451を開けマスフローコントローラー4
56で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が0.
6Torrになるように不図示のコンダクタンスバルブ
で調整した。基板490の温度が200℃になるように
基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度が安定し
たところで、RF電源424の電力を0.02W/cm
3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印加した。
堆積チャンバー418内にグロー放電を生起させ、シャ
ッター427を開け3分間本発明の微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源を切っ
て、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内へのS
iH4ガスの流入を止め、3分間、推積チャンバー41
8内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も止
め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x1
-5Tоrrまで真空排気した。
【0118】次にa−SiCからなるRFp型層208
を形成するには、あらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー404及びp型
層堆積チャンバー419内へゲートバルブ408を開け
て基板490を搬送した。基板490の裏面を基板加熱
用ヒーター412に密着させ加熱し、p型層堆積チャン
バー419内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0119】基板490の温度が170℃になるように
基板加熱用ヒーター412を設定し、基板温度が安定し
たところで、H2ガス、SiH4/H2ガス、B26/H2
ガス,CH4ガスを堆積チャンバー419内にバルブ4
81、471、470、482、472、483、47
3、484、474を操作してガス導入管469を通し
て導入した。この時、H2ガス流量が70scm、Si
4/H2ガス流量が2sccm、B26/H2ガス流量
が10sccm,CH4ガス流量が0.3sccmとな
るようにマスフローコントローラー476、477、4
78、479で調整し、堆積チャンバー419内の圧力
は1.7Torrとなるように不図示のコンダクタンス
バルブの開口を調整した。RF電源423の電力を0.
07W/cm3に設定し、プラズマ形成用カップ421
にRF電力を導入し、グロー放電を生起させ、p/iバ
ッファー層262上にRFp型層の形成を開始し、層厚
10nmのRFp型層を形成したところでRF電源を切
って、グロー放電を止め、RFp型層208の形成を終
えた。バルブ472、482、473、483、47
4、484を閉じてp型層堆積チャンバー419内への
SiH4/H2ガス、B26/H2ガス,CH4ガスの流入
を止め、2分間、p型層堆積チャンバー419内へH2
ガスを流し続けたのち、バルブ471、481、470
を閉じてH2の流入も止め、p型層堆積チャンバー9内
およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0120】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいたアンロードチャンバー405内
へゲートバルブ409を開けて基板490を搬送し不図
示のリークバルブを開けて、アンロードチャンバー40
5をリークした。次に、RFp型層208上に、透明導
電層212として、層厚70nmのITOを真空蒸着法
で真空蒸着した。
【0121】次に透明導電層212上に櫛型の穴が開い
たマスクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000n
m)/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極213
を真空蒸着法で真空蒸着した。以上で太陽電池の作製を
終えた。この太陽電池を(SC実2)と呼ぶことにし、
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件、
RFn型層、n/iバッファー層、MWi型層、p/i
バッファー層、RFi型層、RFp型層の形成条件を表
2(1)〜2(3)に示す。
【0122】<比較例2>本発明の微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行わず、他は実施例2と同じ条件
で太陽電池(SC比2)を作製した。太陽電池(SC実
2)及び(SC比2)はそれぞれ7個づつ作製し、初期
光電変換効率(光起電力/入射光電力)、振動劣化、光
劣化、及びバイアス電圧印加時の高温高湿環境における
振動劣化、光劣化の測定を行なった。
【0123】初期光電変換効率は、作製した太陽電池
を、AM1.5(100mW/cm2)光照射下に設置
して、V−I特性を測定することにより得られる。測定
の結果、(SC比2)に対して、(SC実2)の初期光
電変換効率の曲線因子(F.F.)及び特性むらは以下
のようになった。 振動劣化の測定は、予め初期光電変換効率を測定してお
いた太陽電池を湿度53%、温度28℃の暗所に設置
し、振動周波数60Hzで振幅0.1mmの振動を50
0時間加えた後の、AM1.5(100mW/cm2
照射下での光電変換効率の低下率(振動劣化試験後の光
電変換効率/初期光電変換効率)により行った。
【0124】光劣化の測定は、予め初期光電変換効率を
測定しておいた太陽電池を、湿度53%、温度28℃の
環境に設置し、AM−1.5(100mW/cm2)光
を500時間照射後の、AM1.5(100mW/cm
2)照射下での光電変換効率の低下率(光劣化試験後の
光電変換効率/初期光電変換効率)により行った。測定
の結果、(SC実2)に対して(SC比2)の光劣化後
の光電変換効率の低下率、及び振動劣化後の光電変換効
率の低下率は以下のようになった。
【0125】 バイアス印加時の高温高湿度環境における振動劣化及び
光劣化の測定を行った。予め初期光電変換効率を測定し
ておいた2つの太陽電池を湿度89%、温度81℃の暗
所に設置し、順方向バイアス電圧として0.7Vを印加
した。一方の太陽電池には上記の振動を与えて振動劣化
を測定し、さらにもう一方の太陽電池にはAM1.5の
光を照射して光劣化の測定を行った。測定の結果、(S
C実2)に対して、(SC比2)の振動劣化後の光電変
換効率の低下率及び光劣化後の光電変換効率の低下率は
以下のようになった。
【0126】 光学顕微鏡を用いて層剥離の様子を観察した。(SC実
2)では層剥離は見られなかったが、(SC比2)では
層剥離が僅かに見られた。以上のように本発明の太陽電
池(SC実2)が、従来の太陽電池(SC比2)よりも
太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、
光劣化特性、密着性、耐久性においてさらに優れた特性
を有することが分かった。
【0127】(実施例3)図4に示す堆積装置を用いて
図3のトリプル型太陽電池を作製した。実施例1と同様
の方法により準備された反射層301と反射増加層30
2が形成されている基坂490をロードチャンバー40
1内の基板搬送用レール413上に配置し、不図示の真
空排気ポンプによりロードチャンバー401内を圧力が
約1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0128】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー402及び堆積
チャンバー417内へゲートバルブ406を開けて搬送
した。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター410に
密着させ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の真
空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrになる
まで真空排気した。
【0129】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、実施例2と同様な方法によりμc−SiからなるR
Fn型層303を形成した。次にあらかじめ不図示の真
空排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー
403及び堆積チャンバー418内へゲートバルブ40
6を開けて搬送した。基板490の裏面を基板加熱用ヒ
ーター411に密着させ加熱し、堆積チャンバー418
内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×10-5
Torrになるまで真空排気した。
【0130】次に実施例2と同様な方法によりa−Si
からなるn/iバッファー層351、a−SiGeから
なるMWi型層304、a−Siからなるp/iバッフ
ァー層361をそれぞれRFPCVD法、MWPCVD
法、RFPCVD法で形成した。次に本発明の微量シラ
ン系ガス含有水素プラズマ処理を行った(表3
(1))。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ
処理を行うには、シリコン原子含有ガスとして、SiC
22/He(希釈度:1000ppm)ガス、H2
スを堆積チャンバー418内にガス導入管449を通し
て導入し、H2ガス流量950sccmになるようにバ
ルブ463、453、450を開け、マスフローコント
ローラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、
SiCl22ガス量が全H2ガス流量に対して0.03
%になるようにバルブを開けマスフローコントローラー
で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が0.00
8Tоrrになるように不図示のコンダクタンスバルブ
で調整した。基板490の温度が330℃になるように
基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度が安定し
たところで、不図示のMW電源の電力を0.12W/c
3に設定し、導波管426及びマイクロ波導入用窓4
25を通じてi型層堆積チャンバー418内にMW電力
導入し、グロー放電を生起させ、シャッター427を開
けることで、4分間本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を行った。その後MW電源を切って、グロ
ー放電を止め、堆積チャンバー418内へのSiCl2
2/He(希釈度:1000ppm)ガスの流入を止
め、4分間堆積チャンバー418内ヘH2ガスを流し続
けたのち、H2ガスの流入も止め、堆積チャンバー41
8内およびガス配管内を1x10-5Torrまで真空排
気した。
【0131】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるRFp型層305、μc−SiからなるR
Fn型層306,a−Siからなるn/iバッファー層
352、a−SiGeからなるMWi型層307、a−
Siからなるp/iバッファー層362をRFPCVD
法及びMWPCVD法により順次形成した。次に本発明
の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行った(表
3(2))。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズ
マ処理を行うには、シリコン原子含有ガスとして、Si
4/H2(希釈度:1000ppm)ガス、H2ガスを
堆積チャンバー418内にガス導入管449を通して導
入し、H2ガス流量が1200sccmになるようにバ
ルブ463、453、450を開け、マスフローコント
ローラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、
SiH4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%にな
るようにバルブを開けマスフローコントローラーで調整
した。堆積チャンバー418内の圧力が0.7Torr
になるように不図示のコンダクタンスバルブで調整し
た。基板490の温度が280℃になるように基板加熱
用ヒーター411を設定し、基板温度が安定したところ
で、RF電源424の電力を0.03W/cm3に設定
し、RF電力をバイアス棒428に印加し、418内に
グロー放電を生起させ、シャッター427を開け3分間
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行っ
た。その後RF電源を切って、グロー放電を止め、堆積
チャンバー418内へのSiH4/H2(希釈度:100
0ppm)ガスの流入を止め、3分間、堆積チャンバー
418内へH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も
止め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x
10-5Torrまで真空排気した。
【0132】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるRFp型層308、μc−SiからなるR
Fn型層309、a−SiCからなるn/iバッファー
層353、a−SiからなるRFi型層310、a−S
iからなるp/iバッファー層363をRFPCVD法
により順次形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行った(表3(3))。本発明の
微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シ
リコン原子含有ガスとして、SiH4/H2(希釈度:1
000ppm)ガス、H2ガスを堆積チャンバー418
内にガス導入管449を通して導入し、H2ガス流量が
900sccmになるようにバルブ463、453、4
50を開け、マスフローコントローラー458で調整し
た。シリコン原子含有ガスは、SiH4ガス量が全H2
ス流量に対して0.03%になるようにバルブを開けマ
スフローコントローラーで調整した。堆積チャンバー4
18内の圧力が0.6Torrになるように不図示のコ
ンダクタンスバルブで調整した。基板490の温度が2
00℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定
し、基板温度が安定したところで、RF電源424の電
力を0.03W/cm3に設定し、RF電力をバイアス
棒428に印加し、418内にグロー放電を生起させ、
シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン系ガ
ス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源を切
って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内ヘの
SiH4/H2(希釈度:1000ppm)ガスの流入を
止め、3分間、堆積チャンバー418内へH2ガスを流
し続けたのち、H2ガスの流入も止め、堆積チャンバー
418内およびガス配管内を1x10-5Torrまで真
空排気した。
【0133】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるRFp型層311をRFPCVD法によっ
て形成した。次に、RFp型層311上に、透明導電層
312として、層厚70nmのITOを真空蒸着法で真
空蒸着した。次に透明導電層312上に櫛型の穴が開い
たマスクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000n
m)/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313
を真空蒸着法で真空蒸着した。
【0134】以上で太陽電池の作製を終えた。この太陽
電池を(SC実3)と呼ぶことにし、本発明の微量シラ
ン系ガス含有水素プラズマ処理条件、RFn型層、n/
iバッファー層、MWi型層、p/iバッファー層、R
Fi型層、RFp型層の形成条件を表3(1)〜3
(4)に示す。 <比較例3>本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズ
マ処理を行わず、他は実施例3と同じ条件で太陽電池
(SC比3)を作製した。
【0135】太陽電池(SC実3)及び(SC比3)は
それぞれ7個づつ作製し、初期光電変換効率(光起電力
/入射光電力)、振動劣化、光劣化、バイアス電圧印加
時の高温高湿環境における振動劣化、光劣化及び逆方向
バイアス電圧印加特性の測定を行なった。初期光電変換
効率は、作製した太陽電池を、AM1.5(100mW
/cm2)光照射下に設置して、V−I特性を測定する
ことにより得られる。測定の結果、(SC比3)に対し
て、(SC実3)の初期光電変換効率の曲線因子(F
F)及び特性むらは以下のようになった。
【0136】 振動劣化の測定は、予め初期光電変換効率を測定してお
いた太陽電池を湿度53%、温度26℃の暗所に設置
し、振動周波数60Hzで振幅0.1mmの振動を50
0時間加えた後の、AM1.5(100mW/cm2
照射下での光電変換効率の低下率(振動劣化試験後の光
電変換効率/初期光電変換効率)により行った。
【0137】光劣化の測定は、予め初期光電変換効率を
測定しておいた太陽電池を、湿度53%、温度26℃の
環境に設置し、AM1.5(100mW/cm2)光を
500時間照射後のAM1.5(100mW/cm2
照射下での光電変換効率の低下率(光劣化試験後の光電
変換効率/初期光電変換効率)により行った。測定の結
果、(SC実3)に対して(SC比3)の光劣化後の光
電変換効率の低下率、及び振動劣化後の光電変換効率の
低下率は以下のようになった。
【0138】 バイアス印加時の高温高湿度環境における振動劣化、及
び光劣化の測定を行った。予め初期光電変換効率を測定
しておいた2つの太陽電池を湿度92%温度82℃の暗
所に設置し、順方向バイアス電圧として0.7Vを印加
した。一方の太陽電池には上記の振動を与えて振動劣化
を測定し、さらにもう一方の太陽電池にはAM1.5の
光を照射して光劣化の測定を行った。
【0139】測定の結果、(SC実3)に対して、(S
C比3)の振動劣化後の光電変換効率の低下率、及び光
劣化後の光電変換効率の低下率は以下のようになった。 逆方向バイアス電圧印加特性の測定は、予め初期光電変
換効率を測定しておいた太陽電池を湿度50%温度80
℃の暗所に設置し、逆方向バイアス電圧として5.0V
を100時間印加した後、AM1.5(100mW/c
2)照射下での光電変換効率を測定し、その低下率
(逆方向バイアス電圧印加後の光電変換効率/初期光電
変換効率)により行った。測定の結果、(SC実3)に
対して、(SC比3)の逆方向バイアス電圧印加後の低
下率は以下のようになった。
【0140】(SC比3) 0.87倍 光学顕微鏡を用いて層剥離の様子を観察した。(SC実
3)では層剥離は見られなかったが、(SC比3)では
層剥離が僅かに見られた。以上のように本発明の太陽電
池(SC実3)が、従来の太陽電池(SC比3)よりも
太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、
光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加
特性においてさらに優れた特性を有することが分かっ
た。
【0141】(実施例4)実施例3と同様に図4に示す
堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を表4(1)の条件において3回行い、実施
例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製した。微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表4(1)
に、トリプル型太陽電池の作製条件を表4(2)に示
す。
【0142】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表4(3)に示す。
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の水素
流量は、太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特
性むら、光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス
電圧印加特性において1〜2000sccmが適した流
量であることが分かった。
【0143】(実施例5)実施例3と同様に図4に示す
堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を表5(1)の条件において3回行い、実施
例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製した。微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表5(1)
に、トリプル型太陽電池の作製条件を表5(2)に示
す。
【0144】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の表価を行った。その結果を表5(3)に示す。
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の投入
電力を実施例4のRF電源からVHF電源に変えても、
太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、
光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加
特性において水素流量は、1〜2000sccmが適し
た流量であることが分かった。
【0145】(実施例6)実施例3と同様に図4に示す
堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を表6(1)の条件において3回行い、実施
例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製した。微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表6(1)
に、トリプル型太陽電池の作製条件を表6(2)に示
す。
【0146】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表6(3)に示す。
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の水素
ガスに添加されるシラン系ガス含有ガスの添加量は、太
陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光
劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特
性において、0.001%から0.1%が好ましい範囲
であることが分かった。
【0147】(実施例7)実施例3と同様に図4に示す
堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を表7(1)の条件において3回行い、実施
例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製した。徴
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表7(1)
に、卜リプル型太陽電池の作製条件を表7(2)に示
す。
【0148】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表7(3)に示す。
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の水素
ガスに添加されるシラン系ガス含有ガスの添加量は、投
入電力を実施例6のRF電源からVHF電源に変えて
も、太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性む
ら、光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧
印加特性において0.001%から0.1%が好ましい
範囲であることが分かった。
【0149】(実施例8)実施例3と同様に図4に示す
堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を表8(1)の条件において3回行い、実施
例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製した。微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表8(1)
に、トリプル型太陽電池の作製条件を表8(2)に示
す。
【0150】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表8(3)に示す。
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の水素
ガスに添加されるシラン系ガス含有ガスの添加量は、投
入電力を実施例6のRF電源からMW電源に変えても、
太陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、
光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加
特性において0.001%から0.1%が好ましい範囲
であることが分かった。
【0151】(実施例9)実施例3と同様に図4に示す
堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を表9(1)の条件において3回行い、実施
例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製した。微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表9(1)
に、トリプル型太陽電池の作製条件を表9(2)に示
す。
【0152】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表9(3)に示す。
本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の圧力
は、投入電力にRF電源を使用した場合、太陽電池の光
電変換効率における曲線因子、特性むら、光劣化特性、
密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特性において
0.05Torrから10Torrが好ましい範囲であ
ることが分かった。
【0153】(実施例10)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表10(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
0(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表10
(2)に示す。
【0154】実施例3と同様に、作製した卜リプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表10(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
圧力は、投入電力にVHF電源を使用した場合、太陽電
池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光劣化
特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特性に
おいて0.0001Torrから1Torrが好ましい
範囲であることが分かった。
【0155】(実施例11)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表11(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
1(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表11
(2)に示す。
【0156】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表11(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
圧力は、投入電力にMW電源を使用した場合、太陽電池
の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光劣化特
性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特性にお
いて0.0001Torrから0.01Torrが好ま
しい範囲であることが分かった。
【0157】(実施例12)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表12(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
2(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表12
(2)に示す。
【0158】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表12(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
投入パワー密度(電力量)は、投入電力にRF電源を使
用した場合、太陽電池の光電変換効率における曲線因
子、特性むら、光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バ
イアス電圧印加特性において0.01W/cm3から
1.0W/cm3が好ましい範囲であることが分かっ
た。
【0159】(実施例13)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表13(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
3(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表16
(2)に示す。
【0160】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表13(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
投入パワー密度(電力量)は、投入電力にVHF電源を
使用した場合、太陽電池の光電変換効率における曲線因
子、特性むら、光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バ
イアス電圧印加特性において0.01W/cm3から
1.0W/cm3が好ましい範囲であることが分かっ
た。
【0161】(実施例14)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表14(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
4(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表14
(2)に示す。
【0162】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表14(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
投入パワー密度(電力量)は、投入電力にMW電源を使
用した場合、太陽電池の光電変換効率における曲線因
子、特性むら、光劣化特性、密着性、耐久性において
0.1W/cm3から10W/cm3が好ましい範囲であ
ることが分かった。
【0163】(実施例15)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表15(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
5(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表15
(2)に示す。
【0164】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表15(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
基板温度は、投入電力にRF電源を使用した場合、太陽
電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光劣
化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特性
において100℃から400℃が好ましい範囲であるこ
とが分かった。
【0165】(実施例16)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表16(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
6(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表16
(2)に示す。
【0166】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表16(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
基板温度は、投入電力にVHF電源を使用した場合、太
陽電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光
劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特
性において50℃から300℃が好ましい範囲であるこ
とが分かった。
【0167】(実施例17)実施例3と同様に図4に示
す堆積装置を用いて本発明の微量シラン系ガス含有水素
プラズマ処理を表17(1)の条件において3回行い、
実施例3と同様に図3のトリプル型太陽電池を作製し
た。微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理条件を表1
7(1)に、トリプル型太陽電池の作製条件を表17
(2)に示す。
【0168】実施例3と同様に、作製したトリプル型太
陽電池の評価を行った。その結果を表17(3)に示
す。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理の
基板温度は、投入電力にMW電源を使用した場合、太陽
電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光劣
化特性、密着性、耐久性において50℃から300℃が
好ましい範囲であることが分かった。
【0169】(実施例18)図4に示す堆積装置を用い
て図3のトリプル型太陽電池を作製した。実施例1と同
様の方法により準備された反射層301と反射増加層3
02が形成されている基板490をロードチャンバー4
01内の基板搬送用レール413上に配置し、不図示の
真空排気ポンプによりロードチャンバー401内を圧力
が約1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0170】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー402及び堆積
チャンバー417内へゲートバルブ406を開けて搬送
した。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター410に
密着させ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の真
空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrになる
まで真空排気した。
【0171】次に微量シラン系ガス含有水素プラズマ処
理を表18(1)の条件で行った。微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行うには、シリコン原子含有ガス
として、SiH4/H2(希釈度:1000ppm)ガ
ス、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入管4
29を通して導入し、H2ガス流量が1200sccm
になるようにバルブ441、431、430を開け、マ
スフローコントローラー436で調整した。シリコン原
子含有ガスは、SiH4が全H2ガス流量に対して0.0
4%になるようにバルブ442、432を開けマスフロ
ーコントローラー437で調整した。堆積チャンバー4
17内の圧力が0.9Torrになるように不図示のコ
ンダクタンスバルブで調整した。基板490の温度が3
60℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
し、基板温度が安定したところで、RF電源422の電
力を0.03W/cm3に設定し、RF電力を導入し、
プラズマ形成用カップ420内にグロー放電を生起さ
せ、3分間微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行
った。その後RF電源を切って、グロー放電を止め、堆
積チャンバー417内へのSiH4/H2(希釈度:10
00ppm)ガスの流入を止め、5分間、堆積チャンバ
ー417内へH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入
も止め、堆積チャンバー417内およびガス配管内を1
×10-5Torrまで真空排気した。
【0172】以上のようにして成膜の準備が完了した
後、実施例2と同様な方法によりμc−SiからなるR
Fn型層303を形成した。次に微量シラン系ガス含有
水素プラズマ処理を表18(2)の条件で行った。微量
シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリコ
ン原子含有ガスとして、SiH4/H2(希釈度:100
0ppm)ガス、H2ガスを堆積チャンバー417内に
ガス導入管429を通して導入し、H2ガス流量が95
0sccmになるようにバルブ441、431、430
を開け、マスフローコントローラー436で調整した。
シリコン原子含有ガスは、SiH4が全H2ガス流量に対
して0.03%になるようにバルブ442、432を開
けマスフローコントローラー437で調整した。堆積チ
ャンバー417内の圧力が0.9Torrになるように
不図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板490
の温度が350℃になるように基板加熱用ヒーター41
0を設定し、基板温度が安定したところで、RF電源4
22の電力を0.03W/cm3に設定し、RF電力を
導入し、プラズマ形成用カップ420内にグロー放電を
生起させ、3分間微量シラン系ガス含有水素プラズマ処
理を行った。その後RF電源を切って、グロー放電を止
め、堆積チャンバー417内へのSiH4/H2(希釈
度:1000ppm)ガスの流入を止め、5分間、堆積
チャンバー417内へH2ガスを流し続けたのち、H2
スの流入も止め、堆積チャンバー417内およびガス配
管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0173】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいた搬送チャンバー403及び堆積
チャンバー418内へゲートバルブ407を開けて搬送
した。基板490の裏面を基板加熱用ヒーター411に
密着させ加熱し、堆積チャンバー418内を不図示の真
空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrになる
まで真空排気した。
【0174】次に実施例2と同様な方法によりa−Si
Cからなるn/iバッファー層351をRFPCVD法
により形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有水
素プラズマ処理を行った(表18(3))。本発明の微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリ
コン原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆積
チャンバー418内にガス導入管449を通して導入
し、H2ガス流量が700sccmになるようにバルブ
463、453、450を開け、マスフローコントロー
ラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、Si
4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になるよ
うにバルブ461、451を開けマスフローコントロー
ラー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧力
が0.7Torrになるように不図示のコンダクタンス
バルブで調整した。基板490の温度が350℃になる
ように基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度が
安定したところで、RF電源424の電力を0.03W
/cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印加
した。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起さ
せ、3分間本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ
処理を行った。その後RF電源を切って、グロー放電を
止め、堆積チャンバー418内へのSiH4ガスの流入
を止め、3分間、堆積チャンバー418内ヘH2ガスを
流し続けたのち、H2ガスの流入も止め、堆積チャンバ
ー418内およびガス配管内を1x10-5Torrまで
真空排気した。
【0175】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iGeからなるMWi型層304をMWPCVD法によ
り形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を行った(表18(4))。本発明の微量シ
ラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリコン
原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆積チャ
ンバー418内にガス導入管449を通して導入し、H
2ガス流量が900sccmになるようにバルブ46
3、453、450を開け、マスフローコントローラー
458で調整した。シリコン原子含有ガスは、SiH4
ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になるよう
にバルブ461、451を開けマスフローコントローラ
ー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が
0.6Torrになるように不図示のコンダクタンスバ
ルブで調整した。基板490の温度が330℃になるよ
うに基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度が安
定したところで、RF電源424の電力を0.03W/
cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印加し
た。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起させ、
シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン系ガ
ス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源を切
って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内への
SiH4ガスの流入を止め、3分間、堆積チャンバー4
18内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も止
め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x1
-5Torrまで真空排気した。
【0176】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるp/iバッファー層361をRFPCVD
法により形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有
水素プラズマ処理を行った(表18(5))。本発明の
微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シ
リコン原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆
積チャンバー418内にガス導入管449を通して導入
し、H2ガス流量が1000sccmになるようにバル
ブ463、453、450を開け、マスフローコントロ
ーラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、S
iH4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になる
ようにバルブ461、451を開けマスフローコントロ
ーラー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧
力が0.6Torrになるように不図示のコンダクタン
スバルブで調整した。基板490の温度が300℃にな
るように基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度
が安定したところで、RF電源424の電力を0.03
W/cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印
加した。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起さ
せ、シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン
系ガス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源
を切って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内
へのSiH4ガスの流入を止め、3分間、堆積チャンバ
ー418内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入
も止め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1
x10-5Torrまで真空排気した。
【0177】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるRFp型層305、μc−SiからなるR
Fn型層306をRFPCVD法により順次形成した。
次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を
行った(表18(6))。本発明の微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行うには、シリコン原子含有ガス
として、SiH4/H2(希釈度:1000ppm)ガ
ス、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入管4
29を通して導入し、H2ガス流量が1200sccm
になるようにバルブ441、431、430を開け、マ
スフローコントローラー436で調整した。シリコン原
子含有ガスは、SiH4ガス量が全H2ガス流量に対して
0.04%になるようにバルブ442、432を開けマ
スフローコントローラー437で調整した。堆積チャン
バー417内の圧力が0.7Torrになるように不図
示のコンダクタンスバルブで調整した。基板490の温
度が300℃になるように基板加熱用ヒーター410を
設定し、基板温度が安定したところで、RF電源422
の電力を0.03W/cm3に設定し、RF電力を導入
し、プラズマ形成用カップ420内にグロー放電を生起
させ、3分間本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズ
マ処理を行った。その後RF電源を切って、グロー放電
を止め、堆積チャンバー417内へのSiH4/H2(希
釈度:1000ppm)ガスの流入を止め、3分間、堆
積チャンバー417内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2
ガスの流入も止め、堆積チャンバー417内およびガス
配管内を1x10-5Torrまで真空排気した。
【0178】次に実施例2と同様な方法によりa−Si
Cからなるn/iバッファー層352をRFPCVD法
により形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有水
素プラズマ処理を行った(表18(7))。本発明の微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリ
コン原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆積
チャンバー418内にガス導入管449を通して導入
し、H2ガス流量が1100sccmになるようにバル
ブ463、453、450を開け、マスフローコントロ
ーラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、S
iH4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になる
ようにバルブ461、451を開けマスフローコントロ
ーラー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧
力が0.7Torrになるように不図示のコンダクタン
スバルブで調整した。基板490の温度が300℃にな
るように基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度
が安定したところで、RF電源424の電力を0.02
W/cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印
加した。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起さ
せ、シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン
系ガス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源
を切って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内
ヘのSiH4ガスの流入を止め、3分間堆積チャンバー
418内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も
止め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x
10-5Torrまで真空排気した。
【0179】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iGeからなるMWi型層307をMWPCVD法によ
り形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プ
ラズマ処理を行った(表18(8))。本発明の微量シ
ラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリコン
原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆積チャ
ンバー418内にガス導入管449を通して導入し、H
2ガス流量が1200sccmになるようにバルブ46
3、453、450を開け、マスフローコントローラー
458で調整した。シリコン原子含有ガスは、SiH4
ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になるよう
にバルブ461、451を開けマスフローコントローラ
ー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が
0.6Torrになるように不図示のコンダクタンスバ
ルブで調整した。基板490の温度が280℃になるよ
うに基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度が安
定したところで、RF電源424の電力を0.02W/
cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印加し
た。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起させ、
シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン系ガ
ス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源を切
って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内への
SiH4ガスの流入を止め、3分間、堆積チャンバー4
18内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も止
め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x1
-5Torrまで真空排気した。
【0180】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるp/iバッファー層362をRFPCVD
法により形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有
水素プラズマ処理を行った(表18(9))。本発明の
微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シ
リコン原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆
積チャンバー418内にガス導入管449を通して導入
し、H2ガス流量が1500sccmになるようにバル
ブ463、453、450を開け、マスフローコントロ
ーラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、S
iH4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になる
ようにバルブ461、451を開けマスフローコントロ
ーラー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧
力が0.5Torrになるように不図示のコンダクタン
スバルブで調整した。基板490の温度が260℃にな
るように基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度
が安定したところで、RF電源424の電力を0.02
W/cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印
加した。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起さ
せ、シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン
系ガス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源
を切って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内
へのSiH4ガスの流入を止め、3分間、堆積チャンバ
ー418内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入
も止め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1
x10-5Torrまで真空排気した。
【0181】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるRFp型層308、μc−SiからなるR
Fn型層309を順次形成した。次に本発明の微量シラ
ン系ガス含有水素プラズマ処理を行った(表18(1
0))。本発明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処
理を行うには、シリコン原子含有ガスとして、SiH4
/H2(希釈度:1000ppm)ガス、H2ガスを堆積
チャンバー417内にガス導入管429を通して導入
し、H2ガス流量が850sccmになるようにバルブ
441、431、430を開け、マスフローコントロー
ラー436で調整した。シリコン原子含有ガスは、Si
4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になるよ
うにバルブ442、432を開けマスフローコントロー
ラー437で調整した。堆積チャンバー417内の圧力
が0.9Torrになるように不図示のコンダクタンス
バルブで調整した。基板490の温度が230℃になる
ように基板加熱用ヒーター410を設定し、基板温度が
安定したところで、RF電源422の電力を0.03W
/cm3に設定し、RF電力を導入し、プラズマ形成用
カップ420内にグロー放電を生起させ、2分間本発明
の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行った。そ
の後RF電源を切って、グロー放電を止め、堆積チャン
バー417内ヘのSiH4/H2(希釈度:1000pp
m)ガスの流入を止め、3分間堆積チャンバー417内
ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も止め、堆
積チャンバー417内およびガス配管内を1x10-5
orrまで真空排気した。
【0182】次に実施例2と同様な方法によりa−Si
Cからなるn/iバッファー層353をRFPCVD法
により形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有水
素プラズマ処理を行った(表18(11))。本発明の
微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シ
リコン原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆
積チャンバー418内にガス導入管449を通して導入
し、H2ガス流量が1000sccmになるようにバル
ブ463、453、450を開け、マスフローコントロ
ーラー458で調整した。シリコン原子含有ガスは、S
iH4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になる
ようにバルブ461、451を開けマスフローコントロ
ーラー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧
力が0.7Torrになるように不図示のコンダクタン
スバルブで調整した。基板490の温度が230℃にな
るように基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度
が安定したところで、RF電源424の電力を0.02
W/cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印
加した。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起さ
せ、シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン
系ガス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源
を切って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内
ヘのSiH4ガスの流入を止め、3分間堆積チャンバー
418内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も
止め、堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x
10-5Torrまで真空排気した。
【0183】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iからなるRFi型層310をRFPCVD法によって
形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含有水素プラ
ズマ処理を行った(表18(12))。本発明の微量シ
ラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うには、シリコン
原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2ガスを堆積チャ
ンバー418内にガス導入管449を通して導入し、H
2ガス流量が1200sccmになるようにバルブ46
3、453、450を開け、マスフローコントローラー
458で調整した。シリコン原子含有ガスは、SiH4
ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%になるよう
にバルブ461、451を開けマスフローコントローラ
ー456で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が
0.8Torrになるように不図示のコンダクタンスバ
ルブで調整した。基板490の温度が200℃になるよ
うに基板加熱用ヒーター411を設定し、基板温度が安
定したところで、RF電源424の電力を0.02W/
cm3に設定し、バイアス棒428にRF電力を印加し
た。堆積チャンバー418内にグロー放電を生起させ、
シャッター427を開け3分間本発明の微量シラン系ガ
ス含有水素プラズマ処理を行った。その後RF電源を切
って、グロー放電を止め、堆積チャンバー418内への
SiH4の流入を止め、3分間、堆積チャンバー418
内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの流入も止め、
堆積チャンバー418内およびガス配管内を1x10-5
Torrまで真空排気した。
【0184】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるp/iバッファー層363をRFPCVD
法によって形成した。次に本発明の微量シラン系ガス含
有水素プラズマ処理を行った(表18(13))。本発
明の微量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行うに
は、シリコン原子含有ガスとして、SiH4ガス、H2
スを堆積チャンバー418内にガス導入管449を通し
て導入し、H2ガス流量が1400sccmになるよう
にバルブ463、453、450を開け、マスフローコ
ントローラー458で調整した。シリコン原子含有ガス
は、SiH4ガス量が全H2ガス流量に対して0.03%
になるようにバルブ461、451を開けマスフローコ
ントローラー456で調整した。堆積チャンバー418
内の圧力が0.7Torrになるように不図示のコンダ
クタンスバルブで調整した。基板490の温度が170
℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定し、基
板温度が安定したところで、RF電源424の電力を
0.02W/cm3に設定し、バイアス棒428にRF
電力を印加した。堆積チャンバー418内にグロー放電
を生起させ、シャッター427を開け3分間本発明の微
量シラン系ガス含有水素プラズマ処理を行った。その後
RF電源を切って、グロー放電を止め、堆積チャンバー
418内へのSiH4の流入を止め、3分間、堆積チャ
ンバー418内ヘH2ガスを流し続けたのち、H2ガスの
流入も止め、堆積チャンバー418内およびガス配管内
を1x10-5Torrまで真空排気した。
【0185】次に実施例2と同様な方法により、a−S
iCからなるRFp型層311をRFPCVD法によっ
て形成した。次に、RFp型層311上に、透明導電層
312として、層厚70nmのITOを真空蒸着法で真
空蒸着した。次に透明導電層312上に櫛型の穴が開い
たマスクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000n
m)/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313
を真空蒸着法で真空蒸着した。
【0186】以上で太陽電池の作製を終えた。この太陽
電池を(SC実18)と呼ぶことにし、本発明の微量シ
ラン系ガス含有水素プラズマ処理条件、RFn型層、n
/iバッファー層、MWi型層、p/iバッファー層、
RFi型層、RFp型層の形成条件を表18(1)〜1
8(14)に示す。 <比較例18>本発明の微量シラン系ガス含有水素プラ
ズマ処理を行わず、他は実施例18と同じ条件で太陽電
池(SC比18)を作製した。
【0187】太陽電池(SC実18)及び(SC比1
8)はそれぞれ8個づつ作製し、初期光電変換効率(光
起電力/入射光電力)、振動劣化、光劣化、バイアス電
圧印加時の高温高湿環境における振動劣化、光劣化及び
逆方向バイアス電圧印加特性の測定を行なった。初期光
電変換効率は、作製した太陽電池を、AM−1.5(1
00mW/cm2)光照射下に設置して、V−I特性を
測定することにより得られる。測定の結果、(SC比1
8)に対して、(SC実18)の初期光電変換効率の曲
線因子(FF)及び特性むらは以下のようになった。
【0188】 振動劣化の測定は、予め初期光電変換効率を測定してお
いた太陽電池を湿度54%、温度26℃の暗所に設置
し、振動周波数60Hzで振幅0.1mmの振動を50
0時間加えた後の、AM1.5(100mW/cm2
照射下での光電変換効率の低下率(振動劣化試験後の光
電変換効率/初期光電変換効率)により行った。
【0189】光劣化の測定は、予め初期光電変換効率を
測定しておいた太陽電池を、湿度54%、温度26℃の
環境に設置し、AM−1.5(100mW/cm2)光
を500時間照射後の、AM1.5(100mW/cm
2)照射下での光電変換効率の低下率(光劣化試験後の
光電変換効率/初期光電変換効率)により行った。測定
の結果、(SC実18)に対して(SC比18)の光劣
化後の光電変換効率の低下率及び振動劣化後の光電変換
効率の低下率は以下のようなった。
【0190】 バイアス印加時の高温高湿度環境における振動劣化及び
光劣化の測定を行った。予め初期光電変換効率を測定し
ておいた2つの太陽電池を湿度92%温度82℃の暗所
に設置し、順方向バイアス電圧として0.7Vを印加し
た。ー方の太陽電池には上記の振動を与えて振動劣化を
測定し、さらにもう一方の太陽電池にはAM1.5の光
を照射して光劣化の測定を行った。
【0191】測定の結果、(SC実18)に対して、
(SC比18)の振動劣化後の光電変換効率の低下率、
及び光劣化後の光電変換効率の低下率は以下のようなっ
た。 逆方向バイアス電圧印加特性の測定は、予め初期光電変
換効率を測定しておいた太陽電池を湿度50%温度80
℃の暗所に設置し、逆方向バイアス電圧として5.0V
を100時間印加した後、AM1.5(100mW/c
2)照射下での光電変換効率を測定し、その低下率
(逆方向バイアス電圧印加後の光電変換効率/初期光電
変換効率)により行った。測定の結果、(SC実3)に
対して、(SC比3)の逆方向バイアス電圧印加後の低
下率は以下のようになった。
【0192】(SC比18) 0.85倍 光学顕微鏡を用いて層剥離の様子を観察した。(SC実
18)では層剥離は見られなかったが、(SC比18)
では層剥離が僅かに見られた。以上のように本発明の太
陽電池(SC実18)が、従来の太陽電池(SC比1
8)よりも太陽電池の光電変換効率における曲線因子、
特性むら、光劣化特性、密着性、耐久性、逆方向バイア
ス電圧印加特性においてさらに優れた特性を有すること
が分かった。
【0193】以上の実施例では、基板上にn型層、n/
iバッファー層、i型層、p/iバッファー層、p型層
の順に積層した太陽電池について説明したが、基板上に
p型層、p/iバッファー層、i型層、n/iバッファ
ー層、n型層の順に積層した太陽電池についても、同様
な水素プラズマ処理を行い太陽電池を作製した。上記実
施例と同様な評価を行ったところ、p/iバッファー層
とp型層の間で水素プラズマ処理を行うことにより太陽
電池の光電変換効率における曲線因子、特性むら、光劣
化特性、密着性、耐久性、逆方向バイアス電圧印加特性
等は向上することが確認された。さらに、基板とp型層
間、更にまたn型層とn/iバッファー層間、n/iバ
ッファー層とi型層間、及びp/iバッファー層とi型
層間でを水素プラズマ処理することにより上記特性は一
層向上することが確認された。
【0194】
【表1(1)】
【0195】
【表1(2)】
【0196】
【表2(1)】
【0197】
【表2(2)】
【0198】
【表2(3)】
【0199】
【表3(1)】
【0200】
【表3(2)】
【0201】
【表3(3)】
【0202】
【表3(4)】
【0203】
【表4(1)】
【0204】
【表4(2)】
【0205】
【表4(3)】
【0206】
【表5(1)】
【0207】
【表5(2)】
【0208】
【表5(3)】
【0209】
【表6(1)】
【0210】
【表6(2)】
【0211】
【表6(3)】
【0212】
【表7(1)】
【0213】
【表7(2)】
【0214】
【表7(3)】
【0215】
【表8(1)】
【0216】
【表8(2)】
【0217】
【表8(3)】
【0218】
【表9(1)】
【0219】
【表9(2)】
【0220】
【表9(3)】
【0221】
【表10(1)】
【0222】
【表10(2)】
【0223】
【表10(3)】
【0224】
【表11(1)】
【0225】
【表11(2)】
【0226】
【表11(3)】
【0227】
【表12(1)】
【0228】
【表12(2)】
【0229】
【表12(3)】
【0230】
【表13(1)】
【0231】
【表13(2)】
【0232】
【表13(3)】
【0233】
【表14(1)】
【0234】
【表14(2)】
【0235】
【表14(3)】
【0236】
【表15(1)】
【0237】
【表15(2)】
【0238】
【表15(3)】
【0239】
【表16(1)】
【0240】
【表16(2)】
【0241】
【表16(3)】
【0242】
【表17(1)】
【0243】
【表17(2)】
【0244】
【表17(3)】
【0245】
【表18(1)】
【0246】
【表18(2)】
【0247】
【表18(3)】
【0248】
【表18(4)】
【0249】
【表18(5)】
【0250】
【表18(6)】
【0251】
【表18(7)】
【0252】
【表18(8)】
【0253】
【表18(9)】
【0254】
【表18(10)】
【0255】
【表18(11)】
【0256】
【表18(12)】
【0257】
【表18(13)】
【0258】
【表18(14)】
【0259】
【発明の効果】本発明により、通常水素プラズマ処理で
見られる堆積チャンバー壁面に吸着または含まれている
半導体層に取り込まれると欠陥準位となる不純物(例え
ば酸素、チッ素、炭素、鉄、クロム、二ッケル、アルミ
ニウム等)を取り出してくるという問題点を解決するこ
とができる。また、安定した水素プラズマ処理を行う事
が可能となる。この結果、 1)光起電力素子を高温高湿に置いた場合の半導体層の
剥離の実質的にない光起電力素子を提供する事が可能と
なる。
【0260】2)柔軟な基板上にpin構造をを形成し
た場合に、基板を折り曲げてもpin半導体層が剥離し
にくい光起電力素子を提供する事ができる。 3)長時間の光照射によって基板と半導体層の界面近傍
の欠陥準位の増加を抑制した光起電力素子を提供する事
が可能となる。 4)高温高湿下で光照射した場合でも、基板と半導体層
の剥離がなく、直列抵抗の増加等の特性低下を抑えた光
起電力素子を提供する事が可能となる。
【0261】5)n型層(またはp型層)からi型層ヘ
の不純物の拡散等を防止し、初期効率の向上した光起電
力素子を提供する事が可能となる。 6)高い温度で使用した場合でも、特性の低下の少ない
光起電力素子を提供する事ができる。 7)光起電力素子に逆バイアスを印加した場合に、壊れ
にくい光起電力素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子の形成方法を適用した光
起電力素子の模式的説明図である。
【図2】本発明の光起電力素子の形成方法を適用した他
の光起電力素子の模式的説明図である。
【図3】本発明の光起電力素子の形成方法を適用した他
の光起電力素子の模式的説明図である。
【図4】本発明の光起電力素子の形成方法に適した光起
電力素子の形成装置の模式的説明図である。
【符号の説明】
100,200,300 支持体、 101,201,301 反射層(または透明導電
層)、 102,202,302 反射増加層(または反射防止
層)、 103,203,303 第1のn型層(またはp型
層)、 104,204,304 第1のi型層、 105,205,305 第1のp型層(またはn型
層)、 112,212,312 透明導電層(または導電
層)、 113,213,313 集電電極、 151,251,351 第1のn/iバッファー層、 161,261,361 第iのp/iバッファー層、 206,306 第2のn型層(またはp型層)、 207,307 第2のi型層、 208,308 第2のp型層(またはn型層)、 252,352 第2のn/iバッファー層、 262,362 第2のp/iバッフアー層、 309 第3のn型層(またはp型層)、 311 第3のp型層(またはn型層)、 310 第3のi型層、 353 第3のn/iバッファー層、 363 第3のp/iバッファー層、 400 形成装置、 401 ロードチャンバー、 402,403,404 搬送チゃンバー、 405 アンロードチャンバー、 406,407,408,409 ゲートバルブ、 410,411,412 基板加熱用ヒーター、 413 基板搬送用レール、 417 n型層(またはp型層)堆積チャンバー、 418 i型層堆積チャンバー、 419 p型層(またはn型層)堆積チャンバー、 420,421 プラズマ形成用カップ、 422,423,424 電源、 425 マイクロ波導入用窓、 426 導波管、 427 シャッタ、 428 バイアス棒、 429,449,469 ガス導入管、 430,431,432,433,434,441,4
42,443,444, 450,451,452,4
53,454,455,461,462,463, 4
64,465,468,466,470,471,47
2,473,474, 481,482,483,48
4 バルブ、 436,437,438,439,456,457,4
58,459,460, 467,476,477,4
78,479 マスフローコントローラ、 490 基板ホルダー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−177372(JP,A) 特開 平3−136380(JP,A) 特開 平3−200374(JP,A) 特開 平2−155225(JP,A) 特開 昭63−14420(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、シリコン原子を含有する非単
    結晶n型層(またはp型層)、非単結晶i型のn/iバ
    ッファー層(またはp/iバッファー層)、非単結晶i
    型層、非単結晶i型のp/iバッファー層(またはn/
    iバッファー層)及び非単結晶p型層(またはn型層)
    を積層して成るpin構造を、少なくとも1構成以上積
    層した光起電力素子の製造法において、前記p/iバッ
    ファー層と前記p型層の接する界面近傍を、実質的に堆
    積しない程度のシリコン原子含有ガスを含有する水素ガ
    スでプラズマ処理する事を特徴とする光起電力素子の
    造法
  2. 【請求項2】 前記基板と前記n型層の界面近傍(また
    は前記基板と前記p型層の界面近傍)を、実質的に堆積
    しない程度のシリコン原子含有ガスを含有する水素ガス
    でプラズマ処理する事を特徴とする請求項1に記載の光
    起電力素子の製造法
  3. 【請求項3】 前記n/iバッファー層と前記n型層の
    接する界面近傍、前記n/iバッファー層と前記i型層
    の接する界面近傍及び前記p/iバッファー層と前記i
    型層の接する界面近傍を、実質的に堆積しない程度のシ
    リコン原子含有ガスを含有する水素ガスでプラズマ処理
    する事を特徴とする請求項2に記載の光起電力素子の
    造法
  4. 【請求項4】 前記シリコン原子含有ガスは、Si
    4、Si26、SiF4、SiFH3、SiF22、S
    iF3H、SiCl22、SiCl3H、SiCl4
    内、少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1〜
    3のいずれか1項に記載の光起電力素子の製造法
  5. 【請求項5】 前記シリコン原子含有ガスの水素ガスに
    対する含有率が、0.1%以下であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光起電力素子の
    造法
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