JP3017425B2 - 光起電力素子の形成方法 - Google Patents

光起電力素子の形成方法

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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光起電力素子の形成方
法に係る。より詳細には、界面準位に起因する光劣化が
減少し、半導体層間の剥離が防止でき、かつ、耐逆バイ
アス性が高い光起電力素子の形成方法に関する。
【0002】
【従来技術の説明】光起電力素子を構成する半導体層中
に存在する欠陥準位は、電荷の発生や再結合に密接に関
係しており、光起電力素子の特性を左右する因子の1つ
である。
【0003】従来、この様な欠陥準位を補償する方法と
しては、以下に示す水素プラズマ処理が提案されてい
る。 (1)USP4113514(J. I. Pankove等、RC
A社 Sep. 12, 1978)には、完成された半導体素子の、
水素プラズマ処理について記載されている。 (2)“EFFECT OF PLASMA TREATMENT OF THE TCO ON a
-Si SOLAR CELL PERFORMANCE" F. Demichelis et. al.
Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 258, p905, 1992に
は、基板上に堆積した透明電極を水素プラズマ処理し、
その上にpin構造の太陽電池を形成する方法が開示さ
れている。 (3)“HYDROGEN-PLASMA REACTION FLUSHING FOR a-S
i:H P-I-N SOLAR CELL FABRlCATION" Y. S. Tsuo et. a
l. Mat. Res. Soc. Symp. Proc. Vol. 149, p471,1989
には、pin構造の太陽電池を作製するとき、i層の堆
積前にp層の表面を水素プラズマ処理することが示され
ている。
【0004】このような水素プラズマ処理においては、
チャンバーに水素ガスのみを導入し、高周波(以下「R
F」と略記する)パワーで水素ガスを活性化して、水素
プラズマ処理を行っていた。
【0005】しかしながら、上述した水素プラズマは、
処理しようとする基板、未完成素子、及び完成した素子
に作用するとともに、チャンバー内壁全体にも広がる。
水素プラズマは非常に活性であるため、チャンバーの内
壁面から、壁面に吸着または含まれている物質を叩き出
す。その結果、叩き出された物質が、半導体層に取り込
まれると欠陥準位となる不純物(例えば、酸素、チッ
素、炭素、鉄、クロム、ニッケル、アルミニウム等)で
あった場合には、電荷の発生や再結合に乱れが生じ、光
電変換特性が低下するという問題があった。
【0006】また、水素ガスは、放電を起こす事が他の
ガスよりも難しく、水素ガスのみによるプラズマは、プ
ラズマを維持する事が他のガスよりも難しいため安定し
た水素プラズマ処理を行う事ができないという問題点も
あった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラズマ処
理を行う際に、チャンバー内壁面に吸着または含まれて
いる不純物を、半導体層の内部及び界面などに取り込む
ことがなく、かつ、プラズマの放電安定性が高い、光起
電力素子の形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光起電力素子の
形成方法は、シリコン原子を含有し、かつ、結晶構造が
非単結晶であるn型、i型、及びp型の半導体層を積層
してなるpin構造体が、基板上に、少なくとも1回以
上繰り返し配設された光起電力素子の形成方法におい
て、前記半導体層の各表面のうち少なくとも1つの表面
が、酸素原子含有ガスを1〜1000ppm含有した水
素ガス、ヘリウムガス、又はアルゴンガスの雰囲気中で
アニーリング処理されることを特徴とする。
【0009】前記アニーリング処理の温度は50℃〜4
00℃であり、前記アニーリング処理の圧力は0.01
Torr〜10Torrであることが好ましい。
【0010】前記マイクロ波プラズマCVD法に使用す
るマイクロ波の周波数が、0.1〜10GHzであるこ
とが望ましい。
【0011】
【作用】
(請求項1)本発明者は、プラズマCVD法で堆積した
直後の半導体層表面には、以下に示した観点から問題が
あると考えている。 (イ)プラズマCVD法で堆積した直後の半導体層表面
は、未結合手が多く、また構造の歪みがあり、非常に活
性である。 (ロ)上記(イ)の状態で放置し次層を積層すると、前
層と次層の間に界面準位が非常に多く残存し、光起電力
素子の電気的特性や機械的な特性の低下を招く。 (ハ)前層の末結合手や構造の歪みは次層の堆積に影響
し、次層の異常成長が生じる。
【0012】請求項1に係る発明では、これらの問題を
解消する方法として、半導体層の各表面のうち少なくと
も1つの表面が、酸素原子含有ガスを1〜1000pp
m含有した水素ガス、ヘリウムガス、又はアルゴンガス
の雰囲気中でアニーリング処理された。その結果、酸化
速度を制御することができる。酸素原子含有ガスの添加
量が多すぎるとシリコン層の酸化が進みすぎ、光起電力
素子の特性を低下させる。一方、酸素原子含有ガスの添
加量が少なすぎると本発明の効果が得られにくい。
【0013】また、本発明者は、以下に示す作用がある
と判断した。 (1)酸素原子は2配向するためシリコン原子と結合し
た場合に構造柔軟性が増し、このことによって界面準位
が減少できる。
【0014】(2)酸素原子はシリコン原子と結合エネ
ルギーが大きいため、大量に酸素原子の存在する状況で
アニーリング処理を行うとシリコン表面が酸化しすぎて
絶縁化する事が生じるが、本発明の様に酸素原子含有量
の少ない、制御された状況でアニーリング処理を行う
と、シリコン表面の数原子層以下の表面を処理する事が
できる。
【0015】(3)上記(1)及び(2)のように、酸
素原子含有ガスによって表面処理されたシリコン表面上
に、次層を積層すると表面欠陥や構造的な歪みが減少し
ているために、次層も欠陥準位の非常に少ない堆積膜を
形成する事ができ、また、次層は柱状構造のない均一な
膜が形成できる。
【0016】(4)酸素原子はシリコン原子と結合する
事によって酸化シリコンを形成し、該酸化シリコン層は
バンドギャップがシリコン原子からなる層よりも広いた
めに、光起電力素子としては起電力が大きくなる。
【0017】(5)上記(1)〜(4)のような酸化シ
リコン層では、シリコン原子からなる層よりも伝導帯と
価電子帯の位置がが共に離れる用に広がるために、即ち
電子親和力勾配やイオン化エネルギー勾配が形成され、
該酸化シリコン層の近傍で光励起された電荷が再結合す
ることなく効率よく分離できる。その結果、光起電力素
子の光電流が大きくなる。特に、酸化シリコン層側から
光を照射する場合には、短波長側の光の利用効率が向上
する。また、界面準位に関係した光劣化が減少する。
【0018】(6)酸素原子はシリコン原子と結合した
場合に、電気陰性度が大きいため負に電荷を帯びる。そ
の結果、次層との密着性が向上する。特に、高温高湿に
光起電力素子をおいた場合の半導体層の剥離が低減でき
る。また、光起電力素子を折り曲げた場合においても半
導体層間の剥離が防止できる。
【0019】(7)酸化シリコン層が形成される事によ
って、次層にp型層やn型層を堆積した場合、次層から
の不純物の拡散を防止する事ができる。特に、光起電力
素子を高い温度で使用した場合に特性の低下が少ない。
【0020】(8)極薄い酸化シリコン層を、光起電力
素子のi型層とp型層またはn型層の界面近傍に存在さ
せる事によって、酸化シリコン層のバンドギャップが広
いため、光起電力素子に逆バイアスが印加された場合に
壊れにくくなる。
【0021】また、酸素原子含有ガスの添加量としては
酸素ガス等の活性なガスは添加量を少なくしてアニーリ
ング処理するのが好ましいものである。CO2等の比較
的不活性なガスは添加量を多めにするのが好ましいもの
である。
【0022】さらに、酸素元素含有ガスを添加した水素
ガス、ヘリウムガスまたはアルゴンガスの導入方法とし
ては、シリコン半導体層に吹きつけるように導入するの
が好ましいものである。この様に導入する事によってシ
リコン半導体表面を均一に処理できるものと考えられ
る。
【0023】(請求項2)請求項2に係る発明では、ア
ニーリング処理の温度を50℃〜400℃とした。その
結果、シリコン層に対する酸化を、適当な膜厚分だけ行
うことができる。50℃より低い温度では、酸化がしづ
らい。また、400℃より高い温度では、シリコン層表
面が酸化しすぎて絶縁化してしまう。また、光起電力素
子そのものが、破壊する場合もある。したがって、アニ
ーリング処理の温度を50℃〜400℃とした場合にの
み、シリコン層表面の酸化を制御可能となる。
【0024】活性な酸素原子含有ガスを添加して本発明
のアニーリング処理を行う場合には、比較的低い温度で
処理を行うのが好ましい。また、比較的不活性な酸素原
子含有ガスを添加して本発明のアニーリング処理を行う
場合には、比較的高い温度でアニーリング処理を行うの
が好ましい。本発明のアニーリング処理を温度を変えな
がら行う事も好ましい。本発明のアニーリング処理時の
温度分布としては、処理しようとするシリコン半導体層
を堆積した直後は比較的高い温度で処理を行い、しだい
に温度を下げて行く様に行う事が望ましい。
【0025】(請求項3)請求項3に係る発明では、ア
ニーリング処理の圧力を0.01Torr〜10Tor
rとした。その結果、シリコン層に対する酸化を、適当
な膜厚分だけ行うことができる。0.01Torrより
低い圧力では、酸化がしづらい。また、10Torrよ
り高い圧力では、シリコン層表面が酸化しすぎて絶縁化
してしまう。また、光起電力素子そのものが破壊する場
合もある。したがって、アニーリング処理の圧力を0.
01Torr〜10Torrとした場合にのみ、シリコ
ン層表面の酸化を制御可能となる。
【0026】特に、ロール・ツー・ロール方式で処理を
行う場合には、半導体層の成膜空間側で圧力が低くなる
ように、圧力設定を行う事が好ましい。
【0027】(請求項4)請求項4に係る発明では、マ
イクロ波プラズマCVD法に使用するマイクロ波の周波
数を、0.1〜10GHzとしたため、異なる分解エネ
ルギーを持つ原料ガスを低圧力で効率よく分解でき、そ
の結果、高速成膜をすることが可能となる。したがっ
て、本発明のアニーリング処理を上記マイクロ波周波数
領域の堆積膜に行うことにより、なおいっそうシリコン
層表面の構造緩和が進み界面準位に関係した光劣化が抑
制できるようになる。
【0028】
【実施態様例】
(光起電力素子)本発明におけるアニーリング処理を行
って形成した光起電力素子としては、図1〜図3に示す
ものが挙げられる。図1、図2、及び図3は、各々、1
つのpin構造体を有する場合、2つのpin構造体を
有する場合、及び3つのpin構造体を有する場合を示
している。以下では、図1〜図3に関して説明する。
【0029】図1は、pin構造を1つ有する光起電力
素子の模式的説明図である。該光起電力素子としては、
基板と反対側から光を照射する場合と、基板側から光を
照射する場合の2通りある。
【0030】基板と反対側から光を照射する場合は、下
から順に、支持体100、反射層101、及び反射増加
層102からなる基板190、第1のn型層(またはp
型層)103、n/i(またはp/i)バッファー層1
51、第1のi型層104、p/i(またはn/i)バ
ッファー層161、第1のp型層(またはn型層)10
5、透明電極112、集電電極113から構成されてい
る。
【0031】また、基板側から光を照射する場合は、1
00を透光性の支持体に、101を透明導電層に、10
2を反射防止層に、112を反射層を兼ねた導電層に置
換して構成される。
【0032】図2は、pin構造を2つ有する光起電力
素子の模式的説明図である。該光起電力素子としては、
基板と反対側から光を照射する場合と、基板側から光を
照射する場合の2通りある。
【0033】基板と反対側から光を照射する場合は、下
から順に、支持体200、反射層201、及び反射増加
層202からなる基板290、第1のn型層(またはp
型層)203、n/i(またはp/i)バッファー層2
51、第1のi型層204、p/i(またはn/i)バ
ッファー層261、第1のp型層(またはn型層)20
5、第2のn型層(またはp型層)206、第2のi型
層207、第2のp型層(またはn型層)208、透明
電極212、集電電極213から構成されている。
【0034】また、基板側から光を照射する場合は、2
00を透光性の支持体に、201を透明導電層に、20
2を反射防止層に、212を反射層を兼ねた導電層に置
換して構成される。
【0035】図3は、pin構造を3つ有する光起電力
素子の模式的説明図である。該光起電力素子としては、
基板と反対側から光を照射する場合と、基板側から光を
照射する場合の2通りある。
【0036】基板と反対側から光を照射する場合は、下
から順に、支持体300、反射層301、及び反射増加
層302からなる基板390、第1のn型層(またはp
型層)303、第1のn/i(またはp/i)バッファ
ー層351、第1のi型層304、第1のp/i(また
はn/i)バッファー層361、第1のp型層(または
n型層)305、第2のn型層(またはp型層)30
6、第2のn/i(またはp/i)バッファー層35
2、第2のi型層307、第2のp/i(またはn/
i)バッファー層362、第2のp型層(またはn型
層)308、第3のn型層(またはp型層)309、第
3のi型層310、第3のp型層(またはn型層)31
1、透明電極312、集電電極313から構成されてい
る。
【0037】また、基板側から光を照射する場合は、3
00を透光性の支持体に、301を透明導電層に、30
2を反射防止層に、312を反射層を兼ねた導電層に置
換して構成される。
【0038】(アニーリング処理)本発明におけるアニ
ーリング処理は、例えば、p/iバッファー層とp型層
との界面近傍、n/iバッファー層とn層との界面近
傍、i層とp層または/及びn層との界面近傍等に行う
のが効果的である。本発明の目的を達するに適した水素
ガス、ヘリウムガス、又はアルゴンガスの流量は、処理
用のチャンバーの大きさによって適宜最適化されるもの
ではあるが、100〜10000sccmが好ましい。
【0039】(光起電力素子の形成装置及び形成方法)
本発明における形成装置としては、図4及び図5に示す
ものが挙げられる。図4はインライン方式の形成装置、
図5はロール・ツー・ロール方式の形成装置の一例を示
す模式的断面図である。
【0040】以下では、図4に示したインライン方式の
形成装置に関して説明する。形成装置400は、ロード
チャンバー401、搬送チャンバー402、403、4
04、アンロードチャンバー405、ゲートバルブ40
6、407、408、409、基板加熱用ヒーター41
0、411、412、基板搬送用レール413、n型層
(またはp型層)堆積チャンバー417、i型層堆積チ
ャンバー418、p型層(またはn型層)堆積チャンバ
ー419、プラズマ形成用カップ420、421、電源
422、423、424、マイクロ波導入用窓425、
導波管426、ガス導入管429、449、469、バ
ルブ430、431、432、433、434、44
1、442、443、444、450、451、45
2、453、454、455、461、462、46
3、464、465、470、471、472、47
3、474、481、482、483、484、マスフ
ローコントローラー436、437、438、439、
456、457、458、459、460、476、4
77、478、479、シャッター427、バイアス棒
428、基板ホルダー490、不図示の排気装置、不図
示のマイクロ波電源、不図示の真空計、不図示の制御装
置等から構成されている。
【0041】以下では、図4に示したインライン方式の
形成装置を用いた光起電力素子の形成方法に関して説明
する。括弧付きの番号は形成手順を示す。 (1)堆積装置400の全てのチャンバーを、各チャン
バーに接続してある不図示のターボ分子ポンプで10-6
Torr以下の真空度まで排気する。
【0042】(2)ステンレス支持体に銀等の反射層を
蒸着し、さらに酸化亜鉛等の反射増加層を蒸着した基板
を基板ホルダー490に取りつける。 (3)基板ホルダー490をロードチャンバー401に
入れる。ロードチャンバー401の扉を閉じ、ロードチ
ャンバー401を不図示のメカニカルブースターポンプ
/ロータリーポンプ(MP/RP)で所定の真空度まで
排気する。
【0043】(4)ロードチャンバーが所定の真空度に
なったならば、MP/RPをターボ分子ポンプに切り替
えて10-6Torr以下の真空度まで排気する。 (5)ロードチャンバーが10-6Torr以下の真空度
になったならば、ゲートバルブ406を開け、基板搬送
用レール413上の基板ホルダー490を搬送チャンバ
ー402に移動させ、ゲートバルブ406を閉じる。
【0044】(6)搬送チャンバー402の基板加熱用
ヒーター410を基板ホルダー490がぶつからない様
に上に上げる。基板が該ヒーター直下に来る様に基板ホ
ルダーの位置を決める。基板加熱用ヒーター410を下
げ、基板をn型層堆積チャンバー内に入れる。
【0045】(7)基板温度はn型層の堆積に適した温
度に変更し、n型層堆積用のSiH4,Si26等のシ
リコン原子含有ガス及びn型層堆積用の周期律表第V族
元素含有ガスをバルブ433、マスフローコントローラ
ー438、バルブ433を介して堆積チャンバー417
に導入する。また水素ガスの流量もn型層に合わせて適
宜調節するのが好ましいものである。この様にしてn型
層堆積用の原料ガスを堆積チャンバー417に導入し、
不図示の排気弁の開閉度を変えて堆積チャンバー417
内を0.1から10Torrの所望の真空度にする。
【0046】(8)RF電源422からプラズマ形成用
カップ420にRFパワーを導入し、プラズマ放電を起
こし、所望の時間放電を維持する。この様にして基板上
にn型層の半導体層を所望の厚さ堆積する。
【0047】(9)n型層の堆積が終了した後、原料ガ
スを堆積チャンバー417に導入するのを停止し、該チ
ャンバー内を水素ガスまたはヘリウムガスでパージす
る。十分にパージをしたならば、水素ガスまたはヘリウ
ムガスの供給を止め、堆積チャンバー内をターボ分子ポ
ンプで10-6Torrまで減圧する。
【0048】(10)ゲートバルブ407を開けて基板
ホルダー490を搬送チャンバー403に移動し、ゲー
トバルブ407を閉じる。 (11)基板が基板加熱用ヒーター411で加熱できる
様に基板ホルダー位置を調節する。基板加熱用ヒーター
を基板に接触させ基板を所定の温度に加熱する。同時に
水素ガスまたはヘリウムガス等の不活性ガスを堆積チャ
ンバー418に導入する。またその時の真空度は、n/
iバッファー層を堆積するときと同じ真空度で行うのが
好ましいものである。
【0049】(12)基板温度が所望の温度になったな
らば、基板加熱用のガスを止め、n/iバッファー層堆
積用の原料ガスをガス供給装置から堆積チャンバー41
8に供給する。例えば水素ガス、シランガス、ゲルマン
ガスを、それぞれバルブ462、463、464を開
け、マスフローコントローラー457、458、459
で所望の流量設定し、バルブ452、453、454、
450を開けてガス導入管449を介して堆積チャンバ
ー418に供給する。同時に不図示の拡散ポンプで供給
ガスを、堆積チャンバー418の真空度が所望の圧力に
なる様に真空引きする。
【0050】(13)チャンバー418内の真空度が所
望の真空度で安定したならば、不図示のRF電源から所
望の電力をバイアス印加用のバイアス棒に導入する。そ
してRFプラズマCVD法でn/iバッファー層を堆積
する。n/iバッファー層は、この後に堆積するi型層
よりも堆積速度を遅くして堆積するのが好ましいもので
ある。
【0051】(14)基板温度をi型層堆積の所定の温
度になる様に加熱する。水素ガスやヘリウムガス等の不
活性ガスをバルブ461を開け、マスフローコントロー
ラーで所望の流量設定し、バルブ451、450を開け
て流しながら基板加熱を行う事が好ましいものである。
またその時の真空度は、i型層を堆積するときと同じ真
空度で行うのが好ましいものである。
【0052】(15)基板温度が所望の温度になったな
らば、基板加熱用のガスを止め、i型層堆積用の原料ガ
スをガス供給装置から堆積チャンバー418に供給す
る。例えば水素ガス、シランガス、ゲルマンガスを、そ
れぞれバルブ462、463、464を開け、マスフロ
ーコントローラー457、458、459で所望の流量
設定し、バルブ452、453、454、450を開け
てガス導入管449を介して堆積チャンバー418に供
給する。同時に不図示の拡散ポンプで供給ガスを、堆積
チャンバー418の真空度が所望の圧力になる様に真空
引きする。
【0053】(16)チャンバー418内の真空度が所
望の真空度で安定したならば、不図示のマイクロ波電源
から所望の電力を導波管426とマイクロ波導入窓42
5を介して堆積チャンバー418に導入する。マイクロ
波エネルギーの導入と同時に、堆積チャンバー418の
拡大図に示す様に、バイアス印加用バイアス棒に外部の
DC、RFまたはVHF電源424から所望のバイアス
電力を堆積チャンバー418内に導入するのも好ましい
ものである。この様にして所望の層厚にi型層を堆積す
る。該i型層が所望の層厚に堆積できたならば、マイク
ロ波パワーとバイアスの印加を停止しする。
【0054】(17)必要に応じて堆積チャンバー41
8内を水素ガスまたはヘリウムガス等の不活性ガスでパ
ージする。この後前記n/iバッファー層の堆積と同様
にして、p/iバッファー層を所望の層厚に堆積する。
その後、必要に応じて堆積チャンバー418内を水素ガ
スまたはヘリウムガス等の不活性ガスでパージする。
【0055】(18)p/i型層上に本発明のアニーリ
ング処理は次の様にして行われるものである。本発明の
アニーリングに必要な原料ガスにボンベ等を変えて、ガ
スラインを十分にパージした後、チャンバー内に本発明
のアニーリング処理を行うに必要な水素ガスと酸素原子
含有ガスをバルブ461、462、マスフローコントロ
ーラー456、457、バルブ451、452、バルブ
450を介して所定の流量を堆積チャンバー418に導
入する。不図示の排気弁の開閉度を変えて堆積チャンバ
ー418内を所望の真空度にする。この様にして所定の
時間本発明のアニーリング処理を行う。
【0056】基板の正面状態やチャンバーの内壁の状態
によって、アニーリング処理を行っている間に、水素ガ
スの流量、酸素原子含有ガスの流量、基板温度等を適宜
変化させることが望ましいものである。これらのパラメ
ーターの好ましい変化の形としては、最初は、水素流量
を多くし時間とともに水素流量を少なくするものであ
る。酸素原子含有ガスの流量変化の形としては、最初に
は酸素原子含有ガスの流量が少なく時間とともに酸素原
子含有ガスの流量を増加させるものである。
【0057】(19)上記のアニーリング処理が終了し
た後、堆積チャンバー内をパージし、排気を拡散ポンプ
からターボ分子ポンプに替えて、堆積室内の真空度を1
-6Torr以下の真空度にする。同時に基板加熱用の
ヒーターを上に上げ、基板ホルダーが移動できる様にす
る。ゲートバルブ408を開け、基板ホルダーを搬送チ
ャンバー403から搬送チャンバー404に移動させ、
ゲートバルブ408を閉じる。
【0058】(20)基板ホルダーを基板加熱用ヒータ
ー412の真下に移動させ、基板を基板加熱用ヒーター
412で加熱する。排気をターボ分子ポンプからMP/
RPにかえて、加熱時に水素ガスやヘリウムガス等の不
活性ガスをp型層の堆積時の圧力になる様に流して基板
加熱を行う事はより好ましい形態である。基板温度が所
望の基板温度に安定したならば、基板加熱用の水素ガス
や不活性ガス等の基板加熱用のガスの供給を停止し、p
型層堆積用の原料ガスとして、H2、SiH4を、p型層
のときはBF3等の周期律表第III族元素含有ガスを
バルブ482、483、484を開け、マスフローコン
トローラー477、478、479を介して、さらにバ
ルブ472、473、474を開けて、堆積チャンバー
419へガス導入管469を通して所望の流量供給す
る。
【0059】(21)堆積チャンバー419の内圧が所
望の真空度になる様に排気バルブを調節し、所望の真空
度で安定した後、RF電源423からRFパワーをプラ
ズマ形成用カップに供給する。そうして所望の時間堆積
してp型層を堆積する。
【0060】(22)堆積終了後、RFパワー、原料ガ
スの供給を停止し、水素ガスまたはヘリウムガス等の不
活性ガスで堆積チャンバー内を十分にパージする。パー
ジの終了後、排気をMP/RPからターボ分子ポンプに
替えて10-6Torr以下の真空度に排気する。同時に
基板加熱用のヒーター412を上に上げ、ゲートバルブ
409を開けて、基板ホルダー490をアンロードチャ
ンバー405に移動させる。ゲートバルブ409を閉
じ、基板ホルダーが100℃以下になったらアンロード
チャンバーの扉を開けて、外に取り出す。上述した工程
により、本発明のアニーリング処理をした基板上にpi
n半導体層が形成される。
【0061】(23)pin半導体層を形成した基板
を、透明電極堆積用の真空蒸着器にセットして、透明電
極を半導体層上に形成する。さらに、この透明電極を形
成した基板を、集電電極堆積用の真空蒸着器にセットし
て、集電電極を蒸着する。 上述した工程(1)〜(23)により本発明の光起電力
素子は形成される。
【0062】また、基板とn型層の界面近傍について
も、本発明のアニーリング処理を行う事も好ましいもの
である。基板とn型層の界面近傍をアニーリング処理を
行うには、n型層堆積用チャンバーまたはi型層堆積用
チャンバーに基板を前記手順で搬送して、基板を所定の
基板温度に保持し、前記手順で酸素原子含有ガス及び水
素ガスを所定の流量を堆積チャンバーに導入する。適し
た真空度になる様に、圧力調整バルブで圧力を調整す
る。基板上に所定の時間本発明のアニーリング処理を行
う。
【0063】さらに、n/iバッファー層とi型層の界
面近傍についても、本発明のアニーリング処理を行う事
によって光起電力素子の特性は更に向上するのである
が、n/i型層上に本発明のアニーリング処理は次の様
にして行われるものである。
【0064】本発明のアニーリング処理に必要な原料ガ
スボンベに交換して、ガスラインを十分にパージする。
チャンバー内に本発明のアニーリング処理を行うに必要
な水素ガスとシリコン原子含有ガスをバルブ461、4
62、マスフローコントローラー456、457、バル
ブ451、452、バルブ450を介して所定の流量を
堆積チャンバー418に導入する。不図示の排気弁の開
閉度を変えて堆積チャンバー418内を所望の真空度に
する。この様にして所定の時間本発明のアニーリング処
理を行う。
【0065】基板の正面状態やチャンバーの内壁の状態
によって、アニーリング処理を行っている間に、水素ガ
スの流量、酸素原子含有ガスの流量、基板温度等を適宜
変化させることが望ましいものである。これらのパラメ
ーターの好ましい変化の形としては、最初は、水素流量
を多くし時間とともに水素流量を少なくするものであ
る。酸素原子含有ガスの流量変化の形としては、最初に
は酸素原子含有ガスの流量が少なく時間とともに酸素原
子含有ガスの流量を増加させるものである。基板温度は
最初には高く、時間の経過とともに低い温度にして行く
事が好ましい変化の形態である。
【0066】またさらに、i型層上に本発明のアニーリ
ング処理は次の様にして行われるものである。本発明の
アニーリング処理に必要な原料ガスボンベに交換して、
ガスラインを十分にパージする。チャンバー内に本発明
アニーリング処理を行うに必要な水素ガスと酸素原子
含有ガスをバルブ461、462、マスフローコントロ
ーラー456、457、バルブ451、452、バルブ
450を介して所定の流量を堆積チャンバー418に導
入する。不図示の排気弁の開閉度を変えて堆積チャンバ
ー418内を所望の真空度にする。この様にして所定の
時間本発明のアニーリング処理を行う。
【0067】基板の正面状態やチャンバーの内壁の状態
によって、アニーリング処理を行っている間に、水素ガ
スの流量、酸素原子含有ガスの流量、基板温度等を適宜
変化させることが望ましいものである。これらのパラメ
ーターの好ましい変化の形としては、最初は、水素流量
を多くし時間とともに水素流量を少なくするものであ
る。酸素原子含有ガスの流量変化の形としては、最初に
は酸素原子含有ガスの流量が少なく時間とともに酸素原
子含有ガスの流量を増加させるものである。基板温度は
最初には高く、時間の経過とともに低い温度にしていく
事が好ましい変化の形態である。
【0068】以下では、図5に示したロール・ツー・ロ
ール方式の形成装置に関して説明する。形成装置500
0は、シート状基板導入用のロード室5010とアンロ
ード室5150との間に、第1のn型層堆積室502
0、第1のRF−i層(n/i)堆積室5030、第1
のMW−i層堆積室5040、第1のRF−i層(p/
i)堆積室5050、第1のp型層堆積室5060、第
2のn型層堆積室5070、第2のRF−i層(n/
i)堆積室5080、第2のMW−i層堆積室509
0、第2のRF−i層(p/i)堆積室5100、第2
のp型層堆積室5110、第3のn型層堆積室512
0、RF−i層堆積室5130、及び第3のp型層堆積
室5140、からなる13の堆積室を繋げた構成からな
っている。
【0069】上記各室の間は、ガスゲート(5201、
5202、5203、5204、5205、5206、
5207、5208、5209、5210、5211、
5212、5213、5214)を介して接続されてい
る。そして、各ガスゲートには、ガスゲートへのガス供
給管(5301、5302、5303、5304、53
05、5306、5307、5308、5309、53
10、5311、5312、5313、5314)が配
設されている。
【0070】ロード室5010、アンロード室515
0、及び各堆積室には、排気管(5011、5021、
5031、5041、5051、5061、5071、
5081、5091、5101、5111、5121、
5131、5141、5151)を介して排気ポンプ
(5012、5022、5032、5042、505
2、5062、5072、5082、5092、510
2、5112、5122、5132、5142、515
2)が設けられている。
【0071】各堆積室には、原料ガス供給管(502
5、5035、5045、5055、5065、507
5、5085、5095、5105、5115、512
5、5135、5145)を介してミキシング装置(5
026、5036、5046、5056、5066、5
076、5086、5096、5106、5116、5
126、5136、5146)が設けられている。
【0072】また、各堆積室には、RF供給用同軸ケー
ブル(5023、5033、5043、5053、50
63、5073、5083、5093、5103、51
13、5123、5133、5143)を介してRF電
源(5024、5034、5044、5054、506
4、5074、5084、5094、5104、511
4、5124、5134、5144)が設けられてい
る。
【0073】ロード室5010とアンロード室5150
の中には、各々シート送り出し治具5400とシート巻
き取り治具5402が配設されている。シート送り出し
治具5400から送り出されたシート状基板5401
は、前記13の堆積室を通過して、シート巻き取り治具
5402に巻き取られるように配置する。
【0074】そのほかに、不図示のMW−i層堆積室に
はバイアス印加用の同軸ケーブル及び電源、排ガス処理
装置等に接続されている。
【0075】以下では、図5に示したロール・ツー・ロ
ール方式の形成装置を用いた光起電力素子の形成方法に
関して説明する。括弧付きの番号は、形成手順を示す。 (1)ステンレス支持体上にAg(またはAl−Si
等)の反射層とZnO等の反射増加層を形成したシート
状基板をロール状に巻き取り、シート状基板導入用のロ
ード室5010にセットする。
【0076】(2)シート状基板を全堆積室内と全ガス
ゲートを通してアンロード室5150のシート巻き取り
治具5402に接続する。各堆積室を不図示の排気装置
で10 -3Torr以下に排気した後、各堆積膜形成用の
ミキシング装置5024、5034、5044、505
4、5064、5074、5084、5094、510
4、5114、5124、5134、5144から、水
素ガスを各堆積室に供給する。
【0077】(3)各ガスゲート5201、5202、
5203、5204、5205、5206、5207、
5208、5209、5210、5211、5212、
5213、5214には、各ゲートガス供給装置から水
素ガスを各ガスゲートに供給する。ガスゲートに供給す
る水素ガスの流量は、隣接する堆積室の原料ガスが混じ
りあわない様な流量が必要である。好ましい流量はガス
ゲートのシート状基板緒通過する間隔に依存する。該間
隔が0.5mm〜5mmの場合には、水素ガスは200
sccm〜3000sccmが好ましい流量である。
【0078】(4)各堆積室の基板加熱用ヒーターで、
シート状基板5401を所定の基板温度に加熱する。基
板温度が安定したら各推積室に供給している水素ガス
を、各堆積室で堆積する所望の原料ガスに切り替える。
原料ガスの切替が終了したら、各排気装置の排気バルブ
の開閉度を調節して各堆積室を所望の真空度に調節す
る。 (5)シート状基板5401の搬送を始める。真空度が
安定してから、各堆積室にプラズマ発生用のRF電力や
MW電力を供給する。以上の様にしてシート状基板上に
pin構造を3つ積層した光起電力素子を形成する。
【0079】(6)1ロールに渡って光起電力素子を形
成した後、プラズマ放電を停止し、ガスゲート5201
に取りつけてあるピンチバルブ(基板を板状ゴムで挟ん
で真空を維持するバルブ)を閉じて、シート状基板導入
用のロード室5010をチッ素ガスでリークし、ロール
状に巻き取ったシート状基坂5401を取りつける。シ
ート状基板5401の端を前記ピンチバルブで閉じたシ
ート状基板の端に溶接で接続する。
【0080】(7)ロード室5010を閉じてロード室
を所定の真空度に排気する。ピンチバルブを開け、プラ
ズマ放電を再開し光起電力素子の形成を始める。又同様
にシート状基板の搬送を開始する。 以上の過程を繰り返す事によってロール状に巻き取った
シート状基板に光起電力素子を形成する。
【0081】以下では、図6に示したロール・ツー・ロ
ール方式の形成装置における、RFプラズマCVDによ
る堆積膜形成室601に関して説明する。堆積膜形成室
601は、シート状基板加熱用のランプヒーター60
2、基板温度を所望の温度分布にするための制御板60
3、シート状基板616と実質的に平行なRF電力導入
用の平板状または格子状電極604、原料ガスの前加熱
用のヒーター605、原料ガス導入管606、電極絶縁
用碍子607、RF導入用導波管608、排気管60
9、原料ガスの流れ610、ガスゲート611、ガスゲ
ート用ガス供給管612、ガスゲートの間隔調節板61
3、隣接する堆積室614、615、シート状基板61
6等から構成されている。
【0082】RFプラズマCVD法用の原料ガスは、原
料ガスの前加熱用のヒーター605によって加熱され、
原料ガス中に含まれている不純物はシラン系原料ガスと
反応し、壁面に堆積する。その結果原料ガス中に含有さ
れている不純物が減少し、良質な堆積膜が形成できるも
のである。
【0083】また、原料ガスの前加熱によって原料ガス
が活性になるため、比較的低いRF電力で堆積膜が形成
できるものである。特にこのことは各層を積層する場合
に下部層に対して、ダメージを低く抑えることができ、
各層間の界面準位を低減できるものである。特に本発明
の光起電力素子のMW−i層上にRFプラズマCVD法
で層を積層する場合にはMW−i層中に含有されている
塩素原子の拡散を防止し、光起電力素子の特性を向上さ
せるためにはRFプラズマCVD用の原料ガスを前加熱
する事は非常に効果のある事である。好ましい温度範囲
はガス温度で150〜450℃である。
【0084】さらに、シート状基板加熱用のランプヒー
ター602は、通常は基板温度が堆積室601内で均一
になる様に配置するが、RF−i層では、光起電力素子
の光起電力が大きくなる様に、n型層または/及びp型
層に向かって基板温度が低くなる様にヒーターの配置を
行うのが好ましいものである。
【0085】またさらに、RFプラズマ放電の放電空間
をおおう堆積室の外壁は、冷却用の配管を配置して、冷
却水を循環させる事が大切である。堆積室の外壁を冷却
する事によって、堆積室の外壁からの脱ガスによる不純
物の堆積膜への混入を防止する事ができるものである。
堆積室内壁の温度は50℃以下に冷却するのが好ましい
ものである。
【0086】以下では、図7に示したロール・ツー・ロ
ール方式の形成装置における、マイクロ波プラズマCV
Dによる堆積膜形成室701に関して説明する。
【0087】堆積膜形成室701は、基板加熱用ヒータ
ー702、基板温度調節用制御板703、MW導入用窓
704、バイアス印加用のバイアス電極705、プラズ
マ放電の広がりを制御するためのメッシュ状板706、
バイアス印加用ケーブル708、原料ガス導入管70
9、拡散ポンプ710、ガスゲート711、ガスゲート
へのガス供給管712、隣接する堆積室713、71
4、シート状基板715等から構成され、さらに不図示
のバイアス印加用電源、ミキシングパネル、メカニカル
ブースターポンプ、ロータリーポンプ等が接続されてい
る。
【0088】MW−i層の堆積室701において、基板
加熱用のヒーター702は基板温度が均一になる様に配
置するのが好ましいものである。その一例としては図7
に示す様にヒーターを山型に配置するのが好ましいもの
である。また堆積室の外壁には、水冷用の配管を配置し
堆積室の外壁を冷却するのが好ましいものである。堆積
室の外壁を冷却する事によって、堆積室の内壁からの脱
ガスを極力抑える事ができ、良質な堆積膜を形成する事
ができるものである。堆積室内壁の温度は、脱ガスを減
少させるためには、50℃以下に冷却するのが好ましい
ものである。
【0089】上述したロール・ツー・ロール方式の形成
装置における本発明のアニーリング処理は、ガスゲート
から供給されるガスに、本発明の酸素原子含有ガスを含
有する水素ガス、ヘリウムガスまたはアルゴンガスを加
えて流すことによって行われる。
【0090】また、本発明のアニーリング処理を行う光
起電力素子の形成方法において用いるガスボンベは、必
要に応じて適宜必要なガスボンベと交換して使用すれば
良い。その場合、ガスラインは十分に加熱パージする事
が好ましい。
【0091】pin半導体層を複数積層した光起電力素
子は、形成装置400におけるn型層の堆積チャンバ
ー、i型層の堆積チャンバー、及びp型層の堆積チャン
バーで、所望の回数堆積操作することによって形成する
ことができる。
【0092】(支持体) 本発明における支持体の材質としては、堆積膜形成時に
必要とされる温度において変形、歪みが少なく、所望の
強度を有し、また導電性を有するものであることが望ま
しい。また、反射層や反射増加層を堆積した後に行う本
発明のアニーリング処理を行っても反射層や反射増加層
の支持体との密着性の低下しない支持体が好ましい。
【0093】具体的には、例えば、ステンレススチー
ル、アルミニウム及びその合金、鉄及びその合金、銅及
びその合金等の金属の薄膜及びその複合体、及びそれら
の表面に異種材料の金属薄膜及び/またはSiO2,S
34,Al23,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ
法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理を行
ったもの、ポリイミド、ポリアミド、ポリエチレンテレ
フタレート、エポキシ等の耐熱性樹脂性シートまたはこ
れらとガラスファイバー、カーボンファイバー、ホウ素
ファイバー、金属繊維等との複合体の表面に金属単体ま
たは合金、及び透明導電性酸化物等を鍍金、蒸着、スパ
ッタ、塗布等の方法で導電性処理を行ったものが挙げら
れる。
【0094】支持体の厚さとしては、支持体の移動時に
形成される湾曲形状が維持される強度を発揮する範囲内
であれば、コスト、収納スペース等を考慮して可能な限
り薄いほうが望ましい。具体的には、好ましくは0.0
1mm乃至5mm、より好ましくは0.02mm乃至2
mm、最適には0.05mm乃至1mmであることが望
ましいが、金属等の薄膜を用いる場合、厚さを比較的薄
くしても所望の強度が得られやすい。
【0095】支持体の幅については、特に制限されるこ
とはなく、真空容器のサイズ等によって決定される。支
持体の長さについては、特に制限されることはなく、ロ
ール状に巻き取られる程度の長さであっても、長尺のも
のを溶接等によってさらに長尺化したものであっても構
わない。
【0096】本発明では支持体を短時間のうち加熱/冷
却するが、温度分布が支持体の長尺方向に広がるのは好
ましくないため、支持体の移動方向の熱伝導は少ないほ
うが望ましく、支体表面温度が加熱/冷却に追従するた
めには厚さ方向に熱伝導が大きい方が好ましい。
【0097】支持体の熱伝導を、移動方向に少なく、厚
さ方向に大きくするには、厚さを薄くすれば良い。支持
体が均一の場合、(熱伝導)×(厚さ)の値は、好まし
くは1×10-1W/K以下、より好ましくは5×10-2
W/K以下であることが望ましい。
【0098】(反射層)本発明における反射層の材質と
しては、例えば、Ag,Au,Pt,Ni,Cr,C
u,Al,Ti,Zn,Mo,Wなどの金属、又はこれ
らの合金が挙げられる。これらの金属からなる薄膜は、
例えば、真空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリングな
どで形成する。また、形成された金属薄膜が光起電力素
子の出力に対して抵抗成分とならぬように配慮されねば
ならず、反射層のシート抵抗値は、好ましくは50Ω以
下、より好ましくは10Ω以下であることが望ましいも
のである。
【0099】前記支持体が透光性であって、透光性の支
持体から光起電力素子に光を照射する場合、前記反射層
の代わりに透光性の導電層が設けられる。この様な目的
に適した透光性の導電層としては、例えば、酸化錫、酸
化インジウム、又はこれらの合金等が適したものであ
る。更にこれらの透光性の導電層の層厚としては、反射
防止の条件になる様な層厚に堆積するのが好ましいもの
である。これらの透光性導電層のシート抵抗としては、
好ましくは50Ω以下、より好ましくは10Ω以下であ
ることが望ましいものである。
【0100】(反射増加層)本発明における反射増加層
は、太陽や白色蛍光灯などからの光を各半導体層内に効
率よく吸収させるために、光の透過率が85%以上であ
ることが望ましく、さらに、電気的には光起電力素子の
出力にたいして抵抗成分とならぬようシート抵抗値は1
00Ω以下であることが望ましい。このような特性を備
えた材料としては、例えば、SnO2,In23,Zn
O,CdO,Cd2SnO4,ITO(In23+SnO
2)などの金属酸化物が挙げられる。
【0101】反射増加層は、光起電力素子においてはp
型層またはn型層半の上に積層され、透光性支持体上に
光起電力素子を形成し、透光性支持体側から光照射をす
る場合には、支持体上に積層されるものであるため、相
互の密着性の良いものを選ぶことが必要である。
【0102】また、反射増加層は反射増加の条件に合う
様な層厚に堆積するのが好ましい。反射増加層の作製方
法としては、例えば、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱
蒸着法、スパッタリング法、スプレー法などを用いるこ
とができ、所望に応じて適宜選択される。
【0103】(i型層)本発明におけるi型層は、pi
n接合において照射光に対してキャリアを発生輸送する
役目がある。特に、IV族もしくはIV族系合金からな
る非晶質半導体材料を用いた光起電力素子では、i型層
が重要な位置づけにある。
【0104】i型層としては、僅かにp型又はn型の層
も使用できる。このような僅かにp型又はn型のi型層
は、例えば、非晶質半導体材料に、水素原子(H,D)
又はハロゲン原子(X)を含有させて形成する。以下に
示すとおり、このときの含有物が重要な働きをもってい
る。
【0105】i型層に含有される水素原子(H,D)又
はハロゲン原子(X)は、i型層の未結合手(ダングリ
ングボンド)を補償する働きがあり、i型層でのキァリ
アの移動度と寿命の積を向上させるものである。また、
p型層/i型層、n型層/i型層の各界面の界面準位を
補償する働きをし、光起電力素子の光起電力、光電流そ
して光応答性を向上させる効果のあるものである。この
場合、i型層に含有される水素原子又は/及びハロゲン
原子の含有量としては、1〜40at%が最適な範囲と
して挙げられる。特に、p型層/i型層、n型層/i型
層の各界面側において、水素原子又は/及びハロゲン原
子の含有量が多く分布しているものが好ましい分布形態
として挙げられる。この場合、該界面近傍での水素原子
又は/及びハロゲン原子の含有量は、バルク内の含有量
の1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として挙げられ
る。さらに、シリコン原子の含有量に対応して水素原子
又は/及びハロゲン原子の含有量が変化していることが
好ましい。
【0106】本発明の光起電力素子において、pin構
造を複数有する場合、光の入射側から順にi型層のバン
ドギャップが小さくなる様に積層した方が好ましい。比
較的バンドギャップの広いi型層としては、非晶質シリ
コンや非晶質炭化シリコンが用いられ、比較的バンドギ
ャップの狭いi型半導体層としては、非晶質シリコンゲ
ルマニウムが用いられる。
【0107】非晶質シリコン、非晶質シリコンゲルマニ
ウムは、ダングリングボンドを補償する元素によって、
a−Si:H,a−Si:F,a−Si:H:F,a−
SiGe:H,a−SiGe:F,a−SiGe:H:
F等と表記される。非晶質シリコンゲルマニウムをi型
層として用いる場合には、ゲルマニウムの含有量をi型
層の層厚方向に変化させるのが好ましい。特に、n型層
又は/及びp型層方向でゲルマニウム含有量が連続的に
減少しているのが好ましいゲルマニウムの分布形態であ
る。ゲルマニウム原子の層厚中での分布の状態は、原料
ガスに含有させるゲルマニウム含有ガスの流量比を変化
させる事によって行うことができるものである。
【0108】また、MWプラズマCVD法でゲルマニウ
ム原子のi型層中の含有量を変化させる方法としては、
ゲルマニウム含有ガスの流量比を変化させる方法の他
に、原料ガスの希釈ガスである水素ガスの流量を変化さ
せる事によって同様に行うことができるものである。水
素希釈量を多くする事によって堆積膜(i型層)中のゲ
ルマニウム含有量を増加させる事ができるものである。
【0109】本発明のアニーリング処理は、前記の様に
ゲルマニウム原子を連続的に変えた所謂グレーデットバ
ンドギャップ層と該層と接するバッファー層との間の電
気的な接続を特に向上させるものである。
【0110】さらに具体的には、例えば、本発明の光起
電力素子のに好適なpin接合のi型半導体層として
は、i型の水素化非晶質シリコン(a−Si:H)が挙
げられ、その特性としては、光学的バンドギャップ(E
g)が1.60eV〜1.85eV、水素原子の含有量
(CH)が1.0〜25.0%、AM1.5、100m
W/cm2の疑似太陽光照射下の光電導度(σp)が1.
0×10-5S/cm以上、暗電導度(σd)が1.0×
10-9S/cm以下、コンスタントフォトカレントメソ
ッド(CPM)によるアーバックテイルの傾きが55m
eV以下、局在準位密度は1017/cm3以下のものが
好ましいものである。
【0111】また、本発明の光起電力素子のバンドギャ
ップが比較的狭いi型半導体層を構成する半導体材料非
晶質シリコンゲルマニウムは、その特性として光学的バ
ンドギャップ(Eg)が1.20eV〜1.60eV、
水素原子の含有量(CH)が1.0〜25.0%であ
り、コンスタントフォトカレントメソッド(CPM)に
よるアーバックテイルの傾きが55meV以下、局在準
位密度は1017/cm3以下のものが好ましいものであ
る。
【0112】本発明に適したi型層は、以下の様な条件
で堆積するのが好ましいものである。非晶質半導体層
は、RF、VHFまたはMWプラズマCVD法で堆積す
るのが好ましい。
【0113】RFプラズマCVD法で堆積する場合に
は、基板温度は100から350℃、堆積室内の真空度
は0.05から10Torr、RFの周波数は1から5
0MHzが適した範囲である。特にRFの周波数は1
3.56MHzが適している。また堆積室内に投入され
るRFパワーは0.01から5W/cm2が好適な範囲
である。またRFパワーによって基板に印加されるセル
フバイアスは、0から300Vが好適な範囲である。
【0114】VHFプラズマCVD法で堆積する場合に
は、基板温度は100から450℃、堆積室内の真空度
は0.0001から1Torr、VHFの周波数は60
から99MHzが適した範囲である。また堆積室内に投
入されるVHFパワーは0.01から1W/cm2が好
適な範囲である。またVHFパワーによって基板に印加
されるセルフバイアスは、10から1000Vが好適な
範囲である。またVHFに重畳してまたは別にバイアス
棒を設けて、DCやRFを堆積チャンバーに導入する事
によって堆積した非晶質膜の特性が向上するものであ
る。DCバイアスをバイアス棒を使って導入する場合、
バイアス棒が正極になる様にするのが好ましいものであ
る。またDCバイアスを基板側に導入する場合には、基
板側が負極になる様に導入するのが好ましいものであ
る。RFバイアスを導入する場合、基板面積よりもRF
を導入する電極の面積を狭くするのが好ましいものであ
る。
【0115】MWプラズマCVD法で堆積する場合に
は、基板温度は100から450℃、堆積室内の真空度
は0.0001から0.05Torr、MWの周波数は
100MHzから10GHzが適した範囲である。特に
MWの周波数は2.45GHzが適している。また堆積
室内に投入されるMWパワーは0.01から1W/cm2
が好適な範囲である。MWパワーは、導波管で堆積チャ
ンバーに導入するのが最適である。またMWに加えて、
別にバイアス棒を設けて、DCやRFを堆積チャンバー
に導入する事によって堆積した非晶質膜の特性が向上す
るものである。DCバイアスをバイアス棒を使って導入
する場合、バイアス棒が正極になる様にするのが好まし
いものである。またDCバイアスを基板側に導入する場
合には、基板側が負極になる様に導入するのが好ましい
ものである。RFバイアスを導入する場合、基板面積よ
りもRFを導入する電極の面積を狭くするのが好ましい
ものである。
【0116】本発明のアニーリング処理に適したi型層
の堆積には、SiH4,Si26,SiF4,SiF22
等のシラン系原料ガスが適している。またバンドギャッ
プを広げるためには炭素、チッ素または酸素含有ガスを
添加するのが好ましいものである。炭素、チッ素または
酸素含有ガスは、i型層の中に均一に含有させるより
は、p型層または/及びn型層近傍で多く含有させる事
が好ましいものである。この様にする事によってi型層
中での電荷の走行性を疎外することなく、開放電圧を向
上させることができるものである。炭素含有ガスとして
は、Cn2n+2(nは整数),Cn2n(nは整数),や
22等が適している。チッ素含有ガスとしては、
2,NO,N2O,NO2,NH3等が適している。酸素
含有ガスとしては、O2,CO2,O3等が適している。
またこれらのガスを複数組みあわせて導入しても良いも
のである。これらバンドギャップを大きくする原料ガス
の添加量としては、0.1から50%が適した量であ
る。
【0117】更にi型層には周期律表第III族または
/及び第V族の元素を添加して特性が向上するものであ
る。周期律表第III族元素としては、B,Al,Ga
等が適したものである。特にほう素を添加する場合には
26,BF3等のガスを用いて添加するのが好ましい
ものである。また周期律表第V族元素としては、N,
P,As等が適したものである。特にりんを添加する場
合にはPH3が適したものとして挙げられる。周期律表
第III族または/及び第V族元素のi型層への添加量
としては、0.1から1000ppmが適した範囲であ
る。
【0118】i型層に対して、n/iバッファー層やp
/iバッファー層を設ける事によって、光起電力素子の
特性が向上するものである。該バッファー層としては、
前記i型層と同様な半導体層が使用可能であり、特にi
型層よりは堆積速度を遅くして堆積するのが好ましいも
のである。該バッファー層は、i型層よりもバンドギャ
ップが広い半導体が適している。該バンドギャップは、
i型層からバッファー層に滑らかに連続的であるのが好
ましいものである。
【0119】該バッファー層でバンドギャップを連続的
に変えるための方法としては、シリコン系の非単結晶半
導体に含有させるゲルマニウム原子の含有量を増加させ
る事によって、バンドギャップを狭くすることができる
ものである。一方、シリコン系の非単結晶半導体中に含
有される炭素原子、酸素原子または/及びチッ素原子の
含有量を増加させる事によってバンドギャップは連続的
に広くすることができるものである。バンドギャップの
一番狭い所と一番広い所の比は1.01から1.5であ
るのが好ましい範囲である。
【0120】また該バッファー層に周期律表第III族
または/及び第V族の元素を添加する場合には、n/i
バッファー層には周期律表第III族元素を添加し、p
/iバッファー層には周期律表第V族元素を添加するの
が好ましいものである。この様にする事によって、n型
層または/及びp型層からの不純物のi型層への拡散に
よる特性の低下を防止する事ができるものである。
【0121】(p型層、n型層)本発明におけるp型層
又はn型層は、上述したi型層と同様に、本発明の光起
電力装置の特性を左右する重要な層である。
【0122】p型層又はn型層の非晶質材料(a−と表
示する)(微結晶材料(μc−と表示する)も非晶質材
料の範ちゅうに入ることは言うまでもない。)として
は、例えば、a−Si:H,a−Si:HX,a−Si
C:H,a−SiC:HX,a−SiGe:H,a−S
iGeC:H,a−SiO:H,a−SiN:H,a−
SiON:HX,a−SiOCN:HX,μc−Si:
H,μc−SiC:H,μc−Si:HX,μc−Si
C:HX,μc−SiGe:H,μc−SiO:H,μ
c−SiGeC:H,μc−SiN:H,μc−SiO
N:HX,μc−SiOCN:HX,等にp型の価電子
制御剤(周期率表第III族原子B,Al,Ga,I
n,Tl)やn型の価電子制御剤(周期率表第V族原子
P,As,Sb,Bi)を高濃度に添加した材料が挙げ
られる。
【0123】p型層又はn型層の多結晶材料(poly
−と表示する)としては、例えば、poly−Si:
H,poly−Si:HX,poly−SiC:H,p
oly−SiC:HX,poly−SiGe:H,po
ly−Si,poly−SiC,poly−SiGe,
等にp型の価電子制御剤(周期率表第III族原子B,
Al,Ga,In,Tl)やn型の価電子制御剤(周期
率表第V族原子P,As,Sb,Bi)を高濃度に添加
した材料が挙げられる。
【0124】特に、光入射側のp型層又はn型層には、
光吸収の少ない結晶性の半導体層かバンドギャップの広
い非晶質半導体層が適している。
【0125】p型層への周期率表第III族原子の添加
量、及びn型層への周期率表第V族原子の添加量は、
0.1〜50at%が最適量として挙げられる。
【0126】また、p型層又はn型層に含有される水素
原子(H,D)又はハロゲン原子は、p型層又はn型層
の未結合手を補償する働きがあり、p型層又はn型層の
ドーピング効率を向上させるものである。p型層又はn
型層へ添加される水素原子又はハロゲン原子は、0.1
〜40at%が最適量として挙げられる。特に、p型層
又はn型層が結晶性の場合、水素原子又はハロゲン原子
は、0.1〜8at%が最適量として挙げられる。
【0127】さらに、p型層/i型層、n型層/i型層
の各界面側で水素原子又は/及びハロゲン原子の含有量
が多く分布しているものが、好ましい分布形態として挙
げられる。このとき、該界面近傍における水素原子又は
/及びハロゲン原子の含有量は、バルク内の含有量の
1.1〜2倍の範囲が好ましい範囲として挙げられる。
このようにp型層/i型層、n型層/i型層の各界面近
傍で水素原子またはハロゲン原子の含有量を多くするこ
とによって該界面近傍の欠陥準位や機械的歪を減少させ
ることができ本発明の光起電力素子の光起電力や光電流
を増加させることができる。
【0128】光起電力素子のp型層及びn型層の電気特
性としては活性化エネルギーが0.2eV以下のものが
好ましく、0.1eV以下のものが最適である。また非
抵抗としては100Ωcm以下が好ましく、1Ωcm以
下が最適である。さらにp型層及びn型層の層厚は1〜
50nmが好ましく、3〜10nmが最適である。本発
明の光起電力素子の半導体層として、好適なIV族及び
IV族合金系非晶質半導体層を形成するために、最も好
適な製造方法は、マイクロ波プラズマCVD法であり、
次に好適な製造方法は、RFプラズマCVD法である。
【0129】マイクロ波プラズマCVD法は、堆積チャ
ンバーに原料ガス、希釈ガスなどの材料ガスを導入し、
真空ポンプによって排気しつつ、堆積室の内圧を一定に
して、マイクロ波電源によって発振されたマイクロ波
を、導波管によって導き、誘電体窓(アルミナセラミッ
クス等)を介して前記堆積チャンバーに導入して、材料
ガスのプラズマを生起させて分解し、堆積室内に配置さ
れた基板上に、所望の堆積膜を形成する方法であり、広
い堆積条件で光起電力装置に適用可能な堆積膜を形成す
ることができる。
【0130】本発明の光起電力素子に好適な第IV族及
び第IV族合金系非晶質半導体層の堆積に適した原料ガ
スとしては、シリコン原子を含有したガス化し得る化合
物、ゲルマニウム原子を含有したガス化し得る化合物、
炭素原子を含有したガス化し得る化合物、窒素原子を含
有したガス化し得る化合物、酸素原子を含有したガス化
し得る化合物等、及び該化合物の混合ガスを挙げること
ができる。
【0131】具体的にシリコン原子を含有するガス化し
得る化合物としては、鎖状または環状シラン化合物が用
いられ、具体的には例えば、SiH4,Si26,Si
4,SiFH3,SiF22,SiF3H,Si38
SiD4,SiHD3,SiH22,SiH3D,SiF
3,SiF22,SiD3H,Si233,(Si
25,(SiF26,(SiF24,Si26,Si
38,Si224,Si233,SiCl4,(Si
Cl25,SiBr4,(SiBr25,Si2Cl6
SiHCl3,SiH2Br2,SiH2Cl2,Si2Cl
33などのガス状態のまたは容易にガス化し得るものが
挙げられる。
【0132】具体的にゲルマニウム原子を含有するガス
化し得る化合物としてはGeH4,GeD4,GeF4
GeFH3,GeF22,GeF3H,GeHD3,Ge
2 2,GeH3D,GeH6,Ge26等が挙げられ
る。
【0133】具体的に炭素原子を含有するガス化し得る
化合物としてはCH4,CD4,Cn2n+2(nは整
数),Cn2n(nは整数),C22,C66,CO2
CO等が挙げられる。
【0134】窒素含有ガスとしてはN2,NH3,N
3,NO,NO2,N2Oが挙げられる。酸素含有ガス
としてはO2,CO,CO2,NO,NO2,N2O,CH
3CH2OH,CH3OH等が挙げられる。
【0135】また、価電子制御するためにp型層または
n型層に導入される物質としては周期率表第III族原
及び第V族原子が挙げられる。
【0136】第III族原子導入用の出発物質として有
効に使用されるものとしては、具体的にはホウ素原子導
入用としては、B26,B410,B59,B511,B
61 0,B612,B614等の水素化ホウ素、BF3,B
Cl3等のハロゲン化ホウ素等を挙げることができる。
このほかにAlCl3,GaCl3,InCl3,TlC
3等も挙げることができる。特にB26,BF3が適し
ている。
【0137】第V族原子導入用の出発物質として有効に
使用されるのは、具体的にはリン原子導入用としてはP
3,P24等の水素化リン、PH4I,PF3,PF5
PCl3,PCl5,PBr3,PBr5,PI3等のハロ
ゲン化リンが挙げられる。このほかAsH3,AsF3
AsCl3,AsBr3,AsF5,SbH3,SbF3
SbF5,SbCl3,SbCl5,BiH3,BiC
3,BiBr3等も挙げることができる。特にPH3
PF3が適している。
【0138】また前記ガス化し得る化合物をH2,H
e,Ne,Ar,Xe,Kr等のガスで適宜希釈して堆
積室に導入しても良い。
【0139】特に微結晶半導体やa−SiC:H等の光
吸収の少ないかバンドギャップの広い層を堆積する場合
は水素ガスで2〜100倍に原料ガスを希釈し、マイク
ロ波パワー、あるいはRFパワーは比較的高いパワーを
導入するのが好ましいものである。
【0140】(透明電極)本発明における透明電極は、
太陽や白色蛍光灯などからの光を各半導体層内に効率よ
く吸収させるために、光の透過率が85%以上であるこ
とが望ましく、さらに、電気的には光起電力素子の出力
にたいして抵抗成分とならぬようシート抵抗値は100
Ω以下であることが望ましい。このような特製を備えた
材料として、SnO2,In23,ZnO,CdO,C
2SnO4,ITO(In23+SnO2)などの金属
酸化物や、Au,Al,Cuなどの金属を極めて薄く半
透明状に成膜した金属薄膜などが挙げられる。 (透明電極)透明電極は、光起電力素子においてはp型
層またはn型層半の上に積層され、透光性支持体上に光
起電力素子を形成し、透光性支持体側から光照射をする
場合には、支持体上に積層されるものであるため、相互
の密着性の良いものを選ぶことが必要である。また透明
電極は反射防止の条件に合う様な層厚に堆積するのが好
ましいものである。透明電極の作製方法としては、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング
法、スプレー法などを用いることができ、所望に応じて
適宜選択される。
【0141】(集電電極) 本発明におけるアニーリング処理を行った光起電力素子
の集電電極としては、例えば銀ペーストをスクリーン印
刷法で形成したもの、Cr,Ag,Au,Cu,Ni,
Mo,又はAl等を、マスクを用いて真空蒸着法にて形
成したものが好適に用いられる。また、Cu,Au,A
g,Al等の金属線に、炭素やAg粉を樹脂とともに付
けて光起電力素子の表面に張りつけて集電電極としても
良い。
【0142】なお、本発明の光起電力素子を用いて、所
望の出力電圧、出力電流の光起電力装置を製造する場合
には、本発明の光起電力素子を直列あるいは並列に接続
し、表面と裏面に保護層を形成し、出力の取り出し電極
等が取り付けられる。また、本発明の光起電力素子を直
列接続する場合、逆流防止用のダイオードを組み込むこ
とがある。
【0143】
【実施例】以下、非単結晶シリコン系半導体材料からな
る太陽電池の作製によって本発明の光起電力素子を詳細
に説明するが、本発明はこれになんら限定されるもので
はない。
【0144】(実施例1)本例では、図4に示したイン
ライン方式の形成装置を用いて、図1に示した光起電力
素子を作製した。以下では、手順に従って、その作製方
法を説明する。 (1)基板の作製を行った。厚さ0.5mm、50×5
0mm2のステンレス性の支持体(100)をアセトン
とイソプロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させた。
スパッタリング法を用いて室温でステンレス性の支持体
(100)表面上に層厚0.3μmのAgの光反射層
(101)とその上に350℃で層厚1.0μmのZn
Oの反射増加層(102)を形成し、基板の作製を終え
た。
【0145】(2)堆積装置400はMWPCVD法と
RFPCVD法の両方を実施することができる。これを
用いて、反射増加層上に各半導体層を形成した。堆積装
置には、不図示の原料ガスボンベが、ガス導入管を通し
て接続されている。原料ガスボンベは、いずれも超高純
度に精製されたものである。原料ガスボンベとしては、
SiH4ガスボンベ、O2/H2(希釈度:1ppm)ガ
スボンベ、O2/He(希釈度:10ppm)ガスボン
ベ、O2/Ar(希釈度100ppm)ガスボンベ、O2
/H2(希釈度:1000ppm)ガスボンベ、CH4
スボンベ、GeH4ガスボンベ、Si26ガスボンベ、
PH3/H2(希釈度:0.1%)ガスボンベ、B26
2(希釈度:0.2%)ガスボンベ、H2ガスボンベ、
Heガスボンベ、SiCl22ガスボンベ、SiH4
2(希釈度:1%)ガスボンベを接続した。
【0146】(3)反射層101と反射増加層102が
形成されている基板をロードチャンバー401内の基板
搬送用レール413上に配置し、不図示の真空排気ポン
プによりロードチャンバー401内を圧力が約1×10
-5Torrになるまで真空排気した。次にあらかじめ不
図示の真空排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チ
ャンバー402及び堆積チャンバー417内へゲートバ
ルブ406を開けて搬送した。基板の裏面を基板加熱用
ヒーター410に密着させ加熱し、堆積チャンバー41
7内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×10
-5Torrになるまで真空排気した。
【0147】(4)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.0Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
した。
【0148】(5)基板温度が安定したところで、μc
−SiからなるRFn型層103を形成した。μc−S
iからなるRFn型層を形成するには、SiH4ガス、
PH3/H2ガスを堆積チャンバー417内にバルブ44
3、433、444、434を操作してガス導入管42
9を通して導入した。この時、SiH4ガス流量が2s
ccm、H2ガス流量が100sccm、PH3/H2
ス流量が200sccmとなるようにマスフローコント
ローラー438、436、439で調整し、堆積チャン
バー417内の圧力は1.0Torrとなるように調整
した。
【0149】RF電源422の電力を0.05W/cm
2に設定し、プラズマ形成用カップ420にRF電力を
導入し、グロー放電を生起させ、基板上にRFn型層の
形成を開始し、層厚20nmのRFn型層を形成したと
ころでRF電源を切って、グロー放電を止め、RFn型
層103の形成を終えた。堆積チャンバー417内への
SiH4ガス、PH3/H2ガス、H2ガスの流入を止め、
堆積室内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真
空排気した。
【0150】(6)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/H2(希釈度:1p
pm)ガスを堆積チャンバー417内にガス導入管42
9を通して導入し、O2/H2(希釈度:1ppm)ガス
流量が500sccmになるようにバルブ442、43
2を開け、マスフローコントローラー437で調整し
た。堆積チャンバー417内の圧力が1.0Torrに
なるように不図示のコンダクタンスバルブで調整した。
【0151】基板の温度が350℃になるように基板加
熱用ヒーター410を設定し、10分間本発明の微量酸
素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。
次に堆積チャンバー417内へのO2/H2(希釈度:1
ppm)ガスの流入を止め、堆積チャンバー417内お
よびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0152】(7)次に、a−SiからなるRFi型層
151、a−SiGeからなるMWi型層104、a−
SiからなるRFi型層161、a−SiCからなるR
Fp型層105を順次形成した。
【0153】(7−1)まず、あらかじめ不図示の真空
排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー4
03及びi型層堆積チャンバー418内へゲートバルブ
407を開けて基板を搬送した。基板の裏面を基板加熱
用ヒーター411に密着させ加熱し、i型層堆積チャン
バー418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0154】RFi型層を作製するには、基板の温度が
300℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定
し、基板が十分加熱されたところでバルブ464、45
4、450、463、453を徐々に開いて、Si26
ガス、H2ガスをガス導入管449を通じてi型層堆積
チャンバー418内に流入させた。この時、Si26
ス流量が4sccm、H2ガス流量が110sccmと
なるように各々のマスフローコントローラー459、4
58で調整した。i型層堆積チャンバー418内の圧力
は、0.7Torrとなるように不図示のコンダクタン
スバルブの開口を調整した。
【0155】次に、RF電源424を0.008W/c
2に設定し、バイアス棒428に印加し、グロー放電
を生起させ、シャッター427を開けることでRFn型
層上にi型層の作製を開始し、層厚10nmのi型層を
作製したところでRFグロー放電を止め、RF電源42
4の出力を切り、RFi型層151の作製を終えた。バ
ルブ464、454、453、450を閉じて、i型層
堆積チャンバー418内へのSi26ガス、H2ガスの
流入を止めi型層堆積チャンバー418内およびガス配
管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0156】(7−2)MWi型層を作製するには、基
板の温度が380℃になるように基板加熱用ヒーター4
11を設定し、基板が十分加熱されたところでバルブ4
61、451、450、462、452、463、45
3を徐々に開いて、SiH4ガス、GeH4ガス、H2
スをガス導入管449を通じてi型層堆積チャンバー4
18内に流入させた。
【0157】この時、SiH4ガス流量が50scc
m、GeH4ガス流量が35sccm、H2ガス流量が1
50sccmとなるように各々のマスフローコントロー
ラー456、457、458で調整した。i型層堆積チ
ャンバー418内の圧力は、6mTorrとなるように
不図示のコンダクタンスバルブの開口を調整した。次
に、RF電源424を0.30W/cm2に設定し、バ
イアス棒428に印加した。その後、不図示のμW電源
(2.45GHz)の電力を0.10W/cm2に設定
し、導波管426、及びマイクロ波導入用窓425を通
じてi型層堆積チャンバー418内にμW電力導入し、
グロー放電を生起させ、シャッター427を開けること
でRFi型層上にMWi型層の作製を開始し、層厚0.
17μmのi型層を作製したところでμWグロー放電を
止め、バイアス電源424の出力を切り、MWi型層1
04の作製を終えた。バルブ451、452、453を
閉じて、i型層堆積チャンバー418内へのSiH4
ス、GeH4ガス、H2ガスの流入を止め、i型層堆積チ
ャンバー418内およびガス配管内を1×10-5Tor
rまで真空排気した。
【0158】(7−3)RFi型層を作製するには、基
板の温度が250℃になるように基板加熱用ヒーター4
11を設定し、基板が十分加熱されたところでバルブ4
64、454、450、463、453を徐々に開い
て、Si26ガス、H2ガスをガス導入管449を通じ
てi型層堆積チャンバー418内に流入させた。この
時、Si26ガス流量が3sccm、H2ガス流量が8
0sccmとなるように各々のマスフローコントローラ
ー459、458で調整した。i型層堆積チャンバー4
18内の圧力は、0.7Torrとなるように不図示の
コンダクタンスバルブの開口を調整した。
【0159】次に、RF電源424を0.007W/c
2に設定し、バイアス棒428に印加し、グロー放電
を生起させ、シャッター427を開けることでMWi型
層上にRFi型層の作製を開始し、層厚20nmのi型
層を作製したところでRFグロー放電を止め、RF電源
424の出力を切り、RFi型層161の作製を終え
た。バルブ464、454、453、450を閉じて、
i型層堆積チャンバー418内へのSi26ガスH2
スの流入を止め、i型層堆積チャンバー418内および
ガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0160】(8)次に、a−SiCからなるRFp型
層105を形成するには、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー404
及びp型層堆積チャンバー419内へゲートバルブ40
8を開けて基板を搬送した。基坂490の裏面を基板加
熱用ヒーター412に密着させ加熱し、p型層堆積チャ
ンバー419内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が
約1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0161】基板の温度が230℃になるように基板加
熱用ヒーター412を設定し、基板温度が安定したとこ
ろで、H2ガス、SiH4/H2ガス、B26/H2ガス、
CH 4ガスを堆積チャンバー419内にバルブ481、
471、470、482、472、483、473、4
84、474を操作してガス導入管469を通して導入
した。この時、H2ガス流量が60sccm、SiH4
2ガス流量が2sccm、B26/H2ガス流量が10
sccm、CH4ガス流量が0.3sccmとなるよう
にマスフローコントローラー476、477、478、
479で調整し、堆積チャンバー419内の圧力は2.
0Torrとなるように不図示のコンダクタンスバルブ
の開口を調整した。
【0162】RF電源423の電力を0.07W/cm
2に設定し、プラズマ形成用カップ421にRF電力を
導入し、グロー放電を生起させ、i型層上にRFp型層
の形成を開始し、層厚10nmのRFp型層を形成した
ところでRF電源を切って、グロー放電を止め、RFp
型層205の形成を終えた。バルブ472、482、4
73、483、474、484、471、481、47
0を閉じてp型層堆積チャンバー419内へのSiH4
/H2ガス、B26/H2ガス、CH4ガス、H2ガスの流
入を止め、p型層堆積チャンバ419内およびガス配管
内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0163】次にあらかじめ不図示の真空排気ポンプに
より真空引きしておいたアンロードチャンバー405内
へゲートバルブ409を開けて基板を搬送し不図示のリ
ークバルブを開けて、アンロードチャンバー405をリ
ークした。
【0164】(9)次に、RFp型層105上に、透明
導電層112として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (10)次に、透明導電層112上に櫛型の穴が開いた
マスクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000n
m)/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極113
を真空蒸着法で真空蒸着した。
【0165】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実1)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表12及び表13に示した。
【0166】(比較例1−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例1と異なる。
【0167】他の点は、実施例1と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比1−1)と呼ぶことにした。
【0168】上述した2種類の光起電力素子(SC実
1)及び(SC比1−1)は、各々8個づつ作製した。
表1は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電変
換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性むら、
光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断面S
EM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0169】表1は、光起電力素子(SC比1−1)の
結果で、光起電力素子(SC実1)の結果を規格化して
表記した。
【0170】
【表1】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各8個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0171】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0172】耐環境特性とは、雰囲気温度80℃、湿度
80%、暗所に100時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0173】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0174】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0175】表1の結果から、実施例1の光起電力素子
(SC実1)は、比較例1−1の光起電力素子(SC比
1−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0176】(実施例2)本例では、図4に示したイン
ライン方式の形成装置を用いて、図2に示したタンデム
型の光起電力素子を作製した。以下では、手順に従っ
て、その作製方法を説明する。 (1)実施例1と同様な方法により準備された反射層2
01と反射増加層202が形成されている基板をロード
チャンバー401内の基板搬送用レール413上に配置
し、不図示の真空排気ポンプによりロードチャンバー4
01内を圧力が約1×10-5Torrになるまで真空排
気した。
【0177】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー402
及び堆積チャンバー417内へゲートバルブ406を開
けて搬送した。基板の裏面を基板加熱用ヒーター410
に密着させ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の
真空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0178】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.0Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
した。
【0179】(4)基板温度が安定したところで、μc
−SiからなるRFn型層203を形成した。μc−S
iからなるRFn型層を形成するには、SiH4ガス、
PH3/H2ガスを堆積チャンバー417内にバルブ44
3、433、444、434を操作してガス導入管42
9を通して導入した。この時、SiH4ガス流量が2s
ccm、H2ガス流量が100sccm、PH3/H2
ス流量が200sccmとなるようにマスフローコント
ローラー438、436、439で調整し、堆積チャン
バー417内の圧力は1.0Torrとなるように調整
した。
【0180】RF電源422の電力を0.05W/cm
2に設定し、プラズマ形成用カップ420にRF電力を
導入し、グロー放電を生起させ、基板上にRFn型層の
形成を開始し、層厚20nmのRFn型層を形成したと
ころでRF電源を切って、グロー放電を止め、RFn型
層203の形成を終えた。堆積チャンバー417内への
SiH4ガス、PH3/H2ガス、H2ガスの流入を止め、
堆積室内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真
空排気した。
【0181】(5)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/He(希釈度:1
0ppm)ガスを堆積チャンバー417内にガス導入管
429を通して導入し、O2/He(希釈度:10pp
m)ガス流量が500sccmになるようにバルブ44
2、432を開け、マスフローコントローラー437で
調整した。堆積チャンバー417内の圧力が1.0To
rrになるように不図示のコンダクタンスバルブで調整
した。基板の温度が350℃になるように基板加熱用ヒ
ーター410を設定し、10分間本発明の微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。次に堆
積チャンバー417内へのO2/He(希釈度:10p
pm)ガス、の流入を止め、堆積チャンバー417内お
よびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0182】(6)次に、a−SiからなるRFi型層
251、a−SiGeからなるMWi型層204、a−
SiからなるRFi型層261、a−SiCからなるR
Fp型層205、μc−SiからなるRFn型層20
6、a−SiからなるRFi型層207、a−SiCか
らなるRFp型層208を順次形成した。
【0183】(6−1)まず、あらかじめ不図示の真空
排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー4
03及びi型層堆積チャンバー418内へゲートバルブ
407を開けて基板を搬送した。基板の裏面を基板加熱
用ヒーター411に密着させ加熱し、i型層堆積チャン
バー418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0184】(6−2)RFi型層251を作製するに
は、基板の温度が300℃になるように基板加熱用ヒー
ター411を設定し、基板が十分加熱されたところでバ
ルブ464、454、450、463、453を徐々に
開いて、Si26ガス、H2ガスをガス導入管449を
通じてi型層堆積チャンバー418内に流入させた。こ
の時、Si26ガス流量が4sccm、H2ガス流量が
110sccmとなるように各々のマスフローコントロ
ーラー459、458で調整した。i型層堆積チャンバ
ー418内の圧力は0.7Torrとなるように不図示
のコンダクタンスバルブの開口を調整した。
【0185】次に、RF電源424を0.008W/c
2に設定し、バイアス棒428に印加し、グロー放電
を生起させ、シャッター427を開けることでRFn型
層上にi型層の作製を開始し、層厚10nmのi型層を
作製したところでRFグロー放電を止め、RF電源42
4の出力を切り、RFi型層151の作製を終えた。バ
ルブ464、454、453、450を閉じて、i型層
堆積チャンバー418内へのSi26ガス、H2ガスの
流入を止めi型層堆積チャンバー418内およびガス配
管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0186】(6−3)MWi型層204を作製するに
は、基板の温度が380℃になるように基板加熱用ヒー
ター411を設定し、基板が十分加熱されたところでバ
ルブ461、451、450、462、452、46
3、453を徐々に開いて、SiH4ガス、GeH4
ス、H2ガスをガス導入管449を通じてi型層堆積チ
ャンバー418内に流入させた。この時、SiH4ガス
流量が50sccm、GeH4ガス流量が55scc
m、H2ガス流量が150sccmとなるように各々の
マスフローコントローラー456、457、458で調
整した。i型層堆積チャンバー418内の圧力は、6m
Torrとなるように不図示のコンダクタンスバルブの
開口を調整した。
【0187】次に、RF電源424を0.30W/cm
2に設定し、バイアス棒428に印加した。その後、不
図示のμW電源(2.45GHz)の電力を0.10W
/cm2に設定し、導波426、及びマイクロ波導入用
窓425を通じてi型層堆積チャンバー418内にμW
電力導入し、グロー放電を生起させ、シャッター427
を開けることでRFi型層上にMWi型層の作製を開始
し、層厚0.15μmのi型層を作製したところでμW
グロー放電を止め、バイアス電源424の出力を切り、
MWi型層204の作製を終えた。バルブ451、45
2、453を閉じて、i型層堆積チャンバー418内へ
のSiH4ガス、GeH4ガス、H2ガスの流入を止め、
i型層堆積チャンバー418内およびガス配管内を1×
10-5Torrまで真空排気した。
【0188】(6−4)RFi型層261を作製するに
は、基板の温度が250℃になるように基板加熱用ヒー
ター411を設定し、基板が十分加熱されたところでバ
ルブ464、454、450、463、453を徐々に
開いて、Si26ガス、H2ガスをガス導入管449を
通じてi型層堆積チャンバー418内に流入させた。こ
の時、Si26ガス流量が3sccm、H2ガス流量が
80sccmとなるように各々のマスフローコントロー
ラー459、458で調整した。i型層堆積チャンバー
418内の圧力は、0.7Torrとなるように不図示
のコンダクタンスバルブの開口を調整した。
【0189】次に、RF電源424を0.007W/c
2に設定し、バイアス棒428に印加し、グロー放電
を生起させ、シャッター427を開けることでMWi型
層上にRFi型層の作製を開始し、層厚20nmのi型
層を作製したところでRFグロー放電を止め、RF電源
424の出力を切り、RFi型層261の作製を終え
た。バルブ464、454、453、450を閉じて、
i型層堆積チャンバー418内へのSi26ガス、H2
ガスの流入を止め、i型層堆積チャンバー418内およ
びガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0190】(6−5)次に、a−SiCからなるRF
p型層205を形成するには、あらかじめ不図示の真空
排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー4
04及びp型層堆積チャンバー419内へゲートバルブ
408を開けて基板を搬送した。基板の裏面を基板加熱
用ヒーター412に密着させ加熱し、p型層堆積チャン
バー419内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0191】基板の温度が230℃になるように基板加
熱用ヒーター412を設定し、基板温度が安定したとこ
ろで、H2ガス、SiH4/H2ガス、B26/H2ガス、
CH 4ガスを堆積チャンバー419内にバルブ481、
471、470、482、472、483、473、4
84、474を操作してガス導入管469を通して導入
した。この時、H2ガス流量が60scm、SiH4/H
2ガス流量が2sccm、B26/H2ガス流量が10s
ccm、CH4ガス流量が0.3sccmとなるように
マスフローコントローラー476、477、478、4
79で調整し、堆積チャンバー419内の圧力は2.0
Torrとなるように不図示のコンダクタンスバルブの
開口を調整した。
【0192】RF電源423の電力を0.07W/cm2
に設定し、プラズマ形成用カップ421にRF電力を導
入し、グロー放電を生起させ、i型層上にRFp型層の
形成を開始し、層厚10nmのRFp型層を形成したと
ころでRF電源を切って、グロー放電を止め、RFp型
層205の形成を終えた。バルブ472、482、47
3、483、474、484、471、481、470
を閉じてp型層堆積チャンバー419内へのSiH4
2ガス、B26/H2ガス、CH4ガス、H2ガスの流入
を止め、p型層堆積チャンバ419内およびガス配管内
を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0193】(6−6)次に、μc−SiからなるRF
n型層206を形成するために、あらかじめ不図示の真
空排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー
403を通って搬送チャンバー402及び堆積チャンバ
ー417内へゲートバルブ408、407を開けて搬送
した。基板の裏面を基板加熱用ヒーター410に密着さ
せ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の真空排気
ポンプにより圧力が約1×10-5Torrになるまで真
空排気した。
【0194】μc−SiからなるRFn型層を形成する
には、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入管
429を通して導入し、H2ガス流量が200sccm
になるようにバルブ441、431、430を開け、マ
スフローコントローラー436で調整した。堆積チャン
バー417内の圧力が1.0Torrになるように不図
示のコンダクタンスバルブで調整した。
【0195】基板の温度が225℃になるように基板加
熱用ヒーター410を設定し、基板温度が安定したとこ
ろで、SiH4ガス、PH3/H2ガスを堆積チャンバー
417内にバルブ443、433、444、434を操
作してガス導入管429を通して導入した。この時、S
iH4ガス流量が2sccm、H2ガス流量が50scc
m、PH3/H2ガス流量が250sccmとなるように
マスフローコントローラー438、436、439で調
整し、堆積チャンバー417内の圧力は1.0Torr
となるように調整した。
【0196】RF電源422の電力を0.04W/cm
2に設定し、プラズマ形成用カップ420にRF電力を
導入し、グロー放電を生起させ、RFp型層上にRFn
型層の形成を開始し、層厚10nmのRFn型層を形成
したところでRF電源を切って、グロー放電を止め、R
Fn型層206の形成を終えた。堆積チャンバー417
内へのSiH4ガス、PH3/H2ガス、H2ガスの流入を
止め、堆積室内およびガス配管内を1×10-5Torr
まで真空排気した。
【0197】(6−7)次に、a−SiからなるRFi
型層207を形成するためには、あらかじめ不図示の真
空排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー
403及びi型層堆積チャンバー418へゲートバルブ
407を開けて基板を搬送した。基板の裏面を基板加熱
用ヒーター411に密着させ加熱し、i型層堆積チャン
バー418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0198】RFi型層を作製するには、基板の温度が
200℃になるように基板加熱用ヒーター411を設定
し、基板が十分加熱されたところでバルブ464、45
4、450、463、453を徐々に開いて、Si26
ガス、H2ガスをガス導入管449を通じてi型層堆積
チャンバー418内に流入させた。この時、Si26
ス流量が2sccm、H2ガス流量が80sccmとな
るように各々のマスフローコントローラー459、45
8で調整した。i型層堆積チャンバー418内の圧力
は、0.6Torrとなるように不図示のコンダクタン
スバルブの開口を調整した。
【0199】次に、RF電源424を0.007W/c
2に設定し、バイアス棒428に印加し、グロー放電
を生起させ、シャッター427を開けることでRFn型
層206上にRFi型層の作製を開始し、層厚120n
mのi型層を作製したところでRFグロー放電を止め、
RF電源424の出力を切り、RFi型層207の作製
を終えた。バルブ464、454、463、453を閉
じて、i型層堆積チャンバー418内へのSi26
ス、H2ガスの流入を止め、バルブ450を閉じ、i型
層堆積チャンバー418内およびガス配管内を1×10
-5Torrまで真空排気した。
【0200】(6−8)次に、a−SiCからなるRF
p型層208を形成するには、あらかじめ不図示の真空
排気ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー4
04及びp型層堆積チャンバー419内へゲートバルブ
408を開けて基板を搬送した。基板の裏面を基板加熱
用ヒーター412に密着させ加熱し、p型層堆積チャン
バー419内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約
1×10-5Torrになるまで真空排気した。
【0201】基板の温度が170℃になるように基板加
熱用ヒーター412を設定し、基板温度が安定したとこ
ろで、H2ガス、SiH4/H2ガス、B26/H2ガス、
CH 4ガスを堆積チャンバー419内にバルブ481、
471、470、482、472、483、473、4
84、474を操作してガス導入管469を通して導入
した。この時、H2ガス流量が60sccm、SiH4
2ガス流量が2sccm、B26/H2ガス流量が10
sccm、CH4ガス流量が0.3sccmとなるよう
にマスフローコントローラー476、477、478、
479で調整し、堆積チャンバー419内の圧力は2.
0Torrとなるように不図示のコンダクタンスバルブ
の開口を調整した。
【0202】RF電源423の電力を0.07W/cm2
に設定し、プラズマ形成用カップ421にRF電力を導
入し、グロー放電を生起させ、RFi型層207上にR
Fp型層の形成を開始し、層厚10nmのRFp型層を
形成したところでRF電源を切って、グロー放電を止
め、RFp型層208の形成を終えた。バルブ472、
482、473、483、474、484、471、4
81、470を閉じてp型層堆積チャンバー419内へ
のSiH4/H2ガス、B26/H2ガス、CH4ガス、H
2ガスの流入を止め、p型層堆積チャンバ419内およ
びガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0203】(7)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいたアンロードチャンバー
405内へゲートバルブ409を開けて基板を搬送し不
図示のリークバルブを開けて、アンロードチャンバー4
05をリークした。
【0204】(8)次に、RFp型層208上に、透明
導電層212として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (9)次に、透明導電層212上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極213を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0205】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実2)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表14及び表15に示した。
【0206】(比較例2−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例2と異なる。
【0207】他の点は、実施例2と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比2−1)と呼ぶことにした。
【0208】上述した2種類の光起電力素子(SC実
2)及び(SC比2−1)は、各々10個づつ作製し
た。表2は、これらの各光起電力素子に対して、初期光
電変換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性む
ら、光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断
面SEM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0209】表2は、光起電力素子(SC比2−1)の
結果で、光起電力素子(SC実2)の結果を規格化して
表記した。
【0210】
【表2】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各10個の光起電力素
子における初期光電変換効率のバラツキである。
【0211】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0212】耐環境特性とは、雰囲気温度80℃、湿度
90%、暗所に100時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0213】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0214】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0215】表2の結果から、実施例2の光起電力素子
(SC実2)は、比較例2−1の光起電力素子(SC比
2−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0216】(実施例3)本例では、図4に示したイン
ライン方式の形成装置を用いて、図3に示したトリプル
型の光起電力素子を作製した。以下では、手順に従っ
て、その作製方法を説明する。 (1)実施例1と同様な方法により準備された反射層3
01と反射増加層302が形成されている基板をロード
チャンバー401内の基板搬送用レール413上に配置
し、不図示の真空排気ポンプによりロードチャンバー4
01内を圧力が約1×10-5Torrになるまで真空排
気した。
【0217】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー40
2、403及び堆積チャンバー418内へゲートバルブ
406、407を開けて搬送した。基板の裏面を基板加
熱用ヒーター411に密着させ加熱し、堆積チャンバー
418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×
10-5Torrになるまで真空排気した。
【0218】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.3Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
し、基板温度が安定したところで、μc−Siからなる
RFn型層303を形成した。
【0219】(4)μc−SiからなるRFn型層を形
成するには、SiH4ガス、PH3/H 2ガスを堆積チャ
ンバー417内にバルブ443、433、444、43
4を操作してガス導入管429を通して導入した。この
時、SiH4ガス流量が2sccm、H2ガス流量が10
0sccm、PH3/H2ガス流量が200sccmとな
るようにマスフローコントローラー438、436、4
39で調整し、堆積チャンバー417内の圧力は1.3
Torrとなるように調整した。
【0220】RF電源422の電力を0.05W/cm
2に設定し、プラズマ形成用カップ420にRF電力を
導入し、グロー放電を生起させ、基板上にRFn型層の
形成を開始し、層厚20nmのRFn型層を形成したと
ころでRF電源を切って、グロー放電を止め、RFn型
層303の形成を終えた。堆積チャンバー417内への
SiH4ガス、PH3/H2ガス、H2ガスの流入を止め、
堆積室内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真
空排気した。
【0221】(5)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/Ar(希釈度:1
00ppm)ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、O2/Ar(希釈度:100
ppm)ガス流量が500sccmになるようにバルブ
442、432を開け、マスフローコントローラー43
7で調整した。堆積チャンバー417内の圧力が1.3
Torrになるように不図示のコンダクタンスバルブで
調整した。
【0222】基板の温度が350℃になるように基板加
熱用ヒーター410を設定し、10分間本発明の微量酸
素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。
次に堆積チャンバー417内へのO2/Ar(希釈度:
100ppm)ガス、の流入を止め、堆積チャンバー4
17内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空
排気した。
【0223】(6)次に、実施例2と同様な方法によ
り、a−SiからなるRFi型層351、a−SiGe
からなるMWi型層304、a−SiからなるRFi型
層361、a−SiCからなるRFp型層305、μc
−SiからなるRFn型層306、a−SiからなるR
Fi型層352、a−SiGeからなるMWi型層30
7、a−SiからなるRFi型層362、a−SiCか
らなるRFp型層308、μc−SiからなるRFn型
層309、a−SiからなるRFi型層310、a−S
iCからなるRFp型層311を順次形成した。
【0224】(7)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (8)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0225】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実3)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表16及び表17に示した。
【0226】(比較例3−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例3と異なる。
【0227】他の点は、実施例3と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比3−1)と呼ぶことにした。
【0228】上述した2種類の光起電力素子(SC実
3)及び(SC比3−1)は、各々7個づつ作製した。
表3は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電変
換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性むら、
光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断面S
EM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0229】表3は、光起電力素子(SC比3−1)の
結果で、光起電力素子(SC実3)の結果を規格化して
表記した。
【0230】
【表3】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各7個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0231】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0232】耐環境特性とは、雰囲気温度80℃、湿度
90%、暗所に150時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0233】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0234】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0235】表3の結果から、実施例3の光起電力素子
(SC実3)は、比較例3−1の光起電力素子(SC比
3−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0236】(実施例4)本例では、μc−Siからな
るRFn型層303に代えて、a−SiからなるRFi
型層351に対してアニーリング処理を行った点が実施
例3と異なる。本例においても、図4に示したインライ
ン方式の形成装置を用いて、図3に示したトリプル型の
光起電力素子を作製した。以下では、手順に従って、そ
の作製方法を説明する。
【0237】(1)実施例1と同様な方法により準備さ
れた反射層301と反射増加層302が形成されている
基板をロードチャンバー401内の基板搬送用レール4
13上に配置し、不図示の真空排気ポンプによりロード
チャンバー401内を圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0238】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー40
2、403及び堆積チャンバー418内へゲートバルブ
406、407を開けて搬送した。基板の裏面を基板加
熱用ヒーター411に密着させ加熱し、堆積チャンバー
418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×
10-5Torrになるまで真空排気した。
【0239】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.3Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
し、基板温度が安定したところで、μc−Siからなる
RFn型層303、a−SiからなるRFi型層351
を形成した。
【0240】(4)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/H2(希釈度:1p
pm)ガスを堆積チャンバー418内にガス導入管44
9を通して導入し、O2/H2(希釈度:1ppm)ガス
流量が500sccmになるようにバルブ465、45
5を開け、マスフローコントローラー460で調整し
た。堆積チャンバー418内の圧力が1.0Torrに
なるように不図示のコンダクタンスバルブで調整した。
【0241】基板の温度が300℃になるように基板加
熱用ヒーター411を設定し、10分間本発明の微量酸
素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。
次に堆積チャンバー418内へのO2/H2(希釈度:1
ppm)ガスの流入を止め、堆積チャンバー418内お
よびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0242】(5)次に、実施例2と同様な方法によ
り、a−SiGeからなるMWi型層304、a−Si
からなるRFi型層361、a−SiCからなるRFp
型層305、μc−SiからなるRFn型層306、a
−SiからなるRFi型層352、a−SiGeからな
るMWi型層307、a−SiからなるRFi型層36
2、a−SiCからなるRFp型層308、μc−Si
からなるRFn型層309、a−SiからなるRFi型
層310、a−SiCからなるRFp型層311を順次
形成した。
【0243】(6)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (7)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0244】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実4)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表18及び表19に示した。
【0245】(比較例4−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例4と異なる。
【0246】他の点は、実施例4と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比4−1)と呼ぶことにした。
【0247】上述した2種類の光起電力素子(SC実
4)及び(SC比4−1)は、各々8個づつ作製した。
表4は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電変
換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性むら、
光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断面S
EM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0248】表4は、光起電力素子(SC比4−1)の
結果で、光起電力素子(SC実4)の結果を規格化して
表記した。
【0249】
【表4】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各8個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0250】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0251】耐環境特性とは、雰囲気温度83℃、湿度
90%、暗所に150時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0252】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0253】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0254】表4の結果から、実施例4の光起電力素子
(SC実4)は、比較例4−1の光起電力素子(SC比
4−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0255】(実施例5)本例では、μc−Siからな
るRFn型層303に代えて、a−SiGeからなるM
Wi型層304に対してアニーリング処理を行った点が
実施例3と異なる。本例においても、図4に示したイン
ライン方式の形成装置を用いて、図3に示したトリプル
型の光起電力素子を作製した。以下では、手順に従って
その作製方法を説明する。
【0256】(1)実施例1と同様な方法により準備さ
れた反射層301と反射増加層302が形成されている
基板をロードチャンバー401内の基板搬送用レール4
13上に配置し、不図示の真空排気ポンプによりロード
チャンバー401内を圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0257】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー40
2、403及び堆積チャンバー418内へゲートバルブ
406、407を開けて搬送した。基板の裏面を基板加
熱用ヒーター411に密着させ加熱し、堆積チャンバー
418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×
10-5Torrになるまで真空排気した。
【0258】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.3Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。
【0259】基板の温度が350℃になるように基板加
熱用ヒーター410を設定し、基板温度が安定したとこ
ろで、μc−SiからなるRFn型層303、a−Si
からなるRFi型層351、a−SiGeからなるMW
i型層304を形成した。
【0260】(4)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/He(希釈度:1
ppm)ガスを堆積チャンバー418内にガス導入管4
49を通して導入し、O2/He(希釈度:1ppm)
ガス流量が500sccmになるようにバルブ465、
455を開け、マスフローコントローラー460で調整
した。堆積チャンバー418内の圧力が1.0Torr
になるように不図示のコンダクタンスバルブで調整し
た。
【0261】基板の温度が300℃になるように基板加
熱用ヒーター411を設定し、10分間本発明の微量酸
素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。
次に堆積チャンバー418内へのO2/He(希釈度:
1ppm)ガスの流入を止め、堆積チャンバー418内
およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0262】(5)次に、実施例2と同様な方法によ
り、a−SiからなるRFi型層361、a−SiCか
らなるRFp型層305、μc−SiからなるRFn型
層306、a−SiからなるRFi型層352、a−S
iGeからなるMWi型層307、a−SiからなるR
Fi型層362、a−SiCからなるRFp型層30
8、μc−SiからなるRFn型層309、a−Siか
らなるRFi型層310、a−SiCからなるRFp型
層311を順次形成した。
【0263】(6)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (7)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0264】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実5)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表20及び表21に示した。
【0265】(比較例5−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例5と異なる。
【0266】他の点は、実施例5と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比5−1)と呼ぶことにした。
【0267】上述した2種類の光起電力素子(SC実
5)及び(SC比5−1)は、各々8個づつ作製した。
表5は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電変
換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性むら、
光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断面S
EM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0268】表5は、光起電力素子(SC比5−1)の
結果で、光起電力素子(SC実5)の結果を規格化して
表記した。
【0269】
【表5】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各8個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0270】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0271】耐環境特性とは、雰囲気温度83℃、湿度
90%、暗所に150時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0272】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0273】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0274】表5の結果から、実施例5の光起電力素子
(SC実5)は、比較例5−1の光起電力素子(SC比
5−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0275】(実施例6)本例では、μc−Siからな
るRFn型層303に代えて、a−SiからなるRFi
型層361に対してアニーリング処理を行った点が実施
例3と異なる。本例においても、図4に示したインライ
ン方式の形成装置を用いて、図3に示したトリプル型の
光起電力素子を作製した。以下では、手順に従って、そ
の作製方法を説明する。
【0276】(1)実施例1と同様な方法により準備さ
れた反射層301と反射増加層302が形成されている
基板をロードチャンバー401内の基板搬送用レール4
13上に配置し、不図示の真空排気ポンプによりロード
チャンバー401内を圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0277】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー40
2、403及び堆積チャンバー418内へゲートバルブ
406、407を開けて搬送した。基板の裏面を基板加
熱用ヒーター411に密着させ加熱し、堆積チャンバー
418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×
10-5Torrになるまで真空排気した。
【0278】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.3Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
し、基板温度が安定したところで、μc−Siからなる
RFn型層303、a−SiからなるRFi型層35
1、a−SiGeからなるMWi型層304、a−Si
からなるRFi型層361を形成した。
【0279】(4)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとしてO2/Ar(希釈度:10
0ppm)ガスを堆積チャンバー418内にガス導入管
449を通して導入し、O2/Ar(希釈度:100p
pm)ガス流量が500sccmになるようにバルブ4
65、455を開け、マスフローコントローラー460
で調整した。堆積チャンバー418内の圧力が1.2T
orrになるように不図示のコンダクタンスバルブで調
整した。基板の温度が300℃になるように基板加熱用
ヒーター411を設定し、10分間本発明の微量酸素原
子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。次に
堆積チャンバー418内へのO2/Ar(希釈度:10
0ppm)ガスの流入を止め、堆積チャンバー418内
およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気し
た。
【0280】(5)次に、実施例2と同様な方法によ
り、a−SiCからなるRFp型層305、μc−Si
からなるRFn型層306、a−SiからなるRFi型
層352、a−SiGeからなるMWi型層307、a
−SiからなるRFi型層362、a−SiCからなる
RFp型層308、μc−SiからなるRFn型層30
9、a−SiからなるRFi型層310、a−SiCか
らなるRFp型層311を順次形成した。
【0281】(6)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (7)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0282】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実6)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表22及び表23に示した。
【0283】(比較例6−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例6と異なる。
【0284】他の点は、実施例6と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比6−1)と呼ぶことにした。
【0285】上述した2種類の光起電力素子(SC実
6)及び(SC比6−1)は、各々7個づつ作製した。
表6は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電変
換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性むら、
光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断面S
EM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0286】表6は、光起電力素子(SC比6−1)の
結果で、光起電力素子(SC実6)の結果を規格化して
表記した。
【0287】
【表6】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各7個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0288】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0289】耐環境特性とは、雰囲気温度83℃、湿度
90%、暗所に150時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0290】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0291】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0292】表6の結果から、実施例6の光起電力素子
(SC実6)は、比較例6−1の光起電力素子(SC比
6−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0293】(実施例7)本例では、μc−Siからな
るRFn型層203に代えて、a−SiCからなるRF
p型層205に対してアニーリング処理を行った点が実
施例2と異なる。本例では、図4に示したインライン方
式の形成装置を用いて、図2に示したタンデム型の光起
電力素子を作製した。以下では、手順に従って、その作
製方法を説明する。
【0294】(1)実施例1と同様な方法により準備さ
れた反射層201と反射増加層202が形成されている
基板をロードチャンバー401内の基板搬送用レール4
13上に配置し、不図示の真空排気ポンプによりロード
チャンバー401内を圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0295】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー402
及び堆積チャンバー417内へゲートバルブ406を開
けて搬送した。基板の裏面を基板加熱用ヒーター410
に密着させ加熱し、堆積チャンバー417内を不図示の
真空排気ポンプにより圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0296】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.0Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基板加熱用ヒーター410を設定
し、基板温度が安定したところで、実施例2と同様な方
法によりμc−SiからなるRFn型層203、a−S
iからなるRFi型層251、a−SiGeからなるM
Wi型層204、a−SiからなるRFi型層261、
a−SiCからなるRFp型層205を形成した。
【0297】(4)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/H2(希釈度:10
00ppm)ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、O2/H2(希釈度:1000
ppm)ガス流量が500sccmになるようにバルブ
442、432を開け、マスフローコントローラー43
6で調整した。堆積チャンバー417内の圧力が1.0
Torrになるように不図示のコンダクタンスバルブで
調整した。基板の温度が225℃になるように基板加熱
用ヒーター410を設定し、10分間本発明の微量酸素
原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。次
に堆積チャンバー417内へのO2/H2(希釈度:10
00ppm)ガスの流入を止め、堆積チャンバー417
内およびガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気
した。
【0298】(5)次に、実施例2と同様な方法によ
り、μc−SiからなるRFn型層206、a−Siか
らなるRFi型層207、a−SiCからなるRFp型
層208を順次形成した。 (6)次に、RFp型層208上に、透明導電層212
として、層厚70nmのITOを真空蒸着法で真空蒸着
した。
【0299】(7)次に、透明導電層212上に櫛型の
穴が開いたマスクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1
000nm)/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電
極213を真空蒸着法で真空蒸着した。
【0300】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実7)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表24及び表25に示した。
【0301】(比較例7−1)本例では、微量酸素原子
含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わなかった点
が実施例7と異なる。
【0302】他の点は、実施例7と同様とした。本例の
光起電力素子は、(SC比7−1)と呼ぶことにした。
【0303】上述した2種類の光起電力素子(SC実
7)及び(SC比7−1)は、各々7個づつ作製した。
表7は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電変
換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性むら、
光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断面S
EM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0304】表7は、光起電力素子(SC比7−1)の
結果で、光起電力素子(SC実7)の結果を規格化して
表記した。
【0305】
【表7】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各7個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0306】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0307】耐環境特性とは、雰囲気温度84℃、湿度
90%、暗所に150時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0308】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0309】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0310】表7の結果から、実施例7の光起電力素子
(SC実7)は、比較例7−1の光起電力素子(SC比
7−1)よりも、全ての評価結果において優れているこ
とが分かった。
【0311】(実施例8)本例では、アニーリング処理
に用いる微量酸素原子含有ガス濃度を、0.3ppm〜
2000ppmの範囲で変えて、光電変換初期特性など
に与える影響を調べた点が実施例3と異なる。微量酸素
原子含有ガス濃度を決める希釈ガスとしては、H2ガス
を用いた。
【0312】表26にはアニーリング処理条件、表27
にはトリプル型光起電力素子の作製条件を示した。本例
においても、図4に示したインライン方式の形成装置を
用いて、図3に示したトリプル型の光起電力素子を作製
した。他の点は、実施例3と同様とした。
【0313】表28は、実施例3と同様に評価した、本
例の光起電力素子の評価結果である。表28における各
特性の評価結果は、微量酸素原子含有ガス濃度が0.3
ppmの場合えられた測定結果で規格化して示した。×
印は1.0以上1.4未満を、△印は1.4以上1.8
未満を、○印は1.8以上を表す。
【0314】表28から、微量酸素原子含有ガス雰囲気
中のアニーリング処理の酸素原子含有ガス濃度は、H
ガスに対して、光起電力素子の特性及び特性むら、光劣
化特性、及び高温高湿環境における耐環境特性、密着性
において、1ppm〜1000ppmが適した濃度であ
ることがわかった。
【0315】(実施例9)本例では、アニーリング処理
に用いる微量酸素原子含有ガス濃度を、0.3ppm〜
2000ppmの範囲で変えて、光電変換初期特性など
に与える影響を調べた点が実施例3と異なる。微量酸素
原子含有ガス濃度を決める希釈ガスとしては、Heガス
を用いた。
【0316】表29にはアニーリング処理条件、表30
にはトリプル型光起電力素子の作製条件を示した。本例
においても、図4に示したインライン方式の形成装置を
用いて、図3に示したトリプル型の光起電力素子を作製
した。他の点は、実施例3と同様とした。
【0317】表31は、実施例3と同様に評価した、本
例の光起電力素子の評価結果である。表31における各
特性の評価結果は、微量酸素原子含有ガス濃度が0.3
ppmの場合えられた測定結果で規格化して示した。×
印は1.0以上1.4未満を、△印は1.4以上1.8
未満を、○印は1.8以上を表す。
【0318】表31から、微量酸素原子含有ガス雰囲気
中のアニーリング処理の酸素原子含有ガス濃度は、He
ガスに対して、光起電力素子の特性及び特性むら、光劣
化特性、及び高温高湿環境における耐環境特性、密着性
において、1ppm〜1000ppmが適した濃度であ
ることがわかった。
【0319】(実施例10)本例では、アニーリング処
理に用いる微量酸素原子含有ガス濃度を、0.3ppm
〜2000ppmの範囲で変えて、光電変換初期特性な
どに与える影響を調べた点が実施例3と異なる。微量酸
素原子含有ガス濃度を決める希釈ガスとしては、Arガ
スを用いた。
【0320】表32にはアニーリング処理条件、表33
にはトリプル型光起電力素子の作製条件を示した。本例
においても、図4に示したインライン方式の形成装置を
用いて、図3に示したトリプル型の光起電力素子を作製
した。他の点は、実施例3と同様とした。
【0321】表34は、実施例3と同様に評価した、本
例の光起電力素子の評価結果である。表34における各
特性の評価結果は、微量酸素原子含有ガス濃度が0.3
ppmの場合えられた測定結果で規格化して示した。×
印は1.0以上1.4未満を、△印は1.4以上1.8
未満を、○印は1.8以上を表す。
【0322】表34から、微量酸素原子含有ガス雰囲気
中のアニーリング処理の酸素原子含有ガス濃度は、Ar
ガスに対して、光起電力素子の特性及び特性むら、光劣
化特性、及び高温高湿環境における耐環境特性、密着性
において、1ppm〜1000ppmが適した濃度であ
ることがわかった。
【0323】(実施例11)本例では、アニーリング処
理の温度を、25℃〜500℃の範囲で変えて、光電変
換初期特性などに与える影響を調べた点が実施例3と異
なる。微量酸素原子含有ガス濃度を決める希釈ガスとし
ては、H2ガスを用いた。
【0324】表35にはアニーリング処理条件、表36
にはトリプル型光起電力素子の作製条件を示した。本例
においても、図4に示したインライン方式の形成装置を
用いて、図3に示したトリプル型の光起電力素子を作製
した。他の点は、実施例3と同様とした。
【0325】表37は、実施例3と同様に評価した、本
例の光起電力素子の評価結果である。表37における各
特性の評価結果は、アニーリング処理の温度が25℃の
場合えられた測定結果で規格化して示した。×印は1.
0以上1.4未満を、△印は1.4以上1.8未満を、
○印は1.8以上を表す。
【0326】表37から、微量酸素原子含有ガス雰囲気
中のアニーリング処理の温度は、光起電力素子の特性及
び特性むら、光劣化特性、及び高温高湿環境における耐
環境特性、密着性において50℃〜400℃が適した温
度であることがわかった。
【0327】(実施例12)本例では、アニーリング処
理の圧力を、0.002Torr〜100Torrの範
囲で変えて、光電変換初期特性などに与える影響を調べ
た点が実施例3と異なる。微量酸素原子含有ガス濃度を
決める希釈ガスとしては、H2ガスを用いた。
【0328】表38にはアニーリング処理条件、表39
にはトリプル型光起電力素子の作製条件を示した。本例
においても、図4に示したインライン方式の形成装置を
用いて、図3に示したトリプル型の光起電力素子を作製
した。他の点は、実施例3と同様とした。
【0329】表40は、実施例3と同様に評価した、本
例の光起電力素子の評価結果である。表40における各
特性の評価結果は、アニーリング処理の圧力が0.00
2Torrの場合えられた測定結果で規格化して示し
た。×印は1.0以上1.4未満を、△印は1.4以上
1.8未満を、○印は1.8以上を表す。
【0330】表40から、微量酸素原子含有ガス雰囲気
中のアニーリング処理の圧力は、光起電力素子の特性及
び特性むら、光劣化特性、及び高温高湿環境における耐
環境特性、密着性において、0.01Torr〜10T
orrが適した圧力であることがわかった。
【0331】(実施例13)本例では、以下に示す
(イ)〜(ハ)の3点を変えて、光電変換初期特性など
に与える影響を調べた点が実施例3と異なる。 (イ)a−SiGeからなるMWi型層304及びa−
SiGeからなるMWi型層307を形成する場合のマ
イクロ波の周波数を、0.02GHz〜50GHzの範
囲で変化させた。 (ロ)微量酸素原子含有ガス濃度を決める希釈ガスとし
ては、Arガスに代えてHeガスを用いた。 (ハ)a−SiGeからなるMWi型層304に対する
アニーリング処理条件とa−SiGeからなるMWi型
層307に対するアニーリング処理条件とを変えて行っ
た。
【0332】本例では、図4に示したインライン方式の
形成装置を用いて、図3に示したトリプル型の光起電力
素子を作製した。以下では、手順に従って、その作製方
法を説明する。
【0333】(1)実施例1と同様な方法により準備さ
れた反射層301と反射増加層302が形成されている
基板をロードチャンバー401内の基板搬送用レール4
13上に配置し、不図示の真空排気ポンプによりロード
チャンバー401内を圧力が約1×10-5Torrにな
るまで真空排気した。
【0334】(2)次に、あらかじめ不図示の真空排気
ポンプにより真空引きしておいた搬送チャンバー40
2、403及び堆積チャンバー418内へゲートバルブ
406、407を開けて搬送した。基板の裏面を基板加
熱用ヒーター411に密着させ加熱し、堆積チャンバー
418内を不図示の真空排気ポンプにより圧力が約1×
10-5Torrになるまで真空排気した。
【0335】(3)以上のようにして成膜の準備が完了
した後、H2ガスを堆積チャンバー417内にガス導入
管429を通して導入し、H2ガス流量が500scc
mになるようにバルブ441、431、430を開け、
マスフローコントローラー436で調整した。堆積チャ
ンバー417内の圧力が1.3Torrになるように不
図示のコンダクタンスバルブで調整した。基板の温度が
350℃になるように基坂加熱用ヒーター410を設定
し、基板温度が安定したところで、実施例2と同様な方
法によりμc−SiからなるRFn型−303、a−S
iからなるRFi型層351、a−SiGeからなるM
Wi型層304を形成した。MWi型層の形成の際、そ
の周波数によっては、MW導入用窓425を取りはずし
不図示のアンテナタイプのMW導入電極を使用した。
【0336】(4)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/He(希釈度:1
ppm)ガスを堆積チャンバー418内にガス導入管4
49を通して導入し、O2/He(希釈度:1ppm)
ガス流量が500sccmになるようにバルブ465、
455を開け、マスフローコントローラー460で調整
した。堆積チャンバー418内の圧力が1.0Torr
になるように不図示のコンダクタンスバルブで調整し
た。基板の温度が300℃になるように基板加熱用ヒー
ター411を設定し、10分間本発明の微量酸素原子含
有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。次に堆積
チャンバー418内へのO2/He(希釈度:1pp
m)ガスの流入を止め、堆積チャンバー418内および
ガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0337】(5)次に、実施例2と同様な方法によ
り、a−SiからなるRFi型層361、a−SiCか
らなるRFp型層305、μc−SiからなるRFn型
層306、a−SiからなるRFi型−352、a−S
iGeからなるMWi型層307を順次形成した。MW
i型層の形成の際、その周波数によっては、MW導入用
窓425を取りはずし不図示のアンテナタイプのMW導
入電極を使用した。
【0338】(6)次に、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行った。本発明の微量
酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行うに
は、酸素原子含有ガスとして、O2/He(希釈度:1
ppm)ガスを堆積チャンバー418内にガス導入管4
49を通して導入し、O2/He(希釈度:1ppm)
ガス流量が500sccmになるようにバルブ465、
455を開け、マスフローコントローラー460で調整
した。堆積チャンバー418内の圧力が1.5Torr
になるように不図示のコンダクタンスバルブで調整し
た。基板の温度が280℃になるように基板加熱用ヒー
ター411を設定し、10分間本発明の微量酸素原子含
有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行った。次に堆積
チャンバー418内へのO2/He(希釈度:1pp
m)ガスの流入を止め、堆積チャンバー418内および
ガス配管内を1×10-5Torrまで真空排気した。
【0339】(7)次に、実施例2と同様な方法によ
り、a−SiからなるRFi型層362、a−SiCか
らなるRFp型−308、μc−SiからなるRFn型
層309、a−SiからなるRFi型層310、a−S
iCからなるRFp型層311を順次形成した。
【0340】(8)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (9)次に、透明薄電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0341】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニーリン
グ処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、RFp
型層の形成条件は、表41及び表42に示した。
【0342】表43は、実施例3と同様に評価した、本
例の光起電力素子の評価結果である。表43における各
特性の評価結果は、マイクロ波の周波数が0.02GH
zの場合えられた測定結果で規格化して示した。×印は
1.0以上1.4未満を、△印は1.4以上1.8未満
を、○印は1.8以上を表す。
【0343】表43から、微量酸素原子含有ガス雰囲気
中のアニーリング処理が行われる、a−SiGeからな
るMWi型層304及びa−SiGeからなるMWi型
層307を形成する場合のマイクロ波の周波数は、光起
電力素子の特性及び特性むら、光劣化特性、及び高温高
湿環境における耐環境特性、密着性において、0.1G
Hz〜10GHzが適した周波数であることがわかっ
た。
【0344】(実施例14)本例では、図5に示したロ
ール・ツー・ロール方式の形成装置を用いて、図3に示
したトリプル型の光起電力素子を作製した。その際、表
45に示した4種類からなる微量酸素原子含有ガス雰囲
気中のアニーリング処理条件の組み合わせを変えて行っ
た。以下では、手順に従ってその作製方法を説明する。
【0345】(1)ステンレス支持体上にAg(または
Al−Si等)の反射層とZnO等の反射増加層を形成
したシート状基板(シート幅30cm)をロール状に巻
き取り、シート状基板導入用のロード室5010にセッ
トした。 (2)シート状基板を全体積室内と全ガスゲートを通し
てアンロード室5150のシート巻き取り治具に接続し
た。
【0346】(3)各堆積室を不図示の排気装置で10
-3Torr以下に排気した。各堆積膜形成用のミキシン
グ装置5024、5034、5044、5054、50
64、5074、5084、5094、5104、51
14、5124、5134、5144から所望の原料ガ
スを各堆積室に供給した。
【0347】(4)各ガスゲート5201、5202、
5203、5204、5205、5206、5207、
5208、5209、5210、5211、5212、
5213、5214に各ゲートガス供給装置から、本発
明の微量酸素原子含有ガスを各ガスゲートに供給した
(表44)。
【0348】本実施例では、ガスゲートのシート状基板
を通過する間隔が可変できるようにしたので、各ガスゲ
ートに対して本発明の微量酸素原子含有ガスを全体流量
で1000sccmとなる様に流した。また、不図示の
ガスゲート内ヒーターにより本発明の微量酸素原子含有
ガス雰囲気中のアニーリング処理温度を350℃〜50
℃に調節し、本発明のアニーリング処理圧力を不図示の
作動排気装置により3Torr〜1Torrに調節し
た。
【0349】(5)各堆積装置の基板加熱用ヒーターで
基板を加熱し、各排気装置の排気バルブの開閉度を調節
して真空度に調節し、基板温度及び真空度が安定した
後、シート状基板の搬送を始め、各堆積室にプラズマ発
生用のRF電力やMW(周波数:2.45GHz)電力
を供給した。
【0350】以上の様にしてシート状基板300上にp
in構造を3つ積層したトリプル型太陽電池を形成し
た。
【0351】(6)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (7)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0352】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実14)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表44及び表45に示した。
【0353】(比較例14−1)本例では、微量酸素原
子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わずに、各
ガスゲートに所望のH2ガス又はHeガスを供給した点
が実施例14と異なる。
【0354】他の点は、実施例14と同様とした。本例
の光起電力素子は、(SC比14−1)と呼ぶことにし
た。
【0355】上述した2種類の光起電力素子(SC実1
4)及び(SC比14−1)は、各々7個づつ作製し
た。表8は、これらの各光起電力素子に対して、初期光
電変換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性む
ら、光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断
面SEM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0356】表8は、光起電力素子(SC比14−1)
の結果で、光起電力素子(SC実14)の結果を規格化
して表記した。
【0357】
【表8】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各7個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0358】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を5
0℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0359】耐環境特性とは、雰囲気温度85℃、湿度
90%、暗所に150時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0360】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0361】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0362】表8の結果から、実施例14の光起電力素
子(SC実14)は、比較例14−1の光起電力素子
(SC比14−1)よりも、全ての評価結果において優
れていることが分かった。
【0363】(実施例15)本例では、図5に示したロ
ール・ツー・ロール方式の形成装置を用いて、図3に示
したトリプル型の光起電力素子を作製した。その際、表
47に示した4種類からなる微量酸素原子含有ガス雰囲
気中のアニーリング処理条件の組み合わせを変えて行っ
た。以下では、手順に従って、その作製方法を説明す
る。
【0364】(1)ステンレス支持体上にAg(または
Al−Si等)の反射層とZnO等の反射増加層を形成
したシート状基板(シート幅30cm)をロール状に巻
き取り、シート状基板導入用のロード室5010にセッ
トした。シート状基板を全体積室内と全ガスゲートを通
してアンロード室5150のシート巻き取り治具に接続
し、各堆積室を不図示の排気装置で10-3Torr以下
に排気した。
【0365】(2)各堆積膜形成用のミキシング装置5
024、5034、5044、5054、5064、5
074、5084、5094、5104、5114、5
124、5134、5144から所望の原料ガスを各堆
積室に供給した。
【0366】(3)各ガスゲート5201、5202、
5203、5204、5205、5206、5207、
5208、5209、5210、5211、5212、
5213、5214に各ゲートガス供給装置から、本発
明の微量酸素原子含有ガスを各ガスゲートに供給した
(表46)。
【0367】本実施例では、ガスゲートのシート状基板
を通過する間隔が可変できるようにしたので、各ガスゲ
ートに対して本発明の微量酸素原子含有ガスを全体流量
で1000sccmとなる様に流した。また、不図示の
ガスゲート内ヒーターにより本発明の微量酸素原子含有
ガス雰囲気中のアニーリング処理温度を350℃〜25
0℃に調節し、本発明のアニーリング処理圧力を不図示
の作動排気装置により3Torr〜1Torrに調節し
た。
【0368】(4)各堆積装置の基板加熱用ヒーターで
基板を加熱し、各排気装置の排気バルブの開閉度を調節
して真空度に調節し、基板温度及び真空度が安定した
後、シート状基板の搬送を始め、各堆積室にプラズマ発
生用のRF電力やMW(周波数:0.5GHz)電力を
供給した。MW電力供給部はアンテナタイプのMW導入
電極を使用した。
【0369】以上の様にしてシート状基板300上にp
in構造を3つ積層したトリプル型太陽電池を形成し
た。
【0370】(5)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (6)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0371】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実15)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表46及び表47に示した。
【0372】(比較例15−1)本例では、微量酸素原
子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わずに、各
ガスゲートに所望のH2ガス、Heガス、又はArガス
を供給した点が実施例15と異なる。
【0373】他の点は、実施例15と同様とした。本例
の光起電力素子は、(SC比15−1)と呼ぶことにし
た。
【0374】上述した2種類の光起電力素子(SC実1
5)及び(SC比15−1)は、各々7個づつ作製し
た。表9は、これらの各光起電力素子に対して、初期光
電変換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性む
ら、光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断
面SEM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0375】表9は、光起電力素子(SC比15−1)
の結果で、光起電力素子(SC実15)の結果を規格化
して表記した。
【0376】
【表9】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各7個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0377】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を4
8℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0378】耐環境特性とは、雰囲気温度87℃、湿度
90%、暗所に200時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0379】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0380】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0381】表9の結果から、実施例15の光起電力素
子(SC実15)は、比較例15−1の光起電力素子
(SC比15−1)よりも、全ての評価結果において優
れていることが分かった。
【0382】(実施例16)本例では、図5に示したロ
ール・ツー・ロール方式の形成装置を用いて、図3に示
したトリプル型の光起電力素子を作製した。その際、表
49に示した4種類からなる微量酸素原子含有ガス雰囲
気中のアニーリング処理条件の組み合わせを変えて行っ
た。以下では、手順に従って、その作製方法を説明す
る。
【0383】(1)ステンレス支持体上にAg(または
Al−Si等)の反射層とZnO等の反射増加層を形成
したシート状基板(シート幅30cm)をロール状に巻
き取り、シート状基板導入用のロード室5010にセッ
トした。シート状基板を全体積室内と全ガスゲートを通
してアンロード室5150のシート巻き取り治具に接続
し、各堆積室を不図示の排気装置で10-3Torr以下
に排気した。
【0384】(2)各堆積膜形成用のミキシング装置5
024、5034、5044、5054、5064、5
074、5084、5094、5104、5114、5
124、5134、5144から所望の原料ガスを各堆
積室に供給した。
【0385】(3)各ガスゲート5201、5202、
5203、5204、5205、5206、5207、
5208、5209、5210、5211、5212、
5213、5214に各ゲートガス供給装置から、本発
明の微量酸素原子含有ガスを各ガスゲートに供給した
(表48)。
【0386】本実施例では、ガスゲートのシート状基板
を通過する間隔が可変できるようにしたので、各ガスゲ
ートに対して本発明の微量酸素原子含有ガスを全体流量
で1200sccmとなる様に流した。また、不図示の
ガスゲート内ヒーターにより本発明の微量酸素原子含有
ガス雰囲気中のアニーリング処理温度を350℃〜50
℃に調節し、本発明のアニーリング処理圧力を不図示の
作動排気装置により3Torr〜1Torrに調節し
た。
【0387】(4)各堆積装置の基板加熱用ヒーターで
基板を加熱し、各排気装置の排気バルブの開閉度を調節
して真空度に調節し、基板温度及び真空度が安定した
後、シート状基板の搬送を始め、各堆積室にプラズマ発
生用のRF電力やMW(周波数:0.1GHz)電力を
供給した。MW電力供給部はアンテナタイプのMW導入
電極を使用した。
【0388】以上の様にしてシート状基板300上にp
in構造を3つ積層したトリプル型太陽電池を形成し
た。
【0389】(5)次に、RFp型層311上に、透明
導電層312として、層厚70nmのITOを真空蒸着
法で真空蒸着した。 (6)次に、透明導電層312上に櫛型の穴が開いたマ
スクを乗せ、Cr(40nm)/Ag(1000nm)
/Cr(40nm)からなる櫛形の集電電極313を真
空蒸着法で真空蒸着した。
【0390】以上で、本例の光起電力素子の作製を終え
た。この光起電力素子を(SC実16)と呼ぶことにし
た。また、本例の微量酸素原子含有ガス雰囲気中のアニ
ーリング処理、RFn型層、RFi型層、MWi型層、
RFp型層の形成条件は、表48及び表49に示した。
【0391】(比較例16−1)本例では、微量酸素原
子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わずに、各
ガスゲートに所望のH2ガス、Heガス、又はArガス
を供給した点が実施例16と異なる。
【0392】他の点は、実施例16と同様とした。本例
の光起電力素子は、(SC比16−1)と呼ぶことにし
た。
【0393】上述した2種類の光起電力素子(SC実1
6)及び(SC比16−1)は各々7個づつ作製した。
表10は、これらの各光起電力素子に対して、初期光電
変換効率(光起電力/入射光電力)の特性及び特性む
ら、光劣化特性、高温高湿環境における耐環境特性、断
面SEM観察、密着性測定を行った評価結果である。
【0394】表10は、光起電力素子(SC比16−
1)の結果で、光起電力素子(SC実16)の結果を規
格化して表記した。
【0395】
【表10】 但し、初期光電変換効率の特性とは、作製した光起電力
素子を、AM−1.5(100mW/cm2)光照射下
に設置して、V−I特性を測定することにより得た。初
期光電変換効率の特性むらとは、各7個の光起電力素子
における初期光電変換効率のバラツキである。
【0396】光劣化特性とは、光起電力素子の温度を4
5℃とし、100mW/cm2の1sun下で1000
時間照射した後、評価した光電変換効率の低下率であ
る。
【0397】耐環境特性とは、雰囲気温度86℃、湿度
91%、暗所に220時間放置し、その後光起電力素子
の温度を25℃とし、100mW/cm2の1sun下
で評価した光電変換効率の低下率である。
【0398】断面SEM観察とは、光起電力素子の断面
を、日立製作所社製SEM(型番:S−4500、倍
率:5万倍)を用い、マイクロクラックの発生状況を評
価した結果である。マイクロクラックとしては、サイズ
が10nm以上のものを測定対象とし、単位面積あたり
の発生数を測定した。
【0399】密着性測定とは、上記断面SEM観察に用
いた試料に対して、オリンパス社製光学顕微鏡(明視
野、1000倍)にて層剥離の様子を観察した結果であ
る。
【0400】表10の結果から、実施例16の光起電力
素子(SC実16)は、比較例16−1の光起電力素子
(SC比16−1)よりも、全ての評価結果において優
れていることが分かった。
【0401】(実施例17)本例では、図4に示したイ
ンライン方式の形成装置を用いて界面欠陥密度測定用の
単一膜を4種類作製した。4種類のサンプルとは、形成
された半導体層の単一膜が、RFn型層の場合(サンプ
ルA)、RFi型層の場合(サンプルB)、MWi型層
の場合(サンプルC)、RFp型層の場合(サンプル
D)を指す。
【0402】以下では、手順に従って、その作製方法を
説明する。 (1)まず、基板の作製を行った。厚さ0.8mm、2
5×50mm2の石英ガラスの支持体(100)をアセ
トンとイソプロパノールで超音波洗浄し、温風乾燥させ
た。
【0403】(2)スパッタリング法を用いて室温で石
英ガラスの支持体(100)表面上に層厚5nmのCr
を形成し、基板の作製を終えた。 (3)次に、実施例1と同様の方法によって各半導体層
n,i,pをそれぞれ1μmずつを形成し、実施例1と
同様の方法によって本発明の微量酸素原子含有ガス雰囲
気中のアニーリング処理を行った。
【0404】以上で、本例の界面欠陥密度測定用の単一
膜の作製を終えた。この界面欠陥密度測定用の単一膜を
(SC実17)と呼ぶことにした。また、本例の微量酸
素原子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理、RFn型
層、RFi型層、MWi型層、RFp型層の形成条件
は、表50及び表51に示した。
【0405】(比較例17−1)本例では、微量酸素原
子含有ガス雰囲気中のアニーリング処理を行わずに、各
半導体層を形成した点が実施例17と異なる。
【0406】他の点は、実施例17と同様とした。本例
の界面欠陥密度測定用の単一膜は、(SC比17−1)
と呼ぶことにした。
【0407】上述した2種類の界面欠陥密度測定用の単
一膜(SC実17)及び(SC比17−1)は、各々3
個づつ作製した。表11は、これらの各界面欠陥密度測
定用の単一膜に対して、PDS(Photothermal Deflect
ion Spectroscopy)を測定した結果である。測定の結果
は、(SP比17−1)を用いて(SP実17)を規格
化して示した。すなわち、表11中の数字は界面欠陥密
度の低下率を示す。
【0408】
【表11】 ここで、上記PDSの測定法は、“W. B. Jackson, D.
K. Biegelsen, J. C.Knights et. al. Appl. Phys. Le
tt. 42, 105, (1983)”、及び“Z. E. Smith,V. Chu,
T. L. Chu et. al. Appl. Phy. Lett. 50, 1521, (198
7)に記載された方法を用いた。
【0409】表11から、本発明の微量酸素原子含有ガ
ス雰囲気中のアニーリング処理を行ったもの(SP実1
7)は、従来のアニーリング処理を行わなかったもの
(SP比17−1)よりも、界面欠陥密度が小さく優れ
ていることが分かった。
【0410】
【表12】
【0411】
【表13】
【0412】
【表14】
【0413】
【表15】
【0414】
【表16】
【0415】
【表17】
【0416】
【表18】
【0417】
【表19】
【0418】
【表20】
【0419】
【表21】
【0420】
【表22】
【0421】
【表23】
【0422】
【表24】
【0423】
【表25】
【0424】
【表26】
【0425】
【表27】
【0426】
【表28】
【0427】
【表29】
【0428】
【表30】
【0429】
【表31】
【0430】
【表32】
【0431】
【表33】
【0432】
【表34】
【0433】
【表35】
【0434】
【表36】
【0435】
【表37】
【0436】
【表38】
【0437】
【表39】
【0438】
【表40】
【0439】
【表41】
【0440】
【表42】
【0441】
【表43】
【0442】
【表44】
【0443】
【表45】
【0444】
【表46】
【0445】
【表47】
【0446】
【表48】
【0447】
【表49】
【0448】
【表50】
【0449】
【表51】
【0450】
【発明の効果】
(請求項1)以上説明したように、請求項1に係る発明
によれば、チャンバー壁面に吸着または含まれている不
純物を半導体層に取り込むことの少ない、光起電力素子
の形成方法が得られる。
【0451】(請求項2)請求項2に係る発明によれ
ば、シリコン層表面に対する酸化を、適当な膜厚分だけ
行うことができる、光起電力素子の形成方法が得られ
る。
【0452】(請求項3)請求項3に係る発明によれ
ば、シリコン層表面に対する酸化を、適当な膜厚分だけ
行うことができる、光起電力素子の形成方法が得られ
る。
【0453】(請求項4)請求項4に係る発明によれ
ば、高速成膜が可能で光劣化の少ない高品質な膜ができ
る、光起電力素子の形成方法が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアニーリング処理方法を適用した
シングル型の光起電力素子の模式的断面図である。
【図2】本発明に係るアニーリング処理方法を適用した
タンデム型の光起電力素子の模式的断面図である。
【図3】本発明に係るアニーリング処理方法を適用した
トリプル型の光起電力素子の模式的断面図である。
【図4】本発明に係る多室分離型の形成装置の模式的説
明図である。
【図5】本発明に係るロール・ツー・ロール方式の形成
装置の模式的説明図である。
【図6】本発明に係るロール・ツー・ロール方式の形成
装置におけるRFプラズマCVDによる堆積膜形成室の
模式的説明図である。
【図7】本発明に係るロール・ツー・ロール方式の形成
装置におけるマイクロ波プラズマCVDによる堆積膜形
成室の模式的説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−109385(JP,A) 特開 平2−177375(JP,A) 特開 平3−32019(JP,A) 特表 平5−504235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078 H01L 21/324

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン原子を含有し、かつ、結晶構造
    が非単結晶であるn型、i型、及びp型の半導体層を積
    層してなるpin構造体が、基体上に、少なくとも1回
    以上繰り返し配設された光起電力素子の形成方法におい
    て、 前記半導体層の各表面のうち少なくとも1つの表面が、
    酸素原子含有ガスを1〜1000ppm含有した水素ガ
    ス、ヘリウムガス、又はアルゴンガスの雰囲気中でアニ
    ーリング処理されることを特徴とする光起電力素子の形
    成方法。
  2. 【請求項2】 前記アニーリング処理の温度が、50℃
    〜400℃であることを特徴とする請求項1に記載の光
    起電力素子の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記アニーリング処理の圧力が、0.0
    1Torr〜10Torrであることを特徴とする請求
    項1又は2に記載の光起電力素子の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記起電力素子の形成法が、放電周波
    数:0.1〜10GHzのマイクロ波プラズマCVD法
    である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光起電力
    素子の形成方法。
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