JPH11271437A - 目標追尾装置及び目標追尾方法 - Google Patents

目標追尾装置及び目標追尾方法

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JPH11271437A
JPH11271437A JP10072606A JP7260698A JPH11271437A JP H11271437 A JPH11271437 A JP H11271437A JP 10072606 A JP10072606 A JP 10072606A JP 7260698 A JP7260698 A JP 7260698A JP H11271437 A JPH11271437 A JP H11271437A
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Takamitsu Okada
隆光 岡田
Shingo Tsujimichi
信吾 辻道
Yoshio Kosuge
義夫 小菅
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 追尾目標の色彩が中間色の場合、その中間色
を示す属性データZk,id(i)が目標観測装置1から出
力されず、その中間色に近い他の色を示す属性データZ
k,id(i)に基づいて観測データ k,trk (i)を選択
する必要があるため、観測データ k,trk (i)の信頼
度が低下し、追尾目標を精度よく追尾することができな
い課題があった。 【解決手段】 運動諸元相関器24から出力された観測
データ k,trk (i)に係る属性データZk,id(i)
と、属性データ推定器25から出力された属性データの
推定値Xハットk,id(i)の相関を判定し、相関関係が
ある観測データ k, trk (i)を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、追尾目標の位置
及び属性を観測し、その観測結果に基づいて追尾目標を
追尾する目標追尾装置及び目標追尾方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図10は例えば特開平5−288840
号公報に示された従来の目標追尾装置を示す構成図であ
り、図において、1は追尾目標の位置及び属性を観測
し、その追尾目標の位置を示す観測データ k,trk
(i)と追尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)
を出力する目標観測装置、2は目標観測装置1から出力
された観測データ k,trk (i)及び属性データZk,id
(i)をそれぞれ運動諸元確率分布算出器3,運動諸元
相関器4,属性データ確率分布算出器5及び追尾目標属
性信頼度算出器6に転送する観測諸元転送装置、3は現
時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハット
k,trk (−)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率
分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率
分布)の平均値であるベクトル k,trk (−)を算出す
るとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された
予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤
差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運動諸元の
確率分布の広がりSk を算出し、そのベクトル k,trk
(−)と確率分布の広がりSk に基づいて追尾目標から
の運動諸元の確率分布A(i)を求める運動諸元確率分
布算出器、4は運動諸元確率分布算出器3により算出さ
れた確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdか
ら、追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,trk
(i)を選択する運動諸元相関器である。
【0003】また、5は1サンプリング前に算出された
属性信頼度P(Ja|Zk-1 )又はその初期値P(J
a)と、目標観測装置1により仮説Jaの元で観測され
た属性データZk,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|
Ja)に基づいて追尾目標からの属性データの確率分布
B(i)を算出する属性データ確率分布算出器、6は観
測データの仮説Jaの信頼度βk,i と、目標観測装置1
により仮説Jaの元で観測された属性データZ
k,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|Ja)と、現時
刻より1サンプリング前に算出された追尾目標の属性信
頼度P(Ja|Zk-1 )とを入力し、追尾目標の属性信
頼度P(Ja|Zk-1 )を算出する追尾目標属性信頼度
算出器、7は追尾目標属性信頼度算出器6により算出さ
れた追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk-1 )を1サン
プリング時間だけ遅延する第2の遅延回路、8は属性デ
ータ確率分布算出器5から出力された属性データの確率
分布B(i)と予め設定されたパラメータCから、追尾
目標と相関の可能性のある観測データ k,trk (i)を
選択する属性相関器である。
【0004】また、9は運動諸元確率分布算出器3から
出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性データ
確率分布算出器5から出力された属性データの確率分布
B(i)と、予め設定されたセンサの探知確率PD と、
目標予測存在範囲内に存在する確率PGKとから、観測デ
ータの仮説の信頼度βk,i を算出する探知データ信頼度
算出器、10はゲイン行列Kk と、観測データの仮説の
信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出さ
れた予測値Xハット k,trk (−)と、現時刻より1サン
プリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)
と、属性相関器8により選択された観測データ k,trk
(i)とから平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出する
平滑誤差評価器、11は平滑誤差評価器10から出力さ
れた平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行
列Qk-1 から予測誤差共分散行列Pk (−)を算出する
予測誤差評価器、12は予測誤差評価器11により算出
された予測誤差共分散行列Pk (−)を1サンプリング
時間だけ遅延する第3の遅延回路である。
【0005】また、13は1サンプリング前に算出され
た予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測
誤差共分散行列Rk からゲイン行列Kk を算出するゲイ
ン行列算出器、14はゲイン行列算出器13から出力さ
れたゲイン行列Kk と、探知データ信頼度算出器9から
出力された観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻
より1サンプリング前に算出された予測値Xハット
k,trk (−)と、属性相関器8により選択された観測デ
ータ k,trk (i)とから平滑値Xハット k,trk (+)
を算出する平滑器、15は平滑器14により算出された
平滑値Xハット k,tr k (+)から予測値Xハット k,trk
(−)を算出する予測器、16は予測器15により算出
された予測値Xハット k,trk (−)を1サンプリング時
間だけ遅延する第1の遅延回路である。
【0006】次に動作について説明する。まず、目標観
測装置1は、追尾目標の位置及び属性(例えば、追尾目
標の色彩等)を観測し、その追尾目標の位置を示す観測
データ k,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性デー
タZk,id(i)を出力するが(例えば、追尾目標が赤色
と黄色の中間色の場合、赤色又は黄色のうち近い方の色
(例えば、赤色)を示す属性データZk,id(i)を出力
する)、図11に示すように、追尾目標の実際の位置が
P点であっても、観測誤差等の影響で目標観測装置1の
観測結果がD2やD4点等を示すことがある。また、追
尾目標以外のクラッタ等を追尾目標と判定して、目標観
測装置1の観測結果がD5やD6点等を示すことがあ
る。
【0007】そこで、追尾目標の追尾精度を高めるため
には、追尾目標と相関関係がある観測データ k,trk
(i)を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2
が、目標観測装置1から出力された観測データ k,trk
(i)及び属性データZk,id(i)をそれぞれ運動諸元
確率分布算出器3,運動諸元相関器4,属性データ確率
分布算出器5及び追尾目標属性信頼度算出器6に転送す
る。
【0008】そして、運動諸元確率分布算出器3は、観
測諸元転送装置2から観測データ k,trk (i)を受け
ると、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値
Xハット k,trk (−)に基づいて追尾目標からの運動諸
元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を
示す確率分布)の平均値であるベクトル k,trk (−)
を算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算
出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定され
た観測誤差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運
動諸元の確率分布の広がりSk を算出する。そして、運
動諸元確率分布算出器3は、ベクトル k,trk (−)と
確率分布の広がりSk を算出すると、そのベクトル
k,trk (−)と確率分布の広がりSkに基づいて追尾目
標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める(図11
を参照)。 A(i)=g( k,trk (−); k (−),Sk
【0009】このようにして、運動諸元確率分布算出器
3が運動諸元の確率分布を求めると、運動諸元相関器4
は、その運動諸元の確率分布A(i)と予め設定された
パラメータdから追尾目標と相関の可能性のある観測デ
ータ k,trk (i)を選択する(図11の例では、D
1,D2,D3,D4の位置を示す観測データ k,trk
(i)を選択する)。具体的には、各観測データ
k,trk (i)毎に下記の不等式を満たすか否かを判定
し、不等式を満たす観測データ k,trk (i)を選択す
る。 ( k,trk (i)− k,trk (−))Tk -1 k,trk (i)− k,trk (−))≦d
【0010】また、運動諸元相関器4により選択された
観測データ k,trk (i)の中から更に追尾目標と相関
関係の大きい観測データ k,trk (i)を選択するた
め、まず、追尾目標属性信頼度算出器6が、観測データ
の仮説Jaの信頼度βk,i と、目標観測装置1により仮
説Jaの元で観測された属性データZk,id(i)の信頼
度P(Zk,id(i)|Ja)と、現時刻より1サンプリ
ング前に算出された追尾目標の属性信頼度P(Ja|Z
k-1 )とに基づいて、追尾目標の属性信頼度P(Ja|
k-1 )を算出すると、属性データ確率分布算出器5
が、1サンプリング前に算出された属性信頼度P(Ja
|Zk-1 )又はその初期値P(Ja)と、目標観測装置
1により仮説Jaの元で観測された属性データZ
k,id(i)の信頼度P(Zk,id(i)|Ja)に基づい
て追尾目標からの属性データの確率分布B(i)を算出
する。
【0011】このようにして、属性データ確率分布算出
器5が属性データの確率分布を算出すると、属性相関器
8は、その属性データの確率分布B(i)と予め設定さ
れたパラメータCから、追尾目標と相関の可能性のある
観測データ k,trk (i)を選択する(図12の例で
は、D1,D3の位置を示す観測データ k,trk (i)
を選択する)。具体的には、運動諸元相関器4により選
択された各観測データ k,trk (i)毎に下記の不等式
を満たすか否かを判定し、不等式を満たす観測データ
k,trk(i)を選択する。 B(i)=ΣP(Zk,id(i)|Ja)P(Ja|Z
k-1 )C
【0012】そして、属性相関器8が追尾目標と相関関
係がある観測データ k,trk (i)を選択すると、次
に、その観測データ k,trk (i)に基づいて次サンプ
リング時の追尾目標の位置を予測する処理を実行する。
具体的には、まず、探知データ信頼度算出器9が、運動
諸元確率分布算出器3から出力された運動諸元の確率分
布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力さ
れた属性データの確率分布B(i)と、予め設定された
センサの探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在す
る確率PGKとから、観測データの仮説の信頼度βk,i
算出する。
【0013】そして、探知データ信頼度算出器9が観測
データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、等速直線運
動モデルを使用する平滑誤差評価器10が、ゲイン行列
kと、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻よ
り1サンプリング前に算出された予測値Xハット k,trk
(−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予
測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器8により選
択された観測データ k,trk (i)とから平滑誤差共分
散行列Pk (+)を算出し、等速直線運動モデルを使用
する予測誤差評価器11が、平滑誤差共分散行列Pk
(+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から予測誤差共分散
行列Pk (−)を算出し、ゲイン行列算出器13が、1
サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk
(−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk からゲ
イン行列Kk を算出する。
【0014】このようにして、ゲイン行列算出器13が
ゲイン行列Kk を算出すると、等速直線運動モデルを使
用する平滑器14は、ゲイン行列Kk と、観測データの
仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に
算出された予測値Xハット k, trk (−)と、属性相関器
8により選択された観測データ k,trk (i)とから平
滑値Xハット k,trk (+)を算出する。そして、等速直
線運動モデルを使用する予測器15は、平滑器14が平
滑値Xハット k,trk (+)を算出すると、その平滑値
ハット k,trk (+)から予測値Xハット k,trk (−)を
算出する。これにより、追尾目標の次サンプリング時の
位置は、Xハット k,trk (−)であると推定される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標追尾装置は
以上のように構成されているので、追尾目標の色彩が原
色に近い色であれば、属性データZk,id(i)に基づい
て追尾目標と相関関係がある観測データ k,trk (i)
を選択することができるが、追尾目標の色彩が中間色の
場合、その中間色を示す属性データZk,id(i)が目標
観測装置1から出力されず、その中間色に近い他の色を
示す属性データZk,id(i)に基づいて観測データ
k,trk (i)を選択する必要があるため、観測データ
k,trk (i)の信頼度が低下し、追尾目標を精度よく追
尾することができない課題があった。
【0016】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、追尾目標の色彩が中間色の場合で
も、追尾目標を精度よく追尾することができる目標追尾
装置及び目標追尾方法を得ることを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明に係る目標追尾
装置は、位置相関手段から出力された観測データに係る
属性データと推定された属性データの相関を判定し、相
関関係がある観測データを選択するようにしたものであ
る。
【0018】この発明に係る目標追尾装置は、観測手段
から出力された観測データに係る属性データと推定され
た属性データの相関を判定し、相関関係がある観測デー
タを選択するようにしたものである。
【0019】この発明に係る目標追尾装置は、観測手段
から出力された現在の属性データと前回の推定結果から
属性データを推定するようにしたものである。
【0020】この発明に係る目標追尾装置は、複数の運
動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各
予測結果を統合するようにしたものである。
【0021】この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標
の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行
列に基づいて平滑誤差の評価値を演算するようにしたも
のである。
【0022】この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標
の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行
列に基づいて予測誤差の評価値を演算するようにしたも
のである。
【0023】この発明に係る目標追尾方法は、位置相関
ステップで選択された観測データに係る属性データと推
定された属性データの相関を判定し、相関関係がある観
測データを選択するようにしたものである。
【0024】この発明に係る目標追尾方法は、観測ステ
ップで観測された観測データに係る属性データと推定さ
れた属性データの相関を判定し、相関関係がある観測デ
ータを選択するようにしたものである。
【0025】この発明に係る目標追尾方法は、現在の属
性データと前回の推定結果から属性データを推定するよ
うにしたものである。
【0026】この発明に係る目標追尾方法は、複数の運
動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各
予測結果を統合するようにしたものである。
【0027】この発明に係る目標追尾方法は、追尾目標
の位置を予測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行
列に基づいて平滑誤差の評価値を演算するようにしたも
のである。
【0028】この発明に係る目標追尾方法は、追尾目標
の位置を予測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行
列に基づいて予測誤差の評価値を演算するようにしたも
のである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による目
標追尾装置を示す構成図であり、図において、21は追
尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を
示す観測データ k,trk (i)と追尾目標の属性を示す
属性データZk,id(i)を出力する目標観測装置(観測
手段)、22は目標観測装置21から出力された観測デ
ータ k,trk (i)及び属性データZk,id(i)をそれ
ぞれ運動諸元確率分布算出器23,運動諸元相関器2
4,属性データ推定器25及び探知データ信頼度算出器
29に転送する観測諸元転送装置である。
【0030】また、23は現時刻より1サンプリング前
に算出された予測値Xハット k,trk(−)に基づいて追
尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する
可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベク
トル k,trk (−)を算出するとともに、現時刻より1
サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列P
k(−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk に基
づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk
を算出し、そのベクトル k,trk (−)と確率分布の広
がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布
A(i)を求める運動諸元確率分布算出器(位置相関手
段)、24は運動諸元確率分布算出器23により算出さ
れた確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdか
ら、追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,trk
(i)を選択する運動諸元相関器(位置相関手段)であ
る。
【0031】また、25は観測データの仮説Xk,i の信
頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出した
属性データの推定値Xハットk-1,id(i)と、現在の属
性データZk,id(i)とから、現時刻における属性デー
タの推定値Xハットk,id(i)を算出する属性データ推
定器(推定手段)、26は属性データ推定器25により
算出された属性データの推定値Xハットk,id(i)を1
サンプリング時間だけ遅延する第2の遅延回路、27は
運動諸元相関器24により選択された観測データ
k,trk (i)のうち、現時刻における属性データの推定
値Xハットk,id(i)と予め設定された属性データの観
測誤差分散σ2 id から、追尾目標と相関の可能性のある
観測データ k,trk (i)を選択し、また、追尾目標か
らの属性データの確率分布C(i)を算出する属性相関
器(属性相関手段)である。
【0032】また、28は属性相関器27により選択さ
れた観測データ k,trk (i)に基づいて追尾目標の位
置を予測する予測装置(予測手段)、29は運動諸元確
率分布算出器23から出力された運動諸元の確率分布A
(i)と、属性相関器27から出力された属性データの
確率分布C(i)と、予め設定されたセンサの探知確率
D と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGKとか
ら、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する探知デ
ータ信頼度算出器、30はゲイン行列Kk と、観測デー
タの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング
前に算出された予測値Xハット k,trk (−)と、現時刻
より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列
k (−)と、属性相関器27により選択されたmk
の観測データ k,trk (i)とから平滑誤差共分散行列
k (+)を算出する平滑誤差評価器、31は平滑誤差
評価器30から出力された平滑誤差共分散行列Pk
(+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から予測誤差共分散
行列Pk (−)を算出する予測誤差評価器、32は予測
誤差評価器31により算出された予測誤差共分散行列P
k(−)を1サンプリング時間だけ遅延する第3の遅延
回路である。
【0033】さらに、33は1サンプリング前に算出さ
れた予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観
測誤差共分散行列Rk からゲイン行列Kk を算出するゲ
イン行列算出器、34はゲイン行列算出器33から出力
されたゲイン行列Kk と、探知データ信頼度算出器29
から出力された観測データの仮説の信頼度βk,i と、現
時刻より1サンプリング前に算出された予測値Xハット
k,trk (−)と、属性相関器27により選択されたmk
個の観測データ k,trk (i)とから平滑値Xハット
k,trk (+)を算出する平滑器、35は平滑器34によ
り算出された平滑値Xハット k,trk (+)から予測値
ハット k,trk (−)を算出する予測器、36は予測器3
5により算出された予測値Xハット k,trk (−)を1サ
ンプリング時間だけ遅延する第1の遅延回路である。な
お、図2はこの発明の実施の形態1による目標追尾方法
を示すフローチャートである。
【0034】次に動作について説明する。具体的な動作
を説明する前に、実施の形態1による目標追尾装置の原
理を説明する。まず、追尾目標の真値を表す状態ベクト
ルを式(1)のように定義する。ただし、ベクトルを表
す記号にはアンダーラインを付する。式(1)におい
て、追尾目標の真値を表す状態ベクトルは、目標の位置
及び速度等の運動データの真値を表す状態ベクトル
k,trk (i)と、属性データの真値を表す状態ベクトル
k,id(i)を成分とするベクトル k とする。また、
複数個をN個とした場合の運動モデルを式(2)とす
る。
【0035】
【数1】
【0036】ここで、ベクトル k,trk (i)はサンプ
リング時刻tk における追尾目標の運動諸元の真値を表
す状態ベクトルであり、直交座標における追尾目標の位
置ベクトルを式(3)、直交座標における追尾目標の速
度ベクトルを式(4)とした場合には、式(5)で表さ
れる。ここで、ベクトルAT はベクトルAの転置ベクト
ルを表す。
【0037】
【数2】
【0038】また、Φk-1 はサンプリング時刻tk-1
らサンプリング時刻tk に推移する状態ベクトル
k,trk (i)の推移行列で目標が等速直線運動を行うと
仮定した場合、式(6)で表される。ここで、I は式
(7)に示す単位行列を表し、0Iは3行3列の零行列
である。
【0039】
【数3】
【0040】例えば、目標の運動モデルを等速直線運動
と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ1 (k−1)
ωk-1 とみれば、サンプリング時刻tk における駆動雑
音ベクトルωk-1 は加速度ベクトルに相当し、Eを平均
を表す記号として、平均0ベクトルの3次元正規分布白
色雑音で、式(8)及び式(9)とする。
【0041】
【数4】
【0042】ここで、は零ベクトル、Qはサンプ
リング時刻tk における駆動雑音共分散行列である。Γ
1 (k)はサンプリング時刻tk における駆動雑音ベク
トルの変換行列で、式(10)で表される。
【0043】
【数5】
【0044】次に観測モデルを以下のように定義する。
サンプル時刻tk における位置を示す観測データと、属
性を示す属性データの組みを式(11)とする。ここ
で、ベクトル k,trk は目標観測位置に関する観測ベク
トルであり、またベクトルZk, idは属性データに関する
観測ベクトルである。
【0045】
【数6】
【0046】追尾目標の観測位置に関する観測モデルを
式(12)のように定義する。ここで、Hはサンプリン
グ時刻tk における観測行列である。また、ベクトルν
k はサンプリング時刻tk における目標観測ベクトルに
対応した観測雑音ベクトルであって、平均ベクトル0の
3次元正規白色雑音であり、Eを平均を表す記号として
式(13),(14)を満たすものとする。なお、Rk
はサンプリング時刻tk における観測雑音共分散行列で
ある。
【0047】
【数7】
【0048】追尾目標からの属性データに関する観測モ
デルを式(15)のように定義する。
【0049】
【数8】
【0050】ここで、ν2,k はサンプリング時刻tk
おける属性観測データに対応した観測雑音で、平均0、
分散σidの正規白色雑音である。
【0051】追尾対象目標以外からの観測データは空間
に一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk にお
ける単位体積当たりの発生頻度をβk FT とし、追尾目標
と相関を取るべき目標予測存在範囲の体積をVGKとした
とき、追尾対象目標以外からの観測データが目標予測存
在範囲内に存在する総数は、平均βk FTGKのポアソン
分布に従うとする。
【0052】サンプリング時刻tk における追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の観測データの総数
をmk 、観測データを式(16)で表す。ここで、ベク
トル k,i はi番目の観測ベクトルであり、その全体を
式(17)で表す。また、サンプリング時刻t1 からt
k までの観測ベクトルの全体を式(18)で、観測ベク
トルの総数を式(19)で定義する。
【0053】
【数9】
【0054】次に追尾対象目標からの観測ベクトルの確
率分布について示す。観測ベクトル k,i が追尾対象目
標からの観測データのとき、この確率分布を条件付き確
率密度関数で表すと、式(20)のようになる。
【0055】
【数10】
【0056】ここで、式(21)は追尾対象目標からの
属性データの確率分布であり、式(22)は追尾対象目
標からの位置等の運動諸元の確率分布である。
【0057】
【数11】
【0058】追尾対象目標からの運動諸元の確率分布
は、式(23)に示す条件付き確率密度関数で表される
とする。ここで、式(23)の右辺は平均ベクトル k
(−)、共分散行列Sk の3次元正規分布の k,trk
(i)における確率密度である。即ち、追尾対象目標か
らの観測データは式(24)で与えられる目標予測位置
ベクトル k,trk (−)を平均とし、式(25)で与え
られるSk を共分散行列とする3次元正規分布に従うと
する。ここで、ベクトルXハット k,trk (−)は予測値
で、式(26)で表され、Pk (−)は予測誤差共分散
行列で、式(27)で表される。
【0059】一方、追尾対象目標からの属性データの確
率分布は、式(28)に示す条件付き確率密度関数で表
されるとする。ここで、式(28)の右辺は平均Xハッ
k- 1,id、分散σ2 id の正規分布のZk,id(i)におけ
る確率密度である。即ち、追尾対象目標からの観測デー
タは式(24)で与えられる1サンプリング前の属性デ
ータの推定値Xハットk-1,id(i)を平均とし、σid
分散とする正規分布に従うとする。
【0060】
【数12】
【0061】次に、観測データにおける位置データと既
追尾目標との相関方法について説明する。観測データベ
クトルZk,i の成分である観測位置ベクトル k,trk
(i)がdをパラメータとして式(29)を満たすと
き、観測データベクトル k,trk (i)は追尾目標と相
関があると判定する。
【0062】
【数13】
【0063】図3は、簡単な例として観測位置データの
次元が2次元の場合について式(29)による観測デー
タと追尾目標との相関を説明する図であり、図におい
て、Pは追尾目標からの観測が予測される点である式
(24)の目標予測位置ベクトル k,trk (−)、Qは
相関をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線
でパラメータd及び式(25)のより線形代数学により
算出され、D1〜D6は観測データである。
【0064】追尾対象目標が相関をとるべき目標予測範
囲内に存在する確率を式(30)に示すようにPGKと書
く。ここで、GK は式(31)で表される目標予測存在
範囲の領域である。なお、確率論によりPGKはdの値に
よって一意的に決まる。
【0065】
【数14】
【0066】次に、観測データにおける属性データと既
追尾目標との相関方法について説明する。観測データベ
クトルZk,i の成分である属性データZk,id(i)がM
をパラメータとして式(32)を満たすとき、観測デー
タベクトルZk,i は式(29)を満たしていても、既追
尾目標と相関がない観測データであると判定される。
【0067】
【数15】
【0068】追尾対象目標の属性データが相関をとるべ
き範囲内に存在する確率を式(33)に示すようにPLK
と書く。ここで、LK は式(34)で表される属性デー
タの範囲の領域である。なお、確率論によりLK はMの
値によって一意的に決まる。図4は、簡単な2次元の例
として式(32)による目標予測存在範囲内に存在する
観測データと追尾目標との相関を説明する図である。図
において、観測データD2及びD4は式(29)を満た
し、目標予測存在範囲に存在しているが、式(32)を
満たさないため、既追尾目標と相関がないと判定され
る。
【0069】サンプリング時刻tk において、1つの観
測データベクトルZk,i が追尾目標からの観測ベクトル
であるとの仮説をXk,i と書く。このとき、ベクトルZ
k,i以外の観測データは追尾目標以外、例えばクラッタ
等の不要信号からの観測データと仮定している。また、
追尾目標より観測ベクトルが得られないとの仮説をX
k,0 と書く。サンプリング時刻tk までの情報Zk によ
る仮説Xk,i の信頼度をβk,i と書く。ここで、確率論
より式(35)が成立する。
【0070】
【数16】
【0071】以下に観測データにおける位置等の運動諸
元及び属性データを用いて各仮説の信頼度を算出する方
法について示す。サンプリング時刻tk において、観測
データが得られた時点での仮説Xk,0 が正しいとの信頼
度βk,0 は、サンプリング時刻tk で観測データが得ら
れない時点において仮説Xk,0 の観測データが得られる
信頼度に、得られたmk 個の観測データ全てが追尾目標
以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に
比例すると考えてよい。また、サンプリング時刻tk
おいて、観測データが得られた時点での仮説Xk,i が正
しいとの信頼度βk,i は、サンプリング時刻tk におい
て観測データが得られない時点において仮説Xk,i の観
測データが得られる信頼度に、得られた観測データベク
トルZk,i が追尾目標からの観測データで、mk −1個
の観測データが追尾目標以外からの観測データであると
の信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。
【0072】サンプリング時刻tk で観測データが得ら
れない時点において仮説Xk,0 の観測データが得られる
信頼度は、目標予測存在範囲から観測データが得られな
い確率1−PdGKに、追尾目標以外からの観測データ
がmk 個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考え
られ、式(36)により求まる。ここで、目標が探知さ
れる確率をPd とすれば、追尾目標が目標予測存在範囲
内に存在して探知される確率はPdGKであり、また、
目標予測存在範囲内の追尾目標以外からの観測データの
総数は、平均βk FTGKのポアソン分布に従い求められ
ている。サンプリング時刻tk で観測データが得られな
い時点において仮説Xk,i の観測データが得られる信頼
度は、目標予測存在範囲から追尾目標が探知される確率
dGKに、属性データが予測範囲内に存在する確率P
LKと、追尾目標以外からの観測データがmk −1個得ら
れる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(3
7)により求まる。
【0073】
【数17】
【0074】次に、サンプリング時刻tk で観測データ
が得られた時点において、仮説に基づき得られた全観測
データZk に対しての信頼度を示す。追尾対象目標から
一度も観測データが得られていない状態での追尾対処目
標からの属性データの確率分布を一様とすると、得られ
た1つの観測データが追尾対象目標以外からの観測デー
タである信頼度は、サンプリング時刻tk-1 までの情報
k-1 に基づき一様分布の仮定より式(38)で与えら
れる。また、得られた1つの観測データが追尾目標から
の観測データである信頼度は、目標予測存在範囲内に存
在するとの前提で、式(30)のPGK及び式(23)の
追尾目標からの運動諸元の確率分布により式(39)で
与えられる。サンプリング時刻tk において仮説Xk,0
に基づき得られる全観測データZk がmk 個の追尾対象
目標以外よりの観測ベクトルである信頼度、即ち、サン
プリングtk-1までの情報Zk-1 及び仮説Xk,0 に基づ
く全観測データZk の信頼度は、式(28)より式(4
0)で与えられる。また、サンプリング時刻tk におい
て仮説Xk,i に基づき得られる全観測データZk の内、
1つの観測データが追尾対象目標からの観測データで、
かつmk −1個の観測データが追尾対象目標以外からの
観測データである信頼度、即ち、サンプリング時刻t
k-1 までの情報Zk-1 及び仮説Xk,i に基づく全観測デ
ータZk の信頼度は、式(38)及び(39)より式
(41)で与えられる。
【0075】
【数18】
【0076】従って、サンプリング時刻tk までの情報
k に基づく仮説Xk,0 の信頼度βk,0 は式(36)と
式(40)を乗算した値に比例すると考えてよく、ま
た、サンプリング時刻tk までの情報Zk に基づく仮説
k,i の信頼度βk,i は式(37)と式(41)を乗算
した値に比例すると考えてよく、式(34)を使用して
正規化を行い、式(42)〜(44)を得る。
【0077】
【数19】
【0078】次に、サンプル時刻tk における追尾目標
の属性データの推定方法について示す。サンプル時刻t
k において、属性データZk,id(i)が得られた時点で
の属性データの推定値は最小自乗フィルターにて以下の
式で算出できる。ここで、属性データの観測データとし
て、観測データを信頼度で重み付け平均した値を使用す
る。
【0079】
【数20】
【0080】以下に平滑及び予測処理の方法について示
す。即ち、通常のカルマンフィルタ理論により式(4
6)〜式(52)となる。ここで、ベクトルXハット
k,trk (+)は式(51)のように定義されている平滑
ベクトルで、Pk (+)は式(52)のように定義され
ている平滑誤差共分散行列、Kk はカルマンゲイン行列
である。
【0081】
【数21】
【0082】全ての観測デ−タの仮説の基での目標位
置、速度の平滑ベクトルは、各仮説の基で求めた平滑ベ
クトルを各仮説の信頼度を用いて統合することによって
算出される。式(51)に示す平滑ベクトルは式(5
3)のように展開され、各仮説に式(48)を適用した
場合の平滑ベクトルをXハット k,i (+)とすると、式
(53)は式(54)及び式(55)のようになる。各
仮説の平滑ベクトルは、仮説Xk,0 の場合には追尾目標
から観測値が得られない仮説なので、メモリ−トラック
となって式(56)のようになり、仮説Xk, i の場合に
は観測デ−タベクトルZk,i が1つ得られた仮説なので
式(48)の通常のカルマンフィルタ理論を使用して式
(57)のようになる。したがって、式(54)に式
(56)及び式(57)を代入して式(58)が得られ
る。
【0083】
【数22】
【0084】上記、全ての観測デ−タの仮説の基での目
標位置、速度の平滑ベクトルの平滑誤差共分散行列は以
下のように算出される。条件付き共分散行列の理論に式
(59)が得られる。また、式(34)、式(53)、
式(55)より式(60)が得られる。ここで、Pk
(+)は各仮説に対する平滑誤差共分散行列で、式(6
1)のように定義され、式(57)が通常のカルマンフ
ィルタ理論により求まることにより式(62)のように
なる。式(59)に式(60)及び式(56)〜式(5
8)を代入して整理すると式(63)〜式(65)が得
られる。
【0085】
【数23】
【0086】上記、全ての観測デ−タの仮説の基での目
標位置、速度の平滑ベクトルの予測誤差共分散行列は、
式(46)及び式(47)に表される通常のカルマンフ
ィルタ理論による式で算出される。
【0087】次に、図1の目標追尾装置の具体的な動作
を説明する。なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に
通常適用する場合と同様にして、目標の位置、速度の平
滑値及び平滑誤差共分散行列の初期値は予め定まってい
るものとする。
【0088】まず、目標観測装置21は、追尾目標の位
置及び属性(例えば、追尾目標の色彩等)を観測し(ス
テップST1)、その追尾目標の位置を示す観測データ
k, trk (i)と追尾目標の属性を示す属性データZ
k,id(i)を出力するが(追尾目標が赤色と黄色の中間
色の場合でも、その中間色を示す属性データZ
k,id(i)を出力する)、図3に示すように、追尾目標
の実際の位置がP点であっても、観測誤差等の影響で目
標観測装置21の観測結果がD2やD4点等を示すこと
がある。また、追尾目標以外のクラッタ等を追尾目標と
判定して、目標観測装置21の観測結果がD5やD6点
等を示すことがある。
【0089】そこで、追尾目標の追尾精度を高めるため
には、追尾目標と相関関係がある観測データ k,trk
(i)を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2
2が、目標観測装置21から出力された観測データ
k,trk (i)及び属性データZk, id(i)をそれぞれ運
動諸元確率分布算出器23,運動諸元相関器24,属性
データ推定器25及び探知データ信頼度算出器29に転
送する。
【0090】そして、運動諸元確率分布算出器23は、
観測諸元転送装置22から観測データ k,trk (i)を
受けると、式(24)を用いて、現時刻より1サンプリ
ング前に算出された予測値Xハット k,trk (−)に基づ
いて追尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存
在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であ
るベクトル k,trk (−)を算出するとともに、式(2
5)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出され
た予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測
誤差共分散行列Rk に基づいて追尾目標からの運動諸元
の確率分布の広がりSk を算出する。そして、運動諸元
確率分布算出器23は、式(23)を用いて、ベクトル
k, trk (−)と確率分布の広がりSk を算出すると、
図3に示すように、そのベクトル k,trk (−)と確率
分布の広がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の
確率分布A(i)を求める(ステップST2)。
【0091】このようにして、運動諸元確率分布算出器
23が運動諸元の確率分布A(i)を求めると、運動諸
元相関器24は、その運動諸元の確率分布A(i)と予
め設定されたパラメータdから、追尾目標と相関の可能
性のある観測データ k,trk(i)を選択する(ス
テップST3)。具体的には、各観測データ
k,trk (i)毎に式(29)の不等式が成立する
か否かを判定し、不等式が成立する観測データ k,trk
(i)を選択する。図3の例では、D1,D2,D3,
D4の位置を示す観測データ k,trk (i)を選択す
る。
【0092】また、運動諸元相関器24により選択され
た観測データ k,trk (i)の中から更に追尾目標と相
関関係の大きい観測データ k,trk (i)を選択するた
め、属性データ推定器25が、観測データの仮説Xk,i
の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出
した属性データの推定値Xハットk-1,id(i)と、現在
の属性データの属性データZk,id(i)とから、式(4
5)を用いて、現時刻における属性データの推定値Xハ
ットk,id(i)を算出する(ステップST4)。
【0093】このようにして、属性データ推定器25が
属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出すると、
属性相関器27は、運動諸元相関器24により選択され
た観測データ k,trk (i)のうち、現時刻における属
性データの推定値Xハットk, id(i)と予め設定された
属性データの観測誤差分散σ2 id から、追尾目標と相関
の可能性のある観測データ k,trk (i)を選択する
(ステップST5)。具体的には、式(32)の不等式
が成立するか否かを判定し、不等式が成立する観測デー
k,trk (i)をmk 個選択するが(式(16),
(17)を参照)、図4の例では、D1,D3の位置を
示す観測データ k,trk (i)が選択される。また、属
性相関器27は、追尾目標と相関の可能性のある観測デ
ータ k,trk(i)を選択すると、式(28)を用いて
追尾目標からの属性データの確率分布C(i)を算出す
る。
【0094】そして、探知データ信頼度算出器29は、
属性相関器27から属性データの確率分布C(i)が出
力されると、運動諸元確率分布算出器23から出力され
た運動諸元の確率分布A(i)と、属性相関器27から
出力された属性データの確率分布確率分布C(i)と、
予め設定されたセンサの探知確率PD と、目標予測存在
範囲内に存在する確率PGKとから、式(42)〜(4
5)を用いて、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出
する。
【0095】そして、探知データ信頼度算出器29が観
測データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、等速直線
運動モデルを使用する平滑誤差評価器30が、ゲイン行
列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻
より1サンプリング前に算出された予測値Xハット
k,trk (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出さ
れた予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器27
により選択されたmk 個の観測データ k,trk (i)と
から、式(63)〜(65)を用いて、平滑誤差共分散
行列Pk (+)を算出し、等速直線運動モデルを使用す
る予測誤差評価器31が、平滑誤差共分散行列Pk
(+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 から、式(47)を
用いて、予測誤差共分散行列Pk (−)を算出し、ゲイ
ン行列算出器33が、1サンプリング前に算出された予
測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差
共分散行列Rk から、式(50)を用いて、ゲイン行列
k を算出する。
【0096】このようにして、ゲイン行列算出器33が
ゲイン行列Kk を算出すると、等速直線運動モデルを使
用する平滑器34は、ゲイン行列Kk と、観測データの
仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に
算出された予測値Xハット k, trk (−)と、属性相関器
27により選択されたmk 個の観測データ k,trk
(i)とから、式(58)を用いて、平滑値Xハット
k,trk (+)を算出する。そして、等速直線運動モデル
を使用する予測器35は、平滑器34が平滑値Xハット
k,trk (+)を算出すると、その平滑値Xハット k,trk
(+)から、式(46)を用いて、予測値Xハット
k,trk (−)を算出する(ステップST6)。これによ
り、追尾目標の次サンプリング時の位置は、Xハット
k,trk (−)であると推定される。
【0097】以上で明らかなように、この実施の形態1
によれば、運動諸元相関器24から出力された観測デー
k,trk (i)に係る属性データZk,id(i)と、属
性データ推定器25から出力された属性データの推定値
Xハットk,id(i)の相関を判定し、相関関係がある観
測データ k,trk (i)を選択するように構成したの
で、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精
度よく追尾することができる効果を奏する。
【0098】実施の形態2.上記実施の形態1では、運
動諸元相関器24が相関のある観測データ
k,trk(i)を選択したのち、属性相関器27が相関の
ある観測データ k,trk (i)を選択するものについて
示したが、属性相関器27が相関のある観測データ k,
trk (i)を選択したのち、運動諸元相関器24が相関
のある観測データ k,tr k (i)を選択するようにして
もよく、上記実施の形態1と同様の効果を奏することが
できる。
【0099】実施の形態3.図5はこの発明の実施の形
態3による目標追尾装置を示す構成図であり、図におい
て、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。41は現時点より1サンプリング前に算
出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列P
a k+1(−)と観測雑音共分散行列Rk から各運動モデル
に対する観測ベクトルの合致度である観測誤差の評価値
gを算出する運動モデル毎の観測誤差評価器、42は現
時点より1サンプリング前に算出した各運動モデルに対
する信頼度βb k-1と、予め設定された推移確率Pabと、
観測誤差の評価値gとから、観測データと各運動モデル
の信頼度βa,b k,iをそれぞれ算出する信頼度算出器、4
3は信頼度算出器42により算出された信頼度βa,b k,i
を1サンプリング時間だけ遅延する第6の遅延回路であ
る。
【0100】また、44は現時点より1サンプリング前
に算出した平滑値Xハット k,trk (−)と、信頼度β
a,b k,iと、予め設定された定数加速度ベクトルαa と、
ゲイン行列Kk とから平滑値Xハット k,trk (+)を算
出する複数運動モデル統合型平滑器、45は複数運動モ
デル統合型平滑器44により算出された平滑値Xハット
k,trk (+)を1サンプリング時間だけ遅延する第4の
遅延回路、46は現時点より1サンプリング前に算出し
た運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pa k(−)とゲイ
ン行列Kk とから、運動モデル毎の平滑値Xハット a
k,trk(+)の平滑誤差の評価値である運動モデル毎の
平滑誤差共分散行列Pa k(+)を算出する運動モデル毎
の平滑誤差評価器、47は運動モデル毎の平滑誤差共分
散行列Pa k(+)と駆動雑音共分散行列Qk とから、サ
ンプリング時刻tk+1 における運動モデル毎の予測値
ハット a k+1,trk(+)の予測誤差の評価値である運動モ
デル毎の予測誤差共分散行列Pa k+1(+)を算出する運
動モデル毎の予測誤差評価器である。
【0101】さらに、48は平滑値Xハット k,trk
(+)から現時点より1サンプリング後の運動モデル毎
の予測値Xハット a k+1,trk(−)を算出する運動モデル
毎の予測器、49は運動モデル毎の予測器48により算
出された運動モデル毎の予測値Xハット a k+1,trk(+)
を1サンプリング時間だけ遅延する第5の遅延回路、5
0は平滑値Xハット k,trk (+)と、信頼度β
a,b k,iと、予め設定された推移確率Pabとから現時点よ
り1サンプリング後の予測値Xハット k+1,trk (−)を
算出する複数運動モデル統合型予測器、51は運動モデ
ル毎の予測誤差評価器47により算出された運動モデル
毎の予測誤差共分散行列Pa k+1(+)を1サンプリング
時間だけ遅延する第7の遅延回路である。
【0102】次に動作について説明する。具体的な動作
を説明する前に、実施の形態1による目標追尾装置の原
理を説明する。まず、追尾目標の真値を表す状態ベクト
ルを式(66)のように定義する。式(66)におい
て、追尾目標の真値を表す状態ベクトルは、目標の位置
及び速度等の運動データの真値を表す状態ベクトル
k,trk (i)と、属性データの真値を表す状態ベクトル
k,id(i)を成分とするベクトル k とする。また、
複数個をN個とした場合の運動モデルを式(2)とす
る。
【0103】
【数24】
【0104】ここで、ベクトル k,trk (i)はサンプ
リング時刻tk における追尾目標の運動諸元の真値を表
す状態ベクトルであり、直交座標における追尾目標の位
置ベクトルを式(68)、直交座標における追尾目標の
速度ベクトルを式(69)とした場合には、式(70)
で表される。
【0105】
【数25】
【0106】また、Φk-1 はサンプリング時刻tk-1
らサンプリング時刻tk に推移する状態ベクトル
k,trk (i)の推移行列で目標が等速直線運動を行うと
仮定した場合、式(71)で表される。ここで、I は式
(72)に示す単位行列を表し、0I は3行3列の零行
列である。
【0107】
【数26】
【0108】例えば、目標の運動モデルを等速直線運動
と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ1 (k−1)
ωk-1 とみれば、サンプリング時刻tk における駆動雑
音ベクトルωk-1 は加速度ベクトルに相当し、Eを平均
を表す記号として、平均0ベクトルの3次元正規分布白
色雑音で、式(73)及び式(74)とする。
【0109】
【数27】
【0110】ここで、は零ベクトル、Qはサンプ
リング時刻tk における駆動雑音共分散行列である。Γ
1 (k)はサンプリング時刻tk における駆動雑音ベク
トルの変換行列で、式(75)で表される。
【0111】
【数28】
【0112】また、サンプリング時刻tk において、N
個の運動モデルを構成する定数加速度ベクトル k は式
(76)であり、サンプリング時刻tk における定数加
速度ベクトル k の変換行列Γ(k)は式(77)で表
される。
【0113】
【数29】
【0114】図6は水平面に平行な面内で定数加速度ベ
クトルを説明する説明図である。図6において、Oは目
標観測装置21を原点とする座標O−xy の原点、Xは
東方向をx軸の正とする座標O−xy のx軸、Yは北方
向をy軸の正とする座標O−xy のy軸、A1はy軸の
正方向の定数加速度ベクトル、A2はx軸の正方向の定
数加速度ベクトル、A3はy軸の負方向の定数加速度ベ
クトル、A4はx軸の負方向の定数加速度ベクトルであ
る。今、図6における定数加速度ベクトルの大きさを1
0g(gは重力加速度とする)とし、この他に加速度0
の定数加速度ベクトルを考えた運動モデルの場合、x軸
及びy軸の両正負方向と加速度が0の場合とでN=5で
あり、式(76)は、式(78)のようにサンプリング
時刻tk に無関係に書ける。
【0115】
【数30】
【0116】次に、サンプリング時刻tk において、式
(79)が真であるとの運動モデルの仮説を式(80)
のように書く。
【0117】
【数31】
【0118】次に観測モデルを以下のように定義する。
サンプル時刻tk における位置を示す観測データと、属
性を示す属性データの組みを式(81)とする。ここ
で、ベクトル k,trk は目標観測位置に関する観測ベク
トルであり、またベクトルZk, idは属性データに関する
観測ベクトルである。
【0119】
【数32】
【0120】追尾目標の観測位置に関する観測モデルを
式(82)のように定義する。ここで、Hはサンプリン
グ時刻tk における観測行列である。また、ベクトルν
k はサンプリング時刻tk における目標観測ベクトルに
対応した観測雑音ベクトルであって、平均ベクトル0の
3次元正規白色雑音であり、Eを平均を表す記号として
式(83),(84)を満たすものとする。なお、Rk
はサンプリング時刻tk における観測雑音共分散行列で
ある。
【0121】
【数33】
【0122】追尾目標からの属性データに関する観測モ
デルを式(85)のように定義する。
【0123】
【数34】
【0124】ここで、ν2,k はサンプリング時刻tk
おける属性観測データに対応した観測雑音で、平均0、
分散σidの正規白色雑音である。
【0125】追尾対象目標以外からの観測データは空間
に一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk にお
ける単位体積当たりの発生頻度をβk FT とし、追尾目標
と相関を取るべき目標予測存在範囲の体積をVGKとした
とき、追尾対象目標以外からの観測データが目標予測存
在範囲内に存在する総数は、平均βk FTGKのポアソン
分布に従うとする。
【0126】サンプリング時刻tk における追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の観測データの総数
をmk 、観測データを式(86)で表す。ここで、ベク
トル k,i はi番目の観測ベクトルであり、その全体を
式(87)で表す。また、サンプリング時刻t1 からt
k までの観測ベクトルの全体を式(88)で、観測ベク
トルの総数を式(89)で定義する。
【0127】
【数35】
【0128】次に追尾対象目標からの観測ベクトルの確
率分布について示す。観測ベクトル k,i が追尾対象目
標からの観測データのとき、この確率分布を条件付き確
率密度関数で表すと、式(90)のようになる。
【0129】
【数36】
【0130】ここで、式(91)は追尾対象目標からの
属性データの確率分布であり、式(92)は追尾対象目
標からの位置等の運動諸元の確率分布である。
【0131】
【数37】
【0132】追尾対象目標からの運動諸元の確率分布
は、式(93)に示す条件付き確率密度関数で表される
とする。ここで、式(93)の右辺は平均ベクトル
k,trk (−)、共分散行列Sk の3次元正規分布の
k,trk (i)における確率密度である。即ち、追尾対象
目標からの観測データは式(94)で与えられる目標予
測位置ベクトル k (−)を平均とし、式(95)で与
えられるSk を共分散行列とする3次元正規分布に従う
とする。ここで、ベクトルXハット k,trk (−)は予測
値で、式(96)で表され、Pk (−)は予測誤差共分
散行列で、式(97)で表される。一方、追尾対象目標
からの属性データの確率分布は、式(98)に示す条件
付き確率密度関数で表されるとする。ここで、式(9
8)の右辺は平均Xハットk- 1,id、分散σ2 id の正規分
布のZk,id(i)における確率密度である。即ち、追尾
対象目標からの観測データは式(94)で与えられる1
サンプリング前の属性データの推定値Xハット
k-1,id(i)を平均とし、σidを分散とする正規分布に
従うとする。
【0133】
【数38】
【0134】次に、観測データにおける位置データと既
追尾目標との相関方法について説明する。観測データベ
クトルZk,i の成分である観測位置ベクトル k,trk
(i)がdをパラメータとして式(99)を満たすと
き、観測データベクトル k,trk (i)は追尾目標と相
関があると判定する。
【0135】
【数39】
【0136】図3は、簡単な例として観測位置データの
次元が2次元の場合について式(99)による観測デー
タと追尾目標との相関を説明する図であり、図におい
て、Pは追尾目標からの観測が予測される点である式
(94)の目標予測位置ベクトル k (−)、Qは相関
をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線でパ
ラメータd及び式(95)のより線形代数学により算出
され、D1〜D6は観測データである。
【0137】追尾対象目標が相関をとるべき目標予測範
囲内に存在する確率を式(100)に示すようにPGK
書く。ここで、GK は式(101)で表される目標予測
存在範囲の領域である。なお、確率論によりPGKはdの
値によって一意的に決まる。
【0138】
【数40】
【0139】次に、観測データにおける属性データと既
追尾目標との相関方法について説明する。観測データベ
クトルZk,i の成分である属性データZk,id(i)がM
をパラメータとして式(102)を満たすとき、観測デ
ータベクトルZk,i は式(99)を満たしていても、既
追尾目標と相関がない観測データであると判定される。
【0140】
【数41】
【0141】追尾対象目標の属性データが相関をとるべ
き範囲内に存在する確率を式(103)に示すようにP
LKと書く。ここで、LK は式(104)で表される属性
データの範囲の領域である。なお、確率論によりLK
Mの値によって一意的に決まる。図4は、簡単な2次元
の例として式(102)による目標予測存在範囲内に存
在する観測データと追尾目標との相関を説明する図であ
る。図において、観測データD2及びD4は式(99)
を満たし、目標予測存在範囲に存在しているが、式(1
02)を満たさないため、既追尾目標と相関がないと判
定される。
【0142】サンプリング時刻tk までの情報Zk が得
られた場合に、仮説Ψk,a の元での目標の運動諸元に関
する状態ベクトルXk,trk の予測ベクトルXハット a
k,trk(−)及び予測誤差共分散行列Pa k(−)は通常
のカルマンフィルタの理論により、式(105)及び式
(106)で与えられる。また、状態ベクトルXk,trk
の平滑ベクトルXハット k,trk (+)は式(107)で
与えられる。
【0143】
【数42】
【0144】次に、目標の位置ベクトルがサンプリング
時刻tk に観測される場合の平滑処理について述べる。
平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は通常のカルマン
フィルタの理論により、式(108)〜(110)で与
えられる。
【0145】
【数43】
【0146】ここで、Xハット a k,trk(+)は、仮説Ψ
k,a の元でのXk,trk の平滑ベクトル、Pa k(+)はサ
ンプリング時刻tk における仮説Ψk,a の元での平滑誤
差共分散行列、Kk はサンプリング時刻tk におけるゲ
イン行列、Pk (+)はサンプリング時刻tk における
平滑誤差共分散行列であり、カルマンフィルタの理論に
より、式(111)で与えられる。
【0147】
【数44】
【0148】また、カルマンフィルタを通常適用する場
合と同様にして、初期値Xハット 0, trk (+)、P0
(+)は別途定まっているとする。式(106)よりP
a k(−)は仮説Ψk,a によらない値なので、式(10
9)よりKk 、式(110)よりPa k(+)も同様に仮
説Ψk,a によらない値となる。
【0149】サンプリング時刻tk において、1つの観
測データベクトルZk,i が追尾目標からの観測ベクトル
であるとの仮説をXk,i と書く。このとき、ベクトルZ
k,i以外の観測データは追尾目標以外、例えばクラッタ
等の不要信号からの観測データと仮定している。また、
追尾目標より観測ベクトルが得られないとの仮説をX
k,0 と書く。サンプリング時刻tk までの情報Zk によ
り目標相関の仮説Xk,i及び運動モデルの仮説Ψk,a
Ψk-1,b が真である確率を式(112)とする。同様に
して、目標相関の仮説Xk,i が真である確率を式(11
3)、運動モデルの仮説Ψk,a が真である確率を式(1
14)、目標相関の仮説Xk,i 及び運動モデルの仮説Ψ
k,a が真である確率を式(115)と定義する。ここ
で、確率論より式(116)が成立する。
【0150】
【数45】
【0151】次に、観測データにおける位置データ及び
属性データを用いて、各仮説の信頼度を算出する方法に
ついて示す。サンプリング時刻tk において、観測デー
タが得られた時点での仮説Xk,0 及びΨk,a が正しいと
の信頼度βa k,0は、サンプリング時刻tk で観測データ
が得られない時点において、仮説Xk,0 及びΨk,a の観
測データが得られる信頼度に、得られたmk 個の観測デ
ータ全てが追尾目標以外からの観測データであるとの信
頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。また、サン
プリング時刻tk において、観測データが得られた時点
での仮説Xk,i 及びΨk,a が正しいとの信頼度β
a k,0は、サンプリング時刻tk において観測データが得
れない時点において、仮説Xk,i 及びΨk,a の観測デー
タが得られる信頼度に、得られた観測データベクトルZ
k,i が追尾目標からの観測データで、mk −1個の観測
データが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼
度を乗算した値に比例すると考えてよい。
【0152】サンプリング時刻tk で観測データが得ら
れない時点において仮説Xk,0 及びΨk,a の観測データ
が得られる信頼度は、目標予測存在範囲から観測データ
が得られない確率1−PdGKに運動モデルの推移確率
abと、追尾目標以外からの観測データがmk 個得られ
る信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(11
7)により求まる。ここで、Pd は目標が探知される確
率である。従って、追尾目標が目標予測存在範囲内に存
在して探知される確率はPdGKであり、また、目標予
測存在範囲内の追尾目標以外からの観測データの総数
は、平均βk FTGKのポアソン分布に従い求められてい
る。また、運動モデルの推移にマルコフ性を仮定する
と、Ψk,a はサンプリング時刻tk-1 の運動モデルによ
り定まり、tk-1 以前の運動モデルには依存しないとす
る。このとき、運動モデルの推移確率は式(118)と
書く。一方、サンプリング時刻tk で観測データが得ら
れない時点において仮説Xk, i 及びΨk,a の観測データ
が得られる信頼度は、目標予測存在範囲から追尾目標が
探知される確率PdGKに、属性データが予測範囲内に
存在する確率PLKと、追尾目標以外からの観測データが
k −1個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考
えられ、式(119)により求まる。
【0153】
【数46】
【0154】次に、サンプリング時刻tk で観測データ
が得られた時点において、仮説に基づき得られた全観測
データZk に対しての信頼度を示す。追尾対象目標から
一度も観測データが得られていない状態での追尾対処目
標からの属性データの確率分布を一様とすると、得られ
た1つの観測データが追尾対象目標以外からの観測デー
タである信頼度は、サンプリング時刻tk-1 までの情報
k-1 に基づき一様分布の仮定より式(120)で与え
られる。また、得られた1つの観測データが追尾目標か
らの観測データである信頼度は、目標予測存在範囲内に
存在するとの前提で、式(100)のPGK及び式(9
3)の追尾目標からの運動諸元の確率分布により式(1
21)で与えられる。サンプリング時刻tk において仮
説Xk,0 に基づき得られる全観測データZk がmk個の
追尾対象目標以外よりの観測ベクトルである信頼度、即
ち、サンプリングtk- 1 までの情報Zk-1 及び仮説X
k,0 に基づく全観測データZk の信頼度は、式(12
0)より式(122)で与えられる。また、サンプリン
グ時刻tk において仮説Xk,i に基づき得られる全観測
データZk の内、1つの観測データが追尾対象目標から
の観測データで、かつmk −1個の観測データが追尾対
象目標以外からの観測データである信頼度、即ち、サン
プリング時刻tk-1 までの情報Zk-1 と仮説Xk,i 及び
Ψk,a に基づく全観測データZk の信頼度は、式(12
0)及び式(121)より式(123)で与えられる。
【0155】
【数47】
【0156】従って、サンプリング時刻tk までの情報
k に基づく仮説Xk,0 、Ψk,a 及びΨk-1,b の信頼度
βa,b k,0は式(117)と式(112)を乗算した値に
比例すると考えてよく、また、サンプリング時刻tk
での情報Zk に基づく仮説Xk,i 、Ψk,a 及びΨk-1,b
の信頼度βa,b k,iは式(119)と式(123)を乗算
した値に比例すると考えてよく、式(116)を使用し
て正規化を行い、式(126)〜(128)を得る。
【0157】
【数48】
【0158】次に、サンプル時刻tk における追尾目標
の属性データの推定方法について示す。サンプル時刻t
k において、属性データZk,id(i)が得られた時点で
の属性データの推定値は最小自乗フィルターにて以下の
式で算出できる。ここで、属性データの観測データとし
て、観測データを信頼度で重み付け平均した値を使用す
る。
【0159】
【数49】
【0160】以下に平滑及び予測処理の方法について示
す。即ち、通常のカルマンフィルタ理論を適用し、式
(107)、式(108)及び式(131)〜式(13
3)である。また、ベイズの定理を使用すると式(13
7)である。以上、サンプル時刻tk の平滑処理につい
て述べた。
【0161】
【数50】
【0162】サンプル時刻tk におけるXk,trk の予測
ベクトルは式(137)、式(105)及び式(10
6)より式(138)で与えられる。なお、先に述べた
ように仮説Ψk,a の元での平滑誤差共分散行列Pa kは仮
説Ψk,a に無関係に定まる値なので、式(140)であ
る。
【0163】
【数51】
【0164】次に、図5の目標追尾装置の具体的な動作
を説明する。なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に
通常適用する場合と同様にして、初期値は予め定まって
いるものとする。
【0165】まず、目標観測装置21は、追尾目標の位
置及び属性(例えば、追尾目標の色彩等)を観測し、そ
の追尾目標の位置を示す観測データ k,trk (i)と追
尾目標の属性を示す属性データZk,id(i)を出力する
が(追尾目標が赤色と黄色の中間色の場合でも、その中
間色を示す属性データZk,id(i)を出力する)、図3
に示すように、追尾目標の実際の位置がP点であって
も、観測誤差等の影響で目標観測装置21の観測結果が
D2やD4点等を示すことがある。また、追尾目標以外
のクラッタ等を追尾目標と判定して、目標観測装置21
の観測結果がD5やD6点等を示すことがある。
【0166】そこで、追尾目標の追尾精度を高めるため
には、追尾目標と相関関係がある観測データ k,trk
(i)を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2
2が、目標観測装置21から出力された観測データ
k,trk (i)及び属性データZk, id(i)をそれぞれ運
動諸元相関器24及び属性データ推定器25に転送す
る。
【0167】そして、運動諸元確率分布算出器23は、
式(94)を用いて、現時点より1サンプリング後の予
測値Xハット k+1,trk (−)に基づいて追尾目標からの
運動諸元の確率分布の平均値であるベクトル k,trk
(−)を算出するとともに、現時点より1サンプリング
前に算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k
+1(−)を予測誤差共分散行列Pk+1 (−)とみなし、
その予測誤差共分散行列Pk+1 (−)と予め設定された
観測雑音共分散行列Rk (式(84)を参照)とから、
式(95)を用いて、追尾目標からの運動諸元の確率分
布の広がりSk を算出する。そして、運動諸元確率分布
算出器23は、式(93)を用いて、ベクトル k, trk
(−)と確率分布の広がりSk を算出すると、図3に示
すように、そのベクトル k,trk (−)と確率分布の広
がりSk に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布
A(i)を求める。
【0168】このようにして、運動諸元確率分布算出器
23が運動諸元の確率分布A(i)を求めると、運動諸
元相関器24は、その運動諸元の確率分布A(i)と予
め設定されたパラメータdから、追尾目標と相関の可能
性のある観測データ k,trk(i)を選択する。具体的
には、各観測データ k,trk (i)毎に式(99)の不
等式が成立するか否かを判定し、不等式が成立する観測
データ k,trk (i)を選択する。図3の例では、D
1,D2,D3,D4の位置を示す観測データ k,trk
(i)を選択する。
【0169】また、運動諸元相関器24により選択され
た観測データ k,trk (i)の中から更に追尾目標と相
関関係の大きい観測データ k,trk (i)を選択するた
め、属性データ推定器25が、観測データの仮説Xk,i
の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出
した属性データの推定値Xハットk-1,id(i)と、現在
の属性データの属性データZk,id(i)とから、式(1
32)を用いて、現時刻における属性データの推定値X
ハットk,id(i)を算出する。
【0170】このようにして、属性データ推定器25が
属性データの推定値Xハットk,id(i)を算出すると、
属性相関器27は、運動諸元相関器24により選択され
た観測データ k,trk (i)のうち、現時刻における属
性データの推定値Xハットk, id(i)と予め設定された
属性データの観測誤差分散σ2 id から、追尾目標と相関
の可能性のある観測データ k,trk (i)を選択する。
具体的には、式(102)の不等式が成立するか否かを
判定し、不等式が成立する観測データ k,trk (i)を
k 個選択するが(式(86),(87)を参照)、図
4の例では、D1,D3の位置を示す観測データ
k,trk (i)が選択される。
【0171】そして、運動モデル毎の観測誤差評価器4
1は、現時点より1サンプリング前に算出された運動モ
デル毎の予測値Xハット a k,trk(−)から目標位置予測
ベクトルZa k,trk(−)を算出し、その目標位置予測ベ
クトルZa k,trk(−)と、現時点より1サンプリング前
に算出された運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k +1
(−)と、予め設定された観測雑音共分散行列Rk とか
ら、式(94)を用いて、各運動モデルに対する観測ベ
クトルの合致度である観測誤差の評価値gを算出する
(式(128)を参照)。
【0172】そして、信頼度算出器42は、運動モデル
毎の観測誤差評価器41が観測誤差の評価値gを算出す
ると、現時点より1サンプリング前に算出した各運動モ
デルに対する信頼度βb k-1と、予め設定された推移確率
abと、観測誤差の評価値gとから、式(126)を用
いて、観測データと各運動モデルの信頼度βa,b k,iをそ
れぞれ算出する。そして、複数運動モデル統合型平滑器
44は、信頼度算出器42が観測データと各運動モデル
の信頼度βa,b k,iをそれぞれ算出すると、現時点より1
サンプリング前に算出した平滑値Xハット k,trk (−)
と、信頼度βa,b k,iと、予め設定された定数加速度ベク
トルαa と(式(79)を参照)、ゲイン行列Kk とか
ら、式(133)を用いて、平滑値Xハット k,trk
(+)を算出する。
【0173】このようにして、複数運動モデル統合型平
滑器44が平滑値Xハット k,trk (+)を算出すると、
運動モデル毎の予測器48は、平滑値Xハット k,trk
(+)から、式(105)を用いて、現時点より1サン
プリング後の運動モデル毎の予測値Xハット
a k+1,trk(−)を算出し、動モデル毎の予測値Xハット
a k+1,trk(−)を第5の遅延回路49を介して運動モデ
ル毎の観測誤差評価器41に出力する。
【0174】一方、複数運動モデル統合型予測器50
は、平滑値Xハット k,trk (+)と、信頼度β
a,b k,iと、予め設定された推移確率Pabとから、式(1
38)を用いて、現時点より1サンプリング後の予測値
Xハット k+1,trk (−)を算出する。これにより、追尾
目標の次サンプリング時の位置は、Xハット k+1,trk
(−)であると推定される。
【0175】なお、運動モデル毎の平滑誤差評価器46
は、現時点より1サンプリング前に算出した運動モデル
毎の平滑誤差共分散行列Pa k(−)とゲイン行列Kk
から、式(110)を用いて、運動モデル毎の平滑値
ハット a k,trk(+)の平滑誤差の評価値である運動モデ
ル毎の平滑誤差共分散行列Pa k(+)を算出し、運動モ
デル毎の予測誤差評価器47は、運動モデル毎の平滑誤
差共分散行列Pa k(+)を平滑誤差共分散行列Pk
(+)とみなし、その平滑誤差共分散行列Pk (+)
と、駆動雑音共分散行列Qk とから、式(106)を用
いて、サンプリング時刻tk+1 における運動モデル毎の
予測値Xハット a k+1,trk(+)の予測誤差の評価値であ
る運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k+1(+)を算
出し、運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k+1(+)
を第3の遅延回路32を介して運動モデル毎の観測誤差
評価器41に出力する。
【0176】以上で明らかなように、この実施の形態3
によれば、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置を
それぞれ予測し、各予測結果を統合するように構成した
ので、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、追
尾目標が等速直線運動以外の運動をしたときも、追尾目
標を精度よく追尾することができる効果を奏する。
【0177】実施の形態4.図7はこの発明の実施の形
態4による目標追尾装置を示す構成図であり、図におい
て、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。61は信頼度算出器42により算出され
た各運動モデルの信頼度βa kと、観測データと各運動モ
デルの信頼度βa k,iと、ゲイン行列算出器33により算
出されたゲイン行列Kk と、予め設定された定数加速度
ベクトルαa と、運動モデル毎の平滑誤差評価器46に
より算出された運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pa k
(+)とから、平滑誤差の評価である平滑誤差共分散行
列Pk (+)を算出する複数運動モデル統合型平滑誤差
評価器である。
【0178】次に動作について説明する。上記実施の形
態3では、運動モデル毎の予測誤差評価器47が、運動
モデル毎の平滑誤差共分散行列Pa k(+)を平滑誤差共
分散行列Pk (+)とみなし、その平滑誤差共分散行列
k (+)に基づいて運動モデル毎の予測誤差共分散行
列Pa k+1(+)を算出するものについて示したが、追尾
目標の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一
意的に定まらないことにより平滑誤差が大きくなること
がある。
【0179】そこで、この実施の形態4では、追尾目標
の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的
に定まらないことにより、平滑誤差共分散行列を増加さ
せる諸元を算出して、その諸元を複数の運動モデル毎の
平滑誤差共分散行列に加算する。即ち、複数運動モデル
統合型平滑誤差評価器61が、信頼度算出器42により
算出された各運動モデルの信頼度βa kと、観測データと
各運動モデルの信頼度βa k,iと、ゲイン行列Kk と、予
め設定された定数加速度ベクトルαa と、運動モデル毎
の平滑誤差共分散行列Pa k(+)とから、式(151)
の右辺第2項〜第4項を算出する。
【0180】そして、複数運動モデル統合型平滑誤差評
価器61は、その算出結果を運動モデル毎の平滑誤差共
分散行列Pa k(+)に加算して、平滑誤差の評価である
平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、その平滑誤差
共分散行列Pk (+)を運動モデル毎の予測誤差評価器
47に出力する。これにより、運動ベクトルが一意的に
定まらない場合でも、平滑誤差の評価である平滑誤差共
分散行列Pk (+)を精度よく算出することができる効
果を奏する。
【0181】
【数52】
【数53】
【数54】
【数55】
【0182】実施の形態5.図8はこの発明の実施の形
態5による目標追尾装置を示す構成図であり、図におい
て、図5と同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。62は信頼度算出器42により算出され
た各運動モデルの信頼度βa kと、予め設定された推移確
率Pabと、予め設定された定数加速度ベクトルαa と、
運動モデル毎の予測誤差評価器47により算出された運
動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k+1(−)とから、
予測誤差の評価である予測誤差共分散行列Pk+1 (−)
を算出する複数運動モデル統合型予測誤差評価器であ
る。
【0183】次に動作について説明する。上記実施の形
態3では、運動諸元確率分散算出器23が、運動モデル
毎の予測誤差共分散行列Pa k+1(−)を予測誤差共分散
行列Pk+1 (−)とみなし、その予測誤差共分散行列P
k+1 (−)に基づいて運動諸元の確率分布の広がりSk
を算出するものについて示したが、追尾目標の加速度運
動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的に定まらな
いことにより予測誤差が大きくなることがある。
【0184】そこで、この実施の形態5では、追尾目標
の加速度運動によって追尾目標の運動ベクトルが一意的
に定まらないことにより、予測誤差共分散行列を増加さ
せる諸元を算出して、その諸元を複数の運動モデル毎の
予測誤差共分散行列に加算する。即ち、複数運動モデル
統合型予測誤差評価器62が、信頼度算出器42により
算出された各運動モデルの信頼度βa kと、予め設定され
た推移確率Pabと、予め設定された定数加速度ベクトル
αa とから、式(169)の右辺第2項を算出する。
【0185】そして、複数運動モデル統合型予測誤差評
価器62は、その算出結果を運動モデル毎の予測誤差評
価器47により算出された運動モデル毎の予測誤差共分
散行列Pa k+1(−)に加算して、予測誤差の評価である
予測誤差共分散行列Pk+1 (+)を算出し、その予測誤
差共分散行列Pk+1 (+)を第7の遅延回路51を介し
て運動諸元確率分布算出器23に出力する。これによ
り、運動ベクトルが一意的に定まらない場合でも、予測
誤差の評価である予測誤差共分散行列Pk+1 (+)を精
度よく算出することができる効果を奏する。
【0186】
【数56】
【数57】
【数58】
【数59】
【数60】
【0187】実施の形態6.上記実施の形態4では、複
数運動モデル統合型平滑誤差評価器61を設け、上記実
施の形態5では、複数運動モデル統合型予測誤差評価器
62を設けたものについて示したが、図9に示すよう
に、複数運動モデル統合型平滑誤差評価器61と複数運
動モデル統合型予測誤差評価器62の双方を設けるよう
にしてもよい。
【0188】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、位置
相関手段から出力された観測データに係る属性データと
推定された属性データの相関を判定し、相関関係がある
観測データを選択するように構成したので、追尾目標の
色彩が中間色の場合でも、追尾目標を精度よく追尾する
ことができる効果がある。
【0189】この発明によれば、観測手段から出力され
た観測データに係る属性データと推定された属性データ
の相関を判定し、相関関係がある観測データを選択する
ように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合で
も、追尾目標を精度よく追尾することができる効果があ
る。
【0190】この発明によれば、観測手段から出力され
た現在の属性データと前回の推定結果から属性データを
推定するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色
の場合でも、相関関係がある観測データを選択すること
ができる効果がある。
【0191】この発明によれば、複数の運動モデルを用
いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統
合するように構成したので、追尾目標が等速直線運動以
外の運動をしたときも、追尾目標を精度よく追尾するこ
とができる効果がある。
【0192】この発明によれば、追尾目標の位置を予測
する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて
平滑誤差の評価値を演算するように構成したので、運動
ベクトルが一意的に定まらない場合でも、平滑誤差の評
価値を精度よく算出することができる効果がある。
【0193】この発明によれば、追尾目標の位置を予測
する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて
予測誤差の評価値を演算するように構成したので、運動
ベクトルが一意的に定まらない場合でも、予測誤差の評
価値を精度よく算出することができる効果がある。
【0194】この発明によれば、位置相関ステップで選
択された観測データに係る属性データと推定された属性
データの相関を判定し、相関関係がある観測データを選
択するように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の
場合でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効
果がある。
【0195】この発明によれば、観測ステップで観測さ
れた観測データに係る属性データと推定された属性デー
タの相関を判定し、相関関係がある観測データを選択す
るように構成したので、追尾目標の色彩が中間色の場合
でも、追尾目標を精度よく追尾することができる効果が
ある。
【0196】この発明によれば、現在の属性データと前
回の推定結果から属性データを推定するように構成した
ので、追尾目標の色彩が中間色の場合でも、相関関係が
ある観測データを選択することができる効果がある。
【0197】この発明によれば、複数の運動モデルを用
いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統
合するように構成したので、追尾目標が等速直線運動以
外の運動をしたときも、追尾目標を精度よく追尾するこ
とができる効果がある。
【0198】この発明によれば、追尾目標の位置を予測
する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて
平滑誤差の評価値を演算するように構成したので、運動
ベクトルが一意的に定まらない場合でも、平滑誤差の評
価値を精度よく算出することができる効果がある。
【0199】この発明によれば、追尾目標の位置を予測
する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて
予測誤差の評価値を演算するように構成したので、運動
ベクトルが一意的に定まらない場合でも、予測誤差の評
価値を精度よく算出することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による目標追尾方法
を示すフローチャートである。
【図3】 追尾目標と相関の可能性のある観測データを
説明する説明図である。
【図4】 追尾目標と相関の可能性のある観測データを
説明する説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図6】 定数加速度ベクトルを説明する説明図であ
る。
【図7】 この発明の実施の形態4による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態5による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態6による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図10】 従来の目標追尾装置を示す構成図である。
【図11】 追尾目標と相関の可能性のある観測データ
を説明する説明図である。
【図12】 追尾目標と相関の可能性のある観測データ
を説明する説明図である。
【符号の説明】
21 目標観測装置(観測手段)、23 運動諸元確率
分布算出器(位置相関手段)、24 運動諸元相関器
(位置相関手段)、25 属性データ推定器(推定手
段)、27 属性相関器(属性相関手段)、28 予測
装置(予測手段)。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その
    追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示
    す属性データを出力する観測手段と、上記観測手段から
    観測データが出力されると、追尾目標が存在する可能性
    のある領域を示す確率分布を参照し、その観測データに
    係る追尾目標がその領域内に存在する場合には、その観
    測データを出力する位置相関手段と、上記位置相関手段
    から出力された観測データに係る属性データと推定され
    た属性データの相関を判定し、相関関係がある場合に
    は、その観測データを出力する属性相関手段と、上記属
    性相関手段から出力された観測データに基づいて追尾目
    標の位置を予測する予測手段とを備えた目標追尾装置。
  2. 【請求項2】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その
    追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示
    す属性データを出力する観測手段と、上記観測手段から
    出力された観測データに係る属性データと推定された属
    性データの相関を判定し、相関関係がある場合には、そ
    の観測データを出力する属性相関手段と、上記属性相関
    手段から観測データが出力されると、追尾目標が存在す
    る可能性のある領域を示す確率分布を参照し、その観測
    データに係る追尾目標がその領域内に存在する場合に
    は、その観測データを出力する位置相関手段と、上記位
    置相関手段から出力された観測データに基づいて追尾目
    標の位置を予測する予測手段とを備えた目標追尾装置。
  3. 【請求項3】 観測手段から出力された現在の属性デー
    タと前回の推定結果から属性データを推定する推定手段
    を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載
    の目標追尾装置。
  4. 【請求項4】 予測手段は、複数の運動モデルを用いて
    追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を統合す
    ることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいず
    れか1項記載の目標追尾装置。
  5. 【請求項5】 予測手段は、追尾目標の位置を予測する
    際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づいて平滑
    誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項4記載
    の目標追尾装置。
  6. 【請求項6】 予測手段は、追尾目標の位置を予測する
    際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づいて予測
    誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項4記載
    の目標追尾装置。
  7. 【請求項7】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その
    追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示
    す属性データを出力する観測ステップと、追尾目標が存
    在する可能性のある領域を示す確率分布を参照し、その
    観測データに係る追尾目標がその領域内に存在する場合
    には、その観測データを出力する位置相関ステップと、
    その観測データに係る属性データと推定された属性デー
    タの相関を判定し、相関関係がある場合には、その観測
    データを出力する属性相関ステップと、その観測データ
    に基づいて追尾目標の位置を予測する予測ステップとを
    備えた目標追尾方法。
  8. 【請求項8】 追尾目標の位置及び属性を観測し、その
    追尾目標の位置を示す観測データと追尾目標の属性を示
    す属性データを出力する観測ステップと、その観測デー
    タに係る属性データと推定された属性データの相関を判
    定し、相関関係がある場合には、その観測データを出力
    する属性相関ステップと、追尾目標が存在する可能性の
    ある領域を示す確率分布を参照し、その観測データに係
    る追尾目標がその領域内に存在する場合には、その観測
    データを出力する位置相関ステップと、その観測データ
    に基づいて追尾目標の位置を予測する予測ステップとを
    備えた目標追尾方法。
  9. 【請求項9】 現在の属性データと前回の推定結果から
    属性データを推定することを特徴とする請求項7または
    請求項8記載の目標追尾方法。
  10. 【請求項10】 予測ステップは、複数の運動モデルを
    用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測し、各予測結果を
    統合することを特徴とする請求項7から請求項9のうち
    のいずれか1項記載の目標追尾方法。
  11. 【請求項11】 予測ステップは、追尾目標の位置を予
    測する際、運動モデル毎の平滑誤差共分散行列に基づい
    て平滑誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項
    10記載の目標追尾方法。
  12. 【請求項12】 予測ステップは、追尾目標の位置を予
    測する際、運動モデル毎の予測誤差共分散行列に基づい
    て予測誤差の評価値を演算することを特徴とする請求項
    10記載の目標追尾方法。
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WO2019012575A1 (ja) * 2017-07-10 2019-01-17 三菱電機株式会社 目標追尾装置

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