JP2001228245A - 目標追尾装置および目標追尾方法 - Google Patents

目標追尾装置および目標追尾方法

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JP2001228245A
JP2001228245A JP2000038763A JP2000038763A JP2001228245A JP 2001228245 A JP2001228245 A JP 2001228245A JP 2000038763 A JP2000038763 A JP 2000038763A JP 2000038763 A JP2000038763 A JP 2000038763A JP 2001228245 A JP2001228245 A JP 2001228245A
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洋志 亀田
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信吾 辻道
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲートの大きさを考慮していないため、航跡
信頼度が正確に計算されない可能性があった。 【解決手段】 追尾処理手段2が、予測ベクトルから所
定の範囲内に各観測ベクトルがあるか否かを判定し、所
定の範囲内に存在するすべての、または複数の観測ベク
トルおよび予測ベクトルから目標の位置を推定する。ま
た、航跡信頼度計算手段4はその所定の範囲の大きさに
対応した航跡信頼度を観測情報から計算し、航跡信頼度
判定手段5は、その航跡信頼度に基づいて計算した航跡
累積信頼度の値に応じて目標が消滅したか否かを判定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、観測手段により
得られた観測情報に基づいて目標の追尾処理を実行する
目標追尾装置および目標追尾方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図12は例えば特開平7−20239号
公報に記載の従来の目標追尾装置の構成を表すブロック
図である。図12において、1はレーダシステムなどの
センサや信号処理回路を有し、極座標(すなわち、距
離、仰角および方位角)で得られる観測値を北基準直交
座標に座標変換して観測ベクトルを計算し、目標信号と
不要信号との比であるS/N比、目標が探知される確率
である探知確率、不要信号を目標信号と誤る確率である
誤警報確率および不要信号発生頻度を計算し、さらに、
極座標(すなわち、距離、仰角および方位角)で得られ
る観測雑音ベクトルの共分散行列を計算する観測手段で
ある。
【0003】101は観測手段1により探知された目標
を追尾するために、後述の予測処理、平滑処理およびゲ
ート処理を実行するα−βフィルタによる追尾処理手段
である。なお、α−βフィルタとは、カルマンフィルタ
においてサンプリング間隔を一定として、また、フィル
タゲインを一定として、座標系の1軸のみのデータを他
の軸の情報を無視して処理するフィルタである。
【0004】3は追尾中の目標の位置などを表示する表
示手段であり、102は追尾している目標の航跡信頼度
を計算する航跡信頼度計算手段であり、103は航跡信
頼度に基づいて目標が消滅したか否かを判定する航跡信
頼度判定手段である。
【0005】ここで、観測手段1に係わる座標系につい
て説明する。図13は観測手段1に係わる座標系を説明
する図である。
【0006】図において、Oはセンサの位置であり、T
は追尾目標の位置であり、Rは追尾目標の位置Tとセン
サの位置Oとの間の距離であり、Eはセンサの位置Oと
追尾目標の位置Tとを結ぶ線分OTがXY平面となす仰
角であり、Bはセンサの位置Oと追尾目標の位置Tとを
結ぶ線分OTのXY平面への正射影ベクトルがX軸とな
す方位角である。さらに、[R,E,B]は極座標を表
し、[X,Y,Z]は北基準直交座標を表す。以下、特
に断わらない場合、「座標」というときは、北基準直交
座標[X,Y,Z]を表すこととする。
【0007】次に動作について説明する。観測手段1
は、センサから極座標(すなわち、距離、仰角および方
位角)で得られる観測値を北基準直交座標に座標変換し
て観測ベクトルを計算する。さらに観測手段1は、目標
信号と不要信号との電力比を表すS/N比、目標が探知
される確率である探知確率、不要信号を目標信号と誤る
確率である誤警報確率、不要信号発生頻度、および、極
座標で得られる観測雑音ベクトルの誤差共分散行列を計
算する。
【0008】次に、α−βフィルタによる追尾処理手段
101は、α−βフィルタにより予測処理、ゲート判定
および平滑処理を実行する。図14はα−βフィルタに
よる追尾処理手段101における追尾処理を説明する図
である。なお、図14において、平滑値、予測値および
観測値は平滑ベクトル、予測ベクトルおよび観測ベクト
ルをそれぞれ表すものとし、特に断りのない場合、平滑
値、予測値および観測値は平滑ベクトル、予測ベクトル
および観測ベクトルをそれぞれ表すものとする。
【0009】追尾処理では、図14に示すように、1サ
ンプリング前の平滑値から1サンプリング時間だけ外挿
して現時刻の予測値が計算される。そして、現時刻の予
測値を中心に、目標存在が期待される範囲であるゲート
を考える。次にゲート内に存在する目標信号および不要
信号を含む観測値のうち、ゲートの中心である予測値に
最も近い観測値1を目標信号と推定する。さらにその観
測値1および予測値から現時刻の平滑値が計算される。
以下、この処理を目標が消滅したと判定されるまで繰り
返し実行する。
【0010】次に予測処理、ゲート処理および平滑処理
の詳細について説明する。α−βフィルタによる予測処
理は、式(1)に従って、目標の推定位置および速度を
表す平滑ベクトルから予測ベクトルを計算することによ
り行なわれる。すなわち、1サンプリング前に得られた
平滑ベクトルから目標の位置を1サンプリング分だけ外
挿して、現時刻の予測ベクトルが計算される。 k(−)=Φk-1 k-1(+) (1) ただし、 k(−)は予測ベクトル、Φkは状態遷移行
列、 k(+)は平滑ベクトルとする。
【0011】ここで、予測ベクトルは式(2)で表さ
れ、平滑ベクトルは式(3)で表され、状態遷移行列Φ
k は式(4)で表される。 k(−)=[xk(−)yk(−)zk(−)dxk(−)dyk(−)dzk( −)] (2) ただし、xk(−)は予測位置のx成分、dxk(−)は
予測速度のx成分、yk(−)は予測位置のy成分、d
k(−)は予測速度のy成分、zk(−)は予測位置の
z成分、dzk(−)は予測速度のz成分とする。
【0012】 k(+)=[xk(+)yk(+)zk(+)dxk(+)dyk(+)dzk( +)] (3) ただし、xk(+)は平滑位置のx成分、dxk(+)は
平滑速度のx成分、yk(+)は平滑位置のy成分、d
k(+)は平滑速度のy成分、zk(+)は平滑位置の
z成分、dzk(+)は平滑速度のz成分とする。
【0013】
【数1】
【0014】次にゲート処理について説明する。ゲート
処理では、現時刻の予測ベクトルを中心として目標存在
が期待される範囲をゲートとして考え、そのゲート内に
存在する観測ベクトルから目標信号と推定される1つの
観測ベクトルが選択される。すなわち、予測値と観測値
との残差が所定のしきい値以下の場合に観測値がゲート
内であると判定され、残差が最小である観測ベクトルが
目標信号として選択される。このときのしきい値、すな
わちゲートサイズには、予め決められた固定値が使用さ
れる。
【0015】そしてα−βフィルタによる平滑処理は、
式(5)に従って予測ベクトルおよび目標信号とされた
観測ベクトルに基づいて平滑ベクトルを計算することに
より行われる。すなわち、その観測ベクトルと予測ベク
トルの位置成分との残差に対してゲイン行列Kk で重み
付けをしたベクトルを予測ベクトルに加算して平滑ベク
トルが計算される。 k(+)= k(−)+Kk k−H k(−)) (5) ただし、Kkはゲイン行列、Hは観測行列、 kは観測ベ
クトルとする。
【0016】ここで、観測ベクトルは式(6)で表さ
れ、観測行列Hは式(7)で表される。 k=[xk,0k,0k,0] (6) ただし、xk,0は観測位置のx成分、yk,0は観測位置の
y成分zk,0は観測位置のz成分とする。
【0017】 H=[I O] (7) なお、観測行列Hは、予測ベクトルや平滑ベクトルの位
置成分を抽出する働きをする。
【0018】また、式(5)におけるゲイン行列Kk
しては、ゲート内に観測ベクトルが存在する場合には式
(8)に示すものを使用し、ゲート内に観測ベクトルが
存在しない場合には式(9)に示すものを使用する。な
お、式(8)における定数a,bの値は、目標真位置に
対する観測の曖昧さや目標運動の曖昧さを考慮して例え
ば式(10)を解いて設定する。
【数2】
【0019】
【数3】
【0020】
【数4】
【0021】このようにして、予測処理、ゲート処理お
よび平滑処理が実行される。そして、α−βフィルタに
よる追尾処理手段101は、ゲート処理において、観測
値がゲート内に存在しなかった回数、つまりメモリトラ
ックになる回数を航跡信頼度判定手段103に供給す
る。メモリトラックとは、式(5)に示す平滑処理にお
けるゲイン行列Kk を式(9)に示すように零行列とし
て、平滑ベクトルとして予測ベクトルを使用することを
いう。
【0022】一方、航跡信頼度計算手段102は、観測
手段1により得られた目標の探知確率PD に基づいて式
(11)に従って航跡信頼度λk を計算する。 λk=1−PD (11) ただし、λkは航跡信頼度、PDは目標の探知確率とす
る。
【0023】次に航跡信頼度判定手段103は、航跡信
頼度計算手段102より計算された航跡信頼度λk に基
づいて式(12)の左辺に示す航跡信頼度の累積(メモ
リトラック期間のすべての航跡信頼度の積)を計算す
る。特に断りのない場合、この航跡信頼度の累積を航跡
累積信頼度と呼ぶ。
【数5】
【0024】そして、航跡信頼度判定手段103は、式
(12)に示す条件を満足しない場合、すなわち航跡累
積信頼度が所定のしきい値TH0以上である場合、目標
が消滅したと判定し、その目標についての追尾処理を終
了する旨の制御信号をα−βフィルタによる追尾処理手
段101に供給し、そうでない場合には、その目標につ
いての追尾処理を継続する旨の制御信号を供給する。
【0025】そして、α−βフィルタによる追尾処理手
段101は、航跡信頼度判定手段103から追尾処理を
継続する旨の制御信号を供給されると、式(5)に従っ
て計算した平滑ベクトルを表示手段3へ供給し、その平
滑ベクトルを目標の位置として表示手段3に表示させ
る。一方、追尾処理を終了する旨の制御信号を供給され
ると、α−βフィルタによる追尾処理手段101は追尾
処理を終了する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標追尾装置お
よび目標追尾方法は以上のように構成されているので、
式(11)のように航跡信頼度を計算する際に上述のゲ
ートの大きさを考慮していないため、航跡信頼度が正確
に計算されない可能性があるなどの課題があった。
【0027】ゲートが大きい場合には観測値が得られる
可能性が高くなるのでメモリトラックになりにくくな
り、逆にゲートが小さい場合にはメモリトラックになり
易くなることから、本来、航跡信頼度はゲートの大きさ
に依存するものである。
【0028】また、式(12)に示すように航跡累積信
頼度が所定のしきい値TH0より小さいか否かを目標消
滅の判定条件としているので、探知確率PD が一定であ
る場合、消滅判定されるまでのメモリトラックの回数N
が一意に決定されてしまい、目標消滅の判定が正確に実
行されない可能性があるという課題があった。
【0029】すなわち、目標の探知確率が小さい場合に
はゲート内に目標信号が得られにくくなるのでメモリト
ラックになり易くなり、逆に目標の探知確率が大きい場
合にはメモリトラックになりにくくなるので、不要信号
が存在せずゲート内に目標信号のみが存在する自由空間
の場合にはよいが、目標以外からの信号がゲート内に存
在する不要信号環境の場合には、目標の探知確率が正確
に反映されず目標消滅の判定が正確に実行されない可能
性がある。さらに目標消滅の判定が正確でない場合、本
来消滅している目標が継続して追尾されて誤航跡が増
え、表示手段3に表示された本来の目標航跡をオペレー
タが確認することが困難になる可能性がある。
【0030】さらに、従来の目標追尾装置および目標追
尾方法は以上のように構成されているので、クロスレン
ジ方向における観測雑音のばらつきが大きい場合、目標
の真の速度ベクトルが正確に得られなくなるため、追尾
の継続が困難になる可能性があるなどの課題があった。
【0031】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、予測ベクトルから所定の範囲内に
各観測ベクトルがあるか否かを判定し、所定の範囲内に
存在するすべての、または複数の観測ベクトルおよび予
測ベクトルから目標の位置を推定し、その所定の範囲の
大きさに対応した航跡信頼度を観測情報から計算し、そ
の航跡信頼度に基づいて追尾中の目標が消滅したか否か
を判定するようにして、航跡信頼度を正確に計算し、不
要信号環境においても安定して目標消滅の判定を正確に
実行することができる目標追尾装置および目標追尾方法
を得ることを目的とする。
【0032】また、クロスレンジ方向における観測雑音
のばらつきが大きい場合には所定期間だけ目標の速度ベ
クトルを固定するようにして、正確に追尾を継続するこ
とができる目標追尾装置および目標追尾方法を得ること
を目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】この発明に係る目標追尾
装置は、観測情報並びに前回推定された目標の位置およ
び速度ベクトルから各追尾中の目標について予測ベクト
ルを計算する予測情報計算手段と、観測情報に基づく現
時刻における各観測ベクトルが予測ベクトルから所定の
範囲内にあるか否かを判定する第1の判定手段と、その
所定の範囲内に存在するすべての、または複数の観測ベ
クトルおよび予測ベクトルから目標の位置および速度ベ
クトルを推定する目標推定手段と、その所定の範囲の大
きさに対応した航跡信頼度を観測情報から計算する航跡
信頼度計算手段と、その航跡信頼度に基づいて追尾中の
目標が消滅したか否かを判定する第2の判定手段とを備
えるものである。
【0034】この発明に係る目標追尾装置は、目標が存
在しないで追尾を行なっている確率である所定の範囲の
大きさに対応した第1の確率と目標が存在してメモリト
ラックを行なっている確率である第2の確率との比を航
跡信頼度として計算するようにしたものである。
【0035】この発明に係る目標追尾装置は、第2の判
定手段が航跡信頼度に基づいて、目標が消滅したと判定
するか、目標が存在すると判定するか、または判定を保
留するようにしたものである。
【0036】この発明に係る目標追尾装置は、消滅した
と判定されなかった目標の位置を表示する表示手段を備
えるようにしたものである。
【0037】この発明に係る目標追尾装置は、観測手段
により得られる観測雑音のクロスレンジ方向のばらつき
の大きさに応じて所定の期間だけ目標の速度ベクトルを
固定して予測ベクトルを計算するようにしたものであ
る。
【0038】この発明に係る目標追尾装置は、追尾用と
表示用の2種類のしきい値を使用して目標が消滅したか
否かをそれぞれ判定し、表示用のしきい値での判定によ
り消滅したと判定されなかった目標のみについてその位
置を表示手段が表示するようにしたものである。
【0039】この発明に係る目標追尾装置は、オペレー
タの操作に応じた時刻から目標消滅の判定を第2の判定
手段に実行させる判定開始時刻制御手段を備えるように
したものである。
【0040】この発明に係る目標追尾方法は、観測情報
並びに前回推定された目標の位置および速度ベクトルか
ら各追尾中の目標について予測ベクトルを計算するステ
ップと、観測情報に基づく現時刻における各観測ベクト
ルが予測ベクトルから所定の範囲内にあるか否かを判定
するステップと、その所定の範囲内に存在するすべて
の、または複数の観測ベクトルおよび予測ベクトルから
目標の位置および速度ベクトルを推定するステップと、
その所定の範囲の大きさに対応した航跡信頼度を観測情
報から計算するステップと、その航跡信頼度に基づいて
追尾中の目標が消滅したか否かを判定するステップとを
備えるものである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による目
標追尾装置の構成を示すブロック図である。図1におい
て、1はレーダシステムなどのセンサや信号処理回路を
有し、極座標(すなわち、距離、仰角および方位角)で
得られる観測値を北基準直交座標に座標変換して観測ベ
クトルを計算し、目標信号と不要信号との比であるS/
N比、目標が探知される確率である探知確率PD 、不要
信号を目標信号と誤る確率である誤警報確率および不要
信号発生頻度βFTk を計算し、さらに、極座標(すな
わち、距離、仰角および方位角)で得られる観測雑音ベ
クトルの共分散行列Bk を計算する観測手段である。
【0042】2は観測手段1により探知された目標を追
尾するためにカルマンフィルタに基づいて予測処理、ゲ
ート処理および後述のAN(All Neighbor)法による平
滑処理を実行する追尾処理手段(予測情報計算手段、第
1の判定手段、目標推定手段)であり、3は追尾中の目
標の位置、すなわち航跡などを表示する表示手段であ
る。
【0043】4は追尾処理手段2によるゲート処理の結
果に応じて、ゲートサイズに対応した航跡信頼度を観測
情報から計算する航跡信頼度計算手段であり、5はその
航跡信頼度に基づいて追尾中の目標が消滅したか否かを
判定する航跡信頼度判定手段(第2の判定手段)であ
る。
【0044】ここで、観測手段1に係わる座標系につい
て説明する。図13において、Oはセンサの位置であ
り、Tは追尾目標の位置であり、Rは追尾目標の位置T
とセンサの位置Oとの間の距離であり、Eはセンサの位
置Oと追尾目標の位置Tとを結ぶ線分OTがXY平面と
なす仰角であり、Bはセンサの位置Oと追尾目標の位置
Tとを結ぶ線分OTのXY平面への正射影ベクトルがX
軸となす方位角である。さらに、[R,E,B]は極座
標を表し、[X,Y,Z]は北基準直交座標を表す。以
下、特に断わらない場合、「座標」というときは、北基
準直交座標[X,Y,Z]を表すこととする。
【0045】観測手段1は、センサから極座標(すなわ
ち、距離、仰角および方位角)で得られる観測値を北基
準直交座標に座標変換して観測ベクトルを計算する。さ
らに観測手段1は、目標信号と不要信号との電力比を表
すS/N比、目標が探知される確率である探知確率P
D 、不要信号を目標信号と誤る確率である誤警報確率、
不要信号発生頻度βFTk 、および、極座標で得られる
観測雑音ベクトルの誤差共分散行列Bk を計算する。
【0046】次に動作について説明する。図2はこの実
施の形態1による目標追尾装置の動作について説明する
フローチャートである。
【0047】まずステップST1において、追尾処理手
段2は予測処理を実行し、現時刻の予測ベクトルおよび
予測誤差共分散行列Pk (−)を予測情報として計算す
る。
【0048】このとき追尾処理手段2は、式(1)と同
様に式(13)に従って現時刻の予測ベクトルを計算
し、式(14)に従って1サンプリング前の平滑処理に
より計算された平滑誤差共分散行列Pk (+)および1
サンプリング前の状態遷移行列Φk-1 から現時刻の予測
誤差共分散行列Pk (−)を計算する。 (−)=Φk-1 k-1(+) (13) ただし、 (−)は予測ベクトル、Φkは状態遷移行
列、 k(+)は平滑ベクトルとする。
【0049】
【数6】
【0050】なお、式(14)の右辺第2項は、運動の
位置の曖昧さを決める駆動雑音ベクトルの共分散行列Q
k を駆動雑音ベクトルの変換行列Γ1k により変換した
ものであって運動の速度の曖昧さを表すものであり、予
め計算しておく。また、状態遷移行列Φk は式(4)に
示すものである。
【0051】なお、駆動雑音ベクトルおよびその変換行
列は、予め仮定されている目標の運動モデルに基づいて
定められる。目標の運動モデルの一例を式(15)に示
す。この運動モデルでは、式(16)に示すように駆動
雑音ベクトルが平均ベクトルおよび共分散行列Qk に基
づく2変量白色正規分布に従って変動するものと仮定す
る。 k=Φk-1 k-1+Γ1k-1 k-1 (15) ただし、 kは目標の位置および速度の真値を示すベク
トル、 k-1は駆動雑音ベクトル
【0052】 k〜N(,Qk) (16) ただし、は平均ベクトルとする。
【0053】なお、式(16)における駆動雑音ベクト
ルの共分散行列Qk は式(17)に示すものであり、式
(15)における駆動雑音ベクトルの変換行列Γ1k
式(18)に示すものである。
【0054】 Qk=qI,q=σa 2・T (17)
【0055】
【数7】
【0056】ただし、この運動モデルは一例であり、目
標の運動に応じて他の運動モデルを使用することも勿論
可能である。その場合には、上記の駆動雑音ベクトルの
共分散行列Qk および駆動雑音ベクトルの変換行列Γ1
k は、その運動モデルに対応するものに変更する。
【0057】次にステップST2において、観測手段1
により得られた現時刻の観測ベクトル、観測雑音ベクト
ルの共分散行列Bk 、探知確率PD 、不要信号発生頻度
βFTk などの各種観測情報が適宜各部に供給される。
【0058】そしてステップST3において、追尾処理
手段2はゲート処理を実行する。このとき追尾処理手段
2はまずオペレータにより設定された(または予め設定
された)ゲート内確率PGkに対応するゲートサイズdの
ゲートを設定し、現時刻の各観測ベクトルについてゲー
トの内外判定を行なう。
【0059】目標信号をゲートに含めることができるゲ
ートサイズdの分布がカイ2乗分布に従うものとする
と、ゲート内確率PGkとゲートサイズdとの関係は式
(19)に示すようになるので、予め両者の関係をテー
ブルとして保持し、設定されたゲート内確率PGkに対応
するゲートサイズdをそのテーブルを参照して決定す
る。n=3の場合、このテーブルは例えば下記のように
なる。
【数8】
【0060】
【表1】
【0061】そして追尾処理手段2は、予測ベクトルか
らゲートサイズの範囲内に各観測ベクトルがあるか否か
を判定し、ゲート内に存在する観測ベクトルを抽出す
る。
【0062】上記のようにゲートサイズを決定すること
により、式(20)に示すように、観測ベクトルと予測
ベクトルとの残差の誤差共分散がゲートサイズ以下にな
る。
【数9】
【0063】ここで、予測観測ベクトルは式(21)に
示すものであり、予測観測値の誤差共分散行列Sk は式
(22)に示すものである。 k(−)=H k(−) (21) ただし、Hは観測行列とする。
【0064】
【数10】
【0065】なお、観測雑音ベクトルおよびその変換行
列は、予め仮定されている観測モデルに基づいて定めら
れる。観測モデルの一例を式(23)に示す。この観測
モデルでは、式(24)に示すように観測雑音ベクトル
が平均ベクトルおよび共分散行列Bk に基づく2変量白
色正規分布に従って変動するものと仮定する。 k=H k+Γ2k k (23) ただし、 kは観測雑音ベクトルとする。
【0066】 k〜N(,Bk) (24)
【0067】なお、式(24)における観測雑音ベクト
ルの共分散行列Bk は式(25)に示すようになり、式
(23)における観測雑音ベクトルの変換行列Γ2k
式(26)に示すようになる。
【0068】
【数11】
【0069】
【数12】
【0070】ただし、この観測モデルは一例であり、他
の観測モデルを使用することも勿論可能である。その場
合には、上記の観測雑音ベクトルの共分散行列Bk およ
び観測雑音ベクトルの変換行列Γ2k は、その観測モデ
ルに対応するものに変更する。
【0071】次にステップST4において、航跡信頼度
計算手段4はゲートサイズdに対応するゲート内確率P
Gkをパラメータとして観測情報から航跡信頼度θk を計
算する。
【0072】図3は実施の形態1による目標追尾装置に
おいて観測された各観測ベクトルの尤度および信頼度の
一例を示す図である。例えば図3(a),(b)に示す
ように、各観測ベクトル(図3では観測ベクトル1,
2)についてゲートの中心である予測ベクトルからの相
対距離およびその相対距離の場合の確率に対応する信頼
度βk,i および尤度γk,i が計算される。航跡信頼度計
算手段4は、式(27)に従ってメモリトラックの尤度
γk,0 を計算し、式(28)に従って各ゲート内観測ベ
クトルについて尤度γk,i を計算した後、式(29)に
従ってメモリトラックの信頼度βk,0 を計算する。この
とき、予測観測値の誤差共分散行列Sk は式(22)に
従って計算され、ゲート内観測ベクトル、その個数m
k 、および予測誤差共分散行列Pk (−)は追尾処理手
段2より供給され、観測情報については観測手段1より
供給される。
【数13】
【0073】 γk,i=g( k,i k(−),Sk)PD (28) ただし、γk,iは現時刻におけるゲート内観測ベクトル
の尤度(i>0)、 k,iは現時刻におけるゲート内の
観測ベクトルとし、g()は正規分布を表す。
【0074】
【数14】
【0075】そして航跡信頼度計算手段4は、式(3
0)に従って航跡信頼度θk を計算する。このとき、目
標の探知確率PD は観測手段1より供給される。
【数15】
【0076】なお、式(30)では、目標が存在しない
で追尾を行なっている確率(1−P D ・PGk)と、目標
が存在してメモリトラックを行なっている確率、すなわ
ちメモリトラックの信頼度βk,0 との比が航跡信頼度θ
k とされている。したがって、ゲートサイズdに対応す
るゲート内確率PGkが式(30)に含まれるため、ゲー
トサイズdを考慮した航跡信頼度θk が計算される。
【0077】次に航跡信頼度判定手段5が、ステップS
T5において、航跡信頼度計算手段4により計算された
航跡信頼度θk から航跡累積信頼度(式(31)、式
(32)の左辺)を計算し、ステップST6において、
目標が消滅したか否かを判定し、その判定結果を追尾処
理手段2に供給する。このとき航跡信頼度判定手段5
は、式(31)を満足する場合には目標が消滅したと判
定し、式(32)を満足する場合には目標が存在すると
判定し、それ以外の場合(すなわち式(33)を満足す
る場合)には判定を保留する。
【数16】
【0078】式(31)〜式(33)における第1種の
誤りの確率PeIおよび第2種の誤りの確率PeII は、統
計学において、帰無仮説が真であるにも関わらず真でな
いとする誤りをする確率、および帰無仮説が真でないに
も関わらず真であるとする誤りをする確率をそれぞれ表
している。この場合の帰無仮説は「目標が実際に存在し
ない」ことである。またその対立仮説は「目標が実際に
存在する」ことである。下記の表は、第1種の誤りの確
率PeIおよび第2種の誤りの確率PeII と帰無仮説およ
び対立仮説との関係を示している。
【0079】
【表2】
【0080】なお、式(31)〜式(33)における第
1種の誤りの確率PeIおよび第2種の誤りの確率PeII
は、判定の厳しさに応じてオペレータが事前に決めてお
く。例えばPeI=PeII =0.2と設定すると、式(3
1)〜式(33)の2つのしきい値PeII /(1−
eI),(1−PeII )/PeIは0.25と4.0にな
る。
【0081】そして目標が消滅した場合、ステップST
7においてその目標についての追尾処理を終了し、それ
以外の場合、その目標についての追尾処理を継続し、ス
テップST8に進む。
【0082】ステップST8において、追尾処理手段2
は、目標が存在する旨または判定保留の判定結果を供給
されると、その目標についての平滑ベクトルおよび平滑
誤差共分散行列Pk (+)を平滑情報として計算する。
【0083】このとき追尾処理手段2はまず式(34)
に従って予測ベクトルおよびゲート内観測ベクトルに基
づいて平滑ベクトルを計算する。 k(+)= k(−)+Kk k (34) ただし、 k(+)は平滑ベクトル、Kkはゲイン行列、
kは信頼度で重みづけした残差の総和とする。
【0084】ここで、信頼度で重み付けした残差の総和
は式(35)および式(36)に従って計算され、ゲイ
ン行列Kk は式(37)に従って計算される。
【数17】
【0085】 k,i k,i−H k(−) (i=1,・・・,mk) (36) ただし、 k,iは現時刻におけるゲート内の各観測ベク
トルとする。
【0086】
【数18】
【0087】なお、各ゲート内観測ベクトルの信頼度β
k,i は式(29)に従って計算される。このとき各ゲー
ト内観測ベクトルの尤度γk,i は航跡信頼度計算手段4
より供給される。
【0088】そして追尾処理手段2は式(38)および
式(39)に従って平滑誤差共分散行列Pk (+)を計
算する。
【数19】
【0089】 Pk’(+)=(I−KkH)Pk(−) (39)
【0090】このように、従来の目標追尾装置における
NN(Nearest Neighbor)法と比較すると、NN法では
ゲートの中心である予測値に最も近い観測値のみを平滑
処理の対象とするが、AN法ではゲート内のすべての観
測値を平滑処理の対象として平滑値を計算する。なお、
ゲート内の観測値のうちのすべてではなく、そのうちの
複数の観測値から平滑値を計算するようにしてもよい。
【0091】次にステップST9において、追尾処理手
段2は、計算した平滑ベクトルを現時刻での目標の位置
として表示手段3に供給する。表示手段3は、存在する
と判定された目標についての平滑ベクトルに基づくその
目標の位置と、判定が保留された目標についての平滑ベ
クトルに基づくその目標の位置とを別個に表示する。す
なわち、表示手段3は1つの表示画面において両者を切
り換えて表示したり、2つの表示画面において両者をそ
れぞれ表示したりする。
【0092】そしてステップST10において、装置の
処理を終了するか否かを判断し、処理を終了しない場
合、ステップST11において、サンプリング時刻tk
の番号kをk+1に更新して、次のサンプリング時刻t
k+1 についてのステップST1〜ステップST9の処理
を実行する。
【0093】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、予測ベクトルから所定の範囲のゲート内に各観測ベ
クトルがあるか否かを判定し、ゲート内に存在するすべ
ての、または複数の観測ベクトルおよび予測ベクトルか
ら目標の位置を推定し、そのゲートの大きさに対応した
航跡信頼度を観測情報から計算し、その航跡信頼度に基
づいて追尾中の目標が消滅したか否かを判定するように
したので、航跡信頼度を正確に計算し、不要信号環境に
おいても安定して目標消滅の判定を正確に実行すること
ができるという効果が得られる。
【0094】また、この実施の形態1によれば、航跡信
頼度に基づいて、目標が消滅したと判定するか、目標が
存在するか、または判定を保留するようにしたので、消
滅しそうな目標については判定が保留されやすくなり、
判定が保留された目標の位置を別個に表示することによ
り目標の追尾状態を把握することができるという効果が
得られる。
【0095】実施の形態2.図4はこの発明の実施の形
態2による目標追尾装置の構成を示すブロック図であ
る。図4において、11は観測手段1により得られる観
測雑音のクロスレンジ方向のばらつきの大きさが所定の
しきい値以上になった場合、追尾処理手段2における予
測ベクトルのうちの予測速度(dxk (−),dyk
(−),dzk (−))(目標の速度ベクトル)を所定
のサンプリング数の期間だけ固定させるゲート中心固定
制御手段である。なお、図4におけるその他の構成要素
については実施の形態1によるものと同様であるので、
その説明を省略する。
【0096】次に動作について説明する。図5はこの発
明の実施の形態2による目標追尾装置の動作について説
明するフローチャートであり、図6は観測雑音のクロス
レンジ方向のばらつきの大きい場合の予測ベクトルにつ
いて説明する図である。
【0097】ステップST21において、ゲート中心固
定制御手段11は、観測手段1により得られる観測雑音
のクロスレンジ方向のばらつきの大きさが所定のしきい
値以上になった場合、予測ベクトルのうちの予測速度
(dxk (−),dyk (−),dzk (−))を所定
のサンプリング数の期間だけ固定させる制御信号を追尾
処理手段2に供給する。追尾処理手段2はその制御信号
を受け取ると、所定のサンプリング数の期間だけ、その
制御信号を受け取る直前の平滑速度に予測速度を固定し
て上述の各種処理を実行する。
【0098】なお、図5に示すその他の動作については
実施の形態1によるものと同様であるので、その説明を
省略する。
【0099】例えば図6に示すように、時刻tk+2 にお
いて、観測雑音のクロスレンジ方向のばらつきの大きさ
が所定のしきい値以上になった場合、時刻tk+2 ,t
k+3 における予測速度が時刻tk+1 の平滑速度に固定さ
れる。このようにすることにより、図6に示す例におい
て時刻tk+4 での観測値がゲート内に入る可能性が高く
なる。
【0100】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、クロスレンジ方向における観測雑音のばらつきが大
きい場合には所定期間だけ目標の速度ベクトルを固定す
るようにしたので、正確に追尾を継続することができる
という効果が得られる。
【0101】実施の形態3.図7はこの発明の実施の形
態3による目標追尾装置の構成を示すブロック図であ
る。図7において、21は航跡信頼度判定手段5を制御
して、追尾用の第1種および第2種の誤りの確率の組み
(PeI,PeII )に基づいて判定を実行させるととも
に、その組みより目標が消滅判定されやすい表示用の第
1種および第2種の誤りの確率の組み(PeI,PeII
に基づいて判定を実行させ、追尾処理手段2を制御し
て、表示用の組みでの判定により消滅したと判定されな
かった目標の平滑ベクトルを現時刻での目標の位置とし
て表示手段3に供給させ、追尾用の組みでの判定により
消滅したと判定されなかった目標についての追尾処理を
実行させる表示制御手段である。なお、図7におけるそ
の他の構成要素については実施の形態1によるものと同
様であるので、その説明を省略する。
【0102】次に動作について説明する。図8はこの発
明の実施の形態3による目標追尾装置の動作について説
明するフローチャートである。
【0103】表示制御手段21は、ステップST31に
おいて、航跡信頼度判定手段5を制御して、表示用の第
1種および第2種の誤りの確率の組みに基づいて判定を
実行させ、ステップST6において、追尾用の第1種お
よび第2種の誤りの確率の組みに基づいて判定を実行さ
せる。
【0104】そしてステップST7において、追尾処理
手段2は、追尾用の組みでの判定結果に基づいて目標が
消滅したと判断した目標の追尾処理を終了する。さらに
ステップST8において、追尾処理手段2は、追尾用の
組みでの判定結果に基づいて消滅しなかったと判断され
た目標のみについて平滑処理を実行する。
【0105】次にステップST9において、表示制御手
段21は、追尾処理手段2を制御して、表示用の組みで
の判定により消滅したと判定されなかった目標の平滑ベ
クトルを現時刻での目標の位置として表示手段3に供給
させる。
【0106】なお、図8に示すその他の動作については
実施の形態1によるものと同様であるので、その説明を
省略する。
【0107】このように上述の追尾用と表示用の2種類
の確率の組み(PeI,PeII )により2種類のしきい値
の組み(式(31)の右辺の値と式(32)の右辺の
値)をそれぞれ設定して判定を実行すると、表示用のし
きい値により消滅したと判定されなかった目標は、追尾
用のしきい値により消滅したと判定されなかった目標よ
り少なくなるため、表示手段3により表示される目標が
追尾中の目標より少なくなる。
【0108】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、追尾用と表示用の2種類のしきい値を使用して目標
が消滅したか否かをそれぞれ判定し、表示用のしきい値
での判定により消滅したと判定されなかった目標のみに
ついてその位置を表示するようにしたので、表示手段3
により表示される目標が追尾中の目標より適度に少なく
なり、目標の航跡や位置などを視認し易くすることがで
きるという効果が得られる。
【0109】実施の形態4.図9はこの発明の実施の形
態4による目標追尾装置の構成を示すブロック図であ
る。図9において、31はオペレータの操作に応じた時
刻から目標消滅の判定を追尾処理手段2に実行させる判
定開始時刻制御手段である。なお、図9におけるその他
の構成要素については実施の形態1によるものと同様で
あるので、その説明を省略する。
【0110】次に動作について説明する。図10はこの
発明の実施の形態4による目標追尾装置における判定開
始時刻制御手段31の動作について説明するフローチャ
ートであり、図11はこの発明の実施の形態4による目
標追尾装置の動作について説明するフローチャートであ
る。
【0111】判定開始時刻制御手段31は、ステップS
T41において、オペレータの操作があるまで待機し、
オペレータの操作があると、ステップST42におい
て、その操作により設定された時刻を航跡信頼度計算手
段4および航跡信頼度判定手段5に供給し、その時刻か
らステップST4〜ステップST7の処理を実行させ
る。なお、図示せぬ操作部に対するオペレータによる操
作の情報がその操作部から判定開始時刻制御手段31に
供給される。
【0112】そして航跡信頼度計算手段4および航跡信
頼度判定手段5は、その開始時刻に到達したか否かをス
テップST51において判定し、その開始時刻に到達し
ていると判断した場合には、ステップST4〜ステップ
ST7の処理を実行し、そうでない場合には、目標が存
在する旨の制御信号を追尾処理手段2に供給し、追尾処
理を実行させる。
【0113】なお、図11に示すその他の動作について
は実施の形態1によるものと同様であるので、その説明
を省略する。
【0114】これにより、オペレータは、多くの目標や
不要信号が存在する高密度環境であると判断した場合に
は目標消滅判定を実行させずに、高密度環境と判断した
場合に図示せぬ操作部を操作して目標消滅の判定の開始
時刻を判定開始時刻制御手段31に供給する。なお、目
標消滅の判定の開始時刻の代わりとして目標消滅の判定
の開始命令を供給して、その時点から目標消滅の判定を
開始させるようにしてもよい。
【0115】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、オペレータの操作に応じた時刻から目標消滅の判定
を実行させる判定開始時刻制御手段を備えるようにした
ので、例えば高密度環境の場合のみ、オペレータの操作
に応じて柔軟に目標消滅判定を実行させることができる
という効果が得られる。
【0116】なお、上記実施の形態においては、運動系
および観測系が3次元であるが、2次元の場合でも同様
に本発明を適用することができる。
【0117】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、観測
情報並びに前回推定された目標の位置および速度ベクト
ルから各追尾中の目標について予測ベクトルを計算し、
観測情報に基づく現時刻における各観測ベクトルが予測
ベクトルから所定の範囲内にあるか否かを判定し、その
所定の範囲内に存在するすべての、または複数の観測ベ
クトルおよび予測ベクトルから目標の位置および速度ベ
クトルを推定し、その所定の範囲の大きさに対応した航
跡信頼度を観測情報から計算し、その航跡信頼度に基づ
いて追尾中の目標が消滅したか否かを判定するように構
成したので、航跡信頼度を正確に計算し、不要信号環境
においても安定して目標消滅の判定を正確に実行するこ
とができるという効果がある。
【0118】この発明によれば、航跡信頼度に基づい
て、目標が消滅したと判定するか、目標が存在するか、
または判定を保留するようにしたので、消滅しそうな目
標については判定が保留されやすくなり、判定が保留さ
れた目標の位置を別個に表示することにより目標の追尾
状態を把握することができるという効果がある。
【0119】この発明によれば、観測手段により得られ
る観測雑音のクロスレンジ方向のばらつきの大きさに応
じて所定の期間だけ目標の速度ベクトルを固定して予測
ベクトルを計算するように構成したので、正確に追尾を
継続することができるという効果がある。
【0120】この発明によれば、追尾用と表示用の2種
類のしきい値を使用して目標が消滅したか否かをそれぞ
れ判定し、表示用のしきい値での判定により消滅したと
判定されなかった目標のみについてその位置を表示する
ように構成したので、表示手段により表示される目標が
追尾中の目標より適度に少なくなり、目標の航跡や位置
などを視認し易くすることができるという効果がある。
【0121】この発明によれば、オペレータの操作に応
じた時刻から目標消滅の判定を第2の判定手段に実行さ
せる判定開始時刻制御手段を備えるようにしたので、例
えば高密度環境の場合のみ、オペレータの操作に応じて
柔軟に目標消滅判定を実行させることができるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による目標追尾装置
の構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施の形態1による目標追尾装置の動作
について説明するフローチャートである。
【図3】 実施の形態1による目標追尾装置において観
測された各観測ベクトルの尤度および信頼度の一例を示
す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による目標追尾装置
の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による目標追尾装置
の動作について説明するフローチャートである。
【図6】 観測雑音のクロスレンジ方向のばらつきの大
きい場合の予測ベクトルについて説明する図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置
の構成を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置
の動作について説明するフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態4による目標追尾装置
の構成を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による目標追尾装
置における判定開始時刻制御手段の動作について説明す
るフローチャートである。
【図11】 この発明の実施の形態4による目標追尾装
置の動作について説明するフローチャートである。
【図12】 従来の目標追尾装置の構成を表すブロック
図である。
【図13】 観測手段に係わる座標系を説明する図であ
る。
【図14】 α−βフィルタによる追尾処理手段におけ
る追尾処理を説明する図である。
【符号の説明】
1 観測手段、2 追尾処理手段(予測情報計算手段、
第1の判定手段、目標推定手段)、3 表示手段、4
航跡信頼度計算手段、5 航跡信頼度判定手段(第2の
判定手段)、31 判定開始時刻制御手段。
フロントページの続き (72)発明者 辻道 信吾 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小菅 義夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5J070 AC02 AC12 AC13 AH45 AJ02 AK22 BB06 BG30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 観測手段により得られた観測情報に基づ
    いて目標の追尾処理を実行する目標追尾装置において、 前記観測情報並びに前回推定された目標の位置および速
    度ベクトルから各追尾中の目標について予測ベクトルを
    計算する予測情報計算手段と、 前記観測情報に基づく現時刻における各観測ベクトルが
    前記予測ベクトルから所定の範囲内にあるか否かを判定
    する第1の判定手段と、 前記所定の範囲内に存在するすべての、または複数の前
    記観測ベクトルおよび前記予測ベクトルから目標の位置
    および速度ベクトルを推定する目標推定手段と、 前記所定の範囲の大きさに対応した航跡信頼度を前記観
    測情報から計算する航跡信頼度計算手段と、 前記航跡信頼度に基づいて前記追尾中の目標が消滅した
    か否かを判定する第2の判定手段とを備えることを特徴
    とする目標追尾装置。
  2. 【請求項2】 航跡信頼度計算手段は、目標が存在しな
    いで追尾を行なっている確率である前記所定の範囲の大
    きさに対応した第1の確率と目標が存在してメモリトラ
    ックを行なっている確率である第2の確率との比を航跡
    信頼度として計算することを特徴とする請求項1記載の
    目標追尾装置。
  3. 【請求項3】 第2の判定手段は、航跡信頼度に基づい
    て、目標が消滅したと判定するか、目標が存在すると判
    定するか、または判定を保留することを特徴とする請求
    項1記載の目標追尾装置。
  4. 【請求項4】 第2の判定手段により消滅したと判定さ
    れなかった目標の位置を表示する表示手段を備えること
    を特徴とする請求項1または請求項3記載の目標追尾装
    置。
  5. 【請求項5】 予測情報計算手段は、観測手段により得
    られる観測雑音のクロスレンジ方向のばらつきの大きさ
    に応じて、所定の期間だけ目標の速度ベクトルを固定し
    て予測ベクトルを計算することを特徴とする請求項1記
    載の目標追尾装置。
  6. 【請求項6】 第2の判定手段は、追尾用と表示用の2
    種類のしきい値を使用して目標が消滅したか否かをそれ
    ぞれ判定し、 表示手段は、前記表示用のしきい値での判定により消滅
    したと判定されなかった目標の位置を表示することを特
    徴とする請求項4記載の目標追尾装置。
  7. 【請求項7】 オペレータの操作に応じた時刻から目標
    消滅の判定を第2の判定手段に実行させる判定開始時刻
    制御手段を備えることを特徴とする請求項4記載の目標
    追尾装置。
  8. 【請求項8】 観測手段により得られた観測情報に基づ
    いて目標の追尾処理を実行する目標追尾方法において、 前記観測情報並びに前回推定された目標の位置および速
    度ベクトルから各追尾中の目標について予測ベクトルを
    計算するステップと、 前記観測情報に基づく現時刻における各観測ベクトルが
    前記予測ベクトルから所定の範囲内にあるか否かを判定
    するステップと、 前記所定の範囲内に存在するすべての、または複数の前
    記観測ベクトルおよび前記予測ベクトルから目標の位置
    および速度ベクトルを推定するステップと、 前記所定の範囲の大きさに対応した航跡信頼度を前記観
    測情報から計算するステップと、 前記航跡信頼度に基づいて前記追尾中の目標が消滅した
    か否かを判定するステップとを備えることを特徴とする
    目標追尾方法。
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