JP3440010B2 - 目標追尾装置 - Google Patents

目標追尾装置

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JP3440010B2
JP3440010B2 JP35182398A JP35182398A JP3440010B2 JP 3440010 B2 JP3440010 B2 JP 3440010B2 JP 35182398 A JP35182398 A JP 35182398A JP 35182398 A JP35182398 A JP 35182398A JP 3440010 B2 JP3440010 B2 JP 3440010B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、追尾対象の航行
位置及び航行速度を予測する目標追尾装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図6は例えば「ARTECH HOUS
E,Multiple−TargetTracking
with Radar Application,p
p300−302,359−363」に示された従来の
目標追尾装置を示す構成図であり、図において、1は追
尾対象の航行位置を観測する位置観測装置であり、位置
観測装置1は複数の観測装置から構成され、それらの観
測値(観測ベクトル)の中には追尾対象以外のクラッタ
等の航行位置を示す観測値を含む場合がある。2は追尾
対象の仰角及び方位角を観測する2次元角度観測装置で
あり、2次元角度観測装置2は複数の観測装置から構成
され、それらの観測値(観測ベクトル)の中には追尾対
象以外のクラッタ等の仰角及び方位角を示す観測値を含
む場合がある。3は位置観測装置1により観測された航
行位置の観測値である観測ベクトルを運動諸元相関器4
に転送し、2次元角度観測装置2により観測された仰角
及び方位角の観測値である観測ベクトルを2次元運動諸
元相関器12に転送する観測諸元転送装置である。
【0003】4は観測諸元転送装置3により転送された
観測ベクトルのうち、追尾対象が存在する可能性の高い
観測ベクトルを選択する運動諸元相関器、5は運動諸元
相関器4により選択された観測ベクトルが追尾対象の航
行位置を示す観測ベクトルであるか否かの仮説を生成
し、それらの信頼度を算出する探知データ信頼度算出
器、6は第2の遅延回路9から出力された予測誤差共分
散行列(現時刻より1サンプリング前に算出された予測
誤差共分散行列)と位置観測装置1の観測誤差共分散か
らゲイン行列を算出するゲイン行列算出器である。
【0004】7は第1の遅延回路21から出力された予
測位置(現時刻より1サンプリング前に算出された予測
位置)、ゲイン行列算出器6により算出されたゲイン行
列、運動諸元相関器4により選択された航行位置を示す
観測ベクトル、探知データ信頼度算出器5により算出さ
れた観測ベクトルの信頼度及び第2の遅延回路9から出
力された予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリン
グ前に算出された予測誤差共分散行列)を用いて、追尾
対象の航行位置及び航行速度の平滑誤差を評価する平滑
誤差共分散行列を算出する平滑誤差評価器、8は平滑誤
差評価器7により算出された平滑誤差共分散行列から航
行位置及び航行速度の予測誤差を評価する予測誤差共分
散行列を算出する予測誤差評価器である。
【0005】9は予測誤差評価器8により算出された予
測誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延する第
2の遅延回路、10は予め設定された追尾対象の運動モ
デルを用いて、第1の遅延回路21が出力する予測位置
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測位置)
から追尾対象の航行位置を算出し、その航行位置を中心
にして、第2の遅延回路9が出力する予測誤差共分散行
列(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差
共分散行列)から追尾対象の存在位置の確率分布を算出
する運動諸元確率分布算出器、11は運動諸元相関器4
により選択された観測ベクトル、探知データ信頼度算出
器5により算出された観測ベクトルの信頼度、第1の遅
延回路21から出力された予測位置(現時刻より1サン
プリング前に算出された予測位置)及びゲイン行列算出
器6により算出されたゲイン行列を使用して、追尾対象
の航行位置及び航行速度の平滑値を算出する平滑器であ
る。
【0006】12は観測諸元転送装置3により転送され
た観測ベクトルのうち、追尾対象が存在する可能性の高
い観測ベクトルを選択する2次元運動諸元相関器、13
は2次元運動諸元相関器12により選択された観測ベク
トルが追尾対象の仰角及び方位角を示す観測ベクトルで
あるか否かの仮説を生成し、それらの信頼度を算出する
2次元探知データ信頼度算出器、14は第3の遅延回路
17から出力された予測誤差共分散行列(現時刻より1
サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列)と2
次元角度観測装置2の観測誤差共分散からゲイン行列を
算出する2次元ゲイン行列算出器である。
【0007】15は第1の遅延回路21から出力された
予測位置(現時刻より1サンプリング前に算出された予
測位置)、2次元ゲイン行列算出器14により算出され
たゲイン行列、2次元運動諸元相関器12により選択さ
れた仰角及び方位角を示す観測ベクトル、2次元探知デ
ータ信頼度算出器13により算出された観測ベクトルの
信頼度及び第3の遅延回路17から出力された予測誤差
共分散行列(現時刻より1サンプリング前に算出された
予測誤差共分散行列)を用いて、追尾対象の航行位置及
び航行速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を
算出する2次元平滑誤差評価器、16は2次元平滑誤差
評価器15により算出された平滑誤差共分散行列から航
行位置及び航行速度の予測誤差を評価する予測誤差共分
散行列を算出する予測誤差評価器である。
【0008】17は予測誤差評価器16により算出され
た予測誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延す
る第3の遅延回路、18は予め設定された追尾対象の運
動モデルを用いて、第1の遅延回路21が出力する予測
位置(現時刻より1サンプリング前に算出された予測位
置)から追尾対象の仰角及び方位角を算出し、その仰角
及び方位角を中心にして、第3の遅延回路17が出力す
る予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリング前に
算出された予測誤差共分散行列)から追尾対象の存在角
度の確率分布を算出する2次元運動諸元確率分布算出
器、19は2次元運動諸元相関器12により選択された
観測ベクトル、2次元探知データ信頼度算出器13によ
り算出された観測ベクトルの信頼度、第1の遅延回路2
1から出力された予測位置(現時刻より1サンプリング
前に算出された予測位置)及び2次元ゲイン行列算出器
14により算出されたゲイン行列を使用して、追尾対象
の航行位置及び航行速度の平滑値を算出する2次元平滑
器である。
【0009】20は平滑器11又は2次元平滑器19に
より算出された平滑値と予め設定された追尾対象の運動
モデルを用いて、現時刻より1サンプリング後の追尾対
象の予測位置及び予測速度を算出する予測器、21は予
測器20により算出された予測位置を1サンプリング時
間だけ遅延する第1の遅延回路である。
【0010】次に動作について説明する。まず、観測諸
元転送装置3は、位置観測装置1及び2次元角度観測装
置2が所定のサンプリング周期毎に航行位置又は仰角及
び方位角を観測するので、位置観測装置1が観測ベクト
ルを出力すると、その観測ベクトルを運動諸元相関器4
に転送し、2次元角度観測装置2が観測ベクトルを出力
すると、その観測ベクトルを2次元運動諸元相関器12
に転送する。
【0011】そして、運動諸元相関器4は、観測諸元転
送装置3から観測ベクトルを受けると、その観測ベクト
ルが追尾対象に係る観測ベクトルである可能性が高い場
合にのみ有効なデータとして採用するため、運動諸元確
率分布算出器10により算出された存在位置の確率分布
を用いて、その観測ベクトルの有効性を判定し、有効性
が認められると、その観測ベクトルを平滑器11や探知
データ信頼度算出器5に出力する。
【0012】そして、探知データ信頼度算出器5は、運
動諸元相関器4から観測ベクトルを受けると、その観測
ベクトルが追尾対象の航行位置を示す観測ベクトルであ
るか否かの仮説を生成し、その観測ベクトルの信頼度を
算出する。このようにして、探知データ信頼度算出器5
が観測ベクトルの信頼度を算出すると、平滑器11は、
その観測ベクトルの信頼度と、運動諸元相関器4により
選択された観測ベクトルと、第1の遅延回路21から出
力された予測位置(現時刻より1サンプリング前に算出
された予測位置)と、ゲイン行列算出器6により算出さ
れたゲイン行列とを使用して、追尾対象の航行位置及び
航行速度の平滑値を算出する。
【0013】ただし、平滑器11により算出される航行
位置及び航行速度の平滑値、引いては後段の予測器20
により算出される予測位置の算出精度を高めるため、以
下に示すように、運動諸元相関器4が使用する存在位置
の確率分布を更新する。即ち、平滑誤差評価器7は、第
1の遅延回路21から出力された予測位置(現時刻より
1サンプリング前に算出された予測位置)と、ゲイン行
列算出器6により算出されたゲイン行列と、運動諸元相
関器4により選択された航行位置を示す観測ベクトル
と、探知データ信頼度算出器5により算出された観測ベ
クトルの信頼度と、第2の遅延回路9から出力された予
測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリング前に算出
された予測誤差共分散行列)とを用いて、追尾対象の航
行位置及び航行速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分
散行列を算出する。
【0014】そして、予測誤差評価器8は、平滑誤差評
価器7が平滑誤差共分散行列を算出すると、その平滑誤
差共分散行列から航行位置及び航行速度の予測誤差を評
価する予測誤差共分散行列を算出する。そして、運動諸
元確率分布算出器10は、予め設定された追尾対象の運
動モデルを用いて、第1の遅延回路21が出力する予測
位置(現時刻より1サンプリング前に算出された予測位
置)から追尾対象の航行位置を算出し、その航行位置を
中心にして、第2の遅延回路9が出力する予測誤差共分
散行列(現時刻より1サンプリング前に算出された予測
誤差共分散行列)から追尾対象の存在位置の確率分布を
算出する。
【0015】一方、2次元運動諸元相関器12は、観測
諸元転送装置3から観測ベクトルを受けると、その観測
ベクトルが追尾対象に係る観測ベクトルである可能性が
高い場合にのみ有効なデータとして採用するため、2次
元運動諸元確率分布算出器18により算出された存在角
度の確率分布を用いて、その観測ベクトルの有効性を判
定し、有効性が認められると、その観測ベクトルを2次
元平滑器19や2次元探知データ信頼度算出器13に出
力する。
【0016】そして、2次元探知データ信頼度算出器1
3は、2次元運動諸元相関器12から観測ベクトルを受
けると、その観測ベクトルが追尾対象の仰角及び方位角
を示す観測ベクトルであるか否かの仮説を生成し、その
観測ベクトルの信頼度を算出する。このようにして、2
次元探知データ信頼度算出器13が観測ベクトルの信頼
度を算出すると、2次元平滑器19は、その観測ベクト
ルの信頼度と、2次元運動諸元相関器12により選択さ
れた観測ベクトルと、第1の遅延回路21から出力され
た予測位置(現時刻より1サンプリング前に算出された
予測位置)と、2次元ゲイン行列算出器14により算出
されたゲイン行列とを使用して、追尾対象の航行位置及
び航行速度の平滑値を算出する。
【0017】ただし、2次元平滑器19により算出され
る航行位置及び航行速度の平滑値、引いては後段の予測
器20により算出される予測位置の算出精度を高めるた
め、以下に示すように、2次元運動諸元相関器12が使
用する存在角度の確率分布を更新する。即ち、2次元平
滑誤差評価器15は、第1の遅延回路21から出力され
た予測位置(現時刻より1サンプリング前に算出された
予測位置)と、2次元ゲイン行列算出器14により算出
されたゲイン行列と、2次元運動諸元相関器12により
選択された仰角及び方位角を示す観測ベクトルと、2次
元探知データ信頼度算出器13により算出された観測ベ
クトルの信頼度と、第3の遅延回路17から出力された
予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリング前に算
出された予測誤差共分散行列)とを用いて、追尾対象の
航行位置及び航行速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共
分散行列を算出する。
【0018】そして、予測誤差評価器16は、2次元平
滑誤差評価器15が平滑誤差共分散行列を算出すると、
その平滑誤差共分散行列から航行位置及び航行速度の予
測誤差を評価する予測誤差共分散行列を算出する。そし
て、2次元運動諸元確率分布算出器18は、予め設定さ
れた追尾対象の運動モデルを用いて、第1の遅延回路2
1が出力する予測位置(現時刻より1サンプリング前に
算出された予測位置)から追尾対象の仰角及び方位角を
算出し、その仰角及び方位角を中心にして、第3の遅延
回路17が出力する予測誤差共分散行列(現時刻より1
サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列)から
追尾対象の存在角度の確率分布を算出する。
【0019】上記のようにして、平滑器11又は2次元
平滑器19が追尾対象の航行位置及び航行速度の平滑値
を算出すると、予測器20は、その平滑値と予め設定さ
れた追尾対象の運動モデルを用いて、現時刻より1サン
プリング後の追尾対象の予測位置及び予測速度を算出す
る。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来の目標追尾装置は
以上のように構成されているので、観測諸元転送装置3
が、観測時刻が古い観測ベクトルから順番に運動諸元相
関器4又は2次元運動諸元相関器12に転送するが、位
置観測装置1による観測ベクトルの観測時刻と2次元角
度観測装置2による観測ベクトルの観測時刻が一致する
場合、例えば、優先順位が高い観測ベクトル(例えば、
位置観測装置1による観測ベクトル)を最初に転送する
ように決定すると、優先順位が高い観測ベクトルの観測
誤差が、優先順位が低い観測ベクトルの観測誤差より大
きい場合、ゲイン行列や平滑値等を算出する際の線形近
似誤差が累積的に大きくなり、目標の追尾精度が劣化す
るなどの課題があった。
【0021】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、航行位置を示す観測ベクトルの観
測時刻と方位角等を示す観測ベクトルの観測時刻が一致
する場合でも、精度よく目標を追尾することができる目
標追尾装置を得ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】この発明に係る目標追尾
装置は、追尾対象の航行位置と方位角から追尾対象の予
測位置を演算する際、追尾対象の航行位置と方位角が同
時刻に観測された場合、第1の観測手段の観測誤差と第
2の観測手段の観測誤差を比較して、第1及び第2の予
測手段の処理順序を決定するようにしたものである。
【0023】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と方位角から追尾対象の予測速度を演算する
際、追尾対象の航行位置と方位角が同時刻に観測された
場合、第1の観測手段の観測誤差と第2の観測手段の観
測誤差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理順序
を決定するようにしたものである。
【0024】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と仰角及び方位角から追尾対象の予測位置を
演算する際、追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同
時刻に観測された場合、第1の観測手段の観測誤差と第
2の観測手段の観測誤差を比較して、第1及び第2の予
測手段の処理順序を決定するようにしたものである。
【0025】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と仰角及び方位角から追尾対象の予測速度を
演算する際、追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同
時刻に観測された場合、第1の観測手段の観測誤差と第
2の観測手段の観測誤差を比較して、第1及び第2の予
測手段の処理順序を決定するようにしたものである。
【0026】この発明に係る目標追尾装置は、第1の観
測手段の観測誤差が第2の観測手段の観測誤差より小さ
い場合、第1の予測手段の処理を優先する一方、第1の
観測手段の観測誤差が第2の観測手段の観測誤差より大
きい場合、第2の予測手段の処理を優先するようにした
ものである。
【0027】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と方位角から追尾対象の予測位置を演算する
際、追尾対象の航行位置と方位角が同時刻に観測された
場合、第1の観測手段における残差と第2の観測手段に
おける残差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理
順序を決定するようにしたものである。
【0028】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と方位角から追尾対象の予測速度を演算する
際、追尾対象の航行位置と方位角が同時刻に観測された
場合、第1の観測手段における残差と第2の観測手段に
おける残差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理
順序を決定するようにしたものである。
【0029】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と仰角及び方位角から追尾対象の予測位置を
演算する際、追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同
時刻に観測された場合、第1の観測手段における残差と
第2の観測手段における残差を比較して、第1及び第2
の予測手段の処理順序を決定するようにしたものであ
る。
【0030】この発明に係る目標追尾装置は、追尾対象
の航行位置と仰角及び方位角から追尾対象の予測速度を
演算する際、追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同
時刻に観測された場合、第1の観測手段における残差と
第2の観測手段における残差を比較して、第1及び第2
の予測手段の処理順序を決定するようにしたものであ
る。
【0031】この発明に係る目標追尾装置は、第1の観
測手段における残差が第2の観測手段における残差より
小さい場合、第1の予測手段の処理を優先する一方、第
1の観測手段における残差が第2の観測手段における残
差より大きい場合、第2の予測手段の処理を優先するよ
うにしたものである。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による目
標追尾装置を示す構成図であり、図において、31は追
尾対象の航行位置を観測するとともに、追尾対象の仰角
及び方位角を観測する観測装置、32は追尾対象の航行
位置を観測する位置観測装置(第1の観測手段)であ
り、位置観測装置32は複数の観測装置から構成され、
それらの観測値(観測ベクトル k 1)の中には追尾対象
以外のクラッタ等の航行位置を示す観測値を含む場合が
ある。33は追尾対象の仰角及び方位角を観測する2次
元角度観測装置(第2の観測手段)であり、2次元角度
観測装置33は複数の観測装置から構成され、それらの
観測値(観測ベクトル k 2)の中には追尾対象以外のク
ラッタ等の仰角及び方位角を示す観測値を含む場合があ
る。34は位置観測装置32により観測された航行位置
の観測値である観測ベクトル k 1を運動諸元相関器36
に転送し、2次元角度観測装置33により観測された仰
角及び方位角の観測値である観測ベクトル k 2を2次元
運動諸元相関器45に転送する観測諸元転送装置であ
る。
【0033】35は位置観測装置32により観測された
観測ベクトル k 1と予測ベクトル k (−)ハットから
航行位置の平滑ベクトル k 1(+)ハットを演算する平
滑値演算器(第1の予測手段)、36は観測諸元転送装
置34により転送された観測ベクトル k 1のうち、追尾
対象が存在する可能性の高い観測ベクトル k 1を選択す
る運動諸元相関器、37は運動諸元相関器36により選
択された観測ベクトル k 1が追尾対象の航行位置を示す
観測ベクトルであるか否かの仮説Xk,i 1を生成し、それ
らの信頼度βk,i 1を算出する探知データ信頼度算出器、
38は第2の遅延回路41から出力された予測誤差共分
散行列Pk (−)と、予め設定された位置観測装置32
の観測誤差共分散行列Rk 1からゲイン行列Kk 1を算出す
るゲイン行列算出器である。
【0034】39は第1の遅延回路55から出力された
予測ベクトル k (−)ハットと、ゲイン行列算出器3
8により算出されたゲイン行列Kk 1と、運動諸元相関器
36により選択された観測ベクトル k 1と、探知データ
信頼度算出器37により算出された観測ベクトルの信頼
度βk,i 1と、第2の遅延回路41から出力された予測誤
差共分散行列Pk (−)とを用いて、追尾対象の航行位
置及び航行速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行
列Pk 1(+)を算出する平滑誤差評価器、40は平滑誤
差評価器39により算出された平滑誤差共分散行列Pk 1
(+)から航行位置及び航行速度の予測誤差を評価する
予測誤差共分散行列Pk (−)を算出する予測誤差評価
器である。
【0035】41は予測誤差評価器40により算出され
た予測誤差共分散行列Pk (−)を1サンプリング時間
だけ遅延する第2の遅延回路、42は予め設定された追
尾対象の運動モデルを用いて、第1の遅延回路55が出
力する予測ベクトル k (−)ハットから追尾対象の航
行位置を算出し、その航行位置を中心にして、第2の遅
延回路41が出力する予測誤差共分散行列Pk (−)か
ら追尾対象の存在位置の確率分布を算出する運動諸元確
率分布算出器、43は運動諸元相関器36により選択さ
れた観測ベクトル k 1と、探知データ信頼度算出器37
により算出された観測ベクトルの信頼度βk,i 1と、第1
の遅延回路55から出力された予測ベクトル k (−)
ハットと、ゲイン行列算出器38により算出されたゲイ
ン行列K k 1を使用して、航行位置及び航行速度の平滑ベ
クトル k 1(+)ハットを算出する平滑器である。
【0036】44は2次元角度観測装置33により観測
された観測ベクトル k 2と予測ベクトル k (−)ハッ
トから航行位置の平滑ベクトル k 2(+)ハットを演算
する平滑値演算器(第2の予測手段)、45は観測諸元
転送装置34により転送された観測ベクトル k 2のう
ち、追尾対象が存在する可能性の高い観測ベクトル k 2
を選択する2次元運動諸元相関器、46は2次元運動諸
元相関器45により選択された観測ベクトル k 2が追尾
対象の仰角及び方位角を示す観測ベクトルであるか否か
の仮説Xk,i 2を生成し、それらの信頼度βk,i 2を算出す
る2次元探知データ信頼度算出器、47は第3の遅延回
路50から出力された予測誤差共分散行列Pk (−)
と、予め設定された2次元角度観測装置33の観測誤差
共分散行列R k 2からゲイン行列Kk 2を算出する2次元ゲ
イン行列算出器である。
【0037】48は第1の遅延回路55から出力された
予測ベクトル k (−)ハットと、2次元ゲイン行列算
出器47により算出されたゲイン行列Kk 2と、2次元運
動諸元相関器45により選択された観測ベクトル
k 2と、2次元探知データ信頼度算出器46により算出さ
れた観測ベクトルの信頼度βk,i 2と、第3の遅延回路5
0から出力された予測誤差共分散行列Pk (−)とを用
いて、追尾対象の航行位置及び航行速度の平滑誤差を評
価する平滑誤差共分散行列Pk 2(+)を算出する2次元
平滑誤差評価器、49は2次元平滑誤差評価器48によ
り算出された平滑誤差共分散行列Pk 2(+)から航行位
置及び航行速度の予測誤差を評価する予測誤差共分散行
列Pk (−)を算出する予測誤差評価器である。
【0038】50は予測誤差評価器49により算出され
た予測誤差共分散行列Pk (−)を1サンプリング時間
だけ遅延する第3の遅延回路、51は予め設定された追
尾対象の運動モデルを用いて、第1の遅延回路55が出
力する予測ベクトル k (−)ハットから追尾対象の仰
角及び方位角を算出し、その仰角及び方位角を中心にし
て、第3の遅延回路50が出力する予測誤差共分散行列
k (−)から追尾対象の存在位置の確率分布を算出す
る2次元運動諸元確率分布算出器、52は2次元運動諸
元相関器45により選択された観測ベクトル k 2と、2
次元探知データ信頼度算出器46により算出された観測
ベクトルの信頼度βk,i 2と、第1の遅延回路55から出
力された予測ベクトル k (−)ハットと、2次元ゲイ
ン行列算出器47により算出されたゲイン行列Kk 2を使
用して、航行位置及び航行速度の平滑ベクトル
k 2(+)ハットを算出する2次元平滑器である。
【0039】53は平滑器43により算出された平滑ベ
クトル k 1(+)ハット又は2次元平滑器52により算
出された平滑ベクトル k 2(+)ハットから予測ベクト
k (−)ハットを演算する予測値演算器(第1の予
測手段、第2の予測手段)、54は平滑器43により算
出された平滑ベクトル k 1(+)ハット又は2次元平滑
器52により算出された平滑ベクトル k 2(+)ハット
と、予め設定された追尾対象の運動モデルを用いて、追
尾対象の予測位置及び予測速度を示す予測ベクトル k
(−)ハットを算出する予測器、55は予測器54によ
り算出された予測ベクトル k (−)ハットを1サンプ
リング時間だけ遅延する第1の遅延回路である。
【0040】56は位置観測装置32による観測ベクト
k 1の観測時刻と、2次元角度観測装置33による観
測ベクトル k 2の観測時刻が同時刻の場合、位置観測装
置32における観測誤差の評価値fs (k)と2次元角
度観測装置33における観測誤差の評価値fs (k)を
求める角度観測誤差評価器(決定手段)、57は位置観
測装置32における観測誤差の評価値fs (k)が2次
元角度観測装置33における観測誤差の評価値fs
(k)より小さい場合、平滑値演算器35の処理を優先
する指示を出力し、位置観測装置32における観測誤差
の評価値fs (k)が2次元角度観測装置33における
観測誤差の評価値fs (k)より大きい場合、平滑値演
算器44の処理を優先する指示を出力する処理順序切替
器(決定手段)である。
【0041】次に動作について説明する。最初に、この
実施の形態1による目標追尾装置の動作原理を説明す
る。まず、追尾対象の運動モデルを式(1)に示す。た
だし、 k はサンプリング時刻tk における目標運動諸
元の真値を表す状態ベクトルであり、3次元直交座標に
おける目標位置ベクトルを式(a)とし、直交座標にお
ける目標速度ベクトルを式(b)とすると、追尾対象の
運動モデルは式(2)で表される。なお、 T はベクト
の転置ベクトルを表す。
【0042】
【数1】
【0043】ここで、Φk-1 はサンプリング時刻tk-1
よりサンプリング時刻tk への状態ベクトルの推移行列
であるが、追尾対象が等速直線運動を行うと仮定する場
合、Φk-1 は式(3)で表される。また、 k はサンプ
リング時刻tk における駆動雑音ベクトルであり、Γ1
(k)はサンプリング時刻tk における駆動雑音ベクト
ルの変換行列であり、例えば、追尾対象の運動モデルを
等速直線運動と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ
1 (k−1) k-1 とみれば、 k は加速度ベクトル相
当であり、Γ1 (k−1)は式(4)で表される。な
お、Iは3行3列の単位行列である。
【0044】
【数2】
【0045】また、平均を表す記号として、Eを用いる
と、 k は平均の3次元正規分布白色雑音であり、式
(5)及び式(6)となる。ただし、は零ベクトルで
あり、 k はサンプリング時刻tk における駆動雑音共
分散行列である。
【0046】
【数3】
【0047】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tk において観測される場合の位置観測装置3
2の観測モデルを式(7)とする。ただし、 k 1はサン
プリング時刻tk における位置観測装置32の観測値よ
り構成される直交座標による観測ベクトルであり、H1
はサンプリング時刻tk における位置観測装置32の観
測行列であり、式(8)で表される。また、ν k 1はサン
プリング時刻tk における位置観測装置32の観測雑音
ベクトルであり、平均の3次元正規分布白色雑音で、
式(9)及び式(10)で表される。なお、Rk 1はサン
プリング時刻tk における位置観測装置32の観測雑音
共分散行列である。
【0048】
【数4】
【0049】一方、追尾対象の仰角及び方位角がサンプ
リング時刻tk において観測される場合の2次元角度観
測装置33の観測モデルを式(11)とする。ただし、
k 2はサンプリング時刻tk における2次元角度観測装
置33の観測値より構成される極座標による観測ベクト
ルであり、h2 k )はサンプリング時刻tk におけ
る仰角及び方位角の真値であり式(12)で表される。
また、ν k 2はサンプリング時刻tk における2次元角度
観測装置33の観測雑音ベクトルであり、平均の2次
元正規分布白色雑音で、式(13)及び式(14)で表
される。なお、Rk 2はサンプリング時刻tk における2
次元角度観測装置33の観測雑音共分散行列である。
【0050】
【数5】
【0051】サンプリング時刻tk における追尾対象と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の位置観測装置32
又は2次元角度観測装置33から出力される観測ベクト
ルの総数をmk s、観測ベクトルの全体をZk sとし(式
(15)を参照)、サンプリング時刻t1 からtk まで
の位置観測装置32又は2次元角度観測装置33からの
観測ベクトル全体をZk,s とする(式(16)を参
照)。また、Zk,s に対する観測数の全体を式(17)
とし、さらにまた、式(18)とする。ここで、s=1
は位置観測装置32を、s=2は2次元角度観測装置3
3をそれぞれ表す。
【0052】
【数6】
【0053】追尾対象以外からの観測ベクトルは空間に
一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk におけ
る単位体積あたりの発生頻度をβFT k とし、追尾対象と
相関をとるべき目標予測存在範囲の体積をVGkとしたと
き、追尾対象以外からの観測ベクトルが目標予測存在範
囲内に存在する総数は平均βFT kGkのポアソン分布に
従うとする。
【0054】サンプリング時刻tk において、位置観測
装置32又は2次元角度観測装置33より観測された1
つの観測ベクトル k,i sが追尾対象の観測ベクトルであ
るとの仮説をXk,i sとして、観測ベクトル k,i s以外の
観測ベクトルは追尾対象以外のクラッタ等の観測ベクト
ル(不要信号)と仮定する。また、追尾対象より観測ベ
クトルが得られないとの仮説をXk,0 sとして、サンプリ
ング時刻tk までの観測情報Zk により仮説Xk,i sが真
である確率、即ち、仮説Xk,i sの信頼度をβk, i sは式
(19)で定義される。また、確率論より式(20)が
成立する。
【0055】
【数7】
【0056】次に、サンプリング時刻tk-1 までの位置
観測装置32又は2次元角度観測装置33により観測さ
れた観測ベクトルZk-1 sが得られているときの、サンプ
リング時刻tk における k の予測ベクトルを k
(−)ハット、予測誤差共分散行列をPk (−)とする
と、それぞれ条件付平均ベクトル、条件付共分散行列で
定義され、式(21)及び式(22)で表される。
【0057】
【数8】
【0058】ここで、 k (+)ハット及びPk (+)
は、それぞれ前サンプリング時刻t k-1 の平滑ベクトル
及び平滑誤差共分散行列であり、位置観測装置32によ
り観測された観測ベクトルを用いてサンプリング時刻t
k-1 の処理を行う場合には、式(23)及び式(24)
が使用され、2次元角度観測装置33により観測された
観測ベクトルを用いてサンプリング時刻tk-1 の処理を
行う場合には、式(25)及び式(26)が使用され
る。これらの算出方法については後述する。
【0059】
【数9】
【0060】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tk において、位置観測装置32により観測さ
れる場合の目標相関処理について述べる。追尾対象の運
動諸元の確率分布は、式(27)に示す条件付確率密度
関数で表される。即ち、追尾対象の観測ベクトルは、式
(28)で与えられる目標予測位置ベクトル k 1(−)
を平均とし、式(29)で与えられるSk 1を共分散行列
とする3次元正規分布に従うとする。そこで、式(3
0)を満たす k,i 1を追尾対象と相関がある観測ベクト
ルと判定する。ここで、d1 は追尾対象との相関範囲を
決めるパラメータであり、自由度3のχ自乗分布により
算出する。
【0061】
【数10】
【0062】図2は簡単な例として、観測ベクトルの次
元が2次元の場合について、式(30)による観測ベク
トルと追尾対象との相関を説明する説明図であり、図に
おいて、Pは追尾対象の予測位置 k 1(−)、Qは追尾
対象との相関範囲の内外を定める境界線、D1〜D6は
観測ベクトルである。この例ではD1〜D4が式(3
0)を満たし、追尾対象との相関がある観測ベクトルと
して選択される。
【0063】サンプリング時刻tk に追尾対象と相関が
あると判定された位置観測装置32により観測された観
測ベクトルが追尾対象からの観測ベクトルであるとの仮
説、または、追尾対象より観測ベクトルが得られないと
の仮説の信頼度の算出方法を示す。式(19)にベイズ
の定理を使用し、追尾対象の運動諸元の確率分布、位置
観測装置32の検出確率PD 1等により、目標相関の仮説
k,i 1が真である尤度γk,i 1を求め、これを正規化した
次式から各仮説の信頼度を算出する。ただし、PGk 1
パラメータd1 により求まる追尾対象が相関範囲内に存
在する確率である。
【0064】
【数11】
【0065】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tk において、位置観測装置32により観測さ
れる場合の平滑処理について述べる。ゲイン行列,平滑
ベクトル及び平滑誤差共分散行列は通常のカルマンフィ
ルタの理論により、次式で与えられる。
【0066】
【数12】
【0067】次に、追尾対象の仰角及び方位角がサンプ
リング時刻tk において、2次元角度観測装置33によ
り観測される場合の目標相関処理及び平滑処理について
述べる。2次元角度観測装置33の観測諸元である仰角
及び方位角は直交座標の位置ベクトルの非線形関数であ
るため、平滑ベクトル、平滑誤差共分散行列、ゲイン行
列の計算には拡張カルマンフィルタを使用する。直交座
標により、式(12)の観測ベクトルの真値を予測ベク
トルで線形近似して次式を得る。
【0068】
【数13】
【0069】追尾対象の2次元運動諸元の確率分布は、
式(42)に示す条件付確率密度関数で表される。即
ち、追尾対象の観測ベクトルは、式(43)で与えられ
る目標予測位置ベクトル k 2(−)を平均とし、式(4
4)で与えられるSk 2を共分散行列とする2次元正規分
布に従うとする。そこで、式(45)を満たす k,i 2
追尾対象と相関がある観測ベクトルと判定する。ここ
で、d2 は追尾対象との相関範囲を決めるパラメータで
あり、自由度2のχ自乗分布により算出する。
【0070】
【数14】
【0071】次に、サンプリング時刻tk に追尾対象と
相関があると判定された2次元角度観測装置33により
観測された観測ベクトルが追尾対象の観測ベクトルであ
るとの仮説、または追尾対象より観測ベクトルが得られ
ないとの仮説の信頼度の算出方法を示す。式(19)に
ベイズの定理を使用し,追尾対象の2次元運動諸元の確
率分布、2次元角度観測装置33の検出確率PD 2等によ
り、目標相関の仮説X k,i 2が真である尤度γk,i 2を求
め,これを正規化した次式から各仮説の信頼度を算出す
る。ただし、PGk 2 はパラメータd2 により求まる追尾
対象が相関範囲内に存在する確率である。
【0072】
【数15】
【0073】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tk において、2次元角度観測装置33により
観測される場合の平滑処理について述べる。ゲイン行
列,平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマ
ンフィルタの理論により、次式で与えられる。
【0074】
【数16】
【0075】さて、以上は位置観測装置32及び2次元
角度観測装置33が異なる時刻に観測を行うことを仮定
して述べたが、位置観測装置32及び2次元角度観測装
置33が同一時刻に観測を行う場合は、後述の方法に
て、各観測装置により観測された観測ベクトルの処理の
順序を決め、前述の目標相関,平滑処理,予測処理をく
り返す。ただし、この場合、時刻の経過が無いため、予
測処理は式(21)及び式(22)には従わずに、同一
サンプリング時刻の前の処理の平滑結果である式(5
5)及び式(56)を使用する。ここで、式(55)及
び式(56)の右辺は、前の観測ベクトルの処理が位置
観測装置32により観測された観測ベクトルであれば式
(23)及び式(24)、2次元角度観測装置33によ
り観測された観測ベクトルであれば式(25)及び式
(26)である。
【0076】
【数17】
【0077】次に、位置観測装置32及び2次元角度観
測装置33が同一時刻に観測を行う場合の各観測装置に
より観測された観測ベクトルの処理の順序について述べ
る。追尾対象の位置または角度を観測する複数のセンサ
の観測情報を用いて、3次元直交座標における目標位
置,速度等を推定する目標追尾装置では、角度観測情報
による推定が非線形となるため、同一時刻の観測ベクト
ルの平滑処理の順序により、推定結果が異なる。より精
度の高い観測値を先に使用して平滑した方が良い結果と
なる。
【0078】サンプリング時刻tk における各観測装置
よりの観測ベクトルの観測精度は、追尾対象の予測距離
をRp (k)、各観測装置の仰角及び方位角の観測誤差
をそれぞれΔEs 及びΔAZs (s=1,2)とする
と、式(57)により評価することができる。従って、
位置観測装置32及び2次元角度観測装置33が同一時
刻に観測を行った場合は、fs (k)の値が小さい観測
装置の観測ベクトルから先に処理を行う。ここで、追尾
対象の予測距離は式(55)の予測ベクトルを式(5
8)で表すと式(59)より得る。
【0079】
【数18】
【0080】次に、この発明の目標追尾装置の動作を具
体的に説明する。なお、カルマンフィルタを目標追尾装
置に通常適用する場合と同様にして、初期値 0 (+)
ハット、P0 (+)は別途定まっているものとする。
【0081】位置観測装置32では、極座標で追尾対象
の距離,仰角,方位角を観測し、その結果を直交座標に
よる目標位置情報に変換し、式(7)の観測ベクトル
k 1と、その観測時刻を出力する。また、2次元角度観測
装置33では、極座標で追尾対象の仰角及び方位角を観
測し、式(11)の観測ベクトル k 2と、その観測時刻
を出力する。
【0082】ここで、位置観測装置32の観測ベクトル
k 1の観測時刻と、2次元角度観測装置33の観測ベク
トル k 2の観測時刻が異なる場合は、観測諸元転送装置
34において、観測ベクトルの観測時刻の順番に、位置
観測装置32により観測された観測ベクトル k 1は運動
諸元相関器36に転送し、2次元角度観測装置33によ
り観測された観測ベクトル k 2は2次元運動諸元相関器
45に転送する。
【0083】これ以降の動作は従来の装置と同一である
ので、ここでは、位置観測装置32の観測ベクトル k 1
の観測時刻と、2次元角度観測装置33の観測ベクトル
k 2の観測時刻が同じ場合の動作について説明する。
【0084】運動諸元確率分布算出器42では、現時刻
より1サンプリング前に予測器54が算出した予測ベク
トル k (−)ハットを第1の遅延回路55から入力す
ると(式(21)を参照)、予め設定された追尾対象の
運動モデルを用いて、予測位置ベクトル k 1(−)を算
出し(式(28)を参照)、また、現時刻より1サンプ
リング前に予測誤差評価器40が算出した追尾対象の予
測誤差共分散行列Pk(−)を第2の遅延回路41から
入力すると(式(22)を参照)、予め設定された式
(10)の位置観測装置32の観測誤差分散行列Rk 1
り追尾対象の存在確率分布の広がりSk 1を算出する(式
(29)を参照)。
【0085】運動諸元相関器36では、運動諸元確率分
布算出器42により算出された追尾対象の予測位置ベク
トル k 1(−)と、追尾対象の存在確率分布の広がりS
k 1を入力し、観測諸元転送装置34から転送された位置
観測装置32からの観測ベクトルのうち、式(30)を
満たす観測ベクトルを追尾対象と相関ありと判定して選
択する。
【0086】一方、2次元運動諸元確率分布算出器51
では、現時刻より1サンプリング前に予測器54が算出
した予測ベクトル k (−)ハットを第1の遅延回路5
5から入力すると(式(21)を参照)、予め設定され
た追尾対象の運動モデルを用いて、予測位置ベクトル
k 2(−)を算出し(式(43)を参照)、また、現時刻
より1サンプリング前に予測誤差評価器49が算出した
追尾対象の予測誤差共分散行列Pk (−)を第3の遅延
回路50から入力すると(式(22)を参照)、予め設
定された式(14)の2次元角度観測装置33の観測誤
差分散行列Rk 2より追尾対象の存在確率分布の広がりS
k 2を算出する(式(44)を参照)。
【0087】2次元運動諸元相関器45では、2次元運
動諸元確率分布算出器51により算出された追尾対象の
予測位置ベクトル k 2(−)と、追尾対象の存在確率分
布の広がりSk 2を入力し、観測諸元転送装置34から転
送された2次元角度観測装置33からの観測ベクトルの
うち、式(45)を満たす観測ベクトルを追尾対象と相
関ありと判定して選択する。
【0088】角度観測誤差評価器56では、追尾対象の
予測ベクトル k (−)ハットを入力して、追尾対象の
予測距離Rp (k)を算出する(式(59)を参照)。
そして、追尾対象の予測距離Rp (k)と、予め設定さ
れた位置観測装置32における仰角及び方位角の観測誤
差ΔEs ,ΔAZs と、2次元角度観測装置33におけ
る仰角及び方位角の観測誤差ΔEs ,ΔAZs とから、
位置観測装置32における追尾対象の観測誤差の評価値
s (k)と、2次元角度観測装置33における追尾対
象の観測誤差の評価値fs (k)を算出する(式(5
7)を参照)。
【0089】処理順序切替器57では、運動諸元相関器
36及び2次元運動諸元相関器45により選択された観
測ベクトルを角度観測誤差評価器56を通して入力し、
角度観測誤差評価器56により算出された各観測ベクト
ルに対応する観測装置の追尾対象の観測誤差の評価値f
s (k)の小さい順番に、位置観測装置32からの観測
ベクトルは探知データ信頼度算出器37へ送出し、2次
元角度観測装置33からの観測ベクトルは2次元探知デ
ータ信頼度算出器46へ送出する。
【0090】探知データ信頼度算出器37では、処理順
序切替器57より入力した観測ベクトル k,i 1(i=
1,2,…,mk 1)に対して観測ベクトルの仮説Xk,i 1
を生成し、運動諸元確率分布算出器42により算出され
た式(27)の確率分布と、予め設定された位置観測装
置32の探知確率PD 1及び追尾対象が相関範囲内に存在
する確率PGk 1 により観測ベクトルの仮説の信頼度を式
(31)〜式(33)に従って算出する。
【0091】そして、ゲイン行列算出器38では、現時
刻より1サンプリング前に算出した式(22)の予測誤
差共分散行列Pk (−)を第2の遅延回路41を通して
入力し、予め設定された式(10)の観測誤差共分散行
列Rk 1よりカルマンフィルタ理論におけるゲイン行列K
k 1を算出する(式(34)を参照)。
【0092】平滑器43では、ゲイン行列算出器38に
より算出されたゲイン行列Kk 1と、探知データ信頼度算
出器37により算出された観測ベクトルの仮説の信頼度
βk, i 1と、現時刻より1サンプリング前に算出された予
測ベクトル k (−)ハットと、処理順序切替器57か
ら出力されたmk 1個の観測ベクトル k,i 1とを入力し、
平滑ベクトル k 1(+)ハットを算出する(式(35)
を参照)。
【0093】予測器54では、平滑器43から平滑ベク
トル k 1(+)ハットを入力すると、平滑ベクトル k 1
(+)ハットを式(23)にしたがって平滑ベクトル
k (+)ハットに変換し、現サンプル時刻と前サンプル
時刻の観測時刻が異なる場合は式(21)に従い、現サ
ンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が同一の場合に
は式(55)に従い予測ベクトル k (−)ハットを算
出する。なお、予測ベクトル k (−)ハットは、次サ
ンプリング時の追尾対象の予測位置や予測速度等を示
す。
【0094】平滑誤差評価器39では、ゲイン行列算出
器38により算出されたゲイン行列Kk 1と、探知データ
信頼度算出器37により算出された観測ベクトルの仮説
の信頼度βk,i 1と、現時刻より1サンプリング前に算出
された予測ベクトル k (−)ハットと、現時刻より1
サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列P
k(−)と、処理順序切替器57から出力されたmk 1
の観測ベクトル k,i 1とを入力し、平滑誤差共分散行列
k 1(+)を算出する(式(36)を参照)。
【0095】予測誤差評価器40では、平滑誤差評価器
39から平滑誤差共分散行列Pk 1(+)を入力すると、
平滑誤差共分散行列Pk 1(+)を式(24)にしたがっ
て平滑誤差共分散行列Pk (+)に変換し、現サンプル
時刻と前サンプル時刻の観測時刻が異なる場合は、平滑
誤差共分散行列Pk (+)と、予め設定された式(6)
の駆動雑音共分散行列Qk より式(22)に従い、現サ
ンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が同一の場合に
は、式(56)に従い予測誤差共分散行列Pk(−)を
算出する。
【0096】2次元探知データ信頼度算出器46では、
処理順序切替器57より入力した観測ベクトル
k,i 2(i=1,2,…,mk 2)に対して観測ベクトルの
仮説Xk,i 2を生成し、2次元運動諸元確率分布算出器5
1により算出された式(42)の確率分布と、予め設定
された2次元角度観測装置33の探知確率PD 2及び追尾
対象が相関範囲内に存在する確率PGk 2 により観測ベク
トルの仮説の信頼度を式(46)〜式(48)に従って
算出する。
【0097】2次元ゲイン行列算出器47では、現時刻
より1サンプリング前に算出した式(22)の予測誤差
共分散行列Pk (−)を第3の遅延回路50を通して入
力し、予め設定された式(14)の観測誤差共分散行列
k 2よりカルマンフィルタ理論におけるゲイン行列Kk 2
を算出する(式(49)を参照)。
【0098】2次元平滑器52では、2次元ゲイン行列
算出器47により算出されたゲイン行列Kk 2と、2次元
探知データ信頼度算出器46により算出された観測ベク
トルの仮説の信頼度βk,i 2と、現時刻より1サンプリン
グ前に算出された予測ベクトル k (−)ハットと、処
理順序切替器57から出力されたmk 2個の観測ベクトル
k,i 2とを入力し、平滑ベクトル k 2(+)ハットを算
出する(式(50)を参照)。
【0099】予測器54では、2次元平滑器52から平
滑ベクトル k 2(+)ハットを入力すると、平滑ベクト
k 2(+)ハットを式(25)にしたがって平滑ベク
トル k (+)ハットに変換し、現サンプル時刻と前サ
ンプル時刻の観測時刻が異なる場合は式(21)に従
い、現サンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が同一
の場合には式(55)に従い予測ベクトル k (−)ハ
ットを算出する。なお、予測ベクトル k (−)ハット
は、次サンプリング時の追尾対象の予測位置や予測速度
等を示す。
【0100】2次元平滑誤差評価器48では、2次元ゲ
イン行列算出器47により算出されたゲイン行列K
k 2と、2次元探知データ信頼度算出器46により算出さ
れた観測ベクトルの仮説の信頼度βk,i 2と、現時刻より
1サンプリング前に算出された予測ベクトル k (−)
ハットと、現時刻より1サンプリング前に算出された予
測誤差共分散行列Pk (−)と、処理順序切替器57か
ら出力されたmk 2個の観測ベクトル k,i 2とを入力し、
平滑誤差共分散行列Pk 2(+)を算出する(式(51)
を参照)。
【0101】予測誤差評価器49では、2次元平滑誤差
評価器48から平滑誤差共分散行列Pk 2(+)を入力す
ると、平滑誤差共分散行列Pk 2(+)を式(26)にし
たがって平滑誤差共分散行列Pk (+)に変換し、現サ
ンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が異なる場合
は、平滑誤差共分散行列Pk (+)と、予め設定された
式(6)の駆動雑音共分散行列Qk より式(22)に従
って、また、現サンプル時刻と前サンプル時刻の観測時
刻が同一の場合には、式(56)に従い予測誤差共分散
行列Pk (−)を算出する。なお、追尾終了になるまで
この一連の処理をくり返す。
【0102】以上で明らかなように、この実施の形態1
によれば、追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同時
刻に観測された場合、位置観測装置32の観測誤差の評
価値fs (k)と2次元角度観測装置33の観測誤差の
評価値fs (k)を比較して、平滑値演算器35,44
の処理順序を決定するように構成したので、ゲイン行列
や平滑値等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さ
くなり、その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測
時刻と方位角等を示す観測ベクトルの観測時刻が一致す
る場合でも、精度よく目標を追尾することができる効果
を奏する。なお、航空機の他、自動車や船舶等の移動物
体にも適用可能である。
【0103】実施の形態2.図3はこの発明の実施の形
態2による目標追尾装置を示す構成図であり、図におい
て、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。61は追尾対象の方位角を観測する方位
角観測装置であり(第2の観測手段)、方位角観測装置
61は複数の観測装置から構成され、それらの観測値
(観測ベクトル k 3)の中には追尾対象以外のクラッタ
等の方位角を示す観測値を含む場合がある。
【0104】62は方位角観測装置61により観測され
た観測ベクトル k 3と予測ベクトル k (−)ハットか
ら航行位置の平滑ベクトル k 3(+)ハットを演算する
平滑値演算器(第2の予測手段)、63は観測諸元転送
装置34により転送された観測ベクトル k 3のうち、追
尾対象が存在する可能性の高い観測ベクトル k 3を選択
する1次元運動諸元相関器、64は1次元運動諸元相関
器63により選択された観測ベクトル k 3が追尾対象の
方位角を示す観測ベクトルであるか否かの仮説Xk,i 3
生成し、それらの信頼度βk,i 3を算出する1次元探知デ
ータ信頼度算出器、65は第4の遅延回路68から出力
された予測誤差共分散行列Pk (−)と、予め設定され
た方位角観測装置61の観測誤差共分散行列Rk 3からゲ
イン行列Kk 3を算出する1次元ゲイン行列算出器であ
る。
【0105】66は第1の遅延回路55から出力された
予測ベクトル k (−)ハットと、1次元ゲイン行列算
出器65により算出されたゲイン行列Kk 3と、1次元運
動諸元相関器63により選択された観測ベクトル
k 3と、1次元探知データ信頼度算出器64により算出さ
れた観測ベクトルの信頼度βk,i 3と、第4の遅延回路6
8から出力された予測誤差共分散行列Pk (−)とを用
いて、追尾対象の航行位置及び航行速度の平滑誤差を評
価する平滑誤差共分散行列Pk 3(+)を算出する1次元
平滑誤差評価器、67は1次元平滑誤差評価器66によ
り算出された平滑誤差共分散行列Pk 3(+)から航行位
置及び航行速度の予測誤差を評価する予測誤差共分散行
列Pk (−)を算出する予測誤差評価器である。
【0106】68は予測誤差評価器67により算出され
た予測誤差共分散行列Pk (−)を1サンプリング時間
だけ遅延する第4の遅延回路、69は予め設定された追
尾対象の運動モデルを用いて、第1の遅延回路55が出
力する予測ベクトル k (−)ハットから追尾対象の方
位角を算出し、その方位角を中心にして、第4の遅延回
路68が出力する予測誤差共分散行列Pk (−)から追
尾対象の存在位置の確率分布を算出する1次元運動諸元
確率分布算出器、70は1次元運動諸元相関器63によ
り選択された観測ベクトル k 3と、1次元探知データ信
頼度算出器64により算出された観測ベクトルの信頼度
βk,i 3と、第1の遅延回路55から出力された予測ベク
トル k (−)ハットと、1次元ゲイン行列算出器65
により算出されたゲイン行列Kk 3を使用して、航行位置
及び航行速度の平滑ベクトル k 3(+)ハットを算出す
る1次元平滑器である。
【0107】次に動作について説明する。上記実施の形
態1では、平滑値演算器44が仰角及び方位角を示す観
測ベクトル k 2から平滑ベクトル k 2(+)ハットを算
出するものについて示したが、平滑値演算器62が方位
角を示す観測ベクトル k 3から平滑ベクトル k 3(+)
ハットを算出するようにしてもよい。
【0108】最初に、この実施の形態2による目標追尾
装置の動作原理を説明するが、追尾対象の運動モデル及
び位置観測装置32の観測モデルの定義、即ち、式
(1)〜式(10)は実施の形態1と同様である。追尾
対象の方位角がサンプリング時刻tk において観測され
る場合の方位角観測装置61の観測モデルを式(60)
とする。ただし、 k 3はサンプリング時刻tk における
方位角観測装置61の観測値より構成される極座標によ
る観測ベクトルであり、h3 k )はサンプリング時
刻tk における方位角の真値で式(61)で表される。
また、ν k 3はサンプリング時刻tk における方位角観測
装置61の観測雑音ベクトルであり、平均の1次元正
規分布白色雑音で、式(62)及び式(63)で表され
る。なお、Rk 3はサンプリング時刻tk における方位角
観測装置61の観測雑音共分散行列である。
【0109】
【数19】
【0110】サンプリング時刻tk における追尾対象と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の位置観測装置32
又は方位角観測装置61から出力される観測ベクトルの
総数をmk s、観測ベクトルの全体をZk sとし(式(6
4)を参照)、サンプリング時刻t1 からtk までの位
置観測装置32又は方位角観測装置61からの観測ベク
トル全体をZk,s とする(式(65)を参照)。また、
k,s に対する観測数の全体を式(66)とし、さらに
また、式(67)とする。ここで、s=1は位置観測装
置32を、s=3は方位角観測装置61をそれぞれ表
す。
【0111】
【数20】
【0112】追尾対象以外からの観測ベクトルは空間に
一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk におけ
る単位体積あたりの発生頻度をβFT k とし、追尾対象と
相関をとるべき目標予測存在範囲の体積をVGkとしたと
き、追尾対象以外からの観測ベクトルが目標予測存在範
囲内に存在する総数は平均βFT k Gkのポアソン分布に
従うとする。
【0113】サンプリング時刻tk において、位置観測
装置32又は方位角観測装置61より観測された1つの
観測ベクトル k,i sが追尾対象の観測ベクトルであると
の仮説をXk,i sとして、観測ベクトル k,i s以外の観測
ベクトルは追尾対象以外のクラッタ等の観測ベクトル
(不要信号)と仮定する。また、追尾対象より観測ベク
トルが得られないとの仮説をXk,0 sとして、サンプリン
グ時刻tk までの観測情報Zk により仮説Xk,i sが真で
ある確率、即ち、仮説Xk,i sの信頼度をβk,i sは式(6
8)で定義される。また、確率論より式(69)が成立
する。
【0114】
【数21】
【0115】次に、サンプリング時刻tk-1 までの位置
観測装置32又は方位角観測装置61により観測された
観測ベクトルZk-1 sが得られているときの、サンプリン
グ時刻tk における k の予測ベクトルを k (−)ハ
ット、予測誤差共分散行列をPk (−)とすると、それ
ぞれ条件付平均ベクトル、条件付共分散行列で定義さ
れ、式(70)及び式(71)で表される。
【0116】
【数22】
【0117】ここで、 k (+)ハット及びPk (+)
は、それぞれ前サンプリング時刻t k-1 の平滑ベクトル
及び平滑誤差共分散行列であり、位置観測装置32によ
り観測された観測ベクトルを用いてサンプリング時刻t
k-1 の処理を行う場合には、式(72)及び式(73)
が使用され、方位角観測装置61により観測された観測
ベクトルを用いてサンプリング時刻tk-1 の処理を行う
場合には、式(74)及び式(75)が使用される。こ
れらの算出方法については後述する。
【0118】
【数23】
【0119】追尾対象の位置ベクトルがサンプリング時
刻tk において、位置観測装置32により観測される場
合の目標相関処理及び平滑処理、即ち、式(27)〜式
(39)は実施の形態1と同様である。
【0120】次に、追尾対象の方位角がサンプリング時
刻tk において、方位角観測装置61により観測される
場合の目標相関処理及び平滑処理について述べる。方位
角観測装置61の観測諸元である方位角は直交座標の位
置ベクトルの非線形関数であるため、平滑ベクトル、平
滑誤差共分散行列、ゲイン行列の計算には拡張カルマン
フィルタを使用する。直交座標により、式(61)の観
測ベクトルの真値を予測ベクトルで線形近似して次式を
得る。
【0121】
【数24】
【0122】追尾対象の1次元運動諸元の確率分布は、
式(78)に示す条件付確率密度関数で表される。即
ち、追尾対象の観測ベクトルは、式(79)で与えられ
る目標予測位置ベクトル k 3(−)を平均とし、式(8
0)で与えられるSk 3を共分散行列とする1次元正規分
布に従うとする。そこで、式(81)を満たす追尾対象
と相関がある観測ベクトルと判定する。ここで、d
は追尾対象と k,i 3の相関範囲を決めるパラメータであ
り、自由度1のχ自乗分布により算出する。
【0123】
【数25】
【0124】次に、サンプリング時刻tk に追尾対象と
相関があると判定された方位角観測装置61により観測
された観測ベクトルが追尾対象の観測ベクトルであると
の仮説、または追尾対象より観測ベクトルが得られない
との仮説の信頼度の算出方法を示す。式(68)にベイ
ズの定理を使用し、追尾対象の1次元運動諸元の確率分
布、方位角観測装置61の検出確率PD 3等により、目標
相関の仮説Xk,i 3が真である尤度γk,i 3を求め、これを
正規化した次式から各仮説の信頼度を算出する。ただ
し、PGk 3 はパラメータd3 により求まる追尾対象が相
関範囲内に存在する確率である。
【0125】
【数26】
【0126】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tk において、方位角観測装置61により観測
される場合の平滑処理について述べる。ゲイン行列,平
滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマンフィ
ルタの理論により、次式で与えられる。
【0127】
【数27】
【0128】さて、以上は位置観測装置32及び方位角
観測装置61が異なる時刻に観測を行うことを仮定して
述べたが、位置観測装置32及び方位角観測装置61が
同一時刻に観測を行う場合は、後述の方法にて、各観測
装置により観測された観測ベクトルの処理の順序を決
め、前述の目標相関,平滑処理,予測処理をくり返す。
ただし、この場合、時刻の経過が無いため、予測処理は
式(70)及び式(71)には従わずに、同一サンプリ
ング時刻の前の処理の平滑結果である式(91)及び式
(92)を使用する。ここで、式(91)及び式(9
2)の右辺は、前の観測ベクトルの処理が位置観測装置
32により観測された観測ベクトルであれば式(72)
及び式(73)、方位角観測装置61により観測された
観測ベクトルであれば式(74)及び式(75)であ
る。
【0129】
【数28】
【0130】次に、位置観測装置32及び方位角観測装
置61が同一時刻に観測を行う場合の各観測装置により
観測された観測ベクトルの処理の順序について述べる。
追尾対象の位置または方位角を観測する複数のセンサの
観測情報を用いて、3次元直交座標における目標位置,
速度等を推定する目標追尾装置では、角度観測情報によ
る推定が非線形となるため、同一時刻の観測ベクトルの
平滑処理の順序により、推定結果が異なる。より精度の
高い観測値を先に使用して平滑した方が良い結果とな
る。
【0131】サンプリング時刻tk における各観測装置
よりの観測ベクトルの観測精度は、追尾対象の予測距離
をRp (k)、各観測装置の方位角の観測誤差をΔAZ
s (s=1,3)とすると、式(93)により評価する
ことができる。従って、位置観測装置32及び方位角観
測装置61が同一時刻に観測を行った場合は、f
s (k)の値が小さい観測装置の観測ベクトルから先に
処理を行う。ここで、追尾対象の予測距離は式(91)
の予測ベクトルを式(94)で表すと式(95)より得
る。
【0132】
【数29】
【0133】次に、この発明の目標追尾装置の動作を具
体的に説明する。なお、カルマンフィルタを目標追尾装
置に通常適用する場合と同様にして、初期値 0 (+)
ハット、P0 (+)は別途定まっているものとする。
【0134】位置観測装置32では、極座標で追尾対象
の距離,仰角,方位角を観測し、その結果を直交座標に
よる目標位置情報に変換し、式(7)の観測ベクトル
k 1と、その観測時刻を出力する。また、方位角観測装置
61では、極座標で追尾対象の方位角を観測し、式(6
0)の観測ベクトル k 3と、その観測時刻を出力する。
【0135】ここで、位置観測装置32の観測ベクトル
k 1の観測時刻と、方位角観測装置61の観測ベクトル
k 3の観測時刻が異なる場合は、観測諸元転送装置34
において、観測ベクトルの観測時刻の順番に、位置観測
装置32により観測された観測ベクトル k 1は運動諸元
相関器36に転送し、方位角観測装置61により観測さ
れた観測ベクトル k 3は1次元運動諸元相関器63に転
送する。
【0136】これ以降の動作は従来の装置と同一である
ので、ここでは、位置観測装置32の観測ベクトル k 1
の観測時刻と、方位角観測装置61の観測ベクトル k 3
の観測時刻が同じ場合の動作について説明する。
【0137】運動諸元確率分布算出器42では、現時刻
より1サンプリング前に予測器54が算出した予測ベク
トル k (−)ハットを第1の遅延回路55から入力す
ると(式(21)を参照)、予め設定された追尾対象の
運動モデルを用いて、予測位置ベクトル k 1(−)を算
出し(式(28)を参照)、また、現時刻より1サンプ
リング前に予測誤差評価器40が算出した追尾対象の予
測誤差共分散行列Pk(−)を第2の遅延回路41から
入力すると(式(22)を参照)、予め設定された式
(10)の位置観測装置32の観測誤差分散行列Rk 1
り追尾対象の存在確率分布の広がりSk 1を算出する(式
(29)を参照)。
【0138】運動諸元相関器36では、運動諸元確率分
布算出器42により算出された追尾対象の予測位置ベク
トル k 1(−)と、追尾対象の存在確率分布の広がりS
k 1を入力し、観測諸元転送装置34から転送された位置
観測装置32からの観測ベクトルのうち、式(30)を
満たす観測ベクトルを追尾対象と相関ありと判定して選
択する。
【0139】一方、1次元運動諸元確率分布算出器69
では、現時刻より1サンプリング前に予測器54が算出
した予測ベクトル k (−)ハットを第1の遅延回路5
5から入力すると(式(70)を参照)、予め設定され
た追尾対象の運動モデルを用いて、予測位置ベクトル
k 3(−)を算出し(式(79)を参照)、また、現時刻
より1サンプリング前に予測誤差評価器67が算出した
追尾対象の予測誤差共分散行列Pk (−)を第4の遅延
回路68から入力すると(式(71)を参照)、予め設
定された式(63)の方位角観測装置61の観測誤差分
散行列Rk 3より追尾対象の存在確率分布の広がりSk 3
算出する(式(80)を参照)。
【0140】1次元運動諸元相関器63では、1次元運
動諸元確率分布算出器69により算出された追尾対象の
予測位置ベクトル k 3(−)と、追尾対象の存在確率分
布の広がりSk 3を入力し、観測諸元転送装置34から転
送された方位角観測装置61からの観測ベクトルのう
ち、式(81)を満たす観測ベクトルを追尾対象と相関
ありと判定して選択する。
【0141】方位角観測誤差評価器71では、追尾対象
の予測ベクトル予測ベクトル k (−)ハットを入力し
て、追尾対象の予測距離Rp (k)を算出する(式(9
5)を参照)。そして、追尾対象の予測距離Rp (k)
と、予め設定された位置観測装置32における方位角の
観測誤差ΔAZs と、方位角観測装置61における方位
角の観測誤差ΔAZs とから、位置観測装置32におけ
る追尾対象の観測誤差の評価値fs (k)と、方位角観
測装置61における追尾対象の観測誤差の評価値f
s (k)を算出する(式(93)を参照)。
【0142】処理順序切替器57では、運動諸元相関器
36及び1次元運動諸元相関器63により選択された観
測ベクトルを方位角観測誤差評価器71を通して入力
し、方位角観測誤差評価器71により算出された各観測
ベクトルに対応する観測装置の追尾対象の観測誤差の評
価値fs (k)の小さい順番に、位置観測装置32から
の観測ベクトルは探知データ信頼度算出器37へ送出
し、方位角観測装置61からの観測ベクトルは1次元探
知データ信頼度算出器64へ送出する。
【0143】探知データ信頼度算出器37では、処理順
序切替器57より入力した観測ベクトル k,i 1(i=
1,2,…,mk 1)に対して観測ベクトルの仮説Xk,i 1
を生成し、運動諸元確率分布算出器42により算出され
た式(27)の確率分布と、予め設定された位置観測装
置32の探知確率PD 1及び追尾対象が相関範囲内に存在
する確率PGk 1 により観測ベクトルの仮説の信頼度を式
(31)〜式(33)に従って算出する。
【0144】そして、ゲイン行列算出器38では、現時
刻より1サンプリング前に算出した式(71)の予測誤
差共分散行列Pk (−)を第2の遅延回路41を通して
入力し、予め設定された式(10)の観測誤差共分散行
列Rk 1よりカルマンフィルタ理論におけるゲイン行列K
k 1を算出する(式(34)を参照)。
【0145】平滑器43では、ゲイン行列算出器38に
より算出されたゲイン行列Kk 1と、探知データ信頼度算
出器37により算出された観測ベクトルの仮説の信頼度
βk, i 1と、現時刻より1サンプリング前に算出された予
測ベクトル k (−)ハットと、処理順序切替器57か
ら出力されたm 個の観測ベクトル k,i 1とを入力
し、平滑ベクトル k 1(+)ハットを算出する(式(3
5)を参照)。
【0146】予測器54では、平滑器43から平滑ベク
トル k 1(+)ハットを入力すると、平滑ベクトル k 1
(+)ハットを式(72)にしたがって平滑ベクトル
k (+)ハットに変換し、現サンプル時刻と前サンプル
時刻の観測時刻が異なる場合は式(70)に従って、ま
た、現サンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が同一
の場合には式(91)に従い予測ベクトル k (−)ハ
ットを算出する。なお、予測ベクトル k (−)ハット
は、次サンプリング時の追尾対象の予測位置や予測速度
等を示す。
【0147】平滑誤差評価器39では、ゲイン行列算出
器38により算出されたゲイン行列Kk 1と、探知データ
信頼度算出器37により算出された観測ベクトルの仮説
の信頼度βk,i 1と、現時刻より1サンプリング前に算出
された予測ベクトル k (−)ハットと、現時刻より1
サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列P
k(−)と、処理順序切替器57から出力されたmk 1
の観測ベクトル k,i 1とを入力し、平滑誤差共分散行列
k 1(+)を算出する(式(36)を参照)。
【0148】予測誤差評価器40では、平滑誤差評価器
39から平滑誤差共分散行列Pk 1(+)を入力すると、
平滑誤差共分散行列Pk 1(+)を式(73)にしたがっ
て平滑誤差共分散行列Pk (+)に変換し、現サンプル
時刻と前サンプル時刻の観測時刻が異なる場合は、平滑
誤差共分散行列Pk (+)と、予め設定された式(6)
の駆動雑音共分散行列Qk より式(71)に従い、現サ
ンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が同一の場合に
は、式(92)に従い予測誤差共分散行列Pk(−)を
算出する。
【0149】1次元探知データ信頼度算出器64では、
処理順序切替器57より入力した観測ベクトル
k,i 3(i=1,2,…,mk 3)に対して観測ベクトルの
仮説Xk,i 3を生成し、1次元運動諸元確率分布算出器6
9により算出された式(78)の確率分布と、予め設定
された方位角観測装置61の探知確率PD 3及び追尾対象
が相関範囲内に存在する確率PGk 3 により観測ベクトル
の仮説の信頼度を式(82)〜式(84)に従って算出
する。
【0150】1次元ゲイン行列算出器65では、現時刻
より1サンプリング前に算出した式(71)の予測誤差
共分散行列Pk (−)を第4の遅延回路68を通して入
力し、予め設定された式(63)の観測誤差共分散行列
k 3よりカルマンフィルタ理論におけるゲイン行列Kk 3
を算出する(式(85)を参照)。
【0151】1次元平滑器70では、1次元ゲイン行列
算出器65により算出されたゲイン行列Kk 3と、1次元
探知データ信頼度算出器64により算出された観測ベク
トルの仮説の信頼度βk,i 3と、現時刻より1サンプリン
グ前に算出された予測ベクトル k (−)ハットと、処
理順序切替器57から出力されたmk 3個の観測ベクトル
k,i 3とを入力し、平滑ベクトル k 3(+)ハットを算
出する(式(86)を参照)。
【0152】予測器54では、1次元平滑器70から平
滑ベクトル k 3(+)ハットを入力すると、平滑ベクト
k 3(+)ハットを式(74)にしたがって平滑ベク
トル k (+)ハットに変換し、現サンプル時刻と前サ
ンプル時刻の観測時刻が異なる場合は式(70)に従
い、現サンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が同一
の場合には式(91)に従い予測ベクトル k (−)ハ
ットを算出する。なお、予測ベクトル k (−)ハット
は、次サンプリング時の追尾対象の予測位置や予測速度
等を示す。
【0153】1次元平滑誤差評価器66では、1次元ゲ
イン行列算出器65により算出されたゲイン行列K
k 3と、1次元探知データ信頼度算出器64により算出さ
れた観測ベクトルの仮説の信頼度βk,i 3と、現時刻より
1サンプリング前に算出された予測ベクトル k (−)
ハットと、現時刻より1サンプリング前に算出された予
測誤差共分散行列Pk (−)と、処理順序切替器57か
ら出力されたmk 3個の観測ベクトル k,i 3とを入力し、
平滑誤差共分散行列Pk 3(+)を算出する(式(87)
を参照)。
【0154】予測誤差評価器67では、1次元平滑誤差
評価器66から平滑誤差共分散行列Pk 3(+)を入力す
ると、平滑誤差共分散行列Pk 3(+)を式(75)にし
たがって平滑誤差共分散行列Pk (+)に変換し、現サ
ンプル時刻と前サンプル時刻の観測時刻が異なる場合
は、平滑誤差共分散行列Pk (+)と、予め設定された
式(6)の駆動雑音共分散行列Qk より式(71)に従
って、また、現サンプル時刻と前サンプル時刻の観測時
刻が同一の場合には、式(92)に従い予測誤差共分散
行列Pk (−)を算出する。なお、追尾終了になるまで
この一連の処理をくり返す。
【0155】以上で明らかなように、この実施の形態2
によれば、追尾対象の航行位置と方位角が同時刻に観測
された場合、位置観測装置32の観測誤差の評価値fs
(k)と方位角観測装置61の観測誤差の評価値f
s (k)を比較して、平滑値演算器35,62の処理順
序を決定するように構成したので、ゲイン行列や平滑値
等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さくなり、
その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測時刻と方
位角を示す観測ベクトルの観測時刻が一致する場合で
も、精度よく目標を追尾することができる効果を奏す
る。なお、航空機の他、自動車や船舶等の移動物体にも
適用可能である。
【0156】実施の形態3.図4はこの発明の実施の形
態3による目標追尾装置を示す構成図であり、図におい
て、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。72は位置観測装置32による観測ベク
トル k 1の観測時刻と、2次元角度観測装置33による
観測ベクトル k 2の観測時刻が同時刻の場合、位置観測
装置32における残差(観測値と予測値の差)と2次元
角度観測装置33における残差(観測値と予測値の差)
を求める角度残差評価器(決定手段)、73は位置観測
装置32における残差が2次元角度観測装置33におけ
る残差より小さい場合、平滑値演算器35の処理を優先
する指示を出力し、位置観測装置32における残差が2
次元角度観測装置33における残差より大きい場合、平
滑値演算器44の処理を優先する指示を出力する処理順
序切替器(決定手段)である。
【0157】次に動作について説明する。式(1)〜式
(56)の理論は実施の形態1と同じである。残差は観
測誤差を反映しているので、位置観測装置32と2次元
角度観測装置33の観測ベクトルの観測精度を観測ベク
トルの処理順序の指標とする代りに、追尾対象の仰角及
び方位角の残差の信頼度による重み付き平均を用いても
同様の効果が見込める。更に、残差の信頼度による重み
付き平均による評価では、観測誤差による追尾性能の劣
化と同様である追尾対象以外の観測ベクトルによる追尾
精度の劣化も評価することができる。
【0158】サンプリング時刻tk における位置観測装
置32の仰角及び方位角の残差の信頼度による重み付き
平均ν k 4は、位置観測装置32による仰角及び方位角の
観測値より構成される極座標による観測ベクトルを
k,i 4として、式(96)〜式(97)で算出する。
【0159】
【数30】
【0160】一方、2次元角度観測装置33の仰角及び
方位角の残差の信頼度による重み付き平均ν k 2は式(5
4)である。従って、位置観測装置32及び2次元角度
観測装置33が同一時刻に観測を行った場合は、式(9
6)と式(54)のうち、値が小さい観測装置の観測ベ
クトルから先に処理を行う。
【0161】次に、この発明の目標追尾装置の動作を具
体的に説明するが、角度残差評価器72及び処理順序切
替器73以外は、上記実施の形態1と同様であるので、
角度残差評価器72及び処理順序切替器73の動作のみ
説明する。
【0162】角度残差評価器72では、1サンプリング
前に予測器54により算出された追尾対象の予測ベクト
k (−)ハットと、運動諸元相関器36及び2次元
運動諸元相関器45により選択された観測ベクトル
k 4 k 2と、探知データ信頼度算出器37及び2次元
探知データ信頼度算出器46により算出された信頼度β
k, i 4,信頼度βk,i 2とを用いて、位置観測装置32の仰
角及び方位角の残差の信頼度による重み付き平均ν k 4
算出し(式(96)を参照)、また、2次元角度観測装
置33の仰角及び方位角の残差の信頼度による重み付き
平均ν k 2を算出する(式(54)を参照)。
【0163】処理順序切替器73では、運動諸元相関器
36及び2次元運動諸元相関器45により選択された観
測ベクトル k 4 k 2を入力すると、角度残差評価器7
2により算出された残差の信頼度による重み付き平均ν
k 4ν k 2の小さい順番に、位置観測装置32からの観測
ベクトル k 4は平滑器43へ送出し、2次元角度観測装
置33からの観測ベクトル k 2は2次元平滑器52へ送
出する。
【0164】以上で明らかなように、この実施の形態3
によれば、追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同時
刻に観測された場合、位置観測装置32における残差と
2次元角度観測装置33における残差を比較して、平滑
値演算器35,44の処理順序を決定するように構成し
たので、ゲイン行列や平滑値等を算出する際の線形近似
誤差の累積値が小さくなり、その結果、航行位置を示す
観測ベクトルの観測時刻と方位角等を示す観測ベクトル
の観測時刻が一致する場合でも、精度よく目標を追尾す
ることができる効果を奏する。なお、航空機の他、自動
車や船舶等の移動物体にも適用可能である。
【0165】実施の形態4.図5はこの発明の実施の形
態4による目標追尾装置を示す構成図であり、図におい
て、図3と同一符号は同一または相当部分を示すので説
明を省略する。74は位置観測装置32による観測ベク
トル k 1の観測時刻と、方位角観測装置61による観測
ベクトル k 3の観測時刻が同時刻の場合、位置観測装置
32における残差(観測値と予測値の差)と方位角観測
装置61における残差(観測値と予測値の差)を求める
方位角残差評価器(決定手段)、75は位置観測装置3
2における残差が方位角観測装置61における残差より
小さい場合、平滑値演算器35の処理を優先する指示を
出力し、位置観測装置32における残差が方位角観測装
置61における残差より大きい場合、平滑値演算器62
の処理を優先する指示を出力する処理順序切替器(決定
手段)である。
【0166】次に動作について説明する。式(1)〜式
(56)の理論は実施の形態1と同じであり、式(6
0)〜式(92)の理論は実施の形態2と同じである。
残差は観測誤差を反映しているので、位置観測装置32
と方位角観測装置61の観測ベクトルの観測精度を観測
ベクトルの処理順序の指標とする代りに、追尾対象の方
位角の残差の信頼度による重み付き平均を用いても同様
の効果が見込める。更に、残差の信頼度による重み付き
平均による評価では、観測誤差による追尾性能の劣化と
同様である追尾対象以外の観測ベクトルによる追尾精度
の劣化も評価することができる。
【0167】サンプリング時刻tk における位置観測装
置32の方位角の残差の信頼度による重み付き平均はν
k 5、位置観測装置32による方位角の観測値より構成さ
れる極座標による観測ベクトルを k,i 5として、式(9
8)〜式(99)で算出する。
【0168】
【数31】
【0169】一方、方位角観測装置61の方位角の残差
の信頼度による重み付き平均ν k 3は式(89)である。
従って、位置観測装置32及び方位角観測装置61が同
一時刻に観測を行った場合は、式(98)と式(89)
のうち、値が小さい観測装置の観測ベクトルから先に処
理を行う。
【0170】次に、この発明の目標追尾装置の動作を具
体的に説明するが、方位角残差評価器74及び処理順序
切替器75以外は、上記実施の形態2と同様であるの
で、方位角残差評価器74及び処理順序切替器75の動
作のみ説明する。
【0171】方位角残差評価器74では、1サンプリン
グ前に予測器54により算出された追尾対象の予測ベク
トル k (−)ハットと、運動諸元相関器36及び1次
元運動諸元相関器63により選択された観測ベクトル
k 5 k 3と、探知データ信頼度算出器37及び1次元探
知データ信頼度算出器64により算出された信頼度β
k,i 5,信頼度βk,i 3とを用いて、位置観測装置32の方
位角の残差の信頼度による重み付き平均ν k 5を算出し
(式(98)を参照)、また、方位角観測装置61の方
位角の残差の信頼度による重み付き平均ν k 3を算出する
(式(89)を参照)。
【0172】処理順序切替器75では、運動諸元相関器
36及び1次元運動諸元相関器63により選択された観
測ベクトル k 5 k 3を入力すると、方位角残差評価器
74により算出された残差の信頼度による重み付き平均
ν k 5ν k 3の小さい順番に、位置観測装置32からの観
測ベクトル k 5は平滑器43へ送出し、方位角観測装置
61からの観測ベクトル k 3は1次元平滑器70へ送出
する。
【0173】以上で明らかなように、この実施の形態4
によれば、追尾対象の航行位置と方位角が同時刻に観測
された場合、位置観測装置32における残差と方位角観
測装置61における残差を比較して、平滑値演算器3
5,62の処理順序を決定するように構成したので、ゲ
イン行列や平滑値等を算出する際の線形近似誤差の累積
値が小さくなり、その結果、航行位置を示す観測ベクト
ルの観測時刻と方位角を示す観測ベクトルの観測時刻が
一致する場合でも、精度よく目標を追尾することができ
る効果を奏する。なお、航空機の他、自動車や船舶等の
移動物体にも適用可能である。
【0174】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、追尾
対象の航行位置と方位角から追尾対象の予測位置を演算
する際、追尾対象の航行位置と方位角が同時刻に観測さ
れた場合、第1の観測手段の観測誤差と第2の観測手段
の観測誤差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理
順序を決定するように構成したので、ゲイン行列や平滑
値等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さくな
り、その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測時刻
と方位角を示す観測ベクトルの観測時刻が一致する場合
でも、精度よく目標を追尾することができる効果があ
る。
【0175】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
方位角から追尾対象の予測速度を演算する際、追尾対象
の航行位置と方位角が同時刻に観測された場合、第1の
観測手段の観測誤差と第2の観測手段の観測誤差を比較
して、第1及び第2の予測手段の処理順序を決定するよ
うに構成したので、ゲイン行列や平滑値等を算出する際
の線形近似誤差の累積値が小さくなり、その結果、航行
位置を示す観測ベクトルの観測時刻と方位角を示す観測
ベクトルの観測時刻が一致する場合でも、精度よく目標
を追尾することができる効果がある。
【0176】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
仰角及び方位角から追尾対象の予測位置を演算する際、
追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測さ
れた場合、第1の観測手段の観測誤差と第2の観測手段
の観測誤差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理
順序を決定するように構成したので、ゲイン行列や平滑
値等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さくな
り、その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測時刻
と方位角等を示す観測ベクトルの観測時刻が一致する場
合でも、精度よく目標を追尾することができる効果があ
る。
【0177】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
仰角及び方位角から追尾対象の予測速度を演算する際、
追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測さ
れた場合、第1の観測手段の観測誤差と第2の観測手段
の観測誤差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理
順序を決定するように構成したので、ゲイン行列や平滑
値等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さくな
り、その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測時刻
と方位角等を示す観測ベクトルの観測時刻が一致する場
合でも、精度よく目標を追尾することができる効果があ
る。
【0178】この発明によれば、第1の観測手段の観測
誤差が第2の観測手段の観測誤差より小さい場合、第1
の予測手段の処理を優先する一方、第1の観測手段の観
測誤差が第2の観測手段の観測誤差より大きい場合、第
2の予測手段の処理を優先するように構成したので、ゲ
イン行列や平滑値等を算出する際の線形近似誤差の累積
値を小さくすることができる効果がある。
【0179】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
方位角から追尾対象の予測位置を演算する際、追尾対象
の航行位置と方位角が同時刻に観測された場合、第1の
観測手段における残差と第2の観測手段における残差を
比較して、第1及び第2の予測手段の処理順序を決定す
るように構成したので、ゲイン行列や平滑値等を算出す
る際の線形近似誤差の累積値が小さくなり、その結果、
航行位置を示す観測ベクトルの観測時刻と方位角を示す
観測ベクトルの観測時刻が一致する場合でも、精度よく
目標を追尾することができる効果がある。
【0180】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
方位角から追尾対象の予測速度を演算する際、追尾対象
の航行位置と方位角が同時刻に観測された場合、第1の
観測手段における残差と第2の観測手段における残差を
比較して、第1及び第2の予測手段の処理順序を決定す
るように構成したので、ゲイン行列や平滑値等を算出す
る際の線形近似誤差の累積値が小さくなり、その結果、
航行位置を示す観測ベクトルの観測時刻と方位角を示す
観測ベクトルの観測時刻が一致する場合でも、精度よく
目標を追尾することができる効果がある。
【0181】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
仰角及び方位角から追尾対象の予測位置を演算する際、
追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測さ
れた場合、第1の観測手段における残差と第2の観測手
段における残差を比較して、第1及び第2の予測手段の
処理順序を決定するように構成したので、ゲイン行列や
平滑値等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さく
なり、その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測時
刻と方位角等を示す観測ベクトルの観測時刻が一致する
場合でも、精度よく目標を追尾することができる効果が
ある。
【0182】この発明によれば、追尾対象の航行位置と
仰角及び方位角から追尾対象の予測速度を演算する際、
追尾対象の航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測さ
れた場合、第1の観測手段における残差と第2の観測手
段における残差を比較して、第1及び第2の予測手段の
処理順序を決定するように構成したので、ゲイン行列や
平滑値等を算出する際の線形近似誤差の累積値が小さく
なり、その結果、航行位置を示す観測ベクトルの観測時
刻と方位角等を示す観測ベクトルの観測時刻が一致する
場合でも、精度よく目標を追尾することができる効果が
ある。
【0183】この発明によれば、第1の観測手段におけ
る残差が第2の観測手段における残差より小さい場合、
第1の予測手段の処理を優先する一方、第1の観測手段
における残差が第2の観測手段における残差より大きい
場合、第2の予測手段の処理を優先するように構成した
ので、ゲイン行列や平滑値等を算出する際の線形近似誤
差の累積値を小さくすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図2】 観測ベクトルと追尾対象との相関を説明する
説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4による目標追尾装置
を示す構成図である。
【図6】 従来の目標追尾装置を示す構成図である。
【符号の説明】
32 位置観測装置(第1の観測手段)、33 2次元
角度観測装置(第2の観測手段)、35 平滑値演算器
(第1の予測手段)、44,62 平滑値演算器(第2
の予測手段)、53 予測値演算器(第1の予測手段、
第2の予測手段)、56 角度観測誤差評価器(決定手
段)、57,73,75 処理順序切替器(決定手
段)、61 方位角観測装置(第2の観測手段)、71
方位角観測誤差評価器(決定手段)、72 角度残差
評価器(決定手段)、74 方位角残差評価器(決定手
段)。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−62529(JP,A) 特開 平5−288840(JP,A) 特開 平9−257923(JP,A) 特開 平9−101362(JP,A) 実開 平5−19979(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の方位角を観測する第2の観測手段
    と、第1の観測手段により観測された航行位置の観測値
    と予測位置から航行位置の平滑値を演算して、次サンプ
    リング時の予測位置を演算する第1の予測手段と、第2
    の観測手段により観測された方位角の観測値と予測位置
    から航行位置の平滑値を演算して、次サンプリング時の
    予測位置を演算する第2の予測手段とを備えた目標追尾
    装置において、第1及び第2の観測手段により航行位置
    と方位角が同時刻に観測された場合、第1の観測手段の
    観測誤差と第2の観測手段の観測誤差を比較して、第1
    及び第2の予測手段の処理順序を決定する決定手段を設
    けたことを特徴とする目標追尾装置。
  2. 【請求項2】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の方位角を観測する第2の観測手段
    と、第1の観測手段により観測された航行位置の観測値
    と予測速度から航行速度の平滑値を演算して、次サンプ
    リング時の予測速度を演算する第1の予測手段と、第2
    の観測手段により観測された方位角の観測値と予測速度
    から航行速度の平滑値を演算して、次サンプリング時の
    予測速度を演算する第2の予測手段とを備えた目標追尾
    装置において、第1及び第2の観測手段により航行位置
    と方位角が同時刻に観測された場合、第1の観測手段の
    観測誤差と第2の観測手段の観測誤差を比較して、第1
    及び第2の予測手段の処理順序を決定する決定手段を設
    けたことを特徴とする目標追尾装置。
  3. 【請求項3】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の仰角及び方位角を観測する第2の
    観測手段と、第1の観測手段により観測された航行位置
    の観測値と予測位置から航行位置の平滑値を演算して、
    次サンプリング時の予測位置を演算する第1の予測手段
    と、第2の観測手段により観測された仰角及び方位角の
    観測値と予測位置から航行位置の平滑値を演算して、次
    サンプリング時の予測位置を演算する第2の予測手段と
    を備えた目標追尾装置において、第1及び第2の観測手
    段により航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測され
    た場合、第1の観測手段の観測誤差と第2の観測手段の
    観測誤差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理順
    序を決定する決定手段を設けたことを特徴とする目標追
    尾装置。
  4. 【請求項4】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の仰角及び方位角を観測する第2の
    観測手段と、第1の観測手段により観測された航行位置
    の観測値と予測速度から航行速度の平滑値を演算して、
    次サンプリング時の予測速度を演算する第1の予測手段
    と、第2の観測手段により観測された仰角及び方位角の
    観測値と予測速度から航行速度の平滑値を演算して、次
    サンプリング時の予測速度を演算する第2の予測手段と
    を備えた目標追尾装置において、第1及び第2の観測手
    段により航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測され
    た場合、第1の観測手段の観測誤差と第2の観測手段の
    観測誤差を比較して、第1及び第2の予測手段の処理順
    序を決定する決定手段を設けたことを特徴とする目標追
    尾装置。
  5. 【請求項5】 決定手段は、第1の観測手段の観測誤差
    が第2の観測手段の観測誤差より小さい場合、第1の予
    測手段の処理を優先する一方、第1の観測手段の観測誤
    差が第2の観測手段の観測誤差より大きい場合、第2の
    予測手段の処理を優先することを特徴とする請求項1か
    ら請求項4のうちのいずれか1項記載の目標追尾装置。
  6. 【請求項6】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の方位角を観測する第2の観測手段
    と、第1の観測手段により観測された航行位置の観測値
    と予測位置から航行位置の平滑値を演算して、次サンプ
    リング時の予測位置を演算する第1の予測手段と、第2
    の観測手段により観測された方位角の観測値と予測位置
    から航行位置の平滑値を演算して、次サンプリング時の
    予測位置を演算する第2の予測手段とを備えた目標追尾
    装置において、第1及び第2の観測手段により航行位置
    と方位角が同時刻に観測された場合、第1の観測手段に
    おける残差と第2の観測手段における残差を比較して、
    第1及び第2の予測手段の処理順序を決定する決定手段
    を設けたことを特徴とする目標追尾装置。
  7. 【請求項7】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の方位角を観測する第2の観測手段
    と、第1の観測手段により観測された航行位置の観測値
    と予測速度から航行速度の平滑値を演算して、次サンプ
    リング時の予測速度を演算する第1の予測手段と、第2
    の観測手段により観測された方位角の観測値と予測速度
    から航行速度の平滑値を演算して、次サンプリング時の
    予測速度を演算する第2の予測手段とを備えた目標追尾
    装置において、第1及び第2の観測手段により航行位置
    と方位角が同時刻に観測された場合、第1の観測手段に
    おける残差と第2の観測手段における残差を比較して、
    第1及び第2の予測手段の処理順序を決定する決定手段
    を設けたことを特徴とする目標追尾装置。
  8. 【請求項8】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の仰角及び方位角を観測する第2の
    観測手段と、第1の観測手段により観測された航行位置
    の観測値と予測位置から航行位置の平滑値を演算して、
    次サンプリング時の予測位置を演算する第1の予測手段
    と、第2の観測手段により観測された仰角及び方位角の
    観測値と予測位置から航行位置の平滑値を演算して、次
    サンプリング時の予測位置を演算する第2の予測手段と
    を備えた目標追尾装置において、第1及び第2の観測手
    段により航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測され
    た場合、第1の観測手段における残差と第2の観測手段
    における残差を比較して、第1及び第2の予測手段の処
    理順序を決定する決定手段を設けたことを特徴とする目
    標追尾装置。
  9. 【請求項9】 追尾対象の航行位置を観測する第1の観
    測手段と、追尾対象の仰角及び方位角を観測する第2の
    観測手段と、第1の観測手段により観測された航行位置
    の観測値と予測速度から航行速度の平滑値を演算して、
    次サンプリング時の予測速度を演算する第1の予測手段
    と、第2の観測手段により観測された仰角及び方位角の
    観測値と予測速度から航行速度の平滑値を演算して、次
    サンプリング時の予測速度を演算する第2の予測手段と
    を備えた目標追尾装置において、第1及び第2の観測手
    段により航行位置と仰角及び方位角が同時刻に観測され
    た場合、第1の観測手段における残差と第2の観測手段
    における残差を比較して、第1及び第2の予測手段の処
    理順序を決定する決定手段を設けたことを特徴とする目
    標追尾装置。
  10. 【請求項10】 決定手段は、第1の観測手段における
    残差が第2の観測手段における残差より小さい場合、第
    1の予測手段の処理を優先する一方、第1の観測手段に
    おける残差が第2の観測手段における残差より大きい場
    合、第2の予測手段の処理を優先することを特徴とする
    請求項6から請求項9のうちのいずれか1項記載の目標
    追尾装置。
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