JP2002048860A - 移動体追尾装置及び方法 - Google Patents

移動体追尾装置及び方法

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JP2002048860A
JP2002048860A JP2000230824A JP2000230824A JP2002048860A JP 2002048860 A JP2002048860 A JP 2002048860A JP 2000230824 A JP2000230824 A JP 2000230824A JP 2000230824 A JP2000230824 A JP 2000230824A JP 2002048860 A JP2002048860 A JP 2002048860A
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dimensional
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Takamitsu Okada
隆光 岡田
Takahiko Fujisaka
貴彦 藤坂
Yoshio Kosuge
義夫 小菅
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2次元レーダと画像センサにより観測した移
動体の2次元情報を用いて移動体の3次元運動を追尾可
能とする移動体追尾装置及び方法を得る。 【解決手段】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
角を観測する2次元レーダ装置1と、追尾対象の俯角を
観測する画像センサ装置2と、追尾対象の3次元座標の
距離及び方位角予測値と、2次元レーダ装置によって観
測された距離及び方位角とを用いて追尾対象の3次元座
標の平滑値を演算する距離・方位角による平滑器7と、
追尾対象の3次元座標の俯角予測値と、画像センサ装置
によって観測された俯角を用いて追尾対象の3次元座標
の平滑値を演算する俯角による平滑器15とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーダ及び画像
センサにて観測した人、自転車、車両等の路上の移動体
の位置、速度等の運動諸元を推定する移動体追尾装置及
び方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11は、例えば、"Multisensor Track
ing of a Maneuvering Target in Clutter",IEEE Tran
s. on Aerospace and Electronic Systems, Vol. AES
−25,No.2,March 1989,pp176−189に示された従来
の複数センサを使用した移動体追尾装置を示す構成図で
ある。図11において、45は追尾対象の3次元位置を
観測する3次元レーダ装置、2は追尾対象の画像を観測
してそれらの俯角及び方位角を観測する画像センサ装置
である。
【0003】46は3次元レーダ装置45により観測さ
れた観測ベクトルのうち、追尾対象が存在する可能性の
高い観測ベクトルを位置の尤度をもとに選択する位置相
関器、5は位置相関器46で何れの追尾対象とも相関の
取れなかった連続する2点の位置から対象の位置と速度
の初期値と、平滑誤差共分散行列の初期値を算出する初
期値算出器、47は後述する第2の遅延回路51から出
力された予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリン
グ前に算出された予測誤差共分散行列)と予め設定され
た3次元レーダ装置45の観測誤差共分散行列からゲイ
ン行列を算出する位置ゲイン行列算出器、48は位置相
関器46により選択された観測ベクトルと、後述する第
1の遅延回路22から出力された予測位置(現時刻より
1サンプリング前に算出された予測位置)及び位置ゲイ
ン行列算出器47により算出されたゲイン行列を使用し
て、追尾対象の位置及び速度の平滑値を算出する位置に
よる平滑器である。
【0004】49は第1の遅延回路22から出力された
予測位置(現時刻より1サンプリング前に算出された予
測位置)、位置ゲイン行列算出器47により算出された
ゲイン行列、及び後述する第2の遅延回路11から出力
された予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリング
前に算出された予測誤差共分散行列)を用いて、追尾対
象の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を算出する
位置データによる平滑誤差評価器、10は初期値算出器
5により算出された平滑誤差共分散行列または位置デー
タによる平滑誤差評価器49により算出された平滑誤差
共分散行列から予測誤差を評価する予測誤差共分散行列
を算出する予測誤差評価器Aである。
【0005】11は予測誤差評価器A10により算出さ
れた予測誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延
する第2の遅延回路、50は第2の遅延回路11の出力
する予測誤差共分散行列と、予め設定された3次元レー
ダ装置45の観測誤差共分散行列を入力し、追尾対象の
存在位置の確率分布を算出する位置確率分布算出器であ
る。
【0006】31は画像センサ装置2から画像センサ観
測座標系における追尾対象の俯角及び方位角を入力し、
これらの観測ベクトルのうち、追尾対象が存在する可能
性の高い観測ベクトルを、後述する俯角・方位角確率分
布算出器37から入力した追尾対象の俯角及び方位角の
確率分布をもとに選択する俯角・方位角相関器、32は
後述する第3の遅延回路19から出力される現時刻より
1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と、
後述する俯角・方位角観測行列算出器34から出力され
る俯角及び方位角の観測行列と、画像センサ装置2の観
測誤共分散行列とから俯角及び方位角のゲイン行列を算
出する俯角・方位角ゲイン行列算出器である。
【0007】33は俯角・方位角相関器31により選択
された観測ベクトル、後述する第1の座標変換器24か
ら出力される俯角及び方位角の予測ベクトルと3次元予
測ベクトル、俯角・方位角ゲイン行列算出器32により
算出された俯角及び方位角のゲイン行列を用いて追尾対
象の3次元位置及び速度の平滑ベクトルを算出する俯角
・方位角による平滑器である。
【0008】34は第1の座標変換器24から出力され
る俯角及び方位角の予測ベクトルを入力し、俯角及び方
位角の観測行列を算出する俯角・方位角観測行列算出
器、35は俯角・方位角データによる平滑誤差評価器で
あって、第1の座標変換器24から出力される俯角及び
方位角の予測ベクトルと、俯角・方位角観測行列算出器
34から出力される俯角及び方位角の観測行列と、俯角
・方位角ゲイン行列算出器32から出力される俯角及び
方位角のゲイン行列と、後述する第3の遅延回路19か
ら出力される現時刻より1サンプリング前に算出された
予測誤差共分散行列とを用いて追尾対象の3次元位置及
び速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を算出
する。
【0009】36は俯角・方位角データによる平滑誤差
評価器35により算出された平滑誤差共分散行列を入力
し、追尾対象の3次元位置及び速度の予測誤差を評価す
る予測誤差共分散行列を算出する予測誤差評価器Bであ
る。19は予測誤差評価器B18により算出された予測
誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延して出力
する第3の遅延回路、37は第3の遅延回路19の出力
する予測誤差共分散行列と、俯角・方位角観測行列算出
器34で算出した俯角及び方位角の観測行列とを入力
し、予め設定された画像センサ装置2の観測誤差共分差
行列に基づいて追尾対象の俯角及び方位角の確率分布を
算出する俯角・方位角確率分布算出器である。
【0010】21は初期値算出器5、位置による平滑器
48、俯角・方位角による平滑器33のいずれかから出
力される追尾対象の3次元位置及び速度から成る3次元
平滑ベクトルと、予め設定された追尾対象の運動モデル
を用いて現時刻より1サンプリング後の追尾対象の3次
元予測位置及び予測速度から成る3次元予測ベクトルを
算出する位置・速度予測器、22は位置・速度予測器2
1により算出された追尾対象の3次元予測ベクトルを1
サンプリング時間だけ遅延して出力する第1の遅延回
路、24は第1の遅延回路22の出力する現時刻より1
サンプリング前の追尾対象の3次元予測ベクトルを俯角
及び方位角の予測ベクトルに座標変換し、これと変換前
の3次元予測ベクトルを出力する第1の座標変換器であ
る。
【0011】次に動作について説明する。位置相関器4
6は、3次元レーダ装置45から観測ベクトルを受け取
ると、その観測ベクトルが追尾対象に係る観測ベクトル
である可能性が高い場合にのみ有効なデータとして採用
するため、位置確率分布算出器50により算出された存
在位置の確率分布を用いて、その観測ベクトルの有効性
を判定し、有効性が認められると、その観測ベクトルを
位置データによる平滑器48に出力する。
【0012】位置ゲイン行列算出器47では、第2の遅
延回路11から出力された予測誤差共分散行列(現時刻
より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行
列)と、予め設定された3次元レーダ装置45の観測雑
音共分散行列とから位置のゲイン行列を算出する。
【0013】位置による平滑器48は、位置相関器46
により選択された観測ベクトルと、第1の遅延回路22
から出力された予測位置(現時刻より1サンプリング前
に算出された予測位置)と、位置ゲイン行列算出器47
により算出されたゲイン行列とを使用して、追尾対象の
3次元位置及び速度の平滑値を算出する。
【0014】位置データによる平滑誤差評価器49は、
第1の遅延回路22から出力された予測位置(現時刻よ
り1サンプリング前に算出された予測位置)と、位置ゲ
イン行列算出器47により算出されたゲイン行列と、位
置相関器46により選択された位置観測ベクトルと、第
2の遅延回路11から出力された予測誤差共分散行列
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共
分散行列)とを用いて、追尾対象の位置及び速度の平滑
誤差を評価する平滑誤差共分散行列を算出する。
【0015】そして、予測誤差評価器A10は、位置デ
ータによる平滑誤差評価器49から出力された平滑誤差
共分散行列と、初期値算出器5から出力された追尾対象
の平滑誤差共分散行列から位置及び速度の予測誤差を評
価する予測誤差共分散行列を算出する。また、位置確率
分布算出器50は、予め設定された追尾対象の運動モデ
ルを用いて、第1の遅延回路22が出力する予測位置
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測位置)
から追尾対象の位置を算出し、その位置を中心にして、
第2の遅延回路11が出力する予測誤差共分散行列(現
時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散
行列)から追尾対象の存在位置の確率分布を算出する。
【0016】画像センサ装置2では、画像から画像セン
サ観測座標系で移動体の俯角及び方位角を検出し、その
結果(観測ベクトル)を俯角・方位角相関器31に出力
する。俯角・方位角相関器31では、画像センサ装置2
から観測ベクトルを受け取ると、その観測ベクトルから
追尾対象と相関のある観測ベクトルを選択するため、俯
角・方位角確率分布算出器37により算出された俯角及
び方位角の確率分布を用いて、追尾対象と相関の可能性
のある観測ベクトルを選択し、俯角・方位角による平滑
器33に出力する。
【0017】俯角・方位角ゲイン行列算出器32では、
第3の遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共
分散行列)と、俯角・方位角観測行列算出器34から出
力された画像センサ装置2の観測行列と予め設定された
画像センサ装置2の観測雑音共分散行列とから俯角及び
方位角のゲイン行列を算出する。
【0018】俯角・方位角による平滑器33では、俯角
・方位角相関器31から出力された追尾対象の観測ベク
トルと、第1の座標変換器24から出力された俯角及び
方位角の予測値(現時刻より1サンプリング前に算出さ
れた予測値)と、俯角・方位角ゲイン行列算出器32に
より算出されたゲイン行列とを用いて、追尾対象の位置
及び速度の平滑ベクトルを算出する。
【0019】俯角・方位角観測行列算出器34では、第
1の座標変換器24から出力された俯角及び方位角の予
測値(現時刻より1サンプリング前に算出された予測
値)を入力し、画像センサ装置2の観測行列を算出す
る。俯角・方位角データによる平滑誤差評価器35で
は、第1の座標変換器24から出力された俯角及び方位
角の予測値(現時刻より1サンプリング前に算出された
予測値)と、俯角・方位角観測行列算出器34から出力
された画像センサ装置2の観測行列と、俯角・方位角ゲ
イン行列算出器32から出力されたゲイン行列と、第3
の遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列(現
時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散
行列)とから平滑誤差共分散行列を算出する。予測誤差
評価器B36では、俯角・方位角データによる平滑誤差
評価器35から出力された平滑誤差共分散行列を入力
し、予測誤差共分散行列を算出する。
【0020】俯角・方位角確率分布算出器37は、第3
の遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列(現
時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散
行列)と、俯角・方位角観測行列算出器34から出力さ
れた画像センサ装置2の観測行列とを入力し、予め設定
された画像センサ装置2の観測誤差共分散行列を用い
て、現時刻での存在が予測される追尾対象の俯角及び方
位角の確率分布を算出する。
【0021】上記のようにして、位置による平滑器48
または俯角・方位角による平滑器33が追尾対象の位置
及び速度の平滑値を算出すると、位置・速度予測器21
は、その平滑値と予め設定された追尾対象の運動モデル
を用いて、現時刻より1サンプリング後の追尾対象の予
測位置及び速度を算出する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動体追尾装置
は以上のように構成されているので、3次元空間の移動
体を追尾するには、移動体の3次元位置を計測する3次
元レーダ装置45を必要とし、3次元位置を計測できな
い2次元レーダと画像センサを用いて3次元運動を追尾
することができないという課題があった。
【0023】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、2次元レーダと画像センサにより
観測した移動体の2次元情報を用いて移動体の3次元運
動を追尾可能とする移動体追尾装置及び方法を得ること
を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】この発明に係る移動体追
尾装置は、追尾対象としての移動体の距離及び方位角を
観測する第1の観測手段と、追尾対象の俯角を観測する
第2の観測手段と、追尾対象の3次元座標の距離及び方
位角予測値と、前記第1の観測手段によって観測された
距離及び方位角とを用いて追尾対象の3次元座標の平滑
値を演算する第1の平滑手段と、追尾対象の3次元座標
の俯角予測値と、前記第2の観測手段によって観測され
た俯角を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算す
る第2の平滑手段とを備えたものである。
【0025】また、追尾対象としての移動体の距離及び
方位角を観測する第1の観測手段と、追尾対象の方位角
を観測する第2の観測手段と、追尾対象の3次元座標の
距離及び方位角予測値と、前記第1の観測手段によって
観測された距離及び方位角とを用いて追尾対象の3次元
座標の平滑値を演算する第1の平滑手段と、追尾対象の
3次元座標の方位角予測値と、前記第2の観測手段によ
って観測された方位角を用いて追尾対象の3次元座標の
平滑値を演算する第2の平滑手段とを備えたものであ
る。
【0026】また、追尾対象としての移動体の距離及び
方位角を観測する第1の観測手段と、追尾対象の俯角及
び方位角を観測する第2の観測手段と、追尾対象の3次
元座標の距離及び方位角予測値と、前記第1の観測手段
によって観測された距離及び方位角を用いて追尾対象の
3次元座標の平滑値を演算する第1の平滑手段と、追尾
対象の3次元座標の方位角予測値と、前記第2の観測手
段によって観測された俯角及び方位角を用いて追尾対象
の3次元座標の平滑値を演算する第2の平滑手段とを備
えたものである。
【0027】また、追尾対象としての移動体の距離及び
方位角を観測する第1の観測手段と、追尾対象の距離及
び方位角を観測する第2の観測手段と、追尾対象の3次
元座標の距離及び方位角予測値と、前記第1の観測手段
によって観測された距離及び方位角を用いて追尾対象の
3次元座標の平滑値を演算する第1の平滑手段と、追尾
対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記第2
の観測手段によって観測された距離及び方位角を用いて
追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第2の平滑手
段とを備えたものである。
【0028】また、この発明に係る移動体追尾方法は、
追尾対象としての移動体の距離及び方位角を観測する第
1の観測ステップと、追尾対象の俯角を観測する第2の
観測ステップと、追尾対象の3次元座標の距離及び方位
角予測値と、前記第1の観測ステップによって観測され
た距離及び方位角を用いて追尾対象の3次元座標の平滑
値を演算する第1の平滑ステップと、追尾対象の3次元
座標の俯角予測値と、第2の観測手段によって観測され
た俯角を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算す
る第2の平滑ステップとを備えたものである。
【0029】また、追尾対象としての移動体の距離及び
方位角を観測する第1の観測ステップと、追尾対象の方
位角を観測する第2の観測ステップと、追尾対象の3次
元座標の距離及び方位角予測値と、前記第1の観測ステ
ップによって観測された距離及び方位角を用いて追尾対
象の3次元座標の平滑値を演算する第1の平滑ステップ
と、追尾対象の3次元座標の方位角予測値と、前記第2
の観測ステップによって観測された方位角を用いて追尾
対象の3次元座標の平滑値を演算する第2の平滑ステッ
プとを備えたものである。
【0030】また、追尾対象としての移動体の距離及び
方位角を観測する第1の観測ステップと、追尾対象の俯
角及び方位角を観測する第2の観測ステップと、追尾対
象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記第1の
観測ステップによって観測された距離及び方位角を用い
て追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1の平滑
ステップと、追尾対象の3次元座標の俯角予測値と、前
記第2の観測ステップによって観測された俯角及び方位
角を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第
2の平滑ステップとを備えたものである。
【0031】さらに、追尾対象としての移動体の距離及
び方位角を観測する第1の観測ステップと、追尾対象の
距離及び方位角を観測する第2の観測ステップと、追尾
対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記第1
の観測ステップによって観測された距離及び方位角を用
いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1の平
滑ステップと、追尾対象の3次元座標の距離及び方位角
予測値と、前記第2の観測ステップによって観測された
距離及び方位角を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値
を演算する第2の平滑ステップとを備えたものである。
【0032】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、この発明
の実施の形態1による移動体追尾装置及び方法を説明す
るための構成図である。図1において、1は後述するレ
ーダ観測座標系において追尾対象としての移動体を観測
してそれらの距離及び方位角を出力する第1の観測手段
としての2次元レーダ装置、2は後述する画像センサ観
測座標系において移動体の画像を観測し、その代表点の
俯角を出力する第2の観測手段としての画像センサ装置
である。
【0033】3は2次元レーダ装置1からレーダ観測座
標系における追尾対象の距離及び方位角を入力し、これ
らの観測ベクトルのうち、追尾対象が存在する可能性の
高い観測ベクトルを、後述する距離・方位角確率分布算
出器12から入力した追尾対象の距離及び方位角の確率
分布をもとに選択する距離・方位角相関器、4は距離・
方位角相関器3から同一対象からの初めの2回の観測で
得られた観測ベクトルを入力し、予め設定された観測開
始エリアの道路高を用いて3次元直交座標の位置に変換
する第2の座標変換器である。
【0034】5は第2の座標変換器4により変換された
3次元直交座標における連続する2点の位置から対象の
位置と速度の初期値と、平滑誤差共分散行列の初期値を
算出する初期値算出器、6は第2の遅延回路11から出
力される現時刻より1サンプリング前に算出された予測
誤差共分散行列と、後述する距離・方位角観測行列算出
器8から出力されるレーダ観測行列と、予め設定された
2次元レーダ装置1の観測誤差共分散行列とから距離と
方位角のゲイン行列を算出する距離・方位角ゲイン行列
算出器である。
【0035】7は距離・方位角相関器3により選択され
た観測ベクトル、後述する第3の座標変換器23から出
力される距離及び方位角の予測ベクトルと3次元予測ベ
クトル、距離・方位角ゲイン行列算出器6により算出さ
れた距離と方位角のゲイン行列を用いて追尾対象の3次
元位置及び速度の平滑ベクトルを算出する第1の平滑手
段としての距離・方位角による平滑器、8は第3の座標
変換器23から出力される距離及び方位角の予測ベクト
ルを入力し、距離・方位角の観測行列を算出する距離・
方位角観測行列算出器である。
【0036】9は距離・方位角データによる平滑誤差評
価器であって、第3の座標変換器23から出力される距
離及び方位角の予測ベクトルと、距離・方位角観測行列
算出器8から出力される距離・方位角の観測行列と、距
離・方位角ゲイン行列算出器6から出力される距離と方
位角のゲイン行列と、第2の遅延回路11から出力され
る現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共
分散行列とを用いて追尾対象の3次元位置及び速度の平
滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を算出する。
【0037】10は初期値算出器5により算出された平
滑誤差共分散行列または距離・方位角データによる平滑
誤差評価器9により算出された平滑誤差共分散行列を入
力し、追尾対象の3次元位置及び速度の予測誤差を評価
する予測誤差共分散行列を算出する予測誤差評価器Aで
ある。11は予測誤差評価器A10により算出された予
測誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延して出
力する第2の遅延回路、12は第2の遅延回路11の出
力する予測誤差共分散行列と、距離・方位角観測行列算
出器8で算出した距離・方位角の観測行列と、予め設定
された2次元レーダ装置1の観測誤差共分散行列を入力
し、追尾対象の距離及び方位角の確率分布を算出する距
離・方位角確率分布算出器である。
【0038】13は画像センサ装置2から画像センサ観
測座標系における追尾対象の俯角を入力し、これらの観
測ベクトルのうち、追尾対象が存在する可能性の高い観
測ベクトルを、後述する俯角確率分布算出器20から入
力した追尾対象の俯角の確率分布をもとに選択する俯角
相関器、14は後述する第3の遅延回路19から出力さ
れる現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差
共分散行列と、後述する俯角観測行列算出器16から出
力される俯角の観測行列と、予め設定された画像センサ
装置2の観測誤差共分散行列とから俯角のゲイン行列を
算出する俯角ゲイン行列算出器である。
【0039】15は俯角相関器13により選択された観
測ベクトル、第1の座標変換器24から出力される俯角
の予測ベクトルと3次元予測ベクトル、俯角ゲイン行列
算出器14により算出された俯角のゲイン行列を用いて
追尾対象の3次元位置及び速度の平滑ベクトルを算出す
る第2の平滑手段としての俯角による平滑器、16は第
1の座標変換器24から出力される俯角の予測ベクトル
を入力し、俯角の観測行列を算出する俯角観測行列算出
器である。
【0040】17は俯角データによる平滑誤差評価器で
あって、第1の座標変換器24から出力される俯角の予
測ベクトルと、俯角観測行列算出器16から出力される
俯角の観測行列と、俯角ゲイン行列算出器14から出力
される俯角のゲイン行列と、後述する第3の遅延回路1
9から出力される現時刻より1サンプリング前に算出さ
れた予測誤差共分散行列とを用いて追尾対象の3次元位
置及び速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を
算出する。
【0041】18は俯角データによる平滑誤差評価器1
7により算出された平滑誤差共分散行列を入力し、追尾
対象の3次元位置及び速度の予測誤差を評価する予測誤
差共分散行列を算出する予測誤差評価器Bである。19
は予測誤差評価器B18により算出された予測誤差共分
散行列を1サンプリング時間だけ遅延して出力する第3
の遅延回路、20は第3の遅延回路19の出力する予測
誤差共分散行列と、俯角観測行列算出器16で算出した
俯角の観測行列と、予め設定された画像センサ装置2の
観測誤差共分散行列を入力し、追尾対象の俯角の確率分
布を算出する俯角確率分布算出器である。
【0042】21は初期値算出器5、距離・方位角によ
る平滑器7、俯角による平滑器15のいずれかから出力
される追尾対象の3次元位置及び速度から成る3次元平
滑ベクトルと、予め設定された追尾対象の運動モデルを
用いて現時刻より1サンプリング後の追尾対象の3次元
予測位置及び予測速度から成る3次元予測ベクトルを算
出する位置・速度予測器、22は位置・速度予測器21
により算出された追尾対象の3次元予測ベクトルを1サ
ンプリング時間だけ遅延して出力する第1の遅延回路で
ある。
【0043】23は第1の遅延回路22の出力する現時
刻より1サンプリング前の追尾対象の3次元予測ベクト
ルを距離及び方位角の予測ベクトルに座標変換し、これ
と変換前の3次元予測ベクトルを出力する第3の座標変
換器、24は第1の遅延回路22の出力する現時刻より
1サンプリング前の追尾対象の3次元予測ベクトルを俯
角の予測ベクトルに座標変換し、これと変換前の3次元
予測ベクトルを出力する第1の座標変換器である。
【0044】次に動作について説明する。最初に、この
実施の形態1による移動体追尾装置及び方法の動作原理
を説明する。図2は、2次元レーダ装置1及び画像セン
サ装置2による追尾対象の観測状態を示す概念図であ
る。2次元レーダ装置1と画像センサ装置2が道路の高
所に設置され、道路上の移動体を観測する場合を仮定す
る。道路脇を原点oとし、道路交差方向をx軸、道路に
沿った方向をz軸、鉛直上向きをy軸の正とするo−x
yz座標系を基準座標系とする。基準座標系における2
次元レーダ装置1および画像センサ装置2の取り付け位
置は、それぞれ(xr,hr,zr)及び(xc,hc
c)とする。
【0045】図3には、2次元レーダ装置1を原点とす
るレーダ座標系o(r)−x(r)(r)(r)が示されてい
る。このレーダ座標系では、2次元レーダ装置1はアン
テナ面がy軸回りにγ(z軸正の方向より反時計回りを
正とする)だけ傾いているものとする。
【0046】図4に示すように、レーダ座標系を基準と
する極座標(R,Azr)をレーダ観測座標系とする。
2次元レーダ装置1は、追尾対象の距離R及び方位角A
r(z(r)軸正の方向より反時計回りを正とする)を観
測する。図3及び図4から、式(1)及び式(2)の関
係が導かれる。
【0047】
【数1】
【0048】一方、図5及び図6に示すように、画像セ
ンサ装置2の焦点を原点o(c)とし、画像センサ装置2
前方をz(c)軸負の方向、画像センサ装置2左手をx(c)
軸負の方向、画像センサ装置上方をy(c)軸正の方向と
する座標系o(c)−x(c)(c)(c)を画像センサ座標系
とする。画像センサ装置2は、y軸回りにα(z軸正の
方向より反時計回りを正とする)だけ傾き、更にx(c)
軸回りにβ(z軸負の方向より下方を負とする)だけ傾
いているものとする。図7に示すように、画像センサ座
標系を基準とする極座標(E,Azc)を画像センサ観
測座標系とする。図5及び図6から、式(3)及び式
(4)の関係が導かれる。
【0049】
【数2】
【0050】次に、追尾対象の運動モデルを式(5)に
示す。ここで、アンダバーxkはサンプリング時刻tk
おける移動体運動諸元の真値を表す状態ベクトルであ
り、3次元直交座標(基準座標)における目標位置ベク
トルを式(6)とし、同速度ベクトルを式(7)とする
と、追尾対象の状態ベクトルは式(8)で表される。な
お、アンダバーATはベクトルアンダバーAの転置ベク
トルを表す。
【0051】
【数3】
【0052】ここで、Φk-1はサンプリング時刻tk-1
りtkへの状態ベクトルアンダバーxkの推移行列である
が、追尾対象が等速直線運動を行うと仮定する場合、Φ
k-1は式(9)で表される。また、アンダバーwkはサン
プリング時刻tkにおける駆動雑音ベクトルであり、Γ1
(k)はサンプリング時刻tkにおける駆動雑音ベクト
ルの変換行列である。例えば、目標の運動モデルを等速
直線運動と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ
1(k−1)アンダバーwk-1とみれば、アンダバーwk
は加速度ベクトル相当であり、Γ1(k−1)は式(1
0)で表される。なお、Iは3行3列の単位行列であ
る。
【0053】
【数4】
【0054】また、平均を表す記号として、Eを用いる
と、アンダバーwkは平均アンダバーOの3次元正規分
布白色雑音であり、式(11)及び(12)を満たすも
のとする。ただし、アンダバーOは零ベクトルであり、
kはサンプリング時刻tkにおける駆動雑音共分散行列
である。
【0055】
【数5】
【0056】次に、追尾対象の距離及び方位角がサンプ
リング時刻tkに2次元レーダ装置1より観測される場
合の2次元レーダ装置1の観測モデルを式(13)とす
る。ただし、アンダバーz1 kはサンプリング時刻tk
おけるレーダ観測装置1の観測ベクトルである。h
1(アンダバーxk)は2次元レーダ装置1の観測ベクト
ルの真値で、式(1)及び式(2)より式(14)で表
される。アンダバーν1 kはサンプリング時刻tkにおけ
る2次元レーダ装置1の観測雑音ベクトルであり、平均
アンダバーOの2次元白色正規分布で、式(15)及び
(16)で表される。なお、R1 kはサンプリング時刻t
kにおける2次元レーダ装置1の観測雑音共分散行列で
ある。
【0057】
【数6】
【0058】2次元レーダ装置1の真値h1(アンダバ
ーxk)の線形近似は式(17)より得られる。式(1
8)は2次元レーダ装置1の観測行列である。ここで、
p、Ep及びAzpは3次元予測ベクトルアンダバーハ
ットxk(−)を式(1)、式(2)及び式(19)の
関係式を用いてレーダ観測座標系における距離、俯角、
方位角に変換したものである。
【0059】
【数7】
【0060】一方、追尾対象の俯角がサンプリング時刻
kに画像センサ装置2より観測される場合の画像セン
サ装置2の観測モデルを式(20)により表す。ただ
し、アンダバーz2 kはサンプリング時刻tkにおける画
像センサ装置2の観測ベクトルである。h2(アンダバ
ーxk)は画像センサ装置2の観測ベクトルの真値で、
式(3)及び式(4)より式(21)で表される。アン
ダバーν2 kはサンプリング時刻tkにおける画像センサ
装置2の観測雑音ベクトルであり、平均アンダバーOの
1次元白色正規分布で、式(22)及び(23)で表さ
れる。なお、R2 kはサンプリング時刻tkにおける画像
センサ装置2の観測誤差分散である。
【0061】
【数8】
【0062】画像センサ装置2の真値h2(アンダバー
k)の線形近似は式(24)より得られる。式(2
5)は画像センサ装置2の観測行列である。ここで、R
p、Ep及びAzpは3次元予測ベクトルアンダバーハッ
トxk(−)を式(3)、式(4)及び式(26)の関
係式を用いて画像センサ観測座標系における距離、俯
角、方位角に変換したものである。
【0063】
【数9】
【0064】サンプリング時刻tkにおける追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の2次元レーダ装置
1または画像センサ装置2からの観測ベクトルの総数を
s k、観測ベクトルの全体をZs kとし(式(27)を参
照)、サンプリング時刻t1からtkまでの2次元レーダ
装置1または画像センサ装置2からの観測ベクトル全体
をZk,sとする(式(28)を参照)。また、Zk,sに対
する観測数の全体を式(29)とし、さらにまた、式
(30)とする。ここで、s=1は2次元レーダ装置1
を、s=2は画像センサ装置2をそれぞれ表す。
【0065】
【数10】
【0066】次に、サンプリング時刻tk-1までの2次
元レーダ装置1または画像センサ装置により観測された
観測ベクトルZs kが得られているときの、サンプリング
時刻tkにおけるアンダバーxkの予測ベクトルをアンダ
バーハットxk(−)、予測誤差共分散行列をPk(−)
とすると、それぞれ条件付平均ベクトル、条件付共分散
行列で定義され、式(31)及び式(32)で表され
る。
【0067】
【数11】
【0068】ここで、アンダバーハットxk(+)及び
k(+)はそれぞれ前サンプリング時刻tk-1の平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列であり、前サンプリング
時刻tk-1に2次元レーダ装置1からの観測ベクトルを
処理した場合には式(33)及び式(34)、画像セン
サ装置2からの観測ベクトルを処理した場合には式(3
5)及び式(36)である。これらの算出方法について
は後で述べる。
【0069】
【数12】
【0070】次に、移動体の距離及び方位角(観測ベク
トル)がサンプリング時刻tkにおいて、2次元レーダ
装置1より観測される場合の相関処理について述べる。
追尾対象からの観測ベクトルは、式(37)で与えられ
る予測位置ベクトルアンダバーz1 k(−)を平均とし、
式(38)で与えられるS1 kを共分散行列とする2次元
正規分布に従うとする。そこで、式(39)を満たす観
測ベクトルアンダバーz1 k,iのうち、値の最も小さい観
測ベクトルアンダバーz1 kを追尾対象と相関がある観測
ベクトルと判定する。ここで、d1は追尾対象との相関
範囲を決めるパラメータであり、自由度2のχ自乗分布
により算出する。
【0071】
【数13】
【0072】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tkにおいて、2次元レーダ装置1により観測
される場合の平滑処理について述べる。ゲイン行列、平
滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマンフィ
ルタの理論により、式(40)〜(42)で与えられ
る。
【0073】
【数14】
【0074】次に、移動体の画像がサンプリング時刻t
kにおいて画像センサ装置2より観測され、画像処理に
より画像の代表点の俯角が出力される場合の相関処理に
ついて述べる。追尾対象からの俯角(観測ベクトル)
は、式(43)で与えられる予測位置ベクトルアンダバ
ーz2 k(−)を平均とし、式(44)で与えられるS2 k
を共分散行列とする1次元正規分布に従うとする。そこ
で、式(45)を満たす観測ベクトルアンダバーz2 k,i
のうち、値の最も小さい観測ベクトルアンダバーz2 k
追尾対象と相関がある観測ベクトルと判定する。ここ
で、d2は追尾対象との相関範囲を決めるパラメータで
あり、自由度1のχ自乗分布により算出する。
【0075】
【数15】
【0076】次に、追尾対象の観測ベクトルがサンプリ
ング時刻tkにおいて、画像センサ装置2より観測され
る場合の平滑処理について述べる。ゲイン行列、平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマンフィルタ
の理論により、式(46)〜式(48)で与えられる。
【0077】
【数16】
【0078】次に、追尾領域に新たな追尾対象が進入し
た場合の追尾初期化方法について述べる。サンプリング
時刻tk-1及びサンプリング時刻tkにおいて、どの既追
尾対象とも相関のとれない新たな追尾対象の観測ベクト
ルが2次元レーダ装置1から連続して得られた場合、こ
れらの観測ベクトルをそれぞれアンダバーz1 k-1及びア
ンダバーz1 kとする。追尾対象の進入箇所の道路高の代
表値をy0とすると、式(1)及び式(2)の関係より
式(49)及び式(50)が得られるので、アンダバー
1 k-1及びアンダバーz1 kはこれらの式を用いて基準座
標に変換することができる。
【0079】
【数17】
【0080】基準座標に変換後のアンダバーz1 k-1及び
アンダバーz1 kを、それぞれアンダバーu1 k-1及びアン
ダバーu1 kとすると、平滑ベクトル及び平滑誤差共分散
行列の初期値は式(51)及び式(52)を用いて算出
できる。ここで、Γ1 2(k)は2次元レーダ装置1の観
測座標系より基準座標系のx−z平面への観測雑音ベク
トルの変換行列である。
【0081】
【数18】
【0082】次に、この実施の形態1に係る移動体追尾
装置の動作及び方法を具体的に説明する。まず、2次元
レーダ装置1では、レーダ観測座標系で移動体の距離及
び方位角を観測し、その結果(観測ベクトル)を距離・
方位角相関器3に出力する。距離・方位角相関器3で
は、2次元レーダ装置1から観測ベクトルを受け取る
と、その観測ベクトルから追尾対象と相関のある観測ベ
クトルを採用するため、距離・方位角確率分布算出器1
2により算出された距離及び方位角の確率分布S1 k(式
(38)を参照)を用いて、追尾対象と相関の可能性の
ある観測ベクトルを式(39)を用いて選択する。そし
て、選択された観測ベクトルのうち式(39)の値の最
も小さい観測ベクトルアンダバーz1 kを追尾対象の観測
ベクトルと判定し、距離・方位角による平滑器7に出力
する。一方、どの追尾対象の観測ベクトルとも判定され
ない観測ベクトルは、第2の座標変換器4に出力する
(ステップST1)。
【0083】第2の座標変換器4は、距離方位角相関器
3からどの追尾対象とも相関のない観測ベクトルアンダ
バーz1 kを受け取ると、式(49)及び式(50)を用
いて高度y0の基準座標系の観測ベクトルアンダバーu1
kに変換し、初期値算出器5に出力する。初期値算出器
5は、第2の座標変換器4から基準座標系の観測ベクト
ルアンダバーu1 kを2サンプル連続して受け取ると、平
滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列の初期値を式(5
1)及び式(52)に従い算出する(ステップST
2)。
【0084】距離・方位角ゲイン行列算出器6では、第
2の遅延回路11から出力された予測誤差共分散行列
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共
分散行列)と、距離・方位角観測行列算出器8から出力
された式(18)の2次元レーダ装置1の観測行列と予
め設定された式(16)の2次元レーダ装置1の観測雑
音共分散行列とから距離及び方位角のゲイン行列K1 k
式(40)に従い算出する(ステップST3)。
【0085】距離・方位角による平滑器7では、距離・
方位角相関器3から出力された追尾対象の観測ベクトル
アンダバーz1 kと、第3の座標変換器23から出力され
た距離及び方位角の予測値(現時刻より1サンプリング
前に算出された予測値)と、距離・方位角ゲイン行列算
出器6により算出されたゲイン行列K1 kとを用いて、追
尾対象の位置及び速度の平滑ベクトルを式(41)に従
い算出する(ステップST4)。
【0086】距離・方位角観測行列算出器8では、第3
の座標変換器23から出力された距離と方位角の予測値
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測値)を
入力し、2次元レーダ装置1の観測行列を式(18)に
従い算出する(ステップST5)。
【0087】距離・方位角データによる平滑誤差評価器
9では、第3の座標変換器23から出力された距離及び
方位角の予測値(現時刻より1サンプリング前に算出さ
れた予測値)と、距離・方位角観測行列算出器8から出
力された2次元レーダ装置1の観測行列と、距離・方位
角ゲイン行列算出器6から出力されたゲイン行列K
1 kと、第2の遅延回路11から出力された予測誤差共分
散行列(現時刻より1サンプリング前に算出された予測
誤差共分散行列)とから平滑誤差共分散行列を式(4
1)に従い算出する(ステップST6)。
【0088】予測誤差評価器A10では、距離・方位角
データによる平滑誤差評価器9から出力された平滑誤差
共分散行列と、初期値算出器5から出力された新規追尾
対象の平滑誤差共分散行列を入力し、予測誤差共分散行
列を式(32)に従い算出する(ステップST7)。
【0089】距離・方位角確率分布算出器12は、第2
の遅延回路11から出力された予測誤差共分散行列(現
時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散
行列)と、距離・方位角観測行列算出器8から出力され
た2次元レーダ装置1の観測行列と、予め設定された式
(16)の2次元レーダ装置1の観測雑音共分散行列と
を入力し、現時刻での存在が予測される追尾対象の距離
及び方位角の確率分布S1 kを式(38)に従い算出する
(ステップST8)。
【0090】一方、画像センサ装置2では、画像から画
像センサ観測座標系で移動体の俯角を検出し、その結果
(観測ベクトル)を俯角相関器13に出力する。俯角相
関器13では、画像センサ装置2から観測ベクトルを受
け取ると、その観測ベクトルから追尾対象と相関のある
観測ベクトルを選択するため、俯角確率分布算出器20
により算出された俯角の確率分布S2 k(式(44)を参
照)を用いて、追尾対象と相関の可能性のある観測ベク
トルを式(45)を用いて選択する。そして、選択され
た観測ベクトルのうち式(45)の値の最も小さい観測
ベクトルアンダバーz2 kを追尾対象の観測ベクトルと判
定し、俯角による平滑器15に出力する(ステップST
9)。
【0091】俯角ゲイン行列算出器14では、第3の遅
延回路19から出力された予測誤差共分散行列(現時刻
より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行
列)と、俯角観測行列算出器16から出力された式(2
5)の画像センサ装置2の観測行列と予め設定された式
(23)の画像センサ装置2の観測雑音分散とから俯角
のゲイン行列K2 kを式(46)に従い算出する(ステッ
プST10)。
【0092】俯角による平滑器15では、俯角相関器1
3から出力された追尾対象の観測ベクトルアンダバーz
2 kと、第1の座標変換器24から出力された俯角の予測
値(現時刻より1サンプリング前に算出された予測値)
と、俯角ゲイン行列算出器14により算出されたゲイン
行列K2 kとを用いて、追尾対象の位置及び速度の平滑ベ
クトルを式(47)に従い算出する(ステップST1
1)。
【0093】俯角観測行列算出器16では、第1の座標
変換器24から出力された俯角の予測値(現時刻より1
サンプリング前に算出された予測値)を入力し、画像セ
ンサ装置2の観測行列を式(25)に従い算出する(ス
テップST12)。
【0094】俯角データによる平滑誤差評価器17で
は、第1の座標変換器24から出力された俯角の予測値
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測値)
と、俯角観測行列算出器16から出力された画像センサ
装置2の観測行列と、俯角ゲイン行列算出器14から出
力されたゲイン行列K2 kと、第3の遅延回路19から出
力された予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリン
グ前に算出された予測誤差共分散行列)とから平滑誤差
共分散行列を式(48)に従い算出する(ステップST
13)。
【0095】予測誤差評価器B18では、俯角データに
よる平滑誤差評価器17から出力された平滑誤差共分散
行列を入力し、予測誤差共分散行列を式(32)に従い
算出する(ステップST14)。
【0096】俯角確率分布算出器20は、第3の遅延回
路19から出力された予測誤差共分散行列(現時刻より
1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列)
と、俯角観測行列算出器16から出力された画像センサ
装置2の観測行列と、予め設定された式(23)の画像
センサ装置2の観測雑音分散とを入力し、現時刻での存
在が予測される追尾対象の俯角の確率分布S2 kを式(4
4)に従い算出する(ステップST15)。
【0097】上記のようにして、距離・方位角による平
滑器7または俯角による平滑器17または初期値算出器
5が追尾対象の位置及び速度の平滑値を算出すると、位
置・速度予測器21は、これらのどちらかの平滑値と予
め設定された追尾対象の運動モデルを用いて、現時刻よ
り1サンプリング後の追尾対象の予測ベクトル(位置及
び速度)を式(31)に従い算出し、第1の遅延回路2
2に出力する(ステップST16)。
【0098】そして、次に追尾対象を観測するセンサが
2次元レーダ装置1の場合は、第3の座標変換器23が
第1の遅延回路22から予測ベクトルを入力し、式
(1)、式(2)、式(19)を使用して2次元レーダ
装置1を基準とする極座標に変換する。一方、次に追尾
対象を観測するセンサが画像センサ装置2の場合は、第
1の座標変換器24が第1の遅延回路22から予測ベク
トルを入力し、式(3)、式(4)、式(26)を使用
して画像センサ装置2を基準とする極座標に変換する。
以上、追尾終了になるまでこの一連の処理をくり返す。
【0099】以上で明らかなように、この実施の形態1
によれば、距離・方位角観測行列算出器8において、2
次元レーダ装置1の観測モデルを3次元予測ベクトルの
まわりで線形近似した観測行列を算出し、距離・方位角
による平滑器7で、この観測行列と、距離及び方位角の
観測ベクトルを用いて3次元位置及び速度の平滑ベクト
ルを算出し、また、俯角観測行列算出器16において、
画像センサ装置2の観測モデルを3次元予測ベクトルの
まわりで線形近似した観測行列を算出し、俯角による平
滑器15で、この観測行列と、俯角の観測ベクトルを用
いて3次元位置及び速度の平滑ベクトルを算出する構成
としている。
【0100】このため、追尾対象の追尾開始領域の道路
高の情報を利用することによって初期値算出器5により
算出した3次元位置及び速度の初期値をもとに、2次元
レーダ装置1の観測する距離及び方位角と、画像センサ
装置2の観測する俯角とを用いて逐次的に追尾対象の3
次元位置及び速度を推定することができる。従って、2
次元レーダと俯角を観測する画像センサを併用すること
により、移動体の3次元運動を追尾できる効果を奏す
る。
【0101】なお、この実施の形態1は、2次元レーダ
装置1や画像センサ装置2の代わりにレーザ装置や音波
センサ装置を用いて追尾対象の距離及び方位角を観測し
た場合にも適用可能である。また、この実施の形態1で
は、3次元位置及び速度の初期位置の計算に2次元レー
ダ装置1の観測ベクトルを用いているが、画像センサ装
置2の観測ベクトルを用いて計算してもよい。
【0102】実施の形態2.図8は、この実施の形態2
による移動体追尾装置及び方法を説明するための構成図
である。図8において、図1に示す実施の形態1と同一
部分は同一符号を付してその説明は省略する。すなわ
ち、1、3〜12、21〜24は実施の形態1と同一部
分を示し、その説明は省略する。
【0103】2は後述する画像センサ観測座標系におい
て画像を観測し、移動体の代表点の方位角を出力する本
実施の形態2に係る画像センサ装置、25は画像センサ
装置2から画像センサ観測座標系における追尾対象の方
位角を入力し、これらの観測ベクトルのうち、追尾対象
が存在する可能性の高い観測ベクトルを、方位角確率分
布算出器30から入力した追尾対象の方位角の確率分布
をもとに選択する方位角相関器、26は第3の遅延回路
19から出力される現時刻より1サンプリング前に算出
された予測誤差共分散行列と、後述する方位角観測行列
算出器28から出力される方位角の観測行列と、画像セ
ンサ装置2の観測誤差分散とから方位角のゲイン行列を
算出する方位角ゲイン行列算出器である。
【0104】27は方位角相関器25により選択された
観測ベクトル、第1の座標変換器24から出力される方
位角の予測ベクトルと3次元予測ベクトル、方位角ゲイ
ン行列算出器26により算出された方位角のゲイン行列
を用いて追尾対象の3次元位置及び速度の平滑ベクトル
を算出する方位角による平滑器、28は第1の座標変換
器24から出力される方位角の予測ベクトルを入力し、
方位角の観測行列を算出する方位角観測行列算出器であ
る。
【0105】29は方位角データによる平滑誤差評価器
であって、第1の座標変換器24から出力される方位角
の予測ベクトルと、方位角観測行列算出器28から出力
される方位角の観測行列と、方位角ゲイン行列算出器2
6から出力される方位角のゲイン行列と、第3の遅延回
路19から出力される現時刻より1サンプリング前に算
出された予測誤差共分散行列とを用いて追尾対象の3次
元位置及び速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行
列を算出する。
【0106】18は方位角データによる平滑誤差評価器
29により算出された平滑誤差共分散行列を入力し、追
尾対象の3次元位置及び速度の予測誤差を評価する予測
誤差共分散行列を算出する予測誤差評価器Bである。1
9は予測誤差評価器B18により算出された予測誤差共
分散行列を1サンプリング時間だけ遅延して出力する第
3の遅延回路、30は第3の遅延回路19の出力する予
測誤差共分散行列と、方位角観測行列算出器28で算出
した方位角の観測行列と、予め設定された画像センサ装
置2の観測誤差分散を入力し、追尾対象の方位角の確率
分布を算出する方位角確率分布算出器である。
【0107】21は初期値算出器5、距離・方位角によ
る平滑器7、方位角による平滑器27のいずれかから出
力される追尾対象の3次元位置及び速度から成る3次元
平滑ベクトルと、予め設定された追尾対象の運動モデル
を用いて現時刻より1サンプリング後の追尾対象の3次
元予測位置及び予測速度から成る3次元予測ベクトルを
算出する位置・速度予測器、22は位置・速度予測器2
1により算出された追尾対象の3次元予測ベクトルを1
サンプリング時間だけ遅延して出力する第1の遅延回路
である。
【0108】23は第1の遅延回路22の出力する現時
刻より1サンプリング前の追尾対象の3次元予測ベクト
ルを距離及び方位角の予測ベクトルに座標変換し、これ
と変換前の3次元予測ベクトルを出力する第2の座標変
換器、24は第1の遅延回路22の出力する現時刻より
1サンプリング前の追尾対象の3次元予測ベクトルを方
位角の予測ベクトルに座標変換し、これと変換前の3次
元予測ベクトルを出力する第3の座標変換器である。
【0109】次に動作について説明する。最初に、この
実施の形態2による移動体追尾装置及び方法の動作原理
を説明する。ただし、2次元レーダ装置1と画像センサ
装置2の観測座標系の定義、観測座標系と基準座標系の
関係、移動体の運動モデル、2次元レーダ装置1の観測
モデルの定義に関して、すなわち、式(1)〜式(1
9)に表される関係と、2次元レーダ装置1の相関処理
及び平滑処理に関して、すなわち、式(37)〜式(4
2)に表される関係と、追尾初期化方法に関して、すな
わち、式(49)〜式(52)で表される関係とについ
ては実施の形態1と同様である。
【0110】追尾対象の方位角がサンプリング時刻tk
に画像センサ装置2より観測される場合の画像センサ装
置2の観測モデルを式(53)により表す。ただし、ア
ンダバーz3 kはサンプリング時刻tkにおける画像セン
サ装置2の方位角の観測ベクトルである。h3(アンダ
バーxk)は画像センサ装置2の観測ベクトルの真値
で、式(3)及び式(4)より式(54)で表される。
アンダバーν3 kはサンプリング時刻tkにおける画像セ
ンサ装置2の観測雑音ベクトルであり、平均アンダバー
Oの1次元白色正規分布で、式(55)及び(56)で
表される。なお、R 3 kはサンプリング時刻tkにおける
画像センサ装置2の観測雑音分散である。
【0111】
【数19】
【0112】画像センサ装置2の真値h3(アンダバー
k)の線形近似は式(57)より得られる。式(5
8)は画像センサ装置2の観測行列である。ここで、R
p、Ep及びAzpは3次元予測ベクトルアンダバーハッ
トxk(−)を式(3)、式(4)及び式(26)の関
係式を用いて画像センサ観測座標系における距離、俯
角、方位角に変換したものである。
【0113】
【数20】
【0114】サンプリング時刻tkにおける追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の2次元レーダ装置
1または画像センサ装置2からの観測ベクトルの総数を
s k、観測ベクトルの全体をZs kとし(式(59)を参
照)、サンプリング時刻t1からtkまでの2次元レーダ
装置1または画像センサ装置2からの観測ベクトル全体
をZk,sとする(式(60)を参照)。また、Zk,sに対
する観測数の全体を式(61)とし、さらにまた、式
(62)とする。ここで、s=1は2次元レーダ装置1
を、s=3は画像センサ装置2をそれぞれ表す。
【0115】
【数21】
【0116】次に、サンプリング時刻tk-1までの2次
元レーダ装置1または画像センサ装置により観測された
観測ベクトルZs kが得られているときの、サンプリング
時刻tkにおけるアンダバーxkの予測ベクトルをアンダ
バーハットxk(−)、予測誤差共分散行列をPk(−)
とすると、それぞれ条件付平均ベクトル、条件付共分散
行列で定義され、式(63)及び式(64)で表され
る。
【数22】
【0117】ここで、アンダバーハットxk(+)及び
k(+)はそれぞれ前サンプリング時刻tk-1の平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列であり、前サンプリング
時刻に2次元レーダ装置1からの観測ベクトルを処理し
た場合には式(65)及び式(66)、画像センサ装置
2からの観測ベクトルを処理した場合には式(67)及
び式(68)である。これらの算出方法については後で
述べる。
【0118】
【数23】
【0119】次に、移動体の画像がサンプリング時刻t
kにおいて画像センサ装置2より観測され、画像処理に
より画像の代表点の方位角が出力される場合の相関処理
について述べる。追尾対象からの観測ベクトルは、式
(63)で与えられる予測位置ベクトルアンダバーz3 k
(−)を平均とし、式(64)で与えられるS3 kを共分
散行列とする1次元正規分布に従うとする。そこで、式
(65)を満たす観測ベクトルアンダバーz3 k,iのう
ち、値の最も小さい観測ベクトルアンダバーz3 kを追尾
対象と相関がある観測ベクトルと判定する。ここで、d
3は追尾対象との相関範囲を決めるパラメータであり、
自由度1のχ自乗分布により算出する。
【0120】
【数24】
【0121】次に、追尾対象の観測ベクトルがサンプリ
ング時刻tkにおいて、画像センサ装置2より観測され
る場合の平滑処理について述べる。ゲイン行列、平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマンフィルタ
の理論により、次式で与えられる。
【0122】
【数25】
【0123】次に、この実施の形態2に係る移動体追尾
装置の動作及び方法を具体的に説明する。2次元レーダ
装置1で、移動体の距離及び方位角を観測し、距離・方
位角確率分布算出器12で、現時刻での存在が予測され
る追尾対象の距離及び方位角の確率分布S1 kを算出する
までは実施の形態1と同一動作を行う。
【0124】画像センサ装置2では、画像から画像セン
サ観測座標系で移動体の方位角を検出し、その結果(観
測ベクトル)を方位角相関器25に出力する。方位角相
関器25では、画像センサ装置2から観測ベクトルを受
け取ると、その観測ベクトルから追尾対象と相関のある
観測ベクトルを選択するため、方位角確率分布算出器3
0により算出された方位角の確率分布S3 k(式(70)
を参照)を用いて、追尾対象と相関の可能性のある観測
ベクトルを式(71)を用いて選択する。そして、選択
された観測ベクトルのうち式(71)の値の最も小さい
観測ベクトルアンダバーz3 kを追尾対象の観測ベクトル
と判定し、方位角による平滑器33に出力する(ステッ
プST9)。
【0125】方位角ゲイン行列算出器32では、第3の
遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列(現時
刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行
列)と、方位角観測行列算出器28から出力された式
(54)の画像センサ装置2の観測行列と予め設定され
た式(56)の画像センサ装置2の観測雑音分散とから
方位角のゲイン行列K3 kを式(72)に従い算出する
(ステップST10)。
【0126】方位角による平滑器27では、方位角相関
器25から出力された追尾対象の観測ベクトルアンダバ
ーz3 kと、第1の座標変換器24から出力された方位角
の予測値(現時刻より1サンプリング前に算出された予
測値)と、方位角ゲイン行列算出器26により算出され
たゲイン行列K3 kとを用いて、追尾対象の位置及び速度
の平滑ベクトルを式(73)に従い算出する(ステップ
ST11)。
【0127】方位角観測行列算出器28では、第1の座
標変換器24から出力された方位角の予測値(現時刻よ
り1サンプリング前に算出された予測値)を入力し、画
像センサ装置2の観測行列を式(58)に従い算出する
(ステップST12)。
【0128】方位角データによる平滑誤差評価器29で
は、第1の座標変換器24から出力された方位角の予測
値(現時刻より1サンプリング前に算出された予測値)
と、方位角観測行列算出器28から出力された画像セン
サ装置2の観測行列と、方位角ゲイン行列算出器26か
ら出力されたゲイン行列K3 kと、第3の遅延回路19か
ら出力された予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプ
リング前に算出された予測誤差共分散行列)とから平滑
誤差共分散行列を式(74)に従い算出する(ステップ
ST13)。
【0129】予測誤差評価器B18では、方位角データ
による平滑誤差評価器29から出力された平滑誤差共分
散行列を入力し、予測誤差共分散行列を式(64)に従
い算出する(ステップST14)。
【0130】方位角確率分布算出器30は、第3の遅延
回路19から出力された予測誤差共分散行列(現時刻よ
り1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列)
と、方位角観測行列算出器28から出力された画像セン
サ装置2の観測行列と、予め設定された式(56)の画
像センサ装置2の観測雑音分散とを入力し、現時刻での
存在が予測される追尾対象の方位角の確率分布S3 kを式
(70)に従い算出する(ステップST15)。
【0131】上記のようにして、距離・方位角による平
滑器7または方位角による平滑器27または初期値算出
器5が追尾対象の位置及び速度の平滑値を算出すると、
位置・速度予測器21はこれらのどちらかの平滑値と予
め設定された追尾対象の運動モデルを用いて、現時刻よ
り1サンプリング後の追尾対象の予測ベクトル(位置及
び速度)を式(63)に従い算出し、第1の遅延回路2
2に出力する(ステップST16)。
【0132】そして、次に追尾対象を観測するセンサが
2次元レーダ装置1の場合は、第3の座標変換器23が
第1の遅延回路22から予測ベクトルを入力し、式
(1)、式(2)、式(19)を使用して2次元レーダ
装置1を基準とする極座標に変換する。一方、次に追尾
対象を観測するセンサが画像センサ装置2の場合は、第
1の座標変換器24が第1の遅延回路22から予測ベク
トルを入力し、式(3)、式(4)、式(26)を使用
して画像センサ装置を基準とする極座標に変換する。以
上、追尾終了になるまでこの一連の処理をくり返す。
【0133】以上で明らかなように、この実施の形態2
によれば、距離・方位角観測行列算出器8において、2
次元レーダ装置1の観測モデルを3次元予測ベクトルの
まわりで線形近似した観測行列を算出し、距離・方位角
による平滑器7で、この観測行列と、距離及び方位角の
観測ベクトルを用いて3次元位置及び速度の平滑ベクト
ルを算出し、また、方位角観測行列算出器28におい
て、画像センサ装置2の観測モデルを3次元予測ベクト
ルのまわりで線形近似した観測行列を算出し、方位角に
よる平滑器27で、この観測行列と、方位角の観測ベク
トルを用いて3次元位置及び速度の平滑ベクトルを算出
する構成としている。
【0134】このため、追尾対象の追尾開始領域の道路
高の情報を利用することによって初期値算出器5により
算出した3次元位置及び速度の初期値をもとに、2次元
レーダ装置1の観測する距離及び方位角と、画像センサ
装置2の観測する俯角とを用いて逐次的に追尾対象の3
次元位置及び速度を推定することができる。従って、2
次元レーダと方位角を観測する画像センサを併用するこ
とにより、移動体の3次元運動を追尾できる効果を奏す
る。
【0135】なお、この実施の形態2は、2次元レーダ
装置の代わりにレーザ装置や音波センサ装置を用いて追
尾対象の距離及び方位角を観測した場合にも適用可能で
ある。また、この実施の形態2では、3次元位置及び速
度の初期位置の計算に2次元レーダ装置1の観測ベクト
ルを用いているが、画像センサ装置2の観測ベクトルを
用いて計算してもよい。
【0136】実施の形態3.図9は、この実施の形態3
による移動体追尾装置及び方法を説明するための構成図
である。図9において、図1に示す実施の形態1と同一
部分は同一符号を付してその説明は省略する。すなわ
ち、1、3〜12、21〜24は実施の形態1と同一部
分を示し、その説明は省略する。
【0137】2は画像センサ観測座標系において画像を
観測し、移動体の代表点の方位角を出力する本実施の形
態3に係る画像センサ装置である。31は画像センサ装
置2から画像センサ観測座標系における追尾対象の俯角
及び方位角を入力し、これらの観測ベクトルのうち、追
尾対象が存在する可能性の高い観測ベクトルを、俯角・
方位角確率分布算出器37から入力した追尾対象の俯角
及び方位角の確率分布をもとに選択する俯角・方位角相
関器である。
【0138】32は第3の遅延回路19から出力される
現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分
散行列と、後述する俯角・方位角観測行列算出器28か
ら出力される俯角及び方位角の観測行列と、画像センサ
装置2の観測誤共分散行列とから俯角及び方位角のゲイ
ン行列を算出する俯角・方位角ゲイン行列算出器であ
る。
【0139】33は俯角・方位角相関器31により選択
された観測ベクトル、第1の座標変換器24から出力さ
れる俯角及び方位角の予測ベクトルと3次元予測ベクト
ル、俯角・方位角ゲイン行列算出器32により算出され
た俯角及び方位角のゲイン行列を用いて追尾対象の3次
元位置及び速度の平滑ベクトルを算出する俯角・方位角
による平滑器である。
【0140】34は第1の座標変換器24から出力され
る俯角及び方位角の予測ベクトルを入力し、俯角及び方
位角の観測行列を算出する俯角・方位角観測行列算出
器、35は俯角・方位角データによる平滑誤差評価器で
あって、第1の座標変換器24から出力される俯角及び
方位角の予測ベクトルと、俯角・方位角観測行列算出器
34から出力される俯角及び方位角の観測行列と、俯角
・方位角ゲイン行列算出器32から出力される俯角及び
方位角のゲイン行列と、第3の遅延回路19から出力さ
れる現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差
共分散行列とを用いて追尾対象の3次元位置及び速度の
平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を算出する。
【0141】18は俯角・方位角データによる平滑誤差
評価器35により算出された平滑誤差共分散行列を入力
し、追尾対象の3次元位置及び速度の予測誤差を評価す
る予測誤差共分散行列を算出する予測誤差評価器Bであ
る。19は予測誤差評価器B18により算出された予測
誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延して出力
する第3の遅延回路、37は第3の遅延回路19の出力
する予測誤差共分散行列と、俯角・方位角観測行列算出
器34で算出した俯角及び方位角の観測行列と、予め設
定された画像センサ装置2の観測誤差共分差行列を入力
し、追尾対象の俯角及び方位角の確率分布を算出する俯
角・方位角確率分布算出器である。
【0142】21は初期値算出器5、距離・方位角によ
る平滑器7、俯角・方位角による平滑器33のいずれか
から出力される追尾対象の3次元位置及び速度から成る
3次元平滑ベクトルと、予め設定された追尾対象の運動
モデルを用いて現時刻より1サンプリング後の追尾対象
の3次元予測位置及び予測速度から成る3次元予測ベク
トルを算出する位置・速度予測器である。
【0143】22は位置・速度予測器21により算出さ
れた追尾対象の3次元予測ベクトルを1サンプリング時
間だけ遅延して出力する第1の遅延回路、23は第1の
遅延回路22の出力する現時刻より1サンプリング前の
追尾対象の3次元予測ベクトルを距離及び方位角の予測
ベクトルに座標変換し、これと変換前の3次元予測ベク
トルを出力する第2の座標変換器、24は第1の遅延回
路22の出力する現時刻より1サンプリング前の追尾対
象の3次元予測ベクトルを俯角及び方位角の予測ベクト
ルに座標変換し、これと変換前の3次元予測ベクトルを
出力する第3の座標変換器である。
【0144】次に動作について説明する。最初に、この
実施の形態3による移動体追尾装置及び方法の動作原理
を説明する。ただし、2次元レーダ装置1と画像センサ
装置2の観測座標系の定義、観測座標系と基準座標系の
関係、移動体の運動モデル、2次元レーダ装置1の観測
モデルの定義に関して、すなわち、式(1)〜式(1
9)に表される関係と、2次元レーダ装置1の相関処理
及び平滑処理に関して、すなわち、式(37)〜式(4
2)に表される関係と、追尾初期化方法に関して、すな
わち、式(49)〜式(52)で表される関係とについ
ては実施の形態1と同様である。
【0145】追尾対象の俯角及び方位角がサンプリング
時刻tkに画像センサ装置2より観測される場合の画像
センサ装置2の観測モデルを式(75)により表す。た
だし、アンダバーz4 kはサンプリング時刻tkにおける
画像センサ装置2の俯角及び方位角の観測ベクトルであ
る。h4(アンダバーxk)は画像センサ装置2の観測ベ
クトルの真値で、式(3)及び式(4)より式(76)
で表される。アンダバーν4 kはサンプリング時刻tk
おける画像センサ装置2の観測雑音ベクトルであり、平
均アンダバーOの2次元白色正規分布で、式(77)及
び(78)で表される。なお、R4 kはサンプリング時刻
kにおける画像センサ装置2の観測雑音共分散行列で
ある。
【0146】
【数26】
【0147】画像センサ装置2の真値h4(アンダバー
k)の線形近似は式(78)より得られる。式(7
9)は画像センサ装置2の観測行列である。ここで、R
p、Ep及びAzpは3次元予測ベクトルアンダバーハッ
トxk(−)を式(3)、式(4)及び式(26)の関
係式を用いて画像センサ観測座標系における距離、俯
角、方位角に変換したものである。
【0148】
【数27】
【0149】サンプリング時刻tkにおける追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の2次元レーダ装置
1または画像センサ装置2からの観測ベクトルの総数を
s k、観測ベクトルの全体をZs kとし(式(81)を参
照)、サンプリング時刻t1からtkまでの2次元レーダ
装置1または画像センサ装置2からの観測ベクトル全体
をZk,sとする(式(82)を参照)。また、Zk,sに対
する観測数の全体を式(83)とし、さらにまた、式
(84)とする。ここで、s=1は2次元レーダ装置1
を、s=4は画像センサ装置2をそれぞれ表す。
【0150】
【数28】
【0151】次に、サンプリング時刻tk-1までの2次
元レーダ装置1または画像センサ装置により観測された
観測ベクトルZs kが得られているときの、サンプリング
時刻tkにおけるアンダバーxkの予測ベクトルをアンダ
バーハットxk(−)、予測誤差共分散行列をPk(−)
とすると、それぞれ条件付平均ベクトル、条件付共分散
行列で定義され、式(85)及び式(86)で表され
る。
【数29】
【0152】ここで、アンダバーハットxk(+)及び
k(+)はそれぞれ前サンプリング時刻tk-1の平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列であり、前サンプリング
時刻tk -1に2次元レーダ装置1からの観測ベクトルを
処理した場合には式(87)及び式(88)、画像セン
サ装置2からの観測ベクトルを処理した場合には式(8
9)及び式(90)である。これらの算出方法について
は後で述べる。
【0153】
【数30】
【0154】次に、移動体の画像がサンプリング時刻t
kにおいて画像センサ装置2より観測され、画像処理に
より画像の代表点の俯角及び方位角が出力される場合の
相関処理について述べる。追尾対象からの観測ベクトル
は、式(91)で与えられる予測位置ベクトルアンダバ
ーz4 k(−)を平均とし、式(92)で与えられるS 4 k
を共分散行列とする2次元正規分布に従うとする。そこ
で、式(93)を満たす観測ベクトルアンダバーz4 k,i
のうち、値の最も小さい観測ベクトルアンダバーz4 k
追尾対象と相関がある観測ベクトルと判定する。ここ
で、d4は追尾対象との相関範囲を決めるパラメータで
あり、自由度2のχ自乗分布により算出する。
【0155】
【数31】
【0156】次に、追尾対象の観測ベクトルがサンプリ
ング時刻tkにおいて、画像センサ装置2より観測され
る場合の平滑処理について述べる。ゲイン行列、平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマンフィルタ
の理論により、次式で与えられる。
【0157】
【数32】
【0158】次に、この発明の移動体追尾装置の動作及
び方法を具体的に説明する。2次元レーダ装置1で、移
動体の距離及び方位角を観測し、距離・方位角確率分布
算出器12で、現時刻での存在が予測される追尾対象の
距離及び方位角の確率分布S1 kを算出するまでは実施の
形態1と同一動作を行う。
【0159】画像センサ装置2では、画像から画像セン
サ観測座標系で移動体の俯角及び方位角を検出し、その
結果(観測ベクトル)を俯角・方位角相関器31に出力
する。俯角・方位角相関器31では、画像センサ装置2
から観測ベクトルを受け取ると、その観測ベクトルから
追尾対象と相関のある観測ベクトルを選択するため、俯
角・方位角確率分布算出器37により算出された俯角及
び方位角の確率分布S 4 k(式(92)を参照)を用い
て、追尾対象と相関の可能性のある観測ベクトルを式
(93)を用いて選択する。そして、選択された観測ベ
クトルのうち式(93)の値の最も小さい観測ベクトル
アンダバーz4 kを追尾対象の観測ベクトルと判定し、俯
角・方位角による平滑器33に出力する(ステップST
9)。
【0160】俯角・方位角ゲイン行列算出器32では、
第3の遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共
分散行列)と、俯角・方位角観測行列算出器34から出
力された式(80)の画像センサ装置2の観測行列と予
め設定された式(78)の画像センサ装置2の観測雑音
共分散行列とから俯角及び方位角のゲイン行列K4 kを式
(94)に従い算出する(ステップST10)。
【0161】俯角・方位角による平滑器33では、俯角
・方位角相関器31から出力された追尾対象の観測ベク
トル と、第1の座標変換器24から出力された俯角及
び方位角の予測値(現時刻より1サンプリング前に算出
された予測値)と、俯角・方位角ゲイン行列算出器32
により算出されたゲイン行列K4 kとを用いて、追尾対象
の位置及び速度の平滑ベクトルを式(95)に従い算出
する(ステップST11)。
【0162】俯角・方位角観測行列算出器34では、第
1の座標変換器24から出力された俯角及び方位角の予
測値(現時刻より1サンプリング前に算出された予測
値)を入力し、画像センサ装置2の観測行列を式(8
0)に従い算出する(ステップST12)。
【0163】俯角・方位角データによる平滑誤差評価器
35では、第1の座標変換器24から出力された俯角及
び方位角の予測値(現時刻より1サンプリング前に算出
された予測値)と、俯角・方位角観測行列算出器34か
ら出力された画像センサ装置2の観測行列と、俯角・方
位角ゲイン行列算出器32から出力されたゲイン行列
と、第3の遅延回路19から出力された予測誤差共分散
行列(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤
差共分散行列)とから平滑誤差共分散行列を式(96)
に従い算出する(ステップST13)。
【0164】予測誤差評価器B18では、俯角・方位角
データによる平滑誤差評価器35から出力された平滑誤
差共分散行列を入力し、予測誤差共分散行列を式(8
6)に従い算出する(ステップST14)。
【0165】俯角・方位角確率分布算出器37は、第3
の遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列(現
時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散
行列)と、俯角・方位角観測行列算出器34から出力さ
れた画像センサ装置2の観測行列と、予め設定された式
(78)の画像センサ装置2の観測誤差共分散行列とを
入力し、現時刻での存在が予測される追尾対象の俯角及
び方位角の確率分布S 4 kを式(92)に従い算出する
(ステップST15)。
【0166】上記のようにして、距離・方位角による平
滑器7または俯角及び方位角による平滑器33または初
期値算出器5が追尾対象の位置及び速度の平滑値を算出
すると、位置・速度予測器21はこれらのどちらかの平
滑値と予め設定された追尾対象の運動モデルを用いて、
現時刻より1サンプリング後の追尾対象の予測ベクトル
(位置及び速度)を式(85)に従い算出し、第1の遅
延回路22に出力する(ステップST16)。
【0167】そして、次に追尾対象を観測するセンサが
2次元レーダ装置1の場合は、第3の座標変換器23が
第1の遅延回路22から予測ベクトルを入力し、式
(1)、式(2)、式(19)を使用して2次元レーダ
装置1を基準とする極座標に変換する。一方、次に追尾
対象を観測するセンサが画像センサ装置2の場合は、第
1の座標変換器24が第1の遅延回路22から予測ベク
トルを入力し、式(3)、式(4)、式(26)を使用
して画像センサ装置を基準とする極座標に変換する。以
上、追尾終了になるまでこの一連の処理をくり返す。
【0168】以上で明らかなように、この実施の形態3
によれば、距離・方位角観測行列算出器8において、2
次元レーダ装置1の観測モデルを3次元予測ベクトルの
まわりで線形近似した観測行列を算出し、距離・方位角
による平滑器7で、この観測行列と、距離及び方位角の
観測ベクトルを用いて3次元位置及び速度の平滑ベクト
ルを算出し、また、俯角・方位角観測行列算出器34に
おいて、画像センサ装置2の観測モデルを3次元予測ベ
クトルのまわりで線形近似した観測行列を算出し、俯角
・方位角による平滑器33で、この観測行列と、俯角及
び方位角の観測ベクトルを用いて3次元位置及び速度の
平滑ベクトルを算出する構成としている。
【0169】このため、追尾対象の追尾開始領域の道路
高の情報を利用することによって初期値算出器5により
算出した3次元位置及び速度の初期値をもとに、2次元
レーダ装置1の観測する距離及び方位角と、画像センサ
装置2の観測する俯角とを用いて逐次的に追尾対象の3
次元位置及び速度を推定することができる。従って、2
次元レーダと俯角及び方位角を観測する画像センサを併
用することにより、移動体の3次元運動を追尾できる効
果を奏する。また、画像センサ装置2の俯角及び方位角
の観測データを用いて平滑ベクトルを算出しているの
で、実施の形態1または実施の形態2に比べて追尾性能
が良い。
【0170】なお、この実施の形態は、2次元レーダ装
置の代わりにレーザ装置や音波センサ装置を用いて追尾
対象の距離及び方位角を観測した場合にも適用可能であ
る。また、この実施の形態では、3次元位置及び速度の
初期位置の計算に2次元レーダ装置1の観測ベクトルを
用いているが、画像センサ装置2の観測ベクトルを用い
て計算してもよい。
【0171】実施の形態4.図10は、この実施の形態
4による移動体追尾装置及び方法を説明するための構成
図である。図10において、図1に示す実施の形態1と
同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。すな
わち、1、3〜12、21〜24は実施の形態1と同一
部分を示し、その説明は省略する。
【0172】38は2次元レーダ装置1と同様にレーダ
観測座標系において移動体の距離及び方位角を出力する
2次元レーダ装置Bである。39は2次元レーダ装置B
38からレーダ観測座標系における追尾対象の距離及び
方位角を入力し、これらの観測ベクトルのうち、追尾対
象が存在する可能性の高い観測ベクトルを、距離・方位
角確率分布算出器B44から入力した追尾対象の距離及
び方位角の確率分布をもとに選択する距離・方位角相関
器Bである。
【0173】40は第3の遅延回路19から出力される
現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分
散行列と、後述する距離・方位角観測行列算出器B42
から出力されるレーダ観測行列と、2次元レーダ装置B
38の観測誤差共分散行列とから距離と方位角のゲイン
行列を算出する距離・方位角ゲイン行列算出器Bであ
る。
【0174】41は距離・方位角相関器B39により選
択された観測ベクトル、第3の座標変換器19から出力
される距離及び方位角の予測ベクトルと3次元予測ベク
トル、距離・方位角ゲイン行列算出器B40により算出
された距離と方位角のゲイン行列を用いて追尾対象の3
次元位置及び速度の平滑ベクトルを算出する距離・方位
角による平滑器B、42は第1の座標変換器24から出
力される距離及び方位角の予測ベクトルを入力し、距離
・方位角の観測行列を算出する距離・方位角観測行列算
出器Bである。
【0175】43は距離・方位角データによる平滑誤差
評価器Bであって、第1の座標変換器24から出力され
る距離及び方位角の予測ベクトルと、距離・方位角観測
行列算出器B42から出力される距離・方位角の観測行
列と、距離・方位角ゲイン行列算出器B40から出力さ
れる距離と方位角のゲイン行列と、第3の遅延回路19
から出力される現時刻より1サンプリング前に算出され
た予測誤差共分散行列とを用いて追尾対象の3次元位置
及び速度の平滑誤差を評価する平滑誤差共分散行列を算
出する。
【0176】18は距離・方位角データによる平滑誤差
評価器B43により算出された平滑誤差共分散行列を入
力し、追尾対象の3次元位置及び速度の予測誤差を評価
する予測誤差共分散行列を算出する予測誤差評価器Bで
ある。19は予測誤差評価器B18により算出された予
測誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延して出
力する第3の遅延回路、44は第3の遅延回路19の出
力する予測誤差共分散行列と、距離・方位角観測行列算
出器B42で算出した距離・方位角の観測行列と、予め
設定された2次元レーダ装置B38の観測誤差共分散行
列を入力し、追尾対象の距離及び方位角の確率分布を算
出する距離・方位角確率分布算出器である。
【0177】21は距離・方位角による平滑器7、距・
方位角による平滑器B41のいずれかから出力される追
尾対象の3次元位置及び速度から成る3次元平滑ベクト
ルと、予め設定された追尾対象の運動モデルを用いて現
時刻より1サンプリング後の追尾対象の3次元予測位置
及び予測速度から成る3次元予測ベクトルを算出する位
置・速度予測器である。
【0178】22は位置・速度予測器21により算出さ
れた追尾対象の3次元予測ベクトルを1サンプリング時
間だけ遅延して出力する第1の遅延回路、23は第1の
遅延回路22の出力する現時刻より1サンプリング前の
追尾対象の3次元予測ベクトルを距離及び方位角の予測
ベクトルに座標変換し、これと変換前の3次元予測ベク
トルを出力する第2の座標変換器、24は第1の遅延回
路22の出力する現時刻より1サンプリング前の追尾対
象の3次元予測ベクトルを距離及び方位角の予測ベクト
ルに座標変換し、これと変換前の3次元予測ベクトルを
出力する第3の座標変換器である。
【0179】次に動作について説明する。最初に、この
実施の形態4による移動体追尾装置及び方法の動作原理
を説明する。ただし、2次元レーダ装置1観測座標系の
定義、観測座標系と基準座標系の関係、移動体の運動モ
デル、2次元レーダ装置1の観測モデルの定義に関し
て、すなわち、式(1)、式(2)、式(5)〜式(1
9)に表される関係と、2次元レーダ装置1の相関処理
及び平滑処理に関して、すなわち、式(37)〜式(4
2)に表される関係と、追尾初期化方法に関して、すな
わち、式(49)〜式(52)で表される関係とについ
ては実施の形態1と同様である。ただし、基準座標系に
おける2次元レーダ装置B38の取り付け位置は、それ
ぞれ(xu,hu,zu)とする。
【0180】次に追尾対象の距離及び方位角がサンプリ
ング時刻tkに2次元レーダ装置B38より観測される
場合の2次元レーダ装置B38の観測モデルを式(9
7)とする。ただし、アンダバーz5 kはサンプリング時
刻tkにおけるレーダ観測装置B38の観測ベクトルで
ある。h5(アンダバーxk)は2次元レーダ装置B38
の観測ベクトルの真値で、式(1)及び式(2)より式
(98)で表される。アンダバーν5 kはサンプリング時
刻tkにおける2次元レーダ装置B38の観測雑音ベク
トルであり、平均アンダバーOの2次元白色正規分布
で、式(99)及び(100)で表される。なお、R5 k
はサンプリング時刻tkにおける2次元レーダ装置B3
8の観測雑音共分散行列である。
【0181】
【数33】
【0182】2次元レーダ装置B38の真値h5(アン
ダバーxk)の線形近似は式(101)より得られる。
式(102)は2次元レーダ装置B38の観測行列であ
る。ここで、Rp、Ep及びAzpは3次元予測ベクトル
アンダバーハットxk(−)を式(1)、式(2)及び
式(19)の関係式を用いてレーダ観測座標系における
距離、俯角、方位角に変換したものである。
【0183】
【数34】
【0184】サンプリング時刻tkにおける追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の2次元レーダ装置
1または2次元レーダ装置B38からの観測ベクトルの
総数をms k、観測ベクトルの全体をZs kとし(式(10
4)を参照)、サンプリング時刻t1からtkまでの2次
元レーダ装置1または2次元レーダ装置B38からの観
測ベクトル全体をZk,sとする(式(105)を参
照)。また、Zk,sに対する観測数の全体を式(10
6)とし、さらにまた、式(107)とする。ここで、
s=1は2次元レーダ装置1を、s=5は2次元レーダ
装置B38をそれぞれ表す。
【0185】
【数35】
【0186】次に、サンプリング時刻tk-1までの2次
元レーダ装置1または画像センサ装置により観測された
観測ベクトルZs kが得られているときの、サンプリング
時刻tkにおけるアンダバーxkの予測ベクトルをアンダ
バーハットxk(−)、予測誤差共分散行列をPk(−)
とすると、それぞれ条件付平均ベクトル、条件付共分散
行列で定義され、式(108)及び式(109)で表さ
れる。
【0187】
【数36】
【0188】ここで、アンダバーハットxk(+)及び
k(+)はそれぞれ前サンプリング時刻tk-1の平滑ベ
クトル及び平滑誤差共分散行列であり、前サンプリング
時刻tk-1に2次元レーダ装置1からの観測ベクトルを
処理した場合には式(110)及び式(111)、2次
元レーダ装置B38からの観測ベクトルを処理した場合
には式(112)及び式(113)である。これらの算
出方法については後で述べる。
【0189】
【数37】
【0190】次に、移動体の距離及び方位角(観測ベク
トル)がサンプリング時刻tkにおいて、2次元レーダ
装置B38より観測される場合の相関処理について述べ
る。追尾対象からの観測ベクトルは、式(114)で与
えられる予測位置ベクトルアンダバーz1 k(−)を平均
とし、式(115)で与えられるS5 kを共分散行列とす
る2次元正規分布に従うとする。そこで、式(116)
を満たす観測ベクトルアンダバーz5 k,iのうち、値の最
も小さい観測ベクトルアンダバーz5 kを追尾対象と相関
がある観測ベクトルと判定する。ここで、d5は追尾対
象との相関範囲を決めるパラメータであり、自由度2の
χ自乗分布により算出する。
【0191】
【数38】
【0192】次に、追尾対象の位置ベクトルがサンプリ
ング時刻tkにおいて、2次元レーダ装置B38により
観測される場合の平滑処理について述べる。ゲイン行
列、平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は拡張カルマ
ンフィルタの理論により、式(117)〜(119)で
与えられる。
【0193】
【数39】
【0194】次にこの発明の移動体追尾装置の動作及び
方法を具体的に説明する。2次元レーダ装置1で、移動
体の距離及び方位角を観測し、距離・方位角確率分布算
出器12で、現時刻での存在が予測される追尾対象の距
離及び方位角の確率分布S1 kを算出するまでは実施の形
態1と同一動作を行う。
【0195】2次元レーダ装置B38では、レーダ観測
座標系で移動体の距離及び方位角を観測し、その結果
(観測ベクトル)を距離・方位角相関器B39に出力す
る。距離・方位角相関器B39では2次元レーダ装置B
38から観測ベクトルを受け取ると、その観測ベクトル
から追尾対象と相関のある観測ベクトルを採用するた
め、距離・方位角確率分布算出器B44により算出され
た距離及び方位角の確率分布S5 k(式(115)を参
照)を用いて、追尾対象と相関の可能性のある観測ベク
トルを式(116)を用いて選択する。そして、選択さ
れた観測ベクトルのうち式(116)の値の最も小さい
観測ベクトルアンダバーz5 kを追尾対象の観測ベクトル
と判定し、距離・方位角による平滑器B41に出力する
(ステップST9)。
【0196】距離・方位角ゲイン行列算出器B40で
は、第3の遅延回路19から出力された予測誤差共分散
行列(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤
差共分散行列)と、距離・方位角観測行列算出器B42
から出力された式(102)の2次元レーダ装置B38
の観測行列と予め設定された式(100)の2次元レー
ダ装置B38の観測雑音共分散行列とから距離及び方位
角のゲイン行列K5 kを式(117)に従い算出する(ス
テップST10)。
【0197】距離・方位角による平滑器B41では、距
離・方位角相関器B39から出力された追尾対象の観測
ベクトルアンダバーz5 kと、第1の座標変換器24から
出力された距離及び方位角の予測値(現時刻より1サン
プリング前に算出された予測値)と、距離・方位角ゲイ
ン行列算出器B40により算出されたゲイン行列K5 k
を用いて、追尾対象の位置及び速度の平滑ベクトルを式
(118)に従い算出する(ステップST11)。距離
・方位角観測行列算出器B42では、第1の座標変換器
24から出力された距離と方位角の予測値(現時刻より
1サンプリング前に算出された予測値)を入力し、2次
元レーダ装置B38の観測行列を式(102)に従い算
出する(ステップST12)。
【0198】距離・方位角データによる平滑誤差評価器
B43では、第1の座標変換器24から出力された距離
及び方位角の予測値(現時刻より1サンプリング前に算
出された予測値)と、距離・方位角観測行列算出器B4
2から出力された2次元レーダ装置B38の観測行列
と、距離・方位角ゲイン行列算出器B40から出力され
たゲイン行列K5 kと、第3の遅延回路19から出力され
た予測誤差共分散行列(現時刻より1サンプリング前に
算出された予測誤差共分散行列)とから平滑誤差共分散
行列を式(119)に従い算出する(ステップST1
3)。
【0199】予測誤差評価器B18では、距離・方位角
データによる平滑誤差評価器B43から出力された平滑
誤差共分散行列を入力し、予測誤差共分散行列を式(1
09)に従い算出する(ステップST14)。
【0200】距離・方位角確率分布算出器B44は、第
3の遅延回路19から出力された予測誤差共分散行列
(現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共
分散行列)と、距離・方位角観測行列算出器B42から
出力された2次元レーダ装置B38の観測行列と、予め
設定された式(100)の2次元レーダ装置B38の観
測雑音共分散行列とを入力し、現時刻での存在が予測さ
れる追尾対象の距離及び方位角の確率分布S5 kを式(1
15)に従い算出する(ステップST15)。
【0201】上記のようにして、距離・方位角による平
滑器7または距離・方位角による平滑器B41または初
期値算出器5が追尾対象の位置及び速度の平滑値を算出
すると、位置・速度予測器21はこれらのどちらかの平
滑値と予め設定された追尾対象の運動モデルを用いて、
現時刻より1サンプリング後の追尾対象の予測ベクトル
(位置及び速度)を式(108)に従い算出し、第1の
遅延回路22に出力する(ステップST16)。
【0202】そして、次に追尾対象を観測するセンサが
2次元レーダ装置1の場合は、第3の座標変換器23が
第1の遅延回路22から予測ベクトルを入力し、式
(1)、式(2)、式(19)を使用して2次元レーダ
装置1を基準とする極座標に変換する。一方、次に追尾
対象を観測するセンサが2次元レーダ装置B38の場合
は、第1の座標変換器24が第1の遅延回路22から予
測ベクトルを入力し、式(1)、式(2)、式(19)
を使用して2次元レーダ装置B38を基準とする極座標
に変換する。以上、追尾終了になるまでこの一連の処理
をくり返す。
【0203】以上で明らかなように、この実施の形態4
によれば、距離・方位角観測行列算出器8において、2
次元レーダ装置1の観測モデルを3次元予測ベクトルの
まわりで線形近似した観測行列を算出し、距離・方位角
による平滑器7で、この観測行列と、距離及び方位角の
観測ベクトルを用いて3次元位置及び速度の平滑ベクト
ルを算出し、また、距離・方位角観測行列算出器B42
において、2次元レーダ装置B38の観測モデルを3次
元予測ベクトルのまわりで線形近似した観測行列を算出
し、距離・方位角による平滑器B41で、この観測行列
と、距離及び方位角の観測ベクトルを用いて3次元位置
及び速度の平滑ベクトルを算出する構成としている。
【0204】このため、追尾対象の追尾開始領域の道路
高の情報を利用することによって初期値算出器5により
算出した3次元位置及び速度の初期値をもとに、2次元
レーダ装置1の観測する距離及び方位角と、2次元レー
ダ装置B38の観測する距離及び方位角とを用いて逐次
的に追尾対象の3次元位置及び速度を推定することがで
きる。従って、2つの2次元レーダ装置を併用すること
により、移動体の3次元運動を追尾できる効果を奏す
る。
【0205】なお、この実施の形態4は、2次元レーダ
装置の代わりにレーザ装置や音波センサ装置を用いて追
尾対象の距離及び方位角を観測した場合にも適用可能で
ある。また、レーダ装置を更に増やしても同様の処理に
より追尾対象の3次元位置及び速度を推定することがで
きる。
【0206】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、追尾
対象としての移動体の距離及び方位角を観測する第1の
観測手段またはステップと、俯角を観測する第2の観測
手段またはステップとを併用することにより、追尾対象
の3次元位置及び速度を推定することができる。
【0207】また、移動体の距離及び方位角を観測する
第1の観測手段またはステップと、方位角を観測する第
2の観測手段またはステップとを併用することにより、
追尾対象の3次元位置及び速度を推定することができ
る。
【0208】また、移動体の距離及び方位角を観測する
第1の観測手段またはステップと、俯角及び方位角を観
測する第2の観測手段またはステップとを併用すること
により、追尾対象の3次元位置及び速度を推定すること
ができる。
【0209】さらに、移動体の距離及び方位角を観測す
る第1の観測手段またはステップと、距離及び方位角を
観測する第2の観測手段またはステップとを併用するこ
とにより、追尾対象の3次元位置及び速度を推定するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による移動体追尾装
置及び方法を説明するための構成図である。
【図2】 図1の2次元レーダ装置1及び画像センサ装
置2による追尾対象の観測状態を示す概念図である。
【図3】 図1の2次元レーダ装置1を原点とするレー
ダ座標系o(r)−x( r)(r)(r)を示す説明図である。
【図4】 レーダ座標系を基準とする極座標(R,Az
r)をレーダ観測座標系とする説明図である。
【図5】 図1の画像センサ装置2の焦点を原点o(c)
とし、画像センサ装置2前方をz(c)軸負の方向、画像
センサ装置2左手をx(c)軸負の方向、画像センサ装置
上方をy(c)軸正の方向とする座標系o(c)−x(c)(c)
(c)を画像センサ座標系とする説明図(上面図)であ
る。
【図6】 図1の画像センサ装置2の焦点を原点o(c)
とし、画像センサ装置2前方をz(c)軸負の方向、画像
センサ装置2左手をx(c)軸負の方向、画像センサ装置
上方をy(c)軸正の方向とする座標系o(c)−x(c)(c)
(c)を画像センサ座標系とする説明図(側面図)であ
る。
【図7】 画像センサ座標系を基準とする極座標(E,
Azc)を画像センサ観測座標系とする説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による移動体追尾装
置及び方法を説明するための構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態3による移動体追尾装
置及び方法を説明するための構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態4による移動体追尾
装置及び方法を説明するための構成図である。
【図11】 従来例による移動体追尾装置を説明するた
めの構成図である。
【符号の説明】
1 2次元レーダ装置、2 画像センサ装置、7 距離
・方位角による平滑器、15 俯角による平滑器、23
第3の座標変換器、24 第1の座標変換器、27
方位角による平滑器、33 俯角・方位角による平滑
器、38 2次元レーダ装置B、41 距離・方位角に
よる平滑器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01S 7/295 G01S 7/295 C (72)発明者 小菅 義夫 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 5H180 AA01 AA21 CC03 CC04 CC11 CC14 DD03 5J070 AC01 AC06 AE01 AE09 AF01 AH04 AH19 AJ02 AK01 AK13 BB04 BB06 BD06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測手段と、 追尾対象の俯角を観測する第2の観測手段と、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測手段によって観測された距離及び方位角とを
    用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1の
    平滑手段と、 追尾対象の3次元座標の俯角予測値と、前記第2の観測
    手段によって観測された俯角を用いて追尾対象の3次元
    座標の平滑値を演算する第2の平滑手段とを備えた移動
    体追尾装置。
  2. 【請求項2】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測手段と、 追尾対象の方位角を観測する第2の観測手段と、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測手段によって観測された距離及び方位角とを
    用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1の
    平滑手段と、 追尾対象の3次元座標の方位角予測値と、前記第2の観
    測手段によって観測された方位角を用いて追尾対象の3
    次元座標の平滑値を演算する第2の平滑手段とを備えた
    移動体追尾装置。
  3. 【請求項3】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測手段と、 追尾対象の俯角及び方位角を観測する第2の観測手段
    と、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測手段によって観測された距離及び方位角を用
    いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1の平
    滑手段と、 追尾対象の3次元座標の方位角予測値と、前記第2の観
    測手段によって観測された俯角及び方位角を用いて追尾
    対象の3次元座標の平滑値を演算する第2の平滑手段と
    を備えた移動体追尾装置。
  4. 【請求項4】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測手段と、 追尾対象の距離及び方位角を観測する第2の観測手段
    と、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測手段によって観測された距離及び方位角を用
    いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1の平
    滑手段と、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第2の観測手段によって観測された距離及び方位角を用
    いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第2の平
    滑手段とを備えた移動体追尾装置。
  5. 【請求項5】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測ステップと、 追尾対象の俯角を観測する第2の観測ステップと、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測ステップによって観測された距離及び方位角
    を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1
    の平滑ステップと、 追尾対象の3次元座標の俯角予測値と、第2の観測手段
    によって観測された俯角を用いて追尾対象の3次元座標
    の平滑値を演算する第2の平滑ステップとを備えた移動
    体追尾方法。
  6. 【請求項6】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測ステップと、 追尾対象の方位角を観測する第2の観測ステップと、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測ステップによって観測された距離及び方位角
    を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1
    の平滑ステップと、 追尾対象の3次元座標の方位角予測値と、前記第2の観
    測ステップによって観測された方位角を用いて追尾対象
    の3次元座標の平滑値を演算する第2の平滑ステップと
    を備えた移動体追尾方法。
  7. 【請求項7】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測ステップと、 追尾対象の俯角及び方位角を観測する第2の観測ステッ
    プと、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測ステップによって観測された距離及び方位角
    を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1
    の平滑ステップと、 追尾対象の3次元座標の俯角予測値と、前記第2の観測
    ステップによって観測された俯角及び方位角を用いて追
    尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第2の平滑ステ
    ップとを備えた移動体追尾方法。
  8. 【請求項8】 追尾対象としての移動体の距離及び方位
    角を観測する第1の観測ステップと、 追尾対象の距離及び方位角を観測する第2の観測ステッ
    プと、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第1の観測ステップによって観測された距離及び方位角
    を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第1
    の平滑ステップと、 追尾対象の3次元座標の距離及び方位角予測値と、前記
    第2の観測ステップによって観測された距離及び方位角
    を用いて追尾対象の3次元座標の平滑値を演算する第2
    の平滑ステップとを備えた移動体追尾方法。
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