JP3859908B2 - 目標追尾装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、目標の位置及び属性を観測し、その観測結果に基づいて目標を追尾する目標追尾装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、例えば特開平5−288840号公報に示された従来の目標追尾装置を示す構成図である。図7において、31は目標の位置及び属性を観測し、目標の位置を示す位置データと目標の属性を示す属性データとを出力する目標観測装置、32は目標観測装置31から出力された位置データ及び属性データを運動諸元相関器34に転送する観測諸元転送装置、33は現時刻より1サンプリング前に算出された予測値に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の平均ベクトルを算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と予め設定された観測誤差共分散行列とに基づいて追尾目標からの位置ベクトルの確率分布の誤差共分散行列を求める運動諸元確率分布算出器、34は運動諸元確率分布算出器33により算出された確率分布と予め設定されたパラメータから、追尾目標との相関の可能性のある観測データを選択する運動諸元相関器である。
【0003】
また、35は1サンプリング前に算出された属性信頼度またはその初期値と、目標観測装置31により仮説の元で観測された属性データの信頼度に基づいて追尾目標からの属性データの確率分布を算出する属性データ確率分布算出器、36は観測データの仮説の信頼度と、目標観測装置31により仮説の元で観測された属性データの信頼度と、現時刻より1サンプリング前に算出された追尾目標の属性信頼度とを入力し、追尾目標の属性信頼度を算出する追尾目標属性信頼度算出器、37は追尾目標属性信頼度算出器36により算出された追尾目標の属性信頼度を1サンプリング時間だけ遅延する第2の遅延回路、38は属性データ確率分布算出器35から出力された属性データの確率分布と予め設定されたパラメータとから、追尾目標と相関の可能性のある観測データを選択する属性相関器である。
【0004】
さらに、39は観測データの仮説を生成する観測データ仮説生成器、40は運動諸元確率分布算出器33から出力された運動諸元の確率分布と、属性データ確率分布算出器35から出力された属性データの確率分布と、予め設定された目標観測装置31の探知確率と、追尾目標が目標予測存在範囲内に存在する確率とから、観測データの仮説の信頼度を算出する観測データ信頼度算出器、41は1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と予め設定された観測誤差共分散行列とからゲイン行列を算出するゲイン行列算出器、42はゲイン行列と、観測データの仮説の信頼度と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と、属性相関器38により選択された観測データとから平滑誤差共分散行列を算出する平滑誤差評価器、43はゲイン行列算出器41から出力されたゲイン行列と、観測データ信頼度算出器40から出力された観測データの仮説の信頼度と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値と、属性相関器38により選択された観測データとから平滑値を算出する平滑器である。
【0005】
さらに、44は平滑誤差評価器42から出力された平滑誤差共分散行列と駆動雑音共分散行列とから予測誤差共分散行列を算出する予測誤差評価器、45は平滑器43により算出された平滑値から予測値を算出する予測器、46は予測器45により算出された予測値と、予測誤差評価器44により算出された予測誤差共分散行列を1サンプリング時間だけ遅延する第1の遅延回路である。
【0006】
次に動作について説明する。
まず、目標観測装置31は、追尾目標の位置及び属性(例えば、追尾目標の特徴、レーダエコー強度等)を観測し、その追尾目標の位置を示す位置データと追尾目標の属性を示す属性データとを出力するが、追尾目標以外のクラッタなどを追尾目標と判定することがある。
【0007】
そこで、運動諸元確率分布算出器33は、現時刻より1サンプリング前に算出された予測ベクトルに基づいて追尾目標の運動諸元の確率分布の平均ベクトルを算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と予め設定された観測誤差共分散行列とに基づいて追尾目標の運動諸元の確率分布の共分散行列を算出する。
そして、運動諸元確率分布算出器33は、平均ベクトルと確率分布の共分散とから、追尾目標の運動諸元の確率分布を求める。
このようにして、運動諸元確率分布算出器33が運動諸元の確率分布を求めると、運動諸元相関器34は、その運動諸元の確率分布と予め設定されたパラメータdとから追尾目標と相関の可能性のある観測データを選択する(図4の例では、D1,D2,D3,D4の位置を示す観測データを選択する)。
【0008】
また、運動諸元相関器34により選択された観測データの中から、更に追尾目標と相関関係の大きい観測データを選択するため、まず、追尾目標属性信頼度算出器36が、観測データの仮説Jaの信頼度βk,i と、目標観測装置31により仮説Jaのもとで観測された属性データ k,id(i)の信頼度P( k,id(i)|Ja)と、現時刻より1サンプリング前に算出された追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk- )とに基づいて、追尾目標の属性信頼度P(Ja|Zk )を算出すると、属性データ確率分布算出器35が、1サンプリング前に算出された属性信頼度P(Ja|Zk- )又はその初期値P(Ja)と、目標観測装置31により仮説Jaのもとで観測された属性データ k,id(i)の信頼度P( k,id(i)|Ja)に基づいて追尾目標からの属性データの確率分布F(i)を算出する。
【0009】
このようにして、属性データ確率分布算出器35が属性データの確率分布を算出すると、属性相関器38は、その属性データの確率分布F(i)と予め設定されたパラメータCとから、追尾目標と相関の可能性のある観測データを選択する。
【0010】
そして、属性相関器38が追尾目標と相関関係がある観測データを選択すると、観測データ仮説生成器39は、属性相関器38で選択した観測データが、追尾目標からの観測データであるか否かの仮説を生成する。
そして、観測データ信頼度算出器40は、運動諸元確率分布算出器33から出力された運動諸元の確率分布と、属性データ確率分布算出器35から出力された属性データの確率分布と、予め設定された目標観測装置31の探知確率PD と、追尾目標が目標予測存在範囲内に存在する確率PGkとから、観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。
【0011】
そして、観測データ信頼度算出器40が観測データの仮説の信頼度を算出すると、ゲイン行列算出器41が、1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と予め設定された観測誤差共分散行列とからゲイン行列を算出し、平滑誤差評価器42が、ゲイン行列と、観測データの仮説の信頼度と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測ベクトルと、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列と、属性相関器38により選択された観測データとから平滑誤差共分散行列を算出し、平滑器43は、ゲイン行列と観測データの仮説の信頼度と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測ベクトルと、属性相関器38により選択された観測データとから平滑ベクトルを算出する。
【0012】
このようにして、平滑器43が平滑ベクトルを算出すると、予測誤差評価器44が、平滑誤差共分散行列と予め設定された駆動雑音共分散行列とから予測誤差共分散行列を算出し、予測器45は、追尾目標の平滑ベクトルと、予め設定された目標の運動モデルに従って、次サンプリング時刻の追尾目標の予測ベクトルを算出する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
従来の目標追尾装置は以上のように構成されているので、属性データの真値が追尾目標あるいは追尾目標の所属するカテゴリに固有の一定値の場合、もしくはその変化の小さい場合には効果を有するが、例えば、レーダやソナーで目標を観測した場合に得られるレーダエコー強度や音波エコー強度をもとに算出できる目標の有効反射断面積のように、レーダに対する目標のアスペクト角によって真値が大きく変動する属性データは、目標の運動によって、レーダに対する目標のアスペクト角が変化した場合に属性データによる相関判定及び仮説の信頼度計算の信頼性が著しく低下することにより、追尾性能が劣化するという問題点があった。
【0014】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、目標からの反射エコー強度のように、レーダに対する目標のアスペクト角によって属性データの真値が大きく変動する場合にも精度良く追尾を維持できる目標追尾装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標の位置および属性を観測し、前記追尾目標の位置を示す位置観測データおよび前記追尾目標の属性を示す属性観測データを出力する観測手段と、該観測手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の存在確率分布を参照して前記追尾目標と位置観測データとの相関を判定し、相関関係がある場合には当該位置観測データを出力する位置相関手段と、該位置相関手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の属性観測データの確率分布を参照して前記位置相関手段から出力された位置観測データに係る属性観測データと前記追尾目標との相関を判定し、相関関係がある場合には当該観測データを出力する属性相関手段と、所定サンプル数の過去の属性観測データの推定値から算出した前記追尾目標の属性観測データの統計量から前記属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布算出手段と、前記属性相関手段から出力された観測データに基づいて前記追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段と、該平滑手段から出力された追尾目標の位置および速度から前記追尾目標のアスペクト角を算出するアスペクト角算出手段と、該アスペクト角算出手段から出力された前記追尾目標のアスペクト角の変化率の大小を判定するアスペクト角変化率判定手段と、該アスペクト角変化率判定手段により追尾目標のアスペクト角の変化率が小さいと判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布および属性観測データの確率分布を基にして観測データの信頼度を算出し、前記アスペクト角変化率判定手段により前記追尾目標のアスペクト角の変化率が大きいと判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布を基にして観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段とを備えるようにしたものである。
【0017】
この発明に係る目標追尾装置は、アスペクト角変化率判定手段により追尾目標のアスペクト角の変化率が大きいと判定された際に、属性データ確率分布算出手段および属性相関手段において処理を実施しないようにしたものである。
【0018】
この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標の位置および属性を観測し、前記追尾目標の位置を示す位置観測データおよび前記追尾目標の属性を示す属性観測データを出力する観測手段と、該観測手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の存在確率分布を参照して前記追尾目標と位置観測データとの相関を判定し、相関関係がある場合には当該位置観測データを出力する位置相関手段と、該位置相関手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の属性観測データの確率分布を参照して前記位置相関手段から出力された位置観測データに係る属性観測データと前記追尾目標との相関を判定し、相関関係がある場合には当該観測データを出力する属性相関手段と、所定サンプル数の過去の属性観測データの推定値から算出した前記追尾目標の属性観測データの統計量から前記属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布算出手段と、前記属性相関手段から出力された観測データに基づいて前記追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段と、該平滑手段から出力された追尾目標の位置および速度を基にして前記追尾目標が旋回運動をしているか否かを判定する旋回判定手段と、該旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていないと判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布および属性観測データの確率分布を基にして観測データの信頼度を算出し、前記旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていると判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布を基にして観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段とを備えるようにしたものである。
【0019】
この発明に係る目標追尾装置は、旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていると判定された際に、属性データ確率分布算出手段および属性相関手段において処理を実施しないようにしたものである。
【0020】
この発明に係る目標追尾装置は、平滑手段から出力された追尾目標の位置および速度から、直進および旋回を仮定した複数の運動モデルを用いて前記追尾目標の位置をそれぞれ予測する複数の運動モデルによる予測手段と、複数の運動モデルによる予測位置と前記追尾目標の存在確率分布の広がりとから、複数の運動モデルの信頼度を算出する運動モデルの信頼度算出手段とを備え、旋回判定手段が運動モデルの信頼度を基にして前記追尾目標が旋回運動をしているか否かを判定するようにしたものである。
【0021】
この発明に係る目標追尾装置は、追尾目標の位置および属性を観測し、前記追尾目標の位置を示す位置観測データおよび前記追尾目標の属性を示す属性観測データを出力する観測手段と、該観測手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の存在確率分布を参照して前記追尾目標と位置観測データとの相関を判定し、相関関係がある場合には当該位置観測データを出力する位置相関手段と、該位置相関手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の属性観測データの確率分布を参照して前記位置相関手段から出力された位置観測データに係る属性観測データと前記追尾目標との相関を判定し、相関関係がある場合には当該観測データを出力する属性相関手段と、過去のサンプリング情報を基に前記追尾目標を識別し、前記追尾目標のボディ型式等の情報を出力する目標識別手段と、前記観測手段が観測する可能性のある全ての追尾目標のボディ型式について、任意のアスペクト角と、これを中心として予め仮定された追尾目標のアスペクト角のゆらぎ量により計算された属性観測データの統計量との関係を格納する属性データ統計値データベースと、前記目標識別手段から出力された前記追尾目標の識別結果を基に、前記属性データ統計値データベースから前記追尾目標の属性観測データの統計量を検索して、属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布検索手段と、前記追尾目標の存在確率分布と属性観測データの確率分布とから観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段と、前記属性相関手段から出力された観測データと前記観測データの信頼度に基づいて前記追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段とを備えるようにしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図である。図において、1は追尾目標の位置及び属性を観測し、その追尾目標の位置を示す位置観測データ k,trk (i)と追尾目標の属性を示す属性観測データ k,att (i)を出力する目標観測装置(観測手段)、2は目標観測装置1から出力された位置観測データ k,trk (i)及び属性観測データ k,att (i)をそれぞれ運動諸元相関器4に転送する観測諸元転送装置である。
また、3は現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)(特許出願明細書における使用文字の制限から後述の式(25)に記載されているように^ととを上下に並べて表記することができないが、同一の対象を表示するものであることに留意されたい。以下において同様とする。)に基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均ベクトル k,trk (−)を算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とに基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk,trk を算出し、平均ベクトル k,trk (−)と確率分布の広がりSk,trk とに基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布A(i)を求める運動諸元確率分布算出器、4は運動諸元確率分布算出器3により算出された確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdtrk から、追尾目標と相関の可能性のある位置観測データ k,trk (i)を選択する運動諸元相関器(位置相関手段)である。
【0023】
また、5は第2の遅延回路9より出力された現時刻より1サンプリング前の属性観測データ k,att (i)とその信頼度βk,i とから属性観測データの推定値^ k,att を算出し、過去Nサンプルの属性観測データの推定値から追尾目標の属性観測データの推定値の平均ベクトル k,att (−)と分布の広がりSk,att とを算出し、平均ベクトル k,att (−)と確率分布の広がりSk,att とに基づいて追尾目標からの属性データの確率分布B(i)を求める属性データ確率分布算出器
(属性データ確率分布算出手段)、6は運動諸元相関器4により選択された観測データ k,trk (i)のうち、属性データ確率分布算出器5により算出された確率分布B(i)と予め設定されたパラメータdatt から、追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,att (i)を選択する属性相関器(属性相関手段)である。
【0024】
7は属性相関器6により選択された観測データ k,i に基づき観測データの仮説χk,i を生成する観測データ仮説生成器、8は属性相関器6により選択された観測データ k,i と、運動諸元確率分布算出器3から出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力された属性データの確率分布B(i)と、予め設定された目標観測装置1の探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGk,trkGk,attと、誤検出発生頻度βk FT から、観測データ仮説生成器7で生成した観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する観測データ信頼度算出器(観測データ信頼度算出手段)、9は観測データ信頼度算出器8により算出された信頼度βk,i を1サンプリング時間だけ遅延する第2の遅延回路、10は1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とからゲイン行列Kk を算出するゲイン行列算出器、11はゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,trk (i)とから平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出する平滑誤差評価器、12はゲイン行列算出器10から出力されたゲイン行列Kk と、観測データ信頼度算出器8から出力された観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,trk (i)とから追尾目標の平滑値^ k (+)を算出する平滑器(平滑手段)である。
【0025】
13は平滑誤差評価器11から出力された平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk- から予測誤差共分散行列Pk (−)を算出する予測誤差評価器、14は平滑器12により算出された平滑値^ k (+)から予め仮定された運動モデルに基づき追尾目標の予測値^ k (−)を算出する予測器、15は予測誤差評価器13により算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、予測器14により算出された予測値^ k (−)を1サンプリング時間だけ遅延する第1の遅延回路である。
【0026】
さらに、16は現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)から目標観測装置1から見た追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k を算出するアスペクト角算出器(アスペクト角算出手段)、17はアスペクト角平均値算出器18から出力されたアスペクト角の平均値を基準にアスペクト角算出器16から出力されたアスペクト角の推定値Ψ k の変化の大きさを判定し、その変化の大きさが許容範囲を超えたと判定した場合に属性データ確率分布算出器5に対して処理を行わないように命令するアスペクト角変化率判定器(アスペクト角変化率判定手段)、18はアスペクト角変化率判定器17から出力された過去Lサンプリングのアスペクト角の推定値Ψ k の平均値Ψ k,ave を算出するアスペクト角平均値算出器である。
【0027】
次に動作について説明する。
具体的な動作を説明する前に、実施の形態1による目標追尾装置の原理を説明する。
まず、目標の運動を等速直線運動モデルと仮定した場合の運動モデルを式(1)とする。ただし、ベクトルを表す記号にはアンダーラインを付する。また、ベクトル k はサンプリング時刻tk における目標運動諸元の真値を表す状態ベクトルであり、目標観測装置を原点とする直交座標(以後この座標系を基準座標と呼ぶ)における目標位置ベクトルを式(2)、基準座標における目標速度ベクトルを式(3)とした時、目標運動諸元の真値を表す状態ベクトルは式(4)で表される。ここで、ベクトルAT はベクトルAの転置ベクトルを表す。
【0028】
【数1】
Figure 0003859908
【0029】
Φk- はサンプリング時刻tk- よりtk への状態ベクトル k の推移行列で、目標が等速直線運動を行うと仮定した場合には式(5)で表される。ここで、Iは式(6)に示す単位行列を表し、0Iは3行3列の零行列である。
【0030】
【数2】
Figure 0003859908
【0031】
例えば、目標の運動モデルを等速直線運動と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓl (k−1) k- とみれば、サンプリング時刻tk における駆動雑音ベクトル k は加速度ベクトルに相当し、Eを平均を表す記号として、式(7)および式(8)に示される平均0ベクトルの3次元正規分布白色雑音となる。
【0032】
【数3】
Figure 0003859908
【0033】
ここで、は零ベクトル、Qk はサンプリング時刻tk における駆動雑音共分散行列である。Γl (k)はサンプリング時刻tk における駆動雑音ベクトルの変換行列で、式(9)で表される。
【0034】
【数4】
Figure 0003859908
【0035】
次に観測モデルを以下のように定義する。追尾目標からのサンプリング時刻tk における位置観測データと属性観測データの組み(観測データ)を式(10)とする。ここで、ベクトル k,trk は目標の位置に関する観測ベクトルであり、またベクトル k,att は属性データに関する観測ベクトルである。
【0036】
【数5】
Figure 0003859908
【0037】
追尾目標の位置に関する観測モデルを式(11)のように定義する。ここで、Hはサンプリング時刻tk における観測行列である。また、ベクトル k はサンプリング時刻tk における目標観測ベクトルに対応した観測雑音ベクトルで、平均ベクトルの3次元正規白色雑音で、Eを平均を表す記号として式(12)、(13)を満たすものとする。なお、Rk はサンプリング時刻tk における観測誤差共分散行列である。
【0038】
【数6】
Figure 0003859908
【0039】
追尾目標以外からの観測データは空間に一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk における単位体積当たりの発生頻度をβk FT とし、追尾目標と相関を取るべき目標予測存在範囲の体積をVGkとしたとき、追尾目標以外からの観測データが目標予測存在範囲内に存在する総数は、平均βk FTGkのポアソン分布に従うとする。
【0040】
サンプリング時刻tk における追尾目標と相関をとるべき目標予測存在範囲内の観測データの総数mk と、観測データを式(14)で表す。ここで、ベクトル k,i はi番目の観測ベクトルであり、位置観測データの全体を式(15)、属性観測データの全体を式(16)、また位置観測データと属性観測データの全体を式(17)で表す。また、サンプリング時刻tq からtk までの位置の観測ベクトル及び属性の観測ベクトルの全体をそれぞれ式(18)及び式(19)で定義する。さらに、サンプリング時刻t1 からtk までの観測ベクトルの全体を式(20)で定義する。
【0041】
【数7】
Figure 0003859908
【0042】
次に追尾目標からの観測ベクトルの確率分布について示す。観測ベクトル k,i が追尾目標からの観測データのとき、この確率分布を条件付き確率密度関数で表すと、式(21)のようになる。
ここで、式(21)の右辺第1項は追尾目標からの位置データの確率分布であり、右辺第2項は追尾目標からの属性データの確率分布である。
【0043】
【数8】
Figure 0003859908
【0044】
追尾目標からの位置の確率分布は、式(22)に示す条件付き確率密度関数で表されるとする。ここで、式(22)の右辺は平均ベクトル k,trk (−)、共分散行列Sk,trk の3次元正規分布 k,trk (i)における確率密度である。すなわち、追尾目標からの観測データは式(23)で与えられる目標予測位置ベクトル k,trk (−)を平均とし、式(24)で与えられるSk,trk を共分散行列とする3次元正規分布に従うとする。ここで、ベクトル^ k (−)は予測値で、式(25)で表され、Pk (−)は予測誤差共分散行列で、式(26)で表される。
【0045】
【数9】
Figure 0003859908
【0046】
さて、目標観測装置として、レーダやソナーを考えた場合、目標から得られる属性観測データには、レーダエコー強度や音波エコー強度をもとに算出できる目標の有効反射断面積がある。例えば、レーダの場合、受信電力(レーダエコー強度)をPwr、送信電力をPwt、アンテナの利得をGt、アンテナの有効面積をAr、観測対象の距離をRとすると、有効反射面積τは式(27)により算出できる。
【0047】
【数10】
Figure 0003859908
【0048】
しかし、この属性データは、目標形状の複雑さに起因して、目標を観測する方向(アスペクト角)によって値が大きく変化する。すなわち、同一目標であっても、目標の運動や動揺によるアスペクト角の変化によって属性データの観測値は大きく変動する。しかし、目標が遠距離で直進している場合や、目標観測装置に接近もしくは離反している場合のように、アスペクト角の変化が小さい場合は、過去の観測値から得られる属性観測データの統計的性質を調べることにより、追尾目標であるか否か評価が可能である。
そこで、追尾目標からの属性データの確率分布を正規分布と仮定し、過去Nサンプルの属性観測データの推定値の平均 k,att (−)と分散Sk,att をそれぞれ式(28)及び式(29)により算出し、追尾目標からの属性データの確率分布は式(30)に示す条件付確率密度関数で表されるとする。ここで、過去のサンプリング時刻tj における追尾目標の属性データの推定値を^ j,att とする。なお、ここでは簡単のため属性データが1次元の場合について述べる。
【0049】
【数11】
Figure 0003859908
【0050】
次に、目標のアスペクト角の算出方法について述べる。図2に、状態ベクトル k が定義されている基準座標とサンプリング時刻tk における追尾目標の速度ベクトル k との関係を示す。また、図3に、運動座標とサンプリング時刻tk における目標のアスペクト角の推定値Ψ k =(θk ,ψk )との関係を示す。ここで、運動座標は、目標位置を原点、追尾目標の速度ベクトル k 方向をu軸の正、水平面に平行な面内で、速度ベクトルに垂直で左手方向をv軸の正、速度ベクトルに垂直で上向きをw軸の正に取った直交座標である。
追尾目標の速度ベクトル k を式(31)とおくと、基準座標と運動座標との関係は式(32)で表される。ここで、Fk は式(33)で示される行列である。また、図2から、式(34)及び式(35)の関係が導かれる。
【0051】
【数12】
Figure 0003859908
【0052】
運動座標における追尾目標の位置ベクトルは、サンプリング時刻tk における追尾目標予測位置ベクトル k,trk (−)を用いて式(36)で表される。従って、運動座標の原点を追尾目標の予測位置に平行移動した座標における目標観測装置の位置ベクトル(uk ,vk ,wkT は式(37)で表される。従って、図3の関係より、サンプリング時刻tk における追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k =(θk ,ψk )は式(38)及び式(39)により算出できる。
【0053】
【数13】
Figure 0003859908
【0054】
次に、アスペクト角の変化の大きさを判定する方法について述べる。観測誤差によるアスペクト角の見かけ上の変化の影響を排除するために、過去Lサンプルのアスペクト角の推定値Ψ k の平均値を式(40)により算出し、閾値判定を行う。すなわち、サンプリング時刻tk におけるアスペクト角の推定値Ψ k がlをパラメータとして式(41)を満たすときにのみ、追尾目標からの属性観測データが式(30)の確率分布を満たすものと判断する。
【0055】
【数14】
Figure 0003859908
【0056】
次に、位置観測データと追尾目標との相関方法について説明する。
観測ベクトル k,i の成分である位置観測ベクトル k,trk (i)がdtrk をパラメータとして式(42)を満たすとき、観測ベクトル k,i は追尾目標と相関があると仮に判定する。
【0057】
【数15】
Figure 0003859908
【0058】
図4は簡単な例として位置観測データの次元が2次元の場合について式(42)による観測データと追尾目標との相関を説明する図である。図においてPは追尾目標からの観測が予測される点である式(23)の目標予測位置ベクトル k,trk (−)、Qは相関をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線でパラメータdtrk 及び式(24)で与えられるSk,trk より線形代数学により算出され、D1〜D6は観測データである。
【0059】
追尾対象が相関をとるべき目標予測範囲内に存在する確率を式(43)に示すようにPGk,trkと書く。ここで、Gk,trk は式(44)で表される目標予測存在範囲の領域である。なお、確率論によりPGk,trkはdtrk の値によって一意的に決まる。
【0060】
【数16】
Figure 0003859908
【0061】
次に、属性観測データと追尾目標との相関方法について説明する。
この相関処理は、式(38)及び式(39)で算出されたサンプリング時刻tk における追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k =(θk ,ψk )が、式(41)を満たすときにのみ行う。この条件を満たすとき、かつ、観測ベクトル k,i の成分である属性観測データ k,att (i)がdatt をパラメータとして式(45)を満たすとき、観測ベクトル k,i は追尾目標と相関があると最終的に判定する。逆に、属性観測データ k,att (i)が式(45)を満たさないときは、位置観測ベクトル k,trk (i)が式(42)を満たしていても、追尾目標と相関がない観測データであると判定される。
一方、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k が、式(41)を満たさないときは、追尾目標からの属性データの確率分布の信頼性が低いため、この属性データによる相関処理は行わずに、式(42)を満たす位置観測ベクトル k,trk (i)を追尾目標と相関がある観測ベクトル k,i と最終的に判定する。
【0062】
【数17】
Figure 0003859908
【0063】
追尾目標の属性観測データ k,att (i)が式(45)を満たす確率を式(46)に示すようにPGk,attと書く。ここで、Gk,att は式(45)を満たす領域で、式(47)で表される。なお、確率論によりPGk,attはdatt の値によって一意的に決まる。
【0064】
【数18】
Figure 0003859908
【0065】
サンプリング時刻tk において、1つの観測データベクトル k,i が追尾目標からの観測ベクトルであるとの仮説をχk,i と書く。このとき、ベクトル k,i 以外の観測データは追尾目標以外、例えばクラッタ等の不要信号からの観測データと仮定している。また、追尾目標より観測ベクトルが得られないとの仮説をχk,0 と書く。サンプリング時刻tk までの情報Zk による仮説χk,i の信頼度をβk,i と書く。ここで、確率論より式(48)が成立する。
【0066】
【数19】
Figure 0003859908
【0067】
以下に位置観測データ及び属性観測データを用いて各仮説の信頼度を算出する方法について示す。サンプリング時刻tk において、観測データが得られた時点での仮説χk,0 が正しいとの信頼度βk,0 は、サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説χk,0 の観測データが得られる信頼度に、得られたmk 個の観測データ全てが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。また、サンプリング時刻tk において観測データが得られた時点での仮説χk,i が正しいとの信頼度βk,i は、サンプリング時刻tk において観測データが得られない時点において仮説χk,i の観測データが得られる信頼度に、得られた観測データベクトル k,i が追尾目標からの観測データで、mk −1個の観測データが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。
【0068】
サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説χk,0 の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲内、かつ、式(45)を満たす観測データが得られない確率1−PdGk,trkGk,attに、追尾目標以外からの観測データがmk 個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(49)により求まる。ここで、目標が探知される確率をPd とすれば、追尾目標が目標予測存在範囲内に存在し、かつ式(45)を満たして探知される確率はPdGk,trkGk,attであり、また、目標予測存在範囲内の追尾目標以外からの観測データの総数は、平均βk FTGk,trkのポアソン分布に従い求められている。サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説χk,i の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲内、かつ、式(45)を満たす追尾目標が探知される確率PdGk,trkGk,attに、追尾目標以外からの観測データがmk −1個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(50)により求まる。
【0069】
【数20】
Figure 0003859908
【0070】
次に、サンプリング時刻tk で観測データが得られた時点において、仮説に基づき得られた観測データZk に対しての信頼度を示す。サンプリング時刻tk において仮説χk,0 に基づき得られる全観測データZk がmk 個の追尾目標以外からの観測ベクトルである信頼度、すなわち、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- att及び仮説χk,0 に基づく全観測データZk の信頼度は、不要信号の存在確率分布が一様であるとの仮定より式(51)で与えられる。また、サンプリング時刻tk において仮説χk,i に基づき得られる全観測データZk の内、1つの観測データが追尾目標からの観測データで、かつ、mk −1個の観測データが追尾目標以外からの観測データである信頼度、すなわち、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- att及び仮説χk,i に基づく全観測データZk の信頼度は式(52)で与えられる。
【0071】
【数21】
Figure 0003859908
【0072】
従って、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- attに基づく仮説χk,0 の信頼度βk,0 は式(49)と式(51)とを乗算した値に比例すると考えてよく、また、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- attに基づく仮説χk,i の信頼度βk,i は式(50)と式(52)とを乗算した値に比例すると考えてよく、式(48)を使用して正規化を行い、式(53)〜(55)を得る。
ただし、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k が、式(41)を満たさないときは、追尾目標からの属性データの確率分布の信頼性が低いため、追尾目標の属性観測データ k,att (i)が式(45)を満たす確率、すなわち式(46)と、全ての属性観測データの式(30)の値を1とすることにより得る式(56)及び式(57)とする。
【0073】
【数22】
Figure 0003859908
【0074】
次に、サンプリング時刻tk における追尾目標の属性データの推定値^ k,att の算出方法について示す。サンプリング時刻tk において、属性観測データ k,att (i)が得られた時点での追尾目標の属性データの推定値^ k,att は、各属性観測データが追尾目標であるとの信頼度βk,i で重み付け平均した式(58)により算出する。
【0075】
【数23】
Figure 0003859908
【0076】
次に、平滑及び予測処理の方法について示す。追尾目標の位置、速度の予測ベクトル^ k (−)及び予測誤差共分散行列Pk (−)は、式(1)で与えられた目標の運動モデルに基づき、通常のカルマンフィルタ理論によりそれぞれ式(59)及び式(60)で算出される。追尾目標の位置、速度の平滑ベクトル^ k (+)及び平滑誤差共分散行列Pk (+)は通常のカルマンフィルタの理論によるとそれぞれ式(61)及び式(62)で算出される。ここで、平滑ベクトル^ k (+)及び平滑誤差共分散行列Pk (+)はそれぞれ式(64)及び式(65)で定義される。また、Kk はカルマンゲイン行列で、式(63)で与えられる。
【0077】
【数24】
Figure 0003859908
【0078】
全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルは、各仮説のもとで求めた平滑ベクトルを各仮説の信頼度を用いて統合することによって算出できる。式(64)に示す平滑ベクトルは式(66)に示すように展開され、各仮説に式(61)を適用した場合の平滑ベクトルを^ k,i (+)とすると、式(66)は式(67)及び式(68)のようになる。仮説χk,0 は追尾目標から観測値が得られない仮説なので、各仮説の平滑ベクトルはメモリ−トラック、すなわち式(69)となり、仮説χk,i は観測ベクトル k,i が1つ得られる仮説なので式(61)の通常のカルマンフィルタ理論を使用して式(70)のようになる。したがって、式(67)に式(69)及び式(70)を代入して式(71)が得られる。
【0079】
【数25】
Figure 0003859908
【0080】
上記、全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルの平滑誤差共分散行列Pk (+)は以下のように算出される。条件付き共分散行列の理論に式(65)を適用して式(72)が得られる。また、式(48)、式(66)、式(68)より式(73)が得られる。ここで、P’k (+)は各仮説に対する平滑誤差共分散行列で、式(74)で定義され、式(70)が通常のカルマンフィルタ理論によって求まることにより式(75)のようになる。式(72)に式(73)及び式(69)〜式(71)を代入して整理すると式(76)〜式(78)が得られる。
【0081】
【数26】
Figure 0003859908
【0082】
次に、図1の目標追尾装置の具体的な動作を説明する。
なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、目標の位置、速度の平滑値及び平滑誤差共分散行列の初期値はあらかじめ定まっているとする。
まず、目標観測装置1は、追尾目標の位置及び属性(例えば、レーダ反射エコー、音波反射エコー等)を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データ k,trk (i)と追尾目標の属性を示す観測データ k,att (i)を出力する。ただし、図4に示すように、追尾目標の実際の位置が点Pであっても、観測誤差の影響で、目標観測装置1の観測結果がD2やD4等を示すことがある。また、追尾目標以外のクラッタや他の目標を追尾目標と誤って観測する場合もある。
【0083】
そこで、追尾目標の追尾精度を高めるためには追尾目標と相関関係がある観測データ k,i を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2が、目標観測装置1から出力された位置観測データ k,trk (i)と属性観測データ k,att (i)とを運動諸元相関器4に転送する。そして、運動諸元確率分布算出器3は、式(23)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)に基づいて、追尾目標の運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトル k,trk (−)を算出するとともに、式(24)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とに基づいて追尾目標の位置の確率分布の広がりSk,trk を算出する。さらに、ベクトル k,trk (−)と確率分布の広がりSk,trk に基づいて、式(22)を用いて、追尾目標の位置の確率分布A(i)を求める。
【0084】
このようにして、運動諸元確率分布算出器3が追尾目標の位置の確率分布A(i)を求めると、運動諸元相関器4は、その確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdtrk から追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,i を選択する。具体的には、各位置観測データ k,trk (i)毎に式(42)を満たす観測データ k,i を選択する。図4の例では、D1,D2,D3,D4の位置観測データ k,trk (i)を選択する。
【0085】
また、運動諸元相関器4により選択された観測データ k,i の中から更に追尾目標と相関関係の大きい観測データ k,i を選択するため、属性データ確率分布算出器5が、式(58)を用いて算出した過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から、追尾目標の属性観測データの平均 k,att (−)と分散Sk,att をそれぞれ式(28)及び式(29)により算出し、式(30)を用いて、追尾目標の属性の確率分布B(i)を求める。
ただし、アスペクト角変化率判定器17において、サンプリング時刻tk におけるアスペクト角の推定値Ψ k の変化が大きく、式(41)を満たさない場合は、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から算出した追尾目標の属性観測データの平均 k,att (−)と分散Sk,att の信頼性が低いため、属性データ確率分布算出器5は前述の処理を行わず、アスペクト角の推定値Ψ k が式(41)を満たすようになり、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att が得られたら、前述の処理を再開する。
【0086】
このようにして、属性データ確率分布算出器5が追尾目標の属性の確率分布B(i)を求めると、属性相関器6は、その確率分布B(i)と予め設定されたパラメータdatt から追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,i を選択する。具体的には、各属性観測データ k,att (i)毎に式(45)を満たす観測データ k,i を選択する。このとき、選択された観測データの数をmk 個とする。ただし、属性データ確率分布算出器5が処理を行わない間は、属性相関器6の処理を行わず、運動諸元相関器4により選択された観測データ k,i を最終的に追尾目標と相関のある観測データとする。この場合、この観測データの数をmk 個とする。
観測データ仮説生成器7では、属性相関器6の出力するmk 個の観測データ k,i をもとに、仮説χk,i を生成する。
【0087】
観測データ信頼度算出器8では、運動諸元確率分布算出器3から出力された追尾目標の位置の確率分布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力された追尾目標の属性の確率分布B(i)と、予め設定された目標観測装置1の探知確率PD と、追尾目標の位置観測データが式(42)を満たす確率PGk,trkと、追尾目標の属性観測データが式(45)を満たす確率PGk,attとから、式(53)〜式(55)を用いて観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。ただし、属性データ確率分布算出器5が処理を行わない間は、運動諸元の確率分布のみを使用した信頼度計算を行う。すなわち、式(53)、式(56)〜式(57)を用いて観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。
【0088】
そして、観測データ信頼度算出器8が観測データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、ゲイン行列算出器10が、1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とから式(63)を用いてゲイン行列Kk を算出する。ゲイン行列算出器10がゲイン行列Kk を算出すると、平滑誤差評価器11が、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(76)〜式(78)を用いて平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、平滑器12は、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(71)を用いて平滑値^ k (+)を算出する。
【0089】
このようにして、平滑器12が平滑値^ k (+)を算出すると、予測誤差評価器13が、平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk- とから、式(60)を用いて予測誤差共分散行列Pk (−)を算出し、予測器14は平滑値^ k (+)から式(59)を用いて、1サンプリング後の追尾目標の予測値^ k (−)を算出する。これにより、追尾目標の次サンプリング時の位置は^ k (−)であると推定される。
そして、予測器14が予測値^ k (−)を算出すると、アスペクト角算出器16は、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)から式(23)を用いて位置予測ベクトル k,trk (−)を算出し、これと式(37)〜式(39)を用いて、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k を算出する。アスペクト角平均値算出器18は、アスペクト角算出器16の算出したアスペクト角の推定値Ψ k を、現時刻より過去のLサンプルだけ蓄積し、式(40)を用いて、アスペクト角の推定値の平均値Ψ k,ave を算出する。
そして、アスペクト角変化率判定器17は、アスペクト角の推定値の平均値Ψ k,ave と、予め設定されたパラメータlとから、式(41)を用いて、アスペクト角の推定値の変化量が許容範囲内にあるか否かを判定する。この結果、許容範囲外の場合は、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から算出した追尾目標の属性観測データの平均 k,att (−)と分散Sk,att の信頼性が低いため、属性データ確率分布算出器5に対して処理を行わないように命令する。以後、アスペクト角の推定値Ψ k が式(41)を満たすようになったら、属性データ確率分布算出器5に対して処理の再開を命令する。
なお、追尾終了になるまで以上の一連の流れを繰り返す。
【0090】
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、追尾目標と観測データの相関関係の評価関数に、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から算出した追尾目標の属性観測データの統計量(平均 k,att (−)と分散Sk,att )を使用し、過去Nサンプル以前の属性観測データを評価関数の算出に使用しないように構成したので、目標のアスペクト角の変化が緩やかな場合でも属性データの相関判定の信頼性が劣化しないので、精度良く追尾を維持できる効果を奏する。
また、アスペクト角変化率判定器17において、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k の変化量を評価し、変化量が許容範囲を超えない場合に属性データの相関判定を行うように構成したので、目標のアスペクト角の変化が大きく、属性データによる相関判定及び仮説の信頼度計算の信頼性が劣化した場合でも、精度良く追尾を維持できる効果を奏する。
【0091】
実施の形態2.
図5はこの実施の形態2による目標追尾装置を示す構成図である。図において、1〜15は実施の形態1と同一または相当部分を示すのでその説明を省略する。
19は平滑器12から出力された平滑値^ k (+)から、現時刻より1サンプリング後の運動モデル毎の予測値^ a k(−)を算出する複数旋回運動モデルによる予測器(複数の運動モデルによる予測手段)、20は複数旋回運動モデルによる予測器19により算出された運動モデル毎の予測値^ a k(−)を1サンプリング時間だけ遅延する第3の遅延回路、21は現時刻より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測値^ a k(−)に基づいて運動モデル毎の追尾目標からの運動諸元の確率分布(各運動モデルを仮定した場合の追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均ベクトル a k,trk(−)を算出するとともに、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とに基づいて追尾目標からの運動諸元の確率分布の広がりSk,trk を算出し、平均ベクトル a k,trk(−)と確率分布の広がりSk,trk に基づいて運動モデル毎の追尾目標からの運動諸元の確率分布Ca (i)を求める運動モデル毎の確率分布算出器、22は属性相関器6により選択された観測データ k,i と、運動諸元確率分布算出器3から出力された運動諸元の確率分布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力された属性データの確率分布B(i)と、予め設定された目標観測装置1の探知確率PD と、目標予測存在範囲内に存在する確率PGk,trkと、誤検出発生頻度βk FT と、運動モデルの推移確率とから、運動モデルの信頼度βa kを算出する運動モデルの信頼度算出器(運動モデルの信頼度算出手段)、23は運動モデルの信頼度算出器22の出力する運動モデルの信頼度βa kをもとに、目標が旋回運動をしているか否かを判定し、目標が旋回運動をしていると判定した場合に属性データ確率分布算出器5に対して処理を行なわないように命令する旋回判定器(旋回判定手段)である。
【0092】
次に動作について説明する。
具体的な動作を説明する前に、実施の形態2による目標追尾装置の原理を説明する。
式(1)〜式(30)の原理は実施の形態1と同一である。
【0093】
次に、複数運動モデルによる追尾目標の予測値の算出方法について述べる。
式(59)の等速直線運動モデルによる追尾目標の予測値にM個の旋回加速度(加速度0も含む)をそれぞれ加えた、複数運動モデルによる予測値を式(79)とする。
【0094】
【数27】
Figure 0003859908
【0095】
ここで、α a はM個の定数加速度ベクトルで、例えば、上下左右に10g(gは重力加速度とする)の旋回と直進を行う5種類の加速度(α 5 は直線運動)を考えた場合は式(81)となる。
【0096】
【数28】
Figure 0003859908
【0097】
次に、式(79)の複数の予測ベクトルの各々を追尾目標の予測ベクトルと仮定した場合の追尾目標の位置の確率分布Ca (i)は、式(23)〜式(25)、式(79)及び属性相関器6で選択されたmk 個の観測データ k,i を使用して式(82)で与えられる。
【0098】
【数29】
Figure 0003859908
【0099】
次に、各予測ベクトル^ a k(−)を仮定した場合の観測ベクトル及び各予測ベクトルの信頼度は、式(53)、式(56)、式(57)に、現時刻より1サンプリング前の加速度α b から現時刻の加速度α a への推移確率Pabを導入することにより式(84)〜式(87)で表される。
【0100】
【数30】
Figure 0003859908
【0101】
ここで、式(87)は、時刻tk における観測データ k,i を使用して算出した、各加速度ベクトルの信頼度である。追尾目標は、最も大きい信頼度βa kに対応する加速度運動(α a )をしている可能性が高い。従って、式(87)の最大値に対応するα a が直線運動に対応する加速度の場合(式(81)の例ではα 5 )に、目標のアスペクト角の変化が小さいと判断し、追尾目標からの属性観測データが式(30)の確率分布を満たすものと判断する。
【0102】
次に、位置観測データ k,i と追尾目標との相関方法について説明する。
観測ベクトル の成分である位置観測ベクトル k,trk (i)がdtrk をパラメータとして式(42)を満たすとき、観測ベクトル k,i は追尾目標と相関があると仮に判定する。
【0103】
図4は簡単な例として位置観測データの次元が2次元の場合について式(42)による観測データと追尾目標との相関を説明する図である。図においてPは追尾目標からの観測が予測される点である式(23)の目標予測位置ベクトル k,trk (−)、Qは相関をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線でパラメータdtrk 及び式(24)で与えられるSk,trk より線形代数学により算出され、D1〜D6は観測データである。
【0104】
追尾対象目標が相関をとるべき目標予測範囲内に存在する確率を式(43)に示すようにPGk,trkと書く。ここで、Gk,trk は式(44)で表される目標予測存在範囲の領域である。なお、確率論によりPGk,trkはdtrk の値によって一意的に決まる。
【0105】
次に、属性観測データと追尾目標との相関方法について説明する。
この相関処理は、式(87)の最大値に対応するα a が直線運動に対応する加速度の場合(式(81)の例ではα 5 )にのみ行う。この条件を満たすとき、かつ、観測ベクトル k,i の成分である属性観測データ k,att (i)がdatt をパラメータとして式(45)を満たすとき、観測ベクトル k,i は追尾目標と相関があると最終的に判定する。逆に、属性観測データ k,att (i)が式(45)を満たさないときは、位置観測ベクトル k,trk (i)が式(42)を満たしていても、追尾目標と相関がない観測データであると判定される。
一方、式(87)の最大値に対応するα a が旋回運動に対応する加速度の場合(式(81)の例ではα 1α 4 )に、追尾目標からの属性データの確率分布の信頼性が低いため、この属性データによる相関処理は行わずに、式(42)を満たす位置観測ベクトル k,trk (i)を追尾目標と相関がある観測ベクトル k,i と最終的に判定する。
【0106】
追尾目標の属性観測データ k,att (i)が式(45)を満たす確率を式(46)に示すようにPGk,attと書く。ここで、Gk,att は式(45)を満たす領域で、式(47)で表される。なお、確率論によりPGk,attはdatt の値によって一意的に決まる。
【0107】
サンプリング時刻tk において、1つの観測データベクトル k,i が追尾目標からの観測ベクトルであるとの仮説をχk,i と書く。このとき、ベクトル k,i 以外の観測データは追尾目標以外、例えばクラッタ等の不要信号からの観測データと仮定している。また、追尾目標より観測ベクトルが得られないとの仮説をχk,0 と書く。サンプリング時刻tk までの情報Zk による仮説χk,i の信頼度をβk,i と書く。ここで、確率論より式(48)が成立する。
【0108】
以下に位置観測データ及び属性観測データを用いて各仮説の信頼度を算出する方法について示す。サンプリング時刻tk において、観測データが得られた時点での仮説χk,0 が正しいとの信頼度βk,0 は、サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説χk,0 の観測データが得られる信頼度に、得られたmk 個の観測データ全てが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。また、サンプリング時刻tk において観測データが得られた時点での仮説χk,i が正しいとの信頼度βk,i は、サンプリング時刻tk において観測データが得れない時点において仮説χk,i の観測データが得られる信頼度に、得られた観測データベクトル k,i が追尾目標からの観測データで、mk −1個の観測データが追尾目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。
【0109】
サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説χk,0 の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲内、かつ、式(45)を満たす観測データが得られない確率1−PdGk,trkGk,attに、追尾目標以外からの観測データがmk 個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(49)により求まる。ここで、目標が探知される確率をPd とすれば、追尾目標が目標予測存在範囲内に存在し、かつ、式(45)を満たして探知される確率はPdGk,trkGk,attであり、また、目標予測存在範囲内の追尾目標以外からの観測データの総数は、平均βk FTGk,trkのポアソン分布に従い求められている。サンプリング時刻tk で観測データが得られない時点において仮説χk,i の観測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲内、かつ、式(45)を満たす追尾目標が探知される確率PdGk,trkGk,attに、追尾目標以外からの観測データがmk −1個得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式(50)により求まる。
【0110】
次に、サンプリング時刻tk で観測データが得られた時点において、仮説に基づき得られた観測データZk に対しての信頼度を示す。サンプリング時刻tk において仮説χk,0 に基づき得られる全観測データZk がmk 個の追尾目標以外からの観測ベクトルである信頼度、すなわち、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- att及び仮説χk,0 に基づく全観測データZk の信頼度は、不要信号の存在確率分布が一様であるとの仮定より式(51)で与えられる。また、サンプリング時刻tk において仮説χk,i に基づき得られる全観測データZk の内、1つの観測データが追尾目標からの観測データで、かつmk −1個の観測データが追尾目標以外からの観測データである信頼度、すなわち、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- att及び仮説χk,i に基づく全観測データZk の信頼度は式(52)で与えられる。
【0111】
従って、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- attに基づく仮説χk,0 の信頼度βk,0 は式(49)と式(51)を乗算した値に比例すると考えてよく、また、情報Z ,k- trk,Zk- -N,k- attに基づく仮説χk,i の信頼度βk,i は式(50)と式(52)を乗算した値に比例すると考えてよく、式(48)を使用して正規化を行い、式(53)〜(55)を得る。
ただし、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k が、式(41)を満たさないときは、追尾目標からの属性データの確率分布の信頼性が低いため、追尾目標の属性観測データ k,att (i)が式(45)を満たす確率、すなわち式(46)と、全ての属性観測データの式(30)の値を1とすることにより得る式(56)及び式(57)とする。
【0112】
次に、サンプリング時刻tk における追尾目標の属性データの推定値^ k,att の算出方法について示す。サンプリング時刻tk において、属性観測データ k,att (i)が得られた時点での追尾目標の属性データの推定値^ k,att は、各属性観測データが追尾目標であるとの信頼度βk,i で重み付け平均した式(58)により算出する。
【0113】
次に、平滑及び予測処理の方法について示す。追尾目標の位置、速度の予測ベクトル^ k (−)及び予測誤差共分散行列Pk (−)は、式(1)で与えた目標の運動モデルに基づき、通常のカルマンフィルタ理論によりそれぞれ式(59)及び式(60)で算出される。追尾目標の位置、速度の平滑ベクトル^ k (+)及び平滑誤差共分散行列Pk (+)は通常のカルマンフィルタの理論によるとそれぞれ式(61)及び式(62)となる。ここで、平滑ベクトル^ k (+)及び平滑誤差共分散行列Pk (+)はそれぞれ式(64)及び式(65)で定義される。また、Kk はカルマンゲイン行列で、式(63)で与えられる。
【0114】
全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルは、各仮説のもとで求めた平滑ベクトルを各仮説の信頼度を用いて統合することによって算出できる。式(64)に示す平滑ベクトルは式(66)のように展開され、各仮説に式(61)を適用した場合の平滑ベクトルを^ k,i (+)とすると、式(66)は式(67)及び式(68)のようになる。仮説χk,0 は追尾目標から観測値が得られない仮説なので、各仮説の平滑ベクトルはメモリ−トラック、すなわち式(69)となり、仮説χk,i は観測ベクトル k,i が1つ得られる仮説なので式(61)の通常のカルマンフィルタ理論を使用して式(70)のようになる。したがって、式(67)に式(69)及び式(70)を代入して式(71)が得られる。
【0115】
上記、全ての観測デ−タの仮説の基での目標位置、速度の平滑ベクトルの平滑誤差共分散行列Pk (+)は以下のように算出される。条件付き共分散行列の理論に式(65)を適用して式(72)が得られる。また、式(48)、式(66)、式(68)より式(73)が得られる。ここで、P’k (+)は各仮説に対する平滑誤差共分散行列で、式(74)で定義され、式(70)が通常のカルマンフィルタ理論により求まることにより式(75)のようになる。式(72)に式(73)及び式(69)〜式(71)を代入して整理すると式(76)〜式(78)が得られる。
【0116】
次に、図5の目標追尾装置の具体的な動作を説明する。
なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、目標の位置、速度の平滑値及び平滑誤差共分散行列の初期値はあらかじめ定まっているとする。
まず、目標観測装置1は、追尾目標の位置及び属性(例えば、レーダ反射エコー、音波反射エコー等)を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データ k,trk (i)と追尾目標の属性を示す観測データ k,att (i)を出力する。ただし、図4に示すように、追尾目標の実際の位置が点Pであっても、観測誤差の影響で、目標観測装置1の観測結果がD2やD4等を示すことがある。また、追尾目標以外のクラッタや他の目標を追尾目標と誤って観測する場合もある。
【0117】
そこで、追尾目標の追尾精度を高めるためには追尾目標と相関関係がある観測データ k,i を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2が、目標観測装置1から出力された位置観測データ k,trk (i)と属性観測データ k,att (i)を運動諸元相関器4に転送する。そして、運動諸元確率分布算出器3は、式(23)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)に基づいて、追尾目標の運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトル k,trk (−)を算出するとともに、式(24)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とに基づいて追尾目標の位置の確率分布の広がりSk,trk を算出する。さらに、ベクトル k,trk (−)と確率分布の広がりSk,trk に基づいて、式(22)を用いて、追尾目標の位置の確率分布A(i)を求める。
【0118】
このようにして、運動諸元確率分布算出器3が追尾目標の位置の確率分布A(i)を求めると、運動諸元相関器4は、その確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdtrk から追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,i を選択する。具体的には、各位置観測データ k,trk (i)毎に式(42)を満たす観測データ k,i を選択する。図4の例では、D1,D2,D3,D4の位置観測データ k,trk (i)を選択する。
【0119】
また、運動諸元相関器4により選択された観測データ k,i の中から更に追尾目標と相関関係の大きい観測データ k,i を選択するため、属性データ確率分布算出器5が、式(58)を用いて算出した過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から、追尾目標の属性観測データの平均 k,att (−)と分散Sk,att をそれぞれ式(28)及び式(29)により算出し、式(30)を用いて、追尾目標の属性の確率分布B(i)を求める。
ただし、旋回判定器23において、式(87)の最大値に対応するα a が旋回運動に対応する加速度であると判定された場合は、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から算出した追尾目標の属性観測データの平均 k,att (−)と分散Sk,att の信頼性が低いため、属性データ確率分布算出器5は前述の処理を行わず、式(87)の最大値に対応するα a が直線運動に対応する加速度となり、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att が得られたら、前述の処理を再開する。
【0120】
このようにして、属性データ確率分布算出器5が追尾目標の属性の確率分布B(i)を求めると、属性相関器6は、その確率分布B(i)と予め設定されたパラメータdatt から追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,i を選択する。具体的には、各位置観測データ k,att (i)毎に式(45)を満たす観測データ k,i を選択する。このとき、選択された観測データの数をmk 個とする。ただし、属性データ確率分布算出器5が処理を行わない間は、属性相関器6の処理を行わず、運動諸元相関器4により選択された観測データ k,i を最終的に追尾目標と相関のある観測データとする。この場合、この観測データの数をmk 個とする。
観測データ仮説生成器7では、属性相関器6の出力するmk 個の観測データ k,i をもとに、仮説χk,i を生成する。
【0121】
観測データ信頼度算出器8では、運動諸元確率分布算出器3から出力された追尾目標の位置の確率分布A(i)と、属性データ確率分布算出器5から出力された追尾目標の属性の確率分布B(i)と、予め設定された目標観測装置1の探知確率PD と、追尾目標の位置観測データが式(42)を満たす確率PGk,trkと、追尾目標の属性観測データが式(45)を満たす確率PGk,attとから、式(53)〜式(55)を用いて観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。ただし、属性データ確率分布算出器5が処理を行わない間は、運動諸元の確率分布のみを使用した信頼度計算を行う。すなわち、式(53)、式(56)〜式(57)を用いて観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。
【0122】
そして、観測データ信頼度算出器8が観測データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、ゲイン行列算出器10が、1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とから式(63)を用いてゲイン行列Kk を算出する。ゲイン行列算出器10がゲイン行列Kk を算出すると、平滑誤差評価器11が、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(76)〜式(78)を用いて平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、平滑器12は、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(71)を用いて平滑値^ k (+)を算出する。
【0123】
このようにして、平滑器12が平滑値^ k (+)を算出すると、予測誤差評価器13が、平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列QK- とから、式(60)を用いて予測誤差共分散行列Pk (−)を算出し、予測器14は平滑値^ k (+)から式(59)を用いて、1サンプリング後の追尾目標の予測値^ k (−)を算出する。これにより、追尾目標の次サンプリング時の位置は^ k (−)であると推定される。
【0124】
また、複数運動モデルによる予測器19は、平滑値^ k (+)から式(79)を用いて複数運動モデルによる予測値^ a k(−)を算出する。運動モデル毎の確率分布算出器21は、現時刻より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測値^ a k(−)から式(83)を用いて、運動モデル毎の位置予測ベクトル a k,trk(−)を算出し、これと、運動諸元確率分布算出器3から入力した確率分布の広がりSk,trk に基づいて、式(82)を用いて、追尾目標の運動モデル毎の位置の確率分布Ca (i)を求める。運動モデルの信頼度算出器22は、運動モデル毎の確率分布算出器21から出力された追尾目標の運動モデル毎の位置の確率分布Ca (i)と、予め設定された目標観測装置1の探知確率PD と、追尾目標の位置観測データが式(42)を満たす確率PGk,trkと、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(84)〜式(87)を用いて各運動モデルを仮定した場合の観測ベクトル及び運動モデルの信頼度βa kを算出する。
【0125】
運動モデルの信頼度算出器22が各運動モデルを仮定した場合の観測ベクトル及び運動モデルの信頼度βa kを算出すると、旋回判定器23は式(87)の最大値に対応する運動モデルα a を選択し、これが直線運動に対応する加速度の場合(式(81)の例ではα 5 )に、追尾目標からの属性観測データが式(30)の確率分布を満たすものと判断する。そして、その結果、旋回運動に対応する加速度(式(81)の例ではα 1α 4 )の場合は、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から算出した追尾目標の属性観測データの平均 k,att (−)と分散Sk,att の信頼性が低いため、属性データ確率分布算出器5に対して処理を行わないように命令する。以後、式(87)の最大値に対応するα a が直線運動に対応する加速度となったら、属性データ確率分布算出器5に対して処理の再開を命令する。
なお、追尾終了になるまで以上の一連の流れを繰り返す。
【0126】
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、追尾目標と観測データの相関関係の評価関数に、過去Nサンプルの属性データの推定値^ j,att から算出した追尾目標の属性観測データの統計量(平均 k,att (−)と分散Sk,att )を使用し、過去Nサンプル以前の属性観測データを評価関数の算出に使用しないように構成したので、目標のアスペクト角の変化が緩やかな場合でも属性データの相関判定の信頼性が劣化しないので、精度良く追尾を維持できる効果を奏する。
また、旋回判定器23において、追尾目標の加速度運動を評価し、追尾目標が旋回運動をしていないときに、属性データの相関判定を行うように構成したので、目標のアスペクト角の変化が大きく、属性データによる相関判定及び仮説の信頼度計算の信頼性が劣化した場合でも、精度良く追尾を維持できる効果を奏する。
さらに、複数の運動モデル(旋回及び直進)を仮定した場合の追尾目標の位置の確率分布を算出し、これと実際に得られた観測データ k,trk (i)から算出した運動モデルの信頼度を用いて追尾目標の旋回判定を行うように構成したので、旋回判定の信頼性が高い。
【0127】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3による目標追尾装置を示す構成図である。図において、1〜16は実施の形態1と同一または相当部分を示すのでその説明を省略する。
24は過去のサンプリング情報を元に追尾目標を識別し、追尾目標のボディを特定するボディ型式等の情報を出力する目標識別装置(目標識別手段)、25は目標観測装置1が観測する可能性のある全ての目標のボディ型式について、任意のアスペクト角と、これを中心として予め仮定された目標のアスペクト角のゆらぎ量により計算された属性データの統計値(平均μと分散σ2 )との関係を格納してある属性データ統計値データベース、26は目標識別装置24の出力する追尾目標のボディ型式と、アスペクト角算出器16の出力する時刻tk における目標観測装置1から見た追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k とをもとに、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k に対する属性データの統計値(平均μと分散σ2 )を属性データ統計値データベース25より検索する属性データ確率分布検索器(属性データ確率分布検索手段)である。
【0128】
次に動作について説明する。
具体的な動作を説明する前に、実施の形態3による目標追尾装置の原理を説明する。
【0129】
実施の形態1では、追尾対象からの属性データの確率分布を正規分布と仮定し、過去Nサンプルの属性データの平均 k,att (−)と分散Sk,att とをそれぞれ式(28)及び式(29)により算出し、追尾目標からの属性データの確率分布は式(30)に示す条件付確率密度関数で表されるとした。
目標識別装置24により現時刻より1サンプリング前までに追尾目標のボディ型式が得られ、目標のボディ形状とアスペクト角のゆらぎ量によりきまる属性データの確率分布(平均と分散)が予めデータベースに格納されている場合には、式(31)〜式(39)の原理により得られる追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k と、識別結果(ボディ型式)とをもとにデータベースを検索することにより、より信頼性の高い属性データの確率分布を得ることができる。
【0130】
データベース検索により得た属性データの平均及び分散をそれぞれμk 及びσ2 とすると、属性データの確率分布は式(88)で与えられる。以下、実施の形態1と異なる算出式についてのみ説明する。
【0131】
【数31】
Figure 0003859908
【0132】
次に、属性観測データと追尾目標との相関方法について説明する。
観測ベクトル k,i の成分である属性観測データ k,att (i)がdatt をパラメータとして式(89)を満たすとき、観測ベクトル k,i は追尾目標と相関があると最終的に判定する。逆に、属性観測データ k,att (i)が式(89)を満たさないときは、位置観測ベクトル k,trk (i)が 式(42)を満たしていても、追尾目標と相関がない観測データであると判定される。
【0133】
【数32】
Figure 0003859908
【0134】
追尾目標の属性観測データ k,att (i)が式(89)を満たす確率を式(90)に示すようにPGk,attと書く。ここで、Gk,att は式(89)を満たす領域で、式(91)で表される。なお、確率論によりPGk,attはdatt の値によって一意的に決まる。
【0135】
【数33】
Figure 0003859908
【0136】
従って、実施の形態1の原理と同様に、サンプリング時刻tk までの情報Zk による仮説χk,i の信頼度βk,i は式(92)〜式(94)により得ることができる。
【0137】
【数34】
Figure 0003859908
【0138】
次に、図6の目標追尾装置の具体的な動作を説明する。
なお、カルマンフィルタを目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、目標の位置、速度の平滑値及び平滑誤差共分散行列の初期値はあらかじめ定まっているとする。
まず、目標観測装置1は、追尾目標の位置及び属性(例えば、レーダ反射エコー、音波反射エコー等)を観測し、その追尾目標の位置を示す観測データ k,trk (i)と追尾目標の属性を示す観測データ k,att (i)を出力する。ただし、図4に示すように、追尾目標の実際の位置が点Pであっても、観測誤差の影響で、目標観測装置1の観測結果がD2やD4等を示すことがある。また、追尾目標以外のクラッタや他の目標を追尾目標と誤って観測する場合もある。
【0139】
そこで、追尾目標の追尾精度を高めるためには追尾目標と相関関係がある観測データ k,i を選択する必要があるため、観測諸元転送装置2が、目標観測装置1から出力された位置観測データ k,trk (i)と属性観測データ k,att (i)とを運動諸元相関器4に転送する。そして、運動諸元確率分布算出器3は、式(23)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)に基づいて、追尾目標の運動諸元の確率分布(追尾目標が存在する可能性のある領域を示す確率分布)の平均値であるベクトル k,trk (−)を算出するとともに、式(24)を用いて、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とに基づいて追尾目標の位置の確率分布の広がりSk,trk を算出する。さらに、ベクトル k,trk (−)と確率分布の広がりSk,trk とに基づいて、式(22)を用いて、追尾目標の位置の確率分布A(i)を求める。
【0140】
このようにして、運動諸元確率分布算出器3が追尾目標の位置の確率分布A(i)を求めると、運動諸元相関器4は、その確率分布A(i)と予め設定されたパラメータdtrk とから追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,i を選択する。具体的には、各位置観測データ k,trk (i)毎に式(42)を満たす観測データ k,i を選択する。図4の例では、D1,D2,D3,D4の位置観測データ k,trk (i)を選択する。
【0141】
また、運動諸元相関器4により選択された観測データ k,i の中から更に追尾目標と相関関係の大きい観測データ k,i を選択するため、属性データ確率分布検索器26が、目標識別装置24の出力する追尾目標のボディ型式と、アスペクト角算出器16の出力する時刻tk における目標観測装置1から見た追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k とをもとに、これらに対応する属性データの統計値(平均μと分散σ2 )を属性データ統計値データベース25より検索し、式(88)を用いて追尾目標の属性の確率分布D(i)を求める。
このようにして、属性データ確率分布検索器26が追尾目標の属性の確率分布D(i)を求めると、属性相関器6は、その確率分布D(i)と予め設定されたパラメータdatt から追尾目標と相関の可能性のある観測データ k,i を選択する。具体的には、各属性観測データ k,att (i)毎に式(89)を満たす観測データ k,i を選択する。このとき、選択された観測データの数をmk 個とする。
観測データ仮説生成器7では、属性相関器6の出力するmk 個の観測データ k,i をもとに、仮説χk,i を生成する。
【0142】
観測データ信頼度算出器8では、運動諸元確率分布算出器3から出力された追尾目標の位置の確率分布A(i)と、属性データ確率分布検索器26から出力された追尾目標の属性の確率分布D(i)と、予め設定された目標観測装置1の探知確率PD と、追尾目標の位置観測データが式(42)を満たす確率PGk,trkと、追尾目標の属性観測データが式(89)を満たす確率PGk,attとから、式(92)〜式(94)を用いて観測データの仮説の信頼度βk,i を算出する。
【0143】
そして、観測データ信頼度算出器8が観測データの仮説の信頼度βk,i を算出すると、ゲイン行列算出器10が、1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と予め設定された観測誤差共分散行列Rk とから式(63)を用いてゲイン行列Kk を算出する。ゲイン行列算出器10がゲイン行列Kk を算出すると、平滑誤差評価器11が、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測誤差共分散行列Pk (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(76)〜式(78)を用いて平滑誤差共分散行列Pk (+)を算出し、平滑器12は、ゲイン行列Kk と、観測データの仮説の信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)と、属性相関器6により選択されたmk 個の観測データ k,i とから、式(71)を用いて平滑値^ k (+)を算出する。
【0144】
このようにして、平滑器12が平滑値^ k (+)を算出すると、予測誤差評価器13が、平滑誤差共分散行列Pk (+)と駆動雑音共分散行列Qk-1 とから、式(60)を用いて予測誤差共分散行列Pk (−)を算出し、予測器14は平滑値^ k (+)から式(59)を用いて、1サンプリング後の追尾目標の予測値^ k (−)を算出する。これにより、追尾目標の次サンプリング時の位置は^ k (−)であると推定される。
そして、予測器14が予測値^ k (−)を算出すると、アスペクト角算出器16は、現時刻より1サンプリング前に算出された予測値^ k (−)から式(23)を用いて位置予測ベクトル k,trk (−)を算出し、これと式(37)〜式(39)を用いて、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k を算出する。
そして、属性データ確率分布検索器26は目標識別装置24の出力する追尾目標のボディ型式と、アスペクト角算出器16の出力する時刻tk における目標観測装置1から見た追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k とをもとに、追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k に対する属性データの統計値(平均μと分散σ2 )を属性データ統計値データベース25から検索し、式(88)を用いて追尾目標の属性の確率分布D(i)を求める。
なお、追尾終了になるまで以上の一連の流れを繰り返す。
【0145】
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、現時刻より1サンプリング前までに目標識別装置24より得られる追尾目標のボディ型式と、アスペクト角算出器16より得られる追尾目標のアスペクト角の推定値Ψ k とをもとに、目標のボディ形状とアスペクト角のゆらぎ量により決まる属性データの確率分布(平均と分散)が格納されている属性データ統計値データベース25を検索するように構成したので、目標のアスペクト角が変化する場合においても信頼性の高い属性データの確率分布を得ることができるので精度良く追尾を維持できる効果を奏する。
【0146】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、追尾目標の位置観測データおよび属性観測データを出力する観測手段と、追尾目標と位置観測データとの相関を判定する位置相関手段と、追尾目標と属性観測データとの相関を判定する属性相関手段と、所定サンプル数の過去の属性観測データの推定値から算出した追尾目標の属性観測データの統計量から属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布算出手段と、追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段とを備えるように構成したので、過去の所定サンプル数より以前の属性データの推定値を属性データ確率分布の算出に使用しないため、目標のアスペクト角の変化が緩やかな場合でも属性観測データの相関判定の信頼性が劣化せずに精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
また、追尾目標のアスペクト角を算出するアスペクト角算出手段と、追尾目標のアスペクト角の変化率の大小を判定するアスペクト角変化率判定手段と、アスペクト角変化率判定手段により追尾目標のアスペクト角の変化率が大きいと判定された際に、追尾目標の存在確率分布を基にして観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段とを備えるように構成したので、追尾目標のアスペクト角の変化率が大きい場合には、属性観測データの確率分布を使用せずに追尾目標の存在確率分布のみを基に観測データの信頼度を算出するため、属性データによる相関判定および仮説の信頼度計算の信頼性が劣化した場合でも精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
【0148】
この発明によれば、アスペクト角変化率判定手段により追尾目標のアスペクト角の変化率が大きいと判定された際に、属性データ確率分布算出手段および属性相関手段において処理を実施しないように構成したので、アスペクト角の変化率が大きくて属性データによる相関判定および仮説の信頼度計算の信頼性が劣化した場合でも精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
【0149】
この発明によれば、追尾目標の位置観測データおよび属性観測データを出力する観測手段と、追尾目標と位置観測データとの相関を判定する位置相関手段と、追尾目標と属性観測データとの相関を判定する属性相関手段と、所定サンプル数の過去の属性観測データの推定値から算出した追尾目標の属性観測データの統計量から属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布算出手段と、追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段とを備えるように構成したので、過去の所定サンプル数より以前の属性データの推定値を属性データ確率分布の算出に使用しないため、目標のアスペクト角の変化が緩やかな場合でも属性観測データの相関判定の信頼性が劣化せずに精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
また、追尾目標が旋回運動をしているか否かを判定する旋回判定手段と、旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていると判定された際に、追尾目標の存在確率分布を基にして観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段とを備えるように構成したので、追尾目標が旋回運動をしている場合には、属性観測データの確率分布を使用せずに追尾目標の存在確率分布のみを基に観測データの信頼度を算出するため、属性データによる相関判定および仮説の信頼度計算の信頼性が劣化した場合でも精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
【0150】
この発明によれば、旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていると判定された際に、属性データ確率分布算出手段および属性相関手段において処理を実施しないように構成したので、旋回運動が実施され追尾目標のアスペクト角の変化率が大きくて属性データによる相関判定および仮説の信頼度計算の信頼性が劣化した場合でも精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
【0151】
この発明によれば、複数の運動モデルを用いて追尾目標の位置をそれぞれ予測する複数の運動モデルによる予測手段と、複数の運動モデルによる予測位置と追尾目標の存在確率分布の広がりとから複数の運動モデルの信頼度を算出する運動モデルの信頼度算出手段とを備えるように構成したので、複数の運動モデル(旋回および直進)を仮定した場合の追尾目標の位置の確率分布を算出して、これらの確率分布と実際に得られた観測データとから算出した運動モデルの信頼度を用いて追尾目標の旋回判定を行うため、旋回判定について高い信頼性を得ることができるという効果を奏する。
【0152】
この発明によれば、過去のサンプリング情報を基に追尾目標を識別し、追尾目標のボディ型式等の情報を出力する目標識別手段と、観測手段が観測する可能性のある全ての追尾目標のボディ型式について、任意のアスペクト角と、これを中心として予め仮定された追尾目標のアスペクト角のゆらぎ量により計算された属性観測データの統計量との関係を格納する属性データ統計値データベースと、目標識別手段から出力された追尾目標の識別結果を基に、属性データ統計値データベースから追尾目標の属性観測データの統計量を検索して、属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布検索手段とを備えるように構成したので、追尾目標のアスペクト角が変化する場合においても信頼性の高い属性観測データの確率分布を得ることができるため、精度良く追尾を維持することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図である。
【図2】 状態ベクトルが定義されている基準座標とサンプリング時刻における追尾目標の速度ベクトルとの関係を示す図である。
【図3】 運動座標とサンプリング時刻における目標のアスペクト角の推定値との関係を示す図である。
【図4】 運動諸元の確率分布と予め設定されたパラメータとに基づいた追尾目標と相関の可能性のある観測データの選択を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による目標追尾装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3による目標追尾装置を示す構成図である。
【図7】 従来の目標追尾装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 目標観測装置(観測手段)、2 観測諸元転送装置、3 運動諸元確率分布算出器、4 運動諸元相関器(位置相関手段)、5 属性データ確率分布算出器(属性データ確率分布算出手段)、6 属性相関器(属性相関手段)、7 観測データ仮説生成器、8 観測データ信頼度算出器(観測データ信頼度算出手段)、9 第2の遅延回路、10 ゲイン行列算出器、11 平滑誤差評価器、12 平滑器(平滑手段)、13 予測誤差評価器、14 予測器、15 第1の遅延回路、16 アスペクト角算出器(アスペクト角算出手段)、17 アスペクト角変化率判定器(アスペクト角変化率判定手段)、18 アスペクト角平均値算出器、19 複数運動モデルによる予測器(複数の運動モデルによる予測手段)、20 第3の遅延回路、21 運動モデル毎の確率分布算出器、22 運動モデルの信頼度算出器(運動モデルの信頼度算出手段)、23 旋回判定器(旋回判定手段)、24 目標識別装置(目標識別手段)、25 属性データ統計値データベース、26 属性データ確率分布検索器(属性データ確率分布検索手段)。

Claims (6)

  1. 追尾目標の位置および属性を観測し、前記追尾目標の位置を示す位置観測データおよび前記追尾目標の属性を示す属性観測データを出力する観測手段と、該観測手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の存在確率分布を参照して前記追尾目標と位置観測データとの相関を判定し、相関関係がある場合には当該位置観測データを出力する位置相関手段と、該位置相関手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の属性観測データの確率分布を参照して前記位置相関手段から出力された位置観測データに係る属性観測データと前記追尾目標との相関を判定し、相関関係がある場合には当該観測データを出力する属性相関手段と、所定サンプル数の過去の属性観測データの推定値から算出した前記追尾目標の属性観測データの統計量から前記属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布算出手段と、前記属性相関手段から出力された観測データに基づいて前記追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段と、該平滑手段から出力された追尾目標の位置および速度から前記追尾目標のアスペクト角を算出するアスペクト角算出手段と、該アスペクト角算出手段から出力された前記追尾目標のアスペクト角の変化率の大小を判定するアスペクト角変化率判定手段と、該アスペクト角変化率判定手段により追尾目標のアスペクト角の変化率が小さいと判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布および属性観測データの確率分布を基にして観測データの信頼度を算出し、前記アスペクト角変化率判定手段により前記追尾目標のアスペクト角の変化率が大きいと判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布を基にして観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段とを備えた目標追尾装置。
  2. アスペクト角変化率判定手段により追尾目標のアスペクト角の変化率が大きいと判定された際に、属性データ確率分布算出手段および属性相関手段において処理を実施しないことを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
  3. 追尾目標の位置および属性を観測し、前記追尾目標の位置を示す位置観測データおよび前記追尾目標の属性を示す属性観測データを出力する観測手段と、該観測手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の存在確率分布を参照して前記追尾目標と位置観測データとの相関を判定し、相関関係がある場合には当該位置観測データを出力する位置相関手段と、該位置相関手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の属性観測データの確率分布を参照して前記位置相関手段から出力された位置観測データに係る属性観測データと前記追尾目標との相関を判定し、相関関係がある場合には当該観測データを出力する属性相関手段と、所定サンプル数の過去の属性観測データの推定値から算出した前記追尾目標の属性観測データの統計量から前記属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布算出手段と、前記属性相関手段から出力された観測データに基づいて前記追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段と、該平滑手段から出力された追尾目標の位置および速度を基にして前記追尾目標が旋回運動をしているか否かを判定する旋回判定手段と、該旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていないと判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布および属性観測データの確率分布を基にして観測データの信頼度を算出し、前記旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていると判定された際に、前記追尾目標の存在確率分布を基にして観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段とを備えた目標追尾装置。
  4. 旋回判定手段により追尾目標が旋回運動をしていると判定された際に、属性データ確率分布算出手段および属性相関手段において処理を実施しないことを特徴とする請求項3記載の目標追尾装置。
  5. 平滑手段から出力された追尾目標の位置および速度から、直進および旋回を仮定した複数の運動モデルを用いて前記追尾目標の位置をそれぞれ予測する複数の運動モデルによる予測手段と、複数の運動モデルによる予測位置と前記追尾目標の存在確率分布の広がりとから、複数の運動モデルの信頼度を算出する運動モデルの信頼度算出手段とを備え、旋回判定手段が運動モデルの信頼度を基にして前記追尾目標が旋回運動をしているか否かを判定することを特徴とする請求項3記載の目標追尾装置。
  6. 追尾目標の位置および属性を観測し、前記追尾目標の位置を示す位置観測データおよび前記追尾目標の属性を示す属性観測データを出力する観測手段と、該観測手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の存在確率分布を参照して前記追尾目標と位置観測データとの相関を判定し、相関関係がある場合には当該位置観測データを出力する位置相関手段と、該位置相関手段から位置観測データが出力されると、前記追尾目標の属性観測データの確率分布を参照して前記位置相関手段から出力された位置観測データに係る属性観測データと前記追尾目標との相関を判定し、相関関係がある場合には当該観測データを出力する属性相関手段と、過去のサンプリング情報を基に前記追尾目標を識別し、前記追尾目標のボディ型式等の情報を出力する目標識別手段と、前記観測手段が観測する可能性のある全ての追尾目標のボディ型式について、任意のアスペクト角と、これを中心として予め仮定された追尾目標のアスペクト角のゆらぎ量により計算された属性観測データの統計量との関係を格納する属性データ統計値データベースと、前記目標識別手段から出力された前記追尾目標の識別結果を基に、前記属性データ統計値データベースから前記追尾目標の属性観測データの統計量を検索して、属性観測データの確率分布を導く属性データ確率分布検索手段と、前記追尾目標の存在確率分布と属性観測データの確率分布とから観測データの信頼度を算出する観測データ信頼度算出手段と、前記属性相関手段から出力された観測データと前記観測データの信頼度に基づいて前記追尾目標の位置および速度を推定する平滑手段とを備えた目標追尾装置。
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