JP3411485B2 - 目標追尾装置 - Google Patents

目標追尾装置

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JP3411485B2
JP3411485B2 JP27293997A JP27293997A JP3411485B2 JP 3411485 B2 JP3411485 B2 JP 3411485B2 JP 27293997 A JP27293997 A JP 27293997A JP 27293997 A JP27293997 A JP 27293997A JP 3411485 B2 JP3411485 B2 JP 3411485B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、目標及び目標以
外のクラッタ等からの信号検出結果及び信号分析結果か
ら目標の位置や速度などの運動諸元、目標個体もしくは
グループに共通の属性などの真値を推定することにより
目標を追尾する目標追尾装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図8は例えば特開平1−29786号公
報に示された複数個の運動モデルを有する場合の目標追
尾装置を示す構成図である。図8において、1は観測雑
音を含んだ目標位置情報を観測する目標位置観測装置
で、追尾目標及び追尾目標以外のクラッタからの位置デ
ータを観測する。2は追尾目標の運動諸元の確率分布よ
り追尾目標と相関の可能性のある観測データを選択する
運動データ相関器、8は複数個の運動モデル各々に対し
て観測誤差を評価するための運動モデル毎の観測誤差評
価器、10は目標運動諸元の平滑値算出に使用するカル
マンゲイン行列算出のためのゲイン行列算出器、11は
目標運動諸元の平滑値を算出する平滑器、12は複数個
の運動モデル各々について現時点より1サンプリング後
の目標運動諸元の予測値を算出する運動モデル毎の予測
値算出器、13は第2の遅延回路、14は第6の遅延回
路、15は第3の遅延回路、16は複数個の運動モデル
各々の平滑値と真値の差である平滑誤差を評価する運動
モデル毎の平滑誤差評価器、17は複数個の運動モデル
各々の予測値と真値の差である予測誤差を評価する運動
モデル毎の予測誤差評価器、18は第4の遅延回路、2
2は目標運動諸元の現時点より1サンプリング後の値を
予測する予測値算出器、23は第5の遅延回路、24は
追尾目標の運動諸元の確率分布を算出する運動データ相
関諸元算出器、25は複数個の運動モデル各々の信頼度
を算出するための各運動モデルの信頼度算出器である。
【0003】複数個の運動モデルを有する従来の目標追
尾装置は上記のように構成され、例えば固定直交座標を
使用し、等速直線運動モデルにサンプリング時刻によら
ない定数加速度ベクトルが負荷されたモデルを複数の異
なった加速度レベル毎に有する場合が複数の運動モデル
として使用されていた。目標位置観測装置1では、極座
標で観測雑音を含んだ目標位置情報を観測し、観測結果
を直交座標に変換する。運動データ相関器2では、運動
データ相関諸元算出器24より入力される追尾目標の運
動諸元の確率分布から追尾目標と相関の可能性のある観
測データを選出する。
【0004】運動モデル毎の観測誤差評価器8では、運
動モデル毎の予測値算出器12より得られる現時点より
1サンプリング前に算出した運動モデル毎の予測ベクト
ルを第2の遅延回路13を通して入力し、目標位置予測
ベクトルを算出し、運動モデル毎の予測誤差評価器17
より得られる現時点より1サンプリング前に算出した運
動モデル毎の予測誤差共分散行列を第4の遅延回路18
を通し入力し、運動モデル毎の予測位置誤差の共分散行
列を算出し、これとあらかじめ設定してある観測モデル
より得られる観測雑音の共分散行列より目標位置観測ベ
クトルと運動モデル毎の目標位置予測ベクトルの差の共
分散行列を算出し、目標位置観測装置1より入力される
位置観測ベクトルと複数個の運動モデル各々との合致度
である観測誤差の評価値を算出する。
【0005】各運動モデルの信頼度算出器25では、現
時点より1サンプリング前に算出した複数個の運動モデ
ル各々の信頼度を第3の遅延回路15を通して入力し、
これとあらかじめ設定された運動モデルの推移確率よ
り、観測ベクトルが得られない時点での各運動モデルの
信頼度を算出し、この信頼度に観測ベクトルと各運動モ
デルとの合致度である運動モデル毎の観測誤差評価器8
より入力される観測誤差の評価値を重みづけし、観測ベ
クトルが得られた時点での複数個の運動モデル各々の信
頼度を算出する。
【0006】ゲイン行列算出器10では、あらかじめ設
定してある観測モデルより得られる観測雑音共分散行列
及び1サンプリング前に算出しておいた運動モデル毎の
予測誤差評価器17より第4の遅延回路18を通して入
力される運動モデル毎の予測誤差共分散行列により平滑
ベクトルの算出に使用するゲイン行列を算出する。平滑
器11では、現時点より1サンプリング前に算出してお
いた平滑ベクトルを第6の遅延回路14を通し入力し、
等速直線運動予測ベクトルを算出し、各運動モデルの信
頼度算出器25より得られる各運動モデルの信頼度とあ
らかじめ設定された複数個の運動モデルを構成している
定数加速度ベクトルより目標の加速度を推定し、この値
が予測に影響する項を算出し、これらと目標位置観測装
置1より得られる位置観測ベクトルに対し、平滑ベクト
ル算出において観測ベクトルが寄与する度合いを決定す
るゲイン行列算出器10より得られるゲイン行列を適用
し、平滑ベクトルを算出する。
【0007】運動モデル毎の予測値算出器12では、平
滑器11で算出した平滑ベクトルより等速直線運動予測
を算出し、あらかじめ設定された複数個の運動モデルを
構成する定加速度ベクトルが予測に影響する項を算出
し、現時点より1サンプリング後の複数個の運動モデル
毎の予測ベクトルを算出する。運動モデル毎の平滑誤差
評価器16では、1サンプリング前に算出しておいた運
動モデル毎の予測誤差共分散行列を運動モデル毎の予測
誤差評価器17より第4の遅延回路18を通して入力
し、ゲイン行列算出器10より得られるゲイン行列とに
より、運動モデル毎の平滑ベクトルの平滑誤差の評価値
である複数個の運動モデル毎の平滑誤差共分散行列を算
出する。
【0008】運動モデル毎の予測誤差評価器17では、
運動モデル毎の平滑誤差評価器16より得られる運動モ
デル毎の平滑誤差共分散行列を平滑誤差共分散行列とみ
なし、あらかじめ設定された運動モデルより得られる駆
動雑音共分散行列とにより現時点より1サンプリング後
に対する複数個の運動モデル毎の予測ベクトルの予測誤
差の評価である予測誤差共分散行列を算出する。
【0009】予測値算出器22では、平滑器11より平
滑ベクトルを入力し、等速直線運動予測を算出し、各運
動モデルの信頼度算出器25より得られる各運動モデル
の信頼度とあらかじめ設定された推移確率より観測ベク
トルが得られない時点での各運動モデルの信頼度を算出
し、これとあらかじめ設定された複数個の運動モデルを
構成している定加速度ベクトルより観測ベクトルが得ら
れない時点での目標加速度を推定し、この加速度が予測
に影響する項を算出することにより現時点より1サンプ
リング後の予測ベクトルを算出する。
【0010】運動データ相関諸元算出器24では、予測
値算出器22で算出した1サンプリング前の予測ベクト
ルを第5の遅延回路23を通した出力と、運動モデル毎
の予測誤差共分散評価器17で算出した1サンプリング
前の運動モデル毎の予測誤差共分散行列を予測誤差共分
散行列とみなし、第7の遅延回路21を通した出力から
現時点の追尾目標の運動諸元の確率分布を算出する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のような複数の運
動モデルを有する従来の目標追尾装置では、目標の情報
として図8に示すように目標位置観測装置1より得られ
る目標観測位置のみを仮定しており、運動データ相関器
2は、運動データ相関諸元算出器24で計算された目標
予測存在範囲内に複数の探知データが存在した場合、そ
れらの観測データが予測値算出器22で計算された目標
予測位置に近いほど追尾対象目標である可能性が高いと
して処理されるため、クラッタなどの不要信号や追尾対
象目標以外の目標が、目標予測位置の近傍に存在する場
合、追尾対象目標以外の探知データを既追尾目標とする
仮説の信頼度が高く算出され、真の仮説の信頼度を不当
に低下し、追尾性能を劣化させる問題が発生する。ま
た、目標位置観測精度が低い場合にはなおさらである。
【0012】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、目標観測位置の他に、目標個体
あるいはグループの属性情報が得られる環境下におい
て、クラッタなどの不要信号や追尾対象目標以外の目標
が目標予測位置の近傍に存在する場合や、目標位置デー
タの観測精度が低い場合にも精度良く追尾を維持できる
目標追尾装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明に係る目標追尾
装置は、追尾目標及び追尾目標以外のクラッタからの位
置データを観測する目標位置観測装置と、上記目標位置
観測装置からの観測データのうち、追尾目標の運動諸元
の確率分布から追尾目標と相関の可能性のある観測デー
タを選択する運動データ相関器と、追尾目標についての
信号の分析結果である目標個体またはグループの属性デ
ータを出力する目標属性観測装置と、上記目標属性観測
装置からの属性データの確率分布を算出する属性データ
相関諸元算出器と、上記運動データ相関器により選択さ
れた観測データのうち、上記属性データ相関諸元算出器
からの属性データの確率分布から追尾目標と相関の可能
性のある観測データを選択する属性データ相関器と、上
記属性データ相関器からの観測データと現時点より1サ
ンプリング前の運動モデル毎の予測値及び予測誤差評価
値に基づいて運動モデル毎の観測誤差評価値を算出する
運動モデル毎の観測誤差評価器と、上記運動モデル毎の
観測誤差評価器からの運動モデル毎の観測誤差評価値に
基づいて観測データと各運動モデル各々の信頼度を算出
する運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
頼度算出器と、上記運動モデル毎の運動データ及び属性
データによる信頼度算出器からの観測データと各運動モ
デルの信頼度を用いて目標運動諸元の平滑値を算出する
平滑値算出手段と、上記平滑値算出手段より得られる目
標運動諸元の平滑値に基づいて現時点より1サンプリン
グ前の運動モデル毎の予測値を算出する運動モデル毎の
予測値算出手段と、上記平滑値算出手段より得られる目
標運動諸元の平滑値に基づいて現時点より1サンプリン
グ後の目標運動諸元の予測値を算出する予測値算出器
と、運動モデル毎の平滑誤差評価値とあらかじめ設定さ
れた運動モデルにより得られる駆動雑音共分散行列とに
基づいて現時点より1サンプリング後の各運動モデル毎
の予測誤差評価値を算出する運動モデル毎の予測誤差評
価器と、上記運動モデル毎の予測誤差評価器により1サ
ンプリング前に算出された運動モデル毎の予測誤差評価
値とあらかじめ設定された観測モデルより得られる観測
雑音共分散行列とに基づいてゲイン行列を算出するゲイ
ン行列算出器と、上記運動モデル毎の予測誤差評価器に
より1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測
誤差評価値と上記ゲイン行列算出器より得られるゲイン
行列とに基づいて運動モデル毎の平滑誤差評価値を算出
する運動モデル毎の平滑誤差評価器と、上記予測値算出
器からの現時点より1サンプリング後の目標運動諸元の
予測値と上記運動モデル毎の予測誤差評価値とに基づい
て追尾目標の運動諸元の確率分布を算出する運動データ
相関諸元算出器とを備えたものである。
【0014】また、上記運動モデル毎の運動データ及び
属性データによる信頼度算出器により算出された各運動
モデルの信頼度と上記ゲイン行列算出器により算出され
たゲイン行列を使用して平滑誤差評価値を算出し、上記
運動モデル毎の平滑誤差評価器より得られる運動モデル
毎の平滑誤差評価値に加算して新たな運動モデル毎の平
滑誤差評価値を算出する平滑誤差評価器ををさらに備
え、上記運動モデル毎の予測誤差評価器は、上記平滑誤
差評価器からの平滑誤差評価値を入力して運動モデル毎
の予測誤差評価値を算出することを特徴とするものであ
る。
【0015】さらに、上記運動モデル毎の運動データ及
び属性データによる信頼度算出器により算出された各運
動モデルの信頼度を使用して現時点より1サンプリング
後の各運動モデル毎の予測誤差評価値を算出し、上記運
動モデル毎の予測誤差評価器により算出された現時点よ
り1サンプリング後の各運動モデル毎の予測誤差評価値
に加算して現時点より1サンプリング後の各運動モデル
毎の新たな予測誤差評価値を算出する予測誤差評価器を
さらに備えたことを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】実施の形態1. 図1は実施の形態1に係る目標追尾装置を示す構成図で
ある。図1中、1〜2、8、10〜18、21〜24は
図8に示す従来装置と同一部分を示し、その説明は省略
する。新たな符号として、3は追尾目標についての信号
の分析結果である目標個体もしくは目標の属するグルー
プの属性に関するデータ(以下属性データと呼ぶ)を出
力する目標属性観測装置、4は追尾目標の属性データの
確率分布を出力する属性データ相関諸元算出器、5は追
尾目標の属性の信頼度を算出する属性データ信頼度算出
器、6は第1の遅延回路、7は運動データ相関器2によ
り選択された観測データのうち、上記属性データ層間諸
元算出器4からの属性データの確率分布から追尾目標と
相関のある観測データを選択する属性データ相関器、9
は運動モデル毎の観測誤差評価器8からの運動モデル毎
の観測誤差評価値に基づいて観測データと各運動モデル
各々の信頼度を算出する運動モデル毎の運動データ及び
属性データによる信頼度算出器である。
【0017】次に原理について説明する。目標の真値を
表す状態ベクトルk を式(1)のように定義する。式
(1)において、目標の真値を表す状態ベクトルk
は、目標の位置及び速度等の運動データの真値を表す状
態ベクトルk ,trk と、目標個体もしくはグループの属
性に関する属性データの真値を表す状態ベクトルid
成分とするベクトルとする。また、複数個をN個とした
場合の運動モデルを式(2)とする。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、k ,trk はサンプリング時刻tk
における目標運動諸元の真値を表す状態ベクトル、Φ
k-1 はサンプリング時刻tk-1 よりtk への状態ベクト
k ,trk の推移行列、Γ1(k−1) はサンプリング
時刻tk-1 における駆動雑音ベクトルの変換行列、
k-1 はサンプリング時刻tk-1 における駆動雑音ベクト
ル、Γ(k−1)はサンプリング時刻tk-1 における定
数加速度ベクトルの変換行列、k-1 はサンプリング時
刻tk-1 においてN個の運動モデルを構成する定数加速
度ベクトルであり、状態ベクトルk ,trk は、直交座標
における目標位置ベクトルを式(3)、直交座標におけ
る目標速度ベクトルを式(4)とした時、式(5)で表
される。なお、例えば、T はベクトルの転置ベクト
ル、ドットxk はxk の単位時間当たりの変化率(速
度)を表す。
【0020】
【数2】
【0021】サンプリング時刻tk-1 よりtk への状態
ベクトルk ,trk の推移行列Φk-1は、目標が等速直線
運動を行うと仮定した場合、式(6)で表される。ここ
で、Iは式(7)に示す単位行列を表し、0Iは3行3
列の零行列である。
【0022】
【数3】
【0023】また、例えば、目標の運動モデルを等速直
線運動と仮定したことによる打ち切り誤差項をΓ1(k
−1)k-1 とみれば、サンプリング時刻tk-1 におけ
る駆動雑音ベクトルk-1 は加速度ベクトルに相当し、
サンプリング時刻tk-1 における駆動雑音ベクトルの変
換行列Γ1(k−1) は式(8)で表される。
【0024】
【数4】
【0025】また、サンプリング時刻tk においてN個
の運動モデルを構成する定数加速度ベクトルk は式
(9)であり、サンプリング時刻tk-1 における定数加
速度ベクトルの変換行列Γ(k−1)は、式(10)で
表される。
【0026】
【数5】
【0027】図2は水平面に並行な面内で定数加速度ベ
クトルを説明する図である。図2において、oは目標位
置観測装置を原点とした座標o−xyの原点、Xは東方
向をx軸の正とした座標o−xyのx軸、Yは北方向を
y軸の正とした座標o−xyのy軸、A1はy軸の正方
向の定数加速度ベクトル、A2はx軸の正の方向の定数
加速度ベクトル、A3はy軸の負の方向の定数加速度ベ
クトル、A4はx軸の負の方向の定数加速度ベクトルで
ある。今、図2における定数加速度ベクトルの大きさを
10g(gは重力加速度とする)とし、この他に加速度
0の定数加速度ベクトルを考えた運動モデルの場合、x
軸及びy軸の両正負方向と加速度が0の場合とでN=5
であり、式(9)は、式(11)のようにサンプリング
時刻tk に無関係に書ける。
【0028】
【数6】
【0029】次に、サンプリング時刻tk において、式
(12)が真であるとの運動モデルの仮説Ψk,a を式
(13)のように書く。
【0030】
【数7】
【0031】Eを平均を表す記号とし、k を平均ベク
トルの3次元正規分布白色雑音とし、さらに、Qk
サンプリング時刻tk における駆動雑音共分散行列とし
て用いると、式(14)及び式(15)として表され
る。
【0032】
【数8】
【0033】一方、追尾対象目標の属性データの真値を
表す状態ベクトルid を式(16)のように定義する。
ここで、A1,A2,・・・,AM は取り得る属性データ
の全てであり、ベクトルid はA1,A2,・・・,AM
のいずれか1つである。また、式(16)が真であると
の仮説Jc を式(17)で表す。
【0034】
【数9】
【0035】次に観測モデルを以下のように定義する。
追尾対象目標よりのサンプル時刻tk における位置デー
タと属性データの組みとして与えられる探知データベク
トルk を式(18)とする。ここで、ベクトルk ,
trk は目標観測位置に関する観測ベクトルであり、ま
た、ベクトルk ,idは属性データに関する観測ベクトル
である。
【0036】
【数10】
【0037】追尾目標の観測位置に関する観測モデルを
式(19)のように定義する。ここで、Hはサンプリン
グ時刻tk における観測行列、Γ2(k) はサンプリン
グ時刻tk における観測雑音ベクトルの変換行列であ
る。また、νk はサンプリング時刻tk における目標観
測ベクトルに対応した観測雑音ベクトルで、平均ベクト
の3次元正規白色雑音の量、Eを平均を表す記号と
して、式(20)、(21)を満たすものとする。な
お、Rk はサンプリング時刻tk における観測雑音共分
散行列である。
【0038】
【数11】
【0039】追尾対象目標からの属性データベクトル
k ,id は属性値Acとして与えられ、これに仮説Jc の基
での属性データの信頼度が式(22)に示す条件付き確
率にて付加されるとする。ここで、PjcはAc が真とし
たときにAj と観測される確率である。なお、Pjcは式
(23)を満たす。
【0040】
【数12】
【0041】例えば、式(24)が追尾目標の属性の全
てであるとすると、式(25)、(26)、(27)、
(28)が属性データの信頼度として得られる。
【0042】
【数13】
【0043】追尾対象目標以外からの探知データは空間
に一様に分布しているとし、サンプリング時刻tk にお
ける単位体積当たりの発生頻度をβk FT とし、追尾目標
と相関を取るべき目標予測存在範囲の体積をVGkとした
とき、追尾対象目標以外からの探知データが目標予測存
在範囲内に存在する総数は、平均βk FTGk のポアソン
分布に従うとする。
【0044】サンプリング時刻tk における追尾目標と
相関をとるべき目標予測存在範囲内の探知データの総数
をmk 、探知データを式(29)で表す。ここで、ベク
トルk ,i はi番目の観測ベクトルであり、その全体を
式(30)で表す。また、サンプリング時刻t1からtk
までの観測ベクトルの全体を式(31)で、観測ベクト
ルの総数Mk を式(32)で定義する。
【0045】
【数14】
【0046】次に、追尾対象目標からの観測ベクトルの
確率分布について示す。観測ベクトルk ,i が追尾対象
目標からの観測データのとき、この確率分布を条件付き
確率密度関数で表すと、この条件付き確率密度関数P
k ,i│Zk-1)は、式(33)のようになる。
【0047】
【数15】
【0048】ここで、式(34)に示す確率分布は追尾
対象目標からの属性データの確率分布であり、式(3
5)に示す確率分布は追尾対象目標からの位置等の運動
諸元の確率分布である。
【0049】
【数16】
【0050】追尾対象目標からの運動諸元の確率分布
は、式(36)に示す条件付き確率密度関数で表される
とする。ここで、g(k k ,Ak)は平均ベクトル
k 、共分散行列Ak の3次元正規分布のk における確
率密度である。すなわち、追尾対象目標からの観測デー
タは式(37)で与えられる目標予測位置ベクトルk
(−)を平均とし、式(38)で与えられる追尾対象目
標の確率分布の広がりSk を共分散行列とする3次元正
規分布に従うとする。ここで、ベクトルハット k
(−)は予測値で、式(39)で表され、Pk (−)は
予測誤差共分散行列で、式(40)で表される。
【0051】
【数17】
【0052】追尾対象目標からの属性データの確率分布
P(k ,id(i)│Zk-1)は、サンプリング時刻tk-1
までの情報Zk-1のもとで属性データベクトルk ,id
(i)が得られる条件付き確率密度関数で、式(41)
で表されるとする。ここで、式(43)は式(22)に
示される目標属性観測装置で観測された属性データの仮
説Jc に対して入力される信頼度で、式(44)はサン
プル時刻tk-1 までの情報Zk-1 に基づく仮説Jc の信
頼度、すなわち追尾対象目標の属性信頼度である。ま
た、追尾対象目標から1度も観測データが得られれてい
ない状態での属性データの確率分布P(k ,id(i)N
C)は、式(42)に示すような確率密度関数で表され
るとする。ここで、NCは追尾対象目標から1度も観測
データが得られていない状態を表す。P(Jc)は仮説
cの初期確率である。
【0053】
【数18】
【0054】次に、観測データにおける位置データと既
追尾目標との相関方法について説明する。観測データベ
クトルk ,iの成分である観測位置ベクトルk ,
trk(i)がdをパラメータとして式(45)を満たす
とき、観測データベクトルk ,trk(i)は追尾目標と
相関があると判定する。
【0055】
【数19】
【0056】図3は簡単な例として観測位置データの次
元が2次元の場合について式(45)による観測データ
と追尾目標との相関を説明する図である。図3におい
て、Pは追尾目標からの観測が予測される点である式
(37)の目標予測位置ベクトルk (−)、Qは相関
をとるべき目標予測存在範囲の内外を定める境界線で、
パラメータd及び式(38)の追尾対象目標の確率分布
の広がりSk より線形代数学により算出される。D1〜
D6は観測データである。
【0057】追尾対象目標が相関をとるべき目標予測範
囲内に存在する確率を式(46)に示すようにPGkと書
く。ここで、Gk は式(47)で表される目標予測存在
範囲の領域である。なお、確率論によりPGkはパラメー
タdの値によって一意的に決まる。
【0058】
【数20】
【0059】次に、観測データにおける属性データと既
追尾目標との相関方法について説明する。観測データベ
クトルk ,i の成分である属性データベクトルk ,
id(i)がSLをパラメータとして式(48)を満たす
とき、式(29)に示す観測データベクトルk ,i の成
分である観測位置ベクトルk ,trk (i)が式(45)を
満たしていても、既追尾目標と相関がない観測データで
あると判定される。ここで、式(48)の左辺は式(4
1)で与えられる既追尾目標からの属性データ確率分布
における確率密度である。
【0060】
【数21】
【0061】図4は簡単な2次元の例として式(48)
による目標予測存在範囲内に存在する観測データと追尾
目標との相関を説明する図である。図4において、観測
データD1〜D4のうち、D2及びD4は式(45)を
満たし、目標予測存在範囲に存在しているが、式(4
8)を満たさないため、既追尾目標と相関がないと判定
される。サンプリング時刻tk までの情報Zk が得られ
た場合に、仮説Ψk,a のもとでのk の予測ベクトルハ
ットa k(−)及び予測誤差共分散行列Pa k(−)は通
常のカルマンフィルタの理論により、式(49)及び式
(50)で与えられる。また、k の平滑ベクトルハッ
k は式(51)で与えられる。
【0062】
【数22】
【0063】次に、目標の位置ベクトルがサンプリング
時刻tk に観測される場合の平滑処理について述べる。
平滑ベクトル及び平滑誤差共分散行列は通常のカルマン
フィルタの理論により、式(52)〜(54)となる。
【0064】
【数23】
【0065】ここで、ハットa k(+)は仮説Ψk,a
もとでのk の平滑ベクトル、Pa k(+)はサンプリン
グ時刻tk における仮説Ψk,a のもとでの平滑誤差共分
散行列、Kk はサンプリング時刻tk におけるゲイン行
列である。また、Pk(+)はサンプリング時刻tk
おける平滑誤差共分散行列であり、カルマンフィルタの
理論より式(55)となる。
【0066】
【数24】
【0067】また、カルマンフィルタを通常適用する場
合と同様にして、初期値ハット0 (+)、P0(+)
は別途定まっているとする。式(50)よりPa k(−)
は仮説Ψk,a によらない値なので、式(53)よりK
k 、式(54)よりPa k(+)も同様に仮説Ψk,a によ
らない値となる。
【0068】サンプリング時刻tk において、1つの観
測データベクトルk ,i が追尾対象目標からの観測ベク
トルであるとの仮説をχk,i と書く。このとき、ベクト
k,i 以外の観測データは追尾対象目標以外、例えば
クラッタ等の不要信号からの観測データと仮定してい
る。また、追尾対象目標から観測ベクトルが得られない
との仮説をχk,0 と書く。サンプリング時刻tk までの
情報Zk により目標相関の仮説χk,i 及び運動モデルの
仮説Ψk,a 、Ψk-1,b が真である確率を式(56)とす
る。同様にして、目標相関の仮説χk,i が真である確率
を式(57)、運動モデルの仮説Ψk,a が真である確率
を式(58)、目標相関の仮説χk,i 及び運動モデルの
仮説Ψk,a が真である確率を式(59)と定義する。こ
こで、確率論より式(60)が成立する。
【0069】
【数25】
【0070】次に、観測データにおける位置データ及び
属性データを用いて、各仮説の信頼度を算出する方法に
ついて示す。サンプリング時刻tk において観測データ
が得られた時点での仮説χk,0 及びΨk,a が正しいとの
信頼度βa k,oはサンプリング時刻tk の観測データが得
られない時点において、仮説χk,0 及びΨk,a の観測デ
ータが得られる信頼度に、得られた mk 個の探知デー
タ全て追尾対象目標以外からの観測データであるとの信
頼度を乗算した値に比例すると考えてよい。また、サン
プリング時刻tk において観測データが得られた時点で
の仮説χk,i 及びΨk,a が正しいとの信頼度βa k,iはサ
ンプリング時刻tk の観測データが得られない時点にお
いて、仮説χk,i 及びΨk,a の観測データが得られる信
頼度に、得られた観測データベクトル k,i が追尾対象
目標以外からの観測データであるとの信頼度を乗算した
値に比例すると考えてよい。
【0071】サンプリング時刻tk で観測データが得ら
れない時点において、仮説χk,0 及びΨk,a の探知デー
タが得られる信頼度は、目標予測存在範囲から探知デー
タが得られない確率1−PdGk に運動モデルの推移確
率Pabと、追尾対象目標以外からの観測データがmk
得られる信頼度を乗算した値に比例すると考えられ、式
(61)により求まる。ここで、Pd は目標が探知され
る確率である。したがって追尾対象目標が目標予測存在
範囲内に存在して探知される確率はPdGk であり、ま
た、目標予測存在範囲内の追尾対象目標以外からの観測
データの総数は、平均βk FTGk のポアソン分布に従い
求められている。
【0072】また、運動モデルの推移にマルコフ性を仮
定すると、運動モデルΨk,a はサンプリング時刻tk-1
の運動モデルにより定まり、tk-1以前の運動モデルに
は依存しないとする。この時、運動モデルの推移確率は
式(62)と書く。一方、サンプル時刻tk で観測デー
タが得られない時点において仮説χk,i 及びΨk,a の観
測データが得られる信頼度は、目標予測存在範囲から追
尾対象目標が観測される確率PdGk に、追尾対象目標
以外からの観測データがmk−1個得られる信頼度を乗
算した値に比例すると考えられ、式(63)により求ま
る。
【0073】
【数26】
【0074】次に、サンプリング時刻tk で探知データ
が得られた時点において、仮説に基づき得られた全観測
データZk に対しての信頼度を示す。得られた1つの観
測データが追尾対象目標以外からの観測データである信
頼度は、サンプリング時刻tk-1までの情報Zk-1に基づ
き一様分布の仮定及び式(42)で表される追尾対象目
標から一度も観測データが得られていない状態での追尾
対処目標からの属性データの確率分布より式(64)で
与えられる。また、得られた1つの探知データが追尾目
標からの探知データである信頼度は、目標予測存在範囲
内に存在するとの前提で、式(46)のPGk及び式(3
6)の追尾目標からの運動諸元の確率分布により式(6
5)で与えられる。
【0075】サンプリング時刻tk において仮説χk,o
に基づき得られる全観測データZkがmk 個の追尾対象
目標以外よりの観測ベクトルである信頼度、すなわちサ
ンプリング時刻tk-1 までの情報Zk-1 及び仮説χk,0
に基づく全探知データZk の信頼度は、式(64)より
式(66)で与えられる。また、サンプリング時刻tk
において仮説χk,i に基づき得られる観測データZk
内、1つの観測データが追尾対象目標からの観測データ
で、かつmk −1個の観測データが追尾対象目標以外か
らの観測データである信頼度、すなわちサンプリング時
刻tk-1 までの情報Zk-1 及び仮説χk,i 及びΨk,a
基づく全探知データZk の信頼度は、式(64)及び
(65)より式(67)で与えられる。ここで、各モデ
ル毎の目標予測位置ベクトルa k(−)と各モデル毎の
追尾対象目標の確率分布の広がりチルダSk は、式(6
8)、式(69)となる。
【0076】
【数27】
【0077】従って、サンプリング時刻tk までの情報
k に基づく仮説χk,0 、Ψk,a 及びΨk-1,bの信頼度
βa'b k,0 は式(61)と式(66)を乗算した値に比
例すると考えてよく、また、サンプリング時刻tk まで
の情報Zk に基づく仮説χk,i、Ψk,a 及びΨk-1,bの信
頼度βa'b k,0 は式(63)と式(67)を乗算した値
に比例すると考えてよく、式(60)を使用して正規化
を行い、式(70)〜(72)を得る。さらに定義によ
り式(73)〜式(74)を得る。式(72)からわか
るように、目標位置の観測ベクトルk ,trk が目標位置
の予測ベクトルHハットa k(−)に近いほど式(7
2)の値は大きくなり、目標が仮説Ψk,a のもとで運動
したとの信頼度が高く評価される。また、式(58)及
びベイズの定理より式(75)である。
【0078】
【数28】
【0079】次に、サンプリング時刻tk における追尾
対象目標の属性の信頼度を示す。追尾対象目標の属性の
信頼度は式(76)で示すサンプリング時刻tk におい
て観測データベクトルk ,id(i)が得られた時点での
仮説Jc の信頼度を観測データの信頼度βk,i により重
み付け平均した値であり、式(77)で与えられる。こ
こで、サンプリング時刻tk について1つの観測データ
ベクトルk ,id(i)が得られた時点の仮説Jc の信頼
度は、1サンプリング前の追尾対象目標の信頼度P(J
c│Zk-1)に、目標属性観測装置で観測された観測デー
タの仮説Jc に対して入力される信頼度P(k ,
trk(i)│Jc)に比例すると考えてよく、確率論より
式(78)が成立するので、式(78)を用いて正規化
することにより式(76)を得る。
【0080】
【数29】
【0081】式(51)、式(52)及び式(75)よ
り式(79)である。ここで、式(80)である。ま
た、ベイズの定理を使用すると式(83)である。以
上、サンプリング時刻tk の平滑処理について述べた。
【0082】
【数30】
【0083】サンプリング時刻tk におけるk の予測
ベクトルは式(83)、式(49)及び式(50)より
式(84)で与えられる。ここで、式(85)である。
なお、先に述べたように仮説Ψk,a のもとでの平滑誤差
共分散行列Pa k(+)は仮説Ψk,a に無関係に定まる値
なので、式(86)である。
【0084】
【数31】
【0085】次に、図1に示す実施の形態1に係る目標
追尾装置の動作を説明する。なお、カルマンフィルタを
目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、初期値
はあらかじめ定まっているとする。目標位置観測装置1
では、極座標で目標位置情報を観測し、その結果を直交
座標による目標位置情報に変換し、式(29)の位置観
測ベクトルk ,trk (i)を出力する。運動データ相関
器2では、運動データ相関諸元算出器24で計算した式
(37)の目標位置予測ベクトルk (−)と、式(3
8)の追尾対象目標の確率分布の広がりSk と、あらか
じめ設定されたパラメータdから、式(45)を用いて
追尾目標と相関の可能性のある観測データを選択する。
【0086】一方、目標属性観測装置3では、目標位置
観測装置1で観測した各対象についての信号を分析した
結果等の属性データベクトル k,id(i)を出力する。
また、属性データ相関諸元算出器4では、1サンプリン
グ前に算出した追尾目標の属性の信頼度P(Jc
k-1)またはその初期値P(Jc・NC) を属性デー
タ信頼度算出器5より第1の遅延回路6を通して入力
し、これと目標属性観測装置3より属性データベクトル
k,id(i)と共に入力される仮説Jc の基での属性デ
ータベクトル k,idの信頼度により、式(41)または
式(42)を用いて追尾目標からの属性データの確率分
布を算出する。ここで、属性データ信頼度算出器5で
は、運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
頼度算出器9からの式(73)の観測データの信頼度β
k,i と、現時刻より1サンプリング前に属性データ信頼
度算出器5で算出した追尾目標の属性信頼度P(Jc
k-1)を第1の遅延回路6を通して入力し、式(7
6)及び式(77)に従い現時刻の追尾目標の属性信頼
度を算出する。
【0087】属性データ相関器7では、運動データ相関
器2で選択された観測データk ,iのうち、属性データ
相関諸元算出器4で算出した式(41)または式(4
2)の追尾目標からの属性データの確率分布とあらかじ
め設定されたパラメータSLにより式(48)を使用し
て追尾目標と相関の可能性のあるmk 個の観測データを
選択し、これを式(30)のZk とする。また、運動モ
デル毎の観測誤差評価器8では、運動モデル毎の予測値
算出器12より得られる現時点より1サンプリング前に
算出した式(49)の運動モデル毎の予測ベクトルハッ
a k(−)を第2の遅延回路13を通して入力し式
(67)の目標位置予測ベクトルa k(−)を算出し、
運動モデル毎の予測誤差評価器17より得られる現時点
より1サンプリング前に算出した式(50)の運動モデ
ル毎の予測誤差共分散行列Pa k(−)を第4の遅延回路
18を通し入力し、これとあらかじめ設定してある観測
モデルより得られる式(21)の観測雑音共分散行列R
k より式(69)を用いて、観測ベクトルの複数個の運
動モデル各々に対する合致度である観測誤差の評価値で
あるgを式(72)に従い算出する。
【0088】運動モデル毎の運動データ及び属性データ
による信頼度算出器9では、サンプリング時刻tk-1
算出した複数個の運動モデル各々に対する信頼度である
式(70)のβb k-1を第3の遅延回路15を通して入力
し、これとあらかじめ設定された式(62)の推移確率
abと、運動モデル毎の観測誤差評価器8より入力され
る式(72)のgから、式(70)に従い、観測データ
と複数個の運動モデル各々の信頼度を算出する。ゲイン
行列算出器10では、あらかじめ設定された観測モデル
より得られる式(21)の観測雑音共分散行列Rk 及び
第4の遅延回路18を通して運動モデル毎の予測誤差評
価器17より入力される1サンプリング前に算出してお
いた運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k(−)とに
より式(53)に従いゲイン行列Kk を算出する。
【0089】平滑器11では、1サンプリング前に算出
しておいた式(51)の平滑ベクトルハット
k-1(+) を第6の遅延回路14を通し入力し、運動モ
デル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算出器
9より得られる式(70)の観測データと各運動モデル
の信頼度βa,b k,iとあらかじめ設定された式(12)の
複数個の運動モデルを構成している定数加速度ベクトル
α a と、ゲイン行列算出器10より得られるゲイン行列
k を式(79)に従い適用し平滑ベクトルハット k
(+) を算出する。運動モデル毎の予測値算出器12
では、平滑器11より得られる平滑ベクトルハット k
(+) より現時点より1サンプリング後のサンプリン
グ時刻tk+1 に対する複数個の運動モデル毎の予測ベク
トルハット a k+1(−)を式(49)に従い算出する。
【0090】運動モデル毎の平滑誤差評価器16では、
1サンプリング前に算出しておいた式(50)の運動モ
デル毎の予測誤差共分散行列を運動モデル毎の予測誤差
評価器17より第4の遅延回路18及びゲイン行列算出
器10を通して入力し、ゲイン行列算出器10より得ら
れるゲイン行列Kk とにより、式(52)の運動モデル
毎の平滑ベクトルハットa k(+)の平滑誤差の評価値
である複数個の運動モデル毎の平滑誤差共分散行列を式
(54)に従い算出する。運動モデル毎の予測誤差評価
器17では、運動モデル毎の平滑誤差評価器16より得
られる式(54)の運動モデル毎の平滑誤差共分散行列
a k(+)を式(86)に従い平滑誤差共分散行列Pk
(+) とみなし、あらかじめ設定された運動モデルよ
り得られる式(15)の駆動雑音共分散行列Qk とによ
り式(50)に従い、サンプリング時刻tk+1 に対する
複数個の運動モデル毎の予測ベクトルハット
a k+1(−)の予測誤差の評価である予測誤差共分散行列
a k+1(−)を算出する。
【0091】予測値算出器22では、平滑器11より式
(51)の平滑ベクトルハット a k(+)を入力すると
共に、運動モデル毎の運動データ及び属性データによる
信頼度算出器9より得られる式(70)の観測データと
各運動モデルの信頼度βa,b k,iを平滑器11を介して入
力し、あらかじめ設定された式(62)の推移確率Pab
とより、式(84)に従い現時点より1サンプリング後
の予測ベクトルハット a k+1(−)を算出する。運動デ
ータ相関諸元算出器24では、予測値算出器22より得
られる現時点より1サンプリング後の予測ベクトルハッ
a k+1(−)を第5の遅延回路23を介して入力する
と共に、運動モデル毎の予測誤差評価器17より1サン
プリング前に算出しておいた運動モデル毎の予測誤差共
分散行列Pa k(−)を第7の遅延回路21を通して入力
し、該運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k(−)を
予測誤差共分散行列Pk(−) とみなし、さらに、あら
かじめ設定された観測モデルより得られる式(21)の
観測雑音共分散行列Rk を用いて、式(37)の目標位
置予測ベクトル k(−)と、式(38)の追尾対象目
標の確率分布の広がりSk を算出する。
【0092】この実施の形態1は以上のように構成した
ので、目標観測データから得られる目標の運動データと
属性データを利用して観測データと追尾目標との相関を
判定し、さらに、目標の運動データと属性データを利用
して算出した観測データと複数運動モデルの信頼度を用
いて平滑ベクトルを算出することにより、目標観測位置
の他に、クラッタなどの不要信号や追尾対象目標以外の
目標が、目標予測位置の近傍に存在する場合や、目標位
置データの観測精度が低い場合にも、精度良く追尾を維
持できる効果がある。
【0093】実施の形態2. 図5は実施の形態2に係る目標追尾装置を示す構成図で
ある。図5において、図1に示す実施の形態1と同一符
号は同一部分を示し、その説明は省略する。新たな符号
として、19は平滑ベクトルの平滑誤差の評価値である
平滑誤差共分散行列を算出する平滑誤差評価器であり、
運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信頼度
算出器9により算出された各運動モデルの信頼度とゲイ
ン行列算出器により算出されたゲイン行列を使用して平
滑誤差評価値を算出し、運動モデル毎の平滑誤差評価器
16より得られる運動モデル毎の平滑誤差評価値に加算
して新たな運動モデル毎の平滑誤差評価値を算出するよ
うになされ、運動モデル毎の予測誤差評価器17は、新
たに算出された運動モデル毎の平滑誤差評価値を入力し
て運動モデル毎の予測誤差評価値を算出する。
【0094】次に、本実施の形態2の原理を説明する。
式(1)から式(51)までを用いて説明した原理は実
施の形態1と同じである。次に、サンプリング時刻tk
の平滑処理の原理についても述べる。式(52)から式
(86)までの説明は実施の形態1と同じである。式
(55)及び式(51)より、サンプリング時刻tk
おいて少なくとも1つ以上の探知データが得られている
場合の平滑誤差共分散行列Pk (+)は式(87)で表
される。さらに、式(75)より式(88)が導かれ
て、式(87)は式(89)で表される。
【0095】
【数32】
【0096】式(54)及び式(52)より、複数個の
運動モデル各々の平滑誤差共分散行列Pa k(+)は式
(90)、すなわち式(91)で表されるから、式(8
9)は式(92)となる。また、式(60)、式(7
4)及式(79)より式(93)が得られるから、Pk
(+)がaに無関係なこと、式(60)及び式(94)
より式(92)は式(94)で表される。
【0097】
【数33】
【0098】式(52)及び式(49)より、平滑ベク
トルは式(95)で表される。また、式(95)及び式
(79)より運動モデル毎の平滑ベクトルは式(96)
が成り立つ。従って、サンプリング時刻tk において探
知データが得られない場合も考慮した平滑誤差共分散行
列は式(94)より式(97)で表される。
【0099】
【数34】
【0100】なお、運動モデルが一意的に定まる時、例
えば、式(98)のとき、式(96)及び式(89)よ
り式(99)であり、複数個の運動モデル各々の平滑誤
差共分散行列Pa k(+)は平滑誤差共分散行列P
k(+) と等しくなる。すなわち、式(97)の右辺の
第2項は運動モデルが一意的に定まらないことにより平
滑誤差共分散行列を大きくする項である。以上、サンプ
リング時刻tk の平滑処理について述べた。
【0101】
【数35】
【0102】次に、図5に示す実施の形態2に係る目標
追尾装置の動作を説明する。なお、カルマンフィルタを
目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、初期値
はあらかじめ定まっているとする。目標位置観測装置1
では、極座標で目標位置情報を観測し、その結果を直交
座標による目標位置情報に変換し、式(29)の位置観
測ベクトルk ,trk(i)を出力する。運動データ相関
器2では、運動データ相関諸元算出器24で計算した式
(37)の目標位置予測ベクトルk (−)と、式(3
8)の追尾対象目標の確率分布の広がりSk と、あらか
じめ設定されたパラメータdから、式(45)を用いて
追尾目標と相関の可能性のある観測データを選択する。
一方、目標属性観測装置3では、目標位置観測装置1で
観測した各対象についての信号を分析した結果等の属性
データベクトルk ,id(i)を出力する。
【0103】属性データ相関諸元算出器4では、1サン
プリング前に算出した追尾目標の属性の信頼度P(Jc
│Zk-1)またはその初期値P(Jc│NC) を第1の
遅延回路6を通して属性データ信頼度算出器5より入力
し、これと目標属性観測装置3より属性データベクトル
k ,id(i)と共に入力される仮説Jc の基での属性デ
ータベクトルk ,id(i)の信頼度により、式(41)
または式(42)を用いて追尾目標からの属性データの
確率分布を算出する。属性データ相関器7では、運動デ
ータ相関器2で選択された観測データk ,iのうち、属
性データ相関諸元算出器4で算出した式(41)または
式(42)の追尾目標からの属性データの確率分布とあ
らかじめ設定されたパラメータSLにより式(48)を
使用して追尾目標と相関の可能性のあるmk 個の観測デ
ータを選択し、これを式(30)のZk とする。
【0104】属性データ信頼度算出器5では、運動モデ
ル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算出器9
からの式(73)の観測データの信頼度βk,i と、現時
刻tk より1サンプリング前に属性データ信頼度算出器
5で算出した追尾目標の属性信頼度P(Jc・Zk-1)を
第1の遅延回路6を通して入力し、式(76)及び式
(77)に従い現時刻の追尾目標の属性信頼度P(Jc
・Zk)を算出する。運動モデル毎の観測誤差評価器8
では、運動モデル毎の予測値算出器12より得られる現
時点より1サンプリング前に算出した式(49)の運動
モデル毎の予測ベクトルハット a k(−)を第2の遅延
回路13を通して入力して式(67)の目標位置予測ベ
クトル a k(−)を算出し、運動モデル毎の予測誤差評
価器17より得られる現時点より1サンプリング前に算
出した式(50)の運動モデル毎の予測誤差共分散行列
a k(−)を第4の遅延回路18を通し入力し、これと
あらかじめ設定してある観測モデルより得られる式(2
1)の観測雑音共分散行列Rk より式(69)を用い
て、観測ベクトルの複数個の運動モデル各々に対する合
致度である観測誤差の評価値であるgを式(72)に従
い算出する。
【0105】運動モデル毎の運動データ及び属性データ
による信頼度算出器9では、サンプリング時刻tk-1
算出した複数個の運動モデル各々に対する信頼度である
式(70)のβb k-1を第3の遅延回路15を通して入力
し、これとあらかじめ設定された式(62)の推移確率
abと、運動モデル毎の観測誤差評価器8より入力され
る式(72)のgから、式(70)に従い、観測データ
と複数個の運動モデル各々の信頼度を算出する。ゲイン
行列算出器10では、あらかじめ設定された観測モデル
より得られる式(21)の観測雑音共分散行列Rk 及び
1サンプリング前に算出しておいた運動モデル毎の予測
誤差評価器17より第4の遅延回路18を通して入力さ
れる運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k(−)とに
より式(53)に従いゲイン行列Kk を算出する。
【0106】平滑器11では、1サンプリング前に算出
しておいた式(51)の平滑ベクトルハットx
k-1(+)を第6の遅延回路14を通し入力し、運動モ
デル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算出器
9より得られる式(70)の観測データと各運動モデル
の信頼度βa'b k,iとあらかじめ設定された式(12)の
複数個の運動モデルを構成している定数加速度ベクトル
α a と、ゲイン行列算出器10より得られるゲイン行列
k を式(79)に従い適用し平滑ベクトルハット k
(+)を算出する。
【0107】運動モデル毎の予測値算出器12では、平
滑器11より得られる平滑ベクトルk (+)より現時
点より1サンプリング後のサンプリング時刻tk+1に対
する複数個の運動モデル毎の予測ベクトルハットa k+1
(−)を式(49)に従い算出する。運動モデル毎の平
滑誤差評価器16では、1サンプリング前に算出してお
いた式(50)の運動モデル毎の予測誤差共分散行列P
a k(−)を運動モデル毎の予測誤差評価器17より第4
の遅延回路18を通して入力し、ゲイン行列算出器10
より得られるゲイン行列Kk とにより、式(52)の運
動モデル毎の平滑ベクトルハットa k(+)の平滑誤差
の評価値である複数個の運動モデル毎の平滑誤差共分散
行列Pa k(+)を式(54)に従い算出する。
【0108】平滑誤差評価器19では、運動モデル毎の
運動データ及び属性データによる信頼度算出器9より得
られる各運動モデルの信頼度βa k、観測データと各運動
モデルの信頼度βa k,iと、ゲイン行列算出器10より得
られるゲイン行列Kk 及びあらかじめ設定された定数加
速度ベクトルα a より式(89)を使用し、運動ベクト
ルが一意的に定まらないことにより平滑誤差が大きくな
ると評価する項(式(97)の右辺第2〜4項)を算出
し、これに運動モデル毎の平滑誤差評価器16より得ら
れる運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pa k(+)を加
算し、平滑誤差の評価である平滑誤差共分散行列P
k(+)を式(97)に従い算出する。
【0109】運動モデル毎の予測誤差評価器17では、
平滑誤差評価器19より得られる平滑誤差共分散行列P
k(+)と、あらかじめ設定された運動モデルより得ら
れる式(15)の駆動雑音共分散行列Qk とにより式
(50)に従い、サンプリング時刻tk+1に対する複数
個の運動モデル毎の予測ベクトルハットxa k+1(−)の
予測誤差の評価である予測誤差共分散行列Pa k+1(−)
を算出する。
【0110】予測値算出器22では、平滑器11より式
(51)の平滑ベクトルハット k(+)を入力し、
動モデル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算
出器9より得られる式(70)の観測データと各運動モ
デルの信頼度βa,b k,iと、あらかじめ設定された式(6
2)の推移確率Pabより、式(84)に従い現時点より
1サンプリング後の予測ベクトルハット k+1(−)を
算出する。
【0111】運動データ相関諸元算出器24では、予測
値算出器22より得られる現時点より1サンプリング後
の予測ベクトルハットk+1 (−)と、あらかじめ設定
された観測モデルより得られる式(21)の観測雑音共
分散行列Rk 及び1サンプリング前に算出しておいた運
動モデル毎の予測誤差評価器17より第7の遅延回路2
1を通して入力される運動モデル毎の予測誤差共分散行
列Pa k(−)を予測誤差共分散行列Pk(−)とみなし
て、式(37)の目標位置予測ベクトルk (−)と、
式(38)の追尾対象目標の確率分布の広がりSk を算
出する。
【0112】この実施の形態2は以上のように構成した
ので、目標観測データから得られる目標の運動データと
属性データを利用して観測データと追尾目標との相関を
判定し、さらに目標の運動データと属性データを利用し
て算出した観測データと複数運動モデルの信頼度を用い
て平滑ベクトルを算出しているので、目標観測位置の他
に、クラッタなどの不要信号や追尾対象目標以外の目標
が、目標予測位置の近傍に存在する場合や、目標位置デ
ータの観測精度が低い場合にも精度良く追尾を維持でき
る効果がある。
【0113】さらに、目標の運動データと属性データを
用いて複数の運動モデル各々に対する信頼度を算出し、
運動モデルが一意的に定まらないことにより平滑誤差の
評価である平滑誤差共分散行列を増加させる諸元を算出
し、この諸元を複数個の運動モデル毎の平滑誤差共分散
行列に加算することにより平滑誤差共分散行列を算出す
るようにしたので、平滑誤差の評価値の信頼性が高い。
【0114】実施の形態3. 図6は実施の形態3に係る目標追尾装置を示す構成図で
ある。図中、1〜7、8〜9、10〜18、21〜24
は実施の形態1と同一である。新たな符号として、20
は予測ベクトルの予測誤差を評価する予測誤差評価器で
あり、運動モデル毎の運動データ及び属性データによる
信頼度算出器9により算出された各運動モデルの信頼度
を使用して現時点より1サンプリング後の各運動モデル
毎の予測誤差評価値を算出し、運動モデル毎の予測誤差
評価器17により算出された現時点より1サンプリング
後の各運動モデル毎の予測誤差評価値に加算して現時点
より1サンプリング後の各運動モデル毎の新たな予測誤
差評価値を算出する。
【0115】次に、本実施の形態3の原理を説明する。
式(1)から式(51)までを用いた原理の説明は実施
の形態1と同じである。サンプリング時刻tk の平滑処
理は実施の形態1の式(52)から式(86)までの原
理と同じである。次に、サンプリング時刻tk における
予測処理の原理について説明する。複数個の運動モデル
を構成している定数加速度ベクトルαa (a=1,2,
・・・,N)の条件付き確率密度関数を離散系における
確率論に従い式(100)及び式(101)とする。こ
こで、デルタ関数は式(102)の性質を有している。
また、式(100)及び式(102)より式(103)
を得る。
【0116】
【数36】
【0117】すなわち、加速度ベクトルをαaと仮定し
たときの定数加速度ベクトルの推定値ハットa k-1を式
(104)と定義したとき式(105)を得る。また、
式(101)及び式(103)より式(106)を得
る。
【0118】
【数37】
【0119】すなわち、定数加速度ベクトルの推定値ハ
ットk-1 を式(107)と定義したとき式(108)
を得る。また、式(100)、式(105)及び式(1
02)よりハットua k-1の誤差共分散行列は式(10
9)である。式(100)及び式(102)よりハット
k-1 の誤差共分散行列は式(110)である。
【0120】
【数38】
【0121】サンプリング時刻tk におけるk の予測
ベクトルを式(39)とする。式(2)に式(39)、
式(51)、式(49)及び式(107)を適用して式
(111)を得る。また、式(2)及び式(107)よ
り式(112)である。Pk(−) をサンプリング時刻
k における予測誤差共分散行列、すなわち、式(11
3)とする。式(112)に式(111)を代入し、式
(55)、式(15)及び式(110)を適用し、
k-1 k-1 k-1 が互いに無相関とすれば、式(11
4)を得る。
【0122】
【数39】
【0123】従って、式(50)及び式(114)より
式(115)である。ここで、式(108)より式(1
16)である。なお、先に述べたように仮説Ψk,aのも
とでの平滑誤差共分散行列Pa k(+)は仮説Ψk,aに無
関係に定まる値なので式(117)とする。
【0124】
【数40】
【0125】次に、図6に示す実施の形態3に係る目標
追尾装置の動作を説明する。なお、カルマンフィルタを
目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、初期値
はあらかじめ定まっているとする。目標位置観測装置1
では、極座標で目標位置情報を観測し、その結果を直交
座標による目標位置情報に変換し、式(29)の位置観
測ベクトルk ,trkを出力する。目標属性観測装置3で
は、目標位置観測装置1で観測した各対象についての信
号を分析した結果等の属性データベクトルk ,id(i)
を出力する。
【0126】運動データ相関器2では、運動データ相関
諸元算出器24で計算した式(37)の目標位置予測ベ
クトルk (−)と、式(38)の追尾対象目標の確率
分布の広がりSk と、あらかじめ設定されたパラメータ
dから、式(45)を用いて追尾目標と相関の可能性の
ある観測データを選択する。属性データ相関諸元算出器
4では、1サンプリング前に算出した追尾目標の属性の
信頼度P(Jc│Zk-1)またはその初期値P(Jc│N
S)を第1の遅延回路6を通して属性データ信頼度算出
器5より入力し、これと目標属性観測装置3より属性デ
ータベクトルk ,id(i)と共に入力される仮説Jc
基での属性データベクトルk ,id(i)の信頼度によ
り、式(41)または式(42)を用いて追尾目標から
の属性データの確率分布を算出する。
【0127】属性データ相関器7では、運動データ相関
器2で選択された観測データ k,iのうち、属性データ
相関諸元算出器4で算出した式(41)または式(4
2)の追尾目標からの属性データの確率分布とあらかじ
め設定されたパラメータSLにより式(48)を使用し
て追尾目標と相関の可能性のあるmk 個の観測データを
選択し、これを式(30)のZk とする。属性データ信
頼度算出器5では、運動モデル毎の運動データ及び属性
データによる信頼度算出器9からの式(73)の観測デ
ータの信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に
属性データ信頼度算出器5で算出した追尾目標の属性信
頼度P(Jc・Zk-1)を第1の遅延回路6でを通して入
力し、式(76)及び式(77)に従い現時刻の追尾目
標の属性信頼度P(Jc・Zk)を算出する。
【0128】運動モデル毎の観測誤差評価器8では、運
動モデル毎の予測値算出器12より得られる現時点より
1サンプリング前に算出した式(49)の運動モデル毎
の予測ベクトルハットxa k(−)を第2の遅延回路13
を通して入力し式(67)の目標位置予測ベクトルa k
(−)を算出し、運動モデル毎の予測誤差評価器17よ
り得られる現時点より1サンプリング前に算出した式
(50)の運動モデル毎の予測誤差共分散行列P
a k(−)を第4の遅延回路18を通し入力し、これとあ
らかじめ設定してある観測モデルより得られる式(2
1)の観測雑音共分散行列Rk より式(69)を用い
て、観測ベクトルの複数個の運動モデル各々に対する合
致度である観測誤差の評価値であるgを式(72)に従
い算出する。
【0129】運動モデル毎の運動データ及び属性データ
による信頼度算出器9では、サンプリング時刻tk-1
算出した複数個の運動モデル各々に対する信頼度である
式(70)のβb k-1を第3の遅延回路15を通して入力
し、これとあらかじめ設定された式(62)の推移確率
abと、運動モデル毎の観測誤差評価器8より入力され
る式(72)のgから、式(70)に従い、観測データ
と複数個の運動モデル各々の信頼度を算出する。ゲイン
行列算出器10では、あらかじめ設定された観測モデル
より得られる式(21)の観測雑音共分散行列Rk 及び
1サンプリング前に算出しておいた運動モデル毎の予測
誤差評価器17より第4の遅延回路18を通して入力さ
れる運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k(−)とに
より式(53)に従いゲイン行列Kk を算出する。
【0130】平滑器11では、1サンプリング前に算出
しておいた式(51)の平滑ベクトルハット
k-1(+)を第6の遅延回路14を通し入力し、運動モ
デル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算出器
9より得られる式(70)の観測データと各運動モデル
の信頼度βa,b k,iとあらかじめ設定された式(12)の
複数個の運動モデルを構成している定数加速度ベクトル
α a と、ゲイン行列算出器10より得られるゲイン行列
k を式(79)に従い適用し平滑ベクトルハットx k
(+)を算出する。
【0131】運動モデル毎の予測値算出器12では、平
滑器11より得られる平滑ベクトルx k (+)より現時
点より1サンプリング後のサンプリング時刻tk+1に対
する複数個の運動モデル毎の予測ベクトルハットa k+1
(−)を式(49)に従い算出する。運動モデル毎の平
滑誤差評価器16では、1サンプリング前に算出してお
いた式(50)の運動モデル毎の予測誤差共分散行列P
a k(−)を運動モデル毎の予測誤差評価器17より第4
の遅延回路18を通して入力し、ゲイン行列算出器10
より得られるゲイン行列Kk とにより、式(52)の運
動モデル毎の平滑ベクトルハットa k(+)の平滑誤差
の評価値である複数個の運動モデル毎の平滑誤差共分散
行列Pa k(+)を式(54)に従い算出する。
【0132】運動モデル毎の予測誤差評価器17では、
運動モデル毎の平滑誤差評価器16より得られる式(5
4)の運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pa k(+)を
式(86)に従い平滑誤差共分散行列Pk(+)とみな
し、あらかじめ設定された運動モデルより得られる式
(15)の駆動雑音共分散行列Qk とにより式(50)
に従い、サンプリング時刻tk+1に対する複数個の運動
モデル毎の予測ベクトルハットa k+1(−)の予測誤差
の評価である予測誤差共分散行列Pa k+1(−)を算出す
る。
【0133】予測値算出器22では、平滑器11より式
(51)の平滑ベクトルハット a k(+)を入力し、
動モデル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算
出器9より得られる式(70)の観測データと各運動モ
デルの信頼度βa,b k,iと、あらかじめ設定された式(6
2)の推移確率Pabより、式(84)に従い現時点より
1サンプリング後の予測ベクトルハット a k+1(−)を
算出する。運動データ相関諸元算出器24では、予測値
算出器22より得られる現時点より1サンプリング後の
予測ベクトルハット a k+1(−)と、あらかじめ設定さ
れた観測モデルより得られる式(21)の観測雑音共分
散行列Rk 及び1サンプリング前に算出しておいた予測
誤差評価器20より第7の遅延回路21を通して入力さ
れる予測誤差共分散行列Pk(−)とから、式(37)
の目標位置予測ベクトル k(−)と、式(38)の追
尾対象目標の確率分布の広がりSk を算出する。
【0134】予測誤差評価器20では、運動モデル毎の
運動データ及び属性データによる信頼度算出器9より得
られる各運動モデルの信頼度βa kと、あらかじめ設定さ
れた式(62)の推移確率Pab及びあらかじめ設定され
た式(12)の複数個の運動モデルを構成している定数
加速度ベクトルα a より式(116)を使用し、現時点
より1サンプリング後の予測ベクトルハット
k+1(−)の予測誤差の評価である予測誤差共分散行列
k+1(−)を大きくする項(式(115)の右辺第2
項)を算出し、これに運動モデル毎の予測誤差評価器1
7より得られる運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa
k+1(−)を加算し、予測誤差の評価である予測誤差共
分散行列Pk+1(−)を式(115)に従い算出する。
【0135】この実施の形態3は以上のように構成した
ので、目標観測データから得られる目標の運動データと
属性データを利用して観測データと追尾目標との相関を
判定し、さらに目標の運動データと属性データを利用し
て算出した観測データと複数運動モデルの信頼度を用い
て平滑ベクトルを算出しているので、目標観測位置の他
に、クラッタなどの不要信号や追尾対象目標以外の目標
が、目標予測位置の近傍に存在する場合や、目標位置デ
ータの観測精度が低い場合にも精度良く追尾を維持でき
る効果がある。
【0136】さらに、目標の運動データと属性データを
用いて複数の運動モデル各々に対する信頼度を算出し、
運動モデルが一意的に定まらないことにより予測誤差の
評価である予測誤差共分散行列を増加させる諸元を算出
し、この諸元を複数個の運動モデル毎の予測誤差共分散
行列に加算することにより予測誤差共分散行列を算出す
るようにしたので、予測誤差の評価値の信頼性が高い。
【0137】実施の形態4.図7は実施の形態4に係る
目標追尾装置を示す構成図である。図中、1〜7、8〜
9、10〜18、21〜24は実施の形態1と同一であ
る。また、19及び20は実施の形態2及び3と同一な
平滑誤差評価器及び予測誤差評価器である。
【0138】次に、本実施の形態4の原理を説明する。
式(1)から式(51)までを用いた原理の説明は実施
の形態1と同じである。サンプリング時刻tk の平滑処
理は、実施の形態1の式(52)から式(86)まで、
及び、実施の形態2の式(87)から式(99)を用い
た原理の説明と同じである。さらに、サンプリング時刻
k における予測処理の原理は、実施の形態3の式(1
00)から式(117)までを用いた説明と同じであ
る。
【0139】次に、本実施の形態4に係る目標追尾装置
の動作を図7に従って説明する。なお、カルマンフィル
タを目標追尾装置に通常適用する場合と同様にして、初
期値はあらかじめ定まっているとする。目標位置観測装
置1では、極座標で目標位置情報Zkを観測し、その結
果を直交座標による目標位置情報Zkに変換し、式(2
9)の位置観測ベクトルk ,tr k(i)を出力する。目
標属性観測装置3では、目標位置観測装置1で観測した
各対象についての信号を分析した結果等の属性データベ
クトルk ,id(i)を出力する。
【0140】運動データ相関器2では、運動データ相関
諸元算出器24で計算した式(37)の目標位置予測ベ
クトルk (−)と、式(38)の追尾対象目標の確率
分布の広がりSk と、あらかじめ設定されたパラメータ
dから、式(45)を用いて追尾目標と相関の可能性の
ある観測データを選択する。属性データ相関諸元算出器
4では、1サンプリング前に算出した追尾目標の属性の
信頼度P(Jc│Zk-1)またはその初期値P(Jc│N
S)を第1の遅延回路6を通して属性データ信頼度算出
器5より入力し、これと目標属性観測装置3より属性デ
ータベクトルk ,id(i)と共に入力される仮説Jc
基での属性データベクトルk ,id(i)の信頼度によ
り、式(41)または式(42)を用いて追尾目標から
の属性データの確率分布を算出する。
【0141】属性データ相関器7では、運動データ相関
器2で選択された観測データ k,iのうち、属性データ
相関諸元算出器4で算出した式(41)または式(4
2)の追尾目標からの属性データの確率分布とあらかじ
め設定されたパラメータSLにより式(48)を使用し
て追尾目標と相関の可能性のあるmk 個の観測データを
選択し、これを式(30)のZk とする。属性データ信
頼度算出器5では、運動モデル毎の運動データ及び属性
データによる信頼度算出器9からの式(73)の観測デ
ータの信頼度βk,i と、現時刻より1サンプリング前に
属性データ信頼度算出器5で算出した追尾目標の属性信
頼度P(Jc・Zk-1)を第1の遅延回路6でを通して入
力し、式(76)及び式(77)に従い現時刻の追尾目
標の属性信頼度P(Jc・Zk)を算出する。
【0142】属性データ相関諸元算出器4で運動モデル
毎の観測誤差評価器8では運動モデル毎の予測値算出器
12より得られる現時点より1サンプリング前に算出し
た式(49)の運動モデル毎の予測ベクトルハットa k
(−)を第2の遅延回路13を通して入力し式(67)
の目標位置予測ベクトルa k(−)を算出し、運動モデ
ル毎の予測誤差評価器17より得られる現時点より1サ
ンプリング前に算出した式(50)の運動モデル毎の予
測誤差共分散行列Pa k(−)を第4の遅延回路18を通
し入力し、これとあらかじめ設定してある観測モデルよ
り得られる式(21)の観測雑音共分散行列Rk より式
(69)を用いて、観測ベクトルの複数個の運動モデル
各々に対する合致度である観測誤差の評価値であるgを
式(72)に従い算出する。
【0143】運動モデル毎の運動データ及び属性データ
による信頼度算出器9では、サンプリング時刻tk-1
算出した複数個の運動モデル各々に対する信頼度である
式(70)のβb k-1を第3の遅延回路15を通して入力
し、これとあらかじめ設定された式(62)の推移確率
abと、運動モデル毎の観測誤差評価器8より入力され
る式(72)のgから、式(70)に従い、観測データ
と複数個の運動モデル各々の信頼度を算出する。ゲイン
行列算出器10では、あらかじめ設定された観測モデル
より得られる式(21)の観測雑音共分散行列Rk 及び
1サンプリング前に算出しておいた運動モデル毎の予測
誤差評価器17より第4の遅延回路18を通して入力さ
れる運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa k(−)とに
より式(53)に従いゲイン行列Kk を算出する。
【0144】平滑器11では、1サンプリング前に算出
しておいた式(51)の平滑ベクトルハット
k-1(+)を第6の遅延回路14を通し入力し、運動モ
デル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算出器
9より得られる式(70)の観測データと各運動モデル
の信頼度βa,b k,iとあらかじめ設定された式(12)の
複数個の運動モデルを構成している定数加速度ベクトル
α a と、ゲイン行列算出器10より得られるゲイン行列
k を式(79)に従い適用し平滑ベクトルハット k
(+)を算出する。
【0145】運動モデル毎の予測値算出器12では、平
滑器11より得られる平滑ベクトルハットk (+)よ
り現時点より1サンプリング後のサンプリング時刻t
k+1に対する複数個の運動モデル毎の予測ベクトルハッ
a k+1(−)を式(49)に従い算出する。運動モデ
ル毎の平滑誤差評価器16では、1サンプリング前に算
出しておいた式(50)の運動モデル毎の予測誤差共分
散行列Pa k(−)を運動モデル毎の予測誤差評価器17
より第4の遅延回路18を通して入力し、ゲイン行列算
出器10より得られるゲイン行列Kk とにより、式(5
2)の運動モデル毎の平滑ベクトルハットa k(+)の
平滑誤差の評価値である複数個の運動モデル毎の平滑誤
差共分散行列Pa k(+)を式(54)に従い算出する。
【0146】平滑誤差評価器19では、運動モデル毎の
運動データ及び属性データによる信頼度算出器9より得
られる各運動モデルの信頼度βa k、観測データと各運動
モデルの信頼度βa k,iと、ゲイン行列算出器10より得
られるゲイン行列Kk 及びあらかじめ設定された定数加
速度ベクトルα a より式(89)を使用し、運動ベクト
ルが一意的に定まらないことにより平滑誤差が大きくな
ると評価する項(式(97)の右辺第2〜4項)を算出
し、これに運動モデル毎の平滑誤差評価器16より得ら
れる運動モデル毎の平滑誤差共分散行列Pa k(+)を加
算し、平滑誤差の評価である平滑誤差共分散行列P
k(+)を式(97)に従い算出する。
【0147】運動モデル毎の予測誤差評価器17では、
平滑誤差評価器19より得られる平滑誤差共分散行列P
k(+)と、あらかじめ設定された運動モデルより得ら
れる式(15)の駆動雑音共分散行列Qk とにより式
(50)に従い、サンプリング時刻tk+1に対する複数
個の運動モデル毎の予測ベクトルハットxa k+1(−)の
予測誤差の評価である予測誤差共分散行列Pa k+1(−)
を算出する。予測値算出器22では、平滑器11より式
(51)の平滑ベクトルハットxa k(+)を入力し、
動モデル毎の運動データ及び属性データによる信頼度算
出器9より得られる式(70)の観測データと各運動モ
デルの信頼度βa,b k,iと、あらかじめ設定された式(6
2)の推移確率Pabより、式(84)に従い現時点より
1サンプリング後の予測ベクトルzk,trkを算出す
る。
【0148】運動データ相関諸元算出器24では、予測
値算出器22より得られる現時点より1サンプリング後
の予測ベクトルハットxa k+1(−)と、あらかじめ設定
された観測モデルより得られる式(21)の観測雑音共
分散行列Rk 及び1サンプリング前に算出しておいた予
測誤差評価器20より第7の遅延回路21を通して入力
される予測誤差共分散行列Pk (−)とから、式(3
7)の目標位置予測ベクトルk (−)と、式(38)
の追尾対象目標の確率分布の広がりSk を算出する。
【0149】予測誤差評価器20では、運動モデル毎の
運動データ及び属性データによる信頼度算出器9より得
られる各運動モデルの信頼度βa kと、あらかじめ設定さ
れた式(62)の推移確率Pab及びあらかじめ設定され
た式(12)の複数個の運動モデルを構成している定数
加速度ベクトルα a より式(116)を使用し、現時点
より1サンプリング後の予測ベクトルハット
k+1(−)の予測誤差の評価である予測誤差共分散行列
k+1(−)を大きくする項(式(115)の右辺第2
項)を算出し、これに運動モデル毎の予測誤差評価器1
7より得られる運動モデル毎の予測誤差共分散行列Pa
k+1(−)を加算し、予測誤差の評価である予測誤差共
分散行列Pk+1(−)を式(115)に従い算出する。
【0150】この実施の形態4は以上のように構成した
ので、目標観測データから得られる目標の運動データと
属性データを利用して観測データと追尾目標との相関を
判定し、さらに目標の運動データと属性データを利用し
て算出した観測データと複数運動モデルの信頼度を用い
て平滑ベクトルを算出しているので、目標観測位置の他
に、クラッタなどの不要信号や追尾対象目標以外の目標
が、目標予測位置の近傍に存在する場合や、目標位置デ
ータの観測精度が低い場合にも精度良く追尾を維持でき
る効果がある。
【0151】また、目標の運動データと属性データを用
いて複数の運動モデル各々に対する信頼度を算出し、運
動モデルが一意的に定まらないことにより平滑誤差の評
価である平滑誤差共分散行列を増加させる諸元を算出
し、この諸元を複数個の運動モデル毎の平滑誤差共分散
行列に加算することにより平滑誤差共分散行列を算出す
るようにしたので、平滑誤差の評価値の信頼性が高い。
【0152】さらに、目標の運動データと属性データを
用いて複数の運動モデル各々に対する信頼度を算出し、
運動モデルが一意的に定まらないことにより予測誤差の
評価である予測誤差共分散行列を増加させる諸元を算出
し、この諸元を複数個の運動モデル毎の予測誤差共分散
行列に加算することにより予測誤差共分散行列を算出す
るようにしたので、予測誤差の評価値の信頼性が高い。
【0153】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る目標追尾
装置によれば、追尾目標及び追尾目標以外のクラッタか
らの位置データを観測する目標位置観測装置と、上記目
標位置観測装置からの観測データのうち、追尾目標の運
動諸元の確率分布から追尾目標と相関の可能性のある観
測データを選択する運動データ相関器と、追尾目標につ
いての信号の分析結果である目標個体またはグループの
属性データを出力する目標属性観測装置と、上記目標属
性観測装置からの属性データの確率分布を算出する属性
データ相関諸元算出器と、上記運動データ相関器により
選択された観測データのうち、上記属性データ相関諸元
算出器からの属性データの確率分布から追尾目標と相関
の可能性のある観測データを選択する属性データ相関器
と、上記属性データ相関器からの観測データと現時点よ
り1サンプリング前の運動モデル毎の予測値及び予測誤
差評価値に基づいて運動モデル毎の観測誤差評価値を算
出する運動モデル毎の観測誤差評価器と、上記運動モデ
ル毎の観測誤差評価器からの運動モデル毎の観測誤差評
価値に基づいて観測データと各運動モデル各々の信頼度
を算出する運動モデル毎の運動データ及び属性データに
よる信頼度算出器と、上記運動モデル毎の運動データ及
び属性データによる信頼度算出器からの観測データと各
運動モデルの信頼度を用いて目標運動諸元の平滑値を算
出する平滑値算出手段と、上記平滑値算出手段より得ら
れる目標運動諸元の平滑値に基づいて現時点より1サン
プリング前の運動モデル毎の予測値を算出する運動モデ
ル毎の予測値算出手段と、上記平滑値算出手段より得ら
れる目標運動諸元の平滑値に基づいて現時点より1サン
プリング後の目標運動諸元の予測値を算出する予測値算
出器と、運動モデル毎の平滑誤差評価値とあらかじめ設
定された運動モデルにより得られる駆動雑音共分散行列
とに基づいて現時点より1サンプリング後の各運動モデ
ル毎の予測誤差評価値を算出する運動モデル毎の予測誤
差評価器と、上記運動モデル毎の予測誤差評価器により
1サンプリング前に算出された運動モデル毎の予測誤差
評価値とあらかじめ設定された観測モデルより得られる
観測雑音共分散行列とに基づいてゲイン行列を算出する
ゲイン行列算出器と、上記運動モデル毎の予測誤差評価
器により1サンプリング前に算出された運動モデル毎の
予測誤差評価値と上記ゲイン行列算出器より得られるゲ
イン行列とに基づいて運動モデル毎の平滑誤差評価値を
算出する運動モデル毎の平滑誤差評価器と、上記予測値
算出器からの現時点より1サンプリング後の目標運動諸
元の予測値と上記運動モデル毎の予測誤差評価値とに基
づいて追尾目標の運動諸元の確率分布を算出する運動デ
ータ相関諸元算出器とを備えたので、目標観測データか
ら得られる目標の運動データと属性データを利用して観
測データと追尾目標との相関を判定し、さらに目標の運
動データと属性データを利用して算出した観測データと
複数運動モデルの信頼度を用いて平滑ベクトルを算出す
ることにより、目標観測位置の他に、クラッタなどの不
要信号や追尾対象目標以外の目標が、目標予測位置の近
傍に存在する場合や、目標位置データの観測精度が低い
場合にも精度良く追尾を維持できる効果がある。
【0154】また、上記運動モデル毎の運動データ及び
属性データによる信頼度算出器により算出された各運動
モデルの信頼度と上記ゲイン行列算出器により算出され
たゲイン行列を使用して平滑誤差評価値を算出し、上記
運動モデル毎の平滑誤差評価器より得られる運動モデル
毎の平滑誤差評価値に加算して新たな運動モデル毎の平
滑誤差評価値を算出する平滑誤差評価器ををさらに備
え、上記運動モデル毎の予測誤差評価器は、上記平滑誤
差評価器からの平滑誤差評価値を入力して運動モデル毎
の予測誤差評価値を算出するようにしたので、目標の運
動データと属性データを利用して算出した観測データと
複数運動モデルの信頼度を用いて、平滑誤差の評価であ
る平滑誤差共分散行列を算出することにより、平滑誤差
の評価値の信頼性が高い目標追尾装置を提供できる等の
効果が得られる。
【0155】さらに、上記運動モデル毎の運動データ及
び属性データによる信頼度算出器により算出された各運
動モデルの信頼度を使用して現時点より1サンプリング
後の各運動モデル毎の予測誤差評価値を算出し、上記運
動モデル毎の予測誤差評価器により算出された現時点よ
り1サンプリング後の各運動モデル毎の予測誤差評価値
に加算して現時点より1サンプリング後の各運動モデル
毎の新たな予測誤差評価値を算出する予測誤差評価器を
さらに備えたので、目標の運動データと属性データを利
用して算出した観測データと複数運動モデルの信頼度を
用いて、予測誤差の評価である予測誤差共分散行列を算
出すうことにより、予測誤差共分散行列の信頼性が高い
目標追尾装置を提供できる等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係る目標追尾装置
の構成図である。
【図2】 定数加速度ベクトルを説明する図である。
【図3】 運動データによる相関を説明する図である。
【図4】 属性データによる相関を説明する図である。
【図5】 この発明の実施の形態2に係る目標追尾装置
の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3に係る目標追尾装置
の構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態4に係る目標追尾装置
の構成図である。
【図8】 従来の目標追尾装置の構成図である。
【符号の説明】
1 目標位置観測装置、2 運動データ相関器、3 目
標属性観測装置、4 属性データ相関諸元算出器、5
属性データ信頼度算出器、6 第1の遅延回路、7 属
性データ相関器、8 運動モデル毎の観測誤差評価器、
運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
頼度算出器、10 ゲイン行列算出器、11 平滑器、
12 運動モデル毎の予測値算出器、13 第2の遅延
回路、14 第6の遅延回路、15 第3の遅延回路、
16 運動モデル毎の平滑誤差評価器、17 運動モデ
ル毎の予測誤差評価器、18 第4の遅延回路、19平
滑誤差評価器、20 予測誤差評価器、21 第7の遅
延回路、22 予測値算出器、23 第5の遅延回路、
24 運動データ相関諸元算出器、25 各運動モデル
の信頼度算出器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−29786(JP,A) 特開 平5−288840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 追尾目標及び追尾目標以外のクラッタか
    らの位置データを観測する目標位置観測装置と、 上記目標位置観測装置からの観測データのうち、追尾目
    標の運動諸元の確率分布から追尾目標と相関の可能性の
    ある観測データを選択する運動データ相関器と、 追尾目標についての信号の分析結果である目標個体また
    はグループの属性データを出力する目標属性観測装置
    と、 上記目標属性観測装置からの属性データの確率分布を算
    出する属性データ相関諸元算出器と、 上記運動データ相関器により選択された観測データのう
    ち、上記属性データ相関諸元算出器からの属性データの
    確率分布から追尾目標と相関の可能性のある観測データ
    を選択する属性データ相関器と、 上記属性データ相関器からの観測データと現時点より1
    サンプリング前の運動モデル毎の予測値及び予測誤差評
    価値に基づいて運動モデル毎の観測誤差評価値を算出す
    る運動モデル毎の観測誤差評価器と、 上記運動モデル毎の観測誤差評価器からの運動モデル毎
    の観測誤差評価値に基づいて観測データと各運動モデル
    各々の信頼度を算出する運動モデル毎の運動データ及び
    属性データによる信頼度算出器と、 上記運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
    頼度算出器からの観測データと各運動モデルの信頼度を
    用いて目標運動諸元の平滑値を算出する平滑値算出手段
    と、 上記平滑値算出手段より得られる目標運動諸元の平滑値
    に基づいて現時点より1サンプリング前の運動モデル毎
    の予測値を算出する運動モデル毎の予測値算出手段と、 上記平滑値算出手段より得られる目標運動諸元の平滑値
    に基づいて現時点より1サンプリング後の目標運動諸元
    の予測値を算出する予測値算出器と、 運動モデル毎の平滑誤差評価値とあらかじめ設定された
    運動モデルにより得られる駆動雑音共分散行列とに基づ
    いて現時点より1サンプリング後の各運動モデル毎の予
    測誤差評価値を算出する運動モデル毎の予測誤差評価器
    と、 上記運動モデル毎の予測誤差評価器により1サンプリン
    グ前に算出された運動モデル毎の予測誤差評価値とあら
    かじめ設定された観測モデルより得られる観測雑音共分
    散行列とに基づいてゲイン行列を算出するゲイン行列算
    出器と、 上記運動モデル毎の予測誤差評価器により1サンプリン
    グ前に算出された運動モデル毎の予測誤差評価値と上記
    ゲイン行列算出器より得られるゲイン行列とに基づいて
    運動モデル毎の平滑誤差評価値を算出する運動モデル毎
    の平滑誤差評価器と、 上記予測値算出器からの現時点より1サンプリング後の
    目標運動諸元の予測値と上記運動モデル毎の予測誤差評
    価値とに基づいて追尾目標の運動諸元の確率分布を算出
    する運動データ相関諸元算出器と、上記運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
    頼度算出器により算出された各運動モデルの信頼度と上
    記ゲイン行列算出器により算出されたゲイン行列を使用
    して平滑誤差評価値を算出し、上記運動モデル毎の平滑
    誤差評価器より得られる運動モデル毎の平滑誤差評価値
    に加算して新たな運動モデル毎の平滑誤差評価値を算出
    する平滑誤差評価器とを備え、 上記運動モデル毎の予測誤差評価器は、上記平滑誤差評
    価器からの平滑誤差評価値を入力して運動モデル毎の予
    測誤差評価値を算出することを特徴とする目標追尾装
    置。
  2. 【請求項2】 追尾目標及び追尾目標以外のクラッタか
    らの位置データを観測する目標位置観測装置と、 上記目標位置観測装置からの観測データのうち、追尾目
    標の運動諸元の確率分布から追尾目標と相関の可能性の
    ある観測データを選択する運動データ相関器と、 追尾目標についての信号の分析結果である目標個体また
    はグループの属性データを出力する目標属性観測装置
    と、 上記目標属性観測装置からの属性データの確率分布を算
    出する属性データ相関諸元算出器と、 上記運動データ相関器により選択された観測データのう
    ち、上記属性データ相関諸元算出器からの属性データの
    確率分布から追尾目標と相関の可能性のある観測データ
    を選択する属性データ相関器と、 上記属性データ相関器からの観測データと現時点より1
    サンプリング前の運動モデル毎の予測値及び予測誤差評
    価値に基づいて運動モデル毎の観測誤差評価値を算出す
    る運動モデル毎の観測誤差評価器と、 上記運動モデル毎の観測誤差評価器からの運動モデル毎
    の観測誤差評価値に基づいて観測データと各運動モデル
    各々の信頼度を算出する運動モデル毎の運動データ及び
    属性データによる信頼度算出器と、 上記運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
    頼度算出器からの観測データと各運動モデルの信頼度を
    用いて目標運動諸元の平滑値を算出する平滑値算出手段
    と、 上記平滑値算出手段より得られる目標運動諸元の平滑値
    に基づいて現時点より1サンプリング前の運動モデル毎
    の予測値を算出する運動モデル毎の予測値算出手段と、 上記平滑値算出手段より得られる目標運動諸元の平滑値
    に基づいて現時点より1サンプリング後の目標運動諸元
    の予測値を算出する予測値算出器と、 運動モデル毎の平滑誤差評価値とあらかじめ設定された
    運動モデルにより得られる駆動雑音共分散行列とに基づ
    いて現時点より1サンプリング後の各運動モデル毎の予
    測誤差評価値を算出する運動モデル毎の予測誤差評価器
    と、 上記運動モデル毎の予測誤差評価器により1サンプリン
    グ前に算出された運動モデル毎の予測誤差評価値とあら
    かじめ設定された観測モデルより得られる観測雑音共分
    散行列とに基づいてゲイン行列を算出するゲイン行列算
    出器と、 上記運動モデル毎の予測誤差評価器により1サンプリン
    グ前に算出された運動モデル毎の予測誤差評価値と上記
    ゲイン行列算出器より得られるゲイン行列とに基づいて
    運動モデル毎の平滑誤差評価値を算出する運動モデル毎
    の平滑誤差評価器と、 上記予測値算出器からの現時点より1サンプリング後の
    目標運動諸元の予測値と上記運動モデル毎の予測誤差評
    価値とに基づいて追尾目標の運動諸元の確率分 布を算出
    する運動データ相関諸元算出器と、 上記運動モデル毎の運動データ及び属性データによる信
    頼度算出器により算出された各運動モデルの信頼度を使
    用して現時点より1サンプリング後の各運動モデル毎の
    予測誤差評価値を算出し、上記運動モデル毎の予測誤差
    評価器により算出された現時点より1サンプリング後の
    各運動モデル毎の予測誤差評価値に加算して現時点より
    1サンプリング後の各運動モデル毎の新たな予測誤差評
    価値を算出する予測誤差評価器とを備えたことを特徴と
    する目標追尾装置。
  3. 【請求項3】 上記運動モデル毎の運動データ及び属性
    データによる信頼度算出器により算出された各運動モデ
    ルの信頼度を使用して現時点より1サンプリング後の各
    運動モデル毎の予測誤差評価値を算出し、上記運動モデ
    ル毎の予測誤差評価器により算出された現時点より1サ
    ンプリング後の各運動モデル毎の予測誤差評価値に加算
    して現時点より1サンプリング後の各運動モデル毎の新
    たな予測誤差評価値を算出する予測誤差評価器を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
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