JPH11269767A

JPH11269767A - スプレー型繊維仕上げ剤組成物

Info

Publication number: JPH11269767A
Application number: JP6574898A
Authority: JP
Inventors: Katsue Nakamura; 功恵中村; Yoshikatsu Fukumoto; 佳功福本; Hiroyuki Shinto; 宏幸真籐
Original assignee: Lion Corp
Current assignee: Lion Corp
Priority date: 1998-03-16
Filing date: 1998-03-16
Publication date: 1999-10-05

Abstract

(57)【要約】【課題】アイロンかけ面への付着が少ないことにより
アイロン作業性を著しく向上させるとともに、アイロン
と布との接着が少なく、更に長期安定性に優れた、スプ
レー型繊維仕上げ剤組成物を提供する。【解決手段】（ａ）１種又は２種以上の、カルボキシ
ル基を有するビニルモノマー、及び（ｂ）１種又は２種
以上の、一般式ＣＲ₁ Ｒ₃ ＝ＣＲ₂ Ｒ₄（式中、Ｒ₁ 及
びＲ₂ はＨ又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を表し、Ｒ₃ はＨ
又はＣＯＯＲ₅（Ｒ₅は金属イオン、有機アミンイオン
又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を表す）を表し、Ｒ₄はＣＯ
ＯＲ₆（Ｒ₆はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を表す）を表す）
で表されるモノマーを、モノマー（ａ）：モノマー
（ｂ）のモル比を５０：５０〜９９．５：０．５として
得られる共重合体又はその塩を含有し、ｐＨが３．５〜
９．０である、スプレー型繊維仕上げ剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、スプレー型繊維仕
上げ剤組成物に関する。特に、本発明は、アイロンかけ
面への付着が少ないことによりアイロン作業性を著しく
向上させるとともに、アイロンと布との接着が少なく、
更に長期安定性に優れた、スプレー型繊維仕上げ剤組成
物に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、家庭用のスプレー型の衣料用
仕上げ剤として、圧縮ガスにより噴霧するエアゾール型
と、トリガータイプの容器により噴霧するような手動式
スプレー型の２種類が使用されている。このうち、エア
ゾール型に比べて使いやすく、詰め替え容器の活用によ
り資源の有効活用を図ることのできる手動式スプレー型
が好まれる傾向にある。手動式スプレー型の衣料用仕上
げ剤としては、一般に、加工澱粉、水溶性高分子などの
糊剤を含有するものが使用されている。しかしながら、
このような衣料用仕上げ剤は、アイロン仕上げ時にアイ
ロンかけ面に付着し、その結果としてアイロン滑り性が
著しく損なわれるという欠点を有していた。このような
欠点を解消すべく、衣料用仕上げ剤用の助剤として、シ
リコーンが用いられることが多い。例えば、特公平１−
３８９１２号公報には、水溶性糊料、水溶性シリコーン
及び水を含有してなる衣料用アイロン仕上げ剤が開示さ
れている。また、特開平５−２３９７７４号公報には、
水溶性高分子糊料、水不活性シリコーン及び水を含有す
ることを特徴とする衣料用仕上剤が開示されている。し
かしながら、水溶性シリコーンを用いた場合、ある程度
乾燥した衣類では良好なアイロン滑り性を有するが、ア
イロンのかけ始めは衣類とアイロン底面が接着し易く良
好な使用感が得られないという問題がある。一方、水不
溶性シリコーンの場合、効果が生ずるのに十分な量だけ
添加すると、ハリ性が低下し、更に組成物が不安定とな
り分離が生ずるという問題がある。従って、アイロンか
け面への付着及びアイロンと布との接着が少なく、かつ
長期安定性に優れた繊維仕上げ剤組成物は得られていな
いのが現状であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、ア
イロンかけ面への付着が少ないことによりアイロン作業
性を著しく向上させるとともに、アイロンと布との接着
が少なく、更に長期安定性に優れた、スプレー型繊維仕
上げ剤組成物を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、特に接着が生じやすいポリエステル、綿
とポリエステル混紡の場合であっても、アイロンかけ面
への付着が生じない、スプレー型繊維仕上げ剤組成物が
得られるよう鋭意研究をすすめた結果、部分的に中和さ
れた特定の共重合体を使用することにより、上記課題を
達成することができることを見出し、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明は、スプレー型繊維仕上げ剤組
成物であって、該組成物が、（ａ）１種又は２種以上
の、カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び
（ｂ）１種又は２種以上の、次の一般式ＣＲ₁ Ｒ₃ ＝ＣＲ₂ Ｒ₄ （式中、Ｒ₁ 及びＲ₂ はＨ又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を
表し、Ｒ₃ はＨ又はＣＯＯＲ₅（Ｒ₅は金属イオン、有
機アミンイオン又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を表す）を表
し、Ｒ₄はＣＯＯＲ₆（Ｒ₆はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を
表す）を表す）で表されるモノマーを、モノマー
（ａ）：モノマー（ｂ）のモル比を５０：５０〜９９．
５：０．５として得られる共重合体又はその塩を含有
し、該組成物のｐＨが３．５〜９．０であることを特徴
とする、前記組成物を提供する。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明で使用する第１のモノマー
であるモノマー（ａ）は、カルボキシル基を有するビニ
ルモノマーである。モノマー（ａ）に使用可能なモノマ
ーとして、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル
酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性モノマー
が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル
酸、又はマレイン酸を使用するのが特に好ましい。モノ
マー（ａ）は、部分的に中和された塩の形態であっても
よい。このような塩としては、１価、２価又は３価の塩
がある。１価の塩の例としては、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等の金属塩、アンモニウム塩、又はモノ、
ジあるいはトリエタノールアミン、モルホリン、エチル
アミン、ブチルアミン等の有機アミン塩が挙げられる。
２価の塩の例としては、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム等のアルカリ土類金属塩、エチレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン等の有機アミン塩が挙げられる。
３価の塩の例としては、アルミニウム塩、ジエチレント
リアミン等の有機アミン塩、又はポリエチレンイミン等
の多価有機アミン等が挙げられる。これらのうち、特に
ナトリウム塩が好ましい。モノマー（ａ）としては、上
記モノマー又はその塩を単独で使用してもよく、２種以
上を併用してもよい。

【０００６】本発明で使用する第２のモノマーであるモ
ノマー（ｂ）は、次の一般式ＣＲ₁ Ｒ₃ ＝ＣＲ₂ Ｒ₄ （式中、Ｒ₁ 及びＲ₂ はＨ又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を
表し、Ｒ₃ はＨ又はＣＯＯＲ₅（Ｒ₅は金属イオン、有
機アミンイオン又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を表す）を表
し、Ｒ₄はＣＯＯＲ₆（Ｒ₆はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を
表す）を表す）で表されるモノマーである。Ｒ₅が金属
イオンである場合、Ｒ₅はリチウムイオン、ナトリウム
イオン、カリウムイオン等であってよく、ナトリウムイ
オンであるのが特に好ましい。また、Ｒ₅が有機アミン
イオンである場合、Ｒ₅はモノエタノールアミンイオ
ン、ジエタノールアミンイオン、トリエタノールアミン
イオン、モルホリンイオン、エチルアミンイオン、ブチ
ルアミンイオン等であってよく、ジエタノールアミンイ
オン又はトリエタノールアミンイオンであるのが特に好
ましい。モノマー（ｂ）に使用可能なモノマーとして、
具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等が挙
げられる。これらのうち、メタクリル酸メチルを使用す
るのが特に好ましい。モノマー（ｂ）としては、上記モ
ノマーを単独で使用してもよく、２種以上を併用しても
よい。

【０００７】本発明の繊維仕上げ剤組成物は、組成物の
アイロンかけ面への付着及びアイロンと布との接着の防
止、並びに組成物の長期安定性の観点から、上記モノマ
ー（ａ）及びモノマー（ｂ）のモル比が、モノマー
（ａ）：モノマー（ｂ）＝５０：５０〜９９．５：０．
５となるようにして得られる共重合体又はその塩を含有
する。共重合体におけるモノマー（ａ）：モノマー
（ｂ）のモル比は、好ましくは７０：３０〜９９：１、
更に好ましくは６０：４０〜９８：２である。本発明の
繊維仕上げ剤組成物において、製品の安定性を一層向上
させる観点から、上記共重合体を塩の形態で、部分中和
物として使用するのが好ましい。共重合体を塩の形態で
使用する場合、ナトリウム塩、カリウム塩等として使用
することができ、ナトリウム塩とするのが特に好まし
い。

【０００８】上記共重合体又はその塩の分子量は、特に
限定されるものではないが、繊維仕上げ剤組成物の十分
な張り性能及び接着防止効果を得るとともに、スプレー
性を良好なものとするという観点から、１０００〜６，
０００，０００であるのが好ましく、更に好ましくは５
０００〜１，０００，０００、特に好ましくは１０，０
００〜５００，０００である。本発明の繊維仕上げ剤組
成物中の上記共重合体又はその塩の配合量は、仕上がり
のかたさの好みにより決定してよいが、スプレー性を良
好なものとし、かつ十分な仕上がりのかたさを得るとい
う観点から、組成物全体の重量を基準として０．１〜２
０重量％とするのが好ましく、特に０．５〜１０重量％
とするのが好ましい。

【０００９】本発明の繊維仕上げ剤組成物は、繊維に適
用した場合の接着性の強い皮膜の形成及び低温保存下で
の沈殿物の生成を防止し、かつ使用者の肌に悪影響を与
えることなく充分なハリ性を得るという観点から、３．
５〜９．０のｐＨを有する。組成物のｐＨは、好ましく
は４．５〜８．０、特に好ましくは５．０〜７．５であ
る。本発明の繊維仕上げ剤組成物のｐＨを上記の値に調
整する場合、任意の公知のｐＨ調整剤を使用することが
できる。ｐＨ調整剤としてアルカリ性物質を使用する場
合には、陽イオンとしては、ナトリウム、カリウムなど
のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金属、
アンモニウム及びトリエタノールアミンなどを含む化合
物を使用することが可能であり、ナトリウム又はトリエ
タエタノールアミンを使用するのが好ましい。

【００１０】本発明の繊維仕上げ剤組成物は更に、必要
に応じて任意成分を、本発明の効果を損なわない範囲で
配合することもできる。このような任意成分としては、
ポリビニルアルコール、化工澱粉、カルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシアルキルセルロース等の水溶性高
分子糊料、リンゴ酸、安息香酸、酒石酸等の有機酸、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、ポリプロピレング
リコール等のアイロン付着防止剤、シリコーン等のアイ
ロンすべり剤、エチルアルコール、プロピルアルコール
等の低級アルコール、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル等の浸透剤、蛍光染料、殺菌剤、香料、更にエアゾ
ールとして使用する場合には罐腐食防止剤等の添加剤が
挙げられる。本発明の繊維仕上げ剤組成物の製造方法
は、特に限定されないが、上記共重合体又はその塩及び
必要に応じて任意成分にバランス量の水を加え、ｐＨ調
整剤によりｐＨを調整して調製することができる。本発
明の繊維仕上げ剤組成物は、任意の公知のスプレー容器
に充填して使用することが可能であるが、手動式スプレ
ー容器に充填して使用するのが好ましい。手動式スプレ
ー容器としては、トリガー式、ポンプ式等の任意の公知
のものを使用することができる。

【００１１】

【発明の効果】本発明の衣料用仕上げ剤は、分離がな
く、長期間安定であり、アイロンかけはじめ時、疎水性
繊維に用いた時、あるいは、過剰量使用した場合にもア
イロン底面への接着が生じず、アイロンすべりが良好で
あるため、アイロン掛けの作業性が著しく向上する。ま
た、アイロンかけ面に付着した糊剤の焦げつきによる衣
類の汚染が極めて少ない。

【００１２】

【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるも
のではない。スプレー型繊維仕上げ剤組成物の調製実施例１アクリル酸／メタクリル酸メチル共重合体（モル比５
５：４５、分子量１５，０００）をナトリウム塩として
一部中和したもの（表１中のＰ−１）１０重量％を使用
し、任意成分としてジメチルポリシロキサンエマルジョ
ン（平均粒子径０．０２〜０．０５μｍ、粘度２０ｃＰ
（２５℃）、有効成分３４％）０．２重量％を加え、更
に香料０．０３重量％、抗菌剤としての安息香酸ナトリ
ウム０．１重量％、及びバランス量の水を添加し、水酸
化ナトリウムを使用してｐＨを調整して、実施例１のス
プレー型繊維仕上げ剤組成物を調製した。実施例２アクリル酸／メタクリル酸メチル共重合体（モル比９
５：５、分子量２００，０００）をナトリウム塩として
一部中和したもの（表１中のＰ−２）０．５重量％を使
用し、任意成分として水溶性シリコーンとしてジメチル
ポリシロキサンエマルジョンに代えてポリエーテル変性
シリコーン（信越化学製ＫＦ３５１）０．２重量％を加
えたことを除き、実施例１の場合と同様にして実施例２
のスプレー型繊維仕上げ剤組成物を調製した。実施例３〜７及び比較例１〜４表１及び表２に示す組成を使用し、ジメチルポリシロキ
サンエマルジョンを添加しなかったことを除き、実施例
１の場合と同様にして実施例３〜７及び比較例１〜４の
スプレー型繊維仕上げ剤組成物を調製した。これらの実
施例及び比較例で使用した表中の成分は、以下の通りで
ある。Ｐ−３：メタクリル酸／メタクリル酸メチル共重合体
（モル比９９：１、分子量１５０，０００）をナトリウ
ム塩として一部中和したものＰ−４：メタクリル酸／メタクリル酸エチル共重合体
（モル比７０：３０、分子量５０，０００）をナトリウ
ム塩として一部中和したものＰ−５：アクリル酸／メタクリル酸メチル共重合体
（モル比３０：７０、分子量１８５，０００）をナトリ
ウム塩として一部中和したものＰ−６：ポリアクリル酸（分子量１００，０００）Ｐ−７：ポリメタクリル酸メチル（分子量１５０，０
００）

【００１３】スプレー型繊維仕上げ剤組成物の評価スプレー型繊維仕上げ剤組成物の保存安定性、アイロン
と布との接着及びアイロンかけ面への付着について下記
の基準により評価を行った。（１）保存安定性各繊維仕上剤組成物を透明容器に入れ、５０℃、４０
℃、５℃の恒温槽に１ヶ月、また−１５℃の恒温槽に４
０時間保存後、２５℃恒温槽に８時間保存する操作を３
回繰り返し、液の分離、凝集物の存在を確認した。液の
分離、凝集物のいずれも認められなかったものを○と
し、それ以外は×とした。（２）アイロンと布との接着各繊維仕上剤組成物を手動式のスプレー容器に充填し、
約２５cm×３０cmのテト綿（ポリエステル６５％綿３５
％）＃６０に５ｇスプレーし、アイロンを繊維に適した
温度（約１６０℃）に設定して、２秒静置後のアイロン
と布との接着の有無を、次の基準で官能評価した。 ○：アイロンと布が接着しない。 ×：アイロンと布が著しく接着する。（３）アイロンかけ面への付着各繊維仕上剤組成物を手動式のスプレー容器に充填し、
約２５cm×３０cmのテト綿（ポリエステル６５％綿３５
％）＃６０に３ｇスプレーし、アイロンを繊維に適した
温度（約１６０℃）に設定して、アイロンがけを行った
後のアイロンかけ底への糊の付着の有無を、次の基準で
官能評価した。 ○：アイロンかけ面への付着がない。 △：アイロンかけ面への付着がわずかにある。 ×：アイロンかけ面への付着が著しい。実施例１〜７及び比較例１〜４のスプレー型繊維仕上げ
剤組成物の保存安定性、アイロンと布との接着及びアイ
ロンかけ面への付着についての評価結果を、表１及び表
２に示す。

【００１４】

【表１】表１実施例１２３４成分（重量％）Ｐ−１１０Ｐ−２０．５Ｐ−３８Ｐ−４１２Ｐ−５Ｐ−６Ｐ−７組成物のｐＨ５．０７．０６．０５．５評価結果保存安定性 ○ ○ ○ ○ アイロンと布との接着 ○ ○ ○ ○ アイロンかけ面への付着 ○ ○ ○ ○

【００１５】

【表２】表１（続き）実施例５６７成分（重量％）Ｐ−１５Ｐ−２６Ｐ−３３Ｐ−４４Ｐ−５Ｐ−６Ｐ−７組成物のｐＨ５．５５．０４．５評価結果保存安定性 ○ ○ ○ アイロンと布との接着 ○ ○ ○ アイロンかけ面への付着 ○ ○ ○

【００１６】

【表３】表２比較例１２３４成分（重量％）Ｐ−１５Ｐ−２Ｐ−３Ｐ−４Ｐ−５１２Ｐ−６０．３Ｐ−７７組成物のｐＨ４．０４．０５．０２．５評価結果保存安定性 × ○ × × アイロンと布との接着 ○ × ○ × アイロンかけ面への付着 ○ × ○ △

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】スプレー型繊維仕上げ剤組成物であっ
て、該組成物が、（ａ）１種又は２種以上の、カルボキ
シル基を有するビニルモノマー、及び（ｂ）１種又は２
種以上の、次の一般式ＣＲ₁ Ｒ₃ ＝ＣＲ₂ Ｒ₄ （式中、Ｒ₁ 及びＲ₂ はＨ又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を
表し、Ｒ₃ はＨ又はＣＯＯＲ₅（Ｒ₅は金属イオン、有
機アミンイオン又はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を表す）を表
し、Ｒ₄はＣＯＯＲ₆（Ｒ₆はＣ₁〜Ｃ₃アルキル基を
表す）を表す）で表されるモノマーを、モノマー
（ａ）：モノマー（ｂ）のモル比を５０：５０〜９９．
５：０．５として得られる共重合体又はその塩を含有
し、該組成物のｐＨが３．５〜９．０であることを特徴
とする、前記組成物。