JPH11268197A - 透明被覆成形品の製造方法 - Google Patents

透明被覆成形品の製造方法

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JPH11268197A
JPH11268197A JP9680198A JP9680198A JPH11268197A JP H11268197 A JPH11268197 A JP H11268197A JP 9680198 A JP9680198 A JP 9680198A JP 9680198 A JP9680198 A JP 9680198A JP H11268197 A JPH11268197 A JP H11268197A
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JP
Japan
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polysilazane
cured
meth
compound
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JP9680198A
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English (en)
Inventor
Satoshi Kondo
聡 近藤
Toshihiko Higuchi
俊彦 樋口
Takashi Shibuya
崇 澁谷
Hirotsugu Yamamoto
博嗣 山本
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面に成形され、優れた耐摩耗性、透明性、
耐擦傷性などを有した透明被覆成形品の製造方法の提
供。 【解決手段】 透明熱可塑性樹脂基材上に、ポリシラザ
ン塗膜を形成した後、前記基材の熱軟化点以上の温度に
保持し、自重により、または表面に吸引孔を有する成形
治具を吸着させることにより、所定の曲率に曲げ加工す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明熱可塑性樹脂
基材上に、耐摩耗性、透明性、耐候性などに優れたポリ
シラザン塗膜が形成され、しかも曲げ加工された透明被
覆成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ガラスに代わる透明材料として、
透明熱可塑性樹脂材料が用いられている。とりわけ芳香
族ポリカーボネート系樹脂は耐破砕性、透明性、軽量
性、易加工性などに優れ、その特徴を生かして、外壁、
アーケード等の大面積の透明部材として各方面で使用さ
れている。また、自動車等の車両用にも一部ガラス(無
機ガラスをいう、以下同様)の代わりにこうした透明熱
可塑性樹脂材料が使われる例がみられる。しかし、ガラ
スの代わりに使用するには表面の硬度が充分ではなく、
傷つきやすく摩耗しやすいため透明性が損なわれやすい
問題があった。
【0003】そこで、従来より芳香族ポリカーボネート
系樹脂の耐擦傷性や耐摩耗性の改良には、最も一般的な
方法として、分子中にアクリロイル基等の重合性官能基
を2個以上有する重合硬化性化合物を基材に塗布し、熱
または紫外線等の活性エネルギ線により硬化させ、耐擦
傷性に優れた透明硬化物層を有する成形品を得る方法が
ある。この方法は、塗布液が比較的安定で、特に紫外線
硬化ができるため生産性に優れ、成形品に曲げ加工を施
した場合でも硬化被膜にクラックが発生せず、表面の耐
擦傷性や耐摩耗性を改善できる。しかし、硬化被膜が有
機物のみからなるため表面の耐擦傷性の発現レベルには
限界があった。
【0004】一方、より高い表面硬度を透明熱可塑性樹
脂基材に付与する方法として、金属アルコキシドを透明
熱可塑性樹脂基材に塗布し熱により硬化させる方法があ
る。金属アルコキシドとしてはケイ素系の化合物が広く
用いられ、耐摩耗性にきわめて優れた硬化被膜を形成で
きる。しかし、このような方法では、硬化被膜形成後の
曲げ加工が困難であり、このため、車両用の窓、オート
バイの風防、ゴーグル、曲面を持つショーケース等の曲
げ加工が必要な部位に、上記した優れた耐摩耗性を有す
る部材を用いることができない問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、曲面に成形
され、優れた耐摩耗性、透明性、耐擦傷性などを有した
透明被覆成形品の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するため鋭意研究した結果、ポリシラザンからな
る硬化性化合物を透明熱可塑性樹脂基材に塗布し、この
硬化性化合物が硬化する前に、透明熱可塑性樹脂基材を
曲げ加工するといった製造工程を経ることで、曲面に成
形され、優れた耐摩耗性などを有した透明被覆成形品が
得られることを見いだした。
【0007】すなわち、本発明は、透明熱可塑性樹脂基
材の少なくとも片面に、ポリシラザン塗膜を形成した
後、前記塗膜の硬化前に、前記塗膜が形成された前記基
材を、前記基材の熱軟化点以上の温度に保持し、基材の
自重によりまたは成形治具に吸着させる方法で所定の曲
率に曲げ加工した後、前記塗膜を硬化することを特徴と
する透明被覆成形品の製造方法を提供する。
【0008】この場合、前記基材表面と前記硬化した塗
膜の間に、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個
以上有する多官能性化合物と、光重合開始剤とを含有す
る活性エネルギ線硬化性組成物の硬化物層を有する請求
項1記載の透明被覆成形品の製造方法であって、前記活
性エネルギ線硬化性組成物の未硬化物、部分硬化物ない
し硬化物の層の上にポリシラザンの塗膜を形成して曲げ
加工し、前記塗膜を硬化するとともに前記未硬化物ない
し部分硬化物の層が存在する場合はそれを硬化すること
が好ましい。
【0009】本発明によれば、最終的には緻密な硬化被
膜を形成するポリシラザンは、その硬化にある程度の時
間を必要とするため、逆にこの硬化前のタイミング、つ
まり塗工されて硬化する前までの間に透明熱可塑性樹脂
基材と共に曲げ加工して、その後にポリシラザン塗膜を
硬化させることにより、しわやクラック等を発生するこ
となく、曲面に成形され、優れた耐摩耗性、透明性、耐
擦傷性を有する透明被覆成形品が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明における透明熱可塑性樹脂
基材(以下、基材という。)の材料としては、各種透明
熱可塑性樹脂を使用できる。例えば、芳香族ポリカーボ
ネート系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂(アク
リル樹脂)、ポリスチレン系樹脂、芳香族ポリエステル
系樹脂、ポリイミド系樹脂などの透明熱可塑性樹脂を使
用することができ、特に芳香族ポリカーボネート系樹脂
からなる基材が好ましい。基材の形成は曲げ加工に適し
た形状である限り特に限定されないが、通常はシート状
の基材が用いられる。
【0011】また、上記基材の厚さは、1〜100mm
が好ましい。厚さが1mm未満だと窓枠等の用途で剛性
や強度が不足しやすく、また、厚さが100mm超では
曲げ加工が困難となりやすいので好ましくない。
【0012】本発明における透明被覆層を形成するポリ
シラザンとしては、下記一般式[I]で表される化合物
が好ましく使用される。
【0013】
【化1】
【0014】これらのポリシラザンは分子内に少なくと
もSi−H結合、あるいはN−H結合を有するポリシラ
ザンであればよい。使用するポリシラザンには、鎖状、
環状、あるいは架橋構造を有する物、あるいは分子内に
これらの複数の構造を同時に有する物があり、これら単
独でもあるいは混合物でも利用できる。
【0015】上記一般式[I]において、Rx 、Ry
z はすべて水素原子であるか、Rxがアルキル基また
はハロアルキル基であり、他が水素原子である化合物が
好ましい。後者の場合、ポリシラザン1分子中のすべて
のRx がアルキル基やハロアルキル基であるものは勿
論、一部のRx がアルキル基、ハロアルキル基で他のR
xが水素原子であってもよい。また、アルキル基として
は炭素数4以下のアルキル基が好ましい。
【0016】ポリシラザンの分子量としては数平均分子
量で100〜5万であるものが好ましい。数平均分子量
が100未満では、焼成しても均一な硬化被膜が得られ
にくい。数平均分子量が5万超では溶剤に溶解しにくく
なり、また塗工液自体が粘稠になるおそれがある。
【0017】これらのポリシラザンの中で、Rx 、R
y 、Rz がすべて水素原子であるペルヒドロポリシラザ
ンが、その焼成温度の低さおよび焼成後の硬化被膜の緻
密さの点で好ましい。ペルヒドロポリシラザンを用いた
場合、焼成後の硬化被膜は焼成が完全に進むと、与える
硬化被膜は完全な二酸化ケイ素被膜となる。一方で、硬
化被膜に可撓性を持たせたり、厚膜化を図る目的ではR
x に水素原子以外の置換基(特に上記アルキル基等)を
導入することが好ましい。この場合、焼成後の硬化被膜
は完全な二酸化ケイ素被膜にはならず、ケイ素原子にア
ルキル基等が結合した酸化ケイ素の被膜となる。このよ
うな酸化ケイ素被膜は、Rx の一部がアルキル基等で、
他のRx が水素原子である(Ry、R zは水素原子)であ
るポリシラザンを用いて形成することが好ましい。
【0018】ポリシラザンを溶解する溶剤としては、脂
肪族炭化水素、脂環族炭化水素、芳香族炭化水素等の炭
化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテ
ル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。具体
的には以下のものが例示できる。
【0019】ペンタン、ヘキサン、イソヘキサン、メチ
ルペンタン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソ
オクタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素類。塩化
メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ブロモホルム、
1,2−ジクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、ト
リクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭
化水素類。エチルエーテル、イソプロピルエーテル、エ
チルブチルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、ジ
メチルジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロ
ピラン等のエーテル類などが挙げられる。これらの溶剤
にポリシラザンを溶解し、ポリシラザン塗工液として調
製する。
【0020】これらの溶剤を使用する場合、ポリシラザ
ンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するために、複数の
種類の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用量は、採用さ
れる塗工方法およびポリシラザンの構造や平均分子量な
どによって異なるが、固形分濃度で0.5〜80重量%
の範囲で調製することが好ましい。
【0021】また、ポリシラザンを硬化させるために
は、通常、焼成と呼ばれる加熱が必要である。しかし本
発明においては、基材が熱可塑性樹脂であるためその焼
成温度は制限される。すなわち、基材の耐熱温度以上に
加熱して硬化させることは困難である。したがって、基
材に芳香族ポリカーボネート系樹脂などの通常の熱可塑
性樹脂を使用する場合は、その焼成温度は180℃以下
とすることが好ましい。
【0022】触媒としては、より低温でポリシラザンを
硬化させうる触媒を用いることが好ましい。そのような
触媒としては、例えば、金、銀,パラジウム、白金、ニ
ッケルなどの金属の微粒子からなる金属触媒(特開平7
−196986参照)、アミン類や酸類(特開平9−3
1333参照)がある。アミン類としては、例えば、モ
ノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルア
ミン、モノアリールアミン、ジアリールアミン、環状ア
ミンなどがある。酸類としては、例えば酢酸などの有機
酸や塩酸などの無機酸がある。
【0023】また、上記触媒の配合量としては、ポリシ
ラザン100重量部に対して0. 01〜10重量部、よ
り好ましくは0. 05〜5重量部である。配合量が0.
01重量部未満だと触媒効果が期待できず、10重量部
超では触媒同士の凝集が起こりやすくなり、透明性を損
なうおそれがあるため好ましくない。
【0024】焼成を行う雰囲気としては、空気中などの
酸素の存在する雰囲気であることが好ましい。ポリシラ
ザンの焼成により、その窒素原子が酸素原子に置換し二
酸化ケイ素が生成する。充分な酸素の存在する雰囲気中
で焼成することにより緻密な二酸化ケイ素の層が形成さ
れる。また、水や水蒸気またはアミン蒸気による処理も
低温での硬化に有用である。
【0025】さらに、ポリシラザン溶液には必要に応じ
て紫外線吸収剤、酸化防止剤などの安定剤、レベリング
剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔料、分散剤、防曇
剤、帯電防止剤などの界面活性剤類を適宜配合して用い
てもよい。
【0026】次に、本発明の実施に際しては、ポリシラ
ザンから形成される硬化塗膜の耐摩耗性をさらに向上さ
せるために、基材とポリシラザンから形成される硬化塗
膜の間に、活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個
以上有する多官能性化合物と光重合開始剤とを含む活性
エネルギ線硬化性組成物(以下、組成物(A)とい
う。)の硬化物層を設けることが好ましい。以下、この
硬化物層を接触層という。この接触層はたとえ組成物
(A)の硬化物であっても後述程度の厚さである限り曲
げ加工性を阻害しない。また、組成物(A)が未硬化物
ないし部分硬化物である状態で曲げ加工し、その後に硬
化を行うことができる。
【0027】これによれば、二酸化ケイ素を中心とする
ポリシラザン塗膜が、柔らかい基材に直接積層されてい
るのではなく、硬さの調節された透明被覆層上に積層さ
れることになるため、透明被覆成形品に対して傷を付け
ようと加えられた外力による最外層の変位が小さくなる
ことで、通常の無機物の被膜における耐擦傷性以上の耐
擦傷性が得られる。
【0028】上記組成物(A)において、多官能性化合
物は一種類の多官能性化合物であってもよく、また複数
種の化合物を用いてもよい。複数の場合、同一範疇の異
なる化合物であってもよく、範疇の異なる化合物であっ
てもよい。例えば、それぞれがアクリルウレタンである
異なる化合物の組み合わせであってもよく、一方がアク
リルウレタン、他方がウレタン結合を有しないアクリル
酸エステル化合物である組み合わせであってもよい。
【0029】本明細書では、アクリロイル基およびメタ
クリロイル基を総称して(メタ)アクリロイル基とい
う。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリレート等の表現も同様とする。
【0030】一方、組成物(A)における活性エネルギ
線硬化性の重合性官能基としては、(メタ)アクリロイ
ル基、ビニル基、アリル基などのα,β−不飽和基やそ
れを有する基であり、(メタ)アクリロイル基が好まし
い。すなわち、多官能性化合物としては、(メタ)アク
リロイル基から選ばれる1種以上の重合性官能基を2個
以上有する化合物が好ましい。とりわけ紫外線によって
より重合しやすいアクリロイル基を有する化合物が好ま
しい。さらに好ましくは、(メタ)アクリロイルオキシ
基を2個以上有する化合物、すなわち多価アルコールな
どの2個以上の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリ
ル酸とのポリエステルが好ましい。
【0031】なお、多官能性化合物は1分子中に2種以
上の重合性官能基を有する化合物であってもよく、同じ
重合性官能基を有する化合物であってもよい。また、多
官能性化合物の1分子中の重合性官能基の合計は2〜5
0個が好ましく、2〜30個がより好ましい。
【0032】また、組成物(A)において、多官能性化
合物として2種以上の多官能性化合物が含まれていても
よい。また、多官能性化合物とともに活性エネルギ線に
よって重合する重合性官能基を1個有する単官能性化合
物が含まれていてもよい。この単官能性化合物として
は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好まし
く、特にアクリロイル基を有する化合物が好ましい。
【0033】なお、組成物(A)においてこの単官能性
化合物を併用する場合、多官能性化合物とこの単官能性
化合物との合計に対するこの単官能性化合物の割合は、
特に限定されないが0〜60重量%が好ましく、0〜3
0重量%がより好ましい。単官能性化合物の割合が60
重量%超では硬化塗膜の硬さが低下し耐摩耗性が不充分
となるおそれがある。
【0034】さらに、多官能性化合物としては、光硬化
性シリコーン化合物、または重合性官能基以外に種々の
官能基や結合を有する化合物であってもよい。例えば、
水酸基、カルボキシル基、ハロゲン原子、ウレタン結
合、エーテル結合、エステル結合、チオエーテル結合、
アミド結合などを有していてもよい。特に、ウレタン結
合を有する(メタ)アクリロイル基含有化合物(いわゆ
るアクリルウレタン)と、ウレタン結合を有しない(メ
タ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。
【0035】以下、上記した2種の多官能性化合物につ
いて説明する。(1)ウレタン結合を有する(メタ)ア
クリロイル基含有化合物(以下アクリルウレタンとい
う)としては、例えば以下に示す〜のような化合物
が挙げられる。 (メタ)アクリロイル基と水酸基とを有する化合物
(X1)と、2個以上のイソシアネート基を有する化合
物(以下ポリイソシアネートという)との反応生成物。 上記化合物(X1)と2個以上の水酸基とを有する化
合物(X2)と、ポリイソシアネートとの反応生成物。 (メタ)アクリロイル基とイソシアネート基とを有す
る化合物(X3)と、上記化合物(X2)との反応生成
物。
【0036】これらの反応生成物においては、イソシア
ネート基が存在しないことが好ましいが、水酸基は存在
してもよい。したがって、これらの反応生成物の製造に
おいては、全反応原料の水酸基の合計モル数はイソシア
ネート基の合計モル数と等しいかそれより多いことがよ
り好ましい。
【0037】上記およびにおける化合物(X1)と
しては、(メタ)アクリロイル基と水酸基を各1個ずつ
有する化合物であってもよく、(メタ)アクリロイル基
2個以上と水酸基1個を有する化合物、(メタ)アクリ
ロイル基1個と水酸基2個以上を有する化合物、(メ
タ)アクリロイル基と水酸基を各2個以上有する化合物
であってもよい。
【0038】具体例として、上記順に、例えば、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロール
プロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール
ジ(メタ)アクリレートなどがある。これらは2個以上
の水酸基を有する化合物と(メタ)アクリル酸とのモノ
エステルまたは1個以上の水酸基を残したポリエステル
である。
【0039】さらに化合物(X1)としては、エポキシ
基を1個以上有する化合物と(メタ)アクリル酸との開
環反応生成物であってもよい。エポキシ基と(メタ)ア
クリル酸との反応によりエポキシ基が開環してエステル
結合が生じるとともに水酸基が生じ、(メタ)アクリロ
イル基と水酸基を有する化合物となる。また、エポキシ
基を1個以上有する化合物のエポキシ基を開環させて水
酸基含有化合物とし、それを(メタ)アクリル酸エステ
ルに変換することもできる。
【0040】エポキシ基を1個以上有する化合物として
は、いわゆるエポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシ
ドが好ましい。ポリエポキシドとしては、例えば多価フ
ェノール類−ポリグリシジルエーテル(例えばビスフェ
ノールA−ジグリシジルエーテル)などのグリシジル基
を2個以上有する化合物や脂環族エポキシ化合物が好ま
しい。さらに、エポキシ基を有する(メタ)アクリレー
トと水酸基やカルボキシル基を有する化合物との反応生
成物も化合物(X1)として使用できる。エポキシ基を
有する(メタ)アクリレートとしては、例えばグリシジ
ル(メタ)アクリレートがある。
【0041】上記およびにおけるポリイソシアネー
トとしては、通常の単量体状のポリイソシアネートでも
よく、ポリイソシアネートの多量体や変性体またはイソ
シアネート基含有ウレタンプレポリマーなどのプレポリ
マー状の化合物でもよい。
【0042】具体的な単量体状のポリイソシアネートと
しては、例えば、以下のポリイソシアネートがある
([ ]内は略称)。2,6−トリレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート、メチレンビス
(4−フェニルイソシアネート)[MDI]、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネー
ト、キシリレンジイソシアネート[XDI]、水添XD
I、水添MDI。
【0043】また、多量体としては、3量体(イソシア
ヌレート変性体)、2量体、カルボジイミド変性体など
があり、変性体としてはトリメチロールプロパン等の多
価アルコールで変性して得られるウレタン変性体、ビュ
レット変性体、ウレア変性体、アロハネート変性体など
がある。プレポリマー状のものとしては、後述のポリエ
ーテルポリオールやポリエステルポリオールなどのポリ
オールとポリイソシアネートとを反応させて得られるイ
ソシアネート基含有ウレタンプレポリマーなどがある。
これらポリイソシアネートは2種以上併用できる。
【0044】なお、ポリイソシアネートとしては、特に
無黄変性ポリイソシアネート(芳香核に直接結合したイ
ソシアネート基を有しないポリイソシアネート)が好ま
しい。具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネートな
どの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネートなどの脂環族ポリイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートがあ
る。上記のようにこれらポリイソシアネートの多量体や
変性体等も好ましい。
【0045】次に、上記およびにおける化合物(X
2)としては、多価アルコールや多価アルコールに比較
して高分子量のポリオールなどがある。
【0046】多価アルコールとしては、2〜20個の水
酸基を有する多価アルコールが好ましく、特に2〜15
個の水酸基を有する多価アルコールが好ましい。多価ア
ルコールは脂肪族の多価アルコールでもよく、脂環族多
価アルコールや芳香核を有する多価アルコールでもよ
い。
【0047】芳香核を有する多価アルコールとしては、
例えば多価フェノール類のアルキレンオキシド付加物や
多価フェノール類−ポリグリシジルエーテルなどの芳香
核を有するポリエポキシドの開環物などがある。
【0048】上記多価アルコールの具体例としては、例
えば以下の多価アルコールがある。エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シク
ロヘキサンジオール、ジメチロールシクロヘキサン、ト
リメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリト
ール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリト
ール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト、トリス(2−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレー
ト、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテルの開環
物、ビニルシクロヘキセンジオキシドの開環物。
【0049】また、高分子量のポリオールとしては、ポ
リエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリ
エーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオ
ールなどがある。また、ポリオールとして水酸基含有ビ
ニルポリマーも使用できる。これら多価アルコールやポ
リオールは2種以上を併用できる。
【0050】上記ポリオールの具体例としては、例えば
以下のポリオールがある。ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、ビスフェノールA−アルキレ
ンオキシド付加物、ポリテトラメチレングリコール等の
ポリエーテルポリオール、ポリε−カプロラクトンポリ
オール等の環状エステルを開環重合して得られるポリエ
ステルポリオール、アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、マレイン酸、フマル酸、アゼライン酸、グルタル酸
等の多塩基酸と上記多価アルコールとの反応で得られる
ポリエステルポリオール、1,6−ヘキサンジオールと
ホスゲンの反応で得られるポリカーボネートジオール。
【0051】さらに、水酸基含有ビニルポリマーとして
は、例えばアリルアルコール、ビニルアルコール、ヒド
ロキシアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体とオレフ
ィンなどの水酸基不含単量体との共重合体がある。
【0052】次に、上記における化合物(X3)とし
ては、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレー
ト、メタクリロイルイソシアネートなどが挙げられる。
【0053】(2)多官能性化合物において好ましい化
合物である、ウレタン結合を有しない(メタ)アクリル
酸エステル化合物としては、(1)で記載した化合物
(X2)と同様の2個以上の水酸基を有する化合物と
(メタ)アクリル酸とのポリエステルが好ましい。2個
以上の水酸基を有する化合物としては、(1)で記載し
た多価アルコールやポリオールが好ましい。さらに、ポ
リエポキシドと(メタ)アクリル酸との反応生成物であ
る(メタ)アクリル酸エステル化合物も好ましい。
【0054】2個以上のエポキシ基を有する化合物とし
ては、エポキシ樹脂と呼ばれているポリエポキシドがあ
る。例えば、グリシジルエーテル型ポリエポキシド、脂
環型ポリエポキシドなどのエポキシ樹脂として市販され
ているものを使用できる。
【0055】ウレタン結合を含まない多官能性化合物の
具体例としては、例えば以下に示す〜のような化合
物が挙げられる。 脂肪族多価アルコールの(メタ)アクリレート。1,
4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メ
タ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレー
ト、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメ
チロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメ
チロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリ
スリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリ
スリトールペンタ(メタ)アクリレート。
【0056】芳香核またはトリアジン環を有する多価
アルコールや多価フェノールの(メタ)アクリレート。
トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ト
リス(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)イソ
シアヌレート、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチル)ビスフェノールA、ビス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシエチル)ビスフェノールS、ビス(2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル)ビスフェノール
F、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)
イソシアヌレート、ビスフェノールAジメタクリレー
ト。
【0057】水酸基含有化合物−アルキレンオキシド
付加物の(メタ)アクリレート、水酸基含有化合物−カ
プロラクトン付加物の(メタ)アクリレート、ポリオキ
シアルキレンポリオールの(メタ)アクリレート。ただ
し、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシ
ドを表す。
【0058】トリメチロールプロパン−EO付加物のト
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−P
O付加物のトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトール−カプロラクトン付加物のヘキサ(メタ)アク
リレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレ
ート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレー
ト−カプロラクトン付加物のトリ(メタ)アクリレー
ト。
【0059】多官能性化合物とともに使用できる単官能
性化合物としては、例えば分子中に1個の(メタ)アク
リロイル基を有する化合物が好ましい。そのような単官
能性化合物は、水酸基、エポキシ基などの官能基を有し
ていてもよい。好ましい単官能性化合物は(メタ)アク
リル酸エステル、すなわち(メタ)アクリレートであ
る。
【0060】具体的な単官能性化合物としては、例えば
以下の化合物がある。メチル(メタ)アクリレート、エ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート。
【0061】一方、組成物(A)において、光重合開始
剤は公知のものが使用でき、特に入手容易な市販のもの
が好ましい。また、接触層において複数の光重合開始剤
を使用してもよい。
【0062】光重合開始剤としては、アリールケトン系
光重合開始剤(例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェ
ノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル
類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジ
メチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−ア
シロキシムエステル類など)、含イオウ系光重合開始剤
(例えば、スルフィド類、チオキサントン類など)、ア
シルホスフィンオキシド系重合開始剤、ジアシルホスフ
ィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始剤が
使用できる。特にアシルホスフィンオキシド系光重合開
始剤およびジアシルホスフィンオキシド系光重合開始剤
の使用が好ましい。また、光重合開始剤は、アミン類な
どの光増感剤と組み合わせて使用することもできる。
【0063】具体的な光重合開始剤としては、例えば以
下のような化合物がある。4−フェノキシジクロロアセ
トフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノ
ン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエ
トキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロ
ピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパ
ン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メ
チル−プロパン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチル
−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチ
オ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン。
【0064】ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチル
エーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソ
プロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベ
ンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル
安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベ
ンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化
ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベ
ンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(t−
ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,1
0−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベン
ゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4”−
ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステ
ル、メチルフェニルグリオキシレート。
【0065】4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニル
スルフィド、チオキサントン、2−クロルチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオ
キサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジ
クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン。
【0066】2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェ
ニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフ
ィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオ
キシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フ
ェニルホスフィンオキシド。
【0067】また、組成物(A)における光重合開始剤
の添加量は、硬化性成分(多官能性化合物と単官能性化
合物の合計)100重量部に対して0. 01〜20重量
部が好ましく、特に0. 1〜10重量部が好ましい。
【0068】次に、本発明の実施に際して、基材直接接
触層の耐摩耗性や硬度を高めるため組成物(A)は、平
均粒径が200nm以下のコロイド状シリカを含むこと
が好ましい。また、上記コロイド状シリカの平均粒径は
1〜100nmがより好ましく、特に1〜50nmが好
ましい。コロイド状シリカの平均粒径が200nm超で
は曇り(ヘーズ)を生じやすくなる。
【0069】また、コロイド状シリカを使用する場合、
その使用する効果を充分発揮するためにはコロイド状シ
リカの量は、組成物(A)の硬化性成分(多官能性化合
物と単多官能性化合物との合計)100重量部に対して
5〜300重量部が好ましく、10〜250重量部がよ
り好ましく、10〜50重量部がさらに好ましい。コロ
イド状シリカの量が5重量部未満だと、充分な耐摩耗性
が得られ難い。また、コロイド状シリカの量が300重
量部超では被膜に曇り(ヘーズ)が発生しやすくなり、
また得られた透明被覆成形品を、後記する熱曲げ加工な
どの2次加工を行う場合には、クラックが生じやすくな
るなどの問題がある。
【0070】さらにコロイド状シリカは、表面未修飾の
コロイド状シリカを使用できるが、下記表面修飾された
コロイド状シリカであることが、組成物(A)中のコロ
イド状シリカの分散安定性およびコロイド状シリカと多
官能性化合物との密着性向上の面で好ましい。なお、修
飾によってコロイド状シリカ微粒子の平均粒径は、実質
的に変化しないか、または多少大きくなると考えられる
が、得られる修飾コロイド状シリカの平均粒径は、上記
範囲のものであると考えられる。
【0071】以下に、表面修飾されたコロイド状シリカ
(以下、単に修飾コロイド状シリカという。)について
説明する。コロイド状シリカの分散媒としては種々の分
散媒が知られており、原料コロイド状シリカの分散媒は
特に限定されない。必要により分散媒を変えて修飾を行
うことができ、また修飾後に分散媒を変えることもでき
る。修飾コロイド状シリカの分散媒はそのまま組成物
(A)の媒体(溶媒)とすることが好ましい。
【0072】組成物(A)の媒体としては、乾燥性など
の面から比較的低沸点の溶媒、すなわち通常の塗料用溶
媒であることが好ましい。さらに、製造の容易さなどの
理由により、原料コロイド状シリカの分散媒、修飾コロ
イド状シリカの分散媒および組成物(A)の媒体は、す
べて同一の媒体(溶媒)であることが好ましい。このよ
うな媒体としては、塗料用溶媒として広く使用されてい
る有機媒体が好ましい。具体例を以下に示す。
【0073】水。メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノール、2−メチルプロパノール、4
−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレン
グリコールのような低級アルコール類。メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソル
ブ類。ジメチルアセトアミド、トルエン、キシレン、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトンなどが挙
げられ、なかでもアルコール類およびセロソルブ類がよ
り好ましい。なお、コロイド状シリカとそれを分散させ
ている分散媒との一体物を、コロイド状シリカ分散液と
いう。
【0074】コロイド状シリカの修飾は加水分解性ケイ
素基または水酸基が結合したケイ素基を有する化合物
(以下、これらを修飾剤という)を用いて行うことが好
ましい。加水分解性ケイ素基の加水分解によってシラノ
ール基が生じ、これらシラノール基がコロイド状シリカ
表面に存在すると考えられるシラノール基と反応して結
合し、修飾剤がコロイド状シリカ表面に結合すると考え
られる。修飾剤は2種以上を併用してもよい。また後述
のように互いに反応性の反応性官能基を有する修飾剤2
種をあらかじめ反応させて得られる反応生成物を修飾剤
として用いることもできる。
【0075】修飾剤は2個以上の加水分解性ケイ素基や
シラノール基を有していてもよく、また加水分解性ケイ
素基を有する化合物の部分加水分解縮合物やシラノール
基を有する化合物の部分縮合物であってもよい。好まし
くは1個の加水分解性ケイ素基を有する化合物を修飾剤
として使用する(修飾処理過程で部分加水分解縮合物が
生じてもよい)。また、修飾剤は、ケイ素原子に結合し
た有機基を有しその有機基の1個以上は反応性官能基を
有する有機基であることが好ましい。
【0076】好ましい反応性官能基は、アミノ基、メル
カプト基、エポキシ基および(メタ)アクリロイルオキ
シ基である。反応性官能基が結合する有機基としては、
反応性官能基を除いて炭素数8以下のアルキレン基やフ
ェニレン基が好ましく、特に炭素数2〜4のアルキレン
基(とりわけポリメチレン基)が好ましい。
【0077】具体的な修飾剤としては、反応性官能基の
種類によって分けると、例えば以下に示す〜のよう
な化合物が挙げられる。 (メタ)アクリロイルオキシ基含有シラン類 3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリ
エトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロ
ピルメチルジメトキシシランなど。
【0078】アミノ基含有シラン類 3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン、N−(N−ビニルベンジル−2−アミノエチル)−
3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アニリノ
プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシランなど。
【0079】メルカプト基含有シラン類 3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メル
カプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジエトキシシランなど。
【0080】エポキシ基含有シラン類 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グ
リシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルトリエトキシシランなど。
【0081】イソシアネート基含有シラン類 3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−
イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソ
シアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソ
シアネートプロピルメチルジエトキシシランなど。
【0082】上記反応性官能基を有する修飾剤2種をあ
らかじめ反応させて得られる反応生成物としては、例え
ば、アミノ基含有シラン類とエポキシ基含有シラン類と
の反応生成物、アミノ基含有シラン類と(メタ)アクリ
ロイルオキシ基含有シラン類との反応生成物、エポキシ
基含有シラン類とメルカプト基含有シラン類との反応生
成物、メルカプト基含有シラン類どうし2分子の反応生
成物などがある。
【0083】コロイド状シリカの修飾は通常、加水分解
性基を有する修飾剤を触媒存在下にコロイド状シリカに
接触させて加水分解することにより行う。例えば、コロ
イド状シリカ分散液に修飾剤を添加し、コロイド状シリ
カ分散液中で修飾剤を加水分解することによって修飾で
きる。
【0084】触媒としては、酸やアルカリがある。好ま
しくは無機酸および有機酸から選ばれる酸を使用する。
無機酸としては、例えば塩酸、フッ化水素酸、臭化水素
酸等のハロゲン化水素酸や硫酸、硝酸、リン酸等を使用
できる。有機酸としては、ギ酸、酢酸、シュウ酸、アク
リル酸、メタクリル酸等を使用できる。
【0085】反応温度としては、室温から用いる溶媒の
沸点までが好ましく、反応時間は温度にもよるが0.5
〜24時間の範囲が好ましい。
【0086】コロイド状シリカの修飾において、修飾剤
の使用量は特に限定されないが、コロイド状シリカ(分
散液中の固形分)100重量部に対し、修飾剤1〜10
0重量部が好ましい。修飾剤の量が1重量部未満では、
表面修飾の効果が得られにくい。また、100重量部超
では未反応の修飾剤やコロイド状シリカ表面に担持され
ていない修飾剤の加水分解物〜縮合物が多量に生じ、透
明被覆層の硬化組成物の硬化の際、それらが連鎖移動剤
として働いたり、硬化後の被膜の可塑剤として働き、硬
化被膜の硬度を低下させるおそれがある。
【0087】組成物(A)は、上記成分以外に溶剤や種
々の配合剤を含ませられる。溶剤は通常必須の成分であ
り、多官能性化合物が特に低粘度の液体でないかぎり溶
剤が使用される。溶剤としては、多官能性化合物を硬化
成分とする被覆用組成物に通常使用される溶剤を使用で
きる。また原料コロイド状シリカの分散媒をそのまま溶
剤として使用することもできる。さらに基材の種類によ
り適切な溶剤を選択して用いることが好ましい。
【0088】溶剤の量は必要とする組成物の粘度、目的
とする硬化被膜の厚さ、乾燥温度条件などにより適宜変
更できる。通常は組成物中の硬化性成分に対して重量で
100倍以下が好ましく、0.1〜50倍がより好まし
い。
【0089】溶剤としては、例えば前記コロイド状シリ
カを修飾するための加水分解に用いる溶媒として挙げ
た、低級アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソ
ルブ類などの溶剤がある。そのほか、酢酸n−ブチル、
ジエチレングリコールモノアセテートなどのエステル
類、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類などがある。耐
溶剤性の低い芳香族ポリカーボネート樹脂の被覆には、
低級アルコール類、セロソルブ類、エステル類、または
それらの混合物などが好ましい。
【0090】さらに、組成物(A)には、必要に応じて
紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱重合防止剤などの安定
剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、顔
料、分散剤、帯電防止剤、防曇剤などの界面活性剤類、
酸、アルカリおよび塩類などから選ばれる硬化触媒等を
適宜含有してもよい。
【0091】また、組成物(A)を硬化させる活性エネ
ルギ線としては、特に紫外線が好ましい。しかし、紫外
線に限定されず、電子線やその他の活性エネルギ線を使
用できる。紫外線源としては、キセノンランプ、パルス
キセノンランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀
灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク灯、タング
ステンランプ等が使用できる。
【0092】本発明の透明被覆成形品の製造法は、ま
ず、基材の少なくとも片面に、必要に応じて前記組成物
(A)からなる接触層を形成した後、ポリシラザン塗工
液を塗工して、ポリシラザン塗膜を形成する。ここで、
ポリシラザン塗工液を塗工する方法としては特に制限さ
れず、公知の方法を採用することができ、例えば、スピ
ンコート法、ディップ法、フローコート法、スプレー
法、バーコート法、グラビアコート法、マイクログラビ
アコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エア
ーナイフコート法等が挙げられる。
【0093】また、ポリシラザンの硬化物塗膜の厚さは
0.05〜10μmであることが好ましい。特に0.1
〜3μmの厚さであることが好ましい。厚さが0.05
μm未満だと充分な耐擦傷性が得られず、10μm超で
はそれ以上の擦傷性の向上は期待できず、また、クラッ
クが生じやすくなるため好ましくない。
【0094】次に、上記各種方法でポリシラザン塗工液
を塗工し、ポリシラザン塗膜形成した後、この基材を、
基材の熱軟化温度に5分間程度加熱し、続いて曲げ加工
を行い、塗工されたポリシラザン塗膜が硬化する前にそ
れを終了させる。
【0095】通常、上記のように曲げ加工は加熱状態で
行われ、曲げ加工のための加熱によってポリシラザン塗
膜が硬化するが、曲げ加工に要する時間と比べて、ポリ
シラザン塗膜の硬化に要する時間の方が長いため、ポリ
シラザン塗膜の硬化によって曲げ加工が困難になるおそ
れはない。
【0096】また、曲げ加工を行う際の温度としては、
基材の種類により異なるが、いずれの場合も各基材の熱
軟化点よりも5〜30℃高い雰囲気中で、1〜10分以
内の保持時間が好ましい。なお、この各基材の熱軟化点
よりも5〜30℃高い雰囲気中で保持している間にもポ
リシラザンの硬化は進むと考えられるので、あまり長時
間この雰囲気に曝すのは好ましくない。また、曲げの形
状については特に制限されることなく、単曲面でも複曲
面でもよい。芳香族ポリカーボネート系樹脂の熱軟化性
温度は通常130〜140℃である。
【0097】本発明において曲げ加工方法としては、ポ
リカーボネート基材の曲げ加工の際に一般的に採用され
ている、雄雌両型で挟んでプレスする方法以外の方法が
採用される。すなわち、上記方法ではしわやクラックが
発生して好ましくない。本発明では、以下に示す2つの
方法のいずれかを採用する。
【0098】1つの方法は、基材の自重で曲げ加工す
る方法である。例えば以下に説明する図1に示すような
成形治具を用いて行われる。図1は、本発明の実施の際
に用いられる、基材両端部を保持して曲げ加工する成形
治具を示し、(a)は斜視図、(b)は基材両端部を成
形治具に保持した状態図である。
【0099】図1に示すように、10は成形治具で、板
状の基台11の対向する1組の側面に沿って、基材を保
持するための保持板12,12が垂直に取り付けられて
おり、基材にポリシラザン塗工液を塗工した直後に、基
材15の両端部が成形治具10の保持板12,12の上
端部と当接するように基材を水平に置き、加熱炉にこの
状態で入れる。すると、基材15の自重により、垂直下
方向に凸に曲面が成形される。このときの加熱炉の温
度、および炉中での保持時間を調節することで所望の曲
率に曲げることができる。所定の時間後、治具と共に基
材を加熱炉から取り出し、その後ポリシラザン塗膜の硬
化工程へと移る方法である。さらに、基台11上に型を
おき、基材が自重でこの型上面に接するまで保持して型
上面の形状に沿った形状に曲げることもできる。
【0100】もう1つの方法は、例えば以下に説明す
る図2および図3に示すような成形治具を用いて行われ
る。図2は、本発明の実施の際に用いられる、基材を吸
引して曲げ加工するための成形治具を示し、(a)は斜
視図、(b)は底面図、(c)は断面図である。図3
(d)、(e)、(f)は、同成形治具を用いた曲げ加
工の手順を示す断面図である。
【0101】20は成形治具で、半円状の側面21、2
1と、半円筒状の底面22と、平面状の上面23とから
なる半円柱体24であり、底面22には、基材を吸引す
るための基材吸引孔25が複数設けられており、また、
上面23には、基材吸引孔25,25,…,25からの
吸引を一括して行うために、基材吸引孔25,25,
…,25と半円柱体24内部で互いに連通する一括吸引
口26が突設されている。
【0102】そして、ポリシラザン塗工液を塗工した直
後に、基材を水平に加熱炉内で保持し、炉から基材を取
り出した直後に、図3(d)、(e)、(f)に示され
るように、基材30の上部より成形治具20を近接させ
る(図中矢印P方向)と同時に、成形治具20の外部に
設置され、一括吸引口26に接続された、図示しない吸
引ポンプを作動して、基材吸引孔25,25,…,25
より基材30を吸引する。
【0103】吸引された基材30は吸引治具20に吸引
されて徐々に曲げられ、基材30a、基材30bのよう
に治具表面の曲面に基材が追随するように、所定の曲率
に成形される。その後ポリシラザン塗膜の硬化工程へと
移る方法である。このような方法であれば、曲げ加工が
良好に行われ、また深曲げが可能であるといった利点が
ある。
【0104】一方、基材とポリシラザン被膜の間に、上
述した組成物(A)からなる基材直接接触層を予め形成
させる場合、この組成物(A)とポリシラザンを硬化さ
せるタイミングとしては、以下に示す4つが挙げられ
る。
【0105】組成物(A)を塗工した後に、充分な量
の活性エネルギ線を照射して硬化を終了させ、次いでポ
リシラザン塗工液をその上に塗工し硬化させる場合。 組成物(A)を塗工した後、ポリシラザン塗工液を塗
工し、充分な量の活性エネルギ線を照射して硬化を終了
させる場合。 組成物(A)を塗工した後に指触乾燥状態になる最低
限の活性エネルギ線(通常約300mJ/cm2 までの
照射量)を一旦照射した後、ポリシラザン塗工液を塗工
し、再度充分な量の活性エネルギ線を照射して硬化を終
了させる場合。 組成物(A)とポリシラザン塗工液とを塗工した後、
ポリシラザン塗膜を硬化させ、次いで組成物(A)を硬
化させる場合。これら〜のいずれの場合において
も、曲げ加工はポリシラザン塗工液を塗工した後、ポリ
シラザンの硬化が終了する前までの間に行われる。
【0106】ポリシラザン被膜と接触層の層間密着力を
上げるためには、上記またはの方法がより好まし
い。この2つの方法の場合、ポリシラザン塗工液を塗工
後、活性エネルギ線照射過程を経た後に曲げ加工を行う
ことになる。
【0107】なお、接触層の厚さは、1〜50μmが好
ましく、特に2〜30μmの厚さであることが好まし
い。この層厚が50μm超では活性エネルギ線による硬
化が不充分になり基材との密着性が損なわれ好ましくな
い。また、1μm未満では、この上にポリシラザン塗膜
を形成したときに充分な耐擦傷性が発現できないおそれ
がある。
【0108】曲げ加工終了後、基材の熱軟化温度よりも
低く、しかも、ポリシラザン塗膜が硬化する温度に保持
して硬化を行うことにより、曲面に成形された透明被覆
成形品が得られる。
【0109】以上の方法により、優れた耐摩耗性を有す
る透明被覆成形品の曲げ加工が可能になり、従来用いる
ことができなかった車両用の窓、オートバイの風防、ゴ
ーグル、曲面を持つショーケース等への応用が可能とな
る。
【0110】
【実施例】以下、本発明を合成例(例1)、実施例(例
2〜10)、比較例(例11〜14)に基づき説明する
が、本発明はこれらに限定されない。例2〜14につい
ての各種物性の測定および評価は以下に示す方法で行
い、その結果を表1、表2に示した。
【0111】[初期曇価、耐摩耗性]曲げ加工していな
い状態の耐摩耗性を次の方法で測定した。JIS−R3
212におけるテーバー摩耗試験法により、2つのCS
−10F摩耗輪にそれぞれ500gの重りを組み合わせ
500回転と1000回転させたときの曇価をヘーズメ
ータにて測定した。なお、曇価(ヘーズ)の測定は摩耗
サイクル軌道の4カ所で行い、平均値を算出した。初期
曇価は摩耗試験前の曇価の値(%)を、耐摩耗性は(摩
耗試験後曇価)−(摩耗試験前曇価)の値(%)を示
す。
【0112】[密着性]曲げ加工していない状態の密着
性を次の方法で測定した。サンプルを剃刀の刃で1mm
間隔で縦横それぞれ11本の切れ目を付け、100個の
碁盤の目を作る。そして、市販のセロハンテープをよく
密着させた後、90度手前方向に急激にはがした際の、
被膜が剥離せずに残存したマス目の数(m)をm/10
0で表す。
【0113】[耐候性]曲げ加工していない状態の耐候
性を次の方法で測定した。サンシャインウエザーメータ
を用いてブラックパネル温度63℃で、降雨12分、乾
燥48分のサイクルで3000時間暴露後、外観の評価
を行った。
【0114】[基材]厚さ3mmの透明な芳香族ポリカ
ーボネート樹脂板(150mm×300mm)。
【0115】[例1]エチルセロソルブ分散型コロイド
状シリカ(シリカ含量30重量%、平均粒径11nm)
100重量部に3−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン5重量部と0. 1N塩酸3. 0重量部を加え、10
0℃にて6時間加熱攪拌した後12時間室温下で熟成す
ることにより、メルカプトシラン修飾コロイド状シリカ
分散液を得た。
【0116】[例2]攪拌機および冷却管を装着した1
00mLの4つ口フラスコに、窒素気流下中、低温硬化
性ペロヒドロポリシラザンのキシレン溶液(固形分20
%、東燃社製、商品名「L110」)50gおよび表面
疎水処理化酸化セリウム(多木化学社製、商品名「ニー
ドラルW−100」)を0. 5gを加え室温で30分攪
拌して被覆用組成物を得た。(塗工液1とする)
【0117】そして、基材(150mm×300mm)
にバーコータを用いてこの塗工液1を塗工(ウエット厚
み6μm)して、80℃の熱風循環オーブン中で10分
間保持し、続いて100℃の熱風循環オーブン中で12
0分間保持することでポリシラザンを本質的に硬化させ
た。そして、IR分析により最外層が完全な二酸化ケイ
素被膜になっていることを確認した。こうして1. 2μ
mの透明被覆層を形成させた。このサンプルを用いて前
記測定を行った。
【0118】別途、塗工液1を基材にバーコータを用い
て塗工液1を塗工(ウエット厚み6μm)し、図1に示
すような治具上に載せ、直ちに175℃の熱風循環オー
ブン中で5分間保持し、自重による垂れ下がりでほぼ1
80mmRの曲率を持つ曲面成型品を得た。そして、1
00℃の熱風循環オーブン中で120分間保持すること
でポリシラザンを本質的に硬化させ、その外観を観察し
た(曲げサンプル1)。
【0119】同様に塗工液1を基材にバーコータを用い
て塗工液1を塗工(ウエット厚み6μm)し、図1に示
すような治具上に載せ、直ちに175℃の熱風循環オー
ブン中で10分間保持し、自重による垂れ下がりでほぼ
120mmRの曲率を持つ曲面成型品を得た。そして、
100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持するこ
とでポリシラザンを本質的に硬化させ、その外観を観察
した(曲げサンプル2)。
【0120】さらに塗工液1を基材にバーコータを用い
て塗工液1を塗工(ウエット厚み6μm)し、直ちに1
75℃の熱風循環オーブン中で5分間水平保持し、取り
だし後、直ちに図2に示すような吸引機能を持った12
0mmRの曲率を有する雄型で吸着成形した。そして、
この型からはずし、曲面を保った状態で100℃の熱風
循環オーブン中で120分間保持することでポリシラザ
ンを本質的に硬化させ、その外観を観察した(曲げサン
プル3)。
【0121】[例3]攪拌機および冷却管を装着した1
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール15
g、酢酸ブチル15g、エチルセロソルブ7. 5g、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィ
ンオキシド150mg、2−{2−ヒドロキシ−5−
(2−アクリロイルオキシエチル)フェニル}ベンゾト
リアゾール1000mg、およびビス(1−オクチルオ
キシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニ
ル)セバケート200mgを加え溶解させ、続いて水酸
基を有するジペンタエリスリトールポリアクリレートと
部分ヌレート化ヘキサメチレンジイソシアネートの反応
生成物であるウレタンアクリレート(1分子あたり平均
15個のアクリロイル基を含有)10. 0gを加え常温
で1時間攪拌して被覆用組成物を得た(塗工液2とす
る)。
【0122】そして、基材にバーコータを用いてこの塗
工液2を塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の
熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲
気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 (波長
300〜390nm領域の紫外線積算エネルギ量以下同
じ)の紫外線を照射し、膜厚5μmの透明被覆層を硬化
させた。 そして、この上にさらに低温硬化性ペロヒド
ロポリシラザンのキシレン溶液(固形20%、東燃社
製、商品名「L110」)(塗工液3とする)をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、続
いて100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持す
ることで最外層を本質的に硬化させた。そして、IR分
析により最外層が完全な二酸化ケイ素被膜になっている
ことを確認した。こうして2層の透明被覆層を本質的に
硬化させ、総膜厚6. 2μmの透明被覆層を形成させ
た。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0123】別途、塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 の紫外線を照
射し、膜厚5μmの透明被覆層を硬化させた。
【0124】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、図1に示すような治具上に載せ、直ちに175℃の
熱風循環オーブン中で5分間保持し、自重による垂れ下
がりでほぼ180mmRの曲率を持つ曲面成型品を得
た。そして、100℃の熱風循環オーブン中で120分
間保持することでポリシラザンを本質的に硬化させ、そ
の外観を観察した(曲げサンプル4)。
【0125】同様に塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 の紫外線を照
射し、膜厚5μmの透明被覆層を硬化させた。
【0126】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、図1に示すような治具上に載せ、直ちに175℃の
熱風循環オーブン中で10分間保持し、自重による垂れ
下がりでほぼ120mmRの曲率を持つ曲面成型品を得
た。そして、100℃の熱風循環オーブン中で120分
間保持することでポリシラザンを本質的に硬化させ、そ
の外観を観察した(曲げサンプル5)。
【0127】さらに塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 の紫外線を照
射し、膜厚5μmの透明被覆層を硬化させた。
【0128】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、直ちに175℃の熱風循環オーブン中で5分間水平
保持し、取りだし後、直ちに図2に示すような吸引機能
を持った120mmRの曲率を有する雄型で吸着成形し
た。そして、この型からはずし、曲面を保った状態で1
00℃の熱風循環オーブン中で120分間保持すること
でポリシラザンを本質的に硬化させ、その外観を観察し
た(曲げサンプル6)。
【0129】[例4]攪拌機および冷却管を装着した1
00mLの4つ口フラスコに、イソプロパノール15
g、酢酸ブチル15g、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド150mg、2−
{2−ヒドロキシ−5−(2−アクリロイルオキシエチ
ル)フェニル}ベンゾトリアゾール1000mg、およ
びビス(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジニル)セバケート200mgを加
え溶解させ、続いてトリス(アクリロキシエチル)イソ
シアヌレート10. 0gを加え常温で1時間攪拌した。
続いて、例1で合成したメルカプトシラン修飾コロイド
状シリカ分散液を30. 3g加えさらに室温で15分攪
拌して被覆用組成物を得た(塗工液4とする)。
【0130】そして、例3における塗工液2の代わりに
この塗工液4を用いたことの他はすべて例3と同じ方法
で、平面サンプルおよび熱曲げサンプルを作成し評価を
行った(曲げサンプル7、8、9)。
【0131】[例5]基材にバーコータを用いてこの塗
工液2を塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の
熱風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲
気中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 の紫外線
を照射し、膜厚5μmの透明被覆層を仮硬化させた。
【0132】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/
cm2 の紫外線を照射した。最後に本サンプルを100
℃の熱風循環オーブン中で120分間保持した。そし
て、IR分析により最外層が完全な二酸化ケイ素被膜に
なっていることを確認した。こうして2層の透明被覆層
を本質的に硬化させ、総膜厚6. 2μmの透明被覆層を
形成させた。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0133】別途、塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 の紫外線を照射
し、膜厚5μmの透明被覆層を仮硬化させた。
【0134】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/
cm2 の紫外線を照射し、図1に示すような治具上に載
せ、直ちに175℃の熱風循環オーブン中で5分間保持
し、自重による垂れ下がりでほぼ180mmRの曲率を
持つ曲面成型品を得た。そして、100℃の熱風循環オ
ーブン中で120分間保持することでポリシラザンを本
質的に硬化させ、その外観を観察した(曲げサンプル1
0)。
【0135】同様に塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 の紫外線を照射
し、膜厚5μmの透明被覆層を仮硬化させた。
【0136】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/
cm2 の紫外線を照射し、図1に示すような治具上に載
せ、直ちに175℃の熱風循環オーブン中で10分間保
持し、自重による垂れ下がりでほぼ120mmRの曲率
を持つ曲面成型品を得た。そして、100℃の熱風循環
オーブン中で120分間保持することでポリシラザンを
本質的に硬化させ、その外観を観察した(曲げサンプル
11)。
【0137】さらに塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 の紫外線を照射
し、膜厚5μmの透明被覆層を仮硬化させた。
【0138】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/
cm2 の紫外線を照射し、直ちに175℃の熱風循環オ
ーブン中で5分間水平保持し、取りだし後、直ちに図2
に示すような吸引機能を持った120mmRの曲率を有
する雄型で吸着成形した。そして、この型からはずし、
曲面を保った状態で100℃の熱風循環オーブン中で1
20分間保持することでポリシラザンを本質的に硬化さ
せ、その外観を観察した(曲げサンプル12)。
【0139】[例6]例5における塗工液2の代わりに
この塗工液4を用い、仮硬化の紫外線照射強度を60m
J/cm2 に変更したことの他はすべて例5と同じ方法
で、平面サンプルおよび熱曲げサンプルを作成し評価を
行った(曲げサンプル13、14、15)。
【0140】[例7]基材にバーコータを用いてこの塗
工液2を塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の
熱風循環オーブン中で5分間保持した。
【0141】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/
cm2 の紫外線を照射した。最後に本サンプルを100
℃の熱風循環オーブン中で120分間保持した。そし
て、IR分析により最外層が完全な二酸化ケイ素被膜に
なっていることを確認した。こうして2層の透明被覆層
を本質的に硬化させ、総膜厚6. 2μmの透明被覆層を
形成させた。このサンプルを用いて前記測定を行った。
【0142】別途、塗工液2を基材にバーコータを用い
て塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で5分間保持した。
【0143】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、80℃の熱風循環オーブン中で10分間保持し、こ
れを空気雰囲気中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/
cm2 の紫外線を照射し、図1に示すような治具上に載
せ、直ちに175℃の熱風循環オーブン中で5分間保持
し、自重による垂れ下がりでほぼ180mmRの曲率を
持つ曲面成型品を得た。そして、100℃の熱風の外観
を観察した。(曲げサンプル16)
【0144】以下例5において仮硬化の操作を省いたこ
と以外はすべて同様にして2種類の曲げサンプルを作成
した(治具1、120mmR:曲げサンプル17、治具
2、120mmR:曲げサンプル18)。
【0145】[例8]例7における塗工液2の代わりに
この塗工液4を用いたことの他はすべて例7と同じ方法
で、平面サンプルおよび熱曲げサンプルを作成し評価を
行った(曲げサンプル19、20、21)。
【0146】[例9]例5におけるサンプル調製方法を
以下のように変更した。最後に100℃の熱風循環オー
ブン中で120分間保持する代わりに、室温下で1日養
生したものの平面サンプルおよび熱曲げサンプルを作成
し評価を行った(曲げサンプル22、23、24)。こ
の方法を用いたときにはIR分析により最外層に一部窒
素原子由来の吸収が残っていることが確認された。
【0147】[例10]例6におけるサンプル調製方法
を以下のように変更した。最後に100℃の熱風循環オ
ーブン中で120分間保持する代わりに、室温下で1日
養生したものの平面サンプルおよび熱曲げサンプルを作
成し評価を行った(曲げサンプル25、26、27)。
この方法を用いたときにはIR分析により最外層に一部
窒素原子由来の吸収が残っていることが確認された。
【0148】[例11]塗工液1を基材にバーコータを
用いて塗工液1を塗工(ウエット厚み6μm)し、10
0℃の熱風循環オーブン中で120分間保持することで
ポリシラザンを本質的に硬化させ、さらに170℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し直後に透明
被覆層塗工面が凸側になるように、180mmRの曲率
を雄雌の型で挟み、曲げ加工を施した。そして、その外
観を観察した(曲げサンプル28)。
【0149】[例12]塗工液2を基材にバーコータを
用いて塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気
中、高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 の紫外線
を照射し、膜厚5μmの透明被覆層を硬化させた。
【0150】そして、この上にさらに塗工液3をもう一
度バーコータを用いて塗工(ウエット厚み6μm)し
て、100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持す
ることでポリシラザンを本質的に硬化さた。その後17
0℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し直
後に透明被覆層塗工面が凸側になるように、180mm
Rの曲率を雄雌の型で挟み、曲げ加工を施した。そし
て、その外観を観察した(曲げサンプル29)。
【0151】[例13]塗工液2を基材にバーコータを
用いて塗工(ウエット厚み16μm)して、80℃の熱
風循環オーブン中で5分間保持した。これを空気雰囲気
中、高圧水銀灯を用いて150mJ/cm2 の紫外線を
照射し、膜厚5μmの透明被覆層を仮硬化させた。そし
て、この上にさらに塗工液3をもう一度バーコータを用
いて塗工(ウエット厚み6μm)して、80℃の熱風循
環オーブン中で10分間保持し、これを空気雰囲気中、
高圧水銀灯を用いて3000mJ/cm2 の紫外線を照
射て、100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持
することでポリシラザンを本質的に硬化さた。その後1
70℃の熱風循環オーブン中で5分間保持し、取り出し
直後に透明被覆層塗工面が凸側になるように、180m
mRの曲率を雄雌の型で挟み、曲げ加工を施した。そし
て、その外観を観察した(曲げサンプル30)。
【0152】[例14]例13におけるサンプル調製方
法を以下のように変更した。ポリシラザンの硬化条件を
100℃の熱風循環オーブン中で120分間保持する代
わりに、室温下で1日養生に変更し、曲げ加工を施し
た。そして、その外観を観察した(曲げサンプル3
1)。
【0153】
【表1】
【0154】
【表2】
【0155】
【発明の効果】本発明の透明被覆成形品の製造方法によ
れば、最終的に緻密な硬化被膜を形成するポリシラザン
は、その硬化にある程度の時間を必要とするため、逆に
この硬化前のタイミング、つまり塗工されて硬化する前
の間に透明熱可塑性樹脂基材と共に曲げ加工して、その
後にポリシラザン塗膜を硬化させることにより、クラッ
ク等を発生することなく、曲面に成形され、優れた耐摩
耗性、透明性、耐擦傷性を有する透明被覆成形品を得る
ことができ、従来用いることができなかった車両用の
窓、オートバイの風防、ゴーグル、曲面を持つショーケ
ース等への応用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に際して使用される成形治具の一
例を示し、(a)は斜視図、(b)は基材両端部を成形
治具に保持した状態図である。
【図2】本発明の他の実施に際して使用される成形治具
の他の例を示し、(a)は斜視図、(b)は底面図、
(c)は断面図である。
【図3】図2の成形治具を用いて基材を曲げ加工する手
順を示す断面図である。
【符号の説明】
10 成形治具 11 基台 12 保持板 15、30、30a、30b 基材 20 成形治具 21 側面 22 底面 23 上面 24 柱状体 25 基材吸引孔 26 一括吸引口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 博嗣 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明熱可塑性樹脂基材の少なくとも片面
    に、ポリシラザン塗膜を形成した後、前記塗膜の硬化前
    に、前記塗膜が形成された前記基材を、前記基材の熱軟
    化点以上の温度に保持し、基材の自重によりまたは成形
    治具に吸着させる方法で所定の曲率に曲げ加工した後、
    前記塗膜を硬化することを特徴とする透明被覆成形品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】前記基材表面と前記硬化した塗膜の間に、
    活性エネルギ線硬化性の重合性官能基を2個以上有する
    多官能性化合物と、光重合開始剤とを含有する活性エネ
    ルギ線硬化性組成物の硬化物層を有する請求項1記載の
    透明被覆成形品の製造方法であって、前記活性エネルギ
    線硬化性組成物の未硬化物、部分硬化物ないし硬化物の
    層の上にポリシラザンの塗膜を形成して曲げ加工し、前
    記塗膜を硬化するとともに前記未硬化物ないし部分硬化
    物の層が存在する場合はそれを硬化する請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】前記活性エネルギ線硬化性組成物が、さら
    に平均粒径200nm以下のコロイド状シリカを含む請
    求項2記載の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502949A (ja) * 2002-10-10 2006-01-26 ビーエーエスエフ コーティングス アクチェンゲゼルシャフト ナノ粒子、これらの表面を変性する方法、ナノ粒子の分散液、これらの製造方法および使用
JP2011256249A (ja) * 2010-06-08 2011-12-22 Konica Minolta Holdings Inc バリアフィルムの製造方法

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