JPH11267960A - 孔加工装置 - Google Patents

孔加工装置

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JPH11267960A
JPH11267960A JP7264998A JP7264998A JPH11267960A JP H11267960 A JPH11267960 A JP H11267960A JP 7264998 A JP7264998 A JP 7264998A JP 7264998 A JP7264998 A JP 7264998A JP H11267960 A JPH11267960 A JP H11267960A
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JP
Japan
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axial force
pressure
hole
operating rod
screw portion
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Withdrawn
Application number
JP7264998A
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English (en)
Inventor
Masahiko Katsu
雅彦 勝
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 他の部材を実際にねじ締結した場合に、孔加
工時に得られた被加工孔の加工精度を確実に再現し得る
孔加工装置を提供する。 【解決手段】 孔加工装置10は、シリンダブロック1
1のシリンダボア12内周面に対してホーニング加工を
行うホーニング加工装置20と、シリンダヘッドをねじ
締結するためにシリンダブロック11に形成された取付
用ねじ部15に対してシリンダヘッドを取付けた状態と
実質的に同程度の軸力を与える軸力付加手段30と、を
有する。この軸力付加手段30は、前記取付用ねじ部1
5に噛み合うねじ部36が形成された回動自在な作動ロ
ッド35を備えている。そして、作動ロッド35を回動
してねじ部36を取付用ねじ部15に噛み合わせ、油圧
などの圧力作動媒体により作動ロッド35にテンション
を加えて、取付用ねじ部15に対して軸力を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワークに形成され
た被加工孔、例えば、シリンダブロックに形成されたシ
リンダボアの内周面に対してホーニング加工などの所定
の孔加工を施す孔加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車部品には、被加工孔が形成された
ワークとして、例えば、シリンダボアが形成されたシリ
ンダブロックがある。このシリンダブロックの上面に
は、シリンダボアの周辺に位置して、シリンダヘッドを
ねじ締結するための取付用ねじ部が形成されている。シ
リンダボアの内周面にはピストンリングが摺接するが、
シリンダボア内周面とピストンリングとの密着性を高め
るべく、シリンダボアの真円度は高いものでなければな
らない。このため、周知のように、シリンダボア内周面
にはホーニング加工が施されている。
【0003】近年では、軽量化の観点などからアルミ製
のシリンダブロックが用いられているが、ホーニング加
工により所定の真円度としたアルミ製シリンダブロック
の上面にシリンダヘッドをねじ締結してエンジンを組み
上げた際に、真円度が低下する虞があった。その理由
は、アルミ製シリンダブロックは鋳鉄製シリンダブロッ
クに比較すると剛性が低いため、エンジンを組み上げた
際に、取付用ねじ部に作用するねじの軸力が当該取付用
ねじ部の周辺に作用し、シリンダボアの周辺部が微少変
形するからである。
【0004】そこで、従来には、シリンダヘッドに相当
する治具をアルミ製シリンダブロック上にねじ締結し、
実際にシリンダヘッドを取付けた状態と実質的に同程度
のねじの軸力を与えつつホーニング加工を行うようにし
たホーニング方法を具現化した孔加工装置が提案されて
いる(例えば、特開平3−256664号公報を参
照)。
【0005】この孔加工装置では、まず、治具に形成さ
れた複数のボルト孔のそれぞれにボルトを挿通し、これ
らボルトのそれぞれをシリンダブロックの取付用ねじ部
にねじ込む。次いで、例えばトルクレンチを用いて、実
際のシリンダヘッドを取付ける際の締付けトルクと同一
の締付けトルクで各ボルトを締め込み、治具をシリンダ
ブロック上に固定する。治具をこのようにねじ締結した
ままでホーニング加工を行う。そして、ホーニング加工
が終了すると、取付用ねじ部に締結されていたボルトを
緩め、治具が取り外される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の孔加工装置で
は、シリンダブロックの取付用ねじ部に治具固定用のボ
ルトを締結することから、実際のシリンダヘッドをシリ
ンダブロックに取付ける際には、治具をねじ締結するた
めに一旦使用した取付用ねじ部に、シリンダヘッド固定
用のボルトを再度締結することになる。
【0007】ここで、シリンダブロックの取付用ねじ部
は治具をねじ締結する際に一旦使用に供されたことか
ら、取付用ねじ部のねじ山の摩擦係数は、未使用前(治
具締結前)における値に比べると変化している。このた
め、たとえ所定の締付けトルクでシリンダヘッド固定用
ボルトを締め込んだとしても、シリンダヘッド固定用ボ
ルトを締結した後のねじ軸力が、大きく変化してしまう
ことが懸念される。
【0008】さらに、取付用ねじ部はシリンダブロック
に複数個設けられるのが普通であるから、個々のシリン
ダヘッド固定用ボルトによる軸力の間にもバラツキが生
じ得る。
【0009】したがって、治具をねじ締結してシリンダ
ボア内周面を所定の真円度に形成した場合であっても、
このシリンダブロックに実際にシリンダヘッドを取付け
てエンジンを組み上げたときに、前記真円度を確保する
ことが難しく、シリンダボア内周面とピストンリングと
の密着性が損なわれる場合が懸念される。
【0010】本発明は、上記従来技術に伴う課題を解決
するためになされたものであり、他の部材をねじ締結す
るためにワークに形成された取付用ねじ部に対して前記
他の部材を取付けた状態と実質的に同程度の軸力を与え
つつ所定の孔加工を行う孔加工装置であって、孔加工時
に取付用ねじ部に対して擬似的に与えた軸力と、他の部
材を実際にねじ締結した際に作用する軸力とが相違する
ことを防止し、もって、他の部材を実際にねじ締結した
場合に、孔加工時に得られた被加工孔の加工精度を再現
し得る孔加工装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1に記載の発明は、ワークに形成された被加工
孔の内周面に対して所定の孔加工を施す孔加工手段と、
他の部材をねじ締結するために前記ワークに形成された
取付用ねじ部に対して前記他の部材を取付けた状態と実
質的に同程度の軸力を与える軸力付加手段と、を有し、
前記軸力付加手段により前記軸力を与えつつ前記孔加工
手段により前記所定の孔加工を行う孔加工装置におい
て、前記軸力付加手段は、前記ワークの前記取付用ねじ
部に噛み合うねじ部が形成された回動自在な作動ロッド
を備えてなり、前記作動ロッドを回動して前記ねじ部を
前記取付用ねじ部に噛み合わせ、油圧などの圧力作動媒
体により前記作動ロッドにテンションを加えて、前記取
付用ねじ部に対して前記軸力を与えるようにしたことを
特徴とする孔加工装置である。
【0012】かかる孔加工装置では、作動ロッドのねじ
部をワークの取付用ねじ部にいわば無負荷状態で噛み合
わせてねじ込んでいることから、取付用ねじ部のねじ山
の摩擦係数は、作動ロッドをねじ込む前における値に比
べてほとんど変化しない。このため、所定の締付けトル
クで他の部材をワークにねじ締結すれば、締結後のねじ
軸力は、設計上許容されるねじ軸力の範囲内に収まるこ
ととなる。したがって、所定の孔加工時にワークの取付
用ねじ部に擬似的に与えた軸力と、他の部材をねじ締結
した際に取付用ねじ部に実際に作用する軸力とがほぼ一
致するため、ワークに他の部材をねじ締結すれば、被加
工孔の形状が孔加工完了時と同一の形状となるまで再び
微少変形し、孔加工時に得られた被加工孔の加工精度が
再現される。
【0013】また、請求項2に記載の発明は、ワークに
形成された被加工孔の内周面に対して所定の孔加工を施
す孔加工手段と、他の部材をねじ締結するために前記ワ
ークに形成された取付用ねじ部に対して前記他の部材を
取付けた状態と実質的に同程度の軸力を与える軸力付加
手段と、を有し、前記軸力付加手段により前記軸力を与
えつつ前記孔加工手段により前記所定の孔加工を行う孔
加工装置において、前記軸力付加手段は、前記ワークの
前記取付用ねじ部に噛み合うねじ部が形成された回動自
在な作動ロッドと、前記作動ロッドを回動自在に保持す
る本体部と、前記作動ロッドと前記本体部との間に形成
され油圧などの圧力作動媒体が供給路を介して供給され
る圧力室と、を備えてなり、前記作動ロッドを回動して
前記ねじ部を前記取付用ねじ部に噛み合わせ、前記圧力
室に前記圧力作動媒体を供給して前記作動ロッドにテン
ションを加えて、前記取付用ねじ部に対して前記軸力を
与えるようにしたことを特徴とする孔加工装置である。
【0014】かかる孔加工装置では、作動ロッドを回動
してねじ部をワークの取付用ねじ部に噛み合わせ、圧力
室に圧力作動媒体を供給して作動ロッドにテンションを
加えて取付用ねじ部に対して軸力を与えており、上記請
求項1に記載の発明と同様に作用する。
【0015】また、請求項3に記載の発明は、前記取付
用ねじ部は、前記ワークに複数個形成され、前記軸力付
加手段は、前記それぞれの取付用ねじ部ごとに配置さ
れ、前記複数の軸力付加手段のそれぞれの前記圧力室
は、前記供給路を介して相互に連通されていることを特
徴とする。
【0016】かかる構成によれば、それぞれの圧力室に
均等な圧力が作用し、それぞれの作動ロッドに均等なテ
ンションが加わり、それぞれの取付用ねじ部に対して均
等な軸力を擬似的に与えることができ、その結果、ワー
クと他の部材とを組み上げた際にそれぞれの取付用ねじ
部に実際に作用する軸力がほぼ均等になる。軸力の位置
ばらつきが小さくなり、ワークに対する他の部材の取付
けが安定する。
【0017】また、請求項4に記載の発明は、前記圧力
室に供給される前記圧力作動媒体の圧力を検出する圧力
検出手段と、前記圧力検出手段からの信号に基づいて前
記圧力作動媒体の圧力を調整する制御手段と、を有する
ことを特徴とする。
【0018】かかる構成によれば、擬似的に与える軸力
の設定値が維持され、ワークと他の部材とを組み上げた
際の被加工孔周辺部の微少変形を盛り込んだ孔加工が高
精度になされる。
【0019】また、請求項5に記載の発明は、前記孔加
工手段は、ホーニング加工装置であることを特徴とす
る。
【0020】かかる構成によれば、ワークに他の部材を
ねじ締結すれば、被加工孔の形状がホーニング加工完了
時と同一の形状となるまで再び微少変形し、ホーニング
加工時に得られた被加工孔の加工精度(真円度や円筒度
など)が再現される。
【0021】また、請求項6に記載の発明は、前記ワー
クは、シリンダボアが形成されたシリンダブロックであ
ることを特徴とする。
【0022】かかる構成によれば、シリンダブロックに
他の部材をねじ締結すれば、孔加工時に得られたシリン
ダボアの加工精度が再現され、ピストンリグやシリンダ
ボア内周面の偏摩耗の発生が抑制され、シリンダボア内
周面に対するピストンリングの密着性も良くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に
係る孔加工装置の要部を示す斜視図、図2は、図1に示
される軸力付加手段を示す断面図である。
【0024】図1に示されるワーク11は、被加工孔と
してのシリンダボア12が形成されたシリンダブロック
11であり、エンジンを組み上げる際には、シリンダブ
ロック11の上面に図示しないシリンダヘッド(他の部
材に相当する)が取付けられる。このシリンダヘッドを
シリンダブロック11に対してねじ締結するため、シリ
ンダボア12の軸線と平行をなすように延伸するボルト
孔13がシリンダブロック11に形成されている。ボル
ト孔13は、シリンダブロック11上面に開口部14を
有し、下端部には、シリンダヘッド固定用ボルトの雄ね
じが噛み合う雌ねじが形成された取付用ねじ部15を有
している。図示するシリンダブロック11では、3個の
シリンダボア12が形成され、これらシリンダボア12
の周辺部に8個のボルト孔13が形成されている。
【0025】孔加工装置10は、概説すれば、シリンダ
ボア12内周面に対してホーニング加工(所定の孔加工
に相当する)を施すホーニング装置20(孔加工手段に
相当する)と、前記取付用ねじ部15に対してシリンダ
ヘッドを取付けた状態と実質的に同程度の軸力を与える
軸力付加手段30と、を有し、軸力付加手段30により
前記軸力を与えつつホーニング装置20によりホーニン
グ加工を行うものである。
【0026】前記ホーニング装置20は、回転駆動およ
び昇降駆動されるホーニングヘッド21と、当該ホーニ
ングヘッド21に径方向に拡張自在に取付けられるホー
ニング砥石22と、を有する。ホーニングヘッド21を
シリンダボア12内に挿入して回転および上下に往復さ
せると共にホーニング砥石22をシリンダボア12内周
面に対して所定の圧力の下で拡張させることにより、シ
リンダボア12内周面が仕上げ加工される。
【0027】前記軸力付加手段30は、それぞれの取付
用ねじ部15ごとに配置されている。これら8個の軸力
付加手段30は、本体部をなす保持ブロック31に設け
られ、全体としてシリンダブロック11の上面に取付け
られる治具32が構成されている。保持ブロック31に
は、シリンダボア12に連なる3個のツール孔33が形
成されている。ツール孔33はシリンダボア12の内径
よりも若干大きな内径を有し、このツール孔33を通っ
て前記ホーニングヘッド21がシリンダボア12内に挿
入される。
【0028】なお、前記治具32は、ホーニング装置2
0が設けられた加工ステージに組み込まれ、当該加工ス
テージにシリンダブロック11が搬送され図示しないベ
ッド上に固定されると、ホーニング加工を行う前にシリ
ンダブロック11に取付けられ、ホーニング加工が完了
すると、シリンダブロック11から取り外される。治具
32の昇降および後述する作動ロッドの回動は、ホーニ
ング装置20の昇降機構および回転機構を利用して行わ
れる。
【0029】図2に示すように、各軸力付加手段30
は、シリンダブロック11の取付用ねじ部15に噛み合
うねじ部36が形成された回動自在な作動ロッド35
と、当該作動ロッド35を回動自在に保持する保持ブロ
ック31と、作動ロッド35と保持ブロック31との間
に形成され圧力作動媒体が供給路37を介して供給され
る圧力室38と、を備えている。
【0030】作動ロッド35は、大径の基端部40と、
当該基端部40から下方に延びるロッド部41とを有す
る略T字形状をなし、ロッド部41の下方先端に前記ね
じ部36が形成されている。ねじ部36には雄ねじが形
成されている。
【0031】保持ブロック31には、作動ロッド35の
基端部40よりも大きな内径寸法を有する円形の凹部4
2が上面側から所定深さまで形成され、底壁部には作動
ロッド35のロッド部41が挿通される通孔43が形成
されている。保持ブロック31の下面には、ボルト孔1
3の開口部14に嵌合する断面テーパ形状の位置合せ突
起44が突出形成されている。
【0032】保持ブロック31の円形凹部42内には、
作動ロッド35の基端部40が収容される中空のカップ
部46が下端に形成されたシャフト45が配置されてい
る。シャフト45は上方に向けて延伸し、モータMの回
転動が伝達されて回動駆動される。作動ロッド35の基
端部40外周面およびシャフト45のカップ部46内周
面にはセレーション50が形成され、このセレーション
50を介して、作動ロッド35とシャフト45とは相対
的にスライド移動自在に連結されている。シャフト45
を回動すると、セレーション50を介して連結された作
動ロッド35も一緒に回動し、作動ロッド35のねじ部
36がシリンダブロック11の取付用ねじ部15にねじ
込まれる。
【0033】シャフト45のカップ部46の下端部には
径方向外方に膨出した大径部51が形成され、当該大径
部51の外周面には、円形凹部42の内周面に対して摺
動する摺動面が形成されている。また、作動ロッド35
の基端部40外周面のうちセレーション50が形成され
ていない領域には、カップ部46の内周面に対して摺動
する摺動面が形成されている。これら摺動面のそれぞれ
にはOリング52、53が取付けられている。また、保
持ブロック31の底壁部にもOリング54が取付けられ
ている。
【0034】円形凹部42と、この中に配置されたシャ
フト45および作動ロッド35とにより囲まれる空間に
より、前記圧力室38が形成される。圧力室38に圧力
作動媒体を供給する供給路37が保持ブロック31内に
形成されている。当該圧力室38の内圧を昇圧すると、
シャフト45は上方に移動することになるが、この移動
を規制するため、カップ部46の大径部51が当接する
ストッパ55を形成するプレート56が保持ブロック3
1上面に固定されている。
【0035】本実施形態では、図1に仮想線で示すよう
に、8個の軸力付加手段30の圧力室38は、供給路3
7を介して相互に連通され、当該圧力室38に均等な圧
力が作用するようにしてある。なお、圧力作動媒体とし
ては、本実施形態では油圧を用いている。
【0036】保持ブロック31内の供給路37は、供給
配管60を介して圧力作動媒体の供給源61に接続され
るが、供給配管60の途上には、圧力室38に供給され
る圧力作動媒体の圧力を検出する圧力センサ62(圧力
検出手段に相当する)と、圧力作動媒体の圧力を調整す
る圧力調整弁63とが設けられ、圧力調整弁63の開度
調整は、圧力センサ62からの信号に基づいて制御手段
64によりフィードバック制御される。なお、図示省略
するが、圧力室38の内圧を減圧する際に圧力作動媒体
を供給源61に戻す配管系も設けられている。
【0037】次に、本実施形態の作用を説明する。図1
を参照して、シリンダブロック11が加工ステージまで
搬送され図示しないベッド上に位置決め固定されると、
まず、治具32を下降移動してシリンダブロック11に
接近させ、当該シリンダブロック11上面に載置する。
治具32の下降移動に伴い、各軸力付加手段30の作動
ロッド35がシリンダブロック11のボルト孔13の中
に挿入される。
【0038】次いで、圧力室38の内圧を減圧した状態
で、換言すれば、無負荷ないし低負荷の状態で、モータ
Mによりシャフト45を回動駆動する。すると、セレー
ション50を介してシャフト45に連結された作動ロッ
ド35も一緒に回動し、作動ロッド35のねじ部36が
シリンダブロック11の取付用ねじ部15にいわば無負
荷状態で噛み合ってねじ込まれる。所定のねじ込み量が
得られるまでシャフト45を回動すると、モータMを停
止する。なお、シャフト45は、作動ロッド35のねじ
部36が取付用ねじ部15に締めきられるまで回動させ
る必要はない。
【0039】シリンダブロック11に対する作動ロッド
35のねじ込み作業が終了すると、供給配管60および
供給路37を介して、供給源61から圧力室38に圧力
作動媒体を供給し、圧力室38内圧を昇圧する。圧力室
38に供給される圧力作動媒体の圧力は、制御手段64
により圧力調整弁63の開度をフィードバック制御する
ことにより調整されている。
【0040】圧力室38内圧が所定の圧力まで昇圧する
のに伴い、シャフト45に対してスライド移動自在に連
結された作動ロッド35が上方に押圧されてテンション
が加えられ、その結果、作動ロッド35のねじ部36に
ねじ結合しているシリンダブロック11の取付用ねじ部
15に対して所定の軸力が与えられる。この所定の軸力
は、シリンダヘッドをシリンダブロック11にねじ締結
してエンジンを組み上げた状態と実質的に同程度の軸力
である。この軸力を得るべく、圧力室38の内圧が所定
の圧力に維持される。
【0041】そして、上記のように軸力付加手段30に
より軸力を与えたまま、ホーニング装置20のホーニン
グヘッド21を、治具32のツール孔33を通してシリ
ンダボア12内に挿入する。ホーニングヘッド21を回
転および上下に往復させると共にホーニング砥石22を
拡張させることにより、シリンダボア12内周面が所定
の真円度および円筒度となるまで仕上げ加工される。
【0042】ホーニング加工が終了すると、ホーニング
ヘッド21をシリンダボア12から待避させ、圧力室3
8の内圧を減圧し、シャフト45を逆方向に回動して作
動ロッド35のねじ部36とシリンダブロック11の取
付用ねじ部15との噛み合いを解除し、治具32を上昇
移動してシリンダブロック11から離反させる。ホーニ
ング加工が完了したシリンダブロック11は次の加工ス
テージに搬送される。
【0043】上記のように本実施形態では、ホーニング
加工時においてシリンダブロック11の取付用ねじ部1
5に軸力を与えるに当たり、作動ロッド35のねじ部3
6をシリンダブロック11の取付用ねじ部15にねじ込
み、その後に圧力室38に圧力作動媒体を供給して作動
ロッド35にテンションを加えて、取付用ねじ部15に
対して所定の軸力を与えている。
【0044】ここで、作動ロッド35のねじ部36をシ
リンダブロック11の取付用ねじ部15にいわば無負荷
状態で噛み合わせてねじ込んでいることから、取付用ね
じ部15のねじ山の摩擦係数は、治具32を取付ける前
の値と比べてほとんど変化しない。このため、エンジン
を組み上げる際に所定の締付けトルクでシリンダヘッド
固定用ボルトを締め込めば、締結後のねじ軸力は、設計
上許容されるねじ軸力の範囲内に収まることとなる。
【0045】したがって、ホーニング加工時にシリンダ
ブロック11の取付用ねじ部15に擬似的に与えた軸力
と、エンジンを組み上げた際に取付用ねじ部15に実際
に作用する軸力とをほぼ一致させることが可能となる。
このため、シリンダブロック11にシリンダヘッドをね
じ締結すれば、シリンダボア12の内周面形状がホーニ
ング加工完了時と同一の形状となるまで再び微少変形
し、ホーニング加工時に得られたシリンダボア12の真
円度や円筒度が再現されることになる。よって、組み上
げたエンジンを運転した場合に、ピストンリグおよびシ
リンダボア12内周面に偏摩耗が発生することを防止で
き、また、シリンダボア12内周面に対するピストンリ
ングの密着性を良好ならしめてオイルの消費量を少なく
することができる。
【0046】さらに、複数の軸力付加手段30の圧力室
38を供給路37を介して相互に連通してあるので、そ
れぞれの圧力室38に均等な圧力が作用し、それぞれの
作動ロッド35に均等なテンションが加わり、それぞれ
の取付用ねじ部15に対して均等な軸力を擬似的に与え
ることができ、エンジンを組み上げた際にそれぞれの取
付用ねじ部15に実際に作用する軸力をほぼ均等にする
ことができる。軸力の位置ばらつきが小さくなるので、
シリンダブロック11に対するシリンダヘッドの取付け
が安定したものとなる。
【0047】また、圧力センサ62および圧力調整弁6
3を設けて圧力室38に供給される圧力作動媒体の圧力
をフィードバック制御しているので、擬似的に与える軸
力の設定値を正確に維持でき、エンジンを組み上げた際
のシリンダボア12周辺部の微少変形を盛り込んだホー
ニング加工の精度も向上する。
【0048】本実施形態に係る孔加工装置10は、鋳鉄
製シリンダブロック11に比較すると剛性が低く、シリ
ンダヘッドをねじ締結した際におけるシリンダボア12
周辺部の微少変形を無視できないアルミ製シリンダブロ
ック11に適用してきわめて好適な装置である。また、
この孔加工装置10は圧力作動媒体を用いて所定の軸力
を与える構成であるので、与える軸力の設定値を調整し
たり、変更したりすることが容易であり、ワークが変わ
ってもこれに柔軟に対応することができる。
【0049】なお、本発明は、ワークとしてシリンダブ
ロック11、孔加工としてホーニング加工に限定される
ものではなく、他の部材をねじ締結した際に作用する軸
力を考慮に入れなければならないワークおよび孔加工に
広く適用できるものである。また、圧力作動媒体として
油圧を用いた実施形態を説明したが、空圧を用いてもよ
いことは言うまでもない。
【0050】また、供給路37を介して全ての圧力室3
8を連通した場合を示したが、付与する軸力を異ならせ
る場合には、同じ軸力を付与する軸力付加手段を組にし
て圧力室38を連通すればよい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1および請求
項2に記載の発明によれば、孔加工時に取付用ねじ部に
対して擬似的に与えた軸力と、他の部材を実際にねじ締
結した際に作用する軸力とが相違することを防止でき、
もって、他の部材を実際にねじ締結した場合に、孔加工
時に得られた被加工孔の加工精度を確実に再現すること
が可能となる。
【0052】また、請求項3に記載の発明によれば、ワ
ークと他の部材とを組み上げた際にそれぞれの取付用ね
じ部に実際に作用する軸力がほぼ均等になり、軸力の位
置ばらつきを小さくして、ワークに対する他の部材の取
付けの安定化を図ることができる。
【0053】また、請求項4に記載の発明によれば、擬
似的に与える軸力の設定値を所定の値に維持でき、ワー
クと他の部材とを組み上げた際の被加工孔周辺部の微少
変形を盛り込んだ孔加工を高精度に行うことが可能とな
る。
【0054】また、請求項5に記載の発明によれば、ホ
ーニング加工時に得られた被加工孔の加工精度(真円度
や円筒度など)を再現することが可能となる。
【0055】また、請求項6に記載の発明によれば、孔
加工時に得られたシリンダボアの加工精度が再現され、
ピストンリグやシリンダボア内周面の偏摩耗の発生が抑
制され、シリンダボア内周面に対するピストンリングの
密着性も良くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る孔加工装置の要部
を示す斜視図である。
【図2】 図1に示される軸力付加手段を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
10…孔加工装置 11…シリンダブロック(ワーク) 12…シリンダボア(被加工孔) 13…ボルト孔 15…取付用ねじ部 20…ホーニング装置(孔加工手段) 30…軸力付加手段 31…保持ブロック(本体部) 35…作動ロッド 36…ねじ部 37…供給路 38…圧力室 62…圧力センサ(圧力検出手段) 63…圧力調整弁 64…制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークに形成された被加工孔の内周面に
    対して所定の孔加工を施す孔加工手段と、 他の部材をねじ締結するために前記ワークに形成された
    取付用ねじ部に対して前記他の部材を取付けた状態と実
    質的に同程度の軸力を与える軸力付加手段と、を有し、 前記軸力付加手段により前記軸力を与えつつ前記孔加工
    手段により前記所定の孔加工を行う孔加工装置におい
    て、 前記軸力付加手段は、前記ワークの前記取付用ねじ部に
    噛み合うねじ部が形成された回動自在な作動ロッドを備
    えてなり、 前記作動ロッドを回動して前記ねじ部を前記取付用ねじ
    部に噛み合わせ、油圧などの圧力作動媒体により前記作
    動ロッドにテンションを加えて、前記取付用ねじ部に対
    して前記軸力を与えるようにしたことを特徴とする孔加
    工装置。
  2. 【請求項2】 ワークに形成された被加工孔の内周面に
    対して所定の孔加工を施す孔加工手段と、 他の部材をねじ締結するために前記ワークに形成された
    取付用ねじ部に対して前記他の部材を取付けた状態と実
    質的に同程度の軸力を与える軸力付加手段と、を有し、 前記軸力付加手段により前記軸力を与えつつ前記孔加工
    手段により前記所定の孔加工を行う孔加工装置におい
    て、 前記軸力付加手段は、 前記ワークの前記取付用ねじ部に噛み合うねじ部が形成
    された回動自在な作動ロッドと、 前記作動ロッドを回動自在に保持する本体部と、 前記作動ロッドと前記本体部との間に形成され油圧など
    の圧力作動媒体が供給路を介して供給される圧力室と、
    を備えてなり、 前記作動ロッドを回動して前記ねじ部を前記取付用ねじ
    部に噛み合わせ、前記圧力室に前記圧力作動媒体を供給
    して前記作動ロッドにテンションを加えて、前記取付用
    ねじ部に対して前記軸力を与えるようにしたことを特徴
    とする孔加工装置。
  3. 【請求項3】 前記取付用ねじ部は、前記ワークに複数
    個形成され、 前記軸力付加手段は、前記それぞれの取付用ねじ部ごと
    に配置され、 前記複数の軸力付加手段のそれぞれの前記圧力室は、前
    記供給路を介して相互に連通されていることを特徴とす
    る請求項2に記載の孔加工装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力室に供給される前記圧力作動媒
    体の圧力を検出する圧力検出手段と、 前記圧力検出手段からの信号に基づいて前記圧力作動媒
    体の圧力を調整する制御手段と、を有することを特徴と
    する請求項2または請求項3に記載の孔加工装置。
  5. 【請求項5】 前記孔加工手段は、ホーニング加工装置
    である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の孔加工装
    置。
  6. 【請求項6】 前記ワークは、シリンダボアが形成され
    たシリンダブロックである請求項1〜請求項5のいずれ
    かに記載の孔加工装置。
JP7264998A 1998-03-20 1998-03-20 孔加工装置 Withdrawn JPH11267960A (ja)

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