JP4483848B2 - シリンダブロックの加工方法及び加工用装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダブロックにおけるシリンダボアの仕上げ加工に際し、いわゆるダミーヘッドを加工用治具として用いるシリンダブロックの加工方法及び加工用装置に関する。
従来、シリンダブロックにおけるシリンダボアの仕上げ加工に際し、その加工用治具としていわゆるダミーヘッドが用いられている。具体的には次のとおりである。
すなわち、シリンダブロックのシリンダボアに対しては、所定の真円度を出すためにホーニング加工等の仕上げ加工が行われる。かかるシリンダボアに対する仕上げ加工の後、シリンダブロックにシリンダヘッドが組み付けられる。シリンダブロックに対するシリンダヘッドの組付けに際しては、ボルト等の締結具(ヘッドボルト)が用いられる。つまり、ヘッドボルトが、シリンダヘッドを貫通するとともにシリンダブロックに設けられるボルト穴に螺挿されることにより、シリンダヘッドがシリンダブロックに対して締結固定される。このヘッドボルトによってシリンダブロックに作用する締付け力(締結力)は、シリンダブロックに変形を生じさせ、シリンダボアの変形(ボア変形)つまりシリンダボアの真円度の低下につながる。
そこで、シリンダボアの仕上げ加工に際し、シリンダヘッドが組み付けられた状態で作用する締付け力と同等の締付け力をシリンダブロックに作用させるため、加工用治具としてシリンダボアに対する仕上げ加工を許容する貫通孔を備えるダミーヘッドが用いられる。
つまり、実際の製品として組み付けられるシリンダヘッドとは異なる加工用治具としてのダミーヘッドが、ボルト等の締結具(例えばヘッドボルト)によってシリンダヘッドと同様にしてシリンダブロックに組み付けられることにより、シリンダヘッドが組み付けられた状態と同様の状態とされたシリンダブロックに対し、そのシリンダボアに対する仕上げ加工が行われる。
これにより、シリンダブロックに対して規定の締付け力が付与された状態、つまりシリンダボアに対して締付け力による変形が付与された状態でシリンダボアに対する仕上げ加工が行われ、その仕上げ加工後にシリンダヘッドが組み付けられることにより、シリンダヘッド組付時の締付け力によって生じるボア変形が防止される。
こうしたシリンダブロックにおけるシリンダボアの仕上げ加工に関し、例えば次のような技術が開示されている。
特許文献1においては、シリンダヘッド及びガスケットに代えて、前述のようにダミーヘッドをボルトによりシリンダブロックに取り付けた状態で、シリンダボアに対してホーニング加工等の仕上げ加工を行っている。
また、特許文献2においては、ボルト等による締結作用を用いることなく、シリンダブロックのシリンダ周辺部(シリンダボア周辺部)のみを押圧した状態で、シリンダボアに対する仕上げ加工を行っている。つまり、油圧等によって駆動する押圧部材により、シリンダヘッドの組付面におけるシリンダボアの周辺部を押圧することで、シリンダヘッドが組み付けられた状態に対応するシリンダボアの変形を生じさせている。
特開2004−243514号公報 特公昭61−57121号公報
例えば特許文献1に示されているように、ボルト締結によってダミーヘッドをシリンダブロックに組み付けることにより、シリンダブロックに対して規定の締付け力を作用させる方法においては、次のような問題がある。
すなわち、ボルト締結によるダミーヘッドのシリンダブロックに対する組付けに際しては、そのボルトによる締結部は複数箇所となり、締結部によって摩擦係数や締付けトルク等にばらつきが生じる場合がある。こうした締結部における摩擦係数等のばらつきは、シリンダブロックに加わる荷重等にばらつきを生じさせ、シリンダボアにおける変形量についてのばらつきの原因となる。つまり、ダミーヘッドの締結部における摩擦係数等のばらつきは、仕上げ加工後やシリンダヘッドの組付け後におけるシリンダボアの形状のばらつきの原因となり、加工精度の低下につながる。
また、ダミーヘッドのシリンダブロックに対する組付けに際してボルト締結が用いられる場合、ダミーヘッドの着脱により、ボルト締結部におけるシリンダブロックの雌ねじ部分(ボルト穴)が損傷する場合がある。
他方、シリンダブロックにおけるボア変形に関しては、前述したようなシリンダヘッドの組付けにともなう締付け力によって生じる変形に加え、そのシリンダブロックが用いられて構成されるエンジンの実働時における熱膨張や熱歪みによって生じる変形がある。このエンジンの実働時のボア変形を、シリンダボアの仕上げ加工に際して体現しようとすると、ダミーヘッドのボルト締結についてより大きな締付け力が必要となる場合が生じる。つまり、シリンダボアの仕上げ加工に際し、シリンダヘッドの組付けにともなうボア変形に加え、エンジン実働時のボア変形を生じさせようとした場合、シリンダブロックに対し、シリンダヘッドの組付けに対応する規定の締付け力以上の締付け力を作用させる必要性が生じる。
しかし、シリンダブロックに対して前記のような規定の締付け力以上の締付け力を作用させることにより、シリンダブロックの雌ねじ部分が損傷するおそれがある。
さらに、ダミーヘッドの組付けに際してボルト締結が用いられる場合、例えば前述のようなボルト締結部における締付けトルク等のばらつきが発生する等の理由から、ダミーヘッドのシリンダブロックに対する着脱等について自動化を図ることが困難となる。このことは、エンジンの生産ラインにおいて生産性の向上を図るうえでの妨げとなる。
また、特許文献2に示されているように、シリンダボアの仕上げ加工に際し、シリンダボアの周辺部を押圧する押圧部材が油圧等によって駆動する押圧機が用いられる構成の場合、エンジンの生産ラインにおいて自動化を図るうえでは一定の成果を得ることができると考えられる。
しかしながら、特許文献2に示されているような構成によれば、シリンダボアの周辺部の押圧によってボア変形は生じるものの、その押圧力の反力としてシリンダブロックのボルト穴の部分が引き上げられることがないので、実際にシリンダヘッドが組み付けられることによって生じるボア変形が必ずしも忠実に体現できるとは言えない。
つまり、シリンダヘッドの組付けにともなうボア変形が生じる原因として、シリンダボア周辺部が押圧されることによる変形のほか、例えば、いわゆる4次変形のようなボルトの締付けによってシリンダブロックのボルト穴の部分が引き上げられることによる変形がある。このため、前記のようにシリンダボア周辺部が押圧されることで生じるボア変形は、シリンダブロックの組付けにともなうボア変形に忠実に対応するとは言えない。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、加工用治具としてダミーヘッドを用いるシリンダボアの仕上げ加工に際し、本来のダミーヘッドの持つシリンダボアへの変形付与機能を損なうことなく、シリンダボアにおける変形量についての意図せぬばらつきを防止して加工精度の向上が図れるとともに、ダミーヘッドの着脱によるシリンダブロックのボルト穴の損傷を防止することができ、しかもダミーヘッドの着脱等についての自動化を図ることが容易となるシリンダブロックの加工方法及び加工用装置を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材を用い、シリンダブロックに対してダミーヘッドを組み付けることにより、シリンダブロックが有するシリンダボアを変形させた状態で、該シリンダボアに対する仕上げ加工を行うシリンダブロックの加工方法であって、前記ボルト部材を、該ボルト部材によるシリンダブロックに対する引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿することで、前記ダミーヘッドをシリンダブロックに取り付けた状態で、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させるものである。
請求項2においては、前記ダミーヘッドに対する相対的な移動により、前記ボルト部材を前記引張り力の生じる方向に移動させるとともに、前記ダミーヘッドに対して流体圧室を形成する伝動部材を設け、前記流体圧室に流体圧を供給することで前記伝動部材を移動させることにより、前記ボルト軸方向の力を発生させるものである。
請求項3においては、前記ボルト部材を、該ボルト部材の前記ボルト穴に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより、前記ボルト軸方向の力を発生させるものである。
請求項4においては、請求項3に記載のシリンダブロックの加工方法において、前記ボルト部材により前記ダミーヘッドをシリンダブロックに対して取り付けた状態で該ボルト部材と該ダミーヘッドとの間に形成される楔面を設け、該楔面に対して楔係合する楔部材によって得られる楔作用により、前記ボルト軸方向の力が作用した状態での前記ボルト部材の前記ダミーヘッドに対するボルト軸方向の位置を保持するものである。
請求項5においては、シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工に際し、該シリンダボアを変形させるシリンダブロックの加工用装置であって、シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材と、該ボルト部材によりシリンダブロックに対して組み付けられるダミーヘッドと、該ダミーヘッドに対して相対的に移動可能に設けられその移動により、前記ボルト部材を該ボルト部材によるシリンダブロックに対する引張り力の生じる方向に移動させるとともに、前記ダミーヘッドに対して流体圧室を形成する伝動部材と、前記流体圧室に対して流体通路を介して接続され該流体圧室に流体圧を供給する流体圧供給手段と、を備え、前記引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿される前記ボルト部材により、前記ダミーヘッドがシリンダブロックに取り付けられた状態で、前記流体圧供給手段から前記流体圧室に流体圧を供給することで前記伝動部材を移動させることにより、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させるものである。
請求項6においては、前記流体通路に、前記流体圧室内の流体圧を保持した状態で前記流体圧供給手段を分離可能な継手手段を設けたものである。
請求項7においては、シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工に際し、該シリンダボアを変形させるシリンダブロックの加工用装置であって、シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材と、該ボルト部材によりシリンダブロックに対して組み付けられるダミーヘッドと、前記ボルト部材の前記ダミーヘッドに対するボルト軸方向の位置を保持する保持手段と、を備え、シリンダブロックに対する引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿される前記ボルト部材により、前記ダミーヘッドがシリンダブロックに取り付けられた状態で、前記ボルト部材が、該ボルト部材の前記ボルト穴に対する螺挿側と反対側から引っ張られることにより、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させるものである。
請求項8においては、前記保持手段として、前記ボルト部材により前記ダミーヘッドがシリンダブロックに対して取り付けられた状態で該ボルト部材と該ダミーヘッドとの間に形成される楔面と、該楔面に対して楔係合する楔部材と、を備えるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、加工用治具としてダミーヘッドを用いるシリンダボアの仕上げ加工に際し、本来のダミーヘッドの持つシリンダボアへの変形付与機能を損なうことなく、シリンダボアにおける変形量についての意図せぬばらつきを防止して加工精度の向上が図れるとともに、ダミーヘッドの着脱によるシリンダブロックのボルト穴の損傷を防止することができ、しかもダミーヘッドの着脱等についての自動化を図ることが容易となる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るシリンダブロックの加工方法は、例えば図1に示すように、シリンダブロック1が有するシリンダヘッド締結用のボルト穴2に螺挿されるボルト部材(ボルト3)を用い、シリンダブロック1に対してダミーヘッド4を組み付けることにより、シリンダブロック1が有するシリンダボア5を変形させた状態で、そのシリンダボア5に対する仕上げ加工を行うものである。
そして、前記ボルト部材(ボルト3)を、このボルト部材によるシリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿することで、ダミーヘッド4をシリンダブロック1に取り付けた状態で、ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
すなわち、従来においては、シリンダボアに対するホーニング加工等の仕上げ加工に際し、シリンダブロックにシリンダヘッドが組み付けられた状態での変形をシリンダボアに生じさせるためのダミーヘッドは、ボルト締結によってシリンダブロックに組み付けられていた。つまり、従来では、ダミーヘッドの組付けに際し、ボルトを締め付けることで、シリンダブロックに対して、シリンダヘッドの組付けに用いられるボルトによる締付け力に対応する規定の締付け力(ボルト軸力)を作用させていた。
しかし、ダミーヘッドの組付けに際してボルト締結によってシリンダブロックに対して規定の締付け力を作用させる場合、シリンダボアにおける変形量のばらつきや、シリンダブロックのボルト穴の損傷等の問題が生じる場合がある。
そこで、本発明に係るシリンダブロックの加工方法では、ダミーヘッドをシリンダブロックに組み付けるためのボルトが有する機能のうち、締付け力発生機能、即ちボルトを締め付けることによりダミーヘッドをシリンダブロックに固定する機能(圧接させる機能)を、ボルト部材(ボルト3)に対し、このボルト部材によるシリンダブロック1に対する引張り力(以下単に「引張り力」ともいう。)が生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで生じさせている。
つまり、この場合のボルト部材による締付け力は、ボルト部材がシリンダブロック1を引っ張る方向の力となるので、この引っ張る方向の力が作用する方向にボルト部材が移動するように、ボルト部材に対してボルト軸方向の力を付与する。したがって、この場合、ボルト部材の有する締付け力によるダミーヘッド4の締付け固定は行われず、ボルト部材自体は、シリンダブロック1を引っ張る力を伝達する手段として機能する。
ボルト部材に対する前記ボルト軸方向の力は、例えば油圧等を用いることによって発生させる。
このように、ダミーヘッドをシリンダブロックに組み付けるためのボルトが有する機能を、締付け力発生機能とシリンダブロック1を引っ張る力を伝達する機能とに分離し、前者を油圧等の他の方法・構成で代替することにより、加工用治具としてダミーヘッド4を用いるシリンダボア5の仕上げ加工に際し、本来のダミーヘッド4の持つシリンダボア5への変形付与機能を損なうことなく、シリンダボア5における変形量についての意図せぬばらつきを防止して加工精度の向上が図れるとともに、ダミーヘッド4の着脱によるシリンダブロック1のボルト穴2の損傷を防止することができ、しかもダミーヘッド4の着脱等についての自動化を図ることが容易となる。
すなわち、ダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する固定(組付け)を、ボルトの締付け力を用いることなく行うことができるので、締結部における摩擦係数や締付けトルク等のばらつき等に影響されることなく、シリンダボアにおける変形量のばらつきを防止することができる。これにより、シリンダボア5の仕上げ加工に際しての加工精度の向上を図ることができる。
また、ダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する固定に際し、ボルトの締付け力を用いる代わりに、ボルト部材(ボルト3)に対して前記のようなボルト軸方向の力を付与することで、シリンダブロック1のボルト穴2にはボルト部材を介する引張力が作用することとなるので、ダミーヘッド4の着脱によるシリンダブロック1のボルト穴2の損傷を防止することができる。これにより、例えばエンジン実働時のボア変形を生じさせるために、ダミーヘッド4(シリンダヘッド)の組付けに必要な大きさ以上のボルト軸力を作用させること等によっても、ダミーヘッド4の着脱によるシリンダブロック1のボルト穴2の損傷が生じにくくなる。
さらに、ボルト締結部における締付けトルク等のばらつきの発生を防止することができることから、ダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する着脱等について自動化を図ることが容易となる。
以下、本発明に係るシリンダブロックの加工方法及び加工用装置について、各実施形態に即して説明する。
第一実施形態について、図1及び図2を用いて説明する。図1は本発明の第一実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置の構成を示す図、図2は同じく一部平面図である。なお、図1におけるシリンダブロック1やダミーヘッド4等の部分は、図2におけるA−A断面に相当する。
本実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置は、ダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する固定のための、ボルト3に作用させる引張り力の生じるボルト軸方向の力を、流体圧を用いて発生させる。そして、本実施形態では、流体圧として油圧(流体として油)を用いた場合について説明する。
すなわち、本実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置は、シリンダブロック1が有するシリンダボア5に対する仕上げ加工に際し、シリンダボア5を変形させるために用いられるものであり、シリンダブロック1が有するシリンダヘッド締結用のボルト穴2に螺挿されるボルト部材としてのボルト3と、このボルト3によりシリンダブロック1に対して組み付けられるダミーヘッド4と、このダミーヘッド4に対して相対的に移動可能に設けられその移動により、ボルト3をこのボルト3によるシリンダブロック1に対する引張り力の生じる方向に移動させるとともに、ダミーヘッド4に対して流体圧室(油圧室13)を形成する伝動部材としてのピストン11と、油圧室13に対して流体通路(油通路14)を介して接続され油圧室13に油圧を供給する流体圧供給手段(油圧供給手段)としての油圧源である油圧ポンプ15とを備える。
本実施形態に係るシリンダブロック1は、四気筒のエンジンに用いられるものであり、一列に並ぶ四個のシリンダボア5を有する。シリンダボア5はピストンを摺動可能に内装するものであり、シリンダブロック1においてシリンダヘッドが組み付けられるヘッド組付面1aに開口する。
シリンダブロック1のヘッド組付面1aには、シリンダヘッドが組み付けられるためのボルト穴(雌ねじ部分)2が設けられる。本実施形態において、ボルト穴2は、各シリンダボア5の周囲において略等間隔で四個設けられるとともに、隣接するシリンダボア5間においては二個のボルト穴2が共用され、計十個設けられている。
ダミーヘッド4は、略矩形状の板状部材により構成され、その一側の板面がシリンダブロック1に対する組付面4aとなる。ダミーヘッド4は、シリンダブロック1に組み付けられた状態で各シリンダボア5に対応する位置に、シリンダボア5に対する仕上げ加工を許容するための貫通孔となる孔部4bを有する。つまり、ダミーヘッド4がシリンダブロック1に組み付けられた状態で、シリンダボア5とダミーヘッド4の孔部4bとが連通した状態となり、この孔部4bを介してシリンダボア5に対する仕上げ加工が行われる。
ダミーヘッド4は、ボルト3がボルト穴2に螺挿されることでシリンダブロック1に取り付けられる。つまり、ボルト3は、ダミーヘッド4においてシリンダブロック1のボルト穴2の配置に対応する位置に配され、板状のダミーヘッド4を貫通するように設けられる。
ボルト3は、ピストン11を介してダミーヘッド4を貫通する。つまり、ピストン11は、ボルト3を挿通させるための挿通孔11aを有し、この挿通孔11aに連通する貫通孔4cがダミーヘッド4に形成される。そして、ボルト3は、ピストン11の挿通孔11aに挿通されるとともに貫通孔4cを介してダミーヘッド4を貫通する。なお、ボルト3は、ダミーヘッド4に対してその貫通方向に移動可能あるいは挿脱可能に設けられる。
ピストン11は、ダミーヘッド4に嵌設される中空筒状のシリンダ12に対してボルト3の挿通方向に摺動可能に設けられることにより、ダミーヘッド4に対して相対的に移動可能に設けられる。また、ピストン11は、その一端側(図1において上端側)がボルト3のボルト頭部3aに当接するように構成される。本実施形態では、ピストン11は、そのボルト頭部3aに当接する部分がシリンダ12から突出可能に構成される。かかる構成により、ピストン11は、その移動つまりボルト頭部3a側へのシリンダ12に対する摺動により、ボルト穴2に螺挿された状態のボルト3を引張り力の生じる方向に移動させる。
なお、ボルト3は、ピストン11に対して相対回転可能に設けられることにより、あるいはピストン11がシリンダ12に対して相対回転可能に設けられることにより、ダミーヘッド4に対して回転可能に設けられる。
ピストン11は、前記のとおりダミーヘッド4に対して油圧室13を形成する。本実施形態では、ピストン11は、案内部材としてのシリンダ12を介してダミーヘッド4に対して油圧室13を形成する。つまり、中空部材であるシリンダ12に対して摺動可能に設けられるピストン11について、その中空内部における摺動方向の一側(ボルト頭部3a側と反対側、図1において下側)の空間が油圧室13となる。
なお、ピストン11は、案内部材としてのシリンダ12を介することなくダミーヘッド4に対して直接的に油圧室を形成する構成であってもよい。
ピストン11及びシリンダ12により形成される油圧室13に対しては、油通路14を介して接続される油圧ポンプ15により油圧が供給される。
油通路14は、配管がダミーヘッド4内に埋設される内部配管やダミーヘッド4に直接穿設されること等により構成される内部通路14aと、ダミーヘッド4に接続される外部配管等により構成される外部通路14bとを有する。各ボルト3に対応する油圧室13は、内部通路14aを介して連通される。
また、油通路14の外部通路14bには、油圧室13と油圧ポンプ15との連通・非連通(通路の開閉)を切り換えるための切換弁16が設けられる。
このように、本実施形態では、ピストン11及びシリンダ12により、ボルト3のボルト穴2に対する螺挿を許容するための挿通孔11aと有するとともに、油圧ポンプ15により油圧が供給される油圧室13を有する油圧シリンダが構成され、この油圧シリンダが、ダミーヘッド4に組み込まれた状態で各ボルト3に対して設けられる。
そして、そのピストン11及びシリンダ12により構成される油圧シリンダの押圧作用、即ち油圧によるピストン11のボルト頭部3a側への移動により、ボルト3に対し、該ボルト3が引張り力の生じる方向にダミーヘッド4に対して相対的に移動するボルト軸方向の力が発生する。
以上の構成において、シリンダボア5の仕上げ加工に際し、ボルト3を、該ボルト3によるシリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿することで、ダミーヘッド4をシリンダブロック1に取り付けた状態で、ボルト3に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
そして、ボルト3に作用させる前記ボルト軸方向の力は、ダミーヘッド4に対する相対的な移動により、ボルト3を引張り力の生じる方向に移動させるとともに、ダミーヘッド4に対して油圧室13を形成するピストン11を設け、油圧室13に油圧を供給することでピストン11を移動させることにより発生させる。
以下、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置を用いたシリンダボア5の仕上げ加工方法について順を追って説明する。
まず、ダミーヘッド4をシリンダブロック1にボルト3を介して取り付ける。つまり、ピストン11の挿通孔11a及び貫通孔4cを介してダミーヘッド4を貫通するボルト3を、シリンダブロック1のボルト穴2に螺挿することにより、ダミーヘッド4をシリンダブロック1に取り付ける。
この際、ボルト3は、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度に軽く締めるに留める。つまり、ボルト3による締付けトルクやボルト軸力管理の下での強い締付けは行わない。言い換えると、ボルト3の締付け力によるダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する固定(組付面1a・4a同士の圧接)は行わない。
次に、油圧室13に油圧をかける。つまり、切換弁16を開状態とし、油圧ポンプ15によって油通路14を介して油圧室13に油圧を供給する。
油圧室13に供給される油圧により、ピストン11が持ち上げられてダミーヘッド4に対して相対的に移動し、ボルト3に対して所定のボルト軸力が加わる。つまり、ボルト3に対し、該ボルト3が引張り力の生じる方向(図1中矢印P参照)にダミーヘッド4に対して相対的に移動するボルト軸方向の力が作用する。
これにより、ダミーヘッド4がシリンダブロック1に対して固定された状態(組付面1a・4a同士が圧接した状態)となり、ボルトの締付け力によりダミーヘッド4がシリンダブロック1に組み付けられた状態と同様の状態となる。
この結果、シリンダボア5が変形された状態となる。つまり、ボルトの締付け力を用いてダミーヘッド4をシリンダブロック1に組み付けることによって生じるシリンダブロック1(シリンダボア5)の変形と同様の変形を、ボルトの締付け力を用いることなく生じさせることができる。
ここで、ボルト3に対するボルト軸力の調整は、油圧室13に供給する油圧を調整することにより行う。
したがって、各ボルト3に対応する油圧室13に供給する油圧を調整することで、ボルト3とボルト穴2との締結部における摩擦係数のばらつき等に影響されることなく、各締結部に対して所定のボルト軸力を加えることが可能となる。
そして、前記のとおり油圧室13に油圧をかけることでボルト3に対して所定の軸力が加わっている状態で、シリンダボア5に対して仕上げ加工を行う。つまり、ダミーヘッド4の孔部4bを介してシリンダボア5内に工具を挿入し、シリンダボア5に対してホーニング加工等の機械加工を行う。
シリンダボア5に対する仕上げ加工の終了後は、油圧室13に対する油圧を開放し、ボルト3のボルト穴2に対する螺挿を解除してダミーヘッド4をシリンダブロック1から取り外す。
以上の一連のプロセスを自動設備にて実施することにより、ダミーヘッド4を用いたシリンダブロック1に対する機械加工の自動化が達成でき、作業の合理化とコストダウンを図ることが可能となる。
このように、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置では、シリンダボア5の仕上げ加工に際し、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿されるボルト3により、ダミーヘッド4がシリンダブロック1に取り付けられた状態で、油圧ポンプ15から油圧室13に油圧を供給することでピストン11を移動させることにより、ボルト3に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
また、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置においては、好ましくは次の構成が備えられる。
すなわち、図1に示すように、油圧室13と油圧ポンプ15とを接続する油通路14の外部通路14bに、油圧室13内の油圧を保持した状態で油圧ポンプ15を分離可能な継手手段としての配管継手17が設けられている。
配管継手17は、例えば、油圧ポンプ15により供給された油圧室13内の油圧を保持した状態で、外部通路14bにおける配管同士の着脱を容易に行うことができるクイックカプラ等により構成される。
このように、油通路14に配管継手17を設けることにより、前述したようなシリンダボア5に対する機械加工に際し、油圧室13に油圧を供給することでボルト3に所定のボルト軸力を加えた状態とした後、その状態を保ったままで油圧ポンプ15を切り離すことができる。
これにより、加工物となるダミーヘッド4が取り付けられた状態のシリンダブロック1の、機械加工ラインにおける取り扱いが容易となる。つまり、シリンダボア5の仕上げ加工に際して自動化を図るうえでより適したものとなる。
さらに、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置においては、油通路14にアキュムレータ18が設けられている。
本実施形態では、アキュムレータ18は、油通路14の外部通路14bにおいて配管継手17の下流側(油圧室13側)に接続されて設けられる。
このように、油通路14にアキュムレータ18を設けることにより、前述したようなシリンダボア5に対する機械加工に際し、油圧ポンプ15による油圧を保つことができ、油通路14内の油圧の低下や機械要素各部のへたり等によるボルト3のボルト軸力の低下等の経時変化を防ぐことができる。このことは、前述のようにアキュムレータ18を配管継手17の下流側に設けることで、配管継手17によって油圧ポンプ15を分離した後により効果的となる。
次に、第二実施形態について、図3〜図5を用いて説明する。図3は本発明の第二実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置の構成を示す平面図、図4は図3におけるB−B断面図、図5は図3におけるC−C断面図である。なお、第一実施形態と共通する部分については同一の符号を用いる等して適宜その説明を省略する。
本実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置は、ダミーヘッド24のシリンダブロック1に対する固定のための、ボルト部材(プルスタッドボルト23)に作用させる引張り力の生じるボルト軸方向の力を、該ボルト部材を外部装置により引っ張る(引き上げる)ことにより発生させる。
すなわち、本実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置は、シリンダブロック1が有するシリンダボア5に対する仕上げ加工に際し、シリンダボア5を変形させるために用いられるものであり、シリンダブロック1が有するシリンダヘッド締結用のボルト穴2に螺挿されるボルト部材としてのプルスタッドボルト23と、このプルスタッドボルト23によりシリンダブロック1に対して組み付けられるダミーヘッド24と、プルスタッドボルト23のダミーヘッド24に対するボルト軸方向の位置を保持する保持手段としてのナット25とを備える。
ダミーヘッド24は、プルスタッドボルト23がボルト穴2に螺挿されることでシリンダブロック1に取り付けられる。つまり、プルスタッドボルト23は、ダミーヘッド24においてシリンダブロック1のボルト穴2の配置に対応する位置に配され、ダミーヘッド24に形成される貫通孔24cを介して該ダミーヘッド24を貫通する。なお、ダミーヘッド24の貫通孔24cは、プルスタッドボルト23の回転及び貫通方向の移動を許容する大きさに設定される。
また、プルスタッドボルト23のボルト頭部23aは、外部装置により引き上げ可能な形状を有する。
ナット25は、プルスタッドボルト23のねじ部に螺合可能な形状を有し、プルスタッドボルト23がダミーヘッド24を介してボルト穴2に螺挿された状態で、ダミーヘッド24の組付面4aと反対側の面である表面(上面)24d側に位置する。
また、ナット25は、プルスタッドボルト23に螺合した状態で回転することでプルスタッドボルト23の軸方向に移動にともないダミーヘッド24の表面24dに圧接する押圧面25aを有する。
以上の構成において、シリンダボア5の仕上げ加工に際し、プルスタッドボルト23を、該プルスタッドボルト23によるシリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿することで、ダミーヘッド24をシリンダブロック1に取り付けた状態で、プルスタッドボルト23に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
そして、プルスタッドボルト23に作用させる前記ボルト軸方向の力は、プルスタッドボルト23を、該プルスタッドボルト23のボルト穴2に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより発生させる。
以下、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置を用いたシリンダボア5の仕上げ加工方法について順を追って説明する。
まず、ダミーヘッド24をシリンダブロック1にナット25を螺合したプルスタッドボルト23を介して取り付ける。つまり、貫通孔24cを介してダミーヘッド24を貫通するプルスタッドボルト23を、シリンダブロック1のボルト穴2に螺挿することにより、ダミーヘッド24をシリンダブロック1に取り付ける。
この際、プルスタッドボルト23は、第一実施形態におけるボルト3と同様に、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度に軽く締めるに留める。
次に、外部装置を用いて外力をかけることで、プルスタッドボルト23を引っ張る(引き上げる)。この際、プルスタッドボルト23のボルト頭部23aを用いる。つまり、ボルト頭部23aを、外部装置によって把持したり引っ掛けたりすることにより、プルスタッドボルト23に対して引っ張る方向の外力を作用させる。
プルスタッドボルト23を引っ張るための外部装置としては、例えば、プルスタッドボルト23に対する引っ張る方向の外力を、ねじ作用によって発生させる装置や油圧によって発生させる装置、あるいはクレーン装置等を用いることができる。したがって、プルスタッドボルト23のボルト頭部23aは、プルスタッドボルト23を引っ張るために用いる外部装置に対応した形状を有する。
プルスタッドボルト23を引っ張ることにより、プルスタッドボルト23が引き上げられてダミーヘッド24に対して相対的に移動し、プルスタッドボルト23に対して所定のボルト軸力が加わる。つまり、プルスタッドボルト23に対し、該プルスタッドボルト23が引張り力の生じる方向(図4、図5中矢印P参照)にダミーヘッド24に対して相対的に移動するボルト軸方向の力が作用する。
プルスタッドボルト23は、前記のとおりシリンダブロック1に対する引張り力が生じない程度に締めているため、プルスタッドボルト23を引っ張ることで、ダミーヘッド24とナット25との間、即ちダミーヘッド24の表面24dとナット25の押圧面25aとの間に隙間が生じることとなる。そこで、この隙間分だけナット25を回転させることにより移動させ、隙間を詰める。この際、ダミーヘッド24の表面24dに対してナット25の押圧面25aが圧接した状態となるようにナット25を締め付ける。つまり、ナット25により、前記ボルト軸方向の力が作用した状態でのプルスタッドボルト23のダミーヘッド24に対するボルト軸方向の位置を保持する。
ナット25をダミーヘッド24に対して締め付けた後、外部装置によるプルスタッドボルト23に対する外力を除去することで、プルスタッドボルト23に加えた所定のボルト軸力が保持される。
ここで、プルスタッドボルト23に対するボルト軸力の調整は、外部装置によってプルスタッドボルト23に加える外力を調整することにより行う。
したがって、各プルスタッドボルト23に加える外力を調整することで、プルスタッドボルト23とボルト穴2との締結部における摩擦係数のばらつき等に影響されることなく、各締結部に対して所定のボルト軸力を加えることが可能となる。
そして、前記のとおりプルスタッドボルト23を引っ張り、ナット25を締め付けることでプルスタッドボルト23に対して所定の軸力が加わっている状態で、シリンダボア5に対して仕上げ加工を行う。
シリンダボア5に対する仕上げ加工の終了後は、外部装置によって再びプルスタッドボルト23に引っ張る方向の外力を加え、ナット25を緩めるとともにプルスタッドボルト23のボルト穴2に対する螺挿を解除してダミーヘッド24をシリンダブロック1から取り外す。
以上の一連のプロセスを自動設備にて実施することにより、ダミーヘッド24を用いたシリンダブロック1に対する機械加工の自動化が達成でき、作業の合理化とコストダウンを図ることが可能となる。
このように、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置では、シリンダボア5の仕上げ加工に際し、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿されるプルスタッドボルト23により、ダミーヘッド24がシリンダブロック1に取り付けられた状態で、プルスタッドボルト23が、該プルスタッドボルト23のボルト穴2に対する螺挿側と反対側から引っ張られることにより、プルスタッドボルト23に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
本実施形態では、プルスタッドボルト23に外力をかけるための外部装置を必要とするが、シリンダブロックの加工用装置自体は簡便な構成とすることができるため、第一実施形態と比較して、ランニングコストの低減を期待することができる。
続いて、第三実施形態について、図6〜図8を用いて説明する。図6は本発明の第三実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置の構成を示す平面図、図7は図6におけるD−D断面図、図8は図6におけるE−E断面図である。なお、前記各実施形態と共通する部分については同一の符号を用いる等して適宜その説明を省略する。
本実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置は、ダミーヘッド34のシリンダブロック1に対する固定のための、ボルト部材(プルスタッドボルト33)に作用させる引張り力の生じるボルト軸方向の力を、第二実施形態と同様、ボルト部材を外部装置により引っ張る(引き上げる)ことにより発生させる。
そして、ボルト部材に前記ボルト軸方向の力が作用した状態での該ボルト部材のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置の保持を、楔部材35を用いることにより行う。
すなわち、本実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置は、シリンダブロック1が有するシリンダボア5に対する仕上げ加工に際し、シリンダボア5を変形させるために用いられるものであり、シリンダブロック1が有するシリンダヘッド締結用のボルト穴2に螺挿されるボルト部材としてのプルスタッドボルト33と、このプルスタッドボルト33によりシリンダブロック1に対して組み付けられるダミーヘッド34とを備える。
そして、プルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置を保持する保持手段として、プルスタッドボルト33によりダミーヘッド34がシリンダブロック1に対して取り付けられた状態(以下「ダミーヘッド34取付状態」という。)でプルスタッドボルト33とダミーヘッド34との間に形成される楔面39(39a・39b)と、この楔面39に対して楔係合する楔部材35とを備える。
ダミーヘッド34は、プルスタッドボルト33がボルト穴2に螺挿されることでシリンダブロック1に取り付けられる。つまり、プルスタッドボルト33は、ダミーヘッド34においてシリンダブロック1のボルト穴2の配置に対応する位置に配され、ダミーヘッド34に形成される貫通孔34cを介して該ダミーヘッド34を貫通する。なお、ダミーヘッド34の貫通孔34cは、プルスタッドボルト33の回転及び貫通方向の移動を許容する大きさに設定される。
また、プルスタッドボルト33のボルト頭部33aは、外部装置により引き上げ可能な形状を有する。
プルスタッドボルト33は、前記楔面39を形成するための鍔部33bを有する。鍔部33bは、例えば図6等に示すようにナット形状(平面視で六角形状)を有し、その底面(ボルト穴2に対する螺挿側の面)が楔面39の一側の面を形成する係合面(以下「ボルト側係合面」とする。)39aとなる。鍔部33bは、そのボルト側係合面39aがプルスタッドボルト33のボルト軸方向に対して略垂直面となるように形成される。なお、鍔部33bは矩形板状や円板状等であってもよい。
鍔部33bは、ダミーヘッド34取付状態で、ボルト側係合面39aがダミーヘッド34の表面34dと略同一面上に位置するように、プルスタッドボルト33におけるボルト軸方向の位置が設定されて設けられる。
一方、ダミーヘッド34においては、該ダミーヘッド34を貫通する各プルスタッドボルト33のボルト側係合面39aに対向するように、楔面39の他側の面を形成する係合面(以下「ヘッド側係合面」とする。)39bが形成される。
ヘッド側係合面39bは、ダミーヘッド34の表面34dに凹部(溝部)34eが形成されることにより設けられる。つまり、凹部34eの底面がヘッド側係合面39bとなる。本実施形態では、凹部34eは、平面視で矩形状であり、その底面つまりヘッド側係合面39bがダミーヘッド34の側面34f側(図8において左右方向外側)に下る斜面となるように形成される。
このように、ダミーヘッド34取付状態で、ボルト側係合面39aとヘッド側係合面39bとにより楔面39が形成される。この楔面39に対し、楔部材35が楔係合する。
楔部材35は、楔面39を形成するボルト側係合面39aに沿うボルト側被係合面35aと、同じく楔面39を形成するヘッド側係合面39bに沿うヘッド側被係合面35bと、プルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対する貫通を許容する挿通孔35cとを有する板状部材である。
すなわち、楔部材35は、ダミーヘッド34取付状態で、その挿通孔35cを介してプルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対する貫通(ボルト穴2に対する螺挿)を許容するとともに、楔面39のボルト側係合面39a及びヘッド側係合面39bに対して、ボルト側被係合面35a及びヘッド側被係合面35bを介して楔係合した状態となる。
そして、楔部材35の係合方向(楔作用が得られる方向)は、斜面であるヘッド側係合面39bが上る方向、即ちダミーヘッド34の両側面34f側から内側(孔部4b側)に向かう方向(図8において左右方向内向き)となる。つまり、楔部材35は、その係合方向への移動により、ダミーヘッド34取付状態でのプルスタッドボルト33及びダミーヘッド34に対して楔作用を与える。
言い換えると、楔部材35は、ダミーヘッド34取付状態での係合方向への移動により、ヘッド側被係合面35bがヘッド側係合面39bに対して摺動することで、ダミーヘッド34の表面34d側(図8において上側)に移動するとともに、ボルト側被係合面35aがボルト側係合面39aに対して摺動することで、ボルト穴2に螺挿され固定された状態のプルスタッドボルト33を引っ張る方向に押圧するという楔作用を与える。
なお、ダミーヘッド34の凹部34e及び楔部材35の挿通孔35cは、所定の楔作用が得られる範囲での楔部材35の係合方向への移動を許容する形状(大きさ)に設定される。
また、楔部材35は、その係合方向と反対側(図8において左右方向外側)の部分が、ダミーヘッド34の側面34fから突出した状態となるように形成される。楔部材35は、この側面34fからの突出部分を介して係合方向に移動する外力が加えられることで押し込まれ、ダミーヘッド34取付状態でのプルスタッドボルト33及びダミーヘッド34に対して楔作用を与えることとなる。
なお、本実施形態では、楔面39を形成する係合面のうち、ボルト側係合面39aがプルスタッドボルト33のボルト軸方向に対して略垂直面、ヘッド側係合面39bが斜面であるが、これら係合面のうち少なくともいずれか一方が、前述した楔作用が得られるような斜面であればよい。
以上の構成において、シリンダボア5の仕上げ加工に際し、プルスタッドボルト33を、該プルスタッドボルト33によるシリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿することで、ダミーヘッド34をシリンダブロック1に取り付けた状態で、プルスタッドボルト33に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
そして、プルスタッドボルト33に作用させる前記ボルト軸方向の力は、プルスタッドボルト33を、該プルスタッドボルト33のボルト穴2に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより発生させる。
以下、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置を用いたシリンダボア5の仕上げ加工方法について順を追って説明する。
まず、楔部材35が凹部34eに嵌められたダミーヘッド34をシリンダブロック1にプルスタッドボルト33を介して取り付ける。つまり、楔部材35の挿通孔35c及び貫通孔34cを介してダミーヘッド34を貫通するプルスタッドボルト33を、シリンダブロック1のボルト穴2に螺挿することにより、ダミーヘッド34をシリンダブロック1に取り付ける。
この際、プルスタッドボルト33は、第一実施形態におけるボルト3と同様に、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度に軽く締めるに留める。
次に、第二実施形態と同様に、外部装置を用いて外力をかけることで、ボルト頭部33aを用いてプルスタッドボルト33を引っ張る(引き上げる)。
プルスタッドボルト33を引っ張ることにより、プルスタッドボルト33が引き上げられてダミーヘッド34に対して相対的に移動し、プルスタッドボルト33に対して所定のボルト軸力が加わる。つまり、プルスタッドボルト33に対し、該プルスタッドボルト33が引張り力の生じる方向(図7、図8中矢印P参照)にダミーヘッド34に対して相対的に移動するボルト軸方向の力が作用する。
プルスタッドボルト33は、前記のとおりシリンダブロック1に対する引張り力が生じない程度に締めているため、プルスタッドボルト33を引っ張ることで、プルスタッドボルト33の鍔部33bと楔部材35との間、即ちボルト側係合面39aとボルト側被係合面35aとの間に隙間が生じることとなる。そこで、この隙間分だけ楔部材35をその係合方向に押し込むことにより移動させ、隙間を詰める。この際、ボルト側係合面39aに対してボルト側被係合面35aが圧接した状態となるように楔部材35を押し込む。つまり、楔面39とこの楔面39に楔係合する楔部材35により、前記ボルト軸方向の力が作用した状態でのプルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置を保持する。
楔部材35をダミーヘッド34に対して押し込んだ後、外部装置によるプルスタッドボルト33に対する外力を除去することで、プルスタッドボルト33に加えた所定のボルト軸力が保持される。
そして、前記のとおりプルスタッドボルト33を引っ張り、楔部材35を押し込むことでプルスタッドボルト33に対して所定の軸力が加わっている状態で、シリンダボア5に対して仕上げ加工を行う。
シリンダボア5に対する仕上げ加工の終了後は、外部装置によって再びプルスタッドボルト33に引っ張る方向の外力を加え、楔部材35の係合を緩めるとともにプルスタッドボルト33のボルト穴2に対する螺挿を解除してダミーヘッド34をシリンダブロック1から取り外す。
このように、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置では、シリンダボア5の仕上げ加工に際し、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿されるプルスタッドボルト33により、ダミーヘッド34がシリンダブロック1に取り付けられた状態で、プルスタッドボルト33が、該プルスタッドボルト33のボルト穴2に対する螺挿側と反対側から引っ張られることにより、プルスタッドボルト33に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
そして、プルスタッドボルト33によりダミーヘッド34をシリンダブロック1に対して取り付けた状態でプルスタッドボルト33とダミーヘッド34との間に形成される楔面39を設け、この楔面39に対して楔係合する楔部材35によって得られる楔作用により、前記ボルト軸方向の力が作用した状態でのプルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置を保持する。
本実施形態では、前記ボルト軸方向の力が作用した状態でのプルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置の保持を、楔面39及びこれに楔係合する楔部材35により得られる楔作用を用いて、つまり楔部材35を押し込むことによって行うことができるので、第二実施形態と比較して、ダミーヘッド34を用いたシリンダブロック1に対する機械加工の自動化に際し、より容易に対応することが可能となる。
本発明の第一実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置の構成を示す図。 同じく一部平面図。 本発明の第二実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置の構成を示す平面図。 図3におけるB−B断面図。 図3におけるC−C断面図。 本発明の第三実施形態に係るシリンダブロックの加工用装置の構成を示す平面図。 図6におけるD−D断面図。 図6におけるE−E断面図。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 ボルト穴
3 ボルト(ボルト部材)
4 ダミーヘッド
5 シリンダボア
11 ピストン(伝動部材)
12 シリンダ
13 油圧室(流体圧室)
15 油圧ポンプ(流体圧供給手段)
17 配管継手(継手手段)
23 プルスタッドボルト(ボルト部材)
24 ダミーヘッド
25 ナット(保持手段)
33 プルスタッドボルト(ボルト部材)
34 ダミーヘッド
35 楔部材
39 楔面

Claims (8)

  1. シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材を用い、シリンダブロックに対してダミーヘッドを組み付けることにより、シリンダブロックが有するシリンダボアを変形させた状態で、該シリンダボアに対する仕上げ加工を行うシリンダブロックの加工方法であって、
    前記ボルト部材を、該ボルト部材によるシリンダブロックに対する引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿することで、前記ダミーヘッドをシリンダブロックに取り付けた状態で、
    前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させることを特徴とするシリンダブロックの加工方法。
  2. 前記ダミーヘッドに対する相対的な移動により、前記ボルト部材を前記引張り力の生じる方向に移動させるとともに、前記ダミーヘッドに対して流体圧室を形成する伝動部材を設け、
    前記流体圧室に流体圧を供給することで前記伝動部材を移動させることにより、前記ボルト軸方向の力を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの加工方法。
  3. 前記ボルト部材を、該ボルト部材の前記ボルト穴に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより、前記ボルト軸方向の力を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの加工方法。
  4. 前記ボルト部材により前記ダミーヘッドをシリンダブロックに対して取り付けた状態で該ボルト部材と該ダミーヘッドとの間に形成される楔面を設け、該楔面に対して楔係合する楔部材によって得られる楔作用により、前記ボルト軸方向の力が作用した状態での前記ボルト部材の前記ダミーヘッドに対するボルト軸方向の位置を保持することを特徴とする請求項3に記載のシリンダブロックの加工方法。
  5. シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工に際し、該シリンダボアを変形させるシリンダブロックの加工用装置であって、
    シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材と、
    該ボルト部材によりシリンダブロックに対して組み付けられるダミーヘッドと、
    該ダミーヘッドに対して相対的に移動可能に設けられその移動により、前記ボルト部材を該ボルト部材によるシリンダブロックに対する引張り力の生じる方向に移動させるとともに、前記ダミーヘッドに対して流体圧室を形成する伝動部材と、
    前記流体圧室に対して流体通路を介して接続され該流体圧室に流体圧を供給する流体圧供給手段と、を備え、
    前記引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿される前記ボルト部材により、前記ダミーヘッドがシリンダブロックに取り付けられた状態で、前記流体圧供給手段から前記流体圧室に流体圧を供給することで前記伝動部材を移動させることにより、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させることを特徴とするシリンダブロックの加工用装置。
  6. 前記流体通路に、前記流体圧室内の流体圧を保持した状態で前記流体圧供給手段を分離可能な継手手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載のシリンダブロックの加工用装置。
  7. シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工に際し、該シリンダボアを変形させるシリンダブロックの加工用装置であって、
    シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材と、
    該ボルト部材によりシリンダブロックに対して組み付けられるダミーヘッドと、
    前記ボルト部材の前記ダミーヘッドに対するボルト軸方向の位置を保持する保持手段と、を備え、
    シリンダブロックに対する引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿される前記ボルト部材により、前記ダミーヘッドがシリンダブロックに取り付けられた状態で、前記ボルト部材が、該ボルト部材の前記ボルト穴に対する螺挿側と反対側から引っ張られることにより、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させることを特徴とするシリンダブロックの加工用装置。
  8. 前記保持手段として、
    前記ボルト部材により前記ダミーヘッドがシリンダブロックに対して取り付けられた状態で該ボルト部材と該ダミーヘッドとの間に形成される楔面と、該楔面に対して楔係合する楔部材と、を備えることを特徴とする請求項7に記載のシリンダブロックの加工用装置。
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