JP4483848B2 - シリンダブロックの加工方法及び加工用装置 - Google Patents
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Description
すなわち、シリンダブロックのシリンダボアに対しては、所定の真円度を出すためにホーニング加工等の仕上げ加工が行われる。かかるシリンダボアに対する仕上げ加工の後、シリンダブロックにシリンダヘッドが組み付けられる。シリンダブロックに対するシリンダヘッドの組付けに際しては、ボルト等の締結具(ヘッドボルト)が用いられる。つまり、ヘッドボルトが、シリンダヘッドを貫通するとともにシリンダブロックに設けられるボルト穴に螺挿されることにより、シリンダヘッドがシリンダブロックに対して締結固定される。このヘッドボルトによってシリンダブロックに作用する締付け力(締結力)は、シリンダブロックに変形を生じさせ、シリンダボアの変形(ボア変形)つまりシリンダボアの真円度の低下につながる。
つまり、実際の製品として組み付けられるシリンダヘッドとは異なる加工用治具としてのダミーヘッドが、ボルト等の締結具(例えばヘッドボルト)によってシリンダヘッドと同様にしてシリンダブロックに組み付けられることにより、シリンダヘッドが組み付けられた状態と同様の状態とされたシリンダブロックに対し、そのシリンダボアに対する仕上げ加工が行われる。
これにより、シリンダブロックに対して規定の締付け力が付与された状態、つまりシリンダボアに対して締付け力による変形が付与された状態でシリンダボアに対する仕上げ加工が行われ、その仕上げ加工後にシリンダヘッドが組み付けられることにより、シリンダヘッド組付時の締付け力によって生じるボア変形が防止される。
特許文献1においては、シリンダヘッド及びガスケットに代えて、前述のようにダミーヘッドをボルトによりシリンダブロックに取り付けた状態で、シリンダボアに対してホーニング加工等の仕上げ加工を行っている。
また、特許文献2においては、ボルト等による締結作用を用いることなく、シリンダブロックのシリンダ周辺部(シリンダボア周辺部)のみを押圧した状態で、シリンダボアに対する仕上げ加工を行っている。つまり、油圧等によって駆動する押圧部材により、シリンダヘッドの組付面におけるシリンダボアの周辺部を押圧することで、シリンダヘッドが組み付けられた状態に対応するシリンダボアの変形を生じさせている。
また、ダミーヘッドのシリンダブロックに対する組付けに際してボルト締結が用いられる場合、ダミーヘッドの着脱により、ボルト締結部におけるシリンダブロックの雌ねじ部分(ボルト穴)が損傷する場合がある。
しかし、シリンダブロックに対して前記のような規定の締付け力以上の締付け力を作用させることにより、シリンダブロックの雌ねじ部分が損傷するおそれがある。
しかしながら、特許文献2に示されているような構成によれば、シリンダボアの周辺部の押圧によってボア変形は生じるものの、その押圧力の反力としてシリンダブロックのボルト穴の部分が引き上げられることがないので、実際にシリンダヘッドが組み付けられることによって生じるボア変形が必ずしも忠実に体現できるとは言えない。
つまり、シリンダヘッドの組付けにともなうボア変形が生じる原因として、シリンダボア周辺部が押圧されることによる変形のほか、例えば、いわゆる4次変形のようなボルトの締付けによってシリンダブロックのボルト穴の部分が引き上げられることによる変形がある。このため、前記のようにシリンダボア周辺部が押圧されることで生じるボア変形は、シリンダブロックの組付けにともなうボア変形に忠実に対応するとは言えない。
すなわち、本発明によれば、加工用治具としてダミーヘッドを用いるシリンダボアの仕上げ加工に際し、本来のダミーヘッドの持つシリンダボアへの変形付与機能を損なうことなく、シリンダボアにおける変形量についての意図せぬばらつきを防止して加工精度の向上が図れるとともに、ダミーヘッドの着脱によるシリンダブロックのボルト穴の損傷を防止することができ、しかもダミーヘッドの着脱等についての自動化を図ることが容易となる。
本発明に係るシリンダブロックの加工方法は、例えば図1に示すように、シリンダブロック1が有するシリンダヘッド締結用のボルト穴2に螺挿されるボルト部材(ボルト3)を用い、シリンダブロック1に対してダミーヘッド4を組み付けることにより、シリンダブロック1が有するシリンダボア5を変形させた状態で、そのシリンダボア5に対する仕上げ加工を行うものである。
そして、前記ボルト部材(ボルト3)を、このボルト部材によるシリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度にボルト穴2に螺挿することで、ダミーヘッド4をシリンダブロック1に取り付けた状態で、ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、シリンダボア5を変形させる。
しかし、ダミーヘッドの組付けに際してボルト締結によってシリンダブロックに対して規定の締付け力を作用させる場合、シリンダボアにおける変形量のばらつきや、シリンダブロックのボルト穴の損傷等の問題が生じる場合がある。
つまり、この場合のボルト部材による締付け力は、ボルト部材がシリンダブロック1を引っ張る方向の力となるので、この引っ張る方向の力が作用する方向にボルト部材が移動するように、ボルト部材に対してボルト軸方向の力を付与する。したがって、この場合、ボルト部材の有する締付け力によるダミーヘッド4の締付け固定は行われず、ボルト部材自体は、シリンダブロック1を引っ張る力を伝達する手段として機能する。
ボルト部材に対する前記ボルト軸方向の力は、例えば油圧等を用いることによって発生させる。
また、ダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する固定に際し、ボルトの締付け力を用いる代わりに、ボルト部材(ボルト3)に対して前記のようなボルト軸方向の力を付与することで、シリンダブロック1のボルト穴2にはボルト部材を介する引張力が作用することとなるので、ダミーヘッド4の着脱によるシリンダブロック1のボルト穴2の損傷を防止することができる。これにより、例えばエンジン実働時のボア変形を生じさせるために、ダミーヘッド4(シリンダヘッド)の組付けに必要な大きさ以上のボルト軸力を作用させること等によっても、ダミーヘッド4の着脱によるシリンダブロック1のボルト穴2の損傷が生じにくくなる。
さらに、ボルト締結部における締付けトルク等のばらつきの発生を防止することができることから、ダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する着脱等について自動化を図ることが容易となる。
以下、本発明に係るシリンダブロックの加工方法及び加工用装置について、各実施形態に即して説明する。
シリンダブロック1のヘッド組付面1aには、シリンダヘッドが組み付けられるためのボルト穴(雌ねじ部分)2が設けられる。本実施形態において、ボルト穴2は、各シリンダボア5の周囲において略等間隔で四個設けられるとともに、隣接するシリンダボア5間においては二個のボルト穴2が共用され、計十個設けられている。
ボルト3は、ピストン11を介してダミーヘッド4を貫通する。つまり、ピストン11は、ボルト3を挿通させるための挿通孔11aを有し、この挿通孔11aに連通する貫通孔4cがダミーヘッド4に形成される。そして、ボルト3は、ピストン11の挿通孔11aに挿通されるとともに貫通孔4cを介してダミーヘッド4を貫通する。なお、ボルト3は、ダミーヘッド4に対してその貫通方向に移動可能あるいは挿脱可能に設けられる。
なお、ボルト3は、ピストン11に対して相対回転可能に設けられることにより、あるいはピストン11がシリンダ12に対して相対回転可能に設けられることにより、ダミーヘッド4に対して回転可能に設けられる。
なお、ピストン11は、案内部材としてのシリンダ12を介することなくダミーヘッド4に対して直接的に油圧室を形成する構成であってもよい。
油通路14は、配管がダミーヘッド4内に埋設される内部配管やダミーヘッド4に直接穿設されること等により構成される内部通路14aと、ダミーヘッド4に接続される外部配管等により構成される外部通路14bとを有する。各ボルト3に対応する油圧室13は、内部通路14aを介して連通される。
また、油通路14の外部通路14bには、油圧室13と油圧ポンプ15との連通・非連通(通路の開閉)を切り換えるための切換弁16が設けられる。
そして、そのピストン11及びシリンダ12により構成される油圧シリンダの押圧作用、即ち油圧によるピストン11のボルト頭部3a側への移動により、ボルト3に対し、該ボルト3が引張り力の生じる方向にダミーヘッド4に対して相対的に移動するボルト軸方向の力が発生する。
そして、ボルト3に作用させる前記ボルト軸方向の力は、ダミーヘッド4に対する相対的な移動により、ボルト3を引張り力の生じる方向に移動させるとともに、ダミーヘッド4に対して油圧室13を形成するピストン11を設け、油圧室13に油圧を供給することでピストン11を移動させることにより発生させる。
以下、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置を用いたシリンダボア5の仕上げ加工方法について順を追って説明する。
この際、ボルト3は、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度に軽く締めるに留める。つまり、ボルト3による締付けトルクやボルト軸力管理の下での強い締付けは行わない。言い換えると、ボルト3の締付け力によるダミーヘッド4のシリンダブロック1に対する固定(組付面1a・4a同士の圧接)は行わない。
油圧室13に供給される油圧により、ピストン11が持ち上げられてダミーヘッド4に対して相対的に移動し、ボルト3に対して所定のボルト軸力が加わる。つまり、ボルト3に対し、該ボルト3が引張り力の生じる方向(図1中矢印P参照)にダミーヘッド4に対して相対的に移動するボルト軸方向の力が作用する。
この結果、シリンダボア5が変形された状態となる。つまり、ボルトの締付け力を用いてダミーヘッド4をシリンダブロック1に組み付けることによって生じるシリンダブロック1(シリンダボア5)の変形と同様の変形を、ボルトの締付け力を用いることなく生じさせることができる。
したがって、各ボルト3に対応する油圧室13に供給する油圧を調整することで、ボルト3とボルト穴2との締結部における摩擦係数のばらつき等に影響されることなく、各締結部に対して所定のボルト軸力を加えることが可能となる。
シリンダボア5に対する仕上げ加工の終了後は、油圧室13に対する油圧を開放し、ボルト3のボルト穴2に対する螺挿を解除してダミーヘッド4をシリンダブロック1から取り外す。
すなわち、図1に示すように、油圧室13と油圧ポンプ15とを接続する油通路14の外部通路14bに、油圧室13内の油圧を保持した状態で油圧ポンプ15を分離可能な継手手段としての配管継手17が設けられている。
配管継手17は、例えば、油圧ポンプ15により供給された油圧室13内の油圧を保持した状態で、外部通路14bにおける配管同士の着脱を容易に行うことができるクイックカプラ等により構成される。
これにより、加工物となるダミーヘッド4が取り付けられた状態のシリンダブロック1の、機械加工ラインにおける取り扱いが容易となる。つまり、シリンダボア5の仕上げ加工に際して自動化を図るうえでより適したものとなる。
本実施形態では、アキュムレータ18は、油通路14の外部通路14bにおいて配管継手17の下流側(油圧室13側)に接続されて設けられる。
また、プルスタッドボルト23のボルト頭部23aは、外部装置により引き上げ可能な形状を有する。
また、ナット25は、プルスタッドボルト23に螺合した状態で回転することでプルスタッドボルト23の軸方向に移動にともないダミーヘッド24の表面24dに圧接する押圧面25aを有する。
そして、プルスタッドボルト23に作用させる前記ボルト軸方向の力は、プルスタッドボルト23を、該プルスタッドボルト23のボルト穴2に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより発生させる。
以下、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置を用いたシリンダボア5の仕上げ加工方法について順を追って説明する。
この際、プルスタッドボルト23は、第一実施形態におけるボルト3と同様に、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度に軽く締めるに留める。
プルスタッドボルト23を引っ張るための外部装置としては、例えば、プルスタッドボルト23に対する引っ張る方向の外力を、ねじ作用によって発生させる装置や油圧によって発生させる装置、あるいはクレーン装置等を用いることができる。したがって、プルスタッドボルト23のボルト頭部23aは、プルスタッドボルト23を引っ張るために用いる外部装置に対応した形状を有する。
ナット25をダミーヘッド24に対して締め付けた後、外部装置によるプルスタッドボルト23に対する外力を除去することで、プルスタッドボルト23に加えた所定のボルト軸力が保持される。
したがって、各プルスタッドボルト23に加える外力を調整することで、プルスタッドボルト23とボルト穴2との締結部における摩擦係数のばらつき等に影響されることなく、各締結部に対して所定のボルト軸力を加えることが可能となる。
シリンダボア5に対する仕上げ加工の終了後は、外部装置によって再びプルスタッドボルト23に引っ張る方向の外力を加え、ナット25を緩めるとともにプルスタッドボルト23のボルト穴2に対する螺挿を解除してダミーヘッド24をシリンダブロック1から取り外す。
そして、ボルト部材に前記ボルト軸方向の力が作用した状態での該ボルト部材のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置の保持を、楔部材35を用いることにより行う。
そして、プルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対するボルト軸方向の位置を保持する保持手段として、プルスタッドボルト33によりダミーヘッド34がシリンダブロック1に対して取り付けられた状態(以下「ダミーヘッド34取付状態」という。)でプルスタッドボルト33とダミーヘッド34との間に形成される楔面39(39a・39b)と、この楔面39に対して楔係合する楔部材35とを備える。
また、プルスタッドボルト33のボルト頭部33aは、外部装置により引き上げ可能な形状を有する。
鍔部33bは、ダミーヘッド34取付状態で、ボルト側係合面39aがダミーヘッド34の表面34dと略同一面上に位置するように、プルスタッドボルト33におけるボルト軸方向の位置が設定されて設けられる。
ヘッド側係合面39bは、ダミーヘッド34の表面34dに凹部(溝部)34eが形成されることにより設けられる。つまり、凹部34eの底面がヘッド側係合面39bとなる。本実施形態では、凹部34eは、平面視で矩形状であり、その底面つまりヘッド側係合面39bがダミーヘッド34の側面34f側(図8において左右方向外側)に下る斜面となるように形成される。
楔部材35は、楔面39を形成するボルト側係合面39aに沿うボルト側被係合面35aと、同じく楔面39を形成するヘッド側係合面39bに沿うヘッド側被係合面35bと、プルスタッドボルト33のダミーヘッド34に対する貫通を許容する挿通孔35cとを有する板状部材である。
言い換えると、楔部材35は、ダミーヘッド34取付状態での係合方向への移動により、ヘッド側被係合面35bがヘッド側係合面39bに対して摺動することで、ダミーヘッド34の表面34d側(図8において上側)に移動するとともに、ボルト側被係合面35aがボルト側係合面39aに対して摺動することで、ボルト穴2に螺挿され固定された状態のプルスタッドボルト33を引っ張る方向に押圧するという楔作用を与える。
なお、ダミーヘッド34の凹部34e及び楔部材35の挿通孔35cは、所定の楔作用が得られる範囲での楔部材35の係合方向への移動を許容する形状(大きさ)に設定される。
なお、本実施形態では、楔面39を形成する係合面のうち、ボルト側係合面39aがプルスタッドボルト33のボルト軸方向に対して略垂直面、ヘッド側係合面39bが斜面であるが、これら係合面のうち少なくともいずれか一方が、前述した楔作用が得られるような斜面であればよい。
そして、プルスタッドボルト33に作用させる前記ボルト軸方向の力は、プルスタッドボルト33を、該プルスタッドボルト33のボルト穴2に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより発生させる。
以下、本実施形態のシリンダブロックの加工用装置を用いたシリンダボア5の仕上げ加工方法について順を追って説明する。
この際、プルスタッドボルト33は、第一実施形態におけるボルト3と同様に、シリンダブロック1に対する引張り力の生じない程度に軽く締めるに留める。
楔部材35をダミーヘッド34に対して押し込んだ後、外部装置によるプルスタッドボルト33に対する外力を除去することで、プルスタッドボルト33に加えた所定のボルト軸力が保持される。
シリンダボア5に対する仕上げ加工の終了後は、外部装置によって再びプルスタッドボルト33に引っ張る方向の外力を加え、楔部材35の係合を緩めるとともにプルスタッドボルト33のボルト穴2に対する螺挿を解除してダミーヘッド34をシリンダブロック1から取り外す。
2 ボルト穴
3 ボルト(ボルト部材)
4 ダミーヘッド
5 シリンダボア
11 ピストン(伝動部材)
12 シリンダ
13 油圧室(流体圧室)
15 油圧ポンプ(流体圧供給手段)
17 配管継手(継手手段)
23 プルスタッドボルト(ボルト部材)
24 ダミーヘッド
25 ナット(保持手段)
33 プルスタッドボルト(ボルト部材)
34 ダミーヘッド
35 楔部材
39 楔面
Claims (8)
- シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材を用い、シリンダブロックに対してダミーヘッドを組み付けることにより、シリンダブロックが有するシリンダボアを変形させた状態で、該シリンダボアに対する仕上げ加工を行うシリンダブロックの加工方法であって、
前記ボルト部材を、該ボルト部材によるシリンダブロックに対する引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿することで、前記ダミーヘッドをシリンダブロックに取り付けた状態で、
前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させることを特徴とするシリンダブロックの加工方法。 - 前記ダミーヘッドに対する相対的な移動により、前記ボルト部材を前記引張り力の生じる方向に移動させるとともに、前記ダミーヘッドに対して流体圧室を形成する伝動部材を設け、
前記流体圧室に流体圧を供給することで前記伝動部材を移動させることにより、前記ボルト軸方向の力を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの加工方法。 - 前記ボルト部材を、該ボルト部材の前記ボルト穴に対する螺挿側と反対側から引っ張ることにより、前記ボルト軸方向の力を発生させることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの加工方法。
- 前記ボルト部材により前記ダミーヘッドをシリンダブロックに対して取り付けた状態で該ボルト部材と該ダミーヘッドとの間に形成される楔面を設け、該楔面に対して楔係合する楔部材によって得られる楔作用により、前記ボルト軸方向の力が作用した状態での前記ボルト部材の前記ダミーヘッドに対するボルト軸方向の位置を保持することを特徴とする請求項3に記載のシリンダブロックの加工方法。
- シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工に際し、該シリンダボアを変形させるシリンダブロックの加工用装置であって、
シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材と、
該ボルト部材によりシリンダブロックに対して組み付けられるダミーヘッドと、
該ダミーヘッドに対して相対的に移動可能に設けられその移動により、前記ボルト部材を該ボルト部材によるシリンダブロックに対する引張り力の生じる方向に移動させるとともに、前記ダミーヘッドに対して流体圧室を形成する伝動部材と、
前記流体圧室に対して流体通路を介して接続され該流体圧室に流体圧を供給する流体圧供給手段と、を備え、
前記引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿される前記ボルト部材により、前記ダミーヘッドがシリンダブロックに取り付けられた状態で、前記流体圧供給手段から前記流体圧室に流体圧を供給することで前記伝動部材を移動させることにより、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させることを特徴とするシリンダブロックの加工用装置。 - 前記流体通路に、前記流体圧室内の流体圧を保持した状態で前記流体圧供給手段を分離可能な継手手段を設けたことを特徴とする請求項5に記載のシリンダブロックの加工用装置。
- シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工に際し、該シリンダボアを変形させるシリンダブロックの加工用装置であって、
シリンダブロックが有するシリンダヘッド締結用のボルト穴に螺挿されるボルト部材と、
該ボルト部材によりシリンダブロックに対して組み付けられるダミーヘッドと、
前記ボルト部材の前記ダミーヘッドに対するボルト軸方向の位置を保持する保持手段と、を備え、
シリンダブロックに対する引張り力の生じない程度に前記ボルト穴に螺挿される前記ボルト部材により、前記ダミーヘッドがシリンダブロックに取り付けられた状態で、前記ボルト部材が、該ボルト部材の前記ボルト穴に対する螺挿側と反対側から引っ張られることにより、前記ボルト部材に、前記引張り力の生じる方向のボルト軸方向の力を作用させることで、前記シリンダボアを変形させることを特徴とするシリンダブロックの加工用装置。 - 前記保持手段として、
前記ボルト部材により前記ダミーヘッドがシリンダブロックに対して取り付けられた状態で該ボルト部材と該ダミーヘッドとの間に形成される楔面と、該楔面に対して楔係合する楔部材と、を備えることを特徴とする請求項7に記載のシリンダブロックの加工用装置。
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