JP2008238339A - シリンダブロックの加工用治具および加工方法 - Google Patents

シリンダブロックの加工用治具および加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダボアに対する仕上げ加工において、シリンダボアに対して予め所定の変形を付与するに際し、既存の設備を利用することができ、製造コストの増加を招くスペースや設備や工程等の増加をともなうことなく、生産効率を高めることができるシリンダブロックの加工用治具および加工方法を提供すること。
【解決手段】シリンダボア3の仕上げ加工を行う際に用いられる加工用治具であって、ヘッド取付面2に対して近接離間する治具本体10と、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対して係合可能なネジ部19が形成された複数のボルト片部18の内側面21によってテーパ穴部20を形成し、テーパ穴部20を介して受ける楔作用により拡径するボルト部材16と、テーパ穴部20に挿入され前記楔作用を与えるテーパ面部22を有するテーパ軸部材17と、ヘッド取付面2における所定の面部に接触する押圧面23を有するピストン部材24とを備える構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダブロックが有するシリンダボアに対して施される仕上げ加工に際して用いられるシリンダブロックの加工用治具および加工方法に関する。
例えば自動車等に搭載されるエンジンを構成するシリンダブロックにおいては、所定の真円度が必要とされる孔部が構成される。かかる孔部としては、例えば、エンジンのクランク軸にコンロッド等を介して連結されるピストンを摺動可能に内装するシリンダボアや、クランク軸のジャーナル部を支承する軸受孔等がある。つまり、これらシリンダボアや軸受孔等の孔部に対しては、所定の真円度を得るため、例えばホーニング加工等の仕上げ加工(真円加工)が施される。
一方で、シリンダボア等の孔部の真円度は、エンジンの組立て過程における部品の組付けにともなうボルト締結等の影響を受ける。つまり、シリンダブロックに対して部品がボルト締結によって組み付けられることにより、そのボルト締結の締付け力(締結軸力)によってシリンダブロック等が歪み(変形し)、シリンダボア等の孔部の真円度が悪化する。
このため、従来、シリンダボア等の孔部に対し、シリンダブロックに対して部品が組み付けられること等による歪(変形)が再現された状態(模擬された状態)での仕上げ加工が行われている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。
特許文献1には、シリンダボア等の孔部に対して、シリンダブロックに対する部品の組付けにともなう歪を予め与えた状態で仕上げ加工を行う方法の代表的な例であるダミーヘッド加工が示されている。ダミーヘッド加工には、いわゆるダミーヘッドが用いられる。ダミーヘッドとは、実際の製品として組み付けられるシリンダヘッドとは異なる加工用治具であり、シリンダヘッドと同様にしてボルト等の締結具(ヘッドボルト)によってシリンダブロックに組み付けられるものである。すなわち、ダミーヘッドがシリンダブロックに組み付けられることにより、シリンダボア等の孔部に対して、シリンダブロックにシリンダヘッドが組み付けられることにより生じる変形が付与された状態となる。かかる状態で、シリンダボア等の孔部に対する仕上げ加工が行われる。これにより、実際にシリンダヘッドが組み付けられることによる、シリンダボア等の孔部の真円度に対する影響(真円度の悪化)が低減される。
このようなダミーヘッド加工においては、次のような問題がある。
ダミーヘッド加工は、ダミーヘッドをシリンダブロックにボルト締結により組み付け、エンジンアッシとしての組付け完了状態を再現した状態で、シリンダボア等の孔部に対する仕上げ加工を行うという考え方に基づくものである。このため、生産サイクルタイムを考慮した相当数のダミーヘッドの準備や、ダミーヘッドの組付け・取外しのための設備等が必要となる。したがって、ダミーヘッド加工が行われるシリンダブロックの加工に際しては、ダミーヘッド加工が行われない通常工程のシリンダブロックの加工に対して、相当数のダミーヘッドの準備およびそのスペースの追加や、ダミーヘッドの組付け・取外しのための設備および工程の追加等が必要となり、製造コストが増加する。
一方、特許文献2には、クランク軸を支持する軸受孔(ジャーナル軸受穴)に対する真円加工に際しての技術が開示されている。軸受孔は、例えば本文献にも示されているように、シリンダブロックに対してロアケースがボルト締結により組み付けられることで形成される。
特許文献2には、軸受孔の形成に際し、ボルト締結の代わりに、押圧ピンによって所定の付加を与えることにより、ボルト締結等によって生じる変形と同等の変形を与えた状態とし、軸受孔の真円加工を行う技術が示されている。かかる技術は、軸受孔の真円加工に際し、ボルト締結工程やボルト解体工程を廃止して生産効率を高めることを目的とするものである。
特許文献2に開示されている技術は、軸受孔の加工に際して用いられるものであるが、シリンダボアの加工に際しても応用できる可能性がある。この場合、具体的には、シリンダブロックに対してダミーヘッドがボルト締結によって組み付けられる代わりに、押圧ピンによってシリンダヘッド取付面に対して所定の付加が与えられることにより、シリンダボアに対して変形が付与された状態となる。これにより、ダミーヘッドが不要となり、前述したようなダミーヘッドが用いられることにより生じるダミーヘッド加工における問題が解消する。
しかし、シリンダヘッド(ダミーヘッド)がシリンダブロックに対して組み付けられることによりシリンダボアに生じる変形は、シリンダヘッド取付面が押圧されることだけでなく、ボルト締結による締結軸力(ボルトによる引張り力)が作用することも原因となる。このため、特許文献2に開示されている技術が用いられることによっては、シリンダヘッドが組み付けられることにより生じるシリンダボアの変形を再現することができない。
特開2004−243514号公報 特開2002−120107号公報
本発明は、上記のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工において、シリンダボアに対して予め所定の変形を付与するに際し、既存の設備を利用することができ、製造コストの増加を招くスペースや設備や工程等の増加をともなうことなく、生産効率を高めることができるシリンダブロックの加工用治具および加工方法を提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
すなわち、請求項1においては、シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工を行う際に用いられるシリンダブロックの加工用治具であって、シリンダブロックのシリンダヘッド取付面と向き合う対向面を有し、該対向面を前記シリンダヘッド取付面に向き合わせた状態で、前記対向面と前記シリンダヘッド取付面とが相対的に近接離間するように設けられる治具本体と、前記シリンダヘッド取付面に開口するシリンダヘッド取付用のボルト穴に対して挿入可能な棒状の外形を有する部分として前記対向面に突設され、外側面に前記ボルト穴の雌ネジ部に対して係合可能なネジ部が形成された複数のボルト片部を有し、これらボルト片部の内側面によって、前記対向面側にテーパするとともに該対向面側と反対側に開口するテーパ穴部を形成し、該テーパ穴部を介して受ける楔作用により前記複数のボルト片部が変位することで拡径するボルト部材と、前記テーパ穴部から突出した状態で該テーパ穴部に挿入され、該挿入方向の前記ボルト部材との間の相対的な移動により前記楔作用を与えるテーパ面部を有するテーパ軸部材と、前記対向面に対して突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられ、前記シリンダヘッド取付面における所定の面部に接触する押圧面を有するピストン部材と、を備えるものである。
請求項2においては、請求項1に記載のシリンダブロックの加工用治具において、前記テーパ軸部材は、前記テーパ穴部に対する挿入方向の先端側に延設部を有し、該延設部が、前記治具本体に形成される穴部に対して挿入された状態で、前記テーパ穴部から突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられるものである。
請求項3においては、請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックの加工用治具において、前記ネジ部は、前記雌ネジ部の、前記ボルト穴の底部側の部分に対して重点的に係合するものである。
請求項4においては、シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工を行う際に用いるシリンダブロックの加工方法であって、シリンダブロックのシリンダヘッド取付面に対して相対的に近接離間するように設けられ、前記仕上げ加工用の工具を案内するガイド体に、前記シリンダヘッド取付面に開口するシリンダヘッド取付用のボルト穴に対して挿入可能に構成されるとともに、前記ボルト穴の雌ネジ部に対して係合可能な雄ネジ部を有し、先端側からの押圧作用により拡径可能に構成されるボルト部と、前記シリンダヘッド取付面における所定の面部に接触可能な押圧面を有し、該押圧面が前記ボルト部の前記ガイド体からの突出方向と同じ方向に所定の押圧力で付勢可能となるように構成される押圧部と、を設け、前記ボルト部を、前記ボルト穴に挿入した状態で、前記ガイド体を、前記シリンダヘッド取付面に対して近接させることにより、前記ボルト部の先端側を、前記ボルト穴の底部に対して当接させることで、前記ボルト部に対して前記押圧作用を与え、前記ボルト部を拡径させることにより、前記雄ネジ部を前記雌ネジ部に対して係合させた状態とするとともに、前記押圧部により、前記押圧面を前記所定の面部に接触させた状態で前記方向に所定の押圧力で付勢することで、前記所定の面部を押圧した状態で、前記仕上げ加工を行うものである。
請求項5においては、請求項4に記載のシリンダブロックの加工方法において、前記雄ネジ部を、前記雌ネジ部の、前記ボルト穴の底部側の部分に対して重点的に係合させるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
すなわち、本発明によれば、シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工において、シリンダボアに対して予め所定の変形を付与するに際し、既存の設備を利用することができ、製造コストの増加を招くスペースや設備や工程等の増加をともなうことなく、生産効率を高めることができる。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るシリンダブロックの加工は、シリンダブロックが有するシリンダボアに対して行われるものであり、シリンダボアについて所定の真円度を得るための仕上げ加工である。そして、シリンダボアに対する仕上げ加工が行われるに際し、シリンダボアに対して所定の変形が付与されることで、シリンダボアが予め変形した状態となる。
すなわち、シリンダボアは、エンジンのクランク軸にコンロッド等を介して連結されるピストンを摺動可能に内装する。このため、エンジンの実働時における弊害の原因となるシリンダボアにおけるフリクションの低減の観点から、シリンダボアについてはエンジンの実働時において所定の真円度が要求される。
一方で、シリンダボアは、シリンダブロックにシリンダヘッド等の部品が組み付けられることや、エンジンの実働時においてシリンダブロックが熱変形すること等の影響を受けて変形する。このようなシリンダボアの変形(ボア変形)は、シリンダブロックにおいてシリンダボアの周囲に設けられる、シリンダヘッドの締結部の配置に関係する。具体的には、シリンダボアの中心軸方向視での形状である円周形状において、シリンダヘッドの締結部に対応する位相の部分が相対的に内側に膨出するような変形が生じる。このようなボア変形は、シリンダボアの真円度の悪化を招く。
そこで、シリンダブロックに対する部品の組付け時やエンジンの実働時において生じるボア変形が考慮されたうえで、前記のとおりシリンダボアについて、予め変形した状態(ボア変形が再現された状態)で、仕上げ加工が行われることにより所定の真円度が得られる。つまり、シリンダボアにおいて、前述のように所定の部分が内側に膨出した状態で、仕上げ加工によって所定の真円度が得られることにより、内側に膨出する部分が他の部分に比べて予め深く(例えばミクロンオーダーで)切削される。これにより、エンジンの実働時におけるシリンダボアの真円度の悪化が低減され、前記のようなフリクションの低減が達成される。
まず、図1を用いて、本発明に係る加工対象であるシリンダブロック1の構成について説明する。なお、以下の説明においては、図1における上下方向をシリンダブロック1における上下方向として説明する。図1は本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの加工用治具およびシリンダブロックの構成を示す断面図である。
本実施形態に係るシリンダブロック1は、例えば自動車エンジン等を構成するものであり、アルミニウム等を材料とする鋳物(鋳造品)が所定の機械加工を受けることにより構成される。シリンダブロック1は、シリンダヘッド(図示略)がガスケットを介する等して取り付けられるシリンダヘッド取付面(以下「ヘッド取付面」という。)2を有する。ヘッド取付面2は、シリンダブロック1の上側において略水平面として形成される。また、シリンダブロック1の下側にはオイルパン(図示略)が取り付けられる。
シリンダブロック1は、シリンダボア3を有する。シリンダボア3は、エンジンのクランク軸にコンロッド等を介して連結されるピストン(いずれも図示略)を摺動可能に内装する円柱状の孔部である。シリンダボア3は、ヘッド取付面2に開口する。シリンダボア3は、シリンダブロック1においてシリンダボア3を囲むように略筒状に形成されるシリンダ部4の内周面側に、筒状のシリンダライナ5が、鋳ぐるみあるいは圧入等によって内装されることで形成される。つまり、シリンダライナ5の内周面がシリンダボア3を形成し、前記ピストンの摺動面となる。なお、本実施形態では、シリンダボア3は、シリンダライナ5が用いられて形成される構成であるが、シリンダブロック1の構造体に対して直接形成される構成であってもよい。
シリンダボア3は、シリンダブロック1において一または複数(図1では一つのみ図示)設けられる。例えば、シリンダブロック1が直列四気筒エンジンを構成する場合、シリンダボア3は、図1における奥行き方向(紙面に対して垂直方向)に一列に四個並んだ状態となるように設けられる。
シリンダボア3の周囲(シリンダ部4の外周側)には、ウォータジャケット6が形成される。ウォータジャケット6は、ヘッド取付面2に開口する。つまり、本実施形態のシリンダブロック1は、ウォータジャケット6がヘッド取付面2側に開放されているオープンデッキ型の構造となっている。
シリンダブロック1に対するシリンダヘッドの固定に際しては、締結具であるヘッドボルト(図示略)が用いられる。このため、ヘッド取付面2には、ヘッドボルトがねじ込まれるボルト穴(以下「ヘッドボルト穴」という。)7が設けられる。ヘッドボルト穴7は、ヘッド取付面2に開口する。つまり、シリンダヘッドは、シリンダヘッドの一部を貫通するとともにヘッドボルト穴7にねじ込まれるヘッドボルトによって、ヘッド取付面2に対して締結固定される。ヘッドボルト穴7は、ネジ切り加工が施されている雌ネジ部8を有する。
なお、図示においては、便宜上、ヘッドボルト穴7が一か所とされているが、ヘッドボルト穴7は、シリンダブロック1の構成等に応じて所定の位置に複数設けられる。具体的には、シリンダブロック1が直列四気筒エンジンを構成する場合、例えば、各シリンダボア3の周囲において略等間隔で四個のヘッドボルト穴7が設けられるとともに、隣り合うシリンダボア3間においては二個のヘッドボルト穴7が共用されることにより、計十個のヘッドボルト穴7が設けられる。
このような構成を有するシリンダブロック1に対し、シリンダボア3について所定の真円度を得るための仕上げ加工(例えばホーニング加工)が行われる。
図1に示すように、シリンダボア3に対する仕上げ加工には、仕上げ加工用の工具40を備える構成が用いられる。工具40は、ヘッド部41と、このヘッド部41を支持する軸部42とを有する。ヘッド部41は、全体として略円柱状に構成される。ヘッド部41は、砥石43を有する。砥石43は、ヘッド部41の外周面部に例えば周方向に等間隔を隔てた状態で環状に配設される。ヘッド部41は、その略円柱形状の軸心方向を軸方向として設けられる軸部42の一端部(下端部)に支持される。軸部42は、図示せぬ駆動手段によって軸方向の移動および軸心を回転軸とする回転が可能に設けられる。つまり、ヘッド部41は、軸部42を介して軸方向の運動および回転運動が可能な状態で設けられる。そして、シリンダボア3の仕上げ加工に際しては、ヘッド部41の回転運動等により、シリンダボア3を形成する壁面が砥石43によって研削加工される。
このような構成を有するシリンダブロック1を加工対象とするシリンダブロック1の加工用治具(以下単に「加工用治具」という。)は、前述のようなシリンダボア3に対する仕上げ加工を行う際に用いられる。すなわち、以下に説明する加工用治具は、前述したようにシリンダボア3に対して所定の変形が付与されるための変形外力(負荷)を、シリンダブロック1に対して加えるためのものである。
図1に示すように、本実施形態に係る加工用治具は、治具本体10に、ボルト部11と、押圧部12とが設けられることにより構成される。
治具本体10は、ヘッド取付面2と向き合う対向面13を有し、この対向面13をヘッド取付面2に向き合わせた状態で、対向面13とヘッド取付面2とが相対的に近接離間するように設けられる。
治具本体10は、本実施形態では、全体として厚板状の部材により構成され、その一側(下側)の板面により対向面13が形成される。対向面13は、少なくともヘッド取付面2と略同じ大きさ(面積)を有する。治具本体10は、対向面13と反対側(上側)の板面により形成される支持面10aに連結されるシリンダ機構14により、上下方向に移動可能に支持される。
シリンダ機構14は、治具本体10に対して一または複数(図示では二つ)設けられる。シリンダ機構14は、例えば、油圧シリンダやエアシリンダ等として構成される。シリンダ機構14は、シリンダ部14aと、このシリンダ部14aに対して少なくとも一部が出没可能に設けられるロッド部14bとを有する。シリンダ機構14は、ロッド部14bのシリンダ部14aに対する出没方向が、対向面13のヘッド取付面2に対する近接離間方向(上下方向)に対応するように設けられる。シリンダ機構14は、ロッド部14bの先端側が、治具本体10の支持面10aに固定されることにより、治具本体10に対して連結される。つまり、シリンダ機構14において、ロッド部14bがシリンダ部14aに対して出没することにより、治具本体10が、シリンダブロック1に対して近接離間する方向に移動する。このシリンダ機構14による治具本体10の移動により、対向面13が、ヘッド取付面2に対して近接離間する。
このように、本実施形態では、治具本体10は、シリンダ機構14に移動可能に支持されることにより、対向面13をヘッド取付面2に向き合わせた状態で、対向面13がヘッド取付面2に対して近接離間するように設けられる。
ボルト部11は、ヘッドボルト穴7に対して挿入可能に構成されるとともに、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対して係合可能な雄ネジ部15を有し、先端側からの押圧作用により拡径可能に構成される。ボルト部11は、具体的には次のように構成される。
ボルト部11は、治具本体10から突設されるボルト部材16と、このボルト部材16に挿入された状態で設けられるテーパ軸部材17とを備える。
ボルト部材16は、ヘッドボルト穴7に対して挿入可能な棒状の外形を有する部分として対向面13に突設される。
つまり、図1に示すように、治具本体10の対向面13から垂下した状態で設けられる棒状の外形を有する部分が、ボルト部材16となる。ボルト部材16は、略円柱棒状の外径を有し、ヘッドボルト穴7に挿入可能な径を有する。
ボルト部材16は、外側面にヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対して係合可能なネジ部19が形成された複数のボルト片部18を有する。
ボルト片部18は、棒状の外形を有するボルト部材16が、その軸方向を分割面の方向として分割された部分により形成される。つまり、ボルト部材16が、その軸方向にスリットが形成されること等によって複数に分割されることにより、その分割数に応じた数のボルト片部18が形成される。言い換えると、複数のボルト片部18により、棒状の外形を有するボルト部材16が構成される。なお、ボルト部材16の分割数、つまりボルト部材16が有するボルト片部18の数は特に限定されるものではない。
また、各ボルト片部18においては、その外側面に、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対して係合可能なネジ部19が形成される。こられボルト片部18が有するネジ部19が、ボルト部11が有する前記雄ネジ部15を構成する。
ボルト部材16は、前記複数のボルト片部18の内側面21によって、対向面13側にテーパするとともに対向面13側と反対側に開口するテーパ穴部20を形成する。
すなわち、棒状の外形を有するボルト部材16は、その軸心部分に穴部を有するように略筒状に構成され、その軸心部分の穴部が、複数のボルト片部18の内側面21によって形成されるテーパ穴部20となる。言い換えると、略筒状のボルト部材16が、前記のとおり複数の部分に分割されることにより形成される各ボルト片部18が、ボルト部材16の軸方向を長手方向とする略短冊状の部分となり、各ボルト片部18の内側面21によってテーパ穴部20が形成される。
テーパ穴部20は、対向面13側(上側)を頂点側とする細長の略円錐形状の一部形状を有することにより、対向面13側にテーパする(縮径される)。したがって、各ボルト片部18の内側面21は、上側にかけてボルト部材16の軸心部分に向けて緩やかに傾斜し、細長の略円錐面の一部を形成する曲面となる。また、テーパ穴部20は、ボルト部材16の先端側に開口する。つまり、ボルト部材16を構成する各ボルト片部18は、ボルト部材16の基部側(上端側)において一体に連結されるとともに、その連結された部分からボルト部材16の先端側(下端側)にかけて他のボルト片部18と分割された状態となる。
なお、本実施形態においては、テーパ穴部20は、略円錐形状の一部形状を有することによって対向面13側にテーパするように形成されているが、これに限定されるものではない。テーパ穴部20が対向面13側にテーパするための形状としては、例えば、三角錐や四角錐等の多角錐形状の一部形状等であってもよい。この場合、ボルト片部18の内側面21は、本実施形態のように略円錐面の一部を形成する曲面ではなく、平面部分により形成されることとなる。
ボルト部材16は、テーパ穴部20を介して受ける楔作用により複数のボルト片部18が変位することで拡径する
すなわち、ボルト部材16を構成する複数のボルト片部18は、前記のとおり一体に連結される基部側の部分を基点として、ボルト部材16の径方向外側に弾性変形し、放射状に拡がるように変位する。この各ボルト片部18の外側への変位により、ボルト部材16が拡径する。このような各ボルト片部18の外側への変位が、ボルト部材16がテーパ穴部20を介して楔作用を受けることにより生じる。ボルト部材16に対する楔作用は、テーパ穴部20を介してテーパ軸部材17により与えられる。
なお、本実施形態では、ボルト部材16を拡径させるためのボルト片部18の変位は、前記のとおりボルト片部18が有する弾性によるものであるが、これに限定されるものではない。例えば、ボルト片部18がその基部側の連結部において折曲げ可能に構成されたり、ボルト片部18が複数の部材によって折曲げ可能に構成されたりすることで、各ボルト片部18が、ボルト部材16の径方向外側に変位するような構成であってもよい。
このように構成されるボルト部材16は、治具本体10に対して一体に形成されている。つまり、ボルト部材16を構成する各ボルト片部18が、治具本体10の対向面13から突出形成されることにより、治具本体10に対して一体的に形成されている。ただし、ボルト部材16は、治具本体10に対して別部品として取り付けられること等により、治具本体10と別体として構成されてもよい。
テーパ軸部材17は、テーパ穴部20から突出した状態でテーパ穴部20に挿入され、この挿入方向のボルト部材16との間の相対的な移動により前記楔作用を与えるテーパ面部22を有する。
テーパ軸部材17は、全体として棒状の部材であり、テーパ穴部20に挿入可能な径の部分を有する。テーパ面部22は、テーパ軸部材17のテーパ穴部20に対する挿入方向にテーパする(縮径される)。このテーパ面部22が、ボルト部材16のテーパ穴部20に対してテーパ嵌合した状態(楔係合した状態)となる。つまり、テーパ軸部材17がテーパ穴部20に挿入され、テーパ面部22が、テーパ穴部20を形成するボルト片部18の内側面21に接触した状態が、テーパ面部22がテーパ穴部20に対してテーパ嵌合した状態となる。したがって、テーパ面部22の形状は、テーパ穴部20が有する形状に対応したものとなる。つまり、本実施形態では、テーパ軸部材17においてテーパ面部22が形成される部分は、細長の略円錐形状の一部形状を有するテーパ穴部20に対応して、細長の略円錐形状の一部形状を有する部分となる。
また、テーパ軸部材17は、テーパ穴部20に挿入されるとともに、その一部がテーパ穴部20から突出した状態で設けられる。つまり、テーパ軸部材17は、その一端側からテーパ穴部20に挿入されるとともに、他端側の一部がテーパ穴部20から突出した状態で、ボルト部材16に対して保持される。
また、テーパ軸部材17は、テーパ穴部20に対する挿入方向の先端側に延設部29を有する。そして、テーパ軸部材17は、その延設部29が、治具本体10に形成される穴部30に対して挿入された状態で、テーパ穴部20から突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられる。
延設部29は、テーパ軸部材17において、テーパ面部22を形成する部分のテーパ穴部20に対する挿入方向先端側の端部から延設される。延設部29は、本実施形態では、テーパ面部22を形成する部分よりも小径であって直線状の(略同径の)棒状の部分として形成される。延設部29は、治具本体10に形成される穴部30に挿入される。したがって、穴部30は、ボルト部材16が有するテーパ穴部20と連続するように形成され、テーパ穴部20に挿入された状態のテーパ軸部材17において延設される延設部29が、治具本体10に形成される穴部30に挿入された状態となる。このように、テーパ軸部材17は、延設部29が治具本体10の穴部30に挿入された状態で、ボルト部材16に対して保持される。
また、テーパ軸部材17は、ボルト部材16に対して保持された状態で、テーパ穴部20から突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられる。つまり、延設部29を含むテーパ軸部材17は、テーパ穴部20および穴部30に挿入された状態で、テーパ穴部20から突出する方向(下方向)に所定の押圧力で付勢可能とされる。
テーパ軸部材17が付勢されるための押圧力は、油圧により生じる。すなわち、テーパ軸部材17における延設部29は、穴部30に対して上下方向に摺動可能に設けられる。穴部30内には、テーパ軸部材17に対して延設部29を介して油圧を作用させるための油圧室31が形成される。油圧室31には、治具本体10の内部に形成される油路32を介して油圧ポンプ等の油圧源(図示略)が接続される。このような構成において、前記油圧源から油路32を介して油圧室31に対して油圧が供給されることにより、テーパ軸部材17が、延設部29を介して所定の押圧力を受ける。これにより、テーパ軸部材17が、テーパ穴部20から突出する方向(下方向)に付勢される。
なお、テーパ軸部材17に対して所定の押圧力が作用するための構成は、本実施形態のように油圧が用いられる場合に限定されない。テーパ軸部材17に対して所定の押圧力が作用するための他の構成例としては、油圧の代わりに例えば空気圧などの他の流体圧が用いられる構成や、バネ等の弾性部材が押圧部材として穴部30に内装され、その弾性部材の弾性力がテーパ軸部材17に作用する押圧力として用いられる構成等が挙げられる。また、テーパ軸部材17に作用する所定の押圧力については後述する。
以上のように、シリンダブロック1のヘッドボルト穴7に挿入されるボルト部11は、治具本体10の対向面13から突出するボルト部材16(のテーパ穴部20)に対してテーパ軸部材17が挿入されることにより構成される。そして、テーパ軸部材17が、ボルト部材16(のテーパ穴部20)に対して押し込まれることにより、ボルト部材16が拡径し、このボルト部材16が拡径することが、ボルト部11が拡径することとなる。
すなわち、テーパ軸部材17がテーパ穴部20に押し込まれることにより、テーパ穴部20およびこのテーパ穴部20に対してテーパ嵌合するテーパ面部22を介して、ボルト部材16に対して楔作用が与えられる。ボルト部材16が受ける楔作用は、テーパ軸部材17の、テーパ穴部20に対する挿入方向へのボルト部材16との間の相対的な移動により、テーパ穴部20を形成する内側面21を介してボルト片部18が外側に移動する作用となる。つまり、ボルト部材16が受ける楔作用は、ボルト片部18が、ボルト部材16の径方向外側に変形し、放射状に拡がるように変位する作用となる。このようなボルト片部18の拡がり作用が、ボルト部材16を拡径させ、つまりは、ボルト部11を拡径させる。
このように、ボルト部11が、その先端側から押圧作用を受けることにより、テーパ軸部材17がボルト部材16のテーパ穴部20に対して押し込まれ、ボルト部11が拡径する。ヘッドボルト穴7に挿入されるボルト部11が、その先端側から受ける押圧作用は、ボルト部11がヘッドボルト穴7に対して押し込まれることにより、ボルト部11の先端部(テーパ軸部材17の先端部)が、ヘッドボルト穴7の底部(以下「ボルト穴底部」という。)7aから受ける押圧作用となる。
押圧部12は、ヘッド取付面2における所定の面部に接触可能な押圧面23を有し、この押圧面23がボルト部11の治具本体10からの突出方向と同じ方向に所定の押圧力で付勢可能となるように構成される。押圧部12は、具体的には次のように構成される。
押圧部12は、治具本体10に対して、治具本体10のシリンダブロック1に対する近接離間方向(上下方向)に移動可能に設けられるピストン部材24を備える。
ピストン部材24は、治具本体10の対向面13に対して突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられ、ヘッド取付面2における所定の面部に接触する押圧面23を有する。
ピストン部材24が有する押圧面23は、本実施形態では、ヘッド取付面2におけるシリンダボア3の周縁部(以下「ボア周縁部」という。)を押圧するように形成される。つまり、押圧面23は、一つのシリンダボア3に対して、そのボア周縁部に接触するように略円環形状に形成される。これにともない、ピストン部材24は、略円筒状の部材として構成される。つまり、略円筒状のピストン部材24の一端面側に、押圧面23が形成される。
ここで、押圧面23および押圧面23を形成するピストン部材24の形状は、シリンダブロック1が有するシリンダボア3の数(エンジンの気筒数)等の構成等により適宜設定される。具体的には、例えば、シリンダブロック1が直列四気筒エンジンを構成する場合、前記のとおりシリンダボア3は一列に四個並んだ状態となる。このような四個のシリンダボア3に対しては、隣り合うシリンダボア3に対応して設けられる押圧面23同士は、その円環形状の隣り合う部分が、互いに連続した(接続された)形状となるように形成されてもよい。つまりこの場合、押圧面23の形状は、四つの円環形状の部分が、隣り合う部分において接続されることにより、一列に連続した形状となるように一体に形成される。ピストン部材24も同様に、四つの円筒状の部分が、隣り合う部分において接続されることにより、一列に連続した形状となるように一体に形成されてもよい。ただし、シリンダブロック1が有するシリンダボア3が複数(エンジンが多気筒)であっても、各シリンダボア3に対応する押圧面23およびピストン部材24が、独立して(別々に)設けられる構成であってもよい。
また、押圧面23の形状も、ヘッド取付面2における所定の面部に接触する形状であれば、本実施形態のようにボア周縁部に接触するような形状に限定されるものではない。つまり、押圧面23が接触することとなるヘッド取付面2における「所定の面部」とは、ヘッド取付面2において、シリンダボア3に対して変形が付与されるために押圧される部分となる。言い換えると、ヘッド取付面2における「所定の面部」は、シリンダボア3に対して付与される変形に対応する部分となる。さらに言うと、ヘッド取付面2における所定の面部の形状や大きさが調節されることにより、シリンダボア3に対して付与される変形が調節される。したがって、押圧面23の形状は、前記のとおりシリンダブロック1の構成等により適宜設定される。押圧面23の形状は、例えば、ボア周縁部を部分的に接触するような形状であったり、ヘッド取付面2におけるボア周縁部以外の部分に接触するような形状であったりしてもよい。
ピストン部材24は、治具本体10において対向面13に開口するように形成されるシリンダ凹部25に対して、少なくとも一部が出没可能に設けられる。つまり、ピストン部材24は、その一端側からシリンダ凹部25に対して挿入された状態で設けられ、その挿入方向およびその反対方向に移動可能に保持される。これにより、ピストン部材24は、治具本体10に対して、治具本体10のシリンダブロック1に対する近接離間方向(上下方向)に移動可能に設けられる。なお、ピストン部材24は、治具本体10に対して、ボルト部11がヘッドボルト穴7に挿入された状態で、押圧面23がボア周縁部に接触するように位置決めされて設けられる。
ピストン部材24を保持するシリンダ凹部25は、ピストン部材24の形状に対応した形状を有する。したがって、本実施形態では、シリンダ凹部25は、略円筒状のピストン部材24に対応して、略円筒状の凹部(穴部)として形成される。また、前述したように、シリンダブロック1が直列四気筒エンジンを構成する場合等において、複数のピストン部材24が一列に連続した形状となるように一体に形成される場合、このピストン部材24の形状に対応して(ピストン部材24が挿入可能となるように)、シリンダ凹部25が形成される。つまりこの場合、シリンダ凹部25は、複数の略円筒状の凹部(穴部)が一列に連続した形状となる。
また、ピストン部材24は、治具本体10においてシリンダ凹部25に対して保持された状態で、対向面13に対して突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられる。つまり、ピストン部材24は、シリンダ凹部25に挿入された状態で、対向面13から突出する方向(下方向)に所定の押圧力で付勢可能とされる。
ピストン部材24が付勢されるための押圧力は、油圧により生じる。すなわち、ピストン部材24は、シリンダ凹部25に対して出没方向(上下方向)に摺動可能に設けられる。シリンダ凹部25内には、ピストン部材24に対して油圧を作用させるための油圧室26が形成される。油圧室26には、治具本体10の内部に形成される油路27を介して油圧ポンプ等の油圧源(図示略)が接続される。このような構成において、前記油圧源から油路27を介して油圧室26に対して油圧が供給されることにより、ピストン部材24が、所定の押圧力を受ける。これにより、ピストン部材24が、対向面13から突出する方向(下方向)に付勢される。
ピストン部材24の押圧面23がボア周縁部に接触した状態で、ピストン部材24が所定の押圧力で付勢されることにより、ボア周縁部が押圧される。したがって、ピストン部材24に作用する「所定の押圧力」は、シリンダボア3に付与される変形に応じて設定される。
すなわち、ボア周縁部に対する押圧力が変化することにより、シリンダボア3に付与される変形の規模などが変化する。ボア周縁部が押圧される力は、ピストン部材24に作用する所定の押圧力に対応する。したがって、ピストン部材24に作用する所定の押圧力は、シリンダボア3に付与される変形に応じて適宜設定され、この所定の押圧力が調節されることにより、シリンダボア3に付与される変形が調節される。
なお、ピストン部材24に対して所定の押圧力が作用するための構成は、本実施形態のように油圧が用いられる場合に限定されない。ピストン部材24に対して所定の押圧力が作用するための他の構成例としては、油圧の代わりに例えば空気圧などの他の流体圧が用いられる構成や、バネ等の弾性部材が押圧部材としてシリンダ凹部25に内装され、その弾性部材の弾性力がピストン部材24に作用する押圧力として用いられる構成等が挙げられる。
以上のように、ヘッド取付面2における所定の面部を押圧する押圧部12は、治具本体10に形成されるシリンダ凹部25に対して、押圧面23を有するピストン部材24が所定の押圧力で付勢可能な状態で移動可能に保持されることにより構成される。これにより、押圧部12においては、押圧面23がボルト部11の治具本体10からの突出方向と同じ方向(下方向)に所定の押圧力で付勢可能となる。
また、本実施形態に係る加工用治具を構成する治具本体10は、ヘッド取付面2に対して相対的に近接離間するように設けられ、シリンダボア3に対する仕上げ加工用の工具40を案内するガイド体として機能する。
すなわち、前述したように、シリンダボア3に対する仕上げ加工には、ヘッド部41と軸部42とを有する工具40を備える構成が用いられる。工具40におけるヘッド部41の回転運動等に際しては、工具40を案内するためのガイド体が用いられる。つまり、ガイド体は、工具40のヘッド部41のシリンダボア3に対する位置決め等を行うための構成となる。そこで、シリンダボア3に対する仕上げ加工に際し、工具40を案内するためのガイド体として、治具本体10が用いられる。
治具本体10は、工具40のガイド体として用いられるための構成として、軸部42を含むヘッド部41の軸方向の運動等を許容するための貫通孔となるガイド孔28を有する。治具本体10は、ガイド孔28を介して運動する工具40(ヘッド部41)を案内する。そして、シリンダボア3に対する仕上げ加工に際しては、シリンダボア3に対して所定の状態で位置決めされたガイド体としての治具本体10に案内される工具40のヘッド部41の回転運動等により、シリンダボア3を形成する壁面が砥石43によって研削加工される。
ここで、治具本体10のガイド孔28を介する工具40の案内に際しては、工具40は、ボア周縁部に接触する押圧面23を形成する略円筒状のピストン部材24の内周側を挿通することとなる。つまり、工具40のヘッド部41は、治具本体10のガイド孔28およびピストン部材24の内周側を介して、シリンダボア3内に挿入される。言い換えると、ピストン部材24においては、治具本体10のガイド孔28とともに、軸部42を含むヘッド部41の軸方向の運動等を許容するための孔部が形成される。かかる孔部は、本実施形態では、略筒状に構成されるピストン部材24の内周面24aにより形成される。
このように、ピストン部材24は、治具本体10に形成されるガイド孔28によってガイドされる工具40に対して干渉しないように設けられる。つまりは、治具本体10において、ピストン部材24を保持するためのシリンダ凹部25と、工具40を案内するためのガイド孔28とは、互いに干渉しないように設けられる。
以上のような構成を有する本実施形態に係る加工用治具においては、治具本体10が移動可能に設けられることにより、治具本体10が有する対向面13とシリンダブロック1が有するヘッド取付面2とが近接離間する構成となっているが、これに限定されるものではない。すなわち、ガイド体としての治具本体10は、ヘッド取付面2に対して相対的に近接離間するように設けられる構成であればよい。したがって、例えば、シリンダブロック1が昇降台上に載置されること等により、シリンダブロック1側が治具本体10に対して近接離間するような構成であってもよい。
以上のように、本実施形態に係る加工用治具においては、治具本体10が、シリンダボア3に対する仕上げ加工用の工具40を案内するガイド体として用いられる。言い換えると、従来、シリンダボア3に対する仕上げ加工に際して用いられるガイド体が、本実施形態に係る加工用治具を構成する治具本体10として用いられる。
すなわち、本実施形態に係るシリンダブロックの加工方法は、ヘッド取付面2に対して相対的に近接離間するように設けられ、シリンダボア3に対する仕上げ加工用の工具40を案内するガイド体(治具本体10)に、前述したボルト部11と押圧部12とが設けられる。そして、これらボルト部11と押圧部12とにより、シリンダボア3に対する仕上げ加工に際し、シリンダボア3に対して所定の変形を付与するための変形外力が、シリンダブロック1に対して加えられる。かかる変形外力の付与に際しては、ボルト部11および押圧部12の各部において次のような作用が得られる。
ボルト部11においては、このボルト部11が、ヘッドボルト穴7に挿入された状態で、ガイド体である治具本体10が、ヘッド取付面2に対して近接する。これにより、ボルト部11の先端側が、ボルト穴底部7aに対して当接し、ボルト部11に対して押圧作用が与えられ、ボルト部11が拡径する。ボルト部11が拡径することにより、雄ネジ部15がヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対して係合した状態となる。
一方、押圧部12においては、この押圧部12により、押圧面23がヘッド取付面2における所定の面部(ボア周縁部)に接触した状態でボルト部11の治具本体10に対する突出方向(下方向)に所定の押圧力で付勢されことで、ボア周縁部が押圧された状態となる。
このように、ボルト部11において雄ネジ部15がヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に係合するとともに、ピストン部材24によってボア周縁部が押圧された状態で、シリンダボア3に対する仕上げ加工が行われる。以下では、本実施形態に係るシリンダブロックの加工方法において、加工用治具によるシリンダブロック1に対する変形外力の付与等について、図2を加えて具体的に説明する。図2は本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの加工用治具が用いられるシリンダボアに対する仕上げ加工の説明図である。
図2(a)に示すように、加工用治具によるシリンダブロック1に対する変形外力の付与に際しては、まず、ボルト部11が、シリンダブロック1におけるヘッドボルト穴7に挿入された状態となる。ここで、ボルト部11においては、テーパ軸部材17が、ボルト部材16に対して、ボルト部11の外径(ボルト部材16の外径)がヘッドボルト穴7に挿入可能な大きさとなるような位置で保持された状態となる。また、治具本体10は、シリンダ機構14により、少なくともボルト部11をヘッドボルト穴7に対して挿脱できる程度の移動範囲で、ヘッド取付面2に対して近接離間するように設けられる。
ボルト部11が、ヘッドボルト穴7に挿入された状態では、前述したように、ピストン部材24の押圧面23は、ヘッド取付面2における所定の面部、つまり本実施形態ではボア周縁部に対応した状態(対向した状態)となる。
次に、図2(b)に示すように、ボルト部11がヘッドボルト穴7に挿入された状態から、治具本体10がヘッド取付面2に対して近接する方向に移動する(下降する)。治具本体10がヘッド取付面2に対して近接することにより、ボルト部11の先端側が、ボルト穴底部7aに当接する。つまり、ボルト部11においてボルト部材16から突出した状態となるテーパ軸部材17の先端が、ボルト穴底部7aに当接した状態となる。
前記のとおりテーパ軸部材17の先端がボルト穴底部7aに当接した状態から、治具本体10がさらにヘッド取付面2に対して近接する方向に移動する。これにより、ボルト部11が、その先端側にボルト穴底部7aから押圧作用を受ける。つまり、テーパ軸部材17が、その先端側からボルト穴底部7aによって押圧される状態となり、テーパ穴部20に対して押し込まれる。なお、ここでの治具本体10の移動には、シリンダ機構14が用いられる。
テーパ軸部材17が、テーパ穴部20に対して押し込まれることにより、テーパ軸部材17のテーパ面部22が、テーパ穴部20にテーパ嵌合した状態(ボルト片部18の内側面21に接触した状態)となるとともに、ボルト部材16に対して楔作用が与えられる。つまり、ボルト部材16を構成する複数のボルト片部18が、ボルト部材16の径方向外側に変形することで放射状に拡がるように変位し、ボルト部材16が拡径する。
このように、ボルト部材16が拡径することにより、ボルト部11が有する雄ネジ部15(ボルト片部18の外側面に形成されるネジ部19)が、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に係合した状態となる。つまり、ボルト部材16が、ヘッドボルト穴7に対して用いられる通常のヘッドボルトと同様の外形形状(ヘッドボルトの外形に沿う形状)となり、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に係合した状態となる。
前記のとおり、ボルト部11が雄ネジ部15を介してヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に係合した状態(以下「係合状態」という。)となる一方で、押圧部12においては、押圧面23により、ボア周縁部が所定の力で押圧される。すなわち、図2(c)に示すように、前記油圧源から油路27を介して油圧室26に対して油圧が供給されることにより、押圧面23をボア周縁部に接触させた状態のピストン部材24が、対向面13から突出する方向(下方向)に所定の押圧力で付勢される(図中、黒矢印参照)。これにより、シリンダブロック1におけるボア周縁部が、所定の力で押圧された状態となる。
このように、ボルト部11が係合状態となるとともに、押圧部12においてピストン部材24によりボア周縁部が所定の力で押圧された状態が、シリンダブロック1に対して、シリンダボア3に対して所定の変形を付与するための変形外力(負荷)が加えられた状態(以下「変形外力付与状態」という。)となる。シリンダブロック1の変形外力付与状態は、つまりは、シリンダブロック1において、従来におけるダミーヘッドが組み付けられた状態と同様の状態となる。
すなわち、従来において、ダミーヘッドは、シリンダブロック1に対してヘッドボルト穴7にねじ込まれるヘッドボルトが用いられて組み付けられる。ダミーヘッドがシリンダブロック1に組み付けられた状態では、ヘッドボルトの締付けによってヘッド取付面2における所定の面部が押圧されるとともに、ヘッドボルト穴7においては、ヘッドボルト穴7にねじ込まれた状態のヘッドボルトによる締結軸力(引張り力)が作用した状態となる。
そこで、本実施形態に係る加工用治具によるシリンダブロック1の変形外力付与状態においては、ピストン部材24が所定の押圧力で付勢されることで、押圧面23によりボア周縁部が押圧される。これは、ダミーヘッドが用いられる場合における、ヘッドボルトの締付けによってヘッド取付面2における所定の面部が押圧されることに対応する。
また、同じくシリンダブロック1の変形外力付与状態において、係合状態となるボルト部11は、ボア周縁部がピストン部材24の押圧面23によって押圧されることの反作用により、治具本体10を介して、ヘッドボルト穴7から抜ける方向(上方向)に引っ張られる。つまりここでは、治具本体10の移動はシリンダ機構14には制限されず、ピストン部材24がボア周縁部を押圧することの反作用により、治具本体10がヘッド取付面2から離間する方向(上方向)の力が、治具本体10に対して作用する。この治具本体10が受ける作用により、係合状態のボルト部11が引っ張られる。これは、ダミーヘッドが用いられる場合における、ヘッドボルト穴7に対してヘッドボルトによる締結軸力(引張り力)が作用することに対応する。
そして、前記のように従来におけるダミーヘッドが組み付けられた状態に対応するシリンダブロック1の変形外力付与状態において、シリンダボア3に対する仕上げ加工が行われる。
すなわち、図2(c)に示すように、シリンダボア3の仕上げ加工用の工具40が、ガイド体としての治具本体10により案内され、工具40のヘッド部41が、シリンダボア3に作用する。つまり、工具40のヘッド部41が、治具本体10のガイド孔28およびピストン部材24の内周側を介してシリンダボア3内に挿入され、シリンダボア3を形成する壁面が砥石43によって研削加工される。
シリンダボア3に対する仕上げ加工が行われた後は、シリンダブロック1の変形外力付与状態が解除される。
シリンダブロック1の変形外力付与状態の解除に際しては、ボア周縁部を押圧するピストン部材24を所定の押圧力で付勢する油圧が解放される。これにより、係合状態のボルト部11が治具本体10を介して引っ張られる力が除去される。また、ボルト部11の係合状態の解除は、テーパ軸部材17が、テーパ穴部20から突出する方向に所定の押圧力で付勢されることにより行われる。具体的には次のとおりである。
すなわち、シリンダブロック1の変形外力付与状態においては、前述したように、係合状態のボルト部11は、押圧部12によりボア周縁部が押圧されることの反作用により、治具本体10を介して、ヘッドボルト穴7から抜ける方向(上方向)に引っ張られる。これにより、テーパ軸部材17が、ボルト穴底部7aに対して若干浮いた状態となる。つまり、図2(c)に示すように、テーパ軸部材17の先端と、ボルト穴底部7aとの間に若干の隙間33が形成される(符号S1参照)。
このように、テーパ軸部材17とボルト穴底部7aとの間に隙間33が生じている状態で、テーパ軸部材17が、テーパ軸部材17が、テーパ穴部20から突出する方向に所定の押圧力で付勢される。つまり、前記油圧源から油路32を介して油圧室31に対して油圧が供給されることにより、テーパ軸部材17が、テーパ穴部20から突出する方向(下方向)に所定の押圧力で付勢される。これにより、テーパ軸部材17が、その先端側においてボルト穴底部7aとの間に形成される隙間33に対して変位する。このテーパ軸部材17の変位により、テーパ軸部材17のテーパ面部22を介するテーパ穴部20に対するテーパ嵌合が外れる。テーパ軸部材17のテーパ穴部20に対するテーパ嵌合が外れることにより、テーパ軸部材17によりテーパ穴部20を介して楔作用を受けることで拡径している状態のボルト部11(ボルト部材16)が縮径する。これにより、ボルト部11の雄ネジ部15(ボルト片部18のネジ部19)のヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対する係合が解除される。つまりは、ボルト部11の係合状態が解除される。
したがって、テーパ軸部材17に作用する「所定の押圧力」は、テーパ面部22を介してテーパ穴部20に対してテーパ嵌合した状態のテーパ軸部材17について、そのテーパ嵌合が外れる程度の押圧力となる。つまり、ボルト部11の係合状態の解除に際しては、テーパ軸部材17は、そのテーパ穴部20に対するテーパ嵌合が外れる程度の押圧力により付勢される。
シリンダブロック1の変形外力付与状態が解除された後は、治具本体10の移動等により、ボルト部11がヘッドボルト穴7から引き抜かれる。
以上のようにして、加工用治具によるシリンダブロック1に対する変形外力の付与、シリンダボア3に対する仕上げ加工、およびシリンダブロック1の変形外力付与状態の解除が行われる。
以上のようなシリンダブロック1の加工用治具および加工方法を用いることにより、シリンダブロック1が有するシリンダボア3に対する仕上げ加工において、シリンダボア3に対して予め所定の変形を付与するに際し、既存の設備を利用することができ、製造コストの増加を招くスペースや設備や工程等の増加をともなうことなく、生産効率を高めることができる。
すなわち、従来のように、シリンダボアに対して予め所定の変形が付与されるに際してダミーヘッドが用いられる場合は、既存の設備に対して、相当数のダミーヘッドの準備およびそのスペースの追加や、ダミーヘッドの組付け・取外しのための設備(回転機構等)および工程の追加等が必要となり、製造コストが増加する。これに対し、本発明に係る加工用治具においては、シリンダボア3に対する仕上げ加工において工具40をガイドするための既存設備(ホーニング設備)であるガイド体を、加工用治具を構成する治具本体10として用いることができるので、既存の設備を利用することができる。したがって、従来のようにダミーヘッドが用いられる場合と比べて、スペースや設備や工程等の追加を必要とせず、生産効率を高めることができる。つまりは、既存設備に対する改良規模が小さいままに、ダミーヘッドが用いられる場合と同様の、高精度なボア変形を再現することが可能となり、シリンダボア3についての真円化効果を得ることができる。
なお、高精度なボア変形の再現については、押圧面23が接触することとなるヘッド取付面2における所定の面部、およびその所定の面部に対する押圧力となる、ピストン部材24(押圧面23)が付勢される所定の押圧力が調節されることにより達成される。つまり、前記所定の面部および所定の押圧力が調節されることにより、シリンダヘッド等の組付け時を含むエンジンの実働時におけるボア変形が高精度に再現される。
また、本実施形態に係る加工用治具においては、テーパ軸部材17が、延設部29を介してテーパ穴部20から突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられることにより、テーパ軸部材17のボルト部材16に対する保持が容易となるとともに、ボルト部11の係合状態の解除を、テーパ軸部材17に対して押圧力を作用させるための構成の制御(例えば油圧制御)等によって自動で行うことが可能となる。
次に、ボルト部11における、雄ネジ部15(ボルト片部18のネジ部19)のヘッドボルト穴7の雌ネジ部8に対する係合範囲について、図3を加えて説明する。図3は本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの加工用治具およびシリンダブロックの構成を示す部分拡大断面図である。
一般に、ボルト穴(雌ネジ)に対するボルト(雄ネジ)の締結においては、ボルトの根元の部分程、ボルト穴がボルトから受ける圧力(締結力)が大きくなる。したがって、例えば図1に示す本実施形態に係るシリンダブロック1のように、雌ネジ部8に係合するヘッドボルトが締結されるヘッドボルト穴7を有する構成においては、雌ネジ部8の範囲が、ヘッドボルトの根元側(ヘッドボルト穴7の開口側、図1における上側)に広くなる程、ヘッドボルトによる締結力が分散する。ヘッドボルトによる締結力が分散すると、ヘッドボルト穴7にヘッドボルトが締結されることによるボア変形につながるシリンダブロック1の歪(変形)は小さくなる。
このような現象は、本実施形態に係るシリンダブロック1のように、シリンダボア3の周囲に形成されるウォータジャケット6の外側においてヘッドボルト穴7が形成される構成において見られる現象である。つまり、ヘッドボルト穴7における雌ネジ部8の範囲が、ウォータジャケット6の底の部分(下端部分)から遠ざかる側に広くなる程、ヘッドボルト締結によるボア変形は小さくなる。
こうした現象は、知見として得られており、シリンダブロック1に対するシリンダヘッドの組付け時に生じるボア変形を小さくするために利用される場合がある。つまりこの場合、例えば、シリンダブロックの設計に際し、ヘッドボルトのヘッドボルト穴に対する係合位置が、ウォータジャケットの底の部分からできるだけ遠くになるように設計されることにより、シリンダブロックに対するシリンダヘッドの組付け時やエンジンの実働時におけるボア変形が小さくなる工夫が施される。
一方で、前述のような現象は、逆にとらえると、ヘッドボルト穴7においてボルト穴底部7a側がウォータジャケット6の底の部分に近い構成のシリンダブロック1においては、ヘッドボルトのヘッドボルト穴7に対する係合部分が、ウォータジャケット6の底の部分に近付く程、ヘッドボルト締結によるボア変形は大きくなることとなる。
そこで、本実施形態に係る加工用治具においては、ボルト部11の雄ネジ部15(ボルト片部18のネジ部19)は、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8の、ボルト穴底部7a側の部分に対して重点的に係合することが好ましい。
すなわち、前述のように、ヘッドボルト穴7における雌ネジ部8の範囲がヘッドボルトの根元側に広くなる程、シリンダヘッド組付け時のボア変形が小さくなるという現象を逆手に取り、雌ネジ部8におけるボルト穴底部7a側の部分のみに対してボルト部11を係合させる。
ここで、ボルト部11の雄ネジ部15が重点的に係合する部分となる、「雌ネジ部8におけるボルト穴底部7a側の部分」とは、例えば、ヘッドボルト穴7において雌ネジ部8が形成される範囲の下側(ボルト穴底部7a側)半分〜1/3程度の部分とされる。つまりは、図3において符号R1で示す雄ネジ部15の雌ネジ部8に対する係合範囲が、例えば、ヘッドボルト穴7において雌ネジ部8が形成される範囲の下側(ボルト穴底部7a側)半分〜1/3程度の範囲とされる。
ボルト部11の雄ネジ部15が、雌ネジ部8におけるボルト穴底部7a側の部分(以下「底側部分」という。)に重点的に係合するための構成としては、次のような構成が用いられる。
すなわち、雄ネジ部15が雌ネジ部8に係合するための楔作用を生じさせる、ボルト部材16のテーパ穴部20およびこれにテーパ嵌合するテーパ軸部材17におけるテーパ面部22のテーパ形状(テーパのプロファイル)が、雌ネジ部8の底側部分に対して雄ネジ部15が重点的に係合するように設定される。
具体的には、テーパ穴部20およびテーパ面部22のテーパ形状について、そのテーパ度合い(縮径度合い)が比較的大きくなるように設定される。
これにより、テーパ穴部20に対してテーパ面部22を介してテーパ嵌合した状態のテーパ軸部材17が、ボルト部材16に対してテーパ穴部20に挿入される方向に相対的に移動する(差し込まれる)ことによるボルト部11の(ボルト部材16の)拡径度合いが大きくなり、雌ネジ部8の底側部分における雄ネジ部15から受ける圧力(締結力)が大きくなる。結果として、雄ネジ部15が雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合することとなる。
また、共通のボルト部材16に対しては、次のようなテーパ軸部材17が用いられることにより、雄ネジ部15が雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合することとなる。すなわち、例えば図3に示すように、テーパ穴部20に対して、直径(テーパ径)が比較的大きく設定されたテーパ面部22が、テーパ軸部材17における先端側(下側)の部分に形成されるとともに、テーパ面部22よりも基部側(上側)の部分が、テーパ穴部20に対してテーパ嵌合しない(ボルト片部18の内側面21に接触しない)程度に小径の部分(小径部34)として形成されるテーパ軸部材17である。
このようなテーパ軸部材17が用いられることによっても、前記と同様に、テーパ嵌合した状態のテーパ軸部材17が、ボルト部材16に対して差し込まれることによるボルト部11の(ボルト部材16の)拡径度合いが大きくなり、雄ネジ部15が雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合することとなる。
また、雄ネジ部15が雌ネジ部8の底側部分に重点的に係合するための他の構成例としては、雄ネジ部15(ボルト片部18のネジ部19)自体が、ボルト部11における先端側の部分のみに形成される構成が挙げられる。かかる構成においては、ボルト部11の先端側の部分が係合することとなる雌ネジ部8の底側部分のみに、雄ネジ部15が係合する。そして、ボルト部11の外周面(ボルト片部18の外側面)において雄ネジ部15(ネジ部19)が形成されていない面部分については、ボルト部11が拡径することによって雌ネジ部8に圧接した状態となる。
このように、雌ネジ部8の底側部分のみに雄ネジ部15が係合することも、雄ネジ部15が雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合することに含まれる。
以上のように、ボルト部11の雄ネジ部15を、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合させることにより、次のような作用が得られる。
すなわち、係合状態のボルト部11が治具本体10を介して引っ張られた状態において、雌ネジ部8の開口側(上側)の部分に対しては、テーパ軸部材17の基部側の部分の縮径等によるテーパ孔部20に対する逃げ(縮径等による)により一定以上の面圧は加わらなくなる。同じくボルト部11が引っ張られた状態において、雌ネジ部8の底側部分に対しては、係合状態のボルト部11が引っ張られることにより作用する力の分担が増加する。つまり、係合状態のボルト部11が引っ張られることにより生じる、ヘッドボルトの締結軸力(引張り力)に対応する力が、雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に作用することとなる。
これにより、前述したような知見に基づき、ボルト部11による小さな引張り力で、シリンダブロック1に対して大きな歪(変形)を付与することができる。つまり、効率的にボア変形を生じさせることができる。結果として、シリンダブロック1の加工用治具における設備動力の低減を図ることができ、これにともない、設備の小型化や低コスト化を測ることができる。
言い換えると、設備の増加等をともなうことなく、シリンダヘッドの組付け時におけるボア変形に対して変形の規模が大きいエンジンの実働時におけるボア変形を容易に再現することが可能となる。
具体的に本実施形態に係る加工用治具においては、例えば、係合状態のボルト部11に対して治具本体10を介して引張り力(推力)を生じさせるための構成、つまりピストン部材24に対して所定の押圧力を付与するための構成(油圧構成)について、設備動力の低減を図ることが可能となる。
また、前記のとおりボルト穴(雌ネジ)に対するボルト(雄ネジ)の締結においては、ボルトの根元の部分程、ボルト穴がボルトから受ける圧力(締結力)が大きくなる。このことから、シリンダブロック1に対して実際のシリンダヘッドが組み付けられる際に用いられるヘッドボルトは、ヘッドボルト穴7に対して、その根元部分(ヘッドボルト穴7の開口側の部分)で重点的に締結軸力を作用させることとなる。
そこで、前記のとおりボルト部11の雄ネジ部15を、ヘッドボルト穴7の雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合させることにより、シリンダボア3の仕上げ加工に際してボア変形を生じさせるための変形外力を付与するにあたり、雌ネジ部8において実際のシリンダヘッドの締結に用いられる部分がダメージを受けることを防止することができる。つまり、雄ネジ部15を雌ネジ部8の底側部分に対して重点的に係合させることにより、ヘッドボルト穴7に必要とされる機能が損なわれることを避けつつ、所定のボア変形を生じさせることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの加工用治具およびシリンダブロックの構成を示す断面図。 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの加工用治具が用いられるシリンダボアに対する仕上げ加工の説明図。 本発明の一実施形態に係るシリンダブロックの加工用治具およびシリンダブロックの構成を示す部分拡大断面図。
符号の説明
1 シリンダブロック
2 ヘッド取付面(シリンダヘッド取付面)
3 シリンダボア
7 ヘッドボルト穴(ボルト穴)
7a ボルト穴底部(底部)
8 雌ネジ部
10 治具本体(ガイド体)
11 ボルト部
12 押圧部
13 対向面
15 雄ネジ部
16 ボルト部材
17 テーパ軸部材
18 ボルト片部
19 ネジ部
20 テーパ穴部
21 内側面
22 テーパ面部
23 押圧面
24 ピストン部材
29 延設部
30 穴部
40 工具

Claims (5)

  1. シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工を行う際に用いられるシリンダブロックの加工用治具であって、
    シリンダブロックのシリンダヘッド取付面と向き合う対向面を有し、該対向面を前記シリンダヘッド取付面に向き合わせた状態で、前記対向面と前記シリンダヘッド取付面とが相対的に近接離間するように設けられる治具本体と、
    前記シリンダヘッド取付面に開口するシリンダヘッド取付用のボルト穴に対して挿入可能な棒状の外形を有する部分として前記対向面に突設され、外側面に前記ボルト穴の雌ネジ部に対して係合可能なネジ部が形成された複数のボルト片部を有し、これらボルト片部の内側面によって、前記対向面側にテーパするとともに該対向面側と反対側に開口するテーパ穴部を形成し、該テーパ穴部を介して受ける楔作用により前記複数のボルト片部が変位することで拡径するボルト部材と、
    前記テーパ穴部から突出した状態で該テーパ穴部に挿入され、該挿入方向の前記ボルト部材との間の相対的な移動により前記楔作用を与えるテーパ面部を有するテーパ軸部材と、
    前記対向面に対して突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられ、前記シリンダヘッド取付面における所定の面部に接触する押圧面を有するピストン部材と、
    を備えることを特徴とするシリンダブロックの加工用治具。
  2. 前記テーパ軸部材は、
    前記テーパ穴部に対する挿入方向の先端側に延設部を有し、
    該延設部が、前記治具本体に形成される穴部に対して挿入された状態で、前記テーパ穴部から突出する方向に所定の押圧力で付勢可能に設けられることを特徴とする請求項1に記載のシリンダブロックの加工用治具。
  3. 前記ネジ部は、前記雌ネジ部の、前記ボルト穴の底部側の部分に対して重点的に係合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリンダブロックの加工用治具。
  4. シリンダブロックが有するシリンダボアに対する仕上げ加工を行う際に用いるシリンダブロックの加工方法であって、
    シリンダブロックのシリンダヘッド取付面に対して相対的に近接離間するように設けられ、前記仕上げ加工用の工具を案内するガイド体に、
    前記シリンダヘッド取付面に開口するシリンダヘッド取付用のボルト穴に対して挿入可能に構成されるとともに、前記ボルト穴の雌ネジ部に対して係合可能な雄ネジ部を有し、先端側からの押圧作用により拡径可能に構成されるボルト部と、
    前記シリンダヘッド取付面における所定の面部に接触可能な押圧面を有し、該押圧面が前記ボルト部の前記ガイド体からの突出方向と同じ方向に所定の押圧力で付勢可能となるように構成される押圧部と、
    を設け、
    前記ボルト部を、前記ボルト穴に挿入した状態で、前記ガイド体を、前記シリンダヘッド取付面に対して近接させることにより、前記ボルト部の先端側を、前記ボルト穴の底部に対して当接させることで、前記ボルト部に対して前記押圧作用を与え、前記ボルト部を拡径させることにより、前記雄ネジ部を前記雌ネジ部に対して係合させた状態とするとともに、
    前記押圧部により、前記押圧面を前記所定の面部に接触させた状態で前記方向に所定の押圧力で付勢することで、前記所定の面部を押圧した状態で、
    前記仕上げ加工を行うことを特徴とするシリンダブロックの加工方法。
  5. 前記雄ネジ部を、前記雌ネジ部の、前記ボルト穴の底部側の部分に対して重点的に係合させることを特徴とする請求項4に記載のシリンダブロックの加工方法。
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