JP2002307291A - シリンダブロックのボア加工用ダミーヘッド、ダミーヘッド取付装置、およびダミーヘッド取付方法 - Google Patents

シリンダブロックのボア加工用ダミーヘッド、ダミーヘッド取付装置、およびダミーヘッド取付方法

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JP2002307291A
JP2002307291A JP2001119637A JP2001119637A JP2002307291A JP 2002307291 A JP2002307291 A JP 2002307291A JP 2001119637 A JP2001119637 A JP 2001119637A JP 2001119637 A JP2001119637 A JP 2001119637A JP 2002307291 A JP2002307291 A JP 2002307291A
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bolt
gap
head
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Masahiko Katsu
雅彦 勝
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボルト20が磨耗しても実際のシリンダヘッ
ドと同様の締め付けを行うことができるシリンダブロッ
クのボア加工用ダミーヘッド10を提供する。 【解決手段】 ダミーヘッド10は、貫通孔13を有す
るとともに第2部材12との接触面に凹部15が形成さ
れた第1部材11と、第1部材11に積層され、第1部
材11の貫通孔13と同じ位置に貫通孔14を有する第
2部材12とを有することを特徴とする。ダミーヘッド
10をシリンダブロック21に取り付ける際には、空隙
16に空気を供給しながら、当該空気の空気圧を測定
し、所定の空気圧になるまで、ボルト20による締め付
けを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダブロック
のボアの加工の際に取り付けられるシリンダブロックの
ボア加工用ダミーヘッド、ダミーヘッド取付装置、およ
びダミーヘッド取付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のシリンダブロックのボアを加工
する際には、加工に支障がないように、シリンダヘッド
が取り付けられていない状態で加工を行い、その際に、
実際のシリンダヘッドに相当するダミーのシリンダヘッ
ド(以下、単にダミーヘッドという)をシリンダブロッ
クに取り付けることによって、実際のシリンダヘッドが
ボルトにより取り付けられたときの応力状態を再現し加
工を行っている。これにより、シリンダヘッドを取り付
けた状態を基準としてボア加工時に、シリンダヘッドが
取り付けられないことによる変形を防止する。ダミーヘ
ッドは、加工終了後に取り外され、次のシリンダブロッ
クのボア加工に再利用される。
【0003】このダミーヘッドは、シリンダブロックの
ボアを加工するたびに繰り返し使用されるので、持ち運
びなどの扱いを良くするために軽量化、小型化が求めら
れている。しかし、単にダミーヘッドを軽量化、小型化
したのでは、シリンダヘッド取付時と同様の締め付けを
行うことができず、シリンダブロックを適切に加工でき
ない。
【0004】この問題を解決するものとして、特開20
00−52228号公報には、シリンダヘッドより薄
く、かつ、シリンダヘッドの取付時と同様の締め付けを
行うことができるダミーヘッドが開示されている。当該
公報に開示されているダミーヘッドは、ボルトによる締
め付けが行われるダミーヘッドの端部からシリンダブロ
ックに向かって小さくなるようにテーパが形成されてお
り、この結果、ダミーヘッドを組み付けた際のボルトに
よるダミーヘッド端部の局所的な曲げ変形を吸収するこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に開示されたダミーヘッドは、単にダミーヘッドの局
所的な曲げ変形を吸収するためのものであり、シリンダ
ブロックには一定の締め付けトルクで管理されたボルト
によって取り付けられている。
【0006】したがって、ダミーヘッドの複数回の使用
とともに当該ダミーヘッドをシリンダブロックに取り付
けるためのボルトも反復使用した場合、ボルトの締結時
の磨耗などにより摩擦係数が減少するとともにボルトの
締め付け量にばらつきが生じることになり、実際のシリ
ンダヘッドを組み付けた場合と比較してシリンダブロッ
クのボア径の変形が異なってしまう。
【0007】これでは、シリンダヘッドと同様の締め付
けをシリンダブロックに与えて変形したシリンダブロッ
クのボア径を加工するというダミーヘッド本来の目的を
達成することができない。
【0008】また、上記公報に開示されたダミーヘッド
は、ダミーヘッドのテーパがシリンダブロックとの接合
面に形成されているので、高精度な加工が要求されるシ
リンダブロックの上面をテーパによって傷つけてしまう
虞がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、ボルトが磨耗してもシリンダヘッドと同様の締
め付けを行うことができ、さらに、テーパなどを形成す
ることなく局部的な曲げ変形を防止することができるダ
ミーヘッドおよびダミーヘッド取付方法の提供を目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記の手段によって達成される。
【0011】(1)本発明に係るシリンダブロックのボ
ア加工用ダミーヘッドは、ダミーヘッドに形成された貫
通孔にボルトを貫通させてシリンダブロックに締結し、
当該シリンダブロックにダミーヘッドを取り付けた状態
でシリンダブロックのボア加工を行うことにより、前記
シリンダブロックにシリンダヘッドを取り付けた状態を
基準として前記ボア加工時のシリンダブロックの変形を
防止する装置において、前記ダミーヘッド内の貫通孔の
周囲には、当該ダミーヘッドが前記ボルトによりシリン
ダブロックに締結される際に間隙量が検出可能な空隙が
形成されていることを特徴とする。
【0012】(2)前記ボルトが貫通する貫通孔を有す
る第1部材と、前記第1部材に積層され、前記第1部材
の貫通孔と同じ位置に前記ボルトが貫通する貫通孔を有
する第2部材と、を有し、前記第1部材および前記第2
部材の対向する面の少なくとも一方には、前記貫通孔の
周囲に位置し、前記空隙を形成する凹部が形成され、前
記第1部材は、前記第2部材を介して前記ボルトにより
前記シリンダブロックに取り付けられる。
【0013】(3)前記第2部材は、第1部材より剛性
が高い。
【0014】(4)本発明に係る用シリンダブロックの
ボア加工用ダミーヘッド取付装置は、ダミーヘッドに形
成された貫通孔にボルトを貫通させてシリンダブロック
に締結し、当該シリンダブロックにダミーヘッドを取り
付けた状態でシリンダブロックのボア加工を行うことに
より、前記シリンダブロックにシリンダヘッドを取り付
けた状態を基準として前記ボア加工時のシリンダブロッ
クの変形を防止する装置において、前記ボルトをダミー
ヘッドの貫通孔に貫通させた状態で前記シリンダブロッ
クに締め付ける締付手段と、前記締付手段により前記ボ
ルトをシリンダブロックに締め付ける際に、前記ダミー
ヘッド内の貫通孔の周囲に設けられた空隙の間隙量を検
出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づ
いて前記締付手段の締め付け量を制御する制御手段を有
することを特徴とする。
【0015】(5)前記検出手段は、前記空隙の間隙量
として容積の変化を検出し、前記制御手段は、前記検出
手段によって検出された前記空隙の容積の変化に基づい
て、前記締付手段によるボルトの締め付け量を制御す
る。
【0016】(6)前記検出手段は、前記空隙に空気を
供給する空気供給手段と、前記空隙に供給される空気の
空気圧を検出する空気圧検出手段とを有する。
【0017】(7)本発明に係るダミーヘッド取付方法
は、ダミーヘッドに形成された貫通孔にボルトを貫通さ
せてシリンダブロックに締結し、当該シリンダブロック
にダミーヘッドを取り付けた状態でシリンダブロックの
ボア加工を行うことにより、前記シリンダブロックにシ
リンダヘッドを取り付けた状態を基準として前記ボア加
工時のシリンダブロックの変形を防止するダミーヘッド
取付方法において、前記ダミーヘッドの貫通孔にボルト
を貫通させて締め付ける工程と、ボルトを締め付ける際
に、前記ダミーヘッド内の前記貫通孔の周囲に設けられ
た空隙に空気を供給する工程と、前記空隙に供給される
空気の空気圧を検出する工程と、検出された空気圧に基
づいて、前記ボルトの締め付け量を制御する工程とを有
することを特徴とする。
【0018】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、ダミーヘッド
内の貫通孔の周囲に、ボルトによって前記シリンダブロ
ックに締結される際に間隙量が検出可能な空隙が形成さ
れているので、シリンダブロックにダミーヘッドを取り
付ける際、間隙量の変化に基づいて締め付け量を調整す
ることができるようになる。
【0019】請求項2に記載の発明は、第1部材および
第2部材の対向する面の少なくとも一方に貫通孔の周囲
に位置し、空隙を形成する凹部が形成されているので、
貫通孔を通るボルトによってダミーヘッドがシリンダブ
ロックに取り付けられる場合、ボルトの締め付けによる
応力を凹部を介してシリンダブロックに均等に伝達する
ことができる。また、凹部によって形成される空隙を管
理することによって、常に一定の締め付け量でシリンダ
ブロックに取り付けられることができる。
【0020】請求項3に記載の発明は、シリンダブロッ
ク側の第2部材の方が、第1部材より剛性が高いので、
貫通孔を通るボルトによってダミーヘッドがシリンダブ
ロックに取り付けられる場合、ボルトの締め付けによる
第1部材への局所的な応力の入力があっても、第2部材
で応力を分散し、局所的にシリンダブロックに伝達する
応力を低減することができる。
【0021】請求項4に記載の発明は、締付手段による
ボルトの締め付け量を、空隙の間隙量の変化として検出
することができる。また、検出された空隙の間隙量の変
化に基づいて、締付手段によるボルトの締め付けを制御
するので、ボルトの締結力が変化した場合でも、常に任
意の締め付け量を得ることができる。また、締め付け量
を制御することによって、シリンダブロックにシリンダ
ヘッドを取り付けた状態を基準として、ボア加工時のシ
リンダブロックの変形を適当に防止することができる。
【0022】請求項5に記載の発明は、空隙の間隙量と
して、当該空隙の容積の変化を検出し、検出された空隙
の容積の変化に基づいてボルトの締め付け量を制御する
ので、ボルトによる締め付け量の制御が容易になる。
【0023】請求項6に記載の発明は、空気供給手段が
空隙に空気を供給し、空隙の変化により変化する空気圧
を空気圧検出手段が検出するので、空隙の変化を安定し
て高精度に検出することができる。また、空気圧検出手
段は、電気的な構成を必要としないので、エンジン加工
ラインなどに常設してある空気圧測定装置(エアマイク
ロメータ)による検出で、安価に達成することができ
る。
【0024】請求項7に記載の発明は、空隙に空気を供
給して、空気圧を検出し、検出された空気圧に基づいて
ボルトによる締め付け量を制御するので、磨耗などによ
ってボルト自身の締結力が変化した場合でも、締め付け
量の制御により適当な締め付けを行うことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【0026】図1は、本発明に係るダミーヘッドの断面
図、図2は、ダミーヘッドが取り付けられた状態のシリ
ンダブロックをダミーヘッド側から見た図である。
【0027】図に示すように、ダミーヘッド10は、第
1部材11と、第2部材12とが積層されて構成されて
おり、第1部材11および第2部材12には、それぞれ
同一のボルト20が貫通するための貫通孔13と貫通孔
14とが形成されている。
【0028】ダミーヘッド10は、実際のシリンダヘッ
ドがボルト20により取り付けられたときの応力状態を
再現し、これにより、シリンダヘッドを取り付けた状態
を基準としてボア22加工時に、シリンダヘッドが取り
付けられないことによるシリンダブロック21の変形を
防止する装置の一部として使用される。ダミーヘッド1
0は、第1部材11側から貫通孔13にボルト20が挿
入され、当該ボルトが貫通孔14を経てシリンダブロッ
ク21に設けられたねじ穴23に螺合されることによっ
て、シリンダブロック21に取り付けられる。ボルト2
0には、シリンダブロック21と螺合する部位にのみね
じ山が形成されている。
【0029】第2部材12は、第1部材11よりも剛性
が高い物質で形成されている。これは、実際のシリンダ
ヘッドに比べてダミーヘッド10の厚さが薄いことによ
って、ボルト20の締め付けによるダミーヘッド10か
らシリンダブロック21への局所的な応力が伝達される
ことを防止するためである。剛性の高い第2部材12
は、第1部材11より変形しにくいので、第1部材11
から伝達される局所的な応力の伝達も分散し、シリンダ
ブロック21に伝達することができる。ここで、第1部
材11は、好ましくは、実際のシリンダヘッドと同じ物
質(たとえばアルミなど)で形成される。
【0030】また、第1部材11は、第2部材12と接
触する面に、貫通孔13を含んでその周囲に形成される
凹部15を有する。この凹部15および第2部材12に
よって空隙16が形成される。この空隙16は、ダミー
ヘッド10がシリンダブロック21に締結される際に間
隙量が検出可能である。
【0031】凹部15には、空隙16内に空気を供給す
るために空隙16に向けて開口された空気供給口17が
設けられている。さらに凹部15には、空気供給口17
から供給された空気をダミーヘッド10外部に逃がすた
めの空気供給口17より小さな空気排出通路18が形成
されている。
【0032】空気供給口17は、図2に示すように、空
気導入通路24を介して、ダミーヘッド10外部の空気
導入パイプ25に接続されており、空気供給装置(図3
参照)から空気が供給される。
【0033】次に、図1および図2で示したダミーヘッ
ド10をシリンダブロック21に取り付けるダミーヘッ
ド取付装置について説明する。
【0034】図3は、ダミーヘッド取付装置30の概略
構成を示すブロック図、図4は、図1に示すボルト20
周辺の拡大図、図5は、空隙の高さと空気圧との関係を
示す図である。
【0035】ダミーヘッド取付装置30は、ダミーヘッ
ド10の空隙16に空気を供給する空気供給装置31
と、空気供給装置31から供給される空気の空気圧を測
定するエアマイクロメータ32と、エアマイクロメータ
32の測定結果に基づいてモータ34を制御するモータ
制御装置33と、ナットランナー35を回転させるモー
タ34と、モータ34の回転に連動してボルト20を締
め付けるナットランナー35とで構成されている。
【0036】エアマイクロメータ32は、空気供給装置
31とダミーヘッド10の空隙16との間に設けられて
おり、空隙16に供給される空気の空気圧を測定する。
この空気圧は、図4に示す空隙16の深さ、すなわち、
第1部材11に形成された凹部15の底から第2部材1
2までのボルト20軸方向の距離40が短くなる程高く
なる。これは、距離40が短くなるにつれて、空気供給
口17から吹き出される空気が第2部材12に衝突する
までの距離が短くなり、空気供給口17から空気を排出
するときの抵抗が大きくなるにも関わらず、空気供給装
置31が同量の空気を供給しつづけるからである。
【0037】距離40と、空気供給口17から排出され
る空気の空気圧との関係は、図5に示すようになる。図
5に示すように、距離40が短くなる程空気圧の変化が
大きくなるので、エアマイクロメータ32は、距離40
が短くなる程、その変化について高精度に検出すること
ができる。なお、空隙16の距離40は、0.1mm〜
1.0mm程度であり、好ましくは、0.5mm程度で
ある。
【0038】また、図4に示すように、空隙16は、そ
の幅41がボルト20の頭の幅42より大きくなるよう
に形成されている。ボルト20の頭の幅42が15mm
のとき、たとえば、空隙16の幅41は18mm程度に
形成される。
【0039】このように、空隙の幅41をボルト20の
頭の幅42より大きくすることによって、ボルト20に
よるボルト20周辺の締め付け量を空隙16の間隙量の
変化、すなわち、空隙16の距離40の変化として表す
ことができ、また、実際にシリンダブロック21にシリ
ンダヘッドが取り付けられたときのシリンダヘッドがシ
リンダブロック21に与える応力を再現することができ
る。
【0040】実際のシリンダヘッドは、ダミーヘッド1
0に比べてかなり厚いので、ボルトの締め付けによりボ
ルト周辺にひずみが集中せずシリンダブロック21との
接触面にほぼ均等に応力を与えることができる。同様
に、ダミーヘッド10は、薄いのでボルト20周辺にひ
ずみが集中するが、このひずみが空隙16に吸収される
のでひずみに伴う応力がボルト20周辺から分散される
ので、結果として、実際のシリンダヘッドのようにシリ
ンダブロック21との接触面にほぼ均等な応力を与える
ことができる。
【0041】モータ制御装置33は、エアマイクロメー
タ32によって測定された空気圧が所定の値になるよう
にモータ34を制御する。ここで、所定の値とは、予め
新品のボルトによってダミーヘッド10を適当にシリン
ダブロック21に取り付けたときの空隙16の距離40
(空隙16の間隙量)によって決定される、空隙16に
供給される空気の空気圧の値である。
【0042】このように、モータ制御装置33は、新品
のボルトによってダミーヘッド10が適当にシリンダブ
ロック21に取り付けられたときの空気圧の値、言い換
えれば適当に取り付けられたときの空隙16の間隙量に
なるように、モータ34を制御するので、常に新品のボ
ルトによってダミーヘッド10をシリンダブロック21
に取り付けたときと同じ締め付け量をダミーヘッド10
に与えることができる。
【0043】したがって、ボルト20が繰り返し使用さ
れてねじ山が磨耗し、ボルト20を同じ回数だけ回転さ
せたときに比べて締結力が大きくなったときでも、空隙
16の状態が同一になるように、モータ34の回転数を
変化させることで新品のボルトと同等の締め付け量を得
て、ダミーヘッド10をシリンダブロック21に適当に
取り付けることができる。
【0044】次に、ダミーヘッド取付装置30の動作に
ついて説明する。
【0045】図6は、ダミーヘッド取付装置30による
ダミーヘッド10の取付動作を示すフローチャートであ
る。
【0046】最初に、ダミーヘッド取付装置30は、ダ
ミーヘッド10にセットされたシリンダブロック21の
空隙16に空気供給手段31によって空気を供給する
(ステップ601)。そして、ダミーヘッド取付装置3
0は、モータ34を制御してナットランナー35による
ボルト20の締め付けを開始する(ステップS60
2)。
【0047】ボルト20の締め付け開始と同時に、ダミ
ーヘッド取付装置30は、エアマイクロメータ32によ
って空隙16に供給される空気の空気圧を測定する(ス
テップS603)。ダミーヘッド取付装置30は、測定
された空気圧が所定の値かどうかをモータ制御装置33
によって判断する(ステップS604)。
【0048】ダミーヘッド取付装置30は、空気圧が所
定の値と一致しない場合(ステップS604:NO)、
空気圧が所定の値になるまで締め付けを行うためにS6
03からの動作を繰り返し、空気圧が所定の値と一致す
る場合(ステップS604:YES)、ダミーヘッドの
取付動作を終了する。
【0049】以上のように、本発明のボルト20によっ
てシリンダブロック21に取り付けられる場合、第1部
材に凹部15が形成されているので、ボルト20の締め
付けによるひずみが空隙16に吸収されてひずみに伴う
応力がボルト20周辺から分散されるので、シリンダブ
ロック21にほぼ均等な応力を伝達することができる。
また、ダミーヘッド10は、空隙16の変化(状態)を
管理することによって、常に一定の締め付け量でシリン
ダブロック21に取り付けられることができる。
【0050】さらに、第2部材12の方が第1部材11
より剛性が高いので、ボルトの締め付けによる第1部材
11への局所的な応力の入力があっても、第2部材12
で応力を分散し、局所的にシリンダブロック21に伝達
する応力を低減することができる。
【0051】また、本発明のダミーヘッド取付装置30
は、空気供給装置31が空隙16に空気を供給し、エア
マイクロメータ32が空隙16の変化により変化する空
気圧を検出するので、空隙16の変化を安定して高精度
に検出することができ、空隙16の変化に基づいてボル
ト20による締め付けを制御することができる。この制
御により、実際のシリンダヘッドをシリンダブロック2
1に取り付けたときと同様の締め付け量でボルトの締め
付けを行うことができる。結果として、シリンダブロッ
ク21に実際のシリンダヘッドを取り付けた状態を基準
として、ボア22加工時のシリンダブロック21の変形
を適当に防止することができる。
【0052】また、空隙量の検出には、エンジン加工ラ
インなどに常設してあるエアマイクロメータ32を使用
しているので、複雑な電気的構成を必要とせず、安価に
空隙の16の変化を検出することができる。
【0053】なお、上記実施の形態では、第1部材11
に凹部15を形成して、第2部材12とともに空隙16
を形成していたが、これに限られない。第2部材12
に、第1部材11と接触する面に凹部が形成され、第1
部材とともに空隙を形成してもよいし、第1部材11お
よび第2部材12にともに対向する凹部が形成され、そ
れらによって空隙が形成されてもよい。
【0054】また、エアマイクロメータ32で空気圧を
測定し、新品のボルトでダミーヘッド10をシリンダブ
ロック21に取り付けたときにエアマイクロメータ32
で測定された空気圧と一致するまでボルト40による締
め付けを行っていたが、これに限られない。エアマイク
ロメータ32の代わりにマイクロメータを使用して、第
1部材11に形成された凹部15の底から第2部材12
までのボルト20軸方向の距離40を測定し、測定した
距離40が、新品のボルトでダミーヘッド10をシリン
ダブロック21に取り付けたときの距離40と一致する
まで、ボルト20による締め付けを行ってもよい。
【0055】また、ボルト20による締め付け量の初期
設定として、新品のボルトでダミーヘッド10をシリン
ダブロック21に取り付けたときのエアマイクロメータ
32の測定値を用いていたが、これに代えて、歪ゲージ
などを貼り付けることによって締め付け量を測定可能と
したボルトでダミーヘッド10をシリンダブロック21
に取り付けたときのゲージの値を初期設定としてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るダミーヘッドの断面図である。
【図2】 ダミーヘッドが取り付けられた状態のシリン
ダブロックをダミーヘッド側から見た図である。
【図3】 ダミーヘッド取付装置の概略構成を示すブロ
ック図である。
【図4】 図1に示すボルト周辺の拡大図である。
【図5】 空隙の幅と空気圧との関係を示す図である。
【図6】 ダミーヘッド取付装置によるダミーヘッドの
取付動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…ダミーヘッド、 11…第1部材、 12…第2部材、 13、14…貫通孔、 15…凹部、 16…空隙、 17…空気供給口、 18…空気排出通路、 20…ボルト、 21…シリンダブロック、 22…ボア 30…ダミーヘッド取付装置、 31…空気供給装置、 32…エアマイクロメータ、 33…制御装置、 34…モータ、 35…ナットランナー。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダミーヘッドに形成された貫通孔にボル
    トを貫通させてシリンダブロックに締結し、当該シリン
    ダブロックにダミーヘッドを取り付けた状態でシリンダ
    ブロックのボア加工を行うことにより、前記シリンダブ
    ロックにシリンダヘッドを取り付けた状態を基準として
    前記ボア加工時のシリンダブロックの変形を防止する装
    置において、 前記ダミーヘッド内の貫通孔の周囲には、当該ダミーヘ
    ッドが前記ボルトによりシリンダブロックに締結される
    際に間隙量が検出可能な空隙が形成されていることを特
    徴とするシリンダブロックのボア加工用ダミーヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ボルトが貫通する貫通孔を有する第
    1部材と、 前記第1部材に積層され、前記第1部材の貫通孔と同じ
    位置に前記ボルトが貫通する貫通孔を有する第2部材
    と、 を有し、 前記第1部材および前記第2部材の対向する面の少なく
    とも一方には、前記貫通孔の周囲に位置し、前記空隙を
    形成する凹部が形成され、 前記第1部材は、前記第2部材を介して前記ボルトによ
    り前記シリンダブロックに取り付けられることを特徴と
    する請求項1に記載のダミーヘッド。
  3. 【請求項3】 前記第2部材は、第1部材より剛性が高
    いことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダ
    ミーヘッド。
  4. 【請求項4】 ダミーヘッドに形成された貫通孔にボル
    トを貫通させてシリンダブロックに締結し、当該シリン
    ダブロックにダミーヘッドを取り付けた状態でシリンダ
    ブロックのボア加工を行うことにより、前記シリンダブ
    ロックにシリンダヘッドを取り付けた状態を基準として
    前記ボア加工時のシリンダブロックの変形を防止する装
    置において、 前記ボルトをダミーヘッドの貫通孔に貫通させた状態で
    前記シリンダブロックに締め付ける締付手段と、 前記締付手段により前記ボルトをシリンダブロックに締
    め付ける際に、前記ダミーヘッド内の貫通孔の周囲に設
    けられた空隙の間隙量を検出する検出手段と、 前記検出手段による検出結果に基づいて前記締付手段の
    締め付け量を制御する制御手段を有することを特徴とす
    るシリンダブロックのボア加工用ダミーヘッド取付装
    置。
  5. 【請求項5】 前記検出手段は、前記空隙の間隙量とし
    て容積の変化を検出し、前記制御手段は、前記検出手段
    によって検出された前記空隙の容積の変化に基づいて、
    前記締付手段によるボルトの締め付け量を制御すること
    を特徴とする請求項4に記載のダミーヘッド取付装置。
  6. 【請求項6】 前記検出手段は、 前記空隙に空気を供給する空気供給手段と、 前記空隙に供給される空気の空気圧を検出する空気圧検
    出手段と、 を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記
    載のダミーヘッド取付装置。
  7. 【請求項7】 ダミーヘッドに形成された貫通孔にボル
    トを貫通させてシリンダブロックに締結し、当該シリン
    ダブロックにダミーヘッドを取り付けた状態でシリンダ
    ブロックのボア加工を行うことにより、前記シリンダブ
    ロックにシリンダヘッドを取り付けた状態を基準として
    前記ボア加工時のシリンダブロックの変形を防止するダ
    ミーヘッド取付方法において、 前記ダミーヘッドの貫通孔にボルトを貫通させて締め付
    ける工程と、 ボルトを締め付ける際に、前記ダミーヘッド内の前記貫
    通孔の周囲に設けられた空隙に空気を供給する工程と、 前記空隙に供給される空気の空気圧を検出する工程と、 検出された空気圧に基づいて、前記ボルトの締め付け量
    を制御する工程と、 を有することを特徴とするダミーヘッド取付方法。
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