JP2685134B2 - 軸受キャップの組付方法 - Google Patents

軸受キャップの組付方法

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JP2685134B2 JP63186863A JP18686388A JP2685134B2 JP 2685134 B2 JP2685134 B2 JP 2685134B2 JP 63186863 A JP63186863 A JP 63186863A JP 18686388 A JP18686388 A JP 18686388A JP 2685134 B2 JP2685134 B2 JP 2685134B2
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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、半割メタルとこれに回転自在に支持される
軸体との間のクリアランスに影響を与える軸受キャップ
の取付ボディへのボルト締結に際し、半割メタルのクラ
ッシュハイト分増締めするようにした軸受キャップの組
付方法に関するものである。
《従来の技術》 一般にナットランナ等でボルト締結を行う手法として
は、締結時のトルクを検出してこれで制御するトルク法
(特公昭60−14675号公報)や、締結角度で制御する角
度法(特公昭61−5857号公報)が主に知られている。
ここにこのような手法を採用して行われるボルト締結
作業の例として、エンジンの構成部品であるコンロッド
のビッグエンドにおいてクランクピンをコンロッド大径
部との間に挾み込んで支持する軸受キャップの組付け
や、第6図に示すようにクランク軸7をシリンダボディ
3との間に挾み込んで支持する軸受キャップ2の組付け
がある。この組付け作業について略述すると第7図
(A)〜(C)に示すように、先ず左右一対のボルト1
で軸受キャップ2を取付ボディたるシリンダボディ3に
締結した上で、ボルト1間に軸孔4のボーリング加工を
施す。次いで一旦シリンダボディ3から軸受キャップ2
を取り外し、これらシリンダボディ3並びに軸受キャッ
プ2に形成された軸孔4を成す各凹溝5に、一対の半割
メタル6を夫々装着する。これら半割メタル6は、互い
に組み合わされることで軸孔4の周面に沿って円環を構
成するようになっている。そして最後に、半割メタル6
が装着されたシリンダボディ3と軸受キャップ2との間
に挾み込んで軸体たるクランク軸7を配置し、再度軸受
キャップ2をシリンダボディ3にボルト締結することで
組付け作業が完了されるようになっている。
特に半割メタル6は、その両端縁がシリンダボディ3
及び軸受キャップ2への装着状態において、それらの接
合面8よりも若干突出する寸法で形成され、この突出部
分はクラッシュハイトChと称される。このクラッシュハ
イトChは、軸受キャップ2のシリンダボディ3へのボル
ト締結によりその締結力が潰されるように圧縮され、ク
ランク系の放熱を促進したり、クランク軸7の回転に伴
う半割メタル6の連れ回りを規制する他、殊に半割メタ
ル6の軸孔4周面への密着性を向上させると共に、半割
メタル6自体に張りを与えるように機能する。
以上は、軸受キャップ並びに半割メタルを備えてクラ
ンクピンを回転自在に支持するコンロッドのビッグエン
ド等においても同様である。
《発明が解決しようとする課題》 ところで上述のようなクランク軸7等の軸体を回転自
在に支持する構造では、第6図に示すようにクランク軸
7と半割メタル6との間に設計上適当なクリアランスC
が設定されるが、実際に製造されたものを測定してみる
と、第8図に示すようにクリアランスCの大きさにバラ
ツキが生じている。そして特にクリアランスCが大きす
ぎる場合には、軸振動に起因してエンジン高速域で騒音
を発生させる問題があった。また過剰に締付けてクリア
ランスCが小さすぎると、半割メタル6の焼付き等を生
ずることもある。そこで、このようなクリアランスCを
できる限り設計値域内に分布させ得るような方策の案出
が望まれている。
《課題を解決するための手段と作用》 本発明は、取付ボディと軸受キャップとをボルト締結
して両者間に軸孔を加工形成し、次いで取付ボディから
軸受キャップを取り外して軸孔に、クラッシュハイトを
有し且つ軸孔の周面に沿って円環を構成する一対の半割
メタルを装着し、その後、軸孔加工時のボルト締結値
に、これら半割メタルのクラッシュハイトの変形に要す
る増締値を付加したボルト締結値で軸受キャップを取付
ボディにボルト締結するようになっている。
具体的には、取付ボディと軸受キャップとをボルト締
結して両者間に軸孔を加工形成し、次いで取付ボディか
ら軸受キャップを取り外して軸孔に、クラッシュハイト
を有し且つ軸孔の周面に沿って円環を構成する一対の半
割メタルを装着し、その後、上記半割メタルのクラッ
シュハイトを潰す過程における締付トルクと締付角度と
の相関を表す1次関数を得るための第1の締付工程、
上記第1の締付工程に連続して、上記半割メタルおよび
上記軸受キャップ双方を締結する過程における締付トル
クと締付角度との相関を表す1次関数を得るための第2
の締付工程、予め行ったこれら第1および第2の締付
工程で得られた2つの1次関数から増締量を算定し、こ
の増締量を軸孔加工時の締付量に加算した全締付量で軸
受キャップを取付ボディに締め付ける第3の締付工程を
一連に連続して行うようにすることで、上記と同様な作
用を得ることができる。
《実施例》 以下に本発明の好適実施例を、シリンダボディ3との
間にクランク軸7を回転自在に支持する軸受キャップ2
の組付け作業を例示して説明する。
先ず半割メタル6とクランク軸7との間のクリアラン
スCが設計値域よりも大きくなる要因について述べる
と、主に次の2つの点が挙げられる。
軸孔4の加工時と半割メタル6を装着して再度ボル
ト締結するエンジンの組立時とを比較した場合、同じ締
付トルクで締め付けてもボルト1に発生するボルト軸力
は異なり、加工時よりも組立時の方が軸受キャップ2の
締結力が小さくなってクリアランスCも大きくなってし
まう。これは組立時には、半割メタル6の反発力の作用
によりボルトネジ面の摩擦が加工時よりも大きくなって
おり、このため大きなネジ込み力が必要となって同一締
付トルクでは軸受キャップ2をシリンダボディ3に締結
するボルト軸力が加工時に比べてより小さなものとなっ
てしまうからである。
しかしながらこの要因は、角度法を採用して締付ト
ルクに拘らず加工時と同一の締付角度で締め付けること
により、組立時にも略同一のボルト軸力をボルト1に発
生させることができて、解消することができる。
他方、上記締付角度で管理することによりボルト1
自体に発生するボルト軸力を加工時と組立時とで等しく
することができたとしても、軸受キャップ2とシリンダ
ボディ3との締結力(押さえ力)としては、ボルト軸力
の一部が半割メタル6のクラッシュハイトChを押し潰す
ように圧縮するのに費やされるため、その圧縮力分だけ
ロスがあり、結局加工時と同一のボルト軸力を発生させ
るようにしても、組立時の軸受キャップ2の締結力は加
工時よりも小さなものとなってしまう。
締付角度の管理は、有効な締付トルクの発生時点から
の角度管理であり、この締付角度に応じてボルト軸力が
発生するものの、このボルト軸力がどのように締結力
(押さえ力)に反映しているかを直接測定することはで
きない。本例の場合にあっても、半割メタル6を圧縮す
る過程があって明らかに圧縮力分のロスが生じているも
のの、このロスとなっているボルト軸力を定量的に知る
ことはできない。
定性的に説明すれば、第7図(A)〜(C)に示すよ
うに、加工時にボルト軸力Fbで軸受キャップ2をシリン
ダボディ3に締結した状態でボーリングを施すと、軸受
キャップ2の剛性(バネ定数)Kbに基づき、δだけ変
位した状態で真円の軸孔4が形成される(第7図(A)
参照)。次いで、半割メタル6を装着して再度軸受キャ
ップ2をボルト締結する際の締結初期にあっては、先ず
剛性(バネ定数)Kmの半割メタル6のクラッシュハイト
Chを押し潰すように圧縮する必要があり、ここで締付初
期のFmなるボルト軸力がクラッシュハイトChを変形させ
るために費やされる(第7図(B)参照)。そしてクラ
ッシュハイトChが変形された後にボルト軸力が軸受キャ
ップ2の締結に寄与することになるが、このときの締結
力は、加工時と略同じボルト軸力Fbが作用していても、
クラッシュハイト圧縮分の軸力Fmのロスのために加工時
よりも小さなものとなっており((Fb−Fm)<Fb)、そ
の結果加工時よりもより小さな変位δ(δ<δ
となってクリアランスCが大きなものとなってしまう。
したがって、締付角度の管理によって組立時のボルト軸
力を加工時と同一にすることができても、軸受キャップ
2とシリンダボディ3との現実の締結力(押さえ力)
は、加工時よりも組立時の方が小さくなってしまい、し
たがってクリアランスCが大きくなる。そしてこのロス
となっている軸力Fmについては、締付角度の管理では定
量的に知ることができない。
また更に、左右一対のボルト1を同一の締結力で締
め付けたとしても、クラッシュハイトChの変形に費され
るボルト軸力が左右で必ず等しくなるとは限らない。こ
のため、軸受キャップ2に作用するボルト軸力が不均一
化して軸受キャップ2が変形し、軸孔4の真円度が得ら
れなくなって設計上のクリアランスCを確保できなくな
ってしまうという点もあった。
ここに本発明は、上記要因を取除くと共に、上記
の点を解決してクリアランスCの適正化を確保すると共
に、真円度を向上させるものである。そしてこのため
に、従来にあっては未知量であったクラッシュハイトCh
を押し潰すように圧縮する際のボルト軸力のロス分を推
定値として得て、これを増締値として設定して組立を行
うようになっている。
角度法における締付値としての締付角度Θと締付トル
クT(軸受キャップ、半割メタルからの反トルク)との
関係を示す第1図のグラフに従って具体的に説明する。
まず、加工時の締結作業において図中一点鎖線で示す
ように、軸受キャップ2とシリンダボディ3とを締結す
るのに有効な締付トルクTが発生し始め(締付トルク
0)、その後締付角度Θの増加にしたがって締付トルク
Tが増大し、締結最終段階において締付角度Θaで締付
トルクTaが生じたとする。この締付角度Θaを、今後初
期設定締付角度という。
これに対し、組立作業において軸孔4に半割メタル6
を装着し再度軸受キャップ2を取付ボディたるシリンダ
ボディ3にボルト締結してゆく際には、締付角度Θの増
加に従って締付トルクTは、締付前期の締付特性(図
中、I)と締付後期の締付特性(図中、II)とで異なる
増加率を示す。締付前期の締付特性Iは、反トルクの小
さな半割メタル6のみに抗してクラッシュハイトChを押
し潰して締結が行なわれる過程における締付角度Θと締
付トルクTとの相関を表す。これに対し、締付後期の締
付特性IIはクラッシュハイトChが変形された後に軸受キ
ャップ2のシリンダボディ3への締結が始まって、半割
メタル6及び軸受キャップ2双方の大きな反トルクに抗
して締結が行なわれる過程における締付角度Θと締付ト
ルクTとの相関を表す。ここに、締付特性Iの締結力は
単にクラッシュハイトChの変形のために費されるもので
ある。従って、第1図から明らかなように、加工時と同
じボルト軸力を与えるべく加工時と同じ初期設定締付角
度Θaだけボルト1を締め込んでも、実際は締付前期の
締付角度Θbがロスとなっている。ここに軸受キャップ
2を必要なボルト軸力でシリンダボディ3に締結するた
めには、締付前期のロス分Θb、即ちグラフにおいて締
付トルクT0を、加工時の締付トルクTaに加えた締付トル
クTc(=Ta+T0)とする必要がある。不足分の締付トル
クT0は、軸受キャップ2と半割メタル6の双方の剛性を
考慮した場合、締付特性IIでトルクT0を補える締付角度
だけ、加工時の初期設定締付角度Θaに対して増し締め
すれば良い。この増し締めのための締付角度はグラフ上
では、締付トルク0の横軸と締付特性IIとの交点X0から
締付特性Iと締付特性IIとの交点X1までの締付角度Θc
として与えられる。そしてこの締付角度Θcを加工時の
初期設定締付角度Θaの増締値として与えれば、軸受キ
ャップ2とシリンダボディ3との間に加工時と略同じ適
正な締結力を与えることができる。
増締値としての締付角度Θcは、次のようにして具体
的に求めることができる。まず、1次関数に近似できる
締付特性Iおよび締付特性IIを決定する。これら締付特
性I、IIの関数を決定する際には、それぞれの締付特性
において適当な締付角度Θ,ΘおよびΘ,Θ
その締付角度における締付トルクT1,T2およびT3,T4
測定する。これらによって各締付特性I、IIを表す2つ
の1次関数を決定することができる。そして交点X0の値
は、締付特性IIに対して締付トルクT=0の条件を代入
すれば決定することができる。他方、交点X1の値は、各
締付特性I、IIの連立方程式を解くことにより、その解
の締付角度から決定することができる。そして、増締値
である、交点X0から交点X1までの締付角度Θcは、(X1
−X0)によって決定することができる。
次に、この方法の具体的実施例を具体的装置例を挙げ
つつ説明する。
第2図には、ナットランナ10をマイクロ・コンピュー
タ等の制御手段11で制御するように構成したものが示さ
れており、制御用の信号としては、角度エンコーダ12で
検出されるナットランナ10の締付角度Θと、トルクトラ
ンジューサ13で検出されるナットランナ10に作用する反
トルク(締付トルク)Tが採用される。そして本制御
は、一次関数に近似できるこれら締付前期と締付後期の
締付特性I,IIについて上記のようにして連立一次方程式
等を解くことにより、必要な増締値を得るようになって
いる。そのため各締付特性I,IIを得る4つの座標を決定
できるように回路が構成されている。即ち、各特性I,II
に2つずつ対応させた4つの設定トルクT1〜T4が設定さ
れる設定器14a〜14d、設定器14a〜14dに設定された設定
トルクT1〜T4とトルクトランジューサ13から出力された
締付トルクTとが一致したときにアナログゲート15a〜1
5dをONして制御信号を制御手段11に出力するコンパレー
タ16a〜16d及びアナログゲート15a〜15dからの制御信号
で切り替えられてそのとき角度エンコーダ12で検出され
ている締付角度Θ〜Θを出力する角度ゲート17a〜1
7dが備えられて、これらが制御手段11に接続されて構成
される。尚、18はナットランナ駆動制御用のサーボアン
プ、19はDCナットランナモータである。
この回路の制御フローについて第3図に従って説明す
る。
<ステップ1> 外部からのナットランナスタート信号によりサーボア
ンプ18を作動させ、DCナットランナモータ19を作動させ
る。
<ステップ2> 角度測定の始点は、設定器14aに設定された設定トル
クT1とトルクトランジューサ13から出力される締付トル
クTとが一致した角度としてよく、トルクトランジュー
サ13からの出力信号Tと設定器14aからの信号T1が一致
すると、アナログゲート15aをONし、制御手段11に制御
信号を出力する。この制御信号を受けると制御手段11
は、角度エンコーダ12の出力段にある角度ゲート17a〜1
7cをONする。これにより、締付特性Iの座標の1つ
(T1,Θ)が求められる。
<ステップ3> トルクトランジューサ13の出力信号Tと設定器14bか
らの信号T2が一致すると、アナログゲート15bをONし、
制御手段11に信号を送る。この制御信号を受けると制御
手段11は、角度ゲート17aをOFFし、これによって求めら
れたもう1つの座標(T2,Θ)と先に求められた座標
(T1,Θ)からトルクレイト(増加率)を演算し、締
付特性Iを求める。
<ステップ4> トルクトランジューサ13からの出力信号Tと設定器14
cの信号T3が一致すると、アナログゲート15cをONし、制
御手段11に信号を送る。この制御信号を受けると制御手
段11は、角度ゲート17bをOFFする。これにより、締付特
性IIの座標の1つ(T3,Θ)が求められる。
<ステップ5> トルクトランジューサ13からの出力信号Tと設定器14
dの信号T4が一致すると、アナログゲート15dをONし、制
御手段11に信号を送る。この制御信号を受けると制御手
段11は、角度ゲート17cをOFFし、これによって求められ
たもう1つの座標(T4,Θ)と先に求められた座標
(T3,Θ)からトルクレイト(増加率)を演算し、締
付特性IIを求める。
そしてこれら関数から上記のようにして増締角度Θc
を算出すると共に、この増締角度Θcを初期設定締付角
度Θaに加えた全締付角度をセットする(第1図参
照)。ここに、初期設定締付角度Θaは、加工時の最終
締結状態での締付角度であって、これに増締角度Θcを
加えて組立作業を行うことになる。
<ステップ6> 初期設定締付角度Θaに増締角度Θcを加えたものを
制御角度としてナットランナ10を回転させ、この制御角
度と角度エンコーダ12からの角度Θが一致したならば、
角度ゲート17dをOFFとし、ナットランナ10を停止する。
また本実施例の増締めは、角度法のみならず、トルク
法、トルク法と角度法との組合せによっても実施するこ
とができる。従って締付値とは、制御検出値に応じ、締
付角度、締付トルクいずれであっても良い。略述する
と、トルク法の場合には、初期設定締付トルクTa(加工
時の締付トルクであって、初期設定締付角度Θaに対
応)に対して、第1図において締付特性Iと締付特性II
の交点X1におけるT0を求め、設定トルクTaにロス分のト
ルクT0を加えて組立時の締付トルクTc(=Ta+T0)とす
ればよい。トルク法と角度法との組合せの場合にあって
は、初期設定締付角Θaまでは角度法で締め付け、その
後ロス分のトルクT0をトルク法で増し締めする場合と、
初期設定締付トルクTaまではトルク法で締め付け、その
後ロス分の増締値Θcを角度法で増し締めする場合とが
あり、いずれの場合でも同様な結果を得ることができ
る。
このようにクラッシュハイトCh分のロスを見込んで締
結作業を行なうことにより、クラッシュハイトChの影響
を排除して加工時とほぼ同じ適正な締結力で軸受キャッ
プ2をシリンダボディ3に締結することができ、半割メ
タル6のメタルクリアランスCのバラツキを押さえてで
きる限り設計値域におさめることができる。またこの
際、各ボルト1について独立に締付値を与えるので、ク
ラッシュハイトChを潰すために費されるロスが各ボルト
1で異なっても、それぞれのロス分に対応する増締値を
考慮して締結することができ、軸孔4の真円度も確保す
ることができる。また過剰な締付による半割メタル6の
焼付き等を抑制することもできる。
次に他の実施例について述べる。
半割メタル6のクラッシュハイトChを圧縮するのに必
要な締付角度を予めテストピースなどで求めておき、そ
の締付角度を加工時の締付角度に加えて組立時の締結作
業を行なうようにしてもよい。例えば第4図に示すよう
に、軸受キャップ2と同寸で形成された型20a,20bに半
割メタル6を設置する。この型20aは第4図(A)に示
すように、その一側に半割メタル6の一端を係合する係
合部21を有し、半割メタル6の反対側の他端に荷重を加
えるように構成したものや、第4図(B)に示す型20b
のように、半割メタル6の両端に荷重を加えるようにし
たもの、いずれの構成であってもよい。そして半割メタ
ル6の一端または両端に荷重を作用させ、クラッシュハ
イトChが潰れる荷重Pを計測する。この計測値Pは必要
ボルト軸力であるから、この軸力に対応する締付角度を
得てその角度を増締値とし、加工時の締付値にこの増締
値を加えて組立時の締結を行なえば良い。
さらに他の実施例について説明する。上記実施例にあ
っては、締付角度Θcにしても締付トルクT0にしても、
軸孔加工時の初期設定締付角度Θa若しくは初期設定締
付トルクTaに対し、組立時には増し締めするというもの
であった。この増し締めの場合、ボルト1には加工時の
ボルト軸力に、クラッシュハイトChを潰すように圧縮す
るボルト軸力が加重されることになり、軸孔加工時に発
生するボルト軸力を基準としてボルト1を設計した場合
にはボルト1が負担するボルト軸力は設計値以上にな
る。このボルト1にかかる負担を軽減する場合には、上
述の予め計測された荷重Pだけ軸孔加工時の締付力を小
さく設定し発生ボルト軸力を低減させて軸孔加工を行う
ようにすれば、組立時にはボルト1に設計値通りのボル
ト軸力を発生させることができるとともに、この場合に
あっても軸受キャップ2とシリンダボディ3との間に加
工時と略同じ適正な締結力を与えることができる。
第5図には、上述のようにして締結されて取付けられ
たクランク軸7と半割メタル6との間のクリアランスC
が適性か否かを検出できる装置が示されている。この装
置は、一対のボルト1に装着されるナットランナ10の一
対のソケット30間に軸受31を介して取り付けられ非回転
状態でソケット30と共に昇降される支持体32と、この支
持体32に設けられ、軸受キャップ2及び半割メタル6に
その締結方向に穿孔される孔部33に挿入されたギャップ
センサ34とから主に構成される。支持体32は軸受31を介
してソケット30に固定され、締結作業に従って昇降する
ソケット30と同期して昇降移動されるようになってい
る。この支持体32には、ギャップセンサ34が設けられ
る。軸受キャップ2及び半割メタル6には、ソケット30
の昇降方向に沿って一連に孔部33が形成され、ギャップ
センサ34はこの孔部33に支持体32側から軸受キャップ2
を貫通させて挿入される。またこのギャップセンサ34
は、非接触式の高周波コイルで構成され、スプリング35
で半割メタル6側に付勢されてその先端が半割メタル6
の内周面に一致されて取付けられている。そして、電圧
変化でクランク軸7との間のクリアランスCを検出する
ようになっている。このような構成でなる検出装置は、
ソケット30がボルト1に装着されるとセンサ34も孔部33
に挿入され、センサ34の先端がスプリング35で半割メタ
ル6位置に保持される。そして締結作業中において、セ
ンサ34によりメタルクリアランスCが連続して検出され
ることになる。このような装置を設備することにより、
上述の制御手段11による制御と連関させることで、また
予め計測した増締値で締結する場合にあっても、的確な
クリアランスCの管理を達成することができる。尚、締
付け作業完了後の軸受キャップ2の孔部33の扱いは、圧
入ピン又はビス等で塞ぐことにより、軸受部分からのオ
イル漏れ等を防止して半割メタル6に通常の機能を発揮
させることができる。
また本装置を単独で使用して締結作業を行なうことに
より、実際のクリアランスCを測定して適当な締結力で
作業を実施することもできる。本装置はナットランナ10
のソケット30とセンサ34が同期して移動されるので、ク
リアランスCの検出と締結作業の連関を確保でき、コン
トロールの面で有利なものである。
《発明の効果》 以上説明したように本発明は、取付ボディと軸受キャ
ップとをボルト締結して両者間に軸孔を加工形成し、次
いで取付ボディから軸受キャップを取り外して軸孔に、
クラッシュハイトを有し且つ軸孔の周面に沿って円環を
構成する一対の半割メタルを装着し、その後、軸孔加工
時のボルト締結値に、これら半割メタルのクラッシュハ
イトの変形に要する増締値を付加したボルト締結値で軸
受キャップを取付ボディにボルト締結するようにして、
あるいは取付ボディと軸受キャップとをボルト締結して
両者間に軸孔を加工形成し、次いで取付ボディから軸受
キャップを取り外して軸孔に、クラッシュハイトを有し
且つ軸孔の周面に沿って円環を構成する一対の半割メタ
ルを装着し、その後、上記半割メタルのクラッシュハ
イトを潰す過程における締付トルクと締付角度との相関
を表す1次関数を得るための第1の締付工程、上記第
1の締付工程に連続して、上記半割メタルおよび上記軸
受キャップ双方を締結する過程における締付トルクと締
付角度との相関を表す1次関数を得るための第2の締付
工程、予め行ったこれら第1および第2の締付工程で
得られた2つの1次関数から増締量を算定し、この増締
量を軸孔加工時の締付量に加算した全締付量で軸受キャ
ップを取付ボディに締め付ける第3の締付工程を一連に
連続して行うことにより、組付時には半割メタルが介在
することによるその反力成分を考慮した上で、軸孔加工
時のボルト締結量に対し、クラッシュハイトのための増
締値を付加したボルト締付値で軸受キャップを取付ボデ
ィへ組み付けるようにしたので、軸体と半割メタルとの
間に適正なクリアランスを与えることができると共に、
真円度を確保することができ、軸振動に起因する騒音を
低減できると共に、過剰な締付による半割メタルの焼付
き等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は半割メタルを軸孔に装着した組付け時の締付角
度と締付トルクの関係を示すグラフ、第2図は本発明を
実施する際に採用される制御系の一例を示す回路図、第
3図はその制御フローを示すフローチャート、第4図は
半割メタルのクラッシュハイトの増締値を得る他の方法
を示す図、第5図は本方法の実施にあたりクリアランス
を検出する検出手段の一例を示す断面図、第6図は軸受
キャップと取付けボディとの間に軸体を取付けた状態を
示す正面図、第7図は軸孔加工時から組付け時に亘る作
業プロセスとその際のボルト軸力と剛性との関係を説明
する図、第8図は望まれるクリアランスの分布を示すグ
ラフである。 2……軸受キャップ 3……取付ボディ(シリンダボディ) 4……軸孔 6……半割メタル Ch……クラッシュハイト
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 郁夫 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 実開 昭58−140063(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】取付ボディと軸受キャップとをボルト締結
    して両者間に軸孔を加工形成し、次いで取付ボディから
    軸受キャップを取り外して軸孔に、クラッシュハイトを
    有し且つ軸孔の周面に沿って円環を構成する一対の半割
    メタルを装着し、その後、軸孔加工時のボルト締結値
    に、これら半割メタルのクラッシュハイトの変形に要す
    る増締値を付加したボルト締結値で軸受キャップを取付
    ボディにボルト締結するようにしたことを特徴とする軸
    受キャップの組付方法。
  2. 【請求項2】取付ボディと軸受キャップとをボルト締結
    して両者間に軸孔を加工形成し、次いで取付ボディから
    軸受キャップを取り外して軸孔に、クラッシュハイトを
    有し且つ軸孔の周面に沿って円環を構成する一対の半割
    メタルを装着し、その後以下の工程を一連に連続して行
    うことを特徴とする軸受キャップの組付方法。 上記半割メタルのクラッシュハイトを潰す過程におけ
    る締付トルクと締付角度との相関を表す1次関数を得る
    ための第1の締付工程。 上記第1の締付工程に連続して、上記半割メタルおよ
    び上記軸受キャップ双方を締結する過程における締付ト
    ルクと締付角度との相関を表す1次関数を得るための第
    2の締付工程。 予め行ったこれら第1および第2の締付工程で得られ
    た2つの1次関数から増締量を算定し、この増締量を軸
    孔加工時の締付量に加算した全締付量で軸受キャップを
    取付ボディに締め付ける第3の締付工程。
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