JPH11267445A - 脱臭デバイスとこれを備えた脱臭機及び空気調和機 - Google Patents

脱臭デバイスとこれを備えた脱臭機及び空気調和機

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JPH11267445A
JPH11267445A JP10077151A JP7715198A JPH11267445A JP H11267445 A JPH11267445 A JP H11267445A JP 10077151 A JP10077151 A JP 10077151A JP 7715198 A JP7715198 A JP 7715198A JP H11267445 A JPH11267445 A JP H11267445A
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JP
Japan
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catalyst
unit
deodorizing device
adsorbent
heater
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JP10077151A
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English (en)
Inventor
Teiichi Usami
禎一 宇佐見
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Central Air Conditioning (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱臭能力の向上と触媒の使用量の低減による
コストダウンとを両立し得る脱臭デバイスとこれを備え
た脱臭機及び空気調和機を提供する。 【解決手段】 吸着剤29を含む円筒状又は円盤状の吸
着構造体20と、該吸着構造体20を加熱するヒーター
22と臭気成分を酸化分解する触媒27とを備え上記吸
着構造体20の筒壁部又は平盤部の表面の一部に近接対
向するように配置された触媒分解ユニットX1〜X6と、
上記触媒分解ユニットX1〜X6と上記吸着構造体20と
を相対移動させる駆動手段14とを備える。かかる構成
によれば、空気流Aが上記吸着構造体20の筒壁部又は
円盤部の全域から貫流しここで臭気成分等の除去作用が
なされることで脱臭能力が飛躍的に向上する。また、上
記触媒分解ユニットX1〜X6と吸着構造体20とが相対
回転して吸着剤29の再生処理と臭気成分等の分解処理
とを行うことで、分解処理能力を良好に維持しつつ、上
記触媒27の使用量を減らしてコストダウンが図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、脱臭デバイスと
これを備えた脱臭機及び空気調和機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、理容院、美容院等の店舗とか病
院においては、その業務内容からして、室内空気中に、
人間に悪影響を及ぼす悪臭(例えば、アンモニア、アセ
トアルデヒド、トリメチルアミン、メチルメルカプタン
等)とか、有害ガス成分(例えば、一酸化炭素、ホルム
アルデヒド等)が含まれる可能性が高く、このため室内
環境の改善という観点から、室内空気中の臭気成分とか
有害ガス成分を除去する要求が特に強く、かかる要求に
応えるべく、従来より種々の技術が提案されている。
【0003】例えば、従来、業務用空気調和機において
は、臭気成分あるいは有害ガス成分を除去する方法とし
て、フィルターに活性炭やゼオライトなどの吸着剤を組
み合わせ、臭気成分等を上記吸着剤によって吸着除去す
る方法を採用するのが一般的であった。ところが、かか
る従来の脱臭方法によれば、室内空気中の臭気成分等を
吸着して除去するものの、吸着した臭気成分等はこれを
保持するのみで、何らの処理も行わないものであるた
め、吸着量が飽和するとそれ以上の吸着除去ができず、
この結果、脱臭部の寿命が短く、延いては空気調和機の
ランニングコストが高くつくという問題があった。
【0004】このような問題を回避する一つの有力な方
法として、吸着剤にて吸着捕集した臭気成分等を適宜触
媒により酸化分解して除去して吸着剤の機能再生を図る
方法が提案され、これがクリーンな処理で且つ長寿命で
あることから注目され、さらにこれを具体化するための
種々の技術も提案されている(例えば、特開平5−28
0763号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上掲の公知
例に示される如き方法は、平板状の脱臭ヒーターの外周
面に触媒を塗布したものを空気調和機内に配置し、該脱
臭ヒーターの表面に当たる空気中の臭気成分等を吸着除
去するとともに、吸着した臭気成分等を触媒によって適
宜分解処理して該脱臭ヒータの機能再生を図るものであ
ることから、除去対象となる臭気成分は上記脱臭ヒータ
の表面に触れる空気に含まれるものに限られ、このた
め、吸着除去される臭気成分等の量(即ち、脱臭量)が
少なく、従って、比較的大きなボリュームをもつ室内空
気の脱臭という点においてはその効果が小さく、実用上
不満の残るものにならざるを得ない。
【0006】また一方、臭気成分等の酸化分解を行う触
媒は高価であることから、コストダウンという観点か
ら、この触媒の使用量をできるだけ少なくすることが要
求されるが、その場合、触媒の使用量を減らしたことで
臭気成分等の分解処理能力が十分に得られないのでは何
ら意味がなく、例え少ない触媒量であってもこれによる
臭気成分等の分解処理能力を高く維持できることが必要
である。しかし、かかる要求を満足し得るような技術は
未だ提案されていない。
【0007】そこで本願発明は、多量の臭気成分等の吸
着除去が可能で且つこれが長期に亙って維持できるとと
もに、触媒による臭気成分等の分解処理能力を良好に維
持しつつ該触媒の使用量を少なくしてコストダウンを図
ることができるようにした脱臭デバイスとこれを備えた
脱臭機及び空気調和機を提供することを目的としてなさ
れたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
【0009】本願の第1の発明にかかる脱臭デバイスで
は、図2,図19及び図21に例示するように、臭気成
分を吸着する吸着剤29を含み且つ円筒状又は円盤状の
外観形態を有する如く形成されるとともにその筒壁部又
は円盤部に空気流が貫流せしめられる如く構成された吸
着構造体20と、上記吸着構造体20を加熱するヒータ
ー22と臭気成分を酸化分解する触媒27とを備え且つ
該吸着構造体20の筒壁部又は平盤部の表面の一部に近
接対向するように配置された触媒分解ユニットX1〜X6
と、上記触媒分解ユニットX1〜X6が上記吸着構造体2
0に対してその周壁又は平盤部に沿ってその周方向へ移
動する如く該触媒分解ユニットX1〜X6と上記吸着構造
体20とを相対移動させる駆動手段14とを備えたこと
を特徴としている。
【0010】本願の第2の発明では、図5に例示するよ
うに、上記第1の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、
上記吸着構造体20を、上記吸着剤29により一体成形
されるとともにその筒壁部又は平盤部を厚さ方向に貫通
する複数の通孔25,25,・・を有するハニカム構造
としたことを特徴としている。
【0011】本願の第3の発明では、図7に例示するよ
うに、上記第1の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、
上記吸着構造体20を、円筒状又は円盤状形態を有する
とともにその筒壁部又は平盤部を厚さ方向に貫通する複
数の通孔25,25,・・を備えたハニカム構造の基体
21の表面に、上記吸着剤29を付着又は塗布して構成
したことを特徴としている。
【0012】本願の第4の発明では、図9に例示するよ
うに、上記第1の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、
上記吸着構造体20を、活性炭繊維等の臭気成分の吸着
能を有する繊維材28を円筒状又は円盤状に編んで構成
したことを特徴としている。
【0013】本願の第5の発明では、図11に例示する
ように、上記第1の発明にかかる脱臭デバイスにおい
て、上記吸着構造体20を、その表面に上記吸着剤29
を付着させたアルミナ繊維、ガラス繊維等の繊維材28
を円筒状又は円盤状に編んで構成したことを特徴として
いる。
【0014】本願の第6の発明では、図12に例示する
ように、上記第1の発明にかかる脱臭デバイスにおい
て、上記吸着構造体20を、金網を中空の円筒状又は円
盤状に成形してなる金網成形体31の内部に粒子状の吸
着剤32,32,・・を充填して構成したことを特徴と
している。
【0015】本願の第7の発明では、図23に例示する
ように、上記第1の発明にかかる脱臭デバイスにおい
て、上記触媒27を、Al23,ZrO2,CeO2,S
iO2又はゼオライトのうちの少なくとも一種以上の金
属酸化物又は金属の複合酸化物又は金属酸化物の混合物
のいずれかを担体とし、この担体に触媒成分としてA
g,Pd,Pt,Mn,Rh,Fe又はCoのうちの少
なくとも一種以上の金属又はこれらの金属からなる金属
酸化物を担持させて構成したことを特徴としている。
【0016】本願の第8の発明では、図22に例示する
ように、上記第2又は第3の発明にかかる脱臭デバイス
において、上記吸着構造体20を、上記通孔25,2
5,・・を備えたハニカム構造をもつ円筒状又は円盤状
形態の複数の単位構造体20A,20B,20C,・・
を積層して構成するとともに、該各単位構造体20A,
20B,20C,・・の上記通孔25,25,・・を順
次通って流れる空気流Aが該各単位構造体20A,20
B,20C,・・を通過する間に乱流を発生するように
該各単位構造体20A,20B,20C,・・の配置位
置を相対的に設定したことを特徴としている。
【0017】本願の第9の発明では、図13に例示する
ように、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,第
7又は第8の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上記
触媒分解ユニットX1〜X6が、基材52に上記ヒーター
22を埋設配置してなるヒーターユニット51と、基材
62の表面に触媒27を付着又は塗布してなる触媒ユニ
ット61とを備えていることを特徴としている。
【0018】本願の第10の発明では、図14に例示す
るように、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,
第7又は第8の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上
記触媒分解ユニットX1〜X6が、上記ヒーター22を基
材53に取り付けてなるヒーターユニット51と、上記
触媒27により多孔質状に成形された触媒多孔質体63
でなる触媒ユニット61とを備えていることを特徴とし
ている。
【0019】本願の第11の発明では、図15に例示す
るように、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,
第7又は第8の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上
記触媒分解ユニットX1〜X6が、基材52の表面に上記
ヒーター22を取り付けてなるヒーターユニット51
と、基材62の表面に触媒27を付着又は塗布してなる
触媒ユニット61とを備えていることを特徴としてい
る。
【0020】本願の第12の発明では、図16に例示す
るように、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,
第7又は第8の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上
記触媒分解ユニットX1〜X6が、上記ヒーター22を埋
設配置してなる基材52の表面に上記触媒27を付着又
は塗布してなる複合ユニット50を備えていることを特
徴としている。
【0021】本願の第13の発明では、図17に例示す
るように、上記第1,第2,第3,第4,第5,第6,
第7又は第8の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上
記触媒分解ユニットX1〜X6が、上記触媒27により多
孔質状に成形された触媒多孔質体63に上記ヒーター2
2を埋設配置してなる複合ユニット50を備えているこ
とを特徴としている。
【0022】本願の第14の発明では、図4に例示する
ように、上記第9,第10,第11,第12又は第13
の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上記触媒分解ユ
ニットX1〜X6に、該触媒分解ユニットX1〜X6に対す
る上記吸着構造体20の相対回転方向の前方側に延出し
て該吸着構造体20の表面を部分的に覆蓋する覆蓋部材
42を設けたことを特徴としている。
【0023】本願の第15の発明では、図3に例示する
ように、上記第9,第10,第11,第12又は第13
の発明にかかる脱臭デバイスにおいて、上記触媒分解ユ
ニットX1〜X6の上記ヒーターユニット51又は複合ユ
ニット50の背面側に断熱板41を配置したことを特徴
としている。
【0024】本願の第16の発明にかかる脱臭機では、
吸込口3と吹出口4とを備えたケーシング1内に、該吸
込口3から吹出口4に向かう気流を発生させるファン7
を配置するとともに、上記吸込口3から上記吹出口4に
至る空気流路中に、上記請求項1,2,3,4,5,
6,7,8,9,10,11,12,13,14又は1
5に記載の脱臭デバイスYを配置して構成されたことを
特徴としている。
【0025】本願の第17の発明では、吸込口3と吹出
口4とを備えたケーシング1内に熱交換器6とファン7
とを配置してなる空気調和機において、上記吸込口3か
ら上記吹出口4に至る空気流路中に、上記第1,第2,
第3,第4,第5,第6,第7,第8,第9,第10,
第11,第12,第13,第14又は第15の発明にか
かる脱臭デバイスYを配置したことを特徴としている。
【0026】
【発明の効果】本願発明ではかかる構成とすることによ
り次のような効果が得られる。
【0027】(イ) 本願の第1の発明にかかる脱臭デ
バイスは、臭気成分を吸着する吸着剤29を含み且つ円
筒状又は円盤状の外観形態を有する如く形成されるとと
もにその筒壁部又は円盤部に気流が貫流せしめられる如
く構成された吸着構造体20と、上記吸着構造体20を
加熱するヒーター22と臭気成分を酸化分解する触媒2
7とを備え且つ該吸着構造体20の筒壁部又は平盤部の
表面の一部に近接対向するように配置された触媒分解ユ
ニットX1〜X6と、上記触媒分解ユニットX1〜X6が上
記吸着構造体20に対してその周壁又は平盤部に沿って
その周方向へ移動する如く該触媒分解ユニットX1〜X6
と上記吸着構造体20とを相対移動させる駆動手段14
とを備えている。
【0028】従って、先ず、円筒状又は円盤状の形態を
もつ上記吸着構造体20においては、その筒壁部又は円
盤部を空気流Aが貫流することで、この空気流中に含ま
れていた臭気成分等が、上記吸着構造体20に含まれて
いる吸着剤29によって吸着され且つここに保持され、
これにより、例えば室内空気の脱臭作用が実現される。
【0029】この場合、上記空気流Aは、その全量が上
記吸着構造体20の筒壁部又は円盤部の全域から貫流し
ここで臭気成分等の除去作用がなされるものであるた
め、例えば従来のように平板状の脱臭ヒータの表面に触
れる空気中に含まれている臭気成分等のみが吸着除去対
象となる構成の場合に比して、吸着除去される臭気成分
等の量が格段に多くなり、脱臭能力が飛躍的に向上する
ことになる。従って、例えば理容院、美容院等の店舗あ
るいは病院等の脱臭処理対象の空気量が多い室内環境下
で使用される場合においても高い脱臭効果が得られるこ
ととなり、実用上極めて有用である。
【0030】一方、上記吸着構造体20における臭気成
分等の吸着作用の進行に伴い、上記吸着剤29における
臭気成分等の吸着量が次第に増加し、これが飽和状態に
近づくとその吸着機能が次第に低下する。このため、上
記吸着剤29の吸着能力が飽和状態となる前に、該吸着
剤29の再生処理を行い、その吸着機能の回復を図るこ
とが必要となる。そして、この吸着剤29の再生処理
は、上記触媒分解ユニットX1〜X6によって行われる。
【0031】即ち、上記触媒分解ユニットX1〜X6は、
上記吸着構造体20を加熱するヒーター22と臭気成分
を酸化分解する触媒27とを備えているので、上記ヒー
ター22に通電すると、その発熱によって上記吸着構造
体20が加熱され、該吸着構造体20に含まれている上
記吸着剤29が活性化され、ここに吸着保持されていた
臭気成分等が脱離され、該吸着剤29の再生が図られ
る。
【0032】また、この際、上記触媒27も加熱によっ
て活性化され、上記吸着剤29から脱離した臭気成分等
が該触媒27に触れることでこれが酸化分解され無臭化
・無害化される。この場合、上記触媒分解ユニットX1
〜X6は、上記吸着構造体20の筒壁部又は平盤部の表
面の一部に近接対向するように配置されているので、こ
の配置状態のままでは、上記吸着構造体20の筒壁部又
は円盤部のうち、上記触媒分解ユニットX1〜X6に対向
した部分のみが脱離処理及び分解処理の対象となり、そ
れ以外の部分については上記吸着剤29の再生が図れな
いことになる。
【0033】しかし、この発明においては、上記触媒分
解ユニットX1〜X6と上記吸着構造体20とを、該触媒
分解ユニットX1〜X6が上記吸着構造体20に対してそ
の筒壁部又は平盤部に沿ってその周方向へ移動する如く
これらを相対移動させる駆動手段14が備えられている
ので、この相対移動に伴い、上記触媒分解ユニットX1
〜X6は上記吸着構造体20の筒壁部又は円盤部に対応
した状態で、該吸着構造体20の筒壁部又は円盤部をそ
の一方側から他方側へ向かって移動し、順次、該吸着構
造体20の筒壁部又は円盤部における吸着剤29の再生
処理と該吸着剤29から脱離した臭気成分等の分解処理
とを行う。そして、上記触媒分解ユニットX1〜X6と上
記吸着構造体20とが相対的に一回転した時点におい
て、該触媒分解ユニットX1〜X6が上記吸着構造体20
の筒壁部又は円盤部の一部にしか対向しない小さな形
態、換言すれば、触媒27の使用量が少ない構成である
にも拘わらず、該吸着構造体20の筒壁部又は円盤部の
全域における吸着剤29の再生処理と分解処理とが完了
することになる。従って、脱離した臭気成分等の分解処
理能力を良好に維持しつつ、上記触媒27の使用量を減
らしてコストダウンを図ることができるものである。
【0034】(ロ) 本願の第2の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱臭
デバイスでは、上記吸着構造体20を、上記吸着剤29
により一体成形されるとともにその筒壁部又は平盤部を
厚さ方向に貫通する複数の通孔25,25,・・を有す
るハニカム構造としているので、上記空気流Aが上記各
通孔25,25,・・を通って流れることで、該空気流
Aの通風抵抗を可及的に抑えつつ該空気流Aと吸着剤2
9との接触面積の増大を実現することができ、この結
果、より高い脱臭能力の確保及び低動力化あるいは低騒
音化が両立されることになる。
【0035】(ハ) 本願の第3の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱臭
デバイスでは、上記吸着構造体20を、円筒状又は円盤
状形態を有するとともにその筒壁部又は平盤部を厚さ方
向に貫通する複数の通孔25,25,・・を備えたハニ
カム構造の基体21の表面に、上記吸着剤29を付着又
は塗布して構成しているので、例えば、上記吸着構造体
20を吸着剤29のみで一体的に成形する場合に比し
て、比較的高価な吸着剤29の使用量を減らすことがで
き、それだけ脱臭デバイスの更なるコストダウンが図れ
るとともに、該脱臭デバイスの軽量化が可能となるもの
である。
【0036】(ニ) 本願の第4の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱臭
デバイスでは、上記吸着構造体20を、活性炭繊維等の
臭気成分の吸着能を有する繊維材28を円筒状又は円盤
状に編んで構成しているので、該繊維材の編み目部分が
空気流路として機能することから空気流Aの通風抵抗が
可及的に抑制されるとともに、この空気流路となる編み
目そのものが吸着機能をもつことから、該吸着構造体2
0における臭気成分等の吸着作用がより効率的に行わ
れ、これらの結果、低動力・低騒音での脱臭運転が実現
されるものである。また、上記吸着構造体20が活性炭
繊維等の臭気成分の吸着能を有する繊維材で構成されて
いるので、事後的な吸着剤29の担持加工が不要であ
り、それだけ製造コストの低廉化が促進されるものであ
る。
【0037】(ホ) 本願の第5の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱臭
デバイスでは、上記吸着構造体20を、その表面に上記
吸着剤29を付着させたアルミナ繊維、ガラス繊維等の
繊維材28を円筒状又は円盤状に編んで構成しているの
で、該繊維材相互の編み目部分が空気流路となり空気流
Aの通風抵抗が可及的に抑制されるとともに、この空気
流路となる編み目の周囲に吸着剤29が集中配置されて
いることで吸着剤29における臭気成分等の吸着作用が
より効率的に行われ、これらの結果、低動力・低騒音で
の脱臭運転が実現されるものである。
【0038】(ヘ) 本願の第6の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱臭
デバイスでは、上記吸着構造体20を、金網を中空の円
筒状又は円盤状に成形してなる金網成形体31の内部に
粒子状の吸着剤32,32,・・を充填して構成してい
るので、充填された粒子状の吸着剤32,32,・・相
互間の隙間が空気流Aの流路となり該空気流Aの通風抵
抗が可及的に抑制されるとともに、金網成形体31その
ものが熱伝達部材として機能し上記加熱手段22の熱が
上記吸着剤32,32,・・へスムーズに伝達され該吸
着剤32,32,・・の活性化が促進されることにな
る。また、上記金網成形体31の形状・寸法を適宜変更
してその内部に充填される粒子状の吸着剤32,32,
・・の充填量とか分布状態を調整することで、上記吸着
構造体20の部位間で吸着能力に差をつけて、例えば空
気流Aの風速分布が高い部位では高い吸着能力をもつよ
うに構成することもできるなど、該吸着構造体20の能
力の多様化を図ることが可能となる。
【0039】(ト) 本願の第7の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(イ)に記載の効果に加えて次の
ような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱臭
デバイスでは、上記触媒27を、Al23,ZrO2
CeO2,SiO2又はゼオライトのうちの少なくとも一
種以上の金属酸化物又は金属の複合酸化物又は金属酸化
物の混合物のいずれかを担体とし、この担体に触媒成分
としてAg,Pd,Pt,Mn,Rh,Fe又はCoの
うちの少なくとも一種以上の金属又はこれらの金属から
なる金属酸化物を担持させて構成しているので、臭気成
分等に対する高い酸化分解能力が得られ、それだけ脱臭
デバイスのより一層の高能力化が実現されるものであ
る。
【0040】(チ) 本願の第8の発明にかかる脱臭デ
バイスによれば、上記(ロ)又は(ハ)に記載の効果に
加えて次のような特有の効果が奏せられる。即ち、この
発明の脱臭デバイスでは、上記吸着構造体20を、上記
通孔25,25,・・を備えたハニカム構造をもつ円筒
状又は円盤状形態の複数の単位構造体20A,20B,
20C,・・を積層して構成するとともに、該各単位構
造体20A,20B,20C,・・の上記通孔25,2
5,・・を順次通って流れる空気流Aが該各単位構造体
20A,20B,20C,・・を通過する間に乱流を発
生するように該各単位構造体20A,20B,20C,
・・の配置位置を相対的に設定しているので、例えば空
気流Aが層流状態で流れる場合に比して、空気流Aの乱
流化によって上記吸着構造体20における吸着剤29に
対する臭気成分等の接触面積が増加し、その結果、該吸
着構造体20の厚さを小さく抑えつつ高い吸着能力を確
保することができ、該吸着構造体20、延いては脱臭デ
バイスの小形軽量化と高脱臭能力化の両立が可能となる
ものである。
【0041】(リ) 本願の第9,第10,第11,第
12及び第13の各発明にかかる脱臭デバイスによれ
ば、共に、上記(イ),(ロ),(ハ),(ニ),
(ホ),(ヘ),(ト)又は(チ)に記載の効果に加え
て、上記触媒分解ユニットX1〜X6にその構成要素とし
て上記ヒーター22と触媒27とが備えられているの
で、上記吸着構造体20の加熱による臭気成分等の脱離
作用と、脱離した臭気成分等の分解処理とが連続的に行
われ、酸化分解が未処理の臭気成分等の外部への散逸が
可及的に防止されることになる。
【0042】(ヌ) 本願の第14の発明にかかる脱臭
デバイスによれば、上記(リ)に記載の効果に加えて次
のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱
臭デバイスでは、上記触媒分解ユニットX1〜X6に、該
触媒分解ユニットX1〜X6に対する上記吸着構造体20
の相対回転方向の前方側に延出して該吸着構造体20の
表面を部分的に覆蓋する覆蓋部材42を設けているの
で、上記ヒーター22による加熱により上記吸着構造体
20の吸着剤29から脱離した臭気成分等は、該臭気成
分等が上記触媒27によって酸化分解されるまでの間、
上記覆蓋部材42によって捕捉拘引され、該臭気成分等
が酸化分解処理がされないまま外部へ漏出するのが可及
的に防止され、これにより脱離した臭気成分等による室
内空気の再汚染が可及的に防止され、脱臭デバイスの脱
臭能力がさらに高められるものである。
【0043】(ル) 本願の第15の発明にかかる脱臭
デバイスによれば、上記(リ)に記載の効果に加えて次
のような特有の効果が奏せられる。即ち、この発明の脱
臭デバイスでは、上記触媒分解ユニットX1〜X6の上記
ヒーターユニット51又は複合ユニット50の背面側に
断熱板41を配置しているので、上記ヒーターユニット
51からの熱の外部への散逸が抑制され、それだけ該ヒ
ーターユニット51による上記吸着構造体20の加熱作
用が促進され、上記吸着剤29の再生処理の迅速化が図
れるものである。
【0044】(ヲ) 本願の第16の発明にかかる脱臭
機によれば、吸込口3と吹出口4とを備えたケーシング
1内に、該吸込口3から吹出口4に向かう気流を発生さ
せるファン7を配置するとともに、上記吸込口3から上
記吹出口4に至る空気流路中に、上記請求項1,2,
3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,1
3,14又は15に記載の脱臭デバイスYを配置して構
成されているので、高い脱臭能力をもつ脱臭機を提供す
ることができ、特に美容院、理容院等の臭気成分等の発
生量が多い室内の脱臭に適用される脱臭機として好適な
ものである。
【0045】(ワ) 本願の第17の発明にかかる空気
調和機によれば、吸込口3と吹出口4とを備えたケーシ
ング1内に熱交換器6とファン7とを配置してなる空気
調和機において、上記吸込口3から上記吹出口4に至る
空気流路中に、上記第1,第2,第3,第4,第5,第
6,第7,第8,第9,第10,第11,第12,第1
3,第14又は第15の発明にかかる脱臭デバイスYを
配置しているので、空気調和機本来の温度調整機能に、
上記各発明における脱臭デバイスの上記(イ)〜(ル)
に記載の如き高い脱臭能力が付加され、これにより高い
脱臭能力をもつ空気調和機を提供することができ、特に
美容院、理容院等の臭気成分等の発生量が多い室内の空
調に適用される空気調和機として好適である。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本願発明にかかる脱臭デバ
イスとこれを備えた脱臭機及び空気調和機を添付図面に
示す実施形態に基づいて説明する。
【0047】第1の実施形態 図1には、後述する脱臭デバイスY1を備えた空気調和
機Z1を示している。この空気調和機Z1は、天井埋め込
み型の室内機であって、天井に埋め込み配置されるケー
シング1と、その中央寄りに吸込口3を、外周寄りに吹
出口4を、それぞれ備えるとともに上記ケーシング1の
下面開口に室内側から取り付けられたパネル2とを有し
ている。そして、このケーシング1とパネル2とで囲繞
される機内空間11内に、円錐筒状の外観形態をもつ熱
交換器6を倒立状態で配置するとともに、モーター8に
より回転駆動されるファン7を配置している。このファ
ン7は、上記機内空間11のうち、上記熱交換器6の外
周側の外側空間11A内に配置された外側羽根車7A
と、該熱交換器6の内周側の内側空間11B内に配置さ
れた内側羽根車7Bとを、ハブ部材10を介して一体化
するとともに、これを内側羽根車7Bによって上記モー
ター8に連結して構成される。尚、上記内側羽根車7B
の羽根間は通風路13とされる。
【0048】さらに、上記機内空間11の内側空間11
B内には、次述する円筒状の外観形態をもつ脱臭デバイ
スY1が、上記熱交換器6と上記ファン7の内側羽根車
7Bとの間に位置した状態で配置されている。
【0049】そして、この空気調和機Z1においては、
上記ファン7の運転により上記吸込口3から機内空間1
1内に吸い込まれる室内空気Aは、先ず、上記除塵フィ
ルター5において該室内空気A中に浮遊している塵埃が
捕捉除去されるとともに、これに引き続いて、上記脱臭
デバイスY1においては室内空気Aが該脱臭デバイスY1
の吸着構造体20(後述する)の筒壁部をその厚さ方向
に貫通して流れることで、該室内空気A中に含まれてい
たアンモニア等の臭気成分とか一酸化炭素等の有害ガス
成分が該吸着構造体20に含まれている吸着剤によって
吸着され且つここに保持される。
【0050】このように、上記除塵フィルター5におい
て塵埃が除去されるとともに上記脱臭デバイスY1にお
いて臭気成分等が吸着除去された後の清浄な室内空気A
は、上記熱交換器6を通過する間に該熱交換器6内の冷
媒と熱交換して温風あるいは冷風として室内へ吹き出さ
れる。これにより、室内空気の除塵と脱臭及び温度調整
が行われるものである。
【0051】一方、空気調和機Z1の運転時間の増大と
ともに、上記脱臭デバイスY1の吸着構造体20におけ
る吸着剤に吸着保持される臭気成分等の吸着量が次第に
増加し、これに伴って該吸着剤の吸着機能が低下する。
かかる場合には、該脱臭デバイスY1に設けられた後述
の触媒分解ユニットX1により、上記吸着構造体20を
加熱することによる上記吸着剤の再生処理と、この再生
処理により上記吸着剤から脱離した臭気成分等の触媒に
よる酸化分解処理とが行われ、上記吸着剤の吸着機能が
回復せしめられるとともに、脱離臭気成分等による室内
の再汚染の防止が実現されるものである。
【0052】続いて、上記空気調和機Z1における脱臭
機能の主体をなす上記脱臭デバイスY1について、その
具体的構造等を説明する。
【0053】上記脱臭デバイスY1は、図2に示すよう
に、円筒状の外観形態をもつ次述の吸着構造体20と、
該吸着構造体20の再生処理及び分解処理を行う後述の
触媒分解ユニットX1と、上記吸着構造体20を上記触
媒分解ユニットX1に対して相対回転させる後述の駆動
手段14とを備えて構成されている。そして、上述のよ
うに、室内空気Aは、上記吸着構造体20の下端開口側
から導入された後、該吸着構造体20の筒壁部の全域か
らこれを貫流してその外周側へ吹き出され、この筒壁部
を通過する間に室内空気中の臭気成分等が吸着除去され
るものである。以下、上記吸着構造体20と触媒分解ユ
ニットX1及び駆動手段14についてそれぞれその構造
等について説明する。
【0054】吸着構造体20 上記吸着構造体20は、吸着剤(例えば、疎水性ゼオラ
イト又は活性炭)を、例えば焼結成形法により円筒状に
成形して構成されている。この場合、上記吸着構造体2
0は、図5及び図6に示すように、その筒壁部を厚さ方
向に貫通する多数の通孔25,25,・・が網目状のラ
ンド部24,24,・・を介して列設された構成をもつ
ハニカム構造とされている。また、上記吸着構造体20
の下端面には、図3に示すように、上記空気調和機Z1
側の機側部材40上を転動する支持ローラー39が、該
吸着構造体20の周方向に適数個設けられており、該吸
着構造体20は後述する駆動手段14から回転駆動力を
受けることで、その軸心を回転中心軸として回転し得る
ようになっている。また、この吸着構造体20において
は、図6に示すように、空気流A(即ち、室内空気)は
上記各通孔25,25,・・を通ってその筒壁部を貫流
するものである。
【0055】尚、図5においては、作図の便宜上、上記
通孔25が正多角形の断面形状をもつように図示してい
るが、ここで言うハニカム構造はかかる同一の断面形状
をもつ通孔25が規則的に列設された構成のもののみに
限定されるものではなく、要するに上記吸着構造体20
の筒壁部をその厚さ方向に貫通する通孔が多数形成され
ておれば十分であって、該通孔25の形状を問わないこ
とは勿論である。
【0056】触媒分解ユニットX1 上記触媒分解ユニットX1は、上記吸着構造体20の再
生処理及び該吸着構造体20から脱離した臭気成分等の
酸化分解処理を行うものであって、図2〜図4に示すよ
うに、次述する支持基材41に、ヒーターユニット51
と触媒ユニット61を取り付けて構成される。
【0057】上記支持基材41は、帯板材を「コ」字状
に折曲してその一対の側面41A,41Bが略平行に対
向する如く構成され、上記吸着構造体20の筒壁部に対
してこれをその一対の側面41A,41Bによって挟み
込むように、該吸着構造体20の上端側から下端側に向
けて挿入配置される。そして、この支持基材41は、上
記吸着構造体20の筒壁部への組付け状態において、外
側に位置する側面41Aの下端を上記機側部材40に固
着することで固定配置される。また、この状態におい
て、上記支持基材41の両側面41A,41Bは、上記
吸着構造体20の筒壁部の上端から下端まで達するよう
にその長さ寸法が設定されている。また、上記支持基材
41は、例えばステンレス鋼等の断熱性をもつ素材によ
り構成され、あるいはこれを断熱性の低い素材で構成す
る場合には、その背面(外側面)に適宜の断熱材を貼着
し、もって所要の断熱性を確保するようにしている。
【0058】また、上記支持基材41の両側面41A,
41Bの長手側の端縁のうち、上記吸着構造体20の回
転方向の前方側に位置する端縁には、略「L」字状の断
面形状をもち且つ上記回転方向前方へ延出する覆蓋部材
42が、該支持基材41の上下方向のほぼ全長に跨がっ
て取り付けられている。
【0059】上記ヒーターユニット51は、図7に示す
ように、例えば帯板状に成形されたセラミックス製の基
材52にヒーター22を埋設して構成される。このヒー
ターユニット51は、上記支持基材41の側面41A,
41Bの長さに対応する長さ寸法を有し、該支持基材4
1の両側面41A,41Bのそれぞれの内面(吸着構造
体20寄りの面)に固定配置される。一方、上記触媒ユ
ニット61は、帯板状の触媒ユニット61の表面に触媒
27を付着又は塗布により取り付けて構成される。そし
て、この触媒ユニット61は、上記ヒーターユニット5
1の外表面に積層固定され、該ヒーターユニット51と
一体化されている。
【0060】従って、上記支持基材41を上記吸着構造
体20の筒壁部に配置した状態においては、その内外両
面20a,20bのそれぞれに対して、上記ヒーターユ
ニット51と触媒ユニット61とが、該筒壁部の全高に
亙って近接対向することになる。
【0061】駆動手段14 上記駆動手段14は、上述の如く、上記吸着構造体20
を回転駆動するためのものであって、この実施形態にお
いては、モーター15と該モーター15に装着したプー
リー17と上記吸着構造体20の外周との間に掛け回し
たベルト16とによって構成されている。そして、この
実施形態においては、図1に示すように、上記熱交換器
6が円錐筒状形態を有し且つこれがその大径側を上方側
に位置せしめた倒立状態で配置されており、該熱交換器
6の上端内周側と上記吸着構造体20の上端外周側との
間に比較的大きなスペースを確保し得ることから、この
スペース部分に上記モーター15を配置している。
【0062】作用効果等の説明 以上の如く構成された脱臭デバイスY1を備えた空気調
和機Z1においては、次のような作用効果が奏せられ
る。
【0063】即ち、上記空気調和機Z1の運転開始によ
り、図2及び図3にそれぞれ空気流Aで示すように、室
内空気は上記吸込口3から上記脱臭デバイスY1の吸着
構造体20の内周側に吸入された後、該吸着構造体20
の筒壁部をその厚さ方向に貫通して流れる。そして、室
内空気が上記吸着構造体20の筒壁部を貫流する間に、
該室内空気に含まれていた臭気成分等が、該吸着構造体
20を構成する吸着剤によって順次吸着除去され、且つ
ここに保持される。
【0064】この場合、上記吸着構造体20が円筒状形
態とされ、室内空気はその全量が、しかも該吸着構造体
20の筒壁部の全域を貫流して外周側へ流れる構造とさ
れているので、該吸着構造体20における通過空気の全
量が該吸着構造体20における臭気成分等の除去対象と
なる。このため、例えば、従来のように平板状の脱臭ヒ
ータの表面に触れる空気中に含まれている臭気成分等の
みが吸着除去対象となる構成の場合に比して、該吸着構
造体20において吸着除去される臭気成分等の量が格段
に多くなり、それだけ脱臭デバイスY1における脱臭能
力が飛躍的に向上することになる。
【0065】また、上記吸着構造体20が、吸着剤によ
り一体成形され且つその筒壁部を厚さ方向に貫通する複
数の通孔25,25,・・を有するハニカム構造とされ
ているので、上記空気流Aが該各通孔25,25,・・
を通って流れることで、該空気流Aの通風抵抗を可及的
に抑えつつ該空気流Aと吸着剤との接触面積の増大を図
ることができ、この結果、より高い脱臭能力の確保及び
低動力化あるいは低騒音化が両立されることになる。
【0066】尚、上記脱臭デバイスY1において臭気成
分等が吸着除去された後の室内空気は、さらに上記熱交
換器6を通過することで該熱交換器6内の冷媒との間で
適宜熱交換が行われて温風あるいは冷風とされ、上記吹
出口4から室内へ吹き出され、これにより室内の温度調
整が実現されるものである。
【0067】一方、上記吸着構造体20を構成する吸着
剤は、臭気成分等の吸着運転の継続に伴い、該吸着剤に
吸着保持される臭気成分等の量が次第に増加してこれが
飽和状態に近付き、その吸着機能が次第に低下傾向とな
る。この場合には、吸着剤が飽和状態となる前に、一
旦、空気調和機Z1の吸着運転(即ち、空調運転)を停
止し、この状態で次述する上記触媒分解ユニットX1
作動させて、再生処理及び分解処理を行うことで、再生
処理に伴って発生する臭気成分等による室内空気の再汚
染を防止しつつ、上記吸着剤の機能再生が図られるもの
である。
【0068】即ち、上記触媒分解ユニットX1は、上記
吸着構造体20を加熱するヒーター22を備えたヒータ
ーユニット51と臭気成分を酸化分解する触媒27を備
えた触媒ユニット61とで構成されている。そして、上
記ヒーター22に通電すると、その発熱によって上記吸
着構造体20、即ち、該吸着構造体20を構成する吸着
剤が加熱されてこれが活性化され、該吸着剤に吸着保持
されていた臭気成分等が順次該吸着剤から脱離され、こ
れによって該吸着剤の吸着機能の再生が図られる(再生
処理)。この場合、上記触媒分解ユニットX1の上記ヒ
ーターユニット51の背面側に断熱板41が配置されて
いるので、上記ヒーターユニット51のヒーター22か
らの熱の外部への散逸が上記覆蓋部材42によって可及
的に抑制され、それだけ該ヒーター22による上記吸着
構造体20の加熱作用が促進され、それだけ上記吸着剤
の再生処理の迅速化が図れる。
【0069】また、この再生処理の際、上記ヒーター2
2の熱によって上記触媒ユニット61の触媒27も適度
に活性化され、上記吸着構造体20の吸着剤から脱離し
た臭気成分等が該触媒27に触れ、これが順次酸化分解
され、その無臭化・無害化が図られる(分解処理)。
【0070】この場合、上記触媒分解ユニットX1は、
上記吸着構造体20の筒壁部の表面の一部に近接対向す
るように配置されているので、この配置状態のままで
は、上記吸着構造体20の筒壁部のうち、上記触媒分解
ユニットX1に対向した部分のみが脱離処理及び分解処
理の対象となり、それ以外の部分については上記吸着剤
の再生が図れないことになる。しかし、この実施形態の
ものにおいては、上述のように、上記触媒分解ユニット
1と上記吸着構造体20とを、該触媒分解ユニットX1
が上記吸着構造体20に対してその筒壁部に沿ってその
周方向へ移動する如く該触媒分解ユニットX1を回転駆
動する上記駆動手段14が備えられているので、該触媒
分解ユニットX1は上記吸着構造体20の筒壁部に対応
した状態で、該吸着構造体20の筒壁部をその一方側か
ら他方側へ向かって移動し、順次、上記ヒーターユニッ
ト51によって該吸着構造体20の筒壁部における吸着
剤の再生処理を行うとともに、上記触媒ユニット61に
よって上記吸着剤から脱離した臭気成分等の分解処理を
行うことになる。
【0071】そして、上記触媒分解ユニットX1が上記
吸着構造体20の回りを一回転した時点において、該触
媒分解ユニットX1が該吸着構造体20の筒壁部の一部
にしか対向しない小さな形態、換言すれば、上記触媒2
7の使用量が少ない構成であるにも拘わらず、該吸着構
造体20の筒壁部の全域における吸着剤の再生処理と脱
離した臭気成分等の分解処理とが完了することになる。
従って、脱離成分の室内への漏洩による室内空気の再汚
染という問題は生じない。
【0072】しかも、この場合、この実施形態のものに
おいては、上記触媒分解ユニットX1が、該触媒分解ユ
ニットX1に対する上記吸着構造体20の回転方向前方
側に延出して該吸着構造体20の表面を部分的に覆蓋す
る覆蓋部材42を設けているので、上記ヒーター22に
よる加熱により上記吸着構造体20の吸着剤から脱離し
た臭気成分等は、該臭気成分等が上記触媒27によって
酸化分解されるまでの間、上記覆蓋部材42によって捕
捉拘引され、該臭気成分等が酸化分解処理がされないま
ま外部へ漏出するのが可及的に防止され、これにより脱
離した臭気成分等による室内空気の再汚染の防止がより
一層確実ならしめられる。
【0073】これらの結果、この実施形態の脱臭デバイ
スY1においては、脱離した臭気成分等の分解処理能力
を良好に維持しつつ、上記触媒27の使用量を減らすこ
とができ、該脱臭デバイスY1、延いては上記触媒分解
ユニットX1のコストダウンを図ることが可能となるも
のである。
【0074】以上のように、上記脱臭デバイスY1を備
えたこの実施形態の空気調和機Z1は、例えば理容院、
美容院等の店舗あるいは病院等の脱臭処理対象の空気量
が多い室内環境下で使用される場合においても高い脱臭
効果を得ることができ、実用上極めて有用である。
【0075】ここで、上記吸着構造体20及び上記触媒
分解ユニットX1と同様の作用効果を得ることのできる
該吸着構造体20の他の構造例、及び上記触媒分解ユニ
ットX1の他の構造例をいくつか説明する。
【0076】吸着構造体20の他の構造例 他の構造例1 図8には、他の構造例1にかかる吸着構造体20の要部
を示している。この構造例1の吸着構造体20は、上記
実施形態における上記吸着構造体20がハニカム構造を
もつ一層構造の円筒状形態とされていたのに対して、該
吸着構造体20をハニカム構造の円筒状形態をもつ複数
個(この実施形態では三個)の単位構造体20A,20
B,20Cを同軸状に積層して構成したものである。し
かも、その場合、これら各単位構造体20A,20B,
20Cの積層に際して、同図に示すように、該各単位構
造体20A,20B,20Cの通孔25,25,・・が
適宜量づつその平面方向へズレるようにこれら相互間の
相対位置を設定している。
【0077】かかる構成とすることで、同図に空気流A
で示すように、上記各単位構造体20A,20B,20
Cの通孔25,25,・・を通って上記吸着構造体20
の筒壁部を貫流する空気流Aはその流れが適宜蛇行し、
その流れに乱れが生じることになる。この結果、例え
ば、上記各単位構造体20A,20B,20Cの各通孔
25,25,・・が同軸上に位置し空気通路が直線的と
される場合に比して、該各単位構造体20A,20B,
20Cを構成する上記吸着剤に対する空気流Aの接触作
用が促進されその接触面積が増大し、例えば上記各単位
構造体20A,20B,20Cを積層してなる上記吸着
構造体20全体としての厚さを小さく抑えつつ高い吸着
能力を確保することができ、延いては該吸着構造体20
の小形軽量化と高い吸着能力の維持との両立が可能とな
るものである。
【0078】他の構造例2 図9には、他の構造例2にかかる吸着構造体20の要部
を示している。この構造例2の吸着構造体20は、上記
実施形態における吸着構造体20が吸着剤を焼結成形法
等によって円筒状形態に成形した構成とされていたのに
対して、該吸着構造体20を、次述するように、ハニカ
ム構造をもつ基体21の表面に吸着剤を付着又は塗布し
て構成したものである。
【0079】即ち、上記基体21は、図9に示すよう
に、例えば複数枚の不燃紙材18,18,・・を積層し
且つこれら相互間を、所定間隔をもって平行に延びる複
数の接合部19,19,・・において接合してこれらを
一体化するとともに、これら各不燃紙材18,18,・
・を積層方向に引張して上記各不燃紙材18,18,・
・を上記各接合部19,19,・・において紙厚方向の
両側へ交互に折曲させて、隣接する不燃紙材18,18
間に略菱形の断面形状をもつ複数の通孔25,25,・
・を形成することでハニカム構造としたものである。
【0080】そして、このようにして成形された上記基
体21の表面に、吸着剤29を適宜付着又は塗布するこ
とで上記吸着構造体20が得られるものである。
【0081】このように構成された吸着構造体20によ
れば、図10に示すように、室内空気が上記吸着構造体
20における上記各通孔25,25,・・部分を通って
流れることで、該室内空気中に含まれている臭気成分等
が上記吸着剤29によって吸着除去されるものである
が、その場合、該吸着剤29が室内空気の流路となる上
記通孔25,25,・・の表面に存在しているので、該
室内空気と吸着剤29との接触がより一層促進され、吸
着作用の効率化によって高い脱臭能力が発揮されるもの
である。また、室内空気が上記通孔25,25,・・を
通ることでその通風抵抗が少なく、それだけ、低動力で
且つ低騒音の運転が実現されるものである。
【0082】さらに、この構造例2の上記吸着構造体2
0によれば、上記基体21の表面に上記吸着剤29を付
着させることで構成されるものであることから、例えば
該吸着構造体20そのものを吸着剤によって一体的に成
形する場合に比して、比較的高価な吸着剤29の使用量
が少なくて良いことからコストダウンが可能となるとと
もに、その軽量化が促進されるという実用上極めて有用
な利点が得られる。
【0083】他の構造例3 図11には、他の構造例3にかかる吸着構造体20の要
部を示している。この構造例3の吸着構造体20は、上
記実施形態の吸着構造体20及び上記他の構造例1,2
の吸着構造体20とは異なって、アルミナ繊維、ガラス
繊維等の繊維材28,28,・・を所要厚さの円筒状形
態に編んで該吸着構造体20を構成し、且つこの繊維材
28,28,・・の表面に、図12に拡大図示するよう
に粒状の吸着剤29,29,・・を適宜付着させてい
る。
【0084】このような構成をもつ構造例3の吸着構造
体20によれば、該吸着構造体20の繊維材28,2
8,・・の編み目部分が空気流Aの流路として機能する
ことから空気流Aの通風抵抗が可及的に抑制され、低動
力・低騒音での脱臭運転が実現されるとともに、この流
路となる編み目部分の周囲に吸着剤29が集中的に配置
されていることから該吸着剤29による臭気成分等の吸
着作用が効率良く行われる。
【0085】また、このように、上記吸着構造体20
を、繊維材28,28,・・を編んで構成することで、
例えば上記実施形態のように上記吸着構造体20を吸着
剤によって一体形成する場合に比して、その低コスト化
あるいは軽量化を図ることが可能となるものである。
【0086】他の構造例4 図13には、他の構造例4にかかる吸着構造体20の要
部を示している。この構造例4の吸着構造体20は、上
記構造例3の吸着構造体20と同様に、繊維材28,2
8,・・を円筒状形態に編んで構成されるものである
が、この構造例4の吸着構造体20が上記構造例3の吸
着構造体20と異なる点は、上記吸着構造体20の編成
素材である上記繊維材28として、活性炭繊維等の臭気
成分の吸着能を有する繊維材を採用した点にある。従っ
て、この構造例4の吸着構造体20においては、上記構
造例3の吸着構造体20のように繊維材28に吸着剤2
9を付着させる必要がなく、それだけ製造コストの低廉
化が促進される。
【0087】他の構造例5 図14には、他の構造例5にかかる吸着構造体20の要
部を示している。この構造例5の吸着構造体20は、ス
テンレス製の金網を、円筒状形態に成形してこれを金網
成形体31とするとともに、この金網成形体31の内部
に粒子状の吸着剤32,32,・・を充填して構成され
たものである。
【0088】かかる構成をもつ構造例5の吸着構造体2
0においては、上記粒子状吸着剤32,32,・・相互
間の隙間が空気流Aの流路として機能することから、空
気流Aの通風抵抗が可及的に抑制され、低動力・低騒音
での脱臭運転が実現されるとともに、この流路となる隙
間部分の周囲が吸着作用をもつことから、上記粒子状吸
着剤32,32,・・による臭気成分等の吸着作用が効
率良く行われるものである。
【0089】さらに、上記金網成形体31の形状・寸法
を適宜変更してその内部に充填される粒子状吸着剤3
2,32,・・の充填量とか分布状態を調整すること
で、上記吸着構造体20の各部位間での吸着能力に差を
つけて、例えば空気流Aの風速分布が高い部位では高い
吸着能力をもつように構成し、該吸着構造体20の能力
の多様化を図ることが可能となるものである。
【0090】触媒分解ユニットの他の構造例 他の構造例1 図15には、上記触媒分解ユニットの他の構造例1にか
かる触媒分解ユニットX2の要部を示している。この構
造例1の触媒分解ユニットX2は、断熱性をもつ上記支
持基材41の内側に基材52を配置するとともに、この
基材52の左右両側縁部にそれぞれ帯板状のヒーター2
2,22を配置してこれをヒーターユニット51とする
一方、該ヒーターユニット51の各ヒーター22,22
の間に、触媒により多孔質の棒状に成形された触媒多孔
質体63を配置してこれを触媒ユニット61としたもの
である。
【0091】かかる構成とすることで、上記ヒーターユ
ニット51の各ヒーター22,22の加熱による再生処
理により上記吸着構造体20の吸着剤から脱離された臭
気成分等は、上記触媒多孔質体63が多孔質構造である
ことから該触媒との接触が促進され、脱離した臭気成分
等の分解処理がより確実に行われることになる。
【0092】他の構造例2 図16には、上記触媒分解ユニットの他の構造例2にか
かる触媒分解ユニットX3の要部を示している。この構
造例2の触媒分解ユニットX3は、上記構造例1の触媒
分解ユニットX2においては上記触媒ユニット61を触
媒でなる触媒多孔質体63で構成していたのに対して、
該触媒ユニット61を、例えばセラミック等からなる基
材基材62の表面に触媒27を付着又は塗布してこれを
触媒ユニット61としたものである。尚、ヒーターユニ
ット51の構成は上記構造例1の場合と同じである。
【0093】かかる構成とすることで、触媒27の使用
量をできるだけ少なくしつつ、大きな表面積を確保して
高い分解処理能力を得ることができ、触媒27の使用量
の低減によるコストダウンがさらに促進されることにな
る。
【0094】他の構造例3 図17には、上記触媒分解ユニットの他の構造例3にか
かる触媒分解ユニットX4の要部を示している。この構
造例3の触媒分解ユニットX4は、上記各構造例1,2
のものとは異なって、例えばセラミック製の板状の基材
52の内部にヒーター22,22,・・を埋設配置する
とともに、該基材52の表面に触媒27を付着又は塗布
してこれを複合ユニット50とし、この複合ユニット5
0を上記上記支持基材41の内面側に取り付けて構成し
たものである。、かかる構成とすると、上記支持基材4
1側には上記複合ユニット50のみを取り付ければ良い
ことから、上記各構造例1,2のように二つの部材を取
り付ける必要がある場合に比して、構造の簡略化あるい
はコストダウンが図れることになる。さらに、上記基材
52の表面に触媒27を付着又は塗布する構成であるこ
とから、該触媒27の使用量をできるだけ少なくしつつ
大きな表面積を確保することができ、触媒27の使用量
の低減によるコストダウンが可能となる。
【0095】他の構造例4 図18には、上記触媒分解ユニットの他の構造例4にか
かる触媒分解ユニットX5の要部を示している。この構
造例4の触媒分解ユニットX5は、上記構造例3の構造
をさらに進歩させたものてあって、触媒27により板状
に成形される触媒多孔質体63の内部に上記ヒーター2
2,22,・・を埋設配置した構成をもつものである。
かる構成とすることで、構造の簡略化あるいはコストダ
ウンがより一層促進されるものである。
【0096】第2の実施形態 図19には、本願発明の第2の実施形態にかかる脱臭デ
バイスY2を備えた空気調和機Z2を示している。この実
施形態の空気調和機Z2は、天井埋め込み型の室内機で
あって、天井に埋め込み配置されるケーシング1と、そ
の中央寄りに吸込口3を、外周寄りに吹出口4を、それ
ぞれ備えるとともに、上記ケーシング1の下面開口に室
内側から取り付けられたパネル2とを有している。そし
て、このケーシング1とパネル2とで囲繞される機内空
間11内に、モーター8により回転駆動されるファン7
を上記吸込口3に臨んで配置するとともに、該ファン7
の外周側には熱交換器6を立設配置し、さらに、上記吸
込口3に平盤状の除塵フィルター5を配置するととも
に、該除塵フィルター5の上側(即ち、上記ファン7寄
り)には、次述する円盤状形態をもつ脱臭デバイスY2
を配置している。
【0097】この空気調和機Z2においては、上記ファ
ン7の運転により上記吸込口3から機内空間1内に吸い
込まれる室内空気は、先ず、上記除塵フィルター5にお
いて室内空気中に浮遊している塵埃が捕捉除去されると
ともに、これに引き続いて、上記脱臭デバイスY2にお
いては、室内空気が該脱臭デバイスY2の吸着構造体2
0(次述する)をその厚さ方向に貫通して流れること
で、該室内空気中に含まれていたアンモニア等の臭気成
分とか一酸化炭素等の有害ガス成分が該吸着構造体20
を構成する吸着剤によって吸着され且つここに保持され
るものである。このように、上記除塵フィルター5にお
いて塵埃が除去されるとともに上記脱臭デバイスY2
おいて臭気成分等が吸着除去された後の清浄な室内空気
は、上記熱交換器6を通過する間に該熱交換器6内の冷
媒と熱交換して温風あるいは冷風として室内へ吹き出さ
れる。これにより、室内空気の除塵と脱臭及び温度調整
が行われるものである。
【0098】一方、空気調和機Z2の運転時間の増大と
ともに、上記脱臭デバイスY2における上記吸着構造体
20の吸着剤に吸着保持される臭気成分等の吸着量が次
第に増加し、これに伴って該吸着剤における吸着機能が
低下する。かかる場合には、後述する触媒分解ユニット
6により上記吸着構造体20の吸着能力の再生処理
と、再生処理により発生した臭気成分等の分解処理とが
行われ、上記吸着剤の吸着機能が回復せしめられるとと
もに、脱離臭気成分等による室内の再汚染の防止が実現
されるものである。
【0099】続いて、上記空気調和機Z2における脱臭
機能の主体をなす上記脱臭デバイスY2について、その
具体的構造等を説明する。
【0100】上記脱臭デバイスY2は、図20に示すよ
うに、円盤状の外観形態をもつ次述の吸着構造体20
と、該吸着構造体20の再生処理及び分解処理を行う後
述の触媒分解ユニットX6と、上記吸着構造体20を上
記触媒分解ユニットX6に対して相対回転させる後述の
駆動手段14とを備えて構成されている。
【0101】そして、上述のように、室内空気Aは、上
記吸着構造体20の下面側から導入された後、該吸着構
造体20の円盤部の全域からこれを貫流してその上面側
へ吹き出され、この円盤部を通過する間に室内空気中の
臭気成分等が吸着除去されるものである。以下、上記吸
着構造体20と触媒分解ユニットX6及び駆動手段14
についてそれぞれその構造等について説明する。
【0102】吸着構造体20 上記吸着構造体20は、吸着剤(例えば、疎水性ゼオラ
イト又は活性炭)を、例えば焼結成形法により円盤状に
成形して構成されている。尚、この実施形態において
は、図21に示すように、上記吸着構造体20を上記第
1の実施形態における吸着構造体20と同様に、吸着剤
を円盤状に一体成形したハニカム構造のものを採用して
いるが、この吸着構造体20の構造としては、この第1
の実施形態における吸着構造体20と同様の構造の外
に、上記した吸着構造体20の他の構造例1〜構造例5
のいずれの構造をも採用し得ることは勿論である。
【0103】また、上記吸着構造体20は、図示しない
回転支持機構によりその軸心を中心軸として回転自在と
されており、次述の駆動手段14から回転駆動力を受け
ることで適宜回転駆動される。
【0104】触媒分解ユニットX6 上記触媒分解ユニットX6は、上記吸着構造体20の再
生処理及び該吸着構造体20から脱離した臭気成分等の
酸化分解処理を行うものであって、図20及び図21に
示すように、次述の支持基材41に、ヒーターユニット
51と触媒ユニット61を取り付けて構成されており、
その基本構造は上記第1の実施形態にかかる脱臭デバイ
スY1における触媒分解ユニットX1と同様であって、こ
れと異なる点は、吸着構造体20に対する取り付け方向
である。
【0105】即ち、上記第1の実施形態の脱臭デバイス
1における触媒分解ユニットX1も、この第2の実施形
態の脱臭デバイスY2における触媒分解ユニットX6も、
略平行に対向する一対の側面41A,41Bを有する略
「コ」字状の外観形態をもつ支持基材41を備えるとと
もに、該各側面41A,41Bの内面側にそれぞれヒー
ターユニット51と触媒ユニット61とを装着して構成
されるものであるが、上記第1の実施形態における触媒
分解ユニットX1はこれを円筒状形態の吸着構造体20
の筒壁部に対してその上方から装着され且つ機側部材4
0に固定されるのに対して、この第2の実施形態の触媒
分解ユニットX6はこれを円盤状形態をもつ上記吸着構
造体20に対してその径方向外側からその円盤部を上下
方向に挟むように装着され且つ機側部材40に固定され
るものである。また、上記支持基材41の各側面41
A,41Bには、上記吸着構造体20の回転方向前方側
へ延出する覆蓋部材42,42がそれぞれ設けられてい
る。
【0106】尚、この実施形態の触媒分解ユニットX6
においては、上記吸着構造体20の盤面方向での回転に
伴って該触媒分解ユニットX6が該吸着構造体20の円
盤部の全域に対応すれば十分であることから、該触媒分
解ユニットX6の上記支持基材41の長さ寸法は、その
先端が上記吸着構造体20の回転中心よりも所定寸法だ
け前方へ突出し得るような長さに設定されている。
【0107】尚、この触媒分解ユニットX6において
は、上記ヒーターユニット51及び触媒ユニット61と
して、上記第1の実施形態の脱臭デバイスY1における
触媒分解ユニットX1と同様の構造のものを採用してい
るが、かかる構造のものに限定されるものではなく、こ
の外に、例えば上述した触媒分解ユニットの他の構造例
2〜X5のいずれをも適用できるものであることは勿論
である。
【0108】また、上記駆動手段14としては、上記第
1の実施形態の脱臭デバイスY1と同様に、上記吸着構
造体20の側方に配置されたモーター15と、該モータ
ー15に設けたプーリー17と上記吸着構造体20の外
周面との間に掛け回されるベルト16とで構成されてい
る。
【0109】以上のように構成された脱臭デバイスY2
を備えた空気調和機Z2においては、次のような作用効
果が奏せられる。
【0110】即ち、上記空気調和機Z2の運転開始によ
り、図19に空気流Aで示すように、室内空気は上記吸
込口3から上記脱臭デバイスY2の吸着構造体20の下
面側に吸入された後、該吸着構造体20の円盤部をその
厚さ方向に貫流する。そして、室内空気が上記吸着構造
体20の円盤部を貫流する間に、該室内空気に含まれて
いた臭気成分等が、該吸着構造体20を構成する吸着剤
によって順次吸着除去され、且つここに保持される。
【0111】この場合、上記吸着構造体20が円盤部形
態とされ、室内空気はその全量が、しかも該吸着構造体
20の円盤部の全域を貫流してその下面側から上面側へ
流れる構造とされているので、該吸着構造体20におけ
る通過空気の全量が該吸着構造体20における臭気成分
等の除去対象となる。このため、例えば、従来のように
平板状の脱臭ヒータの表面に触れる空気中に含まれてい
る臭気成分等のみが吸着除去対象となる構成の場合に比
して、該吸着構造体20において吸着除去される臭気成
分等の量が格段に多くなり、それだけ脱臭デバイスY2
における脱臭能力が飛躍的に向上することになる。
【0112】また、上記吸着構造体20が、吸着剤によ
り一体成形され且つその円盤部を厚さ方向に貫通する複
数の通孔25,25,・・を有するハニカム構造とされ
ているので、上記空気流Aが該各通孔25,25,・・
を通って流れることで、該空気流Aの通風抵抗を可及的
に抑えつつ該空気流Aと吸着剤との接触面積の増大を図
ることができ、この結果、より高い脱臭能力の確保及び
低動力化あるいは低騒音化が両立されることになる。
【0113】尚、上記脱臭デバイスY2において臭気成
分等が吸着除去された後の室内空気は、さらに上記熱交
換器6を通過することで該熱交換器6内の冷媒との間で
適宜熱交換が行われて温風あるいは冷風とされ、上記吹
出口4から室内へ吹き出され、これにより室内の温度調
整が実現されるものである。
【0114】一方、上記吸着構造体20を構成する吸着
剤は、臭気成分等の吸着運転の継続に伴い、該吸着剤に
吸着保持される臭気成分等の量が次第に増加してこれが
飽和状態に近付き、その吸着機能が次第に低下傾向とな
る。この場合には、吸着剤が飽和状態となる前に、一
旦、空気調和機Z1の吸着運転(即ち、空調運転)を停
止し、この状態で次述する上記触媒分解ユニットX6
作動させて、再生処理及び分解処理を行うことで、再生
処理に伴って発生する臭気成分等による室内空気の再汚
染を防止しつつ、上記吸着剤の機能再生が図られるもの
である。
【0115】即ち、上記触媒分解ユニットX6は、上記
吸着構造体20を加熱するヒーター22を備えたヒータ
ーユニット51と臭気成分を酸化分解する触媒27を備
えた触媒ユニット61とで構成されている。そして、上
記ヒーター22に通電すると、その発熱によって上記吸
着構造体20、即ち、該吸着構造体20を構成する吸着
剤が加熱されてこれが活性化され、該吸着剤に吸着保持
されていた臭気成分等が順次該吸着剤から脱離され、こ
れによって該吸着剤の吸着機能の再生が図られる(再生
処理)。この場合、上記触媒分解ユニットX6の上記ヒ
ーターユニット51の背面側に断熱板41が配置されて
いるので、上記ヒーターユニット51のヒーター22か
らの熱の外部への散逸が上記覆蓋部材42によって可及
的に抑制され、それだけ該ヒーター22による上記吸着
構造体20の加熱作用が促進され、それだけ上記吸着剤
の再生処理の迅速化が図れる。
【0116】また、この再生処理の際、上記ヒーター2
2の熱によって上記触媒ユニット61の触媒27も適度
に活性化され、上記吸着構造体20の吸着剤から脱離し
た臭気成分等が該触媒27に触れ、これが順次酸化分解
され、その無臭化・無害化が図られる(分解処理)。
【0117】この場合、上記触媒分解ユニットX6は、
上記吸着構造体20の円盤部の表面の一部に近接対向す
るように配置されているので、この配置状態のままで
は、上記吸着構造体20の円盤部のうち、上記触媒分解
ユニットX6に対向した部分のみが脱離処理及び分解処
理の対象となり、それ以外の部分については上記吸着剤
の再生が図れないことになる。しかし、この実施形態の
ものにおいては、上述のように、上記触媒分解ユニット
6と上記吸着構造体20とを、該触媒分解ユニットX6
が上記吸着構造体20に対してその平盤部に沿ってその
周方向へ移動する如く該触媒分解ユニットX6を回転駆
動する上記駆動手段14が備えられているので、該触媒
分解ユニットX6は上記吸着構造体20の円盤部に対応
した状態で、該吸着構造体20の円盤部をその外周に対
応してその一方側から他方側へ向かって移動すること
で、順次、上記ヒーターユニット51によって該吸着構
造体20の円盤部における吸着剤の再生処理が行われる
とともに、上記触媒ユニット61によって上記吸着剤か
ら脱離した臭気成分等の分解処理が行われることにな
る。
【0118】そして、上記触媒分解ユニットX6が上記
吸着構造体20の回りを一回転した時点において、該触
媒分解ユニットX6が該吸着構造体20の円盤部の一部
にしか対向しない小さな形態、換言すれば、上記触媒2
7の使用量が少ない構成であるにも拘わらず、該吸着構
造体20の円盤部の全域における吸着剤の再生処理と脱
離した臭気成分等の分解処理とが完了することになる。
従って、脱離成分の室内への漏洩による室内空気の再汚
染という問題は生じない。
【0119】しかも、この場合、この実施形態のものに
おいては、上記触媒分解ユニットX6が、該触媒分解ユ
ニットX6に対する上記吸着構造体20の回転方向前方
側に延出して該吸着構造体20の表面を部分的に覆蓋す
る覆蓋部材42を設けているので、上記ヒーター22に
よる加熱により上記吸着構造体20の吸着剤から脱離し
た臭気成分等は、該臭気成分等が上記触媒27によって
酸化分解されるまでの間、上記覆蓋部材42によって捕
捉拘引され、該臭気成分等が酸化分解処理がされないま
ま外部へ漏出するのが可及的に防止され、これにより脱
離した臭気成分等による室内空気の再汚染の防止がより
一層確実ならしめられる。
【0120】これらの結果、この実施形態の脱臭デバイ
スY2においては、脱離した臭気成分等の分解処理能力
を良好に維持しつつ、上記触媒27の使用量を減らすこ
とができ、該脱臭デバイスY2、延いては上記触媒分解
ユニットX6のコストダウンを図ることが可能となるも
のである。
【0121】以上のように、上記脱臭デバイスY2を備
えたこの実施形態の空気調和機Z2は、例えば理容院、
美容院等の店舗あるいは病院等の脱臭処理対象の空気量
が多い室内環境下で使用される場合においても高い脱臭
効果を得ることができ、実用上極めて有用である。
【0122】第3の実施形態 図22には、本願発明の第3の実施形態にかかる脱臭機
3を示している。この脱臭機Z3は、上記第1の実施形
態にかかる空気調和機Z1の構成から、上記熱交換器6
を取り除いた構成とされている。即ち、脱臭機Z3は、
上記ケーシング1とパネル2とで囲繞される機内空間1
1内に、モーター8により回転駆動されるとともに上記
外側空間11A内に配置された外側羽根車7Aと上記内
側空間11B内に配置された内側羽根車7Bとを備えた
ファン7と、円筒状の外観形態をもち且つ上記ファンの
外側羽根車7Aの内側に立設配置される脱臭デバイスY
とを収容して構成されている。
【0123】そして、この脱臭機Z3においては、上記
ファン7の運転により上記吸込口3から機内空間11内
に吸い込まれる室内空気Aは、先ず、上記除塵フィルタ
ー5において該室内空気A中に浮遊している塵埃が捕捉
除去されるとともに、これに引き続いて、上記脱臭デバ
イスYの筒壁部をその厚さ方向に貫通して流れること
で、該室内空気A中に含まれていたアンモニア等の臭気
成分とか一酸化炭素等の有害ガス成分が該脱臭デバイス
Yに含まれている吸着剤によって吸着され且つここに保
持され、これにより室内空気の除塵と脱臭が行われるも
のである。
【0124】ここで、この脱臭機Z3に適用される上記
脱臭デバイスYとしては、上記第1の実施形態の空気調
和機Z1に適用された円筒状の外観形態をもつ脱臭デバ
イスY1とされる。従って、上述の如く上記脱臭デバイ
スY1が高い脱臭能力を発揮するものであることから、
これを備えた上記脱臭機Z3も高い脱臭能力をもつこと
になり、例えば病院とか美容院等の臭気成分の発生量の
多い環境に適用される脱臭機として好適なものとなる。
【0125】第4の実施形態 図23には、本願発明の第4の実施形態にかかる脱臭機
4を示している。この脱臭機Z4は、上記第2の実施形
態にかかる空気調和機Z2の構成から、上記熱交換器6
を取り除いた構成とされている。即ち、脱臭機Z4は、
上記ケーシング1とパネル2とで囲繞される機内空間1
1内に、モーター8により回転駆動され且つ上記吸込口
3に臨んで配置される上記ファン7と、上記吸込口3に
臨んで配置される平盤状の除塵フィルター5と、該除塵
フィルター5の上側に配置される円盤状形態をもつ脱臭
デバイスYとを収容して構成される。
【0126】そして、この脱臭機Z4においては、上記
ファン7の運転により上記吸込口3から機内空間11内
に吸い込まれる室内空気Aは、先ず、上記除塵フィルタ
ー5において該室内空気A中に浮遊している塵埃が捕捉
除去されるとともに、これに引き続いて、上記脱臭デバ
イスYの平盤部をその厚さ方向に貫通して流れることで
該室内空気A中に含まれていたアンモニア等の臭気成分
とか一酸化炭素等の有害ガス成分が該脱臭デバイスYに
おいて吸着され且つここに保持され、これにより室内空
気の除塵と脱臭が行われるものである。
【0127】ここで、この脱臭機Z4に適用される上記
脱臭デバイスYとしては、上記第2の実施形態の空気調
和機Z2に適用された平盤状の外観形態をもつ脱臭デバ
イスY2とされる。従って、上述の如く上記脱臭デバイ
スY2が高い脱臭能力を発揮するものであることから、
これを備えた上記脱臭機Z4も高い脱臭能力をもつこと
になり、例えば病院とか美容院等の臭気成分の発生量の
多い環境に適用される脱臭機として好適なものとなる。
【0128】触媒の説明 ここで、上記各触媒分解ユニットX1〜X6において臭気
成分等の分解処理の主体となる上記触媒27について説
明する。
【0129】触媒は、上述のように、吸着剤から脱離さ
れる臭気成分等を酸化分解するためのものであって、上
記各実施形態においては、触媒として、Al23,Zr
2,CeO2,SiO2又はゼオライトのうちの少なく
とも一種以上の金属酸化物又は金属の複合酸化物又は金
属酸化物の混合物のいずれかを担体とし、この担体に触
媒成分としてAg,Pd,Pt,Mn,Rh,Fe又は
Coのうちの少なくとも一種以上の金属又はこれらの金
属からなる金属酸化物を担持させて構成している。そし
て、これら各触媒は、本願発明にかかる新規な構成をも
つものであって、従来構成の触媒の場合に比して、高水
準の分解性能を発揮するものである。
【0130】即ち、本願発明者らは、上掲の各触媒によ
る臭気成分等の分解性能を試験により確認し、その結果
を、図24に従来の触媒との比較において示した。
【0131】即ち、本願発明の触媒試料として、上掲の
七つの実施例触媒を用意した。第1実施例の触媒は、C
eO2を担体とし、これに触媒成分Agを担持させたも
の。第2実施例の触媒は、ZrO2を担体とし、これに
触媒成分Rhを担持させたもの。第3実施例の触媒は、
CeO2を担体とし、これを触媒成分Pdに担持させた
もの。第4実施例の触媒は、CeO2−Fe34を担体
とし、これに触媒成分Pdを担持させたもの。第5実施
例の触媒は、CeO2を担体とし、これに触媒成分Pd
及びPtを担持させたもの。第6実施例の触媒は、Ce
2−SiO2を担体とし、これに触媒成分Pdを担持さ
せたもの。第7実施例の触媒は、CeO2−Fe34
担体とし、これに触媒成分Mnを担持させたもの。一
方、比較触媒としては、以下の三つの比較触媒を用意し
た。第1比較例の触媒は、Al23を担体とし、これに
触媒成分Niを担持させたもの。
【0132】第2比較例の触媒は、Al23を担体と
し、これに触媒成分Agを担持させたもの。
【0133】第3比較例の触媒は、Al23を担体と
し、これに触媒成分Ruを担持させたもの。
【0134】このような各実施例触媒と比較例触媒のそ
れぞれについて分解性能を評価した。尚、試験方法は、
上記各触媒を、固定床流通式反応装置に組み込み、且つ
該各触媒に水素還元処理を施した後、臭気成分としてト
リメチルアミン200ppmを含む、塩素20%とヘリ
ウム80%の混合ガスを、温度200℃、空間速度30
000ml/h/gで通す方法を採用した。そして、性
能評価は、各触媒における生成物を測定することで行っ
た。
【0135】図24に示す評価結果から、本願発明の各
実施例触媒はトリメチルアミンの酸化分解率が65%〜
99%と極めて高く、酸化分解率が10%〜26%であ
る各比較例触媒に比べて、非常に高性能の分解触媒であ
ることが判る。従って、かかる各実施例触媒を脱臭デバ
イスにおける触媒として採用することで、脱離した臭気
成分等の分解処理がより一層確実ならしめられるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態にかかる脱臭デバイ
スを備えた空気調和機の構造を示す断面図である。
【図2】図1に示した脱臭デバイスの構造を示す斜視図
である。
【図3】図2のIII−III拡大断面図である。
【図4】図3のIV−IV拡大断面図である。
【図5】図2に示した脱臭デバイスにおける吸着構造体
の構造を示す斜視図である。
【図6】図5に示した吸着構造体における空気の流れ状
態の説明図である。
【図7】図2に示した脱臭デバイスにおける分解ユニッ
トの構造を示す要部斜視図である。
【図8】図2に示した吸着構造体の他の構造例における
空気の流れ状態の説明図である。
【図9】図2に示した脱臭デバイスにおける吸着構造体
の他の構造例を示す斜視図である。
【図10】図9に示した吸着構造体における空気の流れ
状態の説明図である。
【図11】図2に示した脱臭デバイスにおける吸着構造
体の他の構造例を示す斜視図である。
【図12】図11の要部拡大図である。
【図13】図2に示した脱臭デバイスにおける吸着構造
体の他の構造例を示す斜視図である。
【図14】図2に示した脱臭デバイスにおける吸着構造
体の他の構造例を示す斜視図である。
【図15】図2に示した脱臭デバイスにおける分解ユニ
ットの他の構造例を示す要部斜視図である。
【図16】図2に示した脱臭デバイスにおける分解ユニ
ットの他の構造例を示す要部斜視図である。
【図17】図2に示した脱臭デバイスにおける分解ユニ
ットの他の構造例を示す要部斜視図である。
【図18】図2に示した脱臭デバイスにおける分解ユニ
ットの他の構造例を示す要部斜視図である。
【図19】本願発明の第2の実施形態にかかる脱臭デバ
イスを備えた空気調和機の構造を示す断面図である。
【図20】図19に示した脱臭デバイスの構造を示す斜
視図である。
【図21】図20のXXI−XXI拡大断面図である。
【図22】本願発明の第3の実施形態にかかる脱臭デバ
イスを備えた脱臭機の構造を示す断面図である。
【図23】本願発明の第4の実施形態にかかる脱臭デバ
イスを備えた脱臭機の構造を示す断面図である。
【図24】本願発明にかかる脱臭用触媒と従来の脱臭用
触媒との臭気分解性能の比較説明図である。
【符号の説明】
1はケーシング、2はパネル、3は吸込口、4は吹出
口、5は除塵フィルター、6は熱交換器、7はファン、
7Aは外側羽根車、7Bは内側羽根車、8はモーター、
9はファン支持材、10はハブ部材、11は機内空間、
11Aは外側空間、11Bは内側空間、12はベルマウ
ス、13は通風路、14は駆動手段、15はモーター、
16はベルト、17はプーリー、18は不燃紙材、19
は接合部、20は吸着構造体、21は基体、22はヒー
ター、24はランド部、25は通孔、27は触媒、28
は繊維材、29は吸着剤、31は金網成形体、32は粒
子状吸着剤、39は支持ローラー、40は機側部材、4
1は支持基材、42は覆蓋部材、50は複合ユニット、
51はヒーターユニット、52は基材、61は触媒ユニ
ット、62は基材、63は触媒多孔質体、X1〜X6は触
媒分解ユニット、Y1〜Y3は脱臭デバイス、Z1及びZ2
は空気調和機、Z3及びZ4は脱臭機である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F24F 3/16 B01D 53/36 H

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭気成分を吸着する吸着剤(29)を含
    み且つ円筒状又は円盤状の外観形態を有する如く形成さ
    れるとともにその筒壁部又は円盤部に空気流が貫流せし
    められる如く構成された吸着構造体(20)と、 上記吸着構造体(20)を加熱するヒーター(22)と
    臭気成分を酸化分解する触媒(27)とを備え且つ該吸
    着構造体(20)の筒壁部又は平盤部の表面の一部に近
    接対向するように配置された触媒分解ユニット(X1
    6)と、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)が上記吸着構造体
    (20)に対してその周壁又は平盤部に沿ってその周方
    向へ移動する如く該触媒分解ユニット(X1〜X6)と上
    記吸着構造体(20)とを相対移動させる駆動手段(1
    4)とを備えたことを特徴とする脱臭デバイス。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記吸着構造体(20)が、上記吸着剤(29)により
    一体成形されるとともにその筒壁部又は平盤部を厚さ方
    向に貫通する複数の通孔(25),(25),・・を有
    するハニカム構造とされていることを特徴とする脱臭デ
    バイス。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記吸着構造体(20)が、円筒状又は円盤状形態を有
    するとともにその筒壁部又は平盤部を厚さ方向に貫通す
    る複数の通孔(25),(25),・・を備えたハニカ
    ム構造の基体(21)の表面に、上記吸着剤(29)を
    付着又は塗布して構成されていることを特徴とする脱臭
    デバイス。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記吸着構造体(20)が、活性炭繊維等の臭気成分の
    吸着能を有する繊維材(28)を円筒状又は円盤状に編
    んで構成されていることを特徴とする脱臭デバイス。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記吸着構造体(20)が、その表面に上記吸着剤(2
    9)を付着させたアルミナ繊維、ガラス繊維等の繊維材
    (28)を円筒状又は円盤状に編んで構成されているこ
    とを特徴とする脱臭デバイス。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 上記吸着構造体(20)が、金網を中空の円筒状又は円
    盤状に成形してなる金網成形体(31)の内部に粒子状
    の吸着剤(32),(32),・・を充填して構成され
    ていることを特徴とする脱臭デバイス。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 上記触媒(27)が、Al23,ZrO2,CeO2,S
    iO2又はゼオライトのうちの少なくとも一種以上の金
    属酸化物又は金属の複合酸化物又は金属酸化物の混合物
    のいずれかを担体とし、この担体に触媒成分としてA
    g,Pd,Pt,Mn,Rh,Fe又はCoのうちの少
    なくとも一種以上の金属又はこれらの金属からなる金属
    酸化物を担持させてなることを特徴とする脱臭デバイ
    ス。
  8. 【請求項8】 請求項2又は3において、 上記吸着構造体(20)が、上記通孔(25),(2
    5),・・を備えたハニカム構造をもつ円筒状又は円盤
    状形態の複数の単位構造体(20A),(20B),
    (20C),・・を積層して構成されるとともに、該各
    単位構造体(20A),(20B),(20C),・・
    の上記通孔(25),(25),・・を順次通って流れ
    る空気流(A)が該各単位構造体(20A),(20
    B),(20C),・・を通過する間に乱流を発生する
    ように該各単位構造体(20A),(20B),(20
    C),・・の配置位置が相対的に設定されていることを
    特徴とする脱臭デバイス。
  9. 【請求項9】 請求項1,2,3,4,5,6,7又は
    8において、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)が、基材(52)に
    上記ヒーター(22)を埋設配置してなるヒーターユニ
    ット(51)と、基材(62)の表面に触媒(27)を
    付着又は塗布してなる触媒ユニット(61)とを備えて
    いることを特徴とする脱臭デバイス。
  10. 【請求項10】 請求項1,2,3,4,5,6,7又
    は8において、上記触媒分解ユニット(X1〜X6)が、
    上記ヒーター(22)を基材(53)に取り付けてなる
    ヒーターユニット(51)と、上記触媒(27)により
    多孔質状に成形された触媒多孔質体(63)でなる触媒
    ユニット(61)とを備えていることを特徴とする脱臭
    デバイス。
  11. 【請求項11】 請求項1,2,3,4,5,6,7
    又は8において、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)が、基材(52)の
    表面に上記ヒーター(22)を取り付けてなるヒーター
    ユニット(51)と、基材(62)の表面に触媒(2
    7)を付着又は塗布してなる触媒ユニット(61)とを
    備えていることを特徴とする脱臭デバイス。
  12. 【請求項12】 請求項1,2,3,4,5,6,7又
    は8において、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)が、上記ヒーター
    (22)を埋設配置してなる基材(52)の表面に上記
    触媒(27)を付着又は塗布してなる複合ユニット(5
    0)を備えていることを特徴とする脱臭デバイス。
  13. 【請求項13】 請求項1,2,3,4,5,6,7又
    は8において、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)が、上記触媒(2
    7)により多孔質状に成形された触媒多孔質体(63)
    に上記ヒーター(22)を埋設配置してなる複合ユニッ
    ト(50)を備えていることを特徴とする脱臭デバイ
    ス。
  14. 【請求項14】 請求項9,10,11,12又は13
    において、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)に、該触媒分解ユニ
    ット(X1〜X6)に対する上記吸着構造体(20)の相
    対回転方向の前方側に延出して該吸着構造体(20)の
    表面を部分的に覆蓋する覆蓋部材(42)が設けられて
    いることを特徴とする脱臭デバイス。
  15. 【請求項15】 請求項9,10,11,12又は13
    において、 上記触媒分解ユニット(X1〜X6)の上記ヒーターユニ
    ット(51)又は複合ユニット(50)の背面側に断熱
    板(41)が配置されていることを特徴とする脱臭デバ
    イス。
  16. 【請求項16】 吸込口(3)と吹出口(4)とを備え
    たケーシング(1)内に、該吸込口(3)から吹出口
    (4)に向かう気流を発生させるファン(7)を配置す
    るとともに、上記吸込口(3)から上記吹出口(4)に
    至る空気流路中に、上記請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8,9,10,11,12,13,14又は1
    5に記載の脱臭デバイス(Y)を配置して構成されたこ
    とを特徴とする脱臭機。
  17. 【請求項17】 吸込口(3)と吹出口(4)とを備え
    たケーシング(1)内に熱交換器(6)とファン(7)
    とを配置してなる空気調和機であって、 上記吸込口(3)から上記吹出口(4)に至る空気流路
    中に、上記請求項1,2,3,4,5,6,7,8,
    9,10,11,12,13,14又は15に記載の脱
    臭デバイス(Y)が配置されていることを特徴とする空
    気調和機。
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