JPH1126567A - 半導体ウェハ包装容器のウェハカセット - Google Patents

半導体ウェハ包装容器のウェハカセット

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Publication number
JPH1126567A
JPH1126567A JP17850797A JP17850797A JPH1126567A JP H1126567 A JPH1126567 A JP H1126567A JP 17850797 A JP17850797 A JP 17850797A JP 17850797 A JP17850797 A JP 17850797A JP H1126567 A JPH1126567 A JP H1126567A
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JP
Japan
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wafer
wafer cassette
front side
groove
semiconductor wafer
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Application number
JP17850797A
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English (en)
Inventor
Atsuhiko Hirozawa
敦彦 広沢
Manabu Sotooka
学 外岡
Haruto Akimoto
治人 秋元
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体ウェハが縦置き状態にあるウェハカセッ
トの支持凹溝内で自動的に位置決めされ、同凹溝内でガ
タつきや傾倒することなく、垂直姿勢で安定して保持さ
れるウェハカセットを提供する。 【解決手段】半導体ウェハ包装容器に収容されるウェハ
カセット(1) は、フロント及びリアのサイドドメイン
(4,5) に多数の半導体ウェハを所定の間隔を置いて並列
支持するための、標準化された断面形状を有する支持凹
溝(7) を備えている。前記支持凹溝(7) はそのほぼ全長
にわたり同一の前記断面形状を有している。前記フロン
ト及びリアのサイドドメイン(4,5) は前記凹溝(7) の内
部にそれぞれに少なくとも1以上の、三角リブ(7e)から
なる保持部が局部的に設けられている。前記三角リブ(7
e)は前記支持凹溝(7) の傾斜底面(7d)との間で前記断面
の透視方向に略V字形状をなしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウェハ包装
容器の内部に収納され、複数枚の半導体ウェハを所定の
間隔をおいて並列支持するウェハカセットに関し、具体
的には半導体ウェハが収容された同ウェハカセットが縦
置き状態にあるときに、半導体ウェハが前記ウェハカセ
ット内で自動的に位置決めされ、同カセットの内面と衝
接して汚染又は破損されることのないよう、半導体ウェ
ハを前記ウェハカセット内で安定して保持することがで
きるウェハカセットに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウェハの包装容器は、通常、複数
の半導体ウェハを収容するウェハカセット、ウェハカセ
ットを収納保持する容器本体、ウェハの周縁を弾性的に
把持するウェハ押圧部材等から構成されている。そし
て、前記ウェハカセット及び外箱本体の一般的な材質と
しては、ポリプロピレンが使われており、蓋体はポリプ
ロピレン又はポリカーボネートから構成されている。ま
た、前記ウェハ押圧部材にはポリエチレン又は熱可塑性
エラストマー等が使われる。
【0003】前記半導体ウェハはシリコン等の単結晶を
薄くスライスして製造されるものであり、脆性が高い上
に汚染による物性への影響が大きいため、包装時はもと
より輸送中や以降の各種処理工程において、その破損や
汚染を防止するための最大限の努力が払われなければな
らない。即ち、前記半導体ウェハの前記包装容器への収
納時には、同ウェハのウェハカセットとの衝接による汚
染或いは損傷を回避しなければならず、更には、包装状
態にあっても、外部からの衝撃によるウェハの破損を防
ぐばかりでなく、容器内におけるウェハ押圧部材との摩
擦などで発生するパーティクルによる汚染を避ける必要
がある。そのため、容器収容時のウェハの固定性を確保
すると共にウェハカセットやウェハ押圧部材等との面接
触やその摩擦を避けること等が厳しく要求される。
【0004】従来は、半導体ウェハの最大径がせいぜい
8インチであり、特にウェハカセットへのウェハ収容、
同カセットからのウェハ取出しが専ら人手に頼っていた
がため、必要最小限の要求は満足されていたが、ウェハ
径の大型化に伴う様々な課題が発生し、それらの課題に
対する標準化の検討がなされてきている。具体的には、
12インチ(300mm)の最大径をもつ半導体ウェハ
の実用化が決まっている。更には、今後に予測されると
ころでは12インチ以上の径にも対応できるよう、半導
体ウェハの大型化に向けて同ウェハの製造元、輸送関連
分野、デバイスメーカなど半導体ウェハを取扱う多様な
分野において、それぞれのウェハ取扱い仕様等の標準化
がなされることは必至である。
【0005】前述のウェハ包装容器に対する基本的な部
分における標準化が、既に国際的な規格であるSEMI
(Semiconductor Equipment and Material Internationa
l)により決定されている。その規格化の基本理念は半導
体ウェハの大型化に伴う多様な処理工程における全自動
化に適切に対応することにある。すなわち、従来は人手
に頼っていた部分、例えばデバイスメーカにおける洗
浄、プリント、切断等の多様な工程内の処理が標準化さ
れ、各工程における半導体ウェハの取扱いを全てロボッ
トに任せ、完全な自動化を図ろうとするものである。そ
の結果、ウェハ包装容器にあっても前記自動化に適合さ
せる必要に迫られる。因みに、デバイスメーカに搬入さ
れた半導体ウェハは、デバイスの各種処理工程において
全て水平姿勢で取り扱われることが基本となっている。
【0006】一方、半導体ウェハを包装容器に収容して
デバイスメーカまで輸送する場合に、衝撃に対する破損
や振動等によるウェハカセット等の支持部材との接触摩
擦による汚染の発生を回避するには、半導体ウェハの輸
送姿勢をガタツキが発生しないようにしっかりと固定さ
せておくことが必要である。
【0007】かかる要請に基づき従来も大型ウェハ用の
包装容器が開発されている。この大型の半導体ウェハ用
包装容器は、大別すると縦置タイプと横置タイプの2タ
イプに分けられる。すなわち、縦置タイプのウェハ包装
容器は、半導体ウェハを収容支持したウェハカセットを
垂直姿勢で容器本体に収納し、後の処理工程では前記ウ
ェハカセットを水平姿勢に転換して半導体ウェハを抜き
出すタイプであり、横置タイプのウェハ包装容器は、半
導体ウェハを収容支持したウェハカセットを水平姿勢で
容器本体に収納し、その水平姿勢のままウェハカセット
を容器本体から取り出してウェハを抜き出すタイプであ
る。
【0008】ここで、現時点における上記SEMI規格
では、半導体ウェハを水平姿勢で輸送する上記横置タイ
プの半導体ウェハ包装容器について、前記ウェハカセッ
トの仕様が標準化され、その基本構造は共通化されてい
る。しかしながら、今後、半導体ウェハを垂直姿勢で輸
送するとともに、そのウェハカセットを縦置姿勢で操作
する縦置タイプの半導体ウェハ包装容器及びウェハカセ
ットが標準化されていくことも十分に考えられる。従っ
て、本発明は、現在のSEMI規格に則った横置タイプ
のウェハカセットだけでなく、将来に向けての縦置タイ
プのウェハカセットに対する適用の可能性を含めて検討
されている。
【0009】縦型及び横型のいずれのタイプの半導体ウ
ェハ包装容器においても、複数枚の半導体ウェハはウェ
ハカセットのフロント及びリアサイドドメインの内面に
並列して形成されている半導体ウェハの支持凹溝内に収
容支持されている。なお、本明細書においてフロントと
は、ウェハカセットに半導体ウェハを挿入する側をい
い、リアとは同挿入側とは反対の奥側をいう。
【0010】このように前記ウェハカセットを容器本体
の内部に収納した状態で同容器本体が係着手により閉塞
される。このとき、前記容器本体の裏面中央部には前記
支持凹溝と同一形態をもつ複数の凹溝が形成されたウェ
ハ押圧部材が取り付けられており、係着部材により容器
本体を閉塞するとき、ウェハカセットの支持凹溝内に収
容支持された複数枚の半導体ウェハの対向する各周縁を
前記ウェハ押圧部材の各凹溝に収容すると同時に同押圧
部材で押圧して、容器内における半導体ウェハはガタツ
キのないように、しっかりと把持される。
【0011】ここで留意しなければならない点は、上記
ウェハカセットの容器本体に対する挿脱操作、或いは大
径の半導体ウェハを上記ウェハカセットから抜き出した
り、挿入したりするのは専らロボットによってなされる
ことである。従って、このロボットのカセット把持部及
びウェハグリップ部も規格化されており、例えば半導体
ウェハをウェハカセットから抜き出すときにウェハを破
損させることなく円滑に移動できるように同グリップ部
のウェハカセット内での最大移動範囲やグリップ力の許
容範囲等が規格化されている。
【0012】この規格化に対応して、前記ウェハカセッ
トのフロント及びリアサイドドメインの形成領域につい
ても制限がある。上記SEMI規格によれば、図13に
示すように、前記ウェハカセット31の前後に延びる中
心線Aと前記フロントサイドドメイン34の内側端との
間隔x3が125mm以上で、且つ同中心線Aとフロン
トサイドドメイン34の外側端との間隔x9は167m
m以下に、更に、前記ウェハカセットの左右に延びる中
心線Bと前記フロントサイドドメイン34のリア側端部
との間隔y4は85mm以下に規制されている。また、
リアサイドドメイン35は、中心線Aとその内側端との
間隔x1が50mm以上で、外側端との間隔x2は75
mm以下に、更に、前記ウェハカセットの左右に延びる
中心線Bと前記リアサイドドメイン35のフロント側端
部との間隔y5は120mm以下、リア側端部との間隔
y6は152mm以下に規制されている。
【0013】また、フロント及びリアサイドドメインに
形成されている上記支持凹溝の形態に関しても、前記S
EMI規格に厳しく規定されている。この規定によれ
ば、前記支持凹溝の溝幅wは300mmφの半導体ウェ
ハWの半径に対応させた奥行きまでの間を少なくとも6
mm幅とすることが規定され、これは通常の半導体ウェ
ハの肉厚(0.775mm)の略10倍弱もあることに
なる。更に、前記支持凹溝は図14に示すように、同凹
溝37の溝側面37aはトップ及びボトムドメインと平
行な平面に形成されいる。更に、その溝底面が溝幅中央
で2分され、一方の溝底面37cは溝側面37aに対し
て直交し、他方の溝底面37dは溝側面37aに対して
傾斜させている。このように溝底面の半分を傾斜底面3
7dに形成しているのは、半導体ウェハを垂直に立てて
輸送する輸送姿勢から、後の処理工程のために水平姿勢
に転換して溝側面37aにウェハを載置する際に、前記
溝側面37aに前記半導体ウェハが衝接しないよう、前
記傾斜底面37dにより半導体ウェハを溝側面37aま
で案内させるためである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記半導体
ウェハ包装容器は半導体ウェハを収容支持した前記ウェ
ハカセットを容器本体に収納し、同容器本体を係着部材
により閉塞するが、このとき、前記ウェハカセットに収
容された半導体ウェハは、前記容器本体の裏面に設けら
れたウェハ押圧部材により把持され、前記ウェハカセッ
トの支持から離れる。この容器本体を閉塞する際に、前
記半導体ウェハは前記ウェハカセット内で等間隔に平行
に並列された所定の姿勢になければならない。しかしな
がら、前記ウェハカセットに形成された支持凹溝の溝幅
は、上述したように半導体ウェハの肉厚の略10倍弱も
あり、しかも、前記ウェハカセット内では半導体ウェハ
は単に支持されているにすぎない。そのため、前記半導
体ウェハは前記ウェハカセット内で傾倒しやすく、その
ような所定の姿勢で支持されていない場合には、半導体
ウェハの周縁が前記ウェハ押圧部材の所定位置に導かれ
ず、同ウェハ押圧部材により半導体ウェハが汚染され、
或いは損傷されることがある。
【0015】更に、通常の作業では、半導体ウェハの処
理位置の近傍で、容器本体からウェハカセットを取り出
し、半導体ウェハが水平姿勢をとるよう、前記カセット
の姿勢を変換する。しかしながら、ウェハカセットを容
器本体から取り出して、同カセットを人手、或いはロボ
ットにより所定の作業位置まで持ち運ばなければならな
い場合もある。そのような場合に、ウェハカセットを水
平姿勢で移動させると、同カセットのウェハ取り出し部
位から半導体ウェハが滑り出て、汚染され或いは滑落す
るおそれもある。また、垂直姿勢で移動させる場合に
は、前記支持凹溝内で半導体ウェハが揺動し、同ウェハ
が前記支持凹溝に衝接し、或いは半導体ウェハ同士で接
触して、汚染又は損傷される。
【0016】本発明はかかる課題を解決すべくなされた
ものであり、その具体的な目的は、縦置き姿勢にあるウ
ェハカセットに対する多数の半導体ウェハの収容時、並
びにウェハカセットの姿勢転換時に、半導体ウェハが支
持凹溝内の所定の位置へ自動的に位置決めされ、ガタつ
きや傾倒することなく垂直姿勢を維持して安定保持さ
れ、また半導体ウェハ包装容器の容器本体に対するウェ
ハカセットの挿脱時、或いはウェハを収容した同カセッ
トの単独移動時にも、前記ウェハが支持凹溝の側面に衝
接したりウェハ同士が接触したりしないような半導体ウ
ェハの自立機構を備えたウェハカセットを提供すること
にある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上述の目的
を達成するために、本発明は、半導体ウェハ包装容器に
収容され、フロント及びリアのサイドドメインに多数の
半導体ウェハを所定の間隔を置いて並列支持するため
の、標準化された断面形状を有する支持凹溝を備えた半
導体ウェハのカセットであって、前記支持凹溝はそのほ
ぼ全長にわたり同一の前記断面形状を有し、同凹溝内部
には前記断面の透視方向に略V字形状をなす保持部が局
部的に設けられてなることを特徴とするウェハカセット
を主要な構成としている。
【0018】本発明の標準化された断面形状とは汎用さ
れている形状であり、現在は、溝底面が溝幅方向の略中
央で2分されており、半導体ウェハを横置きしたときに
半導体ウェハの載置面となる溝側面に連続する側の底面
が傾斜した形状をいう。これは上述のSEMI規格にも
則った形状である。勿論、今後、汎用されている支持凹
溝の断面形状又はSEMI規格により規定されている凹
溝の形状が変更された場合には、その変更された形状に
も適用される。
【0019】前記構成を備えたウェハカセットは、縦置
き状態にあるときに、半導体ウェハをフロント及びリア
のサイドドメインに形成された少なくとも4ヵ所の保持
部により自動的に位置決し、4点で確実に保持する。そ
のため、前記支持凹溝の溝幅が半導体ウェハの厚みより
もかなり大きくても、同凹溝内で前記半導体ウェハが傾
倒することはなく、多数のウェハを所定の間隔をもって
垂直姿勢で安定して保持することができる。
【0020】また、上述のように半導体ウェハがウェハ
カセット内に確実に保持されるため、同カセットを容器
本体に収納して係着部材により閉塞する際に、前記ウェ
ハカセットに収容された多数の半導体ウェハは、前記容
器本体の裏面に設けられたウェハ押圧部材の所定位置に
円滑且つ確実に導かれ、同ウェハ押圧部材により半導体
ウェハが汚染或いは損傷されることはない。
【0021】更に、半導体ウェハを収容したウェハカセ
ットを単独で移動させる場合にも、前記ウェハカセット
が縦置き状態にある場合には、半導体ウェハは前記三角
リブにより局部的に4点で確実に保持され、多数の半導
体ウェハが所定の間隔でしかも垂直姿勢で安定して保持
されるため、前記支持凹溝内で半導体ウェハが揺動して
同ウェハが前記支持凹溝に衝接し、或いは半導体ウェハ
同士で接触するといったことはなく、半導体ウェハの汚
染や損傷が確実に回避される。また、前記ウェハカセッ
トが水平姿勢に転換する場合にも、半導体ウェハの周縁
が支持凹溝に形成されたV字状保持部の傾斜面に沿って
滑り、常に前記支持凹溝のウェハ載置面上に自動的に且
つ円滑に載置されるため汚染や損傷がなく、ウェハカセ
ットの水平姿勢への転換後も各ウェハ姿勢は安定化す
る。
【0022】前記保持部は、前記支持凹溝を横断するV
状リブからなることが好ましい。前記フロントサイドド
メインの前記保持部が、同フロントサイドドメインのリ
ア側端部に形成されることが望ましく、また、前記リア
サイドドメインの前記保持部は、同リアサイドドメイン
のフロント側端部に形成されることが望ましい。
【0023】更に、前記V状リブの少なくともフロント
側の側面はフロント側に延びるとともに底面に向けて傾
斜するテーパ面に形成されることが好ましい。その場合
には、洗浄の際に洗浄液が前記テーパ面に沿って流出す
るため、洗浄溶液が残留しにくく、乾燥時間を短縮でき
る。また、特にフロントサイドドメインに形成された支
持凹溝のように、半導体ウェハが前記リブの正面から挿
入される場合にも、同リブのウェハの挿入正面がテーパ
面となりエッジ部分が存在しないため、同エッジ部分に
よるウェハの損傷を回避することができる。それによ
り、フロントサイドドメインの前記保持部の形成位置を
リア端に限定することなく、支持凹溝の任意の部位に形
成することができるようになる。
【0024】或いは、前記フロントサイドドメインに形
成された前記保持部の稜線を、カセット内部に向けフロ
ント側からリア側にかけて下傾斜させてもよい。その場
合には、前記稜線が半導体ウェハの周縁形状に略沿った
ものとなり、エッジ部分でウェハを損傷する危険がなく
なる。従ってこの場合も、フロントサイドドメインに形
成された支持凹溝の任意の部位に前記保持部を形成する
ことができる。なお、前記傾斜角度はウェハの周縁が前
記保持部に点保持されるよう、同ウェハの円弧形状より
も水平方向に傾倒させて形成することが望ましい。
【0025】また、V状部分の頂部が鋭角に角度をもた
ないよう、前記頂部を弧状に湾曲させることもでき、そ
の場合には、稜線部分に洗浄の際の溶液等が残留するこ
とがなく、乾燥時間が短縮される。
【0026】前記リアサイドドメインに形成された前記
保持部は、前記支持凹溝の長手方向に離間して、前記凹
溝を横断する方向に延びる2つの三角リブから構成する
こともできる。これは、前記リアサイドドメインに形成
された前記支持凹溝が傾斜底面を有していない場合、或
いは傾斜底面の傾斜角度が小さい場合に特に有効であ
る。
【0027】前記フロントサイドドメインに形成された
前記保持部は、前記支持凹溝の長手方向に離間して、前
記凹溝を横断する方向に延び、フロント側の側面がフロ
ント側に延びるとともに底面に向けて傾斜するテーパ面
に形成された2つの四角錘から構成することもできる。
その場合、前記四角錘もフロント側の側面がテーパ面で
あるため、エッジ部分による半導体ウェハの損傷のおそ
れがなく、また、洗浄液等の滞留や残留をなくすことが
できる。
【0028】更に、本発明は、半導体ウェハ包装容器に
収容され、フロント及びリアのサイドドメインに多数の
半導体ウェハを所定の間隔を置いて並列支持するため
の、標準化された断面形状を有する支持凹溝を備えた半
導体ウェハのカセットであって、前記フロントサイドド
メインのリア側に、前記半導体ウェハの周縁を保持する
ための断面がV字状をなす保持部が、半導体ウェハの並
列方向に連続して形成された櫛歯状保持部材が、近接し
て設けられてなることを特徴とするウェハカセットを他
の主要な構成としている。
【0029】このウェハカセットにおいて、前記リアサ
イドドメインの支持凹溝は、そのほぼ全長にわたり同一
の前記断面形状を有し、同凹溝内部には前記断面の透視
方向に略V字形状をなす保持部が局部的に設けられてい
る。
【0030】前記保持部の稜線は、カセット内部に向け
フロント側からリア側にかけて下傾斜していることが好
ましい。また、前記櫛歯状保持部材はその櫛歯の先端を
ウェハカセットの中心に向けて配される場合と、前記櫛
歯状保持部はその櫛歯の先端を前記ウェハカセットのフ
ロント側に向けて配される場合とがある。
【0031】本構成では、上述した構成から得られる作
用効果に加えて以下の作用効果が得られる。即ち、前記
櫛歯状保持部材をフロントサイドドメインのリア端から
僅かに離れた位置に設置させているため、前記櫛歯状保
持部材をウェハカセットの外部から見ることができ、そ
のため、半導体ウェハを同カセットに収容する際、同ウ
ェハの周縁を目視で確認しながら前記櫛歯状保持部材に
案内することができる。従って、同櫛歯状保持部材の所
定の部位に半導体ウェハの周縁部を確実に導くことがで
き、同保持部材による半導体ウェハの汚染及び損傷を確
実に阻止できる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図示実施例に従って具体的に説明する。図1は本発明
の半導体ウェハ包装容器のウェハカセットを示す分解斜
視図であり、図2はウェハカセットに形成された本発明
の特徴をなす支持凹溝の拡大斜視図である。
【0033】ウェハカセット1は、半導体ウェハが水平
姿勢となる横置きしたときの天板部をなすトップドメイ
ン2と、底部をなすボトムドメイン3と、所定の幅を有
して前記トップ及びボトムドメイン2,3の周縁中央部
にて両者を連結する左右のフロントサイドドメイン4,
4と、半導体ウェハが垂直姿勢となる縦置きしたときの
底部をなすとともに前記トップ及びボトムドメイン2,
3間を連結する間隔をおいて並列する左右の一対のリア
サイドドメイン5,5とからなる。従って、トップ及び
ボトムドメイン2,3は、横置きしたときの姿勢で前記
左右のフロントサイドドメイン4,4と前記左右のリア
サイドドメイン5,5の4つのサイドドメインがそれぞ
れ所定の間隔をおいて連結されており、それらのサイド
ドメイン間は全て内外が連通した開口部をなしている。
【0034】前記トップドメイン2及びボトムドメイン
3は、既述したSEMI規格に則った形態を有してお
り、円形の周縁円弧部を上記左右のサイドドメイン4,
5部分を残して、同サイドドメイン4,5の半導体ウェ
ハの挿入側であるフロント側にそれぞれ2箇所の切欠き
2a,3aが形成された略円盤状をなしている。前記切
欠き2a,3aは、ウェハカセットの姿勢を検出する検
出光の通過を確保するため前記SEMI規格により厳し
く規定されており、例えばその肩部の交点位置O′は図
において前記トップドメイン2の中心Oを通る左右に
延びる中心線Bとの間隔が95mm以下であって、同じ
くトップドメイン2の中心Oを通る前後に延びる中心線
Aとの間隔が112.5mm以内でなければならないと
されている。
【0035】そして、前記トップドメイン2及びボトム
ドメイン3の対向面はそれぞれ略平坦面をなしている。
なお、ウェハカセット1を縦置きするとき、安定性を確
保するため、前記トップ及びボトムドメイン2,3の半
導体ウェハの挿入側とは反対のリア周縁には左右の脚部
6が一体に突設されている。
【0036】一方、左右の上記サイドドメイン4,5は
鏡面対象をなしており、その内面は収容する半導体ウェ
ハの径と略等しい径を有する円弧状をなしており、その
周方向には多数の半導体ウェハを所定の間隔を置いて並
列支持するための、本発明の特徴部をなす多数の支持凹
溝7が平行して延設されている。
【0037】前記支持凹溝7は、半導体ウェハを横置き
したときに上方となる溝側面7aは前記トップ及びボト
ムドメイン2,3と平行に形成されている。一方、半導
体ウェハを横置きしたときに下方に位置し半導体ウェハ
の載置面となる溝側面7bは、前記凹溝7の深さが浅く
なるにつれて溝幅を増加させるように傾斜している。更
に、前記支持凹溝7の底面は溝幅の略中央で2分されて
おり、前記溝側面7aに連続する底面は同溝底面7aと
直交する直交底面7cに形成され、前記傾斜側面7bに
連続する底面は傾斜底面7dに形成されている。
【0038】このように、溝底面の前記半導体ウェハの
載置面7bに連続する半面を傾斜底面7dとすること
で、ウェハカセットを運搬時のウェハ縦置き方向から、
ウェハ横置き方向へと方向転換する際に、前記凹溝7の
底面中央に支持されていた半導体ウェハの周縁部分が、
前記傾斜底面7dを徐々に摺動してウェハ載置面7bへ
と案内されるため、同ウェハが前記載置面7bに衝接し
て損傷されるおそれはない。更には、半導体ウェハを載
置する側面7bが傾斜しているため、半導体ウェハが載
置面7bに面接触することがなく、そのウェハ周縁部分
で線状に接触するだけであるため、ウェハカセットによ
る半導体ウェハの汚染が低減される。
【0039】なお、前記支持凹溝7の上述のような構成
から得られる断面形状は、従来からみられる標準化され
たものである。また、上述したSEMI規格に則った形
状でもある。
【0040】前記支持凹溝7はそのほぼ全長にわたり同
一の標準化された断面形状を有しており、前記フロント
サイドドメイン4の場合は前記凹溝7のリア端部、前記
リアサイドドメイン5の場合は前記凹溝7のフロント端
部に、直角三角形状のリブ7eが局部的に形成されてい
る。前記三角リブ7eは、その直角を挟む2辺部分をそ
れぞれ前記支持凹溝7の溝側面7aと直交底面7cとに
密着させた状態で、前記凹溝7を横断する方向に延設さ
れている。そのため、前記三角リブ7eは断面の透視方
向からみて、その斜辺部分7e′と前記凹溝7の傾斜底
面7dとの間で略V字形状をなしている。
【0041】この前記凹溝7に局部的に形成された略V
字形状をなす部位が、本発明の保持部である。半導体ウ
ェハは前記三角リブ7eの斜辺部分7e′と前記傾斜底
面7dとの間でその周縁を両面から保持されることとな
る。そのため、前記半導体ウェハを両面で均一に保持す
るためには、前記三角リブ7eの斜辺部分7e′の傾斜
角度を、前記傾斜底面7dの傾斜角度と同一に設定する
ことが望ましい。
【0042】なお、半導体ウェハを前記ウェハカセット
1の前記支持凹溝7に収容する際に、前記リアサイドド
メン5に形成された支持凹溝7の場合には、半導体ウェ
ハが同凹溝7にその延設方向と略直交する方向から挿入
され、同ウェハの周縁部分が前記三角リブ7eに上方か
ら載置される。そのため、前記三角リブ7eは前記凹溝
7のフロント端部に限らず、凹溝7における長手方向の
任意の部位に形成することができる。しかしながら、前
記フロントサイドドメイン4に形成された支持凹溝7の
場合は、半導体ウェハは前記凹溝7に沿って前記三角リ
ブ7eの正面から挿入されることとなる。そのため、前
記フロントサイドドメイン4の支持凹溝7の長手方向中
央に三角リブ7eを形成した場合には、前記ウェハが前
記リブ7eにこすれやすくなり、挿入作業の邪魔となる
ばかりでなく、前記ウェハを損傷させるおそれがある。
従って、前記フロントサイドドメイン4の場合には、前
記三角リブ7eの形成位置が支持凹溝7のリア端である
ことが好ましい。
【0043】前述したように、左右の前記フロントサイ
ドドメイン4にはそのリア端部、左右の前記リアサイド
ドメイン5にはそのフロント端部にそれぞれ、即ち、4
ヵ所に前記三角リブ7eが形成されている。従って、前
記ウェエハカセット1に半導体ウェハを収容する際や、
横置き姿勢のウェハカセット1を縦置き姿勢に転換する
際に、前記ウェハは前記支持凹溝7内の4ヵ所の三角リ
ブ7eによりV形状の稜線部に向けて自動的に位置決め
され、4点で確実に保持される。そのため、前記支持凹
溝7の溝幅が半導体ウェハの厚みよりもかなり大きくて
も、凹溝7内で前記半導体ウェハが傾倒することはな
く、多数のウェハが所定の間隔で且つ垂直姿勢で安定し
て保持される。
【0044】また、半導体ウェハを収容保持した前記ウ
ェハカセット1を容器本体に収納し、同容器本体を係着
部材により閉塞する際にも、前記ウェハカセット1に収
容された多数の半導体ウェハは、所定の間隔をもって垂
直姿勢で安定して保持されているため、前記容器本体の
裏面に設けられたウェハ押圧部材の所定位置に円滑に且
つ正確に導かれ、同ウェハ押圧部材による半導体ウェハ
の汚染或いは損傷を防ぐことができる。
【0045】更に、半導体ウェハ包装容器の容器本体か
ら前記ウェハカセット1を取り出して、同カセット1を
人手、或いはロボットにより所定の作業位置まで持ち運
ぶような場合にも、前記ウェハカセット1が縦置き状態
にある場合には、半導体ウェハは前記三角リブ7eによ
り局部的に4点で確実に保持され、多数の半導体ウェハ
が所定の間隔でしかも垂直姿勢で安定して保持される。
そのため、前記支持凹溝7内で半導体ウェハが揺動して
同ウェハが前記支持凹溝7に衝接し、或いは半導体ウェ
ハ同士で接触するといったことはなく、半導体ウェハの
汚染や損傷を確実に回避できるものである。
【0046】また、前記ウェハカセット1を水平姿勢に
転換する場合にも、半導体ウェハの周縁が前記支持凹溝
7の傾斜底面7dに沿って滑り、ウェハ載置面7bへと
自動的に徐々に摺動され、常に同ウェハ載置面7b上に
確実に載置されるため、汚染や損傷がなく、ウェハカセ
ット1の水平姿勢への転換後も各ウェハ姿勢は安定化す
る。
【0047】図3〜7は前記支持凹溝7に形成された保
持部の変形例を示す拡大斜視図である。図3に示す変形
例では、前記三角リブ7eに代えて、上縁部がV字状に
切り欠かれたV状リブ7fにより本発明の保持部が構成
されている。このV状リブ7fは、そのV状の切欠きを
支持凹溝7の傾斜底面7dの傾斜角度とは関係なく任意
の角度で形成することができる。そのため、V形状を鋭
角に形成することができ、半導体ウェハをガタつきなく
より確実に保持することができる。
【0048】また、前記V状リブ7fを備えたウェハカ
セット1の場合には、同カセット1を水平姿勢に転換す
る際に、半導体ウェハの周縁は前記V状リブ7fの斜辺
部分に沿って滑り、常に同ウェハ載置面7b上に自動的
且つ確実に載置されるものであり、ウェハカセット1の
水平姿勢への転換後も各ウェハ姿勢は安定化する。
【0049】なお、前記三角リブ7eにおけるV状部分
の頂部が鋭角に角度をもたないよう、図4に示す三角リ
ブ7gのように前記頂部を弧状に湾曲させることもで
き、その場合には、稜線部分に洗浄の際の溶液が残留す
ることがなく、乾燥時間が短縮される。もちろん、前述
のV状リブ7fの頂部も同様に丸みをもたせることがで
きる。
【0050】また、図5に示すV状リブ7hはその稜線
7h′をカセット内部に向けフロント側からリア側にか
けて下傾斜させている。これは特にフロントサイドドメ
イン4に形成された支持凹溝7に適用した場合に有効で
あり、このように、V状リブ7hの稜線7h′を上述の
ように傾斜させることで、同稜線7h′が半導体ウェハ
の周縁形状に略沿ったものとなる。そのため、V状リブ
7hはエッジ部分が前記ウェハの周縁に接触することが
なく、エッジ部分でウェハを損傷する危険がなくなる。
従って、この稜線7h′を傾斜させたV状リブ7hの場
合には、フロントサイドドメイン4に形成された凹溝7
のいずれの部位に形成してもよく、リア端に限定される
ものではない。なお、前記稜線7h′の傾斜角度は、前
記V状リブ7hの正面エッジ部分が前記ウェハの周縁に
当接することのないよう、ウェハの円弧形状よりも、水
平方向に傾倒させて形成することが望ましい。
【0051】更には、図6に示す変形例における三角リ
ブ7iやV状リブ7jのフロント側の側面を同フロント
側に延ばすとともに底面に向けて傾斜させたテーパ面7
i′,7j′に形成することができる。その場合には、
洗浄の際に洗浄液が前記テーパ面7i′,7j′に沿っ
て流出するため、上述の三角リブ7eやV状リブ7fの
ように延設縁の隅角部分に洗浄溶液が残留するといった
不都合をなくすことができる。また、特にフロントサイ
ドドメイン4に形成された支持凹溝7のように、半導体
ウェハが前記リブ7i,7jの正面から挿入される場合
にも、同リブ7i,7jの正面がテーパ面7i′,7
j′となっており、前記ウェハの周縁がエッジ状の部分
に当たることがなく、ウェハの損傷を回避することがで
きる。従って、このテーパ面7i′,7j′を有するリ
ブ7i,7jの場合には、フロントサイドドメインに形
成された凹溝7のいずれの部位に形成してもよく、リア
端に限定されるものではない。
【0052】更に、図7に示す変形例は、同図に示すよ
うに前記リアサイドドメイン4に形成された前記支持凹
溝7が傾斜底面を有していない場合、或いは傾斜底面の
傾斜角度が小さい場合に適用可能な保持部である。前記
リアサイドドメイン4の支持凹溝7はその両端に、斜辺
部分7k′の傾斜角度が等しい三角リブ7kが、その斜
辺部分7k′を対向させて、両溝側面から前記凹溝を横
断する方向に延設されている。そのため、前記支持凹溝
7の両三角リブ7k,7kにより、断面の透視方向に略
V字形状が形成される。
【0053】また、図8に示す変形例は、フロントサイ
ドドメイン4に形成された保持部である。前記支持凹溝
7には長手方向に離間して、前記凹溝7を横断する方向
に延び、フロント側の側面がフロント側に延びるととも
に底面に向けて傾斜するテーパ面7m′に形成された2
つの四角錘7mが形成されている。この2つの四角錘7
mは図8(b)に示すように、断面の透視方向に略V字
形状を形成する。この四角錘7mもフロント側の側面が
テーパ面7m′であるため、エッジ部分による半導体ウ
ェハの損傷のおそれがなく、また、洗浄液等の滞留や残
留をなくすことができる。
【0054】図9は本発明の第2実施例によるウェハカ
セット11の部分斜視図、図10は同ウェハカセット1
1の櫛歯状保持部材の拡大斜視図である。ウェハカセッ
ト11は、上述の第1実施例によるウェハカセット1と
同様に、トップドメイン12、ボトムドメイン13、フ
ロントサイドドメイン14、及びリアサイドドメイン1
5を備えており、フロントサイドドメイン14を除く、
他のドメインの構成も上述の第1実施例と同一であるた
め、その説明は省略する。
【0055】第2実施例のフロントサイドドメイン14
は、第1実施例のフロントサイドドメイン4のような通
常のものよりも前後の寸法を短く形成し、リア端を通常
よりもフロント側に偏位させている。更に、フロントサ
イドドメイン14に形成された支持凹溝17はその全長
にわたって、第1実施例で述べたような標準化された断
面形状をもっている。
【0056】本実施例では左右の前記フロントサイドド
メイン14のリア側に、半導体ウェハの周縁を保持する
ための櫛歯状保持部材18が、同フロントサイドドメイ
ン14とは離れて近接させて、左右それぞれに設けられ
ている。ところで、SEMI規格では上述したようにフ
ロントサイドドメインのリア端の配置寸法が規定されて
いる。そのため、前記櫛歯状保持部材18はSEMI規
格で規定されたフロントサイドドメインのリア端の配置
寸法内に設置される。なお、上述の規格でフロントサイ
ドドメインリア端の配置寸法の自由度が広がった場合に
は、本実施例の位置に限定されない。
【0057】前記櫛歯状保持部材18は、断面がV字状
をなす保持部18aが、半導体ウェハの並列方向に連続
して形成されており、櫛歯の先端をウェハカセット中央
に向けて設置されている。V字形状の同保持部18aの
稜線18bはフロント側からリア側にかけてカセット内
部に向け下傾斜され、半導体ウェハの円弧周面に沿うよ
うに形成されている。そのため、半導体ウェハの周縁に
エッジ部分が当接することがなく、同エッジ部分による
ウェハの損傷を回避できる。
【0058】リアサイドドメイン15は、上述の第1実
施例及び変形例の何れかの支持凹溝を備えている。従っ
て、本第2実施例でも、半導体ウェハはウェハカセット
11が縦置き状態にあるときに、前記櫛歯状保持部材1
8と、リアサイドドメイン15に形成された保持部との
4ヵ所で自動的に位置決めされ、4点で確実に保持され
るものである。従って、前記カセット11内で半導体ウ
ェハが傾倒することはなく、多数のウェハが所定の間隔
をもって垂直姿勢で安定して保持される。そのため、半
導体ウェハを収容保持した前記ウェハカセット11を容
器本体に収納し、同容器本体を係着部材により閉塞する
際にも、前記ウェハカセット11に収容された多数の半
導体ウェハは、前記容器本体の裏面に設けられたウェハ
押圧部材の所定位置に円滑に導かれ、同ウェハ押圧部材
による半導体ウェハの汚染或いは損傷を防ぐことができ
る。
【0059】更に、半導体ウェハを多数収容した前記ウ
ェハカセット11を単独に縦置き状態で持ち運ぶ場合に
も、半導体ウェハは前記櫛歯状保持部材18の保持部1
8aと前記リアサイドドメイン15に形成された保持部
との4点で確実に保持されているため、多数の半導体ウ
ェハが所定の間隔でしかも垂直姿勢で安定して保持され
る。そのため、前記ウェハカセット11内で半導体ウェ
ハが揺動して同ウェハがサイドドメインに形成された支
持凹溝17に衝接して損傷したり、或いは半導体ウェハ
同士で接触するといったこともない。また、前記ウェハ
カセット11を横置き状態に転換する場合にも、半導体
ウェハは櫛歯状保持部材18のV状保持部18a及びリ
アサイドドメイン15に形成されたV字状保持部の傾斜
面に沿って滑り、常に前記支持凹溝17のウェハ載置面
上に自動的に且つ円滑に載置される。そのため、前記ウ
ェハは汚染や損傷されることがなく、ウェハカセット1
1の水平姿勢への転換後も各ウェハの姿勢が安定化され
る。
【0060】また、本実施例によるウェハカセット11
は、前記櫛歯状保持部材18をフロントサイドドメイン
14のリア端から僅かに離れた位置に設置させている。
従って、前記櫛歯状保持部材18をウェハカセット11
の外部から見ることができ、半導体ウェハを同カセット
11に収容する際、同ウェハの周縁を目視で確認しなが
ら前記櫛歯状保持部材18に案内することができる。そ
のため、同櫛歯状保持部材18の所定の部位に半導体ウ
ェハの周縁部を確実に導くことができ、同保持部材18
により半導体ウェハを汚染したり損傷したりすることが
ない。
【0061】図11及び12は上記櫛歯状保持部材18
の変形例である縦型の櫛歯状保持部材19である。同保
持部材は断面がV字状をなす保持部19aが、半導体ウ
ェハの並列方向に連続して形成されており、櫛歯の先端
をフロント側に向けて設置されている。同保持部19a
においても、V字形状の稜線19bをフロント側からリ
ア側にかけてカセット内部に向けて下傾斜させ、半導体
ウェハの円弧周面にほぼ沿わせている。
【0062】図13は、上記櫛歯状保持部材18の更に
他の変形例であり、鋸歯状の保持部材20を備えたウェ
ハカセットのフロントサイドドメイン24の斜視図であ
る。前記鋸歯状保持部材20は断面がV字状をなす保持
部20aが、半導体ウェハの並列方向に連続して形成さ
れている。前記保持部材20はその鋸歯の先端(山部
分)を前記フロントサイドドメイン24に形成された支
持凹溝27のリア側の端部における溝上部に、同凹溝2
7に直交させて連結している。更に、本実施例において
もV字状の前記保持部20aの稜線20bをフロント側
からリア側にかけてカセット内部に向けて下傾斜させて
いる。本変形例では、同図に仮想線で示すように半導体
ウェハWが保持される。本変形例においても前記鋸歯状
保持部材20をウェハカセットの外部から見ることがで
き、半導体ウェハWを同カセットに収容する際、同ウェ
ハWの周縁を目視で確認しながら前記鋸歯状保持部材2
0に確実に案内することができる。そのため、半導体ウ
ェハWが前記鋸歯状保持部材20に衝接して損傷するこ
とが回避される。
【0063】なお、上記第2実施例及びその変形例にお
いては、半導体ウェハをフロント側からカセットに収容
する際に、前記ウェハは前記保持部の正面から挿入され
るため、その正面のエッジ部分が前記ウェハの周縁に当
接することのないよう、稜線の傾斜角度をウェハの円弧
形状よりも、水平方向に傾倒させて形成することが望ま
しい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体ウェハ包装容器のウェハカセッ
トを示す分解斜視図である。
【図2】前記ウェハカセットに形成された本発明の特徴
をなす支持凹溝の拡大斜視図である。
【図3】前記第1実施例による本発明の保持部の変形例
を示す拡大斜視図である。
【図4】前記第1実施例による本発明の保持部の他の変
形例を示す拡大斜視図である。
【図5】前記第1実施例による本発明の保持部の更に他
の変形例を示す拡大斜視図である。
【図6】前記第1実施例による本発明の保持部の更に他
の変形例を示す拡大斜視図である。
【図7】前記第1実施例による本発明の保持部の更に他
の変形例を示す拡大斜視図である。
【図8】前記第1実施例による本発明の保持部の更に他
の変形例を示す上面図及び正面図である。
【図9】本発明の第2実施例によるウェハカセットの部
分斜視図である。
【図10】前記第2実施例による本発明の櫛歯状保持部
の拡大斜視図及び上面図である。
【図11】前記第2実施例による本発明の櫛歯状保持部
の変形例を示す斜視図である。
【図12】前記第2実施例の変形例による櫛歯状保持部
の拡大斜視図である。
【図13】前記第2実施例による本発明の櫛歯状保持部
の他の変形例を示す拡大斜視図である。
【図14】SEMI規格によるウェハカセットの説明図
である。
【図15】SEMI規格によるウェハカセットに形成さ
れた支持凹溝の説明図である。
【符号の説明】
1 ウェハカセット 2 トップドメイン 2a 切欠き 3 ボトムドメイン 3a 切欠き 4 フロントサイドドメイン 5 リアサイドドメイン 6 脚部 7 支持凹溝 7a 溝側面 7b 傾斜側面(半導体ウェハの載置面) 7c 直交底面 7d 傾斜底面 7e 三角リブ 7e′ 斜辺部分 7f V状リブ 7g 三角リブ 7h V状リブ 7h′ 稜線 7i 三角リブ 7i′ テーパ面 7j V状リブ 7j′ テーパ面 7k 三角リブ 7k′ 斜辺部分 7m 四角錘 7m′ テーパ面 11 ウェハカセット 12 トップドメイン 13 ボトムドメイン 14 フロントサイドドメイン 15 リアサイドドメイン 17 支持凹溝 18 櫛歯状保持部材 18a 保持部 18b 稜線 19 縦型の櫛歯状保持部材 19a 保持部 19b 稜線 20 鋸歯状の保持部材 20a 保持部 20b 稜線 24 フロントサイドドメイン 27 支持凹溝 O トップドメイン中心 O′ 交差位置 W 半導体ウェハ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋元 治人 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究本部内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェハ包装容器に収容され、フロ
    ント及びリアのサイドドメインに多数の半導体ウェハを
    所定の間隔を置いて並列支持するための、標準化された
    断面形状を有する複数の支持凹溝を備えた半導体ウェハ
    のカセットであって、 前記支持凹溝はそのほぼ全長にわたり同一の前記断面形
    状を有し、同凹溝内部には前記断面の透視方向に略V字
    形状をなす保持部が局部的に設けられてなることを特徴
    とするウェハカセット。
  2. 【請求項2】 前記保持部は、前記支持凹溝を横断する
    V状リブからなる請求項1記載のウェハカセット。
  3. 【請求項3】 前記V状リブの少なくともフロント側の
    側面はフロント側に延びるとともに底面に向けて傾斜す
    るテーパ面に形成されてなる請求項2記載のウェハカセ
    ット。
  4. 【請求項4】 前記フロントサイドドメインに形成され
    た前記保持部の稜線が、カセット内部に向けフロント側
    からリア側にかけて下傾斜してなる請求項1〜3のいず
    れかに記載のウェハカセット。
  5. 【請求項5】 前記フロントサイドドメインの前記保持
    部が、同フロントサイドドメインのリア側端部に形成さ
    れてなる請求項1〜4のいずれかに記載のウェハカセッ
    ト。
  6. 【請求項6】 前記リアサイドドメインの前記保持部
    は、同リアサイドドメインのフロント側端部に形成され
    てなる請求項1〜3のいずれかに記載のウェハカセッ
    ト。
  7. 【請求項7】 前記保持部の頂部を弧状に湾曲させてな
    る請求項1〜6のいずれかに記載のウェハカセット。
  8. 【請求項8】 前記リアサイドドメインに形成された前
    記保持部は、前記支持凹溝の長手方向に離間して、前記
    凹溝を横断する方向に延びる2つの三角リブからなる請
    求項1記載のウェハカセット。
  9. 【請求項9】 前記フロントサイドドメインに形成され
    た前記保持部は、前記支持凹溝の長手方向に離間して、
    前記凹溝を横断する方向に延び、フロント側の側面がフ
    ロント側に延びるとともに底面に向けて傾斜するテーパ
    面に形成された2つの四角錘からなる請求項1記載のウ
    ェハカセット。
  10. 【請求項10】 半導体ウェハ包装容器に収容され、フ
    ロント及びリアのサイドドメインに多数の半導体ウェハ
    を所定の間隔を置いて並列支持するための、標準化され
    た断面形状を有する支持凹溝を備えた半導体ウェハのカ
    セットであって、 前記フロントサイドドメインのリア側に、前記半導体ウ
    ェハの周縁を保持するための断面がV字状をなす保持部
    が、半導体ウェハの並列方向に連続して形成された櫛歯
    状保持部材が、近接して設けられてなることを特徴とす
    るウェハカセット。
  11. 【請求項11】 前記リアサイドドメインの支持凹溝
    は、そのほぼ全長にわたり同一の前記断面形状を有し、
    同凹溝内部には前記断面の透視方向に略V字形状をなす
    保持部が局部的に設けられてなる請求項10記載のウェ
    ハカセット。
  12. 【請求項12】 前記保持部の稜線が、カセット内部に
    向けフロント側からリア側にかけて下傾斜してなる請求
    項10又は11記載のウェハカセット。
  13. 【請求項13】 前記櫛歯状保持部材はその櫛歯の先端
    をウェハカセットの中心に向けて配されてなる請求項1
    0〜12のいずれかに記載のウェハカセット。
  14. 【請求項14】 前記櫛歯状保持部はその櫛歯の先端を
    前記ウェハカセットのフロント側に向けて配されてなる
    請求項10〜12のいずれかに記載のウェハカセット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100410154C (zh) * 2003-12-02 2008-08-13 未来儿株式会社 薄板支持容器
JP2013169999A (ja) * 2012-02-22 2013-09-02 Sharp Corp 積載梱包具及び梱包方法
KR20150030025A (ko) * 2013-09-11 2015-03-19 삼성전자주식회사 버퍼 영역을 갖는 웨이퍼 로더

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