JPH11265085A - 電子写真感光体、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光体を有するプロセスカ―トリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
電子写真感光体、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光体を有するプロセスカ―トリッジ及び電子写真装置Info
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- JPH11265085A JPH11265085A JP110199A JP110199A JPH11265085A JP H11265085 A JPH11265085 A JP H11265085A JP 110199 A JP110199 A JP 110199A JP 110199 A JP110199 A JP 110199A JP H11265085 A JPH11265085 A JP H11265085A
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Abstract
ルベントクラック性を有するだけでなく、残留電位の上
昇などの特性の変化や劣化が非常に少なく、繰り返し使
用時にも安定した性能を発揮することができる電子写真
感光体、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提
供すること。 【解決手段】 支持体上に感光層を有する電子写真感光
体において、該電子写真感光体の表面層が、電荷輸送物
質、及びアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオ
キシ基を有する化合物を放射線照射により硬化すること
によって得られる樹脂を含有することを特徴とする電子
写真感光体、該電子写真感光体の製造方法、該電子写真
感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置
である。
Description
の製造方法及び該電子写真感光体を有するプロセスカー
トリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の樹脂
を含有する表面層を有する電子写真感光体、その製造方
法及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ
及び電子写真装置に関する。
として、有機光導電物資が、その無公害性や高生産性と
いった利点を有するため広く利用されている。これらの
電子写真感光体は、電気的及び機械的特性の双方を満足
するために電荷発生層と電荷輸送層を積層した機能分離
型の感光体として利用される場合が多い。
には適用される電子写真プロセスに応じた感度や電気的
特性、更には光学的特性を備えていることが要求され
る。
には、帯電、露光、トナー現像、紙への転写及びクリー
ニングといった様々な電気的及び機械的外力が直接加え
られるため、それらに対する耐久性が要求される。具体
的には、感度の低下、帯電能の低下及び残留電位の増
加、更には表面の摩耗や傷などに対する耐久性が要求さ
れる。加えてトナー像の転写性や転写後の残留トナーの
クリーニング性に優れていることが要求され、そのため
には表面エネルギーが小さく、また滑り性が高いことが
必要であり、かつこれが繰り返し使用時にも性能が低下
しないことが望まれる。
は、上記特性、特に耐久性を満足することが困難であっ
た。
表面層は一般に薄い樹脂層であり、樹脂の特性が非常に
重要である。上述の諸特性をある程度満足する樹脂とし
て、近年アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂などが実
用化されている。しかしながら、前述したような特性の
全てがこれらの樹脂で満足されるわけではなく、特に、
更なる高耐久化を図る上では該樹脂の硬度は十分高いと
は言い難い。これらの樹脂を表面層用の樹脂として用い
た場合でも、繰り返し使用に伴って、表面層が摩耗した
り、傷が発生することがあった。また、近年の高感度化
に対する要求から、電荷輸送物質などの低分子量成分が
比較的大量に添加される場合が多く、電子写真感光体を
保存している間に前述の低分子量成分が析出してまうこ
とがあった。更に、機械油や指脂が付着することによっ
て、クラック(ソルベントクラック)が生じることもあ
った。
化性樹脂を電荷輸送層用の樹脂として用いることが、例
えば特開平2−127652号公報などに開示されてい
る。電荷輸送層用の樹脂として硬化性の樹脂を用い、電
荷輸送層を硬化、架橋すると強度が増すため、繰り返し
使用時の耐摩耗性、耐傷性、耐析出性及び耐ソルベント
クラック性が向上する。
送物質と硬化性樹脂とを含有する層の電荷輸送能は樹脂
に大きく依存し、硬度が十分高い層は電荷輸送能が低く
なり易く、繰り返し使用時に残留電位が上昇し易いな
ど、近年の更なる高画質、高耐久化の要求に伴い、より
高いレベルでの硬度と電荷輸送能の両立が検討されてい
る。
て使用した電子写真感光体の有していた問題点を解決
し、膜強度を高くすることによって耐摩耗性及び耐傷性
を向上させ、かつ耐析出性及び耐ソルベントクラック性
が良好な電子写真感光体を提供することにある。
どの特性の変化や劣化が非常に少なく、繰り返し使用時
にも安定した性能を発揮することができる電子写真感光
体を提供することにある。
体の製造方法、及び上記電子写真感光体を有し、長期間
高画質が維持されるプロセスカートリッジ及び電子写真
装置を提供することにある。
上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写
真感光体の表面層が、電荷輸送物質、及びアクリロイル
オキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物
を放射線照射により硬化することによって得られる樹脂
を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
る電子写真感光体の製造方法において、該電子写真感光
体の表面層として、電荷輸送物質を含有する層を形成す
る工程を有し、該工程がアクリロイルオキシ基またはメ
タクリロイルオキシ基を有する化合物を含有する溶液に
放射線を照射して該化合物を硬化する工程を有すること
を特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
光層として電荷発生物質を含有する電荷発生層及び電荷
輸送物質を含有する電荷輸送層をこの順に積層した構
成、また逆に電荷輸送層及び電荷発生層をこの順に積層
した構成、更には電荷発生物質と電荷輸送物質を同一の
層中に含有する層より構成されるもののいずれの構成を
とることも可能である。ただ、少なくともその表面層に
電荷輸送物質と、アクリロイルオキシ基またはメタクリ
ロイルオキシ基を有する化合物を放射線照射により硬化
することによって得られる樹脂を含有していればよい。
に残留電位などの電気的特性及び耐久性の点で、電荷輸
送層が表面層である機能分離型の感光層であることが好
ましく、本発明の利点も電荷輸送物質の特性を損なうこ
となく表面層の結着樹脂として硬化性樹脂を用いること
が可能になった点にある。
面層に用いた場合に、十分な硬度を示す上に感光体特性
を劣化させず残留電位の上昇が起こらないのかに関し
て、明確な理由は判明していない。ただ、一つには、感
光層においては良好な特性を発現させる上で極性の強い
物質または酸化電位の低い物質は大きな弊害となると考
えられるので、従来の硬化性樹脂に比較して本発明の樹
脂では、そのような極性の強い物質または酸化電位の低
い物質が硬化反応の過程で生じないかまたは非常に少な
いと推測できる。
タクリロイルオキシ基を有する化合物を用いても、これ
を熱または紫外線で硬化する場合には、熱または光反応
開始剤の添加が必要となる。このようにして得られた硬
化性樹脂を表面層に用いた場合には、残留電位の増加や
感度の低下といった感光体特性の劣化が起こることか
ら、本発明が反応開始剤を用いずに硬化を行っているこ
とも、優れた電子写真特性のために有効であるものと考
えられる。
ロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基は、それぞ
れCH2 =CHCOO−及びCH2 =C(CH3 )CO
O−である。
またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物は、これ
らの基の少なくとも一方を有しており、かつ放射線を照
射されることによって、これらの基が重合反応を起こす
ような、重合性の化合物であれば、特に限定されるもの
ではない。
ルオキシ基を有する化合物は、その構造単位の繰り返し
の有無により、モノマーとオリゴマーに大別される。モ
ノマーとはアクリロイルオキシ基またはメタクリロイル
オキシ基を有する構造単位の繰り返しがなく、比較的小
さい分子量を有し、オリゴマーとはアクリロイルオキシ
基またはメタクリロイルオキシ基を有する構造単位の繰
り返し数が2〜20程度の重合体である。また、ポリマ
ーまたはオリゴマーの末端のみにアクリロイルオキシ基
またはメタクリロイルオキシ基を有するマクロモノマー
も本発明の表面層用の硬化性化合物として使用すること
ができる。
の両立という点からモノマーを使用することが好まし
い。ポリマー、オリゴマー及びマクロモノマーを用いる
場合も、モノマーと混合して使用することが好ましい。
タクリロイルオキシ基以外の部分の構造によって分類さ
れ、1,4−ブタジオールジアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレートなどのアルキル型、ジエチ
レングリコールジアクリレートなどのアルキレングリコ
ール型、トリメチロールプロパントリアクリレートなど
のトリメチロールプロパン型、ペンタエリストールトリ
アクリレートなどのペンタエリストール型、トリス(ア
クリロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌ
レート型、ジシクロペンタニルジアクリレート、エトキ
シ化水添ビスフェノールAジメタクリレートなどの脂環
型などが挙げられる。本発明においては硬度と感光体特
性のバランスよりこの中でもトリメチルロールプロパン
型、ペンタエリストール型、イソシアヌレート型及び脂
環型が好ましい。
ト(メタクリレート)、ウレタンアクリレート(メタク
リレート)、ポリエステルアクリレート(メタクリレー
ト)、ポリエーテルアクリレート(メタクリレート)及
びシリコンアクリレート(メタクリレート)などが挙げ
られる。本発明においては、オリゴマーは上記モノマー
と混合して使用することが好ましい。
チレン系、スチレン系及びアクリル系などが挙げられ
る。本発明においては、マクロモノマーも上記モノマー
と混合して使用することが好ましい。
はメタクリロイルオキシ基を有する化合物は、1分子中
の官能基数(アクリロイルオキシ基及びメタクリロイル
オキシ基の数)によっても分類することができる。1分
子中に官能基が1つのものは単官能化合物と呼ばれ、2
つ以上のものは多官能化合物と呼ばれる。本発明におい
ては、耐久性の点で多官能化合物を使用することが好ま
しく、更には1分子中に3つ以上のアクリロイルオキシ
基またはメタクリロイルオキシ基を有する多官能化合物
を使用することが好ましい。
又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物は、単独で
使用しても、2種類以上を混合して用いてもよい。
層及び電荷輸送層を有する。
ピリリウム、チアピリリウム系染料、また各種の中心金
属及び結晶系、具体的には例えばα,β,γ、ε及びX
型などの結晶型を有するフタロシアニン化合物、アント
アントロン顔料、ジベンズピレンキノン顔料、ピラント
ロン顔料、トリスアゾ顔料、ジスアゾ顔料、モノアゾ顔
料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、非対称キノシア
ニン顔料、キノシアニン及び特開昭54−143645
号公報に記載のアモルファスシリコーンなどが挙げられ
る。
3〜4倍量の結着樹脂及び溶剤と共にホモジナイザー、
超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミ
ル、アトライター及びロールミルなどの方法でよく分散
し、得られた分散液を塗布し、乾燥することによって形
成されるか、または前記電荷発生物質の蒸着膜など、単
独組成の膜として形成される。その膜厚は5μm以下で
あることが好ましく、特には0.1〜2μmであること
が好ましい。
−エチルカルバゾール、N−イソプロピルカルバゾー
ル、N−メチル−N−フェニルヒドラジノ−3−メチリ
デン−9−エチルカルバゾール及びN,N−ジフェニル
ヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバゾール
などのカルバゾール系化合物、N,N−ジフェニルヒド
ラジノ−3−メチリデン−10−エチルフェノチアジ
ン、N,N−ジフェニルヒドラジノ−3−メチリデン−
10−エチルフェノキサジン、P−ジエチルアミノベン
ズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、P−ジ
エチルアミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N
−フェニルヒドラゾン、p−ピロリジノベンズアルデヒ
ド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、1,3,3−トリ
メチルインドレニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフェ
ニルヒドラゾン及びp−ジエチルベンズアルデヒド−3
−メチルベンズアゾリノン−2−ヒドラゾンなどのヒド
ラゾン系化合物、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェニ
ル3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジ
エチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔キノリル
(2)〕−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピ
リジル(2)〕−3−(p−ジエチルアミノスチリル)
−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1
−〔6−メトキシ−ピリジル(2)〕−3−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(3)〕−3−(p
−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチルアミ
ノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3
−(p−ジエチルアミノスチリル)−4−メチル−5−
(p−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン、1−〔ピ
リジル(2)〕−3−(α−メチル−p−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(p−ジエチルアミノフェニル)ピ
ラゾリン、1−フェニル−3−(p−ジエチルアミノス
チリル)−4−メチル−5−(p−ジエチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン、1−フェニル−3−(α−ベンジル
−p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p−ジエチル
アミノフェニル)ピラゾリン及びスピロピラゾリンなど
のピラゾリン系化合物、2−(p−ジエチルアミノスチ
リル)−6−ジエチルアミノベンズオキサゾール及び2
−(p−ジエチルアミノフェニル)−4−(p−ジメチ
ルアミノフェニル)−5−(2−クロロフェニル)オキ
サゾールなどのオキサゾール系化合物、2−(p−ジエ
チルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノベンズチア
ゾールなどのチアゾール系化合物、ビス(4−ジエチル
アミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタンなどのト
リアリールメタン系化合物、1,1−ビス(4−N,N
−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)ヘプタン及び
1,1,2,2−テトラキス−4−N,N−ジメチルア
ミノ−2−メチルフェニル)エタンなどのポリアリール
アルカン類などが挙げられる。
層は前記電荷輸送物質とアクリロイルオキシ基またはメ
タクリロイルオキシ基を有する化合物を溶剤に溶解する
ことによって得られた溶液を電荷発生層上に塗布し、乾
燥し、更に放射線照射して硬化させることによって形成
されることが好ましい。アクリロイルオキシ基またはメ
タクリロイルオキシ基を有する化合物に対し予め放射線
照射を行ってある程度硬化させた後、電荷輸送物質と共
に溶剤に溶解し、この溶液を電荷発生層上に塗布し、乾
燥することによっても本発明の表面層の形成は可能であ
るが、硬度や耐析出性の点で塗布、乾燥後、放射線照射
により硬化という順で形成する方が好ましい。
ン及びモノクロルベンゼンなどの芳香族系溶剤の他、ジ
オキサン、テトラヒドロフラン及びテトラヒドロピラン
などのエーテル類、また溶質によってはケトン類、アル
コール類及び飽和炭化水素類なども使用可能である。こ
の溶液を塗布する方法は、例えば浸漬コーティング法、
スプレーコーティング法、カーテンコーティング法及び
スピンコーティング法などが知られている。電子写真感
光体を効率よく大量生産するには浸漬コーティング法が
最良である。
積層することもできる。
送層上に電荷発生物質、電荷輸送物質及びアクリロイル
オキシ基またはメタクリロイルオキシ基を有する化合物
を溶剤に分散及び溶解した溶液を塗布し、乾燥した後、
放射線照射による硬化を行うことによって電荷発生層を
形成することが好ましい。
生物質、電荷輸送物質及びアクリロイルオキシ基または
メタクリロイルオキシ基を有する化合物を分散及び溶解
した溶液を支持体や下引き層上に塗布し、乾燥した後、
放射線照射による硬化を行うことによって感光層を形成
することが好ましい。
添加剤を添加することができる。該添加剤としては、酸
化防止剤及び紫外線吸収剤などの劣化防止剤や、テトラ
フルオロエチレン樹脂粒子及び弗化カーボンなどの滑剤
などが挙げられる。
効果が得られる範囲内であれば、他の市販の樹脂、例え
ばポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂及びポリ
スチレン樹脂などを本発明のアクリロイルオキシ基また
はメタクリロイルオキシ基を有する化合物と混合して用
いることも可能である。
性を発現させるために、感光層の比誘電率が小さいこと
が好ましく、具体的には硬化後の感光層の比誘電率が、
電極としてアルミニウムを用い、1MHzの交流電圧を
印加したときの値で4.0以下であることが好ましく、
3.5以下であることが更に好ましい。
中から電荷のトラップの原因となるものを極力減じる必
要があるが、比誘電率は、このトラップの程度を反映す
ると考えられる。本発明においては、放射線照射によっ
て硬化した樹脂を用いるので、熱可塑性樹脂とは異な
り、硬化前の化合物の分子構造や硬化反応の条件などに
比誘電率が依存する。例えば、アクリロイルオキシ基又
はメタクリロイルオキシ基を有する化合物の分子内の分
極を小さくする方向、硬化後の残存未反応基の数を少な
くする方向、更には放射線による劣化を小さくする方向
が、感光層の比誘電率を小さくする方向がある。
は困難であるが、本発明おいては、比誘電率が好ましい
値であれば、それを達成する方法は何ら限定されるもの
ではない。
を有していれば、いずれのものでもよく、アルミニウム
及びステンレスなどの金属や合金、紙及びプラスチック
などが用いられる。形状も特に限定されるものではな
く、シリンダー状またはフィルム状など、適用される電
子写真装置に応じて任意の好ましいものとすることがで
きる。
に、バリアー機能と接着機能を有する下引き層を設ける
ことができる。
良、支持体の保護、支持体の欠陥の被覆、支持体からの
電荷注入性改良、または感光層の電気的破壊に対する保
護などのために形成される。下引き層の材料としては、
ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾー
ル、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレ
ン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−
メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ
及びゼラチンなどが挙げられている。下引き層は、これ
らの材料をそれぞれに適した溶剤に溶解した溶液を支持
体上に塗布し、乾燥することによって形成される。膜厚
は0.1〜2μmであることが好ましい。
層、あるいは支持体と下引き層の間に、支持体の欠陥の
被覆や可干渉光を用いたときに生じる干渉縞の防止を目
的として、導電層として導電性粒子を分散した樹脂層を
設けることができる膜厚は5〜30μmであることが好
ましい。
の樹脂を放射線照射により硬化する。本発明において使
用する放射線とは電子線及びガンマ線である。本発明に
おいては、吸収率や作用効率などの点で、電子線を用い
ることが好ましい。電子線照射をする場合、加速器とし
てはスキャニング型、エレクトロカーテン型、ブロード
ビーム型、パルス型及びラミナー型などいずれの形式も
使用することができる。電子線を照射する場合に、本発
明の感光体においては電気特性及び耐久性能を発現させ
る上で照射条件が非常に重要である。本発明において、
加速電圧は250KV以下が好ましく、最適には150
KV以下である。また、照射線量は好ましくは1Mra
dから100Mradの範囲、より好ましくは、3Mr
adから50Mradの範囲である。加速電圧が上記を
超えると感光体特性に対する電子線照射のダメージが増
加する傾向にあり、また、上記好ましい比誘電率も達成
しにくい。また、照射線量が上記範囲よりも少ない場合
には硬化が不十分となり易く、線量が多い場合には感光
体特性の劣化が起こり易く、また、上記好ましい比誘電
率も達成しにくい。
ロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を
示す。図において、1はドラム状の本発明の電子写真感
光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回
転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯
電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一
帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走
査露光などの露光手段(不図示)からの露光光4を受け
る。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成され
ていく。
によりトナー現像され、現像されたトナー像は、不図示
の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の
回転と周期取り出されて給紙された転写材7に、転写手
段6により順次転写されていく。像転写を受けた転写材
7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入され
て像定着を受けることにより複写物(コピー)として装
置外へプリントアウトされる。
グ手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面
化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10
により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用され
る。なお、一次帯電手段3が帯電ローラーなどの接触帯
電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ない。
1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9などの構成要素のうち、複数のものをプロセスカート
リッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカー
トリッジを複写機やレーザービームプリンタなどの電子
写真装置本体に対して着脱自在に構成してもよい。例え
ば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段
9の少なくとも1つを感光体1と共に一体に支持してカ
ートリッジ化して、装置本体のレール12などの案内手
段を用いて装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ
11とすることができる。
ンタである場合には、原稿からの反射光や透過光、ある
いは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に
従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの
駆動及び液晶シャッターアレイの駆動などにより照射さ
れる光である。
に利用するのみならず、レーザービームプリンタ、CR
Tプリンタ、LEDプリンタ、液晶プリンタ及びレーザ
ー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができ
る。
手順で調製した。10%の酸化アンチモンを含有する酸
化スズで被覆した導電性酸化チタン粉体50部(重量
部、以下同様)、フェノール樹脂25部、メチルセロソ
ルブ20部、メタノール5部及びシリコーンオイル(ポ
リジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合
体、平均分子量3,000)0.002部を1mmφガ
ラスビーズを用いたサンドミル装置で2時間分散した。
得られた溶液を30mmφのアルミニウムシリンダー上
に浸漬コーティング法で塗布し、140℃で30分間乾
燥することによって、膜厚が20μmの導電層を形成し
た。
をメタノール95部中に溶解した。得られた塗液を前記
の導電層上に浸漬コーティング法によって塗布し、10
0℃で20分間乾燥することによって、膜厚が0.6μ
mの中間層を形成した。
ック角(2θ±0.2°)の9.0°、14.2°、2
3.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチ
タニウムフタロシアニン3部、ポリビニルブチラール
(エスレックBM2、積水化学(株)製)2部及びシク
ロヘキサノン35部を1mmφガラスビーズを用いたサ
ンドミル装置で2時間分散し、その後酢酸エチル60部
を加えた。得られた溶液を前記の中間層の上に浸漬コー
ティング法で塗布し、100℃で15分間乾燥すること
によって、膜厚が0.2μmの電荷発生層を形成した。
部、
10部
中に溶解した。得られた溶液を前記の電荷発生層上に浸
漬コーティング法で塗布し、120℃で60分間乾燥し
た後、加速電圧150KV、照射線量10Mradの条
件で電子線を照射し樹脂を硬化することによって、膜厚
が16μmの電荷輸送層を形成した。硬化後の感光層の
比誘電率は3.2であった。
(株)製LBP−SXに装着して、初期の電子写真特性
〔暗部電位Vd、光減衰感度(−700Vの表面電位を
−150Vに減衰させるために必要な光量)及び残留電
位Vsl(光減衰感度の光量の3倍の光量を照射したと
きの電位)〕を測定した。更に10,000枚の通紙耐
久試験を行い、目視による画像欠陥の発生の有無の観
察、感光体の削れ量及び耐久後の前記電子写真特性を測
定し、各々の変化値ΔVd、ΔVl(耐久後のVlは、
初期にVlが150Vとなる光量と同量の光量を耐久後
に照射したときのVl)及びΔVslを求めた。結果を
表2に示す。表2中、電位変動の値が正のときは、電位
の絶対値が増加したことを示し、負のときは、電位の絶
対値の値が負であることを示す。
いて耐析出性及び耐ソルベントクラック性を評価した。
耐析出性については、複写機用のウレタンゴム製のクリ
ーニングブレードを感光体表面に圧接し、75℃で保存
することによって析出性に対する加速試験を行った。評
価は24時間毎に最長30日後まで感光体表面を顕微鏡
により観察し、析出の有無を判定した。また、耐ソルベ
ントクラック性については、同様にして作成した別の感
光体表面に指脂を付着させ、24時間及び2日間常温常
湿環境に放置した後、顕微鏡によりソルベントクラック
の有無を観察した。結果を表3に示す。
有する化合物を表1に示される化合物に代えた他は、実
施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。結果を表2及び3に示す。
は、初期の電子写真特性が良好であり、耐久での削れが
少なく、かつ電子写真特性にほとんど変化が見られない
というように、非常に安定した良好な特性を示してい
る。また、 表3に見られるように、本発明の感光体
は、析出及びソルベントクラックは発生しなかった。
を有する化合物を用いず、電荷輸送層の結着樹脂を表1
に示すものに代え、電子線照射を行わない他は、実施例
1と同様にして比較例1、2に対応する電子写真感光体
を作成し、評価した。
すように、比較例の感光体は耐久での表面層の削れが大
きく、カブリなどの画像欠陥が発生し、析出及びソルベ
ントクラックが発生している。
に更に重合開始剤として下記式で示される化合物を10
部添加し、
て100mW/cm2 の強度で30秒間紫外線を照射し
て電荷輸送層を硬化させた他は、実施例1と同様にして
電子写真感光体を作成し、評価した。
られるように、紫外線硬化を行った場合には、本発明と
同様の化合物を用いても初期において感度が低く、また
残留電位が高く、これによって画像が薄く、鮮明な画像
が得られない。
有する化合物を表4に示される化合物に代えた他は、実
施例1と同様にして電子写真感光体を作成し、評価し
た。
られるように、いずれの感光体においても電子写真特性
は良好で、析出及びクラックの発生は観察されなかっ
た。しかし、表6に見られるように、感光層の比誘電率
が4.0を超えると感度低下及び残留電位増加の傾向を
示す。
5に示す条件に変更した他は、実施例1と同様にして電
子写真感光体を作成し、評価した。
られるように、いずれの感光体においても電子写真特性
は良好で、析出及びクラックの発生は観察されなかっ
た。しかし、表6に見られるように、電子線の加速電圧
が250Vを超えると、また照射線量が100Mrad
を超えると感度低下及び残留電位の増加の傾向がみられ
る。
耐析出性、耐ソルベントクラック性、耐摩耗性及び耐傷
性を有し、更に、感度や残留電位などの特性も良好であ
り、繰り返し使用時にも安定した高性能を有する電子写
真感光体、該電子写真感光体の製造方法該電子写真感光
体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提
供することができる。
トリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図
である。
Claims (32)
- 【請求項1】 支持体上に感光層を有する電子写真感光
体において、該電子写真感光体の表面層が、電荷輸送物
質、及びアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオ
キシ基を有する化合物を放射線照射により硬化すること
によって得られる樹脂を含有することを特徴とする電子
写真感光体。 - 【請求項2】 感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を有
し、該電荷輸送層が表面層である請求項1記載の電子写
真感光体。 - 【請求項3】 表面層が、アクリロイルオキシ基または
メタクリロイルオキシ基を有する化合物を含有する溶液
を塗布後、放射線照射により硬化することによって得ら
れる層である請求項1または2記載の電子写真感光体。 - 【請求項4】 溶液が電荷輸送物質を含有する請求項3
記載の電子写真感光体。 - 【請求項5】 アクリロイルオキシ基またはメタクリロ
イルオキシ基を有する化合物がモノマーである請求項1
乃至4がいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項6】 モノマーがアルキル型、アルキレングリ
コール型、トリメチロールプロパン型、ペンタエリスト
ール型、イソシアヌレート型及び脂環型からなる群より
選択される請求項5記載の電子写真感光体。 - 【請求項7】 モノマーがトリメチロールプロパン型、
ペンタエリストール型、イソシアヌレート型及び脂環型
からなる群より選択される請求項6記載の電子写真感光
体。 - 【請求項8】 アクリロイルオキシ基またはメタクリロ
イルオキシ基を有する化合物が多官能化合物である請求
項1乃至7のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項9】 感光層が4.0以下の比誘電率を有する
請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項10】 感光層が3.5以下の比誘電率を有す
る請求項9記載の電子写真感光体。 - 【請求項11】 放射線が電子線である請求項1乃至1
0のいずれかに記載の電子写真感光体。 - 【請求項12】 電子線の加速電圧が250KV以下で
ある請求項11記載の電子写真感光体。 - 【請求項13】 電子線の加速電圧が150KV以下で
ある請求項12記載の電子写真感光体。 - 【請求項14】 電子線の照射線量が1〜100Mra
dである請求項11乃至13のいずれかに記載の電子写
真感光体。 - 【請求項15】 電子線の照射線量が3〜50Mrad
である請求項14記載の電子写真感光体。 - 【請求項16】 支持体上に感光層を有する電子写真感
光体の製造方法において、該電子写真感光体の表面層と
して、電荷輸送物質を含有する層を形成する工程を有
し、該工程がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイ
ルオキシ基を有する化合物を含有する溶液に放射線を照
射して該化合物を硬化する工程を有することを特徴とす
る電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項17】 感光層が電荷発生層及び電荷輸送層を
有し、該電荷輸送層が表面層である請求項16記載の電
子写真感光体の製造方法。 - 【請求項18】 溶液を塗布した後、放射線を照射して
化合物を硬化する請求項16または17記載の電子写真
感光体の製造方法。 - 【請求項19】 溶液が電荷輸送物質を含有する請求項
16乃至18のいずれかに記載の電子写真感光体の製造
方法。 - 【請求項20】 アクリロイルオキシ基またはメタクリ
ロイルオキシ基を有する化合物がモノマーである請求項
16乃至19のいずれかに記載の電子写真感光体の製造
方法。 - 【請求項21】 モノマーがアルキル型、アルキレング
リコール型、トリメチロールプロパン型、ペンタエリス
トール型、イソシアヌレート型及び脂環型からなる群よ
り選択される請求項20記載の電子写真感光体の製造方
法。 - 【請求項22】 モノマーがトリメチロールプロパン
型、ペンタエリストール型、イソシアヌレート型及び脂
環型からなる群より選択される請求項21記載の電子写
真感光体の製造方法。 - 【請求項23】 アクリロイルオキシ基またはメタクリ
ロイルオキシ基を有する化合物が多官能化合物である請
求項16乃至22のいずれかに記載の電子写真感光体の
製造方法。 - 【請求項24】 感光層が4.0以下の比誘電率を有す
る請求項16乃至23のいずれかに記載の電子写真感光
体の製造方法。 - 【請求項25】 感光層が3.5以下の比誘電率を有す
る請求項24記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項26】 放射線が電子線である請求項16乃至
25のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項27】 電子線の加速電圧が250KV以下で
ある請求項26記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項28】 電子線の加速電圧が150KV以下で
ある請求項27記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項29】 電子線の照射線量が1〜100Mra
dである請求項26乃至28のいずれかに記載の電子写
真感光体の製造方法。 - 【請求項30】 電子線の照射線量が3〜50Mrad
である請求項29記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項31】 請求項1乃至15のいずれかに記載の
電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニ
ング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手
段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在である
ことを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 【請求項32】 請求項1乃至15のいずれかに記載の
電子写真感光体、帯電手段、像露光手段、現像手段及び
転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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1999
- 1999-01-06 JP JP00110199A patent/JP4143200B2/ja not_active Expired - Fee Related
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