JPH11265052A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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Publication number
JPH11265052A
JPH11265052A JP6821198A JP6821198A JPH11265052A JP H11265052 A JPH11265052 A JP H11265052A JP 6821198 A JP6821198 A JP 6821198A JP 6821198 A JP6821198 A JP 6821198A JP H11265052 A JPH11265052 A JP H11265052A
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JP
Japan
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liquid
storage chamber
pipe
water
injection tank
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Application number
JP6821198A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Takatsuka
務 高塚
Kazuo Sanada
和男 眞田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体噴射装置の貯留室内へ液体を送給する際
の気泡の発生の防止と、気泡の残留とを防止し、ノズル
孔の列の各部から液体を略均等に噴射させる。 【解決手段】 貯留室350内に液体を送る管路352
を液体中に乱流による気泡を生じないように孔の断面積
の急激な変化や鋭角な屈曲部を作らないように構成し、
貯留室350の天井を傾斜させ気泡を移動させる上側壁
面部350Aの高所から気泡を貯留室350の外へ放出
する管路354を設け、貯留室350内に気泡が残留す
ることを防止し、ノズル孔の列の各部から液体を略均等
に噴射させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、感光材料及び受
像材料といった画像記録材料等に適切に液体である画像
形成用溶媒を噴射し得る液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レーザー露光熱現像転写方式
(銀塩写真方式)の画像形成装置が用いられている。こ
のような画像形成装置は、図14に示すような処理工程
により出力プリントを得ている。初めに、露光処理工程
では、画像データの入力信号をCPU500で画像処理
し、この画像処理信号を半導体ユニット502へ送る。
【0003】この半導体ユニット502では、ロール状
に巻装されたドナーロール504から所定長さ引き出さ
れて切断されたドナー片506の露光面上に、レーザー
(LD)光源を用いて3色同時露光処理を行う。この露
光処理によりドナー片506中のハロゲン化銀が光源に
反応し、潜像が形成され、次の水塗布工程へ送られる。
【0004】この水塗布工程では、液体噴射装置508
により水を所定少量かつ均一に、ドナー片506の面上
へ塗布し、次の熱現像、及び色像転写工程へと送る。
【0005】この熱現像、及び色像転写工程では、受像
紙ロール510から所定長さ引き出され切断されて用意
された受像紙片512(OHPフィルム等でも良い)
に、水を塗布したドナー片506を重ねて貼り合わせた
状態で、加熱装置514で加熱する。これにより、ドナ
ー片506側で現像が進行するとともに、ドナー片50
6の色素は受像紙片512へ移り、定着されて、ドナー
片506の画像が受像紙片512へ転写される。この転
写作業が完了した後、貼り合わされたドナー片506
と、受像紙片512とは、剥離工程へ送られる。
【0006】この剥離工程では、使用済みドナー片50
6と、画像が転写された受像紙片512とが剥離され、
ドナー片506は破棄され、受像紙片512は高画質な
カラープリントとして完成され、送り出される。
【0007】従来、このような画像形成装置に用いられ
る液体噴射装置508として、ドナー片506の表面上
に少量の水を均一に塗布するため、外部から給水を受け
るように構成した密閉形の水槽となる貯留室の底部に多
数の小さなノズル孔を穿孔したノズル板を配置し、この
ノズル板に対し、その長手方向に所定間隔を開けて小柱
状のアクチェータを配置し、このアクチェータを駆動し
てノズル板を振動させ、そのノズル孔から水槽である貯
留室内の水を水滴として外部へ噴出させるものが提案さ
れている。
【0008】このような液体噴射装置508は、その使
用開始時に空の水槽である貯留室内部に給水管から水を
貯留室内部へ充填し、さらにドナー片506上に水を噴
射する作業中は、随時噴射して失われる水と同量の水を
給水管から密閉形の貯留室内へ供給し、内部の水圧が一
定に保たれるようにする。また、液体噴射装置508に
よりドナー片506へ水を塗布する作業が完了したとき
には、その貯留室内部の水を排水管から排水して不使用
時にノズル孔から水が漏れ出すのを防止するようにして
用いられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来提案
されている液体噴射装置では、その使用時に、空の水槽
である貯留室内部へ給水管から水を充填する際、給水管
の管断面積の急激な変化等による乱流の発生によって貯
留室内壁に気泡が付着して残留することがある。
【0010】このように密閉形の貯留室内に気泡が残留
しているとアクチェータを駆動してノズル板を振動させ
た際、ノズル板が貯留室内の圧力を高める方向へ動いた
ときに貯留室内の気泡の体積が縮小されてその圧力を吸
収し、また、ノズル板が貯留室内の圧力を弱める方向へ
動いたときに気泡の体積が膨張されてその圧力を吸収す
ることとなり圧力損が生じ、ノズル板が密閉形の貯留室
内の水を加圧する圧力が低下しノズル孔から水を押し出
して噴射させることができなくなって噴射不良を発生す
る虞れがあった。
【0011】本発明は、上記事実を考慮し、ノズル板を
設けた液槽となる貯留室内へ液体を充填する際に乱流に
よって気泡が発生しないようにし、さらには貯留室内部
に気泡ができても外部へ流出して貯留室内部に気泡が残
留しないようにすることにより噴射不良を防止し、適切
に液体を噴射させるようにした液体噴射装置を新たに提
供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
液体噴射装置は、液体を貯留する噴射タンクの貯留室の
壁面の一部を液体を噴射する複数のノズル孔を設けたノ
ズル板で構成し、ノズル板を揺動させることにより、貯
留室内の液体を加圧して液体を複数のノズル孔から噴出
させる液体噴射装置において、貯留室の一部に管口が開
口され貯留室内に液体を供給するため噴射タンクの一部
に設けた第1管路と、噴射タンクのフレームで形成され
る貯留室の天井部分を水平に対し傾斜させ下方から上方
へ液体中に生成された気泡を移動させ得るように構成し
た上側壁面部と、フレームの傾斜した上側壁面部におけ
る水平に対する位置が他の部分より高くなった部分に管
口が開口され、気泡を貯留室の外へ放出可能とするため
フレームに設けた第2管路と、を有することを特徴とす
る。
【0013】上述のように構成することにより、貯留室
内に第1管路から液体を供給する際等に貯留室内へ気泡
が入った場合、この貯留室の天井側へ浮き上がった気泡
が上側壁面部の傾斜によって第2管路の管口へ入り、こ
の第2管路を通じて貯留室外へ放出可能とされる。よっ
て、噴射タンクの貯留室内に気泡が残留しないように
し、残留気泡による噴射不良を防止し、適切に液体を噴
射させ得る。
【0014】本発明の請求項2記載の液体噴射装置は、
パイプを通じて供給される液体を貯留する噴射タンクの
貯留室の壁面の一部を液体を噴射する複数のノズル孔を
設けたノズル板で構成し、ノズル板を揺動させることに
より、貯留室内の液体を加圧して液体を複数のノズル孔
から噴出させる液体噴射装置において、貯留室の一部に
開口する管口と液体を送るパイプの口とを連通する管路
を設け、当該管路が、噴射タンクのフレームに孔の断面
積の急激な変化や鋭角な屈曲部を作ることなく接続さ
れ、液体をその液体中に乱流による気泡を生じないよう
構成されたことを特徴とする。
【0015】上述のように構成することにより、噴射タ
ンクの貯留室内へ送液用のパイプから管路を通じて液体
を供給するときに、液体が管路内を整流となって流れる
如くに、乱流や渦を生じないよう流れて気泡を生じない
ようにする。よって液体を管路を通して貯留室内へ供給
する際に気泡を貯留室内に入れないようにし、噴射タン
クの貯留室内に気泡が残留しないようにし、残留気泡に
よる噴射不良を防止し、適切に液体を噴射させ得る。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1、又は請
求項2のいずれかに記載の液体噴射装置において、噴射
タンクを、回転支持機構によって使用状態と転倒した排
液状態との間で回動操作可能とし、噴射タンクが排液状
態のとき、ノズル孔より噴射タンク内に残留した液体の
液面が低くなるように、排液機能を有する管路の管口を
配設したことを特徴とする。
【0017】上述のように構成することにより、前述し
た請求項1、又は請求項2記載の発明の作用、及び効果
に加えて、液体噴射装置の不使用時に、回転支持機構に
よって噴射タンクを転倒し貯留室内部の液体を噴射タン
クのノズル孔より液面の位置が下がるまで排出した状態
にして次の使用時まで待機する。よって、この液体噴射
装置の不使用時に、貯留室内の液体がノズル孔から漏れ
出し、液が付くべき所以外の場所に付くことを防止でき
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の実施の形態に
係る液体噴射装置を備えた画像形成装置である画像記録
装置10の概略全体構成が示されている。
【0019】この図1に示される画像記録装置10の機
台12内には、感光材料16を収納する感材マガジン1
4が配置されており、感材マガジン14から引き出され
たこの感光材料16の感光(露光)面が図1に向って左
方へ向くように感光材料16が感材マガジン14にロー
ル状に巻き取られている。
【0020】感材マガジン14の感光材料取出し口の近
傍には、ニップローラ18およびカッタ20が配置され
ており、感材マガジン14から感光材料16を所定長さ
引き出した後に切断することができる。カッタ20は、
例えば固定刃と移動刃から成るロータリータイプのカッ
タとされており、移動刃を回転カム等によって上下に移
動させて固定刃と噛み合わせ感光材料16を切断するこ
とができる。
【0021】カッタ20に対して感光材料16の搬送方
向下流側には、複数の搬送ローラ24、26、28、3
0、32、34が順に配置されており、各搬送ローラの
間には図示しないガイド板が配設されている。所定長さ
に切断された感光材料16は、まず搬送ローラ24、2
6の間に設けられた露光部22へ搬送される。
【0022】この露光部22の左側には露光装置38が
設けられている。露光装置38には、3種のLD、レン
ズユニット、ポリゴンミラー、ミラーユニットが配置さ
れており(何れも、図示省略)、露光装置38から光線
Cが露光部22に送られて、感光材料16が露光される
ようになっている。
【0023】さらに、露光部22の上方には、感光材料
16をU字状に湾曲させて搬送するUターン部40及び
画像形成用溶媒を塗布する為の水塗布部50が設けられ
ている。尚、本実施の形態において液体である画像形成
用溶媒としては水が用いられる。
【0024】感材マガジン14から上昇し露光部22に
て露光された感光材料16は、搬送ローラ28、30に
よりそれぞれ挟持搬送されてUターン部40の上側寄り
の搬送経路を通過しつつ水塗布部50へ送り込まれる。
【0025】一方、図2に示す如く、水塗布部50の感
光材料16の搬送経路Aと対向する位置には、液体噴射
装置である塗布装置310の一部を構成する噴射タンク
312が配置されている。
【0026】また、図2に示すように、この噴射タンク
312の左下方には、この噴射タンク312に供給する
為の水を貯留する水ボトル332が配置されており、こ
の水ボトル332の上部に水を濾過する為のフィルタ3
34が配置されている。そして、途中にポンプ336が
配置された送水パイプ342が、この水ボトル332と
フィルタ334との間を繋いでいる。
【0027】さらに、噴射タンク312の図2に向って
右側には、水ボトル332より送られた水を溜めるサブ
タンク338が配置されており、フィルタ334から送
水パイプ344がサブタンク338にまで伸びている。
【0028】従って、ポンプ336が作動すると、水ボ
トル332からフィルタ334側に水が送られると共
に、フィルタ334を通過して濾過された水がサブタン
ク338に送られて、サブタンク338に水が一旦溜め
られるようになる。
【0029】また、サブタンク338と噴射タンク31
2の一端側の側部との間を繋ぐ送水パイプ346が、こ
れらの間に配置されており、フィルタ334、サブタン
ク338、送水パイプ346等を介して、水ボトル33
2よりポンプ336で送られた水がこの噴射タンク31
2内に満たされることになる。
【0030】この噴射タンク312の下部には、水ボト
ル332に循環パイプ348で繋がれたトレー340が
配置されており、噴射タンク312より溢れ出した水を
トレー340が集め、循環パイプ348を介して水ボト
ル332に戻すようになっている。また、この循環パイ
プ348は、サブタンク338内にまで突出して伸びた
状態でサブタンク338に接続されており、サブタンク
338内に溜まった必要以上の水を水ボトル332に、
戻すようになっている。
【0031】さらに、図4及び図6に示すように、この
噴射タンク312の底壁面として感光材料16の搬送経
路Aに対向した部分には、弾性変形可能な長方形状の薄
板状の板材(例えば板厚が60μm以下)により形成さ
れたノズル板322が設置されている。
【0032】そして、図4〜図6に示すように、このノ
ズル板322には、噴射タンク312内に満たされた水
を噴射するための複数のノズル孔324(例えば直径1
0μm〜200μm)が、一定の間隔で感光材料16の
搬送経路Aと交差する方向に沿って直線状に並べられつ
つ感光材料16の幅方向全体にわたって配置されてい
る。尚、複数のノズル孔324を、単数又は複数のノズ
ル列に並べるよう配置構成しても良い。これにより、各
ノズル孔324よりそれぞれ噴射タンク312内の水が
感光材料16側に放出可能とされている。
【0033】また、このノズル板322には、複数のノ
ズル孔324が並ぶ方向であるノズル板322の長手方
向に沿って剛性を高めるように、複数のノズル孔324
が線状に並んだ方向に沿って延びる断面台形の溝状に屈
曲形成された溝部322Aが設けられている。
【0034】さらに、噴射タンク312内に水が貯留さ
れた時の水圧によってノズル孔324よりはみ出した水
が隣り合ったノズル孔324間で繋がり、見かけ上のノ
ズル孔径が大きくなって水漏れすることを防止する為、
噴射タンク312の外側面であるノズル板322の下面
には、NiPメッキ等のはっ水処理が施されている。
【0035】また、気泡がノズル孔324の周辺に付着
するのを防止する為、噴射タンク312の内側であって
ノズル孔324の周囲のノズル板322の角部を湾曲し
た断面構造とするか、或いはこの部分に親水処理を施
す。
【0036】他方、図2及び図3に示すように、送水パ
イプ346が繋がれた部分と反対側の噴射タンク312
の上部から排気管330が伸びており、この排気管33
0が噴射タンク312の内外を連通可能としている。ま
た、この排気管330の途中にこの排気管330を開閉
する図示しないバルブが設置されていて、このバルブの
開閉動により、噴射タンク312内を外気に対して連通
又は閉鎖し得るようになっている。
【0037】線状に配列された複数のノズル孔324の
長手方向と直交する方向に位置するノズル板322の両
端側部は、それぞれ図4に示すように、変位伝達部材で
ある一対のてこ板320に接着剤等で接着されて接続さ
れており、これによってノズル板322と一対のてこ板
320とが連結されている。これら一対のてこ板320
は、それぞれ噴射タンク312の一対の側壁312A間
を繋ぐ側壁である支持部312Bを介して、これら一対
の側壁312Aにそれぞれ固定されている。
【0038】一方、相互に当接して噴射タンク312の
頂面を形成する一対の頂壁312Cの一部は、噴射タン
ク312の外側にまで突出しており、この突出した頂壁
312Cの下側には、伸縮駆動するアクチュエータとな
る複数の圧電素子326(本実施の形態上では、片側に
2本づつ)が接着されて配置されている。この圧電素子
326の下面には、てこ板320の外端側が接着され
て、圧電素子326とてこ板320とが連結されてい
る。すなわち、圧電素子326は、頂壁312Cとてこ
板320との間に橋渡すように架設されている。
【0039】従って、これら圧電素子326、てこ板3
20及び支持部312Bにより、てこ機構が構成される
ことになり、圧電素子326によっててこ板320の外
端側が動かされると、てこ板320が支持部312B廻
りに揺動され、この動きと逆方向にてこ板320の内端
側が動くことになる。尚、この圧電素子326は、積層
された例えば圧電セラミックスで形成されていて、圧電
素子326の軸方向の変位が大きくされたものであり、
コントローラにより電圧の印加のタイミングが制御され
る電源(それぞれ図示せず)に、接続されている。そし
て、前述の排気管330の開閉用のバルブも、このコン
トローラに接続されていて、このコントローラがバルブ
の開閉動も制御することになる。
【0040】他方、これらてこ板320、側壁312
A、支持部312B及び頂壁312Cは、一体的に形成
されたフレーム314の一部をそれぞれ形成しており、
図4に示すように、このフレーム314が一対重ね合わ
されて図示しないボルトで締結されることにより、一対
のてこ板320、一対の側壁312A、一対の頂壁31
2C及び一対の支持部312Bが、それぞれ相互に対向
して配置された状態で、噴射タンク312の外枠を形成
することになる。
【0041】尚、このフレーム314は、アルミニウ
ム、真鍮、マグネシウム等の金属材料により形成され
る。
【0042】また、図3、及び図6に示すように、ノズ
ル孔324の列の長手方向に位置するノズル板322の
端部であるノズル板322の両端と、一対のフレーム3
14の端部とで、区画された部分には、薄肉の封止板3
28が一対のフレーム314に接着された状態で配置さ
れている。
【0043】さらに、この封止板328の内側には、ノ
ズル板322の左右端及び一対のフレーム314の端部
と、この封止板328との間の隙間を埋めて、これらの
間から水が漏れないようにする為、例えばシリコンゴム
系の接着剤である弾性接着剤が、充填されている。従っ
て、ノズル板322の両端の動きを阻害せずに、噴射タ
ンク312の隙間が弾性接着剤により封止されることに
なる。尚、薄肉の封止板328を用いず噴射タンク31
2の両端を弾性接着剤で蓋を構成することにより封止す
るようにしても良い。
【0044】上述のようにして、噴射タンク312に
は、その内部に一対のフレーム314、ノズル板32
2、及び2個の封止板328で囲まれた空間である貯留
室350が形成されている。すなわち、噴射タンク31
2の貯留室350は、図4及び図7に示すように断面略
T字状で噴射タンク312の長手方向に沿って長いノズ
ル孔324から噴射する水を貯留するための空間として
構成されている。
【0045】また噴射タンク312のフレーム314に
は、その長手方向の一方の端部近くに接続するシリコン
ゴムチューブ製の送水パイプ346の端部の管口から貯
留室350内へ貫通する孔である第1管路352と、そ
の長手方向の他方の端部近くに接続する排気管330の
端口から貯留室350内へ貫通する孔である第2管路3
54とが設けられている。
【0046】この第1管路352は、図3、及び図7に
示す使用状態の姿勢にあるフレーム314の側面部に開
口する送水パイプ346の管口と同断面形状の管口35
2Aから、頂壁312Cの上面と略平行に貯留室350
の上側壁面部350Aの幅方向中央近くまで穿設された
横管部(358、360)と、この横管部から上側壁面
部350Aに開口する管口352Bまで斜状に続く縦管
部356とで構成されている。この第1管路352にお
ける横管部は、管口352Aから中間部まで管の断面積
が滑らかに小さくなるよう円錐台形の周部状の孔である
絞り管部358と、この絞り管部358の小さな断面積
の管口358Aと同断面積で連続する円柱状の孔である
直管部360とで構成されている。また縦管部356
は、直管部360の管口360Aから鈍角に折曲して上
側壁面部350Aの管口352Bまで、滑らかに管の孔
の断面積を広げるよう管の孔の内周面が末広がりの円錐
周面の一部の形状に形成されている。
【0047】さらに、管口352Bの面積(S1)は、
貯留室350の管口352Bがある部分の断面積(S
2)に対し(S2)≦3×(S1)の関係となるよう構
成されている。すなわち、断面積(S2)は、面積(S
1)の3倍以下となるように構成されている。
【0048】尚、第1管路352は、その横管部から縦
管部356へ屈曲する形状を滑らかな曲線形状としても
良い。さらに絞り管部358と、縦管部356との孔の
内周面の形状は円錐の周面形状以外の滑らかな曲面によ
り孔の断面積をゆるやかに変更する曲面形状としても良
い。
【0049】上述のように構成された第1管路352で
は、送水パイプ346から送られて来た水流が、この送
水パイプ346と接続する第1管路352の管口352
A部分で送水パイプ346の孔の内径と管口352Aの
内径が同一でかつ一致して接続されているため乱流を生
ずることなく流入するから、この部分で気泡を残留させ
ないようにできる。さらに、管口352Aから流入した
水流は絞り管部358で絞られて滑らかに流速を増し、
直管部360を流れるため、この絞り管部358から直
管部360に至る管内の部分では、速い流水によって気
泡が押し流されてしまい気泡を残留させないようにでき
る。
【0050】また、直管部360から縦管部356へか
けての第1管路352の折曲部では、水流が鈍角に曲が
るよう変化することになり、この水流の曲がり変化によ
って乱流が生じて気泡が残留することがないようにされ
る。さらに縦管部356では、水の流入側の管口360
Aの断面積より出口側の管口352Bの面積の方が大き
く、その管の内周面も滑らかな円錐面の一部となってい
るので、乱流を生ずることなく滑らかに水流が流れ、か
つ流速を下げ、十分に遅い流速となってから貯留室35
0内へ流入する。
【0051】この縦管部356から管口352Bを通っ
て貯留室350内へ流入する際、管口352B部分の貯
留室350の断面積(S2)が、管口352Bの面積
(S1)の3倍以下なので、水流が縦管部356から貯
留室350へ流入するときに流速が変わっても乱流を生
じないようにでき、気泡が残留することを有効に防止で
きる。
【0052】図3、図7、及び図8に示すように、噴射
タンク312のフレーム314に設けられる第2管路3
54は、フレーム314の頂壁312Cの上平面部から
貯留室350の上側壁面350Aまで鉛直方向に円柱状
に貫通するよう穿設されている。
【0053】この第2管路354の上側壁面350Aに
開口する管口354Aは、その断面積を第1管路352
の管口352Bと同等、又はそれより大きく形成され
て、貯留室350内の気泡Fが第2管路354内へ導び
かれ易すくされている。さらに第2管路354の管口3
54Aは、貯留室350における第1管路352の管口
352Bと同水準の位置(水平方向に並ぶ位置)より高
い位置に設定され、気泡Fの浮力によって管口354A
に入り易いよう設定されている。
【0054】また、第2管路354の頂壁312Cの上
平面部に開口する管口354B部分には排気管330が
一体的に接続され、この管口354Bと、排気管330
の管の孔とが同形で滑らかに接続されるように構成され
ている。尚、第2管路354は、その貯留室350の上
側壁面350Aに開口する管口354Aから、一部水平
方向へ延びるように、又は傾斜する状態に形成しても良
い。また、排気管330は前述したように、バルブによ
って外気に対し連通又は閉鎖可能とされているから、こ
の排気管330内に導かれた気泡Fはバルブを開いたと
きに外気に放出される。
【0055】図7、及び図8に示すように、噴射タンク
312の貯留室350は、その長手方向の一方の端部の
第1管路352から他方の端部の第2管路354側に内
部の気泡が移動し易いように構成されている。このた
め、貯留室350の上側壁面部350Aの部分を、第1
管路352側の直線状の側辺から断面等脚台形状に除々
にその高さを増すよう形成する。すなわち、上側壁面部
350Aにおける上記断面等脚台形の上底に当たる上平
面362が第1管路352から第2管路354へかけて
鉛直方向の高さ位置が高くなるよう図8に示す如く所定
の角度θの勾配に構成されている。
【0056】尚、上平面362が第1管路352から第
2管路354へかけて勾配が付けられているので、自ず
と、第2管路354の管口354Aは、第1管路352
の管口352Bより鉛直方向で上側に位置することにな
る。
【0057】この上平面362の勾配の角度θは、例え
ば図11及び図12の実験結果に基づいて設定すること
ができる。この実験は、全長100ミリメートルの噴射
タンク312を用い、貯留室350の上側壁面部350
Aを平面に形成したときにおける勾配の角度θを1度〜
5度まで6段階に変更し、そのときに貯留室350内を
上側壁面部350A側へ流れる鉛直方向の水の流速を測
定することにより行われた。この実験より、通常使用時
に想定される範囲内での任意の初期流速VO でX軸方向
へ水が流れるときの各角度θでの鉛直方向の流速が図1
2のように変化することが分かった。
【0058】この実験より、上側壁面部350Aの勾配
の角度θを約2度以上としたときに気泡Fが良好に第2
管路354側へ流れ去ることが観察できた。さらに、実
験を繰り返すことにより、この勾配の角度θを約3度と
したときに、他の種々の条件にも対応しつつ良好な結果
が得られるので通常の使用状態では角度θを約3度とす
れば良いことが分かった。
【0059】図7に示すように、貯留室350の上側壁
面部350Aにおける第2管路354近傍では、この上
側壁面部350A部分で囲まれた空間が断面等脚台形状
に形成されていて、この部分での上平面362の横幅が
第2管路354の管口354Aの直径と略同等となるよ
う構成されている。そして、上平面362の両横には、
各々斜辺部364が形成されている。各斜辺部364
は、貯留室350における第1管路352側端部から第
2管路354側端部へかけて末広がりの三角形状をした
斜面に形成されている。
【0060】このような上平面362と、2つの斜辺部
364とにより上側壁面部350Aが形成された場合に
は、貯留室350内の第1管路352側の気泡がその浮
力と、貯留室350内の流れとにより、上平面362の
勾配に沿って第2管路354側へ導かれるとともに、貯
留室350内の長手の縦方向に直交する横幅方向の両横
端部側にある気泡も、斜辺部364によって第2管路3
54内へ流れ込むことになる。尚、各斜辺部364は、
上側壁面部350Aの全長に渡って構成するばかりでな
く、その長さ方向の中間から第2管路354側へかけて
形成しても良い。
【0061】上述のように構成された噴射タンク312
は、回転支持機構によって図9に示す使用状態と図10
に示す排水状態との間を回動操作可能に構成されてい
る。この回転支持機構を構成するため、画像記録装置1
0の機台12(図1に図示)側に、大径の外歯歯車の一
部として扇形に構成された固定歯車部366が固定され
ている。この固定歯車部366の中心には、腕部材36
8の一方の端部が軸ピン370で同芯となるよう軸着さ
れている。
【0062】この腕部材368の他方の端部には、軸孔
372が穿孔され、この軸孔372に小径の外歯歯車で
ある被動歯車374の軸棒376が軸着されている。こ
のように腕部材368の自由端に軸着された被動歯車3
74は、固定歯車部366の外歯歯車上を噛合しながら
転動するよう配置されている。さらに被動歯車374の
軸棒376は噴射タンク312のフレーム314におけ
る各封止板328を設けた各端部に固着され、被動歯車
374と噴射タンク312とが一体的に回動するよう構
成されている。
【0063】また、腕部材368を回動操作するための
駆動操作手段としてカム機構が配置されている。このカ
ム機構の従動節を構成するため、腕部材368の長手方
向上側部には、断面逆L字状に延出する従動側辺378
が一体に形成されている。
【0064】また、カム機構の原動節として、円板状の
カム板の偏心位置に回転駆動軸382を固着した板カム
380が構成され、この板カム380はその外周を従動
側辺378の下面に摺接させるよう配置されている。
【0065】上述のように回転支持機構によって支持さ
れた噴射タンク312は、図9に示す使用状態におい
て、板カム380の外周上の回転駆動軸382との距離
が接近した所定位置で従動側辺378に当接して腕部材
368が支持され、さらに腕部材368に軸支された被
動歯車374が固定歯車部366に噛合してその回動が
制止されることによって、この使用状態が保持されてい
る。
【0066】次に、画像記録装置10の使用を終了した
場合等で、噴射タンク312の貯留室350内の水を抜
く場合には、この噴射タンク312を横転するように回
動した排水状態とする。このため、図9に示す使用状態
から図示しない駆動源によって回転駆動軸382と一体
の板カム380を180度回動する。すると板カム38
0は、その外周を従動側辺378に摺接させながら回動
し、その外周の回転駆動軸382からの距離が大きくな
る所定位置で従動側辺378に当接し腕部材368を支
持する状態に至る。この板カム380の回動により、腕
部材368が回動され、固定歯車部366に噛合する被
動歯車374と一体に噴射タンク312が90度回動さ
れた図10に示す横向きとなる状態とされる。
【0067】この図10に示す排水状態では、噴射タン
ク312の貯留室350内の水が第1管路352から送
水パイプ346を逆流して排水される。このとき、噴射
タンク312が図10に示す如く横転すると、この状態
で鉛直方向に見てその貯留室350における管口352
Bの下端部は、ノズル板322のノズル孔324の位置
より下方となる。よって、この管口352Bから貯留室
350内の水が排水されたときにこの貯留室350内に
残留する水の水位はノズル孔324の位置より下方とな
るので、この噴射タンク312が横転した状態で貯留室
350内に残留した水がノズル孔324から漏れ出して
不用な部分に水が掛かることを防止できる。
【0068】この噴射タンク312は、画像記録装置1
0の使用を再開するまで、上述の横転した状態で待機す
る。そして、次に使用を開始するときには、回転支持機
構を前述とは逆に動作させることにより、噴射タンク3
12を図10に示す排水状態から図9に示す使用状態の
姿勢へ戻して処理動作を再開する。
【0069】前述のように構成された噴射タンク312
は、その使用状態において圧電素子326に電源より通
電されると、図5に示すように、圧電素子326が伸び
ててこ板320を支持部312B廻りに回動される。こ
れに伴って、この圧電素子326がノズル板322の中
央部を矢印B方向に沿って上昇させるように、ノズル板
322を変形させつつ変位させる。そして、このノズル
板322の変形に伴って、噴射タンク312内の水の圧
力が高まり、ノズル孔324から少量の水である水滴L
が一括してそれぞれ線状に噴射されることになる。
【0070】さらに、圧電素子326に繰り返して通電
し、繰り返して圧電素子326を伸ばすことで、ノズル
孔324より連続して水滴Lを噴射することが可能とな
る。
【0071】一方、図1に示すように、機台12内の左
上端部には受像材料108を収納する受材マガジン10
6が配置されている。この受像材料108の画像形成面
には媒染剤を有する色素固定材料が塗布されており、受
材マガジン106から引き出された受像材料108の画
像形成面が下方へ向くように受像材料108が受材マガ
ジン106にロール状に巻き取られている。
【0072】受材マガジン106の受像材料取出し口の
近傍には、ニップローラ110が配置されており、ニッ
プローラ110が受像材料108をニップして受材マガ
ジン106から受像材料108を引き出すと共にそのニ
ップを解除することができる。
【0073】ニップローラ110の側方にはカッタ11
2が配置されている。カッタ112は前述の感光材料用
のカッタ20と同様に、例えば固定刃と移動刃から成る
ロータリータイプのカッタとされており、移動刃を回転
カム等によって上下に移動させて固定刃と噛み合わせる
ことにより、受材マガジン106から引き出された受像
材料108を感光材料16よりも短い長さに切断できる
ようになっている。
【0074】カッタ112の側方には、搬送ローラ13
2、134、136、138及び図示しないガイド板が
配置されており、所定長さに切断された受像材料108
を熱現像転写部120側に搬送できるようになってい
る。
【0075】図1及び図13に示す如く、熱現像転写部
120は、それぞれ複数の巻き掛けローラ140に巻き
掛けられて、それぞれ上下方向を長手方向としたループ
状にされた一対の無端ベルト122、124を有してい
る。従って、これらの巻き掛けローラ140のいずれか
が駆動回転されると、これらの巻き掛けローラ140に
巻き掛けられた一対の無端ベルト122、124がそれ
ぞれ回転される。
【0076】これら一対の無端ベルト122、124の
内の図上、右側の無端ベルト122のループ内には、上
下方向を長手方向とした平板状に形成された加熱板12
6が、無端ベルト122の左側の内周部分に対向しつつ
配置されている。この加熱板126の内部には、図示し
ない線状のヒータが配置されており、このヒータによっ
て加熱板126の表面を昇温して所定の温度に加熱でき
るようになっている。
【0077】従って、感光材料16は、搬送経路の最後
の搬送ローラ34により熱現像転写部120の一対の無
端ベルト122、124間に送り込まれる。また、受像
材料108は感光材料16の搬送に同期して搬送され、
感光材料16が所定長さ先行した状態で、搬送経路の最
後の搬送ローラ138により熱現像転写部120の一対
の無端ベルト122、124間に送り込まれて、感光材
料16に重ね合わせられる。
【0078】この場合、受像材料108は感光材料16
よりも幅方向寸法および長手方向寸法がいずれも小さい
寸法となっているため、感光材料16の周辺部は四辺と
も受像材料108の周辺部から突出した状態で重ね合わ
せられることになる。
【0079】以上より、一対の無端ベルト122、12
4によって重ね合わされた感光材料16及び受像材料1
08は、重ね合わせられた状態のままで一対の無端ベル
ト122、124によって挟持搬送されるようになる。
さらに、重ね合わされた感光材料16と受像材料108
が、一対の無端ベルト122、124間に完全に収まっ
た時点で、一対の無端ベルト122、124は回転を一
旦停止し、挟持した感光材料16と受像材料108を加
熱板126で加熱する。感光材料16は、この挟持搬送
時及び停止時において無端ベルト122を介して加熱板
126により加熱されることとなり、加熱に伴って、可
動性の色素を放出し、同時にこの色素が受像材料108
の色素固定層に転写されて、受像材料108に画像が得
られることになる。
【0080】さらに、一対の無端ベルト122、124
に対して材料供給方向下流側には、剥離爪128が配置
されており、この剥離爪128が一対の無端ベルト12
2、124間で挟持搬送される感光材料16と受像材料
108のうち、感光材料16の先端部のみに係合し、一
対の無端ベルト122、124間より突出したこの感光
材料16の先端部を受像材料108から剥離させること
ができる。
【0081】剥離爪128の左方には感材排出ローラ1
48が配置されており、剥離爪128に案内されながら
左方へ移動される感光材料16を、更に廃棄感光材料収
容部150側へ搬送し得るようになっている。
【0082】この廃棄感光材料収容部150は、感光材
料16が巻き付けられるドラム152及び、このドラム
152に一部が巻き掛けられているベルト154を有し
ている。さらに、このベルト154は複数のローラ15
6に巻き掛けられており、これらローラ156の回転に
よって、ベルト154が廻され、これに伴ってドラム1
52が回転するようになっている。
【0083】従って、ローラ156の回転によりベルト
154が廻された状態で、感光材料16が送り込まれる
と、感光材料16がドラム152の周りに集積できるよ
うになっている。
【0084】他方、図1上、一対の無端ベルト122、
124の下方から下流側に向かって受像材料108を搬
送し得るように受材排出ローラ162、164、16
6、168、170が順に配置されており、一対の無端
ベルト122、124から排出された受像材料108
は、これら受材排出ローラ162、164、166、1
68、170によって搬送されて、トレイ172へ排出
されることになる。
【0085】次に本実施の形態の作用を説明する。上記
構成の画像記録装置10では、感材マガジン14がセッ
トされた後には、ニップローラ18が作動され、感光材
料16がニップローラ18によって引き出される。感光
材料16が所定長さ引き出されると、カッタ20が作動
して、感光材料16が所定長さに切断されると共に、そ
の感光(露光)面を左方へ向けた状態で露光部22へ搬
送される。そして、この感光材料16の露光部22の通
過と同時に露光装置38が作動し、露光部22に位置す
る感光材料16へ画像が走査露光される。
【0086】露光が終了すると、露光後の感光材料16
は、水塗布部50に送られる。水塗布部50では、搬送
された感光材料16が、搬送ローラ32の駆動によって
図6に示すように、噴射タンク312側へ送り込まれ
る。
【0087】そして、搬送経路Aに沿って搬送される感
光材料16は、噴射タンク312よりの噴射により水が
付着されるが、この際の動作、作用を以下に説明する。
【0088】まずコントローラによって排気管330の
バルブを閉じた状態とする。この状態で水を霧化しつつ
噴射する際には、コントローラに制御された電源よりの
通電により圧電素子326に電圧を印加して、全ての圧
電素子326を同時に伸ばすように変形させる。
【0089】複数の圧電素子326が同時に伸びるよう
に伸縮すると、一対のてこ板320が支持部312B廻
りにそれぞれ揺動されるのに伴って、一対のてこ板32
0に挟まれて位置するノズル板322のノズル孔324
の周辺部分が搬送経路A上の感光材料16に向かう方向
に沿って往復動され、噴射タンク312内の水をこのノ
ズル板322が加圧する。
【0090】以上より、圧電素子326の動作に伴っ
て、噴射タンク312に充填された水が複数のノズル孔
324から噴出する。この結果、噴射タンク312に充
填された水を図5に示すように、ノズル孔324から霧
化しつつ噴出させて、搬送中の感光材料16上に付着さ
せることができる。この場合、噴射タンク312の底壁
面にこれらノズル孔324が設けられているので、水を
噴出するのに伴って、ノズル孔324から噴射タンク3
12内部に気泡Fが入ることがあるが、ノズル孔324
の近傍にこの気泡Fが溜まることなく噴射タンク312
内を上昇する。この為、気泡Fによってノズル孔324
が塞がれてノズル孔324から水が出なくなることがな
くなって、感光材料16上に水が付着されない部分が生
じないようになる。
【0091】つまり、この結果として、感光材料16と
非接触の噴射タンク312によっても、均一に感光材料
16の上面に水を塗布することが可能となる。また、噴
射タンク312内を上昇した気泡Fは、上側壁面部35
0Aに沿うように流され第2管路354を通り排気管3
30から噴射タンク312外に排出される。
【0092】さらに、圧電素子326の動作に伴って、
複数のノズル孔324が線状に並んだ方向に沿って延び
る支持部312B廻りにてこ板320が揺動されるとと
もに、てこ板320の変位が剛性調整手段311、及び
ノズル板322の両端近くにそれぞれ圧電素子326を
配置した構成で調整されるので、ノズル板322の複数
のノズル孔324が設けられた部分全体が略均一に変位
する。
【0093】この為、直線状に配列された複数のノズル
孔324の長手方向に沿ってノズル孔324を一括して
略同一の変位量で安定して変位させることができ、噴射
タンク312に充填された水が複数のノズル孔324か
ら略均一に噴出される。従って、ノズル板322を噴射
タンク312の底壁面としたことと相まって、より一層
感光材料16上に水が付着されない部分が生じ難くな
る。
【0094】一方、ノズル板322は薄板状の板材によ
り構成され、このノズル板322には、複数のノズル孔
324が線状に並んだ方向に沿って延びる溝部322A
が、屈曲して形成されている。
【0095】従って、ノズル板322が溝部322Aを
有した薄板状の板材により構成されるので、溝部322
Aにより複数のノズル孔324が線状に並んだ方向のノ
ズル板322の剛性を維持しつつ、ノズル板322の低
剛性化が図られてノズル孔324として必要な振幅が確
保される。この為、塗布装置310の噴射動作が安定化
して、噴射タンク312に充填された水が複数のノズル
孔324から確実に噴出されるようになる。
【0096】さらに、ノズル板322が薄板状の板材に
より構成されるので、塗布装置310の製造に際して、
小さいノズル孔324をノズル板322に均一の大きさ
で容易に設けることができる。
【0097】他方、噴射タンク312がノズル孔324
を有し、このノズル孔324から水を噴射させるので、
水が溜められた槽内に感光材料等を漬けて塗布する塗布
装置と比較して、必要最小限の水を塗布することが可能
となるから、短時間で感光材料等を乾燥できるようにな
る。
【0098】また、噴射タンク312が感光材料16の
幅方向全体にわたって配置される複数のノズル孔324
を有し、圧電素子326による一度の変位により、これ
らのノズル孔324から水が同時に噴射されるので、一
度の噴射で、感光材料16の幅方向全体にわたって広範
囲に水を塗布することができる。この為、ノズル板32
2を二次元平面上で走査する必要が無くなると共に、短
時間で大面積の塗布が可能となって、塗布時間を短縮す
ることが可能になる。
【0099】一方、ノズル板322には、単にノズル孔
324を複数形成するだけでよいので、集積化技術が不
要となり、低コストで塗布装置310の製造が可能とな
る。
【0100】さらに、感光材料16の搬送速度と相まっ
て、任意のタイミングで多数回ノズル孔324より水を
噴射することにより、感光材料16の全面にわたって水
が塗布される。そして、ノズル板322のノズル孔32
4から水が噴射されると、噴射タンク312内の水が順
次減少するものの、サブタンク338が水を供給して噴
射タンク312内の水位を一定にする機能を有している
ので、サブタンク338側より水が供給されて、噴射中
の噴射タンク312内の水圧を一定値に保つことが可能
となり、連続的な水の噴射が確保される。
【0101】この後、水塗布部50において画像形成用
溶媒としての水が塗布された感光材料16は、搬送ロー
ラ34によって熱現像転写部120の一対の無端ベルト
122、124間へ送り込まれる。
【0102】他方、感光材料16へ走査露光されるに伴
って、受像材料108も受材マガジン106からニップ
ローラ110によって引き出されて搬送される。受像材
料108が所定長さ引き出されると、カッタ112が作
動して受像材料108が所定長さに切断される。
【0103】カッタ112の作動後は、切断された受像
材料108がガイド板によって案内されながら搬送ロー
ラ132、134、136、138によって搬送され
る。受像材料108の先端部が搬送ローラ138によっ
て挟持されると、受像材料108は熱現像転写部120
の直前で待機状態となる。
【0104】そして、前述のように感光材料16が搬送
ローラ34によって一対の無端ベルト122、124間
へ送り込まれるのに伴って、受像材料108の搬送が再
開されて、一対の無端ベルト122、124間へ受像材
料108が感光材料16と一体的に送り込まれる。
【0105】この結果、感光材料16と受像材料108
が重ねられ、感光材料16と受像材料108とが加熱板
126により加熱されつつ挟持搬送されて、熱現像転写
を行って画像を受像材料108に形成する。
【0106】さらに、一対の無端ベルト122、124
からこれらが排出されると、受像材料108よりも所定
長さ先行して搬送される感光材料16の先端部に剥離爪
128が係合し、感光材料16の先端部を受像材料10
8から剥離する。この感光材料16は、さらに感材排出
ローラ148によって搬送され、廃棄感光材料収容部1
50内に集積される。この際、感光材料16はすぐに乾
燥するので、感光材料16を乾燥させる為に、ヒータ類
をさらに設ける必要がなくなる。
【0107】一方、感光材料16と分離された受像材料
108は、受材排出ローラ162、164、166、1
68、170によって搬送され、トレイ172へ排出さ
れる。
【0108】そして、複数枚の画像記録処理を実施する
場合には、以上の工程が順次連続して行なわれる。
【0109】このように、一対の無端ベルト122、1
24に挟まれて熱現像転写処理されて所定の画像が形成
(記録)された受像材料108は、一対の無端ベルト1
22、124から排出された後に、複数の受材排出ロー
ラ162、164、166、168、170によって挟
持搬送されて装置外へ取り出される。
【0110】さらに、上記の実施の形態においては、ノ
ズル列を搬送方向に対して直角に配置したが、直角に限
定する必要はなく、搬送方向に対して斜めに配置しても
良い。
【0111】また、上記実施の形態においては、画像記
録材料として感光材料16と受像材料108とを用い、
露光後の感光材料16に塗布装置310の噴射タンク3
12により水を塗布して、感光材料16と受像材料10
8とを重ね合わせて熱現像転写させる構成としたが、こ
れに限らず、受像材料108に水を噴射して塗布しても
良い。
【0112】さらに、これらの材料に限らず他のシート
状あるいはロール状の画像記録材料であっても適用可能
であり、画像形成用溶媒を水以外の材料としても良い。
また、現像機における印画紙への現像液の塗布、印刷機
の浸し水の塗布、塗工機等へ応用することとしても良
い。
【0113】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る液体噴射
装置によれば、ノズル板を設けた液槽となる貯留室内へ
液体を充填する際に乱流によって気泡が発生しないよう
にし、さらには貯留室内部に気泡ができても外部へ流出
させて貯留室内部に気泡が残留しないようにすることに
より噴射不良を防止し、適切に液体を噴射させることが
できるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を備え
た画像記録装置を示す概略全体構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を用い
た塗布装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を取り
出して示す拡大斜視図である。
【図4】図3のIV−IV線による断面図である。
【図5】図3のIV−IV線による液体噴射時を示す断
面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置で、搬
送される感光材料に液体を噴射する状態を示す底面図で
ある。
【図7】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置におけ
る液体の貯留室部分を示す要部斜視図である。
【図8】図7のVIII−VIII線による概略断面図
である。本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を備え
た画像記録装置における熱現像転写部の拡大図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を備え
た画像記録装置に設置された、液体噴射装置を使用状態
に支持した回転支持機構の部分を取り出して示す正面図
である。
【図10】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を備
えた画像記録装置に設置された、液体噴射装置を排水状
態に支持した回転支持機構の部分を取り出して示す正面
図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置にお
ける液体の貯留室の上側壁面部の傾斜角度と液体の流速
の関係を示すための説明図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置にお
ける液体の貯留室の上側壁面部の傾斜角度と液体の鉛直
方向の流速との関係を示すグラフである。
【図13】本発明の実施の形態に係る液体噴射装置を備
えた画像記録装置における熱現像転写部の拡大図であ
る。
【図14】従来の液体噴射装置を備えた画像記録装置に
おける処理プロセスを例示する説明図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置 16 感光材料(画像記録材料) 62 水塗布部 310 塗布装置 311 剛性調整手段 312 噴射タンク 320 てこ板(変位伝達部材) 322 ノズル板 324 ノズル孔 326 圧電素子 350 貯留室 350A 上側壁面部 352 第1管路(管路) 352A 管口 352B 管口 354 第2管路 354A 管口 354B 管口 356 縦管部 358 絞り管部 358A 管口 360 直管部 360A 管口 362 上平面 364 斜辺部 366 固定歯車部 368 腕部材 374 被動歯車 378 従動側辺 380 板カム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯留する噴射タンクの貯留室の壁
    面の一部を液体を噴射する複数のノズル孔を設けたノズ
    ル板で構成し、前記ノズル板を揺動させることにより、
    前記貯留室内の前記液体を加圧して前記液体を前記複数
    のノズル孔から噴出させる液体噴射装置において、 前記貯留室の一部に管口が開口され前記貯留室内に前記
    液体を供給するため前記噴射タンクの一部に設けた第1
    管路と、 前記噴射タンクのフレームで形成される前記貯留室の天
    井部分を水平に対し傾斜させ下方から上方へ前記液体中
    に生成された気泡を移動させ得るように構成した上側壁
    面部と、 前記フレームの前記傾斜した上側壁面部における水平に
    対する位置が他の部分より高くなった部分に管口が開口
    され、前記気泡を前記貯留室の外へ放出可能とするため
    前記フレームに設けた第2管路と、 を有することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】 パイプを通じて供給される液体を貯留す
    る噴射タンクの貯留室の壁面の一部を前記液体を噴射す
    る複数のノズル孔を設けたノズル板で構成し、前記ノズ
    ル板を揺動させることにより、前記貯留室内の前記液体
    を加圧して前記液体を前記複数のノズル孔から噴出させ
    る液体噴射装置において、 前記貯留室の一部に開口する管口と前記液体を送るパイ
    プの口とを連通する管路を設け、当該管路が、前記噴射
    タンクのフレームに孔の断面積の急激な変化や鋭角な屈
    曲部を作ることなく接続され、前記液体をその前記液体
    中に乱流による気泡を生じないよう構成されたことを特
    徴とする液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 前記噴射タンクを、回転支持機構によっ
    て使用状態と転倒した排液状態との間で回動操作可能と
    し、前記噴射タンクが排液状態のとき、前記ノズル孔よ
    り前記噴射タンク内に残留した前記液体の液面が低くな
    るように、排液機能を有する前記管路の前記管口を配設
    したことを特徴とする請求項1、又は請求項2のいずれ
    かに記載の液体噴射装置。
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