JP3329717B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3329717B2
JP3329717B2 JP35668697A JP35668697A JP3329717B2 JP 3329717 B2 JP3329717 B2 JP 3329717B2 JP 35668697 A JP35668697 A JP 35668697A JP 35668697 A JP35668697 A JP 35668697A JP 3329717 B2 JP3329717 B2 JP 3329717B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料及び受像
材料等の画像記録材料に適切に画像形成用溶媒を噴射し
得る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二種の画像記録材料、例えば感光材料と
受像材料とを用いて画像記録処理を行う画像形成装置が
知られている。
【0003】この種の画像形成装置内には、感光材料に
塗布するための画像形成用溶媒を溜めた槽を有する画像
形成用溶媒塗布部が配置されており、さらに、加熱ドラ
ムとこの加熱ドラムの外周に圧接し加熱ドラムと共に回
転する無端圧接ベルトから成る熱現像転写部が配置され
ている。
【0004】画像形成装置内で挟持搬送されながら画像
が露光された感光材料は、画像形成用溶媒塗布部におい
て画像形成用溶媒としての水が溜められた槽内に漬けら
れて、水が塗布された後に、熱現像転写部へ送り込まれ
る。一方、受像材料は、感光材料と同様に熱現像転写部
へ送り込まれる。
【0005】熱現像転写部においては、水塗布後の感光
材料が受像材料と重ね合わされ、この状態で加熱ドラム
の外周へ密着しつつ巻き付けられる。さらに、両材料は
加熱ドラムと無端圧接ベルトとの間で挟持搬送され、感
光材料が熱現像されると共に受像材料へ画像が転写され
て、所定の画像が受像材料に形成(記録)される。
【0006】但し、画像形成用溶媒である水が溜められ
た槽内に感光材料を漬けて塗布する場合、感光材料に一
旦接触した水が槽内に常時保持されることになる。この
結果として、感光材料からわずかに溶出した有機物質を
栄養源として細菌が槽内に繁殖して水が汚れ、これが画
像形成装置自身の劣化及び画像品質の劣化の原因となる
虞を有していた。
【0007】従って、槽等の水の供給側を感光材料と非
接触とし、ノズル孔を有したノズル板を振動することに
より、感光材料に小さな水滴を噴射器より噴出して塗布
することが考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、搬送ローラに
より感光材料を搬送しつつ、単に器滴を噴出するだけで
は、水滴を噴出する際に、噴射器と感光材料との間のク
リアランスを一定に保てない。この為、感光材料が噴射
器に接近し過ぎたり、或いは噴射器から離れ過ぎたりす
る結果として、感光材料上に水が充分に付着されない部
分も生じ、均一に感光材料上に水を塗布することが困難
であった。
【0009】また、感光材料に水が塗布された後であっ
て水が感光材料内に浸透する前に、感光材料の塗布面に
搬送ローラ等が接触すると、感光材料上の画像の画質を
損なう虞がある。この為、塗布後の感光材料の塗布面と
非接触の状態で搬送したり、感光材料を加熱して水の浸
透を加速する必要が生じる。
【0010】さらに、噴射器に対する感光材料の搬送方
向下流側に、一般に搬送ローラが配置されていて、この
搬送ローラで感光材料をさらに搬送するが、感光材料が
搬送ローラに入り込むときに、搬送速度の相違等により
感光材料にショックが加わり、これによっても均一に感
光材料上に水を塗布することが困難となる。
【0011】本発明は上記事実を考慮し、画像記録材料
に均一に画像形成用溶媒を塗布すると共に、画像記録材
料上の画像の画質を向上し得る画像形成装置を得ること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1による画像形成
装置は、画像記録材料の搬送経路に対向して配置され且
つ画像形成用溶媒を画像記録材料に向かって噴射する噴
射器と、吸引用の吸引孔が設けられると共に画像記録材
料の搬送経路を挟んで噴射器と対向した側に配置され且
つ、噴射器が画像形成用溶媒を噴出する際に吸引孔で吸
引して画像記録材料を案内し得るガイド部材と、を有
ことを特徴とする。
【0013】請求項2による画像形成装置は、請求項1
に記載の画像形成装置であって、前記ガイド部材に画像
記録材料を加熱するヒータが設けられたことを特徴とす
【0014】請求項3による画像形成装置は、請求項1
又は2に記載の画像形成装置であって、ガイド部材の搬
送方向下流側に配置されて画像記録材料を搬送する搬送
ローラをすることを特徴とする。
【0015】請求項1に係る画像形成装置の作用を以下
に説明する。画像記録材料の搬送経路に対向して配置さ
れる噴射器が、画像形成用溶媒を画像記録材料に向かっ
て噴射し、画像記録材料の搬送経路を挟んで噴射器と対
向した側に配置されるガイド部材の吸引孔で吸引され
て、画像記録材料がガイド部材に案内されつつ搬送され
る。
【0016】従って、吸引孔で吸引しつつガイド部材が
画像記録材料を案内するので、画像形成用溶媒を噴出す
る際に、噴射器と画像記録材料との間のクリアランスが
一定に保たれる。つまり、画像記録材料のカール等によ
り所定のクリアランスが維持できない場合は、画像記録
材料が噴射器に接近し過ぎたり、或いは噴射器から離れ
過ぎたりして、画像形成用溶媒が不均一に付着する虞が
あるが、クリアランスが一定に保たれるので、画像記録
材料上に画像形成用溶媒が付着されない部分が生じず、
均一に画像記録材料上に画像形成用溶媒を塗布すること
が可能となる。
【0017】また、画像形成用溶媒が塗布されない非塗
布面と対向する側である画像記録材料の搬送経路を挟ん
で噴射器に対向した側に、吸引孔で吸引して滑らせつつ
画像記録材料を案内するガイド部材が配置される。この
為、画像記録材料に画像形成用溶媒が塗布された後であ
って画像記録材料に浸透する前に、搬送ローラ等を塗布
面に接触しなくともよくなるので、画像記録材料上の画
像の画質を損なうこともない。
【0018】請求項2に係る画像形成装置の作用を以下
に説明する。画像記録材料の搬送経路に対向して配置さ
れる噴射器が、画像形成用溶媒を画像記録材料に向かっ
て噴射し、画像記録材料の搬送経路を挟んで噴射器と対
向した側に配置される加熱部材の吸引孔で吸引されて、
画像記録材料が加熱部材により搬送経路上で加熱され
る。
【0019】従って、加熱部材が画像記録材料を吸引孔
で吸引して、加熱部材に画像記録材料が密着されるの
で、画像形成用溶媒を噴出する際に、噴射器と画像記録
材料との間のクリアランスが一定に保たれる。この為、
請求項1と同様に、均一に画像記録材料上に画像形成用
溶媒を塗布することが可能となる。
【0020】また、画像形成用溶媒が塗布されない非塗
布面と対向する側である画像記録材料の搬送経路を挟ん
で噴射器に対向した側に、画像記録材料を加熱する加熱
部材が配置される。この為、画像記録材料に画像形成用
溶媒が塗布された後であって画像記録材料に浸透する前
に、搬送ローラ等を塗布面に接触しなくともよくなるだ
けでなく、加熱部材により画像記録材料が加熱されて短
時間で画像記録材料に画像形成用溶媒を浸透できて、画
像記録材料上の画像の画質をより一層損なわないように
なる。
【0021】請求項3に係る画像形成装置の作用を以下
に説明する。画像記録材料の搬送経路に対向して配置さ
れる噴射器が、画像形成用溶媒を画像記録材料に向かっ
て噴射し、噴射器に対して画像記録材料の搬送方向下流
側に配置される搬送ローラにより、画像形成用溶媒が噴
射された画像記録材料が搬送される。
【0022】さらに、画像記録材料の搬送経路を挟んで
噴射器と対向した側であって、噴射器と搬送ローラとの
間に、ガイド部材が配置され、このガイド部材の吸引孔
で吸引されて、画像記録材料がガイド部材に案内されつ
つ搬送される。
【0023】従って、請求項1と同様に、均一に画像記
録材料上に画像形成用溶媒を塗布することが可能となる
と共に、画像記録材料上の画像の画質を損なうこともな
い。
【0024】また、画像記録材料がこの搬送ローラに入
り込むときに画像記録材料にショックが加わっても、噴
射器と搬送ローラとの間に、画像記録材料を吸引孔で吸
引して案内するガイド部材が配置されて、画像記録材料
がこの吸引孔に吸引されているので、噴射器と対向して
位置する画像記録材料の部分までショックが伝わらず、
結果として、均一に画像記録材料上に画像形成用溶媒を
塗布することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】図1には、本発明の第1の実施の
形態に係る画像形成装置である画像記録装置10の概略
全体構成図が示されている。
【0026】この図に示される画像記録装置10の機台
12内には、感光材料16を収納する感材マガジン14
が配置されており、感材マガジン14から引き出された
この感光材料16の感光(露光)面が左方へ向くように
感光材料16が感材マガジン14にロール状に巻き取ら
れている。
【0027】感材マガジン14の感光材料取出し口の近
傍には、ニップローラ18およびカッタ20が配置され
ており、感材マガジン14から感光材料16を所定長さ
引き出した後に切断することができる。カッタ20は、
例えば固定刃と移動刃から成るサーキュラータイプのカ
ッタとされており、移動刃を回転カム等によって上下に
移動させて固定刃と噛み合わせ感光材料16を切断する
ことができる。
【0028】カッタ20に対して感光材料16の搬送方
向下流側には、複数の搬送ローラ24、26、28、3
0、32、34が順に配置されており、各搬送ローラの
間には図1上、図示しないガイド板が配設されている。
所定長さに切断された感光材料16は、まず搬送ローラ
24、26の間に設けられた露光部22へ搬送される。
【0029】この露光部22の左側には露光装置38が
設けられている。露光装置38には、3種のLD、レン
ズユニット、ポリゴンミラー、ミラーユニットが配置さ
れており(何れも、図示省略)、露光装置38から光線
Cが露光部22に送られて、感光材料16が露光される
ようになっている。
【0030】さらに、露光部22の上方には、感光材料
16をU字状に湾曲させて搬送するUターン部40及び
画像形成用溶媒を塗布する為の水塗布部50が設けられ
ている。尚、本実施の形態において画像形成用溶媒とし
ては水が用いられる。
【0031】感材マガジン14から上昇し露光部22に
て露光された感光材料16は、搬送ローラ28、30に
よりそれぞれ挟持搬送されてUターン部40の上側寄り
の搬送経路を通過しつつ水塗布部50へ送り込まれる。
【0032】一方、図2に示す如く、水塗布部50にお
ける感光材料16の搬送経路Dと対向する位置には、液
体噴射装置である塗布装置310の一部を構成する噴射
器である噴射タンク312が配置されている。
【0033】また、図2に示すように、この噴射タンク
312の左下方には、この噴射タンク312に供給する
為の水を貯留する水ボトル332が配置されており、こ
の水ボトル332の上部に水を濾過する為のフィルタ3
34が配置されている。そして、途中にポンプ336が
配置された送水パイプ342が、この水ボトル332と
フィルタ334との間を繋いでいる。
【0034】さらに、噴射タンク312の右側には、水
ボトル332より送られた水を溜めるサブタンク338
が配置されており、フィルタ334から送水パイプ34
4がサブタンク338にまで伸びている。
【0035】従って、ポンプ336が作動すると、水ボ
トル332からフィルタ334側に水が送られると共
に、フィルタ334を通過して濾過された水がサブタン
ク338に送られて、サブタンク338に水が一旦溜め
られるようになる。
【0036】また、サブタンク338と噴射タンク31
2の一端側の側部との間を繋ぐ送水パイプ346が、こ
れらの間に配置されており、フィルタ334、サブタン
ク338、送水パイプ346等を介して、水ボトル33
2よりポンプ336で送られた水がこの噴射タンク31
2内に満たされることになる。
【0037】この噴射タンク312の図2における下部
側、つまり感光材料16の搬送経路Dを挟んで噴射タン
ク312と対向した側には、溝状に形成されると共に水
ボトル332に循環パイプ348で繋がれたトレー34
0が配置されており、噴射タンク312より溢れ出した
水をトレー340が集め、循環パイプ348を介して水
ボトル332に戻すようになっている。また、この循環
パイプ348は、サブタンク338内にまで突出して伸
びた状態でサブタンク338に接続されており、サブタ
ンク338内に溜まった必要以上の水を水ボトル332
に、戻すようになっている。
【0038】さらに、図2及び図8に示すように、一対
の搬送ローラ32と噴射タンク312との間であって感
光材料16の搬送経路Dを挟んで噴射タンク312と対
向した側には、感光材料16を支持しつつ案内するガイ
ド板352が設置されている。
【0039】一方、感光材料16の搬送経路Dを挟んで
噴射タンク312と対向した側であって、噴射タンク3
12に対して感光材料16の搬送方向下流側の位置に
は、内部が空洞となった箱状のチャンバ354が配置さ
れている。このチャンバ354の上部を図示しないヒー
タ等が封入された滑らかな平板である加熱板356が覆
っており、この加熱板356には、チャンバ354内と
外部との間を貫通する多数の吸引孔358が等間隔で形
成されている。
【0040】また、図8に示すように、このチャンバ3
54の一端側には、チャンバ354内の空気を吸引する
為の一対のファン360が設置されており、これらチャ
ンバ354とファン360との間をダクト362が連結
している。
【0041】従って、ファン360を作動することによ
り、チャンバ354内の空気がダクト362を介して吸
引され、これに伴って、加熱板356の吸引孔358で
感光材料16の非塗布面(図2における下側面)を吸引
し、加熱板356が感光材料16を搬送経路D上で加熱
すると共に感光材料16を案内することになる。
【0042】さらに、噴射タンク312及び加熱板35
6に対して感光材料16の搬送経路Dの下流側には、水
が噴射された後の感光材料16を搬送する為の複数のロ
ーラからなる搬送ローラ34が、配置されている。
【0043】一方、図4及び図6に示すように、この噴
射タンク312の壁面の一部である底壁面としての感光
材料16の搬送経路Dに対向した部分には、弾性変形可
能な長方形状の薄板状の板材(例えば板厚が60μm以
下)により形成されたノズル板322が設置されてい
る。
【0044】そして、図3から図5に示すように、この
ノズル板322には、一定の間隔で感光材料16の搬送
方向Aと交差する方向に沿って直線状に並べられる複数
のノズル孔324(例えば直径10μm〜200μm)
が、感光材料16の幅方向全体にわたって配置されてい
る。この為、これらノズル孔324よりそれぞれ噴射タ
ンク312内に満たされた水が感光材料16側に噴射さ
れるように放出可能とされている。
【0045】また、このノズル板322には、複数のノ
ズル孔324が並ぶ方向であるノズル板322の長手方
向に沿った剛性を高めるように、複数のノズル孔324
が線状に並んだ方向に沿って延びる溝部322Aが、屈
曲して形成されている。
【0046】他方、図2及び図3に示すように、送水パ
イプ346が繋がれた部分と反対側の噴射タンク312
の上部から排気管330が伸びており、この排気管33
0が噴射タンク312の内外を連通可能としている。ま
た、この排気管330の途中にこの排気管330を開閉
する図示しないバルブが設置されていて、このバルブの
開閉動により、噴射タンク312内を外気に対して連通
及び閉鎖し得るようにもなっている。
【0047】線状に配列された複数のノズル孔324に
より形成されるノズル列の長手方向と直交する方向に位
置するノズル板322の端部であるノズル板322の両
端部は、図6に示すように、変位伝達部材である一対の
てこ板320にそれぞれ接着剤等で接着されている。そ
して、このように接着されて接続されることによって、
ノズル板322と一対のてこ板320とが連結されてい
る。これら一対のてこ板320は、噴射タンク312の
一対の側壁312Aの下部にそれぞれ形成される細幅で
複数のノズル孔324が線状に並んだ方向に沿って延び
る支持部312Bを介して、これら一対の側壁312A
にそれぞれ固定されている。
【0048】一方、相互に当接して噴射タンク312の
頂面を形成する一対の頂壁312Cの一部は、噴射タン
ク312の外側にまで突出しており、この突出した頂壁
312Cの下側には、アクチュエータとなる複数の圧電
素子326(本実施の形態上では、片側に3本づつ)が
接着されて配置されている。この圧電素子326の下面
には、複数のノズル孔324に対して支持部312Bを
挟んで位置するてこ板320の部分であるてこ板320
の外端側が接着されて、圧電素子326とてこ板320
とが連結されている。
【0049】従って、これら圧電素子326、てこ板3
20及び支持部312Bにより、てこ機構が構成される
ことになり、圧電素子326によっててこ板320の外
端側が動かされると、てこ板320が支持部312B廻
りに揺動され、この動きと逆方向にてこ板320の内端
側が動くことになる。尚、この圧電素子326は、積層
された例えば圧電セラミックスで形成されていて、これ
により圧電素子326の軸方向の変位が大きくされたも
のであり、コントローラにより電圧の印加のタイミング
が制御される電源(それぞれ図示せず)に、この圧電素
子326は接続されている。そして、前述の排気管33
0の開閉用のバルブも、このコントローラに接続されて
いて、このコントローラがバルブの開閉動も制御するこ
とになる。
【0050】他方、これらてこ板320、側壁312
A、支持部312B及び頂壁312Cは、一体的に形成
されたフレーム314の一部をそれぞれ形成している。
図6に示すように、このフレーム314が一対重ね合わ
されて図示しないボルトでねじ止められることにより、
一対のてこ板320、一対の側壁312A、一対の頂壁
312C及び一対の支持部312Bが、それぞれ相互に
対向して配置された状態で、噴射タンク312の外枠を
形成することになる。
【0051】尚、このフレーム314は、アルミニウ
ム、真鍮、マグネシウム等の金属材料により形成され
る。
【0052】以上より、少ない数の圧電素子326によ
って、複数のノズル孔324が線状に並んだ方向に沿っ
て均一で大きなノズル板322の振幅が得られることに
なる。この為、感光材料16の幅方向に沿った振幅分布
が均一であって、かつ各ノズル孔324の周辺部分の水
圧が霧化可能な圧力に達するような振幅にすることがで
きる。この結果として、複数のノズル孔324から感光
材料16の幅方向全体にほぼ均一に水を噴射して霧化す
ることが可能となる。
【0053】また、図3及び図4に示すように、ノズル
孔324により形成されるノズル列の長手方向に位置す
るノズル板322の端部であるノズル板322の左右端
と、一対のフレーム314の端部とで、区画された部分
には、薄肉の封止板328が一対のフレーム314に接
着された状態で配置されている。
【0054】さらに、この封止板328の内側には、ノ
ズル板322の左右端及び一対のフレーム314の端部
と、この封止板328との間の隙間を埋めて、これらの
間から水が漏れないようにする為、例えばシリコンゴム
系の接着剤である弾性接着剤が、充填されている。従っ
て、ノズル板322の左右端の動きを阻害せずに、噴射
タンク312の隙間が弾性接着剤により封止されること
になる。尚、薄肉の封止板328を用いず噴射タンク3
12の左右端を弾性接着剤のみで封止するようにしても
良い。
【0055】以上より、圧電素子326に電源より通電
されると、図7に示すように、圧電素子326が伸びて
てこ板320を支持部312B廻りに回動させる。これ
に伴って、この圧電素子326が、てこ板320を介し
てノズル板322の中央部を矢印B方向に沿って上昇さ
せるように、ノズル板322を変形させつつ変位させ
る。そして、このノズル板322の変形に伴って、噴射
タンク312内の水の圧力が高まり、ノズル孔324か
ら少量の水である水滴Lが一括してそれぞれ線状に噴射
されることになる。
【0056】さらに、圧電素子326に繰り返して通電
し、繰り返して圧電素子326を伸ばすことで、ノズル
孔324より連続して水滴Lを噴射することが可能とな
る。
【0057】一方、図1に示すように、機台12内の左
上端部には受像材料108を収納する受材マガジン10
6が配置されている。この受像材料108の画像形成面
には媒染剤を有する色素固定材料が塗布されており、受
材マガジン106から引き出された受像材料108の画
像形成面が下方へ向くように受像材料108が受材マガ
ジン106にロール状に巻き取られている。
【0058】受材マガジン106の受像材料取出し口の
近傍には、ニップローラ110が配置されており、ニッ
プローラ110が受像材料108をニップして受材マガ
ジン106から受像材料108を引き出すと共にそのニ
ップを解除することができる。
【0059】ニップローラ110の側方にはカッタ11
2が配置されている。カッタ112は前述の感光材料用
のカッタ20と同様に、例えば固定刃と移動刃から成る
ロータリータイプのカッタとされている。この為、カッ
タ20の移動刃を回転カム等によって上下に移動させて
固定刃と噛み合わせることにより、受材マガジン106
から引き出された受像材料108を感光材料16よりも
短い長さに切断できるようになっている。
【0060】カッタ112の側方には、搬送ローラ13
2、134、136、138及び図示しないガイド板が
配置されており、所定長さに切断された受像材料108
を熱現像転写部120側に搬送できるようになってい
る。
【0061】図1及び図10に示す如く、熱現像転写部
120は、それぞれ複数の巻き掛けローラ140に巻き
掛けられて、それぞれ上下方向を長手方向としたループ
状にされた一対の無端ベルト122、124を有してい
る。従って、これらの巻き掛けローラ140のいずれか
が駆動回転されると、これらの巻き掛けローラ140に
巻き掛けられた一対の無端ベルト122、124がそれ
ぞれ回転される。
【0062】これら一対の無端ベルト122、124の
内の図上、右側の無端ベルト122のループ内には、上
下方向を長手方向とした平板状に形成された加熱板12
6が、無端ベルト122の左側の内周部分に対向しつつ
配置されている。この加熱板126の内部には、図示し
ない線状のヒータが配置されており、このヒータによっ
て加熱板126の表面を昇温して所定の温度に加熱でき
るようになっている。
【0063】従って、感光材料16は、搬送経路の最後
の搬送ローラ34により熱現像転写部120の一対の無
端ベルト122、124間に送り込まれる。また、受像
材料108は感光材料16の搬送に同期して搬送され、
感光材料16が所定長さ先行した状態で、搬送経路の最
後の搬送ローラ138により熱現像転写部120の一対
の無端ベルト122、124間に送り込まれて、感光材
料16に重ね合わせられる。
【0064】この場合、受像材料108は感光材料16
よりも幅方向寸法および長手方向寸法がいずれも小さい
寸法となっているため、感光材料16の周辺部は四辺と
も受像材料108の周辺部から突出した状態で重ね合わ
せられることになる。
【0065】以上より、一対の無端ベルト122、12
4によって重ね合わされた感光材料16及び受像材料1
08は、重ね合わせられた状態のままで一対の無端ベル
ト122、124によって挟持搬送されるようになる。
さらに、重ね合わされた感光材料16と受像材料108
が、一対の無端ベルト122、124間に完全に収まっ
た時点で、一対の無端ベルト122、124は回転を一
旦停止し、挟持した感光材料16と受像材料108を加
熱板126で加熱する。感光材料16は、この挟持搬送
時及び停止時において無端ベルト122及び加熱板12
6を介して加熱されることとなり、加熱に伴って、可動
性の色素を放出し、同時にこの色素が受像材料108の
色素固定層に転写されて、受像材料108に画像が得ら
れることになる。
【0066】さらに、一対の無端ベルト122、124
に対して材料供給方向下流側には、剥離爪128が配置
されている。この為、この剥離爪128が一対の無端ベ
ルト122、124間で挟持搬送される感光材料16と
受像材料108のうち、感光材料16の先端部のみに係
合し、一対の無端ベルト122、124間より突出した
この感光材料16の先端部を受像材料108から剥離さ
せることができる。
【0067】剥離爪128の左方には感材排出ローラ1
48が配置されており、剥離爪128に案内されながら
左方へ移動される感光材料16を、更に廃棄感光材料収
容部150側へ搬送し得るようになっている。
【0068】この廃棄感光材料収容部150は、感光材
料16が巻き付けられるドラム152及び、このドラム
152に一部が巻き掛けられているベルト154を有し
ている。さらに、このベルト154は複数のローラ15
6に巻き掛けられており、これらローラ156の回転に
よって、ベルト154が廻され、これに伴ってドラム1
52が回転するようになっている。
【0069】従って、ローラ156の回転によりベルト
154が廻された状態で、感光材料16が送り込まれる
と、感光材料16がドラム152の周りに集積できるよ
うになっている。
【0070】他方、図1上、一対の無端ベルト122、
124の下方から左方に向かって受像材料108を搬送
し得るように、受材排出ローラ162、164、16
6、168、170が順に配置されている。この為、一
対の無端ベルト122、124から排出された受像材料
108は、これら受材排出ローラ162、164、16
6、168、170によって搬送されて、トレイ172
へ排出されることになる。
【0071】次に本実施の形態の作用を説明する。上記
構成の画像記録装置10では、感材マガジン14がセッ
トされた後にニップローラ18が作動され、感光材料1
6がニップローラ18によって引き出されることにな
る。感光材料16が所定長さ引き出されると、カッタ2
0が作動して、感光材料16が所定長さに切断されると
共に、その感光(露光)面を左方へ向けた状態で露光部
22へ搬送される。そして、この感光材料16の露光部
22の通過と同時に露光装置38が作動し、露光部22
に位置する感光材料16へ画像が走査露光される。
【0072】露光が終了すると、露光後の感光材料16
は、水塗布部50に送られる。水塗布部50では、搬送
された感光材料16が、搬送ローラ32の駆動によって
図4に示すように、噴射タンク312側へ送り込まれ
る。
【0073】そして、搬送経路Dに沿って搬送される感
光材料16は、噴射タンク312よりの噴射により水が
付着されるが、この際の動作、作用を以下に説明する。
【0074】感光材料16の搬送経路Dに対向して配置
されて水を貯留した噴射タンク312が、水を感光材料
16に向かって噴射し、噴射タンク312に対して感光
材料16の搬送経路Dの下流側に配置される搬送ローラ
34が、水が噴射された後の感光材料16をさらに搬送
する。
【0075】また、感光材料16の搬送経路Dを挟んで
噴射タンク312と対向した側であって、噴射タンク3
12と搬送ローラ34との間に、加熱板356が配置さ
れており、この加熱板356の吸引孔358で吸引され
て、感光材料16が加熱板356により搬送経路D上で
加熱されると共に、加熱板356に案内されつつ搬送さ
れる。
【0076】具体的には、図2及び図8に示す搬送ロー
ラ32により搬送経路D上を搬送されて、噴射タンク3
12よりの噴射により水が感光材料16の先端側に付着
された後も、加熱板356上を滑らせつつ送られて、図
9に示すように、感光材料16の先端側が搬送ローラ3
4に挟持されると、感光材料16の搬送が例えば数秒間
だけ停止されて、感光材料16が加熱板356により加
熱される。
【0077】この後、搬送ローラ34により再度搬送が
開始されて、感光材料16が加熱板356上から送り出
される。
【0078】従って、加熱板356が感光材料16を吸
引孔358で吸引して、加熱板356に感光材料16が
密着されて滑りつつ感光材料16が案内されるので、噴
射タンク312が水を噴出する際に、噴射タンク312
と感光材料16との間のクリアランスK(図6に示す)
が一定に保たれる。この為、感光材料16上に水が付着
されない部分が生じず、均一に感光材料16上に水を塗
布することが可能となる。
【0079】つまり、感光材料16のカール等により所
定のクリアランスKが維持できない場合は、感光材料1
6が噴射タンク312に接近し過ぎたり、或いは噴射タ
ンク312から離れ過ぎたりして、水が不均一に付着す
る虞があるが、クリアランスKが一定に保たれるので、
均一に感光材料16上に水を塗布できることになる。
【0080】また、水が塗布されない非塗布面と対向す
る側である感光材料16の搬送経路Dを挟んで噴射タン
ク312に対向した側に、加熱板356が配置されるこ
とになる。この為、感光材料16に水が塗布された後で
あって感光材料16に浸透する前に、感光面である塗布
面に搬送ローラ等を接触して搬送しなくとも良くなるだ
けでなく、加熱板356により感光材料16が加熱され
て短時間で感光材料16内に水を浸透できて、感光材料
16上の画像の画質を損なわないようになる。
【0081】さらに、感光材料16が搬送ローラ34に
入り込んで挟持される時に、感光材料16にショックが
加わっても、噴射タンク312と搬送ローラ34との間
に、感光材料16を吸引孔358で吸引して案内する加
熱板356が配置され、感光材料16がこの吸引孔35
8に吸引されているので、噴射タンク312と対向して
位置する感光材料16の部分まで衝撃が伝わらず、結果
として、より一層均一に感光材料16上に水を塗布する
ことが可能となる。
【0082】尚、噴射タンク312より水を噴射する前
には、まずコントローラによって排気管330のバルブ
を閉じた状態とする。この状態で水を霧化しつつ噴射す
る際には、コントローラに制御された電源よりの通電に
より圧電素子326に電圧を印加して、全ての圧電素子
326を同時に伸ばすように変形させる。
【0083】そして、複数の圧電素子326が同時に伸
びるように伸縮すると、一対のてこ板320が支持部3
12B廻りにそれぞれ揺動されるのに伴って、一対のて
こ板320に挟まれて位置するノズル孔324の周辺の
ノズル板322の部分が搬送経路D上の感光材料16に
向かう方向に沿って往復動され(この場合、図7の矢印
B方向に移動する)、噴射タンク312内の水をこのノ
ズル板322が加圧する。
【0084】以上より、圧電素子326の動作に伴っ
て、噴射タンク312に充填された水が複数のノズル孔
324から噴出する。この結果、噴射タンク312に充
填された水を図7に示すように、ノズル孔324から噴
出しつつ霧化させて、搬送中の感光材料16上に付着さ
せることができる。
【0085】この際、圧電素子326の動作に伴って、
複数のノズル孔324が線状に並んだ方向に沿って延び
る支持部312B廻りにてこ板320が揺動されるの
で、ノズル板322の複数のノズル孔324が設けられ
た部分全体が均一に変位する。この為、直線状に配列さ
れた複数のノズル孔324により形成されるノズル列の
長手方向に沿ってノズル孔324を一括して同一の変位
量で安定して変位させることができ、噴射タンク312
に充填された水が複数のノズル孔324から均一に噴出
される。従って、より一層感光材料16上に水が付着さ
れない部分が生じ難くなる。
【0086】他方、噴射タンク312がノズル孔324
を有し、このノズル孔324から水を噴射させるので、
水が溜められた槽内に感光材料等を漬けて塗布する塗布
装置と比較して、少量の水で塗布することが可能となる
と共に、短時間で感光材料16を乾燥できるようにな
る。
【0087】また、噴射タンク312が感光材料16の
幅方向全体にわたって配置される複数のノズル孔324
を有し、圧電素子326による一度の変位により、これ
らのノズル孔324から水が同時に噴射されるので、一
度の噴射で、感光材料16の幅方向全体にわたって広範
囲に水を塗布することができる。この為、ノズル板32
2を二次元平面上で走査する必要が無くなると共に、短
時間で大面積の塗布が可能となって、塗布時間を短縮す
ることが可能になる。
【0088】さらに、感光材料16の搬送速度と相まっ
て、任意のタイミングで多数回ノズル孔324より水を
噴射することにより、感光材料16の全面にわたって水
が塗布される。そして、ノズル板322のノズル孔32
4から水が噴射されると、噴射タンク312内の水が順
次減少するものの、サブタンク338が水を供給して噴
射タンク312内の水位を一定にする機能を有している
ので、サブタンク338側より水が供給されて、霧化中
の噴射タンク312内の水圧を一定値に保つことが可能
となり、連続的な水の噴射が確保される。
【0089】この後、水塗布部50において画像形成用
溶媒としての水が塗布された感光材料16は、搬送ロー
ラ34によって熱現像転写部120の一対の無端ベルト
122、124間へ送り込まれる。
【0090】他方、感光材料16へ走査露光されるに伴
って、受像材料108も受材マガジン106からニップ
ローラ110によって引き出されて搬送される。受像材
料108が所定長さ引き出されると、カッタ112が作
動して受像材料108が所定長さに切断される。
【0091】カッタ112の作動後、切断された受像材
料108がガイド板によって案内されながら搬送ローラ
132、134、136、138によって搬送される。
受像材料108の先端部が搬送ローラ138によって挟
持されると、受像材料108は熱現像転写部120の直
前で待機状態となる。
【0092】そして、前述のように感光材料16が搬送
ローラ34によって一対の無端ベルト122、124間
へ送り込まれるのに伴って、受像材料108の搬送が再
開されて、一対の無端ベルト122、124間へ受像材
料108が感光材料16と一体的に送り込まれる。
【0093】この結果、感光材料16と受像材料108
が重ねられ、感光材料16と受像材料108とが加熱板
126により加熱されつつ挟持搬送されることにより、
熱現像転写を行って画像を受像材料108に形成する。
【0094】さらに、一対の無端ベルト122、124
からこれらが排出されると、受像材料108よりも所定
長さ先行して搬送される感光材料16の先端部に剥離爪
128が係合し、感光材料16の先端部を受像材料10
8から剥離する。この感光材料16は、さらに感材排出
ローラ148によって搬送され、廃棄感光材料収容部1
50内に集積される。この際、感光材料16はすぐに乾
燥するので、感光材料16を乾燥させる為に、ヒータ類
をさらに設ける必要もなくなる。
【0095】一方、感光材料16と分離された受像材料
108は、受材排出ローラ162、164、166、1
68、170によって搬送され、トレイ172へ排出さ
れる。
【0096】そして、複数枚の画像記録処理を実施する
場合には、以上の工程が順次連続して行なわれる。
【0097】このように、一対の無端ベルト122、1
24に挟まれて熱現像転写処理されて所定の画像が形成
(記録)された受像材料108は、一対の無端ベルト1
22、124から排出された後に、複数の受材排出ロー
ラ162、164、166、168、170によって挟
持搬送されて装置外へ取り出される。
【0098】次に、本発明の第2の実施の形態に係る画
像形成装置である画像記録装置10の概略全体構成図を
図11に示し、以下に説明する。尚、第1の実施の形態
で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、重
複した説明を省略する。
【0099】この図に示すように、外周側に雄ねじが形
成された4本の脚部402(図上、2本のみ示す)が画
像記録装置10の機台12内の下部にそれぞれねじ込ま
れている。さらに、この脚部402には、ナット404
及びナット406がそれぞれ螺合されており、このナッ
ト404が機台12の下面に当接した状態でねじ止めら
れ、緩み止めの為のナット406がナット404の下面
にねじ止めされている。
【0100】従って、画像記録装置10を稼働する為に
床面408に設置する際に、脚部402のねじ込み量を
それぞれ調節して感光材料16の噴射タンク312に対
向する搬送経路Dを水平状態となるようにし、この状態
においてナット404及びナット406をそれぞれ機台
12側に締め込み、搬送経路Dが水平状態となったまま
で維持することとする。
【0101】以上より、画像形成用溶媒としての水が塗
布装置310の噴射タンク312から搬送経路D上の感
光材料16に重力に逆らわずに垂直に噴射されるように
なり、感光材料16への水滴の着弾後の偏りを防止する
ことができる。この結果として、均一な水の膨潤、均一
な化学反応、感光材料16からの液だれによる画像記録
装置10内の汚染の防止、感光材料16の搬送不良の防
止等が可能となる。
【0102】次に、本発明の第3の実施の形態に係る画
像形成装置を図12から図14に示し、以下に説明す
る。尚、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材
には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0103】図12には、本実施の形態に係る画像形成
装置である画像記録装置10の塗布装置310が示され
ている。
【0104】この図に示すように本実施の形態では、処
理液タンク412、洗浄液タンク414及び水タンク4
16からなる3つのタンクが存在し、これら3つのタン
クから噴射タンク312への流路が、切替バルブ418
で切替え可能とされている。さらに、この切替バルブ4
18が塗布装置310の動作を制御する図示しないコン
トローラと接続されている。
【0105】つまり、液体のタンクへの供給源を複数系
統とし、コントローラにより切替バルブ418の動作が
制御されて、3つのタンクから噴射タンク312への流
路が切り替えられるようになっている。そして、画像形
成用溶媒が水以外の処理液となっていて、処理液タンク
412にこの処理液が充填され、洗浄液タンク414に
洗浄液が充填され、水タンク416に水が充填されてい
る。また、図13に示すように、本実施の形態では、そ
れぞれノズル列の両端部に対応する感光材料16の部分
に位置する一対の電極426及び、これら電極426に
繋がって電気抵抗値により霧化不良を判定し得る判定部
428によって、液滴センサ424が構成され、この液
滴センサ424がコントローラに接続されている。この
為、液滴センサ424により噴射タンク312の霧化不
良が検出されることになる。
【0106】他方、図14に示すように、噴射タンク3
12内には、一対の側壁312A、一対のてこ板320
の先端面及び、ノズル板322の上面によって区画され
た空間が形成されている。さらに、この空間内にシリコ
ンゴムにより構成された弾性部材432(例えば、シリ
コン系接着剤)が、凹凸のない滑らかな自由曲線を描く
ように充填されており、この弾性部材432が水を貯留
する為の溶媒貯留空間434の内壁面を滑らかに湾曲し
た円管形状に形成する。
【0107】さらに、噴射タンク312の溶媒貯留空間
434内には、円筒形であると共に円弧状の凹部430
Aを等間隔で外周面に有した気泡排出部材430が配置
され、噴射タンク312内の略円形の溶媒貯留空間43
4の断面積が狭くなっている。従って、噴射タンク31
2の一端側から処理液が入るのに伴って気泡が噴射タン
ク312内の入っても、気泡排出部材430により処理
液の溶媒貯留空間434内での流速が高まって、この気
泡が噴射タンク312の内部に残留し難くなる。
【0108】以上より、気泡排出部材430により、気
泡が噴射タンク312の内部に残留し難くなっているの
で、各ノズル孔324より確実に処理液が噴射されるよ
うになる。また、一部のノズル孔324が仮に処理液等
により詰まって処理液Lが噴射されない場合でも、図1
3に示すように、感光材料16上の処理液Lが途中で途
切れて、液滴センサ424により霧化不良が検出され
る。そして、この液滴センサ424による検出に伴っ
て、コントローラが図12に示す切替バルブ418を動
作させて、これら複数系統の供給源である3つのタンク
412、414、416を切り替えることで、処理液等
によるノズル孔324の詰まりを解消する為の洗浄液、
水を順に供給することが可能となる。
【0109】次に、本発明の第4の実施の形態に係る画
像形成装置である画像記録装置10の塗布装置310の
搬送系を図15に示し、以下に説明する。尚、第1の実
施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を
付し、重複した説明を省略する。
【0110】この図に示すように、塗布装置310の噴
射タンク312の下部である感光材料16の搬送経路を
挟んで噴射タンク312と対向した側には、一対の駆動
ローラ442に巻き掛けられた搬送部材である搬送ベル
ト444が配置されており、一対の駆動ローラ442の
内の一方の駆動ローラ442はモータ等の駆動源に連結
されている。この為、駆動源の回転に伴って搬送搬送ベ
ルト444が回るようになっている。
【0111】また、この搬送ベルト444の外周面側に
は、搬送ベルト444への感光材料16の一時的な接着
及び搬送ベルト444からの感光材料16の剥離が可能
とされるように、接着性を有するゲル状の物質が塗布さ
れている。さらに、これら一対の駆動ローラ442間で
あって噴射タンク312に対して搬送方向下流側の位置
には、搬送ベルト444を介して感光材料16を加熱す
る為の加熱プレート446が配置されている。
【0112】従って、感材マガジン14側から感光材料
16が搬送されてくると、感光材料16の感光面と逆の
裏面が搬送ベルト444に接した状態で搬送ベルト44
4に載り、この搬送ベルト444に載った状態で感光材
料16の感光面に噴射タンク312から水が塗布され
る。この後、駆動ローラ442の回転に伴って搬送ベル
ト444が回されることで、水が塗布された感光材料1
6の感光面側である塗布面側が非接触状態で、この感光
材料16が搬送される。
【0113】つまり、この搬送ベルト444により所定
時間の間だけ塗布面側への非接触状態が維持されること
になる。この為、感光材料16の塗布面に非接触状態で
の搬送長を長くでき、これに伴って、塗布後の塗布面に
非接触状態での加温領域を長くできることになる。
【0114】さらに、この搬送ベルト444の外周面側
に接着性を有するゲル状の物質が塗布されているので、
搬送ベルト444に対して感光材料16がずれ難く、感
光材料16を搬送する際の信頼性が高いことになる。
【0115】尚、本実施の形態では、シート状の感光材
料16を用いて説明したが、シート状の感光材料16だ
けでなくロール状の感光材料をも処理できることにな
る。また、加熱プレート446を有しているので、感光
材料16を適切に加温すると共に温調することができる
が、加熱プレート446の替わりに、ヒートローラによ
る加熱や周囲の雰囲気全体の温度を高めることによる雰
囲気加熱をするようにしても良い。
【0116】次に、本発明の第5の実施の形態に係る画
像形成装置を図16に示し、以下に説明する。尚、第1
の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符
号を付し、重複した説明を省略する。
【0117】図16に示すように、塗布装置310の噴
射タンク312の下部である感光材料16の搬送経路を
挟んで噴射タンク312と対向した側には、一対の駆動
ローラ452に巻き掛けられた搬送部材である搬送ベル
ト454が配置されており、一対の駆動ローラ452の
内の一方の駆動ローラ452はモータ等の駆動源に連結
されている。
【0118】この搬送ベルト454は、感光材料16を
それぞれ負圧等により吸着可能な吸着パッド454Aを
並べてベルト状に配列した構造とされており、この吸着
パッド454A群上に感光材料16を載せた状態で吸着
パッド454A群を一対の駆動ローラ452により回し
て、感光材料16を搬送するようになっている。
【0119】以上より、個々の吸着パッド454Aが感
光材料16を吸着するので、搬送ベルト454に対して
感光材料16がずれ難く、感光材料16を搬送する際の
信頼性が高いことになる。
【0120】次に、本発明の第6の実施の形態に係る画
像形成装置を図17に示し、以下に説明する。尚、第1
の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符
号を付し、重複した説明を省略する。
【0121】本実施の形態では、図17に示すように、
塗布装置310の噴射タンク312の下部である感光材
料16の搬送経路を挟んで噴射タンク312と対向した
側には、搬送部材である搬送ローラ462を複数配置し
た。この結果、確実に感光材料16が搬送可能となり、
感光材料16を搬送する際の信頼性が高いことになる。
【0122】次に、本発明の第7の実施の形態に係る画
像形成装置を図18に示し、以下に説明する。尚、第1
の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符
号を付し、重複した説明を省略する。
【0123】図18に示すように、塗布装置310の噴
射タンク312の下部である感光材料16の搬送経路を
挟んで噴射タンク312と対向した側には、一対の駆動
ローラ472に巻き掛けられた搬送部材である搬送ベル
ト474が配置されており、一対の駆動ローラ472の
内の一方の駆動ローラ472はモータ等の駆動源に連結
されている。
【0124】さらに、この搬送ベルト474には一面に
わたって図示しない貫通孔が多数形成されており、これ
ら一対の駆動ローラ472間には、搬送ベルト474の
貫通孔を介して感光材料16を負圧により吸引する為の
図示しない吸引孔を多数上面に配置したチャンバ476
が配置されている。
【0125】以上より、チャンバ476が搬送ベルト4
74の貫通孔を介して感光材料16を吸着するので、搬
送ベルト474に対して感光材料16がずれ難く、感光
材料16を搬送する際の信頼性が高いことになる。
【0126】尚、上記実施の形態においてノズル列を1
列としたが、ノズル列は1列に限定されずに2列以上の
列数としても良く、ノズル列数を増やすことによって、
アクチュエータの駆動回数をさらに減らすことが可能と
なる。さらに、上記実施の形態においては、ノズル列を
搬送方向に対して直角に配置したが、直角に限定する必
要はなく、搬送方向に対して斜めに配置しても良い。
【0127】また、上記実施の形態においては、画像記
録材料として感光材料16と受像材料108とを用い、
露光後の感光材料16に塗布装置310の噴射タンク3
12により水を塗布し、感光材料16と受像材料108
とを重ね合わせて熱現像転写させる構成としたが、これ
に限らず、受像材料108に水を噴射して塗布しても良
い。
【0128】さらに、これらの材料に限らず他のシート
状あるいはロール状の画像記録材料であっても適用可能
であり、画像形成用溶媒を水以外の材料としても良い。
また、現像機における印画紙への現像液の塗布、印刷機
の浸し水の塗布、塗工機等へ応用することとしても良
い。
【0129】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る画像形成
装置は、画像記録材料に均一に画像形成用溶媒を塗布す
ると共に、画像記録材料上の画像の画質を向上し得ると
いう優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置
の概略全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る塗布装置の概
略全体構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る噴射タンクの
拡大斜視図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る噴射タンク下
を感光材料が搬送される状態を示す底面図である。
【図5】図4の要部拡大図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る噴射タンクの
断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る噴射タンクか
ら水を噴射する状態を示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る塗布装置の斜
視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る塗布装置の斜
視図であって、感光材料が加熱されている状態を示す図
である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る熱現像転写
部の拡大図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る画像記録装
置の概略全体構成図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態に係る塗布装置の
概略全体構成図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る液滴センサ
を説明する説明図である。
【図14】本発明の第3の実施の形態に係る噴射タンク
の要部拡大断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態に係る塗布装置の
搬送系を示す図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態に係る塗布装置の
搬送系を示す図である。
【図17】本発明の第6の実施の形態に係る塗布装置の
搬送系を示す図である。
【図18】本発明の第7の実施の形態に係る塗布装置の
搬送系を示す図である。
【符号の説明】
10 画像記録装置 16 感光材料(画像記録材料) 34 搬送ローラ 62 水塗布部 310 塗布装置 312 噴射タンク(噴射器) 324 ノズル孔 356 加熱板(ガイド部材、加熱部材) 358 吸引孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−24654(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03D 13/00 B05C 5/00 101

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像記録材料の搬送経路に対向して配置
    され且つ画像形成用溶媒を画像記録材料に向かって噴射
    する噴射器と、 吸引用の吸引孔が設けられると共に画像記録材料の搬送
    経路を挟んで噴射器と対向した側に配置され且つ、噴射
    器が画像形成用溶媒を噴出する際に吸引孔で吸引して画
    像記録材料を案内し得るガイド部材と、 を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部材に画像記録材料を加熱す
    るヒータが設けられたことを特徴とする請求項1に記載
    画像形成装置。
  3. 【請求項3】 ガイド部材の搬送方向下流側に配置され
    て画像記録材料を搬送する搬送ローラをすることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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