JPH11264246A - 物体の揚重方法 - Google Patents

物体の揚重方法

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JPH11264246A
JPH11264246A JP6711098A JP6711098A JPH11264246A JP H11264246 A JPH11264246 A JP H11264246A JP 6711098 A JP6711098 A JP 6711098A JP 6711098 A JP6711098 A JP 6711098A JP H11264246 A JPH11264246 A JP H11264246A
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JP
Japan
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tower crane
lifting
work
crane
slinging
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JP6711098A
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Akio Yoshikawa
明男 吉川
Hirotoshi Ikeda
宏俊 池田
Masahiro Nishimura
正宏 西村
Yasuhisa Eriguchi
靖久 江里口
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Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タワークレーンの性能向上や、作業員の技術
向上を図ることなく、タワークレーンを効率よく運用す
る。 【解決手段】 タワークレーン1に対して柱Hを玉掛け
するための玉掛け前作業を相番クレーン2を用いて行
い、その後、玉掛け本作業をタワークレーン1に対して
行う。このタワークレーン1が柱Hの揚重作業を行って
いる間に、次に揚重する柱Hの玉掛け前作業を、相番ク
レーン2を用いて行っておく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば、高層建
築物の工事においてタワークレーンを用いて物体を揚重
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高層建築物の建設工事等においては、タ
ワークレーンが汎用されている。このタワークレーン
は、揚程が長い垂直揚重と、広範囲な水平運搬(水平揚
重)とを組み合わせた3次元的揚重作業ができる高級建
設機械である。
【0003】このタワークレーンで建築資材などの物体
を揚重する際には、玉掛け、垂直揚重、水平揚重の各作
業があるが、従来においては、これらのすべての作業を
タワークレーンで行っていた。また、このうちの玉掛け
作業には、玉掛け用治具の吊り荷への取付、取付姿勢決
めなどの玉掛け前作業と、タワークレーンのフックに物
体を玉掛けする玉掛け本作業とがあるが、両作業ともタ
ワークレーンにより行っていた。
【0004】従来におけるタワークレーンの作業では、
物体を揚重する工程の1サイクルで、玉掛け時間(前作
業、本作業を含む)、垂直揚重時間、水平揚重時間、組
立作業時間、空荷のタワークレーンを水平移動させる時
間、および空荷のタワークレーンを垂直移動させる時間
を要するものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このタワークレーンが
導入されている建設工事現場においては、タワークレー
ンの揚重ペースが工事の進行を左右することが多いた
め、効率よくタワークレーンを運用して工期の短縮を図
ることが求められる。しかし、上記従来タワークレーン
における揚重方法では、タワークレーンを効率よく運用
しているとは言えないものであった。
【0006】タワークレーンを効率よく運用するために
は、タワークレーンのワイヤーの巻き上げ性能や水平移
動のための旋回速度の性能の向上を図り、垂直揚重およ
び水平揚重の時間を短縮することができる。また、作業
員のタワークレーンの運転技術の向上を図ることによ
り、玉掛け時間、水平揚重、垂直揚重の時間を短縮でき
る。ところが、いずれの方法によっても、タワークレー
ンを運用する際の大幅な改善は期待できない。
【0007】そこで、本発明の課題は、タワークレーン
の性能向上や、作業員の技術向上を図ることなく、タワ
ークレーンを効率よく運用できるようにすることにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決した本発
明に係る物体の揚重方法は、タワークレーンに物体を玉
掛けして、この物体を揚重するにあたり、前記タワーク
レーンに対して物体を玉掛けするための玉掛け前作業を
補助クレーンを用いて行い、その後、玉掛け本作業をタ
ワークレーンに対して行い、前記タワークレーンによる
前記物体の揚重作業を行っている間に、次に揚重する物
体の玉掛け前作業を補助クレーンを用いて行う、工程を
含むことを特徴とするものである。
【0009】また、本発明に係る他の物体の揚重方法
は、物体を垂直揚重した後、この物体を水平揚重するに
あたり、垂直揚重手段によって物体を垂直揚重し、その
後、タワークレーンによって水平揚重を行い、前記タワ
ークレーンによる前記物体の水平揚重作業を行っている
間に、次に揚重する物体に対する前記垂直揚重手段によ
る垂直揚重作業を行う、工程を含むことを特徴とするも
のである。
【0010】タワークレーンの運用効率を向上させるた
めには、性能の改善からではなく、建設機械の運用方法
から改善を図った方が大きな効果を得ることができると
考えられる。かかる観点からタワークレーンの運用方法
について検討してみると、玉掛け前作業および垂直揚重
作業は他の建設機械を用いることによっても、タワーク
レーンを用いた場合と同様の効率で作業を行うことがで
きる。また、高層建築物における建設作業においては、
一般的に、組立・取付を含めた施工階の近傍で行われる
水平運搬作業時間の方が、玉掛け作業を含めた垂直揚重
時間よりも長い。これらの観点から、本発明において
は、タワークレーンで水平運搬作業を行っている間に、
他の簡易な作業機械により、玉掛け前作業、垂直揚重作
業を行うことこととした。かくして、タワークレーンの
運用効率を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しながら、具体的に説明する。図1は、第1の
本発明に係る物体の揚重方法の概要を示す図、図2
(a)は、第1の本発明に係る物体の揚重方法に用いる
仮置架台の平面図、(b)は、その縦断面図、図3は、
第1の本発明に係る物体の揚重方法のガントチャートで
ある。
【0012】図1に示すように、建設中の高層建築物B
における上部位置には、タワークレーン1が設置されて
いる。タワークレーン1は、高層建築物Bに取り付けら
れるマスト11を備えるとともに、このマスト11の上
端部に、水平旋回可能なジブ12を備えている。また、
ジブ12の先端部からは、柱Hを吊持するためのワイヤ
13が吊り降ろされている。このワイヤ13の下端に
は、吊り治具4を吊持するためのフック14が取り付け
られている。
【0013】また、高層建築物Bの近傍における地上部
には、玉掛け前作業を行う補助クレーンとして相番クレ
ーン2が待機している。相番クレーン2は、クローラか
らなる走行部21を有しており、自走可能とされてい
る。この走行部21は、クローラ以外のものであって
も、走行可能であれば特に限定されないことはいうまで
もない。また、旋回可能なブーム22を備え、ブーム2
2の先端からは、柱Hを吊持するためのワイヤ23が吊
り降ろされている。このワイヤ23の下端には、吊り治
具4を吊持するフック24が取り付けられている。
【0014】そして、タワークレーン1におけるジブ1
2の先端下方には、タワークレーン1に対する玉掛け本
作業を行う際に用いる仮置架台3が設置されている。こ
の仮置架台3は、図2に示すように、柱Hを仮置きする
ための仮置き部31を備える。また、この仮置架台3
は、仮置き部31を、複数個所、たとえば2個所備えて
いるので、2本の柱Hを仮置きすることができる。な
お、仮置き部31を3個所以上設けて、さらに多くの柱
Hを仮置きできるようにしてもよい。さらに、仮置き部
31の上方には、開口部32aが形成された作業床32
が設けられており、この開口部32aを通して、ワイヤ
41を介して吊り治具4に吊持された柱Hが仮置き部3
1に仮置きされる。また、開口部32aは、上方に開口
するとともに、柱Hを揚重するために吊り治具4をスラ
イドさせるときに、ワイヤ41の通路とするため、図2
(a)からわかるように、前方にも開口している。
【0015】これらの機材を用いて、柱Hを揚重する手
順について、図1および図2を用いて説明する。柱Hの
揚重作業は、相番クレーン2による玉掛け前作業、タワ
ークレーン1による玉掛け本作業、垂直揚重、水平移
動、取付・組立作業の順で行われ、その後の空荷のタワ
ークレーン1の水平移動、空荷のタワークレーン1の垂
直移動までの作業を1サイクルとして、順次行われる。
タワークレーン1による揚重作業は、この玉掛け本作業
から空荷の水平移動までを含めた作業を意味するもので
ある。
【0016】いま、この1サイクルについて説明する
と、図1に示すように、搬送車Cによって建築現場に搬
入された柱Hを、仮置架台3に仮置きする作業を行う。
本実施形態では、この作業を、玉掛け前作業と称する。
搬送車Cに倒伏した状態で搭載されている柱Hの先端
に、ワイヤ41を介して吊り治具4を取り付ける。次
に、相番クレーン2の先端にワイヤ23を介して取り付
けられたフック24を、吊り治具4に掛着する。そし
て、相番クレーン2のブーム22を旋回させるとともに
ワイヤ23を巻き上げて、柱Hを仮置架台3の位置まで
搬送する。その後、ワイヤ23を緩めるとともに、ブー
ム22を僅かに移動させながら柱Hの位置を調節し、柱
Hを仮置架台3に仮置きして、フック24から吊り治具
4を取り外す。このとき、仮置架台3に仮置きされた柱
Hが、タワークレーンによる揚重作業に好適な位置およ
び吊り姿勢となるように、仮置架台3は調整されてい
る。
【0017】この玉掛け前作業が終わったら、仮置架台
3に仮置きされた柱Hを、タワークレーン1のフック1
4に玉掛けする玉掛け本作業が行われる。タワークレー
ン1に柱Hを玉掛けした後は、従来同様、タワークレー
ン1により、柱Hを垂直揚重し、水平移動して、さらに
高層建築物Bに対して取付、組み立てる作業に供され
る。これらの作業を完了したタワークレーン1は、その
後、空荷の状態で水平移動し、垂直下降する。
【0018】これら、タワークレーン1における玉掛け
本作業と柱Hの揚重作業が行われている間に、相番クレ
ーン2は、次に揚重する柱Hの玉掛け前作業を行うため
に旋回し、さらに次の柱Hの玉掛け前作業を完了してお
く。そして、垂直下降作業が行われ、フック14が下降
してきたタワークレーン1に対して、次に揚重する柱H
の玉掛け本作業が行われる。このような1サイクルの作
業を繰り返すことにより、タワークレーン1の効率的な
運用を実現することができる。
【0019】この揚重作業を、図3に示すガントチャー
トに沿って説明すると、次のようになる。(N−1)番
目の柱HN-1 をタワークレーン1で揚重している間に、
相番クレーン2によって、次のN番目の柱HN に対する
玉掛け前作業が行われる。相番クレーン2におけるN番
目の柱HN に対する玉掛け前作業が完了したら、タワー
クレーン1による柱HN の玉掛け本作業が行われる。
【0020】このとき、玉掛け前作業を終えた相番クレ
ーン2は、次の(N+1)番目の柱HN+1 に対する玉掛
け前作業を行うために、搬送車Cの位置に旋回させる。
そして、搬送車Cから、柱HN+1 を仮置架台3に搬送
し、タワークレーン1の揚重作業が完了する前に、玉掛
け前作業を完了しておく。一方、N番目の柱HN の玉掛
け本作業を終えたタワークレーン1は、そのまま垂直揚
重、水平移動、取付・組立、空荷での水平移動、空荷で
の垂直移動の各揚重作業を行う。
【0021】タワークレーン1がN番目の柱HN に対す
る揚重作業を終えて、仮置架台3の位置にフック14が
戻ってきたときには、すでに柱HN+1 の玉掛け前作業は
完了している。したがって、そのまま柱HN+1 の玉掛け
本作業を行うことができる。
【0022】ここで、従来の方法と比較して、本発明に
より具体的に短縮される作業時間について説明する。い
ま、玉掛け時間をT0 、垂直揚重時間をT1 、水平移動
時間をT2 、建築資材の取付・組立時間をT3 、空荷の
タワークレーン1の水平移動時間をT4 、空荷のタワー
クレーン1の垂直移動時間をT5 とし、このうちの玉掛
け時間のうちの玉掛け前作業時間をT0-1 、玉掛け本作
業時間をT0-2 とする。
【0023】従来における物体の揚重方法では、これら
の作業をすべてタワークレーンにより行っていたので、
その1サイクルに要する時間TCは、次の(1)式で表
わされる。 TC=T0-1 +T0-2 +T1 +T2 +T3 +T4 +T5 …(1)
【0024】これに対して、本発明に係る物体の揚重方
法では、1サイクルに要する時間TC′は、次の(2)
式で表わされる。 TC′=T0-2 +T1 +T2 +T3 +T4 +T5 …(2) したがって、(1)式および(2)式の差からわかるよ
うに、従来よりも玉掛け前作業の分であるT0-1 の分だ
け、揚送作業の1サイクルにかかる時間の短縮を図るこ
とができる。
【0025】次に、第2の本発明の実施形態について説
明する。図4は、第2の本発明に係る物体の揚重方法の
概要を示す図、図5は、第2の本発明に係る物体の揚重
方法におけるウインチの作業工程を示す図、図6は、第
2の本発明に係る物体の揚重方法のガントチャートであ
る。
【0026】本実施形態において用いられるタワークレ
ーン1、相番クレーン2など、上記第1の実施形態で用
いたものと同じものは、同一の番号を付し、その説明を
省略する。
【0027】建設中の高層建築物Bには、第1の実施形
態同様、タワークレーン1が設置されているが、本実施
形態では、その他に、高層建築物Bには、垂直揚重手段
としての垂直揚重機5が設置された仮設ステージ6が取
り付けられている。垂直揚重機5は、仮設ステージ6上
に載置されたウインチ51を備え、このウインチ51か
らは、ほぼ水平方向にワイヤ52が繰り出されている。
このワイヤ52は、リール53を介して下方に方向転換
され、その先端には、垂直揚重用吊り治具7を掛着しう
るフック54が取り付けられている。
【0028】次に、本実施形態により、柱Hを揚重する
方法について、図4および図5を用いて説明する。本実
施形態では、相番クレーン2および垂直揚重機5による
玉掛け前作業、玉掛け、垂直揚重作業、玉外し、タワー
クレーン1による玉掛け、水平移動、取付・組立の順で
行われ、その後の空荷のタワークレーン1の水平移動ま
でを1サイクルとして、順次行われる。なお、本実施形
態では、相番クレーン2および垂直揚重機5による玉掛
け前作業から玉外し作業までが、垂直揚重作業を意味
し、タワークレーン1による玉掛けから空荷の水平移動
までが、水平揚重作業を意味する。この1サイクルにつ
いて説明すると、最初に、搬送車Cによって仮設ステー
ジ6の直下に柱Hを搬入する玉掛け前作業が行われる。
このとき、ワイヤ52の先端のフック54に掛着された
垂直揚重用吊り治具7を下降させる(図5(a)参
照)。次に、図4に示すように、搬送車C上に倒伏した
状態で搭載されている柱Hに対して、相番クレーン2を
用いて、垂直揚重用吊り治具7のフックを掛着する玉掛
け作業を行う。そして、そのままウインチ51を巻き上
げて、柱Hを垂直揚重する(図5(b)参照)。その
後、ウインチ51を水平方向に移動させ、垂直揚重され
た柱Hを、仮設ステージ6の下側に固設された架台61
に垂直揚重用吊り治具7を介して一旦仮置きする(図5
(c)参照)。なお、架台61を複数設けることによ
り、より効率的に玉掛け作業を行うことができる。柱H
の仮置きが済んだら、フック54から垂直揚重用吊り治
具7を外す玉外し作業を行う。その後、ウインチ51を
水平方向に移動させて、架台61の位置から待避させ、
タワークレーン1のフック14に掛着された水平揚重用
吊り治具8に対して、垂直揚重用吊り治具7を掛着する
玉掛け作業を行う。玉掛け作業が完了した後、タワーク
レーン1による水平移動、および取付・組立作業が行わ
れる。タワークレーン1は、これら取付・組立作業が完
了した後、空荷の水平移動を行い、仮設ステージ6の位
置まで戻す。
【0029】これらのタワークレーン1による、玉掛け
作業から空荷の水平移動作業を行っている間に、相番ク
レーン2および垂直揚重機5による垂直揚重作業を完了
しておく。そして、作業を終えて水平移動してきたタワ
ークレーン1に対して、次に水平揚重する柱Hの玉掛け
作業が行われる。このような1サイクルの作業を繰り返
すことにより、タワークレーン1の効率的な運用を実現
することができる。
【0030】この揚重作業を、図6に示すガントチャー
トに沿って説明すると、次のようになる。(N−1)番
目の柱HN-1 をタワークレーン1で取付・組立している
間に、次のN番目の柱HN を垂直揚重機5によって垂直
揚重し、仮設ステージ6において玉外ししておく。この
とき、垂直揚重機5に対する玉掛け作業を終えた相番ク
レーン2は、次の(N+1)番目の柱HN+1 の玉掛け前
作業のために旋回している。柱HN の垂直揚重機5によ
る玉外し作業が完了した後、タワークレーン1に対する
玉掛け作業が行われ、続いてタワークレーン1による水
平移動作業、取付・組立作業、空荷の水平移動作業が行
われる。
【0031】タワークレーン1において、柱HN の水平
移動作業、取付・組立作業、空荷の水平移動作業が行わ
れている間、垂直揚重機5は、次の(N+1)番目の柱
N+ 1 の垂直揚重作業のために空荷の垂直移動が行われ
る。そして、相番クレーン2によって、柱HN+1 の玉掛
け前作業、垂直揚重機5に対する玉掛け作業が行われ、
その後、垂直揚重機5によって垂直揚重され、仮設ステ
ージ6において玉外し作業を行い、柱HN+1 を架台61
に仮置きする。ここまでの作業を、タワークレーン1が
柱HN の組立作業を終え、空荷の水平移動を終えるまで
に完了しておく。そして、空荷の水平移動を終えたタワ
ークレーン1に対して、仮設ステージ6の架台61に仮
置きされている柱HN+1 の玉掛け作業を即座に開始する
ことができる。
【0032】ここで、従来の方法と比較して、本発明に
より具体的に短縮される作業時間について説明する。い
ま、玉掛け時間をT0 、垂直揚重時間をT1 、水平移動
時間をT2 、建築資材の取付・組立時間をT3 、空荷の
タワークレーン1の水平移動時間をT4 、空荷のタワー
クレーン1の垂直移動時間をT5 とし、このうちの玉掛
け時間のうちの玉掛け前作業時間をT0-1 、玉掛け本作
業時間をT0-2 とする。
【0033】上記第1の実施形態で示したように、従来
の1サイクルに要する時間は、(1)式で表わされるの
に対して、本発明に係る物体の揚重方法では、1サイク
ルに要する時間TC″は、次の(3)式で表わされる。 TC″=T0-2 +T2 +T3 +T4 …(3) したがって、(1)式および(3)式の差からわかるよ
うに、揚送作業の1サイクルに要する時間は、従来より
も玉掛け前作業時間T0-1 、垂直揚重時間T1、空荷の
タワークレーン1の垂直移動時間T5 の分短縮すること
ができる。
【0034】なお、上記第1の本発明の実施形態におけ
る玉掛け前作業は、柱Hを仮置架台3に仮置きする作
業、上記第2の本発明の実施形態における玉掛け前作業
は、柱Hを仮設ステージ6の直下に移動する作業をい
う。本発明における玉掛け前作業は、これらの作業に限
らず、タワークレーン1に柱Hを玉掛けする際に、その
玉掛け本作業が容易となるようにするために行う作業全
体をいうものである。
【0035】また、上記両実施形態では、柱を揚重する
場合について説明したが、外壁パネルや、梁などの建築
資材を揚重することもできる。このとき、上記第1の本
発明の実施形態で用いた仮置架台としては、外壁パネル
を揚重する場合には、外壁パネルの吊り姿勢(あるいは
取付けが容易となる姿勢)を好適に維持できるものを使
用するのが好ましい。あるいは、梁など、吊り荷姿勢を
決めるのに時間が掛からない部材を揚重する場合には、
簡易な仮置架台とすることができる。また、複数の吊り
治具を用意しておくことにより、相番クレーンとタワー
クレーンとを独立に作業させることができる。
【0036】他方、上記第2の本発明の実施形態におい
ては、ウインチを仮設ステージ上に載置したが、ウイン
チを地上に設置することもできる。また、仮設ステージ
の代わりにテルハを使用することもできる。テルハを使
用した場合には、仮設ステージを設けるよりも盛替えが
容易となる。このとき、テルハをタワークレーンのマス
トに取り付けることもできる。この態様では、タワーク
レーンの盛替えと動じにテルハを盛替えることができ
る。あるいは、高層建築物の脇に垂直揚重機専用のマス
トを立設し、このマスト上に垂直揚重機を設置すること
もできる。この専用のマストを立設した場合にも、垂直
揚重機を地上に設置することもできる。垂直揚重機とし
て、垂直揚重専用のタワークレーンを別途設けることも
できる。なお、上記実施形態においては、いずれも建築
資材を揚重する場合について説明したが、揚重する物体
はこれに限るものではなく、例えば、タワークレーン自
体の部品等であってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、タワー
クレーンの性能向上や、作業員の技術向上を図ることな
く、タワークレーンを効率よく運用できるようにするこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本発明に係る物体の揚重方法の概要を示
す図である。
【図2】(a)は、第1の本発明に係る物体の揚重方法
に用いる仮置架台の平面図、(b)は、その縦断面図で
ある。
【図3】第1の本発明に係る物体の揚重方法のガントチ
ャートである。
【図4】第2の本発明に係る物体の揚重方法の概要を示
す図である。
【図5】第2の本発明に係る物体の揚重方法におけるウ
インチの作業工程を示す図である。
【図6】第2の本発明に係る物体の揚重方法のガントチ
ャートである。
【符号の説明】
1 タワークレーン 11 マスト 12 ジブ 13 ワイヤ 14 フック 2 相番クレーン 21 走行部 22 ブーム 23 ワイヤ 24 フック 3 仮置架台 31 仮置き部 32 作業床 32a 開口部 4 吊り治具 41 ワイヤ 5 垂直揚重機 51 ウインチ 52 ワイヤ 53 リール 54 フック 6 仮設ステージ 61 架台 7 垂直揚重用吊り治具 8 水平揚重用吊り治具 B 高層建築物 C 搬送車 H 柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江里口 靖久 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タワークレーンに物体を玉掛けして、この
    物体を揚重するにあたり、 前記タワークレーンに対して物体を玉掛けするための玉
    掛け前作業を補助クレーンを用いて行い、その後、玉掛
    け本作業をタワークレーンに対して行い、 前記タワークレーンによる前記物体の揚重作業を行って
    いる間に、次に揚重する物体の玉掛け前作業を補助クレ
    ーンを用いて行う、 工程を含むことを特徴とする物体の揚重方法。
  2. 【請求項2】物体を垂直揚重した後、この物体を水平揚
    重するにあたり、 垂直揚重手段によって物体を垂直揚重し、その後、タワ
    ークレーンによって水平揚重を行い、 前記タワークレーンによる前記物体の水平揚重作業を行
    っている間に、次に揚重する物体に対する前記垂直揚重
    手段による垂直揚重作業を行う、 工程を含むことを特徴とする物体の揚重方法。
JP6711098A 1998-03-17 1998-03-17 物体の揚重方法 Pending JPH11264246A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008223250A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Okumura Corp 煙突の解体システム
KR102089069B1 (ko) * 2019-11-18 2020-03-13 김학열 크레인수단을 이용한 h빔 취급방법

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008223250A (ja) * 2007-03-09 2008-09-25 Okumura Corp 煙突の解体システム
KR102089069B1 (ko) * 2019-11-18 2020-03-13 김학열 크레인수단을 이용한 h빔 취급방법

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