JPH1126295A - 積層チップ部品 - Google Patents

積層チップ部品

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JPH1126295A
JPH1126295A JP18911397A JP18911397A JPH1126295A JP H1126295 A JPH1126295 A JP H1126295A JP 18911397 A JP18911397 A JP 18911397A JP 18911397 A JP18911397 A JP 18911397A JP H1126295 A JPH1126295 A JP H1126295A
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JP
Japan
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capacitor
sheet
buffer layer
conductors
cracks
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JP18911397A
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Takashi Sugihara
隆 杉原
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外的な要因によってクラックが生じても、そ
の影響を低減して信頼性の低下を防止することができる
積層チップ部品を提供する。 【解決手段】 外部からの機械的,熱的な衝撃がある
と、積層体14にクラック16,18が発生する。一
方、部品外側には、導電ペーストの焼付けによって緩衝
層C1,C2が形成されている。緩衝層C1,C2は、
金属を含んでいるために延性,展性に富んでいるため、
積層体14を形成するセラミックよりも衝撃に対して強
く破損しにくい。このため、クラック16,18が生じ
ても、緩衝層C1,C2までも破壊することはできず、
緩衝層C1,C2で部品内部に対するクラック16,1
8の成長が阻止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、積層チップコン
デンサ, 積層チップEMI除去フィルタなどの積層チッ
プ部品にかかわり、更に具体的には、外部の影響によっ
て生ずるクラックに対する改良に関するものである。
【0002】
【背景技術】積層チップ部品は、例えば図5に示すよう
な構成となっている。図5(A)は主要断面,(B)は積
層構造をそれぞれ示す。この背景技術は、積層チップコ
ンデンサの例である。これらの図において、シートA1
〜A8は例えば誘電体材料によって形成されており、シ
ートA3〜A6にはコンデンサ用導体が形成されてい
る。シートA1,A2は、導体のないダミー層(保護
層)である。シートA3,A5には、一方のコンデンサ
用導体D1がそれぞれ形成されている。これらのコンデ
ンサ用導体D1は積層シートの左側に露出しており、入
出力電極10(図5(A)参照)に接続されている。シ
ートA4,A6には、他方のコンデンサ用導体D2がそ
れぞれ形成されている。これらのコンデンサ用導体D2
は積層シートの右側に露出しており、入出力電極12に
接続されている。これらコンデンサ用導体D1,D2
は、必要があれば更に多数交互に積層される。シートA
7,A8も、導体のないダミー層(保護層)である。以
上の各部によって、図5(A)に示すように積層チップ
コンデンサが構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年は積層
チップ部品も小形化されており、自動搭載機を使用して
回路基板などに対する積層チップ部品の搭載が行われて
いる。すなわち、バルクフィダやテープから積層チップ
部品を一個づつ吸着ノズルで取り出し、配線基板などの
該当するランドに供給する。
【0004】しかし、このとき、吸着ノズルなどからの
外部衝撃があると、チップ部品の積層体にクラックが生
ずることがある。一度積層体にクラックが生ずると、こ
のクラックは容易に部品内部まで到達し、耐湿性,防水
性の点で信頼性の劣化を招くことになる。その他、配線
基板に対する外部電極10,12の半田付けなどのよう
に、急激な温度変化があったような場合にも、クラック
が生じることがある。
【0005】本発明は、これらの点に着目したもので、
外的な要因によってクラックが生じても、その影響を低
減して信頼性の低下を防止することができる積層チップ
部品を提供することを、その目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明は、導体パターンが形成されたシートを積
層した積層チップ部品において、前記導体パターンが形
成されたシートを保護するためのシートに、クラックに
対する緩衝層を形成して積層したことを特徴とする。主
要な形態の一つは、前記緩衝層を、導電ペースト層,空
洞層,多孔質層のいずれかで形成したことを特徴とす
る。他の形態は、コンデンサ部及びインダクタ部を含
み、少なくともコンデンサ部に前記緩衝層を形成したこ
とを特徴とする。
【0007】外部衝撃によって積層体に発生するクラッ
クは、内部の最初の層までは比較的容易に到達する。し
かし、この層を突き向けて更に次の層にまで到達するた
めには、かなり強い衝撃を要する。本発明は、このよう
な点に着目し、積層体外側のシートに緩衝層を設けるこ
とで、積層体にクラックが生じても、緩衝層で内部に対
するクラックの成長侵入を阻止するようにしたものであ
る。この発明の前記及び他の目的,特徴,利点は、以下
の詳細な説明及び添付図面から明瞭になろう。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。なお、上述した背景技術と対応する
構成要素には同一の符号を用いることとする。
【0009】(1)実施形態1 最初に、図1を参照しながら実施形態1について説明す
る。まず、図1(B)を参照しながら本形態の積層構造
を説明すると、シートB1〜B10は例えば誘電体材料
によって形成されており、シートB4〜B7にはコンデ
ンサ用導体が形成されている。シートB1,B2は、導
体のないダミー層(保護層)である。シートB4,B6
には、一方のコンデンサ用導体D1がそれぞれ形成され
ている。これらのコンデンサ用導体D1は積層シートの
左側に露出しており、入出力電極10(図1(A)参
照)に接続されている。シートB5,B7には、他方の
コンデンサ用導体D2がそれぞれ形成されている。これ
らのコンデンサ用導体D2は積層シートの右側に露出し
ており、入出力電極12に接続されている。これらコン
デンサ用導体D1,D2は、必要があれば更に多数交互
に積層される。シートB9,B10も、導体のないダミ
ー層(保護層)である。以上の各部は、上述した背景技
術と同様である。
【0010】ところで、本形態では、上部及び下部のダ
ミー層がいずれも3層となっている。そして、それらの
うちの最も導体側(内側)のものに適宜の材料,例えば
導電ペーストによる緩衝層が形成されている。すなわ
ち、上部では、シートB3に緩衝層C1が形成されてお
り、下部では、シートB8に緩衝層C2が形成されてい
る。これらにより緩衝用シートが構成されている。
【0011】以上のようにして、コンデンサ用導体,緩
衝層がそれぞれ形成されたシートは、図1(B)に示す
順に積み重ねられる。そして、その後成形,圧着,焼成
されて積層体となる。そして、この積層体の左右に端面
電極10,12を形成して、積層チップコンデンサを得
る。その断面を示すと、図1(A)のようになる。すな
わち、上下に緩衝層C1,C2があり、それらの間にコ
ンデンサ用導体D1,D2が交互に位置している。
【0012】次に、以上のような本形態の作用を説明す
る。上述したような外部からの機械的,あるいは熱的な
衝撃があると、例えば図1(A)に示すように積層体1
4にクラック16,18が発生する。ところが、本形態
では、上述したように緩衝層C1,C2が設けられてい
る。緩衝層C1,C2は、導電ペーストを焼き付けて形
成されており、金属を含んでいるために塑性,すなわち
延性,展性に富んでいる。このため、積層体14を形成
するセラミックよりも衝撃に対して強く破損しにくい。
このような塑性に富む緩衝層C1,C2があると、外部
から加えられた衝撃で積層体14が破壊されてクラック
16,18が生じても、緩衝層C1,C2までも破壊す
ることはできない。従って、緩衝層C1,C2で部品内
部に対するクラック16,18の成長が阻止される。こ
れにより、クラックの影響が低減されて、信頼性の低下
が防止される。
【0013】次に、本形態の実施例について説明する。 まず、表1に示す配合比(重量比)により、誘電体材
料を配合する。
【0014】
【表1】
【0015】次に、この誘電体材料の配合粉を720
℃で仮焼成する。そして、この仮焼粉を有機バインダと
ともに混練し、スラリ化する。その後、この誘電体材料
スラリをドクタブレード法により、膜厚65μmの厚さ
にシート化する。そして更に、このグリーンシート表面
に、積層時にコンデンサを構成するような形状のコンデ
ンサ用導体D1,D2を、例えば銀ペーストを用いて印
刷する。
【0016】一方、別のグリーンシート表面に、緩衝
層C1,C2を、Ag,AgPd,Cu,Coなどのペ
ーストにより印刷形成する。これに、グリーンシートに
よるダミー層を上下に2層ずつ追加し、ダミー層を上下
各々3層積層する。これらに、前記コンデンサ用導体D
1,D2が形成されたグリーンシートを更に積層し、図
1(B)に示した積層構造を得る。そして、この積層体
を390Kgf/cm2の圧力により圧着する。その後、この
圧着バーを所定の大きさにカットしてグリーンチップを
作製するとともに、各チップに対し500℃で脱バイン
ダ処理を行う。更に、これら脱バインダ後のグリーンチ
ップを、890℃で焼成する。
【0017】次に、焼成後の各チップの端面にそれぞ
れ銀ペーストを焼き付け、図1(A)に示したように端
面電極10,12を形成する。そして、これら端面電極
形成後のチップにメッキを施す。これによって、積層チ
ップコンデンサのサンプルが得られる。
【0018】他方、図5に示した緩衝層の無い背景技術
についても、緩衝層の部分を除いて同様の条件でサンプ
ルを作製する。
【0019】以上のようにして得た本形態及び背景技術
のサンプルに対し、図2に示すような試験装置で衝撃試
験を行う。すなわち、サンプル20を試験装置のテーブ
ル22上に置くとともに、治具24を載せる。治具24
の先端径は0.7mmである。そして、高さhから重さm
の落下物26を治具24の一端に落下させてサンプル2
0に衝撃を加える。この衝撃は、サンプル20の長さ方
向,幅方向,高さ方向からそれぞれ加える。高さh,重
さmと荷重値Fとの関係は、F(Kgf)=0.5×m(g)×
√h(cm)で表わされ、本試験の条件は表2に示すように
なる。
【0020】
【表2】
【0021】上述した背景技術のサンプルについて衝撃
試験を行った結果、約20%のサンプルに荷重1(Kgf)
で一番外側のコンデンサ用導体にまで至るクラックが発
生した。この背景技術のサンプルに耐湿負荷試験を行
い、温度60℃,湿度90〜95%,負荷電圧16Vの
環境下に投入したところ、クラックからコンデンサ用導
体に侵入した水分と負荷電圧によってAgのマイグレー
ションが発生し、500時間以内に導通に至った。
【0022】一方、本形態にかかる緩衝層を備えたサン
プルについて同様に衝撃試験を行ったところ、前記背景
技術と同様に荷重1(Kgf)で一番外側の緩衝層にまで至
るクラックが発生した。このような本形態のサンプルに
同様の耐湿負荷試験を行ったところ、クラックから緩衝
層までは水分が侵入するものの、この緩衝層は電気的に
孤立しているために負荷電圧の影響を受けず、導通も起
きなかった。本形態のサンプルにおいて背景技術と同様
にAgのマイグレーションを発生させるためには、クラ
ックが緩衝層を貫通して内部のコンデンサ用導体にまで
到達しなければならない。これを測定したところ、本形
態においてマイグレーションが発生するに要する衝撃荷
重は、背景技術の3倍の約3(Kgf)であった。
【0023】(2)実施形態2 次に、実施形態2について説明する。この形態では、前
記緩衝層C1,C2が、カーボンペーストにより印刷形
成される。このカーボンペーストは焼成処理時に分解
し、空洞となる。すなわち、本形態では、緩衝層C1,
C2として空洞層が形成され、この部分でセラミック層
が不連続となる。従って、仮に積層体14に衝撃が加わ
ってクラック16,18が生じても、その成長は空洞層
C1,C2で阻止され、空洞層C1,C2から内部にま
でクラックが至ることはない。
【0024】次に、本形態の実施例を示すと、上述した
形態1の実施例と同様に、表1に示す配合比で誘電体材
料を配合するとともに、同様の条件で仮焼成,混練,ス
ラリ化,シート化を行う。これらのグリーンシート表面
に、コンデンサ用導体を銀ペーストにより印刷する。ま
た、別のグリーンシート表面に緩衝層をカーボンペース
トにより印刷形成する。これに、グリーンシートによる
ダミー層を上下に2層ずつ追加し、ダミー層を上下各々
3層積層する。これらに、前記コンデンサ用導体D1,
D2が形成されたグリーンシートを更に積層し、図1
(B)に示した積層構造を得る。そして、この積層体
を、上述したように圧着,カットし、グリーンチップを
作製する。
【0025】次に、これらグリーンチップを500℃で
脱バインダ処理し、更にこのグリーンチップを890℃
で焼成すると、緩衝層として形成したカーボンペースト
が分解し、これが空洞層となる。その後、チップ端面へ
の銀ペーストの焼付けによる端面電極の形成,メッキ処
理が順に行われる。
【0026】このようにして得たサンプルにつき、上述
した衝撃試験を同様に行ったところ、荷重0.5(Kgf)
で緩衝層まで至るクラックが発生した。このサンプルに
ついて耐湿負荷試験を行ったところ、クラックから緩衝
層に水分は侵入するものの、この緩衝層が空洞なために
負荷電圧の影響を受けず、導通も起きなかった。更に、
本形態のサンプルに背景技術と同様のAgのマイグレー
ションを発生させるために要する衝撃荷重は、約2(Kg
f)であった。
【0027】(3)実施形態3 次に、実施形態3について説明する。この形態では、前
記緩衝層C1,C2が、多孔質,すなわちポーラスな層
として形成される。この多孔質層は、グリーンシートを
得るための誘電体材料の組成を変更することで得られ
る。すなわち、本形態では、グリーンシートによって緩
衝層C1,C2が形成される。積層体14に衝撃が加わ
った場合、多孔質層中のポアを形成する周壁が破損する
ことはあっても、ポアとその周壁の破損で衝撃が吸収さ
れるようになる。このため、多孔質層を越えてその下に
存するセラミックにまでは、衝撃は伝え難い。従って、
本形態によっても、同様にクラックの影響は良好に低減
される。
【0028】次に、本形態の実施例を示すと、上述した
形態1の実施例と同様に、表1に示す配合比で第1の誘
電体材料を配合するとともに、以下の表3に示す配合比
で第2の誘電体材料を配合する。そして、同様の条件で
それぞれ仮焼成,混練,スラリ化,シート化を行う。こ
れらうち、第1の誘電体材料によるグリーンシート表面
に、コンデンサ用導体を銀ペーストにより印刷する。ま
た、それらグリーンシートによるダミー層を上下に2層
ずつ用意する。一方、第2の誘電体材料によるグリーン
シートを、緩衝層として使用し、これを含めてダミー層
をそれぞれ3層積層する。これらに、前記コンデンサ用
導体D1,D2が形成されたグリーンシートを更に積層
し、図1(B)に示した積層構造を得る。そして、この
積層体を、上述したように圧着,カットし、グリーンチ
ップを作製する。次に、これらグリーンチップに対し、
脱バインダ,焼成,電極形成,メッキの各処理が順に行
われる。これらの処理によって、緩衝層は多孔質とな
る。
【0029】
【表3】
【0030】このようにして得たサンプルにつき、上述
した衝撃試験を同様に行ったところ、荷重1(Kgf)で緩
衝層まで至るクラックが発生した。このサンプルについ
て耐湿負荷試験を行ったところ、クラックから緩衝層に
水分は侵入するものの、この緩衝層が多孔質なために負
荷電圧の影響を受けず、導通も起きなかった。更に、本
形態のサンプルに背景技術と同様のAgのマイグレーシ
ョンを発生させるために要する衝撃荷重は、約1.5(K
gf)であった。
【0031】(4)実施形態4 次に、図3及び図4を参照しながら実施形態4について
説明する。この形態は、前記形態1〜3を、積層チップ
EMI除去フィルタに応用したものである。最初に、図
3(A)を参照して、コンデンサ部の片側にのみ緩衝層
が設けられた形態を説明する。図3(A)は断面図,図
4(A)は積層状態を示す分解斜視図,図4(B)は外観
斜視図,図4(C)は等価回路である。図4(A)に示す
ように、上部層によってコンデンサ(キャパシタ)部5
0が構成されており、下部層によってインダクタ(コイ
ル)部52が構成されている。コンデンサ部50を構成
するシートQ1〜Q7は例えば誘電体材料によって形成
されており、シートQ3〜Q6にはコンデンサ用導体が
形成されている。また、シートQ2には緩衝層が形成さ
れている。
【0032】一方、インダクタ部52を構成するシート
R1〜R8は、例えば磁性体材料によって形成されてお
り、シートR2〜R7にはインダクタ用導体が形成され
ている。以上の各シートを積層して成形,圧着,焼成
し、この積層体に外部引出用の端子電極を形成すること
で、積層LC複合部品の一つである積層チップEMIフ
ィルタが得られる。
【0033】次に、各部について順に説明する。まず、
コンデンサ部50から説明すると、シートQ1は保護層
である。シートQ2には、緩衝層CAが形成されてい
る。シートQ3,Q5には、一方のコンデンサ用導体D
Aがそれぞれ形成されている。これらのコンデンサ用導
体DAは積層シートの前後辺側に露出しており、図4
(B)に示すGND電極(側面端子)14に接続されて
いる。シートQ4,Q6には、他方のコンデンサ用導体
DBがそれぞれ形成されている。これらのコンデンサ用
導体DBは、略中央付近でバイアホールDC(接続線で
表示)によって接続されている。すなわち、上述したコ
ンデンサ用導体DAの中央部分に窓が形成されており、
この部分を通過するバイアホールDCによってコンデン
サ用導体DBの上下が接続されている。これらコンデン
サ用導体DA,DBは、必要があれば更に多数積層され
る。シートQ7は保護層である。以上の各部によって、
図4(C)のコンデンサCが構成されている。
【0034】次に、インダクタ部52を説明すると、シ
ートR1は保護層である。シートR2〜R7には、イン
ダクタ用導体が形成されている。シートR2には、略コ
字状のインダクタ用導体E1,F1が形成されている。
これらのインダクタ用導体E1,F1は略逆S字状に連
続しており、その接続部分が、シートR1を貫通するバ
イアホールDCによってコンデンサ側に接続されてい
る。
【0035】シートR3には、略コ字状のインダクタ用
導体E2,F2が、反対側に開口が向くように形成され
ている。そして、それらの一端は、バイアホールG1,
H1によってそれぞれインダクタ用導体E1,F1に接
続されている。同様に、次のシートR4には、略コ字状
のインダクタ用導体E3,F3が、開口が向くように形
成されている。そして、それらの一端は、バイアホール
G2,H2によってそれぞれインダクタ用導体E2,F
2に接続されている。以下のシートR5には、シートR
3と同様のインダクタ用導体E2,F2がそれぞれ形成
されている。また、シートR6には、シートR4と同様
のインダクタ用導体E3,F3が形成されている。これ
らインダクタ用導体E2,F2及びE3,F3は、必要
があれば更に多層される。シートR7には、略コ字状の
パターンを左右辺側にそれぞれ延長露出したインダクタ
用導体E4,F4がそれぞれ形成されている。最下層の
シートR8は保護層である。
【0036】以上の各部のうち、スパイラル状に連続す
るインダクタ用導体E1,E2,E3,E4及びバイア
ホールG1,G2によって、図4(C)のインダクタL
Aが構成されている。また、スパイラル状に連続するイ
ンダクタ用導体F1,F2,F3,F4及びバイアホー
ルH1,H2によって、図4(C)のインダクタLBが
構成されている。そして、シートR7のインダクタ用導
体E4,F4が積層シートから左右に露出しており、図
4(B)の端子電極10,12にそれぞれ接続されてい
る。
【0037】以上のようにしてコンデンサ用導体,イン
ダクタ用導体,バイアホール,緩衝層がそれぞれ形成さ
れたシートは、図4(A)に示す順に積み重ねられる。
そして、その後成形,圧着,焼成されて積層体となる。
そして、この積層体の前後及び左右に電極を形成して、
積層チップEMIフィルタを得る。図4(B)には外観
が示されており、部品は直方体の形状となっている。そ
して、長手方向の両端に入出力電極10,12が形成さ
れており、長手方向と直行する方向の側面,すなわち図
の手前側と奥側にGND電極14が形成されている。図
3(A)には、図4(B)の#3線に沿って矢印方向に見
た部品の断面が示されている。この断面図のように、部
品のコンデンサ側の外側に緩衝層CAが形成されてい
る。
【0038】図3(B)に断面を示す例は、コンデンサ
部50及びインダクタ部52の外側にそれぞれ緩衝層C
A,CBを形成したもので、その他の構成は、図3
(A)の例と同様となっている。
【0039】図3(A),(B)の何れにおいても、緩衝
層CA,CBの作用によってクラックの影響が低減さ
れ、耐湿性が改善されて信頼性が向上するようになる。
なお、緩衝層CA,CBとしては、前記形態1〜3の何
れでもよい。
【0040】この発明には数多くの実施形態があり、以
上の開示に基づいて多様に改変することが可能である。
例えば、次のようなものも含まれる。 (1)前記形態4は、積層チップEMI除去フィルタに
本発明を適用したものであるが、各種の積層チップ部品
に適用可能である。また、フィルタの構成も、T型フィ
ルタの他,π型やダブルπ型などの各種のものに対して
本発明は適用可能である。 (2)前記実施形態に示したシートの積層数,導体パタ
ーン,バイアホール、あるいは前記実施例に示した製造
条件なども、必要に応じて適宜設定してよい。また、複
数の緩衝層を積層して設けることを妨げるものではな
い。 (3)緩衝層に使用する材料としては各種のものを使用
してよいが、同一シート内の他のパターンと同様の材料
を使用することで、工程を簡略化し生産性の向上を図る
ことができる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
緩衝層を設けることとしたので、外的な要因によってク
ラックが生じても、部品内部への影響を低減して信頼性
の低下を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の断面と積層構造を示す図である。
【図2】衝撃試験を行う試験装置の一例を示す図であ
る。
【図3】実施形態4の断面を示す図である。
【図4】実施形態4の積層構造,外観,等価回路を示す
図である。
【図5】背景技術の断面と積層構造を示す図である。
【符号の説明】
10,12…端面電極 14…側面電極 50…コンデンサ部 52…インダクタ部 B1〜B10,Q1〜Q7,R1〜R8…シート C1,C2,CA,CB…緩衝層 D1,D2,DA,DB…コンデンサ用導体 D3,G1,G2,H1,H2…バイアホール E1〜E4,F1〜F4…インダクタ用導体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体パターンが形成されたシートを積層
    した積層チップ部品において、 前記導体パターンが形成されたシートを保護するための
    シートに、クラックに対する緩衝層を形成して積層した
    ことを特徴とする積層チップ部品。
  2. 【請求項2】 前記緩衝層を、導電ペースト層,空洞
    層,多孔質層のいずれかで形成したことを特徴とする請
    求項1記載の積層チップ部品。
  3. 【請求項3】 コンデンサ部及びインダクタ部を含み、
    少なくともコンデンサ部に前記緩衝層を形成したことを
    特徴とする請求項1又は2記載の積層チップ部品。
JP18911397A 1997-06-30 1997-06-30 積層チップ部品 Pending JPH1126295A (ja)

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