JPH11259825A - 磁気抵抗効果型ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッド

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JPH11259825A
JPH11259825A JP10073176A JP7317698A JPH11259825A JP H11259825 A JPH11259825 A JP H11259825A JP 10073176 A JP10073176 A JP 10073176A JP 7317698 A JP7317698 A JP 7317698A JP H11259825 A JPH11259825 A JP H11259825A
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magnetic field
magnetic
film
magnetoresistive
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Satoru Araki
悟 荒木
Haruyuki Morita
治幸 森田
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ブロッキング温度Tbまで加熱せずに、低い
温度条件で、短時間に軟磁性層と強磁性層との磁化が直
交化されて磁気特性の劣化が少なく、ヘッド特性が安定
し出力が大きな磁気抵抗効果型ヘッドを提供する。 【解決手段】導体膜100は、磁気抵抗効果膜1と導通
しており、磁気抵抗効果膜は、非磁性金属層と、非磁性
金属層の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性金属
層の他方の面に形成された軟磁性層と、強磁性層の磁化
の向きをピン止めするために強磁性層の非磁性金属層と
接する面と反対側の面に形成された反強磁性層とを有す
るスピンバルブ型の多層膜であり、強磁性層は、反強磁
性層により磁化の向きをピン止めされており、当該ピン
止めされた強磁性層の磁化方向は、軟磁性層の外部磁場
ゼロでの磁化方向に対して実質的に直交化するように、
パルス磁場強度Iが5kOe〜40kOeのパルス磁場
を磁気抵抗効果膜に間欠的に付与するパルス磁場処理に
より、強制的に方向付けされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体等の
磁界強度を信号として読み取るための磁気抵抗効果膜の
うち、特に小さな磁場変化を大きな電気抵抗変化信号と
して読み取ることのできるスピンバルブタイプの磁気抵
抗効果膜を用いた磁気抵抗効果型ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気センサの高感度化や磁気記録
における高密度化が進められており、これに伴い磁気抵
抗変化を用いた磁気抵抗効果型磁気センサ(以下、MR
センサという)や、磁気抵抗効果型磁気ヘッド(以下、
MRヘッドという)の開発が盛んに進められている。M
RセンサおよびMRヘッドはいずれも、磁性材料を用い
た読み取りセンサ部の抵抗変化により、外部磁界信号を
読み出すものである。このようなMRセンサおよびMR
ヘッドは、信号読み取りに際して、記録媒体との相対速
度が再生出力に依存しないことから、MRセンサでは高
感度が、MRヘッドでは高密度磁気記録の信号読み出し
時においても、高い出力が得られるという特徴がある。
【0003】しかしながら、従来用いられているNi80
Fe20(パーマロイ)やNiCo等の磁性体を利用した
MRセンサでは、抵抗変化率であるΔR/Rの値がせい
ぜい1〜3%くらいと小さく、数GBPSI(Giga Bit
s Per Square Inches)以上の超高密度記録の読み出し用
MRヘッド材料としては感度が不足する。
【0004】ところで、金属の原子径オーダーの厚さの
薄膜が周期的に積層された構造をもつ人工格子は、バル
ク状の金属とは異なった特性を示すために、近年注目さ
れてきている。このような人工格子の1種として、基板
上に強磁性金属薄膜と非磁性金属薄膜とを交互に積層し
た磁性多層膜があり、これまで、鉄−クロム型、コバル
ト−銅型等の磁性多層膜が知られている。しかし、この
人工格子膜では最大抵抗変化の起きる外部磁場(作動磁
界強度)が数十kOeと大きく、このままでは実用性が
ない。
【0005】そこで、このような事情から、スピンバル
ブという新しい構造が提案されている。これは、非磁性
金属層を介してNiFe層が2層形成されており、一方
のNiFe層に隣接してFeMn層が配置されている構
成をもつ。
【0006】ここでは、FeMn層と隣接しているNi
Fe層とが直接交換結合力で結合しているために、この
NiFe層の磁気スピンは数10〜数100Oeの磁場
強度まで、その向きを固着される。一方のNiFe層の
スピンは外部磁場によって自由にその向きを変え得る。
その結果、NiFe層の保磁力程度という、小さな磁場
範囲で2〜5%の磁気抵抗変化率(MR変化率)が実現
される。
【0007】スピンバルブにおいては、2つの磁性層に
おけるスピンの相対角度の差異を実現させることによ
り、従来の異方性磁気抵抗(AMR)効果とは異なるお
おきなMR変化を実現している。これは一方の磁性層と
反強磁性との直接交換結合力による磁性層スピンのピン
ニングにより実現されている。この交換結合がスピンバ
ルブの本質であるといえる。
【0008】しかしながら、スピンバルブの実用化につ
いは、以下に述べるようなさまざまな問題がある。磁性
層をピンニングしている交換結合の強さを、そのシフト
する一方向異方性磁場Huaの大きさで表す。また、その
温度安定性としてHuaが消失する温度をブロッキング温
度Tb とする。従来より一般に用いられているFeMn
層やその他の反強磁性層での交換結合では以下の問題が
ある。
【0009】1)ブロッキング温度Tb が150〜17
0℃と低い。バルクの状態と比較して、ブロッキング温
度Tb が低く、本来のピンニング効果を十分に発揮する
良好な薄膜が得られていない。
【0010】2)ブロッキング温度Tb の分散が生じて
いることが問題である。すなわち、薄膜であるが故に、
FeMn層内の膜面は、さまざまな結晶粒から構成され
ており、個々の結晶粒は独自のブロッキング温度Tb を
持っている。つまり、すべての結晶粒がすべて同一のブ
ロッキング温度Tb を持っていれば問題はないのである
が、実際は、低めのブロッキング温度Tb を有する結晶
粒や、高めのブロッキング温度Tb を有する結晶粒など
さまざまである。その結果、応用上の動作温度領域であ
る80〜120℃において、強磁性層のスピンを反転さ
せてしまう弱い交換結合をもった結晶粒が一部存在する
ことがある(低めのブロッキング温度Tb を有する結晶
粒の存在が原因)。すると、ピン止めされている強磁性
層のスピン方向が全体として傾いてしまい、出力電圧が
低下してしまうことがある。従って、できるだけすべて
の結晶粒がすべて均一で、高いブロッキング温度Tb を
持つような良質の反強磁性薄膜の提供が望まれる。
【0011】このような課題を解決すべく、本出願人ら
はすでに特願平8−357608号や、特願平9−21
9121号において、好適例としてRuxy Mnz
(MはRh,Pt,Pd,Au,Ag,Reから選ばれ
た少なくとも1種)からなる反強磁性薄膜を提案してい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気抵抗効
果膜を、スピンバルブ膜として機能させるためには、磁
気抵抗効果膜を構成している軟磁性層と強磁性層の磁化
方向を、予め直交化(理想的には90deg)させてお
くことが必要となる。この直交化処理は、軟磁性層と強
磁性層の成膜時に、磁場を印加しながら成膜を行い、そ
れぞれの印加磁場方向を互いに直交化させることによっ
て行なうことも可能である。しかしながら、この成膜工
程後の製造プロセス上の不可避の熱工程(例えば、25
0℃、合計3時間のレジストキュア工程)によって、磁
化の直交化は乱され(理想的な90degから大きくず
れてしまう)、MR変化率(MR Ratio) が低下し、スピ
ンバルブヘッドとして完成させた後に、十分な出力が確
保できないという不都合が生じる。このため、ヘッド製
造プロセスの最後に磁化方向の直交化処理を行うことが
望まれる。つまり、最終製品に近いヘッドをブロッキン
グ温度Tb以上まで加熱して、再度、磁気抵抗効果膜の
ピン方向を調整するために磁場を印加する必要がある。
しかしながら、上述したごとく本来のピンニング効果を
十分に発揮させるために、ブロッキング温度Tbの高い
反強磁性層を用いている関係上、その直交化のための熱
処理温度は300℃前後と極めて高く、しかも長時間に
亘る。このような高温での直交化処理は、薄膜磁性層間
の物質の相互拡散を生じさせたり、軟磁性層の異方性磁
場Hk を消失させたりして、磁気特性を劣化させ、ヘッ
ドがこわれる原因となっていた。その結果、ブロッキン
グ温度Tbの高い反強磁性層を用いた場合、完全な軟磁
性層と強磁性層の磁化の直交化が実現できなくなり、十
分なスピンバルブヘッドの出力が確保できないという状
況になっている。
【0013】本発明はこのような実状のものに創案され
たものであって、その目的は、ブロッキング温度Tbま
で加熱することなく、極めて低い温度条件で、短時間に
軟磁性層と強磁性層との磁化の直交化がなされ、磁気特
性の劣化が極めて少なく、ヘッド特性が安定し、ヘッド
出力が大きな磁気抵抗効果型ヘッドを提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、磁気抵抗効果膜と、導体膜と、ギャップ
部とを含む磁気抵抗効果型ヘッドであって、前記導体膜
は、前記磁気抵抗効果膜と導通しており、前記磁気抵抗
効果膜は、非磁性金属層と、非磁性金属層の一方の面に
形成された強磁性層と、非磁性金属層の他方の面に形成
された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の向きをピン止
めするために強磁性層の非磁性金属層と接する面と反対
側の面に形成された反強磁性層とを有するスピンバルブ
型の多層膜であり、前記強磁性層は、反強磁性層により
磁化の向きをピン止めされており、当該ピン止めされた
強磁性層の磁化方向は、前記軟磁性層の外部磁場ゼロで
の磁化方向に対して実質的に直交化するように、パルス
磁場強度Iが5kOe〜40kOeのパルス磁場を磁気
抵抗効果膜に間欠的に付与するパルス磁場処理により、
強制的に方向付けされており、前記ピン止めされた強磁
性層の磁化方向は、前記軟磁性層の外部磁場ゼロでの磁
化方向に対して、90±10degの角度範囲内にある
よう構成される。
【0015】好ましい態様として、前記パルス磁場処理
は、前記反強磁性層のブロッキング温度をTbとした時
に、0.3Tb〜0.6Tbの範囲の温度に磁気抵抗効
果膜を加熱した状態で行われる。
【0016】また、好ましい態様として、前記パルス磁
場処理における、パルス幅tは、1msec≦t≦50
0msecの範囲内、および前記パルス磁場磁場処理に
おける、パルス周期λは、0.1Hz≦λ≦10Hzの
範囲内で行われる。
【0017】また、好ましい態様として、前記反強磁性
層は、Mx Mn100-x (MはRu,Rh,Re,Ir,
Pt,Pd,Au,Ag,Fe,NiおよびCrから選
ばれた少なくとも1種であり、15≦x≦58(xの単
位は原子%))から構成される。
【0018】また、好ましい態様として、前記反強磁性
層は、Ruxy Mnz (MはRh,Pt,Pd,I
r,Au,Ag,Re,Niから選ばれた少なくとも1
種であり、1≦x≦30,1≦y≦30,69≦z≦9
0,10≦x+y≦31(x,y,およびzの単位は原
子%))から構成される。
【0019】また、好ましい態様として、前記磁気抵抗
効果膜は、基板側から、軟磁性層、非磁性金属層、強磁
性層、反強磁性層、保護層を順次備える多層膜構造を有
して構成される。
【0020】また、好ましい態様として、前記磁気抵抗
効果膜は、基板側から、下地層、反強磁性層、強磁性
層、非磁性金属層、軟磁性層を順次備える多層膜構造を
有して構成される。
【0021】また、好ましい態様として、前記磁気抵抗
効果膜の両端部には、前記軟磁性層の磁区制御のための
硬質磁性層がそれぞれ接続配置されており、前記硬質磁
性層は、前記磁気抵抗効果膜を成膜後、当該磁気抵抗効
果膜を前記パルス磁場処理した後に、成膜されたもので
あり、かつ当該硬質磁性層は、その磁化方向が、前記軟
磁性層の外部磁場ゼロでの磁化方向と実質的に同一方向
となるように着磁されてなるよう構成される。
【0022】また、好ましい態様として、前記磁気抵抗
効果膜の両端部には、前記軟磁性層の磁区制御のための
硬質磁性層がそれぞれ接続配置されており、磁気ヘッド
としての各種構成部材を備えて完成された後に、前記磁
気抵抗効果膜は前記パルス磁場処理され、このパルス磁
場処理後に、当該硬質磁性層は、その磁化方向が、前記
軟磁性層の外部磁場ゼロでの磁化方向と実質的に同一方
向となるように着磁されてなるよう構成される。
【0023】また、好ましい態様として、前記パルス磁
場処理を施す前に、完成されるべく前記磁気ヘッドの構
成部材として、書き込み用インダクティブヘッド部が含
まれてなるよう構成される。
【0024】また、好ましい態様として、前記パルス磁
場処理を施す前に、完成されるべく前記磁気ヘッドの構
成部材として、ジンバルが含まれてなるように構成され
る。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的実施の形態
について詳細に説明する。
【0026】本発明の磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッ
ド)は、スピンバルブ膜である磁気抵抗効果膜を備えて
なるスピンバルブヘッドである。
【0027】図1に示される磁気抵抗効果型ヘッド(M
Rヘッド)150は、読み出し専用のGMR(giant mag
netoresistive)ヘッド部200に、書き込み専用のイン
ダクティブヘッド部300が付加され一体化された複合
ヘッドの概略構成図であり、『インダクティブ・GMR
ヘッド』とも称され、現在、主流になりつつある形式の
複合ヘッドである。磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘッ
ド)といった場合、読み出し専用のGMRヘッド部20
0は必須の構成要件であり、書き込み専用のインダクテ
ィブヘッド部300はなくてもよい。
【0028】図1に示される磁気抵抗効果型ヘッド(M
Rヘッド)150において、図面上、現れている主要な
構成部材を引用しながら、ヘッドの概略構成部材を説明
する。
【0029】下部シールド膜61の上には、図示してい
ない下部ギャップ絶縁膜を介して、スピンバルブ膜であ
る磁気抵抗効果膜1が形成されており、この磁気抵抗効
果膜1に接続して導体膜(リード)100が形成されて
いる。導体膜(リード)100の上には、図示していな
い上部ギャップ絶縁膜を介して、上部シールド膜65が
形成されている。この上部シールド膜65は、さらにイ
ンダクティブヘッド部300の下部コア65としての機
能をも合わせ持ち、この上部シールド膜65の上に図示
しないライトギャップ膜を介して、薄膜コイル68およ
び上部コア69が形成される。そして、図面の後方で接
続される下部コア65と上部コア69とによって閉磁路
が形成される。
【0030】このような磁気抵抗効果型ヘッド(MRヘ
ッド)150は、例えば、図2のヘッド製造工程に示さ
れる概略の製造手順(I)〜(IV)で製造される。す
なわち、準備されたウエーハ上に(図2(I))、ヘッ
ドの多数個取りができるように、アドレス形成された
後、ヘッドを構成する所望の多層薄膜の形成および加工
が順次なされて図2(II)の状態に至る。その後、個
々のヘッド形態とするためのウエーハの切り出しおよび
ヘッド加工が行われる(図2(III))。ウエーハの
切り出しおよびヘッド加工が完了した磁気抵抗効果型ヘ
ッド150は、ヘッド組み立て工程でジンバル400に
取り付けられ(図2(III))、記録媒体であるハー
ドディスクに組み込まれる。
【0031】上記図2(II)のウエーハ工程で行われ
る、ヘッドを構成する所望の多層薄膜の形成の一例につ
いて、図3〜図7に基づいてさらに詳細に説明する。
【0032】図3はヘッドを構成する所望の多層薄膜を
形成する途中の断面図であり、図1との関係で言えば、
図1の矢印方向(α)からの断面図である。図3におい
て、基板5の上には、基板保護層4、下部シールド層6
1、下部ギャップ絶縁層71、およびスピンバルブ膜と
しての磁気抵抗効果1が順次、形成される。磁気抵抗効
果1は、図3に示される状態では、図面の大きさの都合
上、多層状態として示されていないが、実際には、図4
に示されるようにスピンバルブ膜としての多層膜構造と
なっている。すなわち、磁気抵抗効果膜1は、図4に示
されるように非磁性金属層30と、非磁性金属層30の
一方の面に形成された強磁性層40と、非磁性金属層3
0の他方の面に形成された軟磁性層20と、前記強磁性
層40の磁化の向きをピン止めするために強磁性層40
の上(非磁性金属層30と接する面と反対側の面)に形
成された反強磁性層50とを有している。さらに図面
上、反強磁性層50の上には保護層80が、軟磁性層2
0の下には下地層7が形成されている。 ここで重要な
点は、磁気抵抗効果膜1は、いわゆるスピンバルブ型の
磁気抵抗変化を示すという点である。スピンバルブ型の
磁気抵抗変化とは、非磁性金属層30と、非磁性金属層
30の一方の面に形成された強磁性層40と、非磁性金
属層30の他方の面に形成された軟磁性層20と、前記
強磁性層40の磁化の向きをピン止めするために強磁性
層の上に形成された反強磁性層50とを有する磁性多層
膜において、外部の信号磁界がゼロの時に軟磁性層20
の磁化方向は、図4のx軸方向に向いており、この一方
で、反強磁性層50によりピン止めされた強磁性層40
の磁化方向は、図4のz軸方向(紙面に対して垂直方
向)に向いている。すなわち、軟磁性層20の磁化方向
と強磁性層40の磁化方向は、鋭角方向から見て、90
degの角度に設定され、直交化が図られていることが
理想的である。
【0033】この磁化の直交化を図るために、従来よ
り、磁性多層膜1を反強磁性層50のブロッキング温度
Tb以上に加熱し、磁場中での冷却処理を行ない、強磁
性層40の磁化の方向制御を行っていた。この処理は直
交化処理と呼ばれ、この時の温度は直交化温度と呼ばれ
ていた。直交化処理の際、強磁性層40の磁化方向のみ
変化させることが望ましい。従来の直交化処理では、強
磁性層40の磁化方向を制御するために反強磁性層50
のブロッキング温度Tb以上に加熱しなけらばならず、
ピン止めされた強磁性層40の磁化方向が、前記軟磁性
層20の外部磁場ゼロでの磁化方向(異方性磁界Hk)
に対して、90±10degの角度範囲内とすることは
極めて困難であった。
【0034】また、いわゆる規則相反強磁性材料と呼ば
れるPtMnやNiMn等の反強磁性層を用いる場合に
は、結晶化させるための熱処理温度が高温のため強磁性
層40と軟磁性層20との直交化が極めて困難であっ
た。
【0035】本発明においては、この直交化処理に所定
のパルス磁場を作用させることにより、上記の90±1
0degの角度範囲内という理想的な直交化を実現させ
ている。すなわち、強磁性層40は、反強磁性層50に
より磁化の向きをピン止めされており、ピン止めされた
強磁性層40の磁化方向は、軟磁性層20の外部磁場ゼ
ロでの磁化方向(異方性磁界Hk)に対して実質的に直
交化するように、磁気抵抗効果膜1を加熱した状態で、
パルス磁場強度Iが5kOe〜40kOe、好ましくは
8kOe〜20kOe、より好ましくは10kOe〜1
8kOeのパルス磁場を磁気抵抗効果膜1に間欠的に付
与するパルス磁場処理により、強制的に方向制御されて
いる。パルス磁場処理に用いられるパルス磁場強度Iが
5kOe未満となると、上記の理想的な直交化が実現で
きない。また、パルス磁場強度Iが40kOeを超える
と、パルス磁場発生用のコイルとその電源が大きくな
り、コストが飛躍的に高くなり、現実性がなくなる。
【0036】このようなパルス磁場のパルス幅tは、好
ましくは、1msec≦t≦500msecの範囲内に
設定される。パルス幅tは、パスル磁場発生装置の仕
様、すなわちパスル磁場発生用のコイルのインダクタン
スによって律速される。つまり、パルス幅とパルス強度
とは密接な関係があって、パルス強度が高くなるとパル
ス幅は狭くなる。双方の関係のバランスの中で、上述し
たようにパルス磁場のパルス幅tは、1msec≦t≦
500msecの範囲が好ましい。
【0037】パルス磁場のパルス周期λは、好ましく
は、0.1Hz≦λ≦10Hzの範囲内に設定される。
パルス周期λは、前記パルス幅tと同様に、パスル磁場
発生装置の仕様、すなわちパスル磁場発生用のコイルの
インダクタンスや電源の性能によって律速される。この
値が10Hzを超えると電荷のチャージが間に合わない
し、0.1Hz未満となると処理時間がいたずらに長く
なるだけで、不経済である。
【0038】本発明で用いられるパルス磁場処理は、上
述したように磁気抵抗効果膜1を加熱した状態で行われ
る。加熱の温度範囲は、反強磁性層50のブロッキング
温度をTbとした時に、0.3Tb〜0.6Tbの範
囲、より好ましくは、0.3Tb〜0.5Tbの範囲で
あり、従来のようにブロッキング温度Tbまで温度を上
げて高温とする必要がない。これはパルス磁場を用い
て、いわゆる直交化処理をしているからである。加熱温
度が0.3Tb未満となると、本発明所定のパルス磁場
を付与しても、十分な磁化の直交化が図れないという不
都合が生じる。また、加熱温度が0.6Tbを超える
と、熱劣化等によるヘッド特性の劣化が生じやすくなる
傾向にあり、好ましくない。
【0039】図8には、パルス磁場処理をするためのパ
ルス磁場発生装置の概念図が示される。基本的にはソレ
ノイド型コイル500を設置し、このコイルにパルス磁
場発生用の電源510がつながれる。図8において矢印
(β)方向が、パスル磁場方向である。コイル500の
中空内部には、図示の例では、磁気抵抗効果膜1を備え
るウエーハ550が、磁気抵抗効果膜1の所望の直交化
処理が行なわれるように挿入されている。ウエーハ55
0の形に応じて、ウエーハを挿入しやすいようにコイル
500の形状を楕円形に変形させるようにしてもよい。
コイル500は真空槽の中に入れて真空に排気したほう
がよいが、加熱温度によっては大気中のままでも良い。
また、ウエーハ550の状態でなく、後述するようにジ
ンバルを備え、見かけ上、ほぼ完成されたヘッドをコイ
ル500中に挿入し、パルス磁場処理をしてもよい。こ
の場合には、必要最低限の磁場と熱が加わればよいので
装置の小型化が図られ、コストも安い。
【0040】次に、磁気抵抗効果膜1について、ピン止
めされた強磁性層40の磁化方向と軟磁性層20の外部
磁場ゼロでの磁化方向とができるだけ90degに近
い、直交化が必要な理由、および磁気抵抗効果膜1につ
いて、材料を含めた詳細な積層構成について説明してお
く。
【0041】磁性多層膜1(スピンバルブ膜)では、外
部から加わる信号磁界の向きに応じて非磁性金属層30
を介して、その両側に隣接して形成された軟磁性層20
と強磁性層40との互いの磁化の向きが実質的に異なる
ことが必要である。その理由は、本発明の原理が、非磁
性金属層30を介して形成された軟磁性層20と強磁性
層40の磁化の向きがズレているとき、伝導電子がスピ
ンに依存した散乱を受け、抵抗が増え、磁化の向きが互
いに逆向きに向いたとき、最大の抵抗を示すことにある
からである。すなわち、本発明では、図9に示されるよ
うに外部からの信号磁場がプラス(記録媒体90の記録
面93から向かって上向き(符号92で表される)であ
るとき、隣合った軟磁性層20と強磁性層40の磁化の
方向が互いに逆向きの成分が生じ、抵抗が増大するので
ある。
【0042】ここで、本発明の磁気抵抗効果膜に用いら
れる(スピンバルブ)磁性多層膜における、磁気記録媒
体からの外部信号磁場と、軟磁性層20と強磁性層40
の互いの磁化の方向、及び電気抵抗の変化の関係を説明
する。
【0043】今、本発明の理解を容易にするために、図
9に示されるごとく、1つの非磁性金属層30を介して
1組の軟磁性層20と強磁性層40とが存在する最もシ
ンプルな磁性多層膜の場合について説明する。
【0044】図9において、軟磁性層20は、外部磁場
ゼロにおける磁化方向が図9のx軸方向を向いている
(異方性磁界Hk)。もう一方の強磁性層40は上記の
パルス磁場処理により媒体面に向かって、図9のz軸に
関する方向、例えば、下向き方向にその磁化を反強磁性
層50によってピン止めされて(符号41)おり、双方
の磁化の直交化が図られている。軟磁性層20は非磁性
金属層30を介して形成されているので、その磁化方向
は外部からの信号磁界によって向きを変える(符号2
1)。このとき、軟磁性層20と強磁性層40の磁化の
相対角度は、磁気記録媒体90からの信号磁界の向きに
よって大きく変化する。その結果、磁性層内に流れる伝
導電子が散乱される度合いが変化し、電気抵抗が大きく
変化する。
【0045】これによってパーマロイの異方性磁気抵抗
効果とはメカニズムが本質的に異なる大きなMR(Magn
etoresistive )効果が得られる。これは特にGMR(Gi
antMagnetoresistive) 効果と呼ばれる。
【0046】本発明における反強磁性層50は、マンガ
ン(Mn)を必須としMx Mn100-x で表わされる材料
を用いることが好ましい。ここで、MはRu、Rh、R
e、Ir、Pt、Pd、Au、Ag、Fe、Niおよび
Crから選ばれた少なくとも1種である。xは、15≦
x≦58の範囲の値をとり、xの単位は原子%である。
【0047】このような反強磁性層50の材質の中でも
特に、マンガン(Mn)およびルテニウム(Ru)を必
須とし、Ruxy Mnz で表わされる反強磁性層50
の材質がさらに好適に用いられる。ここで、MはRh、
Pt、Pd、Ir、Au、Ag、Reから選ばれた少な
くとも1種であり、1≦x≦30,1≦y≦30,69
≦z≦90,10≦x+y≦31(x,y,およびzの
単位は原子%)の範囲をとる。Ruxy Mnz におけ
るMは、上記の元素から選ばれた一種類をとることが一
般的であり、この場合、反強磁性層50は3成分から構
成されるが、特殊な場合として4成分系以上とすること
もできる。
【0048】本発明において、反強磁性層50中に含有
される酸素濃度は、1〜2000原子ppm、好ましく
は1〜1000原子ppm、さらに好ましくは1〜60
0原子ppmに規制することが好ましい。
【0049】本発明において、前記反強磁性層50中に
は、さらに、不純物としての炭素、硫黄、塩素を含み、
反強磁性層50中に含有される炭素濃度が1〜2000
原子ppm、硫黄濃度が1〜1000原子ppm、塩素
濃度が1〜2000原子ppmの範囲とすることが好ま
しい。
【0050】反強磁性層50の厚さは、5〜100n
m、好ましくは5〜80nm、より好ましくは5〜50
nm、更に好ましくは5〜30nmの範囲とするのがよ
い。反強磁性層50の厚さが、5nmより薄くなると交
換結合磁界Huaやブロッキング温度Tbが急激に小さく
なってしまう。逆に厚い分は余り問題がないが、あまり
厚すぎるとMRヘッドとしてのギャップ長(シールド−
シールド間の長さ)が大きくなってしまい、超高密度磁
気記録に適さなくなってしまう。従って、100nmよ
り小さいほうがよい。
【0051】強磁性層40は、Fe,Ni,Co,M
n,Cr,Dy,Er,Nd,Tb,Tm,Ce,Gd
等やこれらの元素を含む合金や化合物から構成される
が、特に、(Coz Ni1-zw Fe1-w (ただし、重
量で0.4≦z≦1.0、0.5≦w≦1.0である)
で表される組成で構成することが好ましい。これらの組
成範囲を外れると、大きな電気抵抗の変化が得られなく
なるという不都合が生じる。
【0052】このような強磁性層40の厚さは、1.6
〜10nm、より好ましくは、2〜6nmとされる。こ
の値が、1.6nm未満となると、磁性層としての特性
が失われる。この一方で、この値が10nmを超える
と、前記反強磁性層50からのピン止め力が小さくな
り、この強磁性層のスピンのピン止め効果が十分に得ら
れなくなる。
【0053】このような強磁性層40は上述のごとく反
強磁性層50と直接接しているため、両者に直接層間相
互作用が働き、強磁性層40の磁化回転が阻止される。
一方、後に詳述する軟磁性層20は、外部からの信号磁
場により、自由にその磁化を回転させることができる。
その結果、軟磁性層20と強磁性層40との両者の磁化
に相対的な角度が生み出され、この磁化の向きの違いに
起因した大きなMR効果が得られる。
【0054】軟磁性層20は、軟磁性特性を示すFe,
Ni,Co等やこれらの元素を含む合金や化合物から構
成されるが、保磁力Hcの小さな磁性層を用いた方がMR
曲線の立ち上がりが急峻となり、好ましい結果が得られ
る。軟磁性層20を下記に示すような2層構造にするこ
とは、特に好ましい態様である。すなわち、非磁性金属
層30側からCo(コバルト)単体あるいはCoを80
重量%以上含む合金より構成された第1の軟磁性層と、
(Nix Fe1-xy Co1-y (ただし、重量で0.7
≦x≦0.9、0.5≦y≦1.0)で表わされる組成
である第2の軟磁性層との2層積層体として構成する。
このような構成とすることにより、Coリッチな第1の
軟磁性層が拡散ブロッキング層として働き、第2の軟磁
性層側から非磁性金属層30側へとNiの拡散を防止す
ることができる。また、Coリッチな第1の軟磁性層は
電子の散乱能力を増大させるため、MR変化率が向上す
るという効果も発現する。なお、第2の軟磁性層は、ソ
フト磁性を維持させるために上記組成範囲内で形成され
る。
【0055】このような軟磁性層20の厚さは、2〜1
5nm、好ましくは、3〜15nm、さらに好ましく
は、5〜15nmとされる。この値が、2nm未満とな
ると、良好な軟磁性層としての特性が得られない。この
一方で、この値が15nmを超えると、多層膜全体の厚
さが厚くなり、磁性多層膜全体の抵抗が大きくなり、M
R効果が減少してしまう。なお、軟磁性層20を上記の
ように2層積層体とした場合には、Coリッチの第1の
軟磁性層の厚さを、0.4nm以上確保すればよい。
【0056】このような軟磁性層20と前記強磁性層4
0との間に介在される非磁性金属層30は、効率的に電
子を導くために、伝導性のある金属が望ましい。より具
体的には、Au、Ag、およびCuの中から選ばれた少
なくとも1種、またはこれらの少なくとも1種以上を6
0wt%以上含む合金等が挙げられる。
【0057】このような非磁性金属層30の厚さは、
1.5〜4nmであることが好ましい。この値が1.5
nm以下になると、このものを介して配置されている軟
磁性層20と強磁性層40とが交換結合してしまい、軟
磁性層20と強磁性層40とのスピンがそれぞれ独立に
機能しなくなってしまうという不都合が生じる。この値
が4nmを超えると、上下に位置する軟磁性層20と強
磁性層40の界面で散乱される電子の割合が減少してし
まい、MR変化率の減少が起こってしまうという不都合
が生じる。
【0058】保護層80は、成膜プロセスの過程で磁性
膜表面の酸化を防止し、その上部に形成される電極材料
との濡れ性や、密着強度の向上という目的のために形成
され、このものは、Ti,Ta,W,Cr,Hf,Z
r,Zn,Rh,Ru等の材料により形成される。厚さ
は、通常、3〜30nm程度とされる。
【0059】各層の材質及び層厚を上記のように規定
し、さらに、少なくとも軟磁性層20の成膜時に、後述
する膜面内の一方向(図4のx方向)に外部磁場を印加
して、異方性磁界Hkを2〜20Oe、より好ましくは2
〜16Oe、特に2〜10Oe付与することが好ましい。
【0060】軟磁性層の異方性磁界Hkが2Oe未満とな
ると、保磁力と同程度となってしまい、ゼロ磁場を中心
とした直線的なMR変化曲線が実質的に得られなくなる
ため、MR素子としての特性が劣化する。また20Oeよ
り大きいと、この膜をMRヘッド等に適用した場合、出
力が低下しやすく、かつ分解能が低下する。ここでこれ
らのHkは、外部磁場として成膜時に10〜300Oeの
磁場を印加することで得られる。外部磁場が10Oe以下
ではHkを誘起するのに十分ではないし、また、300
Oeを越えても効果は変わらないが、磁場発生のためのコ
イルが大きくなってしまい、費用もかさんで非効率的で
ある。
【0061】上述してきた磁性多層膜をそれぞれ繰り返
し積層したものを、磁気抵抗効果膜とすることもでき
る。磁性多層膜の繰り返し積層回数nに特に制限はな
く、目的とする磁気抵抗変化率等に応じて適宜選択すれ
ばよい。昨今の磁気記録の超高密度化に対応するために
は、磁性多層膜の全層厚が薄いほど良い。しかし薄くな
ると通常、MR効果は同時に小さくなってしまうが、本
発明に用いられる磁性多層膜は、繰り返し積層回数nが
1の場合でも十分実用に耐えうる多層膜を得ることがで
きる。また、積層数を増加するに従って、抵抗変化率も
増加するが、生産性が悪くなり、さらにnが大きすぎる
と素子全体の抵抗が低くなりすぎて実用上の不便が生じ
ることから、通常、nを10以下とするのが好ましい。
nの好ましい範囲は1〜5である。
【0062】前記磁気抵抗効果膜1の各層の成膜は、ス
パッタ法にて行なわれる。真空成膜装置内の到達圧力は
2×10-9Torr以下、好ましくは8×10-10 To
rr以下、さらに好ましくは2×10-10 Torr以下
に設定される。これにより磁気抵抗効果膜1内の不純物
濃度を低下させることができる。到達圧力とは、成膜開
始前の成膜装置内の圧力として定義され、成膜時の圧力
とは異なる。
【0063】このような 到達圧力2×10-9Torr
以下という範囲は、膜質の向上という観点から、従来よ
り提案されていない範囲のものである。到達圧力2×1
-9Torr以下の条件を達成するためには、一般には
行なわれていないスパッタ装置の構成が必要となる。す
なわち、真空シール部分をすべて金属ガスケットとする
こと、装置を全てステンレスもしくはAlで形成するこ
と、装置の組み上げ時に真空中高温でガス出しするこ
と、および排気動作の中で真空槽全体を高温にベーキン
グして残留ガス、H2 O分を徹底的に強制排気するこ
と、および2×10 -9Torr以下での動作が可能な特
殊な排気ポンプを使用することが必要である。
【0064】さらに、スパッタ時に導入されるスパッタ
ガス中の不純物(例えば、H2 O、CO2 、He等)の
濃度の合計は、0.1〜100ppb、好ましくは、
0.1〜50ppb、さらに好ましくは0.1〜10p
pb、またさらに好ましくは0.1〜5ppbに設定す
ることが望ましい。
【0065】なお、実際の成膜が行われている間の真空
成膜装置内の運転圧力は、通常、1×10-4〜1×10
-2Torrに設定される。
【0066】反強磁性層50を成膜する際には、上記軟
磁性層20を成膜する際の印加磁場の方向と垂直方向
(z軸方向)に磁場を印加すると良い。つまり磁性多層
膜の膜面内でかつ、測定電流と直角方向となる。ここで
印加する磁場の大きさは10〜300Oeの範囲にあれば
よい。これにより、反強磁性層50により強磁性層40
の磁化の方向が確実に印加磁場方向(測定電流と直角方
向)に固着され、信号磁場によってその向きを容易に変
えうる軟磁性層20の磁化と最も合理的に反平行状態を
作り出すことができる。もっともこれは必要条件ではな
く、反強磁性層を成膜する際、および軟磁性層を成膜す
る際に印加する磁場の方向が同じ向きであっても良い。
本発明では、直交化を確実に行うために磁気抵抗効果膜
1が成膜された後に、上記パルス磁場処理が実行される
からである。
【0067】本発明のパルス磁場処理による磁場方向の
直交化、すなわち、強磁性層40の磁化方向を反強磁性
層50のピンニングにより図4や図10に示されるz方
向に向ける処理を行う好適な時期の一つは、図4に示さ
れるように磁気抵抗効果膜1が成膜された直後に行うこ
とである。つまり、後の工程で、磁気抵抗効果膜1の両
端部に、硬質磁性層が形成される前に処理することであ
る。パルス磁場処理については上述した所定の条件の範
囲内で行われる。
【0068】パルス磁場処理にて、軟磁性層20と強磁
性層40の磁化方向の直交化を、90±10degの角
度範囲内に実現化した後に、図5に示されるように磁気
抵抗効果膜1の両端部に硬質磁性層99,99が成膜さ
れ、磁気抵抗効果膜1と接続配置される。硬質磁性層9
9,99は軟磁性層20の磁区制御のために形成され
る。そのため、硬質磁性層99,99は、これらの層9
9,99が形成された後、軟磁性層20の異方性磁界H
k と同一方向、すなわち、図5におけるx方向に磁化が
向くように着磁される。このような、硬質磁性層99,
99の上には、導体膜100,100が磁気抵抗効果膜
1と導通するように形成され、導体膜100,100は
配線のために用いられる。
【0069】ついで、図6に示されるように、磁気抵抗
効果膜1および導体膜100,100の上には、上部ギ
ャップ絶縁膜75が形成される。この上部ギャップ絶縁
膜75と上述した下部ギャップ絶縁膜71によって、磁
気抵抗効果型ヘッド150の読み取りのためのギャップ
部が形成される。上部ギャップ絶縁膜75の上には、上
部シールド膜65が形成される。この上部シールド膜6
5と前記下部シールド膜61によって、磁気シールドが
行われる。図6に示される状態の積層構造が、図1に示
される読み出し専用のGMRヘッド部200に相当す
る。この状態でGMRヘッドは一応の完成となる。
【0070】このGMRヘッド部200に、前述したよ
うに、さらに書き込み専用のインダクティブヘッド部3
00(図1)が付加され一体化された『インダクティブ
・GMRヘッド』複合ヘッドの場合は、図7に示される
ように、ライトギャップ膜110および図1に示される
薄膜コイル68を介して上部コア69が形成される。上
述したように上部シールド膜65は、さらにインダクテ
ィブヘッド部300の下部コア65としての機能をも合
わせ持ち、下部コア65と上部コア69とによって閉磁
路が形成される。
【0071】このようにして形成された磁気抵抗効果型
ヘッド150は、図2に示されるように、ウエーハの切
り出しおよびヘッド加工が完了した後、ヘッド組み立て
工程でジンバル400に取り付けられ(図2(II
I))、いわゆるヘッドジンバルアッセンブルの状態に
なる。このようにすべてのヘッド組み立て工程が完了
し、ヘッドジンバルアッセンブルの状態で、初めて本発
明のパルス磁場処理による磁場方向の直交化を図ること
は、もう一つの好ましい処理態様である。パルス磁場処
理については上述した所定の条件の範囲内で行われる。
もちろんこの場合には、前述した磁気抵抗効果膜1が成
膜された直後(図3の状態)でのパルス磁場処理は行わ
れない。ヘッドジンバルアッセンブルの状態でパルス磁
場処理による磁場方向の直交化を図った場合、磁気抵抗
効果膜1の両端に形成された硬質磁性層99,99も強
磁性層40の磁化方向と同様の方向(z軸方向)に着磁
される。しかしながら、室温で、例えば3kOe程度の
外部磁場を印加して、軟磁性層20の異方性磁界Hkと
同方向を向くように、再度、着磁し直せばよい。この
際、強磁性層40の磁化方向は全く影響を受けない。
【0072】ヘッドジンバルアッセンブルの状態でパル
ス磁場処理を行う方法は、ヘッド形成のためのすべての
熱プロセスを完了した後にスピンバルブの直交化を図る
こととなるので、パルス磁場処理により理想的に90±
10degの角度範囲内に実現化された直交化が、その
後、乱されることがない。また、ヘッドジンバルアッセ
ンブルの状態でのパルス磁場処理は、処理装置も小さく
て済み、製造コストも安くなる。また、ヘッド製造工程
中に静電気(ESD)により、スピンバルブヘッドに局
所的に大きなESD電流が流れてピン止めされている強
磁性層の磁化方向が反転することがある。このESDに
よるピン反転が生じると、ヘッド出力の極性が変わり、
ハードディスクの作動上、致命的な問題となり、動作不
能になってしまう。ヘッドジンバルアッセンブルの状態
でパルス磁場処理して磁場の直交化を図れば、このよう
なヘッド製造工程中の静電気(ESD)による問題も考
えなくてよい。このような観点から考察するに、ヘッド
ジンバルアッセンブルの状態でパルス磁場処理を行う方
法が最適といえる。
【0073】
【実施例】(実験例1)実施例サンプルによる実験 以下の要領で実際に、図6に示されるようなスピンバル
ブ(SV)タイプの磁気抵抗効果型ヘッドを作製した。
【0074】スピンバルブ型の磁気抵抗効果膜1の積層
膜構造(図4を参照)は、以下の通りとした。すなわ
ち、基板(Al23 付きのAlTiC)の上に、下地
層7(Ta;厚さ5nm)、軟磁性層20(NiFe;
厚さ7nm)、非磁性金属層30(Cu;厚さ2.5n
m)、強磁性層40(Co;厚さ3nm)、反強磁性層
50(Ru6 Rh16Mn78;厚さ10nm)、および保
護層80(Ta;厚さ5nm)を順次積層して磁気抵抗
効果膜1を作製した。なお、軟磁性層20には、成膜時
に膜面内の一方向(図4のx方向)に外部磁場を印加し
て異方性磁界Hkを付与した。
【0075】図6に示されるように磁気抵抗効果膜1の
両端部に、硬質磁性層(CoPtCr)99,99を形
成し、軟磁性層20の磁区制御のために所定の着磁処理
をした。この上に導電膜(Ta)100,100を形成
した。なお、磁気抵抗効果型ヘッドとして、図6に示さ
れるようにAl23 ギャップ膜71,75を介して上
部シールド層(パーマロイ)65と下部シールド層(パ
ーマロイ)61を形成した。
【0076】磁気抵抗効果膜1を形成した時点で、パル
ス磁場処理にて、強磁性層40と軟磁性層20との磁化
方向の直交化を図った。すなわち、強磁性層40の磁化
をピン止めする反強磁性層50の磁化方向を、軟磁性層
20の異方性磁界Hkに対してできる限り90degに
向ける処理を行った。
【0077】パルス磁場処理は、図8に示されるような
パルス磁場発生装置を用い、パルス磁場強度Iを、10
kOe;パルス幅tを10sec;パルス周期λを0.
2Hzとして行った。パルス磁場処理を行う際、磁気抵
抗効果膜1の加熱温度を種々変えて、加熱温度がピン方
向角度θp (軟磁性層20の異方性磁界Hkに対する反
強磁性層50の磁化方向角度)に及ぼす影響を調べた。
【0078】上記の手法に準じて、反強磁性層50の組
成をRh6 Pt43Mn51、およびRu3 Ni48Mn49
それぞれ変えた場合についても、同様な実験を行った。
【0079】結果を図10のグラフに示した。この図に
示される結果より、パルス磁場処理を用いることによ
り、110℃以上という極めて低温域での加熱ですで
に、90±10degの角度範囲内の直交化が実現でき
ている。150℃近辺では、85〜90degの角度範
囲内の直交化が実現できている。このようにパルス磁場
処理を用いれば、極めて優れた直交化が実現化できるば
かりでなく、低温かつ短時間(例えば、1分の時間程
度)での処理が可能であるから磁気抵抗効果膜1への熱
の影響が少なくてすみ、磁気特性の低下が防止でき、ス
ピンバルブ膜特性は極めて長期に亘って安定な特性を維
持することができる。
【0080】比較例サンプルによる実験 上記のパルス磁場処理に変えて、従来から行われている
磁場中での熱処理を行ない、加熱温度がピン方向角度θ
p に及ぼす影響を調べた。結果を図11のグラフに示し
た。この図に示される結果より、従来から行われている
磁場中での熱処理では、直交化をすこしでも向上させる
には250℃以上、あるいは300℃以上の加熱が必要
となる。しかも、この加熱温度で長時間(例えば、2時
間の時間程度)の処理が必要となる。このような高温・
長時間の熱処理は、磁気特性の低下を招いてしまい、回
避できるのであれば、回避したい処理である。直交化の
レベルも上記実施例サンプルと比べて低い。
【0081】(実験例2)上記実験例1の実施例サンプ
ルを作製する要領で、実験例2で用いる種々のサンプル
を作製した。反強磁性層50の組成は、下記表1に示さ
れるように種々の組成に変えた。表1中、Tbは、反強
磁性層50のブロッキング温度であり、強磁性層40と
の交換結合磁界がゼロとなる温度として定義される。
【0082】これらのサンプルにおける、パルス磁場処
理条件(すなわち、加熱温度T、パルス磁場強度I、パ
ルス幅t、およびパルス周期λ)が、ピン方向角度θp
に及ぼす影響、さらにはヘッド出力に及ぼす影響を調べ
た。
【0083】結果を下記表1に示す。
【0084】
【表1】 表1に示される結果より、本発明内の所定のパルス磁場
強度を磁気抵抗効果膜に間欠的に付与することにより、
反強磁性層50のブロッキング温度Tbの30%〜60
%という極めて低い温度条件で、ピン方向角度θp =9
0±10degのピンニングが実現でき、この範囲でピ
ンニングされたものは極めて高いヘッド出力が得られ
る。
【0085】また、このように極めて低い温度条件で、
短時間にピンニングされたサンプルは、磁気特性へのダ
メージが少ない。例えば、スピンバルブを構成する積層
体薄膜の界面での拡散という問題や、軟磁性層(フリー
層)の異方性磁場Hk の消失という問題がなく、長期に
亘って安定した特性が維持できることが確認された。
【0086】
【発明の効果】上記の結果より本発明の効果は明らかで
ある。すなわち、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドは、ス
ピンバルブ型の磁気抵抗効果膜を備え、いわゆる磁化の
直交化処理に際し、パルス磁場強度Iが10kOe〜4
0kOのパルス磁場を磁気抵抗効果膜に間欠的に付与す
るパルス磁場処理している。そのため、ブロッキング温
度Tbまで加熱することなく、極めて低い温度条件で、
短時間に軟磁性層と強磁性層との磁化の直交化が確実に
なされ、磁気特性の劣化が極めて少なく、ヘッド特性が
安定し、ヘッド出力が大きな磁気抵抗効果型ヘッドが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、GMRヘッド部に、インダクティブヘ
ッド部が付加され一体化された複合ヘッドの概略構成図
である。
【図2】図2は、ヘッド製造工程における概略の製造手
順を示した図である。
【図3】図3は、ヘッドを構成する所望の多層薄膜の形
成手順を説明するための断面図である。
【図4】図4は、磁気抵抗効果膜の多層膜構成を説明す
るための断面図である。
【図5】図5は、ヘッドを構成する所望の多層薄膜の形
成手順を説明するための断面図である。
【図6】図6は、ヘッドを構成する所望の多層薄膜の形
成手順を説明するための断面図である。
【図7】図7は、ヘッドを構成する所望の多層薄膜の形
成手順を説明するための断面図である。
【図8】図8は、パルス磁場処理をするためのパスル磁
場発生装置の概念図である。
【図9】図9は、本発明の作用を説明するための磁気抵
抗効果膜、特に磁性多層膜の構造の模式図である。
【図10】図10は、本発明のパルス磁場処理で磁化の
直交化を行う際、磁気抵抗効果膜への加熱温度がピン方
向角度θp に及ぼす影響を調べたグラフである。
【図11】図11は、従来の方法で磁化の直交化を行う
際、磁気抵抗効果膜への加熱温度がピン方向角度θp に
及ぼす影響を調べたグラフである。
【符号の説明】 1…磁気抵抗効果膜 5…基板 20…軟磁性層 30…非磁性金属層 40…強磁性層 50…反強磁性層 61…下部シールド膜 65…上部シールド膜 68…薄膜コイル 69…上部コア 71…下部ギャップ絶縁膜 75…上部ギャップ絶縁膜 80…保護層 90…記録媒体 93…記録面 99…硬質磁性層 100…導体膜(リード) 150…磁気抵抗効果型ヘッド 200…GMRヘッド部 300…インダクティブヘッド部 400…ジンバル

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気抵抗効果膜と、導体膜と、ギャップ
    部とを含む磁気抵抗効果型ヘッドであって、 前記導体膜は、前記磁気抵抗効果膜と導通しており、 前記磁気抵抗効果膜は、非磁性金属層と、非磁性金属層
    の一方の面に形成された強磁性層と、非磁性金属層の他
    方の面に形成された軟磁性層と、前記強磁性層の磁化の
    向きをピン止めするために強磁性層の非磁性金属層と接
    する面と反対側の面に形成された反強磁性層とを有する
    スピンバルブ型の多層膜であり、 前記強磁性層は、反強磁性層により磁化の向きをピン止
    めされており、 当該ピン止めされた強磁性層の磁化方向は、前記軟磁性
    層の外部磁場ゼロでの磁化方向に対して実質的に直交化
    するように、パルス磁場強度Iが5kOe〜40kOe
    のパルス磁場を磁気抵抗効果膜に間欠的に付与するパル
    ス磁場処理により、強制的に方向付けされており、 前記ピン止めされた強磁性層の磁化方向は、前記軟磁性
    層の外部磁場ゼロでの磁化方向に対して、90±10d
    egの角度範囲内にあることを特徴とする磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記パルス磁場処理は、前記反強磁性層
    のブロッキング温度をTbとした時に、0.3Tb〜
    0.6Tbの範囲の温度に磁気抵抗効果膜を加熱した状
    態で行われてなる請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記パルス磁場処理における、パルス幅
    tは、1msec≦t≦500msecの範囲内、およ
    び前記パルス磁場磁場処理における、パルス周期λは、
    0.1Hz≦λ≦10Hzの範囲内で行われる請求項1
    または請求項2に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記反強磁性層は、Mx Mn100-x (M
    はRu,Rh,Re,Ir,Pt,Pd,Au,Ag,
    Fe,NiおよびCrから選ばれた少なくとも1種であ
    り、15≦x≦58(xの単位は原子%))からなる請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記反強磁性層が、Ruxy Mnz
    (MはRh,Pt,Pd,Ir,Au,Ag,Re,N
    iから選ばれた少なくとも1種であり、1≦x≦30,
    1≦y≦30,69≦z≦90,10≦x+y≦31
    (x,y,およびzの単位は原子%))からなる請求項
    4に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記磁気抵抗効果膜は、基板側から、軟
    磁性層、非磁性金属層、強磁性層、反強磁性層、保護層
    を順次備える多層膜構造を有してなる請求項1ないし請
    求項5のいずれかに記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記磁気抵抗効果膜は、基板側から、下
    地層、反強磁性層、強磁性層、非磁性金属層、軟磁性層
    を順次備える多層膜構造を有してなる請求項1ないし請
    求項5のいずれかに記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記磁気抵抗効果膜の両端部には、前記
    軟磁性層の磁区制御のための硬質磁性層がそれぞれ接続
    配置されており、 前記硬質磁性層は、前記磁気抵抗効果膜を成膜後、当該
    磁気抵抗効果膜を前記パルス磁場処理した後に、成膜さ
    れたものであり、かつ当該硬質磁性層は、その磁化方向
    が、前記軟磁性層の外部磁場ゼロでの磁化方向と実質的
    に同一方向となるように着磁されてなる請求項1ないし
    請求項7のいずれかに記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記磁気抵抗効果膜の両端部には、前記
    軟磁性層の磁区制御のための硬質磁性層がそれぞれ接続
    配置されており、 磁気ヘッドとしての各種構成部材を備えて完成された後
    に、前記磁気抵抗効果膜は前記パルス磁場処理され、こ
    のパルス磁場処理後に、当該硬質磁性層は、その磁化方
    向が、前記軟磁性層の外部磁場ゼロでの磁化方向と実質
    的に同一方向となるように着磁されてなる請求項1ない
    し請求項7のいずれかに記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記パルス磁場処理を施す前に、完成
    されるべく前記磁気ヘッドの構成部材として、書き込み
    用インダクティブヘッド部が含まれる請求項9に記載の
    磁気抵抗効果型ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記パルス磁場処理を施す前に、完成
    されるべく前記磁気ヘッドの構成部材として、ジンバル
    が含まれる請求項9に記載の磁気抵抗効果型ヘッド。
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