JPH11257470A - 変速機の潤滑構造 - Google Patents

変速機の潤滑構造

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JPH11257470A
JPH11257470A JP7306498A JP7306498A JPH11257470A JP H11257470 A JPH11257470 A JP H11257470A JP 7306498 A JP7306498 A JP 7306498A JP 7306498 A JP7306498 A JP 7306498A JP H11257470 A JPH11257470 A JP H11257470A
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JP
Japan
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lubricating oil
oil
shaft
transmission
bearing
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Application number
JP7306498A
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Inventor
Takeshi Okamoto
壮史 岡本
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11257470A publication Critical patent/JPH11257470A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/042Guidance of lubricant
    • F16H57/043Guidance of lubricant within rotary parts, e.g. axial channels or radial openings in shafts
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0467Elements of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0469Bearings or seals

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は,潤滑油導入路からインプットシ
ャフトの軸方向の油孔へ潤滑油を流入し易くした変速機
の潤滑構造を提供する。 【解決手段】 油溜め空間15には,インプットシャフ
ト3の回転方向に沿って潤滑油導入路16の出口25か
ら徐々に容積が増大し,次いで徐々に容積が減少する開
放部26が形成されている。潤滑油導入路16の出口2
5における圧力よりも開放部26の圧力の方が低く,潤
滑油は潤滑油導入路16から油溜め空間15に導入され
る。開放部26は途中から回転方向に沿って容積が減少
しているので,油溜め空間15は再び狭くなって最下部
27で圧力が最も高くなる。インプットシャフト3の油
孔19が最下部27に位置する時に,潤滑油は圧力の低
いインプットシャフト3の油孔19内にスムーズに流れ
込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,2本のシャフト
の間に配置されたパイロットベアリング等のベアリング
を潤滑するための変速機の潤滑構造,特に,自動車等の
変速機におけるインプットシャフトとメインシャフトと
の間に組み込まれたベアリングを潤滑するための変速機
の潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,自動車等の変速機においては,
図5に示すように,インプットシャフト3が,クラッチ
ハウジング1に装着されたインプットベアリング2によ
って,クラッチハウジング1に対して回転自在に支持さ
れ,インプットシャフト3と同一軸上にメインシャフト
4が配置され,両シャフト3,4を互いに相対回転可能
に支持するために両シャフト3,4間にパイロットベア
リング5が配置されている。
【0003】従来,パイロットベアリング5への潤滑油
の供給は,外部からの流れ込みによって行うのが普通で
ある。例えば,図5に示すように,従来の変速機の潤滑
構造は,トランスミッションケース内の潤滑油を導入す
るためにクラッチハウジング1に形成された潤滑油導入
路16,潤滑油導入路16に連通し且つインプットシャ
フト3の周りに形成された油溜め空間15,インプット
ベアリング2を塞ぐように油溜め空間15に配置され且
つクラッチハウジング1とインプットベアリング2の外
輪13とで固定された遮蔽板14,油溜め空間15とパ
イロット部20を連通するようにインプットシャフト3
に軸方向に形成された油孔19等から構成されている。
この潤滑構造において,油溜め空間15からインプット
ベアリング2の方への潤滑油の流出は,遮蔽板14によ
って制限されているので,潤滑油導入路16から導入さ
れた潤滑油は油溜め空間15内に溜まり,溜まった潤滑
油は油孔19を通ってパイロットベアリング5へ供給さ
れる。
【0004】ところで,潤滑油導入路16から導入され
た潤滑油は,油溜め空間15内で回転中のインプットシ
ャフト3に接触して,粘性抵抗により連れ回りする。し
かし,潤滑油の回転速度はインプットシャフト3の回転
速度と同一回転速度になることはなく,潤滑油とインプ
ットシャフト3とは回転差が生じる。しかも,軸孔19
はインプットシャフト3の軸方向に形成されており,潤
滑油の回転方向と軸孔19の方向とは直交しているの
で,油溜め空間15からインプットシャフト3の油孔1
9内へ潤滑油は流れ込み難い。また,インプットシャフ
ト3の回転数が上がれば上がるほど,両者の回転差は増
加するため,益々油孔19への潤滑油の流入は困難とな
る。これにより,パイロットベアリング5への潤滑油の
供給量が減り,潤滑油不足から,パイロットベアリング
5の寿命の低下又は焼き付きを引き起こすことがある。
【0005】図5の潤滑構造においては,図6に示すよ
うに,クラッチハウジング1の内径は大きく形成され,
油溜め空間15が広く形成されているので,潤滑油導入
路16からの油溜め空間15への潤滑油の供給はスムー
ズに行われるが,油溜め空間15に潤滑油が充満してい
ないため,潤滑油とインプットシャフト3に形成した油
孔19との接触の機会が少なく,油孔19への潤滑油の
流入が困難である。これに対して,図7に示すように,
クラッチハウジング1の内径を小さくして油溜め空間1
5の全周に潤滑油を充満させることにより,潤滑油と油
孔19との接触機会を増やし,油孔19への潤滑油の流
入をスムーズにすることが考えられる。しかし,油溜め
空間15の全周で圧力が一定であるため,インプットシ
ャフト3の回転方向と油孔19の方向との違いに起因す
る油孔19への潤滑油の流入し難さの解消にはならな
い。
【0006】油溜め空間内で油圧を発生させて,油孔へ
潤滑油をスムーズに流入させるようにした変速機の潤滑
構造として,特公平7−81674号公報に開示された
回転軸内への自力潤滑装置がある。該潤滑装置は,油溜
め空間内に油圧発生体を設け,潤滑油を油圧発生体に導
いて油圧発生体で遠心力に打ち勝つ油圧を発生させるこ
とにより,潤滑油を油孔にスムーズに流入させるもので
あり,言い換えれば,油圧発生体に形成した円弧状の壁
面でガイドして潤滑油の流れる方向を内側に向けること
により潤滑油を油孔へスムーズに導くものである。しか
し,油溜め空間は潤滑油導入路から円弧状の壁面まで容
積が同じであるため,潤滑油導入路から油溜め空間に潤
滑油を引き込む力は発生せず,油溜め空間内に潤滑油が
不足する可能性がある。潤滑油は重力により油溜め空間
の下部に溜まるが,油孔への潤滑油の供給は上部で行っ
ており,潤滑油の油孔への供給を十分に行うことができ
ず,また,潤滑油導入路から油圧発生凹部までの距離が
長く,ケース面との摺動抵抗で流速が落ちる等の問題を
有する。しかも,油孔は,インプットシャフトの軸方向
に沿って形成されたものではなく,むしろ径方向に形成
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり,図5に
示したような,インプットシャフトの軸方向に沿って形
成された油孔を通じてパイロットベアリングに潤滑油を
供給する従来の変速機の潤滑構造においては,潤滑油を
油孔へスムーズに流入させるための手段が設けられてお
らず,また,前掲特公平7−81674号公報に開示さ
れたものは軸孔の方向が異なるが故に適用できない。そ
れ故,従来から,油溜め空間の全周に潤滑油を充満させ
ることにより,潤滑油と油孔との接触機会を増やすとと
もに,油溜め空間において回転方向に圧力変化を起こさ
せることにより,潤滑油導入路からクラッチハウジング
内に潤滑油を供給し易くし,且つインプットシャフトの
軸方向に形成された油孔へ潤滑油を流入し易くすること
が課題となっていた。
【0008】上記課題は,変速機におけるインプットシ
ャフトとメインシャフトとの間に配置されたパイロット
ベアリングを潤滑するための変速機の潤滑構造に限ら
ず,2本のシャフトの間に配置されたベアリングを潤滑
するための変速機の潤滑構造において解決すべき課題で
もある。即ち,同一軸上に配置された2本のシャフトが
両シャフト間に配置されたパイロットベアリングを介し
て相対回転可能に支持されたものであって,一方のシャ
フトに軸方向に沿って形成された油孔を通じてパイロッ
トベアリングに外部から潤滑油を供給する変速機の潤滑
構造においては,油溜め空間の全周に潤滑油を充満させ
ることにより,潤滑油と油孔との接触機会を増やすとと
もに,油溜め空間において回転方向に圧力変化を起こさ
せることにより,潤滑油導入路から油溜め空間内に潤滑
油を供給し易くし,且つシャフトの軸方向に形成された
油孔へ潤滑油を流入し易くすることが課題となってい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,同一軸上に配置された2本
のシャフト間にベアリングを配置し,該ベアリングで両
シャフトを相対回転可能に支持し且つ前記ベアリングに
潤滑油を供給するための油孔を一方のシャフトに軸方向
に沿って形成した変速機の潤滑構造において,油溜め空
間の全周に潤滑油を充満させ,油溜め空間において回転
方向に圧力変化を起こさせる構成を採用することによ
り,ベアリングへ供給される潤滑油を十分に確保し,も
ってベアリング転動面の温度上昇を抑え,ベアリング寿
命を延ばし,潤滑油の不足に起因するベアリングの寿命
低下や焼き付きを防止した変速機の潤滑構造を提供する
ことである。
【0010】この発明は,第一ベアリングを介してハウ
ジングに回転自在に支持され且つ端部に凹部を設けた第
一シャフト,前記第一シャフトと同一軸上に配置された
第二シャフト,前記凹部内に配置され前記第二シャフト
の一端を前記第一シャフトに対して相対回転自在に支持
する第二ベアリング,前記ハウジングと前記第一シャフ
トと前記第一ベアリングへの潤滑油の流出を制限する遮
蔽板とで囲まれた油溜め空間,外部から前記油溜め空間
へ潤滑油を導入するために前記ハウジングに形成された
潤滑油導入路,及び前記油溜め空間と前記凹部を連通す
るように前記第一シャフトに軸方向に沿って形成された
油孔を備え,前記油溜め空間には,前記第一シャフトの
回転方向に沿って前記潤滑油導入路の出口から徐々に容
積が増大し,次いで徐々に容積が減少するような形状の
拡大部が形成されていることを特徴とする変速機の潤滑
構造に関する。ここで,遮蔽板は,第1ベアリングへの
潤滑油の流出を完全に防止するものであっても,ある程
度の潤滑油の流出を許容するものであっても,どちらで
もよいので,上記のように「流出を制限する」という表
現を使用している。
【0011】この発明による変速機の潤滑構造によれ
ば,外部から潤滑油導入路を通って油溜め空間に導入さ
れた潤滑油は,第一シャフトの回転に伴って連れ回りし
て,第一シャフトの周りを回転する。油溜め空間は第一
シャフトの回転方向に沿って潤滑油導入路の出口から徐
々に容積が増大しているので,容積増大部の圧力は潤滑
油導入路の出口よりも低くなっており,それ故,潤滑油
は潤滑油導入路から吸い込まれるように油溜め空間内へ
導入される。また,拡大部は途中から回転方向に沿って
容積が減少するように形成されているので,圧力が上昇
し,それ故,潤滑油は圧力の低い第一シャフトの油孔内
に流れ込もうとする。このようにして,潤滑油はスムー
ズにベアリングの方へ向けて排出される。
【0012】また,この変速機の潤滑構造において,前
記拡大部は,前記第一シャフトの回転方向に沿って前記
潤滑油導入路の前記出口から最下部までの間に設けられ
ていることが好ましい。即ち,拡がった油溜め空間を最
下部で狭くすれば,潤滑油の自重の影響を受けて,他の
部分に拡大部を配置するよりも圧力が高くなるので,油
孔への潤滑油の流入をより一層スムーズなものにするこ
とができる。
【0013】また,この変速機の潤滑構造は,前記第一
シャフトを変速機におけるインプットシャフト,前記第
二シャフトを変速機におけるメインシャフト,前記外部
をトランスミッションケースとしたものである。即ち,
この発明は,手動変速機のインプットシャフトとメイン
シャフトとの間に配置される第二ベアリングを潤滑する
ための潤滑構造として適用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照しながら,この
発明による変速機の潤滑構造の実施例について説明す
る。図1はこの発明による変速機の潤滑構造の一実施例
を示す断面図,図2は図1のA−A線における矢視断面
図,図3は図1に示す変速機を車両後方から見た背面
図,及び図4は図3に示す変速機の側面図である。
【0015】自動車等の変速機においては,図1に示す
ように,クラッチハウジング1に装着された第一ベアリ
ングのインプットベアリング2を介してインプットシャ
フト3がクラッチハウジング1に回転可能に支持される
とともに,インプットシャフト3と同一軸上にメインシ
ャフト4が配置され,両シャフト3,4を互いに相対回
転可能に支持するために両シャフト3,4間に第二ベア
リングのベアリング(パイロットベアリング)5が配置
されている。インプットシャフト3の先端部にはトップ
ギヤ6が一体に設けられ,トップギヤ6のボス部7には
ドッグ歯(ドグ歯)8が一体に設けられ,ドッグ歯8に
はブロックリング9が摺動可能に設けられている。ブロ
ックリング9はスリーブ10の軸方向への動きに連動し
て軸方向に動き,スリーブ10とドッグ歯8の相対回転
を同期させるものである。
【0016】クラッチハウジング1の内径部にはオイル
シール11が装着され,オイルシール11のリップ部1
2はインプットシャフト3に摺接して,クラッチハウジ
ング1とインプットシャフト3との隙間を密封してい
る。また,インプットベアリング2の外輪13とクラッ
チハウジング1との間には遮蔽板14が挟持され且つ固
定されており,インプットベアリング2は遮蔽板14に
よって塞がれている。そして,クラッチハウジング1と
インプットシャフト3とオイルシール11と遮蔽板14
とで形成される環状の空間は,後で詳しく述べる油溜め
空間15を構成している。クラッチハウジング1には潤
滑油導入路16が形成され,潤滑油導入路16は油溜め
空間15に開口し,潤滑油をトランスミッションケース
28から油溜め空間15に導入することができる。
【0017】ここで,遮蔽板14はインプットベアリン
グ2への潤滑油の「流出を制限する」ものである。遮蔽
板14が無い場合には,潤滑油はインプットベアリング
2から流出してトランスミッションケース28に戻って
しまい,ベアリング5を潤滑することができなくなるこ
とから,油溜め空間15に潤滑油を保持するために必要
なものである。しかし,インプットベアリング2が潤滑
油導入路16からの潤滑油を必要とする場合には,遮蔽
板14はある程度の潤滑油を流出させる必要があり,他
方,インプットベアリング2が潤滑油導入路16からの
潤滑油を必要としないものである場合には,遮蔽板14
は完全に潤滑油の流出を防止するものでなければならな
い(この場合,遮蔽板14の内径端にオイルシールを設
けて,インプットシャフト3の大径部17の壁面との接
触部18との間で密封する必要がある。)。従って,遮
蔽板14は,潤滑油の流出を完全に防止するものであっ
ても,ある程度の潤滑油の流出を許容するものであって
も,どちらでもよいので,上記のように「流出を制限す
る」という表現を使用している。この実施例において
は,遮蔽板14は,インプットベアリング2の外輪13
とクラッチハウジング1との間に挟持されて固定されて
おり,インプットシャフト3は遮蔽板14に対して相対
回転するので,潤滑油は,遮蔽板14の内径端とインプ
ットシャフト3の大径部17の壁面との接触部18から
インプットベアリング2側に少し流出して即ち漏れて,
インプットベアリング2を潤滑し,再びトランスミッシ
ョンケース28に戻ってくる。なお,遮蔽板14に小さ
な孔をあけることによって,インプットベアリング2側
への潤滑油の流出量を調節することも可能である。
【0018】インプットシャフト3の先端部には大径部
17が形成され,大径部17には軸方向に沿って,即ち
インプットシャフト3の軸線に平行に,油孔19が形成
され,油孔19はインプットシャフト3の端部に形成さ
れた凹部20(パイロット部20)に開口し,油溜め空
間15とパイロット部20とを連通している。
【0019】インプットシャフト3と同一軸上には,メ
インシャフト4が回転自在に設けられている。メインシ
ャフト4の一端には,円錐ころ軸受であるベアリング5
が外嵌されている。ベアリング5は,インプットシャフ
ト3の端部に形成された凹部20内に装着され,メイン
シャフト4はベアリング5を介してインプットシャフト
3の凹部20で回転自在に支持されている。ベアリング
5は,インプットシャフト3の端部に一体形成された外
輪21と,メインシャフト4の一端に外嵌された内輪2
2と,外輪21と内輪22との間の環状空間に収容され
た複数個の円錐ころ23と,円錐ころ23を回転自在に
保持する保持器24とから構成されている。
【0020】油溜め空間15は,図2に示すような断面
形状をしている。即ち,図7に示した油溜め空間のよう
に,クラッチハウジング1の内径を小さく形成し,油溜
め空間15の全周に潤滑油を充満することのできる大き
さに形成されている。また,クラッチハウジング1の内
径部には,インプットシャフト3の回転方向に沿って潤
滑油導入路16の出口25から徐々に容積が増大し,次
いで徐々に容積が減少する拡大部26が型成形によって
形成されている。拡大部26は,潤滑油導入路16の出
口25からクラッチハウジング1の最下部27までの間
に設けられている。このように,拡大部26において環
状の油溜め空間15の容積を変化させることにより,潤
滑油導入路16の出口25では低圧となり,クラッチハ
ウジング1の最下部27付近では拡大部26による高圧
化と潤滑油自体の自重による高圧化によって最大高圧と
なる。
【0021】トランスミッションケース28の上方に
は,図3及び図4に示すように,変速ギヤ29,30,
31によって掻き上げられた潤滑油を受けるために,油
樋32が設置されており,油樋32から油溜め空間15
に向けて斜め下方に潤滑油導入路16が延びている。潤
滑油導入路16を斜めに形成せずに鉛直方向に形成すれ
ば,潤滑油導入路16内での流れの損失を最小限に抑え
ることができ,流れを速くすることができる。トランス
ミッションケース28の大きさを気にしなければ自由度
は拡がるが,車両レイアウト,油量,重量などの問題か
らトランスミッションケース28を大きくすることは得
策ではなく,そのため,径の大きな低速ギヤ29の径に
あわせてトランスミッションケース28の大きさが決定
されるのが普通である。それ故,油樋32はトランスミ
ッションケース28の縦横幅を変えないように高速ギヤ
31の角部に設置される。これに対して,パイロット部
20はギヤ29,30,31の中心部にあるため,潤滑
油導入路16は必然的に斜めになってしまうのである。
このように潤滑油導入路16が斜めであって鉛直方向で
はないのは,レイアウト上の制約によるものである。た
だし,潤滑油導入路16が仮に鉛直方向に延びていて流
速を上げることができたとしても,潤滑油の流れ方向を
変えることにはならないので,潤滑油導入路16の延び
る方向が斜めか鉛直方向かの違いは,あまり問題ではな
い。
【0022】この変速機の潤滑構造は,上記のような構
成を備えているので,ベアリング5への潤滑油の供給は
次のようにして行われる。即ち,トランスミッションケ
ース内の変速ギヤの回転によって掻き上げられた潤滑油
は,トランスミッションケース28内の上方に設置され
た油樋32に集められ,この集められた潤滑油は,矢印
で示すように潤滑油導入路16を通って,油溜め空間1
5に導入される。インプットシャフト3は図2において
矢印X方向に回転するので,導入された潤滑油も連れ回
りしてインプットシャフト3の回りを回転する。油溜め
空間15には,インプットシャフト3の回転方向に沿っ
て潤滑油導入路16の出口25から徐々に容積が増大
し,次いで徐々に容積が減少する拡大部26が形成され
ているので,潤滑油導入路16の出口25における圧力
よりも拡大部26の圧力の方が低くなっており,それ
故,潤滑油は潤滑油導入路16から吸い込まれるように
滑らかに油溜め空間15に導入される。その上,クラッ
チハウジング1の内径を小さくしたので,油溜め空間1
5の全周に潤滑油を充満させることができ,潤滑油と油
孔19との接触機会を増やすことができる。
【0023】また,拡大部26は途中から回転方向に沿
って容積が減少するように形成されているので,油溜め
空間15は再び狭くなって圧力が上昇する。しかも,拡
大部26が回転方向に沿って潤滑油導入路16の出口2
5から最下部27までの間に設けられているので,即ち
最下部27で油溜め空間15が再び狭くなってくるの
で,潤滑油の自重の影響も加わって,油溜め空間15は
最下部27で圧力が最も高くなる。従って,インプット
シャフト3の油孔19が最下部27に位置しているとき
に,潤滑油は圧力の低いインプットシャフト3の油孔1
9内に流れ込もうとする。このようにして,潤滑油の回
転方向と油孔19の方向とが直交しているにも拘わら
ず,潤滑油はスムーズに油孔19内に流れ込んで,ベア
リング5の方へ導入されることになる。そして,ベアリ
ング5を潤滑すると同時に冷却した潤滑油は,再びトラ
ンスミッションケース28へと排出される。
【0024】
【発明の効果】この発明による変速機の潤滑構造では,
油溜め空間の容積を第一シャフトの回転方向に沿って変
化させることによって,潤滑油導入路の出口よりも拡大
部で低圧になり,最下部では高圧になるように圧力分布
を変えているため,潤滑油は潤滑油導入路から吸い出さ
れるように油溜め空間に導入され,導入された潤滑油は
油孔が最下部にきたときに,圧力の低い油孔内にスムー
ズに流れ込み,パイロット部のベアリングの方へ導入さ
れる。従って,この変速機の潤滑構造は,パイロット部
のベアリングへ供給される潤滑油を十分に確保すること
ができるため,ベアリング転動面の温度上昇を抑え,ベ
アリングの寿命を延ばし,潤滑油の不足に起因するベア
リングの寿命低下や焼き付きを防止することができる。
【0025】また,油溜め空間は,クラッチハウジング
の壁面の形状を変更するだけで従来の手動変速機などに
も簡単に適用可能であり,しかも,クラッチハウジング
の壁面は型で成形することができるので,ほとんどコス
トアップを伴うことなく,本願発明の変速機の潤滑構造
を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による変速機の潤滑構造の一実施例を
示す断面図であって,手動変速機を示す断面図である。
【図2】図1の変速機の潤滑構造に設けられた油溜め空
間の形状を示すA−A線における矢視断面図である。
【図3】図1に示す手動変速機を車両後方から見た背面
図である。
【図4】図3に示す手動変速機の側面図である。
【図5】従来の手動変速機における変速機の潤滑構造を
示す断面図である。
【図6】図5の変速機の潤滑構造に設けられた油溜め空
間の形状を示すB−B線における矢視断面図である。
【図7】図5の変速機の潤滑構造に設けられた油溜め空
間の別の形状を示す断面図であり,断面の位置は図5の
B−B線と同じ位置である。
【符号の説明】
1 クラッチハウジング(ハウジング) 2 インプットベアリング(第一ベアリング) 3 インプットシャフト(第一シャフト) 4 メインシャフト(第二シャフト) 5 ベアリング(第二ベアリング) 14 遮蔽板 15 油溜め空間 16 潤滑油導入路 19 油孔 20 凹部 25 出口 26 拡大部 27 最下部 28 トランスミッションケース(外部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一ベアリングを介してハウジングに回
    転自在に支持され且つ端部に凹部を設けた第一シャフ
    ト,前記第一シャフトと同一軸上に配置された第二シャ
    フト,前記凹部内に配置され前記第二シャフトの一端を
    前記第一シャフトに対して相対回転自在に支持する第二
    ベアリング,前記ハウジングと前記第一シャフトと前記
    第一ベアリングへの潤滑油の流出を制限する遮蔽板とで
    囲まれた油溜め空間,外部から前記油溜め空間へ潤滑油
    を導入するために前記ハウジングに形成された潤滑油導
    入路,及び前記油溜め空間と前記凹部を連通するように
    前記第一シャフトに軸方向に沿って形成された油孔を備
    え,前記油溜め空間には,前記第一シャフトの回転方向
    に沿って前記潤滑油導入路の出口から徐々に容積が増大
    し,次いで徐々に容積が減少するような形状の拡大部が
    形成されていることから成る変速機の潤滑構造。
  2. 【請求項2】 前記拡大部は,前記第一シャフトの回転
    方向に沿って前記潤滑油導入路の前記出口から最下部ま
    での間に設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の変速機の潤滑構造。
  3. 【請求項3】 前記第一シャフトは変速機におけるイン
    プットシャフト,前記第二シャフトは変速機におけるメ
    インシャフトであり,前記外部はトランスミッションケ
    ースであることを特徴とする請求項1又は2に記載の変
    速機の潤滑構造。
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