JPH11254603A - 酸素吸収多層フィルム - Google Patents
酸素吸収多層フィルムInfo
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- JPH11254603A JPH11254603A JP10348888A JP34888898A JPH11254603A JP H11254603 A JPH11254603 A JP H11254603A JP 10348888 A JP10348888 A JP 10348888A JP 34888898 A JP34888898 A JP 34888898A JP H11254603 A JPH11254603 A JP H11254603A
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Abstract
せた脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素樹脂層Bの粒状酸
素吸収組成物の最大粒子径が脱酸素樹脂層Bと平滑化層
Cの厚さの和未満となるように、厚さ10〜100μm
の脱酸素樹脂層Bとポリオレフィン系樹脂からなる厚さ
10〜50μmの平滑化層Cが積層され、前記脱酸素樹
脂層Bの外面側には熱可塑性樹脂からなる酸素透過性樹
脂層Aが、前記平滑化層Cの外面側にはガスバリア材か
らなるガスバリア層Dがそれぞれ配された積層構成から
なり、厚みが200μm以下であることを特徴とする表
面平滑な酸素吸収多層フィルム。 【効果】 フィルム表面に酸素吸収組成物の露出や凹凸
がなく滑らかで、生産性及び使い勝手に優れた実用的な
酸素吸収多層フィルムである。
Description
る多層フィルムに関する。詳しくは、粒状酸素吸収組成
物を分散してなる脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素樹脂
層を中間層として、該中間層の一面には熱可塑性樹脂よ
りなる酸素透過性樹脂層を、他面には粒状酸素吸収組成
物により発生することのある凹凸を吸収して平滑な表面
を与える、ポリオレフィン系樹脂からなる平滑化層を介
してガスバリア層を配し、積層してなる酸素吸収多層フ
ィルムに関する。本発明の酸素吸収多層フィルムは、フ
ィルム表面の凹凸がなく表面平滑性及びヒートシール性
に優れ、実用性の高い酸素吸収性包装材料である。
せて成形したフィルムやシート等を脱酸素樹脂層として
使用して多層化し、包装袋や包装容器を形成するための
包装材料自体に酸素吸収性能を持たせる技術が知られて
いる。酸素吸収性能を備えた包装材料の脱酸素樹脂層に
使用される脱酸素剤としては、例えば、特公昭61−3
2348号公報、特公昭62−1824号公報、特開平
4−90847号公報等に提案されるように、酸素吸収
性能に優れる鉄粉を主剤とする脱酸素剤が用いられるこ
とが多い。この脱酸素剤を分散させた脱酸素樹脂層を中
心にして、外側には酸素透過を遮蔽するガスバリア層を
配し、内側には脱酸素樹脂層と被包装物との直接的接触
を防ぎかつ被包装物側に存在する酸素の透過性を有する
隔離層を配した酸素吸収多層構成がとられる。
ては、各層の材料や層構成に応じ各種の積層方法が採ら
れる。従来技術によれば、ことに脱酸素樹脂層には、ポ
リオレフィン系樹脂に鉄粉系脱酸素剤を配合した樹脂組
成物を用い、隔離層には脱酸素樹脂層と相溶性があり、
酸素透過性の高いポリオレフィン系樹脂が選ばれること
が多く、これらは同時に溶融押出しして積層するか、ま
たは脱酸素樹脂層となるフィルムに隔離層となるフィル
ムを貼り合わせるなどの方法がとられている。
来技術により、粒状酸素吸収組成物を熱可塑性樹脂に配
した樹脂組成物を用いた脱酸素樹脂層を含む、厚みの比
較的薄い酸素吸収多層フィルムを製造しようとすると、
脱酸素樹脂層中の粒状酸素吸収組成物の粒子が隔離層側
に突出して該隔離層外表面の平滑なフィルムが得られ
ず、極端な場合には該粒子が該外表面に露出し、脱酸素
樹脂層が被包装物に直接接触して汚染する恐れさえ生じ
る。また脱酸素樹脂層の他面にガスバリア層、ことにガ
スバリア性を有し軟化点の低い樹脂層を熱ラミネーショ
ンにより形成しようとすると、前記同様にガスバリア層
の外表面の平滑性を失う問題が起こり、時には外表面の
露出し、ガスバリア性が損なわれ、満足な多層フィルム
は得られない恐れさえある。
素吸収多層体では起こり難く、厚みが薄い多層フィルム
の場合にのみ、脱酸素樹脂層の粒状酸素吸収組成物に起
因して発生する問題である。即ち、酸素吸収多層体の厚
みに対し、十分小さな粒径の粒状酸素吸収組成物を用い
る際には脱酸素樹脂層中の凹凸も少なく、更にその凹凸
を他の層が吸収し得るが、概ね厚みが200μm以下の
フィルムでは、粒状酸素吸収組成物の粒径を極めて小さ
いものにしなければならない。しかしながら、微粒子状
の酸素吸収組成物の製造は極めて困難であり、高価なも
のにならざるを得ない。また微粒化は当然表面積の増大
を伴うために、得られた微粒子は取扱い中に酸素と反応
し、発火する危険もある。このために、従来の方法では
厚みの薄い、実用性のある酸素吸収多層フィルムは製造
できないというのが実情である。
材料であるためには、1)多層フィルムの厚みが一定
で、かつ表面が平滑であること、2)多層フィルムの被
包装物側表面に粒状酸素吸収組成物が露出して被包装物
を汚染するようなことがなく、安全衛生性に問題がない
こと、3)ガスバリア性に優れること、4)多層フィル
ムは適度に柔軟性を示す厚みであること、5)包装材料
として、好ましくはヒートシールができること、6)低
コストで商業生産が可能であること、等が要求される。
求、即ち鉄粉系脱酸素剤等、汎用的に用いられる粒度の
粒状酸素吸収組成物を用いても、該粒子による多層フィ
ルム内側表面の隔離層及び外表面のガスバリア層外に露
出がないことは勿論、多層フィルム表面が平滑である等
の諸要求を満足できる実用的な酸素吸収多層フィルムを
提供することにある。
解決すべく鋭意検討した結果、粒状酸素吸収組成物を分
散してなる熱可塑性樹脂組成物を使用した脱酸素樹脂層
B、該脱酸素樹脂層Bの一面に配された酸素透過性樹脂
層A(以下、隔離層ということがある)、他面にポリオ
レフィン系樹脂からなる平滑化層Cを介して配されたガ
スバリア層Dからなる多層フィルムによって、また脱酸
素樹脂層Bとガスバリア層Dとの間に、しかも該脱酸素
樹脂層Bと直接隣接して平滑化層Cを設けるとともに、
該平滑化層Cはポリオレフィン系樹脂フィルムを基材フ
ィルムとして供給して形成し、脱酸素樹脂層Bは該基材
フィルム上に脱酸素層用樹脂組成物を押出積層し、該脱
酸素樹脂層B表面に酸素透過性樹脂層を設ける製造方法
によって解決できることを見いだし、本発明に到達し
た。
収組成物を分散させた脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素
樹脂層Bにポリオレフィン系樹脂からなる平滑化層Cが
積層された、両面平滑な2層のフィルムの脱酸素樹脂層
Bの外面側には熱可塑性樹脂の酸素透過性樹脂層Aが、
平滑化層Cの外面側にはガスバリア層Dが配されてな
る、表面平滑な酸素吸収多層フィルムである。
ィルムは、上記層構成における外層のガスバリア層Dの
融点が酸素透過性樹脂層Aの融点より高い材料を選択す
ることにより、酸素透過性樹脂層Aの面におけるヒート
シールに際して、ガスバリア層D側を、該層を損傷する
ことなく高い温度で加熱することを可能にすることがこ
とが好ましい。
可塑性樹脂に粒状酸素吸収組成物を分散させた脱酸素樹
脂組成物が使用された脱酸素樹脂層を含むが、該粒状酸
素吸収組成物としては、鉄粉を主剤としたものが最も好
ましい。
素透過性樹脂層A及びガスバリア層Dを損傷しないよう
にするために、その最大粒子径が脱酸素樹脂層Bと平滑
化層Cの厚さの和に達しないこと、即ち上記粒子が脱酸
素樹脂層Bと平滑化層Cとを合わせた層内に存在するこ
とが好ましい。また脱酸素樹脂層Bには、酸化カルシウ
ムのような添加剤を加えることが好ましい。
は、粒状酸素吸収組成物を分散含有する熱可塑性樹脂か
らなる脱酸素樹脂層Bとポリオレフィン系樹脂からなる
平滑化層Cとを直接に接面させ、脱酸素樹脂層Bの外面
側には熱可塑性樹脂からなる酸素透過性樹脂層Aを、平
滑化層Cの外面側にはガスバリア材からなるガスバリア
層Dをそれぞれ配して積層する酸素吸収多層フィルムを
製造する方法において、前記平滑化層Cを構成するポリ
オレフィン系樹脂のフィルムを積層用基材フィルムと
し、その一表面に前記脱酸素樹脂層Bを構成する脱酸素
樹脂組成物を押出積層するとともに、前記酸素透過性樹
脂層Aを構成する熱可塑性樹脂、及び前記ガスバリア層
Dを構成するガスバリア材を積層することにより、製造
される。
製造方法は、平滑化層Cを構成するポリオレフィン系樹
脂のフィルムを積層用基材フィルムとし、この上に直接
接して、脱酸素樹脂層Bを構成する、粒状酸素吸収組成
物を分散含有する脱酸素樹脂組成物を押出積層するもの
であり、この結果、脱酸素樹脂層Bと平滑化層Cとを有
する積層構造が得られる。この積層方法をとることによ
り、粒状酸素吸収組成物の粒子は脱酸素樹脂層Bの表面
から突出しても、平滑化層C中にほぼ吸収され、該平滑
化層C表面は平滑な表面状態が得られ、ガスバリア層D
がその表面に平滑に形成される。
粒子の突出を抑え、かつこの面に積層される、酸素透過
性樹脂層Aの外表面を平滑化するため、本発明は上記方
法における好ましい態様として、平滑化層C上に脱酸素
樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成物を溶融積層し、更に酸
素透過性樹脂層Aを積層するに際し、該酸素透過性樹脂
層Aの外表面側に、冷却ロールを密着させて冷却するこ
とにより表面を平滑化する方法をとる。
表面側には酸素透過性樹脂層Aが配され、積層される。
該層Aは溶融押し出された状態、又はフィルム状態で脱
酸素樹脂層Bに直接に熱融着又は接着層を介してドライ
ラミネートされることが好ましいが、酸素透過性樹脂層
Aの酸素透過性を阻害されるおそれがない点で熱融着が
好ましい。熱融着法の場合、平滑化層Cに係る基材フィ
ルムの上に脱酸素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成物と酸
素透過性樹脂層Aに係る熱可塑性樹脂を共押出しして積
層してもよいが、別個に押し出してもよい。この場合、
表面をより平滑にするためには、基材フィルム上に脱酸
素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成物を押し出し、該押し
出された脱酸素樹脂組成物表面に冷却ロールを密着させ
て冷却し、続いて酸素透過性樹脂層Aに係る熱可塑性樹
脂をその上に押し出し、該押し出された熱可塑性樹脂表
面に冷却ロールを密着させて冷却する方法が好ましい
が、共押出しの場合は、酸素透過性樹脂層Aに係る熱可
塑性樹脂の押し出し表面に冷却ロールを密着させて冷却
する方法が好ましい。
Aに係る熱可塑性樹脂製のフィルムの間に、脱酸素樹脂
層Bに係る脱酸素樹脂組成物を押し出し、積層する方法
も採りうる。なお、前記平滑化層C、脱酸素樹脂層B及
び酸素透過性樹脂層Aからなる積層フィルムを形成する
場合、上記酸素透過性樹脂層Aの外面に冷却ロールを密
着させ冷却することにより、フィルム表面を一層平滑化
することができる。このとき、平滑化層C側から冷却ロ
ールを密着させると、酸素透過性樹脂層A内に粒状酸素
吸収組成物が突出し易く、不都合である。
バリア材を積層することにより得られるが、ガスバリア
材の種類により種々の態様をとることができ、箔又はフ
ィルム状のガスバリア材を、要すれば接着層を介して積
層する方法、溶融押出し積層する方法の他、平滑化層C
に係る基材フィルムに予め積層しておき、続いて脱酸素
樹脂層B及び酸素透過性樹脂層Aを形成する方法も採り
うる。
ムを製造するに際し、脱酸素樹脂層Bとガスバリア層D
との間に、脱酸素樹脂層Bに直接隣接してポリオレフィ
ン系樹脂フィルムよりなる平滑化層Cを設けるにあた
り、平滑化層Cのポリオレフィン系樹脂フィルムを積層
用基材フィルムとして脱酸素樹脂層Bを押出しラミネー
ションにより形成することにより、本発明に係る多層フ
ィルムを製造するための各種のラミネーション法の組み
合わせが可能となり、多層フィルムの内外表面は凹凸が
なく滑らかなものとなり、フィルム表面、即ち隔離層の
内面側及びガスバリア層の外面側への酸素吸収組成物の
粒子の露出が完全に防止される。
る製造方法によれば、平滑化層C上に脱酸素樹脂層Bを
形成するにあたり、脱酸素樹脂層B表面又は、該脱酸素
樹脂層B上に形成された酸素透過性樹脂層A表面に冷却
ロールを密着させ、冷却しながら積層することにより、
冷却面側の固化が促進され、脱酸素樹脂層B中の粒子に
基づく突出物は平滑化層Cに吸収させることができ、従
って平滑化層C表面を平滑化することができ、その結
果、該粒子に基づく突出物が酸素透過性樹脂層A中に突
出するのを防ぐことができ、ガスバリア層にも凹凸の影
響を与えることはなくなる。したがって、脱酸素樹脂層
Bに配合される粒状物の粒子の最大粒子径は、層Bと層
Cの厚さの和を超えないかぎり層Bの厚みを超えてもよ
く、粒状酸素吸収組成物に微粒径のものを特に使用する
必要はない。
できる。例えば、脱酸素剤の粒子を混合分散した熱可塑
性樹脂層を押し出し単層でフィルム化する場合、たとえ
配合する粒子の粒子径をフィルムの厚み以下に抑えたと
しても、粒子は常にフィルム厚みの中心に分散するとは
限らず、成形した樹脂層のフィルム表面には粒子の突き
出しによる微少な凹凸が発生して、フィルム表面はまず
滑らかにはならないし、またフィルムの厚みも均一にな
らない。これは、押出機から粒子を含む樹脂組成物を押
し出した際の急激な圧力解放や押し出された樹脂の引き
取りによる張力によって、熱可塑性樹脂層における前記
粒子の移動やフィルム自体の厚みムラが生じ、フィルム
表面に凹凸が発生すると考えられる。
層の両面に隔離層やガスバリア層を形成しても、この凹
凸の影響を受けて多層体の表面の平滑性は得られず、中
間層の脱酸素樹脂層表面に突出した粒子がさらに隔離層
やガスバリア層に食い込み、これら新しくできた表面へ
露出する原因となる。このような現象は、粒状脱酸素剤
を混合分散した形成された脱酸素樹脂層の両面を他の熱
可塑性樹脂層で挟む層構成になるように、3種3層の共
押出しで多層フィルム化した場合にも、同様に起こる。
この場合、共押出しした多層フィルムの表面は平滑性に
乏しく、全体の厚みにも変動が生じてしまう。この場
合、フィルム断面を見れば、積層体の各樹脂層界面に波
打ちが発生し、粒状脱酸素剤の一部が他の樹脂層に食い
込み、時には表面にまで達している現象が見られる。
(単に多層フィルム又はフィルムと略すことがある)
は、図面に示すように、熱可塑性樹脂よりなる酸素透過
性樹脂層A(以下、隔離層とも言う)、熱可塑性樹脂に
粒状酸素吸収組成物を分散してなる脱酸素樹脂層B、ポ
リオレフィン系樹脂よりなる平滑化層C、及びガスバリ
ア層Dの順に積層された構成を有する。層Aと層Dと
は、それぞれ、最外層に位置する。ここで、層Bは層A
と層Cとに直接接し互いに熱融着されたものが好まし
い。また層Cと層Dとは、接着剤等の層を介して積層さ
れていてもよい。
料の最内層として被包装物に接する側に位置して、脱酸
素樹脂層B中の化学成分や臭気成分が食品等の被包装物
に接触又は移動することを防ぐ隔離層の役割を果たすと
とともに、隣接する脱酸素樹脂層Bが脱酸素能を発揮す
ることができるように、該層Bに被包装物側の酸素及び
水分を透過させる必要がある。隔離層Aは無孔の樹脂膜
が好ましいが、適度な酸素透過性及び透湿性をもつ必要
があり、包装材料として使用する際のヒートシール層に
もなるので、さらにヒートシール性を有することがより
好ましい。
脂よりなり、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、各種エチレン−αオレフィン共重合体、エチレン−
アクリル酸(又はメタクリル酸)共重合体、エチレン−
無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、アイオノマー、ポリブテン、ポリメチルペンテン等
のポリオレフィン系樹脂が用いられ、隣接する脱酸素樹
脂層Bとの熱接着性を考慮して選ばれることが好まし
い。これらの樹脂は単独でもブレンドでもよく、また多
層で用いてもよい。隔離層Aはペレットを溶融押し出し
た溶融皮膜を用いても良く、また既に成形されたフィル
ムを用いても良い。フィルムとしては各種のポリオレフ
ィン系樹脂フィルムが好適に用いられ、またイージーピ
ール性をもたせるために複合化した市販シーラント用フ
ィルムを用いてもよい。イージーピール性を持たせるた
めに複合化した市販シーラント用フィルムを用いてもよ
い。なお、隔離層Aに係る熱可塑性樹脂には、その機能
を損なわない程度に着色用の顔料やフィラーを添加され
ていてもよい。
・atm ・day (23℃、100%RH)以上が好まし
く、酸素透過度を確保する上からは、できるだけ薄い方
が好ましい。しかしながら、シーラント層として適度な
シール強度を得るためにも、また製造時や使用時にピン
ホールができて隔離性が損なわれることがないようにす
るためにも適度な厚みが必要であり、このため、隔離層
Aの膜厚は5〜100μmが好ましく、10〜50μm
がより好ましい。
素吸収組成物を分散した脱酸素樹脂組成物からなる。粒
状酸素吸収組成物としては、酸素吸収能力、安全性、コ
スト等の点から、金属鉄を酸素吸収反応の主剤とする粒
状酸素吸収組成物が特に好ましい。金属鉄としては、鉄
粉系脱酸素剤に用いられる鉄粉を使用することでき、例
えば、還元鉄粉、噴霧鉄粉等の鉄粉、鋼材、鋳鉄等の粉
砕物または研削品等の鉄粉が用いられる。鉄粉の粒度
は、最大粒子径は脱酸素樹脂層層Bの厚さを超えても脱
酸素樹脂層層Bと平滑化層Cの厚さの和を超えないもの
であればよく、平均粒径1〜50μmの範囲で選ばれ
る。本発明に係る粒状酸素吸収組成物には、発火等の危
険があり取り扱い難く、また高価な金属鉄の微粉を用い
る必要はない。
他の成分としては、主にハロゲン化金属が使用され、例
えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩化物、
臭化物、ヨウ化物が好ましく用いられる。ハロゲン化金
属の配合量は金属鉄100重量部あたり、好ましくは
0.1〜20重量部の範囲に選ばれる。ハロゲン化金属
は金属鉄表面に付着させ酸素吸収組成物を一体化して熱
可塑性樹脂に配合することが好ましい。ハロゲン化金属
は金属鉄表面に付着させ一体化させることによりハロゲ
ン化金属の触媒作用を効果的に働かせることができ、ハ
ロゲン化金属化金属の配合量を金属鉄100重量部あた
り0.1〜10重量部に減らすことができる。このよう
に酸素吸収組成物を一体化加工して粒子とした場合に
も、粒子の最大粒子径は、層Bと平滑化層Cの厚さの和
を超えないものとすることは前記の場合同様である。
樹脂としては、隔離層Aに用いる樹脂の場合同様に、酸
素透過性の熱可塑性樹脂が好ましいが、特に制限される
ものではない。酸素透過係数が200cc・0.1mm /m2
・atm ・day (23℃、100%RH)以上である熱可
塑性樹脂が好ましい。具体的には、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、各種エチレン共重合体、変性ポリオレフィ
ン、エラストマー類等のポリオレフィン系樹脂が用いら
れ、これらの樹脂は単独でもブレンドの形態でも使用さ
れる。
組成物の配合量は、脱酸素性能やフィルム加工性を考慮
して、熱可塑性樹脂100重量部あたり2〜90重量部
が好ましく、5〜70重量部がより好ましい。脱酸素樹
脂層Bの膜厚は、通常、10〜100μmの範囲が好ま
しく、酸素吸収組成物の性状、脱酸素性能、フィルム加
工性等を考慮して決められる。
等のアルカリ土類金属酸化物を添加、分散させることに
より、フィルム加工時の発泡を防止することができ、ま
た製造された本発明に係る多層フィルムの酸素吸収能の
失効を防ぎ、向上した保存性を賦与することができる。
上記アルカリ土類金属酸化物の添加量は、粒状酸素吸収
組成物100重量部あたり0.1〜5重量部が好まし
い。更に脱臭成分、着色成分、水保持成分等の添加剤を
脱酸素樹脂層Bに配合することができる。これら添加物
の最大粒子径は、前記の場合同様に、脱酸素樹脂層Bと
平滑化層Cの厚さの和を超えないものが特に好ましい。
り、前記脱酸素樹脂層Bの形成時に該層B内の粒子の突
出部分を吸収するために設ける層であり、本発明に係る
特有の層である。平滑化Cを形成する樹脂は脱酸素樹脂
層Bの樹脂と相溶性を有し熱融着が可能であって、層B
の押し出し温度において軟化可能なポリオレフィン系樹
脂から選ばれることが好ましく、前記層Bの押し出し温
度に応じ各種のポリエチレンまたはポリプロピレンから
選ばれることがより好ましい。平滑化層Cは一般にペレ
ットから製膜しても、フィルムを用いても良い。平滑化
層Cの厚さは、脱酸素樹脂層Bの厚さとの合計が、脱酸
素樹脂層Bに配合される粒状物の最大粒子径を超えるこ
とが好ましく、通常は10〜50μmの範囲で適宜選ば
れる。
位置する層である。ガスバリア層Dとしては、本発明に
係る多層フィルムを構成する層の一つとして積層可能で
あって、該ガスバリア層の外側からの酸素の侵入を最小
限に防止することができる箔又はフィルム材料であれば
使用できる。ガスバリア層Dは単層であっても複合層で
あっても良く、また印刷、隠蔽等の目的でガスバリア性
を有する層の内外に別に層を設けることができる。本発
明の多層フィルムをヒートシールするに際して、ガスバ
リア層Dの融点が隔離層Aの樹脂の融点より高い温度、
好ましくは20℃以上高いことが好ましく、このように
融点に差を設けることにより、ガスバリア層D側からの
加熱により隔離層Aにおいてヒートシールが可能にな
る。
箔等の金属箔、ナイロン6、ナイロンMXD6等のナイ
ロンフィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等のポリエステルフィルム、ナイロ
ンフィルムやポリエステルフィルムの表面にアルミニウ
ム、酸化アルミニウム、酸化珪素等を蒸着したフィルム
が、単独または組み合わせて使用される。また比較的融
点の低いエチレン−ビニルアルコール共重合体も前記材
料を積層することによって使用することができる。特
に、ポリエステル/アルミ箔積層体、塩化ビニリデンコ
ートナイロンフィルム、塩化ビニリデンコートナイロン
/アルミ箔積層体、ナイロン6/ナイロンMXD6積層
体、金属酸化物蒸着ポリエステルフィルム等の複合フィ
ルムが好適に使用される。層Dと平滑化層Cとは、接着
剤等の層を介し積層接着することができる。
に説明すると、平滑化層C上に脱酸素樹脂組成物を押し
出して得られた脱酸素樹脂層B上にさらに酸素透過性樹
脂層Aに係る熱可塑性樹脂を積層するに際しては、該層
B上に積層した前記熱可塑性樹脂表面に冷却ロールを密
着させて積層され、それぞれ、冷却しながら多層フィル
ム表面の固化を促進して平滑化することが好ましい。こ
の場合、前記層Aの形成はフィルムの貼り合わせによっ
てもよいし、また押出し積層による形成であってもよ
い。同様に、平滑化層Cと酸素透過性樹脂層Aとの間に
脱酸素樹脂組成物を溶融押し出して積層するに際して
は、層Aの表面に冷却ロールを密着させ、冷却しながら
フィルム表面の固化を促進して平滑化することが好まし
い。
物を溶融状態で平滑化層C上に押し出されるので、該層
Cの樹脂は軟化状態になり、この状態下に酸素透過性樹
脂層A側から冷却ロールで冷却しながら加圧することに
より、前記層Bに係る脱酸素樹脂組成物中の粒状物に基
づく突出は、上記軟化した層Cに吸収されながら、層B
に係る樹脂組成物は冷却固化する。これによって層A側
への粒状物の突出が防止される。冷却ロールの温度は、
各層の樹脂の種類や性状、引き取り速度を考慮して、適
宜選ばれる。
層Cに係るポリオレフィン系樹脂層を積層用基材フィル
ムとし、その上に脱酸素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成
物を押出しラミネーションにより形成する方法である
が、該押出しラミネーションにおいては、酸素透過性樹
脂層Aに係る熱可塑性樹脂と該脱酸素樹脂組成物を共押
出しして積層する方法、個別に押し出し積層する方法、
該熱可塑性樹脂組成物と積層用基材フィルムの間に前記
脱酸素樹脂組成物を押し出し積層する方法などにより製
造されるが、具体的には、多層フィルムの層構成、各層
の材料、性状に応じて、公知のラミネーション法を組み
合わせることができ、例えば、次の積層工程の組み合わ
せを選択することができる。
Bに係る脱酸素樹脂組成物を押し出して積層する工程、
2)前工程で得られた層B/層Cなる層構成のフィルム
の層B上にさらに酸素透過性樹脂層Aに係る熱可塑性樹
脂を積層する工程、3)前工程で得られた層A/層B/
層Cなる層構成のフィルムの層C側にガスバリア材を積
層してガスバリア層Dを形成する工程、よりなる方法。
Dに係るガスバリア材とを積層する工程、2)前工程で
得られた層C/層Dなる層構成のフィルムの層C上に脱
酸素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成物を押し出して積層
する工程、3)前工程で得られた層B/層C/層Dなる
層構成のフィルムの層B上に酸素透過性樹脂層Aに係る
熱可塑性樹脂を積層する工程、よりなる方法。
過性樹脂層Aに係る熱可塑性樹脂及び脱酸素樹脂層Bに
係る脱酸素樹脂組成物を共押出しして積層する工程、
2)前工程で得られた層A/層B/層Cなる層構成のフ
ィルムの層C側にガスバリア性層Dに係るガスバリア材
を積層する工程、よりなる方法。
脂層Aとの間に脱酸素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成物
を押し出して積層する工程、2)前工程で得られた層A
/層B/層Cなる層構成のフィルムの層C側にガスバリ
ア性層Dに係るガスバリア材を積層する工程、よりなる
方法。
に係るガスバリア材とを積層する工程、2)前工程で得
られた層D/層Cなる層構成のフィルムの層Cと熱可塑
性樹脂層Aに係る熱可塑性樹脂のフィルム又はフィルム
状溶融体との間に脱酸素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成
物を押し出して積層する工程、よりなる方法。
る。本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 まず、還元鉄粉(平均粒径25μm、最大粒径80μ
m)500kgを加熱ジャケット付きリボンブレンダー
に入れ、減圧加熱下で撹拌しながら、注液ノズルから5
0wt%塩化カルシウム水溶液15kgを該鉄粉にふりか
け、鉄粉の表面に塩化カルシウムを付着させ、乾燥させ
て乾燥粒状物を得た。ブレンダーから取り出した乾燥粒
状物をふるい分けし、75μm以上の粗粒を除いた粒状
酸素吸収組成物を調製した。
素吸収組成物と低密度ポリエチレン(LDPE)とを、
混合比50:50(重量)で混練、押し出し、ストラン
ドを冷却後カッターで裁断して脱酸素樹脂組成物ペレッ
トIを得た。同様に、ベント付き2軸押出機を用い、酸
化カルシウム(平均粒径10μm、最大粒径50μm)
と低密度ポリエチレンを50:50(重量比)で混練、
押し出し、樹脂組成物ペレットIIを得た。
る押出装置2組を有するタンデム押出ラミネーターを用
い、繰り出される市販線状低密度ポリエチレン(LLD
PE)のフィルム(厚み25μm)(C層;平滑化層)
の片面に、第1押出機から、前記脱酸素樹脂組成物のペ
レットIと前記酸化カルシウム含有のペレットIIとの
混合物(重量比98:2)を60μmの厚みで押し出し
(B層;脱酸素樹脂層)、得られた脱酸素樹脂層の表面
側から冷却ロールを当てて冷却し、B層とC層とからな
る積層フィルムを得た。続いて該フィルムのB層側に、
第2押出機から、市販のポリエチレン系シーラント樹脂
(三井デュポンケミカル(株)製、商品名;CMPS)と
酸化チタン60wt%含有ポリエチレンペレット(東洋イ
ンキ製造(株)製、白色マスターバッチ)との混合物(重
量比90:10)を25μmの厚みで押し出し(A層;
酸素透過性樹脂層)、得られたA層表面に冷却ロールを
当てて冷却し、A層/B層/C層(平滑化層)からなる
多層フィルムを得た。前記工程のフィルム引き取り速度
は50m/minであった。
と、片面に図柄を印刷したガスバリア性のナイロン6/
ナイロンMXD6系多層フィルム(三菱化学(株)製、商
品名;スーパーニール)の印刷面側との間にポリエチレ
ンを20μmの厚みで押し出し、このポリエチレン層を
介し両者をラミネートして、酸素透過性樹脂層A/酸素
吸収樹脂層B/平滑化層C(LLDPE)/ガスバリア
層D(ガスバリア性多層フィルム)の構成からなる酸素
吸収多層フィルムを作製した。
価法及びそれに基づく評価結果について述べる。 (1)層断面の顕微鏡観察;酸素吸収多層フィルムを鋭
利なカミソリを用いて長さ4cm×幅2mmの短冊状に
切り出し、その切断面を顕微鏡で観察した。顕微鏡観察
によれば、B層/C層の界面ではB層の粒子が一部C層
に食い込んでいたが、A層/B層の界面ではB層の粒子
のA層への食い込みはなく界面の波うちはなかった。ま
たB層の粒状物がC層からさらにD層へ移行するような
ことはなかった。結局、酸素吸収多層フィルムのA層、
D層の両表面は滑らかで、凹凸などの異常は全く認めら
れなかった。
ィルムを用い、A層を内面にして作製した4方シール袋
(寸法;100mm×200mm)5個に、それぞれ、
5重量%酢酸水溶液200ccを入れ、ヒートシールし
て密封した。密封した袋を40℃で24時間放置した
後、開封して酢酸水溶液を取り出し、ロダンカリによる
比色分析により、液中の鉄の定量分析を行った。分析の
結果、5検体の何れも、鉄イオン濃度は検出限界(1p
pm)以下であり、脱酸素剤成分の鉄の溶出は実質的に
認められなかった。
シート(層構成;ポリプロピレン/接着剤/ナイロンM
XD6/接着剤/ポリプロピレン、厚さ600μm)を
真空成形して得られたトレイ状容器(縦130mm×横
90mm×深さ25mm、内容積270cc)に熱湯2
30ccを入れ、本発明の酸素吸収多層フィルムをトッ
プフィルム(蓋材、内面側がA層)として、トレイ状容
器をヒートシールにより密封した。熱湯を密封した容器
を室温に冷してそのまま保存して3日後に、容器内の酸
素濃度をガスクロマトグラフィーで分析したところ、酸
素濃度は0.1%以下であった。1ヶ月後に容器を開封
してトップフィルムの内側を調べてみたが、錆の発生は
認められなかった。
ンを重量比50;50の割合でベント付き二軸押出機か
ら押し出し、ストランドを冷却後カッターで裁断して脱
酸素樹脂組成物のペレットI'を得た。
ロールからなる押出装置を有する押出しラミネーター
に、アルミ箔(D層)の両面に、ポリプロピレンフィル
ム(厚さ30μm)及びPETフィルムをそれぞれドラ
イラミネートしたアルミ箔積層フィルムのポリプロピレ
ンフィルムの層(C層;平滑化層)側と、ポリプロピレ
ンフィルム(CPP、厚さ30μm)(A層)の2枚の
フィルム間に、前記酸素吸収樹脂組成物のペレット
I'、前記樹脂組成物IIおよび酸化チタン60wt%含
有ポリプロピレン(日本ピグメント(株)製、白色マスタ
ーバッチ)がそれぞれ、89:1:10(重量比)の混
合物を厚さ80μmで押し出し(B層;脱酸素樹脂
層)、ポリプロピレンフィルム(A層)側から冷却ロー
ルを当てて冷却し、CPP(A層)/脱酸素樹脂層(B
層)/PP(C層)/アルミ箔(D層)/PETの層構
成からなる酸素吸収多層フィルムを作製した。
実施例1と同様、層断面の顕微鏡観察、溶出テスト、及
び酸素吸収テストを行った。但し、酸素吸収テストにつ
いては、トップフィルムをヒートシール後、121℃、
30分間レトルト処理を施してから室温で保存した。結
果を表1に示した。
レンフィルム(厚さ30μm)(A層)と、片面に図柄
を印刷したナイロン6/ナイロンMXD6系多層ガスバ
リア性フィルム(三菱化学(株)製スーパーニール)(D
層)の印刷面側との間に、押出機から前記脱酸素樹脂組
成物のペレットIと前記酸化カルシウム含有の樹脂組成
物IIとの混合物(重量比98:2)を60μmの厚み
で押し出し(B層;脱酸素樹脂層)、ポリエチレンフィ
ルム(A層)表面側から冷却ロールを当てて冷却し、冷
却ロール側からD層/B層/A層の層構成からなり、平
滑化層Cのない酸素吸収多層フィルムを作製した。得ら
れた多層フィルムについて、実施例1と同様の方法で評
価した。結果を表1に示した。
素樹脂層に配合する粒状酸素吸収組成物に粗粒を含む粒
子を用いても、厚みムラがなく表面に凹凸のない平滑な
多層フイルムであり、特に、多層フイルムの内層の酸素
透過性樹脂層や外層のガスバリア層への脱酸素樹脂層の
粒子の突出、露出が完全に防止され、その結果、包装材
料として脱酸素樹脂層と被包装物との接触がなく、また
被包装物が液体であっても脱酸素樹脂層からの酸素吸収
成物の溶出汚染の恐れがなく、安全衛生性に優れた包装
用フイルムが得られる。更に特筆すべきは、脱酸素樹脂
組成物の主剤の鉄粉として、該組成物の層内に納まる程
度の微細な鉄粉を選ぶことは必ずしも必要ではなく、通
常公知の鉄粉系脱酸素剤に使用される平均粒径数十ミク
ロンで、しかも脱酸素樹脂層の膜厚をこえる粗粒を含む
鉄粉を使用しても良好な酸素吸収多層フィルムを製造で
き、このことの価値は大きい。
ィルムの層構成、各層の材料や性状等に応じ、各種のラ
ミネーション法を組み合わせ、均質で厚みムラがなくフ
ィルム表面の平滑で脱酸素樹脂組成物の露出のない安全
衛生性に優れた酸素吸収多層フィルムが商用生産が可能
である。また、包装用フィルムの付加機能として、被包
装物によりガスバリア材を適宜選択したり、商品名や図
柄等を印刷により表示することが重要な要素になるが、
本発明に係る多層フィルムは、予め(A+B+C)層か
らなるフィルムを一括生産しておき、その後、個別用途
に応じて適宜選択されたD層を設けることにより上記付
加機能を付与することが可能である。したがって、多様
な付加機能をもつ、表面平滑な酸素吸収多層フィルムを
経済的に得ることができる。
リア性かつ酸素吸収性能に優れ、確実なヒートシール性
を備えた包装材料として、食品、化粧品、医薬品、日用
品等、酸素の影響を受け易いものや腐敗し易いものの保
存に利用することができる。本発明の多層フィルムは、
このフィルム自体で製袋が可能であるが、他のガスバリ
ア性フィルム、例えば、透明フィルムと組み合わせて、
片面透明な包装袋とすることができ、またチューブ状容
器とすることもできる。また容器の部材として、例え
ば、トレイ、カップ、ボトル等の蓋材としたり、容器の
器壁の一部又は全部に用いたり、容器内に張り合わせた
り、キャップの内側に張り合わせたりすることにより、
包装容器に酸素吸収性能をもたせることができる。
Claims (11)
- 【請求項1】 熱可塑性樹脂に粒状酸素吸収組成物を分
散させた脱酸素樹脂組成物からなる脱酸素樹脂層Bの粒
状酸素吸収組成物の最大粒子径が脱酸素樹脂層Bと平滑
化層Cの厚さの和未満となるように、厚さ10〜100
μmの脱酸素樹脂層Bとポリオレフィン系樹脂からなる
厚さ10〜50μmの平滑化層Cが積層され、前記脱酸
素樹脂層Bの外面側には熱可塑性樹脂からなる酸素透過
性樹脂層Aが、前記平滑化層Cの外面側にはガスバリア
材からなるガスバリア層Dがそれぞれ配された積層構成
からなり、厚みが200μm以下であることを特徴とす
る表面平滑な酸素吸収多層フィルム。 - 【請求項2】 ガスバリア層Dの融点が、酸素透過性樹
脂層Aの融点より高い請求項1記載の表面平滑な酸素吸
収多層フィルム。 - 【請求項3】 粒状酸素吸収組成物が、鉄粉を主剤とす
る組成物である請求項1記載の表面平滑な酸素吸収多層
フィルム。 - 【請求項4】 粒状酸素吸収組成物がハロゲン化金属を
金属鉄粉表面に付着させた組成物である請求項1記載の
表面平滑な酸素吸収多層フィルム。 - 【請求項5】 脱酸素樹脂層Bが酸化カルシウムを含ん
でなる請求項1記載の表面平滑な酸素吸収多層フィル
ム。 - 【請求項6】 脱酸素樹脂層Bに係る脱酸素樹脂組成物
中の粒状酸素吸収組成物に基づく突出が平滑化層Cに吸
収されてなる請求項1記載の表面平滑な酸素吸収多層フ
ィルム。 - 【請求項7】 酸素透過性樹脂層A側表面が平滑化され
た請求項1記載の表面平滑な酸素吸収多層フィルム。 - 【請求項8】 酸素透過性樹脂層A側が冷却ロールで加
圧されてなる、酸素透過性樹脂層A側表面が平滑化され
た請求項7記載の表面平滑な酸素吸収多層フィルム。 - 【請求項9】 脱酸素樹脂層Bに係る樹脂組成物を溶融
状態で平滑化層C上に押し出し、該層Cを軟化状態に
し、この状態下に酸素透過性樹脂層A側から冷却ロール
で冷却しながら加圧して、酸素透過性樹脂層A側表面が
平滑化されてなる請求項8記載の表面平滑な酸素吸収多
層フィルム。 - 【請求項10】 請求項1記載の表面平滑な酸素吸収多
層フィルムを部材としてなる包装容器。 - 【請求項11】 曲げ特性に優れた袋状である請求項1
0記載の包装容器。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002001879A (ja) * | 2000-06-19 | 2002-01-08 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 酸素吸収性積層体およびその製造方法 |
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JP2008265881A (ja) * | 2008-06-02 | 2008-11-06 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 酸素の吸収性と遮蔽性に優れた多層成形容器及び多層成形用シート並びに多層成形用シートの製造方法 |
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-
1998
- 1998-12-08 JP JP10348888A patent/JP3019153B2/ja not_active Expired - Lifetime
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