JPH11253322A - 焼物用卓上こんろ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 魚介類や野菜等を焼くのに適した主として営
業用の卓上こんろに関し、ガスを熱源として網焼きや串
焼きが可能な取扱いが容易で台が高温になって火傷をす
る危険のない卓上型のこんろを得る。 【解決手段】 ガス配管３を備えたこんろ台１と、この
こんろ台に嵌合載置される上広がりの断熱支持体９とを
備え、断熱支持体は底部中央のガスバーナ挿通用貫通孔
１２と側面下方の通気孔１３とを備えた珪藻土の焼結体
である。こんろ台の上面中央にバーナ筒８を立設し、バ
ーナ筒の上端にバーナヘッド６を装着する。バーナヘッ
ドの近傍には、傘状金属板ないし岩石などの放熱体を設
ける。放熱体１６は、断熱支持体９の内側上部に嵌装さ
れた金属支持枠１４で支持する。金属支持枠１４の底部
により、バーナヘッド６の周囲下方に水受け１７ないし
油受けを形成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、魚介類や野菜等
を焼くのに特に適した主として営業用に用いられるガス
を熱源とする卓上こんろに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】焼物用こんろには食材を支持するのに鉄
板を用いるもの、ロストルを用いるもの及び金網ないし
串を用いるものがある。鉄板を用いるこんろはいわゆる
鉄板焼きに使われるこんろで、加熱した鉄板の上に油を
引いて肉や野菜や加工穀物を焼くのに用いられる。ロス
トルを用いるものは主に焼肉用に用いられている。鉄板
及びロストル（通常鋳物製）は、ガスバーナーや電熱等
の熱源によって加熱され、伝導熱によって食材を加熱す
る。従って肉のように鉄板やロストルに面接触する食材
は、均一にかつ速やかに加熱される。しかしながら魚介
類特に貝やエビ等外皮の硬いものは鉄板やロストルに面
接触しないので、浮き上がった部分への伝熱が悪く、鉄
板やロストルに接触している一部のみが焼け焦げてうま
く焼くことができない。

【０００３】一方、金網や串で食材を支持して焼くとき
は、食材は輻射熱によって加熱される。従ってエビや貝
のように硬い外皮を持った食材であっても、比較的均一
に加熱して焼くことが可能である。しかし加熱が輻射熱
によって行われるので、熱源としてはより高い温度ない
し熱量が必要である。換言すれば、鉄板やロストルは金
網や串に比べて食材への熱伝達効率が良く、外部への熱
損失が少ないと言える。

【０００４】一方こんろには卓上において用いるもの
と、テーブルに設けた凹所に埋め込まれて用いられるも
のとがある。卓上型のこんろは、テーブルの上に置いて
用いられるから、使用時に台（外枠）がテーブル上に露
出している。一方、埋込型のものは外枠がテーブルに埋
め込まれているため、外枠に手を触れる危険はない。卓
上型のものでは台が露出しているため、台に手を触れる
おそれがあり、台の温度が高熱になるのを避けなければ
ならない。また卓上型のこんろには台にゴム足が付いて
おり、その熱劣化を避けるためにも、台の温度を抑える
必要がある。

【０００５】こんろの熱源としてはガスが多く用いられ
る。これは取扱いが便利で火力の調節が容易なことによ
る。鉄板焼きやロストル焼き用の卓上型のガスこんろ
は、従来から広く用いられている。この種のこんろを卓
上型にできるのは、食材への伝熱効率が良く、従って台
の温度上昇を比較的低く抑えることができるからであ
る。一方網焼きや串焼き用のこんろとしてガスを用いた
卓上型のものは、従来ほとんど用いられていない。これ
は前述したように網焼きや串焼きでは食材への伝熱効率
が悪く、外部への熱放出が大きいので、こんろの台が加
熱されて手を触れると危険な状態になるからである。網
焼きや串焼き用のこんろとしては、従来からある七輪の
ような外枠を厚い断熱材で形成したこんろが主に用いら
れている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】卓上型のガスこんろ
は、テーブルへの設置及び火力の調節等の取扱いが容易
であり、七輪等に比べるとはるかに軽い。しかし前述し
た理由により従来用いられているようなガスこんろを網
焼きや串焼き用に用いるのは困難である。特に肉や魚介
類のように油や焼き汁が垂れ落ちるものでは、金網や串
の直下にバーナを配置することができず、食材への輻射
効率が低下するので、熱量を相当に大きくしなければな
らず、卓上型のものでは台が高温になって、手を触れる
と火傷をする危険がある。一方七輪のように一体型の重
いものは取扱いに不便である。

【０００７】そこでこの発明は、ガスを熱源として網焼
きや串焼きが可能な取扱いが容易で台が高温になって火
傷をする危険のない卓上型のこんろを得ることを課題と
している。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の焼物用卓
上こんろは、ガス配管３を備えたこんろ台１と、このこ
んろ台に嵌合載置される上広がりの断熱支持体９とを備
え、当該断熱支持体は底部中央のガスバーナ挿通用貫通
孔１２と側面下方の通気孔１３とを備えた珪藻土の焼結
体であることを特徴とするものである。

【０００９】請求項２記載の焼物用卓上こんろは、ガス
配管を備えたこんろ台１と、こんろ台の上面中央に立設
されてガスと燃焼空気の通路を形成するバーナ筒８と、
バーナ筒の上端に装着されたバーナヘッド６と、こんろ
台の外周側に嵌合載置された上広がりの断熱支持体９
と、この断熱支持体内に配置された放熱体１６、２２と
を備え、前記断熱支持体は底部の貫通孔１２と側面下部
の通気孔１３とを備えた焼結体で、その貫通孔に前記バ
ーナ筒が挿通されてバーナヘッド６が前記放熱体１６、
２２に近接して位置することを特徴とするものである。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項２記載の焼
物用卓上こんろにおいて、放熱体１６、２２が断熱支持
体９の内側上部に嵌装された金属支持枠１４で支持さ
れ、当該金属支持枠１４はバーナヘッド６の周囲下方に
水受け１７を形成していることを特徴とするものであ
る。

【００１１】請求項４記載の発明は、請求項２記載の焼
物用卓上こんろにおいて、バーナヘッド６の上方を覆う
傘状の放熱体１６が断熱支持体９の上部内側に嵌装され
た金属支持枠１４で支持され、当該金属支持枠が断熱支
持体の内周に沿って油受け２１を形成していることを特
徴とするものである。

【００１２】請求項５記載の発明は、請求項２記載の焼
物用卓上こんろにおいて、放熱体が熔岩石２２であるこ
とを特徴とするものである。

【００１３】請求項６記載のガスこんろ用断熱支持体
は、珪藻土の焼結体で上広がりの円筒状に形成され、底
部中央の貫通孔１２と側面下方の通気孔１３とを備えて
いることを特徴とするものである。

【００１４】

【作用】上記構成のこんろにおいては、放熱体１６、２
２はバーナヘッドからのガスの炎によって高温に加熱さ
れて、食材を焼くための熱を放射する。放熱体１６は断
熱支持体９で囲まれ、こんろ台１が放熱体１６によって
加熱されるのを防止している。珪藻土の焼結体は従来か
らある七輪と同じ組成で、断熱性及び保温性に優れ、放
熱体１６、２２の熱を金網や串で支持された上方の食材
に効率良く伝達できる。放熱体１６、２２の温度は、バ
ーナヘッド６の熱量を調整することによって容易に調整
でき、通気孔１３から断熱支持体９内に流入する空気
は、バーナヘッド６からのガスの燃焼に用いられるほ
か、断熱支持体９の内周面に沿って流れることにより、
断熱支持体９の温度上昇を抑える働きもしている。上記
構成のこんろの熱源は基本的にはガスであるから、火力
の調整が容易で取扱いが簡便である。また断熱支持体９
はこんろ台１から取り外すことができ、従来の七輪等に
比べてはるかに軽量であり、こんろ台と分離して持ち運
べばテーブル上への設置も容易である。断熱支持体９が
高い断熱性を備えかつこんろ台１への熱の輻射が抑制さ
れることから、これらの表面の温度上昇を抑えることが
でき、手が触れても危険のない温度にすることができ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１ないし３はこの発明の第１実
施形態を示した図である。こんろ台１は一般に市販され
ている卓上型ガスこんろのこんろ台と同じ構造で、底部
にゴム製の支持足２を備え、側面一箇所にガス配管３が
接続されており、その接続部には火力を調整するコック
４と混合空気量を調整するリング５とが設けられてい
る。こんろ台１の上面中央にバーナヘッド６を取り付け
る嵌合孔７が設けられている。

【００１６】バーナヘッド６はこの嵌合孔にバーナ筒８
を介して装着される。バーナ筒８は円筒形の金属筒で、
バーナヘッド６をこんろ台から離れた高い位置で支持し
ている。バーナヘッド６は通常のガスこんろに用いられ
ているものをそのまま使用することができる。

【００１７】断熱支持体９は上方をラッパ状に拡開した
円筒形の珪藻土の焼結体で、底部１１を有するが、その
底部中央には前記バーナ筒が貫通する貫通孔１２が設け
られている。またその側壁下方には複数個の通気孔１３
が設けられている。この断熱支持体９は従来七輪を製造
していたのと同様な材料及び工程で製造することができ
る。こんろ台１の上にこの断熱支持体９を載置すると、
バーナヘッド６はその内部の略中央に位置する。

【００１８】断熱支持体９の上方内側には金属板で形成
した支持枠１４が嵌装される。この支持枠１４は内側に
放射状に延びる支持爪１５を備えており、バーナヘッド
６の上部を覆う傘状の加熱板（放熱体）１６がこの支持
爪によって支持されている。支持枠１４は下方に絞り成
形されて、下方に平面視でドーナツ形の水受け１７を形
成している。傘状の加熱板１６には切起こしによって形
成した燃焼ガスの流通孔１８が多数設けられている。食
材を支持する金網１９ないし串は断熱支持体の上縁また
は金属支持枠の上縁で支持される。

【００１９】ガスバーナに点火すると、加熱板１６がガ
スバーナの炎で高温に熱せられ、加熱板１６からの輻射
熱がその上方に置かれた金網１９ないし串で支持された
食材を加熱する。食材から落下する油や焼き汁は、直接
水受け１７に注入した水の上に落ちるか、あるいは加熱
板１６の上に落ち、水受け内へと落下する。火力の調整
は通常のガスこんろと同様に行う。

【００２０】図４は前記第１実施形態の金属支持枠１４
に代えて用いる他の形状の金属支持枠を示したものであ
る。この第２実施形態の金属支持枠は水受け１７の代わ
りに容量の小さい平面視でリング状の油受け２１を備え
ている。

【００２１】図５はこの発明の第３実施形態を示すもの
で、放熱体として熔岩石２２を用いた例である。この実
施形態のものではバーナヘッド６の下方の位置に金属支
持枠１４によって火格子２３が支持され、この火格子２
３の上に適宜個数の熔岩石２２が載置されている。これ
らの熔岩石２２はバーナヘッド６からのガスの炎によっ
て積熱され、熱を輻射して上方の金網ないし串で支持さ
れた食材を焼く。熔岩石２２は積熱されることによって
木炭に近い波長の熱線を放射し、食材内部の加熱作用が
良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施形態を示す分解斜視図

【図２】第１実施形態を示す断面図

【図３】断熱支持体の平面図

【図４】第２実施形態の金属支持枠を示す断面図

【図５】第３実施形態を示す断面図

【符号の説明】

１ こんろ台 ３ ガス配管 ６ バーナヘッド ８ バーナ筒 ９ 断熱支持体 12 貫通孔 13 通気孔 14 支持枠 16 加熱板 17 水受け 22 溶岩石

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス配管(3) を備えたこんろ台(1) と、
   このこんろ台に嵌合載置される上広がりの断熱支持体
   (9) とを備え、当該断熱支持体は底部中央のガスバーナ
   挿通用貫通孔(12)と側面下方の通気孔(13)とを備えた珪
   藻土の焼結体であることを特徴とする、焼物用卓上こん
   ろ。
2. 【請求項２】 ガス配管を備えたこんろ台(1) と、こん
   ろ台の上面中央に立設されてガスと燃焼空気の通路を形
   成するバーナ筒(8) と、バーナ筒の上端に装着されたバ
   ーナヘッド(6) と、こんろ台の外周側に嵌合載置された
   上広がりの断熱支持体(9) と、この断熱支持体内に配置
   された放熱体(16,22) とを備え、前記断熱支持体は底部
   の貫通孔(12)と側面下部の通気孔(13)とを備えた焼結体
   で、その貫通孔に前記バーナ筒が挿通されてバーナヘッ
   ド(6) が前記放熱体(16,22) に近接して位置することを
   特徴とする、焼物用卓上こんろ。
3. 【請求項３】 放熱体(16,22) が断熱支持体(9) の内側
   上部に嵌装された金属支持枠(14)で支持され、当該金属
   支持枠(14)はバーナヘッド(6) の周囲下方に水受け(17)
   を形成していることを特徴とする、請求項２記載の焼物
   用卓上こんろ。
4. 【請求項４】 バーナヘッド(6) の上方を覆う傘状の放
   熱体(16)が断熱支持体(9) の上部内側に嵌装された金属
   支持枠(14)で支持され、当該金属支持枠が断熱支持体の
   内周に沿って油受け(21)を形成していることを特徴とす
   る、請求項２記載の焼物用卓上こんろ。
5. 【請求項５】 放熱体が熔岩石(22)であることを特徴と
   する、請求項２記載の焼物用卓上こんろ。
6. 【請求項６】 珪藻土の焼結体で上広がりの円筒状に形
   成され、底部中央の貫通孔(12)と側面下方の通気孔(13)
   とを備えていることを特徴とする、ガスこんろ用断熱支
   持体。