JPH11253126A - 藻塩ならびにその製造方法および製造装置 - Google Patents

藻塩ならびにその製造方法および製造装置

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JPH11253126A
JPH11253126A JP10351801A JP35180198A JPH11253126A JP H11253126 A JPH11253126 A JP H11253126A JP 10351801 A JP10351801 A JP 10351801A JP 35180198 A JP35180198 A JP 35180198A JP H11253126 A JPH11253126 A JP H11253126A
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JP
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brine
salt
algal
seaweed
ash
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Application number
JP10351801A
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English (en)
Inventor
Nobuhide Matsuura
宣秀 松浦
Masaru Inoue
勝 井上
Koichi Omote
広一 表
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HOWA SHOJI KK
Original Assignee
HOWA SHOJI KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食塩中に海藻エキスを均一に分散、混合させ
ることにより食塩の健康食品としての付加価値を高め、
これによって現代人の要求を満足するとともに、古代塩
である藻塩の観念を蘇らせることができる藻塩の製造方
法を提供する。 【解決手段】 海水と海藻とを繰り返し接触させて海水
中の水分を蒸発させることにより塩分が濃縮した鹹水を
製造する鹹水製造工程と、得られた鹹水を濃縮する鹹水
の濃縮工程と、濃縮した鹹水に海藻を焼却した藻灰を添
加して溶解させる藻灰の溶解工程と、藻灰溶解鹹水を布
ごしする濾過工程と、得られた濾液を煮詰める煮詰め工
程と、煮詰め工程で得られた食塩と鹹水を含む混合物を
脱水する脱水工程と、脱水工程で得られた脱水塩を加熱
して藻塩として回収する焼塩工程とを有すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、藻塩ならびにその
製造方法および製造装置に係り、特に、海藻のエキスを
含んだ自然食品としての需要が見込まれる藻塩ならびに
その製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食塩は、生命の源と言われ、人間をはじ
めとする動物にとって欠くことができない大切なもので
あり、また近年、健康ブームに支えられ各種ミネラルを
含んだ食塩の開発が行われている。
【0003】このような公知技術として、例えば本発明
者が提案したミネラル塩の製造方法(特開平9−870
99号公報)があげられる。この方法は、例えば化学塩
の結晶に、ミネラル成分含有物質、例えば塩化カリウ
ム、塩化マグネシウム等を添加して真空攪拌機に投入
し、減圧下に攪拌、混合して前記ミネラル成分を化学塩
の結晶中に分散させるものである。
【0004】しかしながらこの方法は、製品として完成
された食塩(化学塩)に事後的にミネラルを添加するも
のであり、添加されたミネラルは主として食塩の結晶の
表面部分に存在していた。従って、得られたミネラル塩
は、必ずしも均一成分のものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、食塩に海藻
エキスを混入させた藻塩ならびにその製造方法および製
造装置に関するもので、その目的は、食塩中に海藻エキ
スを均一に分散、混合させることにより食塩の健康食品
としての付加価値を高め、これによって現代の需要者の
要求を満足するとともに、古代塩としての藻塩の観念を
蘇らせることができる藻塩ならびにその製造方法および
製造装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本願で特許請求する発明は、以下のとおりである。 (1)食塩に海藻のエキスを取り込んだ藻塩であって、
カルシウム成分の含有量が0.5〜3重量パーセント、
カリウム成分の含有量が6〜12重量パーセント、マグ
ネシウム成分の含有量が1〜4重量パーセントで、しか
も100g当たりヨウ素成分を70〜170mg含むこ
とを特徴とする藻塩。 (2)前記海藻がホンダワラであることを特徴とする上
記(1)記載の藻塩。
【0007】(3)海水と海藻とを繰り返し接触させて
前記海水中の水分を蒸発させることにより塩分が濃縮し
た鹹水を製造する鹹水製造工程と、得られた鹹水を濃縮
する鹹水の濃縮工程と、濃縮した鹹水に海藻を焼却した
藻灰を添加して溶解させる藻灰の溶解工程と、藻灰溶解
鹹水を濾過して海藻エキス含有鹹水とする濾過工程と、
得られた海藻エキス含有鹹水を煮詰める煮詰め工程と、
該煮詰め工程で得られた混合物から水分を分離する脱水
工程と、該脱水工程で得られた脱水塩を加熱して藻塩と
して回収する焼塩工程とを有することを特徴とする藻塩
の製造方法。 (4)前記鹹水製造工程が、藻枝条架に海水を循環注水
して塩分を濃縮するものであることを特徴とする上記
(3)に記載の藻塩の製造方法。
【0008】(5)前記海藻エキス含有鹹水を得るまで
の工程に代えて、海水を濃縮して鹹水を製造する鹹水製
造工程と、得られた鹹水に海藻および/または該海藻を
焼却した藻灰を浸漬するか、または前記海藻および/ま
たは藻灰に前記鹹水をスプレーして海藻エキスを抽出す
る抽出工程と、得られた海藻エキス抽出鹹水を濾過して
海藻エキス含有鹹水とする濾過工程を採用したことを特
徴とする上記(3)に記載の藻塩の製造方法。
【0009】(6)前記鹹水製造工程が、逆浸透膜(R
O膜)を用いた濃縮工程と真空濃縮工程を含むことを特
徴とする上記(5)に記載の藻塩の製造方法。 (7)前記煮詰め工程において、煮詰め液が均一になる
ように攪拌することを特徴とする上記(3)〜(6)の
何れかに記載の藻塩の製造方法。 (8)前記海藻としてホンダワラを、藻灰としてホンダ
ワラを800℃以下で焼却した藻灰を用いることを特徴
とする上記(3)〜(7)の何れかに記載の藻塩の製造
方法。
【0010】(9)海水と海藻とを繰り返し接触させて
前記海水中の水分を蒸発させることにより塩分が濃縮し
た鹹水を製造する鹹水製造手段と、得られた鹹水を濃縮
する鹹水濃縮手段と、濃縮した鹹水に海藻を焼却した藻
灰を溶解させる藻灰溶解手段と、藻灰溶解鹹水を濾過し
て海藻エキス含有鹹水とする濾過手段と、得られた海藻
エキス含有鹹水を煮詰める煮詰め手段と、該煮詰め手段
から取り出した混合物を脱水する脱水手段と、得られた
脱水塩を加熱して藻塩として回収する焼塩手段とを有す
ることを特徴とする藻塩の製造装置。 (10)前記鹹水製造手段が、藻枝条架と該藻枝条架に
海水を循環注水する海水循環装置を有することを特徴と
する上記(9)に記載の藻塩の製造装置。
【0011】本発明において、鹹水製造手段として藻枝
条架と該藻枝条架に海水を循環注水する海水循環装置を
有するものを使用することが好ましい。これによって海
水を藻枝条架に循環注水することにより、海水が海藻の
表面に沿って流下する間に水分が蒸発し、濃縮されて鹹
水となるとともに、海藻中のエキスが海水(鹹水)中に
溶出する。
【0012】本発明において藻枝条架とは、大量の海藻
を棚状に多数吊り下げたものである。海藻の量、吊り下
げ方法、棚段数等は特に限定されない。本発明におい
て、鹹水濃縮手段として真空蒸発缶を用いることが好ま
しい。これによって、水分の蒸発が促進され、効率よく
濃縮できる。
【0013】本発明において、濃縮した鹹水に、海藻を
焼却した藻灰を溶解させることにより、藻灰に含まれる
海藻成分である、例えばカリウム、ナトリウム、カルシ
ウム等の炭酸塩またはリン酸塩、およびヨード(ヨウ
素)成分が鹹水に溶解するので、最終的に、いわゆるう
ま味のある藻塩が得られる。
【0014】本発明において、海水の塩分濃度を濃縮し
て鹹水としたのち、該鹹水を用いて海藻エキスを抽出す
ることもできる。海藻エキスの抽出法としては浸漬法の
他、スプレー法等であってもよい。また、エキス抽出工
程で使用される海藻の形態は、例えば5〜10cm角に
切断した乾燥藻および/または海藻を焼却した藻灰を使
用することができる。海藻を濃縮した鹹水中の塩分濃度
は20〜40%、好ましくは25〜35%である。
【0015】本発明において、海藻としては、例えばホ
ンダワラ、甘藻、コブ、ワカメ等が使用される。ホンダ
ワラは、乾燥が速いので塩づくりには好適である。海藻
の焼却温度は、例えば800℃以下、好ましくは650
〜750℃程度の低温である。温度が高すぎるとヨード
(ヨウ素)が飛散するおそれがある。
【0016】本発明において、海藻エキス含有鹹水を煮
詰める煮詰め工程においては、できるだけ少量づつ煮詰
めることが好ましい。一度に大量の鹹水を煮詰めようと
すると、食塩が飛散して回収率が低下する原因となる。
また、煮詰め工程では、煮詰め液が常に均一になるよう
に、攪拌しながら行うことが好ましい。これによって煮
詰め容器内壁面への塩の焼き付きが防止され、品質の均
一な藻塩を効率よく得ることができる。本発明におい
て、煮詰め手段および焼塩手段としては、熱釜が好適に
使用される。焼塩工程における加熱条件としては、例え
ば500℃、3時間である。
【0017】本発明において、藻塩中のカルシウム成分
の含有量は、0.5〜3重量%、好ましくは1〜1.5
重量%、より好ましくは、1.1〜1.3重量%であ
る。カルシウム成分の含有量が大きすぎると藻塩全体と
しての味のバランスがくずれ、少なすぎるとうま味が不
十分となる。カリウム成分の含有量は、6〜12重量
%、好ましくは8〜10重量%、より好ましくは8.5
〜9.5重量%である。カリウム成分の含有量が大きす
ぎると酸味が強くなり、少なすぎると、味のバランスが
くずれる。また、マグネシウム成分の含有量は、1〜4
重量%、好ましくは1.5〜3重量%であり、より好ま
しくは2〜2.5重量%である。マグネシウム成分の含
有量が多すぎると、苦みが増加し、少なすぎると味のバ
ランスが崩れる。本発明において、藻塩100g当たり
のヨウ素成分の含有量は、70〜170mg、好ましく
は100〜150mg、より好ましくは110〜140
mgである。ヨウ素成分の含有量が少なすぎると、いわ
ゆる天然風味が損なわれる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施例によりさら
に詳細に説明する。図1は、本発明の一実施例である藻
塩の製造装置を示す系統図である。図において、この装
置は、海水10の貯槽1と、該海水貯槽1に隣接するよ
うに設けられた循環水槽2と、該循環水槽2中の海水が
循環注水される藻枝条架3と、この循環注水によって得
られた鹹水11を濃縮する真空蒸発缶ユニット4と、得
られた濃縮鹹水12に藻灰17を溶解させる藻灰溶解槽
5と、得られた藻灰溶解鹹水を布ごしするフィルター装
置18と、得られた濾液を海藻エキス含有鹹水13とし
て貯留する貯留タンク19と、海藻エキス含有鹹水13
を煮詰める熱釜6と、該熱釜6から取り出した食塩と鹹
水との混合物から水分を分離する遠心脱水機7と、得ら
れた脱水塩14を加熱する焼塩釜8とから主として構成
されている。9は、海水10の循環ポンプ、20は、海
藻15を焼却する藻灰製造釜、16は製品である藻塩、
21は熱釜の燃料ガス、22は遠心分離機7の分離液で
ある。
【0019】このような構成において、海水10は、図
示省略したポンプによって汲み上げられて貯槽1に貯留
され、砂等の夾雑物が取り除かれたのち堰を乗り越えて
循環水槽2に流入する。循環水槽2に流入した海水10
は循環ポンプ9によって汲み上げられ藻枝条架3に上方
から注水、散布され、藻枝条架3の短冊条に多段に吊り
下げられた海藻、例えばホンダワラの表面を流下して循
環水槽2に流入する。このように循環水槽2と藻枝条架
3との間で循環された海水は藻枝条架3の前記海藻(ホ
ンダワラ)の表面を流下する間に水分が蒸発して塩濃度
が、例えば1.5〜3倍程度に濃縮されて鹹水11とな
る。鹹水11は、後流の真空蒸発缶ユニット4に導入さ
れ、ここで例えば40〜50torrの減圧下に真空蒸
発処理され、例えば塩濃度20%の濃縮鹹水12とな
る。濃縮鹹水12は、燃料ガス21として、例えばLP
Gを用いた藻灰製造釜20において焼却処理された海藻
15の灰(藻灰)17とともに藻灰溶解槽5に導入さ
れ、攪拌、混合により前記藻灰17に含まれるミネラ
ル、ヨード(ヨウ素)等を溶解する。藻灰を溶解した濃
縮鹹水は藻灰溶解槽5から流出し、フィルター装置18
で固形物が除去されたのち海藻エキス含有鹹水13とし
て貯留タンク19に蓄えられる。海藻エキス含有鹹水1
3は、燃料ガス21として、例えばLPGを用いる熱釜
6に導入されて、例えば100〜120℃で5時間煮詰
められ、食塩と鹹水との混合物(塩分約85%)とな
る。この混合物は後流の遠心脱水機7に導入され、ここ
で、例えば100〜400Gで脱水されて脱水塩(塩分
約98%)14が得られる。得られた脱水塩14は、燃
料ガス21として、例えばLPGを用いる焼塩釜8に導
入され、例えば500℃で3時間焼塩処理されて藻塩1
6となる。
【0020】本実施例において、海水10の藻枝条架3
への循環注水回数は、目的とする鹹水の塩濃度によって
適宜選択される。本実施例において、熱釜6および焼塩
釜8は複数台並列に設けることが好ましい。焼塩工程に
おいて、焼塩釜8に海藻を添加し、海藻の存在下に焼塩
操作を行ってもよい。
【0021】本実施例によれば、海水10を藻枝条架3
に循環注水し、塩分を濃縮して鹹水11としたことによ
り、前記藻枝条架3を形成する海藻に含まれる海藻エキ
スが海水に抽出されるとともに、得られた鹹水11を濃
縮した濃縮鹹水12に藻灰17を溶解させることによ
り、海藻に含まれるカリウム、ナトリウム、カルシウム
成分等が焼却されて生成した炭酸塩またはリン酸塩およ
びヨード(ヨウ素)が藻灰溶解鹹水13に移り、最終的
に藻塩16内に取り込まれるので、豊富なエキス、ミネ
ラルを含む藻塩が得られる。
【0022】得られた藻塩16は、海藻に含まれる多量
のエキスによって健康食品としての付加価値を有すると
ともに、食塩独特の舌を刺すような辛さがなく、まろや
かな舌触りとなる。従って、利用可能性が拡大し、また
摂取が容易となる。
【0023】図2は、本発明の他の実施例に用いられる
装置系統図である。この装置は、海水10を貯溜する海
水貯槽31と、鹹水製造装置としてのRO膜ユニット3
2および真空蒸発缶ユニット33と、乾燥藻39および
藻灰40を鹹水に浸漬させる浸漬槽34と、その後流の
フィルター装置35と、該フィルター装置35の後流に
順次設けられた煎熱釜36、遠心脱水機37および焼塩
釜38とから主として構成されている。
【0024】海水貯槽31に導入された海水10は、R
O膜ユニット32で塩分が、例えば5.6%まで濃縮さ
れたのち後流の真空蒸発缶ユニット33に流入し、ここ
で、例えば20〜60torrの減圧下にさらに濃縮さ
れて塩分約25%の鹹水となる。得られた鹹水は、浸漬
槽34に流入し、ここで、前記鹹水に、例えば木綿袋に
収容された、乾燥藻39としてのホンダワラおよびホン
ダワラを、例えば700℃で焼却した藻灰40が浸漬さ
れ、海藻中のエキスが抽出される。エキスを抽出した鹹
水はフィルター装置35で固形物、例えば海藻または藻
灰粉が除去されたのち、海藻エキス含有鹹水13として
後流の煎熱釜36に流入して、例えば100〜120℃
で5時間煮詰められ、食塩と鹹水を含む混合物となる。
この混合物は、後流の遠心脱水機37に導入され、ここ
で、例えば100〜400Gで脱水されて脱水塩(水分
約2%)14となる。得られた脱水塩14は、後流の焼
塩釜38に導入され、例えば500℃で3時間焼塩処理
されて藻塩16となる。
【0025】本実施例において、煎熱釜36に攪拌機を
設け、鹹水が常に均一となるように攪拌しつつ煮詰める
ことが好ましい。これによってカルシウム塩をはじめと
する析出し易い中性塩の釜内壁面への焼付けを回避する
ことができるので、藻塩の製造効率が向上する。本実施
例において、浸漬層34の代わりにスプレー塔を用い、
乾燥藻39および藻灰40に鹹水をスプレーして海藻エ
キスを抽出してもよい。
【0026】
【実施例】次に本発明の具体的実施例を説明する。 実施例1 図1の装置を用い、原海水量500リットルについて藻
枝条架における海水の循環量を500リットル/hrで
5回循環、真空蒸発缶内の圧力50torr、藻灰添加
量として、原海水量500リットル当たり、2kgの乾
燥海藻(ホンダワラ)を700℃で焼却した際に生成す
る藻灰を全量添加し、煮詰め温度110℃、脱水機の遠
心効果200G、焼塩温度500℃でバッチ処理したと
ころ、約9kgの藻塩が得られた。得られた藻塩の成分
分析結果を表1に示す。
【0027】
【表1】 表1から、得られた藻塩には、多くのミネラルとヨウ素
が含まれており、健康食品としても優れていることが分
かる。また食してみたところ、舌を刺すような食塩独特
の辛さがなく、まろやかな風味であった。
【0028】実施例2 図2の装置を用い、原海水量500リットルについて、
RO膜ユニットの浸透圧を、海水の浸透圧25気圧より
も高い、例えば30〜100気圧とし、真空蒸発缶内の
圧力を30torrとし、乾燥藻としてのホンダワラを
20kg、700℃で焼却したホンダワラの藻灰を1k
gとし、浸漬槽における浸漬時間を18時間とし、煎熱
釜の煮詰め温度110℃、遠心脱水機の遠心効果200
G、焼塩温度500℃としてバッチ処理したところ、9
0kgの藻塩が得られた。実施例2で得られた藻塩の成
分分析結果は、上記表1に示した実施例1の藻塩とほぼ
同様のものであり、食したところまろやかな風味であっ
た。
【0029】
【発明の効果】本願の請求項1記載の発明によれば、食
塩に海藻のエキスであるカルシウム成分、カリウム成
分、マグネシウム成分等のミネラルを取り込み、さらに
100g当たり70〜170mgのヨウ素成分を含ませ
たことにより、うま味があり、身体にとって有用な藻塩
となる。本願の請求項2記載の発明によれば、前記海藻
をホンダワラとしたことにより、上記発明の効果に加え
て、藻塩に、違和感のない自然な風味が加わる。
【0030】本願の請求項3記載の発明によれば、海水
と海藻とを繰り返し接触させて前記海水中の水分を蒸発
させることにより塩分が濃縮した鹹水を製造する鹹水製
造工程と、得られた鹹水を濃縮する鹹水の濃縮工程と、
濃縮した鹹水に海藻を焼却した藻灰を添加して溶解させ
る藻灰の溶解工程と、藻灰溶解鹹水を濾過して海藻エキ
ス含有鹹水とする濾過工程と、得られた海藻エキス含有
鹹水を煮詰める煮詰め工程と、該煮詰め工程で得られた
混合物から水分を分離する脱水工程と、該脱水工程で得
られた脱水塩を加熱して藻塩として回収する焼塩工程と
を有することにより、海藻中のエキスを多量に含んだ藻
塩が得られる。
【0031】本願の請求項4記載の発明によれば、鹹水
製造工程を、藻枝条架に海水を循環注水して塩分を濃縮
するものとしたことにより、上記発明の効果に加え、海
藻表面を流下する海水の水分が効果的に蒸発して塩濃度
の高い鹹水が得られるとともに、海藻中のエキスを鹹水
中に抽出させることができる。
【0032】本願の請求項5記載の発明によれば、海藻
エキス含有鹹水を製造するまでの工程を、海水を濃縮し
て鹹水を製造する鹹水製造工程と、得られた鹹水に海藻
および/または該海藻を焼却した藻灰を浸漬するか、ま
たは前記海藻および/または藻灰に前記鹹水をスプレー
して海藻エキスを抽出する抽出工程と、得られた海藻エ
キス抽出鹹水を濾過して海藻エキス含有鹹水とする濾過
工程としたことにより、上記発明の効果に加え、藻塩製
造工程の短縮化が図れる。
【0033】本願の請求項6記載の発明によれば、鹹水
製造工程が、逆浸透膜(RO膜)を用いた濃縮工程と真
空濃縮工程を含むことにより、上記発明の効果に加え、
鹹水の塩分濃度をより向上させることができる。
【0034】本願の請求項7記載の発明によれば、煮詰
め工程において、煮詰め液(海藻エキス含有鹹水)が均
一になるように攪拌することにより、上記発明の効果に
加え、煮詰め工程における容器内壁面への塩の焼き付き
が防止され、藻塩の生産率が向上する。
【0035】本願の請求項8記載の発明によれば、海藻
として乾燥が速いホンダワラを、藻灰としてホンダワラ
を800℃以下で焼成した藻灰を使用することにより、
ホンダワラ独特の風味を持った藻塩が得られるととも
に、藻塩のミネラル含有量が向上する。
【0036】本願の請求項9記載の発明によれば、海水
と海藻とを繰り返し接触させて前記海水中の水分を蒸発
させることにより塩分が濃縮した鹹水を製造する鹹水製
造手段と、得られた鹹水を濃縮する鹹水濃縮手段と、濃
縮した鹹水に海藻を焼却した藻灰を溶解させる藻灰溶解
手段と、藻灰溶解鹹水を濾過して海藻エキス含有鹹水と
する濾過手段と、得られた海藻エキス含有鹹水を煮詰め
る煮詰め手段と、該煮詰め手段から取り出した混合物を
脱水する脱水手段と、得られた脱水塩を加熱して藻塩と
して回収する焼塩手段とを有することにより、効率よく
藻塩を製造することができる。
【0037】本願の請求項10記載の発明によれば、鹹
水製造手段として、藻枝条架と該藻枝条架に海水を循環
注水する海水循環装置を用いたことにより、上記発明の
効果に加え、海藻表面を流下する海水の水分が効果的に
蒸発して塩濃度の高い鹹水が得られるとともに、海藻中
のエキスを鹹水中に抽出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である藻塩の製造装置を示す
系統図。
【図2】本発明の他の実施例に適用する装置系統図。
【符号の説明】
1…海水貯槽、2…循環水槽、3…藻枝条架、4…真空
蒸発缶ユニット、5…藻灰溶解槽、6…熱釜、7…遠心
脱水機、8…焼塩釜、9…循環ポンプ、10…海水、1
1…鹹水、12…濃縮鹹水、13…海藻エキス含有鹹
水、14…脱水塩、15…海藻(ホンダワラ)、16…
藻塩、17…藻灰、18…フィルター装置、19…貯留
タンク、20…藻灰製造釜、21…燃料ガス、22…分
離液、31…海水貯槽、32…RO膜ユニット、33…
真空蒸発缶ユニット、34…浸漬槽、35…フィルター
装置、36…煎熱釜、37…遠心脱水機、38…焼塩
釜、39…乾燥藻、40…藻灰。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食塩に海藻のエキスを取り込んだ藻塩で
    あって、カルシウム成分の含有量が0.5〜3重量パー
    セント、カリウム成分の含有量が6〜12重量パーセン
    ト、マグネシウム成分の含有量が1〜4重量パーセント
    で、しかも100g当たりヨウ素成分を70〜170m
    g含むことを特徴とする藻塩。
  2. 【請求項2】 前記海藻がホンダワラであることを特徴
    とする請求項1に記載の藻塩。
  3. 【請求項3】 海水と海藻とを繰り返し接触させて前記
    海水中の水分を蒸発させることにより塩分が濃縮した鹹
    水を製造する鹹水製造工程と、得られた鹹水を濃縮する
    鹹水の濃縮工程と、濃縮した鹹水に海藻を焼却した藻灰
    を添加して溶解させる藻灰の溶解工程と、藻灰溶解鹹水
    を濾過して海藻エキス含有鹹水とする濾過工程と、得ら
    れた海藻エキス含有鹹水を煮詰める煮詰め工程と、該煮
    詰め工程で得られた混合物から水分を分離する脱水工程
    と、該脱水工程で得られた脱水塩を加熱して藻塩として
    回収する焼塩工程とを有することを特徴とする藻塩の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記鹹水製造工程が、藻枝条架に海水を
    循環注水して塩分を濃縮するものであることを特徴とす
    る請求項3に記載の藻塩の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記海藻エキス含有鹹水を得るまでの工
    程に代えて、海水を濃縮して鹹水を製造する鹹水製造工
    程と、得られた鹹水に海藻および/または該海藻を焼却
    した藻灰を浸漬するか、または前記海藻および/または
    藻灰に前記鹹水をスプレーして海藻エキスを抽出する抽
    出工程と、得られた海藻エキス抽出鹹水を濾過して海藻
    エキス含有鹹水とする濾過工程を採用したことを特徴と
    する請求項3に記載の藻塩の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記鹹水製造工程が、逆浸透膜(RO
    膜)を用いた濃縮工程と真空濃縮工程を含むことを特徴
    とする請求項5に記載の藻塩の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記煮詰め工程において、煮詰め液が均
    一になるように攪拌することを特徴とする請求項3〜6
    の何れかに記載の藻塩の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記海藻としてホンダワラを、藻灰とし
    てホンダワラを800℃以下で焼却した藻灰を用いるこ
    とを特徴とする請求項3〜7の何れかに記載の藻塩の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 海水と海藻とを繰り返し接触させて前記
    海水中の水分を蒸発させることにより塩分が濃縮した鹹
    水を製造する鹹水製造手段と、得られた鹹水を濃縮する
    鹹水濃縮手段と、濃縮した鹹水に海藻を焼却した藻灰を
    溶解させる藻灰溶解手段と、藻灰溶解鹹水を濾過して海
    藻エキス含有鹹水とする濾過手段と、得られた海藻エキ
    ス含有鹹水を煮詰める煮詰め手段と、該煮詰め手段から
    取り出した混合物を脱水する脱水手段と、得られた脱水
    塩を加熱して藻塩として回収する焼塩手段とを有するこ
    とを特徴とする藻塩の製造装置。
  10. 【請求項10】 前記鹹水製造手段が、藻枝条架と該藻
    枝条架に海水を循環注水する海水循環装置を有すること
    を特徴とする請求項9に記載の藻塩の製造装置。
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