JPH11251755A - 多層配線基板 - Google Patents

多層配線基板

Info

Publication number
JPH11251755A
JPH11251755A JP10046018A JP4601898A JPH11251755A JP H11251755 A JPH11251755 A JP H11251755A JP 10046018 A JP10046018 A JP 10046018A JP 4601898 A JP4601898 A JP 4601898A JP H11251755 A JPH11251755 A JP H11251755A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
weight
containing compound
parts
terms
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10046018A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3798901B2 (ja
Inventor
Kazumasa Furuhashi
和雅 古橋
Seiichiro Hirahara
誠一郎 平原
Tatsuji Furuse
辰治 古瀬
Hideji Nakazawa
秀司 中澤
Hirofumi Toda
浩文 戸田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP04601898A priority Critical patent/JP3798901B2/ja
Publication of JPH11251755A publication Critical patent/JPH11251755A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3798901B2 publication Critical patent/JP3798901B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高周波回路基板としての誘電体特
性を満足し、しかも、反りや基板の変形のない多層配線
基板を提供する。 【解決手段】 複数の誘電体層の層間に、AgまたはC
uを主成分とする配線パターンを配置した多層配線基板
であって、前記誘電体層が、(1−x)MgTiO3
xCaTiO3 と表した時、前記xが0≦x≦0.2を
満足する誘電体材料に、該誘電体材料100重量部に対
して、B含有化合物をB2 3 換算で3〜20重量部、
アルカリ金属含有化合物をアルカリ金属炭酸塩換算で1
〜10重量部、Si含有化合物をSiO2 換算で0.0
1〜5重量部、さらにアルカリ土類金属含有化合物をア
ルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜2重量部が含有し
ている多層配線基板である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ波、ミリ
波等の高周波領域において、高いQ値を示す、高周波回
路の構成に適した多層配線基に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロ波やミリ波等の高周波領
域で動作する高周波回路は、マイクロストリップライン
を含む共振回路や所定周波数を抽出するフィルタ等など
が例示でき、誘電体基板に直接形成することがある。
【0003】近年においては、携帯電話装置などに見ら
れるように、小型化が希求され、誘電体基板を、多層配
線基板で形成していた。
【0004】また、製造方法としては、高周波回路を構
成する回路導体(内部配線パターンや表面配線パター
ン)を誘電体層間に配置して、基板と一体焼成してい
た。
【0005】このような多層配線基板の誘電体層として
は、焼成温度が1100℃以上という高温であったた
め、回路導体の材料としては、高融点金属であるPt、
Pd、W、Mo等が使用されていた。これら高融点の導
体材料は導通抵抗が大きいため、高周波回路基板には不
向きであった。即ち、共振回路やインダクタンスのQ値
が小さくなってしまい、導体線路の伝送損失が大きくな
る等の問題があった。
【0006】そこで、かかる問題点を解決すべく、導通
抵抗の小さいAg、Cu等などの回路導体を用いること
が考えられ、同時に、誘電体層を構成する材料として、
低温焼成の誘電体材料が提案されている。
【0007】例えば、本出題人は先にMgO、CaO、
TiO2 とB2 3 、Li2 CO3を有する誘電体磁器
組成物を提案した(特開平8−208330号公報参
照)。
【0008】この誘電体磁器組成物は、900〜105
0℃の比較的低温でAg、Cu等の回路導体と同時に焼
成でき、しかも、誘電体層の比誘電率εrを18以上、
測定周波数8GHzでのQ値(Qf値)が20000以
上、かつ共振周波数の温度係数τfが±40ppm以内
と優れた特性を達成することができる。これにより、高
周波回路を小型化、高性能化が実現できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−208330号公報に開示された誘電体磁器組成物
の焼結温度(900〜1050℃)は、AgやCuなど
と一体的焼結が可能な温度であるものの、若干高く、さ
らに焼結時の収縮開始温度が845〜960℃と比較的
高温であるため、AgゃCuなどの回路導体材料の収縮
挙動との整合性が得にくく、焼成された多層配線基板に
反りや歪みが発生するという問題があった。
【0010】これは、回路導体材料は、AgやCuを主
成分とするが、Ag、Cuに対してガラス成分やセラミ
ック成分、Pt、Pd等の金属を添加したものがあり、
焼成時における収縮開始温度が高くとも650℃程度で
あるため、上記誘電体磁器組成物の収縮開始温度との差
が大きくなってしまう。
【0011】本発明は上述の問題点に鑑みて案出された
ものであり、その目的は、高周波回路用の基板として諸
特性を満足し、しかも、焼結挙動が誘電体層間に配置し
たAgやCuなどの回路導体の焼結挙動と近似し、反り
や基板の変形がなく、小型化が可能な多層配線基板を提
供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の誘電体
層の層間に、AgまたはCuを主成分とする配線パター
ンを配して成る多層配線基板であって、前記誘電体層
は、一般式(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3
表した時、xが0≦x≦0.2を満足する該誘電体材料
100重量部に対して、B含有化合物をB2 3 換算で
3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物をアルカリ金
属炭酸塩換算で1〜10重量部、Si含有化合物をSi
2 換算で0.01〜5重量部、さらに、アルカリ土類
金属含有化合物をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1
〜2重量部を含有されている。
【0013】尚、上述の誘電体層には、誘電体材料10
0重量部に対して、さらにMn含有化合物をMnO2
算で0.1〜3重量部含有させることが好ましい。
【0014】
【作用】本発明の多層配線基板は、誘電体層として、金
属元素として少なくともMgおよびTiを含有し、これ
らのモル比による組成式を(1−x)MgTiO3 ・x
CaTiO3 で表した時、前記xが0≦x≦0.2を満
足する誘電体材料を主成分として、この誘電体材料10
0重量部に対して、B含有化合物をB2 3 換算で3〜
20重量部、アルカリ金属含有化合物をアルカリ金属炭
酸塩換算で1〜10重量部、Si含有化合物をSiO2
換算で0.01〜5重量部、さらにアルカリ土類金属含
有化合物をアルカリ土類金属酸化物換算で0.1〜2重
量部含有されて構成されている。また、主成分100重
量部に対して、さらにMn合有化合物をMnO2 換算で
0.1〜3重量部含有することが望ましい。
【0015】このような誘電体層間に、Agおよび/ま
たはCuを主成分とする回路導体を配置して多層基板が
達成される。
【0016】組成式(1−x)MgTiO3 ・xCaT
iO3 (0≦x≦0.2)で表される誘電体材料(主成
分)に、B含有化合物、アルカリ金属含有化合物、Si
含有化合物、アルカリ土類金属含有化合物を所定量添加
含有した誘電体層を用いることにより、比誘電率が18
〜20で、Qf値が20000〔GHz〕以上となり、
共振回路での共振周波数の温度変化が±40ppm/℃
以内となり、高周波回路を構成するのに適した特性とな
る。また、焼成温度が870〜920℃となり、収縮開
始温度が760〜830℃となり、多層配線基板の回路
導体としてAgやCuなどの低抵抗材料を用いることが
でき、しかも、収縮開始温度に近似させることができ、
誘電体層と回路導体とを同時焼結しても基板等の反り、
歪み等の発生を抑制することができる。
【0017】上述の組成式(1−x)MgTiO3 ・x
CaTiO3 (0≦x≦0.2)において、モル比率
(x)が0.2を越えると、温度係数係数が±40pp
m/℃から外れてしまい、安定した高周波動作が可能な
多層配線基板が達成されない。
【0018】また、誘電体材料に対して添加するB含有
化合物、例えばB2 3 は、主に焼結性を制御するもの
であり、添加量が3重量部未満では焼結しなくなる。ま
た、添加量が20重量部を越えるとQf値が劣化してし
まい、実用に適した範囲、例えば20000以上とする
ことができない。このQf値が20000以下となる
と、例えば、フィルタ特性のS/N比による損失が誘電
体材料による損失(誘電体損)が顕著となる。
【0019】また、主成分である誘電体材料に対して添
加するアルカリ金属含有化合物、例えばLi2 CO3
Na2 CO3 、K2 CO3 などは、主にQf値を200
00以上で安定させ、焼結性を制御するものであり、誘
電体材料100重量部に対して、アルカリ金属含有化合
物がアルカリ金属炭酸塩換算で6 〜7重量部で良好な結
果を示す。尚、その添加量が1重量部未満や10重量部
を越えたりすると、Qf値が20000 を下回る。
【0020】また、主成分である誘電体材料に対して添
加するSi含有化合物、例えばSiO2 は主に焼結開始
温度、収縮開始温度やQf値を制御するものであり、主
成分である誘電体材料100重量部に対して、Si含有
化合物をSiO2 換算で0.01重量部未満では、例え
ば、焼結開始温度が930℃と、AgやCuの融点に近
い温度で焼結が開始されてしまう。また、5重量部を越
えると、極端にQf値が劣化してしまう。
【0021】さらに主成分である誘電体材料に対して添
加するアルカリ土類金属含有化合物、例えばBaO、M
gO、SrOは、主に焼結開始温度の制御及び磁器組成
物のスラリー化を制御するものである。そして、主成分
である誘電体材料100重量部に対して、アルカリ土類
金属含有化合物をアルカリ土類金属酸化物換算が0.1
重量部未満では、焼結不足となり、また、5重量部を越
えると、Qf値が劣化するとともに、製造工程中のスラ
リー化が実用に適しない状態となる。例えば、スラリー
化させるための溶剤の量が通常の1.5倍〜2.0倍を
越える多量の溶剤が必要となる。
【0022】尚、主成分である誘電体材料に対して添加
するMn含有化合物は、主成分である誘電体材料100
重量部に対して、Mn合有化合物がMnO2 換算で0.
1重量部未満では、焼結温度が高くなり、3重量部を越
えると、温度係数が極端に劣化してしまう。
【0023】従って、本発明の多層配線基板の誘電層
が、組成式(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO
3 (0≦x≦0.2)で表される誘電体材料(主成分)
に、B含有化合物、アルカリ金属含有化合物、Si含有
化合物、アルカリ土類金属含有化合物を所定量添加含有
することにより、誘電体層と回路導体とを同時焼結して
も基板等の反り、歪み等の発生がなく、誘電体層の薄型
化するために必要な安定した粘度のスリップ材を簡単に
形成することもでき、共振回路、コンデンサ回路、フィ
ルタ回路などを多層基板内に内装することができ、しか
も、共振回路を構成するマイクロストリップ線路などを
小型化することができ、温度特性に優れた多層配線基板
となる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層基板を図面に
基づいて詳説する。
【0025】図1は、本発明に係る多層基板の断面図で
ある。図において、1は多層基板であり、5は電子部品
である。多層基板1は、複数の誘電体層1a〜1dと、
各誘電体層1a〜1d間に内装された所定回路導体(内
部配線パターン)2・・・が配置され、多層基板1の表
面には、所定回路導体(表面配線パターン)3が配置さ
れている。また、誘電体層1a〜1dの各誘電体層の厚
みには、ビアホール導体4が形成されている。
【0026】上述の誘電体層1a〜1dは、組成式(1
−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 (0≦x≦0.
2)で表される誘電体材料(主成分)に、B含有化合
物、アルカリ金属含有化合物、Si含有化合物、アルカ
リ土類金属含有化合物、Mn化合物が含有されて構成さ
れている。
【0027】内部配線パターン2、表面配線パターン3
及びビアホール導体4は、AgやCuなどを主成分とす
る低抵抗材料からなり、所定回路網や電子部品の搭載用
パッド、端子電極を構成するとともに、共振回路を構成
するマイクロストリップ線路やインダクタ導体、コンデ
ンサを形成するための平板容量電極、フィルタ回路を構
成するインダクタ導体、平板容量電極パターンなどとな
る。
【0028】このような高周波回路においては、導損
(導体膜による特性の損失)及び基板材料である誘電体
損(誘電体材料による特性の損失)を如何に小さくする
かが重要となる。上述の構造においては、配線パターン
2、3にAgやCuなどの低抵抗材料を用いることによ
り、導体損が小さくできる。
【0029】従って、誘電体層1a〜1dの誘電体材料
による誘電体損を小さくすることが重要となる。
【0030】多層配線基板は、内部配線パターン2、表
面配線パターン3、ビアホール導体4となる導体膜、導
体を形成した誘電体層1a〜1dとなる誘電体グリーン
シートが複数積層されて、同時焼結されて形成される。
【0031】即ち、誘電体層1a〜1dの誘電体諸特性
は、上述のグリーンシートを形成する際の所定誘電体磁
器材料の原料粉末によって規定される。
【0032】また、製造工程上、上述の原料粉末と有機
バインダ及び有機溶剤あるいは水とからなるスラリーが
安定して形成されることが必要となる。即ち、多量の溶
剤が必要となったり、経時的に粘度が変質しやすいもの
では、実用上問題となる。
【0033】ここで、スラリーには欠かせない有機バイ
ンダ及び溶剤は、低温短時間の焼成工程で完全に焼失さ
れなくてはならない。例えば、熱分解性に優れた有機バ
インダとしては、2級もし〈は3級炭素を有したブチル
アクリレート等のアルキルアクリレートおよびそれらに
対応するアルキルメタクリレートを主成分とするものが
例示できる。また、有機溶剤に対応してテトラエチレン
グリコールジアクリレート等のポリエチングリコールジ
アクリレートおよびそれらに対応するメタクリレートも
有効である。スリップ材の溶剤として水を使用する際に
は、有機バインダには前述の主成分に加え、水に対する
溶解性を上げるため親水性の官能基としてカルボキシル
基が付加することが多〈、酸価にして5以上の付加を行
うのが好ましい。尚、付加量が少ない場合は水への溶解
性、固形成分の粉末の分散性が悪くなる。
【0034】また、スリップ材の溶剤として有機溶剤を
使用する場合でも、シートにビアホール導体が形成され
る孔を形成するのに、フォトリソ技術(露光・現像)を
用いることがある。この場合、露光を可能にするために
光硬化可能なモノマー添加し、さらに、現像に対応して
有機バインダのアルカリ水溶液への溶解性を上げるため
親水性の官能機としてカルボキシル基が付加することが
多〈、酸価にして5以上の付加を行うのが好ましい。
【0035】多層配線基板は、上述のように誘電体層1
a〜1dとなるグリーンシートを作成し、該シートに、
各誘電体層の厚みを貫くビアホール導体4となる貫通孔
を形成し、この貫通孔に導体を充填し、該シート上に内
部配線パターン2となる導体や表面配線パターン3とな
るなる導体膜を、AgやCuを主成分とする導電性ペー
ストを用いて印刷形成する。
【0036】そして、このようにして得られたグリーン
シートを積層順に応じて、積層・圧着した後、脱バイン
ダー工程及び焼成工程からなる焼結処理により、誘電体
層及び導体膜とを同時焼結する。
【0037】尚、この焼結時としては、大気雰囲気中
で、例えば、ピーク温度800〜950℃で焼成する。
【0038】上述の原料粉末と有機バインダを溶剤と共
に混合しスラリー材を得るにあたり、水を溶剤として使
用した場合には、リチウムの水への溶解性が高いためリ
チウムが溶剤中へ溶出する。有機溶剤を使用した場合で
も粉末の表面に吸着した水分により不安定化したリチウ
ムが溶剤中へ溶出する。
【0039】リチウムが溶出した部分からは原料粉末の
他の成分もスラリー材の中に溶出する。例えば、原料う
ちのアルカリ土類金属であり、2価の陽イオンとなるM
g、Caは有機バインダ中のカルボキシル基と反応し、
カルボキシル基の量が酸価にして5以上の有機バインダ
の場合はスラリー材がゲル化したり、時間経過と共に粘
度が増加し、実用に耐えないスラリー材としてしまう。
【0040】これを防止するため、各種成分の組成を検
討することにより、添加物として加えるアルカリ土類金
属の量を制限することにより、実用範囲内で安定した粘
度を持つスラリー材を得ることができる。
【0041】
【実験例】本発明者は、多層配線基板の誘電体層となる
誘電体材料の特性を調べるために、原料として純度99
%以上の、MgTiO3 粉末、CaTiO3 粉末、B2
3 粉末、アルカリ金属炭酸塩粉末(Li2 CO3 、N
2 CO3 、K2 CO3 )、SiO2 粉末、MnO2
末、さらにアルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、
Sr、BaO)を含むガラスフリットを、表1に示す割
合となるように秤量し、純水を媒体とし、ZrO2 ボー
ルを用いたボールミルにて20時間湿式混合した。
【0042】次にこの混合物を乾燥(脱水)し、800
℃で1時間板焼した。さらに、仮焼物を、粉砕粒径が
1.0μm以下になるように粉砕した。この粉末に、メ
タクリレートとメタクリル酸を共重合させ酸価を50と
したバインダを粉末に対して15wt%、DOPを可塑
剤として4wt%、溶剤として3メトキシブチルアセテ
ートを加え、40時間ボールミルで混合して、スリップ
材を作成し、ドクターブレード法により成形しテープを
得た。また前記粉砕後の粉末を誘電特性評価用の試料と
して直径10mm高さ8mmの円柱状に1ton/cm
2 の圧力でプレス成型し、これを表1に示す温度で2時
間焼成し、直径8mm、高さ6mmの円柱状の試料を得
た。誘電特性の評価は、前記試料を用いて誘電体円柱共
振器法にて周波数8GHzにおける比誘電率とQ値を測
定した。Q値と測定周波数fとの積で表されるQf値を
記載した。さらに、−40〜+85℃の温度範囲におけ
る共振周波数の温度係数τf〔ppm/℃〕を測定し
た。
【0043】尚、評価項目として、焼成温度はAgやC
uの導体膜との焼結挙動を考慮して、焼成温度を870
〜920℃に、収縮開始温度を760〜830℃を良品
とし、また、比誘電率は18〜20を良品とし、Qf値
が20000〔GHz〕以上を良品とし、温度係数を±
40ppm/℃以内を良品とした。また、スラリー化に関し
ては、多量の溶剤を必要とすることなく、また、粘度の
変質やゲル化することがなく、安定したシート成型がで
きるものを良品とした。
【0044】
【表1】
【0045】これらの表1から、本発明の多層基板用誘
電体磁器組成物では、(1−x)MgTiO3 ・xCa
TiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する該
誘電体材料100重量部に対して、B含有化合物をB2
3 換算で3〜20重量部、アルカリ金属含有化合物を
アルカリ金属炭酸塩換算で1〜10重量部、Si含有化
合物をSiO2 換算で0.01〜5重量部、アルカリ土
類金属含有化合物をアルカリ土類金属酸化物換算で0.
1〜2重量部とすることにより、比誘電率が18〜2
0、Qf値が20000〔GHz〕以上、かつ、共振周
波数の温度係数τfが±40ppm/℃以内の優れた誘
電特性を有するとともに、760〜830℃で焼結収縮
が開始し、920℃以下で焼成が可能な優れたものとす
ることができる。
【0046】尚、表1のアルカリ金属化合物の欄におい
て、Li、Na、Kと記載したが、これはLi2
3 、Na2 CO3 、K2 CO3 の意味であり、また、
アルカリ土類金属化合物の欄において、Mg、Ba、C
a、Srと記載したが、これは、MgO、CaO、Sr
O、BaOの意味である。
【0047】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
組成式(1−x)MgTiO3 ・xCaTiO3 で表さ
れる主成分に、B含有化合物、アルカリ金属合有化合
物、Si含有化合物、さらにアルカリ土類金属合有化合
物を含有することにより、焼成温度を870〜920
℃、収縮開始温度を760〜830℃とすることが可能
となるため、AgやCu等の回路導体と同時に焼成で
き、回路導体の収縮挙動の不整合から発生する基板等の
反りや歪みを抑制することができる。
【0048】また、高周波領域において、高い比誘電率
(18〜20)と高いQf値(20000以上)となる
ため、高周波回路の小型・高性能化が実現できる。
【0049】、また、温度特性にも優れた実用に適した
シート化が可能な多層配線基板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多層基板の断面図である。
【符号の説明】
1・・・多層基板 2・・・内部配線導体 3・・・表面配線導体 4・・・ビアホール導体 5・・・電子部品
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中澤 秀司 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 戸田 浩文 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の誘電体層の層間に、AgまたはC
    uを主成分とする配線パターンを配して成る多層配線基
    板であって、 前記誘電体層は、一般式(1−x)MgTiO3 ・xC
    aTiO3 と表した時、xが0≦x≦0.2を満足する
    該誘電体材料100重量部に対して、 B含有化合物をB2 3 換算で3〜20重量部、 アルカリ金属含有化合物をアルカリ金属炭酸塩換算で1
    〜10重量部、 Si含有化合物をSiO2 換算で0.01〜5重量部、
    さらに、アルカリ土類金属含有化合物をアルカリ土類金
    属酸化物換算で0.1〜2重量部を含有されていること
    を特徴とする多層配線基板。
JP04601898A 1998-02-26 1998-02-26 多層配線基板 Expired - Fee Related JP3798901B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04601898A JP3798901B2 (ja) 1998-02-26 1998-02-26 多層配線基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04601898A JP3798901B2 (ja) 1998-02-26 1998-02-26 多層配線基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11251755A true JPH11251755A (ja) 1999-09-17
JP3798901B2 JP3798901B2 (ja) 2006-07-19

Family

ID=12735320

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04601898A Expired - Fee Related JP3798901B2 (ja) 1998-02-26 1998-02-26 多層配線基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3798901B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284807A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Kyocera Corp 回路基板
JP2002314028A (ja) * 2001-04-17 2002-10-25 Iep Technologies:Kk 半導体装置並びにその製造方法および実装構造
JP2007173857A (ja) * 2007-02-13 2007-07-05 Kyocera Corp 多層基板およびその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001284807A (ja) * 2000-03-29 2001-10-12 Kyocera Corp 回路基板
JP2002314028A (ja) * 2001-04-17 2002-10-25 Iep Technologies:Kk 半導体装置並びにその製造方法および実装構造
JP2007173857A (ja) * 2007-02-13 2007-07-05 Kyocera Corp 多層基板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3798901B2 (ja) 2006-07-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5056528B2 (ja) 絶縁体セラミック組成物およびそれを用いた絶縁体セラミック
US6403200B2 (en) Insulator ceramic composition
JP3223199B2 (ja) 多層セラミック部品の製造方法および多層セラミック部品
JP5076907B2 (ja) フォルステライト粉末の製造方法、フォルステライト粉末、フォルステライト焼結体、絶縁体セラミック組成物、および積層セラミック電子部品
JP5742373B2 (ja) 誘電体磁器、誘電体磁器の製造方法及び誘電体磁器製造用粉末の製造方法
JP2001247360A (ja) 絶縁体磁器、セラミック多層基板、セラミック電子部品及び積層セラミック電子部品
JP2002104870A (ja) 誘電体磁器および積層体
JP3680715B2 (ja) 絶縁体磁器組成物
JP3860687B2 (ja) 誘電体磁器および積層体
JP3130214B2 (ja) 積層型セラミックチップコンデンサ
JP3798901B2 (ja) 多層配線基板
JP4506090B2 (ja) 誘電体セラミックおよび積層セラミックコンデンサ
JP3934841B2 (ja) 多層基板
JP2001284807A (ja) 回路基板
JP2021153105A (ja) 積層電子部品
JP4691978B2 (ja) 誘電体組成物の製造方法
JP3764605B2 (ja) 回路基板の製法
JP3372061B2 (ja) 高周波誘電体材料ならびに共振器およびその製造方法
JP3373436B2 (ja) セラミック積層電子部品
JP2003306377A (ja) 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品
JP3697975B2 (ja) 誘電体磁器組成物、セラミック多層基板、セラミック電子部品及び積層セラミック電子部品
JP2001284818A (ja) 回路基板およびその製法
JP2003026472A (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法、積層セラミック電子部品および積層セラミック電子部品製造用の生の複合積層体
JP4057853B2 (ja) ガラスセラミック焼結体および多層配線基板
JP4618856B2 (ja) 低温焼成磁器

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050613

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050811

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051011

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060421

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090428

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100428

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110428

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120428

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees