JP2003306377A - 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品 - Google Patents

誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品

Info

Publication number
JP2003306377A
JP2003306377A JP2002111577A JP2002111577A JP2003306377A JP 2003306377 A JP2003306377 A JP 2003306377A JP 2002111577 A JP2002111577 A JP 2002111577A JP 2002111577 A JP2002111577 A JP 2002111577A JP 2003306377 A JP2003306377 A JP 2003306377A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
main phase
phase
electronic component
ceramic electronic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002111577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4146152B2 (ja
Inventor
Kazumi Kaneda
和巳 金田
Keizo Kawamura
敬三 川村
Yuichi Kasuya
雄一 粕谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Yuden Co Ltd
Original Assignee
Taiyo Yuden Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Yuden Co Ltd filed Critical Taiyo Yuden Co Ltd
Priority to JP2002111577A priority Critical patent/JP4146152B2/ja
Publication of JP2003306377A publication Critical patent/JP2003306377A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4146152B2 publication Critical patent/JP4146152B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯電話等の電子機器は小型化が求められて
いることと、高周波が使用されていることから、これら
の電子機器で使用されるセラミック電子部品としてはで
きるだけ小さくて高周波特性の良いものが望まれてい
る。 【解決手段】 この発明に係るセラミック電子部品は、
誘電体層が主相とガラス相とを有する誘電体磁器からな
り、該主相は誘電特性を発現する誘電体成分からなり、
該誘電体成分にはBiが固溶しており、該主相及び/又
は該ガラス相にはAgが固溶している。ここで、前記主
相は例えばxBaO・yTiO・zNd で表さ
れる成分で形成することができ、前記BiはBi
換算で前記主相の12〜24wt%の範囲が好ましく、
前記AgはAgO換算で前記主相の1〜4wt%の範
囲が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばフィル
タ、コンデンサ、デュプレクサ、共振器等のセラミック
電子部品、特に高周波用のセラミック電子部品とこれに
用いられている誘電体磁器組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】フィルタ、コンデンサ、デュプレクサ、
共振器等のセラミック電子部品は、一般に、電極材料と
誘電体磁器とを所定の積層構造に形成し、これらを一体
的に焼結させて製造されている。積層構造をとること
で、小型でありながら高性能の積層セラミック電子部品
を実現することが可能になる。
【0003】セラミック電子部品の代表例としてはチタ
ン酸バリウム系の誘電体磁器とNi金属の電極材料とを
積層構造に形成し、これらを高温で一体的に焼結させて
形成した小型・大容量の積層セラミックコンデンサがあ
る。
【0004】ところで、近年、高周波を利用した移動体
通信機器が広く使用されてきており、そのため、高周波
用のセラミック電子部品の高性能化が求められている。
【0005】高周波用のセラミック電子部品の特性は、
まず、誘電体層の材料として使用される誘電体磁器の誘
電特性に大きく影響される。高周波用のセラミック電子
部品の誘電体層の材料として使用される誘電体磁器とし
ては、BaO−TiO 系誘電体磁器、BaO−Nd
−TiO 系誘電体磁器、MgTiO −C
aTiO 系誘電体磁器などが知られている。
【0006】また、高周波用のセラミック電子部品の電
気特性は、内部電極の材料として使用される金属の導電
性にも影響される。すなわち、マイクロ波用積層セラミ
ック電子部品の内部電極の材料としては導電性の良い金
属が好ましい。そして、導電性の良い金属としてはA
g,Cu等が挙げられる。
【0007】しかし、Ag,Cu等の金属は融点が低
く、900〜1050℃という低温で焼結させる必要が
あるのに対し、高周波用のセラミック電子部品の誘電体
層の材料として使用されている前記誘電体磁器は焼結温
度が1200℃以上とかなり高い。このため、誘電体層
と内部電極とを一体的に焼成して焼結させることができ
ず、このままではAg,Cu等の金属を内部電極の材料
として使用することはできない。
【0008】Ag,Cu等の金属を高周波用のセラミッ
ク電子部品の内部電極の材料として使用できるようにす
るためには、誘電体層の材料として使用されている前記
誘電体磁器の焼結温度を900〜1050℃程度にしな
ければならない。
【0009】一般に、誘電体磁器の焼結温度を下げる方
法の一つとして、誘電体磁器中にガラス成分を添加する
方法がある。従来の誘電体磁器の焼結温度は上述したよ
うに1200℃以上と高いので、この誘電体磁器の焼結
温度を900〜1050℃程度まで下げるためにはガラ
ス成分をかなり多量に添加しなければならない。
【0010】しかし、高周波用のセラミック電子部品の
誘電体層の材料として使用されている誘電体磁器中にガ
ラス成分を多量に添加すると誘電体磁器が本来有してい
る誘電特性が低下し、所望の誘電特性が得られなくなっ
てしまう。
【0011】そこで、Ag,Cu等と一体焼成できる程
度の低い温度で焼結させることができ、しかも、誘電特
性を発現している主相が本来有している誘電特性を充分
に引き出すことができる誘電体磁器が求められ、そのよ
うな誘電体磁器として、例えば、特開2000−583
67、特開2001−31468、特開2001−31
470等で公開されたものが提案されている。
【0012】特開2000−58367で公開された積
層セラミック電子部品は、誘電体層と内部電極とを積層
してなる素体と、該素体の外部に形成され且つ該内部電
極に電気的に接続された外部電極とを備え、前記誘電体
層は主相とガラス相とを有する誘電体磁器からなり、該
主相は誘電特性を発現する成分からなり、該ガラス相に
はAgが固溶している。
【0013】ここで、前記主相がBaO−xTiO
表わされる成分からなる場合、xは3.47〜5.71
が好ましい。また、前記主相がBaO−yNd
zTiOで表わされる成分からなる場合、yは0.6
5〜1.42、zは2.29〜5.42が好ましい。
【0014】この発明によれば、ガラス相にAgを固溶
させたので、焼成時におけるガラスの粘性が低下し、よ
り低い焼成温度での焼結が可能となり、焼結温度の高い
誘電材料(主相)をその誘電特性を低下させることなく
低い温度で焼結させることができ、従って、導電性の良
いAg,Cu等を内部電極の材料として使用することが
でき、その結果、高周波特性の良い積層セラミック電子
部品を提供することができる。
【0015】特開2001−31468で公開された誘
電体磁器組成物は、一般式xBaO・yNd・z
TiO(ただし、6≦x≦23、13≦y≦30、6
4≦z≦68、x+y+z=100の関係を有する)で
表される主成分に対して、副成分としてCu酸化物をC
uO換算にて0.1〜3.0重量%、Zn酸化物をZn
O換算にて0.1〜4.0重量%、B酸化物をB
換算にて0.1〜3.0重量%、Agを0.3〜1.5
重量%の範囲で含有したものからなる。
【0016】この発明によれば、所定の組成範囲にある
BaO−Nd−TiO系主成分とともに、Cu
酸化物、Zn酸化物、B酸化物およびAgが含有される
ので、誘電特性を低下させることなく、AgまたはAg
を主成分とする合金の融点以下で焼結可能な誘電体磁器
組成物が得られる。
【0017】これにより、低抵抗であるAgやAg合金
のような融点の低い金属を内部導体として電子部品を構
成することが可能となり、結果として高周波デバイスの
諸特性の向上、小型化、低コスト化が可能となる。
【0018】さらに、副成分として含有されるAgが、
内部導体から誘電体内へのAg拡散を抑制するので、誘
電特性の不均一性が防止され、かつ、内部導体と誘電体
間の空隙の発生や、内部導体の外部接続部位における引
き込み発生が防止される。
【0019】特開2001−31470で公開された誘
電体磁器組成物は、一般式xBaO・yNd・z
TiO(ただし、6≦x≦23、13≦y≦30、6
4≦z≦68、x+y+z=100の関係を有する)で
表される主成分に対して、副成分としてCu酸化物をC
uO換算にて0.1〜3.0重量%、ガラス組成物を
2.0〜10重量%、Agを0.3〜1.5重量%の範
囲で含有するものとし、上記のガラス組成物は以下の組
成の範囲にあるものとする。
【0020】5重量%≦SiO≦15重量% 15重
量%≦B≦25重量% 50重量%≦(Mg+B
aO+SrO+ZnO+CaO)≦80重量% 90重
量%≦(SiO+B+MgO+BaO+SrO
+ZnO+CaO)≦100重量%
【0021】この発明によれば、所定の組成範囲にある
BaO−Nd−TiO系主成分とともに、Cu
酸化物、所定の組成範囲にあるガラス組成物およびAg
が含有されるので、誘電特性を低下させることなく、A
gまたはAgを主成分とする合金の融点以下で焼結可能
な誘電体磁器組成物が得られる。
【0022】これにより、低抵抗であるAgやAg合金
のような融点の低い金属を内部導体として電子部品を構
成することが可能となり、結果として高周波デバイスの
諸特性の向上、小型化、低コスト化が可能となる。
【0023】さらに、副成分として含有されるAgが、
内部導体から誘電体内へのAg拡散を抑制するので、誘
電特性の不均一性が防止され、かつ、内部導体と誘電体
間の空隙の発生や、内部導体の外部接続部位における引
き込み発生が防止される。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年におけ
る電子回路の小型化、高密度化の流れはとどまるところ
がなく、高周波用のセラミック電子部品についても更な
る小型化が求められ、小型化のための種々の工夫が回路
設計上においてなされている。
【0025】また、高周波用のセラミック電子部品の小
型化に関しては積層セラミック電子部品で使用されてい
る誘電体磁器組成物の誘電率の大きさも大きく影響して
おり、誘電率が大きい方がセラミック電子部品を小型化
し易いので、ここで使用される誘電体磁器組成物の更な
る高誘電率化が求められている。
【0026】この発明は、従来よりも更に小型化した高
周波用のセラミック電子部品とこれに用いることのでき
る高誘電率の誘電体磁器組成物を提供することを目的と
する。
【0027】
【課題を解決するための手段】この発明に係る誘電体磁
器組成物は主相とガラス相とからなり、該主相は誘電特
性を発現する誘電体成分からなり、該誘電体成分にはB
iが固溶し、該主相及び/又は該ガラス相にはAgが固
溶しており、この発明に係るセラミック電子部品は、誘
電体層と内部電極とを積層してなる素体と、該素体の外
部に形成され且つ該内部電極に電気的に接続された外部
電極とを備え、前記誘電体層は前記誘電体磁器組成物か
らなるものである。
【0028】ここで、誘電特性を発現する主相としては
BaO−TiO−Ndで表される成分を使用す
ることができる。この場合、BaO−TiO−Nd
系の成分をxBaO−yTiO−zNd
で表わした場合、xは12≦x≦19、yは64≦y≦
74、zは9≦z≦19の範囲が好ましい。
【0029】xを12≦x≦19の範囲としたのは、x
が12未満になると所望の誘電率が得られなくなった
り、焼結性が低下し、xが19を越えると電気特性であ
るτfが+側に大きくシフトしたり、所望のQ値が得ら
れなくなるからである。
【0030】yを64≦y≦74の範囲としたのは、y
が64未満になると電気特性であるτfが−側にシフト
したり、所望のQ値が得られなくなり、yが74を越え
ると焼結性が低下したり、電気特性であるτfが+側に
シフトしてしまうからである。
【0031】zを9≦z≦19の範囲としたのは、zが
9未満になると電気特性であるτfが+側にシフトした
り、所望のQ値が得られなくなり、zが19を越えると
所望の誘電率が得られず、所望のQ値が得られなくな
り、また焼結性が低下するからである。
【0032】また、主相にはBiがBi換算で1
2〜24wt%の割合で固溶されている。BiがBi
換算で12wt%未満になると所望の誘電率が得ら
れず、24wt%を超えると焼結性が低下し、所望の誘
電率が得られず、またQが低くなるからである。
【0033】また、AgはAgO換算で主相の1〜4
wt%含有されているのが好ましい。Agが主相の1w
t%未満になると焼結性が低下し、内部電極端部に空隙
ができ、Agが主相の4wt%を越えるとAgが析出し
て絶縁抵抗IRが劣化するからである。
【0034】また、前記ガラス相は前記主相の5〜12
wt%含有されているのが好ましい。ガラス相が主相の
5wt%未満になると焼結できなくなり、12wt%を
越えると所望の誘電率が得られず、Qが悪化してしまう
からである。
【0035】また、PbはPbO換算で主相の5wt%
以下であれば含有されていてもよい。Pbを添加しなく
ても所望の誘電体磁器組成物は得られるが、Pbが主相
の5wt%を超えるとτfが大きくシフトしてしまうか
らである。
【0036】また、CuはCuO換算で主相の0〜2w
t%含有されていてもよい。Cuを添加しなくても所望
の誘電体磁器組成物は得られるが、Cuが主相の2wt
%を超えるとτfが−側に大きくシフトしてしまうから
である。
【0037】なお、Ba,Ti,Nd,Bi,Pbは主
相の成分であるが、焼成によりこれらの成分がガラス相
に拡散する可能性があるので、これらの成分がガラス相
に微量含まれていてもよい。
【0038】
【実施例】実施例1 まず、主相形成成分として、Ba
O、TiO、Nd、Bi ,PbOを表
1の試料番号1〜6に示す配合割合で各々秤量した。こ
こで、Biは0〜30wt%の範囲で変化させ
た。また、各化合物は純度99.0%以上のものを使用
した。
【0039】
【表1】
【0040】次に、これらの化合物を水とともにボール
ミルに入れ、湿式で15時間攪拌混合し、得られた泥漿
をバットに空け、乾燥機に入れて150℃で24時間乾
燥した。そして、得られた乾燥物を粉砕機で粉砕して3
25メッシュの粉体とし、この粉体を大気中において1
050℃で2時間仮焼して誘電特性を発現する主相の成
分粉末を得た。
【0041】また、ガラス形成成分として、B
:SiO:ZnO =1:5:4のホウケイ酸亜鉛
ガラスとCuO及びAgOを表1の試料番号1〜6に
示す配合割合で各々秤量した。ここで、各化合物は純度
99.0%以上のものを使用した。
【0042】次に、前記主相形成成分の粉末とガラス形
成成分の粉末を水とともにボールミルに入れ、湿式で1
5時間混合し、得られた泥漿をバットに空け、乾燥機に
入れて150℃で24時間乾燥した。そして、得られた
乾燥物を粉砕機で粉砕して325のセラミック粉体と
し、このセラミック粉体を有機バインダとともにボール
ミルに入れて混合し、磁器原料のスラリーを作成した。
【0043】次に、このスラリーを真空脱泡機に入れて
脱泡し、このスラリーをリバースロールコータに入れ、
ポリエステルフィルム上にこのスラリーからなる薄膜を
形成し、この薄膜をポリエステルフィルム上で加熱して
乾燥させ、打ち抜いて所定の大きさのグリーンシートを
得た。
【0044】一方、銀粉末を主成分とする内部電極用の
導電性ペーストを形成し、上記グリーンシートにこの導
電性ペーストからなる50個の導電パターンを印刷し、
乾燥させた。
【0045】次に、上記導電パターンの印刷面を上にし
て複数枚のグリーンシートを積層した。この際、隣接す
る上下のシートにおいて、その印刷面がパターンの長手
方向に約半分程ずれるように配置した。更に、この積層
物の上下両面に導電パターンの印刷の施されていないグ
リーンシートを積層した。そして、この積層物を厚さ方
向に圧力を加えて圧着させ、その後、この積層物を導電
パターン毎に裁断し、チップ状の積層体50個を得た。
【0046】次に、この積層チップを電気炉に入れ、大
気雰囲気中において930℃で3時間焼成し、チップ状
の素体を得た。そして、このチップ状の素体の端部に一
対の外部電極を焼き付け、積層セラミックコンデンサを
得た。
【0047】次に、この積層セラミックコンデンサの電
気特性(εr,Q,τf)を測定したところ、表2に示
す通りであった。
【0048】
【表2】
【0049】表1,2に示す結果から、試料番号3〜5
に示すように主相に対するBiの割合がBi換算
で12〜24wt%の場合は所望の焼結性及び電気特性
のものが得られるが、試料番号1,2に示すように主相
に対するBiの割合がBi換算で12wt%未満
になると所望の誘電率のものが得られなくなり、試料番
号6に示すように主相に対するBiの割合がBi
換算で24wt%を超えると930℃の焼成で所望の密
度に焼結せず、所望の誘電率及び所望のQのものが得ら
れなくなることがわかる。
【0050】実施例2 表3に示すようにAgOの
添加量及びCuOの添加量を変化させた以外は実施例1
と同様の条件で同様の実験をしたところ、表4に示すよ
うな結果が得られた。
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】表3,4に示す結果から、試料番号9〜1
2に示すように主相に対するAgの割合がAgO換算
で1〜4wt%の場合は所望の焼結性及び電気特性のも
のが得られるが、試料番号7,8に示すように主相に対
するAgの割合がAgO換算で1wt%未満になると
930℃の焼成で所望の密度に焼結せず、内部電極端部
に空隙ができ、試料番号13に示すように主相に対する
Agの割合がAgO換算で4wt%を超えるとIRが
劣化することがわかる。
【0054】実施例3 表5に示すようにPbOの添
加量を変化させた以外は実施例1と同様の条件で同様の
実験をしたところ、表6に示すような結果が得られた。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】表5,6に示す結果から、試料番号19〜
22に示すように主相に対するPbの割合がPbO換算
で0〜5wt%の場合は所望の焼結性及び電気特性のも
のが得られるが、試料番号23に示すように主相に対す
るPbの割合がPbO換算で5wt%を超えるとτfが
大きくシフトすることがわかる。
【0058】実施例4 表7に示すようにガラスの添
加量を変化させた以外は実施例1と同様の条件で同様の
実験をしたところ、表8に示すような結果が得られた。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】表7,8に示す結果から、試料番号26〜
28に示すように主相に対するガラスの割合が5〜12
wt%の場合は所望の焼結性及び電気特性のものが得ら
れるが、試料番号24、25に示すように主相に対する
ガラスの割合が5wt%未満になると930℃の焼成で
所望の密度に焼結せず、試料番号29に示すように主相
に対するガラスの割合が12wt%を超えると所望の誘
電率及び所望のQのものが得られなくなることがわか
る。
【0062】実施例5 表9に示すように主相形成成
分であるBaO,TiO,Ndの割合を変化さ
せた以外は実施例1と同様の条件で同様の実験をしたと
ころ、表10に示すような結果が得られた。
【0063】
【表9】
【0064】
【表10】
【0065】表9,10に示す結果から、試料番号31
〜33に示すようにxが12〜19の場合は所望の焼結
性及び電気特性のものが得られるが、試料番号30に示
すように、xが12未満になると所望の誘電率のものが
得られなくなったり、930℃の焼成で所望の密度に焼
結せず、試料番号34に示すように、xが19を越える
と電気特性であるτfが+側に大きくシフトしたり、所
望のQ値のものが得られなくなることがわかる。
【0066】また、表9,10に示す結果から、試料番
号36,37に示すようにyが64〜74の場合は所望
の焼結性及び電気特性のものが得られるが、試料番号3
5に示すように、yが64未満になると電気特性である
τfが−側にシフトしたり、所望のQ値のものが得られ
なくなり、試料番号38に示すように、yが74を越え
ると930℃の焼成で所望の密度に焼結せず、電気特性
であるτfが+側にシフトすることがわかる。
【0067】また、表9,10に示す結果から、試料番
号40,41に示すようにzが9〜19の場合は所望の
焼結性及び電気特性のものが得られるが、試料番号39
に示すように、zが9未満になると電気特性である所望
のQ値のものが得られなくなったり、τfが+側にシフ
トし、試料番号42に示すように、zが19を越えると
所望の誘電率や所望のQ値のものが得られなくなり、9
30℃の焼成で所望の密度に焼結しなくなることがわか
る。
【0068】
【発明の効果】この発明は、誘電体層を形成している誘
電体磁器組成物の主相にBi換算で12〜24重
量%のBiが固溶しているので、誘電体磁器組成物の誘
電率が従来のものより高くなり、その結果、従来より小
型のセラミック電子部品を得ることができるという効果
がある。
【0069】また、この発明によれば、ガラス相にAg
が固溶しているので、焼成時におけるガラスの粘度が低
下し、より低い焼成温度での焼結が可能となり、焼結温
度の高い誘電体材料(主相)をその誘電特性を低下させ
ることなく低い温度で焼結させることができ、従って、
導電性の良いAg,Cu等を内部電極の材料として使用
することができ、その結果、高周波特性の良いセラミッ
ク電子部品を得ることができるという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 粕谷 雄一 東京都台東区上野6丁目16番20号 太陽誘 電株式会社内 Fターム(参考) 4G031 AA06 AA07 AA11 AA24 AA25 AA32 AA35 BA09 CA03 CA05 5E001 AB03 AE02 AE03 AH01 AH06 AH09 AJ01 AJ02 5G303 AA02 AB06 AB15 BA12 CA01 CA03 CB03 CB05 CB11 CB22 CB25 CB35 CB43

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主相とガラス相とを有する誘電体磁器か
    らなり、該主相は誘電特性を発現する誘電体成分からな
    り、該誘電体成分にはBiが固溶し、該主相及び/又は
    該ガラス相にはAgが固溶していることを特徴とする誘
    電体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 前記主相がxBaO・yTiO・zN
    で表される成分からなり、xが12≦x≦1
    9、yが64≦y≦74、zが9≦z≦19であり、B
    iがBi換算で前記主相の12〜24wt%の割
    合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の
    誘電体磁器組成物。
  3. 【請求項3】 AgがAgO換算で前記主相の1〜4
    wt%の割合で含有されていることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の誘電体磁器組成物。
  4. 【請求項4】 前記ガラス相が前記主相の5〜12wt
    %の割合で含有されていることを特徴とする請求項1〜
    3のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
  5. 【請求項5】 前記主相にPbが固溶していることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体磁器組
    成物。
  6. 【請求項6】 PbがPbO換算で前記主相の5wt%
    以下の割合で含有されていることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
  7. 【請求項7】 前記ガラス相にCuが固溶していること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体磁
    器組成物。
  8. 【請求項8】 CuがCuO換算で前記主相の2wt%
    以下の割合で含有されていることを特徴とする請求項1
    〜7のいずれかに記載の誘電体磁器組成物。
  9. 【請求項9】 誘電体層と内部電極とを積層してなる素
    体と、該素体の外部に形成され且つ該内部電極に電気的
    に接続された外部電極とを備え、前記誘電体層は主相と
    ガラス相とを有する誘電体磁器からなり、該主相は誘電
    特性を発現する誘電体成分からなり、該誘電体成分には
    Biが固溶し、該主相及び/又は該ガラス相にはAgが
    固溶していることを特徴とするセラミック電子部品。
  10. 【請求項10】 前記主相がxBaO・yTiO・z
    Ndで表される成分からなり、xが12≦x≦1
    9、yが64≦y≦74、zが9≦z≦19であり、B
    iがBi換算で前記主相の12〜24wt%の割
    合で含有されていることを特徴とする請求項9に記載の
    セラミック電子部品。
  11. 【請求項11】 AgがAgO換算で前記主相の1〜
    4wt%の割合で含有されていることを特徴とする請求
    項9又は10に記載のセラミック電子部品。
  12. 【請求項12】 前記ガラス相が前記主相の5≦ガラス
    ≦12wt%の割合で含有されていることを特徴とする
    請求項9〜11のいずれかに記載のセラミック電子部
    品。
  13. 【請求項13】 前記主相にPbが固溶していることを
    特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のセラミッ
    ク電子部品。
  14. 【請求項14】 PbがPbO換算で前記主相の5wt
    %以下の割合で含有されていることを特徴とする請求項
    9〜13のいずれかに記載のセラミック電子部品。
  15. 【請求項15】 前記ガラス相にCuが固溶しているこ
    とを特徴とする請求項9〜14のいずれかに記載のセラ
    ミック電子部品。
  16. 【請求項16】 CuがCuO換算で前記主相の2wt
    %以下の割合で含有されていることを特徴とする請求項
    9〜15のいずれかに記載のセラミック電子部品。
JP2002111577A 2002-04-15 2002-04-15 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品 Expired - Fee Related JP4146152B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111577A JP4146152B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002111577A JP4146152B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003306377A true JP2003306377A (ja) 2003-10-28
JP4146152B2 JP4146152B2 (ja) 2008-09-03

Family

ID=29394330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002111577A Expired - Fee Related JP4146152B2 (ja) 2002-04-15 2002-04-15 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4146152B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004284941A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Ngk Insulators Ltd 低温焼成用誘電体組成物および電子部品
JP2012148919A (ja) * 2011-01-19 2012-08-09 Taiyo Yuden Co Ltd セラミックス組成物及び電子部品
JP2014122144A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Fdk Corp 誘電体磁器組成物、誘電体磁器組成物の製造方法、積層チップ部品、積層チップ部品の製造方法
JP2018098386A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 Tdk株式会社 積層電子部品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004284941A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Ngk Insulators Ltd 低温焼成用誘電体組成物および電子部品
JP2012148919A (ja) * 2011-01-19 2012-08-09 Taiyo Yuden Co Ltd セラミックス組成物及び電子部品
JP2014122144A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Fdk Corp 誘電体磁器組成物、誘電体磁器組成物の製造方法、積層チップ部品、積層チップ部品の製造方法
JP2018098386A (ja) * 2016-12-14 2018-06-21 Tdk株式会社 積層電子部品

Also Published As

Publication number Publication date
JP4146152B2 (ja) 2008-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4936825B2 (ja) 積層セラミックコンデンサ
KR100814674B1 (ko) 유전체 자기 조성물 및 그 제조방법
US7239501B2 (en) Dielectric ceramic composition and laminated ceramic capacitor
KR100497754B1 (ko) 유전체 자기 조성물 및 전자 부품
JP3523280B2 (ja) 多層セラミック部品の製造方法
JP2001307940A (ja) 積層セラミックコンデンサとその製造方法
JPWO2004065325A1 (ja) 誘電体磁器組成物、誘電体磁器およびこれを用いた積層セラミック部品
JP4203176B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP4146152B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びセラミック電子部品
JP2000239061A (ja) 誘電体磁器組成物
JP2021153105A (ja) 積層電子部品
JP4052032B2 (ja) 誘電体組成物およびこれを用いた積層セラミック部品
JP2005255461A (ja) 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP3373436B2 (ja) セラミック積層電子部品
JP4802490B2 (ja) 電子部品、誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP4691978B2 (ja) 誘電体組成物の製造方法
JP3798901B2 (ja) 多層配線基板
JP4419487B2 (ja) 酸化物磁器組成物、セラミック多層基板およびセラミック電子部品
JP4249690B2 (ja) 高周波用誘電体磁器および積層体
JP3329014B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2010235325A (ja) 誘電体磁器組成物
JP4052031B2 (ja) 誘電体組成物およびこれを用いた積層セラミック部品
JP4377482B2 (ja) 誘電体磁器組成物およびその製造方法
JP3631607B2 (ja) 高周波用誘電体磁器および積層体
JP3389947B2 (ja) 誘電体磁器組成物及びそれを用いた厚膜コンデンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050309

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070821

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071004

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080617

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080619

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4146152

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110627

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120627

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130627

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees