JPH11248562A - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JPH11248562A
JPH11248562A JP6040498A JP6040498A JPH11248562A JP H11248562 A JPH11248562 A JP H11248562A JP 6040498 A JP6040498 A JP 6040498A JP 6040498 A JP6040498 A JP 6040498A JP H11248562 A JPH11248562 A JP H11248562A
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shaft
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Kazuo Chikaraishi
一穂 力石
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Abstract

(57)【要約】 【課題】円筒部材の回転軸に対する位置ずれを確実に防
止する。 【解決手段】出力軸3端部の大径部3A外周面に、軸方
向に延びる複数の軸方向溝11と、周方向に連続した周
方向溝12とを形成する。軸方向溝11は、大径部3A
の両端部間に渡って形成し、周方向溝12は、円筒部材
10を固定した際にその円筒部材10の端部が位置する
付近に形成する。円筒部材10の内周面の下端部から若
干張り込んだ位置に複数の半球状の突起13を形成す
る。突起13の個数及び形成位置は軸方向溝11に対応
させ、突起13の高さは軸方向溝11の深さと同程度と
する。円筒部材10を大径部3Aに固定する際には、突
起13を軸方向溝11に嵌合させて円筒部材10の出力
軸3に対する周方向の位置決めを行い、次いで円筒部材
10を押し込み、その端部を周方向溝12に近接させ、
その状態で円筒部材10端部を内側にかしめて周方向溝
12に食い込ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転軸に発生す
るトルクを検出するトルクセンサに関し、特に、信頼性
の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、例えば本
出願人が先に提案した特開平8−240491号公報に
開示されたものがある。かかる公報に開示されたトルク
センサは、同軸に配設された第1及び第2の回転軸をト
ーションバーを介して連結するとともに、導電性で且つ
非磁性の材料からなる円筒部材を、前記第1の回転軸の
外周面を包囲するように、前記第2の回転軸と回転方向
に一体とし、前記第1の回転軸の少なくとも前記円筒部
材に包囲された被包囲部を磁性材料で形成し、前記被包
囲部に軸方向に延びる溝を形成し、前記円筒部材には、
前記第1の回転軸との間の相対回転位置に応じて前記溝
との重なり具合が変化するように窓を形成し、そして、
前記円筒部材の前記窓が形成された部分を包囲するよう
にコイルを配設し、そのコイルのインダクタンスに基づ
いてトルクを検出するようになっており、これにより、
簡易な構造で高精度のトルク検出が行え、しかも装置の
小型化も図られるという効果が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記公報に開
示された従来のトルクセンサであれば、上記のような効
果を奏することができるが、本発明者等が鋭意研究を行
った結果、トルクセンサの高い信頼性を確保するために
は、回転軸への円筒部材の固定構造が重要であることが
判った。
【0004】即ち、上記公報に開示されたようなトルク
センサの場合、円筒部材はアルミニウム等から形成され
るのに対し、これが固定される回転軸は鉄等から形成さ
れるため、両者の熱膨張係数が異なることが多く、する
と、円筒部材を回転軸に圧入するだけの構造では、円筒
部材の回転軸への保持力が温度によって変動してしま
い、保持力を維持できない場合がある。そして、保持力
が低下してしまうと、回転軸に対する円筒部材の回転方
向位置や軸方向位置がずれてしまい、検出精度が低下し
てしまうのである。
【0005】本発明は、このような従来の技術が有する
解決すべき課題に着目してなされたものであって、円筒
部材の回転軸に対する位置ずれを確実に防止でき、もっ
て高い信頼性が得られるトルクセンサを提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、同軸に配設され且つトーションバーを介
して連結された第1及び第2の回転軸を有し、前記第1
の回転軸の端部に、前記第2の回転軸の少なくとも一部
分を包囲するように円筒部材を固定し、その円筒部材
と、前記第2の回転軸との重なり状態に基づいてトルク
を検出するようになっているトルクセンサにおいて、前
記第1の回転軸の前記円筒部材を固定する側の端部外周
面に、軸方向に延びる複数の軸方向溝と、周方向に連続
した周方向溝と、を形成し、前記円筒部材の内周面に
は、前記複数の軸方向溝のそれぞれに嵌合する複数の突
起を形成し、前記軸方向溝に前記突起を嵌合することに
より、前記円筒部材の前記第1の回転軸に対する相対回
転を防止し、前記円筒部材の前記周方向溝に外嵌する部
分をかしめることにより、前記円筒部材の前記第1の回
転軸に対する軸方向への相対変位を防止するようにし
た。
【0007】なお、第1の回転軸に形成する前記軸方向
溝は、その第1の回転軸に形成するストッパ構造ととも
に、冷間鍛造製とすることが望ましい。ここでいうスト
ッパは、第1の回転軸と第2の回転軸との相対回転角度
を、所定角度範囲(±5度程度)内に規制するためのス
トッパであって、例えば、第2の回転軸の端部外周面に
形成された径方向に突出する凸部(オスストッパ)と、
第1の回転軸の端面に形成され前記凸部より若干幅広の
凹部(メスストッパ)とで構成される。
【0008】そして、軸方向溝とストッパ構造(前記例
では、メスストッパ)とを一緒に冷間鍛造で作り込め
ば、各部材の組立時には、第1の回転軸と第2の回転軸
とをストッパ中立位置に合わせて組み合わせるととも
に、第1の回転軸の軸方向溝に突起を嵌合させることに
より円筒部材の周方向の位置決めを行えば、円筒部材と
第1の回転軸との組立位相も保証される。これに対し、
円筒部材を第1の回転軸に圧入する構成では、第1の回
転軸と第2の回転軸とを組み合わせた後に、第2の回転
軸と円筒部材との位相合わせを行いつつ、円筒部材を第
1の回転軸に圧入しなければならず、組立工程が煩雑で
ありコストアップの一因となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図6は本発明の一実施の
形態を示す図であって、この実施の形態は、本発明に係
るトルクセンサを、車両の電動パワーステアリング装置
に適用したものであり、図1は操舵系の要部を示す縦断
面図である。
【0010】先ず、構成を説明すると、上側ハウジング
1A及び下側ハウジング1Bからなるハウジング1内に
は、トーションバー4を介して連結された入力軸2及び
出力軸3が、軸受5a,5b及び5cによって回転自在
に支持されている。これら入力軸2,出力軸3及びトー
ションバー4は、同軸に配設されていて、トーションバ
ー4の上端側は入力軸2内に深く入り込んだ位置におい
てその入力軸2にピン結合されて回転方向に一体となっ
ており、また、トーションバー4の下端側は出力軸3に
スプライン結合されて回転方向に一体となっている。入
力軸2及び出力軸3は鉄等の磁性材料から形成されてい
る。
【0011】そして、入力軸2の上端部には、図示しな
い自在継ぎ手やステアリングシャフト等を介してステア
リングホイールが回転方向に一体に取り付けられてお
り、また、出力軸3の下端部にはピニオン軸3aが一体
に形成されていて、ピニオン軸はラック軸6に噛合して
いる。これらピニオン軸3a及びラック軸6は、公知の
ラックアンドピニオン式ステアリング装置を構成するも
のであり、従って、運転者がステアリングホイールを操
舵することにより発生した操舵力は、入力軸2,トーシ
ョンバー4,出力軸3及びラックアンドピニオン式ステ
アリング装置を介して、図示しない転舵輪に伝達され
る。
【0012】さらに、出力軸3には、これと同軸に且つ
一体に回転するウォームホイール7が外嵌し、このウォ
ームホイール7の樹脂製の噛合部7aと、電動モータ8
の出力軸8a外周面に形成されたウォーム8bとが噛み
合っている。従って、電動モータ8の回転力は、その出
力軸8a,ウォーム8b及びウォームホイール7を介し
て出力軸3に伝達されるようになっており、電動モータ
8の回転力及び回転方向を適宜制御することにより、出
力軸3に適切な操舵補助トルクを付与できるようになっ
ている。
【0013】そして、図1並びに入力軸2,出力軸3
(端部のみ)及びトーションバー4を各別に分解した状
態の斜視図である図2に示すように、入力軸2の出力軸
3に近接した部分の外周面には、入力軸2と同軸の大径
部2Aが形成されていて、この大径部2Aの外周面に近
接してこれを包囲するように、肉薄の円筒部材10が配
設されている。
【0014】即ち、円筒部材10は、導電性で且つ非磁
性の材料(例えば、アルミニウム)から形成され、その
下端部が、出力軸3の入力軸2側端部外周面に固定され
ている。
【0015】具体的には、出力軸3端部の図2とは異な
る方向からの斜視図である図3、出力軸3端部の断面図
である図4(a)、及びトーションバー4及び円筒部材
10を固定した状態での断面図である図5に示すよう
に、出力軸3の入力軸2側端部には、大径部3Aが形成
されていて、その大径部3Aの外周面には、軸方向に延
びる複数(この例では、4本)の軸方向溝11と、周方
向に連続した周方向溝12とが形成されている。なお、
図4(b)は同(a)のA方向矢視図であり、同(a)
は同(b)のB−B線断面図に相当する。また、図5
(a)は同(b)のC−C線断面図に相当する。
【0016】そして、各軸方向溝11は、互いに周方向
に等間隔(90度)離れて、大径部3Aの両端部間に渡
って形成されており、また、周方向溝12は、円筒部材
10を固定した際にその円筒部材10の端部が位置する
付近に形成されている。
【0017】一方、円筒部材10の内周面には、その下
端部から若干張り込んだ位置に、複数(この例では、4
つ)の半球状の突起13が形成されている。これら突起
13の個数及び形成位置は出力軸3の軸方向溝11に対
応していて、従って、突起13は、互いに周方向に等間
隔(90度)離れている。また、突起13の高さは、軸
方向溝11の深さと同程度である。
【0018】そして、円筒部材10を大径部3Aに固定
する際には、その突起13を軸方向溝11に嵌合させる
ことにより、円筒部材10の出力軸3に対する周方向の
位置決めを行い、それから円筒部材10を押し込み、そ
の端部を周方向溝12に近接させ、その状態で円筒部材
10端部を内側にかしめて周方向溝12に食い込ませ
る。つまり、出力軸3に対する円筒部材10の周方向位
置は、軸方向溝11に突起13が嵌合することにより固
定され、出力軸3に対する円筒部材10の軸方向位置
は、その端部が周方向溝12に食い込むことにより固定
されている。
【0019】また、出力軸3の入力軸2側端部には、ト
ーションバー4とのスプライン結合用のスプライン孔3
Bが同軸に形成されるとともに、そのスプライン孔3B
の端面側内周面には、メスストッパ14が形成されてい
る。メスストッパ14は、図4に詳細に図示されるよう
に、内周面が径方向外側に凹んだ四つの凹部14Aを有
する十字形の孔である。
【0020】そして、メスストッパ14に対応して、入
力軸2の端部には、オスストッパ15が形成されてい
る。オスストッパ15は、図2に詳細に図示されるよう
に、外周面が径方向外側に突出した四つの凸部15Aを
有する十字形の軸であって、各凸部15Aの周方向の幅
は、凹部14Aの周方向の幅よりも若干小さくなってい
て、これにより、入力軸2及び出力軸3間の相対回転を
所定角度範囲(±5度程度)に規制するようになってい
る。
【0021】一方、円筒部材10の組立後に大径部2A
を包囲する部分には、突起13から遠い側に、周方向に
等間隔離隔した長方形の複数の窓10aが形成され、突
起13に近い側に、窓10a,…,10aと位相が18
0度ずれるように、周方向に等間隔離隔した長方形の複
数の窓10bが形成されている。
【0022】これに対し、入力軸2の大径部2Aには、
軸方向に延びる複数の溝2aが等間隔に形成されてい
る。但し、溝2aの本数は、窓10a,10bのそれぞ
れの個数と同じである。
【0023】そして、入力軸2と出力軸3との間に相対
回転が生じていないとき(操舵トルクが零のとき)に、
各溝2aの幅方向中心と、窓10aの幅方向中心との位
相が90度となるように位置し、各溝2aの幅方向中心
と、窓10bの幅方向中心との位相が逆方向に90度と
なるように位置するようになっている。
【0024】つまり、入力軸2,出力軸3,トーション
バー4及び円筒部材10を組み立てる際に、溝2aと窓
10a,10bとの重なり具合が上述のようになるよう
に、入力軸2と円筒部材10との位相合わせを行うこと
が必要なのであるが、円筒部材10は出力軸3に固定さ
れるものであり、入力軸2及び出力軸3はトーションバ
ー4を介して結合されるものであるため、各部の位相関
係を以下のように決定する。
【0025】先ず、操舵トルクが零の際には、入力軸2
に形成されたオスストッパ15と、出力軸3に形成され
たメスストッパ14とが中立位置で組み合わされる、つ
まり凹部14Aの中央部に凸部15Aが位置すればよい
のであるから、オスストッパ15の各凸部15Aの周方
向位置を入力軸2の各部位の位相を考える際の基準と
し、メスストッパ14の各凹部14Aの周方向位置を出
力軸3の各部位の位相を考える際の基準とする。
【0026】そこで、入力軸2に関しては、大径部2A
に形成される溝2a,…,2aの周方向位置を、凸部1
5Aを基準に決定する。これに対し、出力軸3に関して
は、大径部3Aの外周面に形成される軸方向溝11,
…,11の周方向位置を、凹部14Aを基準に決定す
る。
【0027】さらに、円筒部材10に関しては、各窓1
0a,…,10a、10b,…,10bの周方向位置
を、突起13を基準に決定する。このように各部位の周
方向位置を決定すれば、組み立てる際には特に円筒部材
の位相合わせをしなくても、各溝2a,…,2aと、各
窓10a,…,10a、10b,…,10bとの位相関
係は、ストッパの中立合わせを行うことで上記のように
なる。
【0028】そして、そのような位相関係を確実に得る
ためには、各部の加工精度が極めて重要である。そこ
で、本実施の形態では、入力軸2に関しては、溝2aや
オスストッパ15を冷間鍛造により入力軸2と一体に形
成するとともに、出力軸3に関しては、溝11を冷間鍛
造により出力軸3と一体に形成することとしている。
【0029】図1に戻って、上側ハウジング1Aの内側
には、円筒部材10を包囲するように、同一規格のコイ
ル20A,20Bが巻き付けられたボビンを内周側に支
持する磁性材料からなるヨーク20が固定されている。
但し、コイル20A,20Bは円筒部材10と同軸にな
っていて、一方のコイル20Aは、円筒部材10の窓1
0a,…,10aが形成された部分を包囲し、他方のコ
イル20Bは、円筒部材10の窓10b,…,10bが
形成された部分を包囲している。
【0030】そして、各コイル20A,20Bの端部2
0aは、上側ハウジング1Aに形成されたセンサケース
21内に収容された基板22に接続されていて、基板2
2上には、図示しないモータ制御回路が構成されてい
る。モータ制御回路の具体的な構成は本発明の要旨では
ないため、詳細には説明しないが、例えば上記特開平8
−240491号公報に開示されるように、所定周波数
の交流電流をコイル20A,20Bに供給する発振部
と、コイル20Aの自己誘導起電力を整流及び平滑して
出力する第1整流平滑回路と、コイル20Bの自己誘導
起電力を整流及び平滑して出力する第2整流平滑回路
と、第1,第2整流平滑回路の出力の差を増幅して出力
する差動アンプと、差動アンプの出力から高周波ノイズ
を除去するノイズ除去フィルタと、ノイズ除去フィルタ
の出力に基づいて入力軸2及び円筒部材10の相対回転
変位の方向及び大きさを演算しその結果に例えば所定の
比例定数を乗じて操舵系に発生している操舵トルクを求
めるトルク演算部と、トルク演算部の演算結果に基づい
て操舵トルクを軽減する操舵補助トルクが発生するよう
な駆動電流を電動モータ8に供給するモータ駆動部と、
を備えて構成することができる。
【0031】次に、本実施の形態の動作を説明する。
今、操舵系が直進状態にあり、操舵トルクが零であるも
のとすると、入力軸2及び出力軸3間には相対回転は生
じない。従って、入力軸2と円筒部材11との間にも相
対回転は生じない。
【0032】これに対し、ステアリングホイールを操舵
して入力軸2に回転力が生じると、その回転力は、トー
ションバー4を介して出力軸3に伝達される。このと
き、出力軸3には、転舵輪及び路面間の摩擦力やラック
アンドピニオン式ステアリング装置のギアの噛み合い等
の摩擦力に応じた抵抗力が生じるため、入力軸2及び出
力軸3間には、トーションバー4が捩じれることによっ
て出力軸3が遅れる相対回転が発生し、入力軸2及び円
筒部材10間にも相対回転が生じる。そして、その相対
回転の方向及び量は、ステアリングホイールの操舵方向
や発生している操舵トルクに応じて決まってくる。
【0033】入力軸2及び円筒部材10間に相対回転が
生じると、溝2aと、窓10a,…,10a、10b,
…,10bとの重なり具合が当初の状態から変化する
し、溝10a,…,10aと溝10b,…,10bとの
位相関係を上記のように設定しているため、溝2aと窓
10a,…,10aとの重なり具合と、溝2aと窓10
b,…,10bとの重なり具合とは、互いに逆方向に変
化する。
【0034】その結果、入力軸2及び円筒部材10間の
相対回転に応じて、コイル20Aの自己インダクタンス
と、コイル20Bの自己インダクタンスとは、互いに逆
方向に変化するから、それらコイル20A,20Bの自
己誘導起電力も互いに逆方向に変化するようになる。よ
って、コイル20A,20Bの自己誘導起電力の差を求
めると、その差は、操舵トルクの方向及び大きさに従っ
てリニアに変化するようになる。その一方で、温度等に
よる自己インダクタンスの変化は、モータ制御回路内の
差動アンプにおいてキャンセルされる。
【0035】そして、モータ制御回路内のトルク演算部
が、差動アンプの出力に基づいて操舵トルクを求め、モ
ータ駆動部が、その操舵トルクの方向及び大きさに応じ
た駆動電流を電動モータ8に供給する。すると、電動モ
ータには、操舵系に発生している操舵トルクの方向及び
大きさに応じた回転力が発生し、その回転力がウォーム
8b及びウォームホイール7を介して出力軸3に伝達さ
れるから、出力軸3に操舵補助トルクが付与されたこと
になり、操舵トルクが減少し、運転者の負担が軽減され
る。
【0036】そして、本実施の形態では、出力軸3の端
部に、複数の軸方向溝11と、周方向溝12とを形成
し、軸方向溝11に円筒部材10の突起13を嵌合さ
せ、円筒部材10の端部をかしめて周方向溝12に食い
込ませているため、鉄製の出力軸3とアルミニウム製の
円筒部材10という材料の異なる部材間であっても、熱
膨張係数の違いなどに起因して保持力が低減するような
こともない。このため、円筒部材10の出力軸3に対す
る相対的な周方向位置や軸方向位置が当初の状態からず
れ、それがトルク検出値に含まれてしまう可能性を大幅
に低減できるのである。よって、安全性の点から高い信
頼性が必要な電動式パワーステアリング装置用のトルク
センサとして、極めて好適である。
【0037】また、本実施の形態では、溝2a及びオス
ストッパ15を冷間鍛造により入力軸2と一体に形成す
るとともに、軸方向溝11を冷間鍛造により出力軸3と
一体に形成しているため、組立時の位相合わせが容易で
あり、製造コストの低減に寄与できるという利点もあ
る。
【0038】ここで、本実施の形態では、入力軸2が第
2の回転軸に対応し、出力軸3が第1の回転軸に対応す
る。なお、上記実施の形態では、本発明に係るトルクセ
ンサを車両用の電動式パワーステアリング装置に適用し
た場合について説明したが、これに限定されるものでは
なく、他の用途のトルクセンサであっても、本発明は当
然に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
第1の回転軸の円筒部材を固定する側の端部外周面に軸
方向に延びる複数の軸方向溝と周方向に連続した周方向
溝とを形成し、円筒部材の内周面に複数の軸方向溝のそ
れぞれに嵌合する複数の突起を形成し、軸方向溝に前記
突起を嵌合することにより円筒部材の回転を防止し、円
筒部材の前記周方向溝に外嵌する部分をかしめることに
よりその軸方向への変位を防止するようにしたため、第
1の回転軸に対する円筒部材の周方向位置及び軸方向位
置がずれる可能性を低減でき、信頼性の高いトルクセン
サとすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の全体構成を示す縦断面
図である。
【図2】実施の形態の要部を構成する各部材の斜視図で
ある。
【図3】出力軸端部の図2とは異なる方向からの斜視図
である。
【図4】出力軸端部の構成を示す図である。
【図5】トーションバーを組み込んだ状態での出力軸端
部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 入力軸(第2の回転軸) 2A 大径部 2a 溝 3 出力軸(第1の回転軸) 4 トーションバー 10 円筒部材 11 縦方向溝 12 周方向溝 13 突起 14 メスストッパ 15 オスストッパ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に配設され且つトーションバーを介
    して連結された第1及び第2の回転軸を有し、前記第1
    の回転軸の端部に、前記第2の回転軸の少なくとも一部
    分を包囲するように円筒部材を固定し、その円筒部材
    と、前記第2の回転軸との重なり状態に基づいてトルク
    を検出するようになっているトルクセンサにおいて、 前記第1の回転軸の前記円筒部材を固定する側の端部外
    周面に、軸方向に延びる複数の軸方向溝と、周方向に連
    続した周方向溝と、を形成し、 前記円筒部材の内周面には、前記複数の軸方向溝のそれ
    ぞれに嵌合する複数の突起を形成し、 前記軸方向溝に前記突起を嵌合することにより、前記円
    筒部材の前記第1の回転軸に対する相対回転を防止し、
    前記円筒部材の前記周方向溝に外嵌する部分をかしめる
    ことにより、前記円筒部材の前記第1の回転軸に対する
    軸方向への相対変位を防止するようになっていることを
    特徴とするトルクセンサ。
JP6040498A 1998-02-26 1998-02-26 トルクセンサ Expired - Lifetime JP3307317B2 (ja)

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