JP3336978B2 - トルクセンサ - Google Patents

トルクセンサ

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JP3336978B2
JP3336978B2 JP34930598A JP34930598A JP3336978B2 JP 3336978 B2 JP3336978 B2 JP 3336978B2 JP 34930598 A JP34930598 A JP 34930598A JP 34930598 A JP34930598 A JP 34930598A JP 3336978 B2 JP3336978 B2 JP 3336978B2
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  • Power Steering Mechanism (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転軸に発生す
るトルクを検出するトルクセンサに関し、特に、製造コ
ストの低減を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】この種の従来の技術としては、例えば本
出願人が先に提案した特開平8−240491号公報に
開示されたものがある。かかる公報に開示されたトルク
センサは、同軸に配設された第1及び第2の回転軸をト
ーションバーを介して連結するとともに、導電性で且つ
非磁性の材料からなる円筒部材を、前記第1の回転軸の
外周面を包囲するように、前記第2の回転軸と回転方向
に一体とし、前記第1の回転軸の少なくとも前記円筒部
材に包囲された被包囲部を磁性材料で形成し、前記被包
囲部に軸方向に延びる溝を形成し、前記円筒部材には、
前記第1の回転軸との間の相対回転位置に応じて前記溝
との重なり具合が変化するように窓を形成し、そして、
前記円筒部材の前記窓が形成された部分を包囲するよう
にコイルを配設し、そのコイルのインダクタンスに基づ
いてトルクを検出するようになっており、これにより、
簡易な構造で高精度のトルク検出が行え、しかも装置の
小型化も図られるという効果が得られる。
【0003】さらに、上記のようなトルクセンサを例え
ば車両の電動パワーステアリング装置用のトルクセンサ
に適用する場合に、第1及び第2の回転軸の相対回転角
度を所定角度範囲内に規制することが必要であり、その
ためのストッパをトルクセンサ内に構成している。かか
るストッパは、一方の回転軸の端部外周面に形成された
径方向に突出する凸部(オスストッパ)と、他方の回転
軸の端面に形成され前記凸部より若干幅広の凹部(メス
ストッパ)とで構成することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記公報に開
示された従来のトルクセンサであれば、上記のような効
果を奏することができる。しかしながら、上記のような
形式のトルクセンサの場合、回転軸に、トルクを検出す
るための軸方向に延びる溝と、オスストッパとしての凸
部との両方を形成する必要があり、従来はそれら溝及び
凸部を別々の工程で形成していたため、製造コストが嵩
むという問題点があった。
【0005】本発明は、このような従来の技術が有する
解決すべき課題に着目してなされたものであって、回転
軸に軸方向に延びる溝とストッパのための凸部とを形成
するようになっている形式で、製造コストが低減できる
トルクセンサを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、同軸に配設された第1及び第2の回転軸
をトーションバーを介して連結するとともに、前記第1
の回転軸の外周面を包囲する円筒部材を、前記第2の回
転軸と回転方向に一体とし、前記第1の回転軸の少なく
とも前記円筒部材に包囲された被包囲部には軸方向に延
びる溝を複数形成し、前記円筒部材には前記第1の回転
軸との相対回転位置に応じて前記溝との重なり具合が変
化するように窓を形成し、前記窓と前記溝との重なり状
態に基づいてトルクを検出するようになっており、前記
第1の回転軸の前記第2の回転軸側端部の外周面に形成
された径方向に突出する複数の凸部と、前記第2の回転
軸の端面に形成された複数の凹部とを嵌め合わせること
により、前記第1及び第2の回転軸の相対回転角度を所
定角度範囲内に規制するためのストッパを構成している
トルクセンサにおいて、前記軸方向に延びる溝の個数、
幅及び周方向位置と、前記凸部同士間の凹部の個数、幅
及び周方向位置とを、一致させた。
【0007】より望ましくは、第1の回転軸の軸方向に
延びる溝が形成された部分と、第1の回転軸のストッパ
のための凸部が形成された部分とは、軸方向に延びる溝
同士間の凸部とストッパのための凸部との高さが異なる
ことは構わないが、それ以外の横断面形状を等しくす
る。
【0008】そして、前記軸方向に延びる溝と前記凸部
とは、一回の冷間鍛造により同時に形成することが望ま
しく、そうすれば、加工工数が少なくなって製造コスト
の低減に寄与できる。また、前記第2の回転軸の前記円
筒部材を固定する側の端部外周面に、軸方向に延びる複
数の軸方向溝と、周方向に連続した周方向溝と、を形成
し、前記円筒部材の内周面には、前記複数の軸方向溝の
それぞれに嵌合する複数の突起を形成し、前記軸方向溝
に前記突起を嵌合することにより、前記円筒部材の前記
第2の回転軸に対する相対回転を防止し、前記円筒部材
の前記周方向溝に外嵌する部分をかしめることにより、
前記円筒部材の前記第2の回転軸に対する軸方向への相
対変位を防止することが望ましい。
【0009】さらに、第1の回転軸に形成される軸方向
に延びる溝とストッパ用の凸部とを上記のように一回の
冷間鍛造で同時に作り込み、且つ、円筒部材の第2の回
転軸への固定を上記のような軸方向溝や周方向溝を利用
した構造とすることが、より望ましく、かかる場合、各
部材の組立時に、第1の回転軸と第2の回転軸とをスト
ッパ中立位置に合わせて組み合わせるとともに、第2の
回転軸の軸方向溝に突起を嵌合させることにより円筒部
材の周方向の位置決めを行えば、円筒部材と第2の回転
軸との組立位相も保証されるようになる。これに対し、
円筒部材を第2の回転軸に圧入するような構成では、第
1の回転軸と第2の回転軸とを組み合わせた後に、第1
の回転軸と円筒部材との位相合わせを行いつつ、円筒部
材を第2の回転軸に圧入しなければならず、組立工程が
煩雑でありコストアップの一因となる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1乃至図7は本発明の一実施の
形態を示す図であって、この実施の形態は、本発明に係
るトルクセンサを、車両の電動パワーステアリング装置
に適用したものであり、図1は操舵系の要部を示す縦断
面図である。
【0011】先ず、構成を説明すると、上側ハウジング
1A及び下側ハウジング1Bからなるハウジング1内に
は、トーションバー4を介して連結された入力軸2及び
出力軸3が、軸受5a,5b及び5cによって回転自在
に支持されている。これら入力軸2,出力軸3及びトー
ションバー4は、同軸に配設されていて、トーションバ
ー4の上端側は入力軸2内に深く入り込んだ位置におい
てその入力軸2にピン結合されて回転方向に一体となっ
ており、また、トーションバー4の下端側は出力軸3に
スプライン結合されて回転方向に一体となっている。入
力軸2及び出力軸3は鉄等の磁性材料から形成されてい
る。
【0012】そして、入力軸2の上端部には、図示しな
い自在継ぎ手やステアリングシャフト等を介してステア
リングホイールが回転方向に一体に取り付けられてお
り、また、出力軸3の下端部にはピニオン軸3aが一体
に形成されていて、ピニオン軸はラック軸6に噛合して
いる。これらピニオン軸3a及びラック軸6は、公知の
ラックアンドピニオン式ステアリング装置を構成するも
のであり、従って、運転者がステアリングホイールを操
舵することにより発生した操舵力は、入力軸2,トーシ
ョンバー4,出力軸3及びラックアンドピニオン式ステ
アリング装置を介して、図示しない転舵輪に伝達され
る。
【0013】さらに、出力軸3には、これと同軸に且つ
一体に回転するウォームホイール7が外嵌し、このウォ
ームホイール7の樹脂製の噛合部7aと、電動モータ8
の出力軸8a外周面に形成されたウォーム8bとが噛み
合っている。従って、電動モータ8の回転力は、その出
力軸8a,ウォーム8b及びウォームホイール7を介し
て出力軸3に伝達されるようになっており、電動モータ
8の回転力及び回転方向を適宜制御することにより、出
力軸3に適切な操舵補助トルクを付与できるようになっ
ている。
【0014】そして、図1並びに入力軸2,出力軸3
(端部のみ)及びトーションバー4を各別に分解した状
態の斜視図である図2に示すように、入力軸2の出力軸
3に近接した部分の外周面には、入力軸2と同軸の大径
部2Aが形成されていて、この大径部2Aの外周面に近
接してこれを包囲するように、肉薄の円筒部材10が配
設されている。
【0015】即ち、円筒部材10は、導電性で且つ非磁
性の材料(例えば、アルミニウム)から形成され、その
下端部が、出力軸3の入力軸2側端部外周面に固定され
ている。具体的には、出力軸3端部の図2とは異なる方
向からの斜視図である図3、出力軸3端部の断面図であ
る図4(a)、及びトーションバー4及び円筒部材10
を固定した状態での断面図である図5に示すように、出
力軸3の入力軸2側端部には、大径部3Aが形成されて
いて、その大径部3Aの外周面には、軸方向に延びる複
数(この例では、4本)の軸方向溝11と、周方向に連
続した周方向溝12とが形成されている。なお、図4
(b)は同(a)のA方向矢視図であり、同(a)は同
(b)のB−B線断面図に相当する。また、図5(a)
は同(b)のC−C線断面図に相当する。
【0016】そして、各軸方向溝11は、互いに周方向
に等間隔(90度)離れて、大径部3Aの両端部間に渡
って形成されており、また、周方向溝12は、円筒部材
10を固定した際にその円筒部材10の端部が位置する
付近に形成されている。一方、円筒部材10の内周面に
は、その下端部から若干張り込んだ位置に、複数(この
例では、4つ)の半球状の突起13が形成されている。
これら突起13の個数及び形成位置は出力軸3の軸方向
溝11に対応していて、従って、突起13は、互いに周
方向に等間隔(90度)離れている。また、突起13の
高さは、軸方向溝11の深さと同程度である。
【0017】そして、円筒部材10を大径部3Aに固定
する際には、その突起13を軸方向溝11に嵌合させる
ことにより、円筒部材10の出力軸3に対する周方向の
位置決めを行い、それから円筒部材10を押し込み、そ
の端部を周方向溝12に近接させ、その状態で円筒部材
10端部を内側にかしめて周方向溝12に食い込ませ
る。つまり、出力軸3に対する円筒部材10の周方向位
置は、軸方向溝11に突起13が嵌合することにより固
定され、出力軸3に対する円筒部材10の軸方向位置
は、その端部が周方向溝12に食い込むことにより固定
されている。
【0018】また、出力軸3の入力軸2側端部には、ト
ーションバー4とのスプライン結合用のスプライン孔3
Bが同軸に形成されるとともに、そのスプライン孔3B
の端面側内周面には、メスストッパ14が形成されてい
る。メスストッパ14は、図4に詳細に図示されるよう
に、内周面が径方向外側に凹んだ四つの凹部14Aを有
する十字形の孔である。
【0019】そして、メスストッパ14に対応して、入
力軸2の端部には、オスストッパ15が形成されてい
る。オスストッパ15は、図2に詳細に図示されるよう
に、外周面が径方向外側に突出した四つの凸部15Aを
有する十字形の軸であって、各凸部15Aの周方向の幅
は、凹部14Aの周方向の幅よりも若干小さくなってい
て、これにより、入力軸2及び出力軸3間の相対回転を
所定角度範囲(±5度程度)に規制するようになってい
る。
【0020】一方、円筒部材10の組立後に大径部2A
を包囲する部分には、突起13から遠い側に、周方向に
等間隔離隔した長方形の複数の窓10aが形成され、突
起13に近い側に、窓10a,…,10aと位相が18
0度ずれるように、周方向に等間隔離隔した長方形の複
数の窓10bが形成されている。
【0021】これに対し、入力軸2の大径部2Aには、
軸方向に延びる複数の溝2aが等間隔に形成されてい
て、溝2aの本数と、窓10a,10bのそれぞれの個
数とは等しくなっている。そして、入力軸2と出力軸3
との間に相対回転が生じていないとき(操舵トルクが零
のとき)に、各溝2aの幅方向中心と、窓10aの幅方
向中心との位相が90度となるように位置し、各溝2a
の幅方向中心と、窓10bの幅方向中心との位相が逆方
向に90度となるように位置するようになっている。
【0022】つまり、入力軸2,出力軸3,トーション
バー4及び円筒部材10を組み立てる際に、溝2aと窓
10a,10bとの重なり具合が上述のようになるよう
に、入力軸2と円筒部材10との位相合わせを行うこと
が必要なのであるが、円筒部材10は出力軸3に固定さ
れるものであり、入力軸2及び出力軸3はトーションバ
ー4を介して結合されるものであるため、各部の位相関
係を以下のように決定する。
【0023】先ず、操舵トルクが零の際には、入力軸2
に形成されたオスストッパ15と、出力軸3に形成され
たメスストッパ14とが中立位置で組み合わされる、つ
まり凹部14Aの中央部に凸部15Aが位置すればよい
のであるから、オスストッパ15の各凸部15Aの周方
向位置を入力軸2の各部位の位相を考える際の基準と
し、メスストッパ14の各凹部14Aの周方向位置を出
力軸3の各部位の位相を考える際の基準とする。
【0024】そこで、入力軸2に関しては、大径部2A
に形成される溝2a,…,2aの周方向位置を、凸部1
5Aを基準に決定する。これに対し、出力軸3に関して
は、大径部3Aの外周面に形成される軸方向溝11,
…,11の周方向位置を、凹部14Aを基準に決定す
る。
【0025】さらに、円筒部材10に関しては、各窓1
0a,…,10a、10b,…,10bの周方向位置
を、突起13を基準に決定する。このように各部位の周
方向位置を決定すれば、組み立てる際には特に円筒部材
の位相合わせをしなくても、各溝2a,…,2aと、各
窓10a,…,10a、10b,…,10bとの位相関
係は、ストッパの中立合わせを行うことで上記のように
なる。
【0026】そして、そのような位相関係を確実に得る
ためには、各部の加工精度が極めて重要である。そこ
で、本実施の形態では、入力軸2に関しては、溝2aや
オスストッパ15を冷間鍛造により入力軸2と一体に形
成するとともに、出力軸3に関しては、溝11を冷間鍛
造により出力軸3と一体に形成することとしている。
【0027】さらに、入力軸2aに形成される溝2aや
オスストッパ15は、一回の冷間鍛造により同時に作り
込むことが望ましい。そこで、本実施の形態では、図2
及び図6に示すように、溝2aの個数、幅及び周方向位
置と、凸部15A同士間の凹部の個数、幅及び周方向位
置とを、一致させている。つまり、溝2aを、大径部2
Aだけではなく、入力軸2の先端にまで延長し、その溝
2aの延長した部分の間を凸部15Aとしているのであ
る。換言すれば、入力軸2の大径部2Aと、入力軸2の
凸部15Aが形成された先端部とは、凸部15Aの高さ
が大径部2Aの高さよりも低くなっていることを除いて
は、その横断面形状は、図6(a)に示すように丁度重
なり合うようになっている。このように溝2aと凸部1
5A同士間の凹部とを整合させれば、結果として、溝2
a同士間の凸部の個数、幅及び周方向位置と、凸部15
Aの個数、幅及び周方向位置とも一致するようになる。
【0028】そして、かかる構成であれば、溝2aと凸
部15Aとを、冷間鍛造の一回のプレス工程で同時に形
成することができ、コスト低減が図られる。因みに、溝
2aの本数が例えば八本で、凸部15Aの個数が四個の
ような場合には、上記のように形状を整合することがで
きないから、オスストッパをプレス1工程で製造し、そ
の後に、溝2aを転造で形成し、さらにその後に、プレ
スで矯正して製造しているので、複数回の工程が必要で
あったし、オスストッパと溝2aとが別工程で製造され
るので、相互の位相ズレを零とすることは困難であっ
た。
【0029】図1に戻って、上側ハウジング1Aの内側
には、円筒部材10を包囲するように、同一規格のコイ
ル20A,20Bが巻き付けられたボビンを内周側に支
持する磁性材料からなるヨーク30が固定されている。
但し、コイル20A,20Bは円筒部材10と同軸にな
っていて、一方のコイル20Aは、円筒部材10の窓1
0a,…,10aが形成された部分を包囲し、他方のコ
イル20Bは、円筒部材10の窓10b,…,10bが
形成された部分を包囲している。
【0030】ここで、コイル20A及び20Bの外周面
及び両端面を覆う鉄製のヨーク30の構成について説明
する。なお、コイル20A及び20Bは別々のヨーク3
0によって覆われているが、その構成は同等であるた
め、コイル20A側についてのみ説明する。
【0031】即ち、図7(a)はヨーク30の断面図、
図7(b)はヨーク30の正面図である。なお、図7
(a)は図7(b)のD−D線断面図に相当する。これ
ら図7(a)、(b)に示すように、ヨーク30は、ボ
ビン31に巻き付けられたコイル20Aの外周面及び一
方の端面を覆う断面L字形のリング部材30Aと、コイ
ル20Aの他方の端面を覆う断面方形のリング部材30
Bと、から構成されている。そして、リング部材30A
のコイル20Aの外周面を覆う部分は、リング部材30
Bの外周面をも覆うようになっていて、これにより、コ
イル20Aの外周面及び両端面の全体がヨーク30で覆
われるようになっている。
【0032】ただし、リング部材30Aのリング部材3
0Bを覆う部分には、三つの切欠き32A,32B及び
32Cが、周方向に等間隔(つまり120度間隔)に形
成されている。なお、各切欠き32A〜32Cは、コイ
ル20Aの外周面に若干重なるような寸法に形成されて
いて、そのうちの一つの切欠き32Aに嵌まり込むよう
に、リング部材30Bの外周面にプラスチック等の不導
体からなる端子保持部材33が固定されている。そし
て、その端子保持部材33の径方向外側を向く面には、
二つの端子20a,20aが先端側を径方向外側に向け
て固定されており、一方の端子20aの基端側はコイル
20Aの一方の端部に接続され、他方の端子20aの基
端側はコイル20Aの他方の端部に接続されている。か
かる構成により、コイル20Aの両端部が、ヨーク30
の外部に引き出されている。
【0033】また、切欠き32B及び32Cは、切欠き
32Aと同寸法ではあるが、特にこれら切欠き32B,
32Cに対応して端子保持部材等は設けられていない。
従って、切欠き32B及び32Cが形成されている部分
は、コイルボビン31の一部が露出していることにな
る。
【0034】なお、切欠き32A〜32Cの個数は、本
実施の形態では計三個であるが、これは、溝2aの個数
と所定の関係を満足するように決定する。具体的には、
切欠き32A〜32Cの個数と、溝2aの個数とが、1
以外の公約数を持たないような関係にする。本実施の形
態の場合、切欠き32A〜32Cの個数は三個で、溝2
aの個数が四個であるから、その関係を満足している。
【0035】そして、コイル20Bに対応した他方のヨ
ーク30も図7に示したものと同等の構成であって、両
者は、図1に示すように、リング部材30B同士が当接
し、且つ、端子保持部材33同士が重なるように突き合
わせた状態で、ハウジング1内に配設されている。
【0036】さらに、計4本の各端子20aの先端は、
ハウジング1を貫通してセンサケース21内に至ってお
り、コイル20A及び20Bの各端部は、それら各端子
20aを介して、センサケース21内に収容された基板
22に接続されていて、基板22上には、図示しないモ
ータ制御回路が構成されている。モータ制御回路の具体
的な構成は本発明の要旨ではないため、詳細には説明し
ないが、例えば上記特開平8−240491号公報に開
示されるように、所定周波数の交流電流をコイル20
A,20Bに供給する発振部と、コイル20Aの自己誘
導起電力を整流及び平滑して出力する第1整流平滑回路
と、コイル20Bの自己誘導起電力を整流及び平滑して
出力する第2整流平滑回路と、第1,第2整流平滑回路
の出力の差を増幅して出力する差動アンプと、差動アン
プの出力から高周波ノイズを除去するノイズ除去フィル
タと、ノイズ除去フィルタの出力に基づいて入力軸2及
び円筒部材10の相対回転変位の方向及び大きさを演算
しその結果に例えば所定の比例定数を乗じて操舵系に発
生している操舵トルクを求めるトルク演算部と、トルク
演算部の演算結果に基づいて操舵トルクを軽減する操舵
補助トルクが発生するような駆動電流を電動モータ8に
供給するモータ駆動部と、を備えて構成することができ
る。
【0037】次に、本実施の形態の動作を説明する。
今、操舵系が直進状態にあり、操舵トルクが零であるも
のとすると、入力軸2及び出力軸3間には相対回転は生
じない。従って、入力軸2と円筒部材10との間にも相
対回転は生じない。
【0038】これに対し、ステアリングホイールを操舵
して入力軸2に回転力が生じると、その回転力は、トー
ションバー4を介して出力軸3に伝達される。このと
き、出力軸3には、転舵輪及び路面間の摩擦力やラック
アンドピニオン式ステアリング装置のギアの噛み合い等
の摩擦力に応じた抵抗力が生じるため、入力軸2及び出
力軸3間には、トーションバー4が捩じれることによっ
て出力軸3が遅れる相対回転が発生し、入力軸2及び円
筒部材10間にも相対回転が生じる。そして、その相対
回転の方向及び量は、ステアリングホイールの操舵方向
や発生している操舵トルクに応じて決まってくる。
【0039】入力軸2及び円筒部材10間に相対回転が
生じると、溝2aと、窓10a,…,10a、10b,
…,10bとの重なり具合が当初の状態から変化する
し、溝10a,…,10aと溝10b,…,10bとの
位相関係を上記のように設定しているため、溝2aと窓
10a,…,10aとの重なり具合と、溝2aと窓10
b,…,10bとの重なり具合とは、互いに逆方向に変
化する。
【0040】その結果、入力軸2及び円筒部材10間の
相対回転に応じて、コイル20Aの自己インダクタンス
と、コイル20Bの自己インダクタンスとは、互いに逆
方向に変化するから、それらコイル20A,20Bの自
己誘導起電力も互いに逆方向に変化するようになる。よ
って、コイル20A,20Bの自己誘導起電力の差を求
めると、その差は、操舵トルクの方向及び大きさに従っ
てリニアに変化するようになる。その一方で、温度等に
よる自己インダクタンスの変化は、モータ制御回路内の
差動アンプにおいてキャンセルされる。
【0041】そして、モータ制御回路内のトルク演算部
が、差動アンプの出力に基づいて操舵トルクを求め、モ
ータ駆動部が、その操舵トルクの方向及び大きさに応じ
た駆動電流を電動モータ8に供給する。すると、電動モ
ータには、操舵系に発生している操舵トルクの方向及び
大きさに応じた回転力が発生し、その回転力がウォーム
8b及びウォームホイール7を介して出力軸3に伝達さ
れるから、出力軸3に操舵補助トルクが付与されたこと
になり、操舵トルクが減少し、運転者の負担が軽減され
る。
【0042】そして、本実施の形態では、出力軸3の端
部に、複数の軸方向溝11と、周方向溝12とを形成
し、軸方向溝11に円筒部材10の突起13を嵌合さ
せ、円筒部材10の端部をかしめて周方向溝12に食い
込ませているため、鉄製の出力軸3とアルミニウム製の
円筒部材10という材料の異なる部材間であっても、熱
膨張係数の違いなどに起因して保持力が低減するような
こともない。このため、円筒部材10の出力軸3に対す
る相対的な周方向位置や軸方向位置が当初の状態からず
れ、それがトルク検出値に含まれてしまう可能性を大幅
に低減できるのである。よって、安全性の点から高い信
頼性が必要な電動式パワーステアリング装置用のトルク
センサとして、極めて好適である。
【0043】また、本実施の形態では、溝2a及びオス
ストッパ15を冷間鍛造により入力軸2と一体に形成す
るとともに、軸方向溝11を冷間鍛造により出力軸3と
一体に形成しているため、組立時の位相合わせが容易で
あり、製造コストの低減に寄与できるという利点もあ
る。
【0044】しかも、溝2a及び凸部15Aの関係を上
述のように整合させ、それら溝2a及び凸部15Aを、
一回の冷間鍛造により同時に作り込んでいるため、入力
軸2自体の製造コストも、大幅に低減できるという利点
もある。さらに、本実施の形態にあっては、コイル20
A、20Bを内側に抱え込むヨーク30、コイル20
A、20Bの端子を外部に取り出すための切欠き32A
の他に、切欠き32B,32Cを形成するとともに、そ
れら切欠き32A〜32Cの形成位置を互いに周方向に
120度ずつずらしているので、各切欠き32A〜32
Cによって生じるコイル20A、20B内側の磁界の不
均一性に伴う各コイル20A、20Bのインピーダンス
変化が低減するようになっている。
【0045】即ち、本実施の形態では、上述のように溝
2aと窓10a,10bとの重なり具合の変化によって
コイル20A、20Bのインピーダンスが変化するよう
になっているが、それら溝2aと窓10a,10bとの
組が周方向に四つ存在するため、例えば切欠き32Aに
よるコイル20A、20B内側の磁束の不均一性によっ
て、出力軸3が一回転する度に、トルクと無関係なイン
ピーダンス変化が四つの波として現れることになる。
【0046】しかし、コイル20A、20B内側の磁束
の不均一性に伴うトルクと無関係なインピーダンス変化
は、切欠き32Bによっても生じるし、切欠き32Cに
よっても生じる。このため、各切欠き32A〜32Cに
よるトルクと無関係なインピーダンス変化は、それら切
欠き32A〜32Cの個数や形成位置を適宜選定するこ
とにより、強め合うことになったり、逆に弱め合うこと
になったりする。
【0047】仮に、ヨーク30に、切欠き32Aの他
に、これから180度ずれた位置に同寸法の切欠きを一
つだけ形成したとすると、溝2aと窓10a,10bと
の組み合わせが周方向に等間隔に四つ存在するため、そ
れら二つの切欠きによるインピーダンス変化は同じタイ
ミングで発生してしまう。このため、インピーダンス変
化は互いに強め合ってしまう。
【0048】これに対し、本実施の形態のように、三つ
の切欠き32A〜32Cが形成されていると、溝2aと
窓10a,10bとの組み合わせが周方向に等間隔に四
つ存在するため、例えば切欠き32Aと各溝2aとの位
置関係に対して、切欠き32Bと各溝2aとの位置関係
は2π/3だけ位相が遅れ、切欠き32Cと各溝2aと
の位置関係は4π/3だけ位相が遅れることになる。こ
のため、各切欠き32A〜32Cによるトルクに無関係
なインピーダンス変化は、互いに弱め合うようになるか
ら、結果としてインピーダンス変化が大幅に低減される
のである。
【0049】ここで、本実施の形態では、入力軸2が第
1の回転軸に対応し、出力軸3が第2の回転軸に対応す
る。なお、上記実施の形態では、本発明に係るトルクセ
ンサを車両用の電動式パワーステアリング装置に適用し
た場合について説明したが、これに限定されるものでは
なく、他の用途のトルクセンサであっても、本発明は当
然に適用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
トルクを検出するために第1の回転軸に設けた軸方向に
延びる溝の個数、幅及び周方向位置と、ストッパを構成
する為に第1の回転軸に設けた凸部同士間の凹部の個
数、幅及び周方向位置とを、一致させたため、それら軸
方向に延びる溝と凸部とを一回の冷間鍛造により同時に
作り込むことができ、製造コストを低減できるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の全体構成を示す縦断面
図である。
【図2】実施の形態の要部を構成する各部材の斜視図で
ある。
【図3】出力軸端部の図2とは異なる方向からの斜視図
である。
【図4】出力軸端部の構成を示す図である。
【図5】トーションバーを組み込んだ状態での出力軸端
部の構成を示す図である。
【図6】入力軸の構成を示す図である。
【図7】コイルを収容したヨークの構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 ハウジング 2 入力軸(第1の回転軸) 2A 大径部 2a 溝(軸方向に延びる溝) 3 出力軸(第2の回転軸) 4 トーションバー 10 円筒部材 11 縦方向溝 12 周方向溝 13 突起 14 メスストッパ 14A 凹部 15 オスストッパ 15A 凸部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同軸に配設された第1及び第2の回転軸
    をトーションバーを介して連結するとともに、前記第1
    の回転軸の外周面を包囲する円筒部材を、前記第2の回
    転軸と回転方向に一体とし、前記第1の回転軸の少なく
    とも前記円筒部材に包囲された被包囲部には軸方向に延
    びる溝を複数形成し、前記円筒部材には前記第1の回転
    軸との相対回転位置に応じて前記溝との重なり具合が変
    化するように窓を形成し、前記窓と前記溝との重なり状
    態に基づいてトルクを検出するようになっており、 前記第1の回転軸の前記第2の回転軸側端部の外周面に
    形成された径方向に突出する複数の凸部と、前記第2の
    回転軸の端面に形成された複数の凹部とを嵌め合わせる
    ことにより、前記第1及び第2の回転軸の相対回転角度
    を所定角度範囲内に規制するためのストッパを構成して
    いるトルクセンサにおいて、 前記軸方向に延びる溝の個数、幅及び周方向位置と、前
    記凸部同士間の凹部の個数、幅及び周方向位置とを、一
    致させたことを特徴とするトルクセンサ。
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