JPH11246426A - 高脂血症治療剤およびこれを含有する食品組成物 - Google Patents

高脂血症治療剤およびこれを含有する食品組成物

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JPH11246426A
JPH11246426A JP10044914A JP4491498A JPH11246426A JP H11246426 A JPH11246426 A JP H11246426A JP 10044914 A JP10044914 A JP 10044914A JP 4491498 A JP4491498 A JP 4491498A JP H11246426 A JPH11246426 A JP H11246426A
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mint
plant
extract
hyperlipidemia
antioxidant
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Application number
JP10044914A
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English (en)
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Toshio Inoue
俊夫 井上
Hideki Masuda
秀樹 増田
Hitomi Kumagai
日登美 熊谷
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OGAWA KORYO CO Ltd
Original Assignee
OGAWA KORYO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 動脈硬化など種々の循環器系疾患の原因とな
る高脂血症を予防または治療し、また生体内で生じる活
性酸素を消去するための安全で効果の優れた天然物由来
の高脂血症剤および抗酸化剤ならびにこれらを含有する
食品組成物を提供する。 【解決手段】 シソ科メンタ属植物(ミント草)または
その抽出物からなる高脂血症治療剤または抗酸化剤なら
びにこれらを含有する食品組成物。高脂血症治療剤また
は抗酸化剤はミント草の全草、葉、茎もしくはこれらの
水蒸気蒸留残渣を乾燥するかまたはそれらを適当な溶媒
で抽出することにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の分野】本発明は高脂血症治療剤およびこれを含
有する食品組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は
シソ科メンタ属植物またはその抽出物からなる高脂血症
治療剤およびこれを含有する食品組成物に関する。さら
に本発明は、シソ科メンタ属植物またはその抽出物から
なる抗酸化剤およびこれを含有する食品組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】血清の中には、コレステロール、トリグ
リセライド、リン脂質、遊離脂肪酸が含まれている。そ
のうち、コレステロールおよび/またはトリグリセライ
ドが正常値より高い値を示している状態が高脂血症とい
われる。さらに、コレステロールは、血液中ではリポタ
ンパクという形で存在し、比重の違いによってカイロミ
クロン、VLDL、IDL、LDL、HDLの5つに分
類される。この中で、LDLは低比重リポタンパクの略
であり、いわゆる悪玉コレステロールと言われているも
のである。このLDLは、生体内において酸化傷害など
により酸化型LDL(真の悪玉コレステロール)とな
り、これが動脈硬化の初期病変の形成に重要な役割を果
たしていることが知られている。一方、HDLは高比重
リポタンパクの略であり、いわゆる善玉コレステロール
と言われているもので、余分なコレステロールを取り除
く作用を有している。
【0003】この高脂血症は動脈硬化、すなわち、血管
壁にコレステロールなどの脂質が付着して、血管が硬く
なる症状を引き起こす。次いで、血管が詰まり、脳梗
塞、心筋梗塞、壊疽などに至ることがある。日本人の食
生活が西洋化するにつれ、近年特に問題化していること
は間違いない事実である。
【0004】上記の症状を治療あるいは予防するため
に、様々な取り組みがなされている。治療薬としてはL
DLを減少させる効果のあるHMG-CoA還元酵素阻
害剤、LDLが酸化型LDLになるのを防ぐプロブコー
ル、トリグリセライドを低下させるニコチン酸製剤やフ
ィブラート系薬剤などがある。しかしながら、これらの
治療薬には、食欲不振、めまい、発疹などの副作用があ
り、長期間服用する場合には、クオリティ・オブ・ライ
フの面において少なからず問題がある。
【0005】一方、高脂血症や高脂血症によって引き起
こされる動脈硬化等の疾患は生活習慣病とも呼ばれてお
り、生活習慣の中でも特に食生活と密接に結びついた疾
患である。したがって、食生活の改善、特にコレステロ
ールの摂取制限や食物繊維の摂取が生活習慣病の予防・
治療に有効とされている。さらに、食品に含まれる機能
性因子の探索も活発に行われており、食品素材に含まれ
る種々の抗酸化物質であるカロテノイド、赤ワイン中の
ポリフェノールや緑茶フラボノイドなどがLDLを真の
悪玉コレステロールにするのを防止する作用があること
も明らかにされている。
【0006】このような現状に鑑み、本発明者らは、高
脂血症に対して強い活性を有し、しかも安全性の点でも
問題のない天然物由来の高脂血症を抑制するための食品
素材を提供すべく、鋭意研究を重ねた。すなわち、血清
中の総コレステロールおよびトリグリセライドを減少さ
せ、総コレステロールの構成においてHDLの比率を相
対的に高め、さらにLDLの酸化傷害を予防するための
抗酸化成分を含有する素材を探索した。その結果、シソ
科メンタ(Mentha)属植物(以下、ミント草ともいう)
が、上記効果を併せ持つことを見出した。
【0007】ミント草はその精油成分にメントールを含
有し、香粧品や料理用などに、清涼感のある風味付けを
目的に幅広く用いられている。また、全草や油は芳香性
興奮薬、駆風薬、防腐剤、鎮痙薬として利用されてき
た。また、消臭剤(特開昭59−6056〜6058号)、口腔用
組成物(特開昭62−155210号)および抗炎症抗カユミ剤
(特開平7−330624号)としても知られているが、本発
明者らが見出したような高脂血症抑制作用および抗酸化
作用については未だ報告されていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、動脈硬化な
ど種々の循環器系疾患の原因となる高脂血症を予防また
は治療するための安全で効果の高い天然物由来の高脂血
症治療剤およびそれを含有する食品組成物を提供するこ
とを目的とする。さらに本発明は、LDLなどの酸化を
抑制するための安全で効果の高い抗酸化剤およびこれを
含有する食品組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、シソ科メン
タ属植物(ミント草)またはその抽出物からなる高脂血症
治療剤およびそれを含有する食品組成物により達成され
る。さらに上記目的は、ミント草またはその抽出物から
なる抗酸化剤およびそれを含有する食品組成物により達
成される。ミント草としては、メントールを含む植物が
使用される。このような植物の好ましい例としては、ハ
ッカ(Mentha arvensis L. var. piperascens Mali
n.)、ミズハッカ(Mentha aquatical L.)、セイヨウハ
ッカ(Menthapiperita L.)、ペニロイアルハッカ(Ment
ha pulegium L.)、マルバハッカ(Mentha rotundifolia
(L.) Huds.)、オランダハッカ(Mentha spicata L.)ま
たはベルガモットハッカ(Mentha citrata(Herh.) Bri
q.)またはこれらの変種が挙げられる。
【0010】本発明の高脂血症剤または抗酸化剤は上記
ミント草の全草、葉または茎の生もしくは乾燥したもの
を裁断し、または粉砕することにより、あるいはそれら
を適当な溶媒で抽出することにより製造される。本発明
の高脂血症抑制作用および酸化抑制作用を有する成分
は、ミント草の精油部分には含まれていないので、ミン
ト草を水蒸気蒸留して精油を採取した残りの抽出残渣を
そのまま、あるいは乾燥して、あるいは上記抽出残渣を
適当な溶媒で抽出することにより製造することもでき
る。本発明の高脂血症治療剤および抗酸化剤を食品に配
合する際、メントール臭のないものが望まれる場合に
は、ミント草の水蒸気蒸留残渣またはその抽出物を使用
して製造する。
【0011】抽出溶媒としては、例えば、水、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレ
ングリコール、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、ク
ロロフォルム、塩化メチレン、ジエチルエーテル、ベン
ゼンから選ばれる溶媒が挙げられ、これらは単独でも2
種類以上を混合してもよい。好ましい溶媒としては、
水、メタノール、エタノール、アセトンおよびこれらの
混合溶媒が挙げられ、特に、水およびエタノールを単独
あるいはこれらを任意の比率で混合した混合溶媒系が安
全性の点で好ましい。
【0012】抽出条件は任意に定めることができる。例
えば、ミント草の乾燥葉を約10〜30倍程度の容量の
抽出溶媒に常温または加熱下に2〜48時間浸漬するだ
けで抽出を行うことができる。抽出液は、ろ過または遠
心分離により固形物を除去した後、そのまま使用しても
良いが、自体公知の適当な方法で抽出溶媒を留去し、抽
出エキスとして使用してもよく、または乾燥して使用す
ることもできる。
【0013】所望により、上記の抽出液を活性炭や合成
高分子吸着体の樹脂処理などによりで脱色・脱臭して精
製してもよい。しかし、該抽出物の有効性は、抽出物の
ままでも強く現れるので、色、臭い、安定性等の点で不
都合がない限り、高度の精製は通常要しない。
【0014】本発明の高脂血症治療剤および抗酸化剤
は、軟膏、貼付剤、スプレー剤のような外用剤として、
また、錠剤、丸剤、粉剤、シロップ剤、乳剤、液剤、カ
プセル剤、注射剤のような内用剤として使用することが
できる。これらを経皮、経口、注射、鼻内などの経路で
投与する。これらの製剤は、ラクトース、デキストロー
ス、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプ
ン、アラビアゴム、燐酸カルシウム、微結晶セルロー
ス、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、シロップ、タル
ク、ステアリン酸カルシウム、水、鉱油などの担体を用
いて常法に従って製造される。本発明の製剤にはさら
に、常法にしたがって潤沢剤、乳化剤、懸濁化剤、酸化
防止剤、甘味剤、香味剤などを添加することができる。
【0015】本発明の高脂血症治療剤および抗酸化剤
は、広い範囲の用量に亘って投与することができ、ミン
ト草抽出物固形換算で、通常、体重1kgに対して約0.
01〜1000mg、好ましくは約0.1〜500mgであ
るが、投与される者の年齢、体重、症状の重篤度、投与
経路などを考慮して適宜決定される。
【0016】本発明の高脂血症治療剤および抗酸化剤の
食品組成物への配合量は、その製剤形、期待される高脂
血症抑制作用または抗酸化作用の程度などによって異な
るが、素材自体の味が食品に悪影響を及ぼさない濃度で
用いるのが好ましい。通常、該成分を抽出物固形換算で
0.01〜10.0重量%、好ましくは0.1〜5.0%配
合するのが適当である。ただし、食品の呈味性に問題な
い場合はこの範囲に限らない。さらに、ミント草あるい
はミント草水蒸気蒸留残渣をそのまま用いる場合は、乾
燥後、粉砕して食品組成物とすることもできるし、ティ
ーバッグのような透水性の袋に入れてお茶剤のようにし
て浸出液を飲用することもできる。本発明のミント抽出
物を含有する食品組成物としては、ジュース、健康茶の
ような飲料、顆粒、錠菓、ゼリー、ガム、キャンディ
ー、アイスなどの菓子類、健康食品類など種々の形態が
挙げられる。
【0017】
【実施例】以下、実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0018】ミント草抽出物の作成 実施例1 セイヨウハッカ乾燥葉1kgに水10kgを加え、1時間加
熱還流した。液温40℃で遠心分離した後、減圧濃縮し
た。ついで濃縮物を凍結乾燥することにより、抽出エキ
ス粉末320gを得た。(収率32%)
【0019】実施例2 セイヨウハッカ乾燥葉100gに50%エタノール水溶
液1000mlを加え、1時間加熱還流した。不溶物を除
去した後、減圧濃縮した。濃縮物を凍結乾燥することに
より、抽出エキス粉末38gを得た。(収率38%)
【0020】実施例3 セイヨウハッカ乾燥葉500gに水5kgを加え、1時間
加熱還流した。液温40℃で遠心分離した後、減圧濃縮
した。エキス中の固形分量を10重量%に調製して、等
量のデキストリンを加え、噴霧乾燥してエキス粉末31
6gを得た。(収率60%)
【0021】実施例4 セイヨウハッカ乾燥葉10kgを水蒸気蒸留装置で1時間
蒸留して、精油31gを得た。脱精油後の葉は天日乾燥
して水蒸気蒸留残渣9.8kgを得た。
【0022】実施例5 ハッカ乾燥葉5kgを水蒸気蒸留装置で1時間蒸留して、
精油23gを得た。脱精油後の葉は天日乾燥して水蒸気
蒸留残渣4.6kgを得た。これに水70kgを加え、0.5
時間加熱還流した。液温40℃で遠心分離した後、減圧
濃縮した。エキス中の固形分量を10重量%に調製し
て、等量のデキストリンを加え、噴霧乾燥してエキス粉
末2.4kgを得た。
【0023】実施例6 オランダハッカ乾燥葉50gに50%エタノール水溶液
1000mlを加え、1時間加熱還流した。液温40℃で
遠心分離した後、減圧濃縮した。濃縮物を凍結乾燥する
ことにより、抽出エキス粉末13.5gを得た。(収率
27%)
【0024】実施例7 錠剤 以下の成分を用いて常法により錠剤を調製した。
【0025】実施例8 硬質ゼラチンカプセル 以下の成分を用いて常法により硬質ゼラチンカプセルを
調製した。
【0026】実施例9 液剤 以下の成分を用いて常法により液剤を調製した。 カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5g シロップ 12.5ml 安息香酸溶液 1.0ml 香味剤 適量 着色剤 適量 実施例1抽出物 0.5g 純 水 適量 計 50.0ml
【0027】実施例10 キャンディー 下記に示す処方に従って高脂血症治療用または抗酸化用
キャンディーを作成した。即ち、砂糖および水飴を15
0℃で加熱溶解し、120℃に冷却後、残りの成分を添
加し、攪拌均一化した後、成形冷却しキャンディーを得
た。
【0028】実施例11 ビスケット 下記処方の成分を混合し、成形したのち焼成して高脂血
症治療用または抗酸化用ビスケットを得た。
【0029】実施例12 チューインガム 下記処方に従ってガムベースに残りの成分を添加し、均
一攪拌して高脂血症治療用または抗酸化用チューインガ
ムを得た。
【0030】抗高脂血試験 試験例1 実験用飼料はラット一般飼育用飼料(MF、オリエンタ
ル酵母工業、以下「Nor食」という)をベースとして
使用した。これの組成は水分7.8%、粗タンパク質2
3.8%、粗脂肪5.1%、粗灰分6.1%、粗繊維3.2
%、可溶性無機窒素物54%であった。このNor食を
ミキサーにて粉末状にし、コレステロール0.5%、コ
ール酸0.25%、ラード10%を添加したものを高コ
レステロール(以下「HC食」という)食とした。1群
食はNor食のみ、2群食はHC食のみ、3群食はHC
食にミント抽出物を0.5%添加したもの、4群食はコ
レキサミンを0.1%添加したものとした。実験動物は4
週齢Wister系ラット(日本生物材料センター)を
各群7匹ずつ(2群のみ8匹)計37匹使用した。飼育
はラットを一匹ずつ個別式ケージに入れ、12時間明暗
サイクルで28日間行った。飼料および水は採血前夜を
除き自由接種とした。体重、飼料重量、水重量を毎日一
定時刻に測定し、一日の摂食量、摂水量を算出した。本
飼育開始日および本飼育開始後14日間ごとに一夜絶食
させた後、エチルエーテル麻酔下で心臓より採血した。
この血液を室温で30分間静置後、3000rpmで1
0分間遠心分離し血清を得た。血清中の総コレステロー
ル、HDLコレステロールは市販のキットにより測定し
た。総コレステロールの測定にはコレステロールC−テ
ストワコー(和光純薬工業)、HDLコレステロールの
測定にはHDLコレステロール-テストワコーを使用し
た。
【0031】結 果:飼育28日目の結果を表1、2に
示す。数値は、飼育開始日の値を100%に換算して表
示した。表1において実施例1で得た抽出エキスを投与
した群は、血清脂質のうち、総コレステロールおよびト
リグリセライドはいずれも低値を示し、HDLは高値を
示した。その効果は、いずれの値もHC食に対して5%
の危険率で有意であった。被検薬物であるコレキサミン
投与群は、総コレステロールおよびHDLはいずれも有
意な変動は示さなかったが、トリグリセライドは大きく
低下し、HC食に対して1%の危険率で有意であった。
また、表2において実施例2で得た抽出エキスを投与し
た群は総コレステロールにおいて低値を示し、その効果
は、HC食に対して1%の危険率で有意であった。以上
の結果から、ミント草抽出物には血中総コレステロール
並びにトリグリセライドを低減させ、HDLを上昇させ
る作用が認められ、高脂血を効果的に抑制することが明
らかになった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】上記試験例の実験経過において、試験動物
の一般状態、体重および摂餌量推移、さらに試験終了後
の臓器所見に異常は見られなかった。セイヨウハッカは
古くから生葉をそのまま食用に供したり、乾燥葉をハー
ブティーとして飲用するなどの食経験から、前記投与量
の範囲において、安全に摂取することができる。
【0035】抗酸化試験 試験例2(DPPHラジカル消去活性試験) 0.1M酢酸緩衝液(pH 5.5、2.0ml)に被検物質のEt
OH溶液(2.0ml)及び2×10-4MのDPPH(2,2−
diphenyl−1−picrylhydrazyl)(ナカライテスク社
製)EtOH溶液(1.0ml)を加えて全量5.0mlとし、
30分後に517nmにおける吸光度を測定した。結果
は、被検物質無添加のコントロールに対して、吸光度を
1/2に減少させるのに必要な被検物質量(μg)で表した。
なお、水溶性画分については被検物質の0.1M酢酸緩
衝液(pH 5.5、2.0ml)に、EtOH(2.0ml)及び2×
10-4MのDPPH(ナカライテスク社製)EtOH溶
液(1.0ml)を加えて全量を5.0mlとし、30分後に5
17nmにおける吸光度を測定した。
【0036】試験例3(SOD様活性試験) SOD(superoxide dismutase)様活性の測定はSOD
テストワコー(和光純薬工業株式会社製)を使用し、結
果はg/unitで表した。 結 果:結果を表3および4に示す。表3のDPPHラ
ジカル消去活性試験からは、実施例で作成した抽出エキ
スはいずれも高いラジカル消去活性を有していることが
明らかになった。一方、SOD様活性の試験では、SO
D様活性の高いと言われるルイボス茶や緑茶の2倍から
3倍という高値を示した。以上の結果から、ミント草抽
出物はフリーラジカル消去作用ならびに活性酸素消去に
優れた成分を含有していることが明らかとなった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】抗酸化成分の分析 試験例4 実施例1で得られたミント草熱水抽出物320gをダイ
ヤイオン(三菱化成(株)製、DAION HP-20)のカラムク
ロマトグラフィー(700g:φ100×350mm)に付し、
水、20%エタノール、50%エタノール、エタノー
ル、アセトン(水は10リットル、残りは5リットル)で
順次溶出した。20%および50%エタノール溶出画分
71gはシリカゲルカラムクロマトグラフィー(600
g:φ60×350mm)に付し、クロロホルム−メタノール
(9:1)→メタノールの直線グラジエント溶出し、2
50mlずつのフラクションに分画した。25〜32番目
のフラクションを集めて濃縮し、LH−20カラムクロ
マトグラフィー(200g:φ50×300mm)に付し、メタノ
ールで溶出して100mlずつのフラクションに分画し
た。17〜22番目のフラクションを集め、減圧乾固し
て8.6gの黄褐色粉末を得た。このフラクションから
は分取HPLCカラムクロマトグラフィー(TSKgel80T
s、アセトニトリル:水=8:2、流速:10ml/min)に
より、エリオシトリン、ルテオリン−7−o−ルチノサ
イドが得られた。また、HP−20カラムクロマトグラ
フィーのエタノール溶出画分は、LH−20カラムクロ
マトグラフィー(80g:φ20×300mm)に付し、メタノ
ールで溶出して20mlずつのフラクションに分画した。
35〜42番目のフラクションを集め、減圧乾固して
1.7gの黄褐色粉末を得た。このフラクションからは
分取ゲルカラムクロマトグラフィー(JAIgel 1H+2H、
クロロホルム、流速:3.5ml/min)により、エリオジク
チオール、ルテオリンおよびヘスペリジンが得られた。
各々の成分の確認は、IR、NMR、MSデータが既知
文献と一致したことにより確認した。これらの化合物
を、上記試験例2および3に従って行った抗酸化試験の
結果を表5、6に示す。
【0040】結 果:ミント草に含まれるフラボノイド
の中でも主成分であるエリオシトリンに、強いラジカル
消去能があることが明らかとなり、その効果はα−トコ
フェロールよりも強いものであった。また、エリオシト
リンの糖部分(ルチノース部分)が加水分解されて生成
したエリオジクチオールにはビタミンCをも上回る強力
な活性が見出された。一方、SOD様活性の測定結果か
らは、エリオジクチオールに非常に強い活性が認めら
れ、ミント草抽出物中のSOD様活性の主成分はエリオ
ジクチオールと考えられた。この、エリオジクチオール
はミント草には少量しか含まれていないが、ミント草エ
キス中にはエリオシトリン(エリオジクチオール配糖
体)として存在しており、生体に投与した場合、腸内細
菌(Bacteroides distasonis、Bacteroides uniformi
s)のβ−グルコシダーゼで加水分解してエリオジクチ
オールを生成することが知られている。食品素材中に含
まれる抗酸化成分がLDLの酸化を抑制して、その結
果、動脈硬化の予防に有効であるという説はフレンチパ
ラドックスやジャパニーズパラドックスなどからも定説
になりつつある。従って、ミント草抽出物は高脂血なら
びに高脂血症により誘発される動脈硬化などの疾患を抑
制する食品素材として有効である。
【0041】
【表5】 表5:DPPHラジカル消去活性試験 試 料 IC50(μg) エリオシトリン 19 エリオジクチオール 8.8 ルテオリン 6.5 ビタミンC 12 α−トコフェロール 21
【0042】
【表6】 表6:SOD様活性試験 試 料 unit/g エリオジクチオール 666000 ルテオリン 278000 実施例3で得た抽出エキス 30109
【0043】
【発明の効果】ミント草またはその抽出物は、血中総コ
レステロールおよび血中トリグリセリドの低下作用が高
いので、高脂血症の予防または治療剤として有用であ
る。さらにミント草またはその抽出物は、生体内で生じ
る活性酸素を消去する作用が強いので抗酸化剤、特に血
中LDLの酸化抑制剤として有用である。ミント草の抽
出物の中にはエリオシトリン、ルテオリンのように抗酸
化作用を有することが既に知られている物質が含まれて
いるが、ミント草の抽出物の形態で使用する場合はこれ
ら抗酸化物質を単独で使用するよりも生体内で生じる活
性酸素を消去する作用が優れている。高脂血症は動脈硬
化の原因となり、また、血中LDLが酸化されて生成す
る酸化型LDLも動脈硬化の初期病変の形成に重要な役
割を果たしていることから、血中総コレステロールおよ
び血中トリグリセリドの低下作用とともに、生体内で生
じる活性酸素を消去する作用を有する本発明のミント草
またはその抽出物は、動脈硬化の予防および治療に極め
て有効である。しかもこれらは天然物由来であるため副
作用の心配がなく、食品に配合して摂取するのに適して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23G 3/00 101 A23G 3/00 101 3/30 3/30

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シソ科メンタ属植物またはその抽出物か
    らなることを特徴とする高脂血症治療剤。
  2. 【請求項2】 シソ科メンタ属植物の全草、葉、茎もし
    くはこれらの水蒸気蒸留残渣またはそれらの抽出物から
    なることを特徴とする高脂血症治療剤。
  3. 【請求項3】 シソ科メンタ属植物が、メントールを含
    む植物である請求項1または請求項2に記載の高脂血症
    治療剤。
  4. 【請求項4】 シソ科メンタ属植物が、ハッカ、ミズハ
    ッカ、セイヨウハッカ、ペニロイアルハッカ、マルバハ
    ッカ、オランダハッカまたはベルガモットハッカまたは
    これらの変種である請求項1ないし請求項3のいずれか
    の項に記載の高脂血症治療剤。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかの項
    に記載の高脂血症治療剤を含有する食品組成物。
  6. 【請求項6】 シソ科メンタ属植物またはその抽出物か
    らなることを特徴とする抗酸化剤。
  7. 【請求項7】 シソ科メンタ属植物の全草、葉、茎もし
    くはこれらの水蒸気蒸留残渣またはそれらの抽出物から
    なることを特徴とする抗酸化剤。
  8. 【請求項8】 シソ科メンタ属植物が、メントールを含
    む植物である請求項6または請求項7に記載の抗酸化
    剤。
  9. 【請求項9】 シソ科メンタ属植物が、ハッカ、ミズハ
    ッカ、セイヨウハッカ、ペニロイアルハッカ、マルバハ
    ッカ、オランダハッカまたはベルガモットハッカまたは
    これらの変種である請求項6ないし請求項8のいずれか
    の項に記載の抗酸化剤。
  10. 【請求項10】 血中のLDLが酸化型LDLに酸化さ
    れるのを抑制するための請求項6ないし請求項9のいず
    れかの項に記載の抗酸化剤。
  11. 【請求項11】 請求項6ないし請求項10のいずれか
    の項に記載の抗酸化剤を含有する食品組成物。
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