JPH11243333A - 分布型直流レベルシフト回路 - Google Patents

分布型直流レベルシフト回路

Info

Publication number
JPH11243333A
JPH11243333A JP10045009A JP4500998A JPH11243333A JP H11243333 A JPH11243333 A JP H11243333A JP 10045009 A JP10045009 A JP 10045009A JP 4500998 A JP4500998 A JP 4500998A JP H11243333 A JPH11243333 A JP H11243333A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
level shift
circuit
output
impedance
transmission line
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10045009A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunji Kimura
俊二 木村
Hiroyuki Kikuchi
博行 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP10045009A priority Critical patent/JPH11243333A/ja
Publication of JPH11243333A publication Critical patent/JPH11243333A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Microwave Amplifiers (AREA)
  • Logic Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分布型直流レベルシフト回路をインダクタで
はなく伝送線路を用いて実現する場合でも反射特性を劣
化させないようにすることである。 【解決手段】 直列接続された直流レベルシフトダイオ
ードの接合部面積を任意の整数例えば2で等分割し、分
割された2つの直列接続された直流レベルシフトダイオ
ード29のカソード端子間に伝送線路30を接続し、ア
ノード端子間に伝送線路31を接続した構成を特徴とし
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ドレイン接地トラ
ンジスタと任意の数の直列接続された直流レベルシフト
ダイオードと伝送線路を単位回路(区間)に用いた分布
型直流レベルシフト回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、ドレイン接地トランジスタと直
流レベルシフトダイオードを用いた典型的な直流レベル
シフト回路を示す。図において、1は入力端子、2は出
力端子、3はトランジスタ(ドレイン接地)、4は直流
レベルシフトダイオード、5は電源もしくは電気的接地
(以下、接地という)、6は入力側整合回路、7は出力
側整合回路、8はバイアス回路を示す。図中のバイアス
回路8は省略可能である。また出力側整合回路7とこれ
に接続された接地5は、省略した場合に出力インピーダ
ンスが整合インピーダンスに近い値をとる場合には省略
可能である。図9では便宜上直流レベルシフトダイオー
ドが4個のものを示したが、一般には任意の数のレベル
シフトダイオードが用いられる。直流レベルシフト回路
は任意の回路AとBを直流結合する回路で、回路Aの出
力側直流電位と回路Bの入力側直流電位が異なる際に、
ドレイン接地のトランジスタ3のゲート・ソース間電位
差とレベルシフトダイオード4の電極間電位差の総和が
回路間の電位差と等しくなるよう設計される。ドレイン
接地のトランジスタ3の直流利得AV(DC)はトランジス
タのドレイン・ソース間抵抗(Rds)が十分大きいとし
て無視すると、以下の式(1)で表わされる。
【0003】
【数1】 ここで、gm はトランジスタ3の相互コンダクタンス、
0 は整合インピーダンスである。この式(1)から分
かるように、ドレイン接地トランジスタの利得は1(0
dB)以下であり、ゲート幅の大きなトランジスタ(g
m の大きなトランジスタ)を用いれば、利得は1(0d
B)に近付く。しかしながら、トランジスタの寄生容量
の値が大きくなるため高周波特性が劣化し、直流レベル
シフト回路の周波数帯域は狭くなる。
【0004】直流レベルシフト回路を用いて接続される
回路が広帯域な特性をもっている場合、直流レベルシフ
ト回路の周波数帯域が広帯域であることが求められるが
図9に示す回路では周波数帯域を広くとるためにはゲー
ト幅の小さなトランジスタを用いなければならず、結果
として直流レベルシフト回路の挿入損失が大きくなって
しまう。この問題を解決するために、従来分布型直流レ
ベルシフト回路が用いられてきた。
【0005】図10に典型的な分布型直流レベルシフト
回路を示す。図中、1〜8は図9と同様のものを示し、
さらに9は入力側伝送線路、10,11は出力側伝送線
路、12は単位回路(区間)、13は入力側整合終端回
路、14は出力側整合終端回路を示す。図9と同様に出
力側整合終端回路14とこれに接続された接地5、そし
てバイアス回路8は省略可能である。また、出力側整合
終端回路14とこれに接続された接地5を省略した際に
は出力側整合終端回路11も省略可能である。図10も
図9と同様に、便宜上直流レベルシフトダイオードが4
個のものを示したが、一般には任意の数のダイオードが
用いられる。また、図10では単位回路(一般に区間と
呼ぶ)12が4区間の構成を示したが、この区間数も任
意である。
【0006】分布型直流レベルシフト回路は、直流レベ
ルシフト回路の入出力に生じる寄生容量が疑似定K型フ
ィルタ回路の分路容量となるようにインダクタもしくは
伝送線路を付加した構成で、この疑似定K型フィルタが
非常に高いカットオフ周波数をもつため、通常の直流レ
ベルシフト回路にくらべて広帯域な特性を実現すること
ができる。また、区問数を増加させることにより総ゲー
ト幅を大きくすることができるため、広帯域な特性を維
持したまま低損失な特性を実現できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この分
布型直流レベルシフト回路をインダクタではなく伝送線
路を用いて実現する場合(主に集積回路で実現する場
合)、以下の問題が生じる。
【0008】理想的な定K型低域フィルタは、インダク
タ(L)と容量(C)のみで構成されるため、そのT区
間の影像インピーダンスZTは以下の式で表わされる。
【0009】
【数2】 ここで、ωは角周波数、ωc は定K型低域フィルタのカ
ットオフ角周波数(角周波数は周波数をfとするとω=
2π・fの関係にあり、1対1対応であるので便宜上、
カットオフ角周波数はカットオフ周波数と置き換えて表
現する。)は一般に以下の式(3)で表わされる。
【0010】
【数3】 式(3)から明らかなように、カットオフ周波数以下の
帯域内では影像インピーダンスは実数であり、直流で
【0011】
【数4】 カットオフ周波数で0となる。カットオフ周波数以上の
高周波帯では純リアクタンスとなる。すなわち実部だけ
に着目した場合、カットオフ周波数以上の帯域では0で
ある。実際の分布増幅型回路では、直流での影像インピ
ーダンスを入出力の整合インピーダンスと等しく設計す
ることにより、広帯域な入出力整合を実現するが、一般
に終端回路には整合インピーダンスと等しい抵抗を用い
るため、回路の入出力端から見たインピーダンスは高周
波帯で影像インピーダンスとは異なった値をとる。図1
1では、便宜上1区間の対称T型回路を用いて一方の端
子を抵抗
【0012】
【数5】 で終端している。図11において、1と5は図9と同様
のものを示し、15はインダクタ(L/2)、16は容
量(C)、17は整合終端抵抗(R0 )を示す。この場
合の入力端子1からみた入力インピーダンスZinは以下
の式で表わされる。
【0013】
【数6】 この式(4)から明らかなように、直流で入力インピー
ダンスの実部は
【0014】
【数7】 虚部は0であり、周波数がカットオフに達したとき、
【0015】
【数8】 となり、実部はR0 の1/5となる。実部は周波数の増
加と共に単調減少し、0に漸近する関数となる。
【0016】一方、図12に示すように、インダクタの
代わりに特性インピーダンスZl で長さl/2の伝送線
路を2本用い、対称T型回路1区間の一方の端子を抵抗
0で終端した場合、他端からみた入力インピーダンス
inは以下の式で表わされる。
【0017】
【数9】 図12中の記号は、1、5、17は図11と同様のもの
を表わし、18は伝送線路(特性インピーダンスZl
長さl/2)、19は容量を表わす。正確には伝送線路
18の分路容量と容量19の和が図11における容量1
6と等しくなるように設計されるが、ここでは便宜上伝
送線路18の分路容量と容量19の和に相当する容量
が、図中の容量19のように伝送線路18の間に集中定
数素子的に存在するという近似を用いている。また、式
(6)中では便宜上容量16に無損失の伝送線路を仮定
しており、記号βは
【0018】
【数10】 で表わされる伝送線路の位相定数である。ここでλは波
長、εeff は伝送線路の実効誘電率、c0 は真空中の光
速度である。この入力インピーダンスの式から明らかな
ように、伝送線路を用いて構成された疑似定K型フィル
タ回路では入力インピーダンスは単調な関数にはならな
い。例えばこの伝送線路の長さl/2が1/4波長とな
る周波数では、
【0019】
【数11】 であるので、入力インピーダンスZin
【0020】
【数12】 となる。すなわち
【0021】
【数13】 の周波数で実部はR0 となり、虚部はωCZ2 lとなるよ
うな周期的な関数となる。実際には図13に示すように
【0022】
【数14】 となる周波数近傍で入力インピーダンスの実部は高いピ
ークをもつ。図13は、特性インピーダンスが50Ω、
カットオフ周波数が50GHzのフィルタの入力インピ
ーダンスの実部の周波数依存性を示したもので、図中、
曲線20は図11に示した回路の入力インピーダンス実
部、曲線21は図12に示した回路の入力インピーダン
ス実部を示す。図中、曲線20がカットオフ周波数で1
0Ω(50Ωの1/5)になっていることが分かる。ま
た、曲線21はカットオフ周波数で50Ωの約1/2と
なっており、曲線20に比べてインピーダンスの低下が
緩やかであることが分かる。
【0023】曲線21で用いた伝送線路の特性インピー
ダンスは75Ωであるが、伝送線路の長さは伝送線路の
単位長さ当たりのインダクタンスと容量をそれぞれ
l,Clとすると、
【0024】
【数15】
【0025】
【数16】 であるので、
【0026】
【数17】 となる。これを式(9)に代入すると、
【0027】
【数18】 となる。従って、図12中の18の伝送線路長さl/2
がλ/4となる周波数は、
【0028】
【数19】 から
【0029】
【数20】 である。一方、カットオフ周波数fc は、
【0030】
【数21】
【0031】
【数22】 い周波数になるが、伝送線路の特性インピーダンスは一
般にR0 に比べて極端に 図13ではカットオフ周波数(50GHz)の約2.3
6倍の周波数でRe(Zin)が再び50Ωになっている
ことが分かる。このように、インダクタを用いた場合と
伝送線路を用いた場合の違いは、主に高周波帯で顕著で
ある。
【0032】通常の分布増幅型回路に於いては、入出力
インピーダンスが直流近傍で整合インピーダンスと等し
く設計され、フィルタのカットオフ周波数近傍で一度イ
ンピーダンスが低下したところで帯域上限が定まる。実
際の分布増幅型回路はフィルタ回路が減衰定数をもつた
め、回路の−3dB帯域はカットオフ周波数よりも低く
なるため、この入出力インピーダンスのピークによる入
出力整合特性の劣化が問題になることはなかった。しか
しながら分布型直流レベルシフト回路に於いては、以下
に述べる回路固有の問題点により、出力側反射特性がこ
の高周波帯におけるインピーダンスの過剰上昇によって
劣化することが分かっている。
【0033】一般に分布型直流レベルシフト回路では、
十分低い挿入損失を得るために総ゲート幅を広く設計す
ることが多く、このため分布型直流レベルシフト回路の
出力インピーダンスは直流近傍で非常に低い値をとる。
図14に示すように、フィルタの縦続素子を再びインダ
クタで近似し、分路インピーダンスを抵抗Rと容量Cで
構成すると、入力インピーダンスは以下の式で表わされ
る。
【0034】
【数23】 なお、図14中1、5、15〜17は図11と同様のも
のを表わし、さらに22は抵抗(R)を表わす。入力イ
ンピーダンスの実部は、R=∞(図11)において定義
されたカットオフ周波数で以下の式となる。
【0035】
【数24】 例えばR=RO としたときRe (Zin)は最大値をと
り、R0 /3となる。これは、R=∞のときの値である
0 /5と比べて増加していることがわかる。インダク
タの代わりに伝送線路を用いた場合に於いての入力イン
ピーダンスは式が複雑なため割愛するが、インダクタを
使ったときと同様の傾向でインピーダンスの 図15に分路容量に並列に抵抗を付加した場合の入力イ
ンピーダンス実部の周波数依存性を示す。図中、23は
図14に示した回路の入力インピーダンス実部、曲線2
4は図14の回路のインダクタを伝送線路に置き換えた
場合の入力インピーダンス実部を表わす。図から分かる
ように、曲線23はカットオフ周波数 インピーダンスの上昇までほぼ単調増加している。
【0036】この図から分かるように疑似定K型フィル
タの分路抵抗がない場合の影像イン 到達するまで出力インピーダンスの実部はR0 に達しな
い。一般にドレイン接地型トランジスタに於いてはトラ
ンジスタの出力側の容量成分が小さい為、出力側の疑似
定K型フィルタの伝送線路長を長めに設計し、LCの積
を入力側フィルタと等しくなるよう設計することにより
位相速度整合をとるとともに、帯域内での出力インピー
ダンスがR0 に近くなるように設計最適化がなされる。
しかしなが クが低周波側にシフトするので、高周波帯では出力イン
ピーダンスの過剰上昇が生じてしまう。このため高周波
帯で出力側反射特性が劣化してしまうという問題点があ
った。
【0037】図16に、実際に設計された分布型直流レ
ベルシフト回路の入出力インピーダンス実部の周波数依
存性を示す。図中、25は出力インピーダンス、26は
入力インピーダンスを示す。出力インピーダンスの方が
比較的低い周波数にピークがあり、入力インピーダンス
に比べて低い周波数から過剰なインピーダンス上昇が生
じていることが分かる。この図における設計では、回路
の帯域をほぼ100GHZ に設定しているが、出力側イ
ンピーダンスのピーク位置はわずか1.7〜1.8倍程
度である。これは、出力側疑似定K型フィルタの分路抵
抗を無視した直流での影像インピーダンス(式(15)
におけるR0 )が高めに設計されたことによる。
【0038】図17に、図16に示した入出力インピー
ダンスをもつ分布型直流レベルシフト回路の透過特性S
21と出力側反射特性S11の周波数依存性を示す。図中の
曲線27は従来の分布型直流レベルシフト回路の透過特
性、曲線28は従来の分布型直流レベルシフト回路の出
力側反射特性を示す。低周波帯では分路抵抗の影響によ
る反射特性の劣化が見られ、帯域中央付近ではある程度
改善されている。しかしながら、高周波帯では出力イン
ピーダンスの過剰上昇によって再び反射特性が劣化して
いることが分かる。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明は、ドレイン接地
トランジスタと任意の数の直列接続された直流レベルシ
フトダイオードを単位回路に用いた分布型直流レベルシ
フト回路において、前記直列接続された直流レベルシフ
トダイオードの接合部面積を任意の整数で等分割し、分
割された複数の直列接続された直流レベルシフトダイオ
ードのカノード端子間に伝送線路を接続し、アノード端
子間に伝送線路もしくはインダクタを接続し、分布増幅
型に構成したものである。
【0040】また、入力側伝送線路または出力側伝送線
路の少なくとも一方に分路容量を調整するための容量を
付加したものである。
【0041】さらに、分割された複数の直列接続された
直流レベルシフトダイオードにその容量を調整するため
の容量を付加したものである。
【0042】
【発明の実施の形態】本発明は、ドレイン接地トランジ
スタと任意の数の直列接続された直流レベルシフトダイ
オードを用いて構成された直流レベルシフト回路を単位
回路に用いた分布型直流レベルシフト回路において、直
流レベルシフトダイオードの接合部面積を任意の整数で
分割し、分割されたダイオードを分布型に配列すること
により、高周波帯における出力側反射特性を改善する。
また、分割された最もトランジスタに近いダイオードの
アノード端子間に伝送線路もしくはインダクタを挿入す
ることにより、分割によって生じた入出力の疑似定K型
フィルタ回路間の速度不整合を改善する。
【0043】〔実施例〕図1は本発明の第1の実施例を
示す図であり、先に説明した図10中の1単位回路に相
当する構成のみを便宜上示したものである。図中の記号
は、1〜9までは図10と同様のものを示し、29は分
割されたダイオード、30は出力側伝送線路、31はイ
ンダクタもしくは伝送線路を示す。
【0044】図1では直列接続ダイオードの接合部面積
を2分割した例を示したが、入力側疑似定K型フィルタ
回路の特性にあわせて任意の整数nで分割してもよい。
また、バイアス回路8は省略可であり、図1の区間が入
力端子に一番近い区間であつた場合、図10で説明した
ように最も入力端子に近い分割された出力側伝送線路3
0が省略可能である。このように、出力側疑似定K型フ
ィルタ回路に用いられる伝送線路長がn分の1に短縮さ
れるため、l/2n=λ/4となる周波数もn倍され
る。これにより分布型直流レベルシフト回路の出力イン
ピーダンスの第1のピークは、n倍の周波数に上昇し、
出力インピーダンスの過剰上昇が抑えられる為、出力側
整合特性が改善される。
【0045】しかしながら、単にダイオードを分割した
だけでは、入出力の疑似定K型フィルタ回路間の位相速
度に不整合が生じ、主に高周波帯で透過特性が劣化して
しまう。図1中31で示したインダクタもしくは伝送線
路(以降Laaと示す)は、このフィルタ回路間の信号位
相速度を合わせる役割を持つている。
【0046】以下、位相速度整合性を議論するため、簡
単のために伝送線路ではなくインダクタを用いて解析す
る。
【0047】図2に分割前の出力側疑似定K型フィルタ
回路の簡易的等価回路を示し、図3に分割後のそれを示
す。図2中、1,5,15は図11と同様のものを示
し、Zは出力端子、32はダイオードの総容量(C
dio )、33はドレイン接地トランジスタの出力容量
(Ccd)を示しており、図3中、1、2、33は図2と
同様のものを示し、34はインダクタ(L/4)、35
は容量(Cdio /2)、36はインダクタ(Laa)を示
す。各々の回路要素は括孤内に示した記号の容量及びイ
ンダクタンスをもつ。ここで、
【0048】
【数25】 であり、Cdio :Ccd=1:aとすると、
【0049】
【数26】
【0050】
【数27】 と置き換えられる。図3に示した等価回路は2分割され
たダイオードの総容量と総容量間を接続しているインダ
クタによって構成されている部分を△−Y変換すると、
図4のように表わされる。図中、1、2、5、33、3
4は図3と同様のものを示し、37はインダクタ(L
1 )、38はインダクタ(L2)、39は容量(C 3)を
示す。図4中のインダクタ37,38および容量39は
以下の式で表わされる。
【0051】
【数28】
【0052】
【数29】
【0053】
【数30】 ここで、
【0054】
【数31】 と定義すると上式は、
【0055】
【数32】
【0056】
【数33】
【0057】
【数34】 となる。よってフィルタの縦続インダクタンスLeff
分路容量Ceff は以下の式で表される。
【0058】
【数35】
【0059】
【数36】 一般に位相速度の整合をとるためには、入力側のLとC
の積と出力側のLとCの積を等しくすれば良い。分割前
にLとCの積が入力側と等しいと仮定すると、分割によ
りLCは
【0060】
【数37】 となる。式右辺の係数の周波数依存性により、Leff
eff は高周波帯で±∞に発散する。係数の零点(分子が
0となる周波数)が極(分母が0となる周波数)よりも
低い周波数であれば−∞、逆のときには±∞に発散す
る。この発散により入出力フィルタ回路間の位相速度整
合性は高周波帯で劣化してしまう。ここでLaaが挿入さ
れていない場合について考える。Laa=0のときには、
定義よりωa =∞、ωb =ωc であるので上式は、
【0061】
【数38】 となる。この場合Cdio =Ccdの条件下(すなわちa=
1)に於いてのみ発散がなくLeffC eff=LCが得られ
る。Laaを加えたときには分母分子共にLaaの関数であ
るωa項が付加され、ω aもLaaの関数であるため、L
aaの値を調整(伝送線路の場合、長さを調整する)する
ことにより、零点と極の周波数軸上での相対的な位置付
けを変えることができる。零点と極の周波数が等しい場
合には係数は定数となり、Leffeff の値は低周波か
ら一定となるため、分割によつて生した位相速度の不整
合を改善し広帯域な特性を得ることができる。
【0062】図5に、回路構成を変化させた場合の分布
型直流レベルシフト回路の出力インピーダンスの変化を
示す。図中、曲線40は分割前の出力インピーダンス、
曲線41は分割後の出力インピーダンス(Laa=0)、
42はLaa付加後の出力インピーダンスを示す。曲線4
1ではピークが高周波側にシフトしたことにより、より
高周波まで平坦な出力インピーダンスが得られているこ
とが分かる。ただしLaaを付加した場合、影像インピー
ダンスの値は容量比のaや、LaaとLの相対的な大きさ
に応じて若干上昇してしまうが、分割前ほどの過剰上昇
は押さえることができる。
【0063】図6には回路構成を変化させた場合の分布
型直流レベルシフト回路の透過特性S21と出力側反射特
性S22を示す。図中の記号は、43は分割前のS21、4
4は分割後のS21(Laa=0)、45はLaa付加後のS
21、46は分割前のS22、47は分割後のS22(Laa
0)、48はLaa付加後のS22、を示す。
【0064】S21は分割による位相速度不整合により曲
線43から曲線44の様に劣化してしまうが、Laaの付
加により曲線45に示すような分割前よりも良好な透過
特性を実現できる。これは分割前に入出力の疑似定K型
フィルタ回路間の速度整合性が必ずしもとれるわけでは
ないのに対し、本発明の回路構成ではLaaの付加によ
り、かなり柔軟に最適設計が可能になることを示してい
る。S22は分割によって曲線46から曲線47の様に高
周波帯で改善されるが、透過特性の劣化を補償するLaa
の付加により曲線48の様に若干劣化してしまう。しか
し、分割前の曲線46と比べて特性が改善されているこ
とが分かる。
【0065】図7に本発明の第2の実施例を示す。図
中、図1と同じ符号は同様のものを示し、49,50は
付加された容量である。この容量を調整することによ
り、柔軟に回路の入出力疑似定K型フィルタ回路の分路
容量を調整することができる。容量49もしくは容量5
0のいずれか片方だけを付加しても良い。
【0066】図8に本発明の第3の実施例を示す。図
中、図7と同じ符号は同様のものを示し、51は付加さ
れた容量である。容量51によリダイオードの容量値を
調整することができ、高周波帯でのダイオードによる損
失を低く抑えることができる。この場合、容量49、5
0のいずれか片方もしくは両方を省略しても良い。
【0067】図7、図8はいずれも図1と同様に、図1
0に12で示した1区間の構成のみを便宜上示してお
り、ダイオードの数も便宜上4つのものを示してある
が、任意の数のダイオードで有効である。また分割数が
2のものを示したが、より多くの分割数で分割しても良
い。
【0068】本発明の実施例は便宜上電界効果型トラン
ジスタを用いて示したが、パイポーラトランジスタを用
いても同様の効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によりドレ
イン接地トランジスタと任意の数の直列接続きれた直流
レベルシフトダイオードを用いて構成された直流レベル
シフト回路を単位回路に用いた分布型直流レベルシフト
回路において、直流レベルシフトダイオードの接合部面
積を任意の整数で分割し、分割されたダイオードを分布
型に配列することにより高周波帯における出力側反射特
性を改善するとともに、分割された最もトランジスタに
近いダイオードのアノード端子間に伝送線路もしくはイ
ンダクタを挿入することにより、分割によつて生じた入
出力の疑似定K型フィルタ回路間の速度不整合を改善す
ることができるので、従来の分布型直流レベルシフト回
路に比べて高周波帯で良好な透過特性と出力側反射特性
を実現できる利点を有する。
【0070】また、入力側伝送線路または出力側伝送線
路の少なくとも一方に分路容量を調整するための容量を
付加したので、分割容量の調整が容易となる。
【0071】さらに分割された複数の直列接続された直
流レベルシフトダイオードにその容量を調整するための
容量を付加したので、高周波帯でのダイオードによる損
失を低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図本発明の第1の実施例の構成を示すブロック
図(1区間のみ)である。
【図2】分布型直流レベルシフト回路の出力側疑似定K
型フィルタ回路の簡易的等価回路を示す図である。
【図3】図本発明の第1の実施例の出力側疑似定K型フ
ィルタ回路の簡易的等価回路を示す図である。
【図4】図3に示した回路を△−Y変換した等価回路を
示す図である。
【図5】従来の分布型直流レベルシフト回路と本発明の
第1の実施例の回路の出力インピーダンスの周波数特性
比較図である。
【図6】従来の分布型直流レベルシフト回路と本発明の
第1の実施例の回路の透過特性と出力側反射特性の周波
数特性比較図である。
【図7】本発明の第2の実施例の構成を示すブロック図
(1区間のみ)である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す図(1区間のみ)
である。
【図9】従来の直流レベルシフト回路の回路構成を示す
図である。
【図10】従来の分布型直流レベルシフト回路の回路構
成を示す図である。
【図11】影像インピーダンスと等しい抵抗を用いて終
端された疑似定K型フィルタ回路を示す図である。
【図12】影像インピーダンスと等しい抵抗を用いて終
端されたインダクタのかわりに伝送線路を用いて構成さ
れた疑似定K型フィルタ回路を示す図である。
【図13】図11と図12に示された回路の入力インピ
ーダンスの周波数特性を示す図である。
【図14】図11の回路構成に分路抵抗を付加した構成
を示す図である。
【図15】分路抵抗を付加した場合の、図11と図12
に示された回路の入力インピーダンスの周波数特性を示
す図である。
【図16】従来の分布型直流レベルシフト回路の入出力
インピーダンスの周波数特性を示す図である。
【図17】従来の分布型直流レベルシフト回路の透過特
性と出力側反射特性を示す図である。
【符号の説明】
1 入力端子 2 出力端子 3 トランジスタ 4 ダイオード 5 電源もしくは電気的接地 6 入力側整合回路 7 出力側整合回路 8 バイアス回路 9 入力側伝送線路 10,11 出力側伝送線路 12 単位回路(区間) 13 入力側整合終端回路 14 出力側整合終端回路 15 インダクタ 16 容量 17 整合終端抵抗 18 伝送線路 19 容量 20 整合インピーダンスと等しい抵抗で終端された定
K型フィルタ回路の入力インピーダンスの周波数特性曲
線 21 整合インピーダンスと等しい抵抗を用いて終端さ
れた、インダクタのかわりに伝送線路を用いて構成され
た疑似定K型フィルタ回路の入力インピーダンスの周波
数特性曲線 22 分路抵抗 23 分路抵抗を付加した場合の曲線 24 分路抵抗を付加した場合の曲線 25 従来の分布型直流レベルシフト回路の出力インピ
ーダンスの周波数特性曲線 26 従来の分布型直流レベルシフト回路の入力インピ
ーダンスの周波数特性曲線 27 従来の分布型直流レベルシフト回路の透過特性の
周波数特性曲線 28 従来の分布型直流レベルシフト回路の出力側反射
特性の周波数特性曲線 29 分割されたダイオード 30 分割された出力側伝送線路 31 インダクタもしくは伝送線路 32 ダイオードの等価容量 33 ドレイン接地トランジスタの出力等価容量 34 分割されたインダクタ 35 分割されたダイオードの等価容量 36,37,38 インダクタ 39 容量 40 従来の分布型直流レベルシフト回路の出力インピ
ーダンスの周波数特性曲線 41 ダイオード分割後の出力インピーダンスの周波数
特性(Laa=0)曲線 42 41にLaaを付加した場合の出力インピーダンス
の周波数特性曲線 43 従来の分布型直流レベルシフト回路の透過特性の
周波数特性曲線 44 ダイオード分割後の透過特性の周波数特性(Laa
=0)曲線 45 44にLaaを付加した場合の透過特性の周波数特
性曲線 46 従来の分布型直流レベルシフト回路の出力側反射
特性の周波数特性曲線 47 ダイオード分割後の出力側反射特性の周波数特性
(Laa=0)曲線 48 44にLaaを付加した場合の出力側反射特性の周
波数特性曲線 49,50,51 容量

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドレイン接地トランジスタと任意の数の
    直列接続された直流レベルシフトダイオードを単位回路
    に用いた分布型直流レベルシフト回路において、前記直
    列接続された直流レベルシフトダイオードの接合部面積
    を任意の整数で等分割し、分割された複数の直列接続さ
    れた直流レベルシフトダイオードのカノード端子間に伝
    送線路を接続し、アノード端子間に伝送線路もしくはイ
    ンダクタを接続し、分布増幅型に構成したことを特徴と
    する分布型直流レベルシフト回路。
  2. 【請求項2】 入力側伝送線路または出力側伝送線路の
    少なくとも一方に分路容量を調整するための容量を付加
    したことを特徴とする請求項1に記載の分布型直流レベ
    ルシフト回路。
  3. 【請求項3】 分割された複数の直列接続された直流レ
    ベルシフトダイオードにその容量を調整するための容量
    を付加したことを特徴とする請求項1または2に記載の
    分布型直流レベルシフト回路。
JP10045009A 1998-02-26 1998-02-26 分布型直流レベルシフト回路 Pending JPH11243333A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10045009A JPH11243333A (ja) 1998-02-26 1998-02-26 分布型直流レベルシフト回路

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10045009A JPH11243333A (ja) 1998-02-26 1998-02-26 分布型直流レベルシフト回路

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11243333A true JPH11243333A (ja) 1999-09-07

Family

ID=12707378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10045009A Pending JPH11243333A (ja) 1998-02-26 1998-02-26 分布型直流レベルシフト回路

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11243333A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170957A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 富士通株式会社 増幅回路

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015170957A (ja) * 2014-03-06 2015-09-28 富士通株式会社 増幅回路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8487703B2 (en) Radiofrequency amplifier
US20090309659A1 (en) Solid-state ultra-wideband microwave power amplifier employing modular non-uniform distributed amplifier elements
US20200028478A1 (en) Wide bandpass filtering power amplifier
JPS6038911A (ja) 作動周波数と独立してリアクタンスを整合する4端子網
JPH11243333A (ja) 分布型直流レベルシフト回路
US6529051B2 (en) Frequency multiplier without spurious oscillation
KR101678132B1 (ko) 능동 정합을 갖는 분산 전력 증폭기
JP5161856B2 (ja) バイアス回路
JPH0542166B2 (ja)
JP2005101871A (ja) 分布型増幅器
JP7491378B2 (ja) 分布型増幅器
JP3056933B2 (ja) 分布型バラン
JP2008236354A (ja) 増幅器
KR20190071972A (ko) 위상천이기
KR100225472B1 (ko) Vhf 및 uhf 대역용 소형 가변 감쇄기
JP4071549B2 (ja) 多段増幅器
US4118672A (en) Attenuation equalizer having constant resistance
JP4826536B2 (ja) 移相回路
US5442323A (en) Broad-band power amplifier
JP2000013104A (ja) 高周波スイッチ
KR940011023B1 (ko) 분산형 증폭기
JP4305618B2 (ja) 負性抵抗回路、及びアクティブフィルタ
WO2008069384A1 (en) Broadband active balun and balanced mixer using reactive feedback
Hilder et al. A hybrid 2-40 GHz high power distributed amplifier using an active splitter and combined drain line configuration
JP3994977B2 (ja) 高周波スイッチ