JPH11242958A - アルカリ蓄電池用非焼結式正極およびこれを用いたアルカリ蓄電池 - Google Patents

アルカリ蓄電池用非焼結式正極およびこれを用いたアルカリ蓄電池

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JPH11242958A JP10276636A JP27663698A JPH11242958A JP H11242958 A JPH11242958 A JP H11242958A JP 10276636 A JP10276636 A JP 10276636A JP 27663698 A JP27663698 A JP 27663698A JP H11242958 A JPH11242958 A JP H11242958A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高エネルギー密度で耐過放電性能に優れ、な
おかつ高温下で充放電サイクルを繰り返した場合におい
ても容量低下の少ないアルカリ蓄電池を提供する。 【解決手段】 平均粒径が5〜20μmの球状水酸化ニ
ッケル固溶体粒子と、平均粒径が1μm以下でコバルト
価数が3.0よりも高次なγ−オキシ水酸化コバルトを
主とするコバルト酸化物導電剤とを、孔数が80〜16
0ポア/インチ(PPI2D)で骨格太さが30〜60μ
mの発泡ニッケル基板に、極板全体に対する球状水酸化
ニッケル固溶体粒子およびコバルト酸化物導電剤の合計
占有比率が75〜85vol%となる範囲で保持させた
正極を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
非焼結式正極とこれを用いたアルカリ蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、アルカリ蓄電池は、携帯機器の普
及に伴い高容量化が強く要望されている。特に、ニッケ
ル-水素蓄電池は、水酸化ニッケルを主体とした正極
と、水素吸蔵合金を主体とした負極からなる二次電池で
あり、高容量で高信頼性の二次電池として急速に普及し
てきている。
【0003】以下、このアルカリ蓄電池用の正極につい
て説明する。
【0004】アルカリ蓄電池用の正極には、大別して焼
結式と非焼結式の二つがある。前者はパンチングメタル
等の芯材とニッケル粉末とを焼結させて得た多孔度80
%程度のニッケル焼結基板に、硝酸ニッケル水溶液等の
ニッケル塩溶液を含浸し、続いて、アルカリ水溶液に含
浸するなどして多孔質ニッケル焼結基板中に水酸化ニッ
ケルを生成させて作製するものである。この正極は基板
の多孔度をこれ以上大きくすることが困難であるため、
水酸化ニッケル量を増加することができず、高容量化に
は限界がある。
【0005】後者の非焼結式正極としては、例えば、特
開昭50−36935号公報に開示されたように、三次
元的に連続した多孔度95%程度の発泡ニッケル基板
に、水酸化ニッケル粒子を保持させるものが提案され、
現在高容量のアルカリ蓄電池の正極として広く用いられ
ている。この非焼結式正極では高容量化の観点から、嵩
密度が大きい球状の水酸化ニッケル粒子が使用される。
水酸化ニッケル粒子の粒径や発泡ニッケル基板の孔の大
きさ等は、特開昭62−136761号公報に開示され
た如く、適切な値に調整する。また、放電特性や充電受
け入れ性、寿命特性の向上のために、上記の水酸化ニッ
ケル粒子にコバルト、カドミウム、亜鉛等の金属イオン
を一部固溶させて用いるのが一般的である。
【0006】ここで発泡ニッケル基板の孔の大きさは水
酸化ニッケルの粒径よりも十分大きく設定するため、集
電が保たれた基板骨格近傍の水酸化ニッケル粒子では充
放電反応が円滑に進行するが、骨格から離れた水酸化ニ
ッケル粒子の反応は十分に進まない。よって非焼結式正
極では充填した水酸化ニッケル粒子の利用率を向上させ
るために、導電剤を用いて水酸化ニッケル粒子間を電気
的に接続させている。この導電剤としては多くの場合、
水酸化コバルト、一酸化コバルトのような2価のコバル
ト酸化物を使用する。これら2価のコバルト酸化物はそ
れ自身は導電性を有しないものの、電池内での初期の充
電において導電性を有するβ−オキシ水酸化コバルトへ
と電気化学的に酸化され、これが導電ネットワークとし
て機能する。導電ネットワークの存在によって、非焼結
式正極では高密度に充填した活物質の利用率を大幅に高
めることが可能となり、焼結式正極に比べて高容量化が
図られる。
【0007】しかし上記のような構成の非焼結式正極に
おいても、その導電ネットワークの集電性能は完全なも
のではなく、水酸化ニッケル粒子の利用率には上限があ
った。さらに上記正極では、電池を過放電あるいは短絡
放置したり、長期の保存や高温下での保存等を行うと、
その後の充放電で正極容量が低下するという欠点があっ
た。これは、上記のような電池内の電気化学的な酸化反
応では、2価のコバルト酸化物を完全にβ−オキシ水酸
化コバルトへ変化させることができず、さらに導電ネッ
トワークの機能低下が起こり易いためである。
【0008】近年、こうした導電ネットワークの不完全
さを改善する手段として、特開平8−148145号公
報やUSP5,629,111号明細書等において、正
極活物質中の水酸化コバルトを、電池外においてアルカ
リ水溶液と酸素(空気)との共存下で加熱処理(酸化)
し、結晶構造の乱れた2価よりも価数の大きいコバルト
酸化物に改質する手法が開示されている。これに類似す
る内容として、特開平9−147905号公報において
コバルト価数が2.5〜2.93までのコバルト酸化物
の改良が、さらに特開平9−259888号公報では同
様の手法で作製したβ−オキシ水酸化コバルトを使用し
た電池の特性が示されている。
【0009】また、前記の特開平8−148145号公
報では、同様の加熱処理を水酸化コバルトの被覆層を有
する水酸化ニッケル固溶体粒子(以下、Co(OH)2
被覆Ni粒子という)に施す点も述べられている。この
場合には、予めCo(OH)2被覆Ni粒子を作製して
おくことによるコバルトの分散性向上等の理由により、
使用するコバルト量を少なくできるという利点がある。
一方、特開平9−73900号公報では、この際の製造
方法に関して、アルカリ水溶液を含んだCo(OH)2
被覆Ni粒子を流動造粒装置等の中で流動させるかある
いは分散させながら加熱する方法が開示されている。こ
のようにして処理を行うと、凝集による粒子塊の発生等
のトラブルを少なくできるという利点がある。
【0010】近年に公開された以上のような技術は、基
本的には、電池初充電時に起こるコバルト酸化反応(通
常の条件では満足に進行しない)を、電池外で十分に行
わせる主旨のものである。従って、先述の導電ネットワ
ークの不完全さに起因する欠点の改良を図ることができ
る。
【0011】しかし、上記に記載のコバルト酸化物につ
いては、その酸化状態は未だ完全なものとは言い難く、
改良の余地が残されていた。これは、アルカリ共存下で
の水酸化コバルトの酸化の進行が、周囲の温度や共存さ
せるアルカリ水溶液の濃度だけでなく、周囲の水分や酸
素量にも大きく影響を受け、これらの制御なしには十分
に高次な状態にまで酸化させることができないためであ
る。本発明者らはこの点に着眼して詳細に実験・解析を
行い、コバルト価数が3.0よりも高次なγ−オキシ水
酸化コバルトを用いた正極活物質の特性が、そうでない
ものに比べて一層向上しうることを、特願平9−272
341号において開示し、また、この中で、その効率的
な製造方法についても提示した。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】最近の研究によって、
本発明者らは、上記のように、電池外でコバルト価数を
3.0よりも高次にまで酸化させたコバルト酸化物を導
電剤とする正極では、特性の大幅な改善が図れる中で、
高温下で充放電サイクルを繰り返した場合の容量低下が
従来の正極よりも大きいという状況を見出した。
【0013】この高温下で充放電サイクルを繰り返した
際の電池の容量低下それ自体は、従来の正極においても
認められていた現象である。発泡ニッケル基板に2価の
コバルト酸化物を導電剤として添加し、電池内での充電
(酸化)によって導電ネットワークを形成させる従来の
正極では、注液してから初充電を行うまでの間に、2価
のコバルト酸化物が電解液への溶解・再析出(コバルト
錯イオンの生成と、水酸化コバルトとしての再析出)を
起こす。このため、母材の水酸化ニッケル固溶体粒子
は、水酸化コバルトを介して発泡ニッケル基板に接合さ
れることとなり、初充電によって水酸化コバルトの酸化
(コバルトは電解液に溶けないβ−オキシ水酸化コバル
ト等に変化する)が起こると、活物質粒子(ここでは、
水酸化ニッケル固溶体粒子とコバルト酸化物導電剤の両
者をまとめたものを示す。)は発泡ニッケル基板に強く
結着される。しかし高温下で充放電サイクルを繰り返し
た場合、導電ネットワークを形成するコバルト酸化物
は、徐々にCo34やCoHO2といった熱力学的に安
定な酸化物へと構造変化、結晶成長を起こす。そして、
こうして生ずるCo34やCoHO2の導電性は、初期
のβ−オキシ水酸化コバルトを含む状態に比べて低いた
め、正極容量が低下する。
【0014】これに対して、電池外でコバルト価数が
3.0よりも高次な状態まで酸化させたコバルト酸化物
を導電剤とした場合、正極を作製する以前の粉末状態に
おいて水酸化コバルトの酸化を行うため、これを用いて
作製した正極では、活物質粒子と発泡ニッケル基板との
間に強固な結着が存在しない。しかし、電池を作製した
初期の充放電サイクルでは、3.0価よりも高次なコバ
ルト酸化物の導電性が非常に高いため、以上の点は問題
とならず、この正極は従来正極よりも高い容量を与え
る。その反面、この正極においても、高温下で充放電サ
イクルを繰り返した場合、先述と同様のコバルト酸化物
の構造変化等が起こる。この場合、前記した活物質粒子
と基板との間の結着欠如が大きな問題となる。
【0015】すなわち、電池外で3.0価よりも高次な
状態にまで酸化させたコバルト酸化物を導電剤とした正
極では、高温下で充放電サイクルを繰り返した場合、導
電ネットワークを形成するコバルト酸化物自身の導電性
の低下(従来正極と同じ容量低下モード)に加え、活物
質粒子と基板との間の結着欠如に基づく集電性の不完全
さ(この場合に固有の容量低下モード)が相乗して正極
容量の低下が起こる。従って、その低下度合いは、従来
正極に比べて非常に大きい。
【0016】本発明は、以上のような、高温下での充放
電サイクルに伴う正極容量の低下という課題の解決を主
たる目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を鑑み、本発明
は、平均粒径が5〜20μmの球状水酸化ニッケル固溶
体粒子と、平均粒径が1μm以下でコバルト価数が3.
0よりも高次なγ−オキシ水酸化コバルトを主とするコ
バルト酸化物導電剤とを、孔数が80〜160ポア/イ
ンチ(PPI2D)で骨格太さが30〜60μmの発泡ニ
ッケル基板に、極板全体に対する前記球状水酸化ニッケ
ル固溶体粒子およびコバルト酸化物導電剤の合計占有比
率が75〜85vol%となる範囲で保持させたことを
特徴とするアルカリ蓄電池用非焼結式正極、およびこれ
を用いたアルカリ蓄電池である。
【0018】上記の構成であると、高次コバルト酸化物
を用いた正極に特有の活物質粒子と発泡ニッケル基板と
の間の結着性の欠如が、両者の緻密な物理的接触(集電
の確保)によって十分に補完されるため、高温下での充
放電サイクルに伴う正極容量の低下は大幅に抑制でき
る。つまり、高エネルギー密度で耐過放電性能等に優れ
た上で、なお且つ高温でのサイクル寿命特性に優れたア
ルカリ蓄電池を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、平均粒
径が5〜20μmの球状水酸化ニッケル固溶体粒子と、
平均粒径が1μm以下で3.0価よりも高次なγ−オキ
シ水酸化コバルトを主とするコバルト酸化物導電剤と
を、孔数が80〜160ポア/インチ(PPI2D)で骨
格太さが30〜60μmの発泡ニッケル基板に、極板全
体に対する前記球状水酸化ニッケル固溶体粒子および前
記コバルト酸化物導電剤の合計占有比率が75〜85v
ol%となる範囲で保持させたことを特徴とするアルカ
リ蓄電池用非焼結式正極である。ここでγ−オキシ水酸
化コバルトは、水酸化コバルトをKOHあるいはNaO
Hの存在下で強烈に熱酸化させることで得られるコバル
ト価数が3.0を越える高次酸化物で、従来のβ−オキ
シ水酸化コバルトよりも導電性が非常に高い。従って、
初期の正極活物質の容量を向上させるとともに、過放電
等における正極の耐性を向上させる。
【0020】発泡ニッケル基板としては、孔数が80〜
160ポア/インチ(PPI2D)で骨格太さが30〜6
0μmのものを用いる。このような発泡ニッケル基板の
孔数および骨格太さは、以下の手順により測定した。
【0021】まず、2cm×2cmの発泡ニッケル基板
をエポキシ樹脂の溶液に浸漬し、十分に真空脱泡してか
ら熱硬化させる。続いて、これを研磨し、樹脂表面に発
泡ニッケル基板の断面(面の方向は、元の基板平面に対
して平行な方向)を切り出す。この表面を金属顕微鏡
(倍率:50倍)とカメラを用いて写真撮影すると、図
1に示すような、基板骨格断面の像が撮影できる。この
骨格断面像は、一本の基板骨格の断面に相当する三角点
(トリプルポイント)が、図2にその模式を示すよう
に、単独かあるいは複数結合した格好で平面上に散在し
ているとみなすことができる。よって、三角点の一辺の
長さ(図2中に明示)が基板骨格の太さに相当する。ま
た、視野内に観察される三角点の数を数えれば、統計的
モデルに基づいた次の(数1)を用いて、単位長さ(イ
ンチ)あたりに存在する孔数(ポア/インチ:PP
2D)を算出することができる。このPPI2D値が大き
いほど、多孔質基板の孔の大きさは小さい。以上の手法
は広く知られており、PPI2D値は発泡ウレタン基板等
の「孔の大きさ」を示す指標として頻繁に用いられる。
【0022】
【数1】 なお、図1で観察された三角点の中(つまり基板骨格の
中)が空洞であるのは、図1に示した発泡ニッケル基板
が、発泡ウレタン基板に電解ニッケルめっきを施した
後、土台のウレタン基板を焼成除去する(除去されたウ
レタン骨格部分が空洞となる)方法によって作製された
ためである。この方法では、土台の発泡ウレタン基板の
孔数やニッケルめっきの厚み等を適切に調整すれば、発
泡ニッケル基板の孔数や骨格太さ等を任意に制御するこ
とができる。
【0023】本発明の正極で用いる発泡ニッケル基板
は、孔数が80〜160ポア/インチ(PPI2D)で、
従来正極のそれ(60ポア/インチかそれ以下)よりも
多い。つまり、孔の大きさが小さいので、孔を形成する
骨格と、その孔の中に保持させた活物質粒子との物理的
接触の度合いが増し、活物質粒子からの集電能力を従来
のものよりも非常に高くできる。さらに、基板骨格の太
さは30〜60μmであり、基板強度と基板多孔度との
バランスが好適に保たれる範囲にある。従って、この基
板の孔に、平均粒径が5〜20μmの水酸化ニッケル固
溶体粒子と平均粒径が1μm以下のγ−オキシ水酸化コ
バルトを主とするコバルト酸化物導電剤とを混合状態
で、両者の極板全体に対する合計占有比率が75〜85
vol%となる範囲で保持させれば、活物質粒子と発泡
ニッケル多孔体基板との間の結着欠如を、緻密な物理的
接触(集電)の確保によって十分に補完することがで
き、高温下での充放電サイクルに伴う正極容量の低下を
抑制することができる。
【0024】なお、本発明者らの検討では、発泡ニッケ
ル基板の孔数が80ポア/インチ未満であると孔の大き
さが大きすぎるために基板骨格と活物質粒子との間で緻
密な物理的接触を形成させることができず、逆に孔数が
160ポア/インチを越えると、孔の大きさが小さすぎ
るために正極作製時の活物質粒子の孔内への充填作業が
困難となって好ましくない。発泡ニッケル基板の骨格太
さが30μm未満であると基板としての強度が十分に保
てず、逆に骨格太さが60μmを越えると、骨格の占有
度合いが高まりすぎて、充填する活物質量を増やすこと
ができず、高エネルギー密度の正極にすることができな
い。水酸化ニッケル固溶体粒子の平均粒径が5〜20μ
mよりも過小あるいは過大になると、粒子の充填性およ
び嵩密度の低下を引き起こすため、高エネルギー密度の
正極にすることができない。γ−オキシ水酸化コバルト
を主とするコバルト酸化物導電剤の平均粒径が1μmを
越えると、導電剤の分散性が低下するため、やはり好ま
しくない。さらに、活物質粒子(水酸化ニッケル固溶体
粒子とコバルト酸化物導電剤の両者をまとめたもの)の
極板全体に対する合計占有比率が75%未満であると、
充填密度が低く、活物質粒子と基板の孔を形成する骨格
との間で緻密な物理的接触を形成させることができず、
逆に比率が85%を越えると、通液空間が減少して極板
中の活物質への電解液の供給(液まわり)が不十分とな
り、容量の低下を引き起こすため、好ましくない。
【0025】以上の理由で、各種の数値は、すべて上記
の範囲内にあるものが最も適する。この構成であると、
高エネルギー密度で耐過放電性能等に優れた上で、なお
且つ高温サイクル寿命特性に優れたアルカリ蓄電池用非
焼結式正極を提供することができる。
【0026】請求項2の発明は、γ−オキシ水酸化コバ
ルトを主とするコバルト酸化物導電剤の添加量は、水酸
化ニッケル固溶体粒子の量に対して2〜10wt%であ
ることを特徴とする。この添加量が過小になると、水酸
化ニッケル固溶体粒子からの集電を十分に保てないし、
逆に過大となると、正極容量を決定させる水酸化ニッケ
ル固溶体粒子の量が相対的に減ることになって、高エネ
ルギー密度の正極にすることができない。従って、上記
範囲のものが適する。
【0027】請求項3の発明は、コバルト価数が3.0
よりも高次なコバルト酸化物の被覆層を持ち、且つ平均
粒径が5〜20μmの球状水酸化ニッケル固溶体粒子
(以下これを、Co被覆水酸化ニッケル固溶体粒子とい
う)を、孔数が80〜160ポア/インチ(PPI2D
で骨格太さが30〜60μmの発泡ニッケル基板に、極
板全体に対する前記Co被覆水酸化ニッケル固溶体粒子
の占有比率が75〜85vol%となる範囲で保持させ
たアルカリ蓄電池用非焼結式正極である。ここに記した
範囲に規制される理由は、すべて請求項1について記し
た内容と同じである。
【0028】請求項4の発明は、3.0価よりも高次な
コバルト酸化物の被覆層の厚みを0.2μm以下とした
ものである。Co被覆層の厚みが過大となると、正極容
量を決定させる水酸化ニッケル固溶体粒子の量が相対的
に減ることになって、高エネルギー密度の正極にするこ
とができない。従って、上記範囲のものが適する。
【0029】請求項5の発明は、好ましいニッケル正極
を備えたアルカリ蓄電池であり、平均粒径が5〜20μ
mの球状水酸化ニッケル固溶体粒子と、平均粒径が1μ
m以下で3.0価よりも高次なγ−オキシ水酸化コバル
トを主とするコバルト酸化物導電剤とを、孔数が80〜
160ポア/インチ(PPI2D)で骨格太さが30〜6
0μmの発泡ニッケル基板に、極板全体に対する前記球
状水酸化ニッケル固溶体粒子および前記コバルト酸化物
導電剤の合計占有比率が75〜85vol%となる範囲
で保持させた正極と、負極と、セパレータと、電解液と
からアルカリ蓄電池を構成したものである。
【0030】請求項6の発明は、γ−オキシ水酸化コバ
ルトを主とするコバルト酸化物導電剤の添加量は、球状
水酸化ニッケル固溶体粒子の量に対して2〜10wt%
であることを特徴とするものであり、最適な導電剤添加
量を与える。
【0031】請求項7の発明は、3.0価よりも高次な
コバルト酸化物の被覆層を持ち、且つ平均粒径が5〜2
0μmのCo被覆球状水酸化ニッケル固溶体粒子を、孔
数が80〜160ポア/インチ(PPI2D)で骨格太さ
が30〜60μmの発泡ニッケル基板に、極板全体に対
する前記Co被覆球状水酸化ニッケル固溶体粒子の占有
比率が75〜85vol%となる範囲で保持させた正極
と、負極と、セパレータと、電解液とよりなる最適なア
ルカリ蓄電池である。
【0032】請求項8の発明は、3.0価よりも高次な
コバルト酸化物の被覆層の厚みは0.2μm以下とした
もので、Co被覆の効果を最大に発揮させるものであ
る。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0034】(発泡ニッケル多孔質基板の作製)公知の
以下の方法により、正極活物質保持体である発泡ニッケ
ル基板を作製した。まず、発泡ウレタン基板に導電性を
付与するためのカーボン塗布を行い、次いでこれをニッ
ケル浴中で電解ニッケルめっきした。めっき後、土台の
ウレタン基板を600℃で焼成除去し、さらに900℃
の水素気流中でニッケル還元処理を行った。こうして得
られる多孔体を1.3mmの均一な厚さにロールプレス
することで、発泡ニッケル基板とした。この方法では、
土台の発泡ウレタン基板の孔数やニッケルめっきの条件
等を調整することによって、得られる発泡ニッケル基板
の孔数や骨格太さ等を制御することができる。ここで
は、発泡ウレタン基板の孔数を従来のものより多くする
と同時に、ニッケルめっき厚みを薄くなるように調整し
て作製した発泡ニッケル基板Aと、従来正極で多く用い
ていた発泡ニッケル基板B(比較用)とを準備した。い
ずれの発泡ニッケル基板も、その目付け重量(単位面積
あたりの重量)は約500g/m2であった。
【0035】これら2つの発泡ニッケル基板の骨格太さ
と孔数を、以下の方法で評価した。
【0036】まず、発泡ニッケル基板Aを2cm×2c
mに切断して、エポキシ樹脂の溶液に浸漬し、十分に真
空脱泡してから熱硬化させた。続いて、これを研磨し、
樹脂表面に発泡ニッケル基板の断面(面の方向は、元の
基板平面に対して平行な方向)を切り出した。この表面
を金属顕微鏡(倍率:50倍)とカメラを用いて写真撮
影すると、図1に示すような、基板骨格断面の像が撮影
できた。この骨格断面像は、発泡ニッケル基板Aの一本
の基板骨格の断面に相当する三角点(トリプルポイン
ト)が、図2に模式を示すように、単独あるいは結合し
た格好で平面上に散在しているものとみなすことができ
る。この際、三角点の一辺の長さ(図2中に明示)が基
板骨格の太さに相当するため、図1よりこれを測定する
ことができる。図1および別視野で撮影した10枚の写
真より、発泡ニッケル基板Aの基板骨格太さの平均値を
算出すると、42μmであった。なお、図1において三
角点の中(つまり基板骨格の中)が空洞であるのは、こ
の発泡ニッケル基板が、上記のようにウレタン基板に電
解ニッケルめっきを施した後、土台のウレタン基板を焼
成除去する(除去されたウレタン骨格部分が空洞とな
る)方法によって作製されたためである。
【0037】また、図1中の視野内に観察される三角点
の数を数えれば、(数1)を用いて単位長さ(インチ)
あたりに存在する孔数(ポア/インチ:PPI2D)を算
出することができる。PPI2D値が大きいほど、基板の
孔の大きさは小さい。
【0038】図1および別視野で撮影した10枚の写真
のそれぞれについて上式を適用し、発泡ニッケル基板A
のPPI2Dの平均値(11枚の写真の平均値)を算出す
ると、88ポア/インチであった。
【0039】比較用の発泡ニッケル基板Bについても同
様の評価を実施した。得られた基板骨格断面の像を図3
に示す。前記と同様、別視野で撮影した10枚の写真か
らのデータも合わせると、基板骨格太さの平均値は73
μm、PPI2Dの平均値は59ポア/インチと算出され
た。
【0040】(実施例1) (正極の作製)水酸化ナトリウム水溶液中に、1mol
/lの硫酸コバルト水溶液を徐々に加え、35℃で水溶
液のpHが12を維持するように調整しながら攪拌して
水酸化コバルトを析出させた。これを水洗した後、真空
乾燥させて水酸化コバルト標準試料とした。同試料が約
0.2μm程度の大きさの六角板状粒子であることを電
子顕微鏡観察で確認した。
【0041】次に、乾燥雰囲気下(ドライボックス中)
で水酸化カリウム試薬(特級、粒状)を粉砕し、上記水
酸化コバルト標準試料に対して十分な量を混合した後、
混合試料をドライボックス外に取り出して110℃の加
熱容器内に入れ、空気を送り込んだ。この過程で混合試
料は水酸化カリウムの潮解性のため、空気中の水分を少
量含んだ状態となり、これに伴って酸化が進行する。こ
うして加熱容器内で試料を12時間保持して、酸化反応
を完結させた。その後試料を取り出し、十分に水洗した
後、80℃で3時間かけて乾燥させ、コバルト価数が
3.0よりも高次に達したγ−オキシ水酸化コバルト
(以下ではX1と表記する)を得た。
【0042】一方、正極の母粒子となる水酸化ニッケル
固溶体粒子は、周知の以下の手法を用いて合成した。す
なわち、硫酸ニッケルを主成分とし、硫酸コバルト及び
硫酸亜鉛を所定量だけ含有させた水溶液に、アンモニア
水で溶液pHを調整しながら水酸化ナトリウム水溶液を
徐々に滴下し、球状の水酸化ニッケル固溶体粒子を析出
させる方法を用いた。この析出した水酸化ニッケル固溶
体粒子を水洗、乾燥して正極母粒子とした。なお、この
水酸化ニッケル固溶体粒子のタップ密度は約2.0g/
cc、平均粒径は10μmであった。
【0043】次に、こうして得られた水酸化ニッケル固
溶体粒子の100重量部に、前記X1を7.0重量部、
バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン(PT
FE)を0.2重量部、および適量の純水を加えて混合
分散させ、活物質スラリとした。この活物質スラリを発
泡ニッケル基板Aに充填し、80℃の乾燥機内で乾燥さ
せた後、ロールプレスにより約0.7mmに圧延した。
この際、活物質スラリの充填量やロールプレスでの加圧
力、プレス回数等を適切に調整して、活物質(水酸化ニ
ッケル固溶体粒子とX1の両者を合わせたもの)の極板
全体に対する合計占有比率が70vol%となるように
した。そして、これを所定の大きさに切断加工し、ニッ
ケル正極とした。以下においては、(発泡ニッケル基板
の種類−コバルト酸化物導電剤の種類−基板中の活物質
占有体積比率)の順に表記するものとして、この正極を
A−X1−70と表す。
【0044】上記と同様にして、ロールプレスの際に活
物質スラリの充填量やロールプレスでの加圧力、プレス
回数等を適宜変更することにより、活物質の極板全体に
対する合計占有比率が75vol%,80vol%,8
5vol%,90vol%の正極:A−X1−75,A
−X1−80,A−X1−85,A−X1−90を作製
した。
【0045】また、発泡ニッケル基板Aの代わりに発泡
ニッケル基板Bを用いること以外はすべて上記と同様に
して、5種の正極:B−X1−70,B−X1−75,
B−X1−80,B−X1−85,B−X1−90を作
製した。
【0046】さらに、正極に添加するコバルト酸化物導
電剤をγ−オキシ水酸化コバルトの代わりに水酸化コバ
ルト標準試料(以下ではY1と表記する)の7.0重量
部としたこと以外はすべて上記と同様にして、10種の
正極:A−Y1−70,A−Y1−75,A−Y1−8
0,A−Y1−85,A−Y1−90,B−Y1−7
0,B−Y1−75,B−Y1−80,B−Y1−8
5,B−Y1−90を作製した。
【0047】(電池の作製と正極容量密度の評価)上記
で作製した20種のニッケル正極について、水素吸蔵合
金粉末を主体とした負極、親水化処理を施したポリプロ
ピレン不織布セパレータ、7〜8Nの水酸化カリウムを
主成分とした電解液を用い、公知の方法により、4/3
AAA(L−AAA)サイズで公称容量800mAhの
ニッケル-水素蓄電池を各々作製した。
【0048】これらの電池について、充電レート0.1
CmAで15時間充電し、放電レート0.2CmAで電
池電圧が1.0Vになるまで放電させるサイクルを5サ
イクル繰り返し、5サイクル目の放電容量を測定した。
そして、この容量を、正極板全体の体積で割り算するこ
とにより、各正極における容量密度(単位体積あたりの
放電容量)を求めた。この結果について、横軸に活物質
の極板全体に対する合計占有比率(vol%)、縦軸に
正極の容量密度(最も値の高いA−X1−80を100
として規格化)をとって、この両者の関係をまとめる
と、図4が得られた。同図より、次のことが判る。
【0049】まず、発泡ニッケル基板の種類等によら
ず、X1(γ−オキシ水酸化コバルト)を導電剤として
添加した正極は、Y1(水酸化コバルト標準試料)を用
いた正極よりも容量密度が高い。これはX1が、コバル
ト価数が3.0よりも高次に達していることが原因とな
って、非常に高い導電性を持つためである。発泡ニッケ
ル基板の種類(AまたはB)が容量密度の大きさに及ぼ
す影響は、同図からはさほど認められない。一方、4つ
の正極群(A−X1,B−X1,A−Y1,B−Y1)
のいずれの場合においても、活物質の極板全体に対する
合計占有比率を90vol%にすると、正極容量密度が
大幅に低下した。これは、極板全体に占める活物質体積
の比率が大きすぎて極板内の通液空間が減少し、極板内
部の活物質への電解液の供給(液まわり)が不十分にな
ったためと推測される。つまり、同比率は85vol%
程度までの範囲にする必要がある。
【0050】なお、ここでは詳細を述べないが、発泡ニ
ッケル基板の種類によらず、X1を導電剤として添加し
た正極は、Y1を用いたものよりも耐過放電性能に優れ
る点を、別の評価で確認した。この理由も基本的には、
X1の導電性が非常に高い点に起因している。
【0051】(高温サイクル寿命試験)そこで次に、A
−X1,B−X1,A−Y1,B−Y1の4つの正極群
のそれぞれで、極板全体に占める活物質体積の比率が7
0,75,80,85vol%とした正極を用いた16
種の電池について、40℃、充電レート1CmA、−Δ
V制御(5mVのカットオフ電圧)の充電と、40℃、
放電レート1CmA、カット電圧0.8Vの放電を繰り
返す試験を500サイクル実施し、電池容量(1.0V
までの放電容量)の変化を測定した。この結果につい
て、横軸に充放電のサイクル数、縦軸に正極の容量密度
(最も値の高いA−X1−80の1サイクル目を100
として規格化)をとって、この両者の関係をまとめる
と、図5が得られた。同図より、以下のことが判る。
【0052】まず、Y1を導電剤とした正極群A−Y1
及びB−Y1では、発泡ニッケル基板の種類(Aまたは
B)によらず、ほぼ同じサイクル挙動を示す。これらの
正極は、導電ネットワークを形成するコバルト酸化物
(β−オキシ水酸化コバルトを含んだ酸化物)自身の導
電性がさほど高くないため、初期における正極の容量密
度もあまり大きくない。しかし、導電ネットワーク形成
時の水酸化コバルトの溶解・再析出反応によって、発泡
ニッケル基板の種類に関わらず、活物質粒子が発泡ニッ
ケル基板に強く結着されており、充放電サイクルに伴う
容量低下は少ない。サイクルに伴って緩やかに容量が低
下するのは、導電ネットワークを形成するコバルト酸化
物がCo34やCoHO2といった熱力学的に安定な酸
化物へと構造変化等を起こすことに起因する。こうして
生ずるCo34やCoHO2の導電性は、初期のβ−オ
キシ水酸化コバルトを含む状態に比べて低いため、正極
容量が次第に低下する。
【0053】一方、X1を導電剤とした正極群A−X1
及びB−X1を見ると、発泡ニッケル基板の種類(Aま
たはB)により、サイクル挙動に大きな差が生ずる。孔
数の少ない発泡ニッケル基板B(従来、広く使用されて
いるもの)を用いた正極群B−X1では、容量の低下が
非常に大きい。この理由は次のように考えられる。
【0054】X1(γ−オキシ水酸化コバルト)を導電
剤とした場合、正極を作製する以前の粉末状態において
水酸化コバルトの酸化を行うため、得られた正極では活
物質粒子と発泡ニッケル基板との間に強固な結着が存在
しない。電池を作製した初期の充放電サイクルでは、X
1の導電性が非常に高いため、この点は問題とならず、
正極群B−X1は、正極群A−Y1及びB−Y1よりも
高い容量密度を与える。しかし、正極群B−X1におい
ても、高温下で充放電サイクルを繰り返すとコバルト酸
化物の構造変化等が起こる。この場合、導電ネットワー
クを形成するコバルト酸化物自身の導電性の低下(Y1
を用いたときと同じ容量低下モード)に加え、活物質粒
子と基板との間の結着の欠如に基づく集電性の不完全さ
(X1の場合に固有の容量低下モード)が相乗して正極
容量の低下が起こる。このため、正極群A−Y1及びB
−Y1に比べて、大きく容量が低下する。
【0055】これに対して孔数の多い発泡ニッケル基板
Aを用いた正極群A−X1は、容量の低下度合いが少な
く、特に、極板全体に占める活物質体積の比率を75〜
85vol%に設定した本発明の3つの正極:A−X1
−75,A−X1−80,A−X1−85が良好であ
る。これについては、上記したX1を用いた際での容量
低下メカニズムを踏まえて、次のように理解できる。
【0056】すなわち、発泡ニッケル基板Aでは、孔の
大きさが小さいので、孔を形成する骨格と、その孔の中
に保持させた活物質粒子との物理的接触の度合いが増
し、活物質粒子からの集電能力を従来のものよりも非常
に高くできる。このため、小さな孔に活物質粒子を保持
させた正極群A−X1では、活物質粒子と発泡ニッケル
多孔体基板との間の結着の欠如が、両者の緻密な物理的
接触(集電)の確保によって十分に補完されていると考
えられる。従って、X1の場合に固有の容量低下モード
が解消され、高温下での充放電サイクルに伴う正極容量
の低下が抑制される。また、正極A−X1−70の容量
の低下が他に比べてやや大きいのは、同正極では活物質
の充填密度が低いために、活物質粒子と基板との間の緻
密な物理的接触が不完全であったためと推測される。こ
の点より、活物質粒子の極板全体に対する合計占有比率
は75〜85vol%の範囲とするのが最適と言える。
【0057】(実施例2) (正極の作製)実施例1で用いたのと同じ球状水酸化ニ
ッケル固溶体粒子を硫酸コバルト水溶液中に投入し、水
酸化ナトリウム水溶液を徐々に加え、35℃でpHが1
2を維持するように調整しながら攪拌を続けて固溶体粒
子表面に水酸化コバルトを析出させてCo(OH)2
覆Ni粒子を作製した。ここで水酸化コバルトの被覆量
については、Co(OH)2被覆Ni粒子の総重量に対
する被覆層の重量比率が5.0重量%となるように調整
した。作製したCo(OH)2被覆粒子は水洗した後、
真空乾燥を行った。同粒子では、被覆層の水酸化コバル
トが厚み約0.1μmで粒子全面を被覆していること
を、電子顕微鏡観察で確認した。
【0058】続いて、このCo(OH)2被覆Ni粒子
に45重量%の水酸化カリウム水溶液の適量を含浸さ
せ、これをマイクロ波加熱の機能を備えた乾燥装置内に
投入して加熱し、酸素を送りながら粒子を完全乾燥まで
導いた。この操作によって、粒子表面の水酸化コバルト
被覆層は3.0価を越える高次な状態にまで酸化され、
藍色に変化した。これを十分に水洗、乾燥させて、Co
酸化処理活物質粒子(以下ではX2と表記する)とし
た。
【0059】次に、こうして得られたX2の100重量
部に、バインダーとしてのポリテトラフルオロエチレン
(PTFE)の0.2重量部と適量の純水とを加えて混
合分散させ、活物質スラリとした。この活物質スラリを
発泡ニッケル基板Aに充填し、80℃の乾燥機内で乾燥
させた後、ロールプレスにより約0.7mmに圧延し
た。この際、活物質スラリの充填量やロールプレスでの
加圧力、プレス回数等を適切に調整して、活物質の極板
全体に対する合計占有比率が70vol%となるように
した。そして、これを所定の大きさに切断加工し、ニッ
ケル正極とした。(実施例1)の場合と同様、以下にお
いては、この正極をA−X2−70と表す。
【0060】上記と同様にして、ロールプレスの際に活
物質スラリの充填量やロールプレスでの加圧力、プレス
回数等を適宜変更することにより、活物質の極板全体に
対する合計占有比率が75vol%,80vol%,8
5vol%,90vol%の正極:A−X2−75,A
−X2−80,A−X2−85,A−X2−90を作製
した。
【0061】また、発泡ニッケル基板Aの代わりに発泡
ニッケル基板Bを用いること以外はすべて上記と同様に
して、5種の正極:B−X2−70,B−X2−75,
B−X2−80,B−X2−85,B−X2−90を作
製した。
【0062】さらに、正極活物質として未酸化のCo
(OH)2被覆Ni粒子(以下ではY2と表記)を使用
し、他はすべて上記と同様にして、10種の正極:A−
Y2−70,A−Y2−75,A−Y2−80,A−Y
2−85,A−Y2−90,B−Y2−70,B−Y2
−75,B−Y2−80,B−Y2−85,B−Y2−
90を作製した。
【0063】(電池の作製と正極容量密度の評価)上記
で作製した20種のニッケル正極について、水素吸蔵合
金を主体とした負極、親水化処理を施したポリプロピレ
ン不織布セパレータ、7〜8Nの水酸化カリウムを主成
分とした電解液を用い、公知の方法により、4/3AA
A(L−AAA)サイズで公称容量800mAhのニッ
ケル-水素蓄電池を各々作製した。
【0064】これらの電池について、充電レート0.1
CmAで15時間充電し、放電レート0.2CmAで電
池電圧が1.0Vになるまで放電させるサイクルを5サ
イクル繰り返し、5サイクル目の容量を測定した。そし
て、この容量を、正極板全体の体積で割り算することに
より、各正極における容量密度を求めた。この結果につ
いて、横軸に活物質の極板全体に対する合計占有比率
(vol%)、縦軸に正極の容量密度(最も値の高いA
−X2−80を100として規格化)をとって、この両
者の関係をまとめると、図6が得られた。この図の傾向
は、実施例1中で示した図4とまったく同じであり、次
のことが言える。
【0065】まず、発泡ニッケル基板の種類によらず、
活物質粒子X2を用いた正極は、Y2を用いた正極より
も容量密度が高い。これはX2の被覆層を形成している
コバルト酸化物が、コバルト価数が3.0よりも高次に
達していることが原因となって、非常に高い導電性を持
つためである。発泡ニッケル基板の種類(AまたはB)
が容量密度の大きさに及ぼす影響は、同図からは殆ど認
められない。一方、4つの正極群(A−X2,B−X
2,A−Y2,B−Y2)のいずれの場合においても、
活物質の極板全体に対する合計占有比率を90vol%
にすると、正極容量密度が大幅に低下した。これは、極
板全体に占める活物質体積の比率が大きすぎて極板内の
通液空間が減少し、極板内部の活物質への電解液の供給
(液まわり)が不十分になったためと推測される。
【0066】(高温サイクル寿命試験)そこで次に、A
−X2,B−X2,A−Y2,B−Y2の4つの正極群
のそれぞれで、極板全体に占める活物質体積の比率を7
0,75,80,85vol%とした正極を用いた16
種の電池について、40℃、充電レート1CmA、−Δ
V制御(5mVのカットオフ電圧)の充電と、40℃、
放電レート1CmA、カット電圧0.8Vの放電を繰り
返す試験を500サイクル実施し、電池容量(1.0V
までの放電容量)の変化を測定した。この結果につい
て、横軸に充放電のサイクル数、縦軸に正極の容量密度
(最も値の高いA−X2−80の1サイクル目を100
として規格化)をとって、両者の関係をまとめると、図
7が得られた。この図の傾向も、実施例1中で示した図
5とまったく同じであり、次のことが言える。
【0067】まず、活物質粒子Y2を用いた正極群A−
Y2及びB−Y2では、発泡ニッケル基板の種類(Aま
たはB)によらず、ほぼ同じサイクル挙動を示す。これ
らの正極は、導電ネットワークを形成するコバルト酸化
物(β−オキシ水酸化コバルトを含んだ酸化物)自身の
導電性がさほど高くないため、初期における正極の容量
密度もあまり大きくない。しかし、導電ネットワーク形
成時の水酸化コバルトの溶解・再析出反応により、発泡
ニッケル基板の種類によらず、活物質粒子が発泡ニッケ
ル多孔体基板に強く結着されており、充放電サイクルに
伴う容量低下は少ない。サイクルに伴って徐々に容量が
低下するのは、導電ネットワークを形成するコバルト酸
化物がCo34やCoHO2といった熱力学的に安定な
酸化物(導電性が低い)へと構造変化等を起こすことに
起因する。
【0068】一方、活物質粒子X2を用いた正極群A−
X2及びB−X2を見ると、発泡ニッケル基板の種類
(AまたはB)により、サイクル挙動に大きな差が生ず
る。孔数の少ない発泡ニッケル基板Bを用いた正極群B
−X2では、容量の低下が非常に大きい。この理由は実
施例1の場合と同様、以下のように考えられる。
【0069】活物質粒子X2を使用した場合、正極を作
製する以前の粉末状態において水酸化コバルトの酸化を
行うため、得られた正極では活物質粒子と発泡ニッケル
基板との間に強固な結着が存在しない。電池を作製した
初期の充放電サイクルでは、X2の被覆層を形成してい
るコバルト酸化物の導電性が非常に高いため、この点は
問題とならず、正極群B−X2は、正極群A−Y2及び
B−Y2よりも高い容量密度を与える。しかし、正極群
B−X2においても、高温下で充放電サイクルを繰り返
すとコバルト酸化物の構造変化等が起こる。この場合、
導電ネットワークを形成するコバルト酸化物自身の導電
性の低下(Y2を用いたときと同じ容量低下モード)に
加え、活物質粒子と基板との間の結着の欠如に基づく集
電性の不完全さ(X2の場合に固有の容量低下モード)
が相乗して正極容量の低下が起こる。このため、正極群
A−Y2及びB−Y2に比べて、大きく容量が低下す
る。
【0070】これに対して孔数の多い発泡ニッケル基板
Aを用いた正極群A−X2は、容量の低下度合いが少な
く、特に、極板全体に占める活物質体積の比率を75〜
85vol%に設定した3つの正極(本発明の正極)が
良好である。発泡ニッケル基板Aでは、孔の大きさが小
さいので、孔を形成する骨格と、その孔の中に保持させ
た活物質粒子との物理的接触の度合いが増し、活物質粒
子からの集電能力を従来のものよりも非常に高くでき
る。このため、この孔に活物質粒子を保持させた正極群
A−X2では、活物質粒子と発泡ニッケル多孔体基板と
の間の結着の欠如が、両者の緻密な物理的接触(集電)
の確保によって十分に補完され、この結果、容量低下が
抑制されたと考えられる。
【0071】なおここで、正極A−X2−70の容量の
低下が他に比べてやや大きいのは、充填密度が低いため
に、活物質粒子と基板との間の緻密な物理的接触が不完
全であったためと推測される。この点より、活物質粒子
の極板全体に対する合計占有比率は75〜85vol%
の範囲が最適と推定される。
【0072】本実施例中では発泡ニッケル基板の作製に
際して、発泡ウレタン基板に電解ニッケルめっきを施し
た後、土台のウレタン基板を焼成除去する方法とした
が、これに限定されるものではない。本発明者らは、別
の方法で作製した、孔数および骨格太さが前記Aと同水
準の発泡ニッケル基板を使用しても、同じ効果が得られ
る点を確認した。
【0073】また、本実施例中ではCo(OH)2被覆
Ni粒子の作製に際し、水溶液中での化学反応を利用し
て被覆層の形成を行ったが、その際の被覆条件等はここ
で記したものに限定されるものではない。水酸化ニッケ
ル固溶体粒子と水酸化コバルト粉末とを混合し、機械混
合時におけるせん断力や衝撃力を利用して粒子表面を水
酸化コバルトで被覆させる方法(機械混合法)等を用い
てCo(OH)2被覆Ni粒子としても、本発明の正極
を作製することができる。Co(OH)2被覆Ni粒子
の酸化に際して、高濃度の水酸化カリウム水溶液を共存
させたが、高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使用して
も同様の効果が得られる。アルカリ湿潤させたCo(O
H)2被覆Ni粒子を酸化させる方法として、マイクロ
波加熱の機能を備えた乾燥機内で酸素を送り込みながら
加熱する方法としたが、これに限定されるものではな
い。
【0074】
【発明の効果】以上に記したように、本発明の正極を用
いれば、高エネルギー密度で耐過放電性能等に優れた上
で、なお且つ高温でのサイクル寿命特性に優れたアルカ
リ蓄電池を提供することが可能となり、産業上の価値は
極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた発泡ニッケル基板Aの
断面状態を示した倍率50倍の顕微鏡写真
【図2】発泡ニッケル基板の骨格断面の典型的な形状、
および骨格の太さを示す模式図
【図3】比較用の発泡ニッケル基板Bの断面状態を示し
た倍率50倍の顕微鏡写真
【図4】実施例1における各正極の極板全体に対する活
物質の占有比率と正極の容量密度との関係を示す説明図
【図5】実施例1における各正極の高温下での充放電サ
イクル数と正極の容量密度との関係を示す説明図
【図6】実施例2における各正極の極板全体に対する活
物質の占有比率と正極の容量密度との関係を示す説明図
【図7】実施例2における各正極の高温下での充放電サ
イクル数と正極の容量密度との関係を示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 暖水 慶孝 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 湯浅 浩次 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が5〜20μmの球状水酸化ニッ
    ケル固溶体粒子と、平均粒径が1μm以下で3.0価よ
    りも高次なγ−オキシ水酸化コバルトを主とするコバル
    ト酸化物導電剤とを、孔数が80〜160ポア/インチ
    (PPI2D)で骨格太さが30〜60μmの発泡ニッケ
    ル基板に、極板全体に対する前記球状水酸化ニッケル固
    溶体粒子およびコバルト酸化物導電剤の合計占有比率が
    75〜85vol%となる範囲で保持させたことを特徴
    とするアルカリ蓄電池用非焼結式正極。
  2. 【請求項2】前記コバルト酸化物導電剤の添加量は、前
    記球状水酸化ニッケル固溶体粒子の量に対して2〜10
    wt%であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ
    蓄電池用非焼結式正極。
  3. 【請求項3】3.0価よりも高次なコバルト酸化物の被
    覆層を持ち、且つ平均粒径が5〜20μmの球状水酸化
    ニッケル固溶体粒子を、孔数が80〜160ポア/イン
    チ(PPI2D)で骨格太さが30〜60μmの発泡ニッ
    ケル基板に、極板全体に対する前記コバルトで被覆され
    た球状水酸化ニッケル固溶体粒子の占有比率が75〜8
    5vol%となる範囲で保持させたことを特徴とするア
    ルカリ蓄電池用非焼結式正極。
  4. 【請求項4】前記コバルト酸化物被覆層の厚みは0.2
    μm以下であることを特徴とする請求項3記載のアルカ
    リ蓄電池用非焼結式正極。
  5. 【請求項5】平均粒径が5〜20μmの球状水酸化ニッ
    ケル固溶体粒子と、平均粒径が1μm以下で3.0価よ
    りも高次なγ−オキシ水酸化コバルトを主とするコバル
    ト酸化物導電剤とを、孔数が80〜160ポア/インチ
    (PPI2D)で骨格太さが30〜60μmの発泡ニッケ
    ル基板に、極板全体に対する前記球状水酸化ニッケル固
    溶体粒子およびコバルト酸化物導電剤の合計占有比率が
    75〜85vol%となる範囲で保持させた正極と、負
    極と、セパレータと、電解液と、よりなるアルカリ蓄電
    池。
  6. 【請求項6】前記コバルト酸化物導電剤の添加量は、前
    記球状水酸化ニッケル固溶体粒子の量に対して2〜10
    wt%であることを特徴とする請求項5記載のアルカリ
    蓄電池。
  7. 【請求項7】3.0価よりも高次なコバルト酸化物の被
    覆層を持ち、且つ平均粒径が5〜20μmの球状水酸化
    ニッケル固溶体粒子を、孔数が80〜160ポア/イン
    チ(PPI2D)で骨格太さが30〜60μmの発泡ニッ
    ケル基板に、極板全体に対する前記コバルトで被覆され
    た球状水酸化ニッケル固溶体粒子の占有比率が75〜8
    5vol%となる範囲で保持させた正極と、負極と、セ
    パレータと、電解液と、よりなるアルカリ蓄電池。
  8. 【請求項8】前記コバルト被覆層の厚みは0.2μm以
    下であることを特徴とする請求項7記載のアルカリ蓄電
    池。
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