JP3249326B2 - アルカリ蓄電池用ニッケル活物質、その製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用ニッケル活物質、その製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルカリ蓄電池用の水
酸化ニッケル活物質に関し、更に詳しくは水酸化ニッケ
ル粒子表面を電子導電性の金属化合物で被覆した水酸化
ニッケル活物質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルカリ蓄電池用正極の基板とし
ては、ニッケル粉末を焼結したいわゆる焼結式基板が主
流であったが、焼結基板は高多孔度化に限界があること
や活物質の充填作業が煩雑である等から、近年では非焼
結式である発泡ニッケル基板が使用されるようになって
いる。
【0003】しかし、この発泡ニッケル基板は、焼結式
基板に比べ高エネルギー密度化や充填作業性の向上の点
で有利である一方、孔径が大きいために、集電体である
ニッケル基板自体と充填された活物質粒子との相対的接
触面積が小さくなるので、充填された活物質の一部は集
電体との電気的接触が不充分となる。このため、正極全
体としての活物質利用率が悪くなるという欠点がある。
【0004】そこで、従来より、非焼結式ニッケル正極
のこのような欠点を改善することを目的とし、水酸化ニ
ッケル母粒子表面を水酸化コバルトで被覆する方法、或
いは水酸化ニッケル母粒子を水酸化ニッケルと水酸化コ
バルトの固溶体で被覆する方法が提案されている。これ
らの方法を適用した場合、活物質粒子の導電性を高める
ことができ、活物質利用率が向上する。
【0005】しかし、前記従来の技術は、未だ添加量と
の関係において充分効率よく導電性改善効果を引き出し
得ていない。また、水酸化コバルトで水酸化ニッケル表
面を被覆した活物質では、電池が過放電状態に陥ると、
被覆層を構成するコバルト化合物が母粒子内部に拡散浸
透する現象が発生する。この結果、母粒子表面の水酸化
コバルト量が少なくなり、電極内に形成された導電ネッ
トワークの導電性が低下する。よって、電極容量が低下
する。この現象はその程度に差があるものの、水酸化ニ
ッケルと水酸化コバルトの固溶体で被覆する方法におい
ても認められており、過放電時における容量低下が大き
な問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題を解決するためになされたものであり、コバルト化
合物が表面に被覆されてなるアルカリ蓄電池用ニッケル
活物質において、少ない被覆量でもって充分に導電性向
上効果を発揮し、かつ過放電時においても被覆層中のコ
バルト化合物が水酸化ニッケル母粒子内部へ拡散浸透す
ることのないニッケル活物質、及びそのようなニッケル
活物質の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、次の構成を有する。請求項1記載の発明
は、水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニッケルである
母粒子の表面に被覆層が形成されたアルカリ蓄電池用ニ
ッケル活物質であって、前記被覆層が、アルミニウム化
合物、マグネシウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化
合物からなる群より選択される1つ以上の金属化合物
と、少なくともコバルト化合物とを含有してなるもので
あり、かつ、前記被覆層中のコバルト化合物が、ニッケ
ル活物質をアルカリと酸素の共存下で加熱処理すること
により、2価を超えるコバルト化合物としてあることを
特徴とするアルカリ蓄電池用ニッケル活物質。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載のア
ルカリ蓄電池用ニッケル活物質において、前記被覆層
が、母粒子に対し1重量%〜15重量%のコバルト化合
物を有するものであることを特徴とする。請求項3記載
の発明は、請求項1乃至2記載のアルカリ蓄電池用ニッ
ケル活物質において、被覆層中の前記金属化合物の含有
量が、コバルト化合物に対し0.5重量%〜25重量%
であることを特徴とする。
【0009】請求項4記載の発明は、請求項3記載のア
ルカリ蓄電池用ニッケル活物質において、被覆層中の前
記金属化合物の含有量が、母粒子に対して3重量%以下
であることを特徴とする。請求項5記載の発明は、水酸
化ニッケル又は主成分が水酸化ニッケルである母粒子の
表面に被覆層が形成されたアルカリ蓄電池用ニッケル活
物質の製造方法であって、アルミニウム化合物、マグネ
シウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化合物からなる
群より選択される1つ以上の金属化合物と、少なくとも
コバルト化合物とを溶解し多成分系溶液を作製する多成
分系溶液調製工程と、母粒子を前記多成分系溶液に分散
させ、この分散液にアルカリ溶液を注加して分散液PH
を所定値に調整することにより、前記母粒子を核として
コバルト化合物と前記金属化合物とからなる多成分系の
析出物を析出させ、母粒子表面を被覆する被覆工程と、
前記被覆工程で被覆した被覆粒子にアルカリ金属処理液
を含浸させ、酸素存在下で加熱処理するアルカリ熱処理
工程と、を備えたアルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製
造方法。
【0010】請求項6記載の発明は、請求項5記載のア
ルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製造方法において、前
記被覆工程における母粒子に対するコバルト化合物の量
が、1重量%〜15重量%となるまで被覆することを特
徴とする。請求項7記載の発明は、請求項5乃至6記載
のアルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製造方法におい
て、前記被覆工程が、分散液のPHを7.5〜12.5
に調整することにより母粒子表面に多成分系の析出物を
析出させることを特徴とする。
【0011】請求項8記載の発明は、請求項5乃至7記
載のアルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製造方法におい
て、前記アルカリ金属処理液のアルカリ金属の濃度を1
5重量%〜40重量%とすることを特徴とする。請求項
9記載の発明は、請求項5乃至8記載のアルカリ蓄電池
用ニッケル活物質の製造方法において、前記アルカリ熱
処理工程における加熱温度を50℃〜150℃とするこ
とを特徴とする。
【0012】
【作用】
(1) 本発明にかかる水酸化ニッケル又は主成分が水酸化
ニッケルである母粒子の表面に被覆層が形成されたアル
カリ蓄電池用ニッケル活物質では、被覆層がコバルト化
合物の他に、アルミニウム化合物、マグネシウム化合
物、インジウム化合物、亜鉛化合物からなる群より選択
される1つ以上の金属化合物が配合され、かつ前記被覆
層のコバルト化合物が、活物質粒子をアルカリと酸素の
共存下で加熱処理することにより2価を超えるコバルト
の化合物としてある。
【0013】このような組成、構造のニッケル活物質で
あると、被覆層が次のように作用し、活物質利用率及び
単位活物質重量当たりの電気容量が高く、かつ過放電特
性に優れたものとできる。即ち、本発明では、被覆層に
含有されたコバルトの化合物が、2価を超えるコバルト
の化合物としてあり、この2価を超えるコバルトの化合
物は極めて導電性に優れるので、活物質の導電性を顕著
に高める。したがって、このような導電性に優れたニッ
ケル活物質が、非焼結式基板に充填された場合、隣接す
るニッケル活物質粒子同士で相互に良好な導電ネットワ
ークを形成する。その結果、基板と直接接触し得ない位
置にあるニッケル活物質粒子が電極反応に関与できるよ
うになり、電極活物質利用率が顕著に向上する。
【0014】また、導電性に優れるこの2価を超えるコ
バルトの化合物は、水酸化ニッケル母粒子の表面に存在
するので、少ない量で効率的に活物質の導電性を高め
る。したがって、コバルト化合物添加による水酸化ニッ
ケルの含有量低下に起因するエネルギー密度の低下とい
うマイナス要因を最小とし、コバルト化合物添加による
プラス効果(導電性向上)を引き出し、全体として活物
質のエネルギー密度を高めることができる。
【0015】更に、本発明にかかる被覆層では、この2
価を超えるコバルトの化合物と共に、アルミニウム化合
物、マグネシウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化合
物からなる群より選択される1つ以上の金属化合物が配
合されいるので、この金属化合物がニッケル活物質の電
気容量、特に過放電時における電気容量(過放電特性)
を高める。このことをさらに説明する。
【0016】従来、コバルト化合物のみで被覆したニッ
ケル活物質を用いた電極では、通常の使用条件下におい
ては充分な電気容量が取り出せるものの、過放電条件下
においては充分な容量を取り出せないという問題があっ
た。この理由として被覆層を構成するコバルト化合物
が、過放電時に母粒子内部に拡散浸透するためと考えら
れるが、このような現象が発生すると、母粒子表面のコ
バルト化合物量が減少する結果、電極内に形成された導
電ネットワークの導電性が悪くなる。よって、十分な電
気容量を取り出し得なくなる。然るに、本発明にかかる
被覆層ではコバルト化合物以外のアルミニウム化合物、
マグネシウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化合物か
らなる群より選択される1つ以上の金属化合物が配合さ
れているので、この金属化合物がコバルト化合物の母粒
子内部への拡散浸透を抑制するように作用する。したが
って、過放電時における電気容量の低下が少なくなる。
【0017】このように本発明によれば、被覆層の構成
成分である前記金属化合物が過放電時におけるコバルト
化合物の母粒子への拡散浸透を抑制し、また被覆層中の
コバルト化合物2価を超えるコバルトの化合物として
あるので、極めて効率的かつ安定してニッケル活物質の
導電性を高めることができ、その結果、利用率、電気容
量及び過放電特性に優れたニッケル活物質が提供でき
る。
【0018】ここで、前記被覆層の成分としてのコバル
ト化合物量は、好ましくは水酸化ニッケル母粒子に対
し、1重量%以上、15重量%以下とするのがよい。な
ぜなら、水酸化ニッケル表面に被覆層を形成した場合、
単位活物質当たりで見たとき、被覆層分だけ水酸化ニッ
ケル含有量が少なくなり、活物質のエネルギー密度(単
位活物質当たりの容量)が低下するが、被覆層の量が上
記範囲であると、被覆層による利用率向上効果が水酸化
ニッケル含有量の低下を上回るので、エネルギー密度の
低下を招くことがないからである。
【0019】また、前記被覆層の成分である前記金属化
合物の含有量は、好ましくはコバルト化合物に対し0.
5重量%〜25重量%であるのがよい。この範囲である
と、コバルト化合物の配合量を圧迫することなく、十分
にコバルト化合物の母粒子内部への拡散浸透を抑制でき
るからである。更に、前記金属化合物の含有量は、母粒
子に対して3重量%以下であるのが好ましい。なぜな
ら、前記金属化合物の含有量が母粒子に対して3重量%
を超えた場合、全活物質量に占める水酸化ニッケル量が
過少になり、活物質利用率の低下が著しくなるため、好
ましくないからである。
【0020】(2) 本発明にかかるアルカリ蓄電池用ニッ
ケル活物質の製造方法では、多成分系溶液に母粒子を分
散し、この分散液のPHを調製する方法により、母粒子
を被覆する方法を採用したが、この方法であると、少な
くともコバルト化合物と、アルミニウム化合物、マグネ
シウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化合物からなる
群より選択される1つ以上の金属化合物とからなる多成
分系の析出物が母粒子を核として析出し、母粒子を取り
囲むようにしてその表面を被覆する。したがって、容易
かつ確実に母粒子表面に多成分系被覆層を形成するこが
できる。しかも、この方法であると、前記多成分系溶液
の組成、濃度を適当に調製し、また母粒子を分散させた
溶液(分散液)のPH、分散液温度、攪拌強度を適当に
調整することにより、被覆層組成、被覆層厚み、被覆状
態を変化させることができるので、容易かつ歩留りよく
所望の被覆層が形成された活物質を得ることができる。
【0021】更に本発明製造方法は、このようにして得
た被覆粒子に対しアルカリ熱処理を施す工程を備えてい
る。このアルカリ熱処理工程において、被覆層中に含有
されたコバルト化合物が2価を超えるコバルトの化合物
に変化し、また被覆層のミクロ構造が電極反応に好都合
なポーラスな構造に変化する。よって、被覆層の導電性
が一層高まり、また被覆層のミクロ構造が改変される結
果、電解液と母粒子の接触性が改善されるので、好適に
電極反応を営み得る活物質とできる。
【0022】つまり、本発明製造方法によれば、利用
率、単位活物質重量当たり容量、及び過放電特性に優れ
たニッケル活物質が、確実かつ歩留り良く得られること
になる。ここで、前記アルカリ金属処理液のアルカリ金
属濃度としては、好ましくは15重量%〜40重量%と
するのがよい。この濃度のアルカリ金属処理液である
と、確実に被覆層中のコバルト化合物は2価を超えるコ
バルトの化合物に変化させることができる。
【0023】更に、前記加熱処理温度を50℃〜150
℃にしてアルカリ加熱処理を行うのが好ましい。この温
度であると、確実にコバルトの高次化を図り、また被覆
層のミクロ構造を好適なものに改変できる。他方、前記
被覆工程においては、水酸化ニッケル母粒子に対するコ
バルト化合物の量を1重量%〜15重量%となるように
被覆するのが良い。この範囲で被覆した場合、多すぎる
ことなくしかも必要十分なコバルト化合物が母粒子表面
に存在することになるので、活物質のエネルギー密度
(単位活物質当たりの電気容量)を低下させることな
く、過放電特性を向上させたニッケル活物質が得られ
る。
【0024】また、前記多成分系溶液としては、好まし
くはコバルト化合物及びこのコバルト化合物に対し0.
5重量%〜25重量%の前記金属化合物を溶解した溶液
とするのがよい。被覆層成分溶液をこの配合比率とする
と、母粒子表面の被覆層は、コバルト化合物と前記金属
化合物とが好適にバランスした多成分系の析出物にな
る。
【0025】更に、前記被覆工程において、好ましくは
分散液(母粒子を分散した多成分系溶液)のPHを7.
5〜12.5とするのがよい。このPH範囲であると、
分散液に溶解しているコバルト化合物と前記金属化合物
とが良好に混合した多成分系析出物を析出させることが
でき、またこのPH範囲であると、析出した多成分系の
析出物が、母粒子表面に効率良く付着し良好な被覆層を
形成する。
【0026】なお、本発明が採用したアルミニウム化合
物、マグネシウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化合
物からなる群より選択される金属化合物は、コバルト化
合物と多成分系析出物を作り易く、また電池反応に悪影
響を与えない点で、電極添加剤として優れている。
【0027】
【実施例】以下、実験に基づいて本発明の内容を明らか
にする。以下の実験は、各種ニッケル活物質を作製し、
これらニッケル活物質を用いて各種電極を作製し、これ
らの電極の性能を比較検討する手法により、本発明の内
容を明らかにしようとするものである。なお、以下で
は、初めにニッケル活物質の作製方法、及び電極の作製
方法の概要を説明し、その後各実験の詳細を説明するこ
ととする。
【0028】〔被覆水酸化ニッケル活物質粒子の作製〕
先ず、粒状水酸化ニッケル(母粒子)の作製は、比重が
約1.33の硫酸ニッケル水溶液に、アンモニア水で溶
液PHを調整しつつ25重量%の水酸化ナトリウム水溶
液を徐々に注加し水酸化ニッケルを析出させる方法によ
り行った。この析出水酸化ニッケルを水洗し乾燥して、
水酸化ニッケル母粒子とした。なお、この水酸化ニッケ
ル母粒子の平均粒子径は、約10μmであった。
【0029】次に、上記水酸化ニッケル母粒子に約4倍
(重量比)の水を加え混合分散し、この分散液(スラリ
ー状態)に対し、水酸化ナトリウム液でPHを10に調
整維持しながら下記多成分系溶液(被覆層組成液)を滴
下した。これにより金属水酸化物からなる多成分系の析
出物が母粒子表面に析出し、母粒子が被覆される。これ
を水洗・乾燥して被覆活物質粒子を得た。
【0030】前記多成分系溶液としては、濃度が金属量
換算で約10重量%の硫酸コバルト水溶液に硫酸アルミ
ニウム、硫酸マグネシウム、硫酸インジウム、硫酸亜鉛
の各硫酸塩をそれぞれ加えたものを用いた。このときの
各硫酸塩の添加量を変化させることによって、被覆層中
のコバルト化合物に対するアルミニウム化合物等の金属
化合物の含有量を調整することができる。また、硫酸塩
に代えて、硝酸アルミニウム、硝酸マグネシウム等の硝
酸塩を加えることもできる。
【0031】被覆量は、母粒子に対する多成分系溶液の
滴下量を変化する方法で調整した。 〔アルカリ熱処理〕被覆Ni活物質粒子を、粒子が湿る
程度にアルカリ金属溶液を含浸させ、酸素存在下で加熱
乾燥処理(40〜160℃に可変)した。このように処
理する方法をアルカリ熱処理といい、この方法で処理し
た被覆Ni粒子をアルカリ熱処理済被覆Ni活物質粒子
と称する。
【0032】以上のようにして、各種Ni活物質A0
AA4 、B1 〜B8 、C1 〜C7 、D1 〜D4 、E1
6 、F1 〜F6 、G1 〜G7 を作製した。これらのN
i活物質を被覆層成分及び作製条件とともに表1〜7に
示す。 〔ニッケル電極の作製〕上記で作製した各種被覆Ni活
物質粒子を100重量部と、0.2重量%ヒドロキシプ
ロピルセルロース水溶液を50重量部とを混合し活物質
スラリーとし、この活物質スラリーを多孔度95%、厚
み1.6mmの発泡体ニッケルに充填し、乾燥後、厚み
0.60mmに圧延した。このようにして各種被覆Ni
活物質粒子を用いたニッケル電極を作製した。なお、こ
れらニッケル電極は用いたNi活物質A0 〜G7 に対応
させ、それぞれA0 〜G7 電極と称する。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】〔実験の部〕上記で作製した各種ニッケル
電極について、これら電極と対極としてのニッケル板と
25重量%の水酸化カリウム水溶液とで開放系の簡易セ
ルを作製し、この簡易セルを用いて各電極の活物質利用
率を測定した。なお、簡易セルに使用したニッケル電極
の理論容量Cは、360mAhである。
【0041】他方、A0 〜A4 、AA0 〜AA4 、C1
〜C7 については、これら電極と水素吸蔵合金電極及び
7〜8.5Nの水酸化カリウム水溶液を主成分とする電
解液を用い公知の方法で公称容量1200mAhのニッ
ケル水素電池を作製し、この電池を用い単位活物質重量
当たりの電気容量と過放電特性を測定した。それぞれの
測定方法は以下のようである。
【0042】先ず、活物質利用率は、前記簡易セル(理
論容量360mAh)を用い、36mAの電流で24時
間連続充電した後、ニッケル板に対し放電終止電圧が−
0.8Vになるまで120mAの電流で放電するという
条件で放電容量を測定し、数1に従い算出した。また、
単位活物質重量当たりの電気容量は、前記電池(公称容
量1200mAh)を用い、120mAで16時間連続
充電した後、電池電圧が1.0Vになるまで240mA
で放電するという条件で放電容量を測定し、数2に従い
算出した。
【0043】更に、過放電特性は、前記電池(公称容量
1200mAh)を用い次の条件で測定した。 1) 1200mAで充電し、電池電圧が極大となったの
ち10mV(−ΔV)だけ減少した時点で充電を止め、
1時間休止する。 2) 1時間休止後に1200mAで、放電終止電圧が
1.0Vになるまで放電する。
【0044】3) 前記放電後、さらに60mAで16時
間強制放電する。 4) 前記1)〜3)の工程を10サイクル繰り返した
後、更に1)〜2)の工程を5サイクル繰り返す。初回サ
イクルにおける放電容量と、最終サイクル終了後の放電
容量を測定し、その比を過放電特性とした。なお、各測
定値は、基準とする活物質を定めこの活物質の利用率等
を100とした場合における指数で比較検討した。
【0045】
【数1】
【0046】
【数2】
【0047】(実験1)実験1では、Ni活物質粒子を
用いたA0 〜A4 、AA0 〜AA4 電極について、単位
活物質重量当たりの電気容量および過放電特性を比較検
討した。その結果を表8に示す。
【0048】
【表8】
【0049】表8において、コバルト化合物に加え、ア
ルミニウム、マグネシウム、インジウム及び亜鉛のいず
れかの化合物を配合した場合は、コバルト化合物単独の
場合(A0 及びAA0 )に比べ、単位活物質当たりの電
気容量、過放電特性とも向上し、特に過放電特性が顕著
に向上した(この効果を以下、多成分効果とする)。ま
た、被覆Ni活物質粒子A0 〜A4 にアルカリ熱処理を
施したAA0 〜AA4は、A0 〜A4 に比べ単位活物質
当たりの電気容量、過放電特性とも向上し、特に過放電
特性が大幅に向上した。
【0050】これらの結果から、被覆層をコバルト化合
物とアルミニウム化合物等との多成分系析出物で構成し
た場合、単位活物質重量当たりの電気容量、過放電特性
とも向上させることができ、更にこのような被覆Ni活
物質粒子にアルカリ熱処理を施すと、多成分効果が一層
増強されることが分かる。ここで、過放電特性における
前記多成分効果は、次のように考察できる。水酸化ニッ
ケル母粒子表面にコバルト化合物の被覆層を形成した場
合、この被覆層が活物質粒子の導電性を高め活物質粒子
間で導電ネットワークを形成する。したがって、活物質
利用率が向上する。しかし、被覆層がコバルト化合物単
独の場合では、過放電中に水酸化ニッケル母粒子中にコ
バルト化合物が拡散浸透し、粒子表面に存在する量が減
少するので活物質粒子間の導電性が低下する。
【0051】これに対し、多成分系析出物で形成された
被覆層の場合は、コバルト化合物以外の金属化合物(ア
ルミニウム化合物、マグネシウム化合物、インジウム化
合物、亜鉛化合物からなる群より選択される1つ以上の
金属化合物)が、過放電時におけるコバルト化合物の母
粒子への拡散浸透を抑制するため、過放電時においても
活物質粒子間の導電性が良好に維持される。したがっ
て、過放電特性が良好に維持されるものと考えられる。
【0052】また、アルカリ熱処理によりさらに電気容
量及び過放電特性が向上したのは、アルカリ熱処理によ
りコバルト化合物がより導電性に優れた2価を超える高
次コバルト化合物になること、及び多成分系析出物から
なる被覆層のミクロ構造がポーラスな構造に変化し、母
粒子と電解液との接触性が高まるためと考えられる。つ
まり、アルカリ熱処理は、化学的な側面と物理的側面の
両面から被覆層に作用し、当該被覆層を電極反応に好適
な状態に改質すると考えられる。
【0053】(実験2)実験2では、被覆層をコバルト
化合物:亜鉛化合物=10:0.5の2成分系析出物か
らなるものとし、母粒子に対する被覆量を変化させて、
被覆量と活物質利用率との関係を調べた。その結果を表
9(B1 〜B8 )に示す。なお、表9(表2も同様)の
被覆量は母粒子に対するコバルトの割合(重量%)で表
示してある。
【0054】
【表9】
【0055】表9から明らかなように、コバルト化合物
が1重量%未満となったとき、及びコバルト化合物が1
5重量%を越えたときに、活物質利用率が大きく低下し
た。この理由は、1重量%未満ではコバルト化合物の量
が不足し、良好な導電ネットワークが形成できないため
と考えられる。他方、15重量%を超えた場合、活物質
粒子中の水酸化ニッケル含有量が相対的に減少すること
に起因するマイナス効果(エネルギー密度の低下)が、
導電性向上効果を上回るためと考えられる。
【0056】この結果から、母粒子表面のコバルト化合
物量は、母粒子に対し1重量%〜15重量%の範囲とす
ることが好ましいことが分かる。 (実験3)実験3では、被覆層をコバルト化合物と亜鉛
化合物の2成分系析出物からなるものとし、母粒子に対
する被覆コバルト化合物量を一定(10重量%)とし、
亜鉛化合物の配合割合を変化させたC1 〜C7 電池につ
いて、コバルト化合物以外の金属化合物(亜鉛化合物)
の配合割合と単位活物質重量当たりの電気容量および過
放電特性との関係を調べた。なお、被覆時の溶液PHを
10に固定し、その他の条件は表3の通りに行った。
【0057】実験3の結果を表10に示す。
【0058】
【表10】
【0059】表10から、明らかなように、被覆層の亜
鉛化合物の量がコバルト化合物に対し0.05未満であ
ると、過放電特性が顕著に悪くなった。これは、析出物
中の亜鉛化合物量が過少であるため、亜鉛化合物による
前記多成分効果が充分に発揮されなくなり、その結果、
コバルト化合物が母粒子へ拡散浸透するようになったた
めと考えられる。
【0060】その一方、被覆層中の亜鉛化合物の量が
2.5を超えた場合、過放電特性の低下は認められない
ものの、単位活物質重量当たりの電気容量が低下した。
この理由は、亜鉛化合物の量の増加に伴って活物質表面
のコバルト化合物密度が低下するため単位活物質当たり
容量が低くなるためと考えられる。なお、表10で示さ
れる傾向は、亜鉛化合物に代えアルミニウム化合物、マ
グネシウム化合物、インジウム化合物を用いた多成分系
析出物についても同様に確認された。
【0061】以上から、コバルト化合物と前記金属化合
物との多成分系析出物からなる被覆層(コバルト化合
物:前記金属化合物=10:X)は、Xが0.05
(0.5重量%)〜2.5(25重量%)であるのが好
ましいことが分かる。 (実験4)実験4では、前記実験2及び実験3の結果を
踏まえ、コバルト化合物と亜鉛化合物からなる2成分系
析出物からなるものについて、被覆層コバルト化合物量
を母粒子に対し15重量%(実験2で規定した最大値)
とし、亜鉛化合物を変化させ(表4;D1 〜D4 )、コ
バルト化合物と亜鉛化合物の割合と活物質利用率の関係
を調べた。
【0062】その結果を表11に示す。
【0063】
【表11】
【0064】前記表11から、亜鉛化合物量が、母粒子
に対し3重量%(コバルト化合物に対し30重量%)を
超えると、利用率が顕著に低下することが分かる。その
一方、3重量%以下では、コバルト化合物被覆量が15
重量%であるにもかかわらず、利用率の低下が殆どなか
った。この結果と先の実験2、3の結果から、母粒子に
対しコバルト化合物量を15重量%(好ましい量の最大
値)とした場合には、亜鉛化合物被覆量を、母粒子に対
し3重量%以下とし、また被覆層成分のコバルト化合物
と亜鉛化合物の比率を15:3以下(コバルト化合物量
に対し亜鉛化合物が2重量%以下)とするのが、より好
ましいことが分かる。
【0065】なお、母粒子に対し亜鉛化合物の量を3重
量%以下に規定した場合には、亜鉛化合物配合による多
成分効果が、活物質単位量当たりの水酸化ニッケル含有
量の低下に伴うマイナス効果を上回るためと考えられ
る。。 (実験5)実験5では、被覆層の組成がコバルト化合
物:亜鉛化合物を10:0.5(固定)の2成分系析出
物(E1 〜E6 )において、析出被覆法における被覆層
形成時の溶液PHを変化させ、被覆時溶液PHと活物質
利用率との関係を調べた。
【0066】その結果を表12に示す
【0067】
【表12】
【0068】表12から明らかなように、溶液PHが
7.5未満の場合、及び12.5を超えた場合におい
て、利用率が大幅に低下した。この理由は、PH7.5
未満では、良好な2成分系析出物が形成され難くなった
ためと考えれる。他方、溶液PH12.5を超えた場
合、2成分系析出物の析出が急激となり、母粒子の表面
に良好な被覆層を形成できなくなったためと考えられ
る。
【0069】この結果から、被覆層を形成する際におけ
る母粒子分散溶液のPHは、7.5〜12.5の範囲と
することが好ましい。 (実験6)実験6では、被覆層組成がコバルト化合物:
亜鉛化合物=10:0.5である被覆活物質粒子を用
い、この被覆活物質粒子に対し種々な濃度のアルカリ金
属溶液をそれぞれ浸潤させた後、酸素存在下で加熱乾燥
する前記アルカリ熱処理を施し、このアルカリ熱処理済
被覆活物質粒子について(F1 〜F2 )、アルカリ熱処
理におけるアルカリ金属液の濃度と活物質利用率との関
係を調べた。
【0070】なお、アルカリ金属としては、水酸化ナト
リウム用い、その他の条件は表6に示す通りである。そ
の結果を、表13に示す。
【0071】
【表13】
【0072】表13から明らかなように、アルカリ金属
液の濃度が15重量%未満、及び40重量%を超えた場
合、利用率が大幅に低下した。この理由は、次のように
考えられる。即ち、被覆活物質粒子をアルカリ共存下で
加熱処理した場合、粒子表面の主に水酸化コバルトが、
2価を超えるコバルトの化合物(高次コバルト化合物)
に変化し、被覆層の導電性が高まる。これにより活物質
粒子相互の導電性ネットワークが形成され、全体として
の利用率が向上する。ところが、アルカリ金属液の濃度
が15重量%未満であると、アルカリ溶液に対する水酸
化コバルトの溶解度が低下するために、水酸化コバルト
の高次化反応が円滑に進行しない。よって利用率が充分
に向上しなかったものと考えられる。他方、アルカリ金
属液の濃度が40重量%を超えると、溶液粘度が著しく
高まるために、アルカリが被覆層に浸透し難くなる結
果、高次化反応が不均一になるたためではないかと考え
られる。
【0073】以上のことから、アルカリ溶液の濃度は、
15〜40重量%の範囲であるのが好ましい。なお、水
酸化ナトリウムに代え、例えば水酸化カリウムなどの他
のアルカリ種を用いた場合でも、上記と同様な結果が得
られることが確認されている。 (実験7)実験7では、アルカリ金属液の濃度を25重
量%共通とし、アルカリ熱処理時の加熱温度を変化させ
たこと以外は、上記実験6と同様な条件で、アルカリ熱
処理時における加熱温度と活物質利用率との関係を調べ
た。
【0074】その結果を表14に示す。
【0075】
【表14】
【0076】表14から明らかなように、加熱温度が5
0℃未満、及び150℃を超えると、利用率の低下が大
きくなる。したがって、アルカリ熱処理における加熱温
度は、50℃〜150℃の範囲で行うのが好ましいこと
が判る。ここで、50℃〜150℃の加熱温度で良好な
結果が得られたのは、この範囲の温度であると、コバル
トの高次化が円滑に進むこと、及び高次化コバルト化合
物の生成に際し多成分系析出物で構成される被覆層のミ
クロ構造が熱作用により乱され、適度な孔隙を有する被
覆層が形成されたためと考えられる。適度な孔隙を有す
る被覆層であると、被覆層が母粒子と電解液との接触を
障害しないので、電気化学的反応が円滑に行い得るから
である。
【0077】これに対し、加熱温度が低くなると、アル
カリ溶液に対する水酸化コバルトの溶解度が低下し、ま
た被覆層に対する熱的作用が減少する。他方、加熱温度
が150℃を超えると、熱的作用が母粒子である水酸化
ニッケル自体に悪影響を及ぼし活物質本体である母粒子
が不活性な酸化ニッケルに変化する。よって、50℃〜
150℃の範囲外では、活物質利用率が低下したものと
考えられる。 〔その他の事項〕上記実施例では、多成分溶液を硫酸ア
ルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸インジウム、硫酸
亜鉛を用いて調製したが、硝酸塩等の他の酸性塩を用い
てもよい。
【0078】
【発明の効果】以上のように本発明アルカリ蓄電池用ニ
ッケル活物質では、被覆層中のコバルト化合物がアルカ
リ熱処理によって2価を超えるコバルト化合物に変化し
ているので、この2価を超えるコバルト化合物が優れた
量的効率性をもって活物質の導電性を高めるように作用
する。また、被覆層中のアルミニウム化合物、マグネシ
ウム化合物、インジウム化合物、亜鉛化合物からなる群
より選択される1つ以上の金属化合物が、過放電時にお
けるコバルト化合物の母粒子内部への拡散浸透を抑制し
過放電特性を高めるように作用する。
【0079】したがって、このような本発明ニッケル活
物質が電極基板に充填されたとき、活物質相互で良好な
導電ネットワークが形成されるので、電極活物質の利用
率が大幅に向上し、単位活物質重量当たりの電気容量
(エネルギー密度)が高まるとともに、過放電時におけ
る電気容量の低下が生じない。また、本発明製造方法に
よれば、比較的簡易な方法で確実かつ安定して上記のよ
うな優れたニッケル活物質を製造できる。したがって、
単位活物質重量当たりの電気容量が高く、かつ過放電特
性に優れたアルカリ蓄電池用ニッケル活物質を安価に供
給できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山脇 章史 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号 三洋電機株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−200555(JP,A) 特開 平3−274666(JP,A) 特開 平7−45281(JP,A) 特開 平5−101823(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/24 - 4/52 H01M 10/24 - 10/30

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニッ
    ケルである母粒子の表面に被覆層が形成されたアルカリ
    蓄電池用ニッケル活物質であって、 前記被覆層が、アルミニウム化合物、マグネシウム化合
    物、インジウム化合物、亜鉛化合物からなる群より選択
    される1つ以上の金属化合物と、少なくともコバルト化
    合物とを含有してなるものであり、 かつ、前記被覆層中のコバルト化合物が、ニッケル活物
    質をアルカリと酸素の共存下で加熱処理することによ
    り、2価を超えるコバルト化合物としてあることを特徴
    とするアルカリ蓄電池用ニッケル活物質。
  2. 【請求項2】 前記被覆層が、母粒子に対し1重量%〜
    15重量%のコバルト化合物を有するものであることを
    特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池用ニッケル活
    物質。
  3. 【請求項3】 被覆層中の前記金属化合物の含有量が、
    コバルト化合物に対し0.5重量%〜25重量%である
    ことを特徴とする請求項1乃至2記載のアルカリ蓄電池
    用ニッケル活物質。
  4. 【請求項4】 被覆層中の前記金属化合物の含有量が、
    母粒子に対して3重量%以下であることを特徴とする請
    求項3記載のアルカリ蓄電池用ニッケル活物質。
  5. 【請求項5】 水酸化ニッケル又は主成分が水酸化ニッ
    ケルである母粒子の表面に被覆層が形成されたアルカリ
    蓄電池用ニッケル活物質の製造方法であって、 アルミニウム化合物、マグネシウム化合物、インジウム
    化合物、亜鉛化合物からなる群より選択される1つ以上
    の金属化合物と、少なくともコバルト化合物とを溶解し
    多成分系溶液を作製する多成分系溶液調製工程と、 母粒子を前記多成分系溶液に分散させ、この分散液にア
    ルカリ溶液を注加して分散液PHを所定値に調整するこ
    とにより、前記母粒子を核としてコバルト化合物と前記
    金属化合物とからなる多成分系の析出物を析出させ、母
    粒子表面を被覆する被覆工程と、 前記被覆工程で被覆した被覆粒子にアルカリ金属処理液
    を含浸させ、酸素存在下で加熱処理するアルカリ熱処理
    工程と、 を備えたアルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記被覆工程において、母粒子に対する
    コバルト化合物の量が、1重量%〜15重量%となるま
    で被覆することを特徴とする請求項5記載のアルカリ蓄
    電池用ニッケル活物質の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記被覆工程が、分散液のPHを7.5
    〜12.5に調整することにより母粒子表面に多成分系
    の析出物を析出させることを特徴とする請求項5乃至6
    記載のアルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記アルカリ金属処理液のアルカリ金属
    の濃度を15重量%〜40重量%とすることを特徴とす
    る請求項5乃至7記載のアルカリ蓄電池用ニッケル活物
    質の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記アルカリ熱処理工程における加熱温
    度を、50℃〜150℃とすることを特徴とする請求項
    5乃至8記載のアルカリ蓄電池用ニッケル活物質の製造
    方法。
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