JP2003077468A - ニッケル電極材料の製造方法 - Google Patents

ニッケル電極材料の製造方法

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JP2003077468A JP2001265626A JP2001265626A JP2003077468A JP 2003077468 A JP2003077468 A JP 2003077468A JP 2001265626 A JP2001265626 A JP 2001265626A JP 2001265626 A JP2001265626 A JP 2001265626A JP 2003077468 A JP2003077468 A JP 2003077468A
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nickel
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cobalt
discharge
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Kengo Furukawa
健吾 古川
Seijiro Ochiai
誠二郎 落合
Mitsuhiro Kodama
充浩 児玉
Minoru Kurokuzuhara
実 黒葛原
Masahiko Oshitani
政彦 押谷
Masaharu Watada
正治 綿田
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Yuasa Corp
Yuasa Battery Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好なタップ密度及び粉体抵抗を有し、且
つ、放電リザーブを充分に削減できる、ニッケル電極材
料、を得ることができる製造方法を提供すること。 【解決手段】 水酸化ニッケル固溶体からなる正極活物
質粒子の表面に、低次コバルト化合物からなる被覆層が
形成されている、正極材料を、水又は6N以下のアルカ
リ水溶液中にて、30〜60℃の温度で、酸化剤を用い
て、酸化処理することによって、上記正極活物質中のニ
ッケル及び上記被覆層中のコバルトの平均酸化数が2.
05〜2.30となるよう、低次コバルト化合物と水酸
化ニッケルの一部とを酸化する、第1工程と、上記処理
後の正極材料を、10N以上のアルカリ水溶液中にて、
110℃以上の温度で加熱処理する、第2工程と、を備
えたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ蓄電池用
のニッケル電極材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯機器の急速な普及に伴って、
小型で高性能な蓄電池が強く要望されてきている。そし
て、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池、
ニッケル亜鉛蓄電池などに代表されるアルカリ蓄電池に
おいて、高容量化及び小型化が期待されている。
【0003】ところで、アルカリ蓄電池の高容量化を図
るために、正極活物質を改良する手段が、例えば次に示
すように、多数提案されている。 特公平7−77129では、水酸化ニッケルからなる
正極活物質粒子の細孔容積を低減することによって、正
極活物質粒子の高密度化、ひいては電池の高容量化を、
図っている。 特開昭61−138458では、水酸化ニッケルから
なる正極活物質粒子に、アルカリ電解液中で2価のコバ
ルトイオンを生成するコバルト化合物を混合添加してい
る。これによれば、コバルト化合物が、アルカリ電解液
中で一度溶解して水酸化コバルトとして再析出する際
に、正極活物質粒子や集電体を結ぶネットワークを形成
する。そして、そのネットワークが、電池の初回充電に
よって水酸化コバルトが高導電性のコバルト化合物に酸
化されることにより、良好な導電性ネットワークとな
る。従って、活物質利用率が向上する。 特開昭63−152866、特公平4−4698で
は、水酸化ニッケルからなる正極活物質粒子を予め水酸
化コバルトで被覆している。これによれば、上記と同
様に電池の初回充電によって良好な導電性ネットワーク
が形成されて活物質利用率が向上し、更には、コバルト
量の削減によるコスト低減や、高エネルギー密度化が、
図られる。
【0004】しかしながら、初回充電による水酸化コバ
ルトの酸化は不可逆反応であるため、酸化された水酸化
コバルトは放電時には還元されない。そのため、負極に
は放電されない電気量が残存することとなる。これを
「放電リザーブ」と称する。なお、ニッケル水素蓄電池
においては、負極合金の腐食によっても、放電リザーブ
が生成する。また、水酸化ニッケルの酸化還元における
不可逆電気量によっても、放電リザーブが生成する。
【0005】放電リザーブが生成すると、充電末期にお
いて負極の未充電容量(「充電リザーブ」と称する)が
減少し、負極における水素ガスの発生が促進され、電池
の内圧が上昇する。このため、電池寿命が短くなる。
【0006】また、ニッケル水素蓄電池においては、負
極の容量を正極より大きくして、負極に放電リザーブや
充電リザーブを設けているので、放電容量が通常は正極
によって規制されている。そのため、正極容量を大きく
して電池の高容量化を図ろうとすると、負極容量も大き
くしなければならず、小型化を図ることができない。そ
れ故、放電リザーブの生成を抑制できれば、その分だけ
負極活物質の充填量を削減できるので、小型化を図った
り、又は正極活物質の充填量を増すことによって高容量
化を図ったりすることが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、充電時の内圧
上昇を抑制したりサイクル寿命特性を改善したりして高
性能化を図るとともに、小型化及び高容量化を図るため
に、放電リザーブを削減する手段が提案されている。例
えば、特開平3−78965、特開平8−14814
5、特開平8−213010では、水酸化ニッケルから
なる正極活物質粒子の表面に、コバルトの酸化数が2価
より大きい高次コバルト化合物を予め配置している。こ
れによれば、初回充電において水酸化コバルトの酸化と
いう不可逆反応が不要となるので、放電リザーブが削減
される。しかしながら、上述したように、放電リザーブ
生成の原因は水酸化コバルトの不可逆容量だけではない
ので、この手段では不十分である。
【0008】また、上記高次コバルト化合物は、コバル
トの酸化数が2価以下である低次コバルト化合物を、酸
化剤を用いたり酸素雰囲気下で加熱したりすることによ
り得ている。しかしながら、酸素雰囲気下で加熱する方
法では、次のような問題があった。 結晶内のプロトン移動を高めるために水酸化ニッケル
中に導入している格子内歪みが解消されてしまい、水酸
化ニッケルの活性が損なわれる恐れがある。 水酸化ニッケル自体が分解してしまう恐れがある。
【0009】更に、放電リザーブを削減する手段とし
て、次の手段が提案されている。即ち、特開2000−
223119では、水酸化ニッケルからなる正極活物質
粒子の表面に高次コバルト化合物を保持させ、アルカリ
水溶液中で酸化剤を用いて水酸化ニッケルを部分酸化す
る試みがなされている。
【0010】しかしながら、このような合成方法によっ
て得られた正極活物質には、上記及びの問題点が存
在するのに加え、次のような製法上の問題点があった。
即ち、酸化処理を、高濃度アルカリ水溶液中で且つ高温
で行うと、水酸化ニッケルの一部がγ−NiOOHまで
酸化され、正極活物質粒子のタップ密度が低下する。こ
れは、正極活物質粒子の高密度化に反し、ひいては高容
量化に反する。一方、酸化処理を、低濃度アルカリ水溶
液中で且つ低温で行うと、主として粉体抵抗が増大して
活物質の放電利用率が低下し、また、不活性なニッケル
酸化物の副生成物が生じる。このように、上記アルカリ
水溶液中における酸化処理においては、活物質の放電利
用率とタップ密度とは相反する関係にあった。
【0011】本発明は、良好なタップ密度及び粉体抵抗
を有し、且つ、放電リザーブを充分に削減できる、ニッ
ケル電極材料、を得ることができる製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
水酸化ニッケル又は異種元素が固溶された水酸化ニッケ
ル固溶体からなる正極活物質粒子の表面に、コバルトの
酸化数が2価以下である低次コバルト化合物からなる被
覆層が形成されている、正極材料を、水又は6N以下の
アルカリ水溶液中にて、30〜60℃の温度で、酸化剤
を用いて、酸化処理することによって、上記正極活物質
中のニッケル及び上記被覆層中のコバルトの平均酸化数
が2.05〜2.30となるよう、低次コバルト化合物
と水酸化ニッケルの一部とを酸化する、第1工程と、上
記処理後の正極材料を、10N以上のアルカリ水溶液中
にて、110℃以上の温度で加熱処理する、第2工程
と、を備えたことを特徴とするニッケル電極材料の製造
方法である。
【0013】請求項1記載の発明において、第1工程に
おいては、酸化処理によって、低次コバルト化合物と水
酸化ニッケルの一部とが所定の平均酸化数となるよう酸
化される。低次コバルト化合物は、酸化されると、コバ
ルトの酸化数が2価より大きい高次コバルト化合物とな
る。高次コバルト化合物はオキシ水酸化コバルト(Co
OOH)であると考えられる。従って、第1工程後の正
極材料において、正極活物質の水酸化ニッケルの一部が
酸化されており、被覆層は高次コバルト化合物からなっ
ている。
【0014】また、第1工程においては、アルカリ濃度
及び温度が比較的低いものであるので、酸化処理条件が
比較的穏やかなものとなる。従って、タップ密度の低下
が抑制され、第1工程後の正極材料のタップ密度は高い
ものとなる。
【0015】ちなみに、第1工程の温度が30〜60℃
であるので、正極活物質と被覆層の疎密化が抑制され、
正極材料粒子は高密度な粒子となる。また、第1工程の
温度が60℃より高い場合や、アルカリ濃度が6Nより
高い場合には、次の理由、により、タップ密度が低
下する恐れがある。正極材料の被覆層の低次コバルト
化合物が、元々、疎密に凝集する性質を持っているた
め、高いアルカリ濃度や温度で酸化処理を行うと、コバ
ルト化合物の酸化反応性が著しく促進され、コバルト化
合物の酸化生成物の1次粒子間にアルカリカチオンや水
分子などが取り込まれ、正極材料の2次凝集性が悪くな
る。酸化反応と同時に起こる低次コバルト化合物のア
ルカリ水溶液への溶解反応が加速され、正極材料の粒子
内部にまで酸化剤が浸入し、酸化反応が局所的に急激に
進行し、低密度性のγ−NiOOHが生成し、酸化生成
物粒子の疎密化を促す。
【0016】また、第2工程においては、アルカリ濃度
及び温度が比較的高いものであるので、第1工程で得ら
れた高次コバルト化合物の結晶構造が乱れ、また、高抵
抗物質であるCoHOの生成が抑制される。従って、
粉体抵抗値が低下し、第2工程後の正極材料の粉体抵抗
値は低いものとなる。
【0017】ちなみに、第2工程のアルカリ濃度が10
Nより低いと、高抵抗物質であるCoHOが生成す
る。また、第2工程の温度が110℃より低いと、酸化
された正極活物質の電位が高いために、水が還元剤とし
て機能し、粉体抵抗が増大する恐れがある。なお、アル
カリ水溶液の温度の上限は特に限定されるものではない
が、沸点を超える温度まで昇温させることが困難である
ため、実質上使用するアルカリの濃度によって一意的に
決定される。
【0018】従って、請求項1記載の製造方法によれ
ば、正極活物質の水酸化ニッケルの一部が酸化されてお
り、被覆層が高次コバルト化合物からなっており、タッ
プ密度が高く、粉体抵抗が低い、ニッケル電極材料が得
られる。例えば、タップ密度は2.10g/ml以上で
あり、粉体抵抗は50Ωcm以下である。このようなニ
ッケル電極材料は、ニッケル電極、ひいてはニッケル水
素蓄電池に用いた場合、次の(1)〜(3)に示す作用効果を
奏する。
【0019】(1) 正極活物質の水酸化ニッケルの一部が
酸化されているので、その分だけ、電池組立後の初期充
電による不可逆電気量の生成が防止される。また、被覆
層が高次コバルト化合物からなっているので、その分だ
け、電池組立後の初期充電による不可逆電気量の生成が
防止される。従って、このニッケル電極材料を用いた電
池においては、放電リザーブが充分に削減される。
【0020】そして、放電リザーブを削減できるので、
負極容量を実質的に増大させることができ、それ故、電
池のサイズを同じに維持しながら高容量化を図ることが
でき、或いは、電池の容量を同じに維持しながら小型化
を図ることができ、従って、小型化及び高容量化を共に
図ることができる。
【0021】また、放電リザーブを削減できるので、充
電リザーブを増大でき、それ故、過充電時に発生するガ
スを充電リザーブによって効果的に吸収でき、従って、
内圧上昇を抑制でき、充放電サイクル寿命を改善でき
る。
【0022】ちなみに、平均酸化数が2.05未満の場
合には、放電リザーブが削減されにくくなる。また、平
均酸化数が2.30を超える場合には、放電リザーブが
実質上ゼロに等しくなり、電池容量が負極規制になり、
放電容量が低下し、その結果、充放電サイクル寿命が短
くなる恐れがある。但し、平均酸化数の設定は、厳密に
は、このニッケル電極材料と組み合わせて用いる負極合
金の放電効率と必要最小放電リザーブ量と組み合わせた
正極と負極の容量の比によって決定される。
【0023】なお、平均酸化数は、硫酸第一鉄法により
測定した。具体的には、次のように行った。まず、正極
材料に含まれる活性酸素量を求めた。ここでは、正極材
料粒子(試料粒子)0.1gと硫酸第一鉄アンモニウム
1gとを秤量し、これらを、5℃に設定された20体積
%濃度の酢酸水溶液に添加し、約3〜10時間攪拌して
完全に溶解させ、その溶液を0.1N(0.02mol
/l)の過マンガン酸カリウム溶液を用いて滴定し、次
式(I)から活性酸素量を算出した。
【0024】
【数1】
【0025】なお、式(I)において、XFeは硫酸第
一鉄アンモニウムの秤量量(g)、Vは過マンガン酸カ
リウム溶液の滴定量(ml)、fは過マンガン酸カリウ
ム溶液のファクタ一、Xspは試料粒子の秤量量(g)
である。
【0026】次に、試料粒子中に含まれるニッケル及び
コバルトの量(重量%)を、ICP発光分析法や原子吸
光分析法等により定量分析し、次式(II)からニッケル
及びコバルトの酸化数を算出した。
【0027】
【数2】
【0028】(2) タップ密度が高いので、集電体に対し
て電極材料を高密度に充填できる。従って、高容量化を
図ることができる。
【0029】(3) 粉体抵抗が低いので、電極材料の導電
性を向上でき、従って、正極活物質利用率を向上でき
る。
【0030】なお、第1工程においては、アルカリ濃度
及び温度が比較的低いものであるので、酸化処理条件が
比較的穏やかなものとなる。それ故、結晶内部に格子歪
みが導入されている水酸化ニッケル固溶体からなる正極
活物質を用いた場合において、格子歪みが解消されるこ
とはない。また、分解によって水酸化ニッケルの活性が
損なわれることもない。従って、水酸化ニッケル固溶体
からなる正極活物質を用いた場合には、この点からも、
正極活物質利用率を向上できる。
【0031】固溶される異種元素としては、コバルト、
亜鉛、マグネシウム、カドミウム、アルミニウム、及び
マンガンの内の1種以上が好ましい。コバルトが固溶さ
れた場合には、ニッケル電極材料における充電電位を卑
側にシフトでき、充電電位と酸素発生電位との電位差を
大きく設定できるので、電池における高温下での充電効
率を向上できる。亜鉛、マグネシウム、及びカドミウム
のいずれかが固溶された場合には、特に充電末期におけ
るγ−NiOOHの生成を抑制でき、ニッケル電極の膨
潤を抑制できるので、電解液がニッケル電極に偏在する
のを防止して充放電サイクル寿命を改善できる。
【0032】例えば亜鉛及びコバルトが固溶された水酸
化ニッケル固溶体からなる正極活物質粒子の製造は、次
のように行う。硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、及び硫酸コバ
ルトからなる混合水溶液に、硫酸アンモニウム水溶液を
加え、更にpHをアルカリ側へ調整することにより、ニ
ッケル、亜鉛、及びコバルトのアンミン錯イオンを生成
させ、この水溶液を反応浴中の水酸化ナトリウム水溶液
に撹拌しながら供給するとともに、反応浴のpHを11
〜13及び温度を40〜50℃に維持する。これによ
り、水酸化亜鉛及び水酸化コバルトが固溶された水酸化
ニッケル固溶体粒子即ち正極活物質粒子が生成する。な
お、硫酸亜鉛及び硫酸コバルトを省けば、水酸化ニッケ
ルからなる正極活物質粒子が生成する。
【0033】低次コバルト化合物からなる被覆層の形成
は、次のように行う。反応浴中の硫酸コバルト水溶液に
上記正極活物質粒子を浸漬させて撹拌しながら、反応浴
に水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH11〜13を維
持する。これにより、上記正極活物質粒子の表面に水酸
化コバルトからなる被覆層が形成される。即ち、正極材
料粒子が生成する。
【0034】ニッケル電極材料における上記被覆層の含
有割合は、4〜10重量%、特に4〜8重量%が好まし
い。4重量%未満の場合は、正極活物質の導電性が充分
に高くならず、利用率向上が困難となる恐れがある。1
0重量%を越える場合は、電極材料における正極活物質
量が相対的に減少することになるので、容量低下を招く
恐れがある。
【0035】なお、正極活物質として用いる水酸化ニッ
ケルにおいては、結晶格子内でのプロトン移動を促進す
る目的で、結晶内部に格子歪みが導入されていることが
望ましい。特に大電流放電においては、水酸化ニッケル
粒子と電解液との界面からプロトンが水酸化ニッケル粒
子の内部へ挿入された後に、このプロトンが水酸化ニッ
ケル粒子の表面から水酸化ニッケル粒子の内部へと移動
する反応が律速となる。従って、結晶内部でのプロトン
の移動を束縛するような高結晶性の粒子、言い換える
と、規則配列に優れた水酸化ニッケル結晶格子は、正極
活物質としては不向きである。このような問題を解決す
る手段として、正極活物質として用いる水酸化ニッケル
は、通常、結晶性を低く抑えたものが使用されている。
このような低結晶性の水酸化ニッケルは、公知のよう
に、合成時の反応pHをコントロールしたり、Niの一
部を異種元素で置換することによって、得ることができ
る。そのような結晶性の制御においては、例えばジャー
ナル・エレクトロケミカル・ソサイエティ(J. Electro
chem. Soc.)146、2059〜2067頁、1999
年等に記載のように、粒子のX線回折を行って、その回
折ピーク形状の拡がりを目安として用いることができ
る。
【0036】低次コバルト化合物としては、コバルト単
体、一酸化コバルト、水酸化コバルトなどが挙げられ
る。特に、オキシ水酸化コバルトを生成しやすい点か
ら、水酸化コバルトが好ましい。
【0037】第1工程及び第2工程のアルカリ水溶液と
しては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムの内の1種以上が溶解された水溶液を用いるのが
好ましい。
【0038】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、酸化剤として、ペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸ナト
リウムの内の1種以上を用いるものである。
【0039】請求項2記載の発明においては、用いる酸
化剤が、2価のコバルト及び2価のニッケルを酸化でき
るものであるので、低次コバルト化合物だけでなく、水
酸化ニッケルも確実に酸化される。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、実施例及び比較
例に基づいて、詳細に説明する。
【0041】{平均酸化数の検討}まず、比較例1〜6
のニッケル電極材料を得て、ニッケル及びコバルトの適
切な平均酸化数を検討した。 (比較例1) [正極活物質の生成]硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、及び硫
酸コバルトからなる混合水溶液に、硫酸アンモニウム水
溶液を加え、更にpHをアルカリ側へ調整することによ
り、ニッケル、亜鉛、及びコバルトのアンミン錯イオン
を生成させ、この水溶液を反応浴中の水酸化ナトリウム
水溶液に撹拌しながら供給するとともに、反応浴のpH
を11〜13及び温度を40〜50℃に維持した。これ
により、水酸化亜鉛及び水酸化コバルトが固溶された水
酸化ニッケル固溶体粒子即ち正極活物質粒子が生成し
た。正極活物質におけるコバルト及び亜鉛の含有割合
は、水酸化物換算で、それぞれ、1重量%及び5重量%
とした。
【0042】[正極材料の生成(水酸化コバルトの被
覆)]次に、反応浴中の硫酸コバルト水溶液に上記正極
活物質粒子を浸漬させて撹拌しながら、反応浴に水酸化
ナトリウム水溶液を加えてpH11〜13を維持した。
これにより、上記正極活物質粒子の表面に水酸化コバル
トからなる被覆層が形成された。即ち、正極材料粒子が
生成した。この正極材料における、水酸化コバルトから
なる被覆層の含有割合は、6重量%とした。この正極材
料のニッケル及びコバルトの平均酸化数を硫酸第一鉄法
により測定したところ、2.00であった。この正極材
料を比較例1のニッケル電極材料とした。
【0043】(比較例2)比較例1で得た正極材料粒子
を、酸化処理した。即ち、当該正極材料粒子を、90℃
に設定された10Nの水酸化ナトリウム水溶液中に投入
して攪拌した。続いて、該水溶液中に、正極材料のニッ
ケル及びコバルトの平均酸化数が2.05となるような
量のペルオキソ二硫酸カリウム(K)を加
え、2時間に渡って攪拌を継続した。そして、攪拌終了
後、正極材料粒子を水洗し、乾燥して、比較例2の正極
材料を得た。この正極材料を比較例2のニッケル電極材
料とした。
【0044】(比較例3〜6)平均酸化数を、2.1
0、2.15、2.20、及び2.35とし、その他は
比較例2と同様に酸化処理して、比較例3〜6の正極材
料を得た。これらの正極材料を比較例3〜6のニッケル
電極材料とした。
【0045】即ち、比較例1のニッケル電極材料は、正
極活物質粒子を水酸化コバルトで被覆してなる正極材料
を酸化処理しないでそのまま用いたものであり、比較例
2〜6のニッケル電極材料は、正極活物質粒子を水酸化
コバルトで被覆してなる正極材料を酸化剤の量を種々設
定して酸化処理して用いたものである。
【0046】次に、比較例1〜6のニッケル電極材料を
それぞれ用いて、次のようにしてニッケル電極を作製し
た。 (ニッケル電極の作製)ニッケル電極材料に、増粘剤を
溶解した水溶液を加えて、電極材料ペーストを得た。そ
して、この電極材料ペーストをニッケル多孔体基板に充
填した後、プレスして厚さ調整して、ニッケル電極を得
た。このニッケル電極の電気化学容量は、Ni(II)→N
i(III)の1電子反応を仮定して、次式(III)に基づい
て算出し、正極活物質中のNi元素1g当り、456.
47mAhに設定した。
【0047】 Ni(OH) → NiOOH+e+H …式(III)
【0048】そして、比較例1〜6に基づく上記ニッケ
ル電極をそれぞれ用いて、次のようにしてニッケル水素
蓄電池を作製した。 (ニッケル水素蓄電池の作製)まず、次のようにして負
極を作製した。即ち、MmNiAlCoMn(Mmはミ
ッシュメタルであり、La、Ce、Pr、及びNdから
なる希士類元素の混合物である)の組成で示される、7
5μm以下の粒径の、水素吸蔵合金粉末を用意し、この
粉末に、増粘剤を溶解した水と、結着剤であるポリテト
ラフルオロエチレンと、を加えてペーストを調製し、こ
のペーストを、パンチングメタルの両面に塗布して乾燥
した後にプレスして厚さ調整した。なお、負極の容量
は、ニッケル電極の容量の1.6倍に設定した。
【0049】そして、ニッケル電極と負極とを、ポリオ
レフィン系樹脂繊維の不織布からなる厚さ0.12mm
のセパレータを挟んで渦巻状に巻き取り、極群を作製し
た。次に、側面の肉厚が0.18mmの円筒状金属ケー
ス内に、上記極群を収納し、7Nの水酸化カリウム水溶
液と1Nの水酸化リチウム水溶液とからなる電解液をニ
ッケル電極の容量1Ah当り1.16ml注入した。そ
して、安全弁を備えた金属製蓋体を用いて金属ケースを
封口し、AAサイズの円筒型ニッケル水素蓄電池を得
た。
【0050】そして、比較例1〜6に基づく上記ニッケ
ル水素蓄電池について、高率放電容量と放電リザーブ量
の目安とを測定した。それらの結果、酸化処理条件、及
び平均酸化数を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】(高率放電容量の測定)電池を、20℃に
て、充電電流0.1Cで15時間充電し、1時間休止し
た後、放電電流0.2Cで終止電圧を1.0Vとして放
電した。そして、この充放電サイクルを3サイクル繰返
した後、電池を、放電末期状態で60℃にて48時間エ
ージング処理した。エージング処理後、電池を、20℃
にて再び上記充放電サイクルを2サイクル繰り返し、容
量が安定したのを確認した後、3C放電容量を調べた。
【0053】表1からわかるように、平均酸化数が2.
05〜2.20の場合は、良好な放電容量を達成でき
る。しかし、平均酸化数が2.35になると、放電容量
が極端に低下する。よって、良好な放電容量が得られる
のは、平均酸化数が2.30までであると推測できる。
【0054】(放電リザーブ量の目安の測定)電池を、
上述の3C放電後に1時間放置した後、放電電流を0.
2C、終止電圧を1.0Vとして、引継放電した。そし
て、電池を解体し、負極を取り出した。負極を蒸留水で
満たされた密閉ビーカーへ入れ、湯浴にてビーカーを加
熱して、負極に放電末期状態で残存している水素ガス量
を測定した。厳密には、加熱によって式(IV)により負
極の水素吸蔵合金から放出される水素ガスが、電池内で
全て放電リザーブとして利用できるとは必ずしも言えな
いが、負極に形成された放電リザーブ量の目安として使
用でき、測定方法も容易である。捕集された水素ガス量
は、式(V)に従って、水素ガス1mol=22400
ml当り、2ファラデー消費されるとして、電気化学容
量に換算した。
【0055】 即ち、(負極)MH→M+1/2 H …式(IV) H→2H+2e …式(V) 1F(ファラデー)=96500C(クーロン) 1C=1A・sec.である。 従って、(放電リザーブ量の目安)[Ah]=(水素ガス
量)[ml]×(2×96500)/(22400×3
600)
【0056】表1における放電リザーブ量の目安の結果
は、負極の全容量に対する放電リザーブ量の割合で示し
ている。平均酸化数が2.05〜2.20の場合には、
酸化処理を行わない比較例1の場合に比して、放電リザ
ーブ量が削減されている。また、平均酸化数が2.35
の場合には、放電リザーブ量が略ゼロに等しい。蓄電池
の初期充放電サイクル後のエージング処理は、負極の電
位を制御しながら水素吸蔵合金を高温アルカリ処理して
活性化を促進することに相当し、この時、水素吸蔵合金
の腐食反応も同時に進行して、放電リザーブも形成され
る。ニッケル水素蓄電池においては、上述したように、
ニッケル電極と負極との放電効率が異なるため、最小限
に形成された放電リザーブは、特に高率放電時に負極容
量規制となるのを防止する。換言すると、高率放電特性
を阻害しなければ、負極の放電リザーブは必要最低限で
構わないことになる。ここでは、平均酸化数が2.30
を越える場合に、蓄電池放電末期に蓄電池容量が負極規
制となって放電容量が小さくなったと考えられる。必要
最低限の放電リザーブ量は、合金の種類及び電池に組み
込んだ正極と負極の容量の比によって異なる。しかしな
がら、これらのことから、平均酸化数は2.05〜2.
30になるよう設定するのが好ましい。
【0057】以上のように、ニッケル電極材料におい
て、ニッケル及びコバルトの適切な平均酸化数は、2.
05〜2.30である。よって、以下の実施例及び比較
例では、平均酸化数を当該範囲内に設定した。
【0058】{第1工程(酸化処理)条件の検討}次
に、比較例7〜15及び実施例1〜5のニッケル電極材
料を得て、適切な酸化処理条件を検討した。
【0059】(比較例7)比較例1で得た正極材料粒子
を、酸化処理した。即ち、当該正極材料粒子を、30℃
に設定された6Nの水酸化ナトリウム水溶液中に投入し
て攪拌した。続いて、該水溶液中に、正極材料のニッケ
ル及びコバルトの平均酸化数が2.20となるような量
の次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)水溶液を滴下し
ながら、2時間に渡って攪拌を継続した。そして、攪拌
終了後、正極材料粒子を水洗し、乾燥して、比較例7の
正極材料を得た。この正極材料を比較例7のニッケル電
極材料とした。
【0060】(比較例8〜11)水酸化ナトリウム水溶
液の温度を、50、60、70、及び90℃とし、その
他は比較例7と同様に酸化処理して、比較例8〜11の
正極材料を得た。これらの正極材料を比較例8〜11の
ニッケル電極材料とした。
【0061】(実施例1)比較例1で得た正極材料粒子
を、酸化処理した後、加熱処理した。酸化処理は、次の
ように行った。即ち、当該正極材料粒子を、30℃に設
定された6Nの水酸化ナトリウム水溶液中に投入して攪
拌した。続いて、該水溶液中に、正極材料のニッケル及
びコバルトの平均酸化数が2.20となるような量の次
亜塩素酸ナトリウム(NaClO)水溶液を滴下しなが
ら、2時間に渡って攪拌を継続した。そして、攪拌終了
後、正極材料粒子を水洗し、乾燥した。即ち、酸化処理
は比較例7と同様に行った。加熱処理は、次のように行
った。即ち、酸化処理後の正極材料粒子を、110℃に
設定された10Nの水酸化ナトリウム水溶液中に投入
し、温度を維持したまま3時間に渡って撹拌を継続し
た。攪拌終了後、正極材料粒子を水洗し、乾燥した。得
られた正極材料を実施例1のニッケル電極材料とした。
【0062】(実施例2)比較例1で得た正極材料粒子
を、比較例8と同様に酸化処理した後、実施例1と同様
に加熱処理した。得られた正極材料を実施例2のニッケ
ル電極材料とした。
【0063】(実施例3)比較例1で得た正極材料粒子
を、比較例9と同様に酸化処理した後、実施例1と同様
に加熱処理した。得られた正極材料を実施例3のニッケ
ル電極材料とした。
【0064】(実施例4)比較例1で得た正極材料粒子
を、酸化処理した後、実施例1と同様に加熱処理した。
酸化処理は、温度を50℃、水酸化ナトリウム水溶液の
濃度を1Nとし、その他は実施例1と同様に行った。得
られた正極材料を実施例4のニッケル電極材料とした。
【0065】(実施例5)比較例1で得た正極材料粒子
を、酸化処理した後、実施例1と同様に加熱処理した。
酸化処理は、温度を50℃、水酸化ナトリウム水溶液の
濃度を4Nとし、その他は実施例1と同様に行った。得
られた正極材料を実施例5のニッケル電極材料とした。
【0066】(比較例12)比較例1で得た正極材料粒
子を、酸化処理した後、実施例1と同様に加熱処理し
た。酸化処理は、温度を70℃、水酸化ナトリウム水溶
液の濃度を6Nとし、その他は実施例1と同様に行っ
た。得られた正極材料を比較例12のニッケル電極材料
とした。
【0067】(比較例13)比較例1で得た正極材料粒
子を、酸化処理した後、実施例1と同様に加熱処理し
た。酸化処理は、温度を50℃、水酸化ナトリウム水溶
液の濃度を10Nとし、その他は実施例1と同様に行っ
た。得られた正極材料を比較例13のニッケル電極材料
とした。
【0068】(比較例14)比較例1で得た正極材料粒
子を、酸化処理した後、実施例1と同様に加熱処理し
た。酸化処理は、温度を50℃、水酸化ナトリウム水溶
液の濃度を12Nとし、その他は実施例1と同様に行っ
た。得られた正極材料を比較例14のニッケル電極材料
とした。
【0069】(比較例15)比較例1で得た正極材料粒
子100gを、30重量%水酸化ナトリウム水溶液30
mlによって湿潤状態とし、80℃で加熱処理した。こ
のとき、粒子の凝集を防ぐ目的で、撹拌羽で一様に混練
し続けた。処理後、正極材料粒子を、水洗し、乾燥し
た。次に、得られた正極材料粒子を、50℃に設定され
た10Nの水酸化ナトリウム水溶液に投入して攪拌し
た。続いて、当該水溶液中に、ニッケル及びコバルトの
平均酸化数が2.20になるような量の次亜塩素酸ナト
リウム(NaClO)水溶液を滴下しながら、2時間に
渡って攪拌を継続した。攪拌終了後、正極材料粒子を、
水洗し、乾燥した。得られた正極材料を比較例15のニ
ッケル電極材料とした。
【0070】上述した実施例1〜5と比較例7〜14の
処理条件を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】上述したニッケル水素蓄電池の作製と同様
にして、実施例1〜5及び比較例7〜15のニッケル電
極材料を用いて、AAサイズの公称1600mAhの円
筒型ニッケル水素蓄電池を作製した。
【0073】(タップ密度の測定)実施例1〜5及び比
較例7〜14で得たニッケル電極材料についてタップ密
度を測定した。具体的には、所定量の電極材料粒子をメ
スシリンダーに投入し、約10cmの高さから落下させ
る動作を100〜200回繰り返した後に、電極材料粒
子の占める容積を測定することにより、求めた。結果を
表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】(温度の検討)表3において、比較例7〜
11に示すように、タップ密度は、酸化処理の温度が高
くなるほど低くなり、70℃以上では著しく低くなって
いる。一方、実施例1〜5に示すように、酸化処理後に
加熱処理を行った場合でも、酸化処理の温度が60℃以
下であれば、タップ密度は良好な値である。しかし、比
較例12に示すように、酸化処理後に加熱処理を行った
場合において、酸化処理の温度が70℃であると、タッ
プ密度は著しく低くなっている。このことは、正極材料
粒子の凝集性といった粒子特性を決定するのは、主とし
て酸化処理の条件であって、酸化処理後(酸化剤消費終
了以降)の条件には左右されないことを意味している。
従って、酸化処理の温度は60℃以下が適している。
【0076】(アルカリ濃度の検討)表3において、比
較例13、14に示すように、酸化処理の温度が50℃
の場合でも、アルカリ濃度が6Nより高いと、タップ密
度は著しく低くなっている。従って、酸化処理のアルカ
リ濃度は6N以下が適している。
【0077】上記のように、酸化処理の温度が高いほ
ど、又は酸化処理のアルカリ濃度が高いほど、タップ密
度が低くなるのは、次の理由、によると考えられ
る。 正極材料の被覆層の低次コバルト化合物が、元々、疎
密に凝集する性質を持っているため、高いアルカリ濃度
や温度で酸化処理を行うと、コバルト化合物の酸化反応
性が著しく促進され、コバルト化合物の酸化生成物の1
次粒子間にアルカリカチオンや水分子などが取り込ま
れ、正極材料の2次凝集性が悪くなる。 酸化反応と同時に起こる低次コバルト化合物のアルカ
リ水溶液への溶解反応が加速され、正極材料の粒子内部
にまで酸化剤が浸入し、酸化反応が局所的に急激に進行
し、低密度性のγ−NiOOHが生成し、酸化生成物粒
子の疎密化を促す。
【0078】{第2工程(加熱処理)の効果の検討}比
較例7〜9及び実施例1〜3のニッケル電極材料を用い
たニッケル水素蓄電池について、高率放電容量及び過放
電回復容量を測定した。また、比較例7〜9及び実施例
1〜3のニッケル電極材料について、粉体抵抗を測定し
た。
【0079】(高率放電容量の測定)電池を、20℃に
て、充電電流0.1Cで15時間充電し、1時間休止し
た後、放電電流0.2Cで終止電圧を1.0Vとして放
電した。そして、この充放電サイクルを4サイクル繰返
した後、5サイクル目の放電容量を電池の放電容量とし
た。引き続いて、電池を、充電電流0.1Cで15時間
充電し、1時間休止した後、放電電流3Cで終止電圧を
1.0Vとして放電した。これを高率放電容量とした。
結果を表4に示す。
【0080】(過放電後の回復容量の測定)電池を、2
0℃にて、充電電流0.1Cで15時間充電し、1時間
休止した後、放電電流0.2Cで終止電圧を1.0Vと
して放電した。この充放電サイクルを繰り返して、放電
容量を調べた。その後、放電終了状態にて6Ω抵抗でニ
ッケル電極と負極とを短絡し、60℃で72時間放置し
た。こうして、過放電放置試験を行った。
【0081】放置終了後、電池を、20℃にて、充電電
流0.1Cで15時間充電し、1時間休止した後、放電
電流0.2Cで終止電圧を1.0Vとして放電し、60
℃での放置後の回復容量を調べた。結果を表4に示す。
【0082】(粉体抵抗の測定)ニッケル電極材料の粉
体抵抗を測定した。測定は直径6mmの錠剤成型器に測
定粒子を入れ、196Nの加圧下、室温で行った。結果
を表4に示す。
【0083】
【表4】
【0084】実施例1〜3は、比較例7〜9で得られた
正極材料に加熱処理を施したものに相当する。従って、
両者を比較すれば、加熱処理の効果がわかる。表4に示
すように、実施例1〜3は、高率放電容量、過放電回復
容量、及び粉体抵抗の全てにおいて、良好な値を示して
いる。しかしながら、比較例7〜9では、そのような特
性のいずれか一つ以上において、好ましくない値を示し
ている。従って、酸化処理後に加熱処理を行うことは必
要である。
【0085】{第2工程(加熱処理)条件の検討} (実施例6)比較例1で得た正極材料粒子を、酸化処理
した後、加熱処理した。酸化処理は、次のように行っ
た。即ち、当該正極材料粒子を、60℃に設定された6
Nの水酸化ナトリウム水溶液中に投入して攪拌した。続
いて、該水溶液中に、正極材料のニッケル及びコバルト
の平均酸化数が2.19となるような量の次亜塩素酸ナ
トリウム(NaClO)水溶液を滴下しながら、2時間
に渡って攪拌を継続した。そして、攪拌終了後、正極材
料粒子を水洗し、乾燥した。加熱処理は、次のように行
った。即ち、酸化処理後の正極材料粒子を、110℃に
設定された10Nの水酸化ナトリウム水溶液中に投入
し、温度を維持したまま3時間に渡って撹拌を継続し
た。攪拌終了後、正極材料粒子を水洗し、乾燥した。得
られた正極材料を実施例6のニッケル電極材料とした。
【0086】(実施例7)加熱処理の水酸化ナトリウム
水溶液の濃度を14Nとし、その他は実施例6と同様に
処理した。得られた正極材料を実施例7のニッケル電極
材料とした。
【0087】(比較例16)加熱処理において、温度を
70℃、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を10Nとし、
その他は実施例6と同様に処理した。得られた正極材料
を比較例16のニッケル電極材料とした。
【0088】(比較例17)加熱処理において、温度を
90℃、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を10Nとし、
その他は実施例6と同様に処理した。得られた正極材料
を比較例17のニッケル電極材料とした。
【0089】(比較例18)加熱処理において、温度を
110℃、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を4Nとし、
その他は実施例6と同様に処理した。得られた正極材料
を比較例18のニッケル電極材料とした。
【0090】(比較例19)加熱処理において、温度を
110℃、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を6Nとし、
その他は実施例6と同様に処理した。得られた正極材料
を比較例19のニッケル電極材料とした。
【0091】(比較例20)加熱処理において、温度を
100℃、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を1とし、そ
の他は実施例6と同様に処理した。得られた正極材料を
比較例20のニッケル電極材料とした。
【0092】実施例6、7及び比較例16〜20の処理
条件を表5に示す。
【0093】
【表5】
【0094】上述したニッケル水素蓄電池の作製と同様
にして、実施例6、7及び比較例16〜20のニッケル
電極材料を用いて、ニッケル水素蓄電池を作製した。そ
して、そのニッケル水素蓄電池について、高率放電容量
及び過放電回復容量を測定した。また、実施例6、7及
び比較例16〜20のニッケル電極材料について、粉体
抵抗を測定した。
【0095】(高率放電容量の測定)上述したのと同様
にして測定した。結果を表6に示す。
【0096】(過放電後の回復容量の測定)電池を、2
0℃にて、充電電流1.0Cで1.5時間充電し、1時
間休止した後、放電電流1.0Cで終止電圧を1.0V
として放電した。この充放電サイクルを繰返し、5サイ
クル目の放電容量を調べた。更に、電池に対して、放電
末期状態で、60℃にて、定抵抗を3日間接続した。そ
の後、電池を、再度20℃にて、充電電流0.1Cで1
5時間充電し、1時間休止した後、放電電流0.2Cで
終止電圧を1.0Vとして放電し、定抵抗接続後の放電
回復容量(即ち、過放電後の放電回復容量)を調べた。
更に、電池に対して、上述の充放電サイクルを5回繰り
返した後、再び上述と同様の過放電回復試験を行い、過
放電操作が繰り返された場合の電池容量変化についても
検討した。結果を表6に示す。
【0097】(粉体抵抗の測定)上述したのと同様にし
て測定した。結果を表6に示す。
【0098】
【表6】
【0099】表6において、比較例16、17に示すよ
うに、加熱処理の温度が低いと、粉体抵抗が高くなって
いる。これは、酸化処理において酸化されたコバルト及
びニッケルが、加熱処理において水分子による還元を受
けたことにより、抵抗が高くなったからであると考えら
れる。これに対して、実施例6、7のように110℃以
上の高温で処理すると、粉体抵抗は比較的低くなってい
る。これは、高次コバルト化合物のアモルファス化など
が進行することによって、更に粉体抵抗が低くなったか
らであると考えられる。また、比較例18〜20、特に
比較例18、20に示すように、加熱処理のアルカリ濃
度が低いと、粉体抵抗が高くなっている。これは、絶縁
性の高結晶性のCoHOが混入してしまうからである
と考えられる。更に、比較例16〜20に示すように、
加熱処理の温度及びアルカリ濃度が低いと、過放電後の
回復容量が低くなっている。これに対して、実施例6、
7では、過放電後の回復容量が極めて高くなっている。
これは、実施例6、7では、加熱処理によって、正極活
物質の導電性ネットワークの耐久性が強化されたからで
あると考えられる。以上から、加熱処理においては、温
度は110℃以上、アルカリ濃度は10N以上であるこ
とが必要である。
【0100】なお、比較例15のニッケル電極材料を用
いたニッケル水素蓄電池では、特に実施例2、3のニッ
ケル電極材料を用いた場合に比して、高率放電特性が劣
っている。これは、比較例15では、空気中で加熱処理
することにより、空気中酸素を酸化剤として酸化処理し
ているので、正極活物質の放電効率を向上させる目的で
結晶内部に予め導入されていた格子歪みが、緩和され、
特に大電流放電における放電効率が低下したからである
と考えられる。このことは、例えば、電極材料粒子のX
線回折を行って、その回折ピーク形状の拡がりを目安と
して用いて証明することができる。通常、X線回折ピー
クの広がりは半価幅で表される。実施例2及び比較例
1、15のニッケル電極材料について、CuKα線によ
るX線回折を行って、その(101)回折ピークの半価
幅を求めた。それを表7に示す。
【0101】
【表7】
【0102】また、本発明の製造方法に係る実施例で
は、二段階処理の必要性を説明する目的で、第1工程の
酸化処理と第2工程の加熱処理とをそれぞれ別の反応容
器を用いて行ったが、共通の反応容器を用いて連続的に
行うことも検討した。この連続製法では、アルカリ水溶
液の濃度変化に応じて適宜必要な量の固体アルカリを補
充してやること、及び温度を変化させること、が必要と
なったが、得られた電極材料は上述の実施例と同じ性能
を有していることを確認した。連続製法で行う場合に
は、第1工程の酸化処理と第2工程の加熱処理との間
の、ろ過・水洗工程を省略できるので、工業的に優れて
いることは言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、正極活物
質の水酸化ニッケルの一部が酸化されており、被覆層が
高次コバルト化合物からなっており、タップ密度が高
く、粉体抵抗が低い、ニッケル電極材料を、得ることが
できる。例えば、タップ密度は2.10g/ml以上で
あり、粉体抵抗は50Ωcm以下である。このようなニ
ッケル電極材料は、ニッケル電極、ひいてはニッケル水
素蓄電池に用いた場合、次の(1)〜(3)に示す効果を発揮
できる。 (1) 正極活物質の水酸化ニッケルの一部が酸化されてい
るので、その分だけ、電池組立後の初期充電による不可
逆電気量の生成を防止できる。また、被覆層が高次コバ
ルト化合物からなっているので、その分だけ、電池組立
後の初期充電による不可逆電気量の生成を防止できる。
従って、このニッケル電極材料を用いた電池において
は、放電リザーブを充分に削減できる。
【0104】そして、放電リザーブを削減できるので、
電池のサイズを同じに維持しながら高容量化を図ること
ができ、或いは、電池の容量を同じに維持しながら小型
化を図ることができ、従って、小型化及び高容量化を共
に図ることができる。
【0105】また、放電リザーブを削減できるので、充
電リザーブを増大でき、従って、内圧上昇を抑制でき、
充放電サイクル寿命を改善できる。
【0106】(2) タップ密度が高いので、集電体に対し
て電極材料を高密度に充電できる。従って、高容量化を
図ることができる。
【0107】(3) 粉体抵抗が低いので、電極材料の導電
性を向上でき、従って、正極活物質利用率を向上でき
る。
【0108】請求項2記載の発明によれば、低次コバル
ト化合物だけでなく、水酸化ニッケルも、確実に酸化で
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児玉 充浩 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 (72)発明者 黒葛原 実 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 (72)発明者 押谷 政彦 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 (72)発明者 綿田 正治 大阪府高槻市古曽部町二丁目3番21号 株 式会社ユアサコーポレーション内 Fターム(参考) 5H050 AA02 AA04 AA07 AA08 AA15 BA14 CA03 CA04 CB17 DA09 DA10 EA11 EA12 FA17 FA18 GA02 GA14 GA15 HA00 HA10 HA14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケル又は異種元素が固溶され
    た水酸化ニッケル固溶体からなる正極活物質粒子の表面
    に、コバルトの酸化数が2価以下である低次コバルト化
    合物からなる被覆層が形成されている、正極材料を、水
    又は6N以下のアルカリ水溶液中にて、30〜60℃の
    温度で、酸化剤を用いて、酸化処理することによって、
    上記正極活物質中のニッケル及び上記被覆層中のコバル
    トの平均酸化数が2.05〜2.30となるよう、低次
    コバルト化合物と水酸化ニッケルの一部とを酸化する、
    第1工程と、 上記処理後の正極材料を、10N以上のアルカリ水溶液
    中にて、110℃以上の温度で加熱処理する、第2工程
    と、を備えたことを特徴とするニッケル電極材料の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 酸化剤として、ペルオキソ二硫酸カリウ
    ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
    ンモニウム、次亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸ナト
    リウムの内の1種以上を用いる、請求項1記載のニッケ
    ル電極材料の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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