JPH11240944A - 改質ポリエステル、その繊維およびその極細繊維 - Google Patents

改質ポリエステル、その繊維およびその極細繊維

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JPH11240944A
JPH11240944A JP5081698A JP5081698A JPH11240944A JP H11240944 A JPH11240944 A JP H11240944A JP 5081698 A JP5081698 A JP 5081698A JP 5081698 A JP5081698 A JP 5081698A JP H11240944 A JPH11240944 A JP H11240944A
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mol
acid
polyester
glycol
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JP5081698A
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Masahisa Matsuda
全央 松田
Kazunori Sato
万紀 佐藤
Shiyouichi Giyoubu
祥一 形舞
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カチオン染料可染糸で、最高レベルの高い糸強
度、優れた耐光堅牢度を有しつつ、製糸性が極めて良好
で、特に極細糸の曳糸性に優れた改質ポリエステル、そ
の繊維およびその極細繊維を得ること。 【解決手段】アルカリ金属スルホイソフタル酸および/
またはアルカリ金属スルホテレフタル酸の含有量と、ポ
リアルキレングリコール成分の含有量を特定比で共重合
した改質ポリエステル、それから得られる繊維および極
細繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン染料可染糸
で、最高レベルの高い糸強度、優れた耐光堅牢度を有し
つつ、製糸性が極めて良好で、特に極細糸の曳糸性に優
れた改質ポリエステル、その繊維およびその極細繊維に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは優れた化学的、物理的性質を有するため、繊
維として広く使用されている。しかしながらポリエチレ
ンテレフタレート繊維は染色性が不充分であり、しかも
使用できる染料は分散染料に限られているため、深色性
に欠けるなどの欠点を有している。染色性を改良する手
段としては、例えば特公昭34-10497号公報にみられるよ
うに、ポリエステル主鎖中に金属スルホネート基含有イ
ソフタル酸化合物を共重合する方法が、塩基性染料での
染色性を向上させるための方法としてよく知られてい
る。しかしこの方法によって実用レベル以上の染色性を
得るためには、金属スルホネート基を含有するイソフタ
ル酸及び/又はテレフタル酸成分(X成分)を通常2モ
ル%以上となるように多量に共重合せねばならない。こ
のような多量のX成分の共重合は金属スルホネート基の
増粘作用のため、繊維として充分な強度を示し得る重合
度のポリマーに溶融重合し、紡糸しようとすると溶融粘
度が高くなりすぎ、重合・紡糸が困難となる。このた
め、通常の方法で重合・紡糸する為には溶融粘度を低下
させる必要があり、ポリマー重合度を下げなければなら
ない。その結果、得られる糸の強度が低くなり、その用
途が限定されることとなる。
【0003】さらに、一般に金属スルホネート基のよう
なイオン性基を導入するとイオン基どうしの凝集のた
め、熱溶融時の増粘がおこり、流動活性化エネルギーが
上昇する(J.A.P.S., Vol.34, 1353-1366(1987)./ Macro
molecules, 26, 6416-6424(1993).)。その結果、溶融紡
糸時のノズル直下での冷却にむらが生じやすく、非常に
製糸性を悪化させるという問題点がある。特に、カチオ
ン染料可染糸の極細化、異形化を行うに当り、流動活性
化エネルギーを制御することは非常に重要である。な
お、カチオン染料可染型の異形糸および極細糸は異溶出
成分との複合紡糸により製造されるのが一般的であり、
カチオン染料可染性の分割型ポリエステル繊維の製造方
法が特開平6−306734号公報および特開平6−3
06734号公報に開示されている。しかし、これらの
方法によるとアルカリ水溶液による溶出、分割処理が必
要となるためコストに問題がある。
【0004】上記の問題点を改善するために、X成分を
減少させ、それによる染色性の低下を補うためにイソフ
タル酸やアジピン酸などの酸成分を共重合する方法が公
知であるが(特開昭57-66119号公報)、得られたポリエ
ステルの融点が著しく低下し、製品の耐熱性が不足する
問題が生じる。さらに、レジンの流動活性化エネルギー
も高く、製糸性に問題がある。
【0005】また、ポリエステルに高分子量ポリアルキ
レングリコールないしその同族体を共重合すると易染化
に効果があり、かつ得られたポリエステルの融点が大幅
に下がることがないことは公知であるが(特開昭57-633
25号公報)、この種の改質ポリエステルは染色物の耐光
性に極めて劣るという問題がある。このため、特公平2-
8046号においては、共重合するグリコール成分を 0.5〜
1.9 重量%に規定している。しかし、易染化剤の共重合
量をある一定量に限定すると、当然易染性が低下する。
そのためX成分を 1.3モル%より低下させることが出来
なくなり、糸強度が上げられないという問題が生じる。
【0006】さらに特定のグリコール成分を共重合する
ことで、X成分を 1.2モル%以下に減らしつつ染色性を
満足させる試みもなされている(特開昭63-59414号公
報)。この方法においてはX成分を減らすことで糸強度
を向上させているものの、未だ染色性は満足出来るもの
ではない。また、レジンの流動活性化エネルギーも高く
製糸性に問題がある。
【0007】以上、レジンの流動活性化エネルギーの制
御された改質ポリエステルは未だ得られてなく、またポ
リエステル繊維において、カチオン染料可染型の極細糸
が望まれているが、未だ市場に供し得る程の強度を有す
る極細繊維が得られていないのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の有する問題点を克服し、レジンの流動活性化エネル
ギーの制御された改質ポリエステル、および高強力を有
するカチオン染料可染型の改質ポリエステル繊維、特に
曳糸性に優れた極細糸を効率よく安価に提供することを
課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、5−ナトリウム
金属スルホイソフタル酸とポリアルキレングルコールの
含有比をある特定の範囲に抑えることにより、ポリマー
の流動活性化エネルギーが著しく低下し、製糸性が向上
することを見いだし、遂に本発明を完成するに到った。
上記課題を解決するための手段、即ち、本発明は以下の
構成を有するものである。
【0010】 主たる酸成分として80モル%以上が
テレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、0.
75〜1.2モル%のアルカリ金属スルホイソフタル酸
および/またはアルカリ金属スルホテレフタル酸または
それらのエステル形成性誘導体からなるジカルボン酸、
及び0〜5.0モル%のメチレン基の数が4〜8の飽和
脂肪族ジカルボン酸、主たるグリコール成分として80
モル%以上がエチレングリコール、テトラメチレングリ
コールから選ばれたグリコール、及びその生成ポリエス
テルに対して0.5〜2.0重量%となる分子量500
〜2000のポリアルキレングリコール成分からなり、
かつ下記式(1)を満足していることを特徴とする改質
ポリエステル、 0.4≦X/PAG≦1.2 (1) (式中、X(モル%)はアルカリ金属スルホイソフタル
酸および/またはアルカリ金属スルホテレフタル酸の含
有量、PAG(重量%)はポリアルキレングリコール成
分の含有量を表す。) 流動活性化エネルギーが5kcal/モル以上12kcal/モ
ル以下である前記記載の改質ポリエステル、 高圧下でカチオン染料で染色したときの吸尽率が95
%以上、及び耐光堅牢度が4級以上であり、かつ下記式
(2)を満足することを特徴とする前記記載の改質ポ
リエステルから得られる繊維、 (DT√DE−21.7)/d≧2.4 (2) (式中、DT(g/デニール)は最大強度、DE(%)
は最大強度での伸度を表し、dは単繊維のデニールを表
す。) 前記記載の改質ポリエステルから得られ、単繊維
繊度が1デニール未満であるポリエステル極細繊維、 単繊維繊度が0.1〜0.3デニールである前記
記載のポリエステル極細繊維、 上記式(2)を満足する前記記載のポリエステル
極細繊維、 カチオン染料により130℃で染色した時の染料吸
尽率が95%以上である前記記載のポリエステル極細
繊維である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるポリエステルとは、主たる酸成分
がテレフタル酸またはそのエステル形成誘導体、主たる
グリコール成分がエチレングリコールからなるものであ
るが、酸成分として20モル%以下のシュウ酸、マロン
酸、グルタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2,
4-ノルボルナンジカルボン酸などに例示される脂肪族ジ
カルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体、フタ
ル酸、イソフタル酸、ジフェニン酸、1,4-ナフタレンジ
カルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,2-ビス
(フェノキシ)エタン−p,p'−ジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸またはこれらのエステル形成性誘導体を
含むこともできる。しかし、これらは紡糸後の糸強度、
耐熱性などの基本物性を大きく低下させない範囲で用い
られ、その量は全酸成分の20モル%未満、好ましくは10
モル%未満である。
【0012】一方、グリコール成分としては20モル%
以下のプロピレングリコール、ジエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘ
キサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、
1,10−デカメチレングリコール、4 ,4'−ジヒドロキ
シビスフェノール、1,4-ビス(β−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、2,5-ナフタレンジオールこれらのグリコ
ールにエチレンオキシドが付加したグリコール等を含む
ことができる。しかし、これらは紡糸後の糸強度、耐熱
性などの基本物性を大きく低下させない範囲で用いら
れ、その量は全グリコール成分の20モル%未満、好まし
くは10モル%未満である。
【0013】本発明において用いられる金属スルホイソ
フタル酸及び/又はアルカリ金属スルホテレフタル酸化
合物(以下X成分という)としては、具体的には5-ナト
リウムスルホイソフタル酸、2-ナトリウムスルホテレフ
タル酸、5-リチウムスルホイソフタル酸、2-リチウムス
ルホテレフタル酸、5-カリウムスルホイソフタル酸、2-
カリウムスルホテレフタル酸、またはそれらの低級アル
キルエステル誘導体などが挙げられる。特に本発明では
5-ナトリウムスルホイソフタル酸またはそのエステル形
成性誘導体が好ましい。
【0014】本発明において、X成分が0.75モル%より
も少なくなると、カチオン染料に対する染着座席そのも
のが少なくなるため、満足する染色性が得られず、 1.2
モル%を超える場合には通常の方法で紡糸可能な溶融粘
度の重合度では満足する糸強度が得られないばかりか、
流動活性化エネルギーが上昇し製糸性が悪化するという
問題点がある。すなわち、X成分の含有量は0.75〜1.2
モル%が好ましく、さらに好ましくは0.85〜1.0 モル%
である。
【0015】また、X成分を減らすことによる染色性の
低下を補うためメチレン基の数が4〜8の飽和脂肪族ジ
カルボン酸が0〜5.0 モル%含有されていることが好ま
しい。ここで使用されるジカルボン酸成分としてはポリ
エステル分子鎖の剛直性を低下させるものであれば特に
限定はしないが、耐熱性低下を避けるためできるだけ少
ない含有量で効果を得ることのできる、メチレン基の数
が4〜8の飽和脂肪族ジカルボン酸が含有されているこ
とが好ましい。また、総含有量が0〜5.0 モル%であれ
ばメチレン基の数が4〜8の飽和脂肪族ジカルボン酸を
複数併用してもかまわない。なおメチレン基の数が4未
満であるとポリマーの熱安定性が悪くなり、白度の低下
が見られるのみならず、満足する易染化効果を得るため
には多量に添加せねばならず、著しく融点が低下し製品
の耐熱性が不足する問題が生じる。一方、8を超えると
ポリエステエルとの相溶性が低下し好ましくない上に、
非晶部の乱れが大きくなり過ぎ堅牢度(耐洗濯性、耐ド
ライクリーニング性)が著しく低下するので好ましくな
い。
【0016】さらに、飽和脂肪族ジカルボン酸の含有量
が5.0モル%を超えるとポリマーの融点が著しく低下
し、製品の耐熱性が低下してしまうため好ましくない。
よって、添加される飽和脂肪族ジカルボン酸は0〜5.0
モル%が好ましく、さらに好ましくは 3.0モル%以下で
ある。
【0017】また、本発明においてさらに充分な染色性
を得るためには、生成ポリエステルに対して分子量 500
〜2000のポリアルキレングリコール成分が添加されてい
ることが必要である。好ましくは分子量 700〜1500であ
る。なお、分子量の異なるポリアルキレングリコール成
分を併用してもかまわない。分子量が 500未満であると
染色性を高めるために添加量を多くする必要があり、そ
の結果耐光堅牢度が低下し好ましくないばかりか、ポリ
アルキレングリコールの沸点が低いことに起因して重縮
合反応中に系外に飛散して添加量の制御が困難となる。
一方、分子量が2000を超えると耐光性が低下し、実用に
耐えないものとなり好ましくない。
【0018】また、易染化剤としてのポリアルキレング
リコールの含有量は生成ポリエステルに対して 0.5〜2.
0 重量%であることが好ましい。さらに好ましくは 0.8
〜1.3 重量%である。 0.5重量%に満たない場合には、
充分な易染化効果が得られない。一方 2.0重量%を超え
る場合は、耐光堅牢度が低下する。すなわち、易染化剤
としてのポリアルキレングリコールを分子量 500〜200
0、含有量を 0.5〜2.0重量%の範囲に限定することによ
り初めて、実用的な操業性と染色性と耐光堅牢度のバラ
ンスを満足することができるのである。
【0019】本発明において、X成分、ポリアルキレン
グリコールの添加量は上記範囲を満足し、かつ前記
(1)式を満足していることが必要である。X成分(モ
ル%)/ポリアルキレングリコール成分(重量%)が
0.4よりも小さいと、X成分の含有量が極端に少なくな
り満足する染色性が得られない。逆に、1.2 よりも大き
いとX成分に起因する流動活性化エネルギーの上昇が抑
制できず、製糸性が顕著に悪化するので好ましくない。
【0020】本発明改質ポリエステルを得る方法として
は、特別な重合条件を採用する必要はなく、ジカルボン
酸及び/又はそのエステル形成性誘導体とグリコールと
の反応生成物を重縮合して、ポリエステルにする際に採
用される任意の方法で合成することができる。なお重合
触媒としては、アンチモン化合物、チタン化合物、ゲル
マニウム化合物が好ましい。これらの触媒を使用する際
には単独でも、また2種以上併用してもよく、使用量と
してはポリエステルを構成するジカルボン酸成分に対し
て、0.002 〜0.1 モル%が好ましい。
【0021】また、アルカリ金属イソフタル酸成分、ポ
リアルキレングリコールはポリエステル合成が完了する
以前の任意の段階で添加してよく、例えばエステル化反
応前、エステル化反応中、エステル化反応後、重合があ
る程度進行した後など適宜選択可能である。
【0022】以上、前記方法によって得られた本発明改
質ポリエステルの流動活性化エネルギーは5kcal/モル以
上12kcal/モル以下である。なお該流動活性化エネルギ
ーは、熱溶融時のレジン溶融粘度の温度依存性の目安で
あり、一般にX成分のようなイオン性基を導入するとイ
オン基どうしの凝集のため、増粘がおこり、流動活性化
エネルギーは上昇し、非常に製糸性を悪化させることが
知られている。ところが本発明により、X成分低共重合
量域ではX成分(モル%)/ポリアルキレングリコール成
分(重量%)の比が、ある特定範囲のとき、熱溶融時の流
動活性化エネルギーを大幅に低下させることができるの
である。この理由は定かではないが、X成分低共重合量
域において可塑化作用のあるポリアルキレングリコール
成分が熱溶融時の金属スルホネート基による凝集をある
程度緩和できるためであると推定される。流動活性化エ
ネルギーが12kcal/モルを超えると、冷却むらによる製
糸性の悪化を引き起こし、5kcal/モル未満では満足した
配向構造が形成されず糸物性が低下するため、通常の紡
糸条件下において、流動活性化エネルギーは5〜12kcal
/モルが好ましい。
【0023】次に、本発明改質ポリエステル繊維を得る
方法としては、前記方法によって得られた改質ポリエス
テルを通常の方法で紡糸することによって得られるもの
であり、特に注意されるべき点はない。
【0024】なお本発明極細繊維を得る方法としては、
例えば以下の様にして製造することが出来る。つまり前
記したポリマーをオリフィス径が0.08〜0.15m
m、好ましくは0.12mmの紡糸口金から吐出し、紡
糸温度265℃〜285℃で引取り速度1500m/分
〜3000m/分の範囲で溶融紡糸を行い、得られた未
延伸糸を延伸倍率1.4〜1.9倍でホットローラー温
度70〜90℃、ホットプレート温度130〜180℃
の範囲で延伸することにより得ることができる。紡糸温
度については酸成分として5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジメチルを1.0モル%、グリコール成分として
分子量1000のポリエチレングリコールを1.0重量
%含有する改質ポリエステルの場合は曳糸性の観点から
272℃が好ましい。
【0025】本発明改質ポリエステル繊維および極細繊
維は下記(2)式を満足することが好ましく、(2)式
を満足しない場合は製品耐久性に欠けるので好ましくな
い。
【0026】 (DT√DE−21.7)/d≧2.4 (2) (式中、DT(g/デニール)は最大強度、DE(%)
は最大強度での伸度を表し、dは単繊維のデニールを表
す。)
【0027】さらに、本発明改質ポリエステル繊維はカ
チオン染料により130℃で染色した時の染料吸尽率が
95%以上であることが好ましく、さらに好ましくは98%
以上である。95%未満では鮮明性、発色性等の染色性能
に欠けるので好ましくない。また本発明改質ポリエステ
ル繊維は耐光性が4級以上であることが好ましい。耐光
性が4級未満であると、通常のポリエステル繊維として
の実用レベルを満足できず、用途が著しく限定されるの
で好ましくない。
【0028】もちろん、前記ポリエステル繊維中には少
量の他の任意の重合体や安定剤、酸化防止剤、制電剤、
染色改良剤、染料、顔料、艶消し剤、蛍光増白剤、不活
性微粒子その他の添加剤が含有されていてもよい。特に
不活性粒子を添加する場合は外部析出法、内部析出法の
いずれも採用可能である。
【0029】本発明改質ポリエステル繊維は、アルカリ
減量加工を施すことも可能である。アルカリ減量処理す
る際に用いられる溶剤あるいは分解剤としては、例えば
水酸化ナトリウム水溶液が挙げられる。その他に水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカ
リ化合物水溶液及びクロロフェノール、ニトロベンゼ
ン、フェノール/テトラクロロエタンなどの有機溶剤、
モノメチルアミン、モノエチルアミン、ノルマループロ
ピルアミン、ノルマルーブチルアミン、イソブチルアミ
ン、エチレンジアミン、モノエタノールアミンなどで代
表されるアルキルアミン類、またはこれらと他の有機化
合物の溶液などが用いられる。中でも、水酸化ナトリウ
ム水溶液、水酸化カリウム水溶液が好ましい。
【0030】アルカリ化合物の水溶液を使用する場合、
その濃度はアルカリ化合物の種類、処理温度によって異
なるが通常0.01〜10重量%の範囲が好ましい。処理温度
は常温〜100 ℃の範囲が好ましく、処理時間は1分〜8
時間の範囲で通常行われる。またこのアルカリ化合物の
水溶液の処理によって溶出除去する量は2〜40重量%の
範囲にするのが適当であり特に15〜30重量%が好まし
い。
【0031】本発明は当然芯鞘構造や背腹構造の複合繊
維に適用可能である。この場合、かかる改質ポリエステ
ルを芯鞘成分あるいは背腹成分の一成分として配合させ
た繊維とすることができる。
【0032】特に本発明においては、熱溶融時の活性化
エネルギーが低く抑えられていることにより直接紡糸法
による極細化、異形化に好適に用いられ、操業性良くカ
チオン染料可染型の極細繊維、異形繊維を提供できる。
【0033】本発明におけるポリエステル極細繊維の単
繊維繊度は1デニール未満であることが必要であり、さ
らに好ましくは0.1〜0.3デニールであり、0.1
デニール未満の糸は直接紡糸延伸法で製糸することは技
術的に困難である。一方、0.3デニールを超える糸は
スエード調布帛としたときにフィンガーマークが出ず、
スエード独特の風合いに欠ける製品となってしまう。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。な
お、本発明の評価に用いた方法は以下の通りである。
【0035】(1)グリコール成分および5−アルカリ
金属スルホイソフタル酸成分のポリマー中における存在
量の定量:グリコール成分はNMRによるH原子量を定
量化する方法で定量し、5−アルカリスルホイソフタル
酸成分は蛍光X線で定量した。
【0036】(2)流動活性化エネルギー:オリフィス
直径(D)およびオリフィス長(L)の異なるノズルを
使用して、紡糸温度を270℃〜290℃の範囲で変更
し、ノズル背圧を測定した。具体的にはオリフィス直径
0.2,0.3,0.4,0.8mmで各々に対してL
/Dが2,4,10のノズルを用いて紡糸温度270、
280、290℃にてノズル背圧を測定した。その際、
単孔土出量は3.0g/分とした。「日本レオロジー学
会誌」(第20巻、第3号、109頁〜117頁)に記
載されている手法に基づき、得られた値をL/Dに対し
てプロットし、1次回帰直線により末端補正係数を求め
た。この係数から流入過程での圧力損失を補正した形で
オリフィス圧損を算出し、せん断速度207〜4423
s−1の範囲での溶融粘度を求めた。さらに、溶融粘度
(η)とせん断速度(γ)の関係よりニュートン流動領
域であるγ=207s−1での溶融粘度を零せん断粘度
と仮定し、「成形加工」(第8巻、第5号、319頁〜
324頁)記載の方法にて、各温度での零せん断粘度の
自然対数であるlnη0を1/Tに対してアレニウスプ
ロットすることによりその勾配から Andrade式により流
動活性化エネルギーを算出した。
【0037】(3)繊維の強度および伸度:テンシロン
(オリエンテック社製)にてゲージ長200mm、引張り
速度200mm/分の条件で測定した。
【0038】(4)染料吸尽率: 使用機器:ミニカラー染色機 使用染料:Nichiron Black KB200% (カチオン染料;日
成化成(株)製) 濃度:4.0%owf 助剤:10% 酢酸(2ミリリットル/リットル) 10% 酢酸ソーダ(2ミリリットル/リットル) 温度:130℃ 時間:45分 浴比:1:50 上記条件による染色の染料吸尽率により評価した。染料
吸尽率の測定は分光光度計(U3210 ;日立製作所製)を
使用し、染料浴液の染色前後の吸光度の差を測定し、次
式により求めた。 染料吸尽率(%)={(DB−DA)×100}/DB DA:染料浴液の染色後の最大吸光波長における吸光度 DB:染料浴液の染色前の最大吸光波長における吸光度
【0039】(5)耐光堅牢度:紫外線ロングライフフ
ェードメーター(FAL-AU/H/BR)を使用して、照射温度
(BPT):63±3℃、照射時間20時間の条件で光退色さ
せ、グレースケール基準で評価した。
【0040】実施例1 テレフタル酸1000重量部、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸ジエチレングリコールエステル18.4重量部(生成
ポリエステルに対して0.85モル%)、セバシン酸38重量部
(3.0モル%)、エチレングリコール 787部、酸化アンチモ
ン 0.6部及び酢酸ナトリウム 1.0部、22重量% 酸化チタ
ンのEG分散液19重量部をオートクレーブに仕込み窒素置
換後、ゲージ圧2.5kg/cm2 に加圧して245。C で生成する
水を蒸留塔より連続的に除去しながらエステル化反応を
行った。反応開始後 110分経過後放圧しエステル化率が
95% の生成物を得た。この生成物を重縮合反応機に移送
し、分子量1000のポリエチレングリコール12.5重量部
(生成ポリエステルに対して1.0重量%)、酸化防止剤と
してIrganox1330(チバガイギー社製) 0.6重量部を添加
し、60分を要して275。C まで昇温しつつ反応系の圧力を
徐々に下げて0.3mmHgとしてさらに同温同圧で溶融粘度3
500poise まで重縮合を行った。得られたポリマーの組
成及びポリマー特性を表1に示す。次に得られたこの改
質ポリエステルを、表2に示す条件で紡糸延伸し、50デ
ニール、24フィラメントの延伸糸を得た。糸物性、染色
性、操業性、製品性能結果を表2に併せて示す。
【0041】実施例2 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコー
ルエステル21.6重量部(生成ポリエステルに対して 1.0
モル%)、グリコール成分として分子量1000のポリエチレ
ングリコールを12.5重量部(生成ポリエステルに対して
1.0重量%)含有する改質ポリエステルを実施例1と同様
に重合し、表2の条件で紡糸した。ポリマー組成、ポリ
マー特性を表1に、糸物性、染色性、操業性、製品性能
結果を表2に示す。
【0042】比較例1 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコー
ルエステル15.1重量部(生成ポリエステルに対して 1.0
重量%)にした以外は実施例2と同組成、同様の方法で改
質ポリエステルを重合し、表2の条件で紡糸した。ポリ
マー組成、ポリマー特性を表1に、糸物性、染色性、操
業性、製品性能結果を表2に示す。紡糸操業性に問題は
なかったが、製品の染色性に問題があった。
【0043】比較例2 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコー
ルエステル28.1重量部(生成ポリエステルに対して 1.3
モル%)にした以外は実施例2と同組成、同様の方法で改
質ポリエステルを重合し、表2の条件で紡糸した。ポリ
マー組成、ポリマー特性を表1に、糸物性、染色性、操
業性、製品性能結果を表2に示す。5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸成分による増粘効果により、実用レベル
に耐える糸強度が得られなかった。また、流動活性化エ
ネルギーが高く紡糸時の糸切れが多く発生し紡糸操業性
に問題があった。
【0044】比較例3 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコー
ルエステル18.4重量部(生成ポリエステルに対して0.85
モル%)、セバシン酸76重量部(6.0モル%)、分子量1000の
ポリエチレングリコールを12.5重量部(生成ポリエステ
ルに対して 1.0重量%)含有する改質ポリエステルを、実
施例1と同様に重合し、表2の条件で紡糸した。ポリマ
ー組成、ポリマー特性を表1に、糸物性、染色性、操業
性、製品性能結果を表2に示す。レジンの融点が著しく
低下し製品の耐熱性に問題があった。
【0045】比較例4 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコー
ルエステル21.6重量部(生成ポリエステルに対して 1.0
モル%)、分子量1000のポリエチレングリコールを 5.0重
量部(生成ポリエステルに対して 0.3重量%)含有する改
質ポリエステルを、実施例1と同様に重合し、表2の条
件で紡糸した。ポリマー組成、ポリマー特性を表1に、
糸物性、染色性、操業性、製品性能結果を表2に示す。
流動活性化エネルギーが高く紡糸時の糸切れが多く操業
性に問題があり、さらに製品の染色性にも劣っていた。
【0046】比較例5 分子量1000のポリエチレングリコールを37.5重量部(生
成ポリエステルに対して 3.0重量%)含有した以外は実施
例2と同様の方法にて重合し、表2の条件で紡糸した。
ポリマー組成、ポリマー特性を表1に、糸物性、染色
性、操業性、製品性能結果を表2に示す。紡糸時の糸切
れが多く、さらに製品の耐光堅牢性に問題があった。
【0047】比較例6 分子量300 のポリエチレングリコールを使用した以外
は、実施例2と同様の方法にて重合し、表2の条件で紡
糸した。ポリマー組成、ポリマー特性を表1に、糸物
性、染色性、操業性、製品性能結果を表2に示す。紡糸
操業性に問題はなかったが、製品の耐熱性、染色性に問
題があり、グリコール成分の沸点が低いことに起因して
重縮合反応中に系外に飛散して染めむらによるストリー
クが発生した。
【0048】比較例7 分子量3000のポリエチレングリコールを使用した以外
は、実施例2と同様の方法にて重合し、表2の条件で紡
糸した。ポリマー組成、ポリマー特性を表1に、糸物
性、染色性、操業性、製品性能結果を表2に示す。紡糸
操業性に問題はなかったが、製品の耐光堅牢性に問題が
あった。
【0049】比較例8 脂肪族ジカルボン酸成分としてメチレン基の数が3であ
るグルタル酸を使用した以外は、実施例1と同様の方法
にて重合し、表2の条件で紡糸した。ポリマー組成、ポ
リマー特性を表1に、糸物性、染色性、操業性、製品性
能結果を表2に示す。非晶部の乱れが不十分であり染色
性が悪かった。また、レジンの耐熱性が悪く、レジン白
度が低下した。
【0050】比較例9 脂肪族ジカルボン酸成分としてメチレン基の数が10であ
るドデカンジオン酸を使用した以外は、実施例1と同様
の方法にて重合し、表2の条件で紡糸した。ポリマー組
成、ポリマー特性を表1に、糸物性、染色性、操業性、
製品性能結果を表2に示す。染色性は非常に良好であっ
たが、染料堅牢度が全般に悪く、実用性能を満足させる
ものではなかった。
【0051】比較例10 5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジエチレングリコー
ルエステル25.9重量部(生成ポリエステルに対して 1.2
モル%)、ネオペンチルグルコールEO付加物(EO付加モル
数=4.0)を24.2重量部(2.0重量%)含有する改質ポリエス
テルを実施例2と同様の方法にて重合し、表2の条件で
紡糸した。ポリマー組成、ポリマー特性を表1に、糸物
性、染色性、操業性、製品性能結果を表2に示す。流動
活性化エネルギーが高く紡糸時の糸切れが多発し操業困
難であった。
【0052】実施例3 実施例1で得られた改質ポリエステルを、紡糸温度27
2℃、捲き取り速度2100m/分で溶融紡糸し、得ら
れた未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃
のホットプレートを通過させ延伸倍率1.608倍で延
伸し、32デニール、108フィラメントの延伸糸を得
た。紡糸、延伸状態および繊維強伸度、染色性を表3に
示す。
【0053】実施例4 実施例2で得られた改質ポリエステルを、紡糸温度27
2℃、捲き取り速度2100m/分で溶融紡糸し、得ら
れた未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃
のホットプレートを通過させ延伸倍率1.608倍で延
伸し、32デニール、108フィラメントの延伸糸を得
た。紡糸、延伸状態および繊維強伸度、染色性を表3に
示す。
【0054】比較例11 比較例1で得られた改質ポリエステルを、紡糸温度27
2℃、捲き取り速度2100m/分で溶融紡糸し、得ら
れた未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃
のホットプレートを通過させ延伸倍率1.54倍で延伸
し、45デニール、108フィラメントの延伸糸を得
た。紡糸、延伸状態および繊維強伸度、染色性を表3に
示す。紡糸操業性に問題はなかったが、製品の染色性に
問題があった。
【0055】比較例12 酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチ
ルを2.0モル%、グリコール成分として分子量100
0のポリエチレングリコールを1.0重量%含有する改
質ポリエステル(融点245℃、固有粘度0.57dl
/g、流動活性化エネルギー14.0kcal/モル)を、
紡糸温度272℃、捲き取り速度2400m/分で溶融
紡糸し、得られた未延伸糸を80℃のホットローラーお
よび150℃のホットプレートを通過させ延伸倍率1.
521倍で延伸し、35デニール、108フィラメント
の延伸糸を得た。紡糸時の糸切れが多く紡糸操業性に問
題があった。
【0056】比較例13 比較例3で得られた改質ポリエステルを、紡糸温度26
5℃、捲き取り速度2100m/分で溶融紡糸し、得ら
れた未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃
のホットプレートを通過させ延伸倍率1.608倍で延
伸し、32デニール、108フィラメントの延伸糸を得
た。製品の耐熱性にも問題があった。
【0057】比較例14 比較例4で得られた改質ポリエステルを、紡糸温度27
2℃、捲き取り速度2400m/分で溶融紡糸し、得ら
れた未延伸糸を80℃のホットローラーおよび150℃
のホットプレートを通過させ延伸倍率1.521倍で延
伸し、35デニール、108フィラメントの延伸糸を得
た。紡糸時の糸切れが多く操業性に問題があり、さらに
製品の染色性にも劣っていた。
【0058】比較例15 比較例5で得られた改質ポリエステルを実施例4と同様
の方法にて33デニール108フィラメントの延伸糸を
得た。紡糸時の糸切れが多く、さらに製品の耐光堅牢性
および耐熱性にも問題があった。
【0059】比較例16 比較例6で得られた改質ポリエステルを実施例4と同様
の方法にて33デニール108フィラメントの延伸糸を
得た。紡糸操業性に問題はなかったが、製品の染色性に
問題があった。
【0060】比較例17 比較例7で得られた改質ポリエステルを実施例4と同様
の方法にて33デニール108フィラメントの延伸糸を
得た。紡糸操業性に問題はなかったが、製品の耐光堅牢
性に問題があった。
【0061】比較例18 比較例8で得られた改質ポリエステルを実施例3と同様
の方法にて33デニール108フィラメントの延伸糸を
得た。紡糸操業性に問題はなかったが、製品の染色性に
問題があった。
【0062】比較例19 比較例9で得られた改質ポリエステルを実施例3と同様
の方法にて33デニール108フィラメントの延伸糸を
得た。紡糸操業性に問題はなかったが、製品の耐熱性に
問題があった。
【0063】比較例20 酸成分として5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチ
ルを1.0モル%、グリコール成分としてネオペンチル
グルコールエチレンオキサイド付加物を3.0モル%含
有する改質ポリエステル(融点247℃、固有粘度0.
62dl/g、流動活性化エネルギー14.5kcal/モ
ル)を、紡糸温度268℃、捲き取り速度2400m/
分で溶融紡糸し、得られた未延伸糸を80℃のホットロ
ーラーおよび150℃のホットプレートを通過させ延伸
倍率1.521倍で延伸し、32デニール、108フィ
ラメントの延伸糸を得た。紡糸時の糸切れが多発し操業
困難であった。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、カチオン染料可染型ポ
リエステルであっても5−アルカリ金属ナトリウムスル
ホン酸とポリアルキレングリコールの共重合比を特定の
範囲に抑えることにより、流動活性化エネルギーの制御
された改質ポリエステルを安価に得ることができ、それ
から得られる繊維は、染色性に優れたカチオン染料可染
型であり、かつ強度が高く、特に極細糸の曳糸性を向上
させることが可能となるので産業界に寄与すること大で
ある。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる酸成分として80モル%以上がテ
    レフタル酸またはそのエステル形成性誘導体と、0.7
    5〜1.2モル%のアルカリ金属スルホイソフタル酸お
    よび/またはアルカリ金属スルホテレフタル酸またはそ
    れらのエステル形成性誘導体からなるジカルボン酸、及
    び0〜5.0モル%のメチレン基の数が4〜8の飽和脂
    肪族ジカルボン酸、主たるグリコール成分として80モ
    ル%以上がエチレングリコール、テトラメチレングリコ
    ールから選ばれたグリコール、及びその生成ポリエステ
    ルに対して0.5〜2.0重量%となる分子量500〜
    2000のポリアルキレングリコール成分からなり、か
    つ下記式(1)を満足していることを特徴とする改質ポ
    リエステル。 0.4≦X/PAG≦1.2 (1) (式中、X(モル%)はアルカリ金属スルホイソフタル
    酸および/またはアルカリ金属スルホテレフタル酸の含
    有量、PAG(重量%)はポリアルキレングリコール成
    分の含有量を表す。)
  2. 【請求項2】流動活性化エネルギーが5kcal/モル以上12
    kcal/モル以下である請求項1記載の改質ポリエステ
    ル。
  3. 【請求項3】高圧下でカチオン染料で染色したときの吸
    尽率が95%以上、及び耐光堅牢度が4級以上であり、か
    つ下記式(2)を満足することを特徴とする請求項1記
    載の改質ポリエステルから得られる繊維。 (DT√DE−21.7)/d≧2.4 (2) (式中、DT(g/デニール)は最大強度、DE(%)
    は最大強度での伸度を表し、dは単繊維のデニールを表
    す。)
  4. 【請求項4】請求項1記載の改質ポリエステルから得ら
    れ、単繊維繊度が1デニール未満であるポリエステル極
    細繊維。
  5. 【請求項5】単繊維繊度が0.1〜0.3デニールであ
    る請求項4記載のポリエステル極細繊維。
  6. 【請求項6】上記式(2)を満足する請求項4記載のポ
    リエステル極細繊維。
  7. 【請求項7】カチオン染料により130℃で染色した時
    の染料吸尽率が95%以上である請求項4記載のポリエ
    ステル極細繊維。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005247883A (ja) * 2004-03-01 2005-09-15 Toray Ind Inc ポリエステル組成物及びそれからなる繊維
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TWI647252B (zh) * 2016-08-09 2019-01-11 高鼎精密材料股份有限公司 用於提升聚酯纖維染色性之第三單體及其製造方法

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