JPH1123918A - 信号伝送用小口径プラスチック光ファイバ素線及び該素線を用いた信号伝送用小口径プラスチック光ファイバケーブル - Google Patents

信号伝送用小口径プラスチック光ファイバ素線及び該素線を用いた信号伝送用小口径プラスチック光ファイバケーブル

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JPH1123918A
JPH1123918A JP9175529A JP17552997A JPH1123918A JP H1123918 A JPH1123918 A JP H1123918A JP 9175529 A JP9175529 A JP 9175529A JP 17552997 A JP17552997 A JP 17552997A JP H1123918 A JPH1123918 A JP H1123918A
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plastic optical
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Shinichi Toyoshima
真一 豊島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小口径の芯の信号伝送用プラスチック光ファ
イバケーブルにおいて、低開口数でも曲げによる光ロス
の少ないケーブルを提供する。 【解決手段】 ポリメチルメタクリレート系樹脂からな
る芯1の外側に、該樹脂よりも屈折率の小さい樹脂から
なる鞘層2、その外側に芯1と同じ樹脂からなる保持層
3、さらにその外側にビニリデンフロライド系樹脂から
なる機能層4を同心円状に複合紡糸により形成し、被覆
層6を設けてケーブルとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパソコンLAN、工
場の機械装置の制御、等の光通信に使用する、信号伝送
用の小口径のプラスチック光ファイバに関する。
【0002】
【従来の技術】信号伝送に使用されるプラスチック光フ
ァイバケーブルは、通常芯の直径が480〜980μm
程度で鞘層の厚さが5〜20μm程度からなる500〜
1000μm程度の裸線の周囲を熱可塑性樹脂で外被覆
したものである。プラスチック光ファイバ裸線としては
100〜270μm程度の直径のものも生産されている
が、それらはバンドルと称して複数本の裸線を直接束に
してケーブルにして用いる。このような芯径の小さい一
本の裸線のケーブルもごく稀に使用されることもある
が、伝送損失が大きく、不安定で信頼性もないため、そ
の用途はセンサーなどの数m以下の用途に限定されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、小口
径の芯のプラスチック光ファイバケーブルの信頼性の向
上し、開口数が低くても曲げによる光ロスが少なく、高
速伝送に適したプラスチック光ファイバケーブルを提供
することにある。さらに、HPCF(HardPoly
mer Clad Fiber:ポリマー被覆の石英フ
ァイバ)などの直径の小さいものとの結合を可能にした
ケーブルを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、直径が
50〜400μmの芯を中心に、厚さ5〜100μmの
鞘層、厚さ120〜400μmの保持層、厚さ5〜10
0μmの機能層を同心円状に配してなるプラスチック光
ファイバ素線であり、上記芯及び保持層が透明なポリメ
チルメタクリレート系樹脂からなり、鞘層が該芯及び保
持層を構成する樹脂よりも低い屈折率を有する透明樹脂
からなり、機能層がビニリデンフロライド系樹脂からな
り、複合紡糸によって各層が一体融着して製造され、さ
らに、芯の中心と当該素線の中心との距離を芯の直径で
除した値である偏心率が0.03以下であり、一種類信
号伝送に用いることを特徴とする信号伝送用小口径プラ
スチック光ファイバ素線である。
【0005】また、本発明の第二は、上記素線に樹脂被
覆を行なった信号伝送用小口径プラスチック光ファイバ
ケーブルである。
【0006】本発明においては、上記構成をとることに
より、芯の伝送損失が650nmの光に対し、50mと
2mのカットバック法で測定し120dB/km〜25
0dB/kmである小口径のプラスチック光ファイバケ
ーブルが得られる。
【0007】本発明においては、上記鞘層を構成する樹
脂の屈折率nd20は芯を構成樹脂の屈折率よりも0.0
05〜0.06低いことが好ましく、また、機能層のビ
ニリデンフロライド系樹脂を着色して保持層が導光性を
実質的に持たない形態も好ましく適用される。
【0008】
【発明の実施の形態】図1に本発明のプラスチック光フ
ァイバケーブルの断面図を示す。図中1は芯、2は鞘
層、3は保持層、4は機能層、6は被覆層であり、本発
明のプラスチック光ファイバケーブルは、芯1/鞘層2
/保持層3/機能層4からなる4層構造の素線5に樹脂
からなる被覆層6を設けた構造である。
【0009】本発明において、芯1及び保持層3を構成
する芯樹脂としてはポリメチルメタクリレート(PMM
A)系樹脂を用いる。本発明においては、保持層3を芯
樹脂で形成し、芯1の直径に対し保持層3の厚さが30
%〜400%と大きくしているのが特長である。本発明
において芯1の直径は50〜400μmであり、その理
由は二つの特性を付与するためである。
【0010】即ち、第1に、プラスチック光ファイバの
曲げによる光ロスを軽減するためである。これはプラス
チック光ファイバの開口数NAが大きい場合には、曲げ
によるロスはあまり深刻ではないが、信号伝送の高速化
のためNAを低くしていくと著しく深刻になる。勿論、
NAが0.5程度の一般的なプラスチック光ファイバで
も、極端に曲げ半径が小さくなると重大な問題となるの
である。このような光ロスを軽減するためには、芯の直
径を小さくする必要がある。第2に、芯の直径を小さく
すると、当然結合が困難になってくるので芯の直径が2
00μmよりも小さい場合には、光源のLEDやLD光
をレンズで小さなスポットに絞る必要がある。芯の直径
が50μmよりも小さい直径では、結合精度が厳しくな
り受光量も大きくとれないのでこれが下限となる。この
ような理由で芯の直径は50〜400μmの範囲で、特
に結合する相手の光ファイバの直径にあわせたり、或い
は結合させる光素子の口径に合わせて設定される。
【0011】本発明において、芯1及び保持層3を形成
するPMMA系樹脂としては、メチルメタクリレート単
独重合体や、メチルメタクリレートを50重量%以上含
んだ共重合体で、共重合可能な成分として、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、n−アクリル酸ブチルなど
のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸プロピル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのメ
タクリル酸エステル類、マレイミド類、アクリル酸、メ
タクリル酸、無水マレイン酸、スチレンなどがある。
【0012】上記芯1の周囲には上記芯樹脂よりも屈折
率の低い鞘樹脂からなる鞘層2を配置する。鞘樹脂の種
類としては、ビニリデンフロライド系の樹脂やフルオロ
アルキルメタクリレート系樹脂などが好ましく用いられ
る。ビニリデンフロライド系の樹脂としては、ビニリデ
ンフロライドとヘキサフロロアセトンの共重合体或い
は、これらの2元成分にさらに、トリフロロエチレンや
テトラフロロエチレンを加えた3元以上の共重合体は非
常に好ましい。さらに、ビニリデンフロライドとヘキサ
フロロプロペンの共重合体、或いはこれらの2元成分に
さらに、トリフロロエチレンやテトラフロロエチレンを
加えた3元以上の共重合体、さらにビニリデンフロライ
ドとテトラフロロエチレンの2元共重合体、特に、ビニ
リデンフロライドが80モル%とテトラフロロエチレン
が20モル%の共重合体が好ましい。その他、ビニリデ
ンフロライドとトリフロロエチレンの2元共重合体など
が挙げられる。
【0013】これらビニリデンフロライド系重合体は屈
折率が1.40近辺と比較的低いが、より狭い角度での
出射角を望む場合にはこれらのビニリデンフロライド系
樹脂とメタクリレート系の樹脂を混合したアロイを使用
するとよい。メタクリレート系の樹脂としては、メチル
メタクリレートやエチルメタクリレートのホモポリマー
や或いはこれらを主体とする共重合体であり、これら
に、メチルメタクリレートやブチルアクリレートなどの
アルキルアクリレートやアルキルメタクリレートなどを
共重合体してもよい。ビニリデンフロライド系樹脂とメ
タクリレートを主成分とする樹脂の混合割合は、それぞ
れの樹脂の屈折率と配合重量割合の重量平均で凡そ求め
られる屈折率が所望の値になるように、それぞれの混合
比率を1%程度から99%程度の範囲で適度に選択すれ
ばよい。
【0014】上記フルオロアルキルメタクリレート系樹
脂はフルオロアルキルメタクリレートの一成分以上から
なる重合体で、例えば、フルオロアルキルメタクリレー
トモノマーとしては、トリフルオロエチルメタクリレー
ト、テトラフルオロプロピルメタクリレート、ペンタフ
ルオロプロピルメタクリレート、ヘプタデカフルオロデ
シルメタクリレート、オクタフルオロプロペンチルメタ
クリレートなどが挙げられ、これらの成分と共重合可能
な他のモノマーとしては、例えば、フッ化アクリレート
モノマーとして、トリフルオロエチルアクリレート、テ
トラフルオロプロピルアクリレート、オクタフルオロペ
ンチルアクリレートなどが挙げられる。そしてこれらの
フッ素系モノマーの他に、メチルメタクリレートやエチ
ルメタクリレートなどのメタクリレートモノマーや、メ
チルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリ
レートなどのアクリレートモノマーなどとのいろいろな
組合せによる共重合体が挙げられる。そしてこれらの共
重合体の具体的な組成は所望とする鞘樹脂の屈折率から
決定することができる。
【0015】ここで、本発明において樹脂の屈折率(n
20)とは、ナトリウムD線で20℃で測定した屈折率
を言う。現在最も汎用的に使用されている鞘樹脂は、屈
折率が芯の屈折率より0.09程度低いものを使用して
いる。本発明の対象としている屈折率の差の範囲は0.
005〜0.2程度であるが、特に0.005〜0.0
60程度だけ低いものが好ましい。芯樹脂と鞘樹脂との
屈折率の差が小さいファイバは高速通信が可能となるも
ののファイバを曲げた時の光ロスが大きくなるという問
題があるが、本発明のように芯の直径を小さくしたファ
イバでは当該問題を低減することができるため、良好に
高速通信を実現することができる。
【0016】鞘層2の外側は保持層3が配置される。本
発明において保持層3は、細い芯線を外部のストレスや
熱的なダメージから守り、芯/鞘構造をしっかりと保持
する層である。そのため芯の材料と同じ樹脂から構成さ
れている。また、芯と同じ条件で紡糸され、延伸され、
熱処理を受けていることを必須とする。つまり、この保
持層3はプラスチック光ファイバの紡糸時に同時に紡糸
されていることが必要である。このようにすれば芯1と
保持層3は同様の熱に対する膨張や収縮挙動をとるの
で、良好な保持能力を発揮する。
【0017】本発明にかかる保持層3の厚さは、芯1を
保持するために最低120μmが必要であり、上限は、
素線5の直径がデータリンクのコネクターに合致するこ
と及びプラスチック光ファイバとして十分な機械的強度
を保持できることから400μm程度となる。より好ま
しくは150μm〜250μm程度である。
【0018】本発明においては、保持層3の外側にさら
に機能層4を設ける。PMMA系樹脂からなる保持層の
ままでは、該保持層表面にかすかな傷が付くだけで簡単
に切断してしまうため、折れに対する補強が必要であ
り、当該補強作用を機能層4によって付与するのであ
る。
【0019】本発明にかかる機能層4はビニリデンフロ
ライド系樹脂で形成される。ビニリデンフロライド系樹
脂は破断伸び率が高く、PMMA系樹脂層に良く密着
し、その機能を果たすことができる。機能層4を他の樹
脂、例えば鞘樹脂として使用されるフッ化メタクリレー
ト樹脂のような樹脂で形成した場合には、曲げることに
より簡単に剥離してしまう。
【0020】上記ビニリデンフロライド系樹脂として好
ましくは、例えばビニリデンフロライド80モル%とテ
トラフロロエチレン20モル%との共重合体が挙げられ
る。また、その他にも、前記鞘樹脂の説明において挙げ
たビニリデンフロライド系樹脂がPMMA系樹脂との相
溶性もあり、保持層3と機能層4が相互に融け合い非常
に曲げ強度を強くするので好ましく用いられる。
【0021】本発明では、保持層3の導光性に関し二通
りの対応がある。先ずその一は、保持層3のPMMA系
樹脂と機能層4のビニリデンフロライド系樹脂の双方と
も透明性のあるものを用いることにより、保持層3にも
導光性を持たせる場合である。このファイバの利用方法
としては、主に芯1で大方の光を伝送し、保持層3は芯
からはみ出した光を拾うといった程度の役割を期待す
る。例えばLEDからスポット径の小さい光を本発明の
ファイバで受光した場合でも光は芯1だけでなく保持層
3にも光が入射されるが、芯1の中の光は曲げに対して
もロスが少ない。保持層3は曲げに対する光ロスは大き
いが、全体として見た場合、保持層3の外径までの芯を
有する単芯のファイバよりも曲げを加えた後の光量が多
いで、補助的な役割としては有効である。このような伝
送方法は芯1と保持層3の二つの層を使って一種類の信
号伝送するという用途であり比較的低速度の信号伝送に
可能である。
【0022】もう一つの対応は、本発明においてより重
要である。即ち、保持層3の導光性を無くした場合であ
る。特に超高速伝送を行なう場合には、信号伝送に際し
てトランシーバーLEDから入射した光は、芯1には比
較的狭い入射角で入射するが、保持層3には大きな入射
角で光が入射するため、芯1と保持層3にそれぞれ同時
に入射しても保持層3を通った光は高次モードの光とな
り遅れが生じる。ここでレシーバ側で芯1の光のみを捕
らえるようにしたり、トランシーバ側で芯1だけにスポ
ットを絞って光を入射させられれば問題はないが、それ
を完全に実施するのは非常に高価な装置が必要となる。
そこで、保持層3の導光性を実質的になくすことによ
り、上記光の遅延による影響を解消することができる。
【0023】保持層3の導光性をなくす方法としては、
機能層4のビニリデンフロライド系樹脂を染料や顔料や
不純物で着色せしめ光透過性を落として使用する方法が
容易である。即ち、光ファイバにおいては鞘層への光の
しみ出しがあり、鞘が著しく光を吸収したりする場合に
は、そのファイバは導光性を失うという原理を利用した
ものである。
【0024】その他に保持層3の導光性を無くする方法
としては、保持層3を構成するPMMA系樹脂に光吸収
性又は光散乱性の異物を混入させるなどの方法もある。
【0025】本発明の素線の構造についてさらに重要な
点は、小口径芯のプラスチック光ファイバにおいてファ
イバ同士を結合させる工程を考慮すると、素線5におけ
る芯1の偏心率を小さくして、丁度中心に芯1を配置し
なければならないということである。ここで偏心率と
は、芯1の中心と素線5(即ち機能層4の外周の円)の
中心との距離を芯1の直径で除した値である。偏心率が
0.03以下でないと結合による光ロスが非常に大きく
なる。このような高度の低偏心率を確保するためと、素
線の強度を強くするために延伸処理を行うため、本発明
のプラスチック光ファイバ素線は芯/鞘層/保持層/機
能層を一段で、複合紡糸する。
【0026】図2に複合紡糸に用いるダイの一例を断面
図で示す。芯樹脂11、鞘樹脂12、機能層樹脂14が
ダイに供給され、芯樹脂11は途中で芯樹脂と保持層樹
脂とに分流させる。この分流は本発明でも特に重要な点
で、芯樹脂だけの少量の取り扱いでは、滞留時間が長く
なったり、流れの定量性に問題があるが、保持層樹脂と
共用することにより、それらの問題が解消される。各樹
脂は、定量性のポンプでダイに供給され、ダイの出口か
らは一体となった素線の元糸が排出される。これを、
1.5〜2倍程度に延伸して熱処理を施すことにより、
プラスチック光ファイバ素線が得られる。
【0027】プラスチック光ファイバ素線は、通信に使
用する場合には、通常樹脂で被覆層6を形成し、ケーブ
ルとして使用する。被覆層6を形成する樹脂としては、
ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアル
コール共重合体、ゴム、各種の熱可塑性エラストマー、
ポリ塩化ビニル、架橋ポリオレフィン、架橋ポリ塩化ビ
ニル、塩素化ポリエチレンコンパウンド、ポリアミド樹
脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂
などが用いられる。
【0028】本発明のプラスチック光ファイバケーブル
は、芯の伝送損失が650nmの光に対し、50mと2
mのカットバック法で測定して120dB/km〜25
0dB/kmにすることができる。
【0029】
【実施例】
[実施例1]芯樹脂として、230℃、3.8kg荷重
条件でメルトフローインデックスが2.0g/10分の
PMMA単独重合体を用いた。屈折率は1.492であ
った。鞘樹脂としては、17FMA(ヘプタデカフルオ
ロデシルメタクリレート)14重量%、4FM(テトラ
フルオロプロピルメタクリレート)6重量%、3FMA
(トリフルオロエチルメタクリレート)6重量%、MM
A(メチルメタクリレート)74重量%からなる、23
0℃、3.8Kg荷重におけるメルトフローインデック
スが40g/10分、屈折率が1.47の共重合体を用
いた。また、機能層樹脂としては、ビニリデンフロライ
ド80モル%とテトラフロロエチレン20モル%からな
り、メルトフローインデックスが30g/10分、屈折
率が1.403の共重合体に、粒子径が15nm以下の
カーボンブラックを50ppm加え、よく混練した樹脂
組成物を用いた。
【0030】上記3種の樹脂を図1に示すような複合紡
糸ダイに導入し、ダイから排出された素線の元糸を1.
9倍に延伸し、その後熱処理して、芯直径220μm、
鞘層外径260μm、保持層外径700μm、機能層外
径750μmのプラスチック光ファイバ素線を得た。
【0031】上記プラスチック光ファイバ素線の偏心率
は、0.005であった。
【0032】次に上記プラスチック光ファイバ素線を黒
色ポリエチレンで2.2mmの外径に被覆し、プラスチ
ック光ファイバケーブルを得た。
【0033】上記プラスチック光ファイバケーブルを5
0mの長さで端面を蛍光燈に照らして観察したところ、
保持層は光は透過しておらず、芯のみがきらきら輝いて
いた。
【0034】また、上記ケーブルについて伝送損失を、
入射NA0.15で650nmの単色光で50mの長さ
と2mの長さのカットバック法により測定したところ、
135dB/kmであった。
【0035】このケーブルを80℃のオーブンに100
0時間放置したときにも、伝送損失は138dB/km
と変わらなかった。
【0036】このケーブルを半径10mmの棒に1回巻
き付けた時の光保持率は入射NA0.15の650nm
の光に対し、95%であり、十分なものであった。
【0037】[比較例1]実施例1と同じ芯樹脂と鞘樹
脂で芯直径220μmで鞘外径が260μmのプラスチ
ック光ファイバを得た。
【0038】このプラスチック光ファイバに黒色ポリエ
チレンで被覆し2.2mmの外径のケーブルを造った。
しかし、被覆時にかかる種々の負荷によりプラスチック
光ファイバの伝送損失は500dB/km以上に悪化し
ていた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、小口径の芯のプラスチック光ファイバケーブルにお
いてその信頼性を向上し、低開口数でも曲げロスが少な
く高速通信用途への適用が可能となった。また、HPC
Fなどの直径の小さいものとの結合も可能なプラスチッ
ク光ファイバケーブルが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック光ファイバケーブルの断
面図である。
【図2】本発明のプラスチック光ファイバ素線の製造に
用いる複合紡糸ダイの断面図である。
【符号の説明】
1 芯 2 鞘層 3 保持層 4 機能層 5 プラスチック光ファイバ素線 6 被覆層 11 芯樹脂 12 鞘樹脂 14 機能層樹脂

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直径が50〜400μmの芯を中心に、
    厚さ5〜100μmの鞘層、厚さ120〜400μmの
    保持層、厚さ5〜100μmの機能層を同心円状に配し
    てなるプラスチック光ファイバ素線であり、上記芯及び
    保持層が透明なポリメチルメタクリレート系樹脂からな
    り、鞘層が該芯及び保持層を構成する樹脂よりも低い屈
    折率を有する透明樹脂からなり、機能層がビニリデンフ
    ロライド系樹脂からなり、複合紡糸によって各層が一体
    融着して製造され、さらに、芯の中心と当該素線の中心
    との距離を芯の直径で除した値である偏心率が0.03
    以下であり、一種類信号伝送に用いることを特徴とする
    信号伝送用小口径プラスチック光ファイバ素線。
  2. 【請求項2】 鞘層を構成する樹脂の屈折率nd20が芯
    を構成する樹脂の屈折率よりも0.005〜0.06低
    い請求項1記載の信号伝送用小口径プラスチック光ファ
    イバ素線。
  3. 【請求項3】 機能層が着色されたビニリデンフロライ
    ド系樹脂からなり、保持層が実質的に導光性を持たない
    請求項1または2記載の信号伝送用小口径プラスチック
    光ファイバ素線。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれかに記載の信号伝送
    用小口径プラスチック光ファイバ素線のさらに外側を樹
    脂で被覆してなる信号伝送用小口径プラスチック光ファ
    イバケーブル。
JP9175529A 1997-07-01 1997-07-01 信号伝送用小口径プラスチック光ファイバ素線及び該素線を用いた信号伝送用小口径プラスチック光ファイバケーブル Withdrawn JPH1123918A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6669350B2 (en) 2000-12-14 2003-12-30 Mitsubish Rayon Co., Ltd. Planar light source system and light deflecting device therefor
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