JPH11231509A - ネガ型画像記録材料 - Google Patents

ネガ型画像記録材料

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JPH11231509A
JPH11231509A JP10032610A JP3261098A JPH11231509A JP H11231509 A JPH11231509 A JP H11231509A JP 10032610 A JP10032610 A JP 10032610A JP 3261098 A JP3261098 A JP 3261098A JP H11231509 A JPH11231509 A JP H11231509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザー等を用いてデジタルデータより直
接記録可能で、露光部のインク反発層の除去性能と印刷
性能を満足し、印刷時における非画像部の汚れや画像部
のすぬけのない、優れた水なし平版印刷版の形成方法を
提供する。 【解決手段】 粗面化処理し、さらに陽極酸化処理を
施したアルミニウム製支持体上に、(a)アミノ基及び
(b)ホスフィン酸基、ホスホン酸基及びリン酸基から
選択される基を有する有機化合物又はその塩を含む親水
層、赤外線感光性ネガ型画像形成層、を順次積層したこ
とを特徴とする。この陽極酸化被膜量は1.0〜6.0
g/m2 であることが好ましく、画像形成層には、光又
は熱により分解して酸を発生する化合物、酸により架橋
する架橋剤、アルカリ可溶性樹脂の少なくとも一種、赤
外線吸収剤を含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平版印刷用版材とし
て使用できる画像記録材料に関するものであり、特にコ
ンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザを用い直
接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷
用版材用のネガ型画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、コンピュータのデジタルデータか
ら直接製版するシステムは種々検討されており、中でも
レーザを用い露光する技術が、近年におけるレーザの発
展に伴い注目されている。このレーザ、特に波長760
nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及
び半導体レーザは、高出力かつ小型のものが容易に入手
できる様になっている。コンピュータ等のデジタルデー
タから直接製版する際の記録光源として、これらのレー
ザは非常に有用である。しかし、実用上有用な多くの感
光性記録材料は、感光波長が760nm以下の可視光域
であるため、これらの赤外線レーザでは画像記録できな
い。このため、赤外線レーザで記録可能な材料が望まれ
ている。
【0003】このような赤外線レーザにて記録可能な画
像記録材料としては、特開平9−43845号に記載さ
れている。これらの記録材料はその支持体として、通
常、アルミニウム板を用いている。アルミニウム製支持
体は、通常ブラシグレイン法やボールグレイン法のごと
き機械的な方法や電解グレイン法のごとき電気科学的方
法あるいは両者を組合せた方法などの粗面化処理に付さ
れ、その表面が梨地状にされたのち、酸またはアルカリ
等の水溶液によりエッチングされ、さらに陽極酸化処理
を経たのち所望により親水化処理が施される。このよう
にして得られた支持体上に、上記の如きネガ型感光層を
設けて、これを赤外線レーザにより画像露光した後、加
熱処理し、現像を行い、ガム引き工程を経て印刷版とさ
れる。このような印刷版においては、非画像部に感光層
に含まれる物質が不可逆的に吸着しやすく、非画像部の
汚染や印刷汚れの原因ともなり、特に熱現像を行うネガ
型の場合、その傾向が著しいという問題があった。
【0004】これを改善する方法として、例えばβアラ
ニン等のアミノ酸を中間層に用いる方法が、特開昭60
−149491号公報に提案されている。しかしなが
ら、本発明の如く赤外線感光性のネガ型感光層の場合に
は、耐刷性が大幅に低下するなどの問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用
いて記録することにより、コンピューター等のデジタル
データから直接製版可能であり、レーザ露光時の感度が
高く、且つ、画像部と支持体との密着性、耐刷性に優
れ、現像後の非画像部における感光層成分の残存が少な
いネガ型画像記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ネガ型画
像記録材料の構成成分に着目し、鋭意検討の結果、親水
化処理した支持体上に、特定の官能基を有する有機化合
物を含む中間層を形成することにより上記目的が達成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明のネガ型画像記録材料は、粗
面化処理し、さらに陽極酸化処理を施したアルミニウム
製支持体上に、(a)アミノ基及び(b)ホスフィン酸
基、ホスホン酸基及びリン酸基から選択される基を有す
る有機化合物又はその塩を含む親水層、赤外線感光性ネ
ガ型画像形成層、を順次積層したことを特徴とする。こ
こで、アルミニウム製支持体上に形成された陽極酸化被
膜量は1.0〜6.0g/m2 であることが好ましい。
【0008】本発明のネガ型画像記録材料においては、
親水層に含まれる有機化合物が、親水化処理されたアル
ミニウム製支持体との親和性の高い(a)アミノ基と、
感光性を形成する化合物との親和性が良好で、前記アミ
ノ基やアルミニウム支持体との反撥性を有する(b)ホ
スフィン酸基、ホスホン酸基及びリン酸基から選択され
る基を有するため、画像部においては、親水層を介して
支持体と画像形成層とが強固に密着し、非画像部におい
ては、露出した親水層とそこに含まれるアミノ基やアル
ミニウム支持体との反撥性を有する(b)の官能基の働
きで、画像形成層組成物の支持体への残存を効果的に防
止しうるものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の各構成成分などにつ
いて順次、詳細に説明するが、まず、本発明の特徴的な
成分である親水層成分について述べる。
【0010】本発明において用いられる「(a)アミノ
基及び(b)ホスホン酸基、ホスフィン酸基及びリン酸
基から選択される基を有する有機化合物」には、次のよ
うなものが含まれる。アミノ基としては置換及び無置換
の一般式(I)を有する構造のものが好適に用いられ、
好ましくは、無置換のアミノ基である。
【0011】
【化1】
【0012】式中、R1 及びR 2は独立に水素原子、炭
素数1から5の置換または無置換のアルキル基を示す。
この明細書において、ホスホン酸基、ホスフィン酸基及
びリン酸基とはそれぞれ一般式(II)、(III)及び(I
V)で表される基をいう。
【0013】
【化2】
【0014】式中、R3 、R4 及びR5 は、水素原子ま
たは炭素原子数1〜5の置換または無置換のアルキル基
を示す。
【0015】本発明に好適に用いられるものは、R3
4 、R5 が水素原子である下記に示す基(II−1)〜
(IV−1)であり、
【0016】
【化3】
【0017】さらに好ましくは前記のうち、(II−1)
である。
【0018】本発明における有機化合物の(a)アミノ
基と(b)ホスホン酸基、ホスフィン酸基及びリン酸基
から選択される基を結合する炭素原子は、1〜10個が
好ましく、さらに好ましくは1〜3である。また炭素原
子は、芳香環(窒素原子、酸素原子、硫黄原子が入って
いる場合も含む)をなしていてもよいが、環状でないも
のが好ましい。また、この有機化合物は、塩の形として
用いてもよい。塩を形成させる好ましい化合物の例は、
塩酸、硫酸、硝酸、スルホン酸(メタンスルホン酸
等)、蟻酸、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム
等)、アンモニア、低級アルカノールアミン(トリエタ
ノールアミン等)、低級アルキルアミン(トリエチルア
ミン等)などである。
【0019】なお、前述のように、特開昭63−165
183号公報には、アミノ基及びホスホン酸基を有する
化合物又はその塩を下塗りする方法が開示されている
が、該公報にはホスホン酸基を2つ以上有する化合物し
か開示されておらず、それらの化合物では前述のように
残色の低減が不十分であり、耐刷力が、低下するという
問題があった。
【0020】本発明で用いられる有用な有機化合物を具
体的に挙げると、アミノ基とホスホン酸基とを有するホ
スホン酸系化合物としては、アミノメチルホスホン酸、
1−アミノエチルホスホン酸、1−ジメチルアミノエチ
ルホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、2−(N
−メチルアミノ)エチルホスホン酸、3−アミノプロピ
ルホスホン酸、2−アミノプロピルホスホン酸、1−ア
ミノプロピルホスホン酸、1−アミノプロピル−2−ク
ロループロピルホスホン酸、2−アミノブチルホスホン
酸、3−アミノブチルホスホン酸、1−アミノブチルホ
スホン酸、4−アミノブチルホスホン酸、2−アミノペ
ンチルホスホン酸、5−アミノペンチルホスホン酸、2
−アミノヘキシルホスホン酸、5−アミノヘキシルホス
ホン酸、4−アミノフェニルホスホン酸、4−アミノ−
2−メチルフェニルホスホン酸、4−アミノ−3−フル
オロホスホン酸などが挙げられる。アミノ基とホスフィ
ン基とを有するホスフィン酸類としては、上記の例示化
合物のホスホン酸基をホスフィン酸基にかえた化合物、
例えば2−アミノエチルホスフィン酸などが挙げられ
る。また、リン酸類としては、同様に上記ホスホン酸化
合物のホスホン酸基をリン酸基にかえた化合物、例えば
2−アミノエチルリン酸などが挙げられる。
【0021】これらの有機化合物は、先に述べたように
塩の形にして用いても同様の効果を奏するものであり、
例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩(メタン
スルホン酸等)、蟻酸塩、ナトリウム塩、アンモニウム
塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩など
の形にして用いることもできる。
【0022】本発明の記録材料において支持体として用
いられるアルミニウム板は、純アルミニウムや、アルミ
ニウムを主成分とし、微量の異原子を含むアルミニウム
合金等の板状体である。この異原子には、珪素、鉄、マ
ンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、
ニッケル、チタンなどがある。合金中の異原子の含有量
は10重量%以下であることが好ましい。本発明に好適
な支持体は、純アルミニウム製のものであるが、完全に
純粋なアルミニウムは、精錬技術上製造が困難である
が、できるだけ異原子の含有量の低いものを選択するこ
とが好ましい。また、上述した異原子の含有量が10重
量%程度までのアルミニウム合金であれば、本発明に適
用しうる素材ということができる。このように本発明に
適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるも
のではなく、従来公知、公用の素材のものを適宜利用す
ることができる。本発明に用いられるアルミニウム板の
厚さは、およそ0.1mm〜0.5mm程度である。ア
ルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、
表面の圧延油を除去するための、例えば界面活性剤又は
アルカリ性水溶液による脱脂処理が行われる。
【0023】なお本発明のネガ型感光性記録材料は、片
面のみ画像形成に使用できるものであっても、両面とも
同様な処理によって使用できるものとしてもよい。両面
とも処理する場合には、同じ処理を支持体の両面に施せ
ばよいため、以下は、片面処理の場合について説明す
る。
【0024】粗面化処理法としては、機械的に表面を粗
面化する方法、電気化学的に表面を溶解する方法及び化
学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的に表面
を粗面化する方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨
法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等と称せられる公知の
方法を用いることができる。また電気化学的な粗面化法
としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行
う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に
開示されているように両者を組合せた方法も利用するこ
とができる。このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
された後、陽極酸化処理される。
【0025】アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられ
る電解質としては多孔質酸化皮膜を形成しうるものであ
れば、いかなるものでも使用することができるが、一般
には硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸
が用いられ、それらの電解質の濃度は電解質の種類によ
って適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる電解
質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的
には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜7
0℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100
V、電解時間10秒〜50分の範囲にあれば適当であ
る。
【0026】陽極酸化皮膜の量は1.0〜6.0g/m
2 程度が好適であるが、より好ましくは2.0〜5.0
g/m2 の範囲である。陽極酸化皮膜が1.0g/m2
より少ないと耐刷性が不十分であったり、記録材料の非
画像部に傷がつき易くなって、印刷時に、傷の部分にイ
ンキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。ま
た、6.0g/m2 を超えても、効果の向上はみられ
ず、いずれも好ましくない。 上述の如き処理を施した
アルミニウム板の陽極酸化皮膜上に、下記の種々の方法
で、前記特定の有機化合物又はその塩を含む親水層を設
ける。
【0027】親水層の形成方法には、水又はメタノー
ル、エタノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶
剤に上記の有機化合物又はその塩を溶解させた溶液を塗
布、乾燥して親水層を設ける方法と、水又はメタノー
ル、エタノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶
剤に、上記の有機化合物又はその塩を溶解させた溶液
に、上述の陽極酸化を施したアルミニウム板を浸漬して
本発明における有機化合物又はその塩を吸着させ、しか
る後、水などによって、洗浄、乾燥して親水層を設ける
方法がある。前者の方法では、上記のような有機化合物
又はその塩を0.005〜10重量%の濃度で溶解した
塗布液を公知の種々の方法で塗布できる。例えばバーコ
ーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等
のいずれの方法を用いてもよい。また、本発明の有機化
合物又はその塩を溶解した溶液に浸漬後、水などによっ
て洗浄する方法では、溶液の濃度は0.001〜20重
量%、好ましくは0.005〜5重量%であり、浸漬温
度は20℃〜90℃、好ましくは25℃〜50℃であ
り、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1
分である。
【0028】親水層の乾燥後の被覆量は、2mg/m2
〜200mg/m2 が適当であり、好ましくは3mg/
2 〜60mg/m2 である。上記の被覆量が2mg/
2 より少なくなるにつれて非画像部の汚れ防止等に効
果が少なくなっていき、他方、200mg/m2 より多
くなるにつれて感光層と支持体との密着性が劣化し、耐
刷力の低い記録材料しか得られなくなる。
【0029】本発明の親水層を設ける際に使用する溶液
は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等
の塩基性物質や、塩酸、リン酸等の酸性物質によりpH
を調節し、pH1〜12の範囲で使用することもでき
る。また、ネガ型感光性記録材料の調子再現性改良のた
め、黄色染料を添加することもできる。
【0030】また本発明の親水層には公知の親水性化合
物、例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリ
ン、アラビアゴム、ホスホン酸類、グリシンやβーアラ
ニンなどのアミノ酸類、トリエタノールアミンの塩酸塩
等のヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等を混合させ
ることができる。本発明の親水性層は、上記本発明の有
機化合物又はその塩を少なくとも30重量%含むことが
望ましい。このような親水層を設ける前又は後に、陽極
酸化されたアルミニウム板を米国特許第3181461
号に記載されているように、アルカリ金属シリケート
(例えば珪素ソーダ)の水溶液で処理することができ
る。
【0031】本発明のネガ型画像記録材料においては、
前記のごとくして得られた親水化処理されたアルミニウ
ム製支持体上に親水層を設け、その上に赤外線感光性ネ
ガ型画像形成層を設ける。この画像形成層には、(A)
光又は熱により分解して酸を発生する化合物、(B)酸
により架橋する架橋剤、(C)アルカリ可溶性樹脂の少
なくとも1種、及び(D)赤外線吸収剤が含まれるが、
これらの構成成分について、以下に説明する。
【0032】[(A)光又は熱により分解して酸を発生
する化合物]本発明において光又は熱により分解して酸
を発生する化合物(以下、適宜、酸発生剤と称する)と
は、200〜500nmの波長の光照射又は100℃以
上の加熱により酸を発生する化合物を指す。本発明にお
いて好適に用いられる酸発生剤としては、光カチオン重
合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光
消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用
されている公知の酸発生剤等、公知の熱分解して酸を発
生する化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使
用することができる。
【0033】例えば、S.I.Schlesinge
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号、同297,443号、同297,442号、米国特
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10,201号、同339,049号、同4,760,
013号、同4,734,444号、同2,833,8
27号、独国特許第2,904,626号、同3,60
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ニウム塩、
【0035】J.V.Crivello et al,
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Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載
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IA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記
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−36281号、特開昭55−32070号、特開昭6
0−239736号、特開昭61−169835号、特
開昭61−169837号、特開昭62−58241
号、特開昭62−212401号、特開昭63−702
43号、特開昭63−298339号に記載の有機ハロ
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第0290,750号、同046,083号、同15
6,535号、同271,851号、同0,388,3
43号、米国特許第3,901,710号、同4,18
1,531号、特開昭60−198538号、特開昭5
3−133022号に記載のo−ニトロベンジル型保護
基を有する光酸発生剤、M.Tunooka et a
l,Polymer Preprints Japa
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Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs
et al,Coating Technol.,5
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achi et al,Polymer Prepri
nts,Japan,37(3)、欧州特許第019
9,672号、同84515号、同199,672号、
同044,115号、同0101,122号、米国特許
第4,618,564号、同4,371,605号、同
4,431,774号、特開昭64−18143号、特
開平2−245756号、特願平3−140109号に
記載のイミノスルフォネート等に代表される、光分解し
てスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−1665
44号に記載のジスルホン化合物を挙げることができ
る。
【0037】またこれらの酸を発生する基、あるいは化
合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例え
ば、M.E.Woodhouse et al,J.A
m.Chem.Soc.,104,5586(198
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hem.,RapidCommun.,9,625(1
988)、Y.Yamada et al,Makro
mol.Chem.,152,153,163(197
2)、J.V.Crivello et al.J.P
olymer Sci.,Polymer Chem.
Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,
849,137号、独国特許第3,914,407、特
開昭63−26653号、特開昭55−164824
号、特開昭62−69263号、特開昭63−1460
37、特開昭63−163452号、特開昭62−15
3853号、特開昭63−146029号に記載の化合
物を用いることができる。
【0038】更に、V.N.R.Pillai,Syn
thesis,(1),1(1980)、A.Abad
et al,Tetrahedron Lett.,
(47)4555(1971)、D.H.R.Bart
on et al,J.Chem,Soc,.(C),
329(1970)、米国特許第3,779,778
号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸
を発生する化合物も使用することができる。これらのう
ち本発明で特に好ましく用いられる酸発生剤としては、
下記一般式(I)〜(V)で表される化合物が挙げられ
る。
【0039】
【化4】
【0040】(式中、R1 、R2 、R4 及びR5 は、同
じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい
炭素数20個以下の炭化水素基を示す。R3 はハロゲン
原子、置換基を有していてもよい炭素数10個以下の炭
化水素基叉は炭素数10個以下のアルコキシ基を示す。
Ar1 、Ar2 は、同じでも異なっていてもよく、置換
基を有していてもよい炭素数20個以下のアリール基を
示す。R6 は置換基を有していてもよい炭素数20個以
下の2価の炭化水素基を示す。nは0〜4の整数を示
す。)
【0041】上記一般式(I)〜(V)において、
1 、R2 、R4 及びR5 は、それぞれ独立に、置換基
を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を示
し、好ましくは炭素数1〜14の炭化水素基を示す。炭
化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−
ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル
基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル
基、ドデシル基等のアルキル基、アリル基、ビニル基、
1−メチルビニル基、2−フェニルビニル基等のアルケ
ニル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、ト
リル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシ
ルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アン
トラセニル基等のアリール基が挙げられる。これらの炭
化水素基は、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、ニト
ロ基、シアノ基、カルボキシ基等の置換基を有していて
もよい。置換基を有する炭化水素基の具体例としては、
トリフルオロメチル基、クロロエチル基、2−メトキシ
エチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブ
ロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル
基、フェノキシフェニル基、メトキシフェニルビニル
基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシ
フェニル基、9,10−ジメトキシアントラセニル基等
が挙げられる。
【0042】R3 はハロゲン原子、置換基を有していて
もよい炭素数10個以下の炭化水素基(例えば、アルキ
ル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基)叉は
炭素数10個以下のアルコキシ基を示す。具体的には、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェ
ニル基、トリル基等の炭化水素基、2−メトキシエチル
基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフ
ェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基等置
換基を有する炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基等の
アルコキシ基が挙げられる。また、nが2以上の場合、
隣接する2個のR3 で互いに結合し縮環していてもよ
い。
【0043】Ar1 、Ar2 は同じであっても異なって
いてもよく、置換基を有していてもよい炭素数20個以
下のアリール基、好ましくは炭素数6〜14のアリール
基を示す。具体的には、フェニル基、トリル基、キシリ
ル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、
フェニルフェニル基、ナフチル基、フルオロフェニル
基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェ
ニル基、クロロナフチル基、メトキシフェニル基、フェ
ノキシフェニル基、エトキシナフチル基、ニトロフェニ
ル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、ニト
ロナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。R6
は置換基を有していてもよい炭素数20個以下の2価の
炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルケニレン基、
アラルキレン基、アリーレン基)を示す。具体的には、
エチニレン基、1,2−シクロヘキセニレン基、1,2
−フェニレン基、4−クロロ−1,2−フェニレン基、
4−ニトロ−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,
2−フェニレン基、4ーメトキシ−1,2−フェニレン
基、4−カルボキシ−1,2−フェニレン基、1,8−
ナフタレニレン基等が挙げられる。nは0〜4の整数を
示す。ここで、nが0の場合は、R3 がないこと、すな
わち、水素原子であることを示す。
【0044】一般式化合物(I)〜(V)で表される化
合物の内、好ましいものを以下に挙げる。尚、これらの
化合物は、例えば特開平2−100054号及び特開平
2−100055号に記載の方法にて合成することがで
きる。
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】
【化13】
【0054】
【化14】
【0055】
【化15】
【0056】また、(A)光または熱により分解して酸
を発生する化合物として、ハロゲン化物やスルホン酸な
どを対イオンとするオニウム塩、好ましくは下記一般式
(VI)〜(VIII)で示されるヨードニウム塩、スルホニ
ウム塩、ジアゾニウム塩のいずれかの構造を有するもの
も、好適に挙げることができる。
【0057】
【化16】
【0058】(式中、X- は、ハロゲン化物イオン、C
lO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、BF4 - 、又はR7
−SO3 - が挙げられ、ここで、R7 は置換基を有して
いても良い炭素数20以下の炭化水素基を示す。A
3 、Ar4 はそれぞれ、置換基を有していても良い炭
素数20以下のアリール基を示す。R8 、R9 、R10
置換基を有していても良い炭素数18以下の炭化水素基
を示す。) 上記一般式において、X- としては、R7 −SO3 -
特に好ましく用いられ、ここで、R7 としては置換基を
有していても良い炭素数20以下の炭化水素基を示す。
7 で表される炭化水素基の具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル
基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−
エチルヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、ビニル
基、1−メチルビニル基、2−フェニルビニル基等のア
ルケニル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル
基、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、
メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル
基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基が挙
げられる。
【0059】これらの炭化水素基は、例えばハロゲン原
子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、ア
ルコキシカルボニル基、アニリノ基、アセトアミド基等
の置換基を有していても良い。置換基を有する炭化水素
基の具体例としては、トリフルオロメチル基、2−メト
キシエチル基、10−カンファーニル基、フルオロフェ
ニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨード
フェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル
基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノ
フェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシナフチル
基、ジメトキシアントラセニル基、ジエトキシアントラ
セニル基、アントラキノニル基、等が挙げられる。
【0060】Ar3 、Ar4 はそれぞれ、置換基を有し
ていても良い炭素数20以下のアリール基を示し、具体
的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル
基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニ
ル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオロフェニ
ル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフ
ェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル
基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノ
フェニル基、カルボキシフェニル基、アニリノフェニル
基、アニリノカルボニルフェニル基、モルホリノフェニ
ル基、フェニルアゾフェニル基、メトキシナフチル基、
ヒドロキシナフチル基、ニトロナフチル基、アントラキ
ノニル基等が挙げられる。
【0061】R8 、R9 、R10はそれぞれ独立に、置換
基を有していても良い炭素数18以下の炭化水素基を示
し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシ
ル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、t−ブチル
フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、等の炭化
水素基、2−メトキシエチル基、フルオロフェニル基、
クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル
基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェ
ニルチオフェニル基、ヒドロキシナフチル基、メトキシ
ナフチル基、ベンゾイルメチル基、ナフトイルメチル
基、等置換基を有する炭化水素基が挙げられる。また、
8 とR9 とが互いに結合し環を形成していても良い。
【0062】一般式(VI)〜(VIII)で表されるオニウ
ム塩のカチオン部としては、ヨードニウムイオン、スル
ホニウムイオン、ジアゾニウムイオンが挙げられる。こ
れらのオニウム塩のカチオン部について、以下に具体的
な構造を示すが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【化17】
【0064】
【化18】
【0065】
【化19】
【0066】
【化20】
【0067】
【化21】
【0068】また、その他のジアゾニウム塩の好ましい
カチオン部の具体的な構造としては、以下のものが挙げ
られる。
【0069】
【化22】
【0070】
【化23】
【0071】
【化24】
【0072】
【化25】
【0073】
【化26】
【0074】一方、これらのオニウム塩のカウンターア
ニオンのうち、特に良好に用いられるスルホネートイオ
ンの例としては、 1)メタンスルホネート、 2)エタンスルホネート、 3)1−プロパンスルホネート、 4)2−プロパンスルホネート、 5)n−ブタンスルホネート、 6)アリルスルホネート、 7)10−カンファースルホネート、 8)トリフルオロメタンスルホネート、 9)ペンタフルオロエタンスルホネート、 10)ベンゼンスルホネート、 11)p−トルエンスルホネート、 12)3−メトキシベンゼンスルホネート、 13)4−メトキシベンゼンスルホネート、 14)4−ヒドロキシベンゼンスルホネート、 15)4−クロロベンゼンスルホネート、 16)3−ニトロベンゼンスルホネート、 17)4−ニトロベンゼンスルホネート、 18)4−アセチルベンゼンスルホネート、 19)ペンタフルオロベンゼンスルホネート、 20)4−ドデシルベンゼンスルホネート、 21)メシチレンスルホネート、 22)2、4、6−トリイソプロピルベンゼンスルホネ
ート、 23)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホネート、 24)イソフタル酸ジメチル−5−スルホネート、 25)ジフェニルアミン−4−スルホネート、 26)1−ナフタレンスルホネート、 27)2−ナフタレンスルホネート、 28)2−ナフトール−6−スルホネート、 29)2−ナフトール−7−スルホネート、 30)アントラキノン−1−スルホネート、 31)アントラキノン−2−スルホネート、 32)9、10−ジメトキシアントラセン−2−スルホ
ネート、 33)9、10−ジエトキシアントラセン−2−スルホ
ネート、 34)キノリン−8−スルホネート、 35)8−ヒドロキシキノリン−5−スルホネート、 36)8−アニリノ−ナフタレン−1−スルホネート などが挙げられる。
【0075】また、 41)m−ベンゼンジスルホネート、 42)ベンズアルデヒド−2、4−ジスルホネート、 43)1、5−ナフタレンジスルホネート、 44)2、6−ナフタレンジスルホネート、 45)2、7−ナフタレンジスルホネート、 46)アントラキノン−1、5−ジスルホネート、 47)アントラキノン−1、8−ジスルホネート、 48)アントラキノン−2、6−ジスルホネート、 49)9、10−ジメトキシアントラセン−2、6−ジ
スルホネート、 50)9、10−ジエトキシアントラセン−2、6−ジ
スルホネート、 などのジスルホネート類とオニウム塩カチオン2当量と
の塩も用いることができる。
【0076】本発明で良好に用いられるオニウム塩スル
ホネートは、対応するCl- 塩などを、スルホン酸また
はスルホン酸ナトリウムまたはカリウム塩と水中、ある
いはアルコールなどの親水性溶媒と水との混合溶媒中で
まぜあわせて塩交換を行うことにより、得ることができ
る。オニウム化合物の合成は既知の方法で行うことがで
き、たとえば丸善・新実験化学講座14−I巻の2・3
章(p.448)、14−III 巻の8・16章(p.1
838)、同7・14章(p.1564)、J.W.K
napczyk他、ジャーナル オブ アメリカン ケ
ミカルソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)9
1巻、145(1969)、A.L.Maycok他、
ジャーナルオブ オーガニック ケミストリィ(J.O
rg.Chem.)35巻、2532(1970)、
J.V.Crivello他、ポリマー ケミストリィ
エディション(Polym.Chem.Ed.)18
巻、2677(1980)、米国特許第2,807,6
48号、同4,247,473号、特開昭53−101
331号、特公平5−53166号公報等に記載の方法
で合成することができる。本発明で酸発生剤として良好
に使用されるオニウム塩スルホネートの好ましい例を以
下に示す。
【0077】
【化27】
【0078】
【化28】
【0079】
【化29】
【0080】
【化30】
【0081】
【化31】
【0082】
【化32】
【0083】
【化33】
【0084】
【化34】
【0085】
【化35】
【0086】
【化36】
【0087】
【化37】
【0088】
【化38】
【0089】これらの酸発生剤は、画像記録材料全固形
分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜2
5重量%、より好ましくは0. 5〜20重量%の割合で
画像記録材料中に添加される。添加量が0.01重量%
未満の場合は、画像が得られず、また添加量が50重量
%を超える場合は、印刷時に非画像部に汚れが発生する
ためいずれも好ましくない。これらの化合物は単独で使
用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用しても
よい。
【0090】[(B)酸により架橋する架橋剤]本発明
に用いることのできる酸により架橋する架橋剤(以下、
適宜、「酸架橋剤」又は単に「架橋剤」と称する)つい
て説明する。本発明に好ましく用いられる架橋剤として
は、以下のものが挙げられる。 (i)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基
で置換された芳香族化合物 (ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル
基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物 (iii) エポキシ化合物 これらについて詳細に説明する。 (i)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基
で置換された芳香族化合物としては、例えば、ヒドロキ
シメチル基、アセトキシメチル基、若しくはアルコキシ
メチル基でポリ置換されている芳香族化合物及び複素環
化合物が挙げられる。但し、レゾール樹脂として知られ
るフェノール類とアルデヒド類とを塩基性条件下で重縮
合させた樹脂状の化合物は含まない。レゾール樹脂は架
橋性に優れるものの、熱安定性が充分でなく、特に感光
性の材料に含有させて高温下に長期間保存した場合、均
一な現像が困難となり好ましくない。
【0091】ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル
基でポリ置換された芳香族化合物及び複素環化合物のな
かでは、ヒドロキシ基に隣接する位置にヒドロキシメチ
ル基又はアルコキシメチル基を有する化合物を好ましい
例として挙げることができる。アルコキシメチル基の場
合はアルコキシメチル基が炭素数18以下の化合物であ
ることが好ましい。特に好ましい例として下記一般式
(1)〜(4)で表される化合物を挙げることができ
る。
【0092】
【化39】
【0093】
【化40】
【0094】前記各式中、L1 〜L8 はそれぞれ独立に
メトキシメチル、エトキシメチル等のように炭素数十八
以下のアルコキシ基で置換されたヒドロキシメチル基又
はアルコキシメチル基を示す。これらは架橋効率が高
く、耐刷性を向上させることができる点で好ましい。上
記に例示された架橋性化合物は、単独で使用してもよ
く、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0095】(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アル
コキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有
する化合物としては、欧州特許公開(以下、EP−Aと
記載する)第0,133,216号、西独特許第3,6
34,671号、同第3,711,264号に開示され
た単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド
縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A
第0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化
合物等が挙げられる。さらに好ましい例としては、例え
ば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N
−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル
基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げら
れ、中でもN−アルコキシメチル誘導体が特に好まし
い。
【0096】(iii) エポキシ化合物としては、一つ以上
のエポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴマ
ー、ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができ
る。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンと
の反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド
樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられ
る。その他、米国特許第4,026,705号公報、英
国特許第1,539,192号公報に記載され、使用さ
れているエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0097】以上の(i)〜(iii) の本発明に用いるこ
とのできる架橋剤は、画像記録材料全固形分に対し、5
〜80重量%、好ましくは10〜75重量%、特に好ま
しくは20〜70重量%の範囲である。架橋剤の添加量
が5重量%未満であると得られる画像記録材料の感光層
の耐久性が悪化し、また、80重量%を超えると保存時
の安定性の観点から好ましくない。
【0098】(iv)本発明では、架橋剤として、下記一
般式(5)で表されるフェノール誘導体を使用すること
も好ましい。
【0099】
【化41】
【0100】上記一般式(5)中、Ar1 は、置換基を
有していても良い芳香族炭化水素環を示す。原料の入手
性から、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフ
タレン環またはアントラセン環が好ましい。また、好ま
しい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数12個以下
の炭化水素基、炭素数12個以下のアルコキシ基、炭素
数12個以下のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、
トリフルオロメチル基等が挙げられる。感度が高いとい
う理由で、Ar1 としては、置換基を有していないベン
ゼン環およびナフタレン環、または、ハロゲン原子、炭
素数6個以下の炭化水素基、炭素数6個以下のアルコキ
シ基、炭素数6個以下のアルキルチオ基、ニトロ基等を
置換基として有するベンゼン環およびナフタレン環が特
に好ましい。R1 およびR2 は、それぞれ同じでも異な
っていても良く、水素原子または炭素数12個以下の炭
化水素基を示す。合成が容易であるという理由から、R
1 およびR2 は、水素原子またはメチル基であることが
特に好ましい。R3 は、水素原子または炭素数12個以
下の炭化水素基を示す。感度が高いという理由で、R 3
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘ
キシル基、ベンジル基等の炭素数7個以下の炭化水素基
であることが特に好ましい。mは、2〜4の整数を示
す。nは、1〜3の整数を示す。
【0101】本発明において好適に用いられる上記一般
式(5)で表されるフェノール誘導体の具体例を以下に
示す(架橋剤[KZ−1]〜[KZ−8])が、本発明
はこれに制限されるものではない。
【0102】
【化42】
【0103】
【化43】
【0104】これらのフェノール誘導体は、従来公知の
方法により合成できる。例えば[KZ−1]は、フェノ
ール、ホルムアルデヒドおよび、ジメチルアミンやモル
ホリン等の2級アミンを反応させ、トリ(ジアルキルア
ミノメチル)フェノールとし、次に無水酢酸と反応さ
せ、さらに炭酸カリウム等の弱アルカリ存在下、エタノ
ールと反応させることにより、下記反応式[1]に表す
如き経路で合成することができる。
【0105】
【化44】
【0106】さらに、別の方法によっても合成できる。
例えば[KZ−1]は、フェノールとホルムアルデヒド
またはパラホルムアルデヒドを、KOH等のアルカリ存
在下反応させ、2,4,6−トリヒドロキシメチルフェ
ノールとし、引き続き硫酸等の酸存在下、エタノールと
反応させることにより、下記反応式[2]に表す如き経
路でも合成することができる。
【0107】
【化45】
【0108】これらのフェノール誘導体は単独で使用し
てもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよ
い。また、これらのフェノール誘導体を合成する際、フ
ェノール誘導体同士が縮合して2量体や3量体等の不純
物が副生成する場合があるが、これらの不純物を含有し
たまま用いても良い。なお、この場合でも、不純物は3
0%以下であることが好ましく、20%以下であること
がさらに好ましい。
【0109】本発明において、フェノール誘導体は全画
像記録材料固形分中、5〜70重量%、好ましくは10
〜50重量%の添加量で用いられる。ここで、架橋剤と
してのフェノール誘導体の添加量が5重量%未満である
と画像記録した際の画像部の膜強度が悪化し、また、7
0重量%を越えると保存時の安定性の点で好ましくな
い。
【0110】[(C)アルカリ可溶性樹脂]本発明にお
いて使用されるアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラッ
ク樹脂や側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマー
などが挙げられる。本発明においてアルカリ可溶性樹脂
として使用しうるノボラック樹脂は、フェノール類とア
ルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂である。好ま
しいノボラック樹脂としては、例えばフェノールとホル
ムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾ
ールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、
p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラ
ック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得ら
れるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアル
デヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合ク
レゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹
脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−または
m−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでも
よい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラ
ック樹脂などが挙げられる。これらのノボラック樹脂
は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平
均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
【0111】また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂
としては、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマ
ーも好ましく挙げることができる。このポリマーにおい
て、ヒドロキシアリール基とは−OH基が1個以上結合
したアリール基を示す。アリール基としては例えば、フ
ェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナント
レニル基等を挙げることができるが、入手の容易さ及び
物性の観点から、フェニル基あるいはナフチル基が好ま
しい。従って、ヒドロキシアリール基としては、ヒドロ
キシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、トリヒドロ
キシフェニル基、テトラヒドロキシフェニル基、ヒドロ
キシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基等が好まし
い。これらのヒドロキシアリール基は、さらに、ハロゲ
ン原子、炭素数20個以下の炭化水素基、炭素数20個
以下のアルコキシ基及び炭素数20個以下のアリールオ
キシ基等の置換基を有していてもよい。これらのヒドロ
キシアリール基は、ポリマーの側鎖としてペンダント状
にポリマー主鎖へ結合しているが、主鎖との間に連結基
を有していても良い。
【0112】本発明において好適に用いられる、側鎖に
ヒドロキシアリール基を有するポリマーは、下記一般式
(IX)〜(XII) で表される構成単位の内いずれか1種を
含有するポリマーである。
【0113】
【化46】
【0114】(式中、R11は水素原子またはメチル基を
示す。R12およびR13は、同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素数10個以下の炭化
水素基、炭素数10個以下のアルコキシ基又は、炭素数
10個以下のアリールオキシ基を示す。また、R12とR
13が結合して、縮環したベンゼン環やシクロヘキサン環
を形成していても良い。R14は、単結合または、炭素数
20個以下の2価の炭化水素基を示す。R15は、単結合
または、炭素数20個以下の2価の炭化水素基を示す。
16は、単結合または、炭素数10個以下の2価の炭化
水素基を示す。X1は、単結合、エーテル結合、チオエ
ーテル結合、エステル結合またはアミド結合を示す。p
は1〜4の整数を示す。q及びrはそれぞれ0〜3の整
数を示す。)
【0115】一般式(IX)〜(XII) で表される構成単位
のうち、本発明において好適に用いられる具体的な構成
単位の例を以下に挙げる。
【0116】
【化47】
【0117】
【化48】
【0118】
【化49】
【0119】
【化50】
【0120】
【化51】
【0121】これらのポリマーは、従来公知の方法によ
り合成することができる。例えば、一般式(IX)で表さ
れる構成単位を有するポリマーは、ヒドロキシ基を酢酸
エステルあるいはt−ブチルエーテルとして保護され
た、対応するスチレン誘導体をラジカル重合もしくはア
ニオン重合しポリマーとした後、脱保護することにより
得られる。また、一般式(X)で表される構成単位を有
するポリマーは、特開昭64−32256号および同6
4−35436号等に記載されている方法により合成す
ることができる。さらに、一般式(XI)で表される構成
単位を有するポリマーは、ヒドロキシ基を有するアミン
化合物と無水マレイン酸を反応させ、対応するモノマー
を得た後、ラジカル重合によりポリマーとすることによ
り得られる。また、一般式(XII) で表される構成単位を
有するポリマーは、クロロメチルスチレンやカルボキシ
スチレン等、合成上有用な官能基を持つスチレン類を原
料として一般(XII) に対応するモノマーへ誘導し、さら
にラジカル重合によりリマーとすることにより得られ
る。
【0122】本発明では、一般式(IX)〜(XII) で表さ
れる構成単位のみから成るホモポリマーであっても良い
が、他の構成単位をも含む共重合体であっても良い。好
適に用いられる他の構成単位としては、例えば、アクリ
ル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルア
ミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチ
レン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリ
ル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノ
マーより導入される構成単位が挙げられる。
【0123】用いることのできるアクリル酸エステル類
の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、
(n−、i−、sec−またはt−)ブチルアクリレー
ト、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレ
ート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリ
レート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペ
ンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアク
リレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルア
クリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−
ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリル
アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、
フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、
スルファモイルフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0124】メタクリル酸エステル類の具体例として
は、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、
i−、sec−またはt−)ブチルメタクリレート、ア
ミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ア
リルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタ
クリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、メトキシベンジルメタ
クリレート、クロロベンジルメタクリレート、2−(p
−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、フルフ
リルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリ
レート、フェニルメタクリレート、クロロフェニルメタ
クリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート等
が挙げられる。
【0125】アクリルアミド類の具体例としては、アク
リルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルア
クリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチ
ルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−
ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリ
ルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒド
ロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイ
ルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニ
ル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチ
ル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチ
ル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0126】メタクリルアミド類の具体例としては、メ
タクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エ
チルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミ
ド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタク
リルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、
N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリル
アミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルア
ミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミ
ド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N
−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジ
メチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメ
タクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメ
タクリルアミド等が挙げられる。
【0127】ビニルエステル類の具体例としては、ビニ
ルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート
等が挙げられる。スチレン類の具体例としては、スチレ
ン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルス
チレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘ
キシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロ
メチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシ
メチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレ
ン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレ
ン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシス
チレン等が挙げられる。
【0128】これらのモノマーのうち特に好適に使用さ
れるのは、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メ
タクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリル
アミド類、ビニルエステル類、スチレン類及び、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルである。
【0129】これらを用いた共重合体中に含まれる一般
式(IX)〜(XII) で表される構成単位の割合は、5〜1
00重量%であることが好ましく、さらに好ましくは1
0〜100重量%である。また、本発明で使用されるポ
リマーの分子量は好ましくは重量平均分子量で4000
以上であり、更に好ましくは1万〜30万の範囲であ
り、数平均分子量で好ましくは1000以上であり、更
に好ましくは2000〜25万の範囲である。多分散度
(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好まし
く、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。これら
のポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、
グラフトポリマー等いずれでも良いが、ランダムポリマ
ーであることが好ましい。
【0130】本発明で使用されるアルカリ可溶性樹脂は
1種類のみで使用してもよいし、あるいは2種類以上を
組み合わせて使用してもよい。アルカリ可溶性樹脂の添
加量は全画像記録材料固形分中、5〜95重量%、好ま
しくは10〜95重量%、特に好ましくは20〜90重
量%で用いられる。アルカリ可溶性樹脂の添加量が5重
量%未満であると記録層の耐久性が悪化し、また、添加
量が95重量%を超える場合は、画像形成されない。
【0131】[(D)赤外線吸収剤]本発明において使
用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200
nmの赤外線を有効に吸収する染料または顔料である。
好ましくは、波長760nmから1200nmに吸収極
大を有する染料または顔料である。染料としては、市販
の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協
会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが
利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染
料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラ
キノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、
キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワ
リリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体など
の染料が挙げられる。好ましい染料としては例えば特開
昭58−125246号、特開昭59−84356号、
特開昭59−202829号、特開昭60−78787
号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−17
3696号、特開昭58−181690号、特開昭58
−194595号等に記載されているメチン染料、特開
昭58−112793号、特開昭58−224793
号、特開昭59−48187号、特開昭59−7399
6号、特開昭60−52940号、特開昭60−637
44号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭5
8−112792号等に記載されているスクワリリウム
色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等
を挙げることができる。
【0132】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号公報に開示されているピ
リリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料とし
て好ましい別の例として米国特許第4,756,993
号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近
赤外吸収染料を挙げることができる。これらの染料のう
ち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリ
リウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が
挙げられる。
【0133】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便
覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977
年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986
年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年
刊)に記載されている顔料が利用できる。顔料の種類と
しては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔
料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔
料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられ
る。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮
合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔
料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系
顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロ
ン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔
料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カー
ボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ま
しいものはカーボンブラックである。
【0134】これら顔料は表面処理をせずに用いてもよ
く、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方
法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性
剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカッ
プリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)
を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表
面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、
「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)およ
び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)
に記載されている。
【0135】顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範
囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲
にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μm
の範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μ
m未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点
で好ましくなく、また、10μmを超えると画像記録層
の均一性の点で好ましくない。顔料を分散する方法とし
ては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分
散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、
サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミ
ル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミ
ル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加
圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技
術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0136】これらの染料もしくは顔料は、画像記録材
料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは
0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5
〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは1.0〜10
重量%の割合で画像記録材料中に添加することができ
る。顔料もしくは染料の添加量が0.01重量%未満で
あると感度が低くなり、また50重量%を超えると印刷
時非画像部に汚れが発生する。これらの染料もしくは顔
料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を
設けそこへ添加してもよい。
【0137】[その他の成分]本発明では、前記画像形
成層に必須の成分に加え、必要に応じて種々の化合物を
添加しても良い。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ
染料を画像の着色剤として使用することができる。具体
的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#10
3、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイ
ルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラッ
クBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−50
5(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピ
ュアブルー、クリスタルバイオレット(CI4255
5)、メチルバイオレット(CI42535)、エチル
バイオレット、ローダミンB(CI145170B)、
マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブル
ー(CI52015)など、あるいは特開昭62−29
3247号公報に記載されている染料を挙げることがで
きる。これらの染料は、画像形成後、画像部と非画像部
の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。尚、
添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜1
0重量%の割合である。
【0138】また、本発明における画像記録材料中に
は、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特開平3−208514
号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特
開昭59−121044号公報、特開平4−13149
号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加す
ることができる。非イオン界面活性剤の具体例として
は、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノ
グリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等が挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、
アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリア
ミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボ
キシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベ
タインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例え
ば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げ
られる。 上記非イオン界面活性剤および両性界面活性
剤の画像記録材料中に占める割合は、0.05〜15重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%であ
る。
【0139】更に本発明の画像記録材料中には必要に応
じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられ
る。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブ
チル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸
ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリ
ル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。これ
ら以外にも、エポキシ化合物、ビニルエーテル類等を添
加しても良い。
【0140】本発明の画像記録材料は、通常上記各成分
を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することによ
り製造することができる。ここで使用する溶媒として
は、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチル
エチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メト
キシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテー
ト、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキ
シエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチル
アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラ
メチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホ
キシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、
水等をあげることができるがこれに限定されるものでは
ない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用され
る。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度
は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥
後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によ
って異なるが、平版印刷用版材についていえば一般的に
0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法とし
ては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バ
ーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗
布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、
ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくな
るにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録膜の
皮膜特性は低下する。
【0141】本発明における画像記録層中には、塗布性
を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−17
0950号公報に記載されているようなフッ素系界面活
性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全画
像記録材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好まし
くは0.05〜0.5重量%である。
【0142】以上のようにして、本発明の画像記録材料
を用いた平版印刷用版材を作成することができる。この
平版印刷用版材は、波長760nmから1200nmの
赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画
像露光される。本発明においては、レーザ照射後すぐに
現像処理を行っても良いが、レーザ照射工程と現像工程
の間に加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理の条件
は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜5分間行うこ
とが好ましい。この加熱処理により、レーザ照射時、記
録に必要なレーザエネルギーを減少させることができ
る。
【0143】必要に応じて加熱処理を行った後、本発明
の画像記録材料はアルカリ性水溶液にて現像される。本
発明の画像記録材料の現像液および補充液としては従来
より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例え
ば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリ
ウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリ
ウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニ
ウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ
塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチル
アミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、
ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−
ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールア
ミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エ
チレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用い
られる。これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を
組み合わせて用いられる。これらのアルカリ剤の中で特
に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウ
ム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成
分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2
の比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためで
あり、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭
57−7427号に記載されているようなアルカリ金属
ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0144】更に自動現像機を用いて現像する場合に
は、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)
を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の
現像液を交換する事なく、多量の平版印刷用版材を処理
できることが知られている。本発明においてもこの補充
方式が好ましく適用される。現像液および補充液には現
像性の促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部
の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活
性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤とし
ては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性
界面活性剤があげられる。更に現像液および補充液には
必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、
亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩
等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤
を加えることもできる。上記現像液および補充液を用い
て現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有
するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂
化液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷用版
材として使用する場合の後処理としては、これらの処理
を種々組み合わせて用いることができる。
【0145】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広
く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と
後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理
液槽およびスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を
水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をス
プレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。
また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイ
ドロールなどによって印刷用版材を浸漬搬送させて処理
する方法も知られている。このような自動処理において
は、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補
充しながら処理することができる。また、実質的に未使
用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用
できる。
【0146】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版
をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61
−2518号、同55−28062号、特開昭62−3
1859号、同61−159655号の各公報に記載さ
れているような整面液で処理することが好ましい。その
方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂
綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たした
バット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コー
ターによる塗布などが適用される。また、塗布した後で
スキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量
を均一にすることは、より好ましい結果を与える。整面
液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2 (乾燥重
量)が適当である。
【0147】整面液が塗布された平版印刷版は必要であ
れば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば
富士写真フイルム(株)より販売されているバーニング
プロセッサー:BP−1300)などで高温に加熱され
る。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成してい
る成分の種類にもよるが、100〜300℃の範囲で1
〜20分の範囲が好ましい。バーニング処理された平版
印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従
来より行なわれている処理を施こすことができるが水溶
性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合に
はガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略すること
ができる。この様な処理によって得られた平版印刷版は
オフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いら
れる。
【0148】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0149】(実施例1〜6) [支持体の作成]厚さ0.03mmのアルミニウム板を
ナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁
液を用いその表面を砂目立てした後、水洗した。10%
水酸化ナトリウムに60℃で40秒間浸せきしてエッチ
ングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄、水洗
した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番
波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/
dm2 の陽極電気量で電解粗面化処理を行った。その表
面粗さを測定したところ、0.6μm(Ra表示)であ
った。引き続いて30%の硝酸水溶液中に浸せきし55
℃で1分間デスマットした後、20%硝酸水溶液中で、
電流密度2A/dm2 のおいて厚さが2.7g/m2
なるように陽極酸化し、基板(I)を調製した。
【0150】[親水層の形成]このように処理された基
板(I)の表面に下記組成の親水層塗布液(A)〜
(F)を塗布し80℃、30秒間乾燥した。乾燥後の皮
膜量は20mg/m2 であった。
【0151】−親水層塗布液組成− 表1の化合物(a)〜(f) 0.10g 純水 50g メタノール 50g
【0152】
【表1】
【0153】このようにして基板(II)〜(VII)を作
製した。
【0154】[画像形成層の形成] −架橋剤[KZ−9]の合成− 1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エ
チル]―4―[α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エチル]ベンゼンを、水酸化カリウム水溶液中で、
ホルマリンと反応させた。反応溶液を硫酸で酸性とし晶
析させ、さらにメタノールから再結晶することにより、
下記構造の架橋剤[KZ−9]を得た。逆相HPLCに
より純度を測定したところ、92%であった。
【0155】
【化52】
【0156】−バインダーポリマー[BP−1]の入手
− 丸善石油化学(株)製のポリ(p−ヒドロキシスチレ
ン)、マルカ リンカーM S−4P(商品名)を入手
し、[BP−1]とした。
【0157】次に、下記溶液[P]を調製し、この溶液
を、上記の親水層を形成したアルミニウム支持体である
基板(I)〜(VII)に塗布し、100℃で1分間乾燥
してネガ型平版印刷用版材[P−1]〜[P−7]を得
た。乾燥後の被覆量は1.5g/m2 であった。
【0158】 溶液[P] 酸発生剤[SH−1] 0.3 g 架橋剤[KZ−9] 0.5 g バインダーポリマー[BP−1] 1.5 g 赤外線吸収剤[IK−1] 0.07g AIZEN SPILON BLUE C−RH 0.035g (保土ヶ谷化学(株)製) フッ素系界面活性剤 0.01g (メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製) 無水フタル酸 0.05g メチルエチルケトン 12 g メチルアルコール 10 g 1−メトキシ−2−プロパノール 8 g
【0159】酸発生剤[SH−1]および赤外線吸収剤
[IK−1]の構造を以下に示す。
【0160】
【化53】
【0161】得られたネガ型平版印刷用版材[P−1]
〜[P−7]を、波長820〜850nm程度の赤外線
を発する半導体レーザで走査露光した。露光後、パネル
ヒーターにて、110℃で30秒間加熱処理した後、富
士写真フイルム(株)製現像液、DP−4(1:8の水
希釈液)にて現像して、平版印刷版を得た。
【0162】前記平版印刷版を用いて、ハイデルベルク
社製のハイデルKOR−D機で上質紙に印刷した。50
00枚印刷毎にクリーナー液(富士写真フイルム(株)
製:「プレートクリーナーCL2」)で版面を拭きなが
ら印刷した。それぞれの印刷版で正常な印刷物が得られ
た枚数をカウントして耐刷力の目安とした。また、得ら
れた印刷物の汚れ性を目視で下記の基準に従って評価し
た。
【0163】−汚れ− 〇:非画像部に全く汚れを生じなかった △:非画像部に部分的に薄い汚れが生じた ×:非画像部にはっきり汚れが生じた 以上の結果を下記表2に示した。
【0164】
【表2】
【0165】(比較例1〜4)実施例1の基板におい
て、親水層塗布液に添加する有機化合物として以下に示
すものを用いた。 (g)カルボキシメチルセルロース(分子量25,00
0)、(h)ポリビニルホスホン酸(分子量1,00
0)、(i)β−アラニンをそれぞれ水に溶解して下塗
り液(G)、(H)、(I)を作り乾燥後の皮膜量が2
0mg/m2 となるように基板(I)上に設けて、それ
ぞれ基板(VIII)、基板(IX)、基板(X)を作製し
た。ここで用いた親水性塗布液に添加した有機化合物を
前記表1に併記した。
【0166】この基板(VIII)〜(X)上に実施例1と
同様の画像形成層を設けてネガ型平版印刷用版材[P−
8]〜[P−10]を得た。これを前記と同様の条件で
製版、印刷を行い、耐刷性、汚れ性を評価した。結果を
前記表2に併記した。
【0167】表2の結果より明らかなように、本発明の
親水層を設けた記録材料は、平版印刷版材料として好適
であり、得られた平版印刷版は、耐刷性、汚れ性に優れ
ていたが、親水層を設けなかった比較例1及び親水性で
はあるが、本発明の範囲外の有機化合物添加した親水層
を設けた比較例2〜4の印刷版は、耐刷性、汚れ性のい
ずれかが劣っていることがわかった。
【0168】
【発明の効果】本発明のネガ型画像記録材料は、赤外線
を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録す
ることにより、コンピューター等のデジタルデータから
直接製版可能であり、レーザ露光時の感度が高く、現像
後の非画像部における感光層成分の残存が少なく、且
つ、画像部と支持体との密着性、耐刷性に優れていると
いう効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗面化処理し、さらに陽極酸化処理を施
    したアルミニウム製支持体上に、 (a)アミノ基及び(b)ホスフィン酸基、ホスホン酸
    基及びリン酸基から選択される基を有する有機化合物又
    はその塩を含む親水層、 赤外線感光性ネガ型画像形成層、 を順次積層したことを特徴とするネガ型画像記録材料。
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