JP3980151B2 - ネガ型画像記録材料 - Google Patents

ネガ型画像記録材料 Download PDF

Info

Publication number
JP3980151B2
JP3980151B2 JP03261098A JP3261098A JP3980151B2 JP 3980151 B2 JP3980151 B2 JP 3980151B2 JP 03261098 A JP03261098 A JP 03261098A JP 3261098 A JP3261098 A JP 3261098A JP 3980151 B2 JP3980151 B2 JP 3980151B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
acid
recording material
image recording
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP03261098A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11231509A (ja
Inventor
治雄 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP03261098A priority Critical patent/JP3980151B2/ja
Publication of JPH11231509A publication Critical patent/JPH11231509A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3980151B2 publication Critical patent/JP3980151B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷用版材として使用できる画像記録材料に関するものであり、特にコンピュータ等のデジタル信号から赤外線レーザを用い直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷用版材用のネガ型画像記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータのデジタルデータから直接製版するシステムは種々検討されており、中でもレーザを用い露光する技術が、近年におけるレーザの発展に伴い注目されている。このレーザ、特に波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小型のものが容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光源として、これらのレーザは非常に有用である。しかし、実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が760nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線レーザでは画像記録できない。このため、赤外線レーザで記録可能な材料が望まれている。
【0003】
このような赤外線レーザにて記録可能な画像記録材料としては、特開平9−43845号に記載されている。これらの記録材料はその支持体として、通常、アルミニウム板を用いている。アルミニウム製支持体は、通常ブラシグレイン法やボールグレイン法のごとき機械的な方法や電解グレイン法のごとき電気科学的方法あるいは両者を組合せた方法などの粗面化処理に付され、その表面が梨地状にされたのち、酸またはアルカリ等の水溶液によりエッチングされ、さらに陽極酸化処理を経たのち所望により親水化処理が施される。このようにして得られた支持体上に、上記の如きネガ型感光層を設けて、これを赤外線レーザにより画像露光した後、加熱処理し、現像を行い、ガム引き工程を経て印刷版とされる。
このような印刷版においては、非画像部に感光層に含まれる物質が不可逆的に吸着しやすく、非画像部の汚染や印刷汚れの原因ともなり、特に熱現像を行うネガ型の場合、その傾向が著しいという問題があった。
【0004】
これを改善する方法として、例えばβアラニン等のアミノ酸を中間層に用いる方法が、特開昭60−149491号公報に提案されている。
しかしながら、本発明の如く赤外線感光性のネガ型感光層の場合には、耐刷性が大幅に低下するなどの問題を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、レーザ露光時の感度が高く、且つ、画像部と支持体との密着性、耐刷性に優れ、現像後の非画像部における感光層成分の残存が少ないネガ型画像記録材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ネガ型画像記録材料の構成成分に着目し、鋭意検討の結果、親水化処理した支持体上に、特定の官能基を有する有機化合物を含む中間層を形成することにより上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明のネガ型画像記録材料は、粗面化処理し、さらに陽極酸化処理を施したアルミニウム製支持体上に、(a)アミノ基及び(b)ホスフィン酸基、ホスホン酸基及びリン酸基から選択される基を有し、かつ、ホスホン酸基を有する場合は1つのみ有する有機化合物又はその塩を含む親水層、シアニン色素、オニウム塩、及び、アルカリ可溶性樹脂を含有する赤外線感光性ネガ型画像形成層、を順次積層したことを特徴とする。
また、本発明のネガ型画像記録材料は、粗面化処理し、さらに陽極酸化処理を施したアルミニウム製支持体上に、(a)アミノ基及び(b’)1つのホスホン酸基を有する有機化合物又はその塩を含む親水層、シアニン色素、オニウム塩、及び、アルカリ可溶性樹脂を含有する赤外線感光性ネガ型画像形成層、を順次積層したことを特徴とする。
さらに本発明のネガ型画像記録材料は、酸により架橋する架橋剤を含有することが好ましい。
ここで、アルミニウム製支持体上に形成された陽極酸化被膜量は1.0〜6.0g/m2 であることが好ましい。
【0008】
本発明のネガ型画像記録材料においては、親水層に含まれる有機化合物が、親水化処理されたアルミニウム製支持体との親和性の高い(a)アミノ基と、感光性を形成する化合物との親和性が良好で、前記アミノ基やアルミニウム支持体との反撥性を有する(b)ホスフィン酸基、ホスホン酸基及びリン酸基から選択される基を有するため、画像部においては、親水層を介して支持体と画像形成層とが強固に密着し、非画像部においては、露出した親水層とそこに含まれるアミノ基やアルミニウム支持体との反撥性を有する(b)の官能基の働きで、画像形成層組成物の支持体への残存を効果的に防止しうるものと考えられる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の各構成成分などについて順次、詳細に説明するが、まず、本発明の特徴的な成分である親水層成分について述べる。
【0010】
本発明において用いられる「(a)アミノ基及び(b)ホスホン酸基、ホスフィン酸基及びリン酸基から選択される基を有する有機化合物」には、次のようなものが含まれる。
アミノ基としては置換及び無置換の一般式(I)を有する構造のものが好適に用いられ、好ましくは、無置換のアミノ基である。
【0011】
【化1】
Figure 0003980151
【0012】
式中、R1 及びR 2は独立に水素原子、炭素数1から5の置換または無置換のアルキル基を示す。
この明細書において、ホスホン酸基、ホスフィン酸基及びリン酸基とはそれぞれ一般式(II)、(III)及び(IV)で表される基をいう。
【0013】
【化2】
Figure 0003980151
【0014】
式中、R3 、R4 及びR5 は、水素原子または炭素原子数1〜5の置換または無置換のアルキル基を示す。
【0015】
本発明に好適に用いられるものは、R3 、R4 、R5 が水素原子である下記に示す基(II−1)〜(IV−1)であり、
【0016】
【化3】
Figure 0003980151
【0017】
さらに好ましくは前記のうち、(II−1)である。
【0018】
本発明における有機化合物の(a)アミノ基と(b)ホスホン酸基、ホスフィン酸基及びリン酸基から選択される基を結合する炭素原子は、1〜10個が好ましく、さらに好ましくは1〜3である。また炭素原子は、芳香環(窒素原子、酸素原子、硫黄原子が入っている場合も含む)をなしていてもよいが、環状でないものが好ましい。また、この有機化合物は、塩の形として用いてもよい。
塩を形成させる好ましい化合物の例は、塩酸、硫酸、硝酸、スルホン酸(メタンスルホン酸等)、蟻酸、アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アンモニア、低級アルカノールアミン(トリエタノールアミン等)、低級アルキルアミン(トリエチルアミン等)などである。
【0019】
なお、前述のように、特開昭63−165183号公報には、アミノ基及びホスホン酸基を有する化合物又はその塩を下塗りする方法が開示されているが、該公報にはホスホン酸基を2つ以上有する化合物しか開示されておらず、それらの化合物では前述のように残色の低減が不十分であり、耐刷力が、低下するという問題があった。
【0020】
本発明で用いられる有用な有機化合物を具体的に挙げると、アミノ基とホスホン酸基とを有するホスホン酸系化合物としては、アミノメチルホスホン酸、1−アミノエチルホスホン酸、1−ジメチルアミノエチルホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、2−(N−メチルアミノ)エチルホスホン酸、3−アミノプロピルホスホン酸、2−アミノプロピルホスホン酸、1−アミノプロピルホスホン酸、1−アミノプロピル−2−クロループロピルホスホン酸、2−アミノブチルホスホン酸、3−アミノブチルホスホン酸、1−アミノブチルホスホン酸、4−アミノブチルホスホン酸、2−アミノペンチルホスホン酸、5−アミノペンチルホスホン酸、2−アミノヘキシルホスホン酸、5−アミノヘキシルホスホン酸、4−アミノフェニルホスホン酸、4−アミノ−2−メチルフェニルホスホン酸、4−アミノ−3−フルオロホスホン酸などが挙げられる。
アミノ基とホスフィン基とを有するホスフィン酸類としては、上記の例示化合物のホスホン酸基をホスフィン酸基にかえた化合物、例えば2−アミノエチルホスフィン酸などが挙げられる。また、リン酸類としては、同様に上記ホスホン酸化合物のホスホン酸基をリン酸基にかえた化合物、例えば2−アミノエチルリン酸などが挙げられる。
【0021】
これらの有機化合物は、先に述べたように塩の形にして用いても同様の効果を奏するものであり、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、スルホン酸塩(メタンスルホン酸等)、蟻酸塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩、トリエチルアミン塩などの形にして用いることもできる。
【0022】
本発明の記録材料において支持体として用いられるアルミニウム板は、純アルミニウムや、アルミニウムを主成分とし、微量の異原子を含むアルミニウム合金等の板状体である。この異原子には、珪素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異原子の含有量は10重量%以下であることが好ましい。本発明に好適な支持体は、純アルミニウム製のものであるが、完全に純粋なアルミニウムは、精錬技術上製造が困難であるが、できるだけ異原子の含有量の低いものを選択することが好ましい。また、上述した異原子の含有量が10重量%程度までのアルミニウム合金であれば、本発明に適用しうる素材ということができる。このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来公知、公用の素材のものを適宜利用することができる。本発明に用いられるアルミニウム板の厚さは、およそ0.1mm〜0.5mm程度である。
アルミニウム板を粗面化処理するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための、例えば界面活性剤又はアルカリ性水溶液による脱脂処理が行われる。
【0023】
なお本発明のネガ型感光性記録材料は、片面のみ画像形成に使用できるものであっても、両面とも同様な処理によって使用できるものとしてもよい。両面とも処理する場合には、同じ処理を支持体の両面に施せばよいため、以下は、片面処理の場合について説明する。
【0024】
粗面化処理法としては、機械的に表面を粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的に表面を粗面化する方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法等と称せられる公知の方法を用いることができる。また電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組合せた方法も利用することができる。
このように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、陽極酸化処理される。
【0025】
アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成しうるものであれば、いかなるものでも使用することができるが、一般には硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられ、それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧1〜100V、電解時間10秒〜50分の範囲にあれば適当である。
【0026】
陽極酸化皮膜の量は1.0〜6.0g/m2 程度が好適であるが、より好ましくは2.0〜5.0g/m2 の範囲である。陽極酸化皮膜が1.0g/m2 より少ないと耐刷性が不十分であったり、記録材料の非画像部に傷がつき易くなって、印刷時に、傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。また、6.0g/m2 を超えても、効果の向上はみられず、いずれも好ましくない。 上述の如き処理を施したアルミニウム板の陽極酸化皮膜上に、下記の種々の方法で、前記特定の有機化合物又はその塩を含む親水層を設ける。
【0027】
親水層の形成方法には、水又はメタノール、エタノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物又はその塩を溶解させた溶液を塗布、乾燥して親水層を設ける方法と、水又はメタノール、エタノールなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に、上記の有機化合物又はその塩を溶解させた溶液に、上述の陽極酸化を施したアルミニウム板を浸漬して本発明における有機化合物又はその塩を吸着させ、しかる後、水などによって、洗浄、乾燥して親水層を設ける方法がある。前者の方法では、上記のような有機化合物又はその塩を0.005〜10重量%の濃度で溶解した塗布液を公知の種々の方法で塗布できる。例えばバーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布等のいずれの方法を用いてもよい。また、本発明の有機化合物又はその塩を溶解した溶液に浸漬後、水などによって洗浄する方法では、溶液の濃度は0.001〜20重量%、好ましくは0.005〜5重量%であり、浸漬温度は20℃〜90℃、好ましくは25℃〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0028】
親水層の乾燥後の被覆量は、2mg/m2 〜200mg/m2 が適当であり、好ましくは3mg/m2 〜60mg/m2 である。
上記の被覆量が2mg/m2 より少なくなるにつれて非画像部の汚れ防止等に効果が少なくなっていき、他方、200mg/m2 より多くなるにつれて感光層と支持体との密着性が劣化し、耐刷力の低い記録材料しか得られなくなる。
【0029】
本発明の親水層を設ける際に使用する溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウム等の塩基性物質や、塩酸、リン酸等の酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、ネガ型感光性記録材料の調子再現性改良のため、黄色染料を添加することもできる。
【0030】
また本発明の親水層には公知の親水性化合物、例えばカルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアゴム、ホスホン酸類、グリシンやβーアラニンなどのアミノ酸類、トリエタノールアミンの塩酸塩等のヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等を混合させることができる。本発明の親水性層は、上記本発明の有機化合物又はその塩を少なくとも30重量%含むことが望ましい。
このような親水層を設ける前又は後に、陽極酸化されたアルミニウム板を米国特許第3181461号に記載されているように、アルカリ金属シリケート(例えば珪素ソーダ)の水溶液で処理することができる。
【0031】
本発明のネガ型画像記録材料においては、前記のごとくして得られた親水化処理されたアルミニウム製支持体上に親水層を設け、その上に赤外線感光性ネガ型画像形成層を設ける。
この画像形成層には、(A)光又は熱により分解して酸を発生する化合物、(B)酸により架橋する架橋剤、(C)アルカリ可溶性樹脂の少なくとも1種、及び(D)赤外線吸収剤が含まれるが、これらの構成成分について、以下に説明する。
【0032】
[(A)光又は熱により分解して酸を発生する化合物]
本発明において光又は熱により分解して酸を発生する化合物(以下、適宜、酸発生剤と称する)とは、200〜500nmの波長の光照射又は100℃以上の加熱により酸を発生する化合物を指す。本発明において好適に用いられる酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の熱分解して酸を発生する化合物、及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0033】
例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et al,Polymer,21,423(1980)に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同Re27,992号、特開平4−365049号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad,Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104、143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer
【0034】
Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromolecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同390,214号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、
【0035】
J.V.Crivello et al,Macromolecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986),T.P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2−161445号に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase et al,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et al,J Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amitet al,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973),
【0036】
D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.3571(1965)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Perkin I,1695(1975)、M.Rudinstein et al,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al,J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan et al,Macromolecules,21,2001(1988)、P.M.Collins et al,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972)、S.Hayase et al,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al,J.Electrochem.Soc.,SolidState Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al,Macromolecules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号に記載のo−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.Tunooka et al,Polymer Preprints Japan,38(8)、G.Berner et al,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs et al,Coating Technol.,55(697),45(1983)、Akzo,H.Adachi et al,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第4,618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特願平3−140109号に記載のイミノスルフォネート等に代表される、光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544号に記載のジスルホン化合物を挙げることができる。
【0037】
またこれらの酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、例えば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104,5586(1982)、S.P.Pappaset al,J.Imaging Sci.,30(5),218(1986)、S.Kondo et al. Makromol.Chem.,RapidCommun.,9,625(1988)、Y.Yamada et al,Makromol.Chem.,152,153,163(1972)、J.V.Crivello et al.J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、独国特許第3,914,407、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146037、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号に記載の化合物を用いることができる。
【0038】
更に、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem,Soc,.(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
これらのうち本発明で特に好ましく用いられる酸発生剤としては、下記一般式(I)〜(V)で表される化合物が挙げられる。
【0039】
【化4】
Figure 0003980151
【0040】
(式中、R1 、R2 、R4 及びR5 は、同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を示す。R3 はハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数10個以下の炭化水素基叉は炭素数10個以下のアルコキシ基を示す。Ar1 、Ar2 は、同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数20個以下のアリール基を示す。R6 は置換基を有していてもよい炭素数20個以下の2価の炭化水素基を示す。nは0〜4の整数を示す。)
【0041】
上記一般式(I)〜(V)において、R1 、R2 、R4 及びR5 は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数20個以下の炭化水素基を示し、好ましくは炭素数1〜14の炭化水素基を示す。
炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ウンデシル基、ドデシル基等のアルキル基、アリル基、ビニル基、1−メチルビニル基、2−フェニルビニル基等のアルケニル基、ベンジル基等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基が挙げられる。
これらの炭化水素基は、例えばハロゲン原子、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基等の置換基を有していてもよい。置換基を有する炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基、クロロエチル基、2−メトキシエチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メトキシフェニルビニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、9,10−ジメトキシアントラセニル基等が挙げられる。
【0042】
3 はハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数10個以下の炭化水素基(例えば、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基)叉は炭素数10個以下のアルコキシ基を示す。
具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素のハロゲン原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基等の炭化水素基、2−メトキシエチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基等置換基を有する炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基が挙げられる。
また、nが2以上の場合、隣接する2個のR3 で互いに結合し縮環していてもよい。
【0043】
Ar1 、Ar2 は同じであっても異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数20個以下のアリール基、好ましくは炭素数6〜14のアリール基を示す。
具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、クロロナフチル基、メトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、エトキシナフチル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、ニトロナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
6 は置換基を有していてもよい炭素数20個以下の2価の炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アラルキレン基、アリーレン基)を示す。
具体的には、エチニレン基、1,2−シクロヘキセニレン基、1,2−フェニレン基、4−クロロ−1,2−フェニレン基、4−ニトロ−1,2−フェニレン基、4−メチル−1,2−フェニレン基、4ーメトキシ−1,2−フェニレン基、4−カルボキシ−1,2−フェニレン基、1,8−ナフタレニレン基等が挙げられる。
nは0〜4の整数を示す。ここで、nが0の場合は、R3 がないこと、すなわち、水素原子であることを示す。
【0044】
一般式化合物(I)〜(V)で表される化合物の内、好ましいものを以下に挙げる。
尚、これらの化合物は、例えば特開平2−100054号及び特開平2−100055号に記載の方法にて合成することができる。
【0045】
【化5】
Figure 0003980151
【0046】
【化6】
Figure 0003980151
【0047】
【化7】
Figure 0003980151
【0048】
【化8】
Figure 0003980151
【0049】
【化9】
Figure 0003980151
【0050】
【化10】
Figure 0003980151
【0051】
【化11】
Figure 0003980151
【0052】
【化12】
Figure 0003980151
【0053】
【化13】
Figure 0003980151
【0054】
【化14】
Figure 0003980151
【0055】
【化15】
Figure 0003980151
【0056】
また、(A)光または熱により分解して酸を発生する化合物として、ハロゲン化物やスルホン酸などを対イオンとするオニウム塩、好ましくは下記一般式(VI)〜(VIII)で示されるヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩のいずれかの構造を有するものも、好適に挙げることができる。
【0057】
【化16】
Figure 0003980151
【0058】
(式中、X- は、ハロゲン化物イオン、ClO4 - 、PF6 - 、SbF6 - 、BF4 - 、又はR7 −SO3 - が挙げられ、ここで、R7 は置換基を有していても良い炭素数20以下の炭化水素基を示す。Ar3 、Ar4 はそれぞれ、置換基を有していても良い炭素数20以下のアリール基を示す。R8 、R9 、R10は置換基を有していても良い炭素数18以下の炭化水素基を示す。)
上記一般式において、X- としては、R7 −SO3 - が特に好ましく用いられ、ここで、R7 としては置換基を有していても良い炭素数20以下の炭化水素基を示す。R7 で表される炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、ビニル基、1−メチルビニル基、2−フェニルビニル基等のアルケニル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等のアリール基が挙げられる。
【0059】
これらの炭化水素基は、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリルオキシ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アニリノ基、アセトアミド基等の置換基を有していても良い。置換基を有する炭化水素基の具体例としては、トリフルオロメチル基、2−メトキシエチル基、10−カンファーニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシナフチル基、ジメトキシアントラセニル基、ジエトキシアントラセニル基、アントラキノニル基、等が挙げられる。
【0060】
Ar3 、Ar4 はそれぞれ、置換基を有していても良い炭素数20以下のアリール基を示し、具体的には、フェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ドデシルフェニル基、フェニルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェノキシフェニル基、ニトロフェニル基、シアノフェニル基、カルボキシフェニル基、アニリノフェニル基、アニリノカルボニルフェニル基、モルホリノフェニル基、フェニルアゾフェニル基、メトキシナフチル基、ヒドロキシナフチル基、ニトロナフチル基、アントラキノニル基等が挙げられる。
【0061】
8 、R9 、R10はそれぞれ独立に、置換基を有していても良い炭素数18以下の炭化水素基を示し、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、アリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、トリル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、等の炭化水素基、2−メトキシエチル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ヨードフェニル基、メトキシフェニル基、ヒドロキシフェニル基、フェニルチオフェニル基、ヒドロキシナフチル基、メトキシナフチル基、ベンゾイルメチル基、ナフトイルメチル基、等置換基を有する炭化水素基が挙げられる。
また、R8 とR9 とが互いに結合し環を形成していても良い。
【0062】
一般式(VI)〜(VIII)で表されるオニウム塩のカチオン部としては、ヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、ジアゾニウムイオンが挙げられる。これらのオニウム塩のカチオン部について、以下に具体的な構造を示すが、これらに限定されるものではない。
【0063】
【化17】
Figure 0003980151
【0064】
【化18】
Figure 0003980151
【0065】
【化19】
Figure 0003980151
【0066】
【化20】
Figure 0003980151
【0067】
【化21】
Figure 0003980151
【0068】
また、その他のジアゾニウム塩の好ましいカチオン部の具体的な構造としては、以下のものが挙げられる。
【0069】
【化22】
Figure 0003980151
【0070】
【化23】
Figure 0003980151
【0071】
【化24】
Figure 0003980151
【0072】
【化25】
Figure 0003980151
【0073】
【化26】
Figure 0003980151
【0074】
一方、これらのオニウム塩のカウンターアニオンのうち、特に良好に用いられるスルホネートイオンの例としては、
1)メタンスルホネート、
2)エタンスルホネート、
3)1−プロパンスルホネート、
4)2−プロパンスルホネート、
5)n−ブタンスルホネート、
6)アリルスルホネート、
7)10−カンファースルホネート、
8)トリフルオロメタンスルホネート、
9)ペンタフルオロエタンスルホネート、
10)ベンゼンスルホネート、
11)p−トルエンスルホネート、
12)3−メトキシベンゼンスルホネート、
13)4−メトキシベンゼンスルホネート、
14)4−ヒドロキシベンゼンスルホネート、
15)4−クロロベンゼンスルホネート、
16)3−ニトロベンゼンスルホネート、
17)4−ニトロベンゼンスルホネート、
18)4−アセチルベンゼンスルホネート、
19)ペンタフルオロベンゼンスルホネート、
20)4−ドデシルベンゼンスルホネート、
21)メシチレンスルホネート、
22)2、4、6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、
23)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホネート、
24)イソフタル酸ジメチル−5−スルホネート、
25)ジフェニルアミン−4−スルホネート、
26)1−ナフタレンスルホネート、
27)2−ナフタレンスルホネート、
28)2−ナフトール−6−スルホネート、
29)2−ナフトール−7−スルホネート、
30)アントラキノン−1−スルホネート、
31)アントラキノン−2−スルホネート、
32)9、10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネート、
33)9、10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、
34)キノリン−8−スルホネート、
35)8−ヒドロキシキノリン−5−スルホネート、
36)8−アニリノ−ナフタレン−1−スルホネート
などが挙げられる。
【0075】
また、
41)m−ベンゼンジスルホネート、
42)ベンズアルデヒド−2、4−ジスルホネート、
43)1、5−ナフタレンジスルホネート、
44)2、6−ナフタレンジスルホネート、
45)2、7−ナフタレンジスルホネート、
46)アントラキノン−1、5−ジスルホネート、
47)アントラキノン−1、8−ジスルホネート、
48)アントラキノン−2、6−ジスルホネート、
49)9、10−ジメトキシアントラセン−2、6−ジスルホネート、
50)9、10−ジエトキシアントラセン−2、6−ジスルホネート、
などのジスルホネート類とオニウム塩カチオン2当量との塩も用いることができる。
【0076】
本発明で良好に用いられるオニウム塩スルホネートは、対応するCl- 塩などを、スルホン酸またはスルホン酸ナトリウムまたはカリウム塩と水中、あるいはアルコールなどの親水性溶媒と水との混合溶媒中でまぜあわせて塩交換を行うことにより、得ることができる。
オニウム化合物の合成は既知の方法で行うことができ、たとえば丸善・新実験化学講座14−I巻の2・3章(p.448)、14−III 巻の8・16章(p.1838)、同7・14章(p.1564)、J.W.Knapczyk他、ジャーナル オブ アメリカン ケミカルソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)91巻、145(1969)、A.L.Maycok他、ジャーナルオブ オーガニック ケミストリィ(J.Org.Chem.)35巻、2532(1970)、J.V.Crivello他、ポリマー ケミストリィ エディション(Polym.Chem.Ed.)18巻、2677(1980)、米国特許第2,807,648号、同4,247,473号、特開昭53−101331号、特公平5−53166号公報等に記載の方法で合成することができる。
本発明で酸発生剤として良好に使用されるオニウム塩スルホネートの好ましい例を以下に示す。
【0077】
【化27】
Figure 0003980151
【0078】
【化28】
Figure 0003980151
【0079】
【化29】
Figure 0003980151
【0080】
【化30】
Figure 0003980151
【0081】
【化31】
Figure 0003980151
【0082】
【化32】
Figure 0003980151
【0083】
【化33】
Figure 0003980151
【0084】
【化34】
Figure 0003980151
【0085】
【化35】
Figure 0003980151
【0086】
【化36】
Figure 0003980151
【0087】
【化37】
Figure 0003980151
【0088】
【化38】
Figure 0003980151
【0089】
これらの酸発生剤は、画像記録材料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜25重量%、より好ましくは0. 5〜20重量%の割合で画像記録材料中に添加される。添加量が0.01重量%未満の場合は、画像が得られず、また添加量が50重量%を超える場合は、印刷時に非画像部に汚れが発生するためいずれも好ましくない。
これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0090】
[(B)酸により架橋する架橋剤]
本発明に用いることのできる酸により架橋する架橋剤(以下、適宜、「酸架橋剤」又は単に「架橋剤」と称する)ついて説明する。
本発明に好ましく用いられる架橋剤としては、以下のものが挙げられる。
(i)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物
(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物
(iii) エポキシ化合物
これらについて詳細に説明する。
(i)アルコキシメチル基若しくはヒドロキシメチル基で置換された芳香族化合物としては、例えば、ヒドロキシメチル基、アセトキシメチル基、若しくはアルコキシメチル基でポリ置換されている芳香族化合物及び複素環化合物が挙げられる。但し、レゾール樹脂として知られるフェノール類とアルデヒド類とを塩基性条件下で重縮合させた樹脂状の化合物は含まない。レゾール樹脂は架橋性に優れるものの、熱安定性が充分でなく、特に感光性の材料に含有させて高温下に長期間保存した場合、均一な現像が困難となり好ましくない。
【0091】
ヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基でポリ置換された芳香族化合物及び複素環化合物のなかでは、ヒドロキシ基に隣接する位置にヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を有する化合物を好ましい例として挙げることができる。アルコキシメチル基の場合はアルコキシメチル基が炭素数18以下の化合物であることが好ましい。特に好ましい例として下記一般式(1)〜(4)で表される化合物を挙げることができる。
【0092】
【化39】
Figure 0003980151
【0093】
【化40】
Figure 0003980151
【0094】
前記各式中、L1 〜L8 はそれぞれ独立にメトキシメチル、エトキシメチル等のように炭素数十八以下のアルコキシ基で置換されたヒドロキシメチル基又はアルコキシメチル基を示す。
これらは架橋効率が高く、耐刷性を向上させることができる点で好ましい。上記に例示された架橋性化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0095】
(ii)N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有する化合物としては、欧州特許公開(以下、EP−Aと記載する)第0,133,216号、西独特許第3,634,671号、同第3,711,264号に開示された単量体及びオリゴマー−メラミン−ホルムアルデヒド縮合物並びに尿素−ホルムアルデヒド縮合物、EP−A第0,212,482号に開示されたアルコキシ置換化合物等が挙げられる。
さらに好ましい例としては、例えば、少なくとも2個の遊離N−ヒドロキシメチル基、N−アルコキシメチル基若しくはN−アシルオキシメチル基を有するメラミン−ホルムアルデヒド誘導体が挙げられ、中でもN−アルコキシメチル誘導体が特に好ましい。
【0096】
(iii) エポキシ化合物としては、一つ以上のエポキシ基を含む、モノマー、ダイマー、オリゴマー、ポリマー状のエポキシ化合物を挙げることができる。例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応生成物、低分子量フェノール−ホルムアルデヒド樹脂とエピクロルヒドリンとの反応生成物等が挙げられる。その他、米国特許第4,026,705号公報、英国特許第1,539,192号公報に記載され、使用されているエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0097】
以上の(i)〜(iii) の本発明に用いることのできる架橋剤は、画像記録材料全固形分に対し、5〜80重量%、好ましくは10〜75重量%、特に好ましくは20〜70重量%の範囲である。架橋剤の添加量が5重量%未満であると得られる画像記録材料の感光層の耐久性が悪化し、また、80重量%を超えると保存時の安定性の観点から好ましくない。
【0098】
(iv)本発明では、架橋剤として、下記一般式(5)で表されるフェノール誘導体を使用することも好ましい。
【0099】
【化41】
Figure 0003980151
【0100】
上記一般式(5)中、Ar1 は、置換基を有していても良い芳香族炭化水素環を示す。原料の入手性から、芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環またはアントラセン環が好ましい。また、好ましい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数12個以下の炭化水素基、炭素数12個以下のアルコキシ基、炭素数12個以下のアルキルチオ基、シアノ基、ニトロ基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。感度が高いという理由で、Ar1 としては、置換基を有していないベンゼン環およびナフタレン環、または、ハロゲン原子、炭素数6個以下の炭化水素基、炭素数6個以下のアルコキシ基、炭素数6個以下のアルキルチオ基、ニトロ基等を置換基として有するベンゼン環およびナフタレン環が特に好ましい。
1 およびR2 は、それぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭素数12個以下の炭化水素基を示す。合成が容易であるという理由から、R1 およびR2 は、水素原子またはメチル基であることが特に好ましい。R3 は、水素原子または炭素数12個以下の炭化水素基を示す。感度が高いという理由で、R3 は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等の炭素数7個以下の炭化水素基であることが特に好ましい。mは、2〜4の整数を示す。nは、1〜3の整数を示す。
【0101】
本発明において好適に用いられる上記一般式(5)で表されるフェノール誘導体の具体例を以下に示す(架橋剤[KZ−1]〜[KZ−8])が、本発明はこれに制限されるものではない。
【0102】
【化42】
Figure 0003980151
【0103】
【化43】
Figure 0003980151
【0104】
これらのフェノール誘導体は、従来公知の方法により合成できる。例えば[KZ−1]は、フェノール、ホルムアルデヒドおよび、ジメチルアミンやモルホリン等の2級アミンを反応させ、トリ(ジアルキルアミノメチル)フェノールとし、次に無水酢酸と反応させ、さらに炭酸カリウム等の弱アルカリ存在下、エタノールと反応させることにより、下記反応式[1]に表す如き経路で合成することができる。
【0105】
【化44】
Figure 0003980151
【0106】
さらに、別の方法によっても合成できる。例えば[KZ−1]は、フェノールとホルムアルデヒドまたはパラホルムアルデヒドを、KOH等のアルカリ存在下反応させ、2,4,6−トリヒドロキシメチルフェノールとし、引き続き硫酸等の酸存在下、エタノールと反応させることにより、下記反応式[2]に表す如き経路でも合成することができる。
【0107】
【化45】
Figure 0003980151
【0108】
これらのフェノール誘導体は単独で使用してもよく、また2種類以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらのフェノール誘導体を合成する際、フェノール誘導体同士が縮合して2量体や3量体等の不純物が副生成する場合があるが、これらの不純物を含有したまま用いても良い。なお、この場合でも、不純物は30%以下であることが好ましく、20%以下であることがさらに好ましい。
【0109】
本発明において、フェノール誘導体は全画像記録材料固形分中、5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%の添加量で用いられる。ここで、架橋剤としてのフェノール誘導体の添加量が5重量%未満であると画像記録した際の画像部の膜強度が悪化し、また、70重量%を越えると保存時の安定性の点で好ましくない。
【0110】
[(C)アルカリ可溶性樹脂]
本発明において使用されるアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂や側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーなどが挙げられる。
本発明においてアルカリ可溶性樹脂として使用しうるノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂である。
好ましいノボラック樹脂としては、例えばフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−またはm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂などが挙げられる。
これらのノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
【0111】
また、本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーも好ましく挙げることができる。
このポリマーにおいて、ヒドロキシアリール基とは−OH基が1個以上結合したアリール基を示す。アリール基としては例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基等を挙げることができるが、入手の容易さ及び物性の観点から、フェニル基あるいはナフチル基が好ましい。従って、ヒドロキシアリール基としては、ヒドロキシフェニル基、ジヒドロキシフェニル基、トリヒドロキシフェニル基、テトラヒドロキシフェニル基、ヒドロキシナフチル基、ジヒドロキシナフチル基等が好ましい。これらのヒドロキシアリール基は、さらに、ハロゲン原子、炭素数20個以下の炭化水素基、炭素数20個以下のアルコキシ基及び炭素数20個以下のアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。これらのヒドロキシアリール基は、ポリマーの側鎖としてペンダント状にポリマー主鎖へ結合しているが、主鎖との間に連結基を有していても良い。
【0112】
本発明において好適に用いられる、側鎖にヒドロキシアリール基を有するポリマーは、下記一般式(IX)〜(XII) で表される構成単位の内いずれか1種を含有するポリマーである。
【0113】
【化46】
Figure 0003980151
【0114】
(式中、R11は水素原子またはメチル基を示す。R12およびR13は、同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数10個以下の炭化水素基、炭素数10個以下のアルコキシ基又は、炭素数10個以下のアリールオキシ基を示す。また、R12とR13が結合して、縮環したベンゼン環やシクロヘキサン環を形成していても良い。R14は、単結合または、炭素数20個以下の2価の炭化水素基を示す。R15は、単結合または、炭素数20個以下の2価の炭化水素基を示す。R16は、単結合または、炭素数10個以下の2価の炭化水素基を示す。X1は、単結合、エーテル結合、チオエーテル結合、エステル結合またはアミド結合を示す。pは1〜4の整数を示す。q及びrはそれぞれ0〜3の整数を示す。)
【0115】
一般式(IX)〜(XII) で表される構成単位のうち、本発明において好適に用いられる具体的な構成単位の例を以下に挙げる。
【0116】
【化47】
Figure 0003980151
【0117】
【化48】
Figure 0003980151
【0118】
【化49】
Figure 0003980151
【0119】
【化50】
Figure 0003980151
【0120】
【化51】
Figure 0003980151
【0121】
これらのポリマーは、従来公知の方法により合成することができる。
例えば、一般式(IX)で表される構成単位を有するポリマーは、ヒドロキシ基を酢酸エステルあるいはt−ブチルエーテルとして保護された、対応するスチレン誘導体をラジカル重合もしくはアニオン重合しポリマーとした後、脱保護することにより得られる。
また、一般式(X)で表される構成単位を有するポリマーは、特開昭64−32256号および同64−35436号等に記載されている方法により合成することができる。
さらに、一般式(XI)で表される構成単位を有するポリマーは、ヒドロキシ基を有するアミン化合物と無水マレイン酸を反応させ、対応するモノマーを得た後、ラジカル重合によりポリマーとすることにより得られる。
また、一般式(XII) で表される構成単位を有するポリマーは、クロロメチルスチレンやカルボキシスチレン等、合成上有用な官能基を持つスチレン類を原料として一般(XII) に対応するモノマーへ誘導し、さらにラジカル重合によりリマーとすることにより得られる。
【0122】
本発明では、一般式(IX)〜(XII) で表される構成単位のみから成るホモポリマーであっても良いが、他の構成単位をも含む共重合体であっても良い。
好適に用いられる他の構成単位としては、例えば、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーより導入される構成単位が挙げられる。
【0123】
用いることのできるアクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、グリシジルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート等が挙げられる。
【0124】
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、2−(p−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート等が挙げられる。
【0125】
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0126】
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(p−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0127】
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
【0128】
これらのモノマーのうち特に好適に使用されるのは、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類及び、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルである。
【0129】
これらを用いた共重合体中に含まれる一般式(IX)〜(XII) で表される構成単位の割合は、5〜100重量%であることが好ましく、さらに好ましくは10〜100重量%である。
また、本発明で使用されるポリマーの分子量は好ましくは重量平均分子量で4000以上であり、更に好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量で好ましくは1000以上であり、更に好ましくは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらのポリマーは、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでも良いが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0130】
本発明で使用されるアルカリ可溶性樹脂は1種類のみで使用してもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用してもよい。アルカリ可溶性樹脂の添加量は全画像記録材料固形分中、5〜95重量%、好ましくは10〜95重量%、特に好ましくは20〜90重量%で用いられる。アルカリ可溶性樹脂の添加量が5重量%未満であると記録層の耐久性が悪化し、また、添加量が95重量%を超える場合は、画像形成されない。
【0131】
[(D)赤外線吸収剤]
本発明において使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmの赤外線を有効に吸収する染料または顔料である。好ましくは、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体などの染料が挙げられる。
好ましい染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0132】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
【0133】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0134】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0135】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを超えると画像記録層の均一性の点で好ましくない。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0136】
これらの染料もしくは顔料は、画像記録材料全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%、染料の場合特に好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合特に好ましくは1.0〜10重量%の割合で画像記録材料中に添加することができる。顔料もしくは染料の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を超えると印刷時非画像部に汚れが発生する。
これらの染料もしくは顔料は他の成分と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。
【0137】
[その他の成分]
本発明では、前記画像形成層に必須の成分に加え、必要に応じて種々の化合物を添加しても良い。
例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。
具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)など、あるいは特開昭62−293247号公報に記載されている染料を挙げることができる。
これらの染料は、画像形成後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加する方が好ましい。尚、添加量は、画像記録材料全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合である。
【0138】
また、本発明における画像記録材料中には、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。 上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の画像記録材料中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0139】
更に本発明の画像記録材料中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
これら以外にも、エポキシ化合物、ビニルエーテル類等を添加しても良い。
【0140】
本発明の画像記録材料は、通常上記各成分を溶媒に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより製造することができる。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチルラクトン、トルエン、水等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷用版材についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、見かけの感度は大になるが、画像記録膜の皮膜特性は低下する。
【0141】
本発明における画像記録層中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全画像記録材料固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0142】
以上のようにして、本発明の画像記録材料を用いた平版印刷用版材を作成することができる。この平版印刷用版材は、波長760nmから1200nmの赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露光される。本発明においては、レーザ照射後すぐに現像処理を行っても良いが、レーザ照射工程と現像工程の間に加熱処理を行うことが好ましい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。この加熱処理により、レーザ照射時、記録に必要なレーザエネルギーを減少させることができる。
【0143】
必要に応じて加熱処理を行った後、本発明の画像記録材料はアルカリ性水溶液にて現像される。
本発明の画像記録材料の現像液および補充液としては従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
これらのアルカリ剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭57−7427号に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
【0144】
更に自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換する事なく、多量の平版印刷用版材を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。
現像液および補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤があげられる。
更に現像液および補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
上記現像液および補充液を用いて現像処理された印刷版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の画像記録材料を印刷用版材として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0145】
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0146】
以上のようにして得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2 (乾燥重量)が適当である。
【0147】
整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:BP−1300)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、100〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0148】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0149】
(実施例1〜6)
[支持体の作成]
厚さ0.03mmのアルミニウム板をナイロンブラシと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその表面を砂目立てした後、水洗した。
10%水酸化ナトリウムに60℃で40秒間浸せきしてエッチングした後、流水で水洗後20%硝酸で中和洗浄、水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/dm2 の陽極電気量で電解粗面化処理を行った。その表面粗さを測定したところ、0.6μm(Ra表示)であった。引き続いて30%の硝酸水溶液中に浸せきし55℃で1分間デスマットした後、20%硝酸水溶液中で、電流密度2A/dm2 のおいて厚さが2.7g/m2 になるように陽極酸化し、基板(I)を調製した。
【0150】
[親水層の形成]
このように処理された基板(I)の表面に下記組成の親水層塗布液(A)〜(F)を塗布し80℃、30秒間乾燥した。
乾燥後の皮膜量は20mg/m2 であった。
【0151】
−親水層塗布液組成−
表1の化合物(a)〜(f) 0.10g
純水 50g
メタノール 50g
【0152】
【表1】
Figure 0003980151
【0153】
このようにして基板(II)〜(VII)を作製した。
【0154】
[画像形成層の形成]
−架橋剤[KZ−9]の合成−
1−[α−メチル−α−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]―4―[α、α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼンを、水酸化カリウム水溶液中で、ホルマリンと反応させた。反応溶液を硫酸で酸性とし晶析させ、さらにメタノールから再結晶することにより、下記構造の架橋剤[KZ−9]を得た。逆相HPLCにより純度を測定したところ、92%であった。
【0155】
【化52】
Figure 0003980151
【0156】
−バインダーポリマー[BP−1]の入手−
丸善石油化学(株)製のポリ(p−ヒドロキシスチレン)、マルカ リンカーM S−4P(商品名)を入手し、[BP−1]とした。
【0157】
次に、下記溶液[P]を調製し、この溶液を、上記の親水層を形成したアルミニウム支持体である基板(I)〜(VII)に塗布し、100℃で1分間乾燥してネガ型平版印刷用版材[P−1]〜[P−7]を得た。乾燥後の被覆量は1.5g/m2 であった。
【0158】
溶液[P]
酸発生剤[SH−1] 0.3 g
架橋剤[KZ−9] 0.5 g
バインダーポリマー[BP−1] 1.5 g
赤外線吸収剤[IK−1] 0.07g
AIZEN SPILON BLUE C−RH 0.035g
(保土ヶ谷化学(株)製)
フッ素系界面活性剤 0.01g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
無水フタル酸 0.05g
メチルエチルケトン 12 g
メチルアルコール 10 g
1−メトキシ−2−プロパノール 8 g
【0159】
酸発生剤[SH−1]および赤外線吸収剤[IK−1]の構造を以下に示す。
【0160】
【化53】
Figure 0003980151
【0161】
得られたネガ型平版印刷用版材[P−1]〜[P−7]を、波長820〜850nm程度の赤外線を発する半導体レーザで走査露光した。露光後、パネルヒーターにて、110℃で30秒間加熱処理した後、富士写真フイルム(株)製現像液、DP−4(1:8の水希釈液)にて現像して、平版印刷版を得た。
【0162】
前記平版印刷版を用いて、ハイデルベルク社製のハイデルKOR−D機で上質紙に印刷した。5000枚印刷毎にクリーナー液(富士写真フイルム(株)製:「プレートクリーナーCL2」)で版面を拭きながら印刷した。それぞれの印刷版で正常な印刷物が得られた枚数をカウントして耐刷力の目安とした。
また、得られた印刷物の汚れ性を目視で下記の基準に従って評価した。
【0163】
−汚れ−
〇:非画像部に全く汚れを生じなかった
△:非画像部に部分的に薄い汚れが生じた
×:非画像部にはっきり汚れが生じた
以上の結果を下記表2に示した。
【0164】
【表2】
Figure 0003980151
【0165】
(比較例1〜4)
実施例1の基板において、親水層塗布液に添加する有機化合物として以下に示すものを用いた。
(g)カルボキシメチルセルロース(分子量25,000)、(h)ポリビニルホスホン酸(分子量1,000)、(i)β−アラニンをそれぞれ水に溶解して下塗り液(G)、(H)、(I)を作り乾燥後の皮膜量が20mg/m2 となるように基板(I)上に設けて、それぞれ基板(VIII)、基板(IX)、基板(X)を作製した。ここで用いた親水性塗布液に添加した有機化合物を前記表1に併記した。
【0166】
この基板(VIII)〜(X)上に実施例1と同様の画像形成層を設けてネガ型平版印刷用版材[P−8]〜[P−10]を得た。これを前記と同様の条件で製版、印刷を行い、耐刷性、汚れ性を評価した。結果を前記表2に併記した。
【0167】
表2の結果より明らかなように、本発明の親水層を設けた記録材料は、平版印刷版材料として好適であり、得られた平版印刷版は、耐刷性、汚れ性に優れていたが、親水層を設けなかった比較例1及び親水性ではあるが、本発明の範囲外の有機化合物添加した親水層を設けた比較例2〜4の印刷版は、耐刷性、汚れ性のいずれかが劣っていることがわかった。
【0168】
【発明の効果】
本発明のネガ型画像記録材料は、赤外線を放射する固体レーザ及び半導体レーザを用いて記録することにより、コンピューター等のデジタルデータから直接製版可能であり、レーザ露光時の感度が高く、現像後の非画像部における感光層成分の残存が少なく、且つ、画像部と支持体との密着性、耐刷性に優れているという効果を奏する。

Claims (3)

  1. 粗面化処理し、さらに陽極酸化処理を施したアルミニウム製支持体上に、
    (a)アミノ基及び(b)ホスフィン酸基、ホスホン酸基及びリン酸基から選択される基を有し、かつ、ホスホン酸基を有する場合は1つのみ有する有機化合物又はその塩を含む親水層、
    シアニン色素、オニウム塩、及び、アルカリ可溶性樹脂を含有する赤外線感光性ネガ型画像形成層、
    を順次積層したことを特徴とするネガ型画像記録材料。
  2. 粗面化処理し、さらに陽極酸化処理を施したアルミニウム製支持体上に、
    (a)アミノ基及び(b’)1つのホスホン酸基を有する有機化合物又はその塩を含む親水層、
    シアニン色素、オニウム塩、及び、アルカリ可溶性樹脂を含有する赤外線感光性ネガ型画像形成層、
    を順次積層したことを特徴とするネガ型画像記録材料。
  3. 前記赤外線感光性ネガ型画像形成層が、さらに、酸により架橋する架橋剤を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のネガ型画像記録材料。
JP03261098A 1998-02-16 1998-02-16 ネガ型画像記録材料 Expired - Fee Related JP3980151B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03261098A JP3980151B2 (ja) 1998-02-16 1998-02-16 ネガ型画像記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03261098A JP3980151B2 (ja) 1998-02-16 1998-02-16 ネガ型画像記録材料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11231509A JPH11231509A (ja) 1999-08-27
JP3980151B2 true JP3980151B2 (ja) 2007-09-26

Family

ID=12363631

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03261098A Expired - Fee Related JP3980151B2 (ja) 1998-02-16 1998-02-16 ネガ型画像記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3980151B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4410714B2 (ja) 2004-08-13 2010-02-03 富士フイルム株式会社 平版印刷版用支持体の製造方法
US7416831B2 (en) 2004-08-20 2008-08-26 Eastman Kodak Company Substrate for lithographic printing plate precursor

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11231509A (ja) 1999-08-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3645362B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3810538B2 (ja) ポジ型画像形成材料
EP1072432B1 (en) Image forming material and method for forming thereof
JP3996305B2 (ja) ポジ型平版印刷用材料
JP3798504B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3805519B2 (ja) 画像記録材料
JP2000330265A (ja) 画像形成材料
JP3725624B2 (ja) ネガ型平版印刷用版材及び製版方法
JP2001042510A (ja) 感光感熱記録材料
JP3798531B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3802207B2 (ja) ポジ型画像記録材料
JP2001042509A (ja) 感光感熱記録材料
JP3831054B2 (ja) 平版印刷版原版
JP3636827B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3816152B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3980151B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP2003029400A (ja) 画像形成材料
JP2010060935A (ja) ネガ型平版印刷版原版及びその製版方法
JP3779446B2 (ja) 輻射線感応性平版印刷版
JP2000112136A (ja) ネガ型画像記録材料
JP4173686B2 (ja) 画像記録材料
JP3853910B2 (ja) ネガ型画像記録材料
JP3754172B2 (ja) 平版印刷版原版
JP2001092140A (ja) 平版印刷版用原版
JPH11218903A (ja) ネガ型画像記録材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061031

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061227

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20061227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070403

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070531

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100706

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110706

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120706

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130706

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees