JP3831054B2 - 平版印刷版原版 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は平版印刷版、中でもディジタル信号に基づいて可視光もしくは赤外線などの各種のレーザを操作することにより直接製版可能であり、且つ水現像可能あるいは現像することなしにそのまま印刷機に装着し、印刷することができる平版印刷用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ディジタル化された画像データーからリスフィルムを介さずに印刷版を直接製版する方法としては、▲1▼電子写真法によるもの、▲2▼青色または緑色を発光する比較的小出力のレーザで書き込める高感度フォトポリマーを用いる方法、▲3▼銀塩あるいは銀塩と他のシステムとの複合系を用いる方法、▲4▼ヒートモードレーザ露光により酸を発生させ、その酸を触媒として後加熱により熱硬化画像を得る方法等が知られている。
【0003】
これらの方法は印刷工程の合理化上極めて有用ではあるが、現状では必ずしも十分満足できるものではない。例えば、▲1▼の電子写真法を用いるものは、帯電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装置が複雑で大がかりなものになる。また、▲2▼のフォトポリマーを用いるものでは、高感度な印刷版を使用するため、明室での取扱いが難しくなる。▲3▼の銀塩を用いる方法は、処理が煩雑になり、処理廃液中に銀が含まれる等の欠点がある。▲4▼の方法も、後加熱やその後の現像処理が必要であり、処理が煩雑になる。
【0004】
またこれらの印刷版の製造には、露光工程の後に、支持体表面の上に設けられた感光層を画像状に除去するための湿式による現像工程や現像処理された印刷版を水洗水で水洗したり、界面活性剤を含有するリンス液、アラビアガム、澱粉誘導体を含む不感脂化液で処理する後処理工程が含まれる。
【0005】
一方、近年の製版、印刷業界では現像廃液がアルカリ性であるため環境問題が生じてきている。また製版作業の合理化が進められており、上記のような複雑な湿式現像処理を必要とせず、露光後にそのまま印刷に使用できる印刷版用原版が望まれている。
【0006】
画像露光後に現像処理を必要としない印刷版用原版については、例えば、米国特許(以下、適宜USと表記する)5,258,263号に、露光領域で硬化叉は不溶化が促進される感光性親水層と感光性疎水層とを支持体上に積層した平版印刷プレートが開示されている。しかしこのプレートは2層構成のため上層と下層との接着力が問題となり多くの印刷物を刷ることができない。
【0007】
また画像形成後、湿式現像処理を必要としない平版印刷版材として、シリコーン層と、その下層にレーザ感熱層を設けた版材がUS5,353,705号、US5,379,698号に開示されている。これらは湿式現像は必要としないが、レーザアブレージョンによるシリコーン層の除去を完結させるための、こすりや特殊なローラーによる処理が必要となり、処理が煩雑になる欠点を持つ。
【0008】
ポリオレフィン類をスルホン化したフィルムを版材として用い、熱書き込みにより、表面の親水性を変化させることにより、現像処理を必要としない版材を形成することが、特開平5ー77574号、特開平4ー125189号、US5,187,047号、特開昭62ー195646号、に開示されている。このシステムでは、熱書き込みにより、感材表面のスルホン基を脱スルホンさせ画像形成しており、現像処理は不要になるが、書き込み時に有害なガスを発生させる欠点を有する。
【0009】
US5,102,771号、US5,225,316号には酸感受性基を側鎖にもつポリマーと光酸発生剤を組み合わせた感材が提示されており、無現像システムが提案されている。この版材は発生する酸がカルボン酸であるために、親水性の程度が低いため汚れやすく、版材の耐久性や印刷画像の鮮明さに劣る欠点を持つ。
US3,892,570号にはスルホン酸エステル基を側鎖に有するポリマー含むことを特徴とするネガ型感光性組成物が、特開平2-132446号にはスルホン酸エステル基を側鎖に有するポリマー含むことを特徴とするポジ型感光性組成物が記載されているが、これらのシステムは溶剤、もしくはアルカリの現像液をもちいて現像しており、水現像もしくは無現像システムに関しては全く提案されてはいなかった。
【0010】
特開平4-121748号にはスルホン酸エステル基を側鎖にもつポリマーと酸発生剤と染料とを組み合わせた感材が提示されているが、このシステムもアルカリの現像液を用いて現像しており、環境的にも処理の簡便性の観点からも好ましい水現像もしくは無現像システムに関しては全く提案されていないのが現状である。
【0011】
また、特開平8−248561号にスルホン酸を発生する官能基を有するスルホン酸エステルタイプの低分子化合物が記載されているが、これらは低分子化合物であるため平板印刷材料のバインダーとしては適しておらず、水現像型の版材に適用すると印刷するにつれて印刷汚れが増加する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、可視域の光の露光、もしくは可視光レーザーまたは赤外線レーザーの照射により製版可能であり、さらに水現像可能な平版印刷版用原版、あるいは画像書き込み後、湿式現像処理やこすり等の特別な処理を必要とぜす、熱安定性に優れた平版印刷版用原版を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、特定構造、即ち、下記一般式(1)で示される構造単位を側鎖に有し、光若しくは熱によりスルホン酸を発生する高分子化合物、さらに、所望により可視域以上の長波の光若しくは熱に対して活性な酸発生剤を感光/感熱層に用いることで本発明の目的が達成され、また、これらとともに、赤外線吸収剤を添加することで本発明の目的が効果的に達成された。
即ち、本発明の平版印刷版用原版は、下記一般式(1)で表され、分解してスルホン酸を発生させる官能基を側鎖に有する高分子化合物、さらに、所望により光若しくは熱により酸を発生する化合物とを含む感光/感熱層を支持体上に設けたことを特徴とし、より具体的には、この側鎖の構造単位は下記一般式(I)で表される構造であることを特徴とする。
【0014】
本発明の平板印刷版原版は、高分子化合物の側鎖にスルホン酸を発生する官能基を含む感光/感熱層有するため、光又は熱の照射により発生するスルホン酸の働きにより照射部分の版材表面が親水化されて、中性の水を用いた現像若しくは露光/加熱処理後に如何なる現像操作も必要としない版材の作製が可能となったと考えられる。
さらに、該高分子化合物の側鎖構造における末端基に隣接して該末端基が分解することにより分解してスルホン酸を発生させる基(具体的には、一般式(1)で示される基)が熱にたいして安定であり、且つ、末端の酸分解性基の分解に伴って速やかに分解してスルホン酸を発生させうるため、熱安定性に優れ、原版を高温条件で保存しても劣化しないという良好な特性を示すと考えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の平版印刷版原版は、特定の酸分解性末端基と、スルホン酸発生基とを側鎖に有する高分子化合物と光若しくは熱により酸を発生する化合物(以下、適宜、酸発生剤と称する)とを含む感光/感熱層を支持体上に設けたことを特徴とするが、ここで、感光/感熱層とは露光若しくは熱の照射などの輻射線に感度を有し、可視光の露光や可視光〜赤外線レーザーの照射により書き込み可能な層を含むものである。以下、この平版印刷版原版の各構成成分について説明する。
【0016】
[側鎖に下記一般式(1)で示され、スルホン酸を発生しうる官能基とを有する高分子化合物]
この高分子化合物は、エステル基、ケタール基、チオケタール基、アセタール基及び第三級アルコール基から選択される、酸により分解する末端基と、該末端基に隣接して該末端基が分解することにより分解してスルホン酸を発生させる基、具体的には、この側鎖構造は、下記一般式(1)で表される官能基である。
【0018】
本発明の一般式(1)で示される如き構造単位を側鎖に有する高分子化合物(以下、適宜、スルホン酸発生型高分子化合物と称する)における一般式(1)については以下に詳述する。
【0019】
一般式(1)
【化3】
Figure 0003831054
【0020】
(式中、A1はアルキル基、もしくはアリール基を示し、A2は水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を示し、A3は酸の作用により分解するカルボキシル基の保護基を表す。)
【0021】
一般式(2)
【化4】
Figure 0003831054
【0022】
(式中、B1およびB4は水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を示し、X は酸素原子、もしくは硫黄原子、B2およびB3はアルキル基、もしくはアリール基を表す。)
【0023】
一般式(3)
【化5】
Figure 0003831054
【0024】
(式中、D1 、D 2 及びD 3 は、それぞれ独立にアルキル基、もしくはアリール基を表す。)
【0026】
ず、前記一般式(1)で示される化合物について説明する。
前記一般式(1)において、Aはアルキル基、もしくはアリール基を示し、Aは水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を示し、Aは酸の作用により分解するカルボキシル基の保護基を表す。
ここで、Aはメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基;フェニル、4ーメトキシフェニルなどの如き炭素数6〜20までのアリール基を表す。 Aは水素原子もしくはメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基、もしくはフェニル、4ーメトキシフェニルなどのような炭素数6〜20までのアリール基を表す。
又はAは、さらにアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
は酸の作用により分解する基であり一般的にカルボキシル基の保護基として用いられる原子団を有用に用いることができる。この様な原子団としてはT.W.Greene著 " Protective Groups in Organic Synthesis" John Wiley & Sons , Inc (1991) に記載の、カルボキシル基の保護基であり、かつ酸の作用により脱保護される原子団を挙げることができる。これらの原子団のうち、特に好ましいAの具体的な例としては下記一般式(1A)〜(1D)の構造を用いることができる。
【0027】
【化7】
一般式(1A)
-C(-R1)(-R2)(-X-R3)
【0028】
式中、R1は水素原子もしくはメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基;テトラヒドロフラニルなどのように-X-R3 と結合し環を形成する基;1ーメトキシシクロヘキシルなどのように-R2 と結合し環を形成する基を表す。R2はR1と同義、もしくはメトキシ、エトシキ、2ークロロエトキシなどのような炭素数1〜20までのアルコキシ基を表す。X は酸素原子、もしくは硫黄原子を、R3はメチル、エチル、2ークロロエチル、ベンジル、4ーメトキシベンジル、2-(トリメチルシリル)エチル、 2-(t−ブチルジメチルシリル)エチル基のような炭素数1〜20までのアルキル基、フェニル、4ーメトキシフェニルなどのような炭素数6〜20までのアリール基を表す。ここで、R1〜R3は、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
一般式(1A)で表される原子団の具体的な例としては、メトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、p−メトキシベンジルオキシメチル、(4−メトキシフェノキシ)メチル、グアイアコルメチル、t-ブトキシメチル、4−ペンテノイルメチル、t−ブチル−ジメチルシリルオキシメチル、2−エトキシメトキシメチル、2,2,2 −トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル、テトラヒドロピラニル、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、S,S−ジオキシド−4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル、1,4 −ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a −オクタヒドロ−7,8,8 −トリメチル−4,7 −メタノベンゾフラン−2−イルなどの置換メチルエーテルを挙げることができる。
【0029】
【化8】
一般式(1B)
-C(-R4)(-R5)(-R6)
【0030】
式中、R4、R5、R6はそれぞれ独立にメチル、エチル、2−クロロエチル,2−フェネチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基を表す。このアルキル基は、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
一般式(1B)で表される原子団の具体的な例としては、t−ブチル、t−オクチルなどを挙げることができる。
【0031】
【化9】
一般式(1C)
-C(-R7)(-R8)(-R9)
【0032】
式中、R7、R8はそれぞれ独立に水素原子もしくはメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基、もしくはフェニル、4−メトキシフェニルなどのような炭素数6〜20までのアリール基を、R9はフェニル、4ーメトキシフェニルなどのような炭素数6〜20までのアリール基を表す。R7〜R9は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
一般式(1C)で表される原子団の具体的な例としては、4−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、2−ピコリル、ジフェニルメチル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、4,4',4''−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イルメチル)ビス(4’,4’’−ジメトキシフェニル)メチル、9−アンスリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニルー10ーオキソ)アンスリル、α−メチルシンナミルなどを挙げることができる。
【0033】
【化10】
一般式(1D)
-Si(-R10)(-R11)(-R12)
【0034】
式中、R10 、R11 、R12 はメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基、もしくはフェニル、4-ブロモフェニル、4−メトキシフェニルなどのような炭素数6〜20までのアリール基を表す。R10 〜R12 はそれぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
一般式(1D)で表される原子団の具体的な例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリベンジルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル、t−ブチルメトキシフェニルシリルなどを挙げることができる。
【0035】
次に、一般式(2)で表される化合物について説明する。
前記一般式(2)中、B1およびB4は水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を示し、X は酸素原子、もしくは硫黄原子、B2およびB3はアルキル基、もしくはアリール基を表す。
B1〜B4のアルキル基、アリール基としてはメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基、もしくはフェニル、4−メトキシフェニルなどのような、炭素数6〜20までのアリール基を挙げることができる。B2、B3はともに結合して環を形成していても良い。B1〜B4はそれぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
-C(-XB2)(-XB3)を含む構造の具体例としては、ジメチルアセタール、ジメチルケタール、ビス(2、2、2−トリクロロエチル)ケタール、ジベンジルアセタール、ジベンジルケタール、 1,3−ジオキソラン、4−フェニル−1,3−ジオキソランジオキソラン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン、1,3−ジオキサン、4−フェニル−1,3−ジオキサン、4−ブロモ−1,3−ジオキサン、1,3−オキサチオランなどのケタールおよびアセタールを挙げることができる。
【0036】
また、前記一般式(3)式中、D1およびD2は水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を示し、D3はアルキル基、もしくはアリール基を表す。
D1〜D3のアルキル基、アリール基としてはメチル、エチルなどの炭素数1〜20までのアルキル基、もしくはフェニル、4ーメトキシフェニルなどのような炭素数6〜20までのアリール基を挙げることができる。D1、D2はともに結合して環を形成していても良い。D1〜D3のアルキル基、アリール基は、それぞれアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、アルコキシ基、フェノキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アミド基などの置換基で置換されていてもよい。
【0038】
本発明に用い得る一般式(1)に示す官能基を側鎖に有する高分子化合物に代表される如きスルホン酸発生型高分子化合物をより具体的に示すと、下記に示すモノマーをラジカル重合して得られる高分子化合物を挙げることができる。
モノマーの具体例としては下記化合物を挙げることができるが、本発明はこれにより限定されるものでない。
【0039】
【化11】
Figure 0003831054
【0040】
【化12】
Figure 0003831054
【0041】
【化13】
Figure 0003831054
【0042】
【化14】
Figure 0003831054
【0043】
本発明では、前述の如く、上記具体例に代表されるモノマーを用い、ラジカル重合により得られる高分子化合物を使用するが、このスルホン酸発生型高分子化合物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、一般式(1)に代表されるスルホン酸発生構造単位を有するモノマーと、それ以外のモノマーとの共重合体であっても良い。
本発明において、さらに好適に使用されるスルホン酸発生型高分子化合物は、上記一般式(1)で表される構造単位を有するモノマーと他の公知のモノマーを用い、ラジカル重合により得られる共重合体である。
【0044】
共重合体に用いられる他のモノマーとしては、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、無水マレイン酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマーが挙げられる。
アクリル酸エステル類の具体例としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、(n−またはi−)プロピルアクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルアクリレート、アミルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、アリルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、クロロベンジルアクリレート、ヒドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキシフェネチルアクリレート、ジヒドロキシフェネチルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、フェニルアクリレート、ヒドロキシフェニルアクリレート、クロロフェニルアクリレート、スルファモイルフェニルアクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルアクリレート等が挙げられる。
【0045】
メタクリル酸エステル類の具体例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、(n−またはi−)プロピルメタクリレート、(n−、i−、sec−またはt−)ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェネチルメタクリレート、ジヒドロキシフェネチルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフェニルメタクリレート、クロロフェニルメタクリレート、スルファモイルフェニルメタクリレート、2−(ヒドロキシフェニルカルボニルオキシ)エチルメタクリレート等が挙げられる。
【0046】
アクリルアミド類の具体例としては、アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−プロピルアクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−トリルアクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)アクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)アクリルアミド、N−(トリルスルホニル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチル−N−フェニルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド等が挙げられる。
【0047】
メタクリルアミド類の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−プロピルメタクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルメタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−トリルメタクリルアミド、N−(ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(スルファモイルフェニル)メタクリルアミド、N−(フェニルスルホニル)メタクリルアミド、N−(トリルスルホニル)メタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メチル−N−フェニルメタクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0048】
ビニルエステル類の具体例としては、ビニルアセテート、ビニルブチレート、ビニルベンゾエート等が挙げられる。
スチレン類の具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、クロロメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げられる。
【0049】
これらの他のモノマーのうち特に好適に使用されるのは、炭素数20以下のアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、ビニルエステル類、スチレン類及び、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリルである。
またこれらのモノマーの他に、架橋反応性を有するモノマーと共重合してもよい。架橋反応性を有するモノマーとしては、グリシジルメタクリレート、N−メチロールメタクリルアミド、オメガー(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、2−イソシアネートエチルアクリレートなどを好ましく用いることができる。
これらを用いた共重合体中に含まれるスルホン酸発生基を含む構成単位(モノマー)の割合は、5重量%以上であることが好ましく、さらに好ましくは10重量%以上である。5重量%より少ないと現像が好適に行えず、また10重量%より少ないと現像後に現像残膜が発生する虞があるため好ましくない。
また、本発明で使用されるスルホン酸発生型高分子化合物の分子量は、好ましくは重量平均分子量で2000以上であり、更に好ましくは5000〜30万の範囲であり、数平均分子量で好ましくは800以上であり、更に好ましくは1000〜25万の範囲である。多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、更に好ましくは1.1〜10の範囲である。
これらの高分子化合物は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでも良いが、ランダムポリマーであることが好ましい。
【0050】
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられる好適な溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。これらの溶媒は単独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0051】
本発明で使用されるポリマーを合成する際に用いられるラジカル重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物開始剤等重合開始剤として公知の化合物を任意に選択して使用できる。
【0052】
本発明で使用される高分子化合物は単独で用いても混合して用いてもよい。これら高分子化合物は、平板印刷版原版の感光/感熱層を構成する組成物(以下、適宜、感光/感熱性組成物と称する)全固形分に対し50〜98重量%、好ましくは60〜97重量%の割合で感光性組成物中に添加される。添加量が50重量%未満の場合は、印刷画像が不鮮明になる。また添加量が98重量%以上の場合は、画像形成が十分できなくなる。十分に鮮明な画像を得るには60〜97重量%の割合で感光性組成物中に添加することが好ましい。
本発明で使用される高分子化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこれにより限定されるものでない。
【0053】
【化15】
Figure 0003831054
【0054】
【化16】
Figure 0003831054
【0055】
【化17】
Figure 0003831054
【0056】
[光若しくは熱により酸を発生する化合物]
本発明の平板印刷版原版の感光/感熱層には、上記スルホン酸発生型高分子化合物とともに、光若しくは熱により酸を発生する化合物(酸発生剤)を含有させることができる。この酸発生剤は感度向上の観点から有用である。
本発明に係る酸発生剤としては、光若しくは熱の作用により酸を発生させる公知の化合物を選択して用いることができる。
【0057】
例えば、 S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980) 等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号、特開平3-140,140 号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988) 、欧州特許第104,143 号、米国特許第339,049 号、同第410,201 号、特開平2-150,848 号、特開平2-296,514 号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73(1985) 、J.V.Crivello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt etal,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984) 、J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693 号、米国特許3,902,114 号,欧州特許第233,567 号、同297,443 号、同297,442 号、米国特許第4,933,377 号、同410,201 号、同339,049 号、同4,760,013 号、同4,734,444 号、同2,833,827 号、獨国特許第2,904,626 号、同3,604,580 号、同3,604,581 号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979) 等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988) 等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815 号、特公昭46-4605 号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-239736 号、特開昭61-169835 号、特開昭61-169837 号、特開昭62-58241号、特開昭62-212401 号、特開昭63-70243号、特開昭63-298339 号等に記載の有機ハロゲン化合物、K.Meier etal,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill etal,Inorg.Chem.,19,3007(1980) 、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12),377(1896) 、特開平2-161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,J.Polymer Sci.,25,753(1987)、 E.Reichmanis etal,J.Pholymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985) 、 Q.Q.Zhu etal,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、 D.H.R.Barton etal,J.Chem Soc.,3571(1965)、 P.M.Collins etal,J.Chem.SoC.,Perkin I,1695(1975)、 M.Rudinstein etal,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975) 、 J.W.Walker etalJ.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、 S.C.Busman etal,J.Imaging Technol.,11(4),191(1985)、 H.M.Houlihan etal,Macormolecules,21,2001(1988)、 P.M.Collins etal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,532(1972) 、 S.Hayase etal,Macromolecules,18,1799(1985)、 E.Reichmanis etal,J.Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,130(6)、 F.M.Houlihan etal,Macromolcules,21,2001(1988) 、 欧州特許第0290,750号、同046,083 号、同156,535 号、同271,851 号、同0,388,343 号、 米国特許第3,901,710 号、同4,181,531 号、特開昭60-198538 号、特開昭53-133022 号等に記載の0−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKチ etal,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Curing,13(4)、 W.J.Mijs etal,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、 H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japan,37(3)、 欧州特許第0199,672号、同84515 号、同199,672 号、同044,115 号、同0101,122号、米国特許第4,618,564 号、同4,371,605 号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-245756号、特願平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61-166544 号等に記載のジスルホン化合物、特開昭50−36209号(米国特許第3969118号)記載のo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハライド、特開昭55−62444号(英国特許第2038801号)記載あるいは特公平1−11935号記載のo−ナフトキノンジアジド化合物を挙げることができる。
【0058】
その他の酸発生剤としては、シクロヘキシルシトレート、p−アセトアミノベンゼンスルホン酸シクロヘキシルエステル、p−ブロモベンゼンスルホン酸シクロヘキシルエステル等のスルホン酸アルキルエステル、本発明者らが先に出願した特願平9−26878号に記載の下記構造式で表されるアルキルスルホン酸エステル等を用いることができる。
【0059】
【化18】
Figure 0003831054
【0060】
また、本発明の酸分解性末端基と、該末端基に隣接して該末端基が分解することにより分解してスルホン酸を発生させる基と、を側鎖に有する高分子化合物自体が、熱酸発生剤としての機能を有するため、特に他の酸発生剤を併用しなくても画像を形成することができる。
【0061】
上記光、熱または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0062】
【化19】
Figure 0003831054
【0063】
式中、R1 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R2 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−CY3 をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0064】
【化20】
Figure 0003831054
【0065】
【化21】
Figure 0003831054
【0066】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩、もしくはジアソニウム塩。
【0067】
【化22】
Figure 0003831054
【0068】
ここで式Ar1 、Ar2 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、メルカプト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0069】
3 、R4 、R5 は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基およびそれらの置換誘導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒドロキシ基およびハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基である。
【0070】
- は対アニオンを示し、例えば BF4 - 、AsF6 - 、PF6 - 、SbF6 - 、Si2F2 - 、ClO4 - 、CF3SO3 - 等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン;ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の結合多核芳香族スルホン酸アニオン;アントラキノンスルホン酸アニオン;スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0071】
またR3 、R4 、R5 のうちの2つおよびAr1 、Ar2 はそれぞれの単結合または置換基を介して結合してもよい。
【0072】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0073】
【化23】
Figure 0003831054
【0074】
【化24】
Figure 0003831054
【0075】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、たとえばJ. W. Knapczyk etal, J. Am. Chem. Soc., 91, 145(1969) 、A. L. Maycok etal, J. Org. Chem., 35, 2532, (1970)、B. Goethas etal, Bull. Soc. Chem. Belg., 73, 546, (1964) 、H. M. Leicester, J. Ame. Chem. Soc., 51, 3587(1929) 、J. V. Crivello etal, J. Polym. Chem. Ed., 18, 2677(1980)、米国特許第2,807,648号および同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0076】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0077】
【化25】
Figure 0003831054
【0078】
式中Ar3 、Ar4 は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R6 は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0079】
【化26】
Figure 0003831054
【0080】
【化27】
Figure 0003831054
【0081】
これらの酸発生剤の含有量は、感光/感熱性組成物の全固形分に対して通常0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜15重量%である。0.1重量%より少ないと感度が低く30重量%より多いと画像強度が落ちる。
【0082】
[赤外線吸収剤]
本発明においては、上記の化合物に加えて赤外線吸収剤を併用することが好ましい。ここで、好適に使用される赤外線吸収剤は、波長760nmから1200nmの赤外線を有効に吸収する染料または顔料であり、好ましくは、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する染料または顔料である。
染料としては、市販の染料および文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、金属チオレート錯体などの染料が挙げられる。
好ましい染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、 特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0083】
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。
【0084】
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料およびカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
使用しうる顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレンおよびペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
【0085】
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理をほどこして用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤やエポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)および「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
【0086】
顔料の粒径は0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることがさらに好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。顔料の粒径が0.01μm未満のときは分散物の感光層塗布液中での安定性の点で好ましくなく、また、10μmを越えると画像記録層の均一性の点で好ましくない。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。分散方法の詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載がある。
【0087】
これらの染料もしくは顔料の添加量は、感光/感熱性組成物全固形分に対し0.01〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%であり、特に染料を用いる場合の添加量は、好ましくは0.5〜10重量%、顔料の場合、特に好ましくは3.1〜10重量%の範囲である。
赤外線吸収剤の添加量が0.01重量%未満であると感度が低くなり、また50重量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生するおそれがでてくる。
【0088】
[その他の成分]
本発明では、スルホン酸発生型高分子化合物のほかに上述の成分が必要に応じて感光/感熱層に添加されるが、さらに目的に応じて種々の化合物を添加しても良い。
例えば、可視域にまで感度を持たない酸発生剤を用いる場合、可視光域の光に対して酸発生剤を活性にするために種々の酸発生剤の増感色素が用いられる。このような増感色素の例としては、US5238782 記載のピラン系色素、US4997745 号記載のシアニン色素、およびスクアリュウム系色素、US5262276 記載のメロシアニン系色素、特公平8-20732 号記載のピリリュウム色素、その他、ミヒラーズケトン、チオキサントン、ケトクマリン色素、9-フェニルアクリジンなどを有効なものとして用いることができる。またそのほかにもUS4987230 記載のビスベンジリデンケトン色素、9,10- ジフェニルアントラセンのような多環芳香族化合物などを用いることができる。
そのほかの成分としては、例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の着色剤として使用することができる。
具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)など、あるいは特開昭62−293247号公報、特願平7−335145に記載されている染料を挙げることができる。
尚、添加量は、感光/感熱性組成物全固形分に対し、0.01〜10重量%の割合である。
【0089】
また、本発明における感光/感熱性組成物中には、印刷条件に対する安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感光/感熱性組成物中に占める割合は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0090】
更に本発明の平板印刷版原版を構成する感光/感熱性組成物中には必要に応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えられる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸またはメタクリル酸のオリゴマーおよびポリマー等が用いられる。
【0091】
このような感光/感熱性組成物を用いて、本発明の平板印刷用原版を作製するには、上記各成分を溶媒に溶かしたものを、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン、水等をあげることができるがこれに限定されるものではない。
これらの溶媒は単独あるいは混合して使用される。塗布液を調製する場合、溶媒中の上記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50重量%である。また塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、平版印刷用版材についていえば一般的に0.5〜5.0g/m2 が好ましい。塗布する方法としては、公知の種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
【0092】
本発明における感光/感熱性組成物中には、塗布性を良化するための界面活性剤、例えば特開昭62−170950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光/感熱性組成物固形分中0.01〜1重量%、さらに好ましくは0.05〜0.5重量%である。
【0093】
感光/感熱性組成物を塗布して本発明の平版印刷版原版を作製するために使用される支持体は、寸法安定性の良好な板状物であり、これまで印刷版の支持体として使用された公知のものはいずれも好適に使用することができる。かかる支持体としては、紙、プラスチックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、例えばアルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜鉛、鉄、銅などのような金属の板、例えば二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酪酸酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタールなどのようなプラスチックスのフイルム、上記のような金属がラミネートもしくは蒸着された紙もしくはプラスチックフィルムなどが含まれるが、特にアルミニウム板が好ましい。アルミニウム板には純アルミニウム板及びアルミニウム合金板が含まれる。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えばけい素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケルなどの金属とアルミニウムの合金が用いられる。これらの合金組成物には、いくらかの鉄およびチタンに加えてその他無視し得る程度の量の不純物を含むことが容認される。
【0094】
支持体は、必要に応じて表面処理される。例えば感光/感熱性平版印刷版原版を作製する場合には、支持体の表面に、感光/感熱層を塗布するに先立って親水化処理が施される。
また金属、特にアルミニウムの表面を有する支持体の場合には、砂目立て処理、珪酸ソーダ、弗化ジルコニウム酸カリウム、燐酸塩等の水溶液への浸漬処理、あるいは陽極酸化処理などの表面処理がなされていることが好ましい。また、米国特許第2,714,066号明細書に記載されているように、砂目立てしたのち珪酸ナトリウム水溶液に浸漬処理したアルミニウム板、米国特許第3,181,461号明細書に記載されているようにアルミニウム板を陽極酸化処理を行った後にアルカリ金属珪酸塩の水溶液に浸漬処理したものも好適に使用される。上記陽極酸化処理は、例えば、燐酸、クロム酸、硫酸、硼酸等の無機酸、若しくは蓚酸、スルファミン酸等の有機酸またはこれらの塩の水溶液又は非水溶液の単独又は二種以上を組み合わせた電解液中でアルミニウム板を陽極として電流を流すことにより実施される。
【0095】
また、表面処理としては、米国特許第3,658,662号明細書に記載されているようなシリケート電着も有効である。
これらの親水化処理は、支持体の表面を親水性とするために施される以外に、その上に設けられる感光/感熱性組成物との有害な反応を防ぐ為や、感光層との密着性を向上させるために施されるものである。
アルミニウム板を砂目立てにより粗面化するに先立って、必要に応じて表面の圧延油を除去するため、あるいは清浄なアルミニウム面を表出させるためにその表面に前処理を施しても良い。通常、圧延油等の除去には、トリクレン等の溶剤、界面活性剤等が用いられている。また、清浄な面の表出のためには水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリエッチング剤を用いる方法が広く行われている。
【0096】
砂目立て方法としては、機械的、化学的および電気化学的な方法のいずれの方法も有効である。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラスト研磨法、軽石のような研磨剤の水分散スラリーをナイロンブラシで擦りつけるブラシ研磨法などがあり、化学的方法としては、特開昭54−31187号公報に記載されているような鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液に浸漬する方法が適しており、電気化学的方法としては塩酸、硝酸またはこれらの組合せのような酸性電解液中で交流電解する方法が好ましい。このような粗面化方法のうち、特に特開昭55−137993号公報に記載されているような機械的粗面化と電気化学的粗面化を組合せた粗面化方法が、感脂性画像の支持体への接着力が強いので好ましい。
上記の如き方法による砂目立ては、アルミニウム板の表面の中心線表面粗さ(Ha)が0.3〜1.0μmとなるような範囲で施されることが好ましい。
このようにして砂目立てされたアルミニウム板は必要に応じて水洗および化学的にエッチングされる。
【0097】
エッチング処理液は、通常アルミニウムを溶解する塩基あるいは酸の水溶液より選ばれる。この場合、エッチングされた表面に、エッチング液成分から誘導されるアルミニウムと異なる被膜が形成されないものでなければならない。好ましいエッチング剤を例示すれば、塩基性物質としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウム等;酸性物質としては硫酸、過硫酸、リン酸、塩酸及びその塩等であるが、アルミニウムよりイオン化傾向の低い金属例えば亜鉛、クロム、コバルト、ニッケル、銅等の塩はエッチング表面に不必要な被膜を形成するから好ましくない。
これらのエッチング剤は、使用濃度、温度の設定において、使用するアルミニウムあるいは合金の溶解速度が浸漬時間1分あたり0.3g/m2から40g/m2になる様に行なわれるのが最も好ましいが、これを上回るあるいは下回るものであっても差支えない。
【0098】
エッチングは上記エッチング液にアルミニウム板を浸漬したり、該アルミニウム板にエッチング液を塗布すること等により行われ、エッチング量が0.5〜10g/m2の範囲となるように処理されることが好ましい。
上記エッチング剤としては、そのエッチング速度が早いという特長から塩基の水溶液を使用することが望ましい。この場合、スマットが生成するので、通常デスマット処理される。デスマット処理に使用される酸は、硝酸、硫酸、りん酸、クロム酸、フッ酸、ホウフッ化水素酸等が用いられる。
【0099】
エッチング処理されたアルミニウム板は、必要により水洗及び陽極酸化される。陽極酸化は、この分野で従来より行なわれている方法で行なうことができる。具体的には、硫酸、りん酸、クロム酸、蓚酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはそれらの二種類以上を組み合せた水溶液又は非水溶液中でアルミニウムに直流または交流の電流を流すと、アルミニウム支持体表面に陽極酸化被膜を形成させることができる。
【0100】
陽極酸化の処理条件は使用される電解液によって種々変化するので一般には決定され得ないが、一般的には電解液の濃度が1〜80重量%、液温5〜70℃、電流密度0.5〜60アンペア/dm2、電圧1〜100V、電解時間30秒〜50分の範囲が適当である。
これらの陽極酸化処理の内でも、とくに英国特許第1,412,768号明細書に記載されている硫酸中で高電流密度で陽極酸化する方法および米国特許第3,511,661号明細書に記載されている燐酸を電解浴として陽極酸化する方法が好ましい。
上記のように粗面化され、さらに陽極酸化されたアルミニウム板は、必要に応じて親水化処理しても良く、その好ましい例としては米国特許第2,714,066号及び同第3,181,461号に開示されているようなアルカリ金属シリケート、例えば珪酸ナトリウム水溶液または特公昭36−22063号公報に開示されている弗化ジルコニウム酸カリウムおよび米国特許第4,153,461号明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法がある。
【0101】
次に、有機下塗層について述べる。感光/感熱性組成物を用いて本発明の平版印刷版原版を作製するには、感光/感熱性組成物を主材とする感光/感熱層を塗設する前に有機下塗層を設けることが非画像部(光/熱未照射部)における感光/感熱層残りを減らす上で好ましい。かかる有機下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。
その他ポリ(p−ビニル安息香酸)などの構造単位を有する高分子化合物を用いることができる。
【0102】
この有機下塗層は次のような方法で設けることが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水またはメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいずれの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。
【0103】
これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。また、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。上記の被覆量が2mg/m2より少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
【0104】
支持体の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。かかるバックコートとしては特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。
これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4 、Si(OC2 5)4 、Si(OC3 7)4 、Si(OC4 9)4 などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が親水性に優れており特に好ましい。
【0105】
以上のようにして、感光/感熱性組成物を用いて平版印刷版原版を作成することができる。本発明の平版印刷版原版は、波長760nm〜1200nmの赤外線を放射する固体レーザーおよび半導体レーザーにより画像露光しうる。本発明の平版印刷版原版は、レーザー照射後に水現像し、さらに必要であればガム引きを行ったのち、印刷機に版を装着し印刷を行うこともでき、さらに、レーザー照射後ただちに(現像工程を経ずに)印刷機に版を装着し印刷を行うこともできるが、いずれの場合もレーザー照射後に加熱処理を行うことが記録時の感度向上の観点から好ましい。加熱処理の条件は、80℃〜150℃の範囲内で10秒〜5分間行うことが好ましい。即ち、この加熱処理を施すことにより、レーザー照射時、記録に必要なレーザーエネルギーを減少させることができる。
【0106】
この様な処理によって得られた本発明の平版印刷版原版は水現像されるかあるいは現像工程を経ずにそのままオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0107】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[スルホン酸発生型高分子化合物の合成]
(モノマー(1)の合成)
2−メチル−2−ヒドロキシメチル−t−ブチルアセトアセテート84.9g、アセトニトリル 300mlおよびピリジン130 gを1000mlの三口フラスコに取り、氷冷下撹拌しながらスチレンスルホニルクロライド71gを滴下した.滴下後5時間同温度で撹拌を続けた後、反応液を濃塩酸 135mlと氷水1000gの中に投入した。液を酢酸エチルを用いて抽出をした。水洗後、酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムにて乾燥を行った後溶媒を減圧留去した。得られた残査をシリカゲルのカラムを用いて精製し、先に具体例で挙げた式(1)の構造を有するモノマー[モノマー(1)]を得た。得られたモノマー(1)の元素分析は、理論値:C:89.66%, H:6.85% 、実測値:C:89.43%, H: 6.91 % であった。
モノマー(1)のIRスペクトルのピークデータ及びNMR(CDCl3 中)データを下記に示す。
【0108】
Figure 0003831054
【0109】
(ポリマー(1)の合成)
200 mlの3口フラスコに上記モノマー(1)を20gおよびメチルエチルケトンを40g入れ65℃、窒素気流下、アゾビスジメチルバレロニトリル0.25gを加えた。5時間撹拌しながら同温度に保った後、減圧下溶媒を留去し、固体を得た。GPCにより1.08万の重量平均分子量を有するポリマーであり、出発物質より前記(1)で示される構造のポリマー[ポリマー(1)]であることが分かった。
【0110】
(ポリマー(2)〜(8)の合成)
前記ポリマー(1)の合成において使用したモノマー(1)に変えて、先に構造を示した下記のモノマーを用いた他はポリマー(1)の合成と同様にしてポリマー(2)〜(8)を合成した。得られたポリマー(2)〜(8)のGPCにより測定した重量平均分子量を併記する。
【0111】
[合成例] [出発物質] [分子量]
ポリマー(2) :モノマー(2) 20g 1.2万
ポリマー(3) :モノマー(3) 20g 1.4万
ポリマー(4) :モノマー(4)20g 2.1万
ポリマー(5) :モノマー(1)17.1g+
メタクリロイルフ゜ロヒ゜ル
トリメトキシシラン 2.9g 3.5万
ポリマー(6) :モノマー(6) 20g 1.0
リマー(8) :モノマー(8) 20g 1.5万
【0112】
(実施例1〜
厚さ0.30mmのアルミニウム板(材質1050)をトリクロロエチレン洗浄して脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面を砂目立てし、よく水で洗浄した。この板を45℃の25%水酸化ナトリウム水溶液に9秒間浸漬してエッチングを行い水洗後、更に2%HNO3 に20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエッチング量は約3g/m2 であった。次にこの板を7%H2 SO4 を電解液として電流密度15A/dm2 で2. 4g/m2 の直流陽極酸化被膜を設けた後、水洗乾燥した。
【0113】
次に、下記溶液〔A〕において、本発明の高分子化合物の種類を変えて、種類の溶液〔A−1〕〜〔A−5〕を調整した。ポリマーとしてはそれぞれポリマーの具体例で挙げたポリマー(1)〜()を用いた。つぎにこの溶液を上記の処理済みのアルミニウム板に塗布し、80℃で3分間乾燥して平版印刷用版材〔A−1〕〜〔A−5〕を得た。乾燥後の塗布量は1.2g/m2 であった。
【0114】
溶液〔A〕
本発明に係るスルホン酸発生型高分子化合物 1.6g
(ポリマー具体例の化合物(1) 〜() )
赤外線吸収剤(IR−125、和光純薬(株)製) 0.15g
酸発生剤 0. 15g
(ジフェニルヨードニウムアントラキノンスルホン酸塩)
ビクトリアピュアブルーBOHの対イオンを1−
ナフタレン−スルホン酸にした染料 0.05g
フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 20g
γーブチロラクトン 10g
1−メトキシ−2−プロパノール 8g
水 2g
【0115】
得られた平版印刷用版材〔A−1〕〜〔A−5〕を、波長1064nmの赤外線を発するYAGレーザで露光した。露光後、平版印刷用版材〔A−1〕〜〔A−5〕を4分割し各印刷版を(A)水現像しハイデルSOR- Mで印刷(B)100度で3分加熱処理した後水現像しハイデルSOR- Mで印刷(C)そのままハイデルSOR- Mで印刷(D)100度で3分加熱処理した後、ハイデルSOR- Mで印刷した。この際、印刷物の非画像部に汚れが発生しているかどうかを観察した。結果を表1に示す。本発明の平版印刷用原版はいずれも、水現像を行っても、現像工程を経なくても、また、加熱処理を施しても施さなくても非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られることがわかった。
【0116】
【表1】
Figure 0003831054
【0117】
実施例6〜8
下記溶液〔B〕において、本発明によるポリマーの種類を変えて、4種類の溶液〔B−1〕〜〔B−3〕を調整した。この溶液をそれぞれ、実施例1〜で用いた下塗り済みのアルミニウム板に塗布し、80℃で3分間乾燥して平版印刷用版材〔B−1〕〜〔B−3〕を得た。乾燥後の塗布量は1.7g/m2 であった。
【0118】
溶液〔B〕
本発明に係るスルホン酸発生型高分子化合物 1.6g
(ポリマー具体例の化合物(1) 、(3) 、(5)
酸発生剤 0.1g
4-((4-(N,N-ジ( エトキシカルボニルメチル) アミノ)
フェニル)-2,6- ビス- トリクロロメチル-S- トリアジン
フッ素系界面活性剤 0.06g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 20g
1ーメトキシー2ープロパノール 15g
【0119】
得られた平版印刷用版材〔B−1〕〜〔B−3〕を、メタルハライドランプを光源とするPS版の露光機をもちいて露光した。露光した版材を100度で3分加熱処理した後、ハイデルSOR-Mで印刷した。この際、印刷物の非画像部に汚れが発生しているかどうかを観察した。
【表2】
Figure 0003831054
表2に明らかなように、いずれも非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られた。
つぎに版材の保存安定性を調べるために平版印刷用版材〔B−1〕〜〔B−3〕を、60℃の恒温室で7日間保存した後、上記と同様に、メタルハライドランプを光源とするPS版の露光機をもちいて露光し、現像機を通すことなく100度で3分加熱処理した後、ハイデルSOR- Mで印刷した。結果を上記表2に併記した。この結果より明らかなように、本発明の印刷用原版は、高温での保存後も特性の低下はみられず、いずれも非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られることがわかった。
【0120】
(実施例13)
下記溶液〔C〕を調整し実施例1〜9と同様にして平版印刷用版材〔C−1〕を作成した。
【0121】
溶液〔C〕
本発明に係るスルホン酸発生型高分子化合物 1.6g
(ポリマー具体例の化合物(1) )
赤外線吸収剤(IR−125、和光純薬(株)製) 0.15g
メチルエチルケトン 20g
【0122】
得られた平版印刷用版材〔C−1〕を、実施例1と同じ波長1064nmの赤外線を発するYAGレーザを用いて、実施例1で実施した時の1/4のスキャンスピードで露光し、現像処理することなくそのままハイデルSOR- Mで印刷を行った。非画像部に汚れのない良好な印刷物が得られることがわかった。
【発明の効果】
本発明は、可視光露光もしくは赤外線などの各種のレーザにより直接製版可能であり、また水現像可能な、あるいは画像露光後湿式現像処理やこすり等の特別な処理を必要としない、熱安定性に優れた平版印刷版用原版を提供することができる。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表され、分解してスルホン酸を発生させる官能基を側鎖に有し、光若しくは熱によりスルホン酸を発生する高分子化合物を含む感光/感熱層を支持体上に設けたことを特徴とする平版印刷版原版。
    一般式(1)
    Figure 0003831054
    (式(1)中、Aはアルキル基、もしくはアリール基を示し、Aは水素原子、アルキル基、もしくはアリール基を示し、Aは酸の作用により分解するカルボキシル基の保護基を表す。)
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