JPH11230484A - 曲面に貼る貼着具とその貼付方法 - Google Patents

曲面に貼る貼着具とその貼付方法

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JPH11230484A
JPH11230484A JP3084598A JP3084598A JPH11230484A JP H11230484 A JPH11230484 A JP H11230484A JP 3084598 A JP3084598 A JP 3084598A JP 3084598 A JP3084598 A JP 3084598A JP H11230484 A JPH11230484 A JP H11230484A
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Hisatoyo Arima
久豊 有馬
Yoshiharu Matsuda
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面に貼る貼着具から離型紙を剥がすとき、
離型紙が破れないようにする。 【解決手段】 貼着具6は、被貼着体5の曲面に貼り付
けられる貼着材8と、その裏面に付加された粘着剤7
と、この粘着剤の裏面に付加された離型紙9とを有す
る。貼着具6の一端部から他端部へ延びる相対向する2
辺には、しわ防止用のスリット10が形成される。各ス
リット10における先端部10aと奥部10bとを結ぶ
スリット線Lまたはその奥部10bからの延長線L1
は、離型紙9を一端部から他端部へ向けて剥がすときの
剥がし方向Pに対して逆方向へ延びて、剥がし方向Pと
鈍角αで交差するように設定される。これにより、離型
紙9を剥がすとき、スリット10の奥部周辺が先に、ス
リット10の先端部周辺が後に剥がされるので、剥離時
の力がスリット10の奥部10bに集中せず、離型紙9
がスリット10の奥部10bで破れるのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば自動2輪
車の排気管カバーの内面に貼る断熱シートなどの貼着具
とその貼付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば、図3(A)に示すようなV形
ツイン・エンジン2を搭載した自動2輪車1では、その
エンジンの配置構造のために、後部シリンダに接続され
る排気管3がフットレスト4の近傍を通るものがある。
このような配管のものでは、外観を向上させるために、
すなわち、排気管3の変色を覆うために、排気管3の一
側部がカバー5により覆われる。また、このカバー5の
内面には、排気管3の熱がカバー5の表面に輻射伝達さ
れるのを抑制するために、図3(B),(C)に断面図
および斜視図で示すように、断熱材8が貼り付けられ
る。
【0003】図5(A)は、そのような従来の断熱材8
を含む貼着具6の一例を示す平面図である。この断熱用
貼着具6は、裏面に粘着剤7を付加したシート状の断熱
材8と、粘着剤7の裏面に付加した離型紙9とからな
り、離型紙9を粘着剤7の面から剥がして、断熱材8を
前記カバー5の内面に貼り付ける。また、この貼着具6
では、その断熱材8が、湾曲した前記カバー5の内面に
沿ってしわを生じさせることなく密着できるように、一
端部から他端部へ延びる相対向する2辺A1,A2にし
わ防止用の複数本のスリット10が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の断熱用貼着具6では、しわ防止用のスリット10が、
貼着具6の相対向する2辺A1,A2に対し、ほぼ直角
方向に向けて形成されているため、図5(B)に示すよ
うに、離型紙9の一部が予め剥がされた状態にある貼着
具6の一端の剥がし始点部11から他端部に向けて矢印
Pの方向に離型紙9を剥がすとき、スリット10の形成
部周辺ではスリット10の先端部10a周辺が先に剥が
され、次いでスリット10の奥部10b周辺が剥がされ
ることになる。その結果、離型紙9を剥がすときの力が
スリット10の奥部10bに集中して、離型紙9にスリ
ット10の奥部10bから破れQが発生する場合が多
く、破れが発生した場合には、離型紙9をすべて剥がす
のに要する時間が長くなり、作業性が悪くなる。
【0005】このような不具合を解消する対策の一例と
して、離型紙9を厚くすることも試みられているが、こ
の場合にはコストアップを招くだけでなく、相対的に断
熱材8の強度が弱くなり、離型紙9を剥がすときの力で
断熱材8にしわができたり、断熱材8が破れたりして、
貼付け作業の作業性が悪くなる。
【0006】本発明は、このような課題を解消し、離型
紙を剥がすとき離型紙が破れないようにした曲面に貼る
貼着具とその貼付方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の貼着具は、被貼着体の曲面に貼り付けら
れる貼着材と、その裏面に付加された貼付け用の粘着剤
と、この粘着剤の裏面に付加された離型紙とを有するも
のであって、一端部から他端部へ延びる相対向する2辺
に、しわ防止用のスリットが形成され、そのスリットは
以下の構成とされている。すなわち、すべての前記スリ
ットにおける先端部と奥部とを直線状に結ぶスリット線
またはその奥部からの延長線が、前記離型紙を前記一端
部から他端部へ向かって剥がすときの剥がし方向に対し
て逆方向へ延びて、前記剥がし方向と鈍角で交差するよ
うに設定されている。
【0008】この構成によれば、貼着具の一端部から他
端部へ向けて離型紙を剥がすとき、各スリットの形成部
周辺において、スリットの奥部周辺が先に剥がされ、ス
リットの先端部周辺が後に剥がされるので、離型紙を剥
がすときの力がスリットの奥部に集中せず、従来例のよ
うに離型紙がスリットの奥部から破れるのを防止でき
る。
【0009】また、請求項2の貼着具は、エンジンの排
気管の一側部を覆い、横断面形状がほぼ半円形で排気管
の軸方向に沿って湾曲したカバーの内面に貼り付けられ
るシート状の断熱材と、その裏面に付加された貼付け用
の粘着剤と、この粘着剤の裏面に付加された離型紙とを
有するものであって、一端部から他端部へ延びる相対向
する2辺が前記カバーに沿って湾曲しており、それぞれ
の辺に内方へ延びるスリットが形成され、前記一端部に
前記離型紙の剥がし始点部が形成され、前記スリットは
以下の構成とされている。すなわち、すべての前記スリ
ットにおける先端部と奥部とを直線状に結ぶスリット線
またはその奥部からの延長線が、前記離型紙を前記一端
部から他端部へ向かって剥がすときの剥がし方向に対し
て逆方向へ延びて、前記剥がし方向と鈍角で交差するよ
うに設定されている。
【0010】この構成によれば、離型紙の剥がし始点部
が形成された貼着具の一端部から他端部へ向けて離型紙
を剥がすとき、各スリットの形成部周辺において、スリ
ットの奥部周辺が先に剥がされ、スリットの先端部周辺
が後に剥がされるので、離型紙を剥がすときの力がスリ
ットの奥部に集中せず、従来例のように離型紙がスリッ
トの奥部から破れるのを防止でき、湾曲したカバーの内
面にシート状の断熱材を作業性良く貼り付けることがで
きる。
【0011】また、請求項3の貼着具の貼付方法は、請
求項1または2に記載の貼着具を、その離型紙を剥がし
て被貼着体の曲面に貼り付ける方法であって、前記離型
紙が剥がされた貼着材を一端部から他端部へ順次前記曲
面に貼り付ける際に、前記スリットの奥部の周辺から先
端部の周辺に向かって指で押さえてしわを伸ばしながら
貼り付けるものである。
【0012】この構成によれば、貼着具におけるスリッ
トの形成部周辺において、スリットの奥部周辺からスリ
ットの先端部周辺に向けて離型紙が剥がされて行くのに
伴い、貼着材がそのスリットの奥部周辺から先端部周辺
に向けて被貼着体の曲面に貼り付けられるので、貼着材
を被貼着体の曲面にしわを生じさせることなく作業性良
く貼り付けることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら説明する。図1(A)は本
発明の一実施形態である貼着具を示す平面図であり、従
来例と同じ構成部分は同一符号を付して示している。こ
の貼着具6は、貼着材であるシート状の断熱材8と、そ
の裏面に付加された粘着剤7と、この粘着剤7の裏面に
付加された離型紙9とを有している。
【0014】前記断熱材8は、図5に示した従来の貼着
具6の場合と同様に、たとえば図3(A)に示すような
V形ツイン・エンジン2を搭載した自動2輪車1におけ
る排気管3の一側部を覆うカバー5の内面(曲面)に貼
り付けられるものである。前記カバー5は、排気管3に
沿う形で、その軸方向に沿って湾曲しており、これに合
致するように、図1(A)の貼着具6も、一端部から他
端部へ延びる相対向する2辺A1,A2が前記カバー5
に沿って湾曲している。また、貼着具6の一端部には、
離型紙9の一部を予め粘着剤7の裏面から剥がした剥が
し始点部11が形成されている。さらに、貼着具6の前
記両辺A1,A2には、内方へ延びるしわ防止用の複数
本のスリット10が形成されている。
【0015】この貼着具6では、前記剥がし始点部11
が形成された一端部から他端部に向かって離型紙9を剥
がすときの剥がし方向を、矢印Pで示すと、各スリット
10は、その先端部10aと奥部10bとを直線状に結
ぶスリット線Lまたはその延長線L1が、前記剥がし方
向Pに対して逆方向へ延びて、剥がし方向Pと鈍角αで
交差するように設定されている。ここで、剥がし方向P
とは、離型紙9を剥がすときの断熱材8と離型紙9との
分離境界線Sに対し、これと直交する方向である。
【0016】図2は、横断面形状がほぼ半円形で、排気
管3(図3)の軸方向に沿って湾曲した前記カバー5の
内面に前記貼着具6を貼り付けるときの作業方法を示
す。その貼付けは、剥がし始点部11を有する貼着具6
の一端部から他端部へ向かって離型紙9を徐々に剥がし
ながら、それに伴って露出する粘着剤7(図1)を介し
て、断熱材8を一端部から他端部へ順次、被貼着体であ
るカバー5の内面に接着させることにより行う。
【0017】このようにして離型紙9を貼着具6から剥
がすとき、スリット10のスリット線Lが上述したよう
に設定されているため、貼着具6のスリット形成部周辺
では、図1(B)に示すように、先にスリット10の奥
部10b周辺が剥がれ、その後にスリット10の先端部
10a周辺が剥がれることになる。その結果、離型紙9
を剥がすときの力がスリット10の奥部10bに集中す
ることがなく、従来例のようにスリット10の奥部10
bから離型紙9が破れるのを防止でき、湾曲したカバー
5の内面にシート状の断熱材8を作業性良く貼り付ける
ことができる。
【0018】また、前記貼付け作業においては、図2に
矢印Bで示すように、スリット10の奥部10bの周辺
から先端部10aの周辺に向かって指Fで押さえてしわ
を伸ばしながら貼り付ける。この場合、スリット10の
奥部10b周辺から先端部10a周辺に向けて離型紙9
が剥がされて行くのに伴い、断熱材8がスリット10奥
部10b周辺から先端部10a周辺に向かって指Fで押
さえられてカバー5の内面に貼り付けられるので、断熱
材8を湾曲したカバー5の内面にしわを生じさせること
なく貼り付けることができる。
【0019】なお、図1では、スリット10を直線状と
した貼着具6の場合を示したが、スリット10は図4に
示すように曲線状としても良い。この場合も、スリット
10における先端部10aと奥部10bとを結ぶ直線状
のスリット線Lまたはその奥部10bからの延長線L1
が、離型紙9の剥がし方向Pに対して逆方向へ延びて、
剥がし方向と鈍角αで交差するように設定されているこ
とは同じである。
【0020】また、前記実施形態では、被貼着体に貼り
付ける貼着材が断熱材8である場合を示したが、貼着材
がたとえば自動2輪車におけるカウリングの内面に貼り
付ける吸音材であっても、同様に作業性良く貼り付ける
ことができる。
【0021】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1の貼着
具によれば、スリットの形成部周辺において、スリット
の奥部周辺が先に剥がされ、スリットの先端部周辺が後
に剥がされることになり、離型紙を剥がすときの力がス
リットの奥部に集中しないから、スリットの奥部から離
型紙が破れるのを防止できる。
【0022】また、本発明の請求項2の貼着具によれ
ば、離型紙の剥がし始点部が形成された貼着具の一端部
から他端部へ向けて離型紙を剥がすとき、各スリットの
形成部周辺において、スリットの奥部周辺が先に剥がさ
れ、スリットの先端部周辺が後に剥がされることにな
り、離型紙を剥がすときの力がスリットの奥部に集中し
ないから、離型紙がスリットの奥部から破れるのを防止
でき、湾曲したカバーの内面にシート状の断熱材を作業
性良く貼り付けることができる。
【0023】また、本発明の請求項3の貼着具の貼付け
方法によれば、上記構成の貼着具から離型紙を剥がし、
離型紙が剥がされた貼着材を一端部から他端部へ順次、
被貼着体の曲面に貼り付ける際に、前記スリットの奥部
の周辺から先端部の周辺に向かって指で押さえてしわを
伸ばしながら貼り付けるため、貼着具におけるスリット
の形成部周辺において、スリットの奥部周辺からスリッ
トの先端部周辺に向けて離型紙が剥がされて行くのに伴
い、貼着材がそのスリットの奥部周辺から先端部周辺に
向けて被貼着体の曲面に貼り付けられることになり、貼
着材を被貼着体の曲面にしわを生じさせることなく作業
性良く貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施形態に係る貼着具の平
面図、(B)は同貼着具から離型紙を剥がすときの状態
を示す要部の平面図である。
【図2】同貼着具の排気管カバーへの貼付け作業を示す
斜視図である。
【図3】(A)は排気管カバーを有する自動2輪車の側
面図、(B)は同排気管およびカバーの横断面図、
(C)は同カバーの斜視図である。
【図4】前記貼着具の他の例を示す平面図である。
【図5】(A)は従来例の貼着具を示す平面図、(B)
は同貼着具から離型紙を剥がすときの状態を示す要部の
平面図である。
【符号の説明】
3…排気管、5…カバー(被貼着体)、6…貼着具、7
…粘着剤、8…断熱材(貼着材)、9…離型紙、10…
スリット、10a…スリット先端部、10b…スリット
奥部、11…剥がし始点部、L…スリット線、L1…延
長線、P…剥がし方向、F…指
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被貼着体の曲面に貼り付けられる貼着材
    と、その裏面に付加された貼付け用の粘着剤と、この粘
    着剤の裏面に付加された離型紙とを有する貼着具であっ
    て、 一端部から他端部へ延びる相対向する2辺にしわ防止用
    のスリットが形成され、 すべての前記スリットにおける先端部と奥部とを直線状
    に結ぶスリット線またはその奥部からの延長線が、前記
    離型紙を前記一端部から他端部へ向かって剥がすときの
    剥がし方向に対して逆方向へ延びて、前記剥がし方向と
    鈍角で交差するように設定されている貼着具。
  2. 【請求項2】 エンジンの排気管の一側部を覆い、横断
    面形状がほぼ半円形で排気管の軸方向に沿って湾曲した
    カバーの内面に貼り付けられるシート状の断熱材と、そ
    の裏面に付加された貼付け用の粘着剤と、この粘着剤の
    裏面に付加された離型紙とを有する貼着具であって、 一端部から他端部へ延びる相対向する2辺が前記カバー
    に沿って湾曲しており、それぞれの辺に内方へ延びるス
    リットが形成され、前記一端部に前記離型紙の剥がし始
    点部が形成され、 すべての前記スリットにおける先端部と奥部とを直線状
    に結ぶスリット線またはの奥部からの延長線が、前記離
    型紙を前記一端部から他端部へ向かって剥がすときの剥
    がし方向に対して逆方向へ延びて、前記剥がし方向と鈍
    角で交差するように設定されている貼着具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の貼着具を、そ
    の離型紙を剥がして被貼着体の曲面に貼り付ける方法で
    あって、前記離型紙が剥がされた貼着材を一端部から他
    端部へ順次前記曲面に貼り付ける際に、前記スリットの
    奥部の周辺から先端部の周辺に向かって指で押さえてし
    わを伸ばしながら貼り付ける貼着具の貼付方法。
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