JPH11228632A - 塩化ビニル系樹脂用加工助剤およびこれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂用加工助剤およびこれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH11228632A
JPH11228632A JP3186598A JP3186598A JPH11228632A JP H11228632 A JPH11228632 A JP H11228632A JP 3186598 A JP3186598 A JP 3186598A JP 3186598 A JP3186598 A JP 3186598A JP H11228632 A JPH11228632 A JP H11228632A
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polymer
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vinyl chloride
monomer
vinyl
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JP3186598A
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English (en)
Inventor
Naho Uda
菜穂 右田
Akira Nakada
章 中田
Shigeo Wakabayashi
茂夫 若林
Ken Tsuchibe
研 土部
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂の加工性を向上させ、成形
されたシートフィルムのフローマークを解消し、プレー
トアウトを減少せしめ、ロールなどからの離型性を高め
る加工助剤を得る。 【解決手段】 メタクリル酸エステル系の単量体(a)
を重合し、この重合体の存在下にアクリル酸エステル系
の単量体(b)を重合し、さらにこれらの重合体の存在
下でメタクリル酸エステル系の単量体(c)を重合した
三段重合体であって、単量体(b)の重合体の分子量が
低分子量であるものを加工助剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
用加工助剤およびこれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物
に関し、さらに詳しくは、塩化ビニル系樹脂の加工性を
向上させ、またカレンダー成形したシートまたはフィル
ム、あるいは押出成形したシートまたはフィルムに発生
するフローマークを解消させるとともにプレートアウト
が少なく、かつカレンダー成形した場合のシートの離型
性に優れた加工助剤に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は各種の物理的性質お
よび化学的性質が優れているために、フィルム、シー
ト、ボトル、床材料、電線被覆材等、硬質および軟質製
品に広く用いられている。しかしながら、塩化ビニル系
樹脂は成形加工可能な温度範囲と熱分解温度が近接して
いることから、成形加工が可能な温度領域が著しく狭
く、成形加工性が劣るという欠点を有している。
【0003】かかる塩化ビニル系樹脂の加工性を改良す
る方法として、例えばゲル化を促進するなどの目的で、
メタクリル酸メチルを主成分とする共重合体を加工助剤
として配合する方法が提案されている(特公昭52−1
745号公報、特公昭52−1746号公報、特公昭5
3−2898号公報参照)。
【0004】さらに、塩化ビニル系樹脂の加工性を改良
する方法として、メタクリル酸メチルを主成分とする三
段共重合体を加工助剤として配合した塩化ビニル系樹脂
組成物も提案されている(特公平6−4744号公報、
特公平6−11831号公報参照)。
【0005】このような特定の共重合体からなる加工助
剤を配合することにより、成形加工時のゲル化が促進さ
れ、成形加工性は大幅に改善することができる。しかし
ながら、生産性を向上させるべく、カレンダー成形、押
出成形でのシート、フィルムの成形時間の短縮を目的
に、近年とくに高速化が図られており、このような成形
加工の高速化に伴い、従来の加工助剤では、シート、フ
ィルムにフローマークやプレートアウトが発生し、成型
品の外観、品質が損なわれてしまうという大きな問題点
が生じている。さらに、カレンダー成形においては、成
形加工の高速化に伴い、シートの離型性もこれまで以上
に良好なものが要求されている。
【0006】このように、塩化ビニル系樹脂の加工性を
向上させるとともに、成形したシート、フィルムのフロ
ーマークを解消させプレートアウトが少なく、かつシー
トの離型性に優れた加工助剤が強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
の要求を満たすことにある。すなわち、塩化ビニル系樹
脂の加工性を向上させるとともに、成形したシート、フ
ィルムのフローマークを解消させ、プレートアウトが少
なく、かつシートの離型性に優れた加工助剤を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定組成割合の三
段重合体を加工助剤として配合することにより、塩化ビ
ニル系樹脂の加工性を向上させるとともに、成形したシ
ート、フィルムのフローマークを解消させ、プレートア
ウトが少なく、かつシートの離型性に優れた加工助剤得
ることを見出し、本発明に到達した。
【0009】すなわち、本発明の塩化ビニル系樹脂用加
工助剤は、メタクリル酸エステル80〜100重量%お
よびこれと共重合し得る他のビニル単量体0〜20重量
%から単量体(a)60〜90重量部を重合して得られ
る重合体(A)の存在下に、アクリル酸エステル50〜
100重量%およびこれと共重合し得る他のビニル単量
体0〜50重量%からなる単量体(b)5〜35重量部
を、これを単独で重合した場合の重合体の還元粘度ηs
p/c(重合体0.1gを100mlのクロロホルムに
溶解し、25℃に測定)が、2.0以下となるように重
合し、次いで得られた(A)成分および(B)成分から
なる重合体の存在下に、メタクリル酸エステル50〜1
00重量%およびこれと共重合し得る他のビニル単量体
0〜50重量%からなる単量体(c)5〜20重量部
を、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計量が
100重量部であって、かつ(A)成分、(B)成分及
び(C)成分からなる共重合体の還元粘度ηsp/cが
5.0以下となるように重合して得られる三段重合体
(I)からなるものである。
【0010】さらに、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物
は、ポリ塩化ビニル系樹脂(II)100重量部と、三段
重合体(I)0.05〜20重量部とからなるものであ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の塩化ビニル系樹脂用加工助剤は、前記の
メタクリル酸エステル(共)重合体(A)の成分の存在
下に、(B)成分および(C)成分を順次重合して得ら
れる三段重合体(I)からなるものである。以下にこの
三段重合体(I)について詳述する。
【0012】上記の三段重合体(I)における(A)成
分は、メタクリル酸エステル80〜100重量%および
これと共重合し得る他のビニル単量体0〜20重量%か
らなる単量体または単量体混合物(a)から得られた
(共)重合体である。ここで、メタクリル酸エステルと
しては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル
等が挙げられるが、なかでもメタクリル酸メチルが好ま
しい。また、これと共重合し得る他のビニル単量体とし
ては、例えぱアクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ベンジル、
アクリル酸フェニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸
ステアリルのようなアクリル酸エステル;スチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレンの
ような芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルのようなシアン化ビニル化合物;酢酸ビニ
ルのようなビニルエステル;無水マレイン酸のようなジ
カルボン酸無水物等が挙げられるが、かかる具体例のみ
に限定されるものではない。本発明においては、これら
は目的に応して1種あるいは2種以上組合せて用いるこ
とができる。しかしながら、これらの共重合し得る他の
ビニル単量体の割合が20重量%を超える場合には、
(A)成分としての本来の加工特性、例えばゲル化促進
効果が認められない。
【0013】また、(A)成分の分子量は、(A)成分
単独で重合した場合の(共)重合体の還元粘度ηsp/
c((共)重合体0.1gを100m1のクロロホルム
に溶解し、25℃で測定)が2.0から5.0になるよ
うに重合することが好ましく、還元粘度ηsp/cが
2.0未満では加工助剤本来の性能である塩化ビニル系
樹脂への溶融強度付与およびゲル化促進効果が小さくな
る。また、還元粘度ηsp/cが5.0を超える場合に
は、成形したシートにフローマークが発生しやすくな
る。
【0014】三段重合体(I)における(A)成分の組
成割合は60〜90重量部の範囲で、好ましくは70〜
90重量部の範囲である。この組成割合が60重量部未
満では、ゲル化促進効果が小さくなる。また組成割合が
90重量部を超える場合には、本発明の目的とする離型
性が低下すると共に、未ゲル化物が発生する。
【0015】(B)成分は、アクリル酸エステル50〜
100重量%およびこれと共重合し得る他のビニル単量
体0〜50重量%からなる単量体または単量体混合物
(b)から得られた(共)重合体である。ここで、アク
リル酸エステルとしては、例えばアクリル酸エチル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸フェニル等が挙げられるが、アル
キル基の炭素数が2〜18個のアクリル酸アルキルが好
ましく、なかでもアクリル酸ブチルが最も好ましい。ア
ルキル基の炭素数が18個を超える場合には、単量体ま
たは単量体混合物の重合性が低下し、重合が困難となる
ので好ましくない。また、これと共重合し得る他のビニ
ル単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル
酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル
酸フェニルのようなメタクリル酸エステル;スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン
のような芳香族ビニル化物;アクリロニトリル、メタク
リロニトリルのようなシアン化ビニル化合物:酢酸ビニ
ルのようなビニルエステル;無水マレイン酸のようなジ
カルボン酸無水物等が挙げられるが、かかる具体例のみ
に限定されるものではない。本発明においては、これら
は目的に応じて1種あるいは2種以上組合せて用いるこ
とができる。この(B)成分におけるアクリル酸エステ
ルの割合は50〜100重量%、好ましくは80〜10
0重量%である。このアクリル酸エステルの割合が50
重量%未満の場合には、本発明の目的とする離型性が失
われる。
【0016】さらに、塩化ビニル系樹脂組成物に優れた
離型性を付与するためには、この(B)成分を低分子量
にすることが大切であって、(B)成分を単独で重合し
た場合の還元粘度ηsp/c((共)重合体0.1gを
100m1のクロロホルムに溶解し、25℃で測定)が
2.0以下、好ましくは1.0以下となるように重合す
ることが必要条件であり、これにより本発明の目的とす
る効果が得られる。還元粘度ηsp/cを調節する方法
としては、連鎖移動剤、触媒の使用量および重合温度等
の常用の方法を用いることができる。この還元粘度ηs
p/cが2.0を超えると、本発明の目的とする離型性
は低下する。
【0017】三段重合体(I)における(B)成分の組
成割合は5〜35重量部の範囲で、好ましくは5〜20
重量部の範囲である。この組成割合が5重量部未満で
は、本発明の目的とする離型性が低下する。また組成割
合が35重量部を超える場合には、加工助剤本来の効果
であるゲル化促進等の加工性を損なう。
【0018】次に、(C)成分はメタクリル酸エステル
50〜100重量%およびこれと共重合し得る他のビニ
ル単量体0〜50重量%からなる単量体または単量体混
合物(c)から得られた(共)重合体である。ここで、
メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メ
チル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸フェニル等が挙げられるが、なかでも
メタクリル酸メチルが好ましい。また、これと共重合し
得る他のビニル単量体としては、例えばアクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、アクリ
ル酸ラウリル、アクリル酸ステアリルのようなアクリル
酸エステル:スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、クロルスチレンのような芳香族ビニル化合物:
アクリロニトリル、メタクリロニトリルのようなシアン
化ビニル化合物:酢酸ビニルのようなビニルエステル;
無水マレイン酸のようなジカルボン酸無水物等が挙げら
れるが、本発明はかかる具体例のみに限定されるもので
はない。本発明においては、これらは目的に応じて1種
あるいは2種以上組合せて用いることができる。しかし
ながら、これらの共重合し得る他のビニル単量体の割合
が50重量%を超える場合には、三段共重合体(I)の
塩化ビニル系樹脂への分散性が損なわれる。
【0019】三段重合体(I)における(C)成分の組
成割合は5〜20重量部の範囲で、好ましくは5〜15
重量部の範囲である。この組成割合が5重量部未満で
は、塩化ビニル系樹脂とのブレンド中にブロックを生じ
たり、本発明における三段共重合体(I)を取扱い性に
優れた粉体として回収することが困難となる。
【0020】さらに、本発明の目的とする塩化ビニル系
樹脂組成物のフローマークの解消およびブレートアウト
の低減を達成するためには、(A)成分、(B)成分お
よび(C)成分からなる三段共重合体(I)の還元粘度
ηsp/c((共)重合体0.1gを100m1のクロ
ロホルムに溶解し、25℃で測定)が5.0以下、好ま
しくは4.0以下かつ2.0以上にすることが大切であ
る。三段共重合体(I)の還元粘度ηsp/cを調節す
る方法としては、(A)成分、(B)成分および(C)
成分における連鎖移動剤、触媒の使用量および重合温度
等の常用の方法を用いることができる。還元粘度ηsp
/cが4.0を超える場合には、フローマークが発生し
やすくなる。また、還元枯度ηsp/cが2.0未満で
は、プレートアウトが発生する他、加工助剤本来の効果
である塩化ビニル系樹脂組成物への溶融強度付与効果が
低下する。
【0021】本発明における三段共重合体(I)は、前
記(A)成分の存在下に、(B)成分および(C)成分
を順次添加し、重合させることによって容易に得られ
る。例えば、重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、
溶液重合等が挙げられ、これらの中では乳化重合法の適
用が好ましい。この乳化重合法を適用した三段共重合体
(I)の製造法において、1段目の存在下中、乳化剤を
新たに添加せずに2段目以降の重合を進め、(B)成分
および(C)成分の単独重合体の形成を実質的に抑える
のが望ましい。
【0022】ここで、用いることのできる乳化剤として
は、特に限定されるものではなく、公知のものが使用で
き、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン性界面活
性剤、また、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン酸脂肪エ
ステル、グリセリン脂肪酸エステル等のノニオン性界面
活性剤、さらにはアルキルアミン塩等カチオン性界面活
性剤を使用することができる。また、これらの乳化剤は
単独で、あるいは併用して使用することができる。ま
た、使用乳化剤の種類により重合系のpHがアルカリ側
になるときは、メタクリル酸アルキルエステル、および
アクリル酸アルキルエステル加水分解を防止するために
適当なpH調節剤を使用することもできる。pH調節剤
としては、ホウ酸−塩化カリウム−水酸化カリウム、リ
ン酸二水素カリウム−リン酸水素二ナトリウム、ホウ酸
一塩化カリウムー炭酸カリウム、クエン酸−クエン酸水
素カリウム、リン酸二水素カリウム−ホウ酸、リン酸水
素二ナトリウムークエン酸等を使用することができる。
【0023】また、重合開始剤としては、水溶性、油溶
性の単独系、もしくはレドックス系のものでよく、例と
して、通常の過硫酸塩等の無機開始剤を単独で用いる
か、あるいは亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩等と
組合わせてレドックス系開始剤として用いることもでき
る。さらに、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、クメ
ンハイドロパ−オキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル等の有機過酸化物、アゾ化合物等を単独で用
いるか、あるいはナトリウムホルムアルデヒドスルホキ
シレート等と組合わせてレドックス系開始剤として用い
ることもできるが、かかる具体例にのみに限定されるも
のではない。
【0024】三段共重合体(I)の回収方法は、例え
ば、乳化重合法により得る場合には、得られた重合体ラ
テックスを冷却し、しかる後に、硫酸、塩酸、リン酸等
の酸、または塩化アルミニウム、塩化カルシウム、硫酸
マグネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸カルシウム等の
塩などの電解質により、酸凝固もしくは塩析させて重合
体を沈澱せしめた後、さらに濾過、洗浄、乾燥して得る
ことができる。塩析、もしくは酸凝固させる場合の凝析
剤についても公知のものを使用し得る。また、得られた
重合体ラテックスを噴霧乾燥もしくは凍結乾燥等の手法
で回収するなど、公知の回収方法を使用し得る。
【0025】本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂(I
I)については特に制限されるものではなく、例えば塩
化ビニルの単独重合体、後塩素化塩化ビニル重合体、部
分架橋塩化ビニル重合体あるいは塩化ビニルと共重合し
得る他のビニル化合物を30重量%を超えない範囲で含
有してなる塩化ビニルとの共重合体、およびこれらの混
合物などが挙げられる。上記塩化ビニル成分と共重合し
得る他のビニル化合物は特に限定されないが、具体例と
しては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどの
脂肪酸ビニルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルなどのメタクリル酸アルキルエステル;エチ
レン、プロピレン、スチレンなどのα−オレフィン;ビ
ニルメチルエーテル、ビニルプチルエーテルなどのアル
キルビニルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、無水
マレイン酸などの不飽和カルボン酸またはその酸無水物
などが挙げられ、これらは1種または2種以上を組み合
わせて用いてもよい。上記の共重合し得る他のビニル化
合物の共重合量が30重量%を超える場合には、塩化ビ
ニル系樹脂の本来の特徴を損なう。さらに、これらの塩
化ビニル系樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。
【0026】本発明で用いられる塩化ビニル系樹脂の平
均重合度は、300〜5000の範囲にあることが好ま
しく、500〜3000のものがさらに好ましい。平均
重合度が300未満では十分な強度が得られないし、平
均重合度が5000を超えると十分に混練させることが
難しく加工性が低下する傾向がみられる。
【0027】塩化ビニル系樹脂の製造方法は特に制限は
なく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法などの種々
の公知の技術を用い得る。本発明における塩化ビニル樹
脂系組成物は上記ポリ塩化ビピニル系樹脂(II)100
重量部に対し、上述した構成からなる三段共重合体
(I)を0.05〜20重量部、好ましくは0.05〜
15重量部配合してなるものであり、この配合割合が上
記範囲を外れる場合には、フローマークの解消および優
れたシートの離型性の付与効果が乏しくなる。
【0028】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物を得る方
法は特に制限されるものではなく、一般の公知の混合混
練方法を用いればよく、例えば、所定量の塩化ビニル系
樹脂(II)と三段重合体(I)をヘンシェルミキサー、
バンバリーミキサー、V型ミキサー、リボンブレングー
等で混合したものを、単軸押出機、二軸押出機、加圧ニ
ーダー、またはミキシングロールなどの混練機により樹
脂組成物を得ることができ、各種の形状に成形されて製
造される。
【0029】なお、塩化ビニル系樹脂(II)および三段
重合体(I)を配合して本発明の塩化ビニル系樹脂組成
物を得る場合には、本発明の効果を損なわない限りにお
いて、その目的に応じて、慣用の安定剤、充填剤、滑
剤、耐衝撃性改質剤などを配合することができる。
【0030】該安定剤としては、例えば三塩基性硫酸
鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、ケイ酸鉛な
どの鉛系安定剤、カリウム、マグネシウム、バリウム、
亜鉛、カドミウム、鉛等の金属と2−エチルヘキサン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、
オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、ベヘニン酸等
の脂肪酸から誘導される金属石けん系安定剤;アルキル
基、エステル基と脂肪酸塩、マレイン酸塩、含硫化物か
ら誘導される有機スズ系安定剤;Ba−Zn系、Ca−
Zn系、Ba−Ca−Sn系、Ca−Mg−Sn系、C
a−Zn一Sn系、Pb一Sn系、Pb−Ba−Ca系
などの複合金属石けん系安定剤、バリウム、亜鉛などの
金属基と2−エチルヘキサン酸、イソデカン酸、トリア
ルキル酢酸などの分岐脂肪酸、オレイン酸、リシノール
酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸、ナフテン酸などの
脂肪環族酸、石炭酸、安息香酸、サリチル酸、それらの
置換誘導体などの芳香族酸といった通常二種以上の有機
酸から誘導される金属塩系安定剤;これら安定剤を石油
系炭化水素、アルコール、グリセリン誘導体などの有機
溶剤に溶解し、さらに亜リン酸エステル、エポキシ化合
物、発色防止剤、透明性改良剤、光安定剤、酸化防止
剤、プレートアウト防止剤、滑剤等の安定化助剤を配合
してなる金属塩液状安定剤などといった金属系安定剤の
ほか、エポキシ樹脂、エポキシ化大豆油、エポキシ化植
物油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルなどのエポキ
シ化合物;リンがアルキル基、アリール基、シクロアル
キル基、アルコキシル基などで置換され、かつプロピレ
ングリコールなどの2価アルコール、ヒドロキノン、ビ
スフェノールA、などの芳香族化合物を有する有機亜リ
ン酸エステルなどといった非金属系安定剤が挙げられ、
これらは1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0031】充旗剤としては、例えば重質炭酸カルシウ
ム、沈降性炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウムなどの
炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸
化チタン、クレー、マイカ、タルク、ウォラストナイ
ト、ゼオライト、シリカ、酸化亜鉛、酸化マグネシウ
ム、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、
ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの無機質系のもの
のほか、ポリアミド等のような有機繊維も使用でき、こ
れらは1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0032】また、滑剤としては、例えば、流動パラフ
ィン、天然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフ
ィン、低分子量ポリエチレンなどの純炭化水素系、ハロ
ゲン化炭化水素系、高級脂肪酸、オキシ脂肪酸などの脂
肪酸系、脂肪酸アミド、ビス脂肪酸アミドなどの脂肪酸
アミド系、脂肪酸の低級アルコールエステル、グリセリ
ドなどの脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポ
リグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステ
ル(エステルワックス)などのエステル系のほか、金属
石けん、脂肪アルコール、多価アルコール、ポリグリコ
ール、ポリグリセロール、脂肪酸と多価アルコールの部
分エステル、脂肪酸とポリグリコール、ポリグリセロー
ルの部分エステルなどが挙げられる。
【0033】さらに、耐衝撃性改質剤としては、例えば
ポリプタジェン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、
フッ素ゴム、スチレンーブタジエン共重合体ゴム、アク
リロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ス
チレン−ブダジエン−スチレンブロソク共重合体ゴム、
スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック
共重合体ゴム、エチレン−プロピレン共童合体ゴム、エ
チレン−ブロピレン−ジエン共重合体ゴム、(EPD
M)などが挙げられる。EPDMのジエンとしては、
1,4−ヘキサンジエン、ジシクロペンタジエン、メチ
レンノルポルネン、エチリデンノルボルネン、プロペニ
ルノルボルネンなどが使用できる。これらの耐衝撃性改
質剤は1種または2種以上組み合わせて用いることがで
きる。
【0034】その他、塩素化パラフィン、水酸化アルミ
ニウム、三酸化アンチモン、ハロゲン化合物などの難燃
剤、離型剤、流動性改良剤、着色剤、帯電防止剤、界面
活性剤、防曇剤、発泡剤、抗菌剤なども、本発明の効果
を損なわない限りにおいて、目的に応じて任意に配合す
ることができる。得られた塩化ビニル系樹脂組成物は、
通常の公知の成形方法、例えば、カレンダー成形、押出
成形などを適用し各種成形品を得ることができるが、カ
レンダー成形において本発明の効果が大である。
【0035】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。なお、各実施例、比較例中「部」とあるのは「重量
部」を示す。本発明の塩化ビニル系樹脂用加工助剤およ
びそれを用いた塩化ビニル系樹脂組成物の顕著な効果を
示すため、ロール離型性、フローマークおよびゲル化特
性の評価試験を実施した。ロール離型性については、6
インチロールを用いて混練温度200℃、ロール間隔
0.25mm、試料100gで混練し、剥がれ難くなる
までの時間を測定した。この時間が長いほど、ロール離
型性が優れるとした。また、フローマーク評価について
は、6インチロールを用いて混練温度200℃、ロール
聞隔0.25mm、試料100gで3分間混練し、評価
に用いた。また、ゲル化特性については、ブラベンダー
プラスチコーダーを用いて温度160℃、回転数30r
pm、充填量53gで混練した時の最大トルクおよび最
大トルクに至るまでの時間(ゲル化時間)を測定した。
このゲル化時間が短いほど、ゲル化が早いとした。
【0036】(実施例1〜3、比較例1〜4および参考
例1)攪拌機および環流冷却器つき反応容器にイオン交
換水280部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム
1.5部、過硫酸アンモニウム0.2部および(A)成
分の単量体または単量体混合物を仕込み、容器内を窒素
で置換した後、攪拌下で反応容器を65℃に昇温して2
時問加熱攪拌した。つづいて、(B)成分の単量体また
は単量体混合物を1時間かかって添加し、添加終了後、
さらに2時間継続攪拌した。しかる後に(C)成分の単
量体または単量体混合物を1時間かかって添加し、さら
に2時問継続攪拌し重合を終了した。なお使用した
(A)成分ないし(C)成分は第1表に一括して示し
た。得られたエマルジョンを冷却後、塩化アルミニウム
を用いて塩析し、濾過、洗浄、乾燥して重合物を得た。
上記試料の所定量をポリ塩化ビニル(平均分子量80
0)100部、ジブチル錫メルカプチド2.0部、滑剤
1.0部とともにヘンシェルミキサーを用いて混合し、
内温120℃にてブレンドを終了し、ロール離型性、フ
ローマークおよびゲル化特性評価試験に供した。上記の
塩化ビニル系樹脂組成物の加工性の測定結果を第2表に
まとめて示した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の塩化ビニ
ル系樹脂用加工助剤は、塩化ビニル系樹脂の加工性を向
上させ、またカレンダー成形したシートまたはフィル
ム、あるいは押出成形したシートまたはフィルムに発生
するフローマークを解消させるとともにプレートアウト
が少なく、かつカレンダー成形した場合のシートの離型
性に優れた効果を発揮を奏する。さらに、本発明の塩化
ビニル系樹脂組成物は、加工性がよく、カレンダー成
形、押出成形して得られるシートまたはフィルムにフロ
ーマークが生じることがなく、プレートアウトも少な
く、ロール離型性も良好である。
フロントページの続き (72)発明者 土部 研 神奈川県川崎市多摩区登戸3816番地 三菱 レイヨン株式会社東京技術・情報センター 内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸エステル80〜100重量
    %およびこれと共重合し得る他の単量体0〜20重量%
    からなる単量体(a)60〜90重量部を重合し、これ
    で得られた重合体(A)の存在下に、 アクリル酸エステル50〜100重量%およびこれと共
    重合し得る他のビニル単量体0〜50重量%からなる単
    量体(b)5〜35重量部を、これを単独で重合した場
    合の重合体の還元粘度ηsp/cが、2.0以下となる
    ように重合体(B)を重合し、次いで得られた重合体
    (A)および重合体(B)からなる重合体の存在下に、 メタクリル酸エステル50〜100重量%およびこれと
    共重合し得る他のビニル単量体0〜50重量%からなる
    単量体(c)5〜20重量部を重合し重合体(C)とな
    し、 重合体(A)、重合体(B)および重合体(C)の合計
    量が100重量部であって、かつその還元粘度ηsp/
    cが、5.0以下である三段重合体(I)からなる塩化
    ビニル系樹脂用加工助剤。
  2. 【請求項2】 ポリ塩化ビニル系樹脂(II)100重量
    部と、請求項1記載の三段重合体(I)0.05〜20
    重量部とからなる塩化ビニル系樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6730741B1 (en) 1999-05-19 2004-05-04 Mitsubishi Rayon Co., Ltd. Processing aid, vinyl chloride resin composition containing the same, and process for producing molded article with the same
WO2006112192A1 (ja) * 2005-03-30 2006-10-26 Kaneka Corporation (メタ)アクリル系重合体およびこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物

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WO2006112192A1 (ja) * 2005-03-30 2006-10-26 Kaneka Corporation (メタ)アクリル系重合体およびこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物
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JP5231015B2 (ja) * 2005-03-30 2013-07-10 株式会社カネカ (メタ)アクリル系重合体およびこれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物

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