JPH11228312A - 水性懸濁状除草剤原液組成物 - Google Patents

水性懸濁状除草剤原液組成物

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JPH11228312A
JPH11228312A JP33011098A JP33011098A JPH11228312A JP H11228312 A JPH11228312 A JP H11228312A JP 33011098 A JP33011098 A JP 33011098A JP 33011098 A JP33011098 A JP 33011098A JP H11228312 A JPH11228312 A JP H11228312A
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JP
Japan
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stock solution
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solution composition
water
urikawa
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JP33011098A
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Kazuhiko Konno
和彦 紺野
Kaoru Ikeda
芳 池田
Kunio Uchimura
邦男 内村
Kiyoshi Sugaya
清志 菅谷
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水田に発生繁殖する多年生広葉雑草、特にウ
リカワを除草する除去組成物を提供する。 【解決手段】 (A)一般式 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、Zはフェナシ
ル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞれ示す)で表
わされるピラゾール系化合物10〜50重量%を(B)
界面活性剤を2.0重量%を越えて20重量%以下用い
て(C)水中に懸濁させてなる、湛水下水田にそのまま
散布する水性懸濁状除草剤原液組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、懸濁状農薬組成物
に関するものである。更に詳しくは、一般式(I)
【0002】
【化2】
【0003】(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Z
はp−トルエンスルホニル基、フェナシル基又はp−メ
チルフェナシル基をそれぞれ示す)で表わされるピラゾ
ール系化合物を農薬原体として含有する懸濁状の農薬製
剤を提供するものである。本発明の懸濁状農薬組成物
を、湛水下水田の田植前処理剤として施用した場合、ウ
リカワに極めて高い殺草効果がある。
【0004】
【従来の技術】近年、水田除草の省力化を目的として、
オキサジアゾン乳剤(商品名「ロンスター乳剤」)やオ
キサジアゾン・ブタクロール乳剤(商品名「デルカット
乳剤」)が、代かき作業時に原液のまま容器から散布す
る田植前処理用乳剤として開発され急速に普及してきて
いる。この除草方法は水田における必須作業である代か
き作業を利用する点で極めて省力的である。しかしこれ
ら乳剤は、ノビエ、カヤツリグサ、コナギ、アゼナ、キ
カシグサなどの一年生雑草からホタルイ、マツバイ、ミ
ズガヤツリなどの多年生雑草まで高い殺草効果を示す
が、ウリカワ、オモダカ、ヒルムシロなどの多年生広葉
雑草に全く効果を示さない欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、これら多年生広
葉雑草は全国的に増加傾向にあり、特にウリカワに関し
ては昭和57年の調査によればその発生面積が全国平均
で37%、東海以西では50%を超えるまでになってい
る。従って、ウリカワの発生の多い水田ではフェノチオ
ール・シメトリン剤、シメトリン・MCPB剤などの中
期除草剤との体系処理が必要となり、田植前処理剤の省
力効果を大きく減殺する状況が起きつつある。このよう
なウリカワの発生増加に対処するために最近開発された
ナプロアニリド剤(商品名「ウリベスト粒剤」)は、ウ
リカワに卓効を示すがイネの幼苗に対する薬害のため、
田植前処理剤として使用することができない。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような背景のもと
に、本発明者らは、多年生広葉雑草、特にウリカワを代
かき作業時に防除する田植前処理剤について鋭意検討し
た結果、 有効成分として一般式(I)で表わされるピラゾール
系化合物を用い、 製剤形態として懸濁状農薬組成物(ゾル剤またはフロ
アブル剤とも言う)を選ぶ、 ことにより所期の目的を達することができることを見い
出し本発明を完成した。本発明は、 「1. (A)一般式
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rは水素原子またはメチル基を、
Zはフェナシル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞ
れ示す)で表わされるピラゾール系化合物10〜50重
量%を(B)界面活性剤を2.0重量%を越えて20重
量%以下用いて(C)水中に懸濁させてなる、湛水下水
田にそのまま散布する水性懸濁状除草剤原液組成物。」
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の懸濁状農薬組成物に
(A)成分として用いるピラゾール系化合物は、一般式
(I)、
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Rは水素原子またはメチル基を、
Zはp−トルエンスルホニル基、フェナシル基又はp−
メチルフェナシル基をそれぞれ示す)で表わされるもの
であり、これらは特公昭54−36648、同56−2
8885、特開昭54−70269、同57−7290
3各号公報に記載されているものである。一般式(I)
で表わされる化合物の具体例としては、一般式(I)
【0012】
【化5】
【0013】(以下、化合物Aと略記する)、
【0014】
【化6】
【0015】(以下、化合物Bと略記する)、
【0016】
【化7】
【0017】(以下、化合物Cと略記する)、等があ
り、これらが好ましいものである。
【0018】本発明の組成物に用いる(B)成分である
界面活性剤は、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性
剤等がある。アニオン界面活性剤としては例えば、ポリ
オキシエチレンアルキルアリルホスフェート、ポリオキ
シエチレンアルキルアリルエーテルサルフェート、ポリ
オキシエチレンスチリルフェニルエーテルサルフェー
ト、アルキルアリルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸
塩、アルキルサルフェート、ジアルキルスホサクシネー
ト等があり、ノニオン界面活性剤として例えば、ポリオ
キシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエー
テル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンアルキレート、ソルビタンアルキルエス
テル等があるが、これらに限定されるものではなく、こ
れらは単独又は2種以上を配合して用いることもでき
る。
【0019】本発明の組成物は、上記(A)成分を
(B)成分により(C)成分としての水に分散させた、
懸濁状の安定な懸濁液であるが、本発明の組成物の懸濁
液の安定化及び/又は粘度調節等を図るために(D)成
分として水溶性高分子又は保護コロイド剤を使用するこ
とができる。水溶性高分子又は保護コロイド剤としては
例えば、アラビアゴム、グアーゴム、アルギン酸ソー
ダ、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセルロー
ス、キサンタンガム、ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸
−スチレン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース、メ
チルセルロース等が用いられる。これらは単独又は2種
以上を混合して用いられることができる。
【0020】本発明で使用する(C)成分としての溶媒
は、水が主体となり水単独でもよいが、耐寒性、耐熱
性、粘度、比重などの物理化学的性状を考慮する必要が
ある場合は、メチルアルコール、エチルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、エチレングリコール、グリセリ
ン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
などの親水性溶媒、または場合によってはキシレン、ト
ルエン、ケロシン、流動パラフィンなどの疎水性溶媒か
ら選ばれる単独または2種以上の配合の有機溶媒を加用
してもよい。また、本発明で用いる懸濁状農薬組成物は
上記成分のほかに、消泡剤例えばシリコーン系消泡剤や
膨潤剤例えばベントナイトを配合してもよく、更に必要
なら他の成分を配合してもよい。
【0021】本発明の懸濁状農薬組成物は、上記配合剤
をそれぞれ、 (A)成分:10〜50wt%、好ましくは20〜40
wt%、 (B)成分:0.1〜20wt%、好ましくは1〜10
wt%、 (C)成分:残部、 (D)成分:0〜10wt%、好ましくは0.01〜5
wt%、 配合して製剤として調製される。本発明の懸濁状の製剤
として調製は、特公昭46−20519、同58−24
40、特開昭57−58601、同57−15970
3、同58−124702、同58−162504各号
公報等に記載された方法で行うことができる。例えば、
(A)成分である固体の農薬原体を予めジエットオーマ
イザー等の粉砕機により微粉化し、これに(B)成分の
界面活性剤、(C)成分の水及び必要に応じて(D)成
分又はその他の添加剤等を配合し、ホモジナイザーで1
0〜60分間撹拌混合することにより均一な懸濁状農薬
組成物の製剤を得ることができる。又は例えば、高速撹
拌機により(A)、(B)及び(C)成分及び必要に応
じて(D)成分等を30〜90分間混合した後、これら
の混合物をサンドクラインダーなどの湿式粉砕機で微粉
砕することにより懸濁状農薬組成物を得ることができ
る。
【0022】このようにして製造された懸濁状農薬組成
物は、例えば次のようにして代かき作業時に容器のまま
原液で、300〜1000ml/10a散布して使用さ
れる。 手散布の場合、 代かき直前又は直後の濁水状態の時に、歩きながらビン
を手でふって散布する。 機械散布の場合、 トラクターなどにオキサジアゾン乳剤などで使用される
専用散布機を装着し、代かき作業と同時に滴下散布す
る。
【0023】即ち、本発明は第二に田植前の土壌を処理
する際に、(A) 一般式(I)、一般式(I)
【0024】
【化8】
【0025】(式中、Rは水素原子またはメチル基を、
Zはp−トルエンスルホニル基、フェナシル基又はp−
メチルフェナシル基をそれぞれ示す)で表わされるピラ
ゾール系化合物を、(B) 界面活性剤を用いて、
(C) 水中に懸濁させた懸濁状農薬組成物により田植
前土壌処理する方法を提供するものである。本発明の懸
濁状農薬組成物の製剤は、湛水下水田の田植前処理剤と
して主としてウリカワなどの多年生広葉雑草を防除する
ものであるが、広い範囲の水田雑草を同時に防除する場
合には、オキサジアゾン、ブタクロール、プレチラクロ
ールなどの乳剤と同時に散布することができる。
【0026】
【実施例】次に本発明の製造例及び試験例について説明
する。なお、各例中、部は重量部を示す。
【0027】製造例1 化合物A:30部、エチレングリコール5部、界面活性
剤(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ジ
アルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアル
キルエーテルのそれぞれ1:1:1の混合物):5部、
キサンタンガム0.5部、水59.5部をそれぞれ計量
して加え、ホモジナイザーにより40分間混合した後、
サンドグラインダーで2時間湿式微粉砕して均一な懸濁
状農薬組成物:100部を得た。
【0028】製造例2 化合物B:30部、界面活性剤(ポリオキシエチレンフ
ェニルフェノールエーテルのリン酸エステル塩):2
部、ポリアクリル酸:0.5部、ベントナイト:1部、
水66.5部をそれぞれ計量して加え、ホモジナイザー
により40分間混合した後、サンドグラインダーで2時
間湿式微粉砕して均一な懸濁状農薬組成物:100部を
得た。
【0029】製造例3 化合物Aの代りに化合物Cを用いた他は実施例1と同様
に製剤を行い、均一な懸濁状農薬組成物を得た。
【0030】試験例1(土壌混和処理) 1区10m(2m×2m)に仕切った水田を用い、1
試験区3反復として以下のような方法で試験を行った。
雑草が均一に発生するように荒かき1日後に発芽のよい
ノビエ、キカシグサ、コナギ、ホタルイの種子を一定量
ずつまき、更に、ウリカワ、ミズガヤツリの塊茎を一区
に20個ずつ埋込んだ。更に1日後に3〜4cmに湛水
し製造例1で製剤した薬剤を5ml(500ml/10
aに相当する)散布し、ただちにレーキで土壌表層から
10cm程度の深さまでかきまぜた。薬剤散布してから
2日後に2.5葉期のイネを移植した。以後3〜4cm
の深さに湛水し調査日まで管理した。除草効果は、薬剤
処理してから30日目に生存雑草を抜き取り、その乾物
重を測定し無処理区と対比した。イネに対する薬害もそ
の時に観察した。その結果は表−1に示す通りであった
(3区の平均で表示した)。また参考例としての試験例
1と同様な方法でブタクロール乳剤との同時処理を行
い、結果を表1に合せて示した。
【0031】
【表1】
【0032】試験例2(濁水処理) 試験例1と同様に雑草を処理した水田を準備し、その1
日後に3〜4cmに湛水し、レーキで土壌表層から10
cm程度の深さまでかきまぜた。その後直ちに、製造例
1で製剤した薬剤を5ml(500ml/10aに相当
する)散布した。薬剤散布してから2日後に2.5葉期
のイネを移植した。以後3〜4cmの深さに湛水し調査
日まで管理した。除草効果は試験例1と同様に調査し
た。その結果は表2に示す通りであった。
【0033】
【表2】
【0034】
【発明の効果】一般式(I)で表わされるピラゾール系
化合物は、粒剤として田植直後に散布した場合、ノビ
エ、カヤツリグサ、コナギ、アゼナ、キカシグサなどの
一年生雑草からホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリ、ウ
リカワ、オモダカ、ヒルムシロなどの多年生雑草に至る
まで卓効を示し、殺草スペクトラムが広い除草剤として
知られているが、田植前処理ではその効果が不安定にな
ると言われている。一方、これ等のピラゾール系化合物
は、常温で固体であり、かつ農薬用乳剤を製造するため
に通常使用されるような有機溶剤に対する溶解度が低い
ので、有効成分高含量の乳剤を製造することは極めて困
難である。一方、懸濁状農薬製剤は、新規な剤型ではな
いが、主として空中散布用製剤として開発されており、
湛水下水田の田植前処理剤として用いられた例は知られ
ていない。本発明者らは、このような状況のもとに、代
かき作業時に原液のまま容器から散布できる農薬製剤に
ついて鋭意検討した結果、特定のピラゾール系化合物を
懸濁状農薬組成物とすることで、湛水下水田に於て実用
的に十分均一に散布でき、ウリカワなどの広葉雑草に安
定した除草効果を示すことを見い出し本発明を完成した
ものである。すなわち、一般式(I)で表わされるピラ
ゾール系化合物を懸濁状農薬組成物にして、湛水下水田
の代かき作業時に原液のまま散布したところ、ノビエ、
ホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリなどの禾本科雑草に
対する殺草効果が著しく減殺される現象が認められたに
もかかわらず、ウリカワ、オモダカ、ヒルムシロ、アゼ
ナ、キカシグサなどの広葉雑草には極めて高い殺草効果
が認められた。このような一般式(I)で表わされるピ
ラゾール系化合物を、本発明の懸濁状農薬組成物の製剤
にして湛水下水田の田植前処理剤とした施用した場合、
特に問題雑草となているウリカワの卓効を示すことは、
従来の技術レベルからは全く予測できないことである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 水性懸濁状除草剤原液組成物
【特許請求の範囲】
【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、Zはフェナシ
ル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞれ示す)で表
わされるピラゾール系化合物10〜50重量%を(B)
界面活性剤を2.0重量%を越えて20重量%以下用い
て(C)水中に懸濁させてなる、湛水下水田にそのまま
散布する水性懸濁状除草剤原液組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性懸濁状除草剤
原液組成物に関するものである。更に詳しくは、一般式
(I)
【0002】
【化2】
【0003】(式中、Rは水素原子又はメチル基を、Z
はフェナシル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞれ
示す)で表わされるピラゾール系化合物を農薬原体とし
て含有する湛水下水田にそのまま散布する水性懸濁状の
除草剤原液組成物を提供するものである。本発明の水性
懸濁状除草剤原液組成物を、湛水下水田の田植前処理剤
として施用した場合、ウリカワに極めて高い殺草効果が
ある。
【0004】
【従来の技術】近年、水田除草の省力化を目的として、
オキサジアゾン乳剤(商品名「ロンスター乳剤」)やオ
キサジアゾン・ブタクロール乳剤(商品名「デルカット
乳剤」)が、代かき作業時に原液のまま容器から散布す
る田植前処理用乳剤として開発され急速に普及してきて
いる。この除草方法は水田における必須作業である代か
き作業を利用する点で極めて省力的である。しかしこれ
ら乳剤は、ノビエ、カヤツリグサ、コナキ、アゼナ、キ
カシグサなどの一年生雑草からホタルイ、マツバイ、ミ
ズガヤツリなどの多年生雑草まで高い殺草効果を示す
が、ウリカワ、オモダカ、ヒルムシロなどの多年生広葉
雑草に全く効果を示さない欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、これら多年生広
葉雑草は全国的に増加傾向にあり、特にウリカワに関し
ては昭和57年の調査によればその発生面積が全国平均
で37%、東海以西では50%を超えるまでになってい
る。従って、ウリカワの発生の多い水田ではフェノチオ
ール・シメトリン剤、シメトリン・MCPB剤などの中
期除草剤との体系処理が必要となり、田植前処理剤の省
力効果を大きく減殺する状況が起きつつある。このよう
なウリカワの発生増加に対処するために最近開発された
ナプロアニリド剤(商品名「ウリベスト粒剤」)は、ウ
リカワに卓効を示すがイネの幼苗に対する薬害のため、
田植前処理剤として使用することができない。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような背景のもと
に、本発明者らは、多年生広葉雑草、特にウリカワを代
かき作業時に防除する田植前処理剤について鋭意検討し
た結果、 有効成分として一般式(I)で表わされるピラゾール
系化合物を用い、 製剤形態として水性懸濁状除草剤原液組成物(ゾル剤
またはフロアブル剤とも言う)を選ぶ、 ことにより所期の目的を達することができることを見い
出し本発明を完成した。本発明は、 「1. (A)一般式
【0007】
【化3】
【0008】(式中、Rは水素原子またはメチル基を、
Zはフェナシル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞ
れ示す)で表わされるピラゾール系化合物10〜50重
量%を(B)界面活性剤を2.0重量%を越えて20重
量%以下用いて(C)水中に懸濁させてなる、湛水下水
田にそのまま散布する水性懸濁状除草剤原液組成物。」
を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の水性懸濁状除草剤原液
成物に(A)成分として用いるピラゾール系化合物は、
一般式(I)、
【0010】
【化4】
【0011】(式中、Rは水素原子またはメチル基を、
Zはフェナシル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞ
れ示す)で表わされるものであり、これらは特公昭56
−28885、特開昭54−70269、同57−72
903各号公報に記載されているものである。一般式
(I)で表わされる化合物の具体例としては、一般式
(I)
【0012】
【化5】
【0013】(以下、化合物Aと略記する)、
【0014】
【化6】
【0015】(以下、化合物Bと略記する)、等があ
り、これらが好ましいものである。
【0016】本発明の水性懸濁状除草剤原液組成物に用
いる(B)成分である界面活性剤は、アニオン界面活性
剤、ノニオン界面活性剤等がある。アニオン界面活性剤
としては例えば、ポリオキシエチレンアルキルアリルホ
スフェート、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテ
ルサルフェート、ポリオキシエチレンスチリルフェニル
エーテルサルフェート、アルキルアリルスルホン酸塩、
リグニンスルホン酸塩、アルキルサルフェート、ジアル
キルスホサクシネート等があり、ノニオン界面活性剤
として例えば、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンスチリ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエス
テル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、ソ
ルビタンアルキルエステル等があるが、これらに限定さ
れるものではなく、これらは単独又は2種以上を配合し
て用いることもできる。
【0017】本発明の水性懸濁状除草剤原液組成物は、
上記(A)成分を(B)成分により(C)成分としての
水に分散させた、懸濁状の安定な懸濁液であるが、本発
明の組成物の懸濁液の安定化及び/又は粘度調節等を図
るために(D)成分として水溶性高分子又は保護コロイ
ド剤を使用することができる。水溶性高分子又は保護コ
ロイド剤としては例えば、アラビアゴム、グアーゴム、
アルギン酸ソーダ、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメ
チルセルロース、キサンタンガム、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、無
水マレイン酸−スチレン共重合体、ヒドロキシエチルセ
ルロース、メチルセルロース等が用いられる。これらは
単独又は2種以上を混合して用いられる。
【0018】本発明の水性懸濁状除草剤原液組成物で使
用する(C)成分としての溶媒は、水が主体となり水単
独でもよいが、耐寒性、耐熱性、粘度、比重などの物理
化学的性状を考慮する必要がある場合は、メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、エ
チレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、プロピレングリコールなどの親水性溶媒、または
場合によってはキシレン、トルエン、ケロシン、流動パ
ラフィンなどの疎水性溶媒から選ばれる単独または2種
以上の配合の有機溶媒を加用してもよい。また、本発明
の水性懸濁状除草剤原液組成物は上記成分のほかに、消
泡剤例えばシリコーン系消泡剤や膨潤剤例えばベントナ
イトを配合してもよく、更に必要なら他の成分を配合し
てもよい。
【0019】本発明の水性懸濁状除草剤原液組成物は、
上記配合剤をそれぞれ、 (A)成分:10〜50wt%、好ましくは20〜40
wt%、 (B)成分:2を越え〜20wt%、好ましくは2を越
〜10wt%、 (C)成分:残部、 (D)成分:0〜10wt%、好ましくは0.01〜5
wt%、 配合して製剤として調製される。本発明の水性懸濁状
草剤原液組成物の調製は、特公昭46−20519、同
58−24401、特開昭57−58601、同57−
159703、同58−124702、同58−162
504各号公報等に記載された方法で行うことができ
る。例えは、(A)成分である固体の農薬原体を予めジ
エットオーマイザー等の粉砕機により微粉化し、これに
(B)成分の界面活性剤、(C)成分の水及び必要に応
じて(D)成分又はその他の添加剤等を配合し、ホモジ
ナイザーで10〜60分間撹拌混合することにより均一
水性懸濁状除草剤原液組成物の製剤を得ることができ
る。又は例えば、高速撹拌機により(A)、(B)及び
(C)成分及び必要に応じて(D)成分等を30〜90
分間混合した後、これらの混合物をサンドクラインダー
などの湿式粉砕機で微粉砕することにより水性懸濁状
草剤原液組成物を得ることができる。
【0020】このようにして製造された水性懸濁状除草
剤原液組成物は、例えば次のようにして代かき作業時に
容器のまま原液で、300〜1000ml/10a散布
して使用される。 手散布の場合、 代かき直前又は直後の濁水状態の時に、歩きながらビン
を手でふって散布する。 機械散布の場合、 トラクターなどにオキサジアゾン乳剤などで使用される
専用散布機を装着し、代かき作業と同時に滴下散布す
る。
【0021】本発明の水性懸濁状除草剤原液組成物は、
湛水下水田の除草剤として主としてウリカワなどの多年
生広葉雑草を防除するものであるが、広い範囲の水田雑
草を同時に防除する場合には、オキサジアゾン、ブタク
ロール、プレチラクロールなどの乳剤と同時に散布する
ことができる。
【0022】
【実施例】次に本発明の製造例及び試験例について説明
する。なお、各例中、部は重量部を示す。
【0023】製造例1 化合物A:30部、エチレングリコール5部、界面活性
剤(ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ジ
アルキルスルホサクシネート、ポリオキシエチレンアル
キルアリルエーテルのそれぞれ1:1:1の混合物):
5部、キサンタンガム0.5部、水59.5部をそれぞ
れ計量して加え、ホモジナイザーにより40分間混合し
た後、サンドグラインダーで2時間湿式微粉砕して均一
水性懸濁状除草剤原液組成物:100部を得た。
【0024】製造例2 化合物B:30部、界面活性剤(ポリオキシエチレンフ
ェニルフェノールエーテルのリン酸エステル塩):2
部、ポリアクリル酸:0.5部、ベントナイト:1部、
水66.5部をそれぞれ計量して加え、ホモジナイザー
により40分間混合した後、サンドグラインダーで2時
間湿式微粉砕して均一な水性懸濁状除草剤原液組成物:
100部を得た。
【0025】試験例1(土壌混和処理) 1区10m(2m×m)に仕切った水田を用い、1
試験区3反復として以下のような方法で試験を行った。
雑草が均一に発生するように荒かき1日後に発芽のよ
いノビエ、キカシグサ、コナギ、ホタルイの種子を一定
量ずつまき、更に、ウリカワ、ミズガヤツリの塊茎を一
区に20個ずつ埋込んだ。更に1日後に3〜4cmに湛
水し製造例1で製剤した水性懸濁状除草剤原液組成物
5ml(500ml/10aに相当する)散布し、ただ
ちにレーキで土壌表層から10cm程度の深さまでかき
まぜた。薬剤散布してから2日後に2.5葉期のイネを
移植した。以後3〜4cmの深さに湛水し調査日まで管
理した。除草効果は、薬剤処理してから30日目に生存
雑草を抜き取り、その乾物重を測定し無処理区と対比し
た。イネに対する薬害もその時に観察した。その結果は
表−1に示す通りであった(3区の平均で表示した)。
また参考例としての試験例1と同様な方法でブタクロー
ル乳剤との同時処理を行い、結果を表1に合せて示し
た。
【0026】
【表1】
【0027】試験例2 (濁水処理) 試験例1と同様に雑草を処理した水田を準備し、その1
日後に3〜4cmに湛水し、レーキで土壌表層から10
cm程度の深さまでかきまぜた。その後直ちに、製造例
1で製剤した水性懸濁状除草剤原液組成物を5ml(5
00ml/10aに相当する)散布した。薬剤散布して
から2日後に2.5葉期のイネを移植した。以後3〜4
cmの深さに湛水し調査日まで管理した。除草効果は試
験例1と同様に調査した。その結果は表2に示す通りで
あった。
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】一般式(I)で表わされるピラゾール系
化合物は、粒剤として田植直後に散布した場合、ノビ
エ、カヤツリグサ、コナギ、アゼナ、キカシグサなどの
一年生雑草からホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリ、ウ
リカワ、オモダカ、ヒルムシロなどの多年生雑草に至る
まで卓効を示し、殺草スペクトラムが広い除草剤として
知られているが、田植前処理ではその効果が不安定にな
ると言われている。一方、これ等のピラゾール系化合物
は、常温で固体であり、かつ農薬用乳剤を製造するため
に通常使用されるような有機溶剤に対する溶解度が低い
ので、有効成分高含量の乳剤を製造することは極めて困
難である。一方、懸濁状農薬製剤は、新規な剤型ではな
いが、主として空中散布用製剤として開発されており、
湛水下水田に原液のまま直接用いられた例は知られてい
ない。本発明者らは、このような状況のもとに、代かき
作業時に原液のまま容器から散布できる農薬製剤につい
て鋭意検討した結果、特定のピラゾール系化合物を水性
懸濁状除草剤原液組成物とすることで、湛水下水田に於
一般的な粒剤の散布量3kg/10aに比較し、30
0〜1000ml/10aに低減しても実用的に十分均
一に散布でき、ウリカワなどの広葉雑草に安定した除草
効果を示すことを見い出し本発明を完成したものであ
る。すなわち、一般式(I)で表わされるピラゾール系
化合物を水性懸濁状除草剤原液組成物にして、湛水下水
田の代かき作業時に原液のまま散布したところ、ノビ
エ、ホタルイ、マツバイ、ミズガヤツリなどの禾本科雑
草に対する殺草効果が著しく減殺される現象が認められ
たにもかかわらず、ウリカワ、オモダカ、ヒルムシロ、
アゼナ、キカシグサなどの広葉雑草には極めて高い殺草
効果が認められた。このような一般式(I)で表わされ
るピラゾール系化合物を、本発明の水性懸濁状除草剤原
組成物の製剤にして湛水下水田に直接原液のまま使用
した場合、特に問題雑草となているウリカワの卓効を示
すことは、従来の技術レベルからは全く予測できないこ
とである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 菅谷 清志 茨城県稲敷郡阿見町中央八丁目3番1号 三菱化学株式会社筑波研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を、Zはフェナシ
    ル基又はp−メチルフェナシル基をそれぞれ示す)で表
    わされるピラゾール系化合物10〜50重量%を(B)
    界面活性剤を2.0重量%を越えて20重量%以下用い
    て(C)水中に懸濁させてなる、湛水下水田にそのまま
    散布する水性懸濁状除草剤原液組成物。
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