JPH11228190A - 断熱ガラスユニット - Google Patents

断熱ガラスユニット

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JPH11228190A
JPH11228190A JP10323789A JP32378998A JPH11228190A JP H11228190 A JPH11228190 A JP H11228190A JP 10323789 A JP10323789 A JP 10323789A JP 32378998 A JP32378998 A JP 32378998A JP H11228190 A JPH11228190 A JP H11228190A
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JP
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glass
glass unit
thermoplastic material
insulating glass
spacer
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Application number
JP10323789A
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English (en)
Inventor
Martin Harvey
マルタン・ハーヴェイ
Jean-Paul Hautekeer
ジャン−ポール・ハウトケア
Karl-Heinz Rueckeshaeuser
カルル−ハインツ・リュッケスホイザー
Andreas Wolf
アンドレアス・ヴォルフ
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Dow Silicones Belgium SPRL
Dow Silicones Corp
Original Assignee
Dow Corning SA
Dow Corning Corp
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Publication date
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E06DOORS, WINDOWS, SHUTTERS, OR ROLLER BLINDS IN GENERAL; LADDERS
    • E06BFIXED OR MOVABLE CLOSURES FOR OPENINGS IN BUILDINGS, VEHICLES, FENCES OR LIKE ENCLOSURES IN GENERAL, e.g. DOORS, WINDOWS, BLINDS, GATES
    • E06B3/00Window sashes, door leaves, or like elements for closing wall or like openings; Layout of fixed or moving closures, e.g. windows in wall or like openings; Features of rigidly-mounted outer frames relating to the mounting of wing frames
    • E06B3/66Units comprising two or more parallel glass or like panes permanently secured together
    • E06B3/663Elements for spacing panes
    • E06B3/66309Section members positioned at the edges of the glazing unit
    • E06B3/66328Section members positioned at the edges of the glazing unit of rubber, plastics or similar materials

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  • Civil Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)
  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の建物や屋根用のグレイジング用の断熱ガ
ラスユニットは、UVや熱、水等による耐候性及び内部
のガス漏出という問題があった。 【解決手段】 本断熱ガラスユニットは、熱可塑性材料
のスペーサーにより離された2枚の板ガラス、このユニ
ットの内部に封入した不活性ガス又は重いガス、及び前
記ユニットの周囲で前記ガラスの端部の間に設けられた
シリコーンエラストマー層から成る。この熱可塑性材料
は、約0.2リットル/m2/日以下の水蒸気透過率及
び、23℃で、100mm/分のせん断速度で厚さ0.
5mmの封止剤で測定して0.2MPa超のせん断強さ
を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、断熱ガラスユニッ
トの改良に関し、又は断熱ガラスユニットに関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】板ガラスの内側に向き合う面の周囲に存
在して、これらの板ガラスの間を実質的に気密にして断
熱スペースを形成する離間されかつシールされた組立体
(一般的に“端封(edge seal)と呼ぶ”)によって離
された、2又は3枚以上の板ガラスから成る断熱ガラス
ユニットを形成することが長い間行なわれてきた。予備
成形した金属スペーサーを使用してこれらの板ガラスの
間隔を保つこと、及びガラスユニットの所要の剛性を確
保することが広く行なわれている。ガラスユニットを製
造した後でも、ユニット内部の空気又は他のガスを乾燥
状態に保つことができるような方法で予備成形したスペ
ーサーには乾燥剤も入れることができる。予備成形した
金属スペーサーは、種々の機械加工法で金属から作るこ
とができる。断熱ガラスユニット構造の1つの代表的形
状では、端封部は、ガスや水分の透過性が低い封止剤に
よって板ガラスの内側に向かい合う面に接着された中空
の金属スペーサー要素から成り、主要な気密シールを提
供する。この中空の金属スペーサー要素は乾燥剤が満さ
れ、板ガラスの間の断熱スペースと通じていて、断熱ガ
ラスユニットの機能と耐久性を向上するために、前記ス
ペースから水分を吸収する。金属スペーサーを板ガラス
に接着するために、ポリイソブチレンゴムを主成分とす
る組成物である所謂、ブチル封止剤を主封止剤として使
用すること、及び前記スペーサー周りの板ガラスに接着
する二次封止剤を使用することも広く行なわれている。
【0003】このような所謂、“二重封止(dual sea
l)”システムよって、単一の封止剤しか使用しない所
謂、“単一封止”システムより断熱ガラスユニットの使
用期間を長くすることができる。例えば、ポリスルフィ
ド、ポリウレタン及びシリコーンを含めて、二次封止材
を提供するのに種々の材料が使用されてきた。空気以外
の、例えばアルゴン、キセノン、クリプトン又はSF6
のような不活性ガスをガラスユニットの内部に入れて、
所定の熱的又は防音機能のレベルを向上させることも行
なわれようになっている。前記の建物用グレイジングユ
ニットでは、ガラスユニットへの所望の水蒸気又はガス
不透過性が得られるように、ブチル封止剤によって金属
スペーサーがガラスユニットへ充分に接着することが確
保されるので、水蒸気がユニットの中空層に入ることも
結露することも防ぐ事ができる。そしてガスで充満した
ユニットの場合は、そのユニットからのガス洩れが防ぐ
事ができる。周囲温度、大気圧、又は風圧のゆらぎのよ
うな外的要因に起因するガラスユニットの歪を最小限に
抑えることで、第二封止剤によるブチルゴムを主成分と
する組成物の接着が更に完全なものとなる。
【0004】中空の金属スペーサー、そして好ましくは
アルミニウムスペーサーを使用することが広く行なわれ
ている一方で、他の材料、例えばブチルスペーサー(波
型アルミニウム箔を含むことがある)もしくはシリコー
ン又は有機系ゴム発泡スペーサーから作られた予備成形
スペーサーを使用するという提案が行なわれてきた。
【0005】米国特許明細書第4,226,063号に
は、内側のフィラメント状シールと外側のシールを持つ
複層ガラス窓が記載されている。この内側シールには乾
燥剤が入れられ、その濃度は外側部分より内側部分が高
い。このような配置体では、内側のフィラメント状シー
ルは、ポリイソブチレンを主成分とする配合物からな
り、外側シールは、マスチック、一般的にポリスルフィ
ド又はシリコーンを主成分とするマスチックで作られ
る。外側シールが窓の機械的安定性を受け持っている。
【0006】英国特許明細書第2,228,519号に
は、少なくとも2枚のガラスと一つのシール用スぺーサ
ーから成る車両用の複層グレイジングパネルが記載され
ていて、シール用スペーサーは、両方の板ガラスと接触
して、そのユニットのシールされたスペースの中への水
分の侵入を防ぐバリヤーを提供する柔軟かつ展性のある
第一要素、及び両方の板ガラスと接触して、少なくとも
一部分が1.4MPaを超える弾性率の接着剤から形成
される第二要素を有する。この第一要素にはブチルゴム
が好ましく、一方、第二要素にはシリコーン又はポリス
ルフィドを主成分としてもよいが、ポリウレタンで作ら
れるのが好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】建物用グレイジングユ
ニットでの重要事項は、主としてユニットの伝熱係数特
性又は音響特性と関係がある。断熱ガラスユニットの中
空層にある空気を熱伝導率の小さい重い希ガスで置換す
ることにより伝導又は対流による熱移動を減らすことが
できる。低放射率(E値が小さい)ガラスを使って輻射
による熱移動を少なくすることができる。一般的に、ガ
スで充満された高機能断熱ガラスユニットの伝熱係数
(所謂“K値”であって、この値は、内側と外側とが1
°Kの温度差の場合、断熱ガラスユニットの中心から1
2の面積を通過する熱エネルギー束の量である)は、
1.5より小さく、1.2ほどの小ささでもよく、E値
の小さいコーティングと特定のガスのある組み合わせで
は、K値は1.0W/m2/K〔即ち、ケルビン(Kelvi
n)度当たり平方メートル当たりのワット数〕より小さ
くすることができる。音響機能に対しては、いろいろな
厚さの板ガラス要素を合わせガラスと組み合わせる使用
に加えて、中空層内にある空気又は希元素ガスの一部分
又は全部をSF6(六フッ化硫黄)ガスで置換すること
により音響機能も更に良くすることができる。
【0008】特定のガスを充満すること、及び断熱ガラ
スユニットの中心部にE値の低いコーティングを行なう
ことにより所望の低いK値を得ることができるけれど
も、金属スペーサーを含む従来の端封システムを使用す
ると断熱ガラスユニットの周囲の熱伝導性は高くなる。
端封の熱伝導性が高くなると、或る環境条件のもとで内
側のガラスの表面に水の凝縮が起こるので好ましくな
い。熱伝導性を下げた端封(所謂“温暖な端部(warm e
dge)”システム)に関する幾つかの技術的解決策が提
案されてきた。
【0009】板ガラスユニットのシールシステムの全部
又は一部分が日光(有害なUV光線を含む)に直接曝露
される建物グレイジング又は或る種の屋根用グレイジン
グのような用途に、高機能建物用グレイジングユニット
を提供する必要がある。そのような用途では、封止剤に
対する要求は、中空層内の気圧変動に対するユニット自
体のシールシステムの完全な状態を確保することばかり
でなく、建物の構造体にかかる風荷重又は静荷重を確実
に移動させることである。更に、前記用途での封止剤の
対ガラス接着性は、日光(UV光線)や他の気候的要素
(特に、熱と水)の有害な影響に対して優れた耐性を持
たなければならない。ポリウレタン、ポリスルフィド、
ポリブタジエン、等を主成分とするような有機封止剤
は、シールされるユニットを前記の用途に使用できるほ
ど充分なUV耐性を含めたガラスに対する接着性を持っ
ていない。現在では、シリコーン封止剤が、充分に安定
な対ガラス接着性を有する唯一の公知の封止剤のタイプ
であり、国家の種々の規格仕様、実施要綱及び建築法規
の中で建物用グレイジング用に承認された唯一の材料で
ある。
【0010】しかしながら、シリコーン封止剤は有機封
止剤よりもガス透過性が格段に大きい。特定のガス(例
えば、アルゴン)で充満された、一次封止剤のブチルゴ
ム及び二次封止剤としてのシリコーンを用いる二重端封
設計(dual edge seal design)の断熱ガラスユニット
は、ガス減量速度が大きく、DIN 1286 の第2部
のようなガス充填型断熱ガラスユニット用の国家要求基
準に合格しない。従って、今日、断熱ガラスユニットの
製造業者は次のジレンマに直面している:即ち、有機封
止剤(例えば前述の封止剤のような)でシールされるユ
ニットは、ガス充填型断熱ガラスユニットに対する国家
要求基準を満たすことができるが、建物用グレイジング
に対する要求事項を満たさないので、端封を日光に直接
曝露することを含む前記の用途や他の用途に使用するこ
とはできない。一方、適当なシリコーン建物用グレイジ
ング封止剤でシールされたユニットは、建物用グレイジ
ングの要求事項を満たすので、充分に曝露される端封を
含む用途に使用できるが、ガス充填型断熱ガラスユニッ
トに対する要求事項を満たさない。
【0011】ガス充填型ユニットに対する機能規準を評
価する方法には、所望のK値に達するための最低値を超
えなければならない初期ガス濃度の測定、及び経済的に
妥当な使用期間中のユニットのガス減量が伝熱係数に著
しい影響を及ぼすかどうかを評価するための、1年当た
りの%で表されるガス漏出速度の測定が含まれる。この
方法は、DIN 1286の第2部の規格に記載されて
いる。二次封止剤が、日光(UV光線)に直接曝露され
ることが予想される環境で使用される断熱ガラスユニッ
トの中に使用するのに適当かどうかを評価するための幾
つかの方法がある。例えば、ASTM C−1184
(建築用シリコーン封止剤の規格明細書)は、5個の試
験片をUV光線、湿度及び熱を組み合わせて合計500
0時間繰り返し曝露することを記載している。60℃で
4時間のUV光線の曝露(UVA−340ランプを使用
する)、次いで40℃で4時間の結露の繰り返し耐候性
試験を行なう促進耐侯性試験機(ASTM G53に準
拠)で曝露を行なう。試験中は、封止剤とガラス基板の
接着面はUV光線源に向いている。試験片の引張り強さ
は耐候性試験試験の前後で測定され、この試験終了時に
0.345MPaを超えなければならない。応力/歪の
挙動に著しい変化を示さない封止剤はUVに安定と見な
される。
【0012】現在、前記2種類の工業規格試験に問題な
く合格出来て、経済的に利用できる市販品されている断
熱ガラスユニットは存在しない。
【0013】最近、断熱ガラスユニットの板ガラスの周
囲にスペーサーのために熱可塑性材料を使用することが
提案された。例えば、特許明細書 WO 95/1136
4号に記載され権利が請求されているが、この特許は、
2枚の板ガラスの間にスペーサーを有する断熱ガラスユ
ニットの製造方法及び装置において、プラスチック材
料を押出して接着性の小さい支持体上でフレームを形成
すること、第1ガラス板を配置して第2ガラス板と一
緒に押圧する前に、前記のフレームを支持体から第2ガ
ラス板の端部に移動することを特徴とする製造方法と装
置である。フレームを形成するために熱可塑性又は熱硬
化性プラスチックは、ノズルから、プラスチック押出品
には接着性の小さい傾斜テーブル上に押出される。この
ような方法によって、一定の寸法のスペーサーを押出し
た直後でも断熱ガラスユニットを組み立てることが可能
となる。
【0014】ヨーロッパ特許明細書(EP)第213,
513号には、相対する2枚のガラスの表面の間に断熱
スペースを設けて両ガラスの周囲を接合することによる
ガラスパネルの製造を開示している。板ガラスを一定の
距離で互いに平行に保たせながら、このユニットの縁部
の周囲から板ガラスの間にペーストを注入してこの板ガ
ラスを接合させる。ペーストを注入すると、最初はペー
スト状であるが、その後硬化し、2枚の板ガラスの間隔
を保って板ガラスの端部に沿った全域を接着する材料の
帯が形成される。
【0015】業界では様々な要領や提案がされるけれど
も、建物用グレイジング又は屋根用グレイジングのよう
な用途で日光に曝露される極めて耐久性のある温暖な端
部シールシステムと組み合わせて、窓全体の伝熱係数を
小さくしてガラスユニットに良好なエネルギーバランス
をもたらすための伝熱係数の極めて小さい断熱ガラスを
提供してユニットの機能を長持ちさせることが未だに必
要とされている。現在のところ、建物用グレイジングユ
ニットを横切る適切な伝熱を実現しようとする試みは、
前記のガラスユニットの内部における選択されたガスの
使用及び低E値の被膜の使用に限られている。伝統的な
金属スペーサーに代えて前述の熱可塑性スペーサーを使
用して形成されるユニットと組み合わせて、ユニットの
周囲では改良された伝熱特性が実現できた(“温暖な
端部”)が、1年当たりのガスのロスで定められる、効
率の良さと組み合わせられた伝熱に関する産業界の試験
規格(初期のガス濃度によって決まる)、及びASTM
1184の仕様で定められる曝露条件のもとでの端封
の優れた耐久性を満たす建物用グレイジングユニットを
提供することが今だに必要とされている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の目的のなかに
は、例えば断熱ガラスユニットの中に入れられた特定の
充填ガスを長持ちさせることができる“温暖な端封”シ
ステムを採用した改良された断熱ガラスユニット、及び
例えば建物用グレイジング又は或る種の屋根用グレイジ
ングのような端封が日光に直接曝露される用途に使用で
きる改良された断熱ガラスユニットを提供することが記
載されている。
【0017】驚いたことには、2枚の板ガラス、熱可塑
性材料のスペーサー、及びこれらの板ガラスの周囲でか
つフレームの外側の面に隣接して配置されるシリコーン
封止剤から成り、アルゴン、クリプトンもしくはキセノ
ンのような希ガス、又はSF6のような重いガスを含む
断熱ガラスユニットは、諸特性の驚くべき組み合わせ体
であることを、我々は発見した。
【0018】本発明は、1つの局面において、2枚の板
ガラスに接着する熱可塑性材料のスペーサーにより離さ
れた前記板ガラス、断熱ガラスユニットの内部に閉じ込
められた不活性ガス又は重いガス、及び前記ユニットの
周囲にあり前記ガラスの端部の間でかつ前記スペーサー
の外側の面と接触しているシリコーンエラストマー層を
含む断熱ガラスユニットであって、熱可塑性材料の前記
スペーサーが、熱加工によって適正に形成され、かつ約
0.2リットル/m2/日(厚さ4mmを20℃で測定
された)以下の水蒸気透過率、及び23℃における10
0mm/分のせん断速度で厚さ0.5mmの封止剤で測
定された0.2MPa超のせん断強さを有するものであ
る断熱ガラスユニットを提供する。
【0019】本発明は、前記のパラグラフで説明したユ
ニットの製造方法にも拡張されている。
【0020】本発明による断熱ガラスユニットでは、シ
リコーンエラストマーが外側(二次)シールを形成し、
熱可塑性材料がスペース用部材と内側(一次)シールの
両方を提供することが必須である。逆の配置、即ち熱可
塑性材料、そして序に言えば或る有機封止剤を外側封止
剤として使用し、一方、シリコーンを内側封止剤として
使用する場合、諸因子(有害なUV光線を含む)に充分
に曝露されると、外側のシリコーン封止剤によって保護
されなくて、有機封止剤は長期間の対ガラス接着安定性
が乏しいのために、この配置は早々に失敗するだろうと
考えられる。いったん有機封止剤がその接着性を失う
と、いずれの内部のシリコーン封止剤も水蒸気やガスに
対する充分な防御を果たさなくなり、ガラスユニットは
早々にだめになる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明による断熱ガラスユニット
では、スペーサー部材が形成される熱可塑性材料は、例
えばポリイソブチレンを主成分とする熱可塑性材料でも
よく、乾燥剤を含んでもよい。これらの適当な材料は、
熱溶融物として押出したのち冷却してガラスに接着した
固形物質にすることができる材料である。必要に応じ
て、この材料は熱溶融物として塗布したのち、硬化する
という手段をとってもよい。好適な1つの材料は、ケメ
タル社(Chemetal GmbH)から“ナフトサーム(Naftoth
erm)−Bu TPS”の商品名で市販されていて、単一
成分でポリイソブチレンを主成分とする熱可塑性溶媒を
含まない組成物であり、これはゼオライト粉末の乾燥剤
を含み、1.25g/cmの密度があり、23℃にお
いて0.5mmの厚さで0.4MPaのせん断強さがあ
る(100mm/分のせん断速度)。
【0022】本発明による建物用グレイジングユニット
では、板ガラスの縁部の周囲のシールを行なうのに使用
されるシリコーン材料は、公知の建物用グレイジング用
シリコーン封止剤組成物から選ばれてもよく、例えば、
常温又は僅かに高い温度で諸成分を混合すると自発的に
或いは水分に曝露される結果として硬化してエラストマ
ーとなり、ガラスに接着できるエラストマー物質を形成
できる能力を有する硬化性シロキサン組成物でもよい。
スペーサーに適合し、ガラスユニットの完全性を損なう
ことなく好適な接着特性があれば、そのような材料のい
ずれでも使用できる。これらの材料は、ガラスに対する
優れた接着性ばかりでなく、建物用グレイジングユニッ
ト用の封止剤として使用するのに極めてふさわしいモジ
ュラス及び延伸特性を持つように配合することができ
る。
【0023】シリコーンエラストマーを提供するのに使
用できる材料は、一般的に、25℃で150ないし10
0,000mm2/秒の範囲の粘度を持ち、かつ硬化し
て適切な接着性、凝集性及びモジュラス特性を持つエラ
ストマーを提供する材料である。典型的には、このよう
な材料にはポリジオルガノシロキサンが使われ、このシ
ロキサンでシリコン原子に結合する有機置換基は、例え
ばメチル、プロピル、ヘキシル及びデシルのような1な
いし10個の炭素原子を持つアルキル基、例えばビニ
ル、アリル及びヘキセニルのような2ないし8個の炭素
原子を持つアルケニル基、並びに例えばフェニル、トリ
ル及びフェニルエチルのような6ないし8個の炭素原子
を持つアリール、アルカリル及びアラルキル基から選ば
れる。全置換基の少なくとも30パーセントがメチルで
なければならない。経済的観点からシリコンに結合した
置換基の全てが実質的にメチルであるポリジオルガノシ
ロキサンが好ましい。しかしながら、フェニルのような
比較的大きい置換基があると、透過性が低下する場合が
あることが判った。典型的には、このような組成物は、
シリコンに結合した反応基を持つポリジオルガノシロキ
サンを含み、この基によって所望の室温硬化を行なうこ
とができる。そのような基には、例えばヒドロキシル、
アルコキシ、オキシモ又はアシロキシが可能であり、ポ
リジオルガノシロキサンの末端のシリコン原子と結合す
るのが普通である。
【0024】一般的に、シリコーン組成物には、ポリジ
オルガノシロキサンを常温又は僅かに高い温度、通常は
約15ないし30℃、で固形の一定の弾性状態にするの
に効果的な硬化剤が使用される。ポリジオルガノシロキ
サンと硬化剤は、室温硬化系を発現するように選ぶこと
ができる。そのような系を基準とする種々の組成物は業
界では公知であり、本発明の組成物を基準にしてこれら
のいずれの組成物も使用できる。
【0025】前記の組成物の例は: シリコン結合型オキシムラジカルを分子中に含むオル
ガノシロキサンポリマー、および/またはシラノール基
を含むオルガノシロキサンと少なくとも3個のシリコン
結合オキシム基を含むシランとの混合物を主成分とする
硬化性オルガノシロキサン組成物。この組成物は、例え
ば英国特許第975,603号及び第990,107号に
記載されている;
【0026】末端シリコン結合型アシルオキシ基を含
むオルガノシロキサンポリマー、および/またはシラノ
ール停止型のオルガノシロキサンポリマーと分子当たり
少なくとも3個のシリコン結合型アシルオキシ基を含む
シランとの混合物を主成分とする硬化性オルガノシロキ
サン組成物。この組成物は、例えば英国特許第862,
576号、第894,758号及び第920,036号に
記載されている;
【0027】末端シリコン結合型アミド基又はアミノ
基を含むオルガノシロキサンポリマー、および/または
シラノール停止型オルガノシロキサンポリマーとシリル
アミン又はシリルアミドとの混合物を主成分とする硬化
性組成物。この硬化性組成物は、例えば英国特許第1,
078,214号及び第1,175,794号に記載され
ている。
【0028】シリコン結合型アルコキシ基を分子中に
含むオルガノシロキサンポリマー、および/またはシラ
ノール基を含むオルガノシロキサンポリマーとアルコキ
シ基を含むシラン又は、例えばエチルポリシリケートの
ような前記シランの部分加水分解生成物、との混合物を
主成分とする硬化性オルガノシロキサン組成物。このタ
イプの組成物は英国特許第957,255号、第962,
061号及び第841,825号に記載されている。
【0029】前記の第1成分のシリコーン組成物は、例
えば酸性硬化系の場合、CaO、MgO、Al23/A
l(OH)3、等のような塩基性物質を含む第2成分
(“促進剤ペースト”)と組み合わせて使用すると、硬
化を促進させることもできる。シリコーン組成物は、例
えばオクタン酸第一スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ又
はチタンキレート等の有機金属化合物のような触媒も含
むことができる。
【0030】好ましい組成物は、ガラスへの接着性を高
めるのに有効な接着促進剤も含む。好ましい接着促進剤
は、アルキルアルコキシシリコーン、アミノアルコ
キシシラン、エポキシアルコキシシランを反応させて
(その場で又は事前に)得られるような多官能物質であ
る。
【0031】アルキルアルコキシシリコーンとして、少
なくとも3個のシリコーン結合型アルコキシもしくはア
ルコキシアルコキシ基を分子中に含む幾つかのシリコン
化合物、又はその混合物を使用できる。シリコーン化合
物はシラン又はシロキサンでもよい。前記のシリコ−ン
化合物の例としては、例えばオルトケイ酸エチル及びオ
ルトケイ酸プロピルのようなオルトケイ酸アルキル、例
えばポリケイ酸エチル及びポリケイ酸n-プロピルのよ
うなポリケイ酸アルキル、例えばメチルトリメトキシシ
ラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリn-プロ
ポキシシラン、ブチルトリエトキシシラン及びフェニル
トリメトキシシランのようなモノオルガノトリアルコキ
シシランである。好ましい物質はアルキルトリアルコキ
シシランである。
【0032】アミノアルコキシシランとして、分子中に
シリコン結合型ヒドロカルボンオキシ基、及び少なくと
も1個のアミノ基を含むシリコン結合型炭化水素基(1
2個以下の炭素原子を含むのが好ましい)を有するRH
NR’SiXa(OY)1-aの式の物質の1種類以上を使
用できる。シランの一般式では、置換基Rは、水素、低
級アルキル基又は少なくとも1個のアミノ基を含む脂肪
族基でもよい。従って、Rは、例えばH、メチル、エチ
ル、プロピル、−(CH2CH2NH)zH基(式中、z
は整数で、好ましくは1又は2)、又はH2NQ−基
(式中、Qは、例えば−CH(CH3)CH2−、−(C
24−、又は−(CH25−のような二価の炭化水素
基である)で表すことができる。置換基Yは、例えばメ
チル、エチル又はメトキシエチルでよい。は整数で0
又は1の値であり、R’は3ないし6個の介在炭素原子
を含むアルケニル基を表し、Xは1ないし6個の介在炭
素原子を含む一価の炭化水素基を表す。
【0033】前記式の好ましいアミノアルコキシシラン
は式、 H2N(CH22NHR’Si(OY)3 及びH2
R’Si(OY)3 によって表される化合物である[式中、R’は、例えば
−(CH23−、−CH2CH(CH3)CH2−のよう
な3又は4個の炭素原子を有するアルキレン基を表し、
各Yはメチル、エチル又はメトキシエチルを表す]。好
ましい物質は、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン
である。エポキシアルコキシシランとして、ヒドロカル
ボンオキシ基及びエポキシを含む有機基を有する1種以
上のシランを使用できる。好ましい物質はグリシドオキ
シプロピルトリメトキシシランである。これらのシラン
は、::のモル比を(0.1〜6):(0.1〜
5):1の範囲内で反応させるのが好ましい。
【0034】組成物は、0.1ないし15重量%、好ま
しくは0.3ないし7重量%、更に好ましくは0.5な
いし5重量%、更に好ましくは2ないし5重量%の好ま
しい接着促進剤を含むのが好ましい。
【0035】本発明で使用されるシリコーン組成物は、
いずれの室温硬化反応を利用してもよいが、好ましい組
成物は、所謂、二成分型(two-part)の組成物であり、
例えば末端シラノール(≡SiOH)基を含むポリジオ
ルガノシロキサン、例えばメチルトリメトキシシランの
ようなアルコキシシラン又はシロキサン、ポリケイ酸エ
チル又はポリケイ酸n-プロピル、及び例えばオクタン
酸第一スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ又はジラウリン
酸ジオクチルスズ又はカルボン酸ジメチルスズのような
カルボン酸の金属塩、並びに接着促進剤との混合物から
成る、前記のに記載されている組成物である。公知の
ように、前記の組成物は、普通の方法で調製された後、
2個の別々のパッケージとして貯蔵され、使用時点でこ
の両パッケージは混合される。
【0036】シリコーン組成物は一般的に少なくとも5
重量部の強化用および/または増量用フィラーを含む。
前記のフィラーの例には、フュームシリカ、沈降シリ
カ、粉砕された石英、酸化アルミニウム、炭酸カルシウ
ムが挙げられ、これらは粉砕又は沈降タイプでもよく、
更に、マイカ、マイクロバルーン及びクレイが挙げられ
る。フィラーの中では、特に強化用シリカ及び炭酸カル
シウムのようなフィラーは、例えばオルガノシリコン化
合物又はステアリン酸カルシウムを用いてコーティング
処理してもよい。
【0037】更に、これらのシリコーン組成物は、トリ
オルガノシリル末端基停止型ポリジメチルシロキサンの
ような可塑剤、二酸化チタン、カーボンブラック及び酸
化鉄のような顔料、並びに現場でのフィラー処理剤とし
て又は弾性モジュラス改善のための低分子量のポリジオ
ルガノシロキサンを含んでもよい。
【0038】この組成物の調製は公知の混合法で行なう
ことができる。本発明による断熱ガラスユニットでは、
ユニット内部に閉じ込められるガスは、SF6又はアル
ゴン、キセノン、クリプトンのような不活性ガスを含有
するか或いはそのようなガスから成っていて、熱又は防
音機能の達成レベルを高めるのに好ましい。熱的又は音
響的に充分な遮断特性を確保するためには、ユニットの
内部に閉じ込められるガスの少なくとも90%は、アル
ゴン、キセノン、クリプトンもしくはSF6又はこれら
の混合物であることが好ましいと考えられる。
【0039】本発明による建物用グレイジングユニット
は、いずれの都合のよい方法で作り上げてもよい。或る
方法では、乾燥剤を含む熱可塑性材料を加熱した後、約
120℃ないし約160℃の範囲の温度の加熱ペースト
として、清浄にした板ガラスの周囲に塗布すると、板ガ
ラスの外側端部に隣接しているがその端部から離れたエ
ンドレスの“テープ”を形成する。このテープがまだ熱
を持っている間に、清浄にされた別の板ガラスをそのテ
ープに押し当てる。僅かに加圧されたガスをユニットの
中空層に導入したのち、2枚の板ガラスを互いに押し当
てて板ガラスの平面に平行方向に測定して約7mmない
し約10mmの厚さの所望の形にペーストを詰め込み、
そして板ガラスの平面に対して垂直方向に測定して板ガ
ラス全周を少なくとも約6mmの幅の全域にわたって各
板ガラスと途切れることなく接触させる。このユニット
を室温まで冷却させると熱可塑性材料が硬化してスペー
サーは両方の板ガラスに接着する。この冷却が完了する
前か後で、スペーサーと板ガラスの周囲部とによって画
定された“U”字型隙間に硬化性シリコーンの層を押出
して硬化させると、ガラスユニットの縁部の周囲でスペ
ーサーの上部に接しかつ板ガラスと接着性のあるシール
が形成される。シリコーン封止剤の層は、板ガラスの面
に平行方向に測定して3mmの最低平均厚さがあり、各
ガラスに途切れることなく接触している。断熱ガラスユ
ニットの用途の種類によるが、更に厚いシリコーン封止
剤を要求されることがある。例えば、断熱ガラスユニッ
トが構築物グレイジング用に使用される場合、シリコー
ン封止剤の厚さは、国家規格や実施要領、又はASTM
C 1249のような構築物グレイジングの断熱ガラス
ユニット用の建築法規によって寸法を決めなければなら
ない(構築物グレイジング用封止剤の封止された断熱ガ
ラスユニット用の二次シールの標準指針)。
【0040】
【発明の効果】本発明による断熱ガラスユニットは、熱
についての要求事項(伝熱係数として)及び耐久性の両
者を満足し、構造的に安定し、UVに安定で、しかも年
間で1%未満のガス漏出速度を示すようなものとして製
造することができる。
【0041】
【実施例】部及びパーセントを重量で表わした以下の実
施例により本発明を説明する。粘度の測定値は25℃に
おけるものである。実施例は添付の図面と一緒に読むべ
きである。図1に示している比較用断熱ガラスユニット
は、中空で、断面が四角形のアルミニウムチューブ製の
一様な断面を持つ長方形のフレーム(10)を調達して
作ったものであり、このフレームは特別の曲げ装置で4
個所のコーナー部を曲げた後、金属ジョイント(示され
ていない)を使って長い部分の1つに沿ってスペーサー
フレームを接合して作った。このフレームには、ユニッ
トの内側に向いている側面に穴を開け、チューブの内部
に乾燥剤を封入した。このフレームを使って、ポリイソ
ブチレンを主剤とする接着剤組成物の連続的接着(1
6、18)により2枚のガラスユニット(12)と(1
4)の周囲部に固定されたスペーサーを提供できた。板
ガラスの端部とスペーサーの間に形成された“U”字型
隙間に硬化性シリコーン組成物(A)を押出すことによ
りガラスユニットの端部の周囲に第二シール(20)を
形成した。この組成物を硬化させると密封部が得られ
た。2枚の板ガラスの間の中空層(22)にアルゴンガ
スを導入した。使用したシリコーン組成物は10部の基
剤と1部の触媒を混合して作った。この基剤は、12,
500mm2sの粘度のヒドロキシ末端停止型ポリジメ
チルシロキサン 52部、ステアリン酸塩で被覆した炭
酸カルシウムフィラー 47部、及び40mm2sの粘度
のヒドロキシ末端停止型ポリジメチルシロキサン 1部
を混合して作った。触媒は、クロロシラン処理型フュー
ムシリカ2部と有機酸のジメチルスズ塩触媒量を、35
0mm2sの粘度のトリメチルシリル末端停止型ポリジ
メチルシロキサン 50部、及びメチルトリメトキシシ
ラン18部と、グリシドオキシプロピルトリメトキシシ
ラン 8部とγ-アミノプロピルトリメエキシシランとを
50℃で反応させて得られる混合物とを混合することに
より作った。この混合組成物を室温で硬化させると、各
ガラス面に接着するエラストマー材料となった。この材
料は破断点の引張り強さは1.6MPAを超え、しかも
破断点の伸びは120%を超えた。
【0042】図2に示す本発明の実施例のユニットを作
るときは、乾燥剤を含む熱可塑性材料を加熱して約12
0℃ないし160℃の範囲の温度で加熱ペーストとし
て、清浄にした板ガラス(42)の周囲に塗布すると、
この板ガラスの外縁部に隣接しているがその縁部から離
れたエンドレスの“テープ”(40)を形成した。この
テープがまだ熱いうちに、清浄にした別の板ガラス(4
4)を押し当てた。この熱可塑性材料は、Chemet
al GmbH製の“Naftotherm−Bu TP
S”であって、これはポリイソブチレンを主成分とする
単一成分で熱可塑性溶媒を含まない組成物であると言わ
れている。この材料はゼオライトの粉末乾燥剤を含んで
いた。僅かに加圧したアルゴンガスをガラスユニットの
中空層(48)に導入した後、両板ガラスを共に押し当
てて、両板ガラスの平面に平行方向に測定して約8mm
の厚さで、かつ板ガラス全周を、即ちガラスの平面に垂
直方向に測定して、約12mmの幅の全域にわたって各
板ガラスと途切れることなく接触する所望の形状に前記
のペーストを詰め込んだ。このユニットを室温まで冷却
して熱可塑性材料を硬化させると、スペーサーは両板ガ
ラスに接着する。冷却が終わってしまわないうちに、ス
ペーサーと板ガラスの周囲部とにより画定される“U”
字型隙間に硬化性シリコーン組成物(A)の層を押出し
て、硬化させるとガラスユニットの端部の周囲でスペー
サーの上部に接しかつ板ガラスと接着性のあるたシール
(46)が形成される。シリコーン封止剤は、両板ガラ
スの平面に平行方向に測定して約3〜4mmの厚さがあ
り、各板ガラスと途切れることなく接触していた。
【0043】比較用断熱ガラスユニット及び本発明によ
る実施例の断熱ガラスユニットに対して、前記のように
作ったユニットの試料を試験して、両方のユニットにつ
いて、初期のガス濃度(初期のガス漏出速度をLAとす
る)、次いで高湿度のもとで高温及び低温の繰り返し
(DIN 52293)ばかりでなくUV照射も伴う耐
候性試験方法に別のユニットを使用して、最終的には、
耐候性試験後のユニットについて1年当たりのガスのガ
ス漏出速度(最終ガス漏出速度をLEとする)をパーセ
ンテージとして測定した。DIN 1286 第2部の規
定には、初期のガス漏出速度(LA)も最終ガス漏出速
度(LE)も1年当たり1.0%未満でなければならな
いと規定されている。初期のガス漏出速度(LA)がす
でにこの限度を超えている場合、試験を止めて初期値だ
けをガス漏出速度として報告する。この標準試験方法に
準拠して1年当たり1.0%のガス漏出速度を示す断熱
ガラスユニットは、建物に設置されて25年を超える期
間で5%未満のガスの漏出と考えられ、従って許容でき
ると考えられる0.1W/m2K超のガラスユニットの
K値を下げることはない。
【0044】DIN 1286第2部による比較ユニッ
ト及び実施例ユニットの試験の結果を表1に示す。この
表1から、実施例ユニットは、97%のガス濃度の値及
びガス漏出速度(1年当たり0.93%及び0.99
%)を示し、それぞれ>90%及び<1%の要件を満た
していることが判る。これらの要件は比較用ユニットで
は満たされておらず、このユニットのガス濃度は限度の
90%か或いはそれ以上(90%及び91%)であるこ
とが判るが、ガス漏出速度は1年当たり1%の限度を超
えている(5.9%及び2.8%)。
【0045】 表1 アルゴンガス漏出速度 アルゴンガス %/年 容量% 実施例試料 試料1 0.93(LE) 97 試料2 0.99(LE) 97 比較用試料 試料1 5.9(LA) 90 試料2 2.8(LA) 91
【0046】建物用グレイジングで経験することがある
ような直射UV光線を受けるグレイジングユニットにお
いて、二次封止剤が使用に適するかどうかを評価するの
に使用できる数種の方法がある。1つの例は前記のAS
TM C−1184である。この方法でシリコーン組成
物Aについて行なった試験によると、硬化した組成物は
優れたUV安定性を持つことが判った。表2では100
%伸長時のモジュラス値(100%モジュラス)、破断
点伸び、引張り強さ、及び破壊モードの各初期値を、A
STM 1184の標準試験方法によって得られた50
00時間の促進耐候試験(QUV耐候性)後に得られた
前記の各値と比較している。いずれの値も劣化を認める
ことは出来ない。むしろ、耐候試験で全ての値が向上、
即ちモジュラス、引張り強さ及び破断点伸びの増加が観
察された。更に、促進耐候試験の前でも後でも封止剤は
凝集破壊する(CF)。封止剤は、5000時間の促進
耐候試験が終了した後は0.345MPaを超える引張
り強さを持つという要件も満たしている。
【0047】 表2 数値 試料の経時変化 物理的性質 基剤/触媒比(重量) 8:1 10:1 12:1 初期 100%モジュラス 0.87 0.86 0.81 (MPa) 破断点伸び(%) 121 146 148 引張り強さ(MPa) 0.93 0.98 0.94 破壊のモード CF CF CF 5000時間QUVの経時変化 100%モジュラス 0.87 0.97 0.86 (MPa) 破断点伸び(%) 138 177 162 引張り強さ(MPa) 1.01 1.20 0.98 破壊のモード CF CF CF
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、比較用断熱ガラスユニットの断面図で
ある。
【図2】図2は、本発明の実施例の断熱ガラスユニット
の断面図である。
【符号の説明】
10 フレーム 12 板ガラス 14 板ガラス 16 接着剤 18 接着剤 20 第二シール 22 中空層 40 テープ 42 板ガラス 44 板ガラス 46 第二シール 48 中空層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 592015259 PARC INDUSTRIEL, 7180 SENEFFE, BELGIUM (74)上記2名の代理人 弁理士 曾我 道照 (外7名 ) (71)出願人 596012272 ダウ・コーニング・コーポレイション アメリカ合衆国48686ミシガン州ミドラン ド、ウエスト・サルツバーグ・ロード2200 (72)発明者 マルタン・ハーヴェイ ベルギー国、1410 ワテルロー、アヴュニ ュー・デ・ジロンデル 45 (72)発明者 ジャン−ポール・ハウトケア ベルギー国、4537 ベルレーヌ、ヴォワ・ ド・ラ・トンブ 50 (72)発明者 カルル−ハインツ・リュッケスホイザー ドイツ連邦共和国、65307 バート・シャ ヴァルバッハ、マルチン・ルーテルストラ ーセ 2アー (72)発明者 アンドレアス・ヴォルフ ベルギー国、1420 ブレーン−ラロイト、 クロ・デュ・ヴァルド・レコセ 30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板ガラスに接着する熱可塑性材料のスペ
    ーサーにより離された2枚の板ガラス、断熱ガラスユニ
    ットの内部に閉じ込められた不活性ガス又は重いガス、
    及び前記ユニットの周囲にあり前記ガラスの端部の間で
    かつ前記スペーサーの外側の面と接触しているシリコー
    ンエラストマー層を含む前記断熱ガラスユニットにおい
    て、熱可塑性材料の前記スペーサーが、熱加工によって
    定められた場所に形成され、かつ約0.2リットル/m
    2/日(厚さ4mmを20℃で測定した)以下の水蒸気
    透過率及び、厚さ0.5mmの封止剤で23℃における
    100mm/分のせん断速度で測定した時0.2MPa
    超のせん断強さを有することを特徴とする断熱ガラスユ
    ニット。
  2. 【請求項2】 1年当たり1%以下のアルゴンガス透過
    率を有することを特徴とする請求項1に記載の断熱ガラ
    スユニット。
  3. 【請求項3】 熱可塑性材料がポリイソブチレンを主成
    分とすることを特徴とする請求項1に記載の断熱ガラス
    ユニット。
  4. 【請求項4】 熱可塑性材料が1997年9月1日に納
    入されたケメタルナフトサーム(Chemetal Naftother
    m)Bu-TPSであることを特徴とする請求項3に記載
    の断熱ガラスユニット。
  5. 【請求項5】 シリコーンエラストマーが、縮合触媒の
    存在でヒドロキシ末端停止型ポリジオルガノシロキサン
    及びトリアルコキシシランを含む組成物の硬化によって
    生成されることを特徴とする請求項1に記載の断熱ガラ
    スユニット。
  6. 【請求項6】 任意の所望の順序で行なわれる次の各段
    階、即ち2枚の板ガラスを調達する段階と、脱水剤を含
    む熱溶融物として塗布されるプラスチック状態の熱可塑
    性材料のエンドレスな帯を前記2枚の板ガラスの間に提
    供する段階と、前記2枚の板ガラスを互いに向かわせて
    前記熱可塑性材料に押し当てて前記板ガラスに接着する
    前記熱可塑性材料を含むスペーサーを形成する段階と、
    前記2枚の板ガラスと前記スペーサーとによって画定さ
    れる中空部に不活性ガス又は重いガスを導入する段階
    と、そして前記ユニットの周囲に配置されたシリコーン
    エラストマーの層を前記スペーサーの外側の面と接して
    設ける段階とを含むことを特徴とする断熱ガラスユニッ
    トの製造方法。
  7. 【請求項7】 熱可塑性材料が、前記板ガラスの第1の
    平面に平行方向に測定して約7mmの最少平均厚さで、
    かつ前記熱可塑性材料が各板ガラスと途切れることなく
    接触するように塗布されることを特徴とする請求項6に
    記載の断熱ガラスユニットの製造方法。
  8. 【請求項8】 シリコーンエラストマーが、前記板ガラ
    スの平面に平行方向に測定して約3mmの最少平均厚さ
    で、かつ前記熱可塑性材料が各板ガラスと途切れること
    なく接触するように塗布されることを特徴とする請求項
    7に記載の断熱ガラスユニットの製造方法。
  9. 【請求項9】 シリコーンエラストマーのガラス接着性
    が、端封が屋根用グレイジング又は建物用グレイジング
    のような日光に直接曝露される用途で前記断熱ガラスユ
    ニットの使用を可能にするのに充分なUV安定性を有す
    るものであることを特徴とする請求項6に記載の断熱ガ
    ラスユニットの製造方法。
JP10323789A 1997-11-15 1998-11-13 断熱ガラスユニット Pending JPH11228190A (ja)

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GB9724077.4 1997-11-15
GBGB9724077.4A GB9724077D0 (en) 1997-11-15 1997-11-15 Insulating glass units

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EP (1) EP0916801B1 (ja)
JP (1) JPH11228190A (ja)
AT (1) ATE255672T1 (ja)
CA (1) CA2254100C (ja)
DE (1) DE69820202T2 (ja)
ES (1) ES2209071T3 (ja)
GB (1) GB9724077D0 (ja)
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