JP2023531226A - 補強プロファイル材を有するスペーサーを含む遮断グレージング - Google Patents

Abstract

【課題】遮断グレージングの提供。【解決手段】少なくとも、第一のペイン（１）と；第二のペイン（２）と；スペーサー（５）と；グレージング内部（３）と；外側のペイン間スペース（１３）と、を含む遮断グレージング（２０）であって、第一のペイン（１）は、スペーサー（５）の、第一のペイン接触表面（７．１）及び第一の側表面（１７．１）に取り付けられており、第二のペイン（２）は、スペーサー（５）の、第二のペイン接触表面（７．２）及び第二の側表面（１７．２）に取り付けられており、スペーサー（５）は、少なくとも１つのポリマー製本体（５．１）と、内面（１５）、外面（１６）、及び２つの側表面（１７）を含む補強プロファイル材（５．２）とを含み、補強プロファイル材（５．２）の内面（１５）は、少なくとも部分的にポリマー製本体（５．１）の外側表面（９）に統合的に連結されており、補強プロファイル材（５．２）の幅は、ポリマー製本体（５．１）の幅以下であり、外側のシールは、外側のペイン間スペース（１３）に導入されておらず、補強プロファイル材（５．２）の外面（１６）は、遮断グレージング（２０）の、周囲に面する露出表面である、遮断グレージング（２０）。【選択図】図１ｂ

Description

本発明は、補強プロファイル材を有するスペーサーを含む遮断グレージング、その製造方法、及びその使用に関する。

ガラスの熱伝導率は、コンクリート又は同様の建材のものより約２～３倍低い。しかし、ほとんどの場合、ペインは、れんが又はコンクリートで製造される比較可能な要素より大いに薄く設計されるため、建物は、外部グレージングを介して熱の最大のシェアを失うことがよくある。この効果は、部分的又は完全なガラスファサードを有する高層ビルにおいて特に重要である。暖房及び空調システムに必要なコストの増加は、過小評価してはならない建物のメンテナンス費用の一部を構成する。さらに、より厳格な建築規制の結果として、より低い二酸化炭素排出量が要求される。これを解決するための重要なアプローチは遮断グレージング含み、主として、原材料のますます急速に上昇する価格、及びより厳格な環境保護の制約の結果として、これなしで建物建設分野を想像することはもはや不可能である。

遮断グレージングは、少なくとも１つの周囲スペーサーを介して互いに連結された少なくとも２つのペインから製造される。設計に応じて、「グレージング内部」と呼ばれる２つのペイン間のペイン間スペースは、空気又はガスで充填されるが、いずれの場合でも水分を含まない。グレージングのペイン間スペース中の過度の水分量は、特に、外部の温度が低い場合、ペイン間スペースにおける水の液滴の縮合をもたらし、これは、絶対に回避しなければならない。組み立て後にシステム中に残っている残留水分を吸収するために、例えば、乾燥剤で充填された中空体スペーサーを用いることができる。しかし、乾燥剤の吸収容量は制限されるため、この場合でも、追加の水分の浸入を防止するために、システムの封止は非常に重要である。ガス充填された遮断グレージング、例えば、グレージング内部へアルゴン充填物が導入された遮断グレージングの場合、気密性も保証されなければならない。

遮断グレージングの改善された気密性を保証するために、スペーサーの分野での種々様々の改良が既に知られている。既に、ＤＥ ４０ ２４ ６９７ Ａ１において、ポリスルフィドポリマー、ブチルホットメルト、シリコーンゴム、ポリメルカプタン、又はポリウレタンなどの材料で製造された、従来の一重又は二重封止された遮断ガラス端部ボンドは、適切な長期の封止を保証することができず、経時で、グレージング内部と周囲との間で望ましくないガス交換が生じるという問題が議論されている。ＤＥ ４０ ２４ ６９７ Ａ１によれば、改善された封止はスペーサーの改良によって達成され、そのペイン接触表面上にはポリ塩化ビニリデンフィルム又はコーティングが適用される。

遮断グレージングの気密性を改善するための別の手段は、例えば、ＥＰ ０ ８５２ ２８０ Ａ１及びＷＯ ２０１３／１０４５０７ Ａ１において開示されるように、金属箔によるポリマー製スペーサーのコーティング、又は交互金属ポリマー層システムである。これらのバリアフィルムは、スペーサーの高い気密性を保証する。バリアフィルムを含むスペーサーに隣接して、通常一次封止剤があり、これは、スペーサーを遮断グレージングの隣接したペインに結合するように機能する。この一次封止剤は水及びガス不透過性である。二次封止剤の形態の外側のシールは、一次封止剤を有するスペーサーに隣接した外側のペイン間スペースに導入される。遮断グレージングの外側の封止は、シリコーン又はポリスルフィドなどの材料でなされ、これらの材料は非常に良好な接着特性を有するが、水及びガス透過性である。したがって、二次封止剤は、主としてグレージングの機械的安定性に役立つ。

ＥＰ ０ ４７０ ３７３ Ａ１は、中空プロファイルスペーサーを含む遮断グレージングを開示し、そこでは金属ストリップはスペーサーの外面に適用される。ポリマー製スペーサーの角領域において取り付けられる金属の補強要素は、ＩＴ ＵＡ２０ １６３ ８９２ Ａ１により知られている。ＷＯ ２０１９／２０１５３０ Ａ１は、ポリマースペーサーの金属の補強要素を開示し、それらは、スペーサーのへこみに同一面になるように挿入されている。遮断グレージング中の、補強要素を有するこれらのスペーサーの設置された状態において、二次封止剤は、遮断グレージングの適切な機械的安定性を達成するために、外側のペイン間スペースにおいてスペーサーの外面に導入される。

スペーサー、一次封止剤、及び二次封止剤からなる記載された封止システムは、遮断ガラス製造において複数の製造ステップを含む方法で取り付けなければならない。最初に、スペーサーを、第一のペイン及び第二のペインに一次封止剤によって同時に又は逐次的に結合する。その後、二次封止剤を、通常押し出しによって、作り出された外側のペイン間スペースに導入することができる。

本発明の目的は、簡易化された組み立てを可能にする遮断グレージング、及びその製造方法を提供することである。

本発明の目的は、スペーサーを有する遮断グレージング、その製造方法、及び独立請求項１に記載のスペーサーの使用によって、本発明に従って達成される。本発明の好ましい実施態様は、従属クレームから明らかになる。

本発明は、図面に関連して以下で詳細に説明される。図面は純粋に概略図であり、縮尺どおりではない。それらは本発明を全く制限しない。それらは次のものを表す：
図１ａは、傾斜した外側表面を含む本体の対向プロファイル材として補強プロファイル材を有する本発明に係る遮断グレージングのスペーサーの概略図である。 図１ｂは、図１ａに係るスペーサーを含む本発明に係る遮断グレージングの概略図である。 図２は、本体のペイン接触表面までずっと延在する脚部を有する対向プロファイル材として補強プロファイル材を含む本発明に係る遮断グレージングの別の実施態様である。 図３は、図１ｂの遮断グレージングであり、補強プロファイル材の外面で、均圧体が外側表面に挿入されている。 図４は、補強プロファイル材として平坦なプロファイル材と、傾斜した外側表面を有する本体とを含む本発明に係る遮断グレージングの別の実施態様である。 図５は、補強プロファイル材として平坦なプロファイル材と、平坦な外側表面を有する本体とを含む本発明に係る遮断グレージングの実施態様である。 図６は、Ｕ字型の補強プロファイル材と、平坦な外側表面を有する本体とを含む本発明に係る遮断グレージングの実施態様であり、補強プロファイル材の脚部は、ペイン接触表面のサブ領域を囲んでいる。 図７は、Ｕ字型の補強プロファイル材と、平坦な外側表面を有する本体とを含む本発明に係る遮断グレージングの実施態様であり、補強プロファイル材の脚部は、外側のペイン間スペースの方向を指している。

本発明に係る遮断グレージングは、少なくとも、第一のペインと、第二のペインと、これらのペインを取り囲み、補強プロファイル材を有する周囲スペーサーとを含有する。第一のペインは、スペーサーの、第一のペイン接触表面及び第一の側表面に取り付けられ、第二のペインは、スペーサーの、第二の接触表面及び第二の側表面に取り付けられる。スペーサーのグレージング内部表面に隣接するのは、遮断グレージングのグレージング内部である。補強プロファイル材が取り付けられたポリマー製本体の外側表面は、外側のペイン間スペースからグレージング内部を区切る。ペイン、及びスペーサーのグレージング内部表面によって囲まれたスペースは、「グレージング内部」と呼ばれる。外側のペイン間スペースは、ペイン、及び本体によって囲まれたスペースであり、それは、本体の外側表面に隣接する。したがって、補強プロファイル材は、外側のペイン間スペース内に配置される。補強プロファイル材は、外側のペイン間スペースの開放端部でグレージングの周囲に直接隣接する。先行技術に係る二次封止剤による外側のシールは、完全に省かれる。本発明に関して、二次封止剤を完全に省くことは、外側のペイン間スペースにおいて先行技術に従って用いられる二次封止剤の連続層が存在せず、補強プロファイル材の外側表面が露出していること、すなわち、周囲にさらされた表面を有することを意味する。外側のシールを省くことは、グレージングのより大きい透視領域を可能にする。なぜならば、補強プロファイル材は、先行技術に従って用いられるシールより省スペースで実装することができるからである。スペーサーは、少なくとも１つのポリマー製本体と、補強プロファイル材とを含む。ポリマー製本体は、２つのペイン接触表面と、グレージング内部表面と外側表面とを含み、補強プロファイル材は、ポリマー製本体の外側表面に取り付けられる。補強プロファイル材は、ポリマー製本体の外側表面に面する内面、及び内面の反対側の表面を示す外面を有する。補強プロファイル材の側部の表面（それを介して内面及び外面が互いに連結される）は、「側表面」と呼ばれる。補強プロファイル材の内面は、ポリマー製本体の外側表面に物質的に結合される。補強プロファイル材の幅は、ポリマー製本体の幅と最大でも等しいが、これより小さくてもよい。補強プロファイル材の幅は２つの側表面の間の距離として定義され、ポリマー製本体の幅は２つのペイン接触表面間の距離として定義される。グレージングに設置された状態において、補強プロファイル材は機械的負荷を吸収し、端部封止の強化をもたらす。したがって、補強プロファイル材は、外側のシールとして先行技術に従って用いられる二次封止剤の役割を担う。したがって、二次封止剤を省くことができる。これは、二次封止剤を導入するための押し出しシステム及び押し出しステップを省くことができるため、遮断ガラス製造の大幅な簡易化を伴う。

さらに、補強プロファイル材は、本体との物質的な接続を介してスペーサーへ直接統合されるため、製造プロセスにおいて補強プロファイル材を組み立てるための追加のステップは必要ではない。したがって、スペーサーは、組み立ての準備が既にできている、本体及び補強プロファイル材からなる部品として入手可能である。これは、製造プロセスの時間の節約をもたらし、これにより、製造コストを下げることができる。スペーサーは、遮断グレージングの組み立てラインから独立して製造され、スペーサーの組み立てのための製造工場の変更は必要ではないため、スペーサーは、追加の費用なしで広く一般に用いることができる。さらに、補強プロファイル材は、遮断グレージングの端部領域の省スペース及び効果的な強化を提供する。

好ましくは、補強プロファイル材端部は、遮断グレージングのペイン端部と真っすぐの同一面であるか、グレージング内部の方向に最大３ｍｍ、好ましくは最大１ｍｍ後退している。これは、グレージングの透視領域の拡大をもたらす。

ポリマー製本体の２つのペイン接触表面は、第一のペイン接触表面及び第二のペイン接触表面を含む。第一のペイン接触表面及び第二のペイン接触表面は、スペーサーの設置中に遮断グレージングのペイン（第一のペイン及び第二のペイン）が取り付けられる本体の面である。第一のペイン接触表面及び第二のペイン接触表面は、互いに平行に延在する。

グレージング内部表面は、遮断グレージングにおけるスペーサーの設置後にグレージング内部の方向に向くポリマー製本体の表面として定義される。グレージング内部表面は、スペーサーに取り付けられたペインの間に位置する。

ポリマー製本体の外側表面は、グレージング内部表面の反対側にあり、それは、外側のペイン間スペースの方向に、遮断グレージング内部からみて外方を向く。

補強プロファイル材の内面は、ポリマー製本体の外側表面に面し、かつ、設置された状態において、遮断グレージングのグレージング内部の方向を向く表面である。内面の反対側の補強プロファイル材の表面は「外面」と呼ばれ、設置された状態において、外部の周囲の方向に向く。補強プロファイル材の側表面は、内面にその外面を接続し、スペーサーの設置された状態において、ペインに面する補強プロファイル材のセクションである。補強プロファイル材の内面は、そのベースを形成し、任意選択的に、そこから補強プロファイル材の脚部及び／又は突部が、グレージング内部及び／又は外側のペイン間スペースの方向に突き出る。

補強プロファイル材は、追加のプロセス工程、及び既存の遮断グレージング工場の変更なしでの簡易な組み立てを保証するために、ポリマー製本体に物質的に結合される。種々様々の接着剤及び／又は封止剤を、補強プロファイル材と本体との結合のために用いることができる。結合は、主に、補強プロファイル材及び本体を固定して、遮断グレージングライン上でスペーサーの構成要素を一緒に処理することができるようにする役割を有する。補強プロファイル材、及び本体の恒久的な固定は、グレージングへの設置によって生じる。ポリマー製本体及び補強プロファイル材は、好ましくはポリマー製本体の外側表面及び補強プロファイル材の内面に沿ったスペーサー断面の少なくとも１つのセクションを介して、スペーサーに沿って連続的に互いに物質的に結合される。特に好ましくは、構成要素の接続は、グレージング内部表面と平行に延在するスペーサーの外側表面のセクションを介して、特に、断面に沿って中心に配置されたセクション、すなわち、両方のペイン接触表面からほぼ等しい距離にあるセクションを介してなされる。好ましくは、ポリマー製本体及び補強プロファイル材は、少なくともグレージング内部表面と平行に延在する外側表面のセクションに沿って、スペーサーに沿って連続的に互いに物質的に接続される。これは、特に安全な接続を保証し、製造プロセス中の構成要素のずれを防止する。

可能な実施態様において、ポリマー製本体及び補強プロファイル材は、スペーサーに沿って、連続的に又は点で、好ましくは連続的に適用された封止剤のストランドを介して結合される。適切な封止剤は、例えば、遮断グレージングのペインをポリマー製本体のペイン接触表面に結合するために用いられる封止剤である。ペインの結合のために用いられる封止剤と同じ封止剤又は異なる封止剤を選択することができる。そのような封止剤は、熱の作用の下で流れ始め、したがって、グレージングの設置された状態において応力を補正するという利点を有する。この文脈において特に適切なのは、多くの場合一次封止剤と呼ばれ、スペーサーのペイン接触表面を隣接するペインに結合するために先行技術において用いられる封止剤である。特に好ましくは、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリオレフィンゴム、これらのコポリマー及び／又は混合物が用いられる。これらは、結合の有利な柔軟性を可能にする。

本発明の別の実施態様において、ポリマー製本体及び補強プロファイル材は、接着剤を介して互いに物質的に結合される。接着剤は、ポリマー製本体の隣接材料、補強プロファイル材、及び該当する場合はポリマー製本体に取り付けられたバリアフィルムとの適合性を考慮に入れて、産業上一般的に用いられる接着剤から選択することができる。例えば、シアノアクリレート接着剤、メチルメタクリレート接着剤、エポキシ接着剤、ポリウレタン接着剤、及びシリコーン、並びにこれらの混合物及びコポリマーの群からの接着剤を用いることができる。接着剤は、液体接着剤として、及び／又は接着テープ若しくは両面接着テープの形態で用いることができ、言及された接着剤は、接着テープの反対側の外部側に取り付けられる。接着テープは、構成要素の結合に加えて他の機能も果たすことができ、例えば、発泡接着テープは応力を補正することができる。例えば、用語「構造グレージングテープ」で知られているポリアクリレート接着剤を含む発泡接着テープが適切である。

別の可能な実施態様において、補強プロファイル材は、ポリマー製本体と共に共押し出しされる。その場合において、任意選択的に、バリアフィルムをポリマー製本体の外側表面に適用することができる。このフィルムは、押し出しプロセスにおいて挿入され、したがって共押し出し中に直接統合される。さらに、封止剤の層などの他の層も、ポリマー製本体及び補強プロファイル材の共押し出し中に共押し出しすることができる。補強プロファイル材及びポリマー製本体の共押し出しは、ポリマー製本体の押し出しの後、補強プロファイル材を適用するためにさらなるプロセス工程を必要とせず、代わりに、これは既に統合されているという利点を提供する。

補強プロファイル材は、種々様々の形状を想定することができる。適用される幅内で、補強プロファイル材は、好ましくは外側表面の全表面にわたって取り付けられる。しかし、代わりに、補強プロファイル材は切り欠きを有してもよい。全表面の設計は、補強プロファイル材の剛性の点から有利であるが、切り欠きを含む補強プロファイル材は、得られる遮断グレージングのより低い熱伝導率をもたらす。通常、切り欠きを好ましくは省くことができるように、低い熱伝導率の材料が補強プロファイル材を製造するために用いられる。これは、簡易な生産の点でも有利である。

可能な実施態様において、補強プロファイル材は平坦なプロファイル材として実装され、これは、平板状材料から簡易な方法で切断することができる。これは、最も効率的で経済的な製造の点で有利である。

補強プロファイル材の有利な形状は、補強プロファイル材がポリマー製本体の角を囲み、ペイン接触表面のサブ領域までずっと突き出るＵ字型の設計である。平坦なプロファイル材と比較して、Ｕ字型の断面は、プロファイル材の剛性を高める。補強プロファイル材が突き出るペイン接触表面のサブ領域は、この領域において補強プロファイル材の厚さに対応するへこみを備えるのがよい。これは、補強プロファイル材の幅がポリマー製本体の幅を越えて突き出ないことを保証する。代わりに、Ｕ字型の補強プロファイル材は、ポリマー製本体の外側表面に垂直に延在するＵ字型の領域が、ペイン接触表面からみて外方を向くように配置することができる。この場合、ポリマー製本体のへこみを省くことができる；しかし、これは、不利なことに、スペーサーの全体的な構造の高さを増加させる。スペーサーの構造の高さを可能な限り低く維持するために、ペイン接触表面からみて外方を向くＵ字型の補強プロファイル材のセクションを可能な限り短く設計することができる。しかし、平坦なプロファイル材と比較した安定性の利点も失われる。

好ましい実施態様において、補強プロファイル材が対向プロファイル材の形状で実装されるように、補強プロファイル材の形状は本体の形状に適合される。対向プロファイル材は、その経路においてポリマー製本体の外側表面の形状に適合される。そのような実施態様は、特に、本体の外側表面が、少なくともサブ領域において本体のペイン接触表面に垂直でない場合に考慮される。対向プロファイル材としての補強プロファイル材は、本体に最適に連結され、二次封止剤による充填とは対照的に、望ましくないキャビティが発生することはない。ポリマー製本体の外側表面からみて外方を向く補強プロファイル材の外面は、補強プロファイル材の内面から独立して延在することができる。好ましくは、補強プロファイル材の外面は、ポリマー製本体のグレージング内部表面と実質的に平行に延在する。したがって、設置された状態において、遮断グレージングの外側のペイン間スペースは最適に充填され、良好な安定性が達成される。

対向プロファイル材の形態の補強プロファイル材は、ペイン接触表面に隣接する本体の外側表面の領域が、ペイン接触表面の方向に傾いている場合に特に好ましい。

スペーサーの好ましい実施態様において、本体のペイン接触表面に隣接する外側表面のセクションは、ペイン接触表面の方向に、外側表面に対して２０°～７０°、好ましくは３０°～６０°の角度で傾いている。この傾斜した幾何学的形状は、ポリマー製本体の安定性を改善する。スペーサーの補強プロファイル材は対向プロファイル材として実装され、本体の外側表面に面するその内面は、外側表面の幾何学的形状に適合した経路を有する。したがって、補強プロファイル材の側表面に隣接する内面のセクションは、外側表面の傾斜したセクションの幅に幅の点で対応するセクションにおいて傾いて延在する。補強プロファイル材の内面の傾きの程度は、本体の外側表面の傾きに由来する。これは、ポリマー製本体の外側表面に対する補強プロファイル材の内面の同一面での接続を可能にする。対向プロファイル材を使用しない場合、傾斜した領域に後退した角領域ができ、これは、封止剤で充填しなければならない。望ましくない空気ポケットは、到達しにくい角領域において発生する可能性がある。これは、外側表面の経路に適合された補強プロファイル材によって回避される。補強プロファイル材の外面は、好ましくはグレージング内部表面と実質的に平行に延在する。これは、グレージングの周囲に向けられた平らな表面を作り出し、これは、平坦な仕上がりを提供する。さらに、内面の傾斜した領域及び平らな外面の組み合わせは、補強プロファイル材の強化をもたらす。実質的に三角形の断面を有する突部は内面の傾斜した領域に現れ、有利な安定化を提供する。実質的に三角形の断面を有する突部は、任意選択的に、中実、すなわち、中実材料として、又は中空プロファイルセクションとして実装される。中空プロファイルセクションの場合、キャビティは突部内に位置し、キャビティはそれらによって大部分が又は完全に囲まれる。角突部内の補強プロファイル材の中実の設計は、安定性の点で有利であるが、中空プロファイル形状の角突部は、安定性をほとんど損なうことなく軽量化を提供する。

記載されたすべての実施態様において、補強プロファイル材は、ポリマー製本体のペイン接触表面を越えて横方向に突き出さない。補強プロファイル材は、好ましくは、外側表面の表面中心の方向で、第一のペイン接触表面及び／又は第二のペイン接触表面に対して、それぞれ、０．０ｍｍ～１．５ｍｍ、特に好ましくは０．３ｍｍ～１．２ｍｍ後退している。これは、ポリマー製本体の結合のために用いられる封止剤の層厚さを所望のように調節できることを保証する。遮断グレージングにおいてポリマー製本体を結合するために一般的に用いられる一次封止剤は、遮断グレージングのプレス後の測定で０．２ｍｍ～０．５ｍｍの層厚さで好ましくは用いられる。ペイン接触表面を越えて突き出る補強プロファイル材は、そのような従来の封止剤を用いる場合に障害となる。なぜならば、十分に薄い層厚さの一次封止剤は達成するのが困難であるからである。補強プロファイル材の結合のために用いられる接着剤は、より大きい層厚さで用いることもでき、製造公差による偏差は、接着剤によって補正される。好ましくは、補強プロファイル材の幅はポリマー製本体の幅より小さく、その結果、製造関連の偏差が発生した場合に、補強プロファイル材がいかなる場合にもポリマー製本体の幅を越えて突き出ないことを保証することができる。

好ましくは、補強プロファイル材の肉厚は、０．５ｍｍ～５．０ｍｍであり、好ましくは０．５ｍｍ～２ｍｍであり、特に好ましくは０．７ｍｍ～１．５ｍｍである。肉厚は、最小の厚さの点での補強プロファイル材の厚さである。したがって、補強プロファイル材の角突部などのより大きい厚さの領域は、肉厚の決定において考慮されない。補強プロファイル材の厚さは、本体のペイン接触表面と平行な方向において決定される。言及された厚さ範囲において、遮断グレージングの端部領域の良好な強化を達成することができる。さらに、肉厚の好ましい範囲において、グレージングのより大きい透視領域を達成することができる。特に、さらなる二次封止剤を用いず、外側のシールが補強プロファイル材によってのみ保証される場合、遮断グレージングの端部領域の高さのスペースの大幅な節約が可能である。

補強プロファイル材の高さは、最大の厚さを有する補強プロファイル材の点で決定される。高さは、すなわち少なくとも補強プロファイル材の厚さの量である。平坦なプロファイル材を用いる場合、高さは厚さと同じである。Ｕ字型の補強プロファイル材の場合、補強プロファイル材の高さは、Ｕプロファイル材の脚部がＵプロファイル材のベースを越えて突き出る量だけ、補強プロファイル材の厚さ又は肉厚を上回る。ここで、「Ｕプロファイル材のベース」は、グレージング内部表面と平行に延在する補強プロファイル材の内面のセクションを指す。本体の角領域が傾斜し、補強プロファイル材が対向プロファイル材として実装されるスペーサーの実施態様において、補強プロファイル材の高さは、肉厚に、補強プロファイル材の角領域において突部がそのベースを越えて突き出る量を加えたものによって定義される。この場合も、グレージング内部表面と平行に延在する補強プロファイル材の内面のセクションが「ベース」と呼ばれる。平坦なプロファイル材として実装されない補強プロファイル材については、補強プロファイル材の高さは、好ましくは０．５ｍｍ～３．０ｍｍの肉厚を伴って、好ましくは０．７ｍｍ～５．０ｍｍであり、特に好ましくは、０．７ｍｍ～２．０ｍｍの肉厚を伴う１．０ｍｍ～４．０ｍｍであり、特に、０．７ｍｍ～１．２ｍｍの肉厚を伴う１．０ｍｍ～３．０ｍｍである。

ポリマー製本体は、好ましくは、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、好ましくはポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、アクリロニトリルスチレンアクリルエステル（ＡＳＡ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン／ポリカーボネート（ＡＢＳ／ＰＣ）、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）、ＰＥＴ／ＰＣ、ＰＢＴ／ＰＣ、ＳＡＮ／ＰＣ、及び／又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含有する。特に、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、アクリロニトリルスチレンアクリルエステル（ＡＳＡ）、並びにこれらのコポリマー及び／又は混合物は、それらが良好な機械的特性及び高い破断強度を有するため、好ましい構成要素である。補強プロファイル材の本発明に係る使用は、原理的に、広範囲の本体材料を可能にする。グレージングの端部領域に作用する機械的負荷が、主に補強プロファイル材によって吸収されるという事実により、本体の材料は、広い範囲内で自由に選択することができる。したがって、経済的な本体材料さえ用いることができるが、これらは、機械的特性に乏しいため、制限された程度の遮断グレージングでの使用にのみ適している。

本発明に係る補強プロファイル材は、プラスチック及び／又は金属で製造することができる。プラスチックは、金属と比較して熱伝導率が低いため、好ましい。

原理的に、本体に関して言及されたプラスチックは、補強プロファイル材にも用いることができる。これらは低い熱伝導率を有する。好ましくは、補強プロファイル材は、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、アクリロニトリルスチレンアクリルエステル（ＡＳＡ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン／ポリカーボネート（ＡＢＳ／ＰＣ）、スチレンアクリロニトリル／ポリカーボネート（ＳＡＮ／ＰＣ）、及び／又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含む。

補強プロファイル材及びポリマー製本体は、同じポリマーのベース材料から製造してもよく、異なるポリマーをベースとしてもよい。同じプラスチックベース材料からのポリマー製本体及び補強プロファイル材の製造は、グレージングの耐用年数の終わりの後にスペーサーを再利用することが簡易化されるという利点を有する。ポリマーのベース材料以外の本体の構成要素は、同じベース材料を選択した場合であっても異なってよい。例えば、補強プロファイル材、及び本体の機械的特性は、ガラス繊維などのさらなる構成要素の添加によって、選択的に調節することができる。

ポリマー製本体及び補強プロファイル材の幾つかの有利な材料の組み合わせが、例として以下に言及される：
１．ＳＡＮを各々含むポリマー製本体及び補強プロファイル材、本体及び補強プロファイル材は、同じポリマーのベース材料を有する。
そのような組み合わせは、リサイクル性が改善し、本体材料としてＳＡＮが良好に顧客に受け入れられるため、有利である。
２．任意の経済的なポリマー材料で製造されたポリマー製本体、並びにＳＡＮ、ＳＡＮ／ＰＣ、ＡＢＳ、及び／又はＡＢＳ／ＰＣで製造された補強プロファイル材
ＳＡＮで製造された補強プロファイル材は良好な剛性を有し、これは、ポリカーボネートの添加によってさらに増加させることができる。ＡＢＳは、ＳＡＮと比較して改善された剛性が特徴であり、これは、同様にポリカーボネートの添加によって増加させることができる。高い剛性を有する材料で製造された補強プロファイル材は、本体の材料の概ね自由な選択を可能にする。
３．各々ＰＥＴを含むポリマー製本体及び補強プロファイル材
ＰＥＴは、非常に良好な強度を有し、経済的で、容易に再利用可能である。

別の実施態様において、補強プロファイル材は、金属、好ましくはアルミニウム及び／又はステンレス鋼を含むことができる。アルミニウム及びステンレス鋼は、適切な機械的特性が特徴であるが、プラスチックより高い熱伝導率を有する。金属の補強プロファイル材は、言及された本体材料のすべてと組み合わせることができる。金属の補強プロファイル材の熱伝導率を低減するために、切り欠きを補強プロファイル材に設けることができる。例として、補強プロファイル材の一方の表面から反対側の表面に延在する細長い切り欠きに言及することができる。代わりに、補強プロファイル材は複数の部分で実装することもでき、この場合、スペーサーに沿って、低い熱伝導率を有する材料のストリップが埋め込まれ、これは、補強プロファイル材の一方の表面から反対側の表面への熱伝導を防止する。前記遮断材料ストリップは、例えば、補強プロファイル材の側表面と実質的に平行に延在する。金属の補強プロファイル材、及び切り欠きを含む金属の補強プロファイル材のそのような複数部品の実施態様は、ポリマーの補強プロファイル材と比較してより高い製造費用を必要とし、ポリマーの補強プロファイル材は、この理由のために好ましく用いられる。

好ましくは、本体及び／又は補強プロファイル材は、１つ又はそれより多くの補強手段を含有する。補強プロファイル材に関して、これは、プラスチックを含む補強プロファイル材に当てはまる。

繊維、粉末、又は小板の形態の種々様々の補強手段は、補強手段として当業者に知られている。粉末状及び／又は小板状の補強手段としては、例えば、マイカ、及びタルクが挙げられる。機械的特性の点で特に好ましいのは、ガラス繊維、アラミド繊維、セラミック繊維、又は天然繊維などの強化繊維である。さらに、これらの代替は、すりガラス繊維又は中空ガラス球である。これらの中空ガラス球は１０μｍ～２０μｍの直径を有し、中空プロファイル材の安定性を改善する。適切な中空ガラス球は、名称「３Ｍ（商標）Ｇｌａｓｓ Ｂｕｂｂｌｅｓ」で市販で入手可能である。１つの可能な実施態様において、ポリマー製本体は、ガラス繊維、及び好ましくはさらに中空のガラス球の両方を含有する。中空ガラス球の混合物は、中空プロファイル材の熱的特性のさらなる改善をもたらす。

好ましくは、言及された補強手段の１つ又はそれより多く、特に好ましくはガラス繊維は、プラスチックベース材料を含む本発明に係る補強プロファイル材に同様に加えられる。

特に好ましくは、ガラス繊維は、ポリマー製本体において補強手段として用いられ、２５質量％～４０質量％、特に、３０質量％～３５質量％の割合で加えられる。

これらの範囲内では、本体の良好な機械的安定性及び強度を観察することができる。さらに、３０質量％～３５質量％のガラス繊維含有量は、ポリマーの層と、金属の層又はセラミックスの層とを交互にして構成された多層のバリアフィルムと完全に適合し、これは、好ましい実施態様において本体の外側表面に適用される。ポリマー製本体と、バリアフィルム又はバリアコーティングとの熱膨張係数を適合させることによって、異なる材料間の温度誘起応力、及びバリアコーティングを含むバリアフィルムのフレーキングを回避することができる。

補強プロファイル材のガラス繊維含有量は、好ましくは３０質量％～６０質量％、特に好ましくは３７質量％～５０質量％である。ポリマー製本体と比較してより高い補強プロファイル材のガラス繊維含有量は、有利には、補強プロファイル材の改善された剛性をもたらす。

本体は、好ましくはガス及び蒸気バリアを含み、これは、本体の気密性を改善する働きをする。好ましくは、これは、少なくともポリマー製本体の外側表面、好ましくは外側表面と、ペイン接触表面の一部とに適用される。ガス及び蒸気バリアは、ガス損失及び水分の浸入に対するスペーサーの密閉性を改善する。好ましくは、バリアは、ペイン接触表面のおよそ半分から三分の二に適用される。特に好ましくは、バリアフィルムが用いられ、適切なバリアフィルムは、例えば、ＷＯ ２０１３／１０４５０７ Ａ１に開示される。

好ましい実施態様において、ポリマー製本体の外側表面上のガス及び蒸気バリアは、フィルムとして実装される。このバリアフィルムは、少なくとも１つのポリマーの層と、少なくとも１つの金属の層又は少なくとも１つのセラミックスの層とを含有する。ポリマーの層の層厚さは５μｍ～８０μｍであり、その一方で１０ｎｍ～２００ｎｍの厚さを有する金属の層及び／又はセラミックスの層が用いられる。言及された層厚さ内では、バリアフィルムの特に良好な密閉性が達成される。バリアフィルムは、ポリマー製本体に、例えば接着剤で適用することができる。代わりに、フィルムは、本体と一緒に共押し出しすることができる。

特に好ましくは、バリアフィルムは、少なくとも１つのポリマーの層と交互に配置された、少なくとも２つの金属の層及び／又はセラミックスの層を含有する。個々の層の層厚さは、好ましくは前の段落で記載したとおりである。好ましくは、外側層は金属の層によって形成される。バリアフィルムの交互層は、先行技術から知られている種々様々の方法において互いに結合するか、適用することができる。金属の層又はセラミックスの層を堆積させる方法は、当業者に十分に知られている。交互層シーケンスを含むバリアフィルムの使用は、システムの密閉性の点で特に有利である。層のうちの１つにおける欠陥は、バリアフィルムの機能の損失をもたらさない。対照的に、単一層では、小さい欠陥でさえ完全な故障をもたらす可能性がある。さらに、複数の薄い層の適用は、１つの厚い層に比べて有利である。なぜならば、内部付着の問題のリスクが、層の厚さが増加するにつれて増加するためである。さらに、層が厚いほど伝導率が高いため、そのようなフィルムは熱力学的にあまり適切でない。

フィルムのポリマーの層は、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、アクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、及び／又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含む。金属の層は、好ましくは、鉄、アルミニウム、銀、銅、金、クロム、及び／又はこれらの合金若しくは酸化物を含有する。フィルムのセラミックスの層は、好ましくは酸化ケイ素及び／又は窒化ケイ素を含有する。

代替の好ましい実施態様において、ガス及び蒸気バリアは、好ましくはコーティングとして実装される。コーティングは、アルミニウム、酸化アルミニウム、及び／又は酸化ケイ素を含有し、好ましくはＰＶＤ法（物理気相堆積）によって適用される。言及された材料によるコーティングは、密閉性の点で特に良好な結果を提供し、加えて、遮断グレージングに用いられる外側のシールの材料に対する優れた接着特性を示す。

特に好ましい実施態様において、ガス及び蒸気バリアは、コーティングとして実装され、アルミニウム、酸化アルミニウム、及び／又は酸化ケイ素を含有する少なくとも１つの金属の層又はセラミックスの層を有し、好ましくはＰＶＤ法（物理気相堆積）によって適用される。

先行技術において知られている遮断グレージングにおいて、一次封止剤とも呼ばれる封止剤の層、又は二次封止剤とも呼ばれる外側のシールは、ガス及び蒸気バリアに隣接する。遮断グレージングの製造業者に、バリアフィルムと組み合わせて用いることができる封止剤を示す組み立て指示書を含むスペーサーが供給される。異なる封止剤の使用は、フィルムと封止剤又は外側のシールとの適合性の問題をもたらす場合がある。補強プロファイル材を含む本発明に係る遮断グレージングのスペーサーにおいて、バリアフィルムを、補強プロファイル材によって少なくとも大部分で覆うことにより、記載された適合性の問題を少なくとも低減することができる。さらに、補強プロファイル材が二次封止剤に置き換わり、その結果、遮断グレージング製造業者は、この点に関して重要な封止剤の選択をする必要がなくなる。本発明に係る遮断グレージングが用いられる場合、輸送又は組み立て中のバリアフィルムへの機械的損傷の問題も解消される。

ポリマー製本体は、中空プロファイル材として、シリコーンフォームを含む本体として、及び／又は中実で成型された熱可塑性体として、形成することができる。シリコーンフォームで製造されたスペーサー、いわゆるＴＰＳスペーサーは、当業者に知られている。

好ましくは、ポリマー製本体は、中空プロファイル材として設計されており、それによって、一方で、中実で成型された本体と比較して質量の低減が可能であり、他方で、キャビティが、乾燥剤などの他の構成要素を収容するために本体の内部において利用可能である。

好ましくは、ポリマー製本体のグレージング内部表面は、少なくとも１つの開口部を有する。好ましくは、複数の開口部がグレージング内部表面に設けられる。開口部の総数は、遮断グレージングのサイズに依存する。開口部は、キャビティを内側のペイン間スペースに接続し、その結果、それらの間のガス交換が可能になる。これにより、キャビティ内に位置する乾燥剤による湿気の吸収が可能となり、したがってペインの曇りを防止する。開口部は、好ましくはスロットとして、特に好ましくは幅０．２ｍｍ及び長さ２ｍｍのスロットとして実装される。スロットは、乾燥剤がキャビティから内側のペイン間スペースの中へ進入可能でない場合、最適の空気交換を保証する。

ポリマー製本体は、好ましくは乾燥剤、好ましくは、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ＣａＣｌ_２、Ｎａ_２ＳＯ_４、活性炭、シリケート、ベントナイト、ゼオライト、及び／又はこれらの混合物を含有する。乾燥剤は、本体に好ましくは組み入れられる。特に好ましくは、乾燥剤は本体のキャビティ内に配置される。

本発明に係る遮断グレージングのスペーサーは、任意選択的に均圧体を含み、それは、補強プロファイル材の外面において好ましくは同一面で埋め込まれる。先行技術において、遮断グレージングのための様々な均圧システムが知られており、これらは、遮断グレージングの内側のペイン間スペースと、周囲との間の均圧を可能にすることを意図する。特に有利なのは、均圧を可能にするが、液滴の形態の水のいかなる通過も許容せず、可能な限り水蒸気拡散を防止する均圧体である。スペーサーにおける補強プロファイル材の使用は、そのような均圧体、及びさらに必要に応じて、他の円柱状構成要素を簡易な方法で統合する性能を与える。簡易な方法においてスペーサーに統合される均圧体は、例えば、ＷＯ ２０１９／１１０４０９に開示される。そこに記載された遮断グレージングは、スペーサーの外側表面上の開口部に挿入された均圧体を含む。キャピラリーとガス透過メンブレンとの組み合わせによって、均圧体は、内側のペイン間スペースと周囲空気との間の空気の交換、及び関連する均圧をもたらす。均圧は、キャピラリー及びメンブレンによる拡散プロセスを介して起こる。先行技術によれば、記載された均圧体は遮断グレージングに挿入され、その外側のペイン間スペースは、二次封止剤で充填される。この目的のために、開口部が、ポリマー製本体の外側表面上で最初に作り出され、その領域において、二次封止剤も除去される。均圧体は本体の外側表面でこの穴に挿入され、残りの隙間は封止剤で封止される。この方法は自動化するのが困難である；しかし、このようにすることで、端部領域を二次封止剤で充填する際に変更は必要ではない。代わりに、先行技術の均圧体を二次封止剤を導入する前に挿入することもできる；しかし、この場合、二次封止剤を導入するためのシステムは、均圧体を障害物と認識し、それを迂回するように、変更する必要がある。先行技術に関するこれらの記述から、均圧体の統合が、遮断ガラスの製造に追加の労力を要求することは明らかである。本発明に係る遮断グレージングの好ましい実施態様において、補強プロファイル材を有するスペーサーは、既に均圧体を含む。したがって、遮断ガラス製造業者の側の追加の労力はほとんど回避することができる；製造業者は、均圧体を含む所望のスペーサーモジュールをスペーサー枠に挿入しさえすればよい。本発明によれば、外側のペイン間スペースは補強プロファイル材によって封止されるため、二次封止剤による充填の記載された問題は生じないようになる。

任意選択的に、組み立ての前に、スペーサーは、本体のペイン接触表面及び／又は補強プロファイル材の側表面に予め適用されたストリップとして配置された封止剤及び／又は接着剤を既に備えていてよい。これらの接着剤ストリップ及び封止剤ストリップは、好ましくは、スペーサーの輸送及び保管中の、隣接するスペーサー及び／又は他の構成要素との望ましくない結合を防止するために、保護フィルムを備える。ペインにスペーサーを適用するために、遮断ガラス製造業者は、保護フィルムを除去し、ペイン表面上にスペーサーを押し付けさえすればよい。スペーサーは、任意選択的に、ペイン接触表面及び側表面の領域に、同じ接着剤と同じ封止剤、又は異なる接着剤及び／若しくは封止剤を含んでよい。

好ましくは、一次封止剤は、封止剤の押し出されたストランドの形態の封止剤ストリップとして、第一及び／又は第二のペイン接触表面の領域に予め適用される。一次封止剤は、好ましくは、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリエチレンビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、ポリオレフィンゴム、これらのコポリマー及び／又は混合物を含む。封止剤のストランドは、好ましくは保護フィルムによって覆われ、これは、スペーサーの組み立ての前に除去される。

好ましくは、予め適用された接着剤ストリップも、補強プロファイル材の側表面の領域に取り付けられる。補強プロファイル材の結合のために用いられる接着剤は、本体の結合のために用いられる封止剤より大きい剛性を有する。これは、端部領域の強化の点で有利である。補強プロファイル材を結合するのに特に適切な接着剤は、アクリレート接着剤、ポリウレタン接着剤、シリコーン、シラン変性ポリマー接着剤、並びにこれらの混合物及びコポリマーである。スペーサーが補強プロファイル材の側表面の領域に予め適用された接着剤ストリップを備える場合、アクリレート接着剤を含む接着テープが、この目的のために好ましく用いられる。アクリレート接着剤を含む適切な接着テープは、例えば、用語「構造グレージングテープ」で市販で入手可能である。０．３ｍｍ～０．５ｍｍの範囲の薄い厚さでさえ、これらは、水及び水分に対する良好な封止を提供する。さらに、製造プロセスにおいて接着剤の硬化時間を考慮する必要はない。

スペーサーは、任意選択的に、補強プロファイル材の外面で周方向に延在する別の接着剤ストリップを含んでよい。これは、保護フィルムによって同様に覆われる。窓枠への遮断グレージングの組み立て時に保護フィルムは除去され、遮断グレージングは、枠要素への従来の取り付けに加えて、枠に結合することができる。好ましくは、この目的のために、アクリレート接着剤を備える発泡テープに基づいた発泡接着テープが用いられる。

任意選択的に、封止剤及び／又は接着剤で結合することが意図される、スペーサーのすべての表面は、プラズマ及び／又はコロナ処理で準備することができる。これは、表面の接着を改善する。これは、ＳＡＮ及び／又はＰＥＴを含むポリマー製本体及び／又は補強プロファイル材に特に有用であることが分かっている。

スペーサーのポリマー製本体は、ペイン接触表面に沿って、５ｍｍ～１５ｍｍ、特に好ましくは５ｍｍ～１０ｍｍの高さを有する。

グレージング内部表面の幅は、４ｍｍ～３０ｍｍ、好ましくは８ｍｍ～１６ｍｍである。

好ましい実施態様において、ポリマー製本体及び補強プロファイル材は、同じ接着剤を介して第一のペイン及び／又は第二のペインに固定される。これは、遮断グレージングの簡易化された製造の点で有利である。適切な接着剤は、例えば、反応性の二成分ホットメルト接着剤であり、それには、化学的架橋のための添加剤が好ましくは加えられる。

別の好ましい実施態様において、ポリマー製本体は封止剤を介して結合され；補強プロファイル材は第一のペイン及び／又は第二のペインに、それぞれ、接着剤を介して結合される。これは、一方で、ポリマー製本体に、気候負荷が生じた場合でさえも良好な封止を保証する弾性の封止剤を選択し；他方で、補強プロファイル材の結合のために高い剛性を有する接着剤を使用することができるようにするために有利である。

この場合、２つのペインは、ペイン接触表面に、好ましくは一次封止剤を介して取り付けられており、それは、第一のペイン接触表面と第一のペインとの間、及び／又は第二のペイン接触表面と第二のペインとの間に適用される。

一次封止剤は、好ましくは、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリエチレンビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、ポリオレフィンゴム、ポリプロピレン、ポリエチレン、これらのコポリマー及び／又は混合物を含有する。グレージングが大気湿度の進入、及び充填ガス（存在する場合）の漏れに対して封止されるように、封止剤は気密性で水密性である。

一次封止剤は、好ましくは、０．１ｍｍ～０．８ｍｍ、特に好ましくは０．２ｍｍ～０．４ｍｍの厚さでスペーサーとペインとの間の隙間に導入される。

補強プロファイル材は、好ましくは、第一の側表面と第一のペインとの間、及び／又は第二の側表面と第二のペインとの間に適用される接着剤を介して両方のペインに取り付けられる。

補強プロファイル材を結合するための接着剤は、好ましくは、アクリレート接着剤、ポリウレタン接着剤、シリコーン接着剤、シラン変性ポリマー接着剤、これらの混合物及び／又はコポリマーである。

補強プロファイル材を結合するためのアクリレート接着剤は、特に、接着テープの形態で用いられ、それは、任意選択的に、スペーサーに予め適用しておくことができる。グレージング適用に適切なそのようなアクリレート接着テープは市販で入手可能であり、水分に対する良好な封止を提供し、硬化時間を要求しない。

代わりに、補強プロファイル材を結合するための接着剤は液体の形態で適用することもできる。この場合、二成分シリコーン、反応性ポリウレタンホットメルト接着剤、及び／又はシラン変性ポリマー接着剤が、特に有利であることが分かっている。二成分シリコーンは、良好な機械的強度及び弾性、並びに急速な硬化を備える。良好な弾性特性のために、表面の凹凸はよく平らにすることができる。反応性ポリウレタンホットメルト接着剤は、速い初期強度及び高い最終強度を有し、恒久的完全硬化には、およそ２４時間以内で到達可能である。シラン変性ポリマー接着剤は、特に固い。

補強プロファイル材を結合するための接着剤は、好ましくは、補強プロファイル材とペインとの間の隙間に、遮断グレージングのプレスの後に存在する厚さで、０．２ｍｍ～１．６ｍｍ、特に好ましくは０．３ｍｍ～１．４ｍｍの厚さで導入される。好ましいものとして言及された液体接着剤は、これらの層厚さ内で柔軟に用いることができる。用いられる接着剤層の厚さは、封止剤の要求される層厚さ、及び外側表面の表面中心の方向における補強プロファイル材の側表面の任意のオフセットに柔軟に適合させることができる。

遮断グレージングのグレージング内部は、好ましくは、保護ガス、好ましくは貴ガス、好ましくはアルゴン又はクリプトンで充填され、これにより、遮断グレージングのペイン間スペースの熱伝達値が低減される。

可能な実施態様において、遮断グレージングは２つより多くのペインを含む。

この場合、例えば、第三のペインは、第一のペインと第二のペインとの間のスペーサー中、又はそのスペーサー上に固定することができる。この実施態様において、単一のスペーサーだけが用いられ、それは、その外面に補強プロファイル材を備える。

代わりに、複数のスペーサーを用いることもできる。さらなるスペーサーは、第一のペイン及び／又は第二のペインに固定され、それは、第一及び第二のペイン間に位置するスペーサーと平行である。この実施態様によれば、遮断グレージングは、補強プロファイル材を有する複数のスペーサーを有する。

遮断グレージングの第一のペイン及び第二のペインは、ガラス及び／又はポリマー、好ましくは石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、ポリメチルメタクリレート、及び／又はこれらの混合物を含有する。可能な追加のペインは、同様にこれらの材料を含み、ペインの組成は異なっていてもよい。

本発明に係る遮断グレージングのペインは、１ｍｍ～５０ｍｍ、好ましくは３ｍｍ～１６ｍｍ、特に好ましくは３ｍｍ～１０ｍｍの厚さを有し、２つのペインは、異なる厚さを有してもよい。

遮断グレージングの角において、２つの留め継ぎスペーサーが接し、例えば互いに溶接されている。これらの溶接部の良好な封止を保証するために、本体を補強プロファイル材に結合するための一次封止剤の使用は有利である。この封止剤は溶接作業中に流れ始め、任意の隙間を埋める。その結果として、溶着部の良好な封止が達成される。代わりに、又は加えて、溶接部の封止をさらに改善するために、補強プロファイル材中の任意のボイドを封止剤で充填してよい。

別の実施態様において、スペーサー枠の角は、角コネクターを備えてよい。角コネクターは、例えば、２つのスペーサーが接している、シール付き、又はシールなしのプラスチックの成形品として実装することができる。角コネクターの脚部は、スペーサーのキャビティに挿入される。角コネクターは、任意選択的に、個々の部品の組み立て時に圧縮され、したがって封止されるシールを含有するか、封止剤の追加の適用によって封止される。

原理的に、遮断グレージングの種々様々の幾何学的形状、例えば、矩形、台形、及び丸みを帯びた形状が可能である。丸みを帯びた幾何学的形状を製造するために、スペーサーを、例えば、加熱状態において曲げることができる。スペーサーの曲げを容易にするために、補強プロファイル材は、外側の曲げ半径で切断することができ、例えば、Ｖ字形ミリングを有してよい。

本発明は、本発明に係る遮断グレージングを製造する方法であって、補強プロファイル材を有する本発明に係るスペーサーを提供し、第一のペインをポリマー製本体の第一のペイン接触表面及び補強プロファイル材の第一の側表面に取り付け；かつ第二のペインをポリマー製本体の第二のペイン接触表面及び補強プロファイル材の第二の側表面に取り付け、このペインアセンブリをプレスして、遮断グレージングを形成する、方法をさらに含む。

第一のペイン及び第二のペインは、スペーサーに逐次的に又は同時に取り付けることができる。ペインは、好ましくは、一次封止剤を介してペイン接触表面に結合される。補強プロファイル材の側表面において、結合は、好ましくは、この目的に関して記載された接着剤のうちの１つを介して実施される。封止剤及び接着剤は、スペーサーに予め適用しておいてよく、したがってそれと一緒に提供される。この場合、ペインを取り付ける前に、封止剤及び粘着剤ストリップを保護する保護フィルムを除去するだけで済む。代わりに、封止剤は、好ましくは（例えば１ｍｍ～２ｍｍの直径を有する）ストランドとして、ペインを取り付ける前にペイン接触表面に適用される。前、後、又は同時があるが、いずれにせよペインを取り付ける前に、接着剤は補強プロファイル材の側表面に適用される。ペインアセンブリのプレス中に、封止剤及び接着剤は、ペイン接触表面と隣接したペインとの間、及び側表面と隣接したペインとの間の隙間において均一に分配され、隙間の封止をもたらす。代わりに、ペインは、記載されたように、接着テープを介して固定してもよく、本体及び補強プロファイル材は、同じ接着剤で結合してもよい。

好ましくは、ペイン間のグレージング内部は、アセンブリのプレスの前に保護ガスで充填される。

本発明は、建物のグレージング又はファサードグレージングとしての本発明に係る遮断グレージングの使用をさらに含む。

図１ａは、ポリマー製本体５．１と、対向プロファイル材として補強プロファイル材５．２とを含む、本発明に係る遮断グレージングのスペーサー５の概略図を表す。ポリマー製本体５．１は、２つのペイン接触表面７．１及び７．２、グレージング内部表面８、外側表面９、並びにキャビティ１０を含む中空体プロファイル材である。ポリマー製本体５．１は、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）、及びおよそ３５質量％のガラス繊維を含有する。外側表面９は傾斜した形状を有し、ペイン接触表面７．１及び７．２に隣接する外側表面のセクションは、ペイン接触表面７．１及び７．２に対して３０°の角度で傾いている。これは、ガラス繊維強化されたポリマー製本体５．１の安定性を改善する。スペーサー５のグレージング内部表面８は開口部１２を有し、これらは、グレージング内部表面８に沿って一定間隔で周方向に提供され、遮断グレージング内部とキャビティ１０との間のガス交換を可能にする。したがって、内部に存在する任意の湿気は、キャビティ１０へ導入することができる乾燥剤によって吸収することができる。開口部１２は、幅０．２ｍｍ及び長さ２ｍｍのスロットとして実装される。外側表面９を囲み、最大でペイン接触表面７．１及び７．２のサブ領域まで突き出るバリアフィルム１４は、ポリマー製本体５．１の外側表面９に取り付けられる。補強プロファイル材５．２は、バリアフィルム１４を備えるポリマー製本体５．１の外側表面９に適用される。このようにして、バリアフィルム１４は、輸送及び設置中の損傷から保護される。ポリマー製本体５．１、バリアフィルム１４、及び補強プロファイル材５．２は、共押し出しされるが、代わりに、結合することもできる。補強プロファイル材５．２は、バリアフィルム１４に物質的に結合される内面１５と、内面１５の反対側に配置される外面１６とを有する。ペイン接触表面７．１及び７．２と平行に延在する補強プロファイル材５．２の側表面１７．１及び１７．２は、外面１６及び外側表面９の表面中心の方向で、ペイン接触表面７．１及び７．２に対して横方向に後退している。遮断グレージングに作用する機械的負荷は、補強プロファイル材５．２によって効果的に吸収される。補強プロファイル材５．２は、外側表面９の表面中心の方向で、最も近いペイン接触表面７．１及び７．２に対してそれぞれ０．５ｍｍだけ側表面１７．１及び１７．２において後退している。補強プロファイル材５．２は、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）及びおよそ４０質量％のガラス繊維で製造されており、１．０ｍｍの肉厚、すなわち厚さを有する。補強プロファイル材５．２の高さは４．０ｍｍである。補強プロファイル材５．２は、ポリマー製本体５．１に対する対向プロファイル材として実装されるため、本体５．１の外側表面９が傾斜した領域において、これらの領域は、補強プロファイル材５．２によって充填される。したがって、望ましくないキャビティは、本体５．１及び補強プロファイル材５．２の間の移行部に残らない。ペイン接触表面７．１及び７．２に隣接するポリマー製本体５．１の外側表面９のセクションの傾斜した設計は、それと一致する補強プロファイル材５．２のセクションをもたらす。これらのセクションにおいて、補強プロファイル材５．２の内面１５は、本体５．１に向けて、対応する３０°の量で傾けられる。したがって、補強プロファイル材５．２の対応する領域は、三角形の外形を有する突部５．３で実装され、中実材料として、又はキャビティを含む図１ａで表されるようなものとして、設計することができる。補強プロファイル材５．２のこの領域中のキャビティは、軽量化をもたらす。

図１ｂは、図１ａに係るスペーサー５を含む本発明に係る遮断グレージングを表す。ポリマー製本体５．１及び補強プロファイル材５．２を含む本発明に係るスペーサー５は、封止剤４を介して第一のペイン１と第二のペイン２との間に周方向に取り付けられる。スペーサー５のグレージング内部表面８に隣接したグレージング内部３は、ペイン１、２及びスペーサー５によって区切られたスペースとして定義される。スペーサー５の外側表面９に隣接した外側のペイン間スペース１３は、グレージングのストリップ状の周辺のセクションであり、これは、一方の側が各々２つのペイン１及び２によって、もう一方の側がスペーサー５によって区切られており、その４番目の端部は開いている。グレージング内部３は、アルゴンで充填される。キャビティ１０は、乾燥剤１１で充填される。モレキュラーシーブが乾燥剤１１として用いられる。封止剤４は、スペーサー５のペイン接触表面７．１及び７．２をペイン１及び２にそれぞれ結合する。封止剤４は、グレージング内部３をガス及び水の通過に対して封止する働きをする一次封止剤である。ポリイソブチレンは、ペイン接触表面７．１及び７．２と、隣接するペイン１及び２との間の封止剤４としてそれぞれ導入され、ペイン１又は２と、スペーサー５との間の隙間を封止する。補強プロファイル材５．２の側表面１７．１及び１７．２は、接着剤６を介して遮断グレージング２０の隣接するペイン１及び２に結合される。用いられる接着剤６は、例えば、ポリアクリレート接着剤を含む接着テープ、又は液体接着剤として用いられる二成分シリコーン接着剤である。これらの接着剤は、補強プロファイル材５．２による機械的負荷の良好な吸収を促進する。補強プロファイル材５．２を有するスペーサー５を用いる場合、外側のペイン間スペース１３におけるさらなる外側のシールを完全に省くことができる。先行技術に従って用いられるそのような外側のシールは、通常、およそ３ｍｍ～５ｍｍの厚さで外側のペイン間スペースへ導入される。補強プロファイル材５．２はわずか１．０ｍｍの肉厚を有するため、外部封止を含む先行技術において知られている構成と比較して、グレージングの端部領域をより狭く設計することができる。その結果として、遮断グレージング２０の透視領域は拡大する。さらに、補強プロファイル材５．２は、端部シールの熱伝達係数の低減に、そのより低い高さのために寄与する。加えて、本発明に係る補強プロファイル材５．２に好ましい材料は、通常用いられる外部シールより低い熱伝導を有する。したがって、遮断グレージング２０の熱伝導率は、先行技術と比較して改善することができる。スペーサー５の補強プロファイル材５．２は、第一のペイン１及び第二のペイン２のペイン端部で実質的に同一面で終端する。本発明に係るスペーサー５は、用いるのが容易である。なぜならば、スペーサー５の組み立ては、用いられる工具及び装置の変更なしで実施することができるため、製造を変換する際に投資を行う必要がないからである。

図２は、対向プロファイル材として補強プロファイル材を含む本発明に係る遮断グレージングの別の実施態様を表す。別段の記載がない限り、図２の遮断グレージングは図１ｂの遮断グレージング２０に対応し、それとの違いにおいて、補強プロファイル材５．２は追加の脚部５．４を有し、これらは、本体５．１のペイン接触表面７．１及び７．２までずっと延在する。脚部５．４は、それぞれ、グレージング内部３に最も近い突部５．３の点で補強プロファイル材５．２に取り付けられ、そこから出発して、グレージング内部３の方向に、ペイン接触表面７．１及び７．２と平行に延在する。補強プロファイル材５．２の肉厚は、本体５．１のグレージング内部表面８と平行な補強プロファイル材のセクションにおいて１．０ｍｍである。補強プロファイル材５．２の脚部５．４の肉厚は０．５ｍｍである。ポリマー製本体５．１は、ペイン接触表面７．１及び７．２上にへこみ１９を有し、そこに補強プロファイル材５．２が挿入される。バリアフィルム１４は、外側表面９及びペイン接触表面７．１、７．２上のその経路においてへこみ１９に追従する。ポリマー製本体５．１の肉厚は１．０ｍｍである。これは、脚部５．４が載るペイン接触表面７．１、７．２の領域にも当てはまり、補強プロファイル材５．２によって覆われていないペイン接触表面７．１、７．２の領域において、肉厚は１．５ｍｍである。補強プロファイル材５．２の高さは合計で６．０ｍｍであり、そのうちの２．０ｍｍは脚部５．４の高さによって占められる。図２に係る補強プロファイル材５．４は、遮断グレージング２０の端部領域の安定性をさらに改善し、ポリマー製本体５．１上の補強プロファイル材５．２の位置決めを容易にする。

図３は、図１ｂの遮断グレージングを表し、そこで記載される特徴に加えて、補強プロファイル材５．２の外面１６上で、均圧体１８が、外面１６と実質的に同一面で挿入される。均圧体１８は、外面１６から補強プロファイル材５．２を通り、本体５．１の外側表面９を通過して延在し、本体５．１のキャビティ１０中へ延在する。均圧体１８は、封止剤４によって、補強プロファイル材５．２の外面１６に結合され、封止される。均圧体１８は、グレージング内部３と周囲との間の均圧を可能にする。これは、製造現場とグレージングの設置場所との間の圧力差を補償し、気候負荷を低減することを可能にする。周囲及びグレージング内部間のガスの通過は、均圧体１８内に配置された、キャピラリー１８．１及びメンブレン１８．２を介して起こる。キャピラリー１８．１は、２つのセクション、すなわち、周囲に面するキャピラリーセクション、及びグレージング内部に面するキャピラリーセクションに分割される。メンブレン１８．２は、２つのキャピラリーセクションの間に挿入される。キャピラリー１８．１及びメンブレン１８．２の組み合わせは、空気の流れの特に効果的な制御を生じさせ、水分の通過を低減する。グレージングに入る空気は、最初にキャビティ１０へ導かれ、そこに配置された乾燥剤１１が、入ってくる空気中の任意の残留水分を吸収する。したがって、除湿された空気が、グレージング内部表面８における開口部を通ってグレージング内部３に入る。均圧体１８がスペーサー５の補強プロファイル材５．２に既に統合されているため、均圧体を据え付けるための遮断グレージング製造業者側のすべての追加の製造ステップは省かれる。

図４は、補強プロファイル材５．２として平坦なプロファイル材と、傾斜した外側表面を有する本体５．１とを含む本発明に係る遮断グレージング２０の別の実施態様を表す。遮断グレージング２０は、図１ｂの遮断グレージングに実質的に対応し、それとは対照的に、補強プロファイル材５．２は、２ｍｍの肉厚を有する平坦なプロファイル材として実装される。この実施態様は、主として補強プロファイル材５．２の簡易な製造の点で有利である。しかし、スペーサー５をペイン１及び２に結合する際に、補強プロファイル材５．２の内面１５と、外側表面９の傾斜した領域との間に位置する容積を接着剤６及び／又は封止剤４で充填するように注意する必要がある。この実施態様は、液体の形態で用いることができる接着剤の使用に特に適している。有利には、図１ｂにおいて用いた接着剤を用いることができる。代わりに、外部封止のために先行技術において用いられる材料、例えば、ポリスルフィドも用いることができる。これは、プラント技術の大幅な変更をしなくても、補強プロファイル材を有するスペーサーを用いる可能性を遮断グレージング製造業者に提供するために有利である。

図５は、本発明に係る遮断グレージング２０の実施態様を表し、これは、図４の遮断グレージングに実質的に対応し、対照的に、本体５．１の外側表面９は傾斜した領域を含まず、補強プロファイル材５．２は、平坦なプロファイル材として実装される。グレージング内部表面８、外側表面９、内面１５、及び外面１６は、実質的に互いに平行に延在する。図５のスペーサー５を、補強プロファイル材５．２として平坦なプロファイル材を用いることによって製造することは簡単である。さらに、図４の実施態様と比較して、ペイン１及び２への簡易化された結合が可能になる。

図６は、Ｕ字型の補強プロファイル材５．２を含む本発明に係る遮断グレージング２０の実施態様を記載する。図６の遮断グレージング２０は、図５の遮断グレージングに実質的に対応し、対照的に、補強プロファイル材５．２は、２つの追加の脚部５．４を含み、それらは、グレージング内部表面８の方向に、補強プロファイル材５．２の内面１５から出発し、ペイン接触表面７．１及び７．２のサブ領域を囲んで延在する。補強プロファイル材は、１．０ｍｍの肉厚を有し、それは、脚部５．４の領域にも存在する。補強プロファイル材５．２の高さは４．０ｍｍである。ポリマー製本体５．１は、図２で表された実施態様と類似して、へこみ１９を有し、そこに補強プロファイル材５．２が挿入される。脚部５．４は、補強プロファイル材５．２に改善された安定性を与える。

図７は、Ｕ字型の補強プロファイル材５．２と、平坦な外側表面を有する本体５．１とを含む本発明に係る遮断グレージング２０の実施態様を表し、補強プロファイル材５．２の脚部５．４は、外側のペイン間スペース１３の方向を指す。補強プロファイル材は、１．０ｍｍの肉厚を有し、それは、脚部５．４の領域にも存在する。補強プロファイル材５．２の高さは２．０ｍｍである。脚部５．４は、補強プロファイル材５．２に改善された安定性を与える。Ｕ字型の補強プロファイル材５．２が本体５．１を取り囲んでいないという事実のために、へこみ１９は省くことができる。補強プロファイル材５．２は、ペイン接触表面７．１及び７．２に対して、それぞれ０．５ｍｍだけ横方向に後退している。さらに、図７の実施態様は図５の遮断グレージング２０に対応する。

別の可能な実施態様において、図６及び７の実施態様は組み合わされ、ダブルＴ字型のプロファイル材の形態の補強プロファイル材５．２を生み出す。これは、４つの脚部５．４を有し、２つの脚部５．４は、（図６と類似の）ポリマー製本体５．１のへこみ１９に係合し、２つの脚部５．４は、（図７と類似の）外側のペイン間スペース１３の方向に向けられる。そのような補強プロファイル材は、改善された安定性及び拡大した結合表面を有する。

図１～７に表されたすべての実施態様において、本体５．１及び補強プロファイル材５．２は、任意選択的に、共押し出ししてもよく、互いに結合してもよい。図１～７に表されたバリアフィルム１４は任意選択に過ぎない。特に、図５～７において、ポリマー製本体５．１及び／又は補強プロファイル材５．２の角は、丸くすることができる。

参照番号のリスト
１ 第一のペイン
２ 第二のペイン
３ グレージング内部
４ 封止剤
５ スペーサー
５．１ ポリマー製本体
５．２ 補強プロファイル材
５．３ 補強プロファイル材の突部
５．４ 補強プロファイル材の脚部
６ 接着剤
７ ペイン接触表面
７．１ 第一のペイン接触表面
７．２ 第二のペイン接触表面
８ グレージング内部表面
９ 外側表面
１０ キャビティ
１１ 乾燥剤
１２ 開口部
１３ 外側のペイン間スペース
１４ バリアフィルム
１５ 補強プロファイル材５．２の内面
１６ 補強プロファイル材５．２の外面
１７ 補強プロファイル材５．２の側表面
１７．１ 補強プロファイル材５．２の第一の側表面
１７．２ 補強プロファイル材５．２の第二の側表面
１８ 均圧体
１８．１ キャピラリー
１８．２ メンブレン
１９ ポリマー製本体５．１のへこみ
２０ 遮断グレージング

Claims (13)

1. 少なくとも、第一のペイン（１）と、第二のペイン（２）と、これらのペインを取り囲む周囲スペーサー（５）と、ポリマー製本体（５．１）のグレージング内部表面（８）に隣接するグレージング内部（３）と、前記ポリマー製本体（５．１）の外側表面（９）に隣接する外側のペイン間スペース（１３）と、を含む遮断グレージング（２０）であって、
   － 前記第一のペイン（１）は、前記スペーサー（５）の、第一のペイン接触表面（７．１）及び第一の側表面（１７．１）に取り付けられており、
   － 前記第二のペイン（２）は、前記スペーサー（５）の、第二のペイン接触表面（７．２）及び第二の側表面（１７．２）に取り付けられており、
   － 前記スペーサー（５）は、２つの前記ペイン接触表面（７．１，７．２）、前記グレージング内部表面（８）、及び前記外側表面（９）を含む少なくとも１つの前記ポリマー製本体（５．１）と、内面（１５）、外面（１６）、及び２つの側表面（１７）を含む補強プロファイル材（５．２）とを含み、
   － 前記補強プロファイル材（５．２）の前記内面（１５）は、少なくとも幾つかのセクションにおいて前記ポリマー製本体（５．１）の前記外側表面（９）に物質的に連結されており、前記補強プロファイル材（５．２）の幅は、前記ポリマー製本体（５．１）の幅以下であり、
   － 外側のシールは、前記外側のペイン間スペース（１３）に導入されておらず、前記補強プロファイル材（５．２）の前記外面（１６）は、前記遮断グレージング（２０）の、周囲に面する露出表面である、遮断グレージング（２０）。
2. 前記補強プロファイル材（５．２）が、少なくとも幾つかのセクションにおいて、接着剤（６）及び／又は封止剤（４）によって前記ポリマー製本体（５．１）に物質的に連結されている、請求項１に記載の遮断グレージング（２０）。
3. 前記補強プロファイル材（５．２）は、前記ポリマー製本体（５．１）と共に共押し出しされたものである、請求項１又は２に記載の遮断グレージング（２０）。
4. 前記補強プロファイル材（５．２）が対向プロファイル材の形態で実装されており、その形状が、前記ポリマー製本体（５．１）の前記外側表面（９）に適合されている、請求項１～３のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
5. 前記ポリマー製本体（５．１）の前記外側表面（９）のうち、前記ペイン接触表面（７．１，７．２）に隣接する少なくとも１つのセクションが、前記ペイン接触表面（７．１，７．２）の方向に、前記外側表面（９）に対して２０°～７０°の角度で傾いており、前記補強プロファイル材（５．２）が対向プロファイル材として実装されており、その内面（１５）が、前記ポリマー製本体（５．１）の前記外側表面（９）への同一面での接続を可能にし、その外面（１６）が、前記グレージング内部表面（８）と実質的に平行に延在する、請求項１～４のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
6. 前記補強プロファイル材（５．２）が、前記外側表面（９）の表面中心の方向で、前記ポリマー製本体（５．１）の前記ペイン接触表面（７．１，７．２）に対して後退しており、前記第一のペイン接触表面（７．１）及び／又は前記第二のペイン接触表面（７．２）に対して、それぞれ０．０ｍｍ～１．５ｍｍ、好ましくはそれぞれ０．３ｍｍ～１．２ｍｍ後退している、請求項１～５のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
7. 前記補強プロファイル材（５．２）の肉厚が、０．５ｍｍ～５．０ｍｍ、好ましくは０．５ｍｍ～２ｍｍ、特に好ましくは０．７ｍｍ～１．５ｍｍである、請求項１～６のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
8. 前記ポリマー製本体（５．１）が、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリニトリル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、好ましくはポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、アクリロニトリルスチレンアクリルエステル（ＡＳＡ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン／ポリカーボネート（ＡＢＳ／ＰＣ）、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）、ＰＥＴ／ＰＣ、ＰＢＴ／ＰＣ、及び／又はこれらのコポリマー若しくは混合物を含有する、請求項１～７のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
9. 前記補強プロファイル材（５．２）が、プラスチック及び／又は金属を含み、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、スチレンアクリロニトリル（ＳＡＮ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）、アクリロニトリルスチレンアクリルエステル（ＡＳＡ）、アクリロニトリルブタジエンスチレン／ポリカーボネート（ＡＢＳ／ＰＣ）、スチレンアクリロニトリル／ポリカーボネート（ＳＡＮ／ＰＣ）、及び／又はこれらのコポリマー若しくは混合物、アルミニウム、及び／又はステンレス鋼を含む、請求項１～８のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
10. バリアフィルム（１４）、好ましくは、１つ又はそれより多くのポリマーの層、金属の層、及び／又はセラミックスの層を含むバリアフィルム（１４）、特に好ましくは、金属の層及び／又はセラミックスの層と交互に配置された複数のポリマーの層を含むバリアフィルム（１４）が、前記ポリマー製本体（５．１）の前記外側表面（９）に取り付けられている、請求項１～９のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
11. 封止剤（４）、好ましくは、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリエチレンビニルアルコール、エチレン酢酸ビニル、ポリオレフィンゴム、これらのコポリマー及び／又は混合物が、前記第一のペイン接触表面（７．１）と前記第一のペイン（１）との間、及び／又は前記第二のペイン接触表面（７．２）と前記第二のペイン（２）との間に取り付けられており、かつ、接着剤（６）、好ましくはアクリレート接着剤及び／又はポリウレタン接着剤が、前記第一の側表面（１７．１）と前記第一のペイン（１）との間、及び／又は前記第二の側表面（１７．２）と前記第二のペイン（２）との間に取り付けられている、請求項１～１０のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）。
12. 少なくとも、
    ａ）スペーサー（５）を提供するステップと、
    ｂ）第一のペイン（１）を前記ポリマー製本体（５．１）の前記第一のペイン接触表面（７．１）、及び前記補強プロファイル材（５．２）の前記第一の側表面（１７．１）に取り付け、かつ
    第二のペイン（２）を前記ポリマー製本体（５．２）の前記第二のペイン接触表面（７．２）、及び前記補強プロファイル材（５．２）の前記第二の側表面（１７．２）に取り付けるステップと、
    ｃ）このペインアセンブリをプレスして、遮断グレージング（２０）を形成するステップと、
    を含む、請求項１～１１のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）の製造方法。
13. 建物のグレージング又はファサードグレージングとしての請求項１～１１のいずれか一項に記載の遮断グレージング（２０）の使用。

Images